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技術 液体クロマトグラフ分析方法及び液体クロマトグラフ分析装置

出願人 株式会社日立ハイテクサイエンス
発明者 橋本誠松下美由紀柳田顕郎森川剛深海和人
出願日 2018年9月28日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-183188
公開日 2020年4月2日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-051960
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 クロマトグラフィによる材料の調査、分析
主要キーワード 平衡化条件 コンディショニング条件 タイムウィンドウ 液体クロマトグラフ分析装置 最適波長 吸着ステップ 活性化ステップ 充填型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年4月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフにより正確、簡便かつ短時間で測定できるようにした液体クロマトグラフ分析方法及び液体クロマトグラフ分析装置を提供する。

解決手段

測定試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフで定量する液体クロマトグラフ分析方法であって、複数の成分から個々の成分を単離する前処理工程と、複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときの溶出時間をT0としたとき、単離した個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間で、かつ個々の成分の溶出時間の差が±10%以内で、液体クロマトグラフで定量できるよう、各成分の液体クロマトグラフの測定条件を調整して定量を行う定量工程と、を有する。

概要

背景

薬物治療現場において、投薬した薬物の血中濃度を測定する薬物治療モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring;TDM)の実施は、治療効果副作用発現の予防に重要と考えられている。
TDMにおいては、患者ごとに投与されている薬物が事前に明確であるため、その薬物を測定対象として、効率よく迅速に定量分析することが要求される。

そして、従来、薬物の血中濃度は、対象薬物の抗体を利用した免疫化学法、イムノアッセイ法等を使用して定量されていた。
これらの方法では抗体と専用試薬が必要であり、専門知識を要すると共に、抗体を用いるために標的の対象薬物とは別の物質との交差反応が起こる場合があるため定量精度が十分でない場合がある。

そこで、液体クロマトグラフにより血中の薬物濃度の定量を行う方法がある。この際、前処理を行って測定に不要な成分を除去し、必要な成分を抽出する技術が知られている(特許文献1)。

概要

試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフにより正確、簡便かつ短時間で測定できるようにした液体クロマトグラフ分析方法及び液体クロマトグラフ分析装置を提供する。測定試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフで定量する液体クロマトグラフ分析方法であって、複数の成分から個々の成分を単離する前処理工程と、複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときの溶出時間をT0としたとき、単離した個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間で、かつ個々の成分の溶出時間の差が±10%以内で、液体クロマトグラフで定量できるよう、各成分の液体クロマトグラフの測定条件を調整して定量を行う定量工程と、を有する。

目的

本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフにより正確、簡便かつ短時間で測定できるようにした液体クロマトグラフ分析方法及び液体クロマトグラフ分析装置の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

測定試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフで定量する液体クロマトグラフ分析方法であって、前記複数の成分から個々の成分を単離する前処理工程と、前記複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときの溶出時間をT0としたとき、単離した前記個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間で、かつ前記個々の成分の溶出時間の差が±10%以内で、前記液体クロマトグラフで定量できるよう、成分毎の前記液体クロマトグラフの測定条件を調整して定量を行う定量工程と、を有することを特徴とする液体クロマトグラフ分析方法。

請求項2

前記測定条件において、分離カラム移動相を同一とする請求項1に記載の液体クロマトグラフ分析方法。

請求項3

前記移動相は、2種類以上の溶離液を含み、前記成分毎に各溶離液の混合比を変える請求項1又は2に記載の液体クロマトグラフ分析方法。

請求項4

前記各成分の前記溶出時間が所定の閾値を超えた場合に、分析が異常であると判定する異常判定工程をさらに有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体クロマトグラフ分析方法。

請求項5

前記複数の成分は、血中の薬物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体クロマトグラフ分析方法。

請求項6

測定試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフで定量する液体クロマトグラフ分析装置であって、前記複数の成分から前処理により個々の成分が単離された状態で、前記複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときの溶出時間をT0としたとき、単離した前記個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間T1でかつ前記個々の成分の前記溶出時間T1の差が±10%以内で、前記液体クロマトグラフで定量できるよう、各成分の前記液体クロマトグラフの測定条件を記憶する測定条件記憶手段と、前記測定条件を参照し、前記各成分に前記液体クロマトグラフで定量を行う定量手段と、を有することを特徴とする液体クロマトグラフ分析装置。

請求項7

前記測定条件において、分離カラムと移動相を同一とする請求項6に記載の液体クロマトグラフ分析装置。

請求項8

前記移動相は、2種類以上の溶離液を含み、前記各成分に各溶離液の混合比を変える請求項7に記載の液体クロマトグラフ分析装置。

請求項9

前記各成分の前記溶出時間T1が所定の閾値Ttを超えた場合に、分析が異常であると判定する異常判定手段をさらに有する請求項6〜8のいずれか一項に記載の液体クロマトグラフ分析装置。

請求項10

前記複数の成分は、血中の薬物である請求項6〜9のいずれか一項に記載の液体クロマトグラフ分析装置。

技術分野

背景技術

0002

薬物治療現場において、投薬した薬物の血中濃度を測定する薬物治療モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring;TDM)の実施は、治療効果副作用発現の予防に重要と考えられている。
TDMにおいては、患者ごとに投与されている薬物が事前に明確であるため、その薬物を測定対象として、効率よく迅速に定量分析することが要求される。

0003

そして、従来、薬物の血中濃度は、対象薬物の抗体を利用した免疫化学法、イムノアッセイ法等を使用して定量されていた。
これらの方法では抗体と専用試薬が必要であり、専門知識を要すると共に、抗体を用いるために標的の対象薬物とは別の物質との交差反応が起こる場合があるため定量精度が十分でない場合がある。

0004

そこで、液体クロマトグラフにより血中の薬物濃度の定量を行う方法がある。この際、前処理を行って測定に不要な成分を除去し、必要な成分を抽出する技術が知られている(特許文献1)。

先行技術

0005

特許第6264465号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、液体クロマトグラフ分析においては、前処理条件分離カラム移動相等の測定条件を適切に設定する必要がある。又、測定対象の薬物の種類や測定条件によっても溶出時間が異なるため、薬物ごとに一回の測定に要する時間も異なり、作業待ち等が生じて作業効率が低下するという問題がある。
一方、例えば上記TDMにおいては、患者ごとに投与されている薬物が事前に明確であるため、その薬物を測定対象として、効率よく迅速に定量分析ができることが要求される。試料全血血清であり、複雑な試料中マトリクスを含んでいるため、分析の際には対象成分を単一のピークとして得ることができれば、より効率的と考えられる。

0007

そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフにより正確、簡便かつ短時間で測定できるようにした液体クロマトグラフ分析方法及び液体クロマトグラフ分析装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の目的を達成するために、本発明の液体クロマトグラフ分析方法は、測定試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフで定量する液体クロマトグラフ分析方法であって、前記複数の成分から個々の成分を単離する前処理工程と、前記複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときの溶出時間をT0としたとき、単離した前記個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間で、かつ前記個々の成分の溶出時間の差が±10%以内で、前記液体クロマトグラフで定量できるよう、各成分の前記液体クロマトグラフの測定条件を調整して定量を行う定量工程と、を有することを特徴とする。

0009

この液体クロマトグラフ分析方法によれば、個々の成分の溶出時間T1の範囲が±10%以内となるように測定条件を調整することで、複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときに比べ、測定時間を短くできると共に、各成分の測定時間がほぼ類似したものとなるので、特定の成分の分析の待ち時間が長くならず、迅速に測定でき、測定終了の目途やスケジュールを立て易くなる。又、各成分が単一ピークとなるので、同定するタイムウィンドウを固定でき、ピーク面積や溶出時間の再現性が向上して定量精度が向上すると共に、ピークの分離度が安定する。
又、各成分の溶出時間T1が類似したものとなるので、測定条件が大きく異なることがなく、定量精度が向上する。
さらに、各成分の溶出時間T1が±10%以内で類似すると、分析時間がほぼ一定となるので、試料への分析影響も一定となり、測定上のトラブルがあったときに原因を解析し易い。また、各成分の溶出時間T1が±10%以内で類似すると、内部標準として添加する化合物を選択しやすい。
又、複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで測定する場合は、単一波長で測定せざるを得ず、各成分に対する最適な波長とならずに検出感度が低下する場合がある。そこで、予め個々の成分を単離し、各成分に最適な条件(最適波長、最適な移動相組成等)を調整すれば、検出感度が向上する。

0010

前記測定条件において、分離カラムと移動相を同一としてもよい。
この液体クロマトグラフ分析方法によれば、各成分に分離カラムや移動相を変える必要がなく、1つの液体クロマトグラフ分析装置で各成分の測定をし易くなる。又、各成分の測定を自動化できる。

0011

前記移動相は、2種類以上の溶離液を含み、前記各成分について各溶離液の混合比を変えてもよい。
この液体クロマトグラフ分析方法によれば、移動相を溶離液の入った瓶ごと物理的に取り替える必要がなく、各成分について混合機ミキサー)を制御して溶離液の混合比を変えればよく、1つの液体クロマトグラフ分析装置で各成分の測定をし易くなる。又、各成分の測定を自動化できる。

0012

前記各成分の前記溶出時間が所定の閾値を超えた場合に、分析が異常であると判定する異常判定工程をさらに有してもよい。
溶出時間T1は、予備実験によりどの程度の範囲になるかがわかっており、T1が閾値を超えた場合には、液体クロマトグラフ分析装置に何等かの不具合が生じたとみなすことができ、異常をユーザに報知できる。
前記複数の成分は、血中の薬物であってもよい。

0013

本発明の液体クロマトグラフ分析装置は、測定試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフで定量する液体クロマトグラフ分析装置であって、前記複数の成分から前処理により個々の成分が単離された状態で、前記複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときの溶出時間をT0としたとき、単離した前記個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間T1でかつ前記個々の成分の前記溶出時間T1の差が±10%以内で、前記液体クロマトグラフで定量できるよう、各成分の前記液体クロマトグラフの測定条件を記憶する測定条件記憶手段と、前記測定条件を参照し、前記各成分について前記液体クロマトグラフで定量を行う定量手段と、を有することを特徴とする。

0014

本発明の液体クロマトグラフ分析装置の前記測定条件において、分離カラムと移動相を同一としてもよい。

0015

本発明の液体クロマトグラフ分析装置において、前記移動相は、2種類以上の溶離液を含み、前記各成分について各溶離液の混合比を変えてもよい。

0016

本発明の液体クロマトグラフ分析装置において、前記各成分の前記溶出時間T1が所定の閾値Ttを超えた場合に、分析が異常であると判定する異常判定手段をさらに有してもよい。

0017

本発明の液体クロマトグラフ分析装置において、前記複数の成分は、血中の薬物であってもよい。

発明の効果

0018

本発明によれば、試料に含まれる複数の成分を液体クロマトグラフにより正確、簡便かつ短時間で測定できる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態に係る液体クロマトグラフ分析装置の構成を示す図である。
測定試料である血液に含まれる6つの成分を混在したまま、一回の液体クロマトグラフで各成分を分離して定量したときのクロマトグラムを示す図である。
単離したカルバマゼピンのクロマトグラムを示す図である。
単離したラモトリギンのクロマトグラムを示す図である。
単離したキニジンのクロマトグラムを示す図である。
単離したボリコナゾールのクロマトグラムを示す図である。
単離したイマチニブのクロマトグラムを示す図である。
単離したジソピラミドのクロマトグラムを示す図である。
記憶部に記憶された、各成分の溶出時間T1の例、前処理条件及び測定条件をに示す図である。

実施例

0020

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液体クロマトグラフ分析装置100の構成を示す図である。
液体クロマトグラフ分析装置100は、全体を制御するデータ処理装置(制御部)10、2種類の移動相3,4、移動相3,4をそれぞれ送液するポンプ1、2、各移動相3,4の組成を100:0〜0:100(%)の範囲で混合するミキサー5、試料を注入するオートサンプラ6、成分を分離する分離カラム7、分離カラム7を恒温にするカラムオーブン8、分離された成分を検出する検出器9、廃液瓶11を備える。
データ処理装置10は、分析を実行し分析結果を解析する制御部(CPU)、分析結果または解析結果を保存する記憶部(ハードディスク等)10a、分析結果や解析結果を表示する表示部(モニタ)を有するコンピュータから構成される。
データ処理装置10が、特許請求の範囲の「定量手段」、「異常判定手段」に相当する。記憶部10aが、特許請求の範囲の「測定条件記憶手段」に相当する。

0021

又、オートサンプラ6は、多数の検体を設置可能なラック6aを備え、ラック6aの個々の検体ごとの保持部には回収容器21をセット可能になっている。回収容器21の上方には測定試料に含まれる複数の成分から個々の成分を単離するための固相フィルタ20が配置される。
そして、特定の固相フィルタ20にて、目的とする個々の成分を吸着し、かつ夾雑成分を除去し、固相フィルタ20に吸着した目的成分を所定の溶出用溶液で溶出し、回収容器21に回収して単離する前処理を実施する。前処理によって単離された成分は、そのままラック6aから直ちにオートサンプラ6に導入され、測定に供される。
固相フィルタ20及び溶出液は、単離する成分に応じて選択される。なお、分析する際は固相フィルタ20は回収容器21から取り外して使用する。

0022

前処理の具体例としては、溶出液としてアセトニトリルを用いる場合、初めに、アセトニトリルを固相フィルタ20(回収容器21を装着済)に添加して、卓上遠心機等を用いて回収容器21ごと固相フィルタ20を遠心して、添加した溶液を固相フィルタ20内に通過させる(活性化ステップ)。
次に、蒸留水または精製水など夾雑成分が極力含まない水を同様に固相フィルタ20に添加して、回収容器21ごと固相フィルタ20を遠心し、残留したアセトニトリルを固相フィルタ20から除去する。この状態の固相フィルタ20に測定試料を入れる。この操作により、固相フィルタ20に測定試料中の特定の成分を吸着させる(吸着ステップ)。
固相フィルタ20を再度遠心後、通過した液(血清)は廃棄し、固相フィルタ20には蒸留水または精製水などを添加して、再度遠心操作をおこない洗浄する(洗浄ステップ)。
次に、固相フィルタに吸着した成分を溶出させて単離するために、溶出液としてアセトニトリル水溶液を固相フィルタ20に添加し、固相フィルタ20に遠心操作をおこなって目的成分を溶出させ、目的成分の含まれた溶液を回収する(溶出ステップ)。
なお、回収容器21をそのままオートサンプラ6のラック6aにセットしてもよいし、回収容器21に回収した測定試料を、別の試料溶液を保持する容器(いわゆるサンプルバイアル)に移して使用してもよい。

0023

検出器9は信号強度を検出する素子を複数持ち、時間に対する信号強度を複数波長において同時に取得可能な3次元検出器である。
上記したように、測定試料に含まれる複数の成分は予め前処理されて個々の成分に単離された状態になっている。単離した個々の成分をそれぞれ含む前処理後溶液は、それぞれ別個にオートサンプラ6のインジェクタ(図示せず)から注入され、ポンプ1、2から送液される移動相3,4の混合液とともに分離カラム7を通過し、個々の成分(単一の成分)が分離カラム7で展開される。この点で、分離カラム7は、通常のHPLC分析における試料中の複数の成分を各ピークに分離することを主目的としていない。
個々の成分は、検出器9で検出される。検出器9の信号はデータ処理装置10に送られてデータ処理が行われる。

0024

ここで、本実施形態では、移動相3、4は2種類の溶離液であり、ミキサー5による移動相3,4の混合比は、単離する成分ごとに決められており、測定する単離成分を指定すれば、自動的に混合比を含む測定条件、および測定前の平衡化条件カラム平衡化、安定化の条件(コンディショニング条件))が呼び出され、平衡化、測定の順に実行される。

0025

分離カラム7は、移動相中に存在する試料の成分を分離する分離部として一般的に使用される装置を使用できる。分離カラム7としては、充填型分離カラムやモノリス分離カラム等があるが、モノリス分離カラムが好ましい。分離カラム7の分離カラム充填剤としては、吸着型分配型、イオン交換型等の種々のタイプのものを使用することができる。分離カラム7を恒温に保ち、再現性よく試料の分離ができるように、分離カラム7は、カラムオーブン8内に設置されていることが望ましい。

0026

次に、この液体クロマトグラフ分析装置100を用いた液体クロマトグラフ分析方法の一例について説明する。本例では、測定試料は血清であり、複数の成分は血中の薬物であって、薬物の血中濃度を定量する。具体的には、複数の成分はカルバマゼピン、ラモトリギン、ジソピラミド、キニジン、ボリコナゾール、イマチニブの6つとする。
図2は、測定試料である血液に含まれる上記した6つの成分を混在したまま、一回の液体クロマトグラフで各成分を分離して定量したときのクロマトグラムである。このクロマトグラムの6つの成分が溶出し終わる溶出時間T0は約10分である。

0027

ここで、本発明は、単離した個々の成分毎に、それぞれT0未満の溶出時間で、かつ個々の成分の溶出時間の差が±10%以内で液体クロマトグラフにより定量できるよう、各成分の液体クロマトグラフの測定条件を調整して定量を行う。
図3図8に、単離したそれぞれカルバマゼピン、ラモトリギン、キニジン、ボリコナゾール、イマチニブ、ジソピラミドのクロマトグラムを示す。
又、各成分の溶出時間T1の例、前処理条件及び測定条件を図9に示す。
なお、図9の「移動相(溶離液)の混合比」は、移動相3,4の混合比(体積比に相当)であり、移動相3はアセトニトリル、移動相4は10 mM酢酸アンモニウム緩衝液である。従って、例えば図9の40:60は、移動相3が40%、移動相4が60%の混合溶液を移動相としたことを示す。
又、各成分は同一の分離カラムを用いた。

0028

このように、測定試料に含まれる複数の成分を前処理して予め個々の成分を単離し、単離した各成分につき、それぞれT0未満の溶出時間で、かつ個々の成分の溶出時間T1の差が±10%以内となるように測定条件を調整することで、複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで各成分を定量したときに比べ、測定時間を短くできると共に、各成分の測定時間がほぼ類似したものとなるので、特定の成分の分析の待ち時間が長くならず、迅速に測定でき、測定終了の目途やスケジュールを立て易くなる。又、各成分が図3図8のように単一ピークとなるので、同定するタイムウィンドウを固定でき、ピーク面積や溶出時間の再現性が向上して定量精度が向上すると共に、ピークの分離度が安定する。

0029

又、各成分の溶出時間T1が類似したものとなるので、測定条件が大きく異なることがなく、定量精度が向上する。
さらに、各成分の溶出時間T1が±10%以内で類似すると、分析時間がほぼ一定となるので、試料への分析影響も一定となり、測定上のトラブルがあったときに原因を解析し易い。また、各成分の溶出時間T1が±10%以内で類似すると、内部標準として添加する化合物を選択しやすい。

0030

又、複数の成分が混在したまま一回の液体クロマトグラフで測定する場合は、単一波長で測定せざるを得ず、各成分に対する最適な波長とならずに検出感度が低下する場合がある。そこで、予め個々の成分を単離し、各成分に最適な条件(最適波長、最適な移動相組成等)を調整すれば、検出感度が向上する。

0031

好ましくは、個々の成分の溶出時間T1の差が±5%以内であり、より好ましくは、個々の成分の溶出時間T1の差が±3%以内である。

0032

なお、本実施形態の液体クロマトグラフ分析装置100では、図9の各成分について、後述する溶出時間の閾値Tt、前処理条件、測定条件を、データ処理装置10の記憶部10aに記憶している。但し、閾値Ttは、図9の下限と上限との間で所定の値を採用すればよい。
これにより、例えば液体クロマトグラフ分析装置100上でユーザが所定の成分を指定すると、データ処理装置10が記憶部10aを読みだして前処理条件を画面に表示させるので、それをガイドとして、固相フィルタ20及び溶出液をユーザが準備できる。
又、ユーザが所定の成分を指定すると、データ処理装置10が記憶部10aを読みだして測定条件を設定し、自動的に測定することができる。例えば、図9の例では、分離カラム7に移動相3,4を送液する流速、移動相の混合比、検出器9のUV波長をデータ処理装置10が自動的に設定したうえで測定する。

0033

又、本実施形態においては、図9に示すように、測定条件において分離カラムと移動相を同一とする。これにより、成分ごとに分離カラムや移動相を変える必要がなく、1つの液体クロマトグラフ分析装置で各成分の測定をし易くなる。又、各成分の測定を自動化できる。
又、本実施形態においては、図9に示すように、移動相は、2種類以上の溶離液を含み、成分毎に各溶離液の混合比を変える。これにより、移動相をビンごとの物理的に取り替える必要がなく、成分ごとにミキサー5を制御して溶離液の混合比を変えればよく、1つの液体クロマトグラフ分析装置で各成分の測定をし易くなる。又、各成分の測定を自動化できる。

0034

又、データ処理装置10は、各成分の溶出時間T1が所定の閾値Ttを超えた場合に、分析が異常であると判定してもよい。溶出時間T1は、予備実験によりどの程度の範囲になるかがわかっており、T1がTtを超えた場合には、液体クロマトグラフ分析装置100に何等かの不具合が生じたとみなすことができ、異常をユーザに報知できる。
なお、T1とTtの大小関係は、例えば、時間Ttのときのクロマトグラムのピーク高さが所定値以上の場合に、溶出が終わっていないとみなして、T1がTtを超えたと判定すればよい。

0035

なお、図9の前処理条件を、単離した各成分の保持容器バーコード情報として付加し、前処理時にそのバーコードを読み取ると前処理条件が表示されるように設定してもよい。又、前処理終了後に再度読み取って、前処理が正しいかを確認できるようにしてもよい。

0036

さらに、オートサンプラ6のラック6aにおける個々の各成分の位置情報を各成分の保持容器にバーコード情報として付加し、測定時にそのバーコードを読み取ると、各検体がラック6aにおける正しい位置に配置されているかを判定してもよい。
これにより、検体の取り違えや、検体の設置忘れを防止できる。

0037

本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。

0038

3,4移動相
7分離カラム
6検出器
9 制御部
10 記憶部
100 液体クロマトグラフ分析装置

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