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課題

スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者確定する方法を提供すること。

解決手段

本発明は、スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者を確定する方法に関する。本方法は、患者由来試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミンフェリチンオステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のマーカーのレベルを測定することを基にしている。死亡又は入院に悩まされる患者のリスク予測する方法が、更に想定されており、ここで該患者は、心不全を有し且つスタチン含有療法を受けている。本方法はまた、前述のマーカーの少なくとも1種のレベルの測定を基にしている。

概要

背景

心不全(HF)は、世界中の多くの国でとりわけ罹患及び致死(mortality)の主要な原因である。イバプラジン及び心臓再同期療法(CRT)は別として、ここ数年間に心不全の新たな療法は存在しない。対照的に、過去十年間のほとんどの候補薬物は、開発の第III相又はそれ以前に失敗している。

同時に、スタチン療法が、冠動脈疾患CAD)の一次的及び二次的予防において土台となる治療となり始めている。CADは、心不全の多くの症例の根底にあるが、慢性心不全(CHF)におけるスタチン療法の使用は、主要なガイドラインにより支持されていない。これは、CHFにおけるスタチンの大規模第III相試験がはっきりしない状態であるためである。具体的には、CORONA治験及びGISSI−HF治験が、CHF患者におけるロスバスタチン10mgの毎日の使用を前向きに調べた(J Am Coll Cardiol 2009; 54: 1850 -9;Lancet 2008; 372: 1231-9)。両治験は、スタチン治療のそれらの主要エンドポイントに対する有益な効果を明らかにすることに失敗した。

CORONA治験及びGISSI−HF治験の結果は、HFガイドラインにおけるスタチン治療の除外に繋がった。しかし、スタチン療法から恩恵を引き出し得るHF患者サブグループが存在しているようである。心臓保護試験(Heart Protection Study)の事後解析(Lancet. 2002; 360: 7-22)及びCORONA治験は、より高いNTproBNPレベルの患者においてスタチン治療の恩恵が減少することを明らかにした。同様にスタチンは、高ガレクチン−3レベルの患者においても、恩恵が少なかった(Eur Heart J. 2012; 33:2290-6)。しかし、ガレクチン−3及びスタチンの恩恵に関するこの知見は、GISSI−HF試験の解析において実証されていない(Latini R.、個人連絡)。

2011年のBonacaらの文献(Arterioscler Thromb Vase Biol. 2011 Jan; 31(1): 203-10)は、退院時のGDF−15を、死亡心筋梗塞再発、及びうっ血性心不全リスク評価マーカーとして使用することができるかどうかを分析している試験を明らかにしている。この試験は、これらのリスクは、スタチンにより変更され得るかどうかを更に分析している。Bonacaによると、GDF−15は、スタチン治療の治療有効性の好適なマーカーではない。WO 09/047283は、ナトリウム利尿ペプチド、心トロポニン、及び炎症マーカー様GDF−15の3種のマーカーの決定を基に、スタチン治療を含む、どの治療又は治療の組合せが、心筋梗塞後の患者のリモデリングプロセスにおいて適用されるべきかを決定する方法を開示している。しかしこの文献は、スタチンによる心不全患者の治療の階層化については関連していない。

US 2011/0065204は、心不全に罹患した患者由来試料中のGDF−15の定量化を基にした、心不全療法に対する患者の感受性確定する方法を開示している。スタチン治療は、心不全の療法としてではなく、実施例に記載された試験に登録された患者の可能性のある治療として言及されている。更に、GDF−15は、スタチン療法に応答する可能性があるかないか患者を確定するために使用することができるマーカーとしては明らかにされなかった。

WO 2009/138451は、心不全に罹患し且つ生理学的状態の変化を経験している見かけ上安定した患者において、スタチン投薬が適用され得ることを決定する方法を開示し、この方法は、患者由来の試料中のペプチドマーカーNT−proANP、NT−proBNP、心トロポニン、及びGDF−15の量を所定の時間間隔で、繰り返し決定することを含む。

Solaらの文献(J Card Fail. 2005 Oct;11 (8):607-12)は、スタチン治療された心不全患者において、IL−6レベルは減少し、このことはスタチンが炎症プロセスに対し陽性作用を発揮することを示すことを開示している。この刊行物は、IL−6を、心不全患者におけるスタチンの治療上の使用の前に階層化に使用することができることは、明らかにしていない。

WO 2007/26214は、薬物又は候補薬物に対する患者応答を予測する方法を開示している。いくつかの薬物の一つとして、スタチンが言及されている。

概要

スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者を確定する方法を提供すること。本発明は、スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者を確定する方法に関する。本方法は、患者由来の試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミンフェリチンオステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のマーカーのレベルを測定することを基にしている。死亡又は入院に悩まされる患者のリスクを予測する方法が、更に想定されており、ここで該患者は、心不全を有し且つスタチン含有療法を受けている。本方法はまた、前述のマーカーの少なくとも1種のレベルの測定を基にしている。なし

目的

その機能は、低分子レチノール結合タンパク質(分子量21kDa未満)に結合し輸送し、それらの糸球体濾過を防止することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者確定する方法であって:(a)患者由来試料中のバイオマーカーGDF−15のレベルを測定すること、及び、(b)GDF−15のレベルを参照レベルと比較することを含む、方法。

請求項2

i)心不全を有する患者は、冠動脈疾患罹患しておらず、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いはii)心不全を有する患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘している、請求項1記載の方法。

請求項3

スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者を確定する方法であって:(a)患者由来の試料中のSHBG(性ホルモン結合グロブリン)、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、及び尿素から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定すること、並びに、(b)少なくとも1種のマーカーのレベルを各参照レベルと比較することを含む、方法。

請求項4

対象が、ACCAH分類に従い病期B、C又はDとして分類された心不全、特にACC/AHA分類に従い病期B又はCとして分類された心不全を有し、並びに/又は対象が、NYHA分類に従い、NYHAクラスII、III又はIVとして分類された心不全、特にNYHAクラスII又はIIIとして分類された心不全を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。

請求項5

前記患者がまた、冠動脈疾患を有し、特にここで少なくとも1種のバイオマーカーが、尿素又はPlGFである、請求項3又は4記載の方法。

請求項6

前記スタチンが、アトルバスタチンセリバスタチン、フルバスタチンロバスタチンメバスタチンピタバスタチンプラバスタチンロスバスタチン及びシムバスタチンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。

請求項7

前記患者が、試料を入手する前に、スタチンにより治療されている、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。

請求項8

前記患者が、試料を入手する前に、スタチンにより治療されていない、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。

請求項9

i)少なくとも1種のバイオマーカーが、SHBGであり、並びにa)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いはb)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、ii)少なくとも1種のバイオマーカーが、PlGFであり、ここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、iii)少なくとも1種のバイオマーカーが、IL−6であり、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、並びに/又はiv)少なくとも1種のバイオマーカーが、尿素であり、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、請求項3〜8のいずれか一項記載の方法。

請求項10

前記試料が、血液、血清又は血漿試料である、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。

請求項11

前記患者が、ヒトである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。

請求項12

スタチン含有療法に対し応答する可能性のある患者を確定するための、心不全を有する患者の試料中の、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、PLGF(胎盤増殖因子)、及びIL−6(インターロイキン−6)から選択された少なくとも1種のバイオマーカー、並びに/又はii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、PLGF(胎盤増殖因子)、及びIL−6(インターロイキン−6)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質:の使用。

請求項13

請求項1〜10のいずれか一項記載の方法を実行するための装置であって:a)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、PLGF(胎盤増殖因子)、及びIL−6(インターロイキン−6)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質を含む、分析装置ユニットであって、心不全を有する患者の試料中のバイオマーカー(複数可)のレベル(複数可)を測定するために適合されている該ユニット;並びにb)決定されたレベル(複数可)を、参照レベル(複数可)と比較し、これにより患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いか又はより低いかを確定するための分析装置ユニットであって、参照レベル(又は複数のレベル)を伴うデータベース及び比較を実行するためのコンピュータ実装される診断アルゴリズムを含む該ユニットであり、特にここで診断アルゴリズムは、請求項2又は9記載のアルゴリズムである該ユニット:を備える装置。

請求項14

GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、PLGF(胎盤増殖因子)、及びIL−6(インターロイキン−6)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベル、特に血液、血清又は血漿レベルを有する患者における心不全治療のために使用するスタチンであって、該レベルが、参照レベルを上回るか又は下回り、特にここで:i)少なくとも1種のバイオマーカーが、GDF−15であり、並びにa)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで該バイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回っているか、又はb)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで該バイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回っているか、ii)少なくとも1種のバイオマーカーが、SHBGであり、並びにa)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで該バイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回っているか、又はb)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで該バイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回っているか、iii)少なくとも1種のバイオマーカーが、PlGFであり、且つここで該バイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回っており、iv)少なくとも1種のバイオマーカーが、IL−6であり、且つここで該バイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回っており、並びに/又はv)少なくとも1種のバイオマーカーが、尿素であり、且つ該バイオマーカーのレベルは、参照を上回っている:場合に、治療のために使用するスタチン。

技術分野

0001

本発明は、スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者確定する方法に関する。本方法は、患者由来試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミンフェリチンオステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のマーカーのレベルを測定することを基にしている。死亡又は入院に悩まされる患者のリスク予測する方法が、更に想定されており、ここで該患者は、心不全を有し且つスタチン含有療法を受けている。本方法はまた、前述のマーカーの少なくとも1種のレベルの測定を基にしている。

背景技術

0002

心不全(HF)は、世界中の多くの国でとりわけ罹患及び致死(mortality)の主要な原因である。イバプラジン及び心臓再同期療法(CRT)は別として、ここ数年間に心不全の新たな療法は存在しない。対照的に、過去十年間のほとんどの候補薬物は、開発の第III相又はそれ以前に失敗している。

0003

同時に、スタチン療法が、冠動脈疾患CAD)の一次的及び二次的予防において土台となる治療となり始めている。CADは、心不全の多くの症例の根底にあるが、慢性心不全(CHF)におけるスタチン療法の使用は、主要なガイドラインにより支持されていない。これは、CHFにおけるスタチンの大規模第III相試験がはっきりしない状態であるためである。具体的には、CORONA治験及びGISSI−HF治験が、CHF患者におけるロスバスタチン10mgの毎日の使用を前向きに調べた(J Am Coll Cardiol 2009; 54: 1850 -9;Lancet 2008; 372: 1231-9)。両治験は、スタチン治療のそれらの主要エンドポイントに対する有益な効果を明らかにすることに失敗した。

0004

CORONA治験及びGISSI−HF治験の結果は、HFガイドラインにおけるスタチン治療の除外に繋がった。しかし、スタチン療法から恩恵を引き出し得るHF患者のサブグループが存在しているようである。心臓保護試験(Heart Protection Study)の事後解析(Lancet. 2002; 360: 7-22)及びCORONA治験は、より高いNTproBNPレベルの患者においてスタチン治療の恩恵が減少することを明らかにした。同様にスタチンは、高ガレクチン−3レベルの患者においても、恩恵が少なかった(Eur Heart J. 2012; 33:2290-6)。しかし、ガレクチン−3及びスタチンの恩恵に関するこの知見は、GISSI−HF試験の解析において実証されていない(Latini R.、個人連絡)。

0005

2011年のBonacaらの文献(Arterioscler Thromb Vase Biol. 2011 Jan; 31(1): 203-10)は、退院時のGDF−15を、死亡、心筋梗塞再発、及びうっ血性心不全リスク評価のマーカーとして使用することができるかどうかを分析している試験を明らかにしている。この試験は、これらのリスクは、スタチンにより変更され得るかどうかを更に分析している。Bonacaによると、GDF−15は、スタチン治療の治療有効性の好適なマーカーではない。WO 09/047283は、ナトリウム利尿ペプチド、心トロポニン、及び炎症マーカー様GDF−15の3種のマーカーの決定を基に、スタチン治療を含む、どの治療又は治療の組合せが、心筋梗塞後の患者のリモデリングプロセスにおいて適用されるべきかを決定する方法を開示している。しかしこの文献は、スタチンによる心不全患者の治療の階層化については関連していない。

0006

US 2011/0065204は、心不全に罹患した患者由来の試料中のGDF−15の定量化を基にした、心不全療法に対する患者の感受性を確定する方法を開示している。スタチン治療は、心不全の療法としてではなく、実施例に記載された試験に登録された患者の可能性のある治療として言及されている。更に、GDF−15は、スタチン療法に応答する可能性があるかないか患者を確定するために使用することができるマーカーとしては明らかにされなかった。

0007

WO 2009/138451は、心不全に罹患し且つ生理学的状態の変化を経験している見かけ上安定した患者において、スタチン投薬が適用され得ることを決定する方法を開示し、この方法は、患者由来の試料中のペプチドマーカーNT−proANP、NT−proBNP、心トロポニン、及びGDF−15の量を所定の時間間隔で、繰り返し決定することを含む。

0008

Solaらの文献(J Card Fail. 2005 Oct;11 (8):607-12)は、スタチン治療された心不全患者において、IL−6レベルは減少し、このことはスタチンが炎症プロセスに対し陽性作用を発揮することを示すことを開示している。この刊行物は、IL−6を、心不全患者におけるスタチンの治療上の使用の前に階層化に使用することができることは、明らかにしていない。

0009

WO 2007/26214は、薬物又は候補薬物に対する患者応答を予測する方法を開示している。いくつかの薬物の一つとして、スタチンが言及されている。

0010

本発明の基礎となる研究の状況において有利なことに、スタチン療法に応答する心不全患者のサブグループを確定するために、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)を使用することができることが示された。特に、血液中バイオマーカーレベルは、心不全患者が、スタチン療法から、恩恵を引き出すか、又は障害を引き出すかを予測することができる。

0011

従って、本発明は、スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者を確定する方法であって:
(a)患者由来の試料中のGDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定すること、並びに
(b)少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを各参照レベルと比較すること:を含む方法に関する。

0012

実施態様において、本方法は、工程(c)患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルが、(各マーカーに応じて)参照レベルを上回るか又は下回る場合に、スタチン含有療法に応答する可能性がより高い又は可能性がより低い患者を確定することを更に含む。好ましい診断アルゴリズムは、本明細書別所に明らかにされる。

0013

更なる実施態様において、本方法は、工程(d)スタチン含有療法を、推奨、開始又は中断することを含む。

0014

実施態様において、少なくとも1種のバイオマーカーのレベルは、各マーカーに特異的に結合する物質と接触させること、これによりこの物質と該マーカーの間の複合体を形成すること、形成された複合体の量を決定すること、及びこれにより該マーカーのレベルを測定することにより、測定される。これは、特に測定されるべきバイオマーカーが、ポリペプチド(GDF−15、SHBG、PLGF、IL−6、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2、及びhsCRP)である場合に適用される。バイオマーカーが尿酸又は尿素である場合、該バイオマーカーのレベルは、試料を、該バイオマーカーを転換することが可能である酵素又は(of)化合物と接触させることにより、好ましくは測定される:

0015

測定されるべきバイオマーカーが尿酸である場合、該バイオマーカーのレベルは、好ましくは試料を、尿酸の酸化を可能にする化合物又は酵素と接触させることにより、測定される。この酵素は好ましくは、尿酸の5−ヒドロキシイソ尿酸への酸化を触媒するウリカーゼ(EC1.7.3.3)である。この化合物は、好ましくは、リンタングステン酸である。

0016

測定されるべきバイオマーカーが尿素である場合、該バイオマーカーのレベルは、好ましくは試料を、尿素の二酸化炭素アンモニアへの加水分解を触媒するウレアーゼ(EC3.5.1.5)と接触させることにより、測定される。加えて、試料は、その後、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(EC1.4.1.2)と接触されてよい。この第二の反応において、2−オキソグルタル酸は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)及びコエンザイムNADHの存在下で、アンモニアと反応し、L−グルタミン酸を生成する。

0017

本発明の方法は、好ましくは、エクソビボ又はインビトロにおける方法である。更に、先に明白に述べた工程に加え、複数の工程を含むことができる。例えば、更なる工程は、試料の前処理又は本方法により得られた結果の評価に関することができる。本方法は、手動で実行されるか、又は自動化により支援されてよい。好ましくは、工程(a)及び/又は(b)は、例えば工程(a)における決定のための好適なロボット式及び感知装置、又は工程(b)における該比較を基にしたコンピュータ実装した比較及び/又は評価によるなど、自動化により、全体が又は一部が支援され得る。

0018

本発明の方法の状況において、患者は、スタチン含有療法、すなわちあるスタチンの投与(又は2種以上のスタチンの投与)を含む療法に応答する可能性として確定されるべきである。好ましくは、スタチンは、経口投与される。

0019

スタチンは、当該技術分野において周知である。スタチン(「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」とも称されることが多い)は、肝臓におけるコレステロールの生成において中心的役割を果たす酵素HMG−CoAレダクターゼ阻害することにより、コレステロールレベルを低下するために使用される薬物クラスである。HMG−CoAレダクターゼを阻害することにより、スタチンは、肝臓におけるコレステロールの合成経路遮断する。ほとんどの循環コレステロールは、食事よりもむしろ体内での生成に起因するので、このことは重大である。

0020

スタチンは、i)発酵由来とii)合成の2つの群に分けられる。本発明の状況において、スタチンは、合成又は発酵由来のいずれかであることができる。好ましいスタチンは、アトルバスタチンセリバスタチン、フルバスタチンロバスタチンメバスタチンピタバスタチンプラバスタチン、ロスバスタチン及びシムバスタチンからなる群から選択される。特に好ましい実施態様において、スタチンは、アトルバスタチン又はプラバスタチンである。

0021

本明細書において使用される語句「患者の確定」は、好ましくは、スタチン含有療法から恩恵の可能性がより高い又は恩恵の可能性がより低い患者を確定又は選択するために、患者の試料中の本明細書において言及した少なくとも1種のマーカーのレベルに関して作成された情報又はデータを使用することを指す。特に、該療法が、好ましくは試験されるべき試料が得られた後18ヶ月間又は3年間のウィンドウピリオド内で、該患者の致死のリスクを低下し及び/又は該患者の入院のリスクを低下する場合、患者はスタチン含有療法に応答する(従って、該療法からの恩恵の可能性がより高い)と考えられる。好ましくは、前述のリスク(複数のリスク)は、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、及び最も好ましくは少なくとも20%だけ低下される。同じく、該療法が、好ましくは試験されるべき試料が得られた後18ヶ月間又は3年間のウィンドウピリオド内で、致死及び/又は入院のリスクを低下しない、特に該患者の致死及び/又は入院のリスクを有意に低下しない場合、患者はスタチン含有療法に応答しない(従って、該療法からの恩恵を受けない可能性がより高い)と考えられる。この場合、医薬品が投与されないならば、不必要なヘルスケアコストを避けることができる。更にスタチン含有療法から生じ得る有害副作用を避けることができる。
用語「致死」及び「入院」は、本明細書別所に規定している。

0022

確定のために使用又は作成された情報又はデータは、任意の形式、書面、口頭又は電子式であることができる。一部の実施態様において、作成された情報又はデータの使用は、連絡、提示報告、保存、送付転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せを含む。一部の実施態様において、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せは、演算装置分析装置ユニット又はそれらの組合せにより実行される。一部の更なる実施態様において、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せは、実験室又は医療専門家により実行される。一部の実施態様において、情報又はデータは、少なくとも1種のマーカーのレベルの参照レベルとの比較を含む。一部の実施態様において、情報又はデータは、患者が、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い又は可能性がより低いことの指標を含む。

0023

用語「可能性がより低い」及び「可能性がより高い」は、当業者により理解される。スタチン含有療法に応答する可能性がより高い患者は、患者集団における平均確率と比べた場合に該療法に応答する上昇した確率、特に有意に上昇した確率を有するのに対し、スタチン含有療法に応答する可能性がより低い患者は、患者集団における平均確率と比べた場合に該療法に応答する低下した確率、特に有意に低下した確率を有する。好ましくは、患者集団は、同じ特徴を示す。特に、集団により構成される患者は、心不全を有することが想定される。更に、これらの患者は、本明細書別所に特定されるような冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい(測定されるバイオマーカーによって決まる)。上昇した確率とは、患者集団の平均確率と比べた場合に、確率が、好ましくは少なくとも10%だけ、より好ましくは少なくとも20%又は30%、最も好ましくは少なくとも40%だけ上昇したことを意味する。低下した確率とは、患者集団の平均確率と比べた場合に、確率が、好ましくは少なくとも10%だけ、より好ましくは少なくとも20%又は30%、最も好ましくは少なくとも40%だけ低下したことを意味する。

0024

当業者に理解されるように、患者がスタチン含有療法に応答する可能性があるかどうかの評価は、評価されるべき患者の100%について正しいことは通常意図されない。しかしこの用語は、評価は、患者の統計学的に有意な部分(例えば、コホート試験におけるあるコホート)について正しいことを必要としている。部分が統計学的に有意であるかどうかは、例えば信頼区間の決定、p−値決定、スチューデントt−検定マンホイットニー検定など、様々な周知の統計学的評価のツールを使用し、当業者による更なる骨折り(ado)なく決定することができる。詳細は、Dowdy及びWeardenの文献、「研究のための統計学(Statistics for Research)」, John Wiley & Sons, New York 1983に見ることができる。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%である。p−値は、好ましくは0.1、0.05、0.01、0.005、又は0.0001である。より好ましくは、集団の患者の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%が、本発明の方法により適切に確定され得る。

0025

用語「患者」及び「対象」は、本明細書において互換的に使用される。本明細書において使用されるこれらの用語は、前述の方法の状況において、動物、好ましくは哺乳動物、及びより好ましくはヒトに関する。本明細書において「患者」又は「対象」は、好ましくは、心不全の徴候、症状、又は他の指標の1又は複数を経験しているか又は経験した治療に適格な任意の単独のヒト対象である。臨床研究の治験に関与している対象、又は疫学的研究に関与している対象、又は対照としてかつて使用された対象は、対象として含まれることが意図される。患者は、過去にスタチン治療を受けていてもいなくてもよい。従って、試験される患者は、試験される試料を入手する前に、スタチンにより治療されてよいか、又は試料を入手する前にスタチンにより治療されなくてよい。

0026

本発明の状況において、患者は、心不全(HF)、特に症候性心不全に罹患していることが想定される。
本明細書において使用される用語「心不全」は、当業者に公知のように心不全の顕性の徴候を伴う損なわれた心臓収縮及び/又は拡張の機能に関連している。好ましくは、本明細書において言及される心不全はまた、慢性心不全である。本発明の心不全は、顕性及び/又は進行性心不全を含む。顕性心不全において、患者は、当業者に公知のような心不全の症状を示す。

0027

HFは、様々な重症度の程度に分類することができる。
NYHAニューヨーク心臓協会)分類に従い、心不全患者は、NYHAクラスI、II、III及びIVに属するように分類される。心不全を有する患者は、既に患者の心膜心筋層冠血管循環又は心臓弁構造的及び機能的変化を経験している。患者は、健康を完全に回復することはできないであろうが、治療的処置を必要としている。NYHAクラスIの患者は、心臓血管疾患の明らかな症状を有さないが、既に機能的障害の他覚的証拠を有する。NYHAクラスIIの患者は、身体活動にわずかな制限を有する。NYHAクラスIIIの患者は、身体活動の顕著な制限を示す。NYHAクラスIVの患者は、愁訴を伴わずにいかなる身体活動の実行もできない。この患者は、安静時に心不全の症状を示す。

0028

この機能分類は、米国心臓病学会及び米国心臓協会(the American College of Cardiology and the American Heart Association)によるより最近の分類により補足されている(ACC/AHA分類、J. Am. Coll. Cardiol. 2001;38;2101-2113、2005年改訂版を参照、J. Am. Coll. Cardiol. 2005;46;e1-e82参照)。4病期A、B、C及びDが規定されている。病期A及びBは、HFではないが、「真の」HFを発症する前の早期の患者の確定を助けると考えられる。病期A及びB患者は、HF発症のリスク因子を有する患者として最も良く規定される。例えば、左心(LV)機能障害肥大、又は幾何学的心腔の歪み(geometric chamber distortion)を未だ明らかにしていない、冠動脈疾患、高血圧、又は糖尿病を伴う患者は、病期Aと考えられるのに対し、無症候性であるが、LV肥大及び/又はLV機能障害を明らかにしている患者は、病期Bと指定される。次に病期Cは、根底の構造的心臓疾患に関連したHFの現在又は過去の症状を伴う患者(HF患者の大半)を意味し、且つ病期Dは、真の難治性HF患者を指定する。

0029

本明細書に使用されるように用語「心不全」は特に、先に言及したACC/AHA分類の病期B、C及びDをいう。これらの病期において、患者は、心不全の典型的症状を示し、並びに/又は心臓の構造的及び/若しくは機能的異常を示す。従って、心不全に罹患している患者は、ACC/AHA分類に従い病期B、C又はDに分類された心不全に罹患している。同じく好ましくは、患者は、NYHAクラスII;III又はIVに分類された心不全に罹患している。好ましい実施態様において、用語「心不全」は、先に言及したACC/AHA分類の病期B及びC、又はNYHAクラスII又はクラスIIIに分類された心不全をいう。従って好ましくは、患者は、ACC/AHA分類に従い病期B又はCに分類された心不全に罹患している。同じく好ましくは、患者は、NYHAクラスII又はIIIに分類された心不全に罹患している。

0030

心不全に加え、患者は、測定されるべきバイオマーカーに応じて、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい:
バイオマーカーがトランスフェリン又はフェリチンである場合、患者は好ましくは、心不全及び冠動脈疾患に罹患している。
バイオマーカーがオステオポンチン又はsST2である場合、患者は、心不全に罹患しているが、好ましくは冠動脈疾患に罹患していない。

0031

バイオマーカーがGDF−15、尿素、尿酸、心トロポニン、SHBG、プレアルブミン、PlGF、sFlt−1、IL−6、又はhsCRPである場合、患者は、冠動脈が罹患していてもしなくてもよい。しかし、バイオマーカーが尿素、尿酸、sFlt−1、PlGF又はIL−6の場合、患者はCADにも罹患していることが好ましい。

0032

CADと省略される用語「冠動脈疾患」は、冠動脈性心臓病(CHD)又はアテローム硬化心疾患と称されることも多く、これは当業者に公知である。好ましくはこの用語は、血液及び酸素を心臓へ供給している血管が狭くなる状態をいう。冠動脈疾患は通常、脂肪質及びプラークと称される物質が動脈壁上に蓄積される場合に生じる、アテローム性動脈硬化症と称される状態により引き起こされる。これは、血管腔狭窄を引き起こす。特にCADは、心筋層(心臓の筋肉)へ供給する動脈壁内の粥状プラークの蓄積の結果である。好ましくは、安定したCADの患者は、少なくとも1本の主冠動脈中に、少なくとも50%狭窄(従って少なくとも50%閉塞)を有する。冠動脈の閉塞の程度をどのように評価するかは、当該技術分野において周知であり、好ましくはこの程度は、冠動脈造影法により評価される。冠動脈疾患の症状及び徴候は、疾患の進行した状態において注目されるが、冠動脈疾患を伴う個人の多くは、急性事象の症状の初回発症以前に本疾患が進行するので、数十年間疾患の証拠を示さず、「突然の」心発作が最終的に生じることが多い。

0033

患者が冠動脈疾患も有する場合、患者は安定した冠動脈疾患を有することが、特に意図される。この文脈において用語「安定した」とは、患者が、特に試験される試料が入手される時点で、ACS(急性冠症候群)に罹患していないことを意味する。用語「ACS」は、当該技術分野において周知であり、且つSTEMI(ST−上昇心筋梗塞);NSTEMI(非ST−上昇心筋梗塞)及び不安定な狭心症を含む。試験される患者は、最近のACS既応を有さず、従って最近ACSに罹患していないことが、更に想定される。特に、患者は、本発明の方法の実行前1ヶ月以内(より正確には試料を入手する前1ヶ月以内)には、ACSに罹患していないものとする。

0034

好ましくは、本発明の状況において患者は、腎機能は損なわれていない。好ましくは、患者は、腎不全に罹患していないものとし、特に患者は、急性、慢性及び/又は末期腎不全に罹患していないものとする。更に患者は、好ましくは腎性高血圧に罹患していないものとする。患者が損なわれた腎機能を示すかどうかをどのように評価するかは、当該技術分野において周知である。腎障害は、公知の手段により診断し適切に判断することができる。特に、腎機能は、糸球体ろ過率(GFR)により評価することができる。例えば、GFRは、コッククロフトゴールト式又はMDRD式により計算することができる(Levey, 1999, Annals of Internal Medicine, 461-470)。GFRは、単位時間に、腎糸球体尿細管からボウマン嚢濾過された液体体積である。臨床において、これは腎機能を決定するために使用されることが多い。MDRD式のコッククロフト・ゴールト式などの式から誘導された全ての計算は、血漿へのイヌリン注入による「真の」GFRではなく、推定値をもたらす。イヌリンは糸球体濾過後腎臓により再吸収されないので、その排出速度は、糸球体フィルターを超える水と溶質の濾過の速度に正比例する。しかし臨床の実践において、クレアチニンクリアランスが、GFRの測定に使用される。クレアチニンは、体内で合成される内因性分子であり、これは糸球体により自在に濾過される(しかし同じく尿細管からもごく少量分泌される)。従ってクレアチニンクリアランス(CrCl)は、GFRの密接な近似値である。GFRは、典型的には、1分当たりのミリリットル数(mL/分)で記録される。男性のGFR正常範囲は、97〜137mL/分であり、女性のGFR正常範囲は、88〜128ml/分である。従って、損なわれた腎機能を示さない患者のGFRは、この範囲内であることが特に意図される。更に、該対象は好ましくは、血液クレアチニンレベル(特に血清クレアチニンレベル)0.9mg/dl未満、より好ましくは1.1mg/dl未満、最も好ましくは1.3mg/dl未満を有する。

0035

用語「試料」は、体液の試料、分離された細胞の試料、又は組織若しくは臓器の試料を指す。体液試料は、周知の技術により得ることができ、且つ血液、血漿、血清、尿、リンパ液喀痰腹水気管支洗浄液、又はいずれか他の体の分泌物の試料又はそれらの派生物を含む。組織又は臓器試料は、例えば生検により組織又は臓器から得ることができる。分離された細胞は、遠心分離又は細胞選別などの分離技術により、体液又は組織又は臓器から得ることができる。例えば、細胞−、組織−又は臓器試料は、バイオマーカーを発現又は生成しているそれらの細胞、組織又は臓器から得ることができる。試料は、凍結された、新鮮な、又は固定された(例えばホルマリン固定された)、遠心分離された、及び/又は包埋された(例えばパラフィン包埋された)等であることができる。細胞試料は当然、試料中のマーカーの量を評価する前に、様々な周知の収集後調製及び貯蔵技術(例えば、核酸及び/又はタンパク質の抽出、固定、貯蔵、凍結、限外濾過濃縮蒸発、遠心分離など)に供されることができる。同様に生検標本も、収集後調製及び貯蔵技術、例えば固定に供されることができる。

0036

本発明の好ましい実施態様において、試料は、血液、血液血清又は血液血漿の試料である。血漿試料中のバイオマーカーのレベルを測定することが、特に意図される。

0037

本発明の状況において、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベルは、患者由来の試料中で測定される。従って、単独のバイオマーカーのレベルか、又はバイオマーカーの組合せのレベルを測定することができる。

0038

好ましい実施態様において、GDF−15、尿素、SHBG、PLGF、又はIL−6からなる群から選択される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルが、測定される。

図面の簡単な説明

0039

図面は以下を示す:
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。
図1は、CAD、スタチン療法(0=スタチンなし、n=211、1=スタチン療法あり、n=288)、及びベースライン時バイオマーカー中央値レベル(0=中央値を下回る、1=中央値を上回る;場合により、1=中央値を下回る、2=中央値を上回る)により分割した、初回HF入院又は死亡までの時間に関するカプラン・マイヤー曲線である;CAD=0:w/o冠動脈疾患の患者、CAD=1冠動脈疾患を伴う患者。

0040

以下において、本発明の状況において使用されるバイオマーカーの規定が提供される。
用語「増殖分化因子−15」又は「GDF−15」は、トランスフォーミング増殖因子(TGF)サイトカインスーパーファミリー一員であるポリペプチドに関する。用語ポリペプチド、ペプチド及びタンパク質は、本明細書を通じて互換的に使用される。GDF−15は、当初マクロファージ阻害性サイトカイン1としてクローニングされ、後に胎盤トランスフォーミング増殖因子−15、胎盤骨形態形成タンパク質非ステロイド系抗炎症薬活性化遺伝子1、及び前立腺−由来因子としても同定された(Bootcov、上記引用文中;Hromas, 1997 Biochim Biophys Acta 1354:40-44;Lawton 1997, Gene 203:17-26;Yokoyama-Kobayashi 1997, J Biochem (東京), 122:622-626;Paralkar 1998, J Biol Chem 273:13760-13767)。他のTGF−関連したサイトカインと同様、GDF−15は、不活性前駆体タンパク質として合成され、これはジスルフィド連結されるホモ二量体化を受ける。N末端プロ−ペプチドのタンパク質分解性切断時に、GDF−15は、〜28kDaの二量体タンパク質として分泌される(Bauskin 2000, Embo J 19:2212-2220)。GDF−15のアミノ酸配列は、WO99/06445、WO00/70051、WO2005/113585、Bottner, 1999, Gene 237: 105-111, Bootcov、上記引用文中、Tan、上記引用文中、Baek 2001, Mol Pharmacol 59: 901-908, Hromas、上記引用文中、Paralkar、上記引用文中、Morrish 1996, Placenta 17:431-441又はYokoyama-Kobayashi、上記引用文中に明らかにされている。本明細書において使用されるようにGDF−15は、前述の特異的GDF−15ポリペプチドの変種包含している。かかる変種は、特異的GDF−15ポリペプチドと少なくとも同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を有する。特に、それらが本明細書に言及された同じ特異的アッセイ、例えば該GDF−15ポリペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイにより検出可能である場合に、これらは、同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を共有する。好ましいアッセイは、添付された「実施例」に説明されている。更に、本発明で言及される変種は、少なくとも1個のアミノ酸置換欠失及び/又は付加のために異なるアミノ酸配列を有すべきであり、ここで該変種のアミノ酸配列は、依然、特異的GDF−15ポリペプチドのアミノ配列と、好ましくはヒトGDF−15のアミノ酸配列と、より好ましくは特異的GDF−15の全長、例えばヒトGDF−15の全長にわたり、好ましくは少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%同一であることが理解される。2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は、先に記載されたように決定することができる。先に言及された変種は、対立遺伝子変種、又はいずれか他の種の特異的ホモログパラログ、若しくはオルソログであることができる。更に、本明細書に言及された変種は、これらの断片が、前述のような本質的免疫学的特性及び生物学的特性を有する限りは、特異的GDF−15ポリペプチド又は前述の変種型の断片を含む。かかる断片は、例えばGDF−15ポリペプチドの分解産物であることができる。更に、リン酸化又はミリスチル化などの翻訳後修飾のために、異なる変種が含まれる。

0041

用語「心トロポニン」も、前述の特異的トロポニンの、すなわち、好ましくはトロポニンIの、より好ましくはトロポニンTの変種を包含している。かかる変種は、特異的心トロポニンと少なくとも同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を有する。特に、それらが本明細書に言及された同じ特異的アッセイ、例えば該心トロポニンを特異的に認識するポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイにより検出可能である場合に、これらは、同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を共有する。更に、本発明で言及される変種は、少なくとも1個のアミノ酸置換、欠失及び/又は付加のために異なるアミノ酸配列を有すべきであり、ここで該変種のアミノ酸配列は、依然、特異的トロポニンのアミノ配列と、好ましくは少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%同一であることが理解される。変種は、対立遺伝子変種、又はいずれか他の種の特異的ホモログ、パラログ、若しくはオルソログであることができる。更に、本明細書に言及された変種は、これらの断片が、前述のような本質的免疫学的特性及び生物学的特性を有する限りは、特異的心トロポニン又は前述の変種の型の断片を含む。好ましくは、心トロポニン変種は、ヒトトロポニンT又はトロポニンIの免疫学的特性と同等の免疫学的特性(すなわちエピトープ組成)を有する。従って、これらの変種は、心トロポニンの濃度の決定に使用される前述の手段又はリガンドにより認識可能であることとする。従って、これらの変種は、心トロポニンの濃度の決定に使用される前述の手段又はリガンドにより認識可能であることとする。かかる断片は、例えばトロポニンの分解産物であることができる。更に、リン酸化又はミリスチル化などの翻訳後修飾のために、異なる変種が含まれる。好ましくはトロポニンI及びその変種の生物学的特性は、アクトミオシンATPaseを阻害するか又はインビボ及びインビトロにおける血管新生を阻害する能力であり、これは、例えばMosesら、1999 PNAS USA 96 (6): 2645-2650に記載されたアッセイを基に検出することができる。好ましくはトロポニンT及びその変種の生物学的特性は、トロポニンC及びIと複合体を形成する能力、カルシウムイオンに結合する能力、又は好ましくはトロポニンC、I及びTの複合体として、若しくはトロポニンC、トロポニンI及びトロポニンTの変種により形成された複合体として存在する場合、トロポミオシンに結合する能力である。低濃度の循環心トロポニンは、様々な条件で、対象において検出することができることは、公知であるが、それらの各役割及び速度を理解するために、更なる研究が必要である(Massonら、Curr Heart Fail Rep (2010) 7:15-21)。

0042

オステオポンチン(OPN)はまた、骨シアロタンパク質I(BSP−1又はBNSP)、初期T−リンパ球活性化(ETA−1)、分泌型ホスホタンパク質1(SPP1)、2ar及びリケッチア抵抗性(Ric)としても公知であり、高度に負帯電されたポリペプチドであり、広域の(extensive)二次構造を欠いている細胞外マトリクスタンパク質である。これは、約300個のアミノ酸マウスにおいて297個;ヒトにおいて314個)で構成され、且つ33−kDa発生期タンパク質として発現され;同じく機能上重要な切断部位が存在する。OPNは、その見かけの分子量を約44kDa増加する、翻訳後修飾を介して、進行することができる。オステオポンチンの配列は、当該技術分野において周知である(ヒトオステオポンチン:UniProt P10451、GenBankNP_000573.1)。オステオポンチンは、正常な血漿、尿、乳汁及び胆汁において認められる(US 6,414,219;US 5,695,761;Denhardt, D.T.及びGuo, X.,FASEB J. 7 (1993) 1475-1482;Oldberg, A.ら, PNAS 83 (1986) 8819-8823;Oldberg, A.ら, J. Biol. Chem. 263 (1988) 19433-19436;Giachelli, CM.ら, TrendsCardiovasc. Med. 5 (1995) 88-95)。ヒトOPNタンパク質及びcDNAは、単離され且つ配列決定されている(Kiefer M. Cら, Nucl. Acids Res. 17 (1989) 3306)。OPNは、細胞接着走化性、マクロファージ−指向性インターロイキン−10において機能する。OPNは、数多くのインテグリン受容体相互作用することがわかっている。増加したOPN発現は、数多くのヒト癌において報告されており、そのコグネート受容体(av−b3、av−b5、及びav−blインテグリン及びCD44)が同定されている。Irby, R.B.らによるインビトロ研究(Clin. Exp. Metastasis 21 (2004) 515-523)は、内因性OPN発現(安定したトランスフェクションによる)、並びに外因性OPN(培養培地への添加)の両方は、インビトロにおけるヒト結腸癌細胞運動能及び浸潤能を増強したことを指摘している。

0043

本明細書において使用される用語「可溶性Flt−1」又は「sFlt−1」は、VEGF受容体Flt1の可溶性型であるポリペプチドを指す。これは、ヒト臍静脈内皮細胞馴化培地において同定された。内因性可溶性Flt1(sFlt1)受容体は、組み換えヒトsFlt1にクロマトグラフィーにより及び免疫学的に類似しており、且つ同等の高親和性で[125I]VEGFへ結合する。ヒトsFlt1は、インビトロにおいてKDR/Flk−1の細胞外ドメインと、VEGF−安定化複合体を形成することが示されている。好ましくは、sFlt1は、ヒトsFlt1を指す。より好ましくは、ヒトsFlt1は、Genbank寄託番号P17948,GI: 125361において示されたFlt−1のアミノ酸配列から推定することができる。マウスsFlt1のアミノ酸配列は、Genbank寄託番号BAA24499.1, GI: 2809071に示されている。

0044

本明細書において使用される用語「sFlt−1」はまた、前述の特異的sFlt−1ポリペプチドの変種を包含している。かかる変種は、特異的sFlt−1ポリペプチドと少なくとも同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を有する。特に、それらが本明細書に言及された同じ特異的アッセイ、例えば該sFlt−1ポリペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイにより検出可能である場合に、これらは、同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を共有する。用語「変種」のより詳細な説明については、前記を参照されたい。

0045

本明細書において使用される用語「PlGF」(胎盤増殖因子)は、149−アミノ酸長のポリペプチドであり、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)の血小板−由来増殖因子−様領域と高度に相同である(53%同一性)、胎盤由来の増殖因子を指す。VEGF同様、PlGFは、インビトロ及びインビボにおいて、血管新生活性を有する。例えば、トランスフェクションされたCOS−1細胞由来のPlGFの生化学的特徴及び機能的特徴は、これがインビトロにおいて内皮細胞の成長刺激することができるグリコシル化された二量体分泌タンパク質であることを明らかにした(Maqlione 1993, Oncogene 8(4):925-31)。好ましくは、PlGFは、ヒトPlGFを、より好ましくはGenbank寄託番号P49763,GI: 17380553で示された、アミノ酸配列を有するヒトPlGFを指す。

0046

ST2は、「インターロイキン1受容体−様1」と称されることが多く、これは機械的ストレス条件下で、心線維芽細胞及び心筋細胞により生成されるIL−1受容体ファミリーの一員である。ST2は、インターロイキン−1受容体ファミリーの一員であり、且つ膜−結合型アイソフォーム及び可溶性アイソフォーム(sST2)の両方で存在する。本発明の状況において、可溶性ST2の量が決定されるべきである(Dieplingerら, Clinical Biochemistry, 43, 2010: 1169-1170を参照)。ST2はまた、インターロイキン1受容体−様1又はIL1RL1としても公知であり、これはIL1RL1遺伝子によりヒトにおいてコードされている。ヒトST2ポリペプチドの配列は、当該技術分野において周知であり、且つ例えばGenBankを介して入手可能であり、NP_003847.2GI:27894328を参照のこと。可溶性ST2(sST2)は、IL−33と結合し、且つST2の細胞膜−結合型を介して他方でIL−33シグナル伝達の心臓保護効果を無効にすることにより、デコイ受容体として機能すると考えられる。

0047

インターロイキン−6(IL−6と略される)は、感染時及び外傷後、特に熱傷若しくは炎症へ繋がる他の組織損傷の後に、免疫応答を刺激するために、T細胞及びマクロファージにより分泌されるインターロイキンである。これは、プロ−炎症性サイトカイン及び抗炎症性サイトカインの両方として作用する。ヒトにおいて、これはIL6遺伝子によりコードされている。ヒトIL−6の配列は、GenBankにより入手される(ポリヌクレオチド配列についてNM_000600.3、及びアミノ酸配列についてNP_000591.1参照)。IL−6は、リガンド−結合IL−6Rα鎖(CD126)、及びシグナル伝達成分gp130(CD130とも称される)からなる細胞−表面I型サイトカイン受容体複合体を介して、情報伝達する。CD130は、白血病抑制因子(LIF)、毛様体神経栄養因子オンコスタチンM、IL−11及びカルジオトロフィン−1を含む、いくつかのサイトカインについて共通のシグナル伝達物質であり、且つほとんどの組織においてほぼ遍在性に発現される。対照的に、CD126の発現は、ある種の組織に制限される。IL−6はその受容体と相互作用するので、これはgp130及びIL−6Rタンパク質に、複合体の形成を誘発し、結果的にこの受容体を活性化させる。これらの複合体は、一緒に、gp130の細胞内領域をもたらし、ある種の転写因子、Janusキナーゼ(JAKs)及びシグナル伝達性転写活性化因子(STAT)を介して、シグナル伝達カスケードを開始する。

0048

CRPは、本明細書においてC−反応性タンパク質とも称され、これは、肺炎球菌のC−ポリサッカライドへ結合する血液タンパク質であることが75年以上前発見された急性期タンパク質である。CRPは、反応性炎症マーカーとしても知られており、原発性病巣部位から発生するケモカイン又はインターロイキンに応答又は反応して、遠位臓器(すなわち肝臓)により生成される。CRPは、5つの単独サブユニットからなり、これらは、非共有的に結合し、分子量およそ110〜140kDaの環状五量体として集成される。好ましくは、本明細書において使用されるCRPは、ヒトCRPに関する。ヒトCRPの配列は、周知であり、且つ例えばWooらにより明らかにされている(J. Biol. Chem. 1985. 260 (24), 13384-13388)。CRPのレベルは、通常、正常個体においては低いが、炎症、感染症又は損傷により、100倍から200倍上昇し得る(Yeh (2004)Circulation. 2004; 109:II-11-II-14)。CRPは、心臓血管系リスクの予測のための独立因子であることもわかっている。特に、CRPは、心筋梗塞、心臓発作末梢動脈疾患及び突然心臓死予測因子として適していることが示されている。更に上昇したCRP量はまた、急性冠動脈症候群(ACS)の患者及び冠血管の介入を受けている患者において、再発性虚血及び死亡を予測することができる。CRPの決定は、冠動脈性心臓病のリスクのある患者において、専門家パネル(例えば、米国心臓協会)により推奨される(同じく、Pearsonら (2003) 「炎症及び心臓血管疾患のマーカー(Markers of Inflammation and Cardiovascular Disease)」, Circulation, 107: 499-511参照)。用語CRPはまた、それらの変種にも関する。

0049

好ましくは、患者の試料中のCRP量は、高感度でCRPアッセイを用いることにより決定される。かかるアッセイにより決定されるCRPは、高感度CRP(hsCRP)と称されることも多い。hsCRPアッセイは、例えば、心臓疾患のリスクを予測するために使用される。好適なhsCRPアッセイは、当該技術分野において公知である。本発明の状況において特に好ましいhsCRPアッセイは、Roche/Hitachi CRP(Latex)HS試験であり、その検出限界は0.1mg/lである。

0050

フェリチンは、鉄貯蔵タンパク質である。フェリチンは、鉄含量に応じて決まる、分子量少なくとも440kDaを持つ高分子であり、且つ24のサブユニットのタンパク質シェルアポフェリチン)と平均およそ2500個のFe3+イオンを含む鉄コア(肝臓及び脾臓フェリチンにおいて)からなる。脊椎動物において、これらのサブユニットは、各々、見かけの分子量19kDA又は21kDAである、軽(L)型及び重(H)型の両方である。フェリチンは、オリゴマーを形成する傾向がある。少なくとも20個のイソフェリチンが、等電点電気泳動法により識別され得る。この微小不均一性は、酸性Hサブユニット及び弱塩基性Lサブユニットの含量の差によるものである。塩基性イソフェリチンは、長期間の鉄保存機能に寄与し、且つ肝臓、脾臓及び骨髄において主に認められる。

0051

プレアルブミンは、肝細胞において合成され、且つ分子量55kDaを有する、トリプトファンリッチタンパク質である。pH8.6において、電気泳動バンドは、陽極へのそのより大きい拡散率のために、相対量<2.5%で、アルブミンより先に出現する。その機能は、低分子量レチノール結合タンパク質(分子量21kDa未満)に結合し輸送し、それらの糸球体濾過を防止することである。循環プレアルブミンの30〜50%は、レチノール−結合タンパク質により複合されている。更に、これはチロキシン(T4)に結合し且つ輸送する。プレアルブミンは、トランスチレチンと称されることも多い。

0052

性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は、テストステロン及びエストラジオールのための血液輸送タンパク質である。これは、分子量約95kDの大型糖タンパク質であり、2個の同一サブユニットで構成されるホモ二量体として存在する。各サブユニットは、2個のジスルフィド橋を含む。SHBGはほとんど、肝臓により生成され、且つ血流へ放出される。SHBGを産生する他の部位としては、脳、子宮睾丸、及び胎盤が挙げられる。SHBGの配列は、当該技術分野において周知であり、例えばGenBank寄託番号NP_001031.2GI:7382460を参照されたい。

0053

トランスフェリンは、分子量約80kDaの糖タンパク質である。これは、2個のN−グリコシド結合されたオリゴ糖鎖を持つポリペプチド鎖を含み、多くのアイソフォームで存在する。肝臓における合成速度は、体の鉄の必要性及び鉄の蓄えに従い変動し得る。トランスフェリンは、血清中鉄輸送タンパク質である。鉄欠損症の症例において、トランスフェリン飽和度は、機能性鉄枯渇の極めて感度の良いインジケーターであるように見える。放射状免疫拡散法ネフェロメトリー及び比濁法を含む、様々な方法が、トランスフェリン決定のために利用可能である。
本発明の方法の状況において、ヒトペプチド又はポリペプチドの量を決定することが、特に想定されている。

0054

尿酸は、対象生物におけるプリン代謝最終産物である。IUPAC名称は、7,9−ジヒドロ−3H−プリン−2,6,8−トリオンである。この化合物は、尿酸塩、リチック酸(Lithic acid)、2,6,8−トリオキシプリン、2,6,8−トリヒドロキシプリン、2,6,8−トリオキソプリン、1H−プリン−2,6,8−トリオールと称されることも多い(化学式C5H4N4O3、PubChemCID 1175、CAS番号69-93-2)。

0055

尿酸測定は、腎不全、痛風白血病乾癬飢餓又は他の消耗性病態を含む多くの腎障害及び代謝障害の、並びに細胞毒性薬を受け取っている患者の、診断及び治療に使用される。尿酸の酸化は、このプリン代謝産物の量的決定への2つのアプローチの基礎を提供する。一つのアプローチは、アルカリ溶液中のリンタングステン酸のタングステンブルーへの還元であり、これは分光学的に測定される。第二のアプローチは、Praetorius及びPoulsonにより説明されており、これは、尿酸を酸化するために酵素ウリカーゼを利用し;この方法は、化学的酸化に固有干渉を排除する(Praetorius E, Poulsen H.、「尿酸の酵素測定と詳細な指示(Enzymatic Determination of Uric Acid with Detailed Directions)」、Scandinav J Clin Lab Investigation 1953;3:273-280)。ウリカーゼは、尿酸の消費のUV測定に関与する方法において、又は比色アッセイを提供する他の酵素と組合せて、利用することができる。別の方法は、Townらにより開発された比色法である(TownMH, Gehm S, Hammer B, Ziegenhorn J., J Clin Chem Clin Biochem 1985;23:591)。試料は最初に、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬混合物及び透明化ステム(clearing system)とインキュベーションされる。この試験システムにおいて、試料中に存在するあらゆるアスコルビン酸が、予備反応において除外されることは重要であり;このことは、後続のPOD指示薬反応とのアスコルビン酸の干渉を排除する。開始剤の添加時に、ウリカーゼによる尿酸の酸化が始まる。

0056

本発明の状況において、尿酸は、好適とみなされる任意の方法により決定されてよい。好ましくは、このバイオマーカーは、前述の方法により決定される。より好ましくは、尿酸は、前述の比色法をわずかに改変して決定される。この反応において、過酸化物は、ペルオキシダーゼ(POD)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、及び4−アミノフェナゾンの存在下で反応し、キノンジイミン色素を形成する。形成された赤色の強度は、尿酸濃度に比例し、分光学的に決定される。

0057

尿素は、タンパク質窒素代謝の主要最終生成物である。これは、化学式CO(NH2)2を有し、肝臓においてアミノ酸脱アミノ化により生成されるアンモニアから尿素回路により合成される。尿素は、腎臓によりほとんど排泄されるが、また少量は汗中で排泄され、且つ細菌作用により腸内で分解される。血液尿素窒素の決定は、腎機能の最も広範に使用されるスクリーニング試験である。

0058

本明細書に使用される用語バイオマーカーレベルを「測定する」とは、本明細書の別所記載の好適な決定方法を利用し、バイオマーカーの定量、例えば試料中のバイオマーカーのレベルを決定することを指す。用語「測定する」、「検出する」及び「決定する」は、本明細書において互換的に使用される。

0059

本明細書において言及されるバイオマーカーは、一般に当該技術分野において公知の方法を使用し、決定することができる。検出方法は一般に、試料中のバイオマーカーのレベルを定量する方法(定量法)を包含している。下記のどの方法が、バイオマーカーの定性的及び/又は定量的検出に適しているかは、一般に当業者に公知である。試料は、好都合なことに、市販されている、ウェスタン及びELISAのような免疫学的検定RIA蛍光ベースの免疫学的検定を使用し、例えばタンパク質についてアッセイすることができる。バイオマーカーを検出するための更に好適な方法は、その正確な分子質量又はNMRスペクトルなどの、ペプチド又はポリペプチドに特異的な物理的又は化学的特性の測定を含む。該方法は、例えば、バイオセンサー、免疫学的検定と組合せた光学装置バイオチップ質量分析装置、NMR分析装置、又はクロマトグラフィー装置などの分析装置を含む。更に方法は、マイクロプレートELISA−ベースの方法、完全自動化された又はロボット式免疫学的検定(例えば、Elecsys(商標)分析装置で利用可能)、CBA(例えば、Roche-Hitachi(商標)分析装置で利用可能な、酵素的コバルト結合アッセイ)、及びラテックス凝集アッセイ(例えば、Roche-Hitachi(商標)分析装置で利用可能)を含む。

0060

本明細書で言及されたバイオマーカータンパク質の検出に関して、かかるアッセイフォーマットを使用する、広範な免疫学的検定技術が、利用可能であり、例えば米国特許第4,016,043号、第4,424,279号、及び第4,018,653号を参照されたい。これらは、従来の競合的結合アッセイに加え、シングルサイト及びツーサイトアッセイ又は「サンドイッチ」アッセイの両方を含む。これらのアッセイはまた、標識抗体の標的バイオマーカーへの直接結合を含む。
サンドイッチアッセイは、中でも最も有用で一般に使用されている免疫学的検定である。

0061

電気化学発光現象を測定する方法は、周知である。かかる方法は、酸化により、励起状態を達成し、これは基底状態まで崩壊し、電気化学発光を放出する、特別な金属複合体の能力を使用する。総説については、Richter, M.M., Chem. Rev. 104 (2004) 3003-3036を参照されたい。

0062

バイオマーカーはまた、磁気共鳴分光法(NMR分光法)、ガスクロマトグラフィー質量分析GC−MS)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)、高速及び超高速HPLC逆相HPLCなどのHPLC、例えば、二重UV−波長検出を備えるイオン−対形成HPLC、レーザー誘導蛍光検出を備えるキャピラリー電気泳動陰イオン交換クロマトグラフィー及び蛍光検出薄層クロマトグラフィーを含む、一般に公知の方法により検出することができる。

0063

好ましくは、ペプチド又はポリペプチドのレベルの測定は、(a)その強度がペプチド又はポリペプチドのレベルの指標である細胞応答誘起することが可能な細胞を、該ペプチド又はポリペプチドと、好適な期間接触させる工程、(b)この細胞応答を測定する工程を含む。細胞応答の測定のために、試料又は処理された試料は、細胞培養物に添加されることが好ましく、内部又は外部細胞応答が測定される。細胞応答は、レポーター遺伝子測定可能な発現、又は例えばペプチド、ポリペプチド、若しくは小分子などの物質の分泌を含むことができる。この発現又は物質は、ペプチド又はポリペプチドのレベルと相関する強いシグナルを発生させるものとする。

0064

また好ましくは、ペプチド又はポリペプチドのレベルの測定は、試料中のペプチド又はポリペプチドから得ることが可能な特異的強度のシグナルを測定する工程を含む。先に記載したように、かかるシグナルは、ペプチド又はポリペプチドに特異的な質量スペクトル又はNMRスペクトルにおいて観察された、ペプチド又はポリペプチドに特異的な可変性のm/zで観察されたシグナル強度であることができる。

0065

ペプチド又はポリペプチドのレベルの測定は、好ましくは、(a)ペプチドを特異的結合物質と接触させる工程、(b)(任意に)結合していない結合物質を除去する工程、(c)結合した結合物質、すなわち工程(a)において形成された結合物質の複合体のレベルを測定する工程:を含むことができる。好ましい実施態様に従い、該接触、除去及び測定の工程は、本明細書に明らかにされたシステムの分析装置ユニットにより行うことができる。一部の実施態様に従い、該工程は、該システムの単独の分析装置ユニットにより、又は互いに操作可能な連絡にある2個以上の分析装置ユニットにより、実行することができる。例えば、特定の実施態様に従い、本明細書に明らかにされた該システムは、該接触及び除去工程を実行するための第一の分析装置ユニット、並びに運搬ユニット(例えば、ロボットアーム)により該第一分析装置ユニットに操作できるよう連結された、該測定工程を実行する、第二の分析装置ユニットを含むことができる。

0066

結合された結合物質、すなわち結合物質又は結合物質/ペプチド複合体は、強いシグナルを生じるであろう。本発明の結合は、共有結合及び非共有結合の両方を含む。本発明の結合物質は、本明細書記載のペプチド又はポリペプチドに結合する、任意の化合物、例えばペプチド、ポリペプチド、核酸、又は小分子であることができる。好ましい結合物質は、抗体、核酸、受容体などのペプチド若しくはポリペプチド、又はペプチドの結合ドメインを含むペプチド若しくはポリペプチドの結合パートナー及びそれらの断片、並びに核酸アプタマー若しくはペプチドアプタマーなどのアプタマーを含む。かかる結合物質を調製する方法は、当該技術分野において周知である。例えば、好適な抗体又はアプタマーの同定及び生成はまた、商業的供給業者によっても提供される。当業者は、より高い親和性又は特異性を持つかかる結合物質の誘導体を開発する方法を熟知している。例えば、ランダム変異を、核酸、ペプチド又はポリペプチドに導入することができる。その後これらの誘導体は、当該技術分野において公知のスクリーニング手順、例えばファージディスプレイに従い、結合について試験することができる。本明細書において言及される抗体は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方、並びに抗原又はハプテンに結合することが可能であるそれらの断片、例えば、Fv、Fab及びF(ab)2断片を含む。本発明はまた、単鎖抗体、及び所望の抗原−特異性を示す非−ヒトドナー抗体のアミノ酸配列がヒトアクセプター抗体の配列と組み合わされているヒト化ハイブリッド抗体を含む。このドナー配列は通常、少なくともドナーの抗原−結合するアミノ酸残基を含むが、更にドナー抗体の他の構造的及び/又は機能的に関係するアミノ酸残基を含むことができる。かかるハイブリッドは、当該技術分野において周知のいくつかの方法により調製することができる。好ましくは、結合物質又は物質は、ペプチド又はポリペプチドへ特異的に結合する。本発明の特異的結合は、リガンド又は物質が、分析されるべき試料中に存在する別のペプチド、ポリペプチド又は物質と実質的に結合(「交差反応」)しないことを意味する。好ましくは、特異的に結合したペプチド又はポリペプチドは、任意の他の関連ペプチド又はポリペプチドよりも、少なくとも3倍より高い、より好ましくは少なくとも10倍より高い、更により好ましくは少なくとも50倍より高い親和性で、結合されなければならない。非特異的結合は、例えばウェスタンブロットにおいてそのサイズに従い、又は試料中のその比較的高い存在量により、それが依然明白に識別及び測定することができる場合に、許容できる。結合物質の結合は、当該技術分野において公知の任意の方法により測定することができる。好ましくは、該方法は、半−定量的又は定量的である。ポリペプチド又はペプチドを決定するための更に好適な技術は、以下に説明される。

0067

結合物質の結合は、例えばNMR又は表面プラズモン共鳴により直接測定することができる。好ましい実施態様に従い、結合物質の結合の測定は、本明細書に明らかにされたシステムの分析装置ユニットにより行われる。その後、測定された結合のレベルは、本明細書に明らかにされたシステムの演算装置により、計算することができる。結合物質がまた、関心対象のペプチド又はポリペプチドの酵素活性基質として働く場合、酵素反応生成物を測定することができる(例えば、プロテアーゼのレベルは、例えばウェスタンブロット上で切断された基質のレベルを測定することにより、測定することができる)。或いは、結合物質は、酵素特性それ自身を示すことができるか、及び「結合物質/ペプチド又はポリペプチド」複合体又はペプチド若しくはポリペプチドにより結合された結合物質は、各々、強いシグナルの発生により検出が可能である公的な基質と接触させることができる。酵素反応生成物の測定に関して、好ましくは基質のレベルは飽和されている。基質はまた、反応の前に、検出可能な標識物により標識されることができる。好ましくは、試料は、適切な期間、基質と接触させられる。適切な期間とは、検出可能な、好ましくは測定可能なレベルの生成物が生成されるのに必要な時間をいう。生成物のレベルの測定の代わりに、所与の(例えば検出可能な)レベルの生成物の出現に必要な時間を、測定することができる。第三に、結合物質は、結合物質の検出及び測定を可能にする標識物に、共有的又は非共有的に結合され得る。標識は、直接法又は間接法により行うことができる。直接標識は、結合物質への標識物の直接結合(共有的又は非共有的)に関する。間接標識は、第二の結合物質の第一の結合物質への結合(共有的又は非共有的)に関与している。第二の結合物質は、第一の結合物質へ特異的に結合しなければならない。該第二の結合物質は、好適な標識物と結合されているか、及び/又は第二結合物質に結合している第三の結合物質の標的(受容体)であることができる。第二、第三、更にはより高次の結合物質の使用は、シグナルを増大するために使用されることが多い。好適な第二及びより高次の結合物質は、抗体、二次抗体、及び周知のストレプトアビジンビオチンシステム(Vector Laboratories社)を含むことができる。結合物質又は基質はまた、当該技術分野において公知の1又は複数のタグにより、「タグ付け」されてもよい。かかるタグはその後、より高次の結合物質のための標的であってよい。好適なタグとしては、ビオチン、ジゴキシゲニン、His−Tag、グルタチオン−S−転移酵素FLAG、GFP、myc−tag、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、マルトース結合タンパク質などが挙げられる。ペプチド又はポリペプチドの場合、タグは、N−末端及び/又はC−末端であることが好ましい。好適な標識物は、好適な検出方法により検出可能である任意の標識物である。典型的標識物としては、金粒子ラテックスビーズアクリダンエステルルミノールルテニウム、酵素活性のある標識物、放射性標識物、磁気標識物(例えば常磁性及び超常磁性標識物を含む、「磁気ビーズ」)、及び蛍光標識物が挙げられる。酵素活性のある標識物としては、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼアルカリホスファターゼβ−ガラクトシダーゼルシフェラーゼ、及びそれらの誘導体が挙げられる。検出に適した基質としては、ジ−アミノ−ベンジジン(DAB)、3,3’−5,5’−テトラメチルベンジジン、NBT−BCIP(4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸塩、直ぐに使用することができるストック液としてRoche Diagnostics社から入手可能)、CDP−Star(商標)(Amersham Bio-sciences社)、ECF(商標)(Amersham Biosciences社)が挙げられる。好適な酵素−基質組合せは、着色した反応生成物、蛍光又は化学発光を生じることができ、これらは、当該技術分野において公知の方法により測定することができる(例えば、感光フィルム又は好適なカメラシステムを使用して)。酵素反応の測定についてのように、先に示された基準が、同様に適用される。典型的蛍光標識物としては、蛍光タンパク質(GFP及びその誘導体など)、Cy3、Cy5、Texas Red、フルオレセイン、及びAlexa色素(例えば、Alexa 568)が挙げられる。更なる蛍光標識物は、例えば、Molecular Probes社(オレゴン州)から入手可能である。同じく蛍光標識物としての量子ドットの使用が意図される。放射性標識物は、例えば、感光フィルム又はホスホロイメージャーなどの、任意の公知且つ好適な方法により検出することができる。

0068

ペプチド又はポリペプチドのレベルは、好ましくは、以下により決定することもできる:(a)先に特定したペプチド又はポリペプチドの結合物質を含む固形支持体を、ペプチド又はポリペプチドを含有する試料と接触させる工程、及び(b)支持体に結合されたペプチド又はポリペプチドのレベルを測定する工程。この結合物質は、好ましくは、核酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体及びアプタマーからなる群から選択され、これらは不動化された形状で固形支持体上に存在することが好ましい。固形支持体を製造するための材料は、当該技術分野において周知であり、且つとりわけ、市販のカラム物質、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁気ビーズ、コロイド状金属粒子ガラス及び/又はシリコーンチップ及び表面、ニトロセルロース小片メンブレンシートデュラサイト(duracytes)、反応トレーウェル及び壁、プラスチックチューブなどが挙げられる。結合物質又は物質は、多くの異なる担体に結合することができる。周知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレンポリ塩化ビニルポリプロピレンポリエチレンポリカーボネートデキストランナイロンアミロース天然及び改質セルロースポリアクリルアミドアガロース、及びマグネタイトが挙げられる。担体の性質は、本発明の目的のために可溶性又は不溶性のいずれかであることができる。該結合物質を固定/不動化する好適な方法は、周知であり、且つイオン的疎水的、共有的相互作用などを含むが、これらに限定されるものではない。本発明のアレイとして「サスペンションアレイ」を使用することも、意図される(Nolan 2002, TrendsBiotechnol. 20(1):9-12)。かかるサスペンションアレイにおいて、担体、例えば、マイクロビーズ又はミクロスフェアは、懸濁液中に存在する。このアレイは、恐らく標識され、異なる結合物質を運搬する、異なるマイクロビーズ又はミクロスフェアからなる。例えば固相化学及び感光性保護基を基にした、かかるアレイの製造方法は、一般に公知である(米国特許第5,744,305号)。

0069

本発明の方法の実施態様において、本明細書において言及されるバイオマーカーのレベルは、「実施例」の項に説明されたアッセイを用いて測定される。
別の本発明の方法の実施態様において、工程a)の測定は、分析装置ユニットにより、特に本明細書の別所記載の分析装置ユニットにより実行することができる。

0070

用語「結合物質」とは、各バイオマーカーに対応して特異的に結合する結合部分を含む分子を指す。
用語「特異的結合」又は「特異的に結合」とは、結合対分子が、それらが他の分子には有意に結合しない条件下で、互いに結合を示す、結合反応を指す。用語「特異的結合している」又は「特異的に結合する」とは、バイオマーカーとしてタンパク質又はペプチドについて言及する場合、結合物質が、少なくとも10-7Mの親和性で、対応するバイオマーカーに結合する結合反応を指す。用語「特異的結合している」又は「特異的に結合する」は、その標的分子について、好ましくは少なくとも10-8Mの、更により好ましくは少なくとも10-9Mの親和性を指す。用語「特異的な」又は「特異的には」は、試料中に存在する他の分子は、標的分子に特異的な結合物質に有意に結合しないことを示すように使用される。好ましくは、標的分子以外の分子への結合のレベルは、標的分子への親和性のわずか10%以下の、より好ましくはわずか5%以下の結合親和性を生じる。

0071

「結合物質」の例は、核酸プローブ核酸プライマーDNA分子RNA分子、アプタマー、抗体、抗体断片、ペプチド、ペプチド核酸(PNA)又は化合物である。好ましい結合物質は、測定されるべきバイオマーカーに特異的に結合する抗体である。本明細書において用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、非限定的にモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及びそれらが所望の抗原結合活性を示す限りは抗体断片を含む、様々な抗体構造を包含している。好ましくは、抗体は、ポリクローナル抗体である。より好ましくは、抗体は、モノクローナル抗体である。

0072

ある態様において、適用することができる別の結合物質は、試料中の少なくとも1種のマーカーに特異的に結合するアプタマーであることができる。用語「特異的結合している」又は「特異的に結合する」は、結合物質として核酸アプタマーについて言及する場合には、核酸アプタマーが、対応する標的分子に低nMからpMの範囲の親和性で結合している、結合反応を指す。

0073

更なる態様において、試料は、結合物質と少なくとも1種のマーカーの間に形成される複合体から、形成された複合体の量の測定の前に、除去される。従ってある態様において、結合物質は、固形支持体上に不動化されてよい。更にある態様において、試料は、洗浄液を適用することにより、固形支持体上の形成された複合体から除去することができる。形成された複合体は、試料中に存在する少なくとも1種のマーカーの量に比例するものとする。適用される結合物質の特異性及び/又は感受性は、特異的に結合されることが可能である試料中に含まれる少なくとも1種のマーカーの割合の程度を規定することは理解されるであろう。どのように決定を実行するかに関する更なる詳細はまた、本明細書別所に認められる。形成された複合体の量は、試料中に実際に存在する量を反映している少なくとも1種のマーカーの量に変換されるものとする。かかる量は、ある態様において、試料中に本質的に存在する量であるか、又は別の態様において、形成された複合体と当初の試料中に存在する量の間の関係のために、それらの特定の割合の量であってよい。

0074

本明細書において使用される用語「レベル」は、本明細書において言及されるバイオマーカーの絶対量、該バイオマーカーの相対量又は相対濃度、並びにそれらに相関するか若しくはそれらから誘導され得る任意の値若しくはパラメータを包含している。かかる値又はパラメータは、直接測定により該ペプチドから得られた全ての特異的物理的又は化学的特性の全てに由来する強いシグナル値、例えば、質量スペクトル又はNMRスペクトルにおける強度値などを含む。更に、本説明の別所に特定された間接測定により得られる全ての値又はパラメータ、例えば、ペプチドに対する応答における生物学的リードアウトシステムから決定された応答量、又は特異的に結合されたリガンドから得られた強いシグナルなどが、包含される。前述の量又はパラメータと相関する値は、全ての標準数学的操作からも得ることができることも理解されるべきである。

0075

本明細書において使用される用語「比較する」とは、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルを、本説明の別所に特定されたバイオマーカーの参照レベルと比較することを指す。本明細書において使用される比較するは、通常対応するパラメータ又は値の比較を指すこと、例えば、絶対量は、絶対参照レベルと比較されるのに対し、濃度は参照濃度と比較されるか、又は試料中のバイオマーカーから得られたシグナル強度は、参照試料から得られた同じ型のシグナル強度と比較されることは、理解されるべきである。比較は、手作業で、又はコンピュータの支援で実行されてよい。従って、比較は、演算装置(例えば、本明細書に明らかにされたシステムの)により実行されてよい。個人又は患者由来の試料中で測定又は検出されたバイオマーカーのレベル及び参照レベルの値は、例えば、互いに比較されることができ、且つ該比較は、比較のためのアルゴリズムを実行するコンピュータプログラムにより自動的に実施され得る。該評価を実施するコンピュータプログラムは、好適なアウトプットフォーマットで所望の評価を提供するであろう。コンピュータ支援の比較に関して、決定された量の値は、コンピュータプログラムにより、データベースに保存されている好適な参照に対応する値と比較されてよい。コンピュータプログラムは更に、比較の結果を評価する、すなわち好適なアウトプットフォーマットで所望の評価を自動的に提供することができる。コンピュータ支援の比較に関して、決定された量の値は、コンピュータプログラムにより、データベースに保存されている好適な参照に対応する値と比較されてよい。コンピュータプログラムは更に、比較の結果を評価する、すなわち好適なアウトプットフォーマットで所望の評価を自動的に提供することができる。

0076

本明細書において使用される用語「参照レベル」は好ましくは、予め決定された値を指す。この状況において、「レベル」は、絶対量、相対量又は相対濃度、並びにそれらに相関するか又はそれらから誘導され得る任意の値又はパラメータを包含している。当業者が理解するように、参照レベルは、例えば、特異度及び/又は感度に関して慣習的な必要要件合致するように、予め決定され且つ設定される。これらの必要要件は、例えば、規制機関毎に変動することができる。これは例えば、アッセイ感度又は特異度は、各々、特定の限界、例えば、各々、80%、90%、95%又は98%に設定されるべきであってよい。これらの必要要件はまた、陽性又は陰性推定値に関して規定されることができる。それにもかかわらず、本発明により提示される内容を基に、当業者が、これらの必要要件に合致する参照レベルに到達することは常に可能であろう。一実施態様において、参照レベルは、健常な個体からの参照試料において決定される。参照レベルは、一実施態様において、患者が属する疾患実体(disease entity)からの参照試料において予め決定されている。いくつかの実施態様において、参照レベルは、例えば、調べられる疾患実体における値の分布全体の25%〜75%の割合で設定されることができる。他の実施態様において、参照レベルは、例えば、調べられる疾患実体からの参照試料における値の分布全体から決定された中央値、三分位数又は四分位数に設定されることができる。一実施態様において、参照レベルは、調べられる疾患実体の値の分布全体から決定された中央値に設定される。参照レベルは、年齢性別又は亜集団などの様々な生理学的パラメータ、並びに本明細書において言及されるバイオマーカーの決定に使用される手段に応じて、変動することができる。一実施態様において、参照試料は、本発明の方法に供される個体又は患者由来の試料と同じ型の細胞、組織、臓器又は体液の給源から本質的に由来し、例えば、本発明に従い、血液が個体におけるバイオマーカーのレベルを決定するための試料として使用される場合、参照レベルも、血液又はそれらの一部において決定される。

0077

本明細書において使用される用語「参照レベル」は、好ましくは、患者を、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者群に、又はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者群に割り当てることを可能にするレベルを指す。かかる参照レベルは、互いにこれらの群を分離する閾値レベルであることができる。従って、本明細書において言及されるバイオマーカーの参照レベルは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者群、又はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者群への、患者の割り当てを可能にするレベルであることとする。2つの群を分離するのに適している閾値レベルは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者由来(若しくはかかる患者群由来)、又はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者由来(若しくはかかる患者群由来)のいずれかの本明細書において言及されるマーカーのレベルを基に、本明細書別所において言及される統計学的検定により、更なる骨折りをせずに計算することができる。前述の患者又は患者群から誘導することができる好ましい参照レベルは、本明細書別所に指摘されている。

0078

参照レベルは、閾値レベルを規定及び確立するために使用することができる。閾値レベルは、好ましくは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い又は可能性がより低い患者を確定することを可能にする。従って、参照レベルは、好ましくは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い又は可能性がより低い患者を確定すること可能にするものとする。実施態様において、該参照レベルは、計算された参照レベルである。この確定は、計算された「レベル」の参照又は閾値との該比較を基にした、本明細書に開示されたシステムの演算装置により提供されてよい。例えば、システムの演算装置は、採用又は除外(rule-in or rule-out)を指示する、言語、記号、又は数値の形のインジケーターを提供することができる。個々の患者に適用可能な参照レベルは、年齢、性別又は亜集団などの様々な生理学的パラメータ、並びに本明細書において言及されるポリペプチド又はペプチドの決定に使用される手段に応じて、変動することができる。好適な参照レベルは、被験試料と一緒に、すなわち同時又は連続して、分析されるべき参照試料から決定されてよい。

0079

好ましくは、参照レベルは、計算された参照レベルである。好ましくは計算された参照レベルは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者と、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者を区別することを可能にするものとする。参照レベルは、原則として、標準の統計学的方法を適用することにより、所与のバイオマーカーについて平均又は平均値を基に先に特定したように、患者コホートについて計算することができる。特に、事象を診断することを目的とする方法又はしない方法などの、試験の精度は、その受診者動作特性(ROC)により最も良く説明されている(特に、Zweig 1993, Clin. Chem. 39:561-577を参照)。ROC図は、観察されたデータの範囲全体に及ぶ識別閾値の連続する変動から生じる感度/特異度対の全てのプロットである。診断法の臨床性能は、その精度によって、すなわちある評価、予後判定又は診断に患者を正確に割り当てるその能力によって決まる。ROCプロットは、区別を行うのに適した閾値の完全な範囲に関する感度、対、1−特異度をプロットすることによる、2つの分布間の重複を示している。y−軸は感度であるか、又は真陽性率であり、これは、真陽性試験結果の数の、真陽性数と偽陰性試験結果の数の積に対する比として規定される。これはまた、疾患又は状態の存在における陽性とも称される。これは、罹患したサブグループからのみ計算される。x−軸は偽陽性率であるか、又は偽陽性結果の数の、真陰性の数と偽陽性結果の数の積に対する比として規定される1−特異度である。これは、特異度の指標であり、且つ罹患していないサブグループから全体が計算される。真陽性率及び偽陽性率は、2つの異なるサブグループからの試験結果を使用することにより、全体的に個別に計算されるので、ROCプロットは、そのコホートにおける事象の有病率(prevalence)とは無関係である。ROCプロット上の各点は、特定の識別閾値に対応する感度/−特異度対を表している。完全な区別を伴う試験(2つの結果の分布において重複がない)は、左上角を貫通するROCプロットを有し、ここで真陽性率は、1.0、又は100%(完全感度)であり、並びに偽陽性率は、0(完全特異度)である。区別のない試験(2つの群の結果の分布が同じ)に関する理論上のプロットは、左下角から右上角への45°対角線である。ほとんどのプロットは、これら2つの極端の間に収まる。ROCプロットが、45°対角線の完全に下側に収まる場合、「陽性」に関する判定を「以上」から「未満」まで逆転するか、又はその反対により、これは容易に修正される。定性的に、プロットが左上角により近くなると、試験の全般的精度がより高まる。所望の信頼区間に応じて、閾値は、ROC曲線から誘導することができ、感度と特異度の適切な釣り合いで、各々、所与の事象に関する診断又は予測を可能にする。従って、本発明の前述の方法に使用される参照は、閾値又はカットオフレベルであることが好ましく、且つ好ましくは、先に説明されたよう該コホートに関するROCを確立し、それから閾値レベルを誘導することにより作成することができる。診断法に関する所望の感度及び特異度に応じて、ROCプロットは、好適な閾値を誘導することを可能にする。

0080

以下を、診断アルゴリズムとして適用する:
バイオマーカーとしてのオステオポンチン
オステオポンチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを下回る患者の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0081

バイオマーカーとしてのsST2
sST2がバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを下回る患者の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0082

バイオマーカーとしてのGDF−15
GDF−15がバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0083

バイオマーカーとしての尿素
尿素がバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0084

バイオマーカーとしての尿酸
尿酸がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0085

バイオマーカーとしてのトランスフェリン
トランスフェリンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患にも罹患していることが好ましい。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0086

バイオマーカーとしての心トロポニン
心トロポニン、特にトロポニンTがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、追加的に冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0087

バイオマーカーとしてのSHBG
SHBGがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0088

バイオマーカーとしてのsFlt−1
sFlt−1がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0089

バイオマーカーとしてのプレアルブミン
プレアルブミンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0090

バイオマーカーとしてのPlGF
PlGFがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0091

バイオマーカーとしてのIL−6
IL−6がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0092

バイオマーカーとしてのフェリチン
フェリチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、好ましくは冠動脈疾患にも罹患している。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0093

バイオマーカーとしてのhsCRP
hsCRPがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。

0094

先に示したように、参照レベルは、更なる骨折りなく決定することができる。好ましい参照レベルは、心不全を有する患者群の中央値レベルであってよい。

0095

個々のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムも、「好ましい実施態様」の項において明らかにされ、例えば、実施態様8を参照されたい。

0096

GDF−15に関する好ましい参照レベルは、好ましくは2500pg/mL〜4500pg/mLの範囲内、より好ましくは3000pg/mL〜4000pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、3560pg/mLである。

0097

尿素に関する好ましい参照レベルは、好ましくは8mmol/L〜11mmol/Lの範囲内、より好ましくは9mmol/L〜10mmol/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、9.4mmol/Lである。

0098

SHBGに関する好ましい参照レベルは、好ましくは25nmol/L〜36nmol/Lの範囲内、より好ましくは30nmol/L〜32nnmol/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、30.8nmol/Lである。

0099

尿酸に関する好ましい参照レベルは、好ましくは6.3mg/dL〜8.3mg/dLの範囲内、より好ましくは6.9mg/dL〜7.7mg/dLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、7.3mg/dLである。

0100

PLGFに関する好ましい参照レベルは、好ましくは16pg/mL〜26pg/mLの範囲内、より好ましくは20pg/mL〜23pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、21.3pg/mLである。

0101

IL−6に関する好ましい参照レベルは、好ましくは5.7pg/mL〜7.1pg/mLの範囲内、より好ましくは6.1pg/mL〜6.7pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、6.4pg/mLである。

0102

トランスフェリンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは3.7g/L〜4.5g/Lの範囲内、より好ましくは3.9g/L〜4.3g/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、4.1g/Lである。

0103

トロポニンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは20pg/mL〜31pg/mLの範囲内、より好ましくは25pg/mL〜28pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、26.5pg/mLである。

0104

sFlt−1に関する好ましい参照レベルは、好ましくは85pg/mL〜115pg/mLの範囲内、より好ましくはの93pg/mL〜107pg/mL範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、99.6pg/mLである。

0105

プレアルブミンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは0.18g/L〜0.22g/Lの範囲内、より好ましくは0.19g/L〜0.21g/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、0.2g/Lである。

0106

フェリチンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは140μg/L〜180μg/Lの範囲内、より好ましくは150μg/L〜170μg/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、160μg/Lである。

0107

オステオポンチンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは85ng/mL〜115ng/mLの範囲内、より好ましくは93ng/mL〜107ng/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、100ng/mLである。

0108

sST2に関する好ましい参照レベルは、好ましくは30ng/mL〜38ng/mLの範囲内、より好ましくは32ng/mL〜36ng/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、34ng/mLである。

0109

hsCRPに関する好ましい参照レベルは、好ましくは4mg/mL〜6mg/mLの範囲内、より好ましくは4.8mg/mL〜5.4mg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、5.1mg/mLである。

0110

先に示した参照レベルは、全ての本発明の方法及び使用に適用する。
いくつかの実施態様において、用語「参照レベルを上回る」とは、参照レベルと比較した場合、本明細書記載の方法により決定された、参照レベルを上回る、又は5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、100%又はそれより多い全体的増加の、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルを指す。いくつかの実施態様において、用語増加は、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーレベルの増加を指し、ここで増加は、参照試料から先に決定された、参照レベルと比べ、少なくとも約1.5、1.75、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、75、80、90、又は100倍より高い。

0111

いくつかの実施態様において、本明細書の用語「減少する」又は「下回る」は、参照レベルと比較した場合、本明細書記載の方法により決定された、参照レベルを下回る、又は5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれより多い全体的減少の、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルを指す。いくつかの実施態様において、用語減少は、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーレベルの減少を指し、ここで減少されたレベルは、参照試料から先に決定された、参照レベルと比べ、多くても約0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、又は0.01倍、又はそれよりも少ない。

0112

本発明の実施態様において、バイオマーカーは、単独で測定される。しかし、一緒に決定され得ることも意図され、すなわち本発明の方法は、1種よりも多いマーカー、すなわち2、3、4又は5種のマーカーの決定を包含することができる。2種以上のマーカーが決定される場合、個々のマーカーに関する診断アルゴリズムが、組合せられる。

0113

好ましいバイオマーカー組合せは、以下である:
・GDF−15及び尿素、
・GDF−15及びSHBG、
・GDF−15及びPlGF、
・GDF−15及びIL−6、
・PlGF及びIL−6、
・トロポニン及びsST2、
・hsCRP及びsST2、
・PLGF及びsFlt1。

0114

本発明の方法の実施態様において、前述の方法は、(d)スタチン含有療法を推奨、開始又は中断する工程を更に含む。

0115

本明細書において使用される語句「療法を推奨する」とは、スタチン含有療法により好適に治療されるか又は好適に治療されない患者を確定するために、患者の試料中の本明細書において言及される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルに関して作成される情報又はデータを使用することを指す。本明細書において使用される語句「療法を推奨する」とは同じく、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い若しくはより低いことが確定又は選択された患者についてスタチン含有療法を提唱又は選択するために、作成される情報又はデータを使用することを指すこともできる。使用又は作成される情報又はデータは、任意の形態、書面、口頭又は電子式であることができる。一部の実施態様において、作成された情報又はデータの使用は、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せを含む。一部の実施態様において、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せは、演算装置、分析装置ユニット又はそれらの組合せにより実行される。一部の更なる実施態様において、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せは、実験室又は医療の専門家により実行される。一部の実施態様において、情報又はデータは、本明細書において言及される少なくとも1種のマーカーのレベルの参照レベルとの比較を含む。

0116

好ましくは、患者がスタチン含有療法に応答する可能性がより高い場合は、スタチン含有療法は、開始される(患者がスタチンにより先に治療されていない場合)か、又は継続される(患者がスタチンにより先に治療されている場合)。従って、スタチン含有療法を開始又は継続することが推奨される。

0117

好ましくは、患者がスタチン含有療法に応答する可能性がより低い場合は、スタチン含有療法は、開始されない(患者がスタチンにより先に治療されていない場合)か、又は中断される(患者がスタチンにより先に治療されていない(not)場合)。従って、スタチン含有療法を開始しない又は中断することが推奨される。

0118

従って、本発明はまた、心不全を有する患者を治療する方法にも関連し、これは:
a)患者由来の試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定する工程;
b)工程a)で測定された該少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを、各参照レベルと、比較する工程、
c)スタチン含有療法に応答する可能性がより高い又はより低いとして患者を確定する工程、並びに任意に
d)少なくとも1種のバイオマーカーのレベルが、スタチン含有療法の指標である場合、患者へスタチンを投与するか、又はスタチン含有療法を選択する工程:を含む。
前述の療法の工程d)により、心不全が治療される。

0119

実施態様において、工程c)に示したようにスタチン含有療法への応答の可能性がより高い又はより低い患者の確定は、工程b)において実行される比較を基にしている。個々のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムは、本明細書別所に明らかにされている。バイオマーカーに応じて、参照レベルを上回る又は下回るのいずれかの患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、スタチン含有療法への応答の可能性がより高い患者の指標である(先に示した診断アルゴリズムを参照のこと)。バイオマーカーのレベルがスタチン含有療法への応答の可能性がより高い患者の指標である場合、工程d)が実行される。バイオマーカーのレベルがスタチン含有療法への応答の可能性がより低い患者の指標である場合、工程d)は実行されない。

0120

本明細書に示した定義及び説明は、以下に変更すべき所は変更して適用する(別所記載する場合を除き)。

0121

致死及び/又は入院の患者リスクを予測する方法
本発明は更に、致死及び/又は入院の患者のリスクを予測する方法に関し、ここで該患者は心不全を有し、且つここで該患者はスタチン含有療法を受けており、該方法は:
(a)患者由来の試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定する工程;並びに
(b)少なくとも1種のマーカーのレベルを、各参照レベルと、比較する工程:を含む。

0122

本発明の方法は、好ましくは、エクソビボ又はインビトロの方法である。
好ましくは、工程(b)を基に、死亡又は入院に悩まされる患者のリスクが予測される。従って、前述の方法は更に、工程(b)の結果を基に死亡又は入院に悩まされる患者のリスクを予測する工程を含む。ある実施態様において、本方法は更に、(c)特に患者由来の試料中の少なくとも1種のバイオマーカーのレベルが参照レベルを下回る又は上回る場合に、患者の致死及び/又は入院のリスクを予測する工程:を含む(診断アルゴリズムに関して、下記参照)。

0123

ある実施態様において、少なくとも1種のバイオマーカーのレベルは、試料を、各マーカーに特異的に結合する物質と接触させ、これにより物質と該マーカーの間に複合体を形成し、形成された複合体の量を検出し、これにより該マーカーのレベルを測定することにより測定される。これは特に、測定されるべきバイオマーカーが、ポリペプチド(GDF−15、SHBG、PLGF、IL−6、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2、及びhsCRP)である場合に、適用する。測定されるべきバイオマーカーが尿素又は尿酸である場合、該バイオマーカーのレベルは、試料を、該バイオマーカーの転換を触媒する酵素と接触させることにより、測定される。好ましい酵素は、本明細書別所に明らかにされる。

0124

用語「患者」は、スタチン含有療法への応答の可能性があると対象を確定する方法の状況において、先に規定されている。好ましくは、試験される患者は、先に示した心不全を有する。測定されるバイオマーカーに応じて、患者は追加的に冠動脈疾患を有しても、有さなくともよい(前記参照)。

0125

更に、患者は、スタチン含有療法を受けるものとする。従って、患者は、試料を得る前に、スタチンで治療されているものとする。本発明の状況において、試料を得る前にスタチンにより治療されている患者は、試料を得る前に、好ましくは1ヶ月以上、より好ましくは3ヶ月以上、又は最も好ましくは6ヶ月以上、スタチンで治療されているものとする。

0126

本明細書に使用される用語「予測する」は、将来の規定された時間ウィンドウ(予測ウィンドウ)内で、患者が死亡するであろう及び/又は入院するであろう確率を評価することを指す。予測ウィンドウは、予測された確率に従い、患者が死亡するであろう又は入院するであろう期間である。予測ウィンドウは、本発明の方法による分析時に、患者の残りの生存期間全体であることができる。しかし好ましくは、予測ウィンドウは、本発明の方法が実行された後(より好ましく及び正確には、本発明の方法により分析されるべき試料が入手された後)、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、2年間、3年間、又は5年間の期間である。最も好ましくは、該予測ウィンドウは、18ヶ月間の期間である。当業者に理解されるように、かかる評価は、分析されるべき患者の100%について正しいことは通常意図されない。しかしこの用語は、本評価は、分析されるべき患者の統計学的に有意な部分について妥当であることを必要とする。部分は、統計学的に有意であるかどうかは、様々な周知の統計学的評価ツール、例えば、信頼区間の決定、p−値決定、スチューデントt−検定、マンホイットニー検定などを使用することにより、当業者により、更なる骨折りなしに決定することができる。詳細は、Dowdy及びWeardenの「研究のための統計(Statistics for Research)」、John Wiley & Sons, New York 1983に認められる。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%である。p−値は、好ましくは0.1、0.05、0.01、0.005、又は0.0001である。好ましくは、本発明により想定される確率は、予測が、所与のコホートの患者の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%について正しいことを可能にする。

0127

本明細書に使用される用語「致死」は、好ましくは任意の原因からの、より好ましくは心臓が原因の、及び最も好ましくは心臓血管系事象からの、致死に関する。同じく本明細書に使用される用語「入院」は、好ましくは任意の原因からの、より好ましくは心臓が原因の、及び最も好ましくは心臓血管系事象からの、入院に関する。本明細書に使用される用語「心臓血管系事象」とは、好ましくは任意の急性心臓血管系事象を含む心臓血管系の任意の障害を指す。好ましくは、この用語はまた、心不全を含む。急性心臓血管系事象は、好ましくは、安定狭心症SAP)又は急性冠動脈症候群(ACS)である。ACS患者は、不安定狭心症UAP)又は心筋梗塞(MI)を示し得る。MIは、ST−上昇MI(STEMI)又は非−ST−上昇MI(NSTEMI)であることができる。本明細書に使用されるNSTE−ACSは、UAP及びNSTEMIを包含している。MIの発生には、左心室機能障害(LVD)、心不全の発症又は更には致死が続き得る。更に好ましい心臓血管系事象は、突然心臓死及び脳卒中(脳血管事象又は事故)を含む、心臓の徐脈性又は頻脈性不整脈を包含している。同じく致死はまた、所与の患者集団に対する死亡率(death rate)又は死亡数の割合を指すことができる。

0128

本明細書に使用される表現「致死及び/又は入院のリスクの予測」は、本発明の方法により分析されるべき患者は、上昇したリスクを有する患者群若しくは集団、又は低下したリスクを有する群のいずれかに割り当てられることを意味する。本発明で言及される上昇したリスクとは、患者集団における入院又は致死の平均リスクに対して、患者について予め決定された予測ウィンドウ内の入院のリスク又は致死のリスクが、有意に上昇される(すなわち、有意に増加する)ことを意味することが好ましい。本発明で言及される低下したリスクとは、患者集団における入院又は致死の平均リスクに対して、患者について予め決定された予測ウィンドウ内の入院のリスク又は致死のリスクが、有意に低下されることを意味することが好ましい。特に、リスクの有意な増加又は減少は、予後判定について有意であると考えられるサイズのリスクの増加又は減少であり、特に該増加又は減少は、統計学的に有意と考えられる。用語「有意」及び「統計学的に有意」とは、当業者に公知である。従って、リスクの増加又は減少が有意又は統計学的に有意であるかどうかは、様々な周知の統計学的評価ツールを使用し、当業者による更なる骨折りなしに決定することができる。

0129

好ましくは、18ヶ月間の予測ウィンドウに関して、本明細書に使用される上昇された、従って増加された致死及び/又は入院のリスクは、好ましくは20%より多い、より好ましくは25%より多い、最も好ましくは30%より多いリスク増加に関する。本明細書に使用される低下された致死及び/又は入院のリスクは、好ましくは18ヶ月間の予測ウィンドウに関して(平均リスクと比べ、最終段落参照)、好ましくは10%より多い、より好ましくは15%より多い、最も好ましくは20%より多いリスク低下に関する。

0130

用語「参照レベル」は、先に規定されている。従ってこの規定を適用する。結果的にこの用語は好ましくは、致死及び/若しくは入院の上昇されたリスクを有する患者群、又は致死及び/若しくは入院の低下されたリスクを有する患者群のいずれかへの、患者の割り当てを可能にするレベルを指す。かかる参照レベルは、これらの群を互いに分離する閾値レベルであることができる。従って、本明細書において言及されるバイオマーカーに関する参照レベルは、致死及び/若しくは入院の上昇されたリスクを有するか、又は致死及び/若しくは入院の低下されたリスクを有するかの患者群への、患者の割り当てを可能にするレベルであるはずである。これら2群を分離するのに適した閾値レベルは、致死及び/若しくは入院の上昇されたリスクを有する患者(又はかかる患者群由来の)、又は致死及び/若しくは入院の低下されたリスクを有する患者(又はかかる患者群由来の)のいずれか由来の、本明細書において言及されるマーカーのレベルを基にした、本明細書別所に言及される統計学的検定により、更なる骨折りなしに計算することができる。前述の患者又は患者群から誘導することができる好ましい参照レベルは、本明細書別所に示されている。

0131

バイオマーカーとしてのオステオポンチン
オステオポンチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを上回る患者試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0132

バイオマーカーとしてのsST2
sST2がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを上回る患者試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0133

バイオマーカーとしてのGDF−15
GDF−15がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0134

バイオマーカーとしての尿素
尿素がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0135

バイオマーカーとしての尿酸
尿酸がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0136

バイオマーカーとしてのトランスフェリン
トランスフェリンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患にも罹患していることが好ましい。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0137

バイオマーカーとしての心トロポニン
心トロポニン、特にトロポニンTがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、追加的に冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0138

バイオマーカーとしてのSHBG
SHBGがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0139

バイオマーカーとしてのsFlt−1
sFlt−1がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0140

バイオマーカーとしてのプレアルブミン
プレアルブミンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0141

バイオマーカーとしてのPlGF
PlGFがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0142

バイオマーカーとしてのIL−6
IL−6がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0143

バイオマーカーとしてのフェリチン
フェリチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、好ましくは冠動脈疾患にも罹患している。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0144

バイオマーカーとしてのhsCRP
hsCRPがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。

0145

好ましい参照レベルは、スタチン含有療法に感受性のある患者を確定する方法の状況において明らかにされている。個々のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムはまた、「好ましい実施態様」の項目においても明らかにされ、例えば、実施態様10を参照されたい。

0146

本発明はまた、スタチン含有療法に対し応答の可能性のある患者を確定するための、心不全を有する患者の試料中の、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:に関する。

0147

本発明はまた、該患者の致死及び/又は入院リスクを予測するための、心不全を有する患者の試料中の、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:に関する。

0148

本発明はまた、スタチン含有療法に対する応答の可能性として心不全を有する患者を確定するための医薬組成物若しくは診断組成物の製造のための、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:にも関する。

0149

本発明はまた、心不全を有し且つスタチン含有療法を受けている患者の致死及び/又は入院のリスクを予測するための医薬組成物若しくは診断組成物の製造のための、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:にも関する。

0150

本発明の好ましい実施態様に従い、本発明の方法を実行するために適合された装置であって:
a)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質、又は尿酸若しくは尿素の転換が可能である酵素若しくは化合物を含む、分析装置ユニットであって、心不全を有する患者の試料中のバイオマーカー(複数可)のレベル(複数可)を測定するために適合されている該ユニット;並びに
b)決定されたレベル(複数可)を、参照レベル(複数可)と比較し、これにより患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いか又はより低いかを確定するための分析装置ユニットであって、参照レベル(又は複数のレベル)を伴うデータベース及び比較を実行するためのコンピュータ−実行されるアルゴリズムを含む該ユニット:を備える装置が提供される。

0151

本発明の別の好ましい実施態様に従い、本発明の方法を実行するために適合された装置であって:
a)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する結合物質(又は複数の結合物質)、又はiii)尿酸若しくは尿素の転換が可能である酵素若しくは化合物を含む、分析装置ユニットであって、心不全を有する患者の試料中のバイオマーカー(複数可)のレベル(複数可)を測定するために適合されている該ユニット;並びに
b)決定されたレベル(複数可)を、参照レベル(複数可)と比較し、これにより致死及び/又は入院の患者リスクが予測される分析装置ユニットであって、参照レベル(又は複数のレベル)を伴うデータベース及び比較を実行するためのコンピュータ−実行されるアルゴリズムを含む該ユニット:を備える装置が提供される。
好ましい参照レベル及びアルゴリズムは、本明細書別所に明らかにされる。

0152

本開示の好ましい実施態様は、スタチン含有療法に対する応答の可能性のある患者を確定するためのシステムを含む。システムの例は、化学反応若しくは生物反応の結果を検出するため、又は化学反応若しくは生物反応の進行をモニタリングするために使用される、臨床の化学分析装置凝固化学分析装置、免疫化学分析装置、尿分析装置核酸分析装置を含む。より具体的には、本開示の例証的システムは、Roche Elecsys(商標)、Systems and Cobas(登録商標)免疫学的検定分析装置、Abbott Architect(商標)及びAxsym(商標)分析装置、Siemens Centaur(商標)及びImmulite(商標)分析装置、並びにBeckman Coulter UniCel(商標)及びAcess(商標)分析装置などを含むことができる。

0153

前記システムの実施態様は、対象の開示を実現するために利用される1又は複数の分析装置ユニットを備えることができる。本明細書に開示されたシステムの分析装置ユニットは、公知のような、有線の連絡、ブルートゥース、LANS、又はワイヤレスシグナルのいずれかを介して、本明細書に開示された演算装置と操作可能に連絡されている。加えて、本開示に従い、分析装置ユニットは、例えば、診断目的のために試料の定性的及び/又は定量的評価の一方又は両方の検出を行う、独立型装置、又はより大型の機器内のモジュールを備えることができる。例えば、分析装置ユニットは、試料及び/又は試薬ピペッティング、投薬、混合により実行又は補助され得る。分析装置ユニットは、アッセイを実行するための試薬を保持するための試薬保持ユニットを備えることができる。試薬は、例えば、貯蔵コンパートメント又はコンベヤ内の適当な貯蔵庫又は位置に配置された、個々の試薬又は試薬群を含有する容器又はカセットの形状で配置されることができる。検出試薬はまた、試料と接触されている固形支持体上の不動化された形状であってよい。更に分析装置ユニットは、特定の分析のために最適化されている加工処理及び/又は検出成分を含むことができる。

0154

一部の実施態様に従い、分析装置ユニットは、試料による測定物質(analyte)、例えばマーカーの光学検出のために構成されることができる。光学検出のために構成された分析装置ユニットの例は、シングル及びマルチエレメント又はアレイ光検出装置の両方を含む、電磁エネルギー電気シグナルに変換するために構成された装置を備える。本開示に従い、光学検出器は、光学電磁シグナルをモニタリングし、且つ光路中に配置された試料中の測定物質の存在及び/又は濃度の指標であるベースラインシグナルに対する電気的出力シグナル又は応答シグナルを提供することが可能である。かかる装置はまた、例えば、アバランシェ光ダイオードを含む光ダイオード光トランジスタ光導電検出器リニアセンサーアレイCCD検出器CMOSアレイ検出器を含むCMOS検出器、光電子増倍管、及び光電子増倍管アレイを含むことができる。ある実施態様に従い、光ダイオード又は光電子増倍管などの光検出器は、追加のシグナル処理又は調整電子装置を含むことができる。例えば、光学検出器は、少なくとも1個のプリアンプ電子フィルター、又は集積回路を備えることができる。好適なプリアンプは、例えば、プリメインアンプ(integrated)、トランスインピーダンスアンプ、及び電流増幅電流ミラー)プリアンプを含む。

0155

加えて、本開示の1又は複数の分析装置ユニットは、光放出のための光源を備えることができる。例えば、分析装置ユニットの光源は、試験される試料により測定物質濃度を測定するため、又はエネルギー移動を可能にするための(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動又は酵素の触媒により)、少なくとも1種の光放出エレメント光放出ダイオード電動(electric powered)放射線源、例えば白熱ランプ電界発光ランプガス放電ランプ高輝度放電ランプ、レーザーなど)からなることができる。

0156

更に、このシステムの分析装置ユニットは、1又は複数のインキュベーションユニット(例えば、試料又は試薬を特定の温度又は温度範囲に維持するため)を含むことができる。一部の実施態様において、分析装置ユニットは、試料を、繰り返しの温度サイクルに供するための、及び試料による増幅産物のレベルの変化をモニタリングするために、実時間サーマルサイクラーを含む、サーマルサイクラーを含むことができる。

0157

加えて、本明細書に明らかにされたシステムの分析装置ユニットは、反応容器又はキュベット供給ユニットを備えるか又は操作できるように連結することができる。供給ユニットの例は、試料及び/又は試薬を反応容器に送達するための液体処理ユニット、例えばピペッティングユニットを含むことができる。ピペッティングユニットは、再利用可能で洗浄可能な針、例えば鉄製針、又は使い捨てピペットチップを備えることができる。分析装置ユニットは更に、1又は複数の混合ユニット、例えば、液体を含むキュベットを振盪するための振盪機、又はキュベット若しくは試薬容器中の液体を混合するための混合パドルを備えることができる。

0158

前述のことから、本開示のいくつかの実施態様に従い、本明細書に開示され且つ説明された方法のいくつかの工程の一部は、演算装置により実行することができる。演算装置は、例えば、汎用コンピュータ又は携帯コンピュータ装置であることができる。同じく本明細書に開示された方法の1又は複数の工程を実行するために、ネットワーク上又はデータを転送する他の方法など、複数の演算装置を、一緒に使用することができることも理解されるべきである。演算装置の例としては、デスクトップコンピュータラップトップコンピュータ携帯情報端末(“PDA”)、例えばブラックベリーブランドの装置、携帯電話タブレット型コンピュータサーバーなどが挙げられる。概して、演算装置は、複数の指示を実行することが可能なプロセッサーソフトウェアプログラムなど)を備える。

0159

演算装置は、メモリーアクセスする。メモリーは、コンピュータ可読メディアであり、例えば、コンピュータ装置の一部分に又はネットワークを介して演算装置にアクセス可能なようにのいずれかで配置された、単独の記憶装置又は複数の記憶装置を備えることができる。コンピュータ−可読メディアは、演算装置によりアクセスすることができる任意の利用可能なメディアであってよく、揮発性メディア及び不揮発性メディアの両方を含む。更に、コンピュータ−可読メディアは、取り外し可能なメディア及び取り外しできないメディアの一方又は両方であることができる。例として、限定するものではないが、コンピュータ−可読メディアは、コンピュータ記憶媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体の例としては、RAM、ROM、EEPROMフラッシュメモリー又は任意の他の技術、CD−ROMデジタル汎用ディスク(DVD)又は他の光学ディスクストレージ磁気カセット、磁気テープ磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは演算装置によりアクセス可能な複数の指示を記憶するために使用することができ且つ演算装置のプロセッサにより実行される任意の他の媒体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

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