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技術 磁石材料、永久磁石、回転電機、及び車両

出願人 株式会社東芝
発明者 萩原将也桜田新哉岡本佳子
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172455
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-047628
状態 未査定
技術分野 硬質磁性材料 車両の電気的な推進・制動 磁性鉄合金の熱処理 同期機の永久磁石界磁
主要キーワード 磁気物 磁化回路 磁化巻線 各元素濃度 元素リッチ 相分離母線 鉄道交通 非強磁性
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

保磁力が高い磁石材料を提供する。

解決手段

実施形態の磁石材料は、組成式1:(R1−xYx)aMbTcZnd(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数である)により表される。磁石材料は、ThMn12型結晶相を有する主相と、50原子%以上のZnを含む副相と、を具備する。

概要

背景

永久磁石は、例えばモータ発電機等の回転電機スピーカ計測機器等の電気機器自動車鉄道車両等の車両を含む広範な分野の製品に用いられている。近年、上記製品の小型化が要求されており、高磁化及び高保磁力を有する高性能な永久磁石が求められている。

高性能な永久磁石の例としては、例えばSm−Co系磁石やNd−Fe−B系磁石等の希土類磁石が挙げられる。これらの磁石では、FeやCoが飽和磁化の増大に寄与している。また、これらの磁石にはNdやSm等の希土類元素が含まれており、結晶場中における希土類元素の4f電子挙動由来して大きな磁気異方性をもたらす。これにより、大きな保磁力を得ることができる。

概要

保磁力が高い磁石材料を提供する。実施形態の磁石材料は、組成式1:(R1−xYx)aMbTcZnd(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数である)により表される。磁石材料は、ThMn12型結晶相を有する主相と、50原子%以上のZnを含む副相と、を具備する。

目的

特開2017−112300号公報
国際公開第2016/162990号公報






保磁力が高い磁石材料を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

組成式1:(R1−xYx)aMbTcZnd(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数である)により表される磁石材料であって、ThMn12型結晶相を有する主相と、50原子%以上のZnを含む副相と、を具備する、磁石材料。

請求項2

R元素の50原子%以上は、Smである、請求項1に記載の磁石材料。

請求項3

N、C、B、H、及びPからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む、請求項1に記載の磁石材料。

請求項4

R元素の50原子%以上は、Ce、Pr、Nd、Tb、及びDyからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である、請求項3に記載の磁石材料。

請求項5

Y元素の50原子%以下は、Zr及びHfからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素に置換されている、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項6

T元素の50原子%以上は、Ti又はNbである、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項7

M元素の20原子%以下は、Al、Si、Cr、Mn、Ni、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素に置換されている、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項8

組成式2:(R1−xYx)aMbTcXd(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、XはZn、Cu、Sn、In、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数である)により表される磁石材料であって、ThMn12型結晶相を有する主相と、X元素を含む副相と、を具備し、前記主相と前記副相との界面の凹凸数の平均値が500以下である、磁石材料。

請求項9

R元素の50原子%以上は、Smである、請求項8に記載の磁石材料。

請求項10

N、C、B、H、及びPからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む、請求項8に記載の磁石材料。

請求項11

R元素の50原子%以上は、Ce、Pr、Nd、Tb、及びDyからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である、請求項10に記載の磁石材料。

請求項12

Y元素の50原子%以下は、Zr及びHfからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素に置換されている、請求項8ないし請求項11のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項13

T元素の50原子%以上は、Ti又はNbである、請求項8ないし請求項12のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項14

M元素の20原子%以下は、Al、Si、Cr、Mn、Ni、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素に置換されている、請求項8ないし請求項13のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項15

α−(Fe,Co)相及びα−Fe相からなる群より選ばれる少なくとも一つの異相の総量は、10体積%以下である、請求項1ないし請求項14のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項16

前記副相の厚さは、0.5nm以上100nm以下である、請求項1ないし請求項15のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項17

前記副相は、前記主相を連続して囲む、請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の磁石材料。

請求項18

請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の磁石材料を含む永久磁石

請求項19

請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の磁石材料の焼結体を具備する永久磁石。

請求項20

ステータと、ロータと、を具備し、前記ステータ又は前記ロータは、請求項19に記載の永久磁石を有する、回転電機

請求項21

前記ロータは、シャフトを介してタービンに接続されている、請求項20に記載の回転電機。

請求項22

請求項20に記載の回転電機を具備する、車両。

請求項23

前記ロータは、シャフトに接続されており、前記シャフトに回転が伝達される、請求項22に記載の車両。

技術分野

0001

実施形態は、磁石材料永久磁石回転電機、及び車両に関する。

背景技術

0002

永久磁石は、例えばモータ発電機等の回転電機、スピーカ計測機器等の電気機器自動車鉄道車両等の車両を含む広範な分野の製品に用いられている。近年、上記製品の小型化が要求されており、高磁化及び高保磁力を有する高性能な永久磁石が求められている。

0003

高性能な永久磁石の例としては、例えばSm−Co系磁石やNd−Fe−B系磁石等の希土類磁石が挙げられる。これらの磁石では、FeやCoが飽和磁化の増大に寄与している。また、これらの磁石にはNdやSm等の希土類元素が含まれており、結晶場中における希土類元素の4f電子挙動由来して大きな磁気異方性をもたらす。これにより、大きな保磁力を得ることができる。

先行技術

0004

特開2017−112300号公報
国際公開第2016/162990号公報

発明が解決しようとする課題

0005

保磁力が高い磁石材料を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

実施形態の磁石材料は、組成式1:(R1−xYx)aMbTcZnd(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数である)により表される。磁石材料は、ThMn12型結晶相を有する主相と、50原子%以上のZnを含む副相と、を具備する。

図面の簡単な説明

0007

金属組織の構造例を示す断面模式図である。
凹凸数が少ない、主相1と副相2との界面を示す模式図である。
凹凸数が多い、主相1と副相2との界面を示す模式図である。
永久磁石モータの例を示す図である。
可変磁束モータの例を示す図である。
発電機の例を示す図である。
鉄道車両の構成例を示す模式図である。
自動車の構成例を示す模式図である。

0008

以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面は模式的なものであり、例えば厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。

0009

(第1の実施形態)
実施形態の磁石材料は、希土類元素と、M元素(MはFe又はFe及びCo)と、X元素(XはZn、Cu、Sn、In、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素)と、を含有する。

0010

上記磁石材料は、主相を有する金属組織を具備する。図1は、金属組織の構造例を示す断面模式図である。上記磁石材料は、高濃度のM元素を含む結晶相を主相1とする金属組織を具備する。主相1中のM元素濃度を高めることにより飽和磁化を向上させることができる。主相は、磁石材料中の各結晶相及び非晶質相のうち、最も体積占有率が高い相である。副相2は、主相1よりも体積占有率が低い相である。

0011

高濃度のM元素を含む結晶相としては、例えばThMn12型結晶相が挙げられる。ThMn12型結晶相は、正方晶系結晶構造を有する。ThMn12型結晶相を主相1とする磁石材料では、M元素濃度が高いため、高い飽和磁化が得られるが、主相1のみでは高い保磁力を得ることが難しい。

0012

実施形態の磁石材料では、主相1に含まれる各元素濃度を制御し、高飽和磁化を実現するための主相1を安定に形成しつつ、X元素を含む副相2を形成することにより、主相1の磁化反転核の形成の抑制と近接する主相1間の逆磁区伝搬を抑制し、保磁力を向上させることができる。

0013

ThMn12型結晶相を主相1とする磁石材料では、M元素濃度が高いため、α−Fe相及びα−(Fe,Co)相からなる群より選ばれる少なくとも一つの異相析出しやすい。異相が析出すると主相中のM元素濃度が低下し、主相1の飽和磁化低下を招く。また、異相の析出は永久磁石の保磁力の低下を招く。異相の総量は、例えば10体積%以下であることが好ましい。

0014

実施形態の磁石材料は、組成式:(R1−xYx)aMbTcXd(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、XはZn、Cu、Sn、In、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数である。なお、磁石材料は、不可避不純物を含んでいてもよい。

0015

イットリウム(Y)は、ThMn12型結晶相の安定化に有効な元素である。すなわち、Y元素は、主として主相1中のR元素と置換し、例えば結晶格子縮小させることによりThMn12型結晶相の安定性を高めることができる。Y元素の添加量が少なすぎると、ThMn12型結晶相の安定性を高める効果を十分に得ることができない。Yの添加量が多すぎると、磁石材料の異方性磁界が著しく低下してしまう。xは0.01≦x≦0.8を満足する数であることが好ましく、より好ましくは0.05≦x<0.5を満足する数であり、さらに好ましくは0.1≦x≦0.4を満足する数である。

0016

Y元素の50原子%以下は、ジルコニウム(Zr)及びハフニウム(Hf)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素に置換されてもよい。Zr元素及びHf元素は、結晶相の安定化に有効な元素である。

0017

R元素は希土類元素であり、磁石材料に大きな磁気異方性をもたらし、永久磁石に高い保磁力を付与することができる元素である。R元素は具体的には、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、特に、Smを用いることが好ましい。例えば、R元素としてSmを含む複数の元素を用いる場合、Sm濃度をR元素として適用可能な元素全体の50原子%以上とすることにより、磁石材料の性能、例えば保磁力を高めることができる。

0018

R元素及びY元素の添加量aは、例えば4≦a≦20原子%を満足する数であることが好ましい。4原子%未満の場合、多量の異相が析出して保磁力が低下する。20原子%を超える場合、副相2が増加し、磁石材料全体の飽和磁化が低下する。R元素及びY元素の添加量aは、5≦a≦18原子%を満足する数、さらには7≦a≦15原子%を満足する数であることがより好ましい。

0019

M元素は、Fe又はFe及びCoであり、磁石材料の高い飽和磁化を担う元素である。FeとCoではFeのほうがより磁化が高いことからFeは必須元素であり、M元素の30原子%以上がFeである。M元素にCoを入れることにより磁石材料のキュリー温度が上昇し、高温領域での飽和磁化の低下を抑制することができる。また、Coを少量入れることによりFe単独の場合よりも飽和磁化を高めることができる。一方、Co比率を高めると異方性磁界の低下を招く。さらに、Co比率が高すぎると飽和磁化の低下も招く。そのため、FeとCoの比率を適切に制御することにより、高い飽和磁化、高い異方性磁界、高いキュリー温度を同時に実現することができる。組成式のMを(Fe1−yCoy)と表記すると、好ましいyの値は0.01≦y<0.7であり、より好ましくは0.01≦y<0.5であり、さらに好ましくは0.01≦y≦0.3である。M元素の20原子%以下は、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、及びガリウム(Ga)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素に置換されてもよい。上記元素は、例えば主相1を構成する結晶粒成長に寄与する。

0020

T元素は、例えばチタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である。T元素を添加することにより、ThMn12型結晶相を安定させることができる。しかしながら、T元素の導入によりM元素濃度が低下し、結果として磁石材料の飽和磁化が低下しやすくなる。M元素濃度を高めるためにはT元素の添加量を減らせばよいが、その場合、ThMn12型結晶相の安定性が失われ、異相が析出することにより磁石材料の保磁力が低下してしまう。T元素の添加量cは、0<c<7原子%を満足する数であることが好ましい。これにより、異相の析出を抑制しつつ、ThMn12型結晶相を安定させることができる。T元素の50原子%以上は、Ti又はNbであることがより好ましい。Ti又はNbを用いることにより、T元素の含有量を少なくしてもThMn12型結晶相を安定させつつ、異相の析出量を大幅に低減することができる。

0021

磁石材料の飽和磁化をより向上させるためにT元素の添加量は少ないことが好ましいが、T元素の添加量が少ない場合、Nd3(Fe,Ti)29型結晶相が析出しやすいため、かえって飽和磁化が低下する場合がある。T元素の添加量が少ない場合であってもNd3(Fe,Ti)29型結晶相の析出を抑制するためには、Yの添加量を増やすことが効果的であり、これにより高い飽和磁化を実現することができる。例えばT元素の添加量cが0<c<4.5原子%を満足する数である場合、xは0.1<x<0.6を満足する数であることが好ましく、cが1.5<c<4原子%を満足する数である場合、xは0.15<x≦0.55を満足する数であることが好ましく、cが3<c≦3.8原子%を満足する数である場合、xは0.3<x≦0.5を満足する数であることが好ましい。

0022

X元素は、主相1と反応してX元素リッチな副相2を形成する。X元素は、例えば亜鉛(Zn)、銅(Cu)、錫(Sn)、インジウム(In)、及びガリウム(Ga)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である。X元素を添加することにより、X元素を含む副相2を形成することができ、保磁力を向上させることができる。しかしながら、X元素は非磁性元素であるため、多量に導入すると磁石材料の飽和磁化が低下しやすくなる。X元素の添加量dは、0.01≦d≦7原子%を満足する数であることが好ましい。これにより、磁石材料の飽和磁化を高めつつ、保磁力を高めることができる。より好ましい添加量dは0.015≦d≦3原子%であり、さらに好ましくは0.02≦d≦1原子%である。X元素として特にZnを用いることが好ましい。例えば、X元素としてZnを含む複数の元素を用いる場合、Zn濃度をX元素として適用可能な元素全体の50原子%以上とすることにより、磁石材料の性能、例えば保磁力を高めることができる。

0023

実施形態の磁石材料は、さらにA元素を含んでいてもよい。A元素は窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)、水素(H)、及びリン(P)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である。このとき、磁石材料の組成は、組成式:(R1−xYx)aMbTcXdAe(式中、Rは1種類以上の希土類元素であり、MはFe又はFe及びCoであり、TはTi、V、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、XはZn、Cu、Sn、In、及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、AはN、C、B、H、及びPからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは0.01≦x≦0.8を満足する数であり、aは4≦a≦20原子%を満足する数であり、bはb=100−a−c−d−e原子%を満足する数であり、cは0<c<7原子%を満足する数であり、dは0.01≦d≦7原子%を満足する数であり、eは0<e≦18原子%を満足する数である)により表される。

0024

A元素はThMn12型結晶相の結晶格子内に侵入し、例えば結晶格子を拡大させること及び電子構造を変化させることの少なくとも一つを生じさせる機能を有する。これにより、キュリー温度、磁気異方性、飽和磁化を変化させることができる。A元素は、不可避不純物を除き必ずしも添加されなくてもよい。

0025

R元素の50原子%以上がSmである場合(R元素の主成分がSmである場合)、A元素の侵入によってThMn12型結晶相の磁気異方性がc軸方向からc軸に垂直な面内に変化し、保磁力を減少させる。このため、不可避不純物を除きA元素は添加されないことが好ましい。これに対し、R元素の50原子%以上がCe、Pr、Nd、Tb、及びDyからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である場合(R元素の主成分がCe、Pr、Nd、Tb、及びDyからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である場合)、A元素の侵入によってThMn12型結晶相の磁気異方性がc軸に垂直な面内からc軸方向に変化し、保磁力を増加させることができる。このため、A元素は添加されることが好ましい。18原子%を超えるとThMn12型結晶相の安定性が低下する。eは、0<e≦14原子%を満足する数であることがより好ましい。なお、R元素の50原子%以上がCe、Pr、Nd、Tb、及びDyからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素が複数の元素である場合、複数の元素のそれぞれが50原子%以上である場合と複数の元素の合計が50原子%以上である場合がある。例えば、30原子%のCeと、15原子%のPrと、5原子%のNdと、含む場合であっても、R元素の50原子%以上がCe、Pr、Nd、Tb、及びDyからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素である構成を満たしている。

0026

ThMn12型結晶相を主相1とする磁石材料は、一部の結晶粒に磁化反転核が発生し、逆磁区領域が他結晶粒に伝搬して減磁するニュークリエーション型の保磁力機構により保磁力を発現する。保磁力を高めるためには、主相1の磁化反転核発生の抑制及び逆磁区領域の伝搬の抑制の少なくとも一つが有効である。実施形態の磁石材料は、X元素を含む副相2を有しており、副相2が上記機能を担うことにより保磁力を向上させることができる。

0027

副相2により主相1間での逆磁区伝搬を効果的に抑制するためには、副相2が非強磁性であることが好ましく、より好ましくは非磁性である。X元素として非磁性の元素を選択すれば、副相2のX元素濃度を高めることにより、副相2の磁性を弱めることができる。X元素として特に好ましいZnは非磁性元素である。副相2のX元素濃度は10原子%以上であることが好ましい。副相2のX元素濃度の上限は、特に限定されないが、例えば95原子%以上である。副相2がZnを含む場合、Zn濃度は50原子%以上が好ましい。より好ましくは55原子%以上であり、さらに好ましくは60原子%以上である。

0028

副相2により主相1の磁化反転核発生を抑制するためには、主相1の表面、すなわち主相1と副相2との界面の形状の制御が重要である。主相1で磁化反転核が発生する場合、主相1の表面での反磁界により反転核が発生することが考えられる。これを抑制するためには、主相1の表面の凹凸数が少なく平滑であることが好ましい。X元素が主相1の構成元素と反応し副相2を形成する場合、主相1と副相2との界面が再構成され、副相2の形成前に比べ、より平坦な界面となる。これにより主相1と副相2との界面での磁化反転核発生を抑制することができる。

0029

図2は、凹凸数が少ない、主相1と副相2との界面を示す模式図である。図3は、凹凸数が多い、主相1と副相2との界面を示す模式図である。主相1と副相2との界面の凹凸数の平均値は500以下であることが好ましく、さらに好ましくは、250以下であり、さらに好ましくは、100以下であり、さらに好ましくは50以下である。副相2と主相1との界面が平滑化されるためには、副相2が主相1とX元素との反応により生成されることが好ましい。このため、副相2は主相の構成元素であるR元素を含有することが好ましい。R元素の好ましい濃度は1原子%以上であり、さらに好ましくは1.5原子%以上である。R元素の濃度の上限は、特に限定されないが例えば90原子%以上である。副相2を構成する元素は、例えばSm、Y、Fe、Co、Ti、及びZnである。

0030

副相2は、図1に示すように主相1を連続して囲むことが好ましい。主相1を囲むことにより逆磁区伝搬を効果的に抑制して保磁力をさらに高めることができる。また、副相2の厚さは、0.5nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上50nm以下である。副相2が薄すぎる場合には副相2により主相1間の磁壁伝播を抑制する効果が小さい。また、副相2が厚すぎる場合には副相2の体積が増え、磁化の低下を招く。

0031

磁石材料の組成は、例えば高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectroscopy:ICP−AES)、走査電子顕微鏡エネルギー分散型X線分光法(Scanning Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:SEM−EDX)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:TEM−EDX)、走査型透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(Scanning Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:STEM−EDX)、等により測定される。各相体積比率は、電子顕微鏡光学顕微鏡による観察とX線回折等とを併用して総合的に判断される。

0032

主相1、副相2や異相の各元素の濃度は、例えばSEM−EDXを用いて測定される。例えば、SEMによる観察像とSEM−EDXによる磁石材料の測定サンプルの各元素のマッピング像から主相1や副相2を特定することができる。

0033

主相1と副相2は次のように認定される。SEM−EDXマッピング像を磁石材料の断面について撮影する。磁石材料の断面としては、試料最大面積を有する表面の実質的に中央部の断面が用いられる。SEMでは、例えば倍率1000〜10000倍で10μm×10μm以上100μm×100μm以下の領域を観察する。各元素のマッピング像における主相1の構成元素と副相2の構成元素の濃度変化から主相1と副相2を同定できる。X元素の濃度が高い部分が副相2であり、以下のように主相1と副相2との界面を同定できる。上記方法で認定した任意の主相1と副相2との界面付近に対し、STEM−EDXマッピング像を観察し、主相1から副相2に向けてX元素の濃度変化を測定した際に、X濃度が急峻に変化した位置を主相1と副相と2の界面とする。マッピング像の倍率は10000倍〜20000倍であることが好ましい。また、上記方法で同定した主相1と副相2との界面と接する直線を引き、その直線と平行な線を副相2の反対側の界面に引く。この2直線の距離を副相2の厚さとする。副相2の厚さは各視野で一続きになっているものに対し、重なり合わない10箇所以上の点において測定した平均値を当該副相2の厚さとする。磁石材料全体において、重なり合わない10視野以上の箇所を測定し、全ての平均値を、当該磁石材料の副相2の平均厚さとする。

0034

主相1と副相2との界面の凹凸数の平均値については以下のように求められる。主相1と副相2との界面が同定された視野と同一視野のSTEM像において、主相1と副相2との界面から300nm以上離れた主相1内の任意の点(基準点)から主相1と副相2の界面に向かって3本の直線を引く。3本の直線は基準線と、基準点を中心に基準線から+θ度回転した線(+θ線)と−θ度回転した線(−θ線)である。各線の長さをそれぞれ計測し、基準線と−θ線の差分(−Δ)と基準線と+θ線の差分(+Δ)を求める。ここで、Δの値が30nmに満たない場合は0とする。−Δと+Δの符号が同じ場合、凹凸としてカウントする。基準点を中心に基準線を2θずつ回転させながら同様の操作を行い、界面全体を計測する。基準点と測定する界面の間に別の界面が存在する場合、基準点の位置を変えながら行う。一度計測した界面と重ならないように行う。視野内の一続きの界面の凹凸数をその視野における一つの主相1と副相2との界面の凹凸数とし、重なり合わない10視野以上の箇所を測定し、全ての平均値を当該磁石材料の主相1と副相2との界面の凹凸数の平均値とする。

0035

磁石材料の保磁力等の磁気物性は、例えば振動試料型磁力計(Vibrating Sample Magetometer:VSM)を用いて算出される。

0036

次に、実施形態の磁石材料の製造方法例について説明する。まず、磁石材料に必要な所定の元素を含む合金を製造する。例えば、アーク溶解法高周波溶解法、金型鋳造法メカニカルアロイング法メカニカルグラインディング法、ガスアトマイズ法還元拡散法等を用いて合金を製造することができる。

0037

X元素は合金製造時に含有させてもよいが、主相1の構成元素からなる合金を粉砕した粉末とX元素の単体又はX元素と主相1の任意の構成元素との合金を粉砕した粉末を混合し、熱処理により反応させる、いわゆる二粉法の手法で含有させてもよい。X元素の単体又はX元素と任意の主相1の構成元素との合金の粉末は後述のジェットミルボールミルなどの粉砕装置を用いることで作製できる。また、ガスアトマイズ法や還元拡散法を用いてもよい。又は粉末原料購入してもよい。二粉法を用いることでX元素と主相1との反応により副相2を形成しやすく、保磁力を向上させやすい。ここでは二粉法による磁石材料の製造方法を例示する。なお、X元素の添加量に応じて副相2中のX元素の濃度を調整することもできる。

0038

上記合金を溶解して急冷してもよい。これにより、ThMn12型結晶相を安定して得ることができ、異相の析出量を低減することができる。溶解された合金は、例えば液体急冷法を用い冷却される。液体急冷法では、合金溶湯高速回転するロール射出する。ロールは単ロール型でも双ロール型でもよく、材質は主に銅などが使用される。射出する溶湯の量や、回転するロールの周速を制御することにより溶湯の冷却速度を制御することができる。急冷を用いた合金作製法のひとつであるストリップキャスト法は冷却速度が比較的遅い液体急冷法と考えることができる。急冷速度高速化すると、製造される磁石材料の金属組織を微細にかつ均一化する効果が高い。

0039

上記合金又は合金薄帯に対して熱処理を施してもよい。これにより、該材料を均質化することが可能である。例えば、700℃以上1300℃以下の温度で5分以上200時間以下加熱する。これにより、ThMn12型結晶相の安定性を高めることができる。

0040

上記合金にA元素を侵入させてもよい。A元素を合金へ侵入させる工程の前に、合金を粉砕して粉末にしておくことが好ましい。A元素が窒素の場合、約0.1気圧以上100気圧以下の窒素ガスアンモニアガス等の雰囲気中で、200℃以上700℃以下の温度で合金を1時間以上100時間以下加熱することにより、合金を窒化させ、N元素を合金に侵入させることができる。A元素が炭素の場合、約0.1気圧以上100気圧以下のC2H2、CH4、C3H8、又はCOガス若しくはメタノール加熱分解ガスの雰囲気中で、300℃以上900℃以下の温度範囲で合金を1時間以上100時間以下加熱することにより、合金を炭化させ、C元素を合金に侵入させることができる。A元素が水素の場合、約0.1〜100気圧の水素ガスやアンモニアガス等の雰囲気中で、200〜700℃の温度範囲で合金を1〜100時間加熱することにより、合金を水素化させ、H元素を合金に侵入させることができる。A元素がホウ素の場合、合金を製造する時に原料にホウ素を含めることにより、合金中にホウ素を含有させることができる。A元素がリンの場合、合金をリン化させ、P元素を合金に侵入させることができる。

0041

上記合金をジェットミルやボールミルなどの粉砕装置を用いて粉砕し、主相1の構成元素からなる合金粉末を形成する。また、X元素の単体又はX元素と任意の主相1の構成元素との合金を同様にジェットミルやボールミルなどの粉砕装置を用いて粉砕し、X元素を含む粉末を形成してもよい。これら二種類以上の粉末を適当な混合比で混合し、混合粉末を得る。混合粉末を1トン程度の圧力でプレスし200℃以上700℃以下の温度で1分以上10時間以下加熱することでX元素を含む副相2を生成する。熱処理温度が200℃未満の場合、X元素と主相1との反応が起こらず、適切な副相2を形成することができない。また、温度が700℃を超える場合、X元素と主相1の反応が激しくなり、主相1の分解が起こることや、界面の凹凸数が増加し、保磁力の低下を招く。好ましい範囲は250℃以上650℃以下であり、さらに好ましくは300℃以上600℃以下である。また加熱時間が短い場合、材料内に温度ムラが生じ、副相2の生成が不均一となる。また、長い場合、X元素と主相1の反応が進み過ぎて主相1の分解が起こることや、界面の凹凸数が増加し、保磁力の低下を招く。好ましい範囲は2分以上5時間以下であり、さらに好ましくは5分以上1時間以下である。

0042

上記工程により磁石材料が製造される。上記磁石材料はそのまま永久磁石として提供することができる。また、プレスの際にさらに、1〜2T程度の磁場中で磁場配向プレスすることで、磁力を高めることもできる。又は、上記磁石材料を用いて下記のように永久磁石を製造してもよい。磁石製造工程の一例を示す。上記磁石材料をジェットミルやボールミルなどの粉砕装置を用いて粉砕し、1〜2T程度の磁場中で1トン程度の圧力で磁場配向プレスすることにより成型体を得る。得られた成型体をAr中真空中などの不活性ガス雰囲気で加熱し焼結を行うことにより焼結体を作製する。焼結体に不活性雰囲気中などで適宜熱処理を加えることにより永久磁石を製造することができる。又は、上記磁石材料を粉砕し、粉砕物樹脂等で固着させることにより上記磁石材料を含むボンド磁石が製造される。

0043

(第2の実施形態)
第1の実施形態の磁石材料を具備する永久磁石は、各種モータや発電機に使用することができる。また、可変磁束モータや可変磁束発電機固定磁石可変磁石として使用することも可能である。第1の実施形態の永久磁石を用いることによって、各種のモータや発電機が構成される。第1の実施形態の永久磁石を可変磁束モータに適用する場合、可変磁束モータの構成やドライブシステムには、例えば特開2008−29148号公報や特開2008−43172号公報に開示されている技術を適用することができる。

0044

次に、上記永久磁石を具備するモータと発電機について、図面を参照して説明する。図4は永久磁石モータを示す図である。図4に示す永久磁石モータ11では、ステータ固定子)12内にロータ回転子)13が配置されている。ロータ13の鉄心14中には、第1の実施形態の永久磁石である永久磁石15が配置されている。第1の実施形態の永久磁石を用いることにより、各永久磁石の特性等に基づいて、永久磁石モータ11の高効率化、小型化、低コスト化等を図ることができる。

0045

図5は可変磁束モータを示す図である。図5に示す可変磁束モータ21において、ステータ(固定子)22内にはロータ(回転子)23が配置されている。ロータ23の鉄心24中には、第1の実施形態の永久磁石が固定磁石25及び可変磁石26として配置されている。可変磁石26の磁束密度磁束量)は可変することが可能とされている。可変磁石26はその磁化方向がQ軸方向と直交するため、Q軸電流の影響を受けず、D軸電流により磁化することができる。ロータ23には磁化巻線(図示せず)が設けられている。この磁化巻線に磁化回路から電流を流すことによって、その磁界が直接に可変磁石26に作用する構造となっている。

0046

第1の実施形態の永久磁石によれば、固定磁石25に好適な保磁力を得ることができる。第1の実施形態の永久磁石を可変磁石26に適用する場合には、製造条件を変更することによって、例えば保磁力を100kA/m以上500kA/m以下の範囲に制御すればよい。なお、図5に示す可変磁束モータ21においては、固定磁石25及び可変磁石26のいずれにも第1の実施形態の永久磁石を用いることができるが、いずれか一方の磁石に第1の実施形態の永久磁石を用いてもよい。可変磁束モータ21は、大きなトルクを小さい装置サイズ出力可能であるため、モータの高出力・小型化が求められるハイブリッド車電気自動車等のモータに好適である。

0047

図6は発電機を示している。図6に示す発電機31は、上記永久磁石を用いたステータ(固定子)32を備えている。ステータ(固定子)32の内側に配置されたロータ(回転子)33は、発電機31の一端に設けられたタービン34とシャフト35を介して接続されている。タービン34は、例えば外部から供給される流体により回転する。なお、流体により回転するタービン34に代えて、自動車の回生エネルギー等の動的な回転を伝達することによって、シャフト35を回転させることも可能である。ステータ32とロータ33には、各種公知の構成を採用することができる。

0048

シャフト35はロータ33に対してタービン34とは反対側に配置された整流子(図示せず)と接触しており、ロータ33の回転により発生した起電力が発電機31の出力として相分離母線及び主変圧器(図示せず)を介して、系統電圧に昇圧されて送電される。発電機31は、通常の発電機及び可変磁束発電機のいずれであってもよい。なお、ロータ33にはタービン34からの静電気や発電に伴う軸電流による帯電が発生する。このため、発電機31はロータ33の帯電を放電させるためのブラシ36を備えている。

0049

以上のように、上記永久磁石を発電機に適用することにより、高効率化、小型化、低コスト化等の効果が得られる。

0050

上記回転電機は、例えば、鉄道交通に利用される鉄道車両(車両の一例)に搭載されてよい。図7は、回転電機101を具備する鉄道車両100の一例を示す図である。回転電機101としては、上記図4、5のモータ、図6の発電機等を用いることができる。回転電機101として上記回転電機が搭載された場合、回転電機101は、例えば、架線から供給される電力や、鉄道車両100に搭載された二次電池から供給される電力を利用することによって駆動力を出力する電動機(モータ)として利用されてもよいし、運動エネルギーを電力に変換して、鉄道車両100内の各種負荷に電力を供給する発電機(ジェネレータ)として利用されてもよい。実施形態の回転電機のような高効率な回転電機を利用することにより、省エネルギーで鉄道車両を走行させることができる。

0051

上記回転電機は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の自動車(車両の他の例)に搭載されてもよい。図8は、回転電機201を具備する自動車200の一例を示す図である。回転電機201としては、上記図4、5のモータ、図6の発電機等を用いることができる。回転電機201として上記回転電機が搭載された場合、回転電機201は、自動車200の駆動力を出力する電動機、又は自動車200の走行時の運動エネルギーを電力に変換する発電機として利用してもよい。また、上記回転電機は、例えば産業機器産業用モータ)、空調機器エアコンディショナ給湯器コンプレッサモータ)、風力発電機、又はエレベータ巻上機)に搭載されてもよい。

0052

(実施例1)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。次に、合金を溶解し、得られた溶湯をストリップキャスト法により急冷し、合金薄帯を作製した。上記合金薄帯をAr雰囲気下において1100℃の温度で20時間加熱した。

0053

次に、合金薄帯をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、平均粒径3μm程度のZn粉末を作製し、両粉末を混合した。その後、1トンの圧力でプレスし成型体を形成し、400℃で10分間の熱処理を行い、永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石はThMn12型結晶相を主相とし、Znを含む副相を有する金属組織を具備することを確認した。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0054

(実施例2)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。上記合金をAr雰囲気下において1100℃の温度で20時間加熱した。

0055

次に、合金をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、平均粒径3μm程度のZn粉末を作製し、両粉末を混合した。その後、1〜2Tの磁場中で1トンの圧力でプレスし成型体を形成し、450℃で5分間の熱処理を行い、永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とし、Znを含む副相を有する金属組織を具備することを確認した。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0056

(実施例3)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。次に、合金を溶解し、得られた溶湯を10m/sで回転する銅製の単ロールに射出することでストリップキャスト法よりも高速で急冷し、合金薄帯を作製した。上記合金薄帯をAr雰囲気下において1000℃の温度で1時間加熱した。

0057

次に、合金薄帯をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、平均粒径3μm程度のZn粉末を作製し、両粉末を混合した。その後、1トンの圧力でプレスし成型体を形成し、350℃で30分間の熱処理を行い、永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とし、Znを含む副相を有する金属組織を具備することが確認された。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0058

(実施例4)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。次に、合金を溶解し、得られた溶湯をストリップキャスト法により急冷し、合金薄帯を作製した。上記合金薄帯をAr雰囲気下において1000℃の温度で25時間加熱した。

0059

次に、合金薄帯をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、平均粒径3μm程度のSn粉末を作製し、両粉末を混合した。その後、1トンの圧力でプレスし成型体を形成し、300℃で5分間の熱処理を行い、永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とし、Snを含む副相を有する金属組織を具備することを確認した。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0060

(実施例5)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。次に、合金を溶解し、得られた溶湯をストリップキャスト法により急冷し、合金薄帯を作製した。上記合金薄帯をAr雰囲気下において1000℃の温度で25時間加熱した。

0061

次に、合金薄帯をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、Sm−Cu金属化合物の合金を作製し、ジェットミルで粉砕してSm−Cu粉末を得た。両粉末を混合した後、1トンの圧力でプレスし成型体を得た後に、500℃の温度で30分間の熱処理を行い、永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とし、Cuを含む副相を有する金属組織を具備することを確認した。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0062

(実施例6)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。上記合金をAr雰囲気下で1100℃、50時間加熱した。

0063

次に、合金をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、平均粒径3μm程度のZn粉末を作製し、両粉末を混合した。その後、1〜2Tの磁場中で1トンの圧力でプレスし成型体を形成し、400℃の温度で15分間の熱処理を行い、永久磁石材料を得た。

0064

次に、永久磁石材料をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製し、磁場中成型した後、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering:SPS)法を用いて永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とし、Znを含む副相を有する金属組織を具備することを確認した。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0065

(比較例1)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。次に、合金を溶解し、得られた溶湯をストリップキャスト法により急冷し、合金薄帯を作製した。上記合金薄帯をAr雰囲気下において1000℃の温度で20時間加熱した。

0066

次に、合金薄帯をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製し、磁場中成型と熱処理により永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とするが、X元素を含む副相を有していないことが確認された。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。結果を表1に示す。

0067

(比較例2)
原料を適量秤量し、アーク溶解法を用いて合金を作製した。次に、合金を溶解し、得られた溶湯をストリップキャスト法により急冷し、合金薄帯を作製した。上記合金薄帯をAr雰囲気下において1000℃の温度で25時間加熱した。

0068

次に、合金薄帯をジェットミルで粉砕して合金粉末を作製した。また、平均粒径3μm程度のSn粉末を作製し、両粉末を混合した。その後、1トンの圧力でプレスし成型体を得、600℃で30分間の熱処理を行い、永久磁石を得た。得られた永久磁石に対し、SEM−EDX分析を行った結果、永久磁石がThMn12型結晶相を主相とし、Snを含む副相を有する金属組織を具備することを確認した。副相中のZn元素濃度はSEM−EDX分析から算出した。磁石材料の組成はICP−AESを用いて評価した。また、VSMを用いて永久磁石の保磁力を評価した。さらに、主相と副相との界面の凹凸数の平均値を測定した。結果を表1に示す。

0069

0070

実施例1〜6、比較例1、2において、比較例1の保磁力を「×(Bad)」としたとき、比較例1の保磁力に対して50%以上200%以下上昇した場合に「△(Good)」と判定し、200%を超えて上昇した場合に「〇(Very Good)」と判定した。表1から分かるように、実施例1〜6の永久磁石では、X元素を含む副相が形成されており、主相と副相との界面の凹凸数が少なく保磁力の向上が確認された。特に実施例1〜3及び6においては、副相に50原子%以上のZnが含まれており、保磁力向上の効果が大きかった。これに対し、比較例1の磁石材料はX元素を含む副相が存在せず、保磁力がほとんど発現しなかった。また、比較例2の磁石材料はSnを含む副相が形成されていたが、主相と副相との界面の凹凸数が多く、保磁力は向上しなかった。

実施例

0071

なお、上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0072

1…主相、2…副相、11…永久磁石モータ、13…ロータ、14…鉄心、15…永久磁石、21…可変磁束モータ、23…ロータ、24…鉄心、25…固定磁石、26…可変磁石、31…発電機、32…ステータ、33…ロータ、34…タービン、35…シャフト、36…ブラシ、100…鉄道車両、101…回転電機、200…自動車、201…回転電機。

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