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技術 膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュール

出願人 マクセル株式会社
発明者 稲葉章馬場雄輔杉目孝行中山修篠原秀樹
出願日 2018年9月18日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-174035
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-046512
状態 未査定
技術分野 カメラ本体及び細部(構成部品等) 写真撮影方法及び装置 レンズ鏡筒 スタジオ装置
主要キーワード カシメ前 延在面 カシメ後 パッケージセンサ 環状部位 延在形態 排除効果 移動作用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

レンズ面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュールを提供する。

解決手段

本発明の膜付きレンズ13は、鏡筒物体側の端部に設けられるとともに、物体側に面するそのレンズ表面13aに、撥水膜30と、レンズ表面13aに付着した撥水膜30上の水滴をレンズ表面13aの中心側から外周側へ向けて導くための親水膜31とを有する。

概要

背景

近年、自動車車載カメラを搭載し、駐車サポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラのカメラモジュールは、一般に、複数のレンズ光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。

前記構成のレンズユニット(カメラモジュール)は、車載カメラに限らず、様々な光学機器で使用され得るが、とりわけ、外部環境に晒される車載カメラに使用される場合には、雨天時に鏡筒から露出するレンズ表面(最も物体側に位置する物体側レンズの表面(外面))に水滴が付着する場合がある。このようなレンズ表面に付着する水滴は、視認性を悪化させ、画像劣化要因となるため、一般に、鏡筒から露出するレンズ表面には撥水膜が設けられる。

概要

レンズ面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュールを提供する。本発明の膜付きレンズ13は、鏡筒の物体側の端部に設けられるとともに、物体側に面するそのレンズ表面13aに、撥水膜30と、レンズ表面13aに付着した撥水膜30上の水滴をレンズ表面13aの中心側から外周側へ向けて導くための親水膜31とを有する。

目的

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、レンズ表面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

鏡筒物体側の端部に設けられ、物体側に面するそのレンズ表面に撥水膜を有する膜付きレンズであって、前記レンズ表面に付着した前記撥水膜上の水滴を前記レンズ表面の中心側から外周側へ向けて導くための親水膜を有することを特徴とする膜付きレンズ。

請求項2

前記親水膜が前記レンズ表面の中心部に位置する前記撥水膜から前記レンズ表面の外周側へ向けて延びることを特徴とする請求項1に記載の膜付きレンズ。

請求項3

前記親水膜は、その面積が前記レンズ表面の中心側から外周側へ向かって広がることを特徴とする請求項1または2に記載の膜付きレンズ。

請求項4

複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群が収容される鏡筒とを備えるレンズユニットであって、前記鏡筒の物体側の開口部に請求項1から3のいずれか一項に記載の膜付きレンズが設けられていることを特徴とするレンズユニット。

請求項5

請求項4に記載のレンズユニットを備えることを特徴とするカメラモジュール

技術分野

0001

本発明は、膜付きレンズレンズユニットおよびカメラモジュールに関し、特に、自動車等の車両に搭載される車載カメラに設けられ得る膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュールに関する。

背景技術

0002

近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車サポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラのカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。

0003

前記構成のレンズユニット(カメラモジュール)は、車載カメラに限らず、様々な光学機器で使用され得るが、とりわけ、外部環境に晒される車載カメラに使用される場合には、雨天時に鏡筒から露出するレンズ表面(最も物体側に位置する物体側レンズの表面(外面))に水滴が付着する場合がある。このようなレンズ表面に付着する水滴は、視認性を悪化させ、画像劣化要因となるため、一般に、鏡筒から露出するレンズ表面には撥水膜が設けられる。

先行技術

0004

特開2013−231993号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このように鏡筒から露出するレンズ表面に撥水膜を設ければ、レンズ表面に付着した水滴は、撥水膜によって弾かれ、自動車が高速で移動していればその風圧によって飛ばされてその付着した場所に留まらない。しかしながら、水滴を飛散し得る風圧がレンズ表面に作用しないほど自動車が低速で移動している場合、レンズ表面に付着した水滴は、撥水膜によって弾かれるものの、その付着場所に留まってしまい、レンズユニットの視認性を悪化させてしまう。とりわけ車載カメラ用のレンズユニットにおいては、高い視認性が求められ、水滴の滞留を確実に防止することが必要である。

0006

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、レンズ表面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる膜付きレンズ、レンズユニットおよびカメラモジュールを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するために、本発明は、鏡筒の物体側の端部に設けられ、物体側に面するそのレンズ表面に撥水膜を有する膜付きレンズであって、
前記レンズ表面に付着した前記撥水膜上の水滴を前記レンズ表面の中心側から外周側へ向けて導くための親水膜を有することを特徴とする。

0008

本発明においては、レンズ表面に付着した撥水膜上の水滴をレンズ表面の中心側から外周側へ向けて導くための親水膜が設けられるため、レンズ表面の撥水膜上の水滴は、レンズ表面の中心側に滞留することなく表面自由エネルギーがより高い親水膜上を拡がって薄い水膜となって外周側へと移動されていく。したがって、レンズ表面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる。特に、このような膜付きレンズが外部環境に晒される例えば車載カメラで使用される場合には、水滴を飛散し得る風圧がレンズ表面に作用しないほど自動車が低速で走行している場合であっても、レンズ表面の撥水膜上の水滴がレンズ表面の中心側に滞留することなく親水膜によって外周側へと移動されていき、水滴の滞留に伴う視認性の悪化を招くことがない。

0009

上記構成において、撥水膜および親水膜は、レンズ表面上で互いに積層されてもよく、または、積層されなくてもよい。また、撥水膜の厚さは、50nm〜150nmであることが好ましく、親水膜の厚さは、10nm〜150nmであることが好ましい。この場合、これらの膜厚をそれぞれの上限値以下と薄く設定することにより、膜形成に伴うレンズの透過率減少を抑制できる(透過率を高く維持できる)。これは、特に、高い視認性が求められてレンズの透過率を高く維持する必要がある車載カメラで用いられる場合に有益である。その一方で、膜の付着性を安定させるべく、撥水膜および親水膜の膜厚はそれぞれの下限値を下回らないようにすることが好ましい。

0010

また、撥水膜および親水膜は、例えば、テーピングによるマスキングを伴ってまたは伴うことなく、蒸着、塗布、スプレーディッピング法等によって形成することもできるが、膜の密着強度を高めるという観点では、撥水膜および親水膜を蒸着によって形成することが好ましい。

0011

なお、上記構成において、親水膜とは、親水性を有する薄膜のことであり、親水膜に対する水滴の接触角が40度以下となるものをいう。これに対し、撥水膜とは、撥水性を有する薄膜のことであり、撥水膜に対する水滴の接触角が90度以上となるものをいい、この点で親水膜と区別される。この場合、接触角の測定は、静滴法(A・half−angle・Method)を用いるものとし、膜の形成されたレンズ表面に、レンズ表面の影響を受けにくいように2.5マイクロリットルの水滴を滴下し、液滴の左右端点を結ぶ曲面は直線と見做して、水滴の接触角を測定するものとする。

0012

また、上記構成において、親水膜は、レンズ表面の中心部に位置する撥水膜からレンズ表面の外周側へ向けて延びることが好ましい。このように、レンズ表面の中心部にある撥水膜から親水膜を直接に延ばすことにより、撥水膜上の水滴を親水膜に直接に接触させて撥水膜と親水膜との接続領域でレンズ表面の外周側へと向かう水滴移動の駆動力生起させることができるとともに、擦れ等の外力に弱い親水膜が損傷を受け易いレンズ表面の中心部に形成されないようにしつつ、撥水膜によりレンズ表面の中心部で水滴を形成させてそれを親水膜により外周側へと積極的かつ効果的に移動させることができるようになる。

0013

また、上記構成において、親水膜は、その面積がレンズ表面の中心側から外周側へ向かって広がることが好ましい。これによれば、親水膜の延在面積がレンズ表面の中心側から外周側へ向かって次第に増大するため、それに伴って、レンズ表面の外周側へと向かう水滴移動の駆動力(水滴移動の推進力)も高まり、レンズ表面に付着した水滴の排除速度及び排除効果を更に促進させることができる。

0014

また、本発明の上記構成では、撥水膜および親水膜がレンズ表面の反射防止膜上に形成されてもよい。すなわち、レンズの撥水膜および親水膜の下層に予め反射防止膜(ARコーティング)を設け、この反射防止膜上に撥水膜および親水膜を例えば蒸着によって設けてもよい。これは、とりわけ、レンズがガラスレンズである場合に、そのレンズ表面に対する特に親水膜の密着性改善に寄与し得る。すなわち、一般に、レンズ面上に直接に親水膜を形成する場合には、レンズ面と親水膜との密着性を高めるために、親水膜全体の組成をレンズのそれに適合させる必要があり、手間がかかるとともに、コストもかかるが、本発明のようにレンズ表面上に反射防止膜を介して親水膜を形成する場合には、反射防止膜の一般的な成分であるSiO2が反射防止膜と親水膜との界面に介在することとなるため、親水膜と反射防止膜との密着性に関する相性が良好となり、したがって、反射防止膜とガラス面との間の界面でのみ密着性向上のための組成改質等を行なうだけで済む。そのため、大きな手間やコストがかからず、親水膜を常に同じ仕様のまま使用して、同じ密着力を安定して実現できる。なお、ここで、反射防止膜とは、レンズ面上に膜を形成した場合に、レンズ面上に膜を形成しない場合と比べて反射率を抑制できる機能を有する膜をいう。

0015

また、本発明は、複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群が収容される鏡筒とを備えるレンズユニットであって、
鏡筒の物体側の開口部に前記膜付きレンズが設けられていることを特徴とする。

0016

上記構成のレンズユニットによれば、前述した膜付きレンズが設けられているため、前述したようにレンズ表面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる。

0017

また、本発明に係るカメラモジュールは、前記レンズユニットを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、前述の膜付きレンズおよびレンズユニットの作用効果をカメラモジュールで得ることができる。

発明の効果

0018

本発明によれば、レンズ表面に付着した撥水膜上の水滴をレンズ表面の中心側から外周側へ向けて導くための親水膜が設けられるため、レンズ表面の撥水膜上の水滴は、レンズ表面の中心側に滞留することなく表面自由エネルギーが高い親水膜上を拡がって薄い水膜となって外周側へと移動されていく。したがって、レンズ面での付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施の形態に係るレンズユニットの概略断面図である。
図1のレンズユニットを備えるカメラモジュールの概略断面図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第1の例を示す図1のA方向矢視図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第2の例を示す図1のA方向矢視図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第3の例を示す図1のA方向矢視図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第4の例を示す図1のA方向矢視図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第5の例を示す図1のA方向矢視図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第6の例を示す図1のA方向矢視図である。
鏡筒の物体側の端部に設けられるレンズの表面上における撥水膜および親水膜の形成形態の第7の例を示す図1のA方向矢視図である。

実施例

0020

以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態の膜付きレンズを含むレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1および図2において複数のレンズについてはハッチングを省略している。

0021

図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズユニット11を示している。図示のように、本実施の形態のレンズユニット11は、例えば樹脂製(金属製であっても構わない)の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付き内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、物体側から、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、2つの絞り部材22a,22bとを備えている。絞り部材22a,22bは、本実施の形態では、第2のレンズ14と第3のレンズ15との間、および、第3のレンズ15と第4のレンズ16との間に介挿されており、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。

0022

鏡筒12の内側収容空間S内に組み込まれて収容保持される複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で積み重ねられて配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。この場合、レンズ群Lを構成する最も物体側に位置される第1のレンズ13は、物体側に凸面を有するとともに像側に凹面を有する球面ガラスレンズとしての膜付きレンズであり、その他のレンズ14,15,16,17は樹脂レンズであるが、これに限定されない(例えば、第1のレンズ13が樹脂レンズであってもよい)。また、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられるが、特に、本実施の形態では、後述するように、膜付きレンズとしての第1のレンズ13に撥水膜30および親水膜31が設けられる。

0023

また、本実施の形態において、像側に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は接合レンズ(貼り合わせレンズ)40を構成している。このような接合レンズ40を構成する第4および第5のレンズ16,17は、図示のように、物体側に位置される第4のレンズ16の像側に面する表面の環状凸部16aが像側に位置される第5のレンズ17の物体側に面する表面の対応する環状凹部17aと嵌合されることにより組み付けられて、接着剤等によって固定される。

0024

また、本実施の形態において、最も物体側に位置される第1のレンズ13と鏡筒12との間にはシール部材としてのOリング26が介挿され、鏡筒12の内側のレンズ群L内に水や塵埃侵入しないようにしている。この場合、第1のレンズ13の外周面13aに、該レンズ13の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部13bが設けられ、この縮径部13bにOリング26が装着されて、第1のレンズ13の外周面13aと鏡筒12の内周面との間でOリング26が径方向圧縮されることにより、鏡筒12の物体側端部が封止された状態となっている。なお、鏡筒12の内部には物体側において円筒状の内壁12bが設けられ、この内壁12bと外壁12aとの間に環状体27が設けられ、この環状体27にOリング26が密接している。

0025

また、鏡筒12は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図1において上端部)のカシメ部23が径方向内側にカシメられることにより、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13をこのカシメ部23で鏡筒12の物体側端部に固定する。なお、第1のレンズ13の固定は、カシメ部23に限ることなく、鏡筒12にレンズ13,14,15,16,17を収容した後に鏡筒12の物体側の端部に取り付けられる固定部によって行なわれてもよい。

0026

また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17と絞り部材22a,22bとが光軸方向で保持固定されている。

0027

また、図2は、以上のような構成を成すレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図である。図示のように、このカメラモジュール300は、フィルタ100が装着された図1のレンズユニット11を含んで構成される。

0028

カメラモジュール300は、外装部品である上ケースカメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ撮像素子)304を備えている。

0029

上ケース301は、鏡筒12の外周面12aに鍔状に設けられるフランジ部25に係合されるとともに、レンズユニット11の物体側の端部を露出させて他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12aとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。

0030

パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。

0031

また、図1および図2に示すように、鏡筒12の物体側の端部に設けられる膜付きレンズとしての第1のレンズ13は、物体側に面するレンズ表面13aと、像側に面するレンズ裏面13bとを有する。特に、本実施の形態において、第1のレンズ13は、断面視において、レンズ表面13aが物体側に向けて凸状をなすとともに、レンズ裏面13bがレンズ内側に向けて凹むように形成されている。

0032

そして、このような第1のレンズ13のレンズ表面13a上には、撥水膜30および親水膜31が図3に示すような形成形態(形成形態の第1の例)を成して設けられる。具体的には、レンズ表面13aは、撥水膜30と、レンズ表面13aに付着した撥水膜30上の水滴をレンズ表面13aの中心側(径方向内側)から外周側(径方向外側)へ向けて導くための親水膜31とを有する。この場合、撥水膜30は、図3中の破線円C内の領域に対応するレンズ表面13aの中心部に位置される中央部位30aと、この中央部位30aから放射状に延びる複数の径方向延在部位30bとから成り、撥水膜30の径方向延在部位30b同士の間に親水膜31が介在される。特に、図3に示される第1の例において、撥水膜30の径方向延在部位30bは、外周へ向けて先細るような略三角形状を成しており、したがって、撥水膜30の径方向延在部位30b同士の間に位置される親水膜31は、撥水膜30の径方向延在部位30b間に楔状に食い込んで中央部位30aに達する侵食形態を成して、その面積がレンズ表面13aの中心側から外周側へ向かって広がるように外周縁まで扇形状に延在している。すなわち、親水膜31は、レンズ表面13aの中心部に位置する撥水膜30、すなわち、撥水膜30の中央部位30aから、レンズ表面13aの外周側へ向けて延び、いわば、撥水膜30と親水膜31とを入れ子にした配置の膜形成形態を実現している。

0033

このように、撥水膜30が位置するレンズ表面13aの中心側から外周側へ向けて親水膜31を延在させれば、レンズ表面13aに付着した撥水膜30上の水滴は、レンズ表面13aの中心側に滞留することなく表面自由エネルギーがより高い親水膜31上を拡がって薄い水膜となって外周側へと移動されていく。この場合、撥水膜30の周囲に単純に親水膜31を配置するのではなく、親水膜31を撥水膜30に対して楔状に食い込ませることにより、その食い込み端部が外周側への水滴移動のきっかけとなる起点を成すことができる。つまり、親水膜31が撥水膜30の方へ侵食するような形態で水滴移動のきっかけとなる起点を撥水膜30中に設けることにより、レンズ13の外周側への水滴移動が促されるようになる。

0034

なお、図3に示される例では、撥水膜30の径方向延在部位30bが第1のレンズ13の外周縁に達しているが、外周縁まで達していなくてもよい。また、この例では、撥水膜30の径方向延在部位30bおよび親水膜31の数がそれぞれ7個であるが、これに限定されない。例えば第1のレンズ13のレンズ表面13aが上下方向に延びる垂直面内に位置付けられる設置形態の場合には、水滴が重力によって下方に垂れ落ちることとなるため、前述したレンズ外周側への水滴移動作用を実現するためには、親水膜31の延在幅にもよるが、レンズ表面13aの下側領域に最低2つの親水膜31が存在すれば足りる場合もある。

0035

また、上記構成において、撥水膜30および親水膜31は、レンズ表面13a上で互いに積層されてもよく、または、積層されなくてもよい。特に、本実施の形態では、撥水膜30と親水膜31とが部分的に積層された成膜形態を成し、具体的には、レンズ表面13aの全体にわたって撥水膜30を蒸着により形成した後、マスキングをして、親水膜31を蒸着又は塗布等によって形成することにより、図3に示される膜形成形態を得る。あるいは、レンズ表面13aの全体にわたって親水膜31を蒸着により形成した後、マスキングをして、撥水膜30を蒸着によって形成することにより、図3に示される膜形成形態を得てもよい。蒸着によって成膜可能な親水膜31の例としては、リン酸カルシウム合物、例えば、キャノンオプトロン株式会社が提供している親水コーティング材料(HPシリーズ)を挙げることができる。

0036

また、撥水膜30の厚さは、2nm〜200nmであることが好ましく、親水膜31の厚さは、2nm〜200nmであることが好ましい。この場合、これらの膜厚を特に50nm以下と薄く設定することにより、膜形成に伴うレンズの透過率減少を抑制できる(透過率を高く維持できる)。これは、特に、高い視認性が求められてレンズの透過率を高く維持する必要がある車載カメラで用いられる場合に有益である。その一方で、膜の付着性を安定させるべく、膜厚は10nmを下回らないようにすることが好ましい。

0037

また、上記構成では、撥水膜30および親水膜31がレンズ表面13aの反射防止膜上に形成されてもよい。すなわち、レンズ13の撥水膜30および親水膜31の下層に予め反射防止膜(ARコーティング)を設け、この反射防止膜上に撥水膜30および親水膜31を例えば蒸着によって設けてもよい。

0038

以上説明したように、本実施の形態によれば、レンズ表面13aに付着した撥水膜30上の水滴をレンズ表面13aの中心側から外周側へ向けて導くための親水膜31が設けられるため、レンズ表面13aの撥水膜30上の水滴は、レンズ表面13aの中心側に滞留することなく表面自由エネルギーがより高い親水膜31上を拡がって薄い水膜となって外周側へと移動されていく。したがって、レンズ表面13aでの付着水滴の滞留に伴う視認性の悪化を防止できる。特に、このような膜付きレンズ13が外部環境に晒される例えば車載カメラで使用される場合には、水滴を飛散し得る風圧がレンズ表面13aに作用しないほど自動車が低速で走行している場合であっても、レンズ表面13aの撥水膜30上の水滴がレンズ表面13aの中心側に滞留することなく親水膜31によって外周側へと移動されていき、水滴の滞留に伴う視認性の悪化を招くことがない。

0039

また、本実施の形態において、親水膜31は、レンズ表面13aの中心部に位置する撥水膜30(中央部位30a)からレンズ表面13aの外周側へ向けて延びているため、撥水膜30上の水滴を親水膜31に直接に接触させて撥水膜30と親水膜31との接続領域でレンズ表面13aの外周側へと向かう水滴移動の駆動力を生起させることができるとともに、擦れ等の外力に弱い親水膜31が損傷を受け易いレンズ表面13aの中心部に形成されないようにしつつ、撥水膜30によりレンズ表面13aの中心部で水滴を形成させてそれを親水膜31により外周側へと積極的かつ効果的に移動させることができるようになる。

0040

また、本実施の形態では、親水膜31がレンズ表面13aの中心側から外周側へ向かって広がっているため、すなわち、親水膜31の延在面積がレンズ表面13aの中心側から外周側へ向かって次第に増大するため、レンズ表面13aの外周側へと向かう水滴移動の駆動力(水滴移動の推進力)も高まり、レンズ表面13aに付着した水滴の排除速度及び排除効果を更に促進させることができる。

0041

図4は、第1のレンズ13のレンズ表面13a上における撥水膜30および親水膜31の形成形態の第2の例を示している。図示のように、この第2の例では、撥水膜30の径方向延在部位30bも、親水膜31と同様に、その面積がレンズ表面13aの中心側から外周側へ向かって広がるように延在している。また、親水膜31の径方向内側端部31xは、前述した第1の例のように撥水膜30の中央部位30aと点接触により接続するのではなく、撥水膜30の中央部位30aと線接触により接続している。すなわち、この第2の例における親水膜31の径方向内側端部31xは、第1の例よりも広い範囲にわたって撥水膜30の中央部位30aと接触している。なお、それ以外の形態は第1の例と同様であり、したがって、第1の例と同様の作用効果を得ることができる。

0042

図5は、第1のレンズ13のレンズ表面13a上における撥水膜30および親水膜31の形成形態の第3の例を示している。図示のように、この第3の例では、第2の例の膜形成形態に加え、径方向延在部位30bから連続する環状の撥水膜部位30cがレンズ表面13aの外周縁に更に設けられる。すなわち、撥水膜30は、レンズ表面13aの中心部に位置される中央部位30aと、この中央部位30aから放射状に延びる複数の径方向延在部位30bと、レンズ表面13aの外周縁に位置する環状部位30cとから成る。なお、それ以外の形態は第2の例と同様であり、したがって、第2の例と同様の作用効果を得ることができる。

0043

図6は、第1のレンズ13のレンズ表面13a上における撥水膜30および親水膜31の形成形態の第4の例を示している。図示のように、この第4の例は、親水膜31の延在形態図4の第2の例におけるそれと異なるだけであり、それ以外の膜形成形態は第2の例と同じである。すなわち、この第4の例において、親水膜31は、レンズ表面13aの中心側から外周側へ向かって広がるように延在することなく、レンズ表面13aの中心側から外周側へ向かって略同一の幅で直線状に延びている。このような形態においても、第2の例と同様の作用効果を得ることができる。

0044

図7は、第1のレンズ13のレンズ表面13a上における撥水膜30および親水膜31の形成形態の第5の例を示している。図示のように、この第5の例は、親水膜31の径方向内側端部31xの形状が図6の第4の例におけるそれと異なるだけであり、それ以外の膜形成形態は第4の例と同じである。すなわち、親水膜31は、前述した第4の例のように直線状の径方向内側端部31xで撥水膜30の中央部位30aと接続するのではなく、円弧状の径方向内側端部31xで撥水膜30の中央部位30aと接続している。すなわち、この第5の例における親水膜31の径方向内側端部31xは、第4の例よりも広い範囲にわたって撥水膜30の中央部位30aと接触している。このような形態においても、第4の例と同様の作用効果を得ることができる。

0045

図8は、第1のレンズ13のレンズ表面13a上における撥水膜30および親水膜31の形成形態の第6の例を示している。図示のように、この第6の例では、図6の第4の例または図7の第5の例における撥水膜30の中央部位30aが親水膜31に取って代えられている。すなわち、本例では、図6の第4の例または図7の第5の例の放射状に延びる各親水膜31がレンズ表面13aの中心まで延びて互いに合流している。言い換えると、親水膜31は、レンズ表面13aの中心部に位置される中央部位31aと、この中央部位31aから放射状に延びる複数の径方向延在部位31bとから成る。このような膜形成形態であっても、前述した第1の例と同様の作用効果を得ることができる。

0046

図9は、第1のレンズ13のレンズ表面13a上における撥水膜30および親水膜31の形成形態の第7の例を示している。図示のように、この第7の例では、親水膜が鏡筒12のカシメ部23の領域に至るまで延在している。すなわち、親水膜が第1のレンズ13と鏡筒12とにわたって形成されている。具体的に、この第7の例では、図3に示される第1の例の膜形成形態を成す第1のレンズ13を物体側で固定するカシメ部23の全周にわたって親水膜31’が第1のレンズ13の親水膜31から連続するようにレンズ13の有効径の外側に設けられている。しかしながら、カシメ部23に設けられる親水膜31’は、第1のレンズ13の親水膜31から連続するように延在していれば、カシメ部23の全周にわたって設けられる必要はない。このような親水膜31’は、カシメ後にレンズ13の親水膜31と共に一体で蒸着されてもよく、あるいは、カシメ前またはカシメ後に塗布等によって親水膜31とは別個に設けられてもよい。このように、親水膜を鏡筒12にまで至るように延在して設けると、水滴をレンズ表面13a上から完全に排除することもでき、有益である。

0047

なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状、撥水膜および親水膜の形成形態は、前述した実施の形態に限定されない。膜の材料、膜厚、レンズの材料なども任意に設定できる。

0048

11レンズユニット
12鏡筒
13 第1のレンズ(膜付きレンズ)
13a レンズ表面
13bレンズ裏面
30撥水膜
31親水膜
300カメラモジュール
Lレンズ群
O 光軸

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