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技術 2成分現像剤及びその製造方法

出願人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社
発明者 寺崎皓平
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172531
公開日 2020年3月26日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-046463
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤
主要キーワード オープンカウンタ DSC信号 測定エネルギー 材料供給速度 ウォータバス 超音波ジェット シリカ基体 アミノアルキルシラン化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

本発明はトナー帯電定性に優れる2成分現像剤を提供する。

解決手段

本発明の2成分現像剤はキャリアとトナーとを含む。キャリアはキャリア粒子を含む。キャリア粒子はキャリアコアとキャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。コート層は熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有し、かつ径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とから構成される。第1シリカ粒子は99.9質量%が第1領域に含有され、かつ残り0.1質量%が第2領域に含有される。第1領域における第1シリカ粒子の含有割合は1.5質量%以上2.5質量%以下である。トナーはトナー粒子を含む。トナー粒子はトナー母粒子とトナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子とを備える。第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である。

概要

背景

成分現像剤においては、トナー帯電定性の向上を目的として、例えば、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する被覆層とを備えるキャリアにおいて、被覆層に含窒素樹脂及びアンモニウム塩化合物を用いる方法が提案されている(特許文献1)。

概要

本発明はトナーの帯電安定性に優れる2成分現像剤を提供する。本発明の2成分現像剤はキャリアとトナーとを含む。キャリアはキャリア粒子を含む。キャリア粒子はキャリアコアとキャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。コート層は熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有し、かつ径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とから構成される。第1シリカ粒子は99.9質量%が第1領域に含有され、かつ残り0.1質量%が第2領域に含有される。第1領域における第1シリカ粒子の含有割合は1.5質量%以上2.5質量%以下である。トナーはトナー粒子を含む。トナー粒子はトナー母粒子とトナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子とを備える。第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である。

目的

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナーの帯電安定性に優れる2成分現像剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

キャリアトナーとを含む2成分現像剤であって、前記キャリアは、キャリア粒子を含み、前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備え、前記コート層は、熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有し、かつ径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とから構成され、前記第1シリカ粒子は、99.9質量%が前記第1領域に含有され、かつ残り0.1質量%が前記第2領域に含有され、前記第1領域の厚さは、300nm以上600nm以下であり、前記第2領域の厚さは、400nm以上600nm以下であり、前記コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下であり、前記第1領域における前記第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下であり、前記トナーは、トナー粒子を含み、前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子とを備え、前記第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する前記第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である、2成分現像剤。

請求項2

前記第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAは、5.20eV以上5.40eV以下である、請求項1に記載の2成分現像剤。

請求項3

前記熱硬化性樹脂は、メラミン樹脂又はシリコーン樹脂である、請求項1又は2に記載の2成分現像剤。

請求項4

前記第1シリカ粒子及び前記第2シリカ粒子の個数平均粒子径は、各々独立に、10nm以上150nm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の2成分現像剤。

請求項5

キャリアとトナーとを含む2成分現像剤の製造方法であって、前記キャリアを調製するキャリア調製工程と、前記トナーを調製するトナー調製工程と、前記キャリアと前記トナーとを混合する混合工程とを備え、前記キャリアは、キャリア粒子を含み、前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備え、前記キャリア調製工程は、前記キャリアコアの表面を被覆する第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、前記第1被覆層の表面を被覆する第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、前記第1被覆層及び前記第2被覆層で被覆された前記キャリアコアを加熱する加熱工程とを備え、前記加熱工程後の前記第1被覆層の厚さは、300nm以上600nm以下であり、前記第1被覆層は、未硬化の第1熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有する第1被覆溶液により形成し、前記第1被覆溶液の硬化残分における前記第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下であり、前記加熱工程後の前記第2被覆層の厚さは、400nm以上600nm以下であり、前記第2被覆層は、未硬化の第2熱硬化性樹脂を含有する第2被覆溶液により形成し、前記コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下であり、前記トナー調製工程は、トナー母粒子を調製するトナー母粒子調製工程と、前記トナー母粒子の表面に第2シリカ粒子を外添する外添工程とを備え、前記第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する前記第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である、2成分現像剤の製造方法。

請求項6

前記第1熱硬化性樹脂及び前記第2熱硬化性樹脂は、互いに同一である、請求項5に記載の2成分現像剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、2成分現像剤及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

2成分現像剤においては、トナー帯電定性の向上を目的として、例えば、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する被覆層とを備えるキャリアにおいて、被覆層に含窒素樹脂及びアンモニウム塩化合物を用いる方法が提案されている(特許文献1)。

先行技術

0003

特開2009−180841号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、特許文献1に記載の2成分現像剤は、トナーの帯電安定性の観点から改善の余地があることが本発明者の検討により判明した。

0005

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナーの帯電安定性に優れる2成分現像剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の2成分現像剤は、キャリアとトナーとを含む。前記キャリアは、キャリア粒子を含む。前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。前記コート層は、熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有し、かつ径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とから構成される。前記第1シリカ粒子は、99.9質量%が前記第1領域に含有され、かつ残り0.1質量%が前記第2領域に含有される。前記第1領域の厚さは、300nm以上600nm以下である。前記第2領域の厚さは、400nm以上600nm以下である。前記コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下である。前記第1領域における前記第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下である。前記トナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子とを備える。前記第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する前記第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である。

0007

本発明の2成分現像剤の製造方法は、キャリアとトナーとを含む2成分現像剤の製造方法であって、前記キャリアを調製するキャリア調製工程と、前記トナーを調製するトナー調製工程と、前記キャリアと前記トナーとを混合する混合工程とを備える。前記キャリアは、キャリア粒子を含む。前記キャリア粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。前記キャリア調製工程は、前記キャリアコアの表面を被覆する第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、前記第1被覆層の表面を被覆する第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、前記第1被覆層及び前記第2被覆層で被覆された前記キャリアコアを加熱する加熱工程とを備える。前記加熱工程後の前記第1被覆層の厚さは、300nm以上600nm以下である。前記第1被覆層は、未硬化の第1熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有する第1被覆溶液により形成する。前記第1被覆溶液の硬化残分における前記第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下である。前記加熱工程後の前記第2被覆層の厚さは、400nm以上600nm以下である。前記第2被覆層は、未硬化の第2熱硬化性樹脂を含有する第2被覆溶液により形成する。前記コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下である。前記トナー調製工程は、トナー母粒子を調製するトナー母粒子調製工程と、前記トナー母粒子の表面に第2シリカ粒子を外添する外添工程とを備える。前記第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する前記第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である。

発明の効果

0008

本発明の2成分現像剤及びその製造方法は、トナーの帯電安定性に優れる2成分現像剤を提供できる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の第1実施形態に係る2成分現像剤におけるキャリア粒子の断面の一例を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る2成分現像剤におけるキャリア粒子の断面の一例を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る2成分現像剤におけるトナー粒子の断面の一例を示す図である。

0010

以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。キャリアは、キャリア粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体、キャリア粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。

0011

粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。

0012

粉体の個数平均1次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した1次粒子円相当径(ヘイウッド径:1次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均1次粒子径は、例えば100個の1次粒子の円相当径の個数平均値である。なお、粒子の個数平均1次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均1次粒子径を指す。

0013

帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、公知の帯電列などで確認できる。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電性トナー用標準キャリア:P−01)と混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば帯電量測定装置(Q/mメーター)で測定対象の帯電量を測定し、摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。

0014

軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ横軸:温度、縦軸ストローク)において、「(ベースラインストローク値最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。

0015

ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計セイコーインツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。

0016

材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。

0017

以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。以下に記載する各成分については、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0018

<第1実施形態:2成分現像剤>
本発明の第1実施形態は、2成分現像剤に関する。本実施形態に係る2成分現像剤は、キャリアとトナーとを含む。キャリアは、キャリア粒子を含む。キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。コート層は、熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有し、かつ径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とから構成される。第1シリカ粒子は、99.9質量%が第1領域に含有され、かつ残り0.1質量%が第2領域に含有される。第1領域の厚さは、300nm以上600nm以下である。第2領域の厚さは、400nm以上600nm以下である。コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下である。第1領域における第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下である。トナーは、トナー粒子を含む。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子とを備える。第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である。

0019

本実施形態に係る2成分現像剤は、例えば電子写真装置画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。本実施形態に係る2成分現像剤は、現像装置内においてキャリア及びトナーが攪拌されることで、トナーが帯電する。

0020

本実施形態に係る2成分現像剤は、上述の構成を備えることにより、トナーの帯電安定性に優れる。その理由を以下に説明する。2成分現像剤におけるトナーの帯電安定性を向上させるためには、長期間に渡って現像装置内で使用され続けるキャリアの特性を維持することが重要となる。ここで、キャリアの特性が変化する主な要因の1つとして、トナーに含まれる成分(特に、外添剤)によるキャリア粒子の汚染が挙げられる。キャリア粒子の汚染を抑制する従来技術として、例えば、キャリアコアの表面を摩耗し易いコート層で被覆し、コート層の摩耗によってキャリア粒子の表面をリフレッシュさせる方法がある。しかし、このようなキャリア粒子では、使用に伴ってコート層の厚さが減少することで静電容量が増大し、その結果、トナー粒子を過度に帯電させる現象チャージアップ)を生じ易い。また、このようなキャリア粒子は、コート層が摩耗により消失することでキャリアコアが露出し、トナー粒子に付与する電荷量が減少する傾向もある。

0021

本実施形態に係る2成分現像剤におけるキャリア粒子は、コート層の表面が適度に硬質(鉛筆硬度が7H以上10H以下)であり、使用に伴ってコート層が適度に摩耗するため、表面の汚染を抑制できる。また、キャリア粒子のコート層は、径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とにより構成され、第1領域に第1シリカ粒子が偏在している。第1領域は、第1シリカ粒子がフィラーとしての役割を果たしているため、第2領域よりも強度に優れる。このように、キャリア粒子は、コート層の内側の第1領域が強度に優れるため、コート層の消失によるキャリアコアの露出を抑制できる。また、第1シリカ粒子は、トナー粒子に外添剤として含まれる第2シリカ粒子と比較し、イオン化ポテンシャルが同一又はやや低い。そのため、キャリア粒子は、第1シリカ粒子を介してトナー粒子(特に、第2シリカ粒子)と接触した場合、熱硬化性樹脂を介してトナー粒子と接触した場合よりも、トナー粒子に付与する電荷量が減少する傾向にある。そのため、本実施形態に係る2成分現像剤では、長期間使用した際に、キャリア粒子の表面における第1シリカ粒子の露出に起因するトナー粒子に付与する電荷量の減少と、キャリア粒子の静電容量の増大に起因するトナー粒子に付与する電荷量の増加とが互いに打ち消す方向に働くため、チャージアップを抑制できる。このように、本実施形態に係る2成分現像剤は、キャリア粒子の表面の汚染と、チャージアップと、キャリアコアの露出とを抑制できるため、トナーの帯電安定性に優れる。

0022

2成分現像剤は、例えば混合機(より具体的には、ボールミルロッキングミキサ登録商標)等)を用いて、キャリアと、トナーとを攪拌しながら混合することで得られる。キャリア100質量部に対するトナーの配合量としては、1質量部以上20質量部以下が好ましく、3質量部以上15質量部以下がより好ましい。

0023

[キャリア]
キャリアは、キャリア粒子を含む。図1は、キャリアが含むキャリア粒子1の断面の一例を示す。キャリア粒子1は、キャリアコア11と、キャリアコア11の表面を被覆するコート層12とを備える。コート層12は、キャリアコア11の表面の全面を被覆している。

0024

図2は、キャリア粒子1の表面近傍における拡大図である。コート層12は、径方向内側の第1領域12a及び径方向外側の第2領域12bにより構成されている。コート層12は、熱硬化性樹脂により構成されるマトリックス13と、マトリックス13に分散する複数の第1シリカ粒子14とにより主に構成されている。第1シリカ粒子14は、コート層12において、第1領域12aに偏在している。具体的には、第1シリカ粒子14のうち、99.9質量%は第1領域12aに含有され、残り0.1質量%が第2領域12bに含有される。

0025

コート層12において、第1領域12a及び第2領域12bの境界線Aの位置は、例えば以下の方法により求めることができる。まず、キャリア粒子1の断面を電子顕微鏡により観察し、長方形状の測定領域を定める。測定領域には、コート層12の表面と、キャリアコア11及びコート層12の界面とが含まれるようにする。また、測定領域は、その幅方向がキャリアコア11及びコート層12の界面と平行であり、かつ幅方向の長さを100nm以上とする。なお、キャリアコア11及びコート層12の界面が曲線状である場合、その平均線を界面と見なすことができる。測定領域において、コート層12に存在する第1シリカ粒子14の総面積S1を算出する。次に、キャリアコア11及びコート層12の界面と平行する仮想直線を、測定領域におけるコート層12の任意の位置に設定し、キャリアコア11及び仮想直線の間に存在する第1シリカ粒子14の面積S2を求める。仮想直線の位置をキャリアコア11から離間させるほど、仮想直線及びキャリアコア11の間に存在する第1シリカ粒子14の面積S2は増大する。100×S2/S1が99.9%となる位置の仮想直線を、第1領域12a及び第2領域12bの境界線Aとする。

0026

以上、図1及び図2に基づいてキャリア粒子1について説明した。但し、本実施形態に係る2成分現像剤におけるキャリア粒子は、図1及び図2に示すキャリア粒子に限定されない。具体的には、キャリアコアの表面は、一部がコート層で被覆されずに露出していてもよい。また、コート層は、1又は複数の界面が存在する多層構造を有していてもよい。但し、コート層は、界面を起点とした剥離を抑制する観点から、単層構造を有することが好ましい。以下、キャリア粒子の各構成について詳細を説明する。

0027

(キャリアコア)
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましい。キャリアコアは、磁性材料の粒子であってもよく、結着樹脂と、結着樹脂中に分散した磁性材料の粒子とを備える粒子(以下、樹脂キャリアコアと記載することがある)であってもよい。

0028

キャリアコアに含有される磁性材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルトニッケル、及びこれら金属の1種以上を含む合金等)、並びに強磁性金属酸化物が挙げられる。強磁性金属酸化物としては、フェライトと、スピネルフェライトの1種であるマグネタイトとが挙げられる。フェライトとしては、例えば、Baフェライト、Mnフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、Cu−Znフェライト、及びMn−Mg−Srフェライトが挙げられる。キャリアコアの製造方法としては、例えば、磁性材料を粉砕及び焼成する工程を含む方法が挙げられる。キャリアコアの製造において、磁性材料の添加量(特に、強磁性材料の割合)を変更することで、キャリアの飽和磁化を調整することができる。また、キャリアコアの製造において、焼成温度を変更することで、キャリアコアの円形度を調整することができる。なお、キャリアコアは、市販品を使用してもよい。

0029

キャリアコアとして用いる磁性材料の粒子としては、例えば、フェライト粒子が挙げられる。フェライト粒子は、2成分現像剤による画像形成のために十分な磁性を有する傾向がある。なお、一般的な製法により製造されたフェライト粒子は、真球にはならず、表面に適度な凹凸を有する傾向がある。キャリアコアがフェライト粒子(フェライトコア)である場合、フェライトコアの表面とコート層との密着性を向上させる観点から、フェライトコアの表面の算術平均粗さ(詳しくは、JIS(日本工業規格)B0601−2013で規定される算術平均粗さRa)としては、0.3μm以上2.0μm以下が好ましい。

0030

キャリアコアにおける結着樹脂としては、ポリエステル樹脂ウレタン樹脂、又はフェノール樹脂が好ましく、フェノール樹脂がより好ましい。樹脂キャリアコアにおける磁性材料の粒子としては、例えば上記磁性材料において例示した磁性材料のうち1種以上の磁性材料を含む粒子が挙げられる。

0031

キャリア粒子において、キャリアコア及びコート層の合計質量に対するキャリアコアの質量割合としては、70質量%以上99質量%以下が好ましく、90質量%以上97質量%以下がより好ましい。

0032

良好な現像性を得るためには、キャリアコアの体積中位径(D50)としては、30μm以上100μm以下が好ましい。

0033

キャリアコアの飽和磁化としては、例えば、50emu/g以上90emu/g以下とすることができる。

0034

(コート層)
コート層の厚さとしては、800nm以上1200nm以下が好ましく、900nm以上1100nm以下が好ましい。コート層が厚くなるほど、コート層の摩耗に起因するキャリア粒子の静電容量の増大が緩やかとなる傾向にある。

0035

コート層の第1領域の厚さとしては、300nm以上600nm以下であり、400nm以上550nm以下が好ましい。第1領域の厚さを300nm以上とすることで、キャリアコアの表面に凹凸が存在し、第1領域の厚さが部位によって変動する場合であっても、キャリアコアの表面の全面を第1領域で確実に被覆することができる。第1領域の厚さを600nm以下とすることで、コート層が摩耗してキャリア粒子の静電容量が十分に増大したタイミングで第1領域を露出させることができる。

0036

コート層の第2領域の厚さとしては、400nm以上600nm以下であり、450nm以上550nm以下がより好ましい。第2領域の厚さを400nm以上600nm以下とすることで、コート層が摩耗してキャリア粒子の静電容量が十分に増大したタイミングで第1領域を露出させることができる。

0037

コート層の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてキャリア粒子の断面のTEM透過型電子顕微鏡撮影像解析することによって計測できる。キャリア粒子の断面は、例えば、断面試料作製装置日本電子株式会社製「クロスセクションポリッシャ(登録商標)」)を用いて作製できる。キャリア粒子の断面は染色されていてもよい。特定の1個のキャリア粒子においてコート層の厚さが均一でない場合には、均等に離間した4箇所(詳しくは、キャリア粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線がコート層と交差する4箇所)の各々でコート層の厚さを測定し、得られた4つの測定値の算術平均を、そのキャリア粒子の評価値(コート層の厚さ)とする。

0038

コート層の表面における鉛筆硬度(即ち、第2領域における鉛筆硬度)は、7H以上10H以下であり、7H以上8H以下が好ましい。コート層の表面における鉛筆硬度を7H以上10H以下と比較的硬質にすることで、コート層が適度に摩耗し易くなる。その結果、キャリア粒子の表面が使用に伴ってリフレッシュされるため、トナーに含まれる外添剤等による汚染が抑制される。コート層の表面における鉛筆硬度は、実施例において後述する方法と同じ方法又はこれに準じた方法により測定することができる。

0039

キャリアコアの表面において、コート層で被覆された領域の面積割合(コート層の被覆率)としては、90%以上100%以下が好ましく、95%以上100%以下がより好ましい。コート層の被覆率は、後述するトナーコアにおけるシェル層の被覆率と同様の方法により測定することができる。

0040

コート層における熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子の合計含有割合としては、90質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましい。

0041

〔熱硬化性樹脂〕
コート層における熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂メラミン系樹脂尿素系樹脂スルホンアミド系樹脂グリオキザール系樹脂グアナミン系樹脂ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂ジアリルフタレート樹脂及びポリイミド樹脂が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、シロキサン結合(Si−O−Si)を有するポリアミドイミド樹脂が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂とは、未硬化の熱硬化性樹脂(プレポリマー等)を加熱し、分子間に架橋構造を形成させるか、又はイミド化等により分子間力を増大させた樹脂をいう。

0042

熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂又はメラミン系樹脂が好ましい。シリコーン樹脂としては、アルキル基及びアリール基のうち少なくとも一方を側鎖に有するシリコーン樹脂が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基(例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、鎖状若しくは分岐状のブチル基、又は鎖状若しくは分岐状のペンチル基)が好ましく、メチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素原子数6以上14以下のアリール基(例えば、フェニル基ナフチル基又はアントラセニル基)が好ましく、フェニル基がより好ましい。

0043

コート層の第1領域における熱硬化性樹脂の含有割合としては、80.0質量%以上98.5質量%以下が好ましく、97.5質量%以上98.5質量%以下がより好ましい。

0044

コート層の第2領域における熱硬化性樹脂の含有割合としては、80質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましい。

0045

〔第1シリカ粒子〕
第1シリカ粒子としては、例えば、シリカを主成分とする粒子(以下、シリカ基体と記載することがある)、又はシリカ基体に表面処理を施した粒子を用いることができる。

0046

シリカ基体は、例えば、シラン化合物加水分解縮合によって得ることができる。シラン化合物の加水分解縮合の具体的な方法としては、例えば、塩基性物質極性媒体親水性有機溶媒)と水との混合液(より具体的には、アンモニアエタノールと水との混合液等)に、シラン化合物を添加して反応させる方法が挙げられる。加水分解縮合の反応温度としては、例えば20℃以上30℃以下とすることができる。シラン化合物としては、例えば、テトラアルコキシシラン(より具体的には、テトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラプロポキシシラン、及びテトラブトキシシラン等)、並びにテトラフェノキシシランが挙げられる。なお、シラン化合物の加水分解縮合においては、シラン化合物の代わりに、シラン化合物の初期縮合物を上述の混合液に添加してもよい。

0047

シリカ基体への表面処理方法としては、例えば、アミノシラン化合物アミノアルキルシラン化合物、又はアミノ変性シリコーンオイルにより、アミノ基を付与する方法等が挙げられる。

0048

第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAとしては、5.20eV以上5.40eV以下が好ましく、5.35eV以上5.40ev以下が好ましい。このように、第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAを5.20eV以上5.40eV以下とすることで、キャリア粒子のコート層の摩耗に起因するチャージアップを適度に抑制し、トナーの帯電安定性をより向上できる。なお、第1シリカ粒子は、イオン化ポテンシャルが大きいほどトナー粒子を正に帯電させる傾向が強くなる。

0049

第1シリカ粒子がシリカ基体に表面処理を施した粒子である場合、そのイオン化ポテンシャル(即ち、第1シリカ粒子の表面におけるイオン化ポテンシャル)は、例えば、表面処理方法によって調整することができる。具体的には、シリカ基体の表面にアミノ基を付与することで、そのイオン化ポテンシャルを低下させることができる。

0050

第1シリカ粒子の個数平均粒子径としては、10nm以上150nm以下が好ましく、30nm以上80nm以下がより好ましい。

0051

コート層の第1領域における第1シリカ粒子の含有割合としては、1.5質量%以上2.5質量%以下であり、1.8質量%以上2.2質量%以下が好ましい。第1領域における第1シリカ粒子の含有割合を1.5質量%以上2.5質量%以下とすることで、キャリア粒子のコート層の摩耗に起因するチャージアップを適度に抑制し、トナー粒子の帯電安定性を向上できる。

0052

[トナー]
本実施形態に係る2成分現像剤に含まれるトナーは、トナー粒子を含む。図3は、トナーが含むトナー粒子2の断面構造の一例を示す。トナー粒子2は、トナー母粒子21と、トナー母粒子21の表面に付着する複数の第2シリカ粒子22とを備える。

0053

以上、図3に基づいてトナー粒子2について説明した。但し、本実施形態に係る2成分現像剤におけるトナー粒子は、図3に示すトナー粒子に限定されない。具体的には、本実施形態に係る2成分現像剤におけるトナー粒子は、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある)であってもよい。カプセルトナー粒子は、例えば結着樹脂を含有するトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。カプセルトナー粒子は、例えば、低温溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性両立を図ることが可能になる。カプセルトナー粒子では、シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。また、トナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子以外の他の外添剤を更に備えてもよい。以下、トナー粒子の各構成について詳細を説明する。

0054

(トナー母粒子)
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)としては、4μm以上9μm以下が好ましい。

0055

トナー母粒子は、例えば主成分として結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、結着樹脂に加え、必要に応じて内添剤(例えば、着色剤離型剤電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を更に含有してもよい。

0056

〔結着樹脂〕
結着樹脂としては、トナーの低温定着性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。トナー母粒子における結着樹脂の含有割合としては、60質量%以上95質量%以下が好ましく、75質量%以上90質量%以下がより好ましい。

0057

ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。トナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂の両方を含有することが好ましい。トナー母粒子が結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂の両方を含有することで、トナー粒子にシャープメルト性を付与することができ、その結果、トナーの耐熱保存性及び低温定着性を向上できる。トナー母粒子が含有するポリステル樹脂において、非晶性ポリエステル樹脂の含有割合(100×非晶性ポリエステル樹脂の質量/結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂の合計質量)としては、60質量%以上97質量%以下が好ましく、85質量%以上95質量%以下がより好ましい。

0058

ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するための多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール(より具体的には、ジオール類又はビスフェノール類)及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するための多価カルボン酸としては、例えば、2価カルボン酸及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体(例えば、多価カルボン酸の無水物、及び多価カルボン酸ハライド)を使用してもよい。また、ポリエステル樹脂の合成においては、他のモノマー(多価アルコール及び多価カルボン酸のいずれでもないモノマー)を用いてもよい。

0060

ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。

0061

3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタンペンタエリスリトールジペンタエリスリトールトリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオールグリセロールジグリセロール2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタントリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。

0062

2価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸フマル酸シトラコン酸イタコン酸グルタコン酸、フタル酸イソフタル酸テレフタル酸シクロヘキサンジカルボン酸アジピン酸セバシン酸アゼライン酸マロン酸コハク酸アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、及びイソドデシルコハク酸)、並びにアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、及びイソドデセニルコハク酸)が挙げられる。

0063

3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。

0064

他のモノマーとしては、例えば、炭素原子数2以上12以下のα,ω−アルカンジオールと、炭素原子数4以上10以下のα,ω−アルカンジカルボン酸と、スチレン系モノマーと、アクリル酸系モノマーとが挙げられる。

0065

炭素原子数2以上12以下のα,ω−アルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール(炭素原子数2)が挙げられる。炭素原子数4以上10以下のα,ω−アルカンジカルボン酸としては、例えば、セバシン酸(炭素原子数10)が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレンアルキルスチレン(より具体的には、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、及び4−tert−ブチルスチレン)、ヒドロキシスチレン(より具体的には、p−ヒドロキシスチレン、及びm−ヒドロキシスチレン)、並びにハロゲン化スチレン(より具体的には、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、及びp−クロロスチレン)が挙げられる。アクリル酸系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。

0066

非晶性ポリエステル樹脂としては、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸及びフマル酸を主原料とする非晶性ポリエステル樹脂、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、及びテレフタル酸を主原料とする非晶性ポリエステル樹脂、又はビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸、ドデシルコハク酸無水物及び無水トリメリット酸を主原料とする非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。

0067

結晶性ポリエステル樹脂としては、エチレングリコール及びスベリン酸を主原料とする結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。

0068

〔着色剤〕
トナー母粒子は、着色剤を含有することが好ましい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができるが、例えば、黒色着色剤及びカラー着色剤を用いることができる。トナー母粒子が着色剤を含有する場合、その含有量としては、トナーにより形成される画像の画質を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。

0069

黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。カラー着色剤としては、例えば、イエロー着色剤マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。なお、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を組み合わせて用い、トナーを黒色に調色してもよい。

0070

イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物アゾ金属錯体メチン化合物、及びアリールアミド化合物が挙げられる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。

0071

マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物塩基染料レーキ化合物ナフトール化合物ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。

0072

シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物が挙げられる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。

0073

〔離型剤〕
トナー母粒子は、離型剤を含有することが好ましい。離型剤は、例えば、トナーに耐ホットオフセット性を付与する目的で使用される。トナー母粒子が離型剤を含有する場合、その含有量としては、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以上15.0質量部以下がより好ましい。

0074

離型剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス(例えば、低分子量ポリエチレン低分子量ポリプロピレンポリオレフィン共重合体ポリオレフィンワックスマイクロクリスタリンワックスパラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックス)、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物(例えば、酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体)、植物系ワックスキャンデリラワックスカルナバワックス木ろうホホバろう、及びライスワックス)、動物系ワックス(例えば、蜜蝋ラノリン、及び鯨ろう)、鉱物系ワックス(例えば、オゾケライトセレシン、及びペトロラタム)、脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス(例えば、モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックス)、並びに脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックス(例えば、脱酸カルナバワックス)が挙げられる。離型剤としては、エステルワックスが好ましい。

0075

トナー母粒子が離型剤を含有する場合、結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、トナー母粒子に相溶化剤を更に添加してもよい。

0076

〔電荷制御剤〕
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。

0077

トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。

0078

〔磁性粉〕
トナー母粒子は、磁性粉を含有してもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(例えば、鉄、コバルト及びニッケル)又はその合金、強磁性金属酸化物(例えば、フェライト、マグネタイト、及び二酸化クロム)、並びに強磁性化処理が施された材料(例えば、熱処理により強磁性が付与された炭素材料)が挙げられる。

0079

(シェル層)
シェル層は、例えば、主成分としてシェル樹脂を含有する。シェル層としては、実質的にシェル樹脂から構成されている層(例えばシェル樹脂の含有割合が90質量%以上である層)が好ましく、シェル樹脂のみを含有する層がより好ましい。

0080

トナーにより形成される画像の画質を向上させる観点から、シェル層の厚さとしては、10nm以上100nm以下が好ましい。シェル層の厚さを測定する方法としては、例えば、上述のキャリア粒子におけるコート層の厚さを測定する方法と同様の方法を用いることができる。

0081

(第2シリカ粒子)
第2シリカ粒子としては、例えば、シリカ基体、又はシリカ基体に表面処理を施した粒子を用いることができる。シリカ基体の調製方法、及びシリカ基体への表面処理方法としては、例えば、第1シリカ粒子において説明した方法と同様の方法を用いることができる。

0082

第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBとしては、5.30eV以上5.50eV以下が好ましく、5.35eV以上5.45ev以下が好ましい。このように、第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBを5.30eV以上5.50eV以下とすることで、第1シリカ粒子及び第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルの差を適度な範囲に調整し易くなる。

0083

第2シリカ粒子の個数平均粒子径としては、10nm以上150nm以下が好ましく、30nm以上80nm以下がより好ましい。

0084

トナー粒子における第2シリカ粒子の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対し、0.01質量部以上10.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下が更に好ましい。

0085

第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)としては、−0.20eV以上0.00eV以下であり、−0.05eV以上0.00eV以下がより好ましい。差(IPA−IPB)を−0.20eV以上0.00eV以下とすることで、キャリア粒子のコート層の摩耗に起因するチャージアップを適度に抑制し、トナーの帯電安定性をより向上できる。

0086

(他の外添剤)
他の外添剤は、第2シリカ粒子以外の外添剤であって、外添剤粒子を含む。外添剤粒子としては、無機粒子が好ましい。無機粒子としては、例えば、金属酸化物(より具体的には、アルミナ酸化チタン酸化マグネシウム酸化亜鉛チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウム)の粒子が挙げられる。無機粒子の個数平均1次粒子径としては、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上40nm以下がより好ましい。

0087

<第2実施形態:2成分現像剤の製造方法>
本発明の第2実施形態は、2成分現像剤の製造方法に関する。本実施形態に係る2成分現像剤の製造方法は、キャリアとトナーとを含む2成分現像剤の製造方法であって、キャリアを調製するキャリア調製工程と、トナーを調製するトナー調製工程と、キャリアとトナーとを混合する混合工程とを備える。キャリアは、キャリア粒子を含む。キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備える。キャリア調製工程は、キャリアコアの表面を被覆する第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、第1被覆層の表面を被覆する第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、第1被覆層及び第2被覆層で被覆されたキャリアコアを加熱する加熱工程とを備える。加熱工程後の第1被覆層の厚さは、300nm以上600nm以下である。第1被覆層は、未硬化の第1熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有する第1被覆溶液により形成する。第1被覆溶液の硬化残分における第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下である。加熱工程後の第2被覆層の厚さは、400nm以上600nm以下である。第2被覆層は、未硬化の第2熱硬化性樹脂を含有する第2被覆溶液により形成する。コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下である。トナー調製工程は、トナー母粒子を調製するトナー母粒子調製工程と、トナー母粒子の表面に第2シリカ粒子を外添する外添工程とを備える。第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下である。

0088

本実施形態に係る2成分現像剤の製造方法は、上述した第1実施形態に係る2成分現像剤の好適な製造方法である。以下、第1実施形態と重複する構成要素については、説明を省略する。

0089

[キャリア調製工程]
本工程では、キャリアを調製する。本工程は、第1被覆層形成工程と、第2被覆層形成工程と、加熱工程とを備える。

0090

(第1被覆層形成工程)
本工程では、キャリアコアの表面を被覆する第1被覆層を形成する。第1被覆層は、未硬化の第1熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有する第1被覆溶液により形成する。第1被覆層を形成する方法としては、例えば、キャリアコアに対し、第1被覆溶液を塗布した後に加熱する方法が挙げられる。第1被覆溶液をキャリアコアに塗布する方法としては、例えば、第1被覆溶液を含む液にキャリアコアを浸漬させる方法、又は第1被覆溶液を含む液を流動層中のキャリアコアに噴霧する方法が挙げられる。

0091

本工程での加熱では、未硬化の第1熱硬化性樹脂を完全に硬化させず、半硬化に留めることが好ましい。そのため、加熱条件としては、例えば、加熱温度160℃以上200℃以下、加熱時間20分以上80分以下とすることができる。

0092

未硬化の第1熱硬化性樹脂としては、第1実施形態において説明したコート層が含有する熱硬化性樹脂に対応する樹脂(プレポリマー等)を用いることができる。

0093

第1被覆溶液は、未硬化の第1熱硬化性樹脂に対応する硬化剤を更に含有してもよい。第1熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂である場合、硬化剤としては、例えば、オルトチタン酸テトラブチル、又はオルトチタン酸テトライソプロピルを使用できる。第1熱硬化性樹脂がメラミン樹脂である場合、硬化剤としては、例えば、無機酸(例えば、硝酸)を使用できる。第1被覆溶液における硬化剤の含有割合としては、硬化残分100質量部に対し、0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましい。

0094

(第2被覆層形成工程)
本工程では、第1被覆層の表面を被覆する第2被覆層を形成する。第2被覆層は、未硬化の第2熱硬化性樹脂を含有する第2被覆溶液により形成する。第2被覆層を形成する方法としては、例えば、キャリアコアとキャリアコアの表面を被覆する第1被覆層とを備える複合体に対し、第2被覆溶液を塗布する方法が挙げられる。第2被覆溶液を上述の複合体に塗布する方法としては、例えば、第1被覆溶液の塗布法として例示した方法と同様の方法が挙げられる。

0095

第2被覆溶液は、未硬化の第2熱硬化性樹脂に対応する硬化剤を更に含有してもよい。硬化剤の種類及び含有割合としては、第1被覆溶液における硬化剤と同様とすることができる。

0096

第1熱硬化性樹脂及び第2熱硬化性樹脂は、互いに同一であることが好ましい。このように、第1熱硬化性樹脂及び第2熱硬化性樹脂が互いに同一であることで、加熱工程後に第1被覆層及び第2被覆層の密着性を向上させることができる。

0097

(加熱工程)
本工程では、第1被覆層及び第2被覆層で被覆されたキャリアコアを加熱する。これにより、第1被覆層中の第1熱硬化性樹脂及び第2被覆層中の第2熱硬化性樹脂が硬化する。その結果、第1被覆層及び第2被覆層からコート層の第1領域及び第2領域がそれぞれ形成されると共に、第1被覆層及び第2被覆層が密着する。なお、上述の通り第1被覆層を半硬化させることで、加熱工程時に第1被覆層が含有する第1シリカ粒子の第2被覆層への移行をほぼ抑制することができる。

0098

本工程における加熱条件としては、例えば、加熱温度を180℃以上260℃以下、加熱時間を40分以上3時間以下とすることができる。

0099

[トナー調製工程]
本工程では、トナーを調製する。本工程は、トナー母粒子調製工程と、外添工程とを備える。

0100

(トナー母粒子調製工程)
本工程では、トナー母粒子を調製する。トナー母粒子を調製する方法としては、特に限定されず、公知の粉砕法又は公知の凝集法を用いることができるが、粉砕法を用いることが好ましい。得られたトナー母粒子は、そのまま外添工程に供してもよいが、シェル層で被覆した後に外添工程に供してもよい。

0101

粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、及び必要に応じて添加される内添剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。

0102

凝集法の一例では、まず、結着樹脂、及び必要に応じて添加される内添剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂等を含有する凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含有される成分を合一化させる。これにより、トナー母粒子が得られる。

0103

(外添工程)
本工程では、トナー母粒子の表面に第2シリカ粒子を外添する。第2シリカ粒子を付着させる具体的方法としては、例えば、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製「マルチパーパスミキサ」)を用いてトナー母粒子と第2シリカ粒子とを混合する。これにより、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した第2シリカ粒子とを備えるトナー粒子を含むトナーが得られる。

0104

なお、本工程では、必要に応じて、第2シリカ粒子と共に、第2シリカ粒子以外の外添剤をトナー母粒子の表面に外添してもよい。

0105

[混合工程]
本工程では、キャリアとトナーとを混合する。キャリアとトナーとを混合する方法としては、例えば、混合機(より具体的には、ボールミル、ロッキングミキサ(登録商標)等)を用いる方法が挙げられる。

0106

以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。

0107

<2成分現像剤の製造>
以下の方法により、実施例及び比較例の2成分現像剤を製造した。まず、第1シリカ粒子又は第2シリカ粒子として用いるシリカ粒子を調製した。

0108

[シリカ粒子(S−3)の調製]
フラスコ内にエタノール2,450gを投入した。このフラスコ内に、イオン交換水100gと、テトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)200gと、塩基性触媒としての1質量%アンモニア水100gとを更に添加した。ウォータバスを用いてフラスコ内温を25℃に保持しながら、所定時間(1時間)反応させた。これにより、溶剤中に粒子状のシリカ基体が分散したシリカ基体分散液を得た。

0109

ブフナーロートを用いて、シリカ基体分散液からウェットケーキ状のシリカ基体を濾集した。次に、ウェットケーキ状のシリカ基体をイオン交換水に再分散させることで洗浄した。シリカ基体の濾集及びイオン交換水への再分散による洗浄操作を合計3回繰り返すことで、洗浄後のシリカ基体を得た。

0110

次に、温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、トルエン(東京化成工業株式会社製)500gと、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBE−903」)3gと、n−プロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−3033」)3gと、上述のシリカ基体50gとを添加した。この混合溶液を80℃で2時間保持することで反応(表面処理)させた。反応後、反応溶液を2時間沸騰(温度:90〜110℃)させることによってトルエンを除去し、これによりシリカ粒子(S−3)を得た。シリカ粒子(S−3)の個数平均粒子径は、50nmであった。

0111

[シリカ粒子(S−1)、(S−2)及び(S−4)の調製]
以下の点を変更した以外は、シリカ粒子(S−3)の調製と同様の方法により、シリカ粒子(S−1)、(S−2)及び(S−4)を調製した。シリカ粒子(S−3)の調製では、表面処理において3−アミノプロピルトリエトキシシランを3g(シリカ基体100質量部に対して6質量部)用いた。一方、シリカ粒子(S−1)、(S−2)及び(S−4)の調製では、表面処理において、下記表1に示す量の3−アミノプロピルトリエトキシシランを用いた。なお、3−アミノプロピルトリエトキシシランは、その添加量が多いほど得られるシリカ粒子のイオン化ポテンシャルが低下した。

0112

(イオン化ポテンシャルの測定)
以下の方法により、シリカ粒子(S−1)〜(S−4)のイオン化ポテンシャルを測定した。測定セルに測定対象を投入した。具体的には、スライドガラスを用いて測定対象を上方から押し込むことで、測定セルの凹部に測定対象を充填した。その後、測定セルの表面においてスライドガラスを往復移動させることによって、測定セルから溢れた測定対象を除去した。そして、測定対象が充填された測定セルを測定装置にセットし、温度22.5℃かつ湿度50%RHの環境において、下記条件で光電子スペクトル(縦軸:光電子カウント数、横軸:励起エネルギー)を測定した。

0113

測定条件
測定装置:大気光電子分光装置理研計器株式会社製「AC−3」)
測定原理低エネルギー電子計数法
光源紫外線ランプランプハウス重水素ランプ
分光器窒素置換グレーティングモノクロメーター
測定域(光電子測定エネルギー走査範囲):5.00eV〜6.00eV
測定間隔:0.01eV
励起光強度:200nW

0114

上記測定装置において、紫外線ランプから放射された光は、窒素置換されたチャンバー入射し、チャンバー内の光量調節装置で光量を調節されて、分光器に入射した。更に、分光器により波長選択エネルギー選択)された光は、CaF2窓を通って大気中へ放射され、測定対象の表面で集光された。光(励起光)が測定対象の表面に照射されると、光電効果により、測定対象の表層部(詳しくは、表面から深さ200Å程度までの領域)から光電子が放出された。この光電子をオープンカウンターで計数した。

0115

シリカ粒子(S−1)〜(S−4)のイオン化ポテンシャルの測定では、光電子スペクトルにおいて、光電子カウント数の立ち上がりが生じた点における励起エネルギーをイオン化ポテンシャル[eV]とした。測定結果を下記表1に示す。

0116

下記表1において、「APTS」は3−アミノプロピルトリエトキシシランを示す。「質量部」は、シリカ基体100質量部に対する3−アミノプロピルトリエトキシシランの使用量を示す。

0117

0118

[トナーの調製]
以下の方法により、評価用トナーを得た。まず、評価用トナーのトナー母粒子に用いるポリエステル樹脂(具体的には、非晶性ポリエステル樹脂A、非晶性ポリエステル樹脂B及び結晶性ポリエステル樹脂A)を合成した。

0119

(非晶性ポリエステル樹脂Aの合成)
温度計(熱電対)、脱水管窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量10Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物370gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物3059gと、テレフタル酸1194gと、フマル酸286gと、2−エチルヘキサン酸錫(II)10gと、没食子酸2gとを入れた。続けて、窒素雰囲気かつ温度230℃の条件で、反応率が90質量%以上になるまで、フラスコ内容物を反応させた。反応率は、式「反応率=100×実際の反応生成水量/理論生成水量」に従って計算した。続けて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)かつ温度230℃の条件で、反応生成物(樹脂)の軟化点が所定の温度(89℃)になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、軟化点(Tm)89℃、ガラス転移点(Tg)50℃の非晶性ポリエステル樹脂Aが得られた。

0120

(非晶性ポリエステル樹脂Bの合成)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量10Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物1286gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物2218gと、テレフタル酸1603gと、2−エチルヘキサン酸錫(II)10gと、没食子酸2gとを入れた。続けて、窒素雰囲気かつ温度230℃の条件で、上述の式で表される反応率が90質量%以上になるまで、フラスコ内容物を反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)かつ温度230℃の条件で、反応生成物(樹脂)の軟化点が所定の温度(111℃)になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、軟化点(Tm)111℃、ガラス転移点(Tg)69℃の非晶性ポリエステル樹脂Bが得られた。

0121

(非晶性ポリエステル樹脂Cの合成)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量10Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物4907gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物1942gと、フマル酸757gと、ドデシルコハク酸無水物2078gと、2−エチルヘキサン酸錫(II)30gと、没食子酸2gとを入れた。続けて、窒素雰囲気かつ温度230℃の条件で、上述の式で表される反応率が90質量%以上になるまで、フラスコ内容物を反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)かつ温度230℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。続けて、無水トリメリット酸548gをフラスコ内に加えて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)かつ温度220℃の条件で、反応生成物(樹脂)の軟化点が所定の温度(127℃)になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、軟化点(Tm)127℃、ガラス転移点(Tg)51℃の非晶性ポリエステル樹脂Cが得られた。

0122

(結晶性ポリエステル樹脂Aの合成)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び温度計(熱電対)を備えた容量10Lの4つ口フラスコ内に、エチレングリコール2231gと、スベリン酸5869gと、2−エチルヘキサン酸錫(II)40gと、没食子酸2gとを投入した。続けて、窒素雰囲気かつ温度180℃の条件で、フラスコ内容物を4時間反応させた。続けて、温度210℃の条件で、フラスコ内容物を10時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8.3kPa)かつ温度210℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。その結果、軟化点(Tm)78℃、吸熱ピーク温度74℃の結晶性ポリエステル樹脂Aが得られた。

0123

(トナー母粒子の調製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、非晶性ポリエステル樹脂Aを300gと、非晶性ポリエステル樹脂Bを100gと、非晶性ポリエステル樹脂Cを600gと、結晶性ポリエステル樹脂Aを100gと、離型剤A(株式会社加洋行製「カルナウバワックス特製1号」、成分:カルナバワックス)12gと、離型剤B(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、成分:エステルワックス)48gと、着色剤(山陽色素株式会社製「カラーテックス(登録商標)ブルーB1021」、成分:フタロシアニンブルー)144gとを、回転速度2400rpmで混合した。

0124

続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度シリンダー温度)100℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレクス(登録商標)16/8型」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.8μmのトナー母粒子が得られた。

0125

(外添工程)
トナー母粒子100質量部に、シリカ粒子(S−3)を1.5質量部添加し、FMミキサー(日本コークス株式会社製)を用いて1700rpmで5分間攪拌することでトナー母粒子の表面にシリカ粒子(S−3)を付着させた。これにより、評価用トナーを得た。

0126

[キャリアの調製]
キャリアの調製においては、キャリアコアとしてパウダーテック株式会社製「EF−35B」を用いた。このキャリアコアは、マンガンマグネシウムストロンチウム及び鉄を含む球状のフェライトコア(個数平均粒子径35μm、飽和磁化68Am2/kg)であった。

0127

樹脂溶液の調製)
コート層形成において第1被覆溶液及び第2被覆溶液の調製に用いる樹脂溶液(R−1)〜(R−4)を用意した。樹脂溶液(R−1)は、信越シリコーン株式会社製「KR−220L」をそのまま用いた。樹脂溶液(R−2)〜(R−4)は、下記表2に示す通りに市販の原料溶液特定量の硬化剤を添加することで調製した。なお、下記表2において、「KR−220L」、及び「SR−2431」は、メチルシリコーン樹脂を含有する溶液であった。「KR−300」は、メチル基及びフェニル基を有するシリコーン樹脂を含有する溶液であった。「SM−800」は、変性メラミン樹脂を含有する溶液であった。硬化剤の「添加量」は、「100×硬化剤の添加量/樹脂溶液の硬化残分の質量」で求められる値を示す。

0128

0129

[実施例1]
以下の方法により、実施例1の2成分現像剤を製造した。

0130

〔第1被覆溶液の調製〕
樹脂溶液(R−1)にシリカ粒子(S−3)を添加して攪拌することでシリカ粒子含有樹脂溶液を得た。シリカ粒子(S−3)の添加量は、シリカ粒子含有樹脂溶液の硬化残分におけるシリカ粒子(S−3)の含有割合が2.0質量%となる量とした。得られたシリカ粒子含有樹脂溶液にトルエンを添加し、第1被覆溶液を得た。トルエンの添加量は、第1被覆溶液の硬化残分の濃度(100×第1被覆溶液の硬化残分の質量/第1被覆溶液の質量)が10質量%となる量とした。

0131

〔第1被覆層の形成〕
キャリアコアの表面に第1被覆溶液をスプレーコーティングした。具体的には、キャリアコア100質量部を流動コーティング装置(株式会社パウレック製マルチプレックスMP−01」)に投入し、装置内で流動させた。そして、流動コーティング装置に第1被覆溶液50質量部を添加した。その後、オーブンを用い、第1被覆溶液が塗布されたキャリアコアを180℃で1時間加熱した。その結果、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する第1被覆層とを備える第1被覆粒子を得た。第1被覆粒子を以下の方法により走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、第1被覆層の厚さは500nmであった。

0132

走査型電子顕微鏡(SEM)による観察は、以下の方法により行った。測定対象の粒子を可視光硬化性樹脂(東亞合成株式会社製「アロニックス(登録商標)LCR D−800」)中に分散させた後、可視光照射により樹脂を硬化させて、硬化物を得た。続けて、得られた硬化物を、ナイフ及びヤスリを用いて加工して、所定の寸法(縦:1cm、横:1cm、厚さ:3mm)を有する矩形板状の薄片試料を得た。その後、断面試料作製装置(日本電子株式会社製「クロスセクションポリッシャ(登録商標)SM−09010」、加工方式イオンビーム)を用いて、次に示す条件で薄片試料を加工して、測定対象の粒子の断面を得た。

0133

加工条件
イオン加速電圧:4.0kV
使用ガスアルゴン純度:99.9999%以上、圧力:0.15MPa)
・加工時間:12時間

0134

得られた粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7900F」)を用いて倍率30,000倍で撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてSEM撮影像を解析することで、被覆層の厚さを測定した。具体的には、キャリア粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線が被覆層と交差する4箇所の各々で、被覆層の厚さを測定した。測定された4箇所の厚さの算術平均値を、その粒子の被覆層の厚さとした。そして、測定対象の粒子に含まれる10個の粒子について、それぞれ被覆層の厚さを測定し、測定された厚さの個数平均値を測定対象の粒子の評価値(第1被覆層の厚さ)とした。

0135

〔第2被覆溶液の調製〕
樹脂溶液(R−1)にトルエンを添加し、第2被覆溶液を得た。トルエンの添加量は、第2被覆溶液の硬化残分の濃度(100×第2被覆溶液の硬化残分の質量/第2被覆溶液の質量)が10質量%となる量とした。

0136

〔第2被覆層の形成〕
第1被覆粒子の表面に第2被覆溶液をスプレーコーティングした。具体的には、上述の第1被覆粒子の全量を流動コーティング装置(株式会社パウレック製「マルチプレックスMP−01」)に投入し、装置内で流動させた。そして、流動コーティング装置に第2被覆溶液50質量部を添加した。これにより、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆する第1被覆層と、第1被覆層の表面を被覆する第2被覆層とを備える第2被覆粒子を得た。

0137

〔加熱〕
オーブンを用いて第2被覆粒子を190℃で2時間加熱した。加熱後の第2被覆粒子を上述の方法によりSEM観察したところ、第1被覆層及び第2被覆層が合一化して1層のコート層(厚さ1000nm)を形成していた。このことから、加熱工程後の第2被覆層の厚さは500nmであると判断される。

0138

また、加熱後の第2被覆粒子を上述の方法によりSEM観察したところ、第1シリカ粒子は、コート層の径方向内側に偏在していた。具体的には、コート層において、第1シリカ粒子の総面積S1に対し、キャリアコアの表面から厚さ500nmまでの領域に含有される第1シリカ粒子の面積S2は99.9%であった。即ち、第1被覆層及び加熱後の第2被覆層の厚さと、コート層の第1領域及び第2領域の厚さとは略同一であった。

0139

現像剤の調製]
粉体混合機愛知電機株式会社製「ロッキングミキサ(登録商標)」)に、上述のキャリア100質量部と上述の評価用トナー8質量部とを投入した。混合装置を用いて内容物を30分間にわたって攪拌した。このようにして、実施例1の2成分現像剤を得た。

0140

キャリアの調製において以下の点を変更した以外は、実施例1の2成分現像剤の製造と同様の方法により、実施例2〜10及び比較例1〜11の2成分現像剤を製造した。なお、いずれの2成分現像剤においても、キャリア粒子のコート層の第1領域及び第2領域の厚さと、第1被覆層及び加熱後の第2被覆層の厚さとは略同一であった。

0141

[実施例2、比較例1及び比較例2]
実施例2、比較例1及び比較例2では、第1シリカ粒子として、シリカ粒子(S−3)の代わりに、シリカ粒子(S−2)、(S−4)又は(S−1)をそれぞれ用いた。

0142

[比較例3]
比較例3では、第1被覆溶液及び第2被覆溶液の調製に用いる樹脂溶液として、樹脂溶液(R−1)の代わりに、樹脂溶液(R−2)をそれぞれ用いた。また、比較例3では、第2被覆粒子の加熱条件を、温度260℃かつ1時間に変更した。

0143

[実施例3、実施例4、比較例4及び比較例5]
実施例3、実施例4、比較例4及び比較例5では、第1被覆溶液の添加量をそれぞれ32質量部、58質量部、28質量部、又は62質量部に変更した。その結果、実施例3、実施例4、比較例4及び比較例5では、第1被覆層の厚さ及びコート層の第1領域の厚さが、それぞれ320nm、580nm、280nm又は620nmとなった。

0144

[実施例5、実施例6、比較例6及び比較例7]
実施例5、実施例6、比較例6及び比較例7では、第2被覆溶液の添加量をそれぞれ42質量部、58質量部、38質量部、又は62質量部に変更した。その結果、実施例5、実施例6、比較例6及び比較例7では、加熱後の第2被覆層の厚さ及びコート層の第2領域の厚さが、それぞれ420nm、580nm、380nm又は620nmとなった。

0145

[実施例7、実施例8、比較例8及び比較例9]
実施例7、実施例8、比較例8及び比較例9では、シリカ粒子含有樹脂溶液の調製においてシリカ粒子(S−3)の添加量を変更し、硬化残分におけるシリカ粒子(S−3)の含有割合をそれぞれ1.6質量%、2.4質量%、1.4質量%又は2.6質量%とした。

0146

[実施例9]
実施例9では、第1被覆溶液及び第2被覆溶液の調製に用いる樹脂溶液として、樹脂溶液(R−1)の代わりに、樹脂溶液(R−3)をそれぞれ用いた。また、実施例9では、第2被覆粒子の加熱条件を、温度220℃かつ2時間に変更した。

0147

[実施例10]
実施例10では、第1被覆溶液及び第2被覆溶液の調製方法を以下の通りに変更した。第1被覆溶液の調製では、まず樹脂溶液(R−4)にシリカ粒子(S−3)を添加して攪拌することでシリカ粒子含有樹脂溶液を得た。シリカ粒子の添加量は、シリカ粒子含有樹脂溶液の硬化残分におけるシリカ粒子(S−3)の含有割合が2.0質量%となる量とした。得られたシリカ粒子含有樹脂溶液にイオン交換水を添加し、第1被覆溶液を得た。イオン交換水の添加量は、第1被覆溶液の硬化残分の濃度(100×第1被覆溶液の硬化残分の質量/第1被覆溶液の質量)が10質量%となる量とした。また、第2被覆溶液は、樹脂溶液(R−4)にイオン交換水を添加することで調製した。イオン交換水の添加量は、第2被覆溶液の硬化残分の濃度(100×第2被覆溶液の硬化残分の質量/第2被覆溶液の質量)が10質量%となる量とした。

0148

更に、実施例10では、第1被覆溶液が塗布されたキャリアコアの加熱条件を温度250℃かつ1時間とし、第2被覆粒子の加熱条件を温度250℃かつ1時間とした。

0149

[比較例10]
比較例10では、実施例1において第2被覆溶液として用いた溶液によって第1被覆層を形成し、実施例1において第1被覆溶液として用いた溶液によって第2被覆層を形成した。即ち、比較例10では、実施例1とは反対に、第1被覆層にはシリカ粒子(S−3)を添加せず、第2被覆層にシリカ粒子(S−3)を添加した。

0150

[比較例11]
比較例11では、実施例1において第2被覆溶液として用いた溶液によって第1被覆層及び第2被覆層をそれぞれ形成した。即ち、比較例11では、第1被覆層及び第2被覆層のいずれにもシリカ粒子(S−3)を添加しなかった。

0151

[コート層の鉛筆硬度の測定方法
実施例及び比較例の2成分現像剤の調製に用いた各キャリアについて、下記条件で蛍光X線分析を行い、蛍光X線スペクトル(横軸:エネルギー、縦軸:強度(光子の数))を得た。測定元素は、キャリア粒子の最も上層に位置するコート層中の特徴的な元素とした。具体的には、実施例1〜9及び比較例1〜11の2成分現像剤の調製に用いたキャリアについては、測定元素をいずれもSi(珪素)とした。実施例10の2成分現像剤の調製に用いたキャリアについては、測定元素をN(窒素)とした。

0152

(蛍光X線分析の条件)
分析装置走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX」)
X線管球X線源):Rh(ロジウム
励起条件管電圧50kV、管電流50mA
・測定領域(X線照射範囲):直径30mm

0153

得られた蛍光X線スペクトルから測定元素のピーク強度を読み取った。以下、ここで測定された測定元素のピーク強度を、「初期強度XA」と記載する。

0154

次に、硬さが異なる複数種鉛筆の芯の粉末を用意し、それら鉛筆の芯の各々を用いて、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下で、次に示す攪拌試験を行った。各鉛筆の芯の硬さは、HB、F、1H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H又は10Hであった。各鉛筆の芯について、乳鉢を用いて粉砕した後、635メッシュ(目開き20μm)のを通過させることで、鉛筆の芯に由来し、20μm以下の粒子径を有する粉末(以下、鉛筆芯粉末と記載することがある)を得た。

0155

(攪拌試験)
測定対象のキャリア1gと、所定の硬さを有する鉛筆芯粉末0.1gとを、容量5mLのサンプル瓶に入れた。続けて、そのサンプル瓶を、シェーカーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「ターブラー(登録商標)ミキサーT2F」)を用いて48時間攪拌した。

0156

上記攪拌試験の後、サンプル瓶の内容物から、鉛筆芯粉末によって削られてキャリア粒子から脱離したキャリア成分と、鉛筆芯粉末とを、吸引分離(詳しくは、635メッシュの篩越しの吸引)により除去して、攪拌試験後のキャリアを得た。続けて、その攪拌試験後のキャリアについて、前述の条件で蛍光X線分析を行い、蛍光X線スペクトルを得た。そして、得られた蛍光X線スペクトルから測定元素のピーク強度を読み取った。以下、ここで測定された測定元素のピーク強度を、「攪拌後強度XB」と記載する。なお、上記攪拌試験において、黒鉛粉末によって削られたキャリアのコート層の量が多くなるほど、攪拌後強度XBは小さくなる傾向がある。

0157

上記のようにして測定した初期強度XA及び攪拌後強度XBから、式「コート層削れ量=100×(XA−XB)/(XA)」に基づいて、コート層削れ量を求めた。コート層削れ量が5%未満となることは、攪拌試験で使用した鉛筆の芯よりもキャリアのコート層の表面の方が硬いことを意味する。コート層削れ量が5%未満となった鉛筆の芯の硬さのうち、最も硬い鉛筆の芯の硬さを、測定対象(キャリア)の評価値(コート層の表面の鉛筆硬度)とした。例えば、攪拌試験で硬さ1Hの鉛筆の芯を使用した時にはコート層削れ量が5%未満となったが、攪拌試験で硬さ2Hの鉛筆の芯を使用した時にコート層削れ量が5%以上となった場合には、測定対象(キャリア)の評価値(コート層の表面の鉛筆硬度)は1Hとした。評価結果を下記表3及び表4に示す。

0158

<評価>
以下の方法により、実施例及び比較例の2成分現像剤におけるトナーの帯電安定性を評価した。評価は、温度23℃かつ湿度50%RHの環境で行った。評価結果を下記表3及び表4に示す。

0159

評価機としては、カラープリンター京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」)を用いた。実施例及び比較例の2成分現像剤をそれぞれ評価機のシアン現像装置に投入し、上述の評価用トナーを評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。

0160

評価機のシアン用現像装置に投入した2成分現像剤について、2分間のエージング処理を行った。エージング処理後の2成分現像剤について、以下の方法によりトナー帯電量(2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量)を測定した。測定されたトナー帯電量を初期帯電量[μC/g]とした。

0161

評価機を用いて、印字率5%の画像を印刷用紙に100,000枚印刷した。印刷を行った後の2成分現像剤について、以下の方法によりトナー帯電量を再度測定した。測定されたトナー帯電量を耐久後帯電量[μC/g]とした。

0162

トナー帯電量の測定方法を示す。詳しくは、まず、評価機のシアン用現像装置から評価対象の2成分現像剤を取り出した。次に、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに0.10gの評価対象を投入し、篩(金網)を介して評価対象を10秒間吸引することでトナーのみを分離した。そして、分離したトナーについて、下記式に基づいて、トナー帯電量[μC/g]を算出した。
トナー帯電量[μC/g]=トナーの総電気量[μC]/トナーの質量[g]

0163

各2成分現像剤について、初期帯電量[μC/g]及び耐久後帯電量[μC/g]から、下記式に基づいて帯電変動率[%]を算出した。2成分現像剤の帯電安定性は、帯電変動率が絶対値で10%未満の場合(即ち、−10%超+10%未満)を良好と評価でき、帯電変動率が絶対値で10%以上の場合を不良と評価できる。
帯電変動率[%]=100×(耐久後帯電量[μC/g]−初期帯電量[μC/g])/初期帯電量[μC/g]

0164

0165

0166

実施例1〜10の2成分現像剤は、各々、キャリアとトナーとを含んでいた。キャリアは、キャリア粒子を含んでいた。キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を被覆するコート層とを備えていた。コート層は、熱硬化性樹脂及び第1シリカ粒子を含有し、かつ径方向内側の第1領域と径方向外側の第2領域とから構成されていた。第1シリカ粒子は、99.9質量%が第1領域に含有され、かつ残り0.1質量%が第2領域に含有されていた。第1領域の厚さは、300nm以上600nm以下であった。第2領域の厚さは、400nm以上600nm以下であった。コート層の表面における鉛筆硬度は、7H以上10H以下であった。第1領域における第1シリカ粒子の含有割合は、1.5質量%以上2.5質量%以下であった。トナーは、トナー粒子を含んでいた。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する第2シリカ粒子とを備えていた。第1シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPAに対する第2シリカ粒子のイオン化ポテンシャルIPBの差(IPA−IPB)は、−0.20eV以上0.00eV以下であった。表3及び表4に示すように、実施例1〜10の2成分現像剤は、各々、トナーの帯電安定性が良好であった。

0167

一方、比較例1〜11の2成分現像剤は、各々、上述の構成を備えていなかった。その結果、比較例1〜11の2成分現像剤は、トナーの帯電安定性が不良であった。以下、比較例1〜11の2成分現像剤について、それぞれ詳細に説明する。

0168

[比較例1]
比較例1の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際に、トナー粒子に含まれるシリカ粒子(S−3)と比較してイオン化ポテンシャルが高いシリカ粒子(S−4)が露出したため、キャリア粒子がトナー粒子に付与する正電荷が増大したと判断される。

0169

[比較例2]
比較例2の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際に、トナー粒子に含まれるシリカ粒子(S−3)と比較してイオン化ポテンシャルが過度に低いシリカ粒子(S−1)が露出したため、トナーのチャージアップが過剰に抑制されたと判断される。

0170

[比較例3]
比較例3の2成分現像剤は、コート層の表面が弾性を有する硬度(鉛筆硬度4H)であったため、コート層の摩耗によるキャリア粒子の表面のリフレッシュが十分に行われなかったと判断される。即ち、比較例3の2成分現像剤では、外添剤粒子がキャリア粒子に付着して汚染することで、トナーの帯電量が低下したと判断される。

0171

[比較例4]
比較例4の2成分現像剤は、コート層の第1領域が薄く、コート層の一部では第1領域の厚さがゼロに近い箇所も存在したと判断される。その結果、比較例4の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際にコアの露出が生じ、トナーの帯電量が低下したと判断される。なお、実施例3の2成分現像剤(第1領域の厚さが320nm)ではトナーの帯電量が低下していないことから、コアの露出は第1領域の厚さを300nm以上にすれば抑制できると判断される。

0172

[比較例5]
比較例5の2成分現像剤は、コート層の第1領域が厚いため、コート層が摩耗しても静電容量が増大し難い。そのため、比較例5の2成分現像剤では、コート層の摩耗した際に、静電容量があまり増大していないにも関わらず第1シリカ粒子の露出が生じ、トナーのチャージアップが過度に抑制されたと判断される。

0173

[比較例6]
比較例6の2成分現像剤は、コート層の第2領域が薄い。そのため、比較例6の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際に、静電容量があまり増大していないにも関わらず第1シリカ粒子の露出が生じ、トナーのチャージアップが過度に抑制されたと判断される。

0174

[比較例7]
比較例7の2成分現像剤は、コート層の第2領域が厚すぎた。そのため、比較例7の2成分現像剤では、コート層が摩耗しても第1領域が露出し難かったため、トナーのチャージアップを抑制できなかったと判断される。

0175

[比較例8]
比較例8の2成分現像剤は、第1領域に第1シリカ粒子が十分に含まれていなかった。その結果、比較例8の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際に、第1シリカ粒子の露出によるトナーのチャージアップ抑制効果が十分に得られなかったと判断される。

0176

[比較例9]
比較例9の2成分現像剤は、第1領域に第1シリカ粒子が過剰に含まれていた。その結果、比較例9の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際に、第1シリカ粒子の露出によるトナーのチャージアップ抑制効果が過剰に働いたと判断される。

0177

[比較例10]
比較例10の2成分現像剤は、コート層の第2領域にシリカ粒子(S−3)が含有されていたため、第2領域の強度が過度に高く、コート層の摩耗によるキャリア粒子の表面のリフレッシュが十分に行われなかったと判断される。即ち、比較例10の2成分現像剤では、外添剤粒子がキャリア粒子に付着することで、トナーの帯電量が低下したと考えられる。

実施例

0178

[比較例11]
比較例11の2成分現像剤は、コート層の第1領域に第1シリカ粒子が含有されていなかった。その結果、比較例11の2成分現像剤では、コート層が摩耗した際に、第1シリカ粒子の露出によるトナーのチャージアップ抑制効果が働かなかったため、トナーの帯電量が増大したと判断される。

0179

本発明に係る2成分現像剤は、例えば複写機プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。

0180

1キャリア粒子
11キャリアコア
12コート層
12a 第1領域
12b 第2領域
13マトリックス
14 第1シリカ粒子
2トナー粒子
21トナー母粒子
22 第2シリカ粒子

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