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技術 突入電流抑制回路及びエンジンスタート装置

出願人 アルプスアルパイン株式会社
発明者 佐郷徹也稲木一平
出願日 2017年1月23日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2017-009682
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-048240
状態 未査定
技術分野 非常保護回路装置(断路なし) 直流の給配電
主要キーワード 常時開接点 LINバス キーレスエントリー用 直流電流増幅率 グラウンド線 インストルメンタルパネル 突入電流抑制回路 低分子シロキサン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

スイッチのON時に流れる突入電流を抑制する。

解決手段

一実施形態に係る突入電流抑制回路は、第1端子と、定電圧線に接続された第2端子と、制御端子と、を有するトランジスタと、前記制御端子に接続された一端と、前記第2端子に接続された他端と、を有する第1抵抗と、前記制御端子に接続された一端と、他端と、を有する第2抵抗と、前記第1端子に接続された第1接点と、前記第2抵抗の前記他端に接続された第2接点と、前記第1接点及び前記第2接点を接続可能な可動接点と、を有するスイッチと、を備える。

概要

背景

従来、スイッチをオンにすることにより、車両に搭載されたエンジン起動するエンジンスタート装置が知られている。エンジンスタート装置のスイッチとして、固定接点及び可動接点金メッキにより形成されたものが利用されている。このようなスイッチを利用することにより、低い接触圧接触抵抗大)でもスイッチを確実にONにすることができる。

概要

スイッチのON時に流れる突入電流を抑制する。 一実施形態に係る突入電流抑制回路は、第1端子と、定電圧線に接続された第2端子と、制御端子と、を有するトランジスタと、前記制御端子に接続された一端と、前記第2端子に接続された他端と、を有する第1抵抗と、前記制御端子に接続された一端と、他端と、を有する第2抵抗と、前記第1端子に接続された第1接点と、前記第2抵抗の前記他端に接続された第2接点と、前記第1接点及び前記第2接点を接続可能な可動接点と、を有するスイッチと、を備える。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、スイッチのON時に流れる突入電流を抑制することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1端子と、定電圧線に接続された第2端子と、制御端子と、を有するトランジスタと、前記制御端子に接続された一端と、前記第2端子に接続された他端と、を有する第1抵抗と、前記制御端子に接続された一端と、他端と、を有する第2抵抗と、前記第1端子に接続された第1接点と、前記第2抵抗の前記他端に接続された第2接点と、前記第1接点及び前記第2接点を接続可能な可動接点と、を有するスイッチと、を備える突入電流抑制回路

請求項2

前記第1端子は、シリアルバスに接続される請求項1に記載の突入電流抑制回路。

請求項3

前記第1端子は、前記シリアルバスを介して、ICに接続される請求項2に記載の突入電流抑制回路。

請求項4

前記シリアルバスは、LINバスである請求項2又は請求項3に記載の突入電流抑制回路。

請求項5

前記可動接点は、導電性ゴム又は金属により形成される請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の突入電流抑制回路。

請求項6

前記第1接点及び前記第2接点は、メッキにより形成される請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の突入電流抑制回路。

請求項7

前記トランジスタは、NPN型バイポーラトランジスタである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の突入電流抑制回路。

請求項8

請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の突入電流抑制回路と、前記トランジスタ、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第1接点及び前記第2接点が設けられた基板と、前記第1接点及び前記第2接点の上方に前記可動接点を支持する支持部と、を備えるエンジンスタート装置

技術分野

0001

本発明は、突入電流抑制回路及びエンジンスタート装置に関する。

背景技術

0002

従来、スイッチをオンにすることにより、車両に搭載されたエンジン起動するエンジンスタート装置が知られている。エンジンスタート装置のスイッチとして、固定接点及び可動接点金メッキにより形成されたものが利用されている。このようなスイッチを利用することにより、低い接触圧接触抵抗大)でもスイッチを確実にONにすることができる。

先行技術

0003

特開2004−304876号公報
特開2005−354855号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記従来のエンジンスタート装置では、スイッチのON時に流れる突入電流が大きくなり、固定接点と可動接点との間でアーク放電が発生することがあった。アーク放電は、スイッチの接触不良の原因となるため問題であった。

0005

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、スイッチのON時に流れる突入電流を抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

一実施形態に係る突入電流抑制回路は、第1端子と、定電圧線に接続された第2端子と、制御端子と、を有するトランジスタと、前記制御端子に接続された一端と、前記第2端子に接続された他端と、を有する第1抵抗と、前記制御端子に接続された一端と、他端と、を有する第2抵抗と、前記第1端子に接続された第1接点と、前記第2抵抗の前記他端に接続された第2接点と、前記第1接点及び前記第2接点を接続可能な可動接点と、を有するスイッチと、を備える。

発明の効果

0007

本発明の各実施形態によれば、スイッチのON時に流れる突入電流を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0008

突入電流抑制回路の一例を示す図。
第1実施形態に係るエンジンスタート装置の一例を示す断面図。
比較例1を示す回路図。
比較例1の電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフ
比較例1の電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフ。
比較例1の電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフ。
実施例1を示す回路図。
実施例1の電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフ。
実施例1の電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフ。
実施例1の電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフ。
比較例2を示す回路図。
比較例2の電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフ。
比較例2の電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフ。
比較例2の電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフ。
実施例2を示す回路図。
実施例2の電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフ。
実施例2の電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフ。
実施例2の電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフ。

実施例

0009

以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。

0010

<第1実施形態>
第1実施形態に係るエンジンスタート装置について、図1図10を参照して説明する。本実施形態に係るエンジンスタート装置は、スイッチをONにすることにより、車両のエンジンを起動するための装置であり、車両前部のインストルメンタルパネルなどに装着される。本実施形態に係るエンジンスタート装置は、突入電流抑制回路1を備える。

0011

まず、エンジンスタート装置が備える突入電流抑制回路1について説明する。図1は、突入電流抑制回路1の一例を示す図である。図1の突入電流抑制回路1は、トランジスタTrと、抵抗R1(第1抵抗)と、抵抗R2(第2抵抗)と、スイッチSWと、出力端子Toutと、を備える。

0012

トランジスタTrは、NPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子(第1端子)と、エミッタ端子(第2端子)と、ベース端子(制御端子)と、を備える。コレクタ端子は、出力端子Tout及びスイッチSWの固定接点fc1(第1接点)に接続される。エミッタ端子は、グラウンド線(定電圧線)に接続される。すなわち、エミッタ端子は接地される。ベース端子は、抵抗R1の一端及び抵抗R2の一端に接続される。

0013

抵抗R1は、トランジスタTrのベース端子及び抵抗R2の一端に接続された一端と、トランジスタTrのエミッタ端子及びグラウンド線に接続された他端と、を備える。

0014

抵抗R2は、トランジスタTrのベース端子及び抵抗R1の一端に接続された一端と、スイッチSWの固定接点fc2(第2接点)に接続された他端と、を備える。

0015

スイッチSWは、常時開接点であり、可動接点mcと、固定接点fc1,fc2と、を備える。固定接点fc1は、トランジスタTrのコレクタ端子及び出力端子Toutに接続される。固定接点fc2は、抵抗R2の他端に接続される。固定接点fc1,fc2とは、電気的に接続されないように配置される。スイッチSWがONになると、可動接点mcを介して、固定接点fc1,fc2が接続される。なお、本実施形態におけるスイッチSWについて、詳しくは後述する。

0016

出力端子Toutは、トランジスタTrのコレクタ端子及び固定接点fc1に接続される。出力端子Toutは、シリアルバス2に接続可能な端子であり、シリアルバス2の一端に接続される。シリアルバス2の他端は、ECU(Engine Control Unit)3に接続される。すなわち、突入電流抑制回路1は、シリアルバス2を介して、ECU3に接続される。シリアルバス2として、LIN(Local Interconnect Network)バスを利用できる。

0017

このように、突入電流抑制回路1は、車載バッテリなどの電源とは接続されず、ECU3からシリアルバス2を介して電力を供給される。ECU3は、例えば、9V〜15V程度の電圧を有する車載バッテリから電力を供給される。

0018

突入電流抑制回路1は、スイッチSWがOFFの場合、トランジスタTrがOFFになるため、電流が流れない。したがって、出力端子ToutからECU3に流れる電流Ioutは0となる。これに対して、突入電流抑制回路1は、スイッチSWがONの場合、トランジスタTrがONになるため、ECU3から印加された電圧に応じた電流が流れる。したがって、出力端子ToutからECU3に所定の電流Ioutが流れる。ECU3は、突入電流抑制回路1からの電流Ioutを検出することにより、スイッチSWがONになったことを検出し、エンジンを起動することができる。

0019

次に、本実施形態に係るエンジンスタート装置について説明する。図2は、エンジンスタート装置の一例を示す断面図である。以下、図2における上方を、エンジンスタート装置の上方として説明する。図2のエンジンスタート装置は、突入電流抑制回路1と、筐体4と、ボタン5と、基板6と、保護部7と、を備える。

0020

突入電流抑制回路1は、図2斜線部分に相当する。すなわち、突入電流抑制回路1は、スイッチSW(可動接点mc及び固定接点fc1,fc2)と、出力端子Toutと、部分回路11と、を備える。部分回路11は、突入電流抑制回路1のうち、スイッチSW及び出力端子Toutを除く部分に相当する。部分回路11には、トランジスタTr及び抵抗R1,R2が含まれる。部分回路11は、ディスクリートにより構成されてもよいし、IC(IntegratedCircuit)により構成されてもよい。

0021

なお、図2の例では、スイッチSWは、2つ設けられているが、1つ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。スイッチSWを複数設けることにより、ボタン5の押下時に、スイッチSWをより確実にONにすることができる。

0022

筐体4は、上面が開口した円筒形の筐体であり、内側にエンジンスタート装置の各構成を収納する。突入電流抑制回路1の出力端子Toutは、突入電流抑制回路1をシリアルバスに接続可能なように、筐体4の外側に露出するように設けられる。図2の例では、出力端子Toutは、筐体4の底面に設けられているが、筐体4の側面に設けられてもよい。

0023

ボタン5は、筐体4の上面を覆う、平面視円形の部材である。ユーザがボタンを押下することにより、スイッチSWがONになり、ECU3がエンジンを起動する。

0024

基板6は、突入電流抑制回路1が設けられる回路基板であり、筐体4の内側に固定される。より詳細には、図2に示すように、基板6上には、固定接点fc1,fc2と、部分回路11と、が設けられる。固定接点fc1,fc2は、基板6上に形成された接点パターン金属材料メッキすることにより形成される。メッキ方法は、電解メッキであってもよいし、無電解メッキであってもよい。また、金属材料は、例えば、金、銅、アルミニウムであるが、これに限られない。

0025

保護部7は、突入電流抑制回路1を保護するために、基板6の少なくとも一部を覆うように設けられる。保護部7は、シリコンゴムなどの、絶縁性弾性体により形成される。

0026

より詳細には、保護部7は、部分回路11の上方を覆うように、基板6上に設けられる。すなわち、部分回路11は、基板6と保護部7との間に形成された空間71内に設けられる。保護部7によって空間71への異物(水や塵)の侵入を抑制することにより、部分回路11の故障を抑制し、部分回路11の耐用期間を延ばすことができる。

0027

また、保護部7は、固定接点fc1,fc2の上方を覆うように、基板6上に設けられる。すなわち、固定接点fc1,fc2は、基板6と保護部7との間に形成された空間72内に設けられる。保護部7によって空間72への異物(水や塵)の侵入を抑制することにより、スイッチSWの故障を抑制し、スイッチSWの耐用期間を延ばすことができる。

0028

また、保護部7は、固定接点fc1,fc2の上方に可動接点mcを支持するための支持部73を備える。

0029

支持部73は、保護部7のうち、固定接点fc1,fc2の上方に位置する部分(空間72の天井部分)に相当し、上下方向に延びた円筒形状を有する。支持部73は、その上面が、ボタン5の下面と接するように形成される。また、支持部73は、その底面にスイッチSWの可動接点mcを固定される。また、支持部73は、ボタン5の非押下時において、可動接点mcと固定接点fc1,fc2とが接触しないように形成される。この結果、ボタン5の非押下時には、スイッチSWがOFFになる。一方、ユーザがボタン5を押下すると、支持部73がボタン5に押下され、支持部73の底面に設けられた可動接点mcが固定接点fc1,fc2に接触し、スイッチSWがONになる。

0030

なお、本実施形態に係るエンジンスタート装置は、図2の例に限られない。エンジンスタート装置は、例えば、キーレスエントリー用無線信号を受信するためのアンテナ充電用キャパシタなどを備えてもよい。

0031

ここで、本実施形態に係るスイッチSWについて説明する。本実施形態に係るスイッチSWは、可動接点mcが金属により形成される。可動接点mcとして、例えば、表面を金メッキした金属板を利用できる。このように、可動接点mcを金属により形成することにより、スイッチSWのON時の抵抗(可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の抵抗)が小さくなるため、後述する第2実施形態に比べて、低い接触圧でスイッチSWをONにすることができる。この結果、ユーザは、容易にスイッチSWをONにし、エンジンを起動させることができる。

0032

なお、可動接点mcを金属により形成する場合、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間に異物が挟まると、スイッチSWをONにできなくなる恐れがある。このため、本実施形態では、保護部7は、空間71,72への異物の侵入を抑制するために、空間71,72の密閉性が高まるように形成されるのが好ましい。具体的には、保護部7は、空間71,72を密閉するように形成されるのが好ましい。この際、空間71と空間72との間に、空気の通路が形成されてもよい。

0033

また、可動接点mcを金属により形成する場合、後述する第2実施形態に比べて、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触面積が小さくなるため、固定接点fc1,fc2のわずかな腐食により、スイッチSWをONにできなくなる恐れがある。このため、本実施形態では、固定接点fc1,fc2は、耐腐食性が高まるように、厚く形成されるのが好ましい。本実施形態における固定接点fc1,fc2の厚さは、例えば、0.5μmであるが、これに限られない。本実施形態では、固定接点fc1,fc2は、電解メッキにより形成されるのが好ましい。

0034

次に、本実施形態に係るエンジンスタート装置の効果について、回路シミュレータによるシミュレーション結果を参照して説明する。まず、突入電流抑制回路1を備えない場合のエンジンスタート装置の動作について、図3図6を参照して説明する。

0035

図3は、突入電流抑制回路1を備えないエンジンスタート装置の一例(以下、「比較例1」という)を示す回路図である。図3において、ECU3は、模式的に示されており、抵抗R3,R4と、容量Cと、を備える。抵抗R3は、一端が電源線に接続され、他端が出力端子Toutに接続されている。抵抗R4は、一端が出力端子Toutに接続され、他端が接地されている。容量Cは、一端が出力端子Toutに接続され、他端が接地されている。図3の比較例1において、スイッチSWのON時の抵抗値は1Ω、抵抗R3の抵抗値は500Ω、抵抗R4の抵抗値は1MΩ、容量Cの容量値は100pF、電源線の電圧は12Vである。

0036

図4図6は、図3の比較例1のシミュレーション結果を示すグラフである。図4図6のシミュレーションにおいて、スイッチSWは、1.0msまではOFFであり、1.0ms以降ONである。

0037

図4は、スイッチSWを流れる電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフである。図4に示すように、電流Iswは、スイッチSWがOFFの間、0mAであり、スイッチSWのONの間、約24mAである。また、スイッチSWがONになった瞬間の電流Isw(突入電流)は、約240mAである。このように、比較例1では、スイッチSWのON時に流れる突入電流が大きくなる。

0038

突入電流が大きい場合、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間でアーク放電が発生し、アーク熱により空間72内の低分子シロキサン酸化し、生成されたシリカが固定接点fc1,fc2に堆積する恐れがある。結果として、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触不良が生じる恐れがある。

0039

図5は、出力端子Toutの電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフである。図5に示すように、電圧Voutは、スイッチSWがOFFの間、約12Vであり、スイッチSWがONの間、約0Vである。電圧Voutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に約12Vから約0Vに遷移する。

0040

図6は、出力端子Toutの電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフである。電流Iswと図6に示すように、電流Ioutは、スイッチSWがOFFの間、0Vであり、スイッチSWがONの間、約−24mAである。図3の比較例1は、突入電流抑制回路1を備えないため、電流Iswと電流Ioutとが一致する。電流Ioutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に0から約−24mAに遷移する。

0041

次に、本実施形態に係るエンジンスタート装置の動作について、図7図10を参照して説明する。

0042

図7は、本実施形態に係るエンジンスタート装置の一例(以下、「実施例1」という)を示す回路図である。実施例1のECU3は、比較例1のECU3と同様である。また、図7の実施例1において、抵抗R1,R2の抵抗値は2kΩ、トランジスタTrの直流電流増幅率Hfeは145であり、他のパラメータ図3の比較例1と同様である。

0043

図8図10は、図7の実施例1のシミュレーション結果を示すグラフである。図8図10のシミュレーションにおいて、スイッチSWは、1.0msまではOFFであり、1.0ms以降ONである。

0044

図8は、スイッチSWを流れる電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフである。図8に示すように、電流Iswは、スイッチSWがOFFの間、0mAであり、スイッチSWのONの間、約0.5mAである。また、スイッチSWがONになった瞬間の電流Isw(突入電流)は、約5.6mAである。このように、実施例1では、トランジスタTrにより、スイッチSWのON時に流れる突入電流が制限されるため、突入電流が比較例1に比べて小さくなる。

0045

図9は、出力端子Toutの電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフである。図9に示すように、電圧Voutは、スイッチSWがOFFの間、約12Vであり、スイッチSWがONの間、約1.7Vである。電圧Voutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に約12Vから約1.7Vに遷移する。

0046

図10は、出力端子Toutの電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフである。図10に示すように、電流Ioutは、スイッチSWがOFFの間、0Vであり、スイッチSWがONの間、約−20.5mAである。すなわち、スイッチSWがONの間の電流Ioutが、図3の比較例1より大きい。これは、電流Iswの一部がトランジスタTrにベース電流Ibとして流れ込み、トランジスタTrがこのベース電流Ibに応じたコレクタ電流Icを駆動するためである(Iout=−(Ic+Isw)=−(Ib×Hfe+Isw))。電流Ioutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に0から約−20.5mAに遷移する。

0047

以上説明した通り、本実施形態によれば、トランジスタTrにより突入電流を制限することにより、突入電流を抑制することができる。この結果、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間のアーク放電の発生を抑制し、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触不良を抑制することができる。

0048

また、本実施形態によれば、突入電流抑制回路1は、シリアルバスを介して、ECU3から電力を供給される。すなわち、突入電流抑制回路1を駆動するための独自の電源が不要である。したがって、本実施形態に係る突入電流抑制回路1は、新たな電源や電源線を用意することなく、既存のエンジンスタート装置に容易に適用することができる。

0049

また、本実施形態によれば、スイッチSWがONの間の電流Ioutの駆動能力を向上させることができる。

0050

<第2実施形態>
第2実施形態に係るエンジンスタート装置について、図11図18を参照して説明する。本実施形態では、スイッチSWの他の例について説明する。スイッチSW以外の構成は、第1実施形態と同様である。

0051

本実施形態に係るスイッチSWは、可動接点mcが導電性ゴムにより形成される。可動接点mcとして、例えば、カーボンを含有したシリコンゴムを利用できる。このように、可動接点mcを導電性ゴムにより形成することにより、第1実施形態に比べて、可動接点mcを安価に形成することができる。

0052

また、可動接点mcを導電性ゴムにより形成する場合、第1実施形態に比べて、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触面積が大きくなる。これは、導電性ゴムが金属より柔軟であり、固定接点fc1,fc2の表面になじみやすいためである。これにより、固定接点fc1,fc2の腐食により、スイッチSWをONできなくなる恐れが低くなるため、第1実施形態に比べて、固定接点fc1,fc2を薄く形成することができる。本実施形態における固定接点fc1,fc2の厚さは、例えば、0.05μmであるが、これに限られない。本実施形態では、固定接点fc1,fc2は、無電解メッキにより形成されるのが好ましい。

0053

また、可動接点mcを導電性ゴムにより形成する場合、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間に異物が挟まった場合であっても、可動接点mcが変形することにより、可動接点mcが固定接点fc1,fc2と接触し、スイッチSWをONにすることができる。このため、本実施形態では、第1実施形態に比べて、保護部7に要求される密閉性を低下させ、エンジンスタート装置の製造工程における異物に対する工程管理の負担を低減させることができる。

0054

次に、本実施形態に係るエンジンスタート装置の効果について、回路シミュレータによるシミュレーション結果を参照して説明する。まず、突入電流抑制回路1を備えない場合のエンジンスタート装置の動作について、図11図14を参照して説明する。

0055

図11は、突入電流抑制回路1を備えないエンジンスタート装置の一例(以下、「比較例2」という)を示す回路図である。比較例2のECU3は、比較例1のECU3と同様である。また、図11の比較例2において、スイッチSWのON時の抵抗値は200Ωである。これは、可動接点mcが導電性ゴムにより形成されているためである。他のパラメータは図3の比較例1と同様である。

0056

図12図14は、図11の比較例2のシミュレーション結果を示すグラフである。図12図14のシミュレーションにおいて、スイッチSWは、1.0msまではOFFであり、1.0ms以降ONである。

0057

図12は、スイッチSWを流れる電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフである。図12に示すように、電流Iswは、スイッチSWがOFFの間、0mAであり、スイッチSWのONの間、約17mAである。また、スイッチSWがONになった瞬間の電流Isw(突入電流)は、約44mAである。このように、比較例2では、スイッチSWのON時に流れる突入電流が大きくなる。

0058

突入電流が大きい場合、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間でアーク放電が発生し、アーク熱により空間72内の低分子シロキサンが酸化し、生成されたシリカが固定接点fc1,fc2に堆積する恐れがある。結果として、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触不良が生じる恐れがある。

0059

図13は、出力端子Toutの電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフである。図13に示すように、電圧Voutは、スイッチSWがOFFの間、約12Vであり、スイッチSWがONの間、約4Vである。電圧Voutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に約12Vから約4Vに遷移する。

0060

図14は、出力端子Toutの電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフである。図14に示すように、電流Ioutは、スイッチSWがOFFの間、0Vであり、スイッチSWがONの間、約−17mAである。図11の比較例2は、突入電流抑制回路1を備えないため、電流Iswと電流Ioutとが一致する。電流Ioutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に0から約−17mAに遷移する。

0061

図6及び図14からわかるように、比較例2の電流Ioutは、比較例1の電流Ioutより小さくなっている。これは、比較例2のスイッチSW(可動接点cm)の抵抗値が、比較例1のスイッチSWの抵抗値より高いためである。電流Ioutが小さいと、ECU3が、スイッチSWがONになったことを検出できない恐れがある。

0062

次に、本実施形態に係るエンジンスタート装置の動作について、図15図18を参照して説明する。

0063

図15は、本実施形態に係るエンジンスタート装置の一例(以下、「実施例2」という)を示す回路図である。実施例2のECU3は、比較例2のECU3と同様である。また、図15の実施例2において、抵抗R1,R2の抵抗値は2kΩ、トランジスタTrの直流電流増幅率Hfeは145であり、他のパラメータは図11の比較例2と同様である。

0064

図16図18は、図15の実施例2のシミュレーション結果を示すグラフである。図16図18のシミュレーションにおいて、スイッチSWは、1.0msまではOFFであり、1.0ms以降ONである。

0065

図16は、スイッチSWを流れる電流Iswのシミュレーション結果を示すグラフである。図16に示すように、電流Iswは、スイッチSWがOFFの間、0mAであり、スイッチSWのONの間、約0.5mAである。また、スイッチSWがONになった瞬間の電流Isw(突入電流)は、約5.1mAである。このように、実施例2では、トランジスタTrにより、スイッチSWのON時に流れる突入電流が制限されるため、突入電流が比較例2に比べて小さくなる。

0066

図17は、出力端子Toutの電圧Voutのシミュレーション結果を示すグラフである。図17に示すように、電圧Voutは、スイッチSWがOFFの間、約12Vであり、スイッチSWがONの間、約1.8Vである。電圧Voutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に約12Vから約1.8Vに遷移する。

0067

図18は、出力端子Toutの電流Ioutのシミュレーション結果を示すグラフである。図18に示すように、電流Ioutは、スイッチSWがOFFの間、0Vであり、スイッチSWがONの間、約−20.4mAである。すなわち、スイッチSWがONの間の電流Ioutが、図3の比較例1より大きい。これは、電流Iswの一部がトランジスタTrにベース電流Ibとして流れ込み、トランジスタTrがこのベース電流Ibに応じたコレクタ電流Icを駆動するためである(Iout=−(Ic+Isw)=−(Ib×Hfe+Isw))。電流Ioutは、スイッチSWがOFFからONになると、瞬間的に0から約−20.4mAに遷移する。

0068

以上説明した通り、本実施形態によれば、トランジスタTrにより突入電流を制限することにより、突入電流を抑制することができる。この結果、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間のアーク放電の発生を抑制し、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触不良を抑制することができる。

0069

また、本実施形態によれば、突入電流抑制回路1は、シリアルバスを介して、ECU3から電力を供給される。すなわち、突入電流抑制回路1を駆動するための独自の電源が不要である。したがって、本実施形態に係る突入電流抑制回路1は、新たな電源や電源線を用意することなく、既存のエンジンスタート装置に容易に適用することができる。

0070

また、本実施形態によれば、トランジスタTrにより、スイッチSWがONの間の電流Ioutの駆動能力を向上させることができる。これにより、抵抗値が高い材料で形成された可動接点mcを有するスイッチを、エンジンスタート装置のスイッチSWとして利用することが可能となる。

0071

例えば、ECU3が、20mA以下の電流Ioutを検出できない場合について考える。この場合、図11の比較例2は、スイッチSWがONの間の電流Ioutが17mAであるため、ECU3は、スイッチSWがONになったことを検出できない。したがって、比較例2は、エンジンスタート装置として利用することができない。すなわち、導電性ゴムにより形成された可動接点mcを備えるスイッチを、エンジンスタート装置のスイッチSWとして利用することができない。

0072

これに対して、図14の実施例2は、スイッチSWがONの間の電流Ioutが−20.4mAであるため、ECU3は、スイッチSWがONになったことを検出できる。したがって、実施例2は、エンジンスタート装置として利用することができる。すなわち、導電性ゴムにより形成された可動接点mcを備えるスイッチを、エンジンスタート装置のスイッチSWとして利用することができる。

0073

結果として、本実施形態によれば、電流Ioutの駆動能力を向上させることにより、スイッチSWの設計の自由度を向上させることができる。

0074

なお、以上の各実施形態では、トランジスタTrがNPN型のバイポーラトランジスタである場合を例に説明したが、トランジスタTrは、PNP型のバイポーラトランジスタであってもよい。この場合、トランジスタTrのコレクタ端子を、電源線(定電圧線)に接続すればよい。また、トランジスタTrは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのFETであってもよい。この場合、以上の説明におけるエミッタ端子、コレクタ端子及びベース端子を、ドレイン端子ソース端子及びゲート端子にそれぞれ読み替えればよい。ただし、電流Ioutの駆動能力の向上が要求される場合には、トランジスタTrは、バイポーラトランジスタであるのが好ましい。

0075

また、本実施形態に係る突入電流抑制回路1は、エンジンスタート装置に限らず、スイッチを備える他の任意の装置に適用可能である。いずれの場合も、突入電流抑制回路1は、突入電流を抑制することにより、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間のアーク放電の発生を抑制し、可動接点mcと固定接点fc1,fc2との間の接触不良を抑制することができる。また、電流Ioutの駆動能力を向上させることにより、スイッチSWの設計の自由度を向上させることができる。

0076

また、突入電流抑制回路1を他の装置に適用する場合、出力端子Toutは、USB(Universal Serial Bus)やPCIeなどの、他の装置に応じたシリアルバス2に接続すればよい。この場合、シリアルバス2の他端は、ECUに限られず、CPU(Central Processing Unit)などの、他の装置に応じた任意のICに接続され得る。

0077

なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。

0078

1:突入電流抑制回路
2:シリアルバス
3:ECU
4:筐体
5:ボタン
6:基板
7:保護部
71,72:空間
73:支持部
SW:スイッチ
Tr:トランジスタ
R1〜R4:抵抗
C:容量
mc:可動接点
fc1,fc2:固定接点
Tout:出力端子

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