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技術 音源定位処理方法及びこの音源定位処理方法を用いた変換装置及びプログラム

出願人 株式会社今仙電機製作所
発明者 中村隆高木雄基鳥本康夫
出願日 2018年9月18日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-174077
公開日 2020年3月26日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-048037
状態 未査定
技術分野 ステレオ配置
主要キーワード 同期加算処理 頭部中心 イヤーマフ モノラル音源 TSP信号 珠間切痕 ステレオ音源 集音信号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (6)

課題

十分な音場再現し、臨場感ある立体音響空間演出することができる音源定位処理方法を提供する。

解決手段

マイク30から入力された音信号から頭内インパルス応答及び頭部インパルス応答を算出し(ステップS120)、頭部インパルス応答が頭内インパルス応答より所定時間遅延した状態で、頭部インパルス応答及び頭内インパルス応答と、音信号とを合成し、出力手段50から出力する。こうすることにより、出力手段から出力された音信号は、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。

概要

背景

従来、頭外定位処理を適切に行うことができる頭外定位処理装置、頭外定位処理方法及びプログラムが知られている。例えば、特許文献1では、複数の頭部伝達関数耳介特性と対応付けて記憶する頭部伝達関数記憶部と、ユーザの耳介特性を左右独立に選択可能である耳介特性選択部と、選択された耳介特性に対応する頭部伝達関数を読み出し、各チャンネルの信号に畳み込み演算を行うことで、仮想音源信号を生成する仮想音源信号生成部と、ユーザに向けて仮想音源信号を出力する出力部と、を備えた頭外定位処理装置が記載されている。この頭外定位処理装置では、複数の頭部伝達関数を耳介特性と対応付けることで、頭外定位処理を行うことができる。

概要

十分な音場再現し、臨場感ある立体音響空間演出することができる音源定位処理方法を提供する。マイク30から入力された音信号から頭内インパルス応答及び頭部インパルス応答を算出し(ステップS120)、頭部インパルス応答が頭内インパルス応答より所定時間遅延した状態で、頭部インパルス応答及び頭内インパルス応答と、音信号とを合成し、出力手段50から出力する。こうすることにより、出力手段から出力された音信号は、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。

目的

本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、より十分な音場を再現することができる変換装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

音源から出力された音信号音源定位処理方法であって、前記音源の位置から外耳道入口までの音響伝達関数である頭部伝達関数に基づいて前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、前記音源の位置から頭内を経た外耳道入口までの音響伝達関数である頭内伝達関数に基づいて前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、を含むことを特徴とする、音源定位処理方法。

請求項2

音源から出力された音信号の音源定位処理方法であって、耳珠間痕又は耳垂に固定した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、イヤーマフで耳全体を覆い、耳穴に設置した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、を含むことを特徴とする、音源定位処理方法。

請求項3

前記所定時間は、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の音源定位処理方法。

請求項4

前記合成手段は、前記頭部インパルス応答と前記頭内インパルス応答との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の音源定位処理方法。

請求項5

音源から出力された音信号を入力する入力手段と、前記音源の位置から外耳道入口までの音響伝達関数である頭部伝達関数に基づいて前記入力手段で入力された前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、前記音源の位置から頭内を経た外耳道入口までの音響伝達関数である頭内伝達関数に基づいて前記入力手段で入力された前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、前記合成手段で合成した合成信号を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする、変換装置

請求項6

音源から出力された音信号を入力する入力手段と、耳珠、耳間痕又は耳垂に固定した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、イヤーマフで耳全体を覆い、耳穴に設置した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、前記合成手段で合成した合成信号を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする、変換装置。

請求項7

前記所定時間は、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の変換装置。

請求項8

前記合成手段は、前記頭部インパルス応答と前記頭内インパルス応答との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成することを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の変換装置。

請求項9

請求項1から4に記載の音源定位処理方法の各ステップを1又は2以上のコンピュータに実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、音源定位処理方法及びこの音源定位処理方法を用いた変換装置及びプログラムに関する。

背景技術

0002

従来、頭外定位処理を適切に行うことができる頭外定位処理装置、頭外定位処理方法及びプログラムが知られている。例えば、特許文献1では、複数の頭部伝達関数耳介特性と対応付けて記憶する頭部伝達関数記憶部と、ユーザの耳介特性を左右独立に選択可能である耳介特性選択部と、選択された耳介特性に対応する頭部伝達関数を読み出し、各チャンネルの信号に畳み込み演算を行うことで、仮想音源信号を生成する仮想音源信号生成部と、ユーザに向けて仮想音源信号を出力する出力部と、を備えた頭外定位処理装置が記載されている。この頭外定位処理装置では、複数の頭部伝達関数を耳介特性と対応付けることで、頭外定位処理を行うことができる。

先行技術

0003

特開2017−28525号公報

発明が解決しようとする課題

0004

人が音場知覚する際には、音源から左右の直接伝達される音波だけでなく、自分自身の頭や耳の形状によって回折反射した音波や、頭骨等の体組織を介して伝達される音波等、様々な要因が影響されていると考えられているが、このメカニズムについては、未だ完全には解明されていない。このため、特許文献1に記載の頭外定位処理では、音源定位処理が十分とはいえず、十分な音場を再現できていないという課題がある。

0005

本発明者らは、頭部伝達関数で表される音の変化に加え、頭内での微細な音の変化を頭内伝達関数として表し、この頭内伝達関数と頭部伝達関数とで表される音の変化を利用することで、音場をより正確に再現できることを見いだし、本発明を完成させた。

0006

本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、より十分な音場を再現することができる変換装置を提供することを主目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。

0008

本発明の音源定位処理方法は、
音源から出力された音信号の音源定位処理方法であって、
前記音源の位置から外耳道入口までの音響伝達関数である頭部伝達関数に基づいて前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、
前記音源の位置から頭内を経て外耳道入口までの音響伝達関数である頭内伝達関数に基づいて前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、
前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、
を含むことを特徴とする、
ものである。

0009

この音源定位処理方法では、音源の位置から外耳道入口までの音響伝達関数である頭部伝達関数に基づいて算出した頭部インパルス応答と、音源の位置から頭内を経て外耳道入口までの音響伝達関数である頭内伝達関数に基づいて算出した頭内インパルス応答とを、頭部インパルス応答を頭内インパルス応答より所定時間遅延させた状態で音信号に畳み込み演算し、合成することにより、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間演出することができる。このような効果が得られる理由については明らかではないが、発明者らは、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を音信号に畳み込み演算し、合成することにより、耳に到達する際の音の時間差を擬似的に再現することで、十分な音場を再現することができ、臨場感ある立体音響空間の演出につながったと考えている。

0010

また、本発明の音源定位処理方法は、
音源から出力された音信号の音源定位処理方法であって、
耳珠、耳間痕又は耳垂に固定した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、
イヤーマフで耳全体を覆い、耳穴に設置した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、
前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、
を含むことを特徴とする、
ものである。

0011

この音源定位処理方法では、耳珠、耳間痕又は耳垂に固定したマイクで集音した音信号に基づいて算出した頭部インパルス応答と、イヤーマフで耳全体を覆い、耳穴に設置したマイクで集音した音信号に基づいて算出した頭内インパルス応答とを、頭部インパルス応答を頭内インパルス応答より所定時間遅延させた状態で音信号に合成することにより、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。このような効果が得られる理由については明らかではないが、発明者らは、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を音信号に畳み込み演算し、合成することにより、耳に到達する際の音の時間差を擬似的に再現することで、十分な音場を再現することができ、臨場感ある立体音響空間の演出につながったと考えている。

0012

ここで、頭部伝達関数とは、図1に示すように、頭部がある場合の音源Sから外耳道入口Eまでの音響伝達関数(He)を、頭部が無い場合の音源Sから頭部中心位置Oまでの音響伝達関数(Ho)で除した伝達関数を意味し、この頭部伝達関数をフーリエ変換したものが頭部インパルス応答である。具体的には、図2に示すように、音源Sから出力されたTSP信号を耳珠、珠間切痕、耳垂に固定したマイクで録音し、音源Sから出力されたTSP信号の逆TSP信号を畳み込み演算することにより、頭部インパルス応答を算出することができる。

0013

また、頭内伝達関数とは、脂肪組織頭蓋等を含む頭内を通過した際の音の減衰及び時間差を含む伝達関数を意味し、この頭内伝達関数をフーリエ変換したものが頭内インパルス応答である。具体的には、図3に示すように、耳全体をイヤーマフで覆い、音源Sから出力されたTSP信号を耳穴の内部に設置されたマイクで録音し、音源Sから出力されたTSP信号の逆TSP信号を畳み込み演算することにより、頭内インパルス応答を算出することができる。

0014

本発明の音源定位処理方法において、前記頭部インパルス応答を前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させる際の所定時間は、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下が好ましい。このような時間差が好ましい理由は明らかではないが、発明者らは、音源の位置から空気中を伝わって外耳道入口まで到達する時間と、音源の位置から頭内を伝わって外耳道入口まで到達する時間との時間差が、通常の人間の頭部の形状から案すると、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下であると想定されることから、このような時間差が好ましいと考えている。

0015

本発明の音源定位処理方法において、前記合成手段は、前記頭部インパルス応答と前記頭内インパルス応答との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成することを特徴としてもよい。例えば、ヘッドホン等の耳の近くで発音するデバイスを用いて音を再生した場合、鼓膜軸線上である両耳のすぐ脇で音が発音するため、音像が頭の中に集まるようにイメージされることになり、自然界では起こりえない現象に対応するため、人間の脳や耳に負担がかかることになる。しかしながら、このように頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を音信号に合成することにより、自然界に近い音に近づくため、人間の脳や耳に対する負荷を低減することができる。また、聴者に対して、音信号のみを再生する場合と比較して、大きな音の広がりや前方感を与え、臨場感を演出することができる。

0016

本発明の変換装置は、
音源から出力された音信号を入力する入力手段と、
前記音源の位置から外耳道入口までの音響伝達関数である頭部伝達関数に基づいて前記入力手段で入力された前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、
前記音源の位置から頭内を経た外耳道入口までの音響伝達関数である頭内伝達関数に基づいて前記入力手段で入力された前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、
前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、
前記合成手段で合成した合成信号を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする、
ものである。

0017

この変換装置では、音源位置から外耳道入口までの音響伝達関数である頭部伝達関数に基づいて算出した頭部インパルス応答と、音源位置から頭内を経て外耳道入口までの音響伝達関数である頭内伝達関数に基づいて算出した頭内インパルス応答と、を算出し、頭部インパルス応答を頭内インパルス応答より所定時間遅延させた状態で、頭内インパルス応答及び頭部インパルス応答を音信号に畳み込み演算し、合成し、合成した合成信号を出力手段から出力する。こうすることにより、出力手段から出力された音信号は、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。このような効果が得られる理由については明らかではないが、発明者らは、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を音信号に畳み込み演算し、合成することにより、耳に到達する際の音の時間差を擬似的に再現することで、十分な音場を再現することができ、臨場感ある立体音響空間の演出につながったと考えている。

0018

本発明の変換装置は、
音源から出力された音信号を入力する入力手段と、
耳珠、耳間痕又は耳垂に固定した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭部インパルス応答を算出する頭部インパルス応答算出手段と、
イヤーマフで耳全体を覆い、耳穴に設置した入力手段で入力された前記音信号に基づいて前記音信号の頭内インパルス応答を算出する頭内インパルス応答算出手段と、
前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を前記音信号に畳み込み演算し、合成する合成手段と、
前記合成手段で合成した合成信号を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする、
ものである。

0019

この変換装置では、イヤーマフで耳全体を覆い、耳穴に設置した入力手段で入力した音信号に基づいて頭内インパルス応答を算出し、耳珠、耳間痕又は耳垂に固定した入力手段で入力した音信号に基づいて頭部インパルス応答を算出し、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を音信号に畳み込み演算し、合成し、合成した信号を出力手段から出力する。こうすることにより、出力手段から出力された信号は、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。このような効果が得られる理由については明らかではないが、発明者らは、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を畳み込み演算し、合成することにより、耳に到達する際の音の時間差を擬似的に再現することで、十分な音場を再現することができ、臨場感ある立体音響空間の演出につながったと考えている。

0020

本発明の変換装置において、前記頭部インパルス応答を前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させる際の所定時間は、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下が好ましい。このような時間差が好ましい理由は明らかではないが、発明者らは、音源の位置から空気中を伝わって外耳道入口まで到達する時間と、音源の位置から頭内を伝わって外耳道入口まで到達する時間との時間差が、通常の人間の頭部の形状から勘案すると、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下であると想定されることから、このような時間差が好ましいと考えている。

0021

本発明の変換装置において、前記合成手段は、前記頭部インパルス応答と前記頭内インパルス応答との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて、前記頭内インパルス応答と、前記頭内インパルス応答より所定時間遅延させた前記頭部インパルス応答と、を畳み込み演算し、合成する合成手段であることを特徴としてもよい。例えば、ヘッドホン等の耳の近くで発音するデバイスを用いて音を再生した場合、鼓膜の軸線上である両耳のすぐ脇で音が発音するため、音像が頭の中に集まるようにイメージされることになり、自然界では起こりえない現象に対応するため、人間の脳や耳に負担がかかることになる。しかしながら、このように頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を音信号に合成することにより、自然界に近い音に近づくため、人間の脳や耳に対する負荷を低減することができる。また、聴者に対して、音信号のみを再生する場合と比較して、大きな音の広がりや前方感を与え、臨場感を演出することができる。

0022

本発明のプログラムは、音源定位処理方法の各ステップを1又は2以上のコンピュータに実行させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(例えば、ハードディスク、ROM、CD、DVD、フラッシュメモリなど)に記録されていても良いし、伝送媒体インターネット有線無線LANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ送信されても良いし、その他どのような形で授受されても良い。また、音源定位処理方法の各ステップを実行する装置で実行されるものであっても、プログラムが実行される装置と処理が行われる装置とが異なっていてもよい。いずれの場合であっても、このプログラムを1つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した音源定位処理方法と同様の効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0023

図1は、頭部伝達関数を説明するための説明図である。
図2は、頭部伝達関数を算出する際の録音方法を説明するための説明図である。
図3は、頭内伝達関数を算出する際の録音方法を説明するための説明図である。
図4は、変換装置20の電気的な接続を示すブロック図である。
図5は、音源定位処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。

実施例

0024

次に、本発明の実施の形態の一例として、本発明の音源定位処理方法を用いた変換装置20について詳しく説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号を付す。また、本発明の音源定位処理方法を用いた変換装置20の一例を示すことで、本発明の音源定位処理方法及び音源定位処理プログラムの一例も明らかにする。

0025

本発明の実施の形態の一例である変換装置20は、図4に示すように、音源からの音信号を入力する入力手段であるマイク30と、入力された音信号を変換する変換手段を含む制御手段40と、変換された音信号を出力する出力手段50と、を備えており、マイク30、制御手段40及び出力手段50は、互いに電気的に接続されている。こうすることにより、マイク30から入力された信号を制御手段40が出力信号に変換し、出力手段50から出力する。なお、ここで、マイク30及び出力手段50は、公知の種々の入力手段及び出力手段を用いることができ、マイク30及び出力手段50を兼ねる入出力手段を用いてもよい。

0026

制御手段40は、図4に示すように、CPU41を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、マイク30が受信した音信号を変換する信号変換ルーチンを含む各種プログラム等が記憶されたROM42と、マイク30に入力された信号等を一時的に記憶するRAM43と、マイク30や出力手段50との間の各種信号送受信を行うインタフェース44(以下、「I/F44」と言う。)がそれぞれバス45を介して電気的に接続されている。この制御手段40は、入力信号を音源定位処理ルーチンに従って処理することで、音場が十分に再現された臨場感ある立体音響空間を演出する音信号を出力する。なお、この制御手段40は、本発明の頭部インパルス応答算出手段、頭内インパルス応答算出手段及び合成手段に相当する。

0027

次に、マイク30に入力された音信号を変換する音源定位処理方法について、図5に示すように、制御手段40で実行される音源定位処理ルーチンを一例に説明する。この音源定位処理ルーチンは、マイク30から信号が入力された際に繰り返し実行される。なお、ここで、図5は、入力信号を変換する音源定位処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。

0028

CPU41によってROM42に記憶された音源定位処理ルーチンが読み出され、実行されると、CPU41は、集音信号同期加算処理を行う(ステップS110)。具体的には、右音源SRの音が右耳マイク30Rで収録された右側頭部信号HRR、右音源SRの音が左耳マイク30Lで収録された左側頭部信号HRL、左音源SLの音が右耳マイク30Rで収録された右側頭部信号HLR、左音源SLの音が左耳マイク30Lで収録された左側頭部信号HLLの4つの頭部信号と、右音源SRの音が右耳マイク30Rで収録された右側頭内信号BRR、右音源SRの音が左耳マイク30Lで収録された左側頭内信号BRL、左音源SLの音が右耳マイク30Rで収録された右側頭内信号BLR、左音源SLの音が左耳マイク30Lで収録された左側頭内信号BLLの4つの頭内信号と、をそれぞれ同期加算処理する。なお、右耳マイク30R及び左耳マイク30Lが、本発明の入力手段に相当する。

0029

ここで、右側頭部信号HRR、右側頭部信号HLR、左側頭部信号HRL及び左側頭部信号HLLの収録方法を説明する。これらの頭部信号は、図2に示すように、音源SR又は音源SLから発せられた音を耳珠、珠間切痕、耳垂に固定したマイク30でそれぞれ録音することで得られる。

0030

続いて、右側頭内信号BRR、右側頭内信号BLR、左側頭内信号BRL及び左側頭内信号BLLの収録方法を説明する。これらの頭内信号は、図3に示すように、耳穴の内部にマイク30を設置した状態で、耳全体をイヤーマフ32R及びイヤーマフ32L(以下、「イヤーマフ32」とも言う。)でそれぞれ覆い、音源SR又は音源SLから発信された音を録音することで得られる。マイク30を設置した耳全体はイヤーマフ32で覆われていることで、頭部信号を録音された際に録音された音はイヤーマフ32によって遮音されることになる。こうすることにより、頭部信号と比較すると微細な信号である頭内信号を取得することができる。

0031

次に、CPU41は、インパルス応答を取得し(ステップS120)、各インパルス応答の時間差及び振幅差を取得する(ステップS130)。具体的には、右側頭部信号HRR、右側頭部信号HLR、左側頭部信号HRL、左側頭部信号HLL、右側頭内信号BRR、右側頭内信号BLR、左側頭内信号BRL及び左側頭内信号BLLについて、それぞれのインパルス応答を取得した後、各インパルス応答の時間差及び振幅差を取得する。

0032

次に、CPU41は、各インパルス応答の相互相関関数を算出し(ステップS140)、相互相関関数に基づいて頭内インパルス応答が頭部インパルス応答よりも早くなるようにデータを整形する(ステップS150)。具体的には、相互相関関数に応じて、頭部インパルス応答が頭内インパルス応答よりも0.20ミリ秒以上0.40ミリ秒以下遅延するように畳み込み演算し、合成する。続いて、CPU41は、同じ時刻になるようにフィルタ長切り出し(ステップS160)、本ルーチンを終了する。こうすることにより、十分な音場を再現することができ、臨場感ある立体音響空間の演出を行うことができる。付言すると、このようにして得られた音源データスピーカ等で再現した場合に、スピーカ等からではなく、あたかも実際に音が発せられた場所からの音のように認識されることになり、高い臨場感を与えることができる。

0033

このとき、音源定位処理は、複数の音源Sから出力された音信号についてそれぞれ実行し、音源定位処理された複数の音源Sから出力された音信号をそれぞれ合成することにより、より高い臨場感を与えることができる。具体的には、例えば、右側に設けられた音源SRと、左側に設けられた音源SLとから出力された音信号について、それぞれ音源定位処理を行い合成することにより、音源SRから出力された音は右側から、音源SLから出力された音は左側から、それぞれ出力されているように聞こえるため、より高い臨場感を与えることができる。加えて、例えば、マイク30を中心とした位置に複数の音源を設け、それぞれから出力された音信号を音源定位処理して合成することにより、この合成音を聞いた聴者は、自分を中心とする周囲全体から音が発信されているように聞こえるため、高い臨場感を得ることができる。

0034

以上詳述した実施の形態によれば、マイク30から入力された音信号から頭内インパルス応答及び頭部インパルス応答を算出し(ステップS120)、頭部インパルス応答が頭内インパルス応答より所定時間遅延した状態で、頭部インパルス応答及び頭内インパルス応答と、音信号とを畳み込み演算し、合成し、出力手段50から出力する。こうすることにより、出力手段から出力された音信号は、十分な音場を再現し、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。

0035

このとき、頭部インパルス応答の頭内インパルス応答に対する遅延時間は、0.10ミリ秒以上0.50ミリ秒以下であるため、音場の優れた再現性を備え、臨場感ある立体音響空間を演出することができる。

0036

更に、頭部インパルス応答と頭内インパルス応答との相互相関関数を算出し(ステップS140)、相互相関関数に基づいて、頭内インパルス応答と、頭内インパルス応答より所定時間遅延させた頭部インパルス応答と、を合成することで、自然界に近い音に近づくため、人間の脳や耳に対する負荷を低減することができる。また、聴者に対して、音信号のみを再生する場合と比較して、大きな音の広がりや前方感を与え、臨場感を演出することができる。

0037

なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。

0038

例えば、上述した実施の形態では、右音源SR及び左音源SLから発せられるステレオ音源を音源としたが、モノラル音源を音源としてもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、右音源SR及び左音源SLに加え、変換装置20を中心とした周囲(例えば、変換装置20を中心とした全方位(360°)の位置)に設置された複数の音源を音源としてもよい。こうすれば、出力手段から出力された音信号を聴者が聞いた際、様々な方向から音が発生しているように聞こえる音場により、より臨場感ある立体音響空間を演出することができる。

0039

上述した実施の形態において、頭部インパルス応答又は頭内インパルス応答を算出する際、ノイズ除去処理を行ってもよい。こうすることにより、頭部インパルス応答又は頭内インパルス応答に対するノイズの影響を減少させることができるため、より音場の再現性を高め、臨場感ある立体音響空間の演出を行うことができる。

0040

上述した実施の形態において、頭部インパルス応答と頭内インパルス応答とでデータを成形する際、音圧の調整を行ってもよい。こうすることにより、入力時に音圧が異なっていた場合であっても、入力時の影響を減少させることができるため、より音場の再現性を高め、臨場感ある立体音響空間の演出を行うことができる。

0041

上述した実施の形態で示すように、音源処理分野、特に音源定位処理方法として利用することができる。

0042

20…変換装置、30…マイク、30L…左耳マイク、30R…右耳マイク、32…イヤーマフ、32R…イヤーマフ、32L…イヤーマフ、40…制御手段、41…CPU、42…ROM、43…RAM、44…インタフェース、45…バス、50…出力手段、SR…右音源、SL…左音源。

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