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技術 電極、二次電池、電池パック、及び車両

出願人 株式会社東芝
発明者 保科圭吾張文原田康宏高見則雄
出願日 2018年9月18日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-174164
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-047437
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード バインダ分散液 外周端近傍 電極試料 走査型電子顕微鏡画像 分析画像 ポリアクリル酸化合物 搭載箇所 チタン含有複合酸化物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (13)

課題

入出力特性及び寿命特性に優れた電極、並びに、この電極を備えた二次電池電池パック、及び車両を提供する。

解決手段

実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質と、導電剤とを含む。活物質は、ニオブチタン複合酸化物の複数の一次粒子を含む。導電剤は、繊維状炭素を含む。一次粒子の平均粒径は0.3μm以上2μm以下である。一次粒子の表面の少なくとも一部は、繊維状炭素に被覆される。一次粒子の表面の繊維状炭素による被覆率は、0.10%以上40%以下である。

概要

背景

非水電解質電池などの二次電池は、小型電子機器電源としての利用に加え、車載用途定置用途など中大型電源としての利用も期待される。特に中大型電源としての用途では、寿命特性、安全性、及び入出力特性の点で優れた性能が要求される。

これらの性能を高める方法の一つに、活物質としてチタン複合酸化物を用いることが挙げられる。活物質としてチタン複合酸化物を用いると、活物質としてグラファイトなどの炭素質物を用いた場合と比較して、寿命特性、安全性、及び入出力特性に優れた二次電池を得ることができる。しかしながら、チタン複合酸化物の電子伝導性は、炭素質物の電子伝導性よりも低い。そこで、活物質としてチタン複合酸化物を用いる場合、電極の電子伝導性を高めるために、電極における導電剤の配合量を高めることや、チタン複合酸化物の粒子炭素を付着させた複合体を用いることなどが提案されている。

概要

入出力特性及び寿命特性に優れた電極、並びに、この電極を備えた二次電池、電池パック、及び車両を提供する。実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質と、導電剤とを含む。活物質は、ニオブチタン複合酸化物の複数の一次粒子を含む。導電剤は、繊維状炭素を含む。一次粒子の平均粒径は0.3μm以上2μm以下である。一次粒子の表面の少なくとも一部は、繊維状炭素に被覆される。一次粒子の表面の繊維状炭素による被覆率は、0.10%以上40%以下である。

目的

効果

実績

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請求項1

ニオブチタン複合酸化物の複数の一次粒子を含む活物質と、繊維状炭素を含む導電剤とを含む活物質含有層を備え、前記一次粒子の平均粒径は、0.3μm以上2μm以下であり、前記一次粒子の表面の少なくとも一部は、前記繊維状炭素に被覆され、その被覆率は、0.01%以上40%以下である電極

請求項2

前記一次粒子の平均粒径は、10000倍の倍率の前記活物質含有層の断面に係る走査型電子顕微鏡画像から得られ、前記被覆率は、50000倍の倍率の前記活物質含有層の断面に係る走査型電子顕微鏡画像から得られる請求項1に記載の電極。

請求項3

前記一次粒子間距離の平均値は、0より大きく100nm以下である請求項1又は2に記載の電極。

請求項4

前記ニオブチタン複合酸化物は、一般式LiaTi1-xM1xNb2-yM2yO7-δ(0≦a<5、0≦x<1、0≦y<1、元素M1及び元素M2は、それぞれ、Fe、Ni、W、Ta及びMoからなる群より選択される少なくとも1つの元素であり、元素M1と元素M2とは、同じ元素であってもよく、互いに異なる元素であってもよい)で表される請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極。

請求項5

前記繊維状炭素の繊維径は、1nm以上50nm以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の電極。

請求項6

前記導電剤は、平均粒径が10nm以上300nm以下の粒状炭素を更に含む請求項1乃至5の何れか1項に記載の電極。

請求項7

前記活物質含有層は、第1バインダ及び第2バインダを更に含み、前記第1バインダは、カルボキシルメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシエチルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、前記第2バインダは、スチレンブタジエンゴムポリフッ化ビニリデンポリイミドポリアミドイミドポリアクリル酸、及びポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む請求項1乃至6の何れか1項に記載の電極。

請求項8

請求項1乃至7の何れか1項に記載の電極である負極と、正極と、電解質とを具備する二次電池

請求項9

請求項8に記載の二次電池を具備する電池パック

請求項10

通電用外部端子と、保護回路とを更に具備する請求項9に記載の電池パック。

請求項11

複数の前記二次電池を具備し、前記二次電池が、直列並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている請求項9又は10に記載の電池パック。

請求項12

請求項9乃至11の何れか1項に記載の電池パックを搭載した車両。

請求項13

前記車両の運動エネルギー回生エネルギーに変換する機構を含む請求項12に記載の車両。

技術分野

0001

本発明は、電極二次電池電池パック、及び車両に関する。

背景技術

0002

非水電解質電池などの二次電池は、小型電子機器電源としての利用に加え、車載用途定置用途など中大型電源としての利用も期待される。特に中大型電源としての用途では、寿命特性、安全性、及び入出力特性の点で優れた性能が要求される。

0003

これらの性能を高める方法の一つに、活物質としてチタン複合酸化物を用いることが挙げられる。活物質としてチタン複合酸化物を用いると、活物質としてグラファイトなどの炭素質物を用いた場合と比較して、寿命特性、安全性、及び入出力特性に優れた二次電池を得ることができる。しかしながら、チタン複合酸化物の電子伝導性は、炭素質物の電子伝導性よりも低い。そこで、活物質としてチタン複合酸化物を用いる場合、電極の電子伝導性を高めるために、電極における導電剤の配合量を高めることや、チタン複合酸化物の粒子炭素を付着させた複合体を用いることなどが提案されている。

先行技術

0004

特開2012−221672号公報
特開2015−167127号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本実施形態によると、入出力特性及び寿命特性に優れた電極、並びに、この電極を備えた二次電池、電池パック、及び車両が提供される。

課題を解決するための手段

0006

一実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質と、導電剤とを含む。活物質は、ニオブチタン複合酸化物の複数の一次粒子を含む。導電剤は、繊維状炭素を含む。一次粒子の平均粒径は0.3μm以上2μm以下である。一次粒子の表面の少なくとも一部は、繊維状炭素に被覆される。一次粒子の表面の繊維状炭素による被覆率は、0.10%以上40%以下である。

0007

他の実施形態によると、二次電池が提供される。この二次電池は、実施形態に係る電極を具備する。

0008

他の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、実施形態に係る二次電池を具備する。

0009

他の実施形態によると、車両が提供される。この車両は、実施形態に係る電池パックを具備する。

図面の簡単な説明

0010

活物質含有層の断面に係る走査型電子顕微鏡写真の一例。
活物質含有層の断面に係る走査型電子顕微鏡写真の他の例。
実施形態に係る二次電池の一例を概略的に示す断面図。
図3に示す二次電池のA部を拡大した断面図。
実施形態に係る二次電池の他の例を模式的に示す部分切欠斜視図。
図5に示す二次電池のB部を拡大した断面図。
実施形態に係る組電池の一例を概略的に示す斜視図。
実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図。
図8に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図。
実施形態に係る車両の一例を概略的に示す断面図。
実施形態に係る車両の他の例を概略的に示した図。
活物質含有層の断面を概略的に示す模式図。

0011

ニオブチタン複合酸化物を負極活物質として用いた場合、低充電状態(SOC:State of Charge)、すなわち、負極活物質がリチウムイオンを十分に吸蔵していない状態において、その電子伝導性が低下する傾向にある。そこで、活物質の電子伝導性を高めるために、その一次粒子間に、炭素粒子からなる導電剤を配することがある。一次粒子間に配された炭素粒子は、互いに網の目状に結びつくことにより、電子導電経路、すなわち、導電パスを形成し得る。この導電パスの形成により、活物質一次粒子間の電子伝導性が高められる。

0012

しかしながら、二次電池を充電すると、負極活物質はリチウムイオンを吸蔵するため、その一次粒子の形状が膨張し得る。また、二次電池を放電すると、負極活物質はリチウムイオンを放出するため、その一次粒子の形状が収縮し得る。このように活物質の一次粒子が形状変化を繰り返すと、一次粒子間の導電パスが破壊されて、電子伝導性が低下して内部抵抗が高まる傾向にある。

0013

ところで、二次電池の入出力性能を高める方法として、粒径が小さく、比表面積の高い活物質を用いることが挙げられる。このような活物質を用いると、反応面積が増大するとともに電極の内部抵抗が低まるため、二次電池の入出力性能を高めることができる。

0014

しかしながら、反応面積が増大すると、活物質と電解質との接触面積が増えるため、電解質の分解反応が生じ易くなる。すなわち、負極活物質がリチウムイオンを吸蔵し、電極の電位が低下すると、電解質に含まれる溶媒電解質塩が分解され得る。この分解により生じた生成物は、一次粒子の表面に堆積し、被膜を形成し得る。この被膜の主成分は、有機物である。被膜は、リチウムイオンなどのイオン伝導性を有するが、電子伝導性を有さない傾向にある。したがって、この被膜が形成されると、電解質の分解反応が生じにくくなる一方で、上述した活物質一次粒子間の導電パスが壊され、電子伝導性が低下することがある。

0015

このようにして一次粒子間の導電パスが破壊されると、電極内での電子伝導性にバラつきが生じるため、二次電池の寿命特性が低下し得る。それゆえ、二次電池において、優れた入出力特性と寿命特性とを両立させることは困難であった。

0016

[第1実施形態]
実施形態によると、電極が提供される。電極は、活物質含有層を含む。活物質含有層は、活物質と、導電剤とを含む。活物質は、ニオブチタン複合酸化物の複数の一次粒子を含む。導電剤は、繊維状炭素を含む。一次粒子の平均粒径は0.3μm以上2μm以下である。一次粒子の表面の少なくとも一部は、繊維状炭素に被覆される。一次粒子の表面の繊維状炭素による被覆率は、0.10%以上40%以下である。

0017

実施形態に係る電極は、平均粒径が比較的小さい一次粒子状の活物質粒子を複数含んでいる。また、実施形態に係る電極においては、適量の繊維状炭素が、比較的小さい一次粒子を被覆している。繊維状炭素は、複数の一次粒子の間にわたって存在することができるため、粒状炭素と比較して、より強固な導電パスを設けることができる。繊維状炭素による導電パスは、充放電による一次粒子の変形や、電解質の分解による被膜の形成により壊されにくい。実施形態に係る電極においては、一次粒子間に繊維状炭素による優れた導電パスが十分に設けられている。それゆえ、実施形態に係る電極を用いると、二次電池の入出力特性と寿命特性とを両立させることができる。

0018

一次粒子の平均粒径が0.3μmより小さいと、二次電池の寿命特性が著しく低下する傾向にある。一次粒子の平均粒径が2μmより大きいと、二次電池の入出力特性を十分に高めることができない。一次粒子の平均粒径は、0.4μm以上1.3μm以下であることが好ましく、0.5μm以上0.9μm以下であることがより好ましい。

0019

被覆率が0.01%より低いと、繊維状炭素による導電パスの形成が十分ではないため、二次電池の入出力特性及び寿命特性が低下する傾向にある。被覆率が40%より高いと、繊維状炭素が過剰に存在するため、電極密度が高めにくく、二次電池のエネルギー密度が低下する。被覆率は、1%以上30%以下であることが好ましく、5%以上20%以下であることがより好ましい。

0020

実施形態に係る電極において、一次粒子の少なくとも一部は、互いに離間して存在していることが好ましい。互いに離間する一次粒子は、第1粒子及び第2粒子の対を形成し得る。第1粒子及び第2粒子は、互いに離間し、かつ、互いに最も近傍に位置する。第1粒子と第2粒子との間の最近接間距離平均値、すなわち、一次粒子間距離の平均値は、0より大きく100nm以下であることが好ましい。

0021

第1粒子と第2粒子との間に設けられる隙間には、導電剤、バインダ、電解質、及びこれらの混合物が存在し得る。この隙間には、導電剤が存在していることが好ましい。このような隙間が設けられていると、充放電により活物質の体積変化が生じたり、一次粒子の表面に被膜が形成されても、導電パスを保持することができ、電極の電子伝導性の低下を抑制できる。

0022

一次粒子の平均粒径は、例えば、下記の方法で得ることができる。
先ず、電極が、二次電池に含まれている場合には、以下の方法で電極を取り出す。ここでは、電極が負極である場合を一例に挙げて説明する。先ず、二次電池を放電状態にする。具体的には、25℃の環境下で、0.2C以下の電流値放電下限電圧まで二次電池を放電して、放電状態にする。放電状態にした電池を、アルゴンガス充填されたグローブボックスに入れる。グローブボックス内で電池から負極を取り出す。エチルメチルエーテル溶媒で取り出した電極を洗浄する。このようにして電極試料を得る。

0023

次に、この電極試料の活物質含有層の一部について、断面ミリングを行い、断面を露出させる。断面ミリングには、イオンミリング装置を用いる。得られた断面を、エネルギー分散X線分析装置を備えた走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope-Energy Dispersive X-ray spectrometry:SEM−EDX)で分析する。この分析により、活物質含有層に含まれている成分の形状、及び活物質含有層に含まれている成分の組成周期表におけるB〜Uの各元素)を知ることができる。これにより、分析画像において、ニオブ及びチタンを含む粒子を、活物質粒子であると同定することができる。

0024

次に、断面について、10000倍の倍率SEM像を得る。このSEM像において、一次粒子の断面を無作為に選択する。ここで、一次粒子の断面は、SEM像において、ニオブ及びチタンを含む領域であって、5μmを超える部分を含む領域を含まず、また、最も長い部分が0.3μmより小さい領域を含まず、かつ、断面の輪郭のすべてが視認可能な領域とする。ニオブ及びチタンを含む領域であって、5μmを超える部分を含む領域は、一次粒子が凝集してなる二次粒子と考えられるためである。また、ニオブ及びチタンを含む領域であって、最も長い部分が0.3μmより小さい領域は、一次粒子の破砕などにより生じた小片と考えられるためである。

0025

次に、選択した粒子に内接する最小の円を求め、この円の直径を、選択した粒子の粒子径とする。このSEM像において、同様の操作を5個の一次粒子に対して行い、粒子径の平均値を得る。この平均値の算出を、活物質含有層のそれぞれ異なる箇所で得られた20のSEM像について行う。このようにして得られた20のSEM像の平均値の合計を20で除することにより、一次粒子の平均粒径を得る。

0026

図1は、活物質含有層の断面に係る走査型電子顕微鏡写真の一例である。図1に示すSEM像は、10000倍の倍率で得られたものである。図1に示すように、活物質含有層の断面には、活物質の一次粒子PPが含まれる。

0027

一次粒子の表面の繊維状炭素による被覆率は、例えば、下記の方法で得ることができる。
先ず、上述したのと同様の方法で電極試料の断面を得る。次に、この断面について、50000倍の倍率でSEM像を得る。SEM像において、表面が切削されていない一次粒子を無作為に選択する。ニオブ及びチタンを含む領域であって、5μmを超える部分を含む領域を含まず、また、最も長い部分が0.3μmより小さい領域を含まない領域を一次粒子とみなす

0028

次に、選択した粒子に内接する最小の円を求め、この円の面積を算出する。この面積を、選択した粒子の面積とする。このSEM像において、同様の操作を1個の粒子に対して行い、粒子の面積の平均値を得る。この平均値の算出を、活物質含有層のそれぞれ異なる箇所で得られた20のSEM像について行う。このようにして得られた20のSEM像の平均値の合計を20で除することにより、一次粒子の平均面積S0を得る。

0029

次に、SEM像について二値化処理を行う。二値化処理に際しては、活物質粒子と、活物質粒子の表面上に存在する繊維状炭素とが区別できるように閾値を設定する。二値化処理後の画像から、一次粒子の表面上に存在する繊維状炭素の面積を算出する。この繊維状炭素の面積の算出を、活物質含有層のそれぞれ異なる箇所で得られた20のSEM像について行う。このようにして得られた20のSEM像の平均値の合計を20で除することにより、繊維状炭素の平均面積S1を得る。

0030

以上の方法により得られた繊維状炭素の平均面積S1を、一次粒子の平均面積S0で除することにより、一次粒子の表面において繊維状炭素が占める割合、すなわち、被覆率(S1/S0×100)を算出することができる。

0031

図2は、活物質含有層の断面に係る走査型電子顕微鏡写真の他の例である。図2に示すSEM像は、50000倍の倍率で得られたものである。図2に示すように、活物質含有層の断面には、活物質の一次粒子であって、表面が切削されていない一次粒子PP1と、活物質の一次粒子であって、表面が切削された一次粒子PP2が含まれる。一次粒子PP1の表面には、繊維状炭素FCが堆積している。

0032

一次粒子間距離は、例えば、以下の方法で得ることができる。
先ず、上述したのと同様の方法で電極試料の断面を得る。次に、この断面について、20000倍の倍率でSEM像を得る。SEM像において、無作為に一次粒子を選択する。この粒子を第1粒子とする。第1粒子から離間し、かつ、最も近傍に位置する一次粒子を選択する。この粒子を第2粒子とする。このようにして、第1粒子及び第2粒子の対を得る。第1及び第2粒子の選択に際しては、ニオブ及びチタンを含む領域であって、5μmを超える部分を含む領域を含まず、また、最も長い部分が0.3μmより小さい領域を含まない領域を一次粒子とみなす。第1粒子の輪郭と第2粒子の輪郭との間の最近接間距離を測定する。この最近接間距離を一次粒子間距離とする。このSEM像において、同様の操作を3個の対に対して行い、一次粒子間距離の平均値を得る。この平均値の算出を、活物質含有層のそれぞれ異なる箇所で得られた20のSEM像について行う。このようにして得られた20のSEM像の平均値の合計を20で除することにより、一次粒子間距離の平均値を得る。

0033

図12は、活物質含有層の断面を概略的に示す模式図である。図12は、20000倍の倍率で得られたSEM像を概略的に示す模式図である。図12において、第1粒子P1は、5つの一次粒子により囲まれている。5つの一次粒子のうち、2つの粒子は第1粒子P1から離間して存在し、3つの粒子は第1粒子の輪郭と接している。第1粒子P1から離間し、かつ、最も近傍に位置する一次粒子を第2粒子P2とする。第1粒子P1から離間し、かつ、2番目に近傍に位置する一次粒子を第3粒子P3とする。第1粒子P1と接する3つの粒子は、それぞれ、第4粒子P4、第5粒子P5、及び第6粒子P6とする。第1粒子P1の輪郭と第2粒子P2の輪郭との間の最近接間距離を、一次粒子間距離PDとする。

0034

なお、一次粒子の平均粒径、被覆率、一次粒子間距離の平均値の算出において、活物質含有層の断面としては、活物質含有層の中央部で得られたものを用いる。活物質含有層の中央部は、活物質含有層の厚さ方向、長辺方向、及び短辺方向のそれぞれにおいて中央部に位置する部分である。この中央部において、例えば、活物質含有層の長辺方向に沿って等間隔に、活物質含有層の厚さ方向と平行に切断した20の断面を測定に用いる。

0035

次に、実施形態に係る電極の詳細を説明する。実施形態に係る電極は、集電体と活物質含有層とを含み得る。

0036

(1)集電体
実施形態に係る電極において、活物質含有層は、集電体上に設けられることが好ましい。活物質含有層は、集電体の一方の主面上に設けられていてもよく、両方の主面上に設けられていてもよい。

0037

集電体は、活物質にリチウム(Li)が挿入及び脱離される電位において電気化学的に安定である材料が用いられる。例えば、電極が負極として用いられる場合は、集電体は、銅、ニッケルステンレス又はアルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金から作られることが好ましい。集電体の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましい。このような厚さを有する集電体は、電極の強度と軽量化のバランスをとることができる。

0038

また、集電体は、その表面に活物質含有層が形成されていない部分を含むことができる。この部分は、集電タブとして働くことができる。

0039

(2)活物質含有層
活物質含有層は、活物質及び導電剤を含む。活物質含有層は、バインダを含んでいてもよい。

0040

(2−1)活物質
活物質は、ニオブチタン複合酸化物を含む。ニオブチタン複合酸化物の結晶構造は、例えば、単斜晶型に属する。

0041

ニオブチタン複合酸化物としては、LiaTi1-xM1xNb2-yM2yO7-δで表される化合物を用いることができる。ここで、元素M1及び元素M2は、Fe、Ni、W、Ta及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。元素M1及び元素M2は、同じ元素であってもよく、互いに異なる元素であってもよい。組成式中のそれぞれの添字は、0≦a<5、0≦x<1、0≦y<1、−0.3≦δ≦0.3である。ニオブチタン複合酸化物の具体例として、LixNb2TiO7(0≦x≦5)が挙げられる。

0042

ニオブチタン複合酸化物としては、LixTi1-yM3y+zNb2-zO7-δで表される化合物を用いてもよい。ここで、元素M3は、Fe、Ni、W、Ta及びMoより選択される少なくとも1つの元素である。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x<5、0≦y<1、0≦z≦2、−0.3≦δ≦0.3である。

0043

また、ニオブチタン複合酸化物としては、ナトリウム含有ニオブチタン複合酸化物を用いてもよい。ナトリウム含有ニオブチタン複合酸化物としては、Li2+vNa2-wM4xTi6-y-zNbyM5zO14+δで表される化合物を用いることができる。ここで、元素M4は、Cs、K、Sr、Ba及びCaからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。元素M5は、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Mn及びAlからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。組成式中のそれぞれの添字は、0≦v≦4、0<w<2、0≦x<2、0<y≦6、0≦z<3、−0.5≦δ≦0.5である。

0044

ニオブチタン複合酸化物としては、LiaTi1-xM1xNb2-yM2yO7-δで表される化合物を用いることが好ましい。

0045

活物質は、ニオブチタン複合酸化物以外に、チタン複合酸化物を含んでいてもよい。チタン複合酸化物としては、スピネル構造を有するチタン酸リチウム、単斜晶型β型チタン複合酸化物、アナターゼ型酸化チタンルチル型酸化チタン、及び直方晶チタン含有複合酸化物などをが挙げられる。

0046

直方晶型チタン含有複合酸化物の例として、Li2+aM(I)2-bTi6-cM(II)dO14+σで表される化合物が挙げられる。ここで、M(I)は、Sr,Ba,Ca,Mg,Na,Cs,Rb及びKからなる群より選択される少なくとも1つである。M(II)は、Zr,Sn,V,Nb,Ta,Mo,W,Y,Fe,Co,Cr,Mn,Ni,及びAlからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦a≦6、0≦b<2、0≦c<6、0≦d<6、−0.5≦σ≦0.5である。直方晶型チタン含有複合酸化物の具体例として、Li2+aNa2Ti6O14(0≦a≦6)が挙げられる。

0047

ニオブチタン複合酸化物は、粒子の形態にある。ニオブチタン複合酸化物は、一次粒子と、二次粒子との混合物であり得る。二次粒子は、複数の一次粒子が凝集してなる。二次粒子は不定形を有し得る。活物質含有層において、活物質粒子は、一次粒子として分散していることが好ましい。一次粒子として分散することにより、二次電池の入出力特性を高めることができる。また、二次粒子は、充放電による活物質の体積変化により、その形状が崩壊することがある。このように二次粒子の形状が変化すると、導電パスが破壊されて、電池の入出力特性及び寿命特性が低下する傾向にある。

0048

活物質含有層において、一次粒子の存在率は、二次粒子の存在率よりも高いことが好ましい。一次粒子の存在率は、60%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。

0049

一次粒子の存在率は、例えば、以下の方法で得ることができる。
先ず、上述したのと同様の方法で10000倍の活物質含有層の断面のSEM像を得る。SEM像で確認できるすべての一次粒子の断面が占める面積A1を算出する。一次粒子の断面は、SEM像において、ニオブ及びチタンを含む領域であって、5μmを超える部分を含む領域を含まず、また、最も長い部分が0.3μmより小さい領域を含まず、かつ、断面の輪郭のすべてが視認可能な領域とする。次に、SEM像で確認できるすべての二次粒子の断面の面積A2を算出する。二次粒子の断面は、ニオブ及びチタンを含む領域であって、5μmを超える部分を含む領域とする。一次粒子の断面の面積A1と二次粒子の断面の面積A2との合計A3に占める一次粒子の面積A1の割合A1/A3を、SEM像における一次粒子の存在率とする。また、一次粒子の断面の面積A1と二次粒子の断面の面積A2との合計A3に占める二次粒子の面積A2の割合A2/A3を、SEM像における二次粒子の存在率とする。この一次粒子の存在率の算出を、活物質含有層のそれぞれ異なる箇所で得られた20のSEM像について行う。このようにして得られた20のSEM像の一次粒子の存在率の合計を20で除することにより得られた平均値を、一次粒子の存在率とする。

0050

(2−2)導電剤
導電剤は、繊維状炭素を含む。繊維状炭素は、一次粒子の表面の少なくとも一部を被覆する。繊維状炭素は、主に、一次粒子間の電子伝導性を高める。

0051

繊維状炭素のアスペクト比、すなわち、長軸Lと短軸Sとの比L/Sは、50以上である。繊維状炭素のアスペクト比は、100以上であることが好ましい。繊維状炭素の繊維径、すなわち、繊維状炭素の伸長方向に対して垂直な断面の直径は、1nm以上50nm以下であることが好ましい。繊維状炭素の繊維径がこの範囲内にあると、一次粒子間に良好な導電パスを設けることができる。繊維状炭素の繊維径は、5nm以上40nm以下であることがより好ましい。また、繊維状炭素の長さ、すなわち、伸長方向と平行方向の繊維状炭素の長さは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上75μm以下であることがより好ましい。繊維状炭素の繊維径は、活物質含有層の断面の50000倍のSEM像から算出することができる。

0052

繊維状炭素としては、カーボンナノチューブを用いることが好ましい。カーボンナノチューブとしては、多層カーボンナノチューブを用いてもよく、単層カーボンナノチューブを用いてもよい。カーボンナノチューブとしては、多層カーボンナノチューブを用いることが好ましい。

0053

導電剤は、粒状炭素を更に含むことが好ましい。粒状炭素のアスペクト比、すなわち、長軸Lと短軸Sとの比L/Sは、50より低い。活物質含有層に粒状炭素を更に配合させることにより、活物質粒子同士の電子伝導性や、活物質粒子と集電体との電子伝導性を高めることができる。粒状炭素としては、アセチレンブラックカーボンブラック黒鉛グラフェンのような炭素質物を用いることができる。粒状炭素としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。

0054

粒状炭素の平均粒径は、10nm以上300nm以下であることが好ましい。粒状炭素の平均粒径がこの範囲内にあると、二次電池の入出力特性及び寿命特性が高い傾向にある。粒状炭素の平均粒径は、例えば、活物質含有層の断面の50000倍のSEM像から算出することができる。粒状炭素の平均粒径は、50nm以上200nm以下であることがより好ましい。

0055

活物質含有層において、導電剤の配合量は、例えば、100質量部の活物質に対して1質量部以上5質量部以下である。実施形態に係る電極においては、繊維状炭素が良好に活物質粒子を被覆しているため、導電剤の配合量を比較的低減することができる。導電剤はかさ密度が小さいため、導電剤の配合量を低減させると、活物質含有層の密度を高めることができる。導電剤の配合量は、100質量部の活物質に対して2質量部以上4質量部以下であることが好ましい。

0056

活物質含有層において、繊維状炭素の配合量は、100質量部の活物質に対して0.01質量部以上3質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。

0057

活物質含有層において、粒状炭素の配合量は、100質量部の活物質に対して1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。粒状炭素の配合量は、繊維状炭素の配合量より多くてもよく、等しくてもよい。

0058

(2−3)バインダ
バインダは、活物質、導電剤及び集電体を結着させる作用を有する。バインダの例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoro ethylene:PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride:PVdF)、及びフッ素系ゴムカルボキシルメチルセルロース(carboxymethyl cellulose:CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシエチルメチルセルロースポリビニルピロリドンスチレンブタジエンゴムポリイミドポリアミドイミドアクリル樹脂またはその共重合体ポリアクリル酸ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。

0059

バインダは、第1バインダ及び第2バインダの2種類のバインダを含むことが好ましい。第1バインダは、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。第2バインダは、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸、及びポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。

0060

第1バインダは、活物質含有層において、活物質粒子及び繊維状炭素の分散性を高める。第1バインダは、ニオブチタン複合酸化物の表面に吸着され易く、一次粒子の表面を比較的均一に被覆することができる。これは、ニオブチタン複合酸化物の表面に存在する官能基と、第1バインダに含まれる官能基とが反応し易いためと考えられる。一次粒子の表面が第1バインダにより被覆されると、繊維状炭素と一次粒子との密着性が高まり、被覆率が高まる傾向にある。また、一次粒子の表面が第1バインダに被覆されると、電解質の分解反応を抑制することができる。したがって、第1バインダを配合すると、二次電池の入出力特性及び寿命特性を高めることができる。

0061

第2バインダは、活物質粒子同士の密着性、活物質粒子と導電剤との密着性、活物質粒子と集電体との密着性を高める。第2バインダを配合することにより、電極の強度を高めて、電池の寿命特性を高めることができる。

0062

第2バインダは、後述する電極作製用スラリーの溶媒に合わせて選択されることが好ましい。電極作製用スラリーの溶媒に対する溶解性若しくは分散性の高いバインダを用いることにより、活物質含有層における活物質、導電剤、及びバインダの分散性が高まり、これらが比較的均一に混合された活物質含有層を得ることができる。

0063

電極作製用スラリーの溶媒としてN−メチルピロリドンなどの有機溶媒を用いる場合、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、及びスチレンブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物をバインダとして用いることが好ましい。また、電極作製用スラリーの溶媒として水を用いる場合、ポリアクリロニトリル、及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも一方を用いることが好ましい。

0064

活物質含有層において、バインダの配合量は、例えば、100質量部の活物質に対して2質量部以上28質量部以下であることが好ましい。バインダの配合量がこの範囲内にあると、電池の入出力特性及び寿命特性を高めることができる。バインダの配合量は、100質量部の活物質に対して2質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。

0065

活物質含有層において、第1バインダの配合量は、第2バインダの配合量と同じであることが好ましい。第1バインダの配合量と第2バインダの配合量が等しいと、活物質粒子等の活物質含有層に含まれる成分の分散性が高まり、これらが比較的均一に分散した活物質含有層を得ることができるとともに、電極の強度を十分に高めることができる。

0066

活物質含有層において、第1バインダの配合量は、100質量部の活物質に対して1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。また、活物質含有層において、第2バインダの配合量は、100質量部の活物質に対して1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。

0067

(3)製造方法
実施形態に係る電極の製造方法は、繊維状炭素を溶媒に分散させて繊維状炭素分散液を得ることと、繊維状炭素分散液に一次粒子状の活物質を加えて第1混合物を得ることと、第1混合物の分散処理を行うことと、分散処理後の第1混合物に球状炭素を加えて第2混合物を得ることと、第2混合物の分散処理を行うことと、分散処理後の第2混合物に第1バインダを加えて第3混合物を得ることと、第3混合物の分散処理を行うことと、分散処理後の第3混合物に第2バインダを加えて第4混合物を得ることと、第4混合物の分散処理を行うこととを含み得る。なお、第1混合物に球状炭素を加える工程は省略してもよい。また、第1バインダ及び第2バインダは、同時に加えてもよく、一方の添加を省略してもよい。

0068

このような方法では、先ず、活物質の一次粒子と繊維状炭素とが混合されるため、活物質の一次粒子の表面に繊維状炭素を担持させることができる。これにより、活物質含有層において、活物質の一次粒子間に繊維状炭素による強固な導電パスを設けることができる。

0069

次に、繊維状炭素を担持した一次粒子と球状炭素とが混合されるため、繊維状炭素を担持した一次粒子の表面に球状炭素を配置させることができる。これにより、活物質含有層の電子伝導性をより高めることができる。

0070

次に、繊維状炭素及び球状炭素により被覆された一次粒子と第1バインダとが混合されるため、活物質の一次粒子の表面であって、繊維状炭素及び球状炭素により被覆されていない部分の少なくとも一部が、第1バインダにより被覆される。これにより、活物質含有層において、活物質の一次粒子と電解質との反応性を低下させることができる。また、繊維状炭素及び粒状炭素と一次粒子との密着性を高めることができる。

0071

したがって、上記の方法によると、入出力特性及び寿命特性に優れた電極を得ることができる。

0072

次に、この方法の詳細を説明する。
先ず、繊維状炭素の粉末を溶媒に分散させて、繊維状炭素分散液を調製する。溶媒としては、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒、あるいは、水を用いることができる。繊維状炭素分散液における繊維状炭素の含有量は、例えば、0.1質量%以上7.0質量%以下とする。

0073

次に、繊維状炭素分散液に、ニオブチタン複合酸化物などの活物質の粉末を混合して、第1混合物を得る。活物質粉末としては、平均粒径が0.3μm以上2μm以下のものを用いることが好ましい。平均粒径が2μmより大きいものや、造粒された二次粒子を含む活物質粉末を用いる場合、十分な分散処理を行い、二次粒子を粉砕させることが好ましい。第1混合物をプラネタリーミキサーなどの混錬機を用いて撹拌して、分散処理後の第1混合物を得る。

0074

次に、分散処理後の第1混合物に粒状炭素の粉末を加えて、第2混合物を得る。第2混合物をプラネタリーミキサーなどの混錬機を用いて撹拌して、分散処理後の第2混合物を得る。なお、この工程は省略してもよい。

0075

次に、分散処理後の第2混合物に第1バインダを加えて、第3混合物を得る。第3混合物を、ビーズミル装置などの粉砕機を用いて撹拌して、分散処理後の第3混合物を得る。第1バインダは、溶媒に溶解させた第1バインダ溶液として加えることが好ましい。溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒、あるいは、水を用いる。第1バインダ溶液における第1バインダの含有量は、例えば、1質量%以上10質量%以下とする。

0076

分散処理後の第3混合物に第2バインダを加えて、第4混合物を得る。第4混合物を、ビーズミル装置などの粉砕機を用いて撹拌し、分散処理後の第4混合物を得る。第2バインダは、溶媒に分散させた第2バインダ分散液として加えることが好ましい。溶媒としては、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒、あるいは、水を用いることができる。第2バインダ分散液における第2バインダの含有量は、例えば、1質量%以上10質量%以下とする。なお、第1バインダ及び第2バインダは、同時に加えてもよく、一方の添加を省略してもよい。

0077

次に、電極用スラリーとして、分散処理後の第4混合物を、集電体の片面又は両面に塗布する。塗布した電極用スラリーを乾燥させて、活物質含有層と集電体との積層体を得る。この積層体にプレスを施して、電極を得る。

0078

或いは、電極は、次の方法により作成してもよい。先ず、電極用スラリーをペレット状に成形する。次いで、これらのペレットを集電体上に配置することにより、電極を得ることができる。

0079

以上説明した実施形態に係る電極は、平均粒径が0.3μm以上2μm以下の一次粒子を含み、一次粒子の表面は、0.1%以上40%以下の被覆率で繊維状炭素に被覆されている。したがって、実施形態に係る電極を用いると、二次電池の入出力特性及び寿命特性を高めることができる。

0080

[第2の実施形態]
実施形態によると、負極と、正極と、電解質とを含む二次電池が提供される。この二次電池は、負極として、実施形態に係る電極を含む。

0081

実施形態に係る二次電池は、正極と負極との間に配されたセパレータを更に具備することもできる。負極、正極及びセパレータは、電極群を構成することができる。電解質は、電極群に保持され得る。

0082

また、実施形態に係る二次電池は、電極群及び電解質を収容する外装部材を更に具備することができる。

0083

さらに、実施形態に係る二次電池は、負極に電気的に接続された負極端子及び正極に電気的に接続された正極端子を更に具備することができる。

0084

実施形態に係る二次電池は、例えばリチウム二次電池であり得る。また、二次電池は、非水電解質を含んだ非水電解質二次電池を含む。

0085

以下、負極、正極、電解質、セパレータ、外装部材、負極端子及び正極端子について詳細に説明する。

0086

1)負極
負極は、負極集電体と、負極活物質含有層とを含むことができる。負極集電体及び負極活物質含有層は、それぞれ、実施形態に係る電極が含むことのできる集電体及び活物質含有層であり得る。

0087

負極の詳細のうち、第1の実施形態について説明した詳細と重複する部分は、省略する。

0088

負極活物質含有層の密度(集電体を含まず)は、2.3g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが好ましい。負極活物質含有層の密度がこの範囲内にある負極は、エネルギー密度と電解質の保持性とに優れている。負極活物質含有層の密度は、2.5g/cm3以上2.9g/cm3以下であることがより好ましい。

0089

負極は、例えば、第1の実施形態に係る電極と同様の方法により作製することができる。

0090

2)正極
正極は、正極集電体と、正極活物質含有層とを含むことができる。正極活物質含有層は、正極集電体の片面又は両面に形成され得る。正極活物質含有層は、正極活物質と、任意に導電剤及び結着剤を含むことができる。

0091

正極活物質としては、例えば、酸化物を用いることができる。正極は、正極活物質として、1種類の化合物を単独で含んでいてもよく、或いは2種類以上の化合物を組み合わせて含んでいてもよい。酸化物の例には、Li又はLiイオンを挿入及び脱離させることができる化合物を挙げることができる。

0092

このような化合物としては、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄酸化銅酸化ニッケルリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4又はLixMnO2;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLixNi1-yCoyO2;0<x≦1、0<y<1)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-yO2;0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLixMn2-yNiyO4;0<x≦1、0<y<2)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLixFePO4;0<x≦1、LixFe1-yMnyPO4;0<x≦1、0<y<1、LixCoPO4;0<x≦1)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-y-zCoyMnzO2;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。

0093

上記のうち、正極活物質としてより好ましい化合物の例には、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLixNi1-yCoyO2;0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLixMn2-yNiyO4;0<x≦1、0<y<2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-yO2;0<x≦1、0<y<1)、リチウムリン酸鉄(例えばLixFePO4;0<x≦1)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-y-zCoyMnzO2;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。これらの化合物を正極活物質に用いると、正極電位を高めることができる。

0094

電池の電解質として常温溶融塩を用いる場合、リチウムリン酸鉄、LixVPO4F(0≦x≦1)、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、又はこれらの混合物を含む正極活物質を用いることが好ましい。これらの化合物は常温溶融塩との反応性が低いため、サイクル寿命を向上させることができる。常温溶融塩の詳細については、後述する。

0095

正極活物質の一次粒径は、100nm以上3μm以下であることが好ましい。一次粒径が100nm以上の正極活物質は、工業生産上の取り扱いが容易である。一次粒径が3μm以下の正極活物質は、リチウムイオンの固体拡散をスムーズに進行させることが可能である。

0096

正極活物質の比表面積は、0.1m2/g以上10m2/g以下であることが好ましい。0.1m2/g以上の比表面積を有する正極活物質は、Liイオンの吸蔵・放出サイトを十分に確保できる。10m2/g以下の比表面積を有する正極活物質は、工業生産の上で取り扱い易く、かつ良好な充放電サイクル性能を確保できる。

0097

結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、また、正極活物質と正極集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoro ethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸化合物イミド化合物、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose;CMC)、及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを結着剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて結着剤として用いてもよい。

0098

導電剤は、集電性能を高め、且つ、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、気相成長カーボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)、アセチレンブラックなどのカーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。これらの1つを導電剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて導電剤として用いてもよい。また、導電剤を省略することもできる。

0099

正極活物質含有層において、正極活物質及び結着剤は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下、及び2質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。

0100

結着剤の量を2質量%以上にすることにより、十分な電極強度が得られる。また、結着剤は、絶縁体として機能し得る。そのため、結着剤の量を20質量%以下にすると、電極に含まれる絶縁体の量が減るため、内部抵抗を減少できる。

0101

導電剤を加える場合には、正極活物質、結着剤及び導電剤は、それぞれ、77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好ましい。

0102

導電剤の量を3質量%以上にすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤の量を15質量%以下にすることにより、電解質と接触する導電剤の割合を低くすることができる。この割合が低いと、高温保存下において、電解質の分解を低減することができる。

0103

正極集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。

0104

アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。アルミニウム箔の純度は99質量%以上であることが好ましい。アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に含まれる鉄、銅、ニッケル、及びクロムなどの遷移金属の含有量は、1質量%以下であることが好ましい。

0105

また、正極集電体は、その表面に正極活物質含有層が形成されていない部分を含むことができる。この部分は、正極集電タブとして働くことができる。

0106

正極は、例えば、正極活物質を用いて、実施形態に係る電極と同様の方法により作製することができる。

0107

3)電解質
電解質としては、例えば液状非水電解質又はゲル状非水電解質を用いることができる。液状非水電解質は、溶質としての電解質塩を有機溶媒に溶解することにより調製される。電解質塩の濃度は、0.5 mol/L以上2.5 mol/L以下であることが好ましい。

0108

電解質塩の例には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、及びビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CF3SO2)2)のようなリチウム塩、及び、これらの混合物が含まれる。電解質塩は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6が最も好ましい。

0109

有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート(propylene carbonate;PC)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate;EC)、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate;VC)のような環状カーボネートジエチルカーボネート(diethyl carbonate;DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate;DMC)、メチルエチルカーボネート(methyl ethyl carbonate;MEC)のような鎖状カーボネートテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran;THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2-methyl tetrahydrofuran;2MeTHF)、ジオキソラン(dioxolane;DOX)のような環状エーテルジメトキシエタン(dimethoxy ethane;DME)、ジエトキシエタン(diethoxy ethane;DEE)のような鎖状エーテルγ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone;GBL)、アセトニトリル(acetonitrile;AN)、及びスルホラン(sulfolane;SL)が含まれる。これらの有機溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。

0110

ゲル状非水電解質は、液状非水電解質と高分子材料とを複合化することにより調製される。高分子材料の例には、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile;PAN)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide;PEO)、又はこれらの混合物が含まれる。

0111

或いは、非水電解質としては、液状非水電解質及びゲル状非水電解質の他に、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)、高分子固体電解質、及び無機固体電解質等を用いてもよい。

0112

常温溶融塩(イオン性融体)は、有機物カチオンアニオンとの組合せからなる有機塩の内、常温(15℃以上25℃以下)で液体として存在し得る化合物を指す。常温溶融塩には、単体で液体として存在する常温溶融塩、電解質塩と混合させることで液体となる常温溶融塩、有機溶媒に溶解させることで液体となる常温溶融塩、又はこれらの混合物が含まれる。一般に、二次電池に用いられる常温溶融塩の融点は、25℃以下である。また、有機物カチオンは、一般に4級アンモニウム骨格を有する。

0113

高分子固体電解質は、電解質塩を高分子材料に溶解し、固体化することによって調製される。

0114

無機固体電解質は、Liイオン伝導性を有する固体物質である。

0115

4)セパレータ
セパレータは、例えば、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、セルロース、若しくはポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)を含む多孔質フィルム、又は合成樹脂製不織布から形成される。安全性の観点からは、ポリエチレン又はポリプロピレンから形成された多孔質フィルムを用いることが好ましい。これらの多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流遮断することが可能なためである。さらに多孔質フィルムに酸化物などの無機物が塗布されていてもよい。

0116

5)外装部材
外装部材としては、例えば、ラミネートフィルムからなる容器、又は金属製容器を用いることができる。

0117

ラミネートフィルムの厚さは、例えば、0.5mm以下であり、好ましくは、0.2mm以下である。

0118

ラミネートフィルムとしては、複数の樹脂層とこれらの樹脂層間に介在した金属層とを含む多層フィルムが用いられる。樹脂層は、例えば、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)等の高分子材料を含んでいる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなることが好ましい。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより、外装部材の形状に成形され得る。

0119

金属製容器の壁の厚さは、例えば、1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは、0.2mm以下である。

0120

金属製容器は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム亜鉛、及びケイ素等の元素を含むことが好ましい。アルミニウム合金は、鉄、銅、ニッケル、及びクロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100質量ppm以下であることが好ましい。

0121

外装部材の形状は、特に限定されない。外装部材の形状は、例えば、扁平型薄型)、角型、円筒型コイン型、又はボタン型等であってもよい。外装部材は、電池寸法や電池の用途に応じて適宜選択することができる。

0122

6)負極端子
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位において電気化学的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成することができる。具体的には、負極端子の材料としては、銅、ニッケル、ステンレス若しくはアルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn,Fe,Cu,及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子の材料としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料からなることが好ましい。

0123

7)正極端子
正極端子は、リチウムの酸化還元電位に対し3V以上4.5V以下の電位範囲(vs.Li/Li+)において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成することができる。正極端子の材料としては、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。

0124

次に、実施形態に係る二次電池について、図面を参照しながらより具体的に説明する。

0125

図3は、実施形態に係る二次電池の一例を概略的に示す断面図である。図4は、図3に示す二次電池のA部を拡大した断面図である。

0126

図3及び図4に示す二次電池100は、図3に示す袋状外装部材2と、図3及び図4に示す電極群1と、図示しない電解質とを具備する。電極群1及び電解質は、袋状外装部材2内に収納されている。電解質(図示しない)は、電極群1に保持されている。

0127

袋状外装部材2は、2つの樹脂層とこれらの間に介在した金属層とを含むラミネートフィルムからなる。

0128

図3に示すように、電極群1は、扁平状の捲回型電極群である。扁平状で捲回型である電極群1は、図4に示すように、負極3と、セパレータ4と、正極5とを含む。セパレータ4は、負極3と正極5との間に介在している。

0129

負極3は、負極集電体3aと負極活物質含有層3bとを含む。負極3のうち、捲回型の電極群1の最外殻に位置する部分は、図4に示すように負極集電体3aの内面側のみに負極活物質含有層3bが形成されている。負極3におけるその他の部分では、負極集電体3aの両面に負極活物質含有層3bが形成されている。

0130

正極5は、正極集電体5aと、その両面に形成された正極活物質含有層5bとを含んでいる。

0131

図3に示すように、負極端子6及び正極端子7は、捲回型の電極群1の外周端近傍に位置している。この負極端子6は、負極集電体3aの最外殻に位置する部分に接続されている。また、正極端子7は、正極集電体5aの最外殻に位置する部分に接続されている。これらの負極端子6及び正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。袋状外装部材2の内面には、熱可塑性樹脂層が設置されており、これが熱融着されていることにより、開口部が閉じられている。

0132

実施形態に係る二次電池は、図3及び図4に示す構成の二次電池に限らず、例えば図5及び図6に示す構成の電池であってもよい。

0133

図5は、実施形態に係る二次電池の他の例を模式的に示す部分切欠斜視図である。図6は、図5に示す二次電池のB部を拡大した断面図である。

0134

図5及び図6に示す二次電池100は、図5及び図6に示す電極群1と、図5に示す外装部材2と、図示しない電解質とを具備する。電極群1及び電解質は、外装部材2内に収納されている。電解質は、電極群1に保持されている。

0135

外装部材2は、2つの樹脂層とこれらの間に介在した金属層とを含むラミネートフィルムからなる。

0136

電極群1は、図6に示すように、積層型の電極群である。積層型の電極群1は、負極3と正極5とをその間にセパレータ4を介在させながら交互に積層した構造を有している。

0137

電極群1は、複数の負極3を含んでいる。複数の負極3は、それぞれが、負極集電体3aと、負極集電体3aの両面に担持された負極活物質含有層3bとを備えている。また、電極群1は、複数の正極5を含んでいる。複数の正極5は、それぞれが、正極集電体5aと、正極集電体5aの両面に担持された正極活物質含有層5bとを備えている。

0138

各負極3の負極集電体3aは、その一辺において、いずれの表面にも負極活物質含有層3bが担持されていない部分3cを含む。この部分3cは、負極集電タブとして働く。図6に示すように、負極集電タブとして働く部分3cは、正極5と重なっていない。また、複数の負極集電タブ(部分3c)は、帯状の負極端子6に電気的に接続されている。帯状の負極端子6の先端は、外装部材2の外部に引き出されている。

0139

また、図示しないが、各正極5の正極集電体5aは、その一辺において、いずれの表面にも正極活物質含有層5bが担持されていない部分を含む。この部分は、正極集電タブとして働く。正極集電タブは、負極集電タブ(部分3c)と同様に、負極3と重なっていない。また、正極集電タブは、負極集電タブ(部分3c)に対し電極群1の反対側に位置する。正極集電タブは、帯状の正極端子7に電気的に接続されている。帯状の正極端子7の先端は、負極端子6とは反対側に位置し、外装部材2の外部に引き出されている。

0140

実施形態に係る二次電池は、実施形態に係る電極を含んでいる。そのため、実施形態に係る二次電池は、高い入出力特性及び寿命特性を実現することができる。

0141

[第3の実施形態]
実施形態によると、組電池が提供される。実施形態に係る組電池は、実施形態に係る二次電池を複数個具備している。

0142

実施形態に係る組電池において、各単電池は、電気的に直列若しくは並列に接続して配置してもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて配置してもよい。

0143

次に、実施形態に係る組電池の一例について、図面を参照しながら説明する。

0144

図7は、実施形態に係る組電池の一例を概略的に示す斜視図である。図7に示す組電池200は、5つの単電池100a〜100eと、4つのバスバー21と、正極側リード22と、負極側リード23とを具備している。5つの単電池100a〜100eのそれぞれは、実施形態に係る二次電池である。

0145

バスバー21は、例えば、1つの単電池100aの負極端子6と、隣に位置する単電池100bの正極端子7とを接続している。このようにして、5つの単電池100は、4つのバスバー21により直列に接続されている。すなわち、図7の組電池200は、5直列の組電池である。

0146

図7に示すように、5つの単電池100a〜100eのうち、左端に位置する単電池100aの正極端子7は、外部接続用の正極側リード22に接続されている。また、5つの単電池100a〜100eうち、右端に位置する単電池100eの負極端子6は、外部接続用の負極側リード23に接続されている。

0147

実施形態に係る組電池は、実施形態に係る二次電池を具備する。したがって、高い入出力特性及び寿命特性を実現することができる。

0148

[第4の実施形態]
実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、実施形態に係る組電池を具備している。この電池パックは、実施形態に係る組電池の代わりに、単一の実施形態に係る二次電池を具備していてもよい。

0149

実施形態に係る電池パックは、保護回路を更に具備することができる。保護回路は、二次電池の充放電を制御する機能を有する。或いは、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器自動車等)に含まれる回路を、電池パックの保護回路として使用してもよい。

0150

また、実施形態に係る電池パックは、通電用外部端子を更に具備することもできる。通電用の外部端子は、外部に二次電池からの電流を出力するため、及び/又は二次電池に外部からの電流を入力するためのものである。言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電流(自動車などの動力回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通して電池パックに供給される。

0151

次に、実施形態に係る電池パックの一例について、図面を参照しながら説明する。

0152

図8は、実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図である。図9は、図8に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。

0153

図8及び図9に示す電池パック300は、収容容器31と、蓋32と、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35と、図示しない絶縁板とを備えている。

0154

図8に示す収容容器31は、長方形の底面を有する有底角型容器である。収容容器31は、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35とを収容可能に構成されている。蓋32は、矩形型の形状を有する。蓋32は、収容容器31を覆うことにより、上記組電池200等を収容する。収容容器31及び蓋32には、図示していないが、外部機器等へと接続するための開口部又は接続端子等が設けられている。

0155

組電池200は、複数の単電池100と、正極側リード22と、負極側リード23と、粘着テープ24とを備えている。

0156

単電池100は、図3及び図4に示す構造を有している。複数の単電池100の少なくとも1つは、実施形態に係る二次電池である。複数の単電池100は、外部に延出した負極端子6及び正極端子7が同じ向きになるように揃えて積層されている。複数の単電池100の各々は、図9に示すように電気的に直列に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接続されていてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されていてもよい。複数の単電池100を並列接続すると、直列接続した場合と比較して、電池容量が増大する。

0157

粘着テープ24は、複数の単電池100を締結している。粘着テープ24の代わりに、熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固定してもよい。この場合、組電池200の両側面に保護シート33を配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて複数の単電池100を結束させる。

0158

正極側リード22の一端は、単電池100の積層体において、最下層に位置する単電池100の正極端子7に接続されている。負極側リード23の一端は、単電池100の積層体において、最上層に位置する単電池100の負極端子6に接続されている。

0159

プリント配線基板34は、収容容器31の内側面のうち、一方の短辺方向の面に沿って設置されている。プリント配線基板34は、正極側コネクタ341と、負極側コネクタ342と、サーミスタ343と、保護回路344と、配線345及び346と、通電用の外部端子347と、プラス側配線348aと、マイナス側配線348bとを備えている。プリント配線基板34の一方の主面は、組電池200において負極端子6及び正極端子7が延出する面と向き合っている。プリント配線基板34と組電池200との間には、図示しない絶縁板が介在している。

0160

正極側コネクタ341には、貫通孔が設けられている。この貫通孔に、正極側リード22の他端が挿入されることにより、正極側コネクタ341と正極側リード22とは電気的に接続される。負極側コネクタ342には、貫通孔が設けられている。この貫通孔に、負極側リード23の他端が挿入されることにより、負極側コネクタ342と負極側リード23とは電気的に接続される。

0161

サーミスタ343は、プリント配線基板34の一方の主面に固定されている。サーミスタ343は、単電池100の各々の温度を検出し、その検出信号を保護回路344に送信する。

0162

通電用の外部端子347は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。通電用の外部端子347は、電池パック300の外部に存在する機器と電気的に接続されている。

0163

保護回路344は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。保護回路344は、プラス側配線348aを介して通電用の外部端子347と接続されている。保護回路344は、マイナス側配線348bを介して通電用の外部端子347と接続されている。また、保護回路344は、配線345を介して正極側コネクタ341に電気的に接続されている。保護回路344は、配線346を介して負極側コネクタ342に電気的に接続されている。更に、保護回路344は、複数の単電池100の各々と配線35を介して電気的に接続されている。

0164

保護シート33は、収容容器31の長辺方向の両方の内側面と、組電池200を介してプリント配線基板34と向き合う短辺方向の内側面とに配置されている。保護シート33は、例えば、樹脂又はゴムからなる。

0165

保護回路344は、複数の単電池100の充放電を制御する。また、保護回路344は、サーミスタ343から送信される検出信号、又は、個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号に基づいて、保護回路344と外部機器への通電用の外部端子347との電気的な接続を遮断する。

0166

サーミスタ343から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の温度が所定の温度以上であることを検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の過充電過放電及び過電流を検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充電等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を検出してもよい。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の単電池100に挿入する。

0167

なお、保護回路344としては、電池パック300を電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用いてもよい。

0168

また、この電池パック300は、上述したように通電用の外部端子347を備えている。したがって、この電池パック300は、通電用の外部端子347を介して、組電池200からの電流を外部機器に出力するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入力することができる。言い換えると、電池パック300を電源として使用する際には、組電池200からの電流が、通電用の外部端子347を通して外部機器に供給される。また、電池パック300を充電する際には、外部機器からの充電電流が、通電用の外部端子347を通して電池パック300に供給される。この電池パック300を車載用電池として用いた場合、外部機器からの充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いることができる。

0169

なお、電池パック300は、複数の組電池200を備えていてもよい。この場合、複数の組電池200は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。また、プリント配線基板34及び配線35は省略してもよい。この場合、正極側リード22及び負極側リード23を通電用の外部端子として用いてもよい。

0170

このような電池パックは、例えば大電流を取り出したときにサイクル性能が優れていることが要求される用途に用いられる。この電池パックは、具体的には、例えば、電子機器の電源、定置用電池、各種車両の車載用電池として用いられる。電子機器としては、例えば、デジタルカメラを挙げることができる。この電池パックは、車載用電池として特に好適に用いられる。

0171

実施形態に係る電池パックは、実施形態に係る二次電池又は実施形態に係る組電池を備えている。したがって、実施形態に係る電池パックは、入出力特性及び寿命特性に優れている。

0172

[第5の実施形態]
実施形態によると、車両が提供される。この車両は、実施形態に係る電池パックを搭載している。

0173

実施形態に係る車両において、電池パックは、例えば、車両の動力の回生エネルギーを回収するものである。

0174

実施形態に係る車両の例としては、例えば、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車アシスト自転車、及び鉄道用車両が挙げられる。

0175

実施形態に係る車両における電池パックの搭載位置は、特には限定されない。例えば、電池パックを自動車に搭載する場合、電池パックは、車両のエンジンルーム車体後方又は座席の下に搭載することができる。

0176

実施形態に係る車両は、複数の電池パックを搭載してもよい。この場合、電池パックは、電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。

0177

次に、実施形態に係る車両の一例について、図面を参照しながら説明する。

0178

図10は、実施形態に係る車両の一例を概略的に示す断面図である。

0179

図10に示す車両400は、車両本体40と、実施形態に係る電池パック300とを含んでいる。図10に示す例では、車両400は、四輪の自動車である。

0180

この車両400は、複数の電池パック300を搭載してもよい。この場合、電池パック300は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。

0181

図10では、電池パック300が車両本体40の前方に位置するエンジンルーム内に搭載されている例を図示している。上述したとおり、電池パック300は、例えば、車両本体40の後方又は座席の下に搭載してもよい。この電池パック300は、車両400の電源として用いることができる。また、この電池パック300は、車両400の動力の回生エネルギーを回収することができる。

0182

次に、図11を参照しながら、実施形態に係る車両の実施態様について説明する。

0183

図11は、実施形態に係る車両の一例を概略的に示した図である。図11に示す車両400は、電気自動車である。

0184

図11に示す車両400は、車両本体40と、車両用電源41と、車両用電源41の上位制御手段である車両ECU(ECU:Electric Control Unit;電気制御装置)42と、外部端子(外部電源に接続するための端子)43と、インバータ44と、駆動モータ45とを備えている。

0185

車両400は、車両用電源41を、例えばエンジンルーム、自動車の車体後方又は座席の下に搭載している。なお、図11に示す車両400では、車両用電源41の搭載箇所については概略的に示している。

0186

車両用電源41は、複数(例えば3つ)の電池パック300a、300b及び300cと、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)411と、通信バス412とを備えている。

0187

3つの電池パック300a、300b及び300cは、電気的に直列に接続されている。電池パック300aは、組電池200aと組電池監視装置301a(例えば、VTM:Voltage Temperature Monitoring)とを備えている。電池パック300bは、組電池200bと組電池監視装置301bとを備えている。電池パック300cは、組電池200cと組電池監視装置301cとを備えている。電池パック300a、300b、及び300cは、それぞれ独立して取り外すことが可能であり、別の電池パック300と交換することができる。

0188

組電池200a〜200cのそれぞれは、直列に接続された複数の単電池を備えている。複数の単電池の少なくとも1つは、実施形態に係る二次電池である。組電池200a〜200cは、それぞれ、正極端子413及び負極端子414を通じて充放電を行う。

0189

電池管理装置411は、車両用電源41の保全に関する情報を集めるために、組電池監視装置301a〜301cとの間で通信を行い、車両用電源41に含まれる組電池200a〜200cに含まれる単電池100の電圧、及び温度などに関する情報を収集する。

0190

電池管理装置411と組電池監視装置301a〜301cとの間には、通信バス412が接続されている。通信バス412は、1組の通信線を複数のノード(電池管理装置と1つ以上の組電池監視装置と)で共有するように構成されている。通信バス412は、例えばCAN(Control Area Network)規格に基づいて構成された通信バスである。

0191

組電池監視装置301a〜301cは、電池管理装置411からの通信による指令に基づいて、組電池200a〜200cを構成する個々の単電池の電圧及び温度を計測する。ただし、温度は1つの組電池につき数箇所だけで測定することができ、全ての単電池の温度を測定しなくてもよい。

0192

車両用電源41は、正極端子413と負極端子414との接続を入り切りするための電磁接触器(例えば図11に示すスイッチ装置415)を有することもできる。スイッチ装置415は、組電池200a〜200cへの充電が行われるときにオンするプリチャージスイッチ(図示せず)、及び、電池出力負荷へ供給されるときにオンするメインスイッチ(図示せず)を含んでいる。プリチャージスイッチおよびメインスイッチは、スイッチ素子の近傍に配置されたコイルに供給される信号によりオン又はオフされるリレー回路(図示せず)を備えている。

0193

インバータ44は、入力された直流電圧を、モータ駆動用3相交流(AC)の高電圧に変換する。インバータ44の3相の出力端子は、駆動モータ45の各3相の入力端子に接続されている。インバータ44は、電池管理装置411、あるいは車両全体の動作を制御するための車両ECU42からの制御信号に基づいて、出力電圧を制御する。

0194

駆動モータ45は、インバータ44から供給される電力により回転する。この回転は、例えば差動ギアユニットを介して車軸および駆動輪Wに伝達される。

0195

また、図示はしていないが、車両400は、回生ブレーキ機構を備えている。回生ブレーキ機構は、車両400を制動した際に駆動モータ45を回転させ、運動エネルギー電気エネルギーとしての回生エネルギーに変換する。回生ブレーキ機構で回収した回生エネルギーは、インバータ44に入力され、直流電流に変換される。直流電流は、車両用電源41に入力される。

0196

車両用電源41の負極端子414には、接続ラインL1の一方の端子が、電池管理装置411内の電流検出部(図示せず)を介して接続されている。接続ラインL1の他方の端子は、インバータ44の負極入力端子に接続されている。

0197

車両用電源41の正極端子413には、接続ラインL2の一方の端子が、スイッチ装置415を介して接続されている。接続ラインL2の他方の端子は、インバータ44の正極入力端子に接続されている。

0198

外部端子43は、電池管理装置411に接続されている。外部端子43は、例えば、外部電源に接続することができる。

0199

車両ECU42は、運転者などの操作入力応答して他の装置とともに電池管理装置411を協調制御して、車両全体の管理を行なう。電池管理装置411と車両ECU42との間では、通信線により、車両用電源41の残容量など、車両用電源41の保全に関するデータ転送が行われる。

0200

実施形態に係る車両は、実施形態に係る電池パックを搭載している。したがって、出力性能に優れ、信頼性の高い車両を実現することができる。

0201

以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。

0202

(実施例1)
先ず、水に繊維状炭素を分散させて、繊維状炭素分散液を調製した。繊維状炭素としては、多層カーボンナノチューブを用いた。多層カーボンナノチューブの繊維径は10nmであり、長さは20μmであった。

0203

次に、繊維状炭素分散液に一次粒子状の活物質粒子を加えて第1混合物を得た。活物質としては、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−1)を用いた。NTO−1の組成はTiNb2O7であった。第1混合物において、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量は1質量部であった。第1混合物をプラネタリーミキサーを用いて撹拌して、分散処理後の第1混合物を得た。

0204

次に、分散処理後の第1混合物に粒状炭素を加えて第2混合物を得た。粒状炭素の配合量は、100質量部の活物質に対して2質量部とした。粒状炭素としては、平均粒径が50nmであるアセチレンブラックを用いた。第2混合物をプラネタリーミキサーを用いて撹拌して、分散処理後の第2混合物を得た。

0205

次に、分散処理後の第2混合物に第1バインダ溶液を加えて第3混合物を得た。第1バインダ溶液としては、水にカルボキシルメチルセルロース(CMC)を溶解させたものを用いた。第1バインダ溶液は、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量が1.5質量部となるように加えた。第3混合物をビーズミルを用いて撹拌して、分散処理後の第3混合物を得た。

0206

次に、分散処理後の第3混合物に第2バインダ分散液を加えて第4混合物を得た。第2バインダ分散液としては、水にスチレンブタジエンゴム(SBR)を分散させたものを用いた。第2バインダ分散液は、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量が1.5質量部となるように加えた。第4混合物をビーズミルを用いて撹拌して、分散処理後の第4混合物を得た。

0207

次に分散処理後の第4混合物をアルミニウム箔の両面に塗布した。第4混合物の塗布量は、100g/m2とした。塗布した第4混合物を乾燥させた後、乾燥後の第4混合物についてプレス処理を施し、活物質含有層を含む電極を得た。活物質含有層の密度は2.7cm3/gであった。

0208

(実施例2)
第1バインダとして、CMCの代わりにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0209

(実施例3)
第1バインダとして、CMCの代わりにヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0210

(実施例4)
第1バインダとして、CMCの代わりにポリビニルピロリドン(PVP)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0211

(実施例5)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより大きい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0212

(実施例6)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより大きい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0213

(実施例7)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより小さい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−4)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0214

(実施例8)
繊維状炭素分散液の溶媒として、水の代わりにN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を、1質量部から2質量部に変更したこと、第1バインダ溶液の溶媒として、水の代わりにNMPを用いたこと、第2バインダ分散液として、水にSBRを分散させたものの代わりにNMPにポリフッ化ビニリデン(PVdF)を分散させたものを用いたこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を1.5質量部から2質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を1.5質量部から2質量部に変更したこと以外は、実施例1に記載したのと同様の方法で電極を作製した。

0215

(実施例9)
100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、100質量部の活物質に対する球状炭素の配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、第1バインダとしてCMCの代わりにHPMCを用いたこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと以外は、実施例8に記載したのと同様の方法で電極を作製した。

0216

(実施例10)
活物質として、NTO−1の代わりにNTO−2を用いたこと、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を2質量部から0.1質量部に変更したこと、第1バインダとしてCMCの代わりにHEMCを用いたこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと以外は、実施例8に記載したのと同様の方法で電極を作製した。

0217

(実施例11)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより小さい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−5)を用いたこと、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を2質量部から0.04質量部に変更したこと、100質量部の活物質に対する球状炭素の配合量を2質量部から4質量部に変更したこと、第1バインダとしてCMCの代わりにHEMCを用いたこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと以外は、実施例8に記載したのと同様の方法で電極を作製した。

0218

(実施例12)
100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を2質量部から0.2質量部に変更したこと、第2バインダとしてPVdFの代わりにポリアクリロニトリル(PAN)を用いたこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと以外は、実施例8に記載したのと同様の方法で電極を作製した。

0219

(実施例13)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより大きい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−6)を用いたこと、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を2質量部から0.5質量部に変更したこと、第2バインダとしてPVdFの代わりにポリアクリル酸(PAA)を用いたこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと以外は、実施例8に記載したのと同様の方法で電極を作製した。

0220

(実施例14)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子状の直方晶型ナトリウム含有ニオブチタン複合酸化物(LNT−1)を用いたこと、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を2質量部から1質量部に変更したこと、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと、及び、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を2質量部から1.5質量部に変更したこと以外は、実施例8に記載したのと同様の方法で電極を作製した。なお、LNT−1の組成式は、Li2Na1.7Ti5.7Nb0.3O14であった。

0221

(実施例15)
活物質として、LNT−1の代わりにNTO−1とチタン複合酸化物(LTO−1)との混合物を用いたこと以外は、実施例14に記載したのと同様の方法で電極を作製した。混合物において、NTO−1とLTO−1との質量比は9:1であった。LTO−1の組成式は、Li4Ti5O12であった。

0222

(実施例16)
活物質として、LNT−1の代わりにNTO−1とLNT−1との混合物を用いたこと以外は、実施例14に記載したのと同様の方法で電極を作製した。混合物において、NTO−1とLNT−1との質量比は8:1であった。

0223

(比較例1)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより大きい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−7)を用いたこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0224

(比較例2)
活物質として、NTO−1の代わりに一次粒子の平均粒径がより小さい単斜晶型ニオブチタン複合酸化物(NTO−8)を用いたこと以外は、実施例8と同様に電極を作製した。

0225

(比較例3)
活物質として、NTO−1の代わりにNTO−2を用いたこと、及び、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を1質量部から0.04質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0226

(実施例17)
活物質として、NTO−1の代わりにNTO−2を用いたこと、及び、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を1質量部から2質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0227

(比較例4)
NTO−2の粉末とスクロースと純水とを混合して、分散液を得た。分散液において、100質量部の活物質に対するスクロースの配合量は5質量部とした。この分散液を噴霧乾燥に供して、粉末試料を得た。得られた粉末試料について、100℃の温度で12時間にわたって乾燥させて、未焼成活物質複合体を得た。未焼成の活物質複合体を、不活性雰囲気下で、700℃の温度で3時間にわたって焼成して、炭素化処理を行った。このようにして活物質複合体NTO−Cを得た。NTO−Cは、炭素被覆された一次粒子を含む二次粒子であった。

0228

活物質として、NTO−1の代わりにNTO−Cを用いたこと、及び、繊維状炭素の配合を省略したこと以外は、実施例1と同様に電極を作製した。

0229

[一次粒子の平均粒径、被覆率、及び一次粒子間距離の測定]
実施例及び比較例で得られた電極について、上述した方法で、一次粒子の平均粒径、被覆率、及び一次粒子間距離を測定した。その結果を、表2に示す。

0230

評価試験
実施例及び比較例で得られた電極について、入出力特性及び寿命特性を評価するために、評価用セルを作製した。評価用セルとしては、3極式セルを用いた。作用極としては実施例及び比較例で得られた電極を用いた。対極及び参照極としては、リチウム金属を用いた。非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒にLiPF6を溶解させたものを用いた。混合溶媒におけるECとDECとの体積比率は1:2であった。LiPF6の濃度は1.0mol/Lとした。

0231

(入出力特性評価)
先ず、1Cの電流値で作用極の電位が1.0V(vs.Li/Li+)に達するまで評価用セルを充電した。電位が1.0V(vs.Li/Li+)に達した後、電流値が0.05Cとなるまでこの電位を維持しながら評価用セルを更に充電した。電流値が0.05Cに達した後、0.2Cの電流値で、電位が3.0V(vs.Li/Li+)に達するまで評価用セルを放電した。電位が3.0V(vs.Li/Li+)に達するまでの放電容量を測定して、放電容量W0.2Cを得た。

0232

次に、1Cの電流値で作用極の電位が1.0V(vs.Li/Li+)に達するまで再び評価用セルを充電した。電位が1.0V(vs.Li/Li+)に達した後、電流値が0.05Cとなるまでこの電位を維持しながら評価用セルを更に充電した。電流値が0.05Cに達した後、5Cの電流値で、電位が3.0V(vs.Li/Li+)に達するまで評価用セルを放電した。電位が3.0V(vs.Li/Li+)に達するまでの放電容量を測定して、放電容量W5Cを得た。

0233

放電容量W5Cを放電容量W0.2Cで除することにより、放電容量率(W5C/W0.2C×100)を算出した。この結果を表2に示す。

0234

寿命特性評価
先ず、1Cの電流値で作用極の電位が1.0V(vs.Li/Li+)に達するまで評価用セルを充電した。電位が1.0V(vs.Li/Li+)に達した後、電流値が0.05Cとなるまでこの電位を維持しながら評価用セルを更に充電した。電流値が0.05Cに達した後、1Cの電流値で、電位が3.0V(vs.Li/Li+)に達するまで評価用セルを放電した。電位が3.0V(vs.Li/Li+)に達するまでの放電容量を測定して、1サイクル目の放電容量W1を得た。これを1サイクルとして、100サイクル行った。100サイクル目の放電容量を測定し、放電容量W100を得た。

0235

放電容量W100を放電容量W1で除することにより、100サイクル目の容量維持率(W100/W1×100)を得た。この結果を表2に示す。

0236

実施例及び比較例に係る電極の製造方法について下記の表1にまとめる。

0237

0238

上記表1において、「電極の製造方法」という見出しの下方の列において、「活物質」と表記した列には、活物質として用いた活物質の種類を記載している。「繊維状炭素」と表記した列には、100質量部の活物質に対する繊維状炭素の配合量を記載している。「球状炭素」と表記した列には、100質量部の活物質に対する球状炭素の配合量を記載している。「第1バインダ」という見出しの下方の列のうち、「種類」と表記した列には、第1バインダの種類を記載している。「配合量」と表記した列には、100質量部の活物質に対する第1バインダの配合量を記載している。「第2バインダ」という見出しの下方の列のうち、「種類」と表記した列には、第2バインダの種類を記載している。「配合量」と表記した列には、100質量部の活物質に対する第2バインダの配合量を記載している。

0239

実施例及び比較例に係る電極特性及び電池特性について下記の表2にまとめる。

0240

0241

上記表2において、「電極特性」という見出しの下方の列のうち、「平均粒径(μm)」と表記した列には、上述した方法で得られた一次粒子の平均粒径を記載している。「S0(μm2)」と表記した列には、上述した方法で得られた一次粒子の平均面積を記載している。「S1(μm2)」と表記した列には、上述した方法で得られた繊維状炭素の平均面積を記載している。「被覆率(%)」と表記した列には、一次粒子の平均面積に占める繊維状炭素の平均面積の割合を記載している。「一次粒子間距離(nm)」と表記した列には、上述した方法で得られた第1粒子及び第2粒子の間の距離の平均値が記載されている。

0242

上記表2において、「電池特性」という見出しの下方の列のうち、「放電容量率(%)」と記載した列には、放電容量W5Cを放電容量W0.2Cで除することにより得られた放電容量率(W5C/W0.2C×100)を記載している。「容量維持率(%)」と記載した列には、放電容量W100を放電容量W1で除することにより得られた100サイクル目の容量維持率(W100/W1×100)を記載している。

0243

表2に示すように、実施例1〜17に係る電極を用いたセルの放電容量率及び容量維持率は、比較例1〜4に係る電極を用いたセルの放電容量率及び容量維持率よりも高かった。

実施例

0244

以上説明した少なくとも1つの実施形態に係る電極は、平均粒径が0.3μm以上2μm以下の一次粒子を含み、一次粒子の表面は、0.1%以上40%以下の被覆率で繊維状炭素に被覆されている。したがって、実施形態に係る電極を用いると、二次電池の入出力特性及び寿命特性を高めることができる。

0245

1…電極群、2…外装部材、3…負極、3a…負極集電体、3b…負極活物質含有層、3c…負極集電タブ、4…セパレータ、5…正極、5a…正極集電体、5b…正極活物質含有層、6…負極端子、7…正極端子、21…バスバー、22…正極側リード、23…負極側リード、24…粘着テープ、31…収容容器、32…蓋、33…保護シート、34…プリント配線基板、35…配線、40…車両本体、41…車両用電源、42…電気制御装置、43…外部端子、44…インバータ、45…駆動モータ、100…二次電池、200…組電池、200a…組電池、200b…組電池、200c…組電池、300…電池パック、300a…電池パック、300b…電池パック、300c…電池パック、301a…組電池監視装置、301b…組電池監視装置、301c…組電池監視装置、341…正極側コネクタ、342…負極側コネクタ、343…サーミスタ、344…保護回路、345…配線、346…配線、347…通電用の外部端子、348a…プラス側配線、348b…マイナス側配線、400…車両、411…電池管理装置、412…通信バス、413…正極端子、414…負極端子、415…スイッチ装置、FC…繊維状炭素、L1…接続ライン、L2…接続ライン、P1…第1粒子、P2…第2粒子、P3…第3粒子、P4…第4粒子、P5…第5粒子、P6…第6粒子、PD…一次粒子間距離、PP…一次粒子、PP1…切削されていない一次粒子、PP2…切削された一次粒子、W…駆動輪。

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