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技術 導電性微粒子分散体

出願人 バンドー化学株式会社
発明者 西脇貴志新谷祐樹
出願日 2018年9月14日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-172475
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-047378
状態 未査定
技術分野 導電材料
主要キーワード イオン化列 導電性焼結体 低抵抗値化 アミン混合液 シリンジ法 ギ酸銀 粘着性付与材 無機コロイド粒子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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課題

100℃以下の焼結温度条件で焼成された場合にも低抵抗値及び密着性両立できる導電性微粒子分散体を提供する。

解決手段

銀微粒子含窒素ヘテロ環を有する化合物、及び、分散媒を含み、上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有する。

概要

背景

近年、金属微粒子を含有する導電性インク基材上に印刷して焼成することにより、極めて微細電子回路デバイスを形成するプリンテッドエレクトロニクス技術が注目されている。導電性インクに用いられる金属微粒子は、従来から知られた導電ペースト中の導電フィラーよりもはるかに小さいナノメートルサイズ粒子であるため、ナノ粒子特有融点降下によって低温焼結させることができ、かつ金属箔に近い高い導電性を実現できるという特徴がある。このような導電性インクに用いられる金属微粒子としては、銀ナノ粒子が知られている。

このような導電性インクに関する先行技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1及び2が挙げられる。

特許文献1には、金属ナノ粒子液体キャリア及び特定の非ポリマーの分散安定化合物を含む金属ナノ粒子分散物、並びに、それから調製される導電インクおよびペーストが開示されており、特定の分散安定化合物を含むことで、低粘度においても分散物に対して改善された安定性を与えること、及び、より低い焼結温度にて導電性にされることが開示されている。

特許文献2には、金属ナノ粒子及び金属錯体のうち少なくとも一方と、分散剤と、焼結温度低下剤と、溶剤とを含み、前記焼結温度低下剤が、含窒素芳香族複素環化合物である導電性インクが開示されている。また、含窒素芳香族複素環化合物を含有することで、高い温度での熱処理が不要となり、耐熱性の低い樹脂等の基板上にも充分な導電性を有する導電性層を形成できることが開示されている。

概要

100℃以下の焼結温度条件で焼成された場合にも低抵抗値及び密着性両立できる導電性微粒子分散体を提供する。銀微粒子含窒素ヘテロ環を有する化合物、及び、分散媒を含み、上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有する。 なし

目的

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、100℃以下の焼結温度条件で焼成された場合でも、低抵抗値及び密着性を両立できる導電性微粒子分散体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

銀微粒子含窒素ヘテロ環を有する化合物、及び、分散媒を含み、前記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有することを特徴とする導電性微粒子分散体

請求項2

前記銀微粒子は、表面の少なくとも一部にアルコキシアミンが付着していることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子分散体。

請求項3

前記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、ヘテロ環に結合している置換基及びその置換基の末端の少なくともいずれかにおいて、アルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有することを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性微粒子分散体。

請求項4

前記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、前記銀微粒子100質量部に対し、0.1〜9.1質量部含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子分散体。

請求項5

前記分散媒は、少なくとも1つのヒドロキシ基を有する炭素数が1〜10の化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子分散体。

技術分野

0001

本発明は、導電性微粒子分散体に関する。

背景技術

0002

近年、金属微粒子を含有する導電性インク基材上に印刷して焼成することにより、極めて微細電子回路デバイスを形成するプリンテッドエレクトロニクス技術が注目されている。導電性インクに用いられる金属微粒子は、従来から知られた導電ペースト中の導電フィラーよりもはるかに小さいナノメートルサイズ粒子であるため、ナノ粒子特有融点降下によって低温焼結させることができ、かつ金属箔に近い高い導電性を実現できるという特徴がある。このような導電性インクに用いられる金属微粒子としては、銀ナノ粒子が知られている。

0003

このような導電性インクに関する先行技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1及び2が挙げられる。

0004

特許文献1には、金属ナノ粒子液体キャリア及び特定の非ポリマーの分散安定化合物を含む金属ナノ粒子分散物、並びに、それから調製される導電インクおよびペーストが開示されており、特定の分散安定化合物を含むことで、低粘度においても分散物に対して改善された安定性を与えること、及び、より低い焼結温度にて導電性にされることが開示されている。

0005

特許文献2には、金属ナノ粒子及び金属錯体のうち少なくとも一方と、分散剤と、焼結温度低下剤と、溶剤とを含み、前記焼結温度低下剤が、含窒素芳香族複素環化合物である導電性インクが開示されている。また、含窒素芳香族複素環化合物を含有することで、高い温度での熱処理が不要となり、耐熱性の低い樹脂等の基板上にも充分な導電性を有する導電性層を形成できることが開示されている。

先行技術

0006

特表2018−508925号公報
特開2016−164225号公報

発明が解決しようとする課題

0007

このように、金属ナノ粒子分散物を安定させる方法や、導電性層又は導電パターンを得るために必要な焼結温度を低下させる方法については、従来から検討されている。

0008

特許文献1に記載の金属ナノ粒子分散物は、300℃未満の温度で分解率が95質量%のポリマー分散剤と分散安定化合物とを併用することで、分散安定性と低温焼結性との両立を図っている。しかし、該金属ナノ粒子分散物は、150℃で30分間のような高温焼結条件で焼成されているにもかかわらず、焼結体体積抵抗値が100μΩ・cmを超えるものもあり、低抵抗化という点においては昨今のプリンテッドエレクトロニクス技術分野で求められている水準(例えば、10μΩ・cm以下)には到底達し得ないものであった。
なお、引用文献1では、導電性層又は導電パターンが形成される支持体としてポリマー支持体(例えばポリカーボネートポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリビニルクロリドPVC))が開示されているが、金属ナノ粒子分散物を有するインク付着性を改善するために、樹脂基材への下塗り層、又は、接着剤及び粘着性付与材の添加等が開示されている。このような構成を用いた場合、ポリマー支持体上に形成された導電性層や導電パターンの抵抗値がさらに増加することが予想される。また、ポリマー支持体としてABS樹脂のように比較的耐熱温度が低い樹脂に対して低抵抗化及び密着性の両立を図ることは困難であった。

0009

また、特許文献2に記載の導電性インクは、含窒素芳香族複素環化合物を含有することで低温焼結性を図っているが、実施例における焼結温度条件は100℃以上であり、100℃より低い焼結温度条件で焼成して得られた導電性層の低抵抗化については検討されていない。また、導電性インクの基板に対する密着性については一切検討されていない。

0010

このように従来技術では、低抵抗値化を図るには、金属ナノ粒子分散物や導電性インクを100℃以上の焼結条件で焼成する必要があり、適用可能な印刷基材が限られていた。また、低温焼結条件で焼成した場合の密着性については検討されていなかった。

0011

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、100℃以下の焼結温度条件で焼成された場合でも、低抵抗値及び密着性を両立できる導電性微粒子分散体を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、導電性微粒子分散体を低温で焼結した場合にも低抵抗値及び密着性を両立する方法について種々検討した結果、特定の含窒素ヘテロ環を有する化合物を用いることで抵抗値の増加を招くことなく密着性を改善できることを見出し、本発明を完成した。

0013

本発明の導電性微粒子分散体は、銀微粒子、含窒素ヘテロ環を有する化合物、及び、分散媒を含み、上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有することを特徴とする。

0014

上記銀微粒子は、表面の少なくとも一部にアルコキシアミンが付着していることが好ましい。

0015

上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、ヘテロ環に結合している置換基及びその置換基の末端の少なくともいずれかにおいて、アルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有することが好ましい。

0016

上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、上記銀微粒子100質量部に対し、0.1〜9.1質量部含まれていることが好ましい。

0017

上記分散媒は、少なくとも1つのヒドロキシ基を有する炭素数が1〜10の化合物であることが好ましい。

発明の効果

0018

本発明の導電性微粒子分散体によれば、焼結温度条件が低温であっても抵抗値の増加を招くことなく密着性を改善できる。

0019

本発明の導電性微粒子分散体は、銀微粒子、含窒素ヘテロ環を有する化合物、及び、分散媒を含み、上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有することを特徴とする。

0020

(銀微粒子)
上記銀微粒子の平均粒径は、好ましくは1〜400nm、より好ましくは1〜70nmである。上記銀微粒子の平均粒径が1nm以上であれば、銀微粒子が良好な低温焼結性を具備するとともに、導電性に優れた導電膜を形成可能な導電性微粒子分散体が得られ、導電性微粒子製造コストを抑制することができる。銀微粒子の平均粒径が400nm以下であれば、銀微粒子の分散安定性が経時的に変化しにくくなる。

0021

銀微粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法ドップラー散乱光解析)を用いて、粒径基準を体積基準としたメジアン径(D50)として測定可能である。このような測定は、例えば、堀場製作所社製の動的光散乱粒径分布測定装置「LB−550」により行うことができる。

0022

本発明の導電性微粒子分散体は、銀微粒子として平均粒径が1〜400nmの銀微粒子に加えて、平均粒径が400nmを超え、1μm以下のサブミクロンサイズの銀微粒子を含有してもよい。サブミクロンサイズの銀微粒子を併用することで、平均粒径が1〜400nmの銀微粒子がサブミクロンサイズの銀微粒子の周囲で融点降下するため、良好な導電パスが得られる。

0023

本発明の導電性微粒子分散体は、銀微粒子に加えて、銀以外の金属の粒子を少なくとも1種含有してもよい。銀以外の金属の粒子を配合することにより、本発明の導電性微粒子分散体によって形成される導電膜においてマイグレーションが発生しにくくなる。銀以外の金属としては、イオン化列水素より貴である金属が好ましい。イオン化列が水素より貴である金属としては、金、銅、白金パラジウムロジウムイリジウムオスミウムルテニウムレニウムが好ましく、金、銅、白金、パラジウムがより好ましい。これらの金属は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。銀以外の金属の粒子は、ナノサイズの粒子であってもよいし、サブミクロンサイズの粒子であってもよい。

0024

有機成分)
上記銀微粒子の表面の少なくとも一部には、有機成分が付着していることが好ましい。さらに、上記銀微粒子の表面は、有機成分で被覆されていることがより好ましい。被覆の形態については特に限定されないが、上記有機成分は、いわゆる分散剤として上記銀微粒子とともに実質的に無機コロイド粒子を構成する。上記「有機成分」の用語は、銀微粒子に最初から不純物として含まれる微量有機物、後述する製造過程混入して銀微粒子に付着した微量有機物、洗浄過程で除去しきれなかった残留還元剤残留分散剤等のように、銀微粒子に微量付着した有機物等は含まれない概念である。なお、上記「微量」とは、具体的には、無機コロイド粒子中1質量%未満が意図される。

0025

上記有機成分は、銀微粒子の表面に付着して銀微粒子の凝集を防止するとともに無機コロイド粒子を形成することが可能な有機物であり、分散性及び導電性等の観点から、アミン及びカルボン酸を含むことが好ましい。なお、これらの有機成分は、銀微粒子と化学的あるいは物理的に結合している場合、アニオンカチオンに変化していることも考えられ、これらの有機成分に由来するイオン錯体等も上記有機成分に含まれる。

0026

上記アミンとしては、種々のアミンを用いることができ、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、側鎖を有していてもよい。具体的には、N−(3−メトキシプロピルプロパン−1,3−ジアミン、1,2−エタンジアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミンペンタノールアミン、アミノイソブタノール等のジアミン、アルコキシアミン又はアミノアルコールや、プロピルアミンブチルアミンペンチルアミンヘキシルアミン等のアルキルアミン(直鎖状アルキルアミン、側鎖を有していてもよい。);シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミンアニリンアリルアミン等の第1級アミン;ジプロピルアミンジブチルアミンピペリジンヘキサメチレンイミン等の第2級アミン;トリプロピルアミン、ジメチルプロパンジアミン、シクロヘキシルジメチルアミンピリジンキノリン等の第3級アミン等が挙げられる。なかでも、アルコキシアミンが好ましい。

0027

上記アミンは、例えば、ヒドロキシル基カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基エステル基メルカプト基等のアミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。また、上記アミンは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記アミンは、1気圧大気圧)での沸点が300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。

0028

本発明の効果を損なわない範囲であれは、上記のアミンに加えて、カルボン酸を含んでいてもよい。カルボン酸の一分子内におけるカルボキシル基が、比較的高い極性を有し、水素結合による相互作用を生じ易いが、これら官能基以外の部分は比較的低い極性を有する。更に、カルボキシル基は、酸性的性質を示し易い。

0029

上記カルボン酸としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物を広く用いることができ、例えば、ギ酸シュウ酸酢酸ヘキサン酸アクリル酸オクチル酸オレイン酸等が挙げられる。カルボン酸の一部のカルボキシル基が金属イオンと塩を形成していてもよい。なお、上記金属イオンについては、2種以上の金属イオンが含まれていてもよい。

0030

上記カルボン酸は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、カルボキシル基以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、カルボキシル基の数が、カルボキシル基以外の官能基の数以上であることが好ましい。また、上記カルボン酸は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カルボン酸は、1気圧(大気圧)での沸点が300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。また、アミンとカルボン酸はアミド基を形成する。上記アミド基も銀微粒子表面に適度に吸着するため、有機成分にはアミド基が含まれていてもよい。

0031

本発明の導電性微粒子分散体における無機コロイド中の有機成分の含有量は、0.5〜50質量%であることが好ましい。有機成分含有量が0.5質量%以上であれば、得られる導電性ペースト貯蔵安定性が良くなる傾向があり、50質量%以下であれば、導電性パターンの導電性が良い傾向がある。有機成分のより好ましい含有量は1〜30質量%であり、更に好ましい含有量は1.5〜15質量%である。

0032

上記アミンと上記カルボン酸とを併用する場合、上記アミンと上記カルボン酸との組成比(重量)は、1/99〜99/1の範囲で任意に選択することができる。好ましくは、上記アミンと上記カルボン酸との組成比が20/80〜98/2であり、更に好ましくは30/70〜97/3である。なお、上記アミン又は上記カルボン酸は、それぞれ複数種類のアミン又はカルボン酸を用いてもよい。上記銀微粒子の表面は、アルコキシアミンで被覆されていることが好ましい。

0033

上記有機成分が表面に付着した銀微粒子の製造方法としては、例えば、還元により分解して銀を生成しうる銀化合物と、アミンと、分散剤との混合液を調製する第1工程と、上記混合液中の上記銀化合物を還元することで表面の少なくとも一部に上記アミンが付着した銀微粒子を生成する第2工程とを含む方法が挙げられる。

0034

上記第1工程においては、アミンを銀1molに対して2mol以上添加することが好ましい。上記アミンの添加量を銀1molに対して2mol以上とすることで、還元によって生成される銀微粒子の表面に上記アミンを適量付着させることができ、上記銀微粒子に種々の分散媒に対する優れた分散性と低温焼結性とを付与することができる。

0035

なお、上記第1工程における混合液の組成、及び、上記第2工程における還元条件(例えば、加熱温度及び加熱時間等)は、得られる銀微粒子の粒子径をナノメートルサイズとするように調整することが好ましい。銀微粒子の粒子径をナノメートルサイズとすることで、融点降下が生じ、低温で焼成できるためである。得られる銀微粒子の粒子径は、1〜400nmとすることがより好ましい。必要に応じてミクロンサイズの粒子が含まれていてもよい。上記第2工程で得られる銀微粒子を含むコロイド液から銀微粒子を取り出す方法は特に限定されないが、例えば、そのコロイド液の洗浄を行う方法等が挙げられる。

0036

第2工程で得られたコロイド液には、銀微粒子の他に、分散剤等が存在しており、溶液全体電解質濃度が高い傾向にある。このような状態のコロイド液では、電導度が高い等の理由で、銀微粒子の凝析が起こり、沈殿しやすい。そこで、このコロイド液を洗浄して余分な電解質を取り除くことが好ましい。

0037

コロイド液の洗浄方法としては、例えば、調製されたコロイド液を一定期間静置して上澄み液を取り除いた後、純水を加えて撹拌し、更に一定期間静置して上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法が挙げられる。その他の洗浄方法としては、例えば、上述した静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置イオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。中でも、脱塩する方法が好ましい。脱塩した液は、適宜濃縮されてもよい。

0038

上記銀化合物としては、種々の公知の銀化合物を用いることができ、例えば、銀塩又は銀塩の水和物を用いることができる。具体的には、硝酸銀硫酸銀塩化銀酸化銀酢酸銀シュウ酸銀ギ酸銀亜硝酸銀塩素酸銀硫化銀等の銀塩が挙げられる。これらは還元可能なものであれば特に限定されず、適当な溶媒中に溶解させても、溶媒中に分散させたまま使用してもよい。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。なかでも、シュウ酸銀が好ましい。シュウ酸銀は、最も単純なジカルボン酸銀であり、シュウ酸銀を用いて合成されるシュウ酸銀アミン錯体は、低温かつ短時間で還元が進むことから、ナノメートルサイズの銀微粒子の合成に好適である。更に、シュウ酸銀を用いると、合成時には副生成物が発生せず、系外にシュウ酸イオン由来の二酸化炭素が出るのみであるため、合成後に精製の手間が少ない。

0039

上記分散剤としては、例えば、市販されている湿潤分散剤を使用することができる。市販の湿潤分散剤としては、例えば、ソルスパース(SOLSPERSE)11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(日本ルーブリゾール社製);DISPERBYK−102、110、111、170、190.194N、2015、2090、2096(ビックケミー・ジャパン社製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−730W、フローレンG−700、フローレンTG−720W(共栄社化学工業社製)等が挙げられる。また、エボニック社のTEGO Dispersシリーズの610、610S、630、651、655、750W、755W等;化成社のディスパロンシリーズのDA−375、DA−1200等を用いてもよい。低温焼結性及び分散安定性の観点からは、DISPERBYK−102、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース28000等を用いることが好ましい。

0040

上記銀化合物を還元する方法としては、加熱する方法が好ましい。上記加熱方法は特に限定されない。上記加熱により上記銀化合物を還元する方法としては、例えば、シュウ酸銀等の銀化合物とアミン等の有機成分から生成される錯化合物を加熱して、上記錯化合物に含まれるシュウ酸イオン等の金属化合物を分解して生成する原子状の銀を凝集させる方法が挙げられる。上記方法により、アミン等の有機成分の保護膜に保護された銀微粒子を製造することができる。

0041

このように、銀化合物の錯化合物をアミンの存在下で熱分解することで、アミンにより被覆された銀微粒子を製造する金属アミン錯体分解法においては、単一種の分子である銀アミン錯体の分解反応により原子状銀が生成するため、反応系内に均一に原子状銀を生成することが可能であり、複数の成分間の反応により銀原子を生成する場合に比較して、反応を構成する成分の組成揺らぎに起因する反応の不均一が抑制され、特に工業的規模で多量の銀粉末を製造する際に有利である。

0042

また、金属アミン錯体分解法においては、生成する銀原子にアミン分子配位結合しており、上記銀原子に配位したアミン分子の働きにより凝集を生じる際の銀原子の運動コントロールされるものと推察される。この結果として、金属アミン錯体分解法によれば非常に微細で、粒度分布が狭い金属粒子を製造することが可能となる。

0043

更に、製造される銀微粒子の表面にも多数のアミン分子が比較的弱い力の配位結合を生じており、これらが銀微粒子の表面に緻密な保護被膜を形成するため、保存安定性に優れる表面の清浄有機被覆銀微粒子を製造することが可能となる。また、上記被膜を形成するアミン分子は加熱等により容易に脱離可能であるため、非常に低温で焼結可能な銀微粒子を製造することが可能となる。

0044

本発明の導電性微粒子分散体中の銀微粒子の含有量は、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは10〜70質量%、よりさらに好ましくは20〜60質量%である。銀微粒子の含有量が1質量%以上であれば、充分な導電性を有する導電膜を実現可能な量の銀微粒子が、導電性微粒子分散体中に確保される。銀微粒子の含有量が90質量%以下であれば、導電性微粒子分散体の乾燥を防止できるため、安定に保存することができる。

0045

(含窒素ヘテロ環を有する化合物)
本発明の導電性微粒子分散体は、含窒素ヘテロ環を有する化合物を含むことで、焼結温度条件が低い(例えば、100℃以下)場合でも抵抗値の増加を招くことなく密着性を改善することができる。そのため、比較的耐熱性が低い樹脂に対しても、低抵抗値及び密着性を有する導電性層(以下、導電性被膜ともいう。)を形成できる。これは、窒素原子を2つ以上有するヘテロ環化合物は樹脂との親和性が良いと考えられ、耐熱性に優れており、導電性微粒子分散体の焼結により形成される導電性層中で熱分解しにくくなっているためと考えられる。すなわち、本発明の導電性微粒子分散体の焼成後も導電性層中に含窒素ヘテロ環を有する化合物が残存していると考えられ、これにより樹脂に対する密着性が付与されるものと考えられる。

0046

また、上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、アルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有するため、加熱下でアルコーリシス反応を起こし、銀微粒子の表面の官能基と化学的に結合しやすいものと考えられる。そのため、本発明の導電性微粒子分散体は、特定の含窒素ヘテロ環を有する化合物を含むため、抵抗値の増加を招くことなく銀微粒子と樹脂との密着性を改善することができると考えられる。

0047

また、上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、アルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を、ヘテロ環に結合している置換基及びその置換基の末端の少なくともいずれかにおいて1つ以上有することが好ましい。

0048

本発明の導電性微粒子分散体で用いられる含窒素ヘテロ環を有する化合物は、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有するものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、2,4−ジアミノ−6−{2−[3−(トリメトキシシリルプロピルチオエチル}−1,3,5−トリアジン、1−{2−[4,6−ジアミノ−(1,3,5)トリアジン−2−イル]−エチル}−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルウレア、1−{2−[4,6−ジアミノ−(1,3,5)トリアジン−2−イル]−エチル}−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(メトキシカルボニルエチルチオ]エチル}−1,3,5トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(エトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2−[2−(プロピルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5トリアジン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、1−[3−(2−エチル−4−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、2,2´−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}等が挙げられる。

0049

上記含窒素ヘテロ環を有する化合物は、上記銀微粒子100質量部に対し、0.1〜9.1質量部含まれていることが好ましい。上記含窒素ヘテロ環を有する化合物の含有量が、上記銀微粒子100質量部に対し、0.1質量部よりも低い場合は、密着性の改善効果が得られない場合があり、9.1質量部よりも多い場合は、抵抗値の増加を招く可能性があるためである。

0050

(分散媒)
本発明の導電性微粒子分散体に含有される分散媒は、銀微粒子を分散させるものであり、有機溶媒を含有する。分散媒として有機溶媒を用いることで、銀微粒子の凝集を抑制できる。また、一般的に沸点が高く乾燥し難いことから、インクジェット印刷吐出可能な粘度に調整しやすく、導電性微粒子分散体の塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)を高めることができる。

0051

上記分散媒としては、種々の有機溶媒を用いることができ、例えば、アルコールを用いることができる。アルコールは、多価アルコールであってもよい。アルコールとしては、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノール、イソブタノール、1−ブタノールイソアミルアルコールフルフリルアルコールクレゾールエチレングリコールグリセリンフェノール、p−クレゾール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、2−ブタノール1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ヘキシルオキシエタノール、シクロヘキサンメタノール、1−メトキシ2−プロパノール2−ブトキシエタノール、1−オクタノール1−ノナノール、1−デカノール、1,3−プロパンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールテキサノールテルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコールモノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール等を例示することができる。本発明では特定の含窒素ヘテロ環を有する化合物と相溶性が良好であり、上記銀微粒子の分散性が良好になる観点から、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する炭素数が1〜10の化合物を分散媒として用いることが好ましい。

0052

なお、本発明に用いる分散媒としては、上記の少なくとも1つのヒドロキシル基を有する炭素数が1〜10の化合物に加え、エステルケトン等の他の溶媒を任意に混合して使用することができる。他の溶媒としては、2−ペンタノン2−ヘプタノン、酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−2−ブトキシエチル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチルジヒドロターピニルアセテートメチルエチルケトントルエンテトラリン等を例示することができる。

0053

本発明の導電性微粒子分散体全体に対する上記分散媒の含有量は、導電性微粒子分散体の塗布方法や用途に応じて適宜調整することができる。
インクジェットインクのように低粘度に調整する場合、導電性微粒子分散体(銀インク)は、上記分散媒を40〜80質量%程度含有することが好ましい。また、銀ペーストのように高粘度に調整する場合、導電性微粒子分散体(銀ペースト)は、上記分散媒を10〜30質量%程度含有することが好ましい。

0054

本発明の導電性微粒子分散体は、上記分散媒の他に、さらに界面活性剤を含んでもよい。多成分溶媒系無機コロイド分散液においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本発明の導電性微粒子分散体に界面活性剤を添加することによって、これらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成することができる。

0055

上記界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤ノニオン性界面活性剤等を用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られる観点からは、フッ素系界面活性剤がより好ましい。

0056

本発明の導電性微粒子分散体の製造方法は特に限定されず、例えば、次の方法が挙げられる。まず、有機成分が表面に付着した銀微粒子を固形分として含有するコロイド液を調製する。次に、得られたコロイド液と、分散媒と、含窒素ヘテロ環を有する化合物と、必要に応じて上述した任意の成分とを混合することにより、本発明の導電性微粒子分散体が得られる。

0057

本発明の導電性微粒子分散体は、基材上に塗布した後、焼成することで、導電膜を形成することができる。導電膜は、電子回路基板(例えば、半導体集積回路)、プリント配線基板薄膜トランジスタ基板配線電極等として用いることができる。

0058

基材の材料としては、種々のインク吸収性材料(例えば、紙、布帛多孔性セラミックス等)の他に、インク非吸収性材料が用いられてもよく、耐熱性に優れたものが好ましく用いられる。インク非吸収性材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ABS、AS、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレートPMMA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂(エンプラスーパーエンプラ)が挙げられる。ここで、インク非吸収性材料とは、インク受容機能を有する構造を有さない材料を意味する。基材の表面には、導電膜との密着性をさらに高める目的で、表面層プライマー層)が設けられていてもよく、親水化処理等の表面処理が施されていてもよい。表面処理の方法としては、例えば、コロナ処理プラズマ処理UV処理電子線処理等のドライ処理が挙げられる。なお、本発明の導電性微粒子分散体は、焼結温度条件が低温であっても低抵抗化及び密着性を改善できるため、耐熱性の低い樹脂に好適に使用することができる。なお、本明細書においては、耐熱温度が100℃以下の樹脂を耐熱性の低い樹脂とする。

0059

上記塗布とは、導電性微粒子分散体を面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗膜(導電膜)の形状は、面状であってもよく、線状であってもよく、これらを組み合わせた形状であってもよい。また、塗膜(導電膜)は、連続するパターンであってもよく、不連続なパターンであってもよく、これらを組み合わせたパターンであってもよい。

0060

本発明の導電性微粒子分散体の塗布方法としては特に限定されず、例えば、インクジェット印刷法スクリーン印刷法凸版印刷法凹版印刷法反転印刷法マイクロコンタクト印刷法ディッピング法スプレー法バーコート法スピンコート法ディスペンサー法流延法、フレキソ法グラビア法、シリンジ法刷毛による塗布法等が挙げられる。中でも、本発明の導電性微粒子分散体は、インクジェット印刷用のインクであることが好ましい。

0061

上記塗膜を焼成すると、塗膜に含まれる銀微粒子同士の結合が高まり、焼結される。塗膜の焼結温度は、50〜300℃の範囲が通常の焼結温度の範囲であるが、焼結温度条件は必ずしも限定されず、基材の表面上に導電膜を形成可能な温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で導電性微粒子分散体の分散媒を蒸発可能な(一部が残存していてもよいが、全て除去されるのが好ましい)温度であることが好ましい。塗膜の焼成時間は、特に限定されず、焼結温度に応じて適宜設定すればよい。なお、本発明の導電性微粒子分散体を用いれば、低耐熱性基材に対しても導電性焼結体を形成することができる。この場合、焼結温度は、50〜100℃が好ましく、このような低い焼結温度条件であっても、充分な導電性及び密着性を発現させることができる。なお、低耐熱性基材としては、例えば、耐熱温度が100℃以下の樹脂を挙げることができる。

0062

上記塗膜の焼成方法としては、特に限定されず、例えば、従来公知のギヤオーブン等を用いる方法が挙げられる。

0063

上記導電膜の膜厚は、例えば、0.1〜5μmであり、好ましくは0.2〜3μmである。上記導電膜の体積抵抗値は、好ましくは1.0×10−4Ω・cm以下、より好ましくは5.0×10−5Ω・cm以下、更に好ましくは1.0×10−5Ω・cm以下である。

0064

以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0065

<実施例1>
3−メトキシプロピルアミン8.0gと、分散剤であるDISPERBYK−102(ビックケミー・ジャパン(株)) 0.2gとを混合し、マグネティックスターラーにてよく撹拌してアミン混合液を生成した。次いで、撹拌を行いながら、シュウ酸銀3.0gを添加した。シュウ酸銀の添加後、室温で攪拌を続けることでシュウ酸銀を粘性のある白色の物質へと変化させ、上記変化が外見的に終了したと認められる時点で撹拌を終了した(第1工程)。

0066

得られた混合液をオイルバスに移し、110℃で加熱撹拌を行った。撹拌の開始直後に二酸化炭素の発生を伴う反応が開始し、その後、二酸化炭素の発生が完了するまで撹拌を行うことで、銀微粒子がアミン混合物中に懸濁した懸濁液を得た(第2工程)。

0067

上記懸濁液の分散媒を置換するため、メタノールと水の混合溶媒10mLを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離した。次に、分離した銀微粒子に対してメタノールと水の混合溶媒10mLを加え、撹拌及び遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させて銀微粒子を含むスラリーを得た。

0068

得られたスラリー55質量部に対して、分散媒としてシクロヘキサンメタノールを44.5質量部に含窒素ヘテロ環を有する化合物(2,4−ジアミノ−6−{2−[3—(トリメトキシシリル)プロピルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジンを0.5質量部溶解した混合溶液45質量部加えて分散させて導電性微粒子分散体1を得た。

0069

<実施例2>
ブチルアミン1.7gと、ヘキシルアミン3.5gと分散剤である分散剤であるDISPERMYK−102(ビックケミー・ジャパン(株)) 0.2gとを混合し、マグネティックスターラーにてよく撹拌してアミン混合液を生成した。次いで、撹拌を行いながら、シュウ酸銀3.0gを添加した。シュウ酸銀の添加後、室温で攪拌を続けることでシュウ酸銀を粘性のある白色の物質へと変化させ、上記変化が外見的に終了したと認められる時点で撹拌を終了した(第1工程)。

0070

得られた混合液をオイルバスに移し、110℃で加熱撹拌を行った。撹拌の開始直後に二酸化炭素の発生を伴う反応が開始し、その後、二酸化炭素の発生が完了するまで撹拌を行うことで、銀微粒子がアミン混合物中に懸濁した懸濁液を得た(第2工程)。

0071

上記懸濁液の分散媒を置換するため、メタノールと水の混合溶媒10mLを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離した。次に、分離した銀微粒子に対してメタノールと水の混合溶媒10mLを加え、撹拌及び遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させて銀微粒子を含むスラリーを得た。

0072

得られたスラリー55質量部に対して、分散媒としてシクロヘキサンメタノールを44.5質量部に含窒素ヘテロ環を有する化合物(2,4−ジアミノ−6−{2−[3—(トリメトキシシリル)プロピルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジンを0.5質量部溶解した混合溶液45質量部加えて分散させて導電性微粒子分散体2を得た。

0073

<実施例3>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を、1−{2−[4,6−ジアミノ−(1,3,5)トリアジン−2−イル]−エチル}−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレアに変更した以外は実施例1と同様にして導電性微粒子分散体3を得た。

0074

<実施例4>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を、1−{2−[4,6−ジアミノ−(1,3,5)トリアジン−2−イル]−エチル}−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレアに変更した以外は実施例1と同様にして導電性微粒子分散体4を得た。

0075

<実施例5>
スラリー55質量部に対して、分散媒としてシクロヘキサンメタノール44.95質量部に、含窒素ヘテロ環を有する化合物(2,4−ジアミノ−6−{2−[2—(メトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジンを0.05質量部溶解した混合溶液45質量部加えて分散させた以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体5を得た。

0076

<実施例6>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を、2,4ジアミノ−6−{2−[2−(メトキシカルボニル)エチルチオ]エチル−1,3,5−トリアジンに変更した以外は実施例1と同様にして導電性微粒子分散体6を得た。

0077

<実施例7>
スラリー55質量部に対して、分散媒としてシクロヘキサンメタノール40質量部に、含窒素ヘテロ環を有する化合物(2,4−ジアミノ−6−{2−[2—(メトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジンを5質量部溶解した混合溶液45質量部加えて分散させた以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体7を得た。

0078

<実施例8>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を2,4−ジアミノ−6−{2−[2—(エトキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジンに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体8を得た。

0079

<実施例9>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を2,4−ジアミノ−6−{2−[2—(プロピルオキシカルボニル)エチルチオ]エチル}−1,3,5−トリアジンに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体9を得た。

0080

<実施例10>
含窒素ヘテロ環を有する化合物をN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体10を得た。

0081

<実施例11>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体11を得た。

0082

<実施例12>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を1−[2−(2−メチルイミダゾール−1イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレアに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体12を得た。

0083

<実施例13>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を1−[3−(2−エチル−4−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレアに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体13を得た。

0084

<実施例14>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を2,2´−ジチオビス{1−[3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバモイル]−1H−イミダゾール}に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体14を得た。

0085

<比較例1>
含窒素ヘテロ環を有する化合物の代わりに、2−メトキシエチルアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体15を得た。

0086

<比較例2>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を4−メトキシピリジンに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体16を得た。

0087

<比較例3>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を2−アミノ−1H−イミダゾールに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体17を得た。

0088

<比較例4>
含窒素ヘテロ環を有する化合物を2−アミノ−1,3,5−トリアジンに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子分散体18を得た。

0089

実施例及び比較例で用いた含窒素ヘテロ環を有する化合物、及び、これの代わりに用いた化合物を下記表1に示す。

0090

0091

評価試験
実施例及び比較例で作製した導電性微粒子分散体を用いて、以下の物性評価を行った。

0092

(1)分散性
導電性微粒子分散体を容器中に静置し、室温で1日静置した後、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察した。下記基準により、導電性微粒子分散体の分散性を評価した。
〇:容器下沈降物がほとんど認められなかった。
△:容器下に沈降物が少量認められた。
×:容器上下で明らかに濃度差があり、沈降物がはっきり認められた。

0093

(2)希釈性
導電性微粒子分散体を分散媒(シクロヘキサンメタノール)で100倍希釈したサンプルを室温で7日間静置した後、分散性を目視で確認した。下記基準により、導電性微粒子分散体の希釈性を評価した。
〇:凝集や銀鏡が見られず、銀微粒子は分散していた。
△:一部において凝集や銀鏡が見られた。
×:凝集や沈殿が生じていた。
なお、上記銀鏡は、大半の粒子は分散したものの、一部の粒子がサンプル管の壁面に付着したために、光沢のような反射が起こった状態を指し、上記沈澱は、サンプル管の底に粒子が沈降し、液と粒子が分離した状態を指す。

0094

(3)体積抵抗値
25mm×25mmのスライドガラス上に、回転速度2000rpm、回転時間20秒の条件でスピンコート法により導電性微粒子分散体を塗布した後、ギヤオーブン中で80℃、1時間の条件で加熱・焼成することにより導電性微粒子分散体を焼結させ、導電性被膜を形成した。この導電性被膜の表面抵抗値を三菱ケミカルアナリテック社製の抵抗率計「ロレスタGPMCP−T610」で測定し、表面抵抗値を得た。次いで、導電性被膜の厚みをキーエンス社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」で測定した。以下の式に基づき、表面抵抗値と導電性被膜の厚みとから体積抵抗値を算出し、下記基準に従い評価した。
式:体積抵抗値(Ω・cm)=表面抵抗値(Ω/□)×導電性被膜の厚み(μm)/10000
◎:体積抵抗値が10μΩ・cm以下であった。
〇:体積抵抗値が20μΩ・cm以下であった。
△:体積抵抗値が100μΩ・cm以下であった。
×:体積抵抗値が100μΩ・cmより大きかった。

0095

(4)密着性試験
25mm×25mmの各種基板上に、回転速度2000rpm、回転時間20秒の条件でスピンコート法により導電性微粒子分散体を塗布した後、ギヤオーブン中で90℃、30分間の条件で加熱・焼成することにより導電性微粒子分散体を焼結させ、導電性被膜を形成した。各種基板に対する導電性被膜の密着性は、ASTMD3359−09に則り、導電性被膜に1mm幅25個の碁盤目をカッターで作製し、碁盤目の部分にテープ(ニチバン(株)製CT−24)を強く圧着させた後、テープを45〜60°の角度で一気に引きはがした場合の状態を目視により観察し、下記基準に従い評価した。
5B:剥がれた格子の割合が0%であった。
4B:剥がれた格子の割合が5%以下であった。
3B:剥がれた格子の割合が15%以下であった。
2B:剥がれた格子の割合が15%より大きく30%以下であった。
1B:剥がれた格子の割合が35%より大きく65%以下であった。
0B:剥がれた格子の割合が65%より大きかった。
なお、各種基板として、ABS、PET、ポリカーボネートの3種類を評価した。

0096

さらに、ABSについては、高湿試験後密着性試験も実施した。これは、上記と同様にして形成された導電性被膜を、60℃、80RH%の高温高湿層に投入し、4時間静置後の導電性被膜とABS樹脂との密着性を上記と同様の手順で同様の基準にしたがい評価したものである。

0097

密着性の総合評価は、全ての基材において、4B以上の評価ものは「〇」とし、3B以上の評価のものは「△」とし、いずれか1つでも2B以下の評価のものは「×」とした。

0098

実施例及び比較例について、導電性微粒子分散体の組成、及び、評価試験の結果を下記表2及び3に示した。

0099

0100

0101

実施例1〜14は、比較例1〜4よりも密着性及び低抵抗値性に優れていた。従って、少なくとも1つのヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有し、分子中にアルコキシ基及び/又はアルコキシシリル基を1つ以上有する、含窒素ヘテロ環を有する化合物を含むことの効果が確認された。また、実施例1と2とを比較すると、いずれも密着性及び低抵抗値性は良好ではあるものの、銀微粒子を被覆する有機成分にアルコキシアミンを用いた実施例1の方が密着性及び低抵抗値化のいずれにおいても優れていた。密着性については、銀微粒子の表面に付着するアルコキシアミンと含窒素ヘテロ環を有する化合物におけるアルコキシ基との反応性が高くなるため、密着性が向上したと考えられる。また、実施例5の結果によると、含窒素ヘテロ環を有する化合物が0.05重量%含まれていれば密着性は改善されるが、高湿試験後の樹脂に対しての密着は低下していた。また、実施例7の結果によると、含窒素ヘテロ環を有する化合物が5.0重量%含まれているとどの樹脂に対しても密着性は改善されるが、体積抵抗値の微増が確認された。

0102

比較例1では、含窒素ヘテロ環を有する化合物の代わりに、アルコキシ基を有する2-メトキシエチルアミンを用いたが、密着性が得られなかった。これは、特定の含窒素ヘテロ環を有する化合物と比較すると、2-メトキシエチルアミンの熱分解温度が低く、焼成後の導電性被膜中に残りにくく、かつ有機物との親和性が低いため密着性が発現しなかったと考えられる。また、比較例2では、アルコキシ基は有するが、ヘテロ環内の窒素原子数が1つの含窒素ヘテロ環を有する化合物を用いたが、密着性が得られなかった。これも、特定のヘテロ環を有する化合物と比べ、熱分解温度が低く、焼成後の導電性被膜中に4−メトキシピリジンが残りにくく、かつ、有機物との親和性が低いため密着性が発現しなかったものと考えられる。比較例3及び4では、ヘテロ環内に2つ以上の窒素原子を有する含窒素ヘテロ環を有する化合物を用いたが、いずれもアルコキシ基を有さないため、密着性が発現しなかった。

実施例

0103

また、実施例1〜14では、分散性、希釈性、体積抵抗値及び密着性において、いずれの実施例においても良好な結果が得られた。

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