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技術 流体サーボバルブ及び流体サーボ装置

出願人 特許機器株式会社
発明者 丸山照雄岡本興三岡田琢巳山口敏喜中島正隆
出願日 2019年12月3日 (11ヶ月経過) 出願番号 2019-219016
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-046075
状態 未査定
技術分野 磁気駆動弁 サーボモータ(II)
主要キーワード 凸形状部材 供給ハウジング 概略円錐形状 総合設計 ディスクばね 最大使用電流 角型ブロック 勘合状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

電流値に対するフラッパ変位(流量)特性は、線形性制御性の優れた特性を得ることができる流体サーボバルブを提供する。

解決手段

電磁石、フラッパ24、ヨーク材により閉ループ磁気回路を構成して、前記電磁石の磁極と前記フラッパ間に発生するMaxwellの吸引力により、フラッパ自身を弾性変形させて、ノズル29,30と前記フラッパとの離間距離可変することで、流体圧力と流量を制御したものである。従来サーボバルブのように、支点を中心に揺動運動する剛体フラッパ構造とは異なり、磁気ギャップの変化が直接エアーギャップの変化となるように、前記電磁石、前記磁極、前記ノズル、前記フラッパなどを構成した。

概要

背景

1.世の中のトレンド・・・商品側からの要請
半導体製造プロセス、液晶製造プロセス、精密機械加工などの様々な分野で、微細振動遮断・抑制するための振動制御の利用が広がっている。これらのプロセスで用いられる走査型電子顕微鏡半導体露光装置ステッパ)などの微細加工検査装置は、装置の性能を保障するための厳しい振動許容条件が要求される。今後、製品のさらなる高集積化・微細化と共に、加工プロセスの高速化と装置の大型化が進み、振動許容条件はますます厳しくなる傾向にある。

従来、これらの振動の影響を受け易い装置をアクチュータで支持すると共に、その振動を減殺するようにアクチュエータを制御するアクティブタイプの精密除振台が用いられてきた。

2.アクチュエータの種類
アクティブ精密除振台の制御に用いられるアクチュエータは幾種類かあり、それぞれの特徴を要約すれば次のようである。リニアモータボイスコイルモータ)は発生変位が大きいが、発熱が大きく、発生力が小さい点に課題がある。ピエゾアクチュエータコンパクト応答性に優れるが、発生変位がせいぜい数十ミクロンと小さく、また長期にわたる耐久性に課題がある。超磁歪アクチュエータは、応答性に優れるが、発生変位もピエゾアクチュエータの2倍程度と小さく、リニアモータ同様に発熱と漏洩磁束に課題がある。

これらに対して、空気圧アクチュエータは上述した各アクチュータと比べて応答性は劣るが、ピストン外径供給源圧力の選択により、発生力を容易に大きくできる長所を有する。またアクチュエータ自体がエアー圧縮性により、床面からの振動を絶縁する効果(除振性能)を有する。また、空気ばね圧力を制御することで、直動外乱制振制御することができる。すなわち、「除振」と「制振」の両方を併せ持つことができるという点が、他方式のアクチュエータには無い空気圧式の特徴である。

3.アクティブ除振台の従来例
図68に、空気圧アクチュエータを用いた従来のアクティブ除振台のモデル図を示す。このアクティブ除振台は、特許文献1、特許文献2にも記載されているように公知のものである。床面580には、定盤581を支持するための複数組の空気圧アクチュエータ(582a、582b)が配置されている。この定盤581の上に精密装置(図示せず)が搭載される。空気圧アクチュエータは、垂直方向荷重を支持するための、内部に高圧空気充填された空気室583と、この空気室の上部にダイヤフラム584を介して内挿されたピストン585から構成される。586、587a、587bは、定盤581の垂直・水平方向の加速度と、床面580に対する定盤581の相対変位をそれぞれ検出するための加速度センサ及び変位センサである。588は、床面580の加速度(基礎振動状態)を検出する加速度センサである。これら各センサからの出力信号がそれぞれコントローラ589に入力される。空気室583には、配管590を介して、コントローラ589により制御されるサーボ弁591が接続されている。ノズルフラッパ型の電空変換器であるサーボ弁591により、空気室583へ供給・排気される圧縮空気の流量を調整することで、空気室583の内圧Paが制御される。ここで、サーボ弁591は、外部から供給圧PSの気体を供給し、コントローラ589により制御信号を与えられて所望の気体圧Paに調整して出力し、一部は大気P0に排気する機能を有する制御弁である。除振台が支持する装置の大型化のトレンドに伴い、空気圧アクチュエータの長所を生かした空気ばね式除振台が、超精密機器微振動制御に広く用いられているようになっている。

4.従来空気圧バルブ(その1)
さて、空気圧アクチュエータを用いた空気圧サーボ装置であるアクティブ除振台において、アクチュエータの圧力制御流量調整を行うために、ノズルフラッパ弁が用いられてきた。このノズルフラッパ弁は、主に電気油圧制御弁一次制御弁(パイロット弁)として用いられている部分である。ノズルフラッパ弁はトルクモータとパイロット弁を組み合わせることによって、入力指令信号に基づいてアーマチュア回転駆動する。このときに発生するトルクノズルフラッパ機構によるパイロット弁を開閉して、アクチュエータへ所望の流体圧を供給する。このパイロット弁は、アーマチュアの回動により変位するフラッパと、フラッパの両側面に向かい合って配置される1組のノズルが備えられるので、双方向フラッパによるノズルフラッパ弁と呼ばれる。

図69はノズルフラッパ型の従来空気圧サーボバルブの一例を示し、特許文献3に開示されているもので、その作動原理は、一般に広く用いられているものである。図69aは正面断面図、及び図69bは側面断面図である。ちなみに、アクティブ除振台で用いられるこの種の空気圧サーボバルブは、油圧サーボバルブのパイロット弁から派生的に応用されてきたものである。

サーボバルブ501は、ボディ502と、取付ボルト503によって前記ボディに組み付けられたフラッパ変位手段504と、後記するコイル505への通電によって変位するフラッパ506とを備えている。

ボディ502は、フラッパ変位手段504側の面に形成した直径方向凹溝508と、 これと反対側の面に開設した圧縮空気の入力ポートP、出力ポートA及び排出ポートRと、 出力ポートAを凹溝508に連通させるフラッパ挿通孔509と、一端がフラッパ挿通孔509に開口して、出力ポートAを入力ポートPと排出ポートRとに個別に連通させる流路510a, 510bと、この流路510a, 510bに先端(ノズル部)を対向させて組み付けられた一対のノズル511a, 511bとを備えている。

上記フラッパ変位手段504は、マグネットアセンブリ513と、該マグネットアセンブリ513内に組み付けられた上記コイル505とを備えている。マグネットアセンブリ513は、直径方向に対向して配設された一対の第1ヨーク514a,514bと、平面視円筒状で円周方向の両端がこれらの第1ヨークに固着された一対のマグネット515a,515b(図69b)と、第1ヨーク514a,514bのボディ502と反対側の面に、取付ボルト516により先端を対向させて取付けられた一対の第2ヨーク517を備え、コイル505が巻かれたボビン505aは、第1ヨーク514a, 514b間に嵌着等によって取付けられている。

第1ヨーク514a, 514bのボディ502側には、第2ヨーク517と直交する方向において中心を向く突出部518a, 518bが一体に形成されており、第2ヨーク517, 517の先端及び突出部518a,518b(図69b)側面先端部は、フラッパ506を介して対向している。上記マグネット515a,515b(図69b)の円周方向端面は、ろー付けまたは接着剤等によって第1ヨーク514a,514bに固着されており、フラッパ変位手段504は、第1ヨーク514a、514bの凹み部分に開口する貫通孔519を通る上記取付ボルト503によって、ボディ502に組み付けられている。

上記フラッパ506は、ボビン505aの中心孔及びフラッパ挿通孔509を通る先端506aの偏平面がノズル511a, 511bの先端に対向し、第2ヨーク517と対向する端部506bは二面幅とされている。また、フラッパ506の軸方向中間部は、 両端がそれぞれが2個の取付ねじ521(図69b)によって凹溝508に取付けられた板ばね520の中心孔に嵌着されており、 これによって軸方向の両端506a,506bが、板ばね520による取付部を中心として互いに反対の方向に変位可能とされている。

上記流路510a, 510bの開口は、それぞれプラグ522によって閉鎖され、フラッパ変位手段504は、 フラッパ506の外周面に嵌着されたOリング523によってボディ502からシールされている。また、フラッパ変位手段504を覆いボディ502に嵌着されたカバー524は、先端が止めねじ525(図69b)によってボディ502に取付けられている。526は、コイル505のリード線(図示省略)が通るリード線挿通部材である。

上記サーボバルブ501は、コイル505に通電すると、マグネットアセンブリ513によってフラッパ506が板ばね520による支持部を中心として揺動して、 これにより先端506aがノズル511a, 511bの先端に接離してその間隙が調節されるので、出力ポートAの空気圧がコイル505への通電量に応じて増減する。

すなわち、上記サーボバルブ501は一対のマグネット(永久磁石)515a,515bが発生する磁界の中に電磁石磁極となるフラッパ弁の先端506bを配置する。前記電磁石のコイル505に通電する電流可変させることにより、入力電流に対するフラッパ変位を制御するものである。

概要

電流値に対するフラッパ変位(流量)特性は、線形性制御性の優れた特性を得ることができる流体サーボバルブを提供する。電磁石、フラッパ24、ヨーク材により閉ループ磁気回路を構成して、前記電磁石の磁極と前記フラッパ間に発生するMaxwellの吸引力により、フラッパ自身を弾性変形させて、ノズル29,30と前記フラッパとの離間距離を可変することで、流体圧力と流量を制御したものである。従来サーボバルブのように、支点を中心に揺動運動する剛体フラッパ構造とは異なり、磁気ギャップの変化が直接エアーギャップの変化となるように、前記電磁石、前記磁極、前記ノズル、前記フラッパなどを構成した。1

目的

効果

実績

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請求項1

流体供給源流路連絡したノズルと、前記ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパを支持するフラッパ支持部材と、前記フラッパの面板部に対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、前記電磁石と前記フラッパを少なくとも含むように構成された閉ループ磁気回路と、を備え、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変位させて、前記ノズルの先端部と前記フラッパとの離間距離を変化させるように構成されており、かつ、前記閉ループ磁気回路を構成する磁性材料部品磁気特性が、磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する領域を磁気飽和領域とを有し、前記フラッパの変位可能範囲で前記電磁石に通電する電流を増大させたときに、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記磁気飽和領域に入ることを特徴とする流体サーボバルブ

請求項2

前記磁性材料部品の磁化力に対する磁束密度特性において、前記線形領域と、前記磁気飽和領域の境界域における磁束密度境界値をBc、前記電磁石に通電させる電流値最大値Imaxにおける閉ループ磁気回路の線形磁気抵抗の総和をRS、前記電磁石のコイル巻数をN、磁束をΦmax= N×Imax /RSとして、前記磁性材料部品の磁路面積をSc、磁束密度をBmax=Φmax / Scとしたとき、Bmax>Bcであることを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。

請求項3

前記電磁石に通電させる電流の最大値近傍で、電流に対する流量特性は上に凸の曲線となることを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。

請求項4

前記フラッパを概略平板形状部材で構成し、前記フラッパ自身の弾性を利用して前記ノズルと前記フラッパ間の隙間の大きさに比例した復元力を前記フラッパに持たせたことを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。

請求項5

前記フラッパは前記磁性材料部品であることを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。

請求項6

前記電磁石が、前記フラッパと対向する内側端面に形成された第1磁極と、前記フラッパと対向する外側端面に形成される第2磁極と、を具備し、前記フラッパが、前記電磁石が形成する磁気閉ループ回路において前記第1磁極と第2磁極との間の一部が形成される磁気経路部と、前記フラッパ支持部材に支持されるとともに、前記磁気経路部を弾性的に支持する弾性支持部と、を具備し、前記磁気経路部と前記弾性支持部の曲げ剛性が異なっている請求項4記載の流体サーボバルブ。

請求項7

前記弾性支持部の曲げ剛性は、前記磁気経路部の曲げ剛性よりも小さいことを特徴とする請求項6記載の流体サーボバルブ。

請求項8

前記第1磁極が前記磁気経路部の中央部と対向しており、前記第2磁極が前記磁気経路部の外縁近傍と対向していることを特徴とする請求項6記載の流体サーボバルブ。

請求項9

設定したい電流に対するフラッパ変位特性、もしくは、電流に対するフラッパ流量特性の変化領域における傾きに応じて、前記フラッパを構成する材料の磁化力に対する磁束密度の磁気特性を選択したことを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。

請求項10

吸入口を流体供給源に連結して、制御室から大気に繋がる流路に流量計を装着して、前記電磁石に通電させる電流が最大値Imax(A)のときに前記流量計により測定される流量をQmax (L/min)、勾配Qmax/Imaxを基準流量ゲインα入力電流に対する流量特性のプロフィールにおいて、勾配の最大値を最大流量ゲインβとして、線形化効果指標η=α/βを定義したとき、η>0.2であることを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。

請求項11

η>0.4であることを特徴とする請求項10記載の流体サーボバルブ。

請求項12

前記電磁石は磁性材料である支持軸と、この支持軸を軸芯として巻かれたコイルと、このコイルを収納するように配置された磁性材料である筒部から構成され、前記支持軸と、前記フラッパと、前記筒部とにより閉ループ磁気回路を構成したことを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。

請求項13

前記支持軸を貫通して流体の供給側、もしくは排気側に連絡する流通路を形成して、前記ノズルは前記流通路の前記フラッパ側開口端に設けられていることを特徴とする請求項12記載の流体サーボバルブ。

請求項14

前記ノズルが2ケ所に設けられており、一方のノズルが流体の供給側に設けられて順方向ノズルとして構成され、他方のノズルが流体の排気側に設けられて逆方向ノズルとして構成され、前記順方向ノズルと、前記逆方向ノズルと、前記フラッパとが双方向ノズルフラッパ弁を構成しており、前記順方向ノズル、もしくは、前記逆方向ノズルは前記支持軸を貫通して形成された流通路の前記フラッパ側開口端に設けたことを特徴とする請求項13記載の流体サーボバルブ。

請求項15

前記順方向ノズルが設けられ、流体の供給源側に繋がる流路が形成された供給側ハウジングと、前記逆方向ノズルが設けられ、流体の排気側に繋がる流路が形成された排気側ハウジングと、前記フラッパと前記供給側ハウジングの前記フラッパ対向面の間に形成される空間である供給側空隙部と、前記フラッパと前記排気側ハウジングの前記フラッパ対向面の間に形成される空間である排気側空隙部と、を具備し、前記フラッパに前記供給側空隙部と前記排気側空隙部を連絡する流通穴を形成したことを特徴とする請求項14記載の流体サーボバルブ。

請求項16

前記フラッパが、板状をなし、前記ノズル側へ変形可能に構成された弾性変形部を具備する請求項12記載の流体サーボバルブ。

請求項17

前記電磁石が、前記フラッパと対向する端面に形成された磁極を具備し、前記フラッパが、板状をなし、中央部で前記磁極と対向するとともに、前記弾性変形部が、前記フラッパにおいて当該フラッパの中央部と前記フラッパ支持部材の間に形成された厚み方向に貫通する貫通穴により形成されている請求項16記載の流体サーボバルブ。

請求項18

前記支持軸の前記フラッパ側端面に、前記支持軸に設けられた前記ノズルの開口端と連絡する半径方向流通路を形成したことを特徴とする請求項12記載の流体サーボバルブ。

請求項19

磁束が前記弾性変形部を迂回する磁路で、かつ外径コイル径よりも小さいバイパス部材と第2磁極を、前記閉ループ磁気回路内に形成したことを特徴とする請求項16記載の流体サーボバルブ。

請求項20

流体供給源に流路が連絡したノズルと、前記ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパを支持するフラッパ支持部材と、前記フラッパの面板部に対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、前記電磁石と前記フラッパを少なくとも含むように構成された閉ループ磁気回路と、を備え、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変位させて、前記ノズルの先端部と前記フラッパの面板部との離間距離を変化させるように構成され、前記フラッパを収納する空間である制御室内で、前記フラッパとその対向面の固定側壁面の間に形成された概略一定圧力を保つ定圧室から構成され、かつ、前記閉ループ磁気回路を構成する磁性材料部品の磁気特性が、磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する領域を磁気飽和領域とを有し、前記フラッパの変位可能範囲で前記電磁石に通電する電流を増大させたときに、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記磁気飽和領域に入ることを特徴とする流体サーボバルブ。

請求項21

断面視において磁性材料部材を概略多角形形状に連結して閉ループ磁気回路を形成し、前記磁性材料部材のそれぞれは、電磁石のコイルを巻く鉄芯ヨーク材、フラッパであることを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。

請求項22

前記磁性材料部材の一つの端部に磁極を形成し、その対向面に間隙を介して前記フラッパを配置したことを特徴とする請求項21記載の流体サーボバルブ。

請求項23

前記磁性材料部材の一つを貫通して流体の供給側、もしくは排気側に連絡する流通路を形成して、前記ノズルは前記流通路の前記フラッパ側の開口端に設けられていることを特徴とする請求項21記載の流体サーボバルブ。

請求項24

請求項1で記載される流体サーボバルブと、前記流体サーボバルブに接続される空気圧アクチュエータと、制御対象物の変位及び又は振動状態を検出するセンサと、このセンサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記制御対象物の変位、速度、加速度の少なくとも1つを制御する気体圧力を前記空気圧アクチュエータに与える制御手段と、を備えた流体サーボ装置

請求項25

前記フラッパの1次固有振動数を200Hz以上に構成し、除振対象物基礎に対して支持する気体ばねと、気体を供給側から前記気体ばねに供給してかつ排気側へ排気する前記流体サーボバルブと、前記除振対象物の振動状態を検出する加速度センサと、この加速度センサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記除振対象物の振動を低減する気体圧力を前記気体ばねに与えるアクティブ制御手段とを備えた請求項24記載の流体サーボ装置。

請求項26

電磁石と、フラッパと、このフラッパを支持するフラッパ支持部材と、前記電磁石、前記ディスク、ヨーク材により閉ループの磁気回路を構成して、前記電磁石と前記フラッパ間に発生するMaxwell吸引応力可動され、かつ前記フラッパに固定された出力軸と、前記電磁石と、前記ディスクと、前記支持部材と、前記ヨーク材と、前記出力軸で構成される箇所をマイクロアクチュータ部とし、ハウジングと、このハウジングに形成された流体の吸入口と、吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流路の開度を調整する流量調整弁と、前記マイクロアクチュータ部の前記出力軸により前記流量調整弁を駆動させると共に、前記閉ループ磁気回路を構成する磁性材料部品の磁気特性を、磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する領域を飽和領域と定義して、前記フラッパの作動可能範囲で電磁石に通電する電流値を増大させたとき、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記飽和領域に入ることを特徴とする流体サーボバルブ。

請求項27

前記電磁石の中央部を貫通して、前記出力軸が設けられていることを特徴とする請求項26記載の流体サーボバルブ。

請求項28

前記出力軸の前記電磁石とは反対側の端部に、前記出力軸の変位、速度、加速度等の位置情報を検出するセンサを配置したことを特徴とする請求項27記載の流体サーボバルブ。

請求項29

前記出力軸は静圧軸受によって半径方向が支持されていることを特徴とする請求項28記載の流体サーボバルブ。

技術分野

0001

本発明は、流体圧力・流量を制御するための流体制御機器に関するもので、詳しくは軸方向駆動機構により、フラッパノズル間を相対移動させることで、流体の圧力・流量を制御する流体サーボバルブに関するものである。及び、この流体サーボバルブを搭載した流体サーボ装置に関するものである。

背景技術

0002

1.世の中のトレンド・・・商品側からの要請
半導体製造プロセス、液晶製造プロセス、精密機械加工などの様々な分野で、微細振動遮断・抑制するための振動制御の利用が広がっている。これらのプロセスで用いられる走査型電子顕微鏡半導体露光装置ステッパ)などの微細加工検査装置は、装置の性能を保障するための厳しい振動許容条件が要求される。今後、製品のさらなる高集積化・微細化と共に、加工プロセスの高速化と装置の大型化が進み、振動許容条件はますます厳しくなる傾向にある。

0003

従来、これらの振動の影響を受け易い装置をアクチュータで支持すると共に、その振動を減殺するようにアクチュエータを制御するアクティブタイプの精密除振台が用いられてきた。

0004

2.アクチュエータの種類
アクティブ精密除振台の制御に用いられるアクチュエータは幾種類かあり、それぞれの特徴を要約すれば次のようである。リニアモータボイスコイルモータ)は発生変位が大きいが、発熱が大きく、発生力が小さい点に課題がある。ピエゾアクチュエータコンパクト応答性に優れるが、発生変位がせいぜい数十ミクロンと小さく、また長期にわたる耐久性に課題がある。超磁歪アクチュエータは、応答性に優れるが、発生変位もピエゾアクチュエータの2倍程度と小さく、リニアモータ同様に発熱と漏洩磁束に課題がある。

0005

これらに対して、空気圧アクチュエータは上述した各アクチュータと比べて応答性は劣るが、ピストン外径供給源圧力の選択により、発生力を容易に大きくできる長所を有する。またアクチュエータ自体がエアー圧縮性により、床面からの振動を絶縁する効果(除振性能)を有する。また、空気ばね圧力を制御することで、直動外乱制振制御することができる。すなわち、「除振」と「制振」の両方を併せ持つことができるという点が、他方式のアクチュエータには無い空気圧式の特徴である。

0006

3.アクティブ除振台の従来例
図68に、空気圧アクチュエータを用いた従来のアクティブ除振台のモデル図を示す。このアクティブ除振台は、特許文献1、特許文献2にも記載されているように公知のものである。床面580には、定盤581を支持するための複数組の空気圧アクチュエータ(582a、582b)が配置されている。この定盤581の上に精密装置(図示せず)が搭載される。空気圧アクチュエータは、垂直方向荷重を支持するための、内部に高圧空気充填された空気室583と、この空気室の上部にダイヤフラム584を介して内挿されたピストン585から構成される。586、587a、587bは、定盤581の垂直・水平方向の加速度と、床面580に対する定盤581の相対変位をそれぞれ検出するための加速度センサ及び変位センサである。588は、床面580の加速度(基礎振動状態)を検出する加速度センサである。これら各センサからの出力信号がそれぞれコントローラ589に入力される。空気室583には、配管590を介して、コントローラ589により制御されるサーボ弁591が接続されている。ノズル−フラッパ型の電空変換器であるサーボ弁591により、空気室583へ供給・排気される圧縮空気の流量を調整することで、空気室583の内圧Paが制御される。ここで、サーボ弁591は、外部から供給圧PSの気体を供給し、コントローラ589により制御信号を与えられて所望の気体圧Paに調整して出力し、一部は大気P0に排気する機能を有する制御弁である。除振台が支持する装置の大型化のトレンドに伴い、空気圧アクチュエータの長所を生かした空気ばね式除振台が、超精密機器微振動制御に広く用いられているようになっている。

0007

4.従来空気圧バルブ(その1)
さて、空気圧アクチュエータを用いた空気圧サーボ装置であるアクティブ除振台において、アクチュエータの圧力制御流量調整を行うために、ノズルフラッパ弁が用いられてきた。このノズルフラッパ弁は、主に電気油圧制御弁一次制御弁(パイロット弁)として用いられている部分である。ノズルフラッパ弁はトルクモータとパイロット弁を組み合わせることによって、入力指令信号に基づいてアーマチュア回転駆動する。このときに発生するトルクノズルフラッパ機構によるパイロット弁を開閉して、アクチュエータへ所望の流体圧を供給する。このパイロット弁は、アーマチュアの回動により変位するフラッパと、フラッパの両側面に向かい合って配置される1組のノズルが備えられるので、双方向フラッパによるノズルフラッパ弁と呼ばれる。

0008

図69ノズルフラッパ型の従来空気圧サーボバルブの一例を示し、特許文献3に開示されているもので、その作動原理は、一般に広く用いられているものである。図69aは正面断面図、及び図69bは側面断面図である。ちなみに、アクティブ除振台で用いられるこの種の空気圧サーボバルブは、油圧サーボバルブのパイロット弁から派生的に応用されてきたものである。

0009

サーボバルブ501は、ボディ502と、取付ボルト503によって前記ボディに組み付けられたフラッパ変位手段504と、後記するコイル505への通電によって変位するフラッパ506とを備えている。

0010

ボディ502は、フラッパ変位手段504側の面に形成した直径方向凹溝508と、 これと反対側の面に開設した圧縮空気の入力ポートP、出力ポートA及び排出ポートRと、 出力ポートAを凹溝508に連通させるフラッパ挿通孔509と、一端がフラッパ挿通孔509に開口して、出力ポートAを入力ポートPと排出ポートRとに個別に連通させる流路510a, 510bと、この流路510a, 510bに先端(ノズル部)を対向させて組み付けられた一対のノズル511a, 511bとを備えている。

0011

上記フラッパ変位手段504は、マグネットアセンブリ513と、該マグネットアセンブリ513内に組み付けられた上記コイル505とを備えている。マグネットアセンブリ513は、直径方向に対向して配設された一対の第1ヨーク514a,514bと、平面視円筒状で円周方向の両端がこれらの第1ヨークに固着された一対のマグネット515a,515b(図69b)と、第1ヨーク514a,514bのボディ502と反対側の面に、取付ボルト516により先端を対向させて取付けられた一対の第2ヨーク517を備え、コイル505が巻かれたボビン505aは、第1ヨーク514a, 514b間に嵌着等によって取付けられている。

0012

第1ヨーク514a, 514bのボディ502側には、第2ヨーク517と直交する方向において中心を向く突出部518a, 518bが一体に形成されており、第2ヨーク517, 517の先端及び突出部518a,518b(図69b)側面先端部は、フラッパ506を介して対向している。上記マグネット515a,515b(図69b)の円周方向端面は、ろー付けまたは接着剤等によって第1ヨーク514a,514bに固着されており、フラッパ変位手段504は、第1ヨーク514a、514bの凹み部分に開口する貫通孔519を通る上記取付ボルト503によって、ボディ502に組み付けられている。

0013

上記フラッパ506は、ボビン505aの中心孔及びフラッパ挿通孔509を通る先端506aの偏平面がノズル511a, 511bの先端に対向し、第2ヨーク517と対向する端部506bは二面幅とされている。また、フラッパ506の軸方向中間部は、 両端がそれぞれが2個の取付ねじ521(図69b)によって凹溝508に取付けられた板ばね520の中心孔に嵌着されており、 これによって軸方向の両端506a,506bが、板ばね520による取付部を中心として互いに反対の方向に変位可能とされている。

0014

上記流路510a, 510bの開口は、それぞれプラグ522によって閉鎖され、フラッパ変位手段504は、 フラッパ506の外周面に嵌着されたOリング523によってボディ502からシールされている。また、フラッパ変位手段504を覆いボディ502に嵌着されたカバー524は、先端が止めねじ525(図69b)によってボディ502に取付けられている。526は、コイル505のリード線(図示省略)が通るリード線挿通部材である。

0015

上記サーボバルブ501は、コイル505に通電すると、マグネットアセンブリ513によってフラッパ506が板ばね520による支持部を中心として揺動して、 これにより先端506aがノズル511a, 511bの先端に接離してその間隙が調節されるので、出力ポートAの空気圧がコイル505への通電量に応じて増減する。

0016

すなわち、上記サーボバルブ501は一対のマグネット(永久磁石)515a,515bが発生する磁界の中に電磁石磁極となるフラッパ弁の先端506bを配置する。前記電磁石のコイル505に通電する電流可変させることにより、入力電流に対するフラッパ変位を制御するものである。

先行技術

0017

特開2006-283966号公報
特開2007-155038号公報
特開平11-294627号公報
特許第4636830号公報

発明が解決しようとする課題

0018

1.空気圧サーボバルブに要求される条件
さて、アクティブ除振台を構成する重要な基幹要素である空気圧サーボバルブに要求される条件は次のようである。
(1)高速応答性
(2)空気圧サーボバルブの一次共振点は十分に高く、数百Hz以上であること
(3)線形性・・・バルブ駆動電流に対する流量、及び発生圧力が直線的比例関係にある

0019

上記(1)の理由は次の様である。たとえば、除振テーブル上に搭載されるステージ図68の592)が発進・停止する際には、質量移動による駆動反力が直動外乱としてステージ設置面である定盤に入力される。この場合、ステージの加速度信号を用いて、除振装置にステージ・フィードフォワード制御(以下、ステージFF制御)を施すことにより、加速減速時における定盤振動を減少させることができる。定盤振動を速やかに収束させるためには、空気圧アクチュータを駆動する空気バルブに高い応答性が要求される。

0020

上記(2)の理由は、次の様である。空気圧アクティブ除振系の応答性は、数Hz〜10数Hzのオーダーであるにもかかわらず、サーボバルブに数百Hzの高い共振周波数が必要となる理由は、空気圧アクティブ除振系固有ニーズに基づくものである。バネ減衰と質量だけで構成されるパッシブ除振系の場合、アクチュータのバネ定数減衰係数で決まる共振点において、減衰を増大すれば共振点のピークは低減できる。しかし、共振点以上の高周波数域において、減衰性能の低下を招いてしまう。

0021

上記パッシブ除振系に加速度フィードバックを施したアクティブ除振系の場合、図65[補足(2)で説明]に示すように、高周波数域での除振性能の劣化を伴わずに、共振点のピークを低減できる。そのため、アクティブ除振台では加速度フィードバック制御の適用は必須である。しかし加速度フィードバック制御を施した場合、補足(2)で後述するように、アクティブ除振系の開ループ特性は、広い周波数範囲開ループゲインが増大すると共に、位相遅れた特性になる。さらに、閉ループ制御系に組み込まれる空気圧サーボバルブの共振点において、開ループゲインは共振ピークを有し、位相は180度以上遅れる。その結果、空気圧サーボバルブの共振周波数を十分に大きく、たとえば200Hz以上に設定しないと、制御系は安定性に対する充分な裕度が得られない。

0022

上記(3)の理由は次の様である。
サーボバルブは流体サーボ装置(アクティブ除振台)の制御系を構成する一要素であるため、電流の変化分に対する流量の変化分の比率流量ゲインとして、開ループゲインの中に組み込まれる。サーボバルブの流量特性非線形の場合、アクティブ除振台全体の安定性裕度を見込むための開ループゲインは、流量ゲインの最大値で決定せざるを得ない。しかし、サーボバルブの動作点は、通常は駆動電流範囲の中間位置近傍(I≒Imax/2)で使用される場合が多い。そのため、電流に対する流量特性が非線形である程、動作点において必要以上に過剰なゲイン余裕を設定することになる。この場合、アクティブ除振台は本来有する十分な性能を発揮できない。

0023

さらに、フィードフォワード制御(以下FF制御)は外乱既知であって始めて成立する。上記ステージFF制御を施すためには、既知であるステージ挙動信号を用いる。ステージFF制御を用いて、直動外乱を効果的に相殺するためには、ステージの加速度信号を逆位相忠実再現する発生力の波形を作る必要がある。そのためには、バルブ駆動電流波形と発生圧力の波形が相似形になるように、すなわち、バルブ駆動電流の動作点を中心に、電流値に対する発生圧力(発生力)の特性が線形性を保つ領域を、出来るだけ広い範囲で持つのが好ましい。

0024

2.従来の空気圧サーボ弁の課題
アクティブ除振台を構成する一例として、4点支持アクティブ制御を想定する。この場合、空気圧アクチュータは四隅に配置され、ユニット設置向きは、水平X方向に2点、Y方向に2点が対角に配置される。また各アクチュータはZ方向の荷重を支持するアクチュータも組み込まれる。したがって、総計8個の空気圧アクチュータが配置され、各アクチュータを制御するための総計8個の空気圧サーボバルブが必要である。

0025

上記(1)〜(3)を必要条件として要求される従来空気圧サーボバルブは、図69に従来バルブの一例を示したように、精度の高い多くの部品を必要とする。かつ3次元的な部材配置ゆえに、高い精度が要求されるノズルフラッパ部分での累積誤差が大きく、均一な性能を得るのが難しいという課題があった。また多軸制御のアクティブ除振台に上記バルブを搭載した場合、必要個数の多さゆえに、除振台に占めるコスト比率が高いという課題があった。

0026

したがって、本研究に課せられた基本的命題は、従来の空気圧サーボバルブの複雑な構造を大幅に簡素化できる「新原理サーボバルブ」の可能性をいかにして見出すかということであった。そのためには、現在採用されている空気圧サーボバルブ技術の歴史背景分析する必要がある。現在の空気圧サーボバルブの基本形態は、長い歴史を有する油圧サーボバルブの技術を応用して派生的に生みだされたものである。

0027

図70は、従来サーボバルブ共通の作動原理をモデル化した構造図を示すものである。サーボバルブの構成は大きく分けて、アクチュータ部A-1と流体制御部B-2に分けることができる。アクチュータ部A-1において、551はマグネット(永久磁石)、552はコイル、553はこのコイルを収納するボディ、554はフラッパ、555a、555bは先端を対向させて取り付けられた一対のヨーク、556はアクチュータ側のフラッパ先端部である。557はシール部材を兼ねた板ばね、558は前記板ばねの支持中心部である。但し、実際に使用されるサーボバルブの構造は、図69に一例を示したように、永久磁石と電磁石の各磁気回路を構成するためのそれぞれのヨーク材は、円周方向で直交して配置される3次元構造になっている。

0028

ここで、フラッパ先端部556近傍の磁極部A-2(鎖線の円)に注目する。559aは前記フラッパ先端部とヨーク555a間の空隙部a、559bは前記フラッパ先端部とヨーク555b間の空隙部bである。図中の鎖線Φ1は、前記フラッパ先端部と前記各ヨーク間で電磁石が作る磁束、2点鎖線Φ2は、各ヨーク555a、555bの間に形成される永久磁石551による磁束である。ここで、磁極間の空隙部分の磁束Φ、磁極の断面積をS、空気の透磁率をμ0とすれば、発生するMaxwellの全応力Tは

0029

したがって、フラッパ先端部に加わる力Fは、左右の磁極に発生する全応力(=応力×磁路面積)の差T1 -T2に比例する。

0030

フラッパの変位を制御するために、電磁石が作る磁束Φ1を電流により可変させたときフラッパ先端部に加わる力Fは、式(2)に示すように、永久磁石が作る磁束Φ2によりアシスト(増強)されるのである。

0031

流体制御部B-1において、560は順方向ノズル、561は逆方向ノズル、562は流体制御部側のフラッパ先端部である。563は供給口、564は排気口、565は負荷口制御ポート)、566は制御室である。供給圧PSの気体は順方向ノズル560に供給され、フラッパ562と前記順方向ノズルの間隔に比例した流量が制御室566に流入する。一方、制御室566内の気体は、フラッパ562と前記逆方向ノズルの間隔に比例した流量が排気口564を経て大気に流出する。順方向ノズル560からの流入量と逆方向ノズル561からの流出量との差で、制御室566内の制御圧Paと負荷口565からの流出量が決定される。

0032

油圧サーボにおいて、サーボバルブのアクチュータ部A-1と流体制御部B-2を分離構造にした理由は、電流を流す電磁石を導電体である油の中に浸すことはできなかったからである。また、永久磁石と電磁石を併用した理由は、油圧サーボの場合、ノズルから噴出した油の墳力がフラッパ面に加わる力は、墳力が流体の密度に比例するために、空気と比べて桁違いに大きい。この墳力に抗するためには、フラッパには大きな駆動力が必要であった。

0033

一方、空気圧アクティブ除振台に適用されるこの種のサーボバルブにおいても、永久磁石を必要とする理由は次のようである。フラッパ554の等価質量をm、板ばね557の等価ばね剛性をKとしたとき、共振周波数f0は式(7)で後述するように、 に比例する。サーボ系を構成する場合、上記(2)の理由により、共振周波数f0を充分に高く設定する必要がある。フラッパ554の質量mは構造上小さくするのは限界があるため、共振周波数f0を高くするためには、ばね剛性Kを高くせねばならない。その結果、フラッパ554を駆動する駆動力Fを大きくする必要があり、永久磁石を利用して電磁石の駆動力をアシストする必要があったのである。

0034

幅広い用途を有する油圧サーボと比べて、当初、空気圧サーボはマイナーな存在であった。時代の要請としてアクティブ除振台の登場により、空気圧サーボのニーズが浮上したとき、油圧サーボ技術で培われた従来サーボバルブ(図69)の基本構造の採用は、歴史的に必然の選択であったと考えられる。

0035

2−2.空気圧サーボバルブの従来提案例
上述したサーボバルブの実施例が、永久磁石と電磁石の組み合わせによる磁気吸引作用を利用しているのに対して、磁界中に置かれた通電コイルに働くローレンツ力(リニアモータの原理)を利用して、フラッパ弁を調節するサーボバルブが特許文献4に提案されている。

0036

図71に示すサーボバルブにおいて、601は順方向フラッパ、602は順方向ノズル、603は逆方向フラッパ、604は逆方向ノズル、605は供給口、606は排気口、607は負荷口(制御ポート)である。供給口605からの供給圧Psを有する気体は順方向ノズル602に供給され、順方向フラッパ601との間隔に応じて順方向ノズル602から噴き出した気体は、逆方向ノズル604の先の排気口606と、負荷口607の先の負荷とに並列に供給される。したがって、逆方向ノズル604は、気体を吸い込む機能を有し、いわば吸い込みノズルである。逆方向ノズル604における気体の吸い込み量は、逆方向フラッパ603との間隔に応じて変化する。このように、リニアモータの移動により、順方向ノズル602からの気体の噴き出しと、逆方向ノズル604への気体の吸い込みとを同期して制御することで、負荷口607に出力される気体圧Paを調整することができる。

0037

なお、リニアモータ608は、筐体609に固定される磁石610、移動体611、移動体611に設置されるコイル612を有し、コイル612は、信号線613により接続端子614に接続される。 接続端子614は、 制御部(図示せず)に制御ケーブル等で接続される。移動体611の両端部は、雲形ばね615,616を介して筐体609に支持される。 前記雲形ばねは、薄板に例えば雲形スリットを設けた板ばねで、 その中心に物体を接続し、周辺固定端とすることで、 物体の軸周りの回転を規制し、 軸方向の移動を可能にして物体を支持できるラジアル支持ばねとしての機能を有する。

0038

上記提案のフラッパ弁は、アクティブ制御除振台に要求される上記(2)の必要条件、すなわち、「空気バルブの一次共振点は十分に高い」という点に課題がある。リニアモータの可動部は、順方向フラッパ601、逆方向フラッパ603、コイル612、移動体611から構成されるため、可動部質量mは従来空気圧サーボバルブ(図69、表1参照)以上に大きくならざるを得ない。高い共振点を得るためには、ばね615,616の剛性を高くする必要がある。かつ高い剛性のばねに抗して駆動するリニアモータの発生力を大きくする必要がある。しかし、ローレンツ力を利用したリニアモータの場合、入力電流Iに対する発生力Fの電気機械変換効率が小さく、大きな発生力は得られない。したがって、ばね615,616の剛性Kは小さくせざるを得ないのである。前述したように、共振周波数は に比例するために、空気バルブの共振点を十分に高くできず、アクティブ制御除振台に要求される上記(2)の必要条件を満足することはできない。

課題を解決するための手段

0039

具体的に、請求項1の発明は、流体供給源に流路が連絡したノズルと、前記ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパの一部を固定するフラッパ支持部材と、前記フラッパに対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、を備え、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変形させて、前記ノズルの先端部と前記フラッパとの離間距離を変化させるように構成したものである。

0040

すなわち、本発明においては、従来サーボバルブのように、支点を中心に揺動運動する剛体フラッパ構造とは異なり、電磁石の吸引力でフラッパ自身を弾性変形させて、前記ノズルと前記フラッパとの離間距離を可変することで、流体圧力と流量を制御したものである。

0041

具体的に、請求項2の発明は、前記流体供給源は空気を供給するものであり、前記電磁石と、前記フラッパと、前記フラッパ固定部材と、がアクチュータ部を構成し、前記ノズルを通過する流体が、前記アクチュエータ部を構成する前記各部材の各壁面で構成される空間を通過するように構成したものである。

0042

すなわち、本発明においては、油圧サーボ技術から派生的に生まれた従来エアーサーボ弁が、アクチュータ部と流体制御部が分離構造であるのに対して、アクチュエータ部を構成する各部材の壁面をエアーの流通路としたものである。

0043

具体的に、請求項3の発明は、流体供給源に流路が連絡したノズルと、前記ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパを支持するフラッパ支持部材と、 前記フラッパの面板部に対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、前記電磁石と前記フラッパを少なくとも含むように構成された閉ループ磁気回路と、を備え、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変位させて、前記ノズルの先端部と前記フラッパとの離間距離を変化させるように構成されており、かつ、前記閉ループ磁気回路を構成する磁性材料部品の磁気特性が、磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する領域を磁気飽和領域とを有し、前記フラッパの変位可能範囲で前記電磁石に通電する電流を増大させたときに、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記磁気飽和領域に入るように構成したものである。

0044

すなわち、本発明においては、前記閉ループ磁気回路に狭い磁路面積を有する箇所、あるいは磁気抵抗の高い箇所を設けて、電流値(磁化力)に対する磁束密度特性が、本来ならば急峻に立ち上がる領域に磁気飽和領域を設定する。その結果、電流値に対するフラッパ変位(流量)特性は、線形性・制御性の優れた特性を得ることができる。

0045

具体的に、請求項4の発明は、前記磁性材料部品の磁化力に対する磁束密度特性において、前記線形領域と、前記磁気飽和領域の境界域における磁束密度境界値をBc、前記電磁石に通電させる電流値が最大値Imaxにおける閉ループ磁気回路の線形磁気抵抗の総和をRS、前記電磁石のコイル巻数をN、磁束をΦmax= N×Imax /RSとして、前記磁性材料部品の磁路面積をSc、磁束密度をBmax=Φmax / Scとしたとき、Bmax>Bcとなるように構成したものである。

0046

すなわち、本発明においては、磁性材料部品の磁気飽和現象を利用することで、線形性(制御性)の優れた特性を得ることができる点を利用しており、閉ループ磁気回路を構成するいずれかの要素が、バルブの動作範囲内で磁気飽和することが本発明を適用する上で前提条件となる。すなわち、Bmax線形領域内で使用されている。Bmax>Bcならば、磁気飽和現象が上記(1)(2)の箇所で発生しており、本発明を適用する上で前提条件を満足していることが分かる。

0047

具体的に、請求項5の発明は、前記電磁石に通電させる電流の最大値近傍で、電流に対する流量特性は上に凸の曲線となるように構成したものである。

0048

すなわち、本発明においては、電流値の増大と共にフラッパの変位(流量)特性が、本来ならば急峻に立ち上がる領域に磁気飽和現象を利用することで、線形性(制御性)の優れた特性を得ることができる。したがって、入力電流の最大値近傍で流量は急峻に増大せず、制御性の良い抑制された特性となる。

0049

具体的に、請求項6の発明は、前記フラッパを概略平板形状部材で構成し、前記フラッパ自身の弾性を利用して前記ノズルと前記フラッパ間の隙間の大きさに比例した復元力を前記フラッパに持たせたものである。
すなわち、本発明においては、バルブのフラッパに相当する部材を薄いディスク形状にすると、慣性負荷となる可動部の有効質量ノズル先端近傍における弾性変形部分のみとなる。従来サーボバルブは剛体であるフラッパがバネで支持されているのに対して、本発明サーボバルブはフラッパ自身が弾性体(バネ)である。そのため、可動部の有効質量を小さくできて、共振周波数を高くできる。また、フラッパを支持するばね剛性を十分に小さくできるために、本実施例バルブは高い共振周波数を有するにもかかわらず、電磁石のみでフラッパを駆動することができる。

0050

具体的に、請求項7の発明は、前記フラッパは前記磁性材料部品で構成したものである。

0051

すなわち、本発明においては、1.電流に対するバルブ流量の応答性を高めるためには、可動部であるフラッパを軽量化、すなわち、フラッパの板厚を薄くする必要がある。2.フラッパの板厚を薄くすることで、磁束が流れる磁路面積が小さくなり、前記磁気飽和現象を利用できる。上記1.2.の目的が合致することを利用したものである。また可動部であるフラッパの板厚を薄くしても、構造体としてのバルブ本体の強度に影響を与えない。

0052

具体的に、請求項8の発明は、前記電磁石が、前記フラッパと対向する内側端面に形成された第1磁極と、前記フラッパと対向する外側端面に形成される第2磁極と、を具備し、前記フラッパが、前記電磁石が形成する磁気閉ループ回路において前記第1磁極と第2磁極との間の一部が形成される磁気経路部と、前記フラッパ支持部材に支持されるとともに、前記磁気経路部を弾性的に支持する弾性支持部と、を具備し、前記磁気経路部と前記弾性支持部の曲げ剛性が異なっているように構成されたものである。

0053

すなわち、本発明においては、フラッパに相当するディスクを、たとえば凸形円盤形状にすることにより、ディスクに作用する磁気吸引を利用する箇所(磁気経路部)を前記第1磁極と第2磁極の間に形成し、ディスクのバネ剛性を設定する箇所(弾性支持部)を前記ディスクの固定側に形成したものである。ディスクを上記形状にすることにより、たとえば、「ディスク剛性を低下するために、ディスクを薄くすると磁気抵抗が増加する」という相矛盾した関係を断ち切ることができる。その結果、十分な吸引力を得るための磁気回路と、適切な剛性を得るためのディスク形状を個別に選択することができる。

0054

具体的に、請求項9の発明は、前記弾性支持部の曲げ剛性は、前記磁気経路部の曲げ剛性よりも小さ構成したものである。
すなわち、本発明においては、磁気回路設計とディスクの構造設計を個別に行うことができるため、同一の剛性を維持したままで、大きなディスク変位を得ることができる。

0055

具体的に、請求項10の発明は、前記第1磁極が前記磁気経路部の中央部と対向しており、前記第2磁極が前記磁気経路部の外縁近傍と対向しているように構成したものである。

0056

すなわち、本発明においては、閉ループ磁気回路を形成する第2磁極を、前記弾性支持部を迂回する磁路となるバイパス部材を介して設けることにより、適正な吸引力を得るための磁気回路設計と、適正な剛性を得るためのフラッパの構造設計を分離できる。

0057

具体的に、請求項11の発明は、前記ノズルが2ケ所に設けられており、一方のノズルが流体の供給側に設けられて順方向ノズルとして構成され、他方のノズルが流体の排気側に設けられて逆方向ノズルとして構成され、前記順方向ノズルと、前記逆方向ノズルと、前記フラッパとが双方向ノズルフラッパ弁を構成しており、流体供給源から供給される作動流体供給源側から前記順方向ノズルを通過して、前記フラッパが収納される空間である制御室へ流入し、この制御室から前記逆方向ノズルを通過して流体の排気側へ流出するように構成され、前記順方向ノズルと概略同軸上で、前記フラッパに対して反対側に前記逆方向ノズルを配置したものである。

0058

すなわち、本発明においては、磁気ギャップの変化が直接エアーギャップの変化となるように構成するメリットは、順方向ノズル(供給側ノズル)と逆方向ノズル(排気側ノズル)と双方向フラッパから構成されるノズルフラッパ弁にも適用できる。

0059

具体的に、請求項12の発明は、設定したい電流に対するフラッパ変位特性、もしくは、電流に対するフラッパ流量特性の変化領域における傾きに応じて、前記フラッパを構成する材料の磁化力に対する磁束密度の磁気特性を選択したものである。

0060

すなわち、本発明においては、前記フラッパ材料の磁化力に対する磁束密度の磁気特性において、線形領域の電流値における傾斜角、線形領域から磁気飽和領域へ遷移する磁化力の境界値、及び、磁束密度の最大値(飽和磁束密度)を適切に選択することにより、電流値に対するフラッパ変位(流量)特性は、バルブの要求仕様に合わせた特性を得ることができる。

0061

具体的に、請求項13の発明は、吸入口を流体供給源に連結して、制御室から大気に繋がる流路に流量計を装着して、前記電磁石に通電させる電流が最大値Imax(A)のときに前記流量計により測定される流量をQmax (L/min)、勾配Qmax/Imaxを基準流量ゲインα、入力電流に対する流量特性のプロフィールにおいて、勾配の最大値を最大流量ゲインβとして、線形化効果指標η=α/βを定義したとき、η>0.2となるように構成したものである。

0062

すなわち、本発明においては、線形化の効果指標η>0.2となるように設定することにより、除振特性・制振特性共に、実用上は支障の無い性能が得られる。適用対象による性能不足は、制御系全体のシンセシス(総合設計)で補うことができる。

0063

具体的に、請求項14の発明は、η>0.4となるように構成したものである。
すなわち、本発明においては、線形化の効果指標η>0.4となるように設定することにより、除振特性・制振特性共に十分な性能が得られる。バルブの汎用性は高く、バルブの適用対象に依存しない。

0064

具体的に、請求項15の発明は、前記電磁石は磁性材料である支持軸と、この支持軸を軸芯として巻かれたコイルと、このコイルを収納するように配置された磁性材料である筒部から構成され、前記支持軸と、前記フラッパと、前記筒部とにより閉ループ磁気回路を構成したものである。

0065

すなわち、本発明においては、前記支持軸を磁路の中心として、前記コイルを収納する筒部、前記フラッパにより、閉ループ磁気回路を構成する。磁気回路が軸対称であるために、流体の流れも軸対称にできる。また、これらの部品を収納するハウジング加工性の良い軸対称部品で構成によるシンプルな構造の流体サーボバルブが実現できる。

0066

具体的に、請求項16の発明は、前記支持軸を貫通して流体の供給側、もしくは排気側に連絡する流通路を形成して、前記ノズルは前記流通路の前記フラッパ側開口端に設けたものである。

0067

すなわち、本発明においては、コイルを外周部に収納する支持軸を貫通して流通路を形成し、かつ流通路の前記フラッパ側開口端にノズルを設けることにより、閉ループ磁気回路に影響を与えることなく、シンプルな構成で流体サーボバルブを実現できる。

0068

具体的に、請求項17の発明は、前記ノズルが2ケ所に設けられており、一方のノズルが流体の供給側に設けられて順方向ノズルとして構成され、他方のノズルが流体の排気側に設けられて逆方向ノズルとして構成され、前記順方向ノズルと、前記逆方向ノズルと、前記フラッパとが双方向ノズルフラッパ弁を構成しており、 前記順方向ノズル、もしくは、前記逆方向ノズルは前記支持軸を貫通して形成された流通路の前記フラッパ側開口端に設けたものである。

0069

すなわち、本発明においては、前記支持軸を利用して流路となる貫通穴(流通路)を形成し、かつ2つのノズルの一方を貫通穴の前記フラッパ側開口端に設けることで、前記ノズルを装着しやすく、前記ノズルの突出量の調整が容易である。あるいは、前記ノズルを支持軸に貫通した流路のフラッパ側端面に、機械加工により直接形成する場合でも、突出量を高い加工精度で形成できる。本構成により、流路抵抗が小さく、シール性漏れ防止)が良い流路構成ができる双方向フラッパによるノズルフッパ弁を実現できる。

0070

具体的に、請求項18の発明は、前記順方向ノズルが設けられ、流体の供給源側に繋がる流路が形成された供給側ハウジングと、前記逆方向ノズルが設けられ、流体の排気側に繋がる流路が形成された排気側ハウジングと、前記フラッパと前記供給側ハウジングの前記フラッパ対向面の間に形成される空間である供給側空隙部と、前記フラッパと前記排気側ハウジングの前記フラッパ対向面の間に形成される空間である排気側空隙部と、を具備し、前記フラッパに前記供給側空隙部と前記排気側空隙部を連絡する流通穴を形成したものである。

0071

すなわち、本発明においては、独立した密閉空間である前記供給側空隙部と前記排気側空隙部を連絡する流通穴を前記フラッパに形成することにより、2つの密閉空間は圧力差の無い共有空間(制御室)となる。その結果、前記フラッパに圧力差による軸方向荷重が加わらない構成にできる。

0072

具体的に、請求項19の発明は、前記フラッパが、板状をなし、前記ノズル側へ変形可能に構成された弾性変形部を具備するように構成したものである。

0073

すなわち、本発明においては、前記磁気経路部を前記第1磁極近傍に形成し、前記弾性支持部を閉ループ磁気回路から外れた前記フラッパ外周部固定側に形成することで、磁気吸引力特性と無関係にフラッパの支持剛性を設定できる。

0074

具体的に、請求項20の発明は、前記電磁石が、前記フラッパと対向する端面に形成された磁極を具備し、前記フラッパが、板状をなし、中央部で前記磁極と対向するとともに、前記弾性変形部が、前記フラッパにおいて当該フラッパの中央部と前記フラッパ支持部材の間に形成された厚み方向に貫通する貫通穴により形成したものである。

0075

すなわち、本発明においては、前記弾性支持部に弾性変形し易い螺旋形状ばね、あるいは雲形ばねを適用することで、前記フラッパの支持外径を小さくでき、バルブ本体の径小化が図れる。

0076

具体的に、請求項21の発明は、前記支持軸の前記フラッパ側端面に、前記支持軸に設けられた前記ノズルの開口端と連絡する半径方向流通路を形成したものである。

0077

すなわち、本発明においては、前記支持軸の前記フラッパ側端面に、前記ノズルの開口端と連絡する半径方向流通路を形成することで、前記支持軸端面と前記フラッパ側端面間の隙間を十分に小さく設定できる。そのため、支持軸端面からの前記ノズルの突出量は小さくてよく、フラッパと磁極(支持軸端面)間の初期ギャップを小さくできるため、小さな電流で大きなフラッパ最大変位(最大流量)を得ることができる。

0078

具体的に、請求項22の発明は、磁束が前記弾性支持部を迂回する磁路で、かつ外径がコイル径よりも小さいバイパス部材と第2磁極を、前記閉ループ磁気回路内に形成したものである。

0079

すなわち、本発明においては、閉ループ磁気回路を形成する第2磁極を、たとえばコイル外径よりも小さな内径リング形状で設けて、かつ前記弾性支持部を迂回する磁路となるバイパス部材と連結することにより、ディスク外径を径小化しても十分な吸引力を得ることができてバルブ本体の小型化が図れる。

0080

具体的に、請求項23の発明は、横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造が、前記ノズルと前記フラッパとの間に形成されており、前記環状流路形成構造が、前記概略環状の流路の外側境界を形成する筒状の内周面と、前記内周面に対して半径方向に離間させて挿入される挿入体とからなるものである。

0081

すなわち、本発明においては、前記環状流路形成構造が前記ノズルと前記フラッパとの間に形成されているので、前記環状流路形成構造により形成される流路の軸方向の長さは、前記フラッパの移動により変化することになるので、通常のノズルフラッパ弁とは異なる流量特性を得ることができる。たとえば、電流に対する流量の勾配が極めて小さい区間を有するバルブが構成できる。

0082

具体的に、請求項24の発明は、前記順方向ノズルと前記フラッパとの間、前記逆方向ノズルと前記フラッパとの間にそれぞれに前記環状流路形成構造が形成されており、流体は供給源側から前記順方向ノズルを通過して、前記フラッパが収納される空間である制御室へ流入し、この制御室から前記逆方向ノズルを通過して流体の排気側へ流出するように構成されていることを特徴とする。

0083

すなわち、本発明においては、例えば前記フラッパの可動範囲の概略中間位置(動作点)で、供給側挿入体のノズル側端面は供給側ノズルの開口端と近接した状態にし、前記供給側ノズルから前記制御室に流入する流体の流れは、粘性流領域からポテンシャル流領域に移り変わる遷移領域にすることができる。また、前記制御室から前記排気側ノズルに流入する流体の流れも、同様に遷移領域にすることができる。そのため、フラッパ変位に対する流量特性は前記フラッパの変位量に対して下に凸の曲線にできる。したがって、バルブの前記動作点において、流体の供給源側から排気側に流出する定常状態における流量を充分に小さくすることができる。

0084

具体的に、請求項25の発明は、前記筒状の内周面が、前記ノズルの先端部の内周面であり、 前記挿入体が、前記フラッパの面板部に形成された概略円錐形状の凸部であることを特徴とする。

0085

すなわち、本発明においては、電流値に対するノズルフラッパ間の流路面積がなだらかに変化するように、ノズルと勘合するフラッパ側凸部をテーパ形状にすることで、電流値に対する流量特性を線形性に優れた特性にすることができる。

0086

具体的に、請求項26の発明は、前記電磁石と前記フラッパを少なくとも含むように構成された閉ループ磁気回路を用いて、かつ、前記ノズルと前記電磁石間の最大ストロークを0.5mm以上に設定したものである。

0087

すなわち、本発明においては、磁気飽和現象をさらに積極的に利用することにより、電流に対するフラッパの変位特性の線形性を失うことなく、フラッパのストロークを大幅に増大することができるという点を利用したものである。フラッパが大きなストロークで駆動できるため、フラッパの凸部と、ノズル側オリフィス勘合状態を、フラッパの軸方向移動により調節できる部品の構成と加工が可能となる。

0088

具体的に、請求項27の発明は、流体供給源に流路が連絡したノズルと、前記ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパを支持するフラッパ支持部材と、前記フラッパの面板部に対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、を備え、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変位させて、前記ノズルの先端部と前記フラッパの面板部との離間距離を変化させるように構成され、前記フラッパを収納する空間である制御室内で、前記フラッパとその対向面の固定側壁面の間に形成された概略一定圧力を保つ定圧室から構成したものである。

0089

すなわち、本発明においては、前記フラッパと前記固定側ハウジングの間に形成された概略一定圧力を保つ定圧室を設けることで、フラッパの前後に加わる圧力差による荷重と電磁石吸引力平衡するため、電磁石の入力電流に対する制御圧力が比例関係になるようなバルブ特性を得ることができる。

0090

具体的に、請求項28の発明は、断面視において磁性材料部材を概略多角形形状に連結して閉ループ磁気回路を形成し、前記磁性材料部材のそれぞれは、電磁石のコイルを巻く鉄芯、ヨーク材、フラッパで構成したものである。

0091

具体的に、請求項29の発明は、前記磁性材料部材の一つの端部に磁極を形成し、その対向面に間隙を介して前記フラッパを配置したものである。

0092

具体的に、請求項30の発明は、前記磁性材料部材の一つを貫通して流体の供給側、もしくは排気側に連絡する流通路を形成して、前記ノズルは前記流通路の前記フラッパ側の開口端に設けたものである。

0093

具体的に、請求項31の発明は、請求項1又は3で記載される流体サーボバルブと、前記制御対象物の変位及び又は振動状態を検出するセンサと、このセンサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記制御対象物の変位、速度、加速度などを制御する気体圧力を前記空気圧アクチュータに与える制御手段から構成したものである。

0094

すなわち、本発明においては、油圧サーボ技術から派生的に生まれた従来の空気圧サーボバルブの複雑な構造が大幅に簡素化できることで、性能を低下させることなく、構造と制御面でのシンプルな構成による空気圧サーボ装置が実現できる。

0095

具体的に、請求項32の発明は、前記フラッパの1次固有振動数を200Hz以上に構成し、除振対象物を基礎に対して支持する気体ばねと、気体を供給側から前記気体ばねに供給してかつ排気側へ排気する前記流体サーボバルブと、前記除振対象物の振動状態を検出する加速度センサと、この加速度センサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記除振対象物の振動を低減する気体圧力を前記気体ばねに与えるアクティブ制御手段から構成したものである。

0096

すなわち、本発明においては、本実施例バルブの下記特徴、つまり、(1)共振周波数を高く設定できる、(2)小電力でバルブを駆動できる、(3)高速応答性が得られる、(4)構造がシンプルで部品点数が少なく、部品加工、組み立て・調整が容易、などにより、装置全体の大幅な性能向上と、1次固有振動数を高く設定できることから、加速度フィードバックをより効果的に活かせるアクティブ除振台が実現できる。

0097

具体的に、請求項33の発明は、電磁石と、ディスクと、このディスクを固定する支持部材と、前記電磁石、前記ディスク、ヨーク材により閉ループの磁気回路を構成して、前記磁極と前記ディスク間に発生するMaxwell吸引応力で可動され、かつ前記ディスクに固定された出力軸と、前記電磁石と、前記ディスクと、前記支持部材と、前記ヨーク材と、前記出力軸で構成される箇所をマイクロアクチュータ部とし、流体の吸入口と、吐出口と、この吐出口と前記吸入口の間に介在する流路開度調節部から構成される箇所を流体制御部とし、前記マイクロアクチュータ部の前記出力軸と前記流体制御部を連結させて、前記出力軸により前記流路開度調節部を操作することを特徴とする流体サーボバルブであって、前記閉ループ磁気回路を構成する磁性材料部品の磁気特性を、磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する領域を飽和領域と定義して、前記ディスクの作動可能範囲で電磁石に通電する電流値を増大させたとき、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記飽和領域に入るように構成したものである。

0098

すなわち、本発明においては、磁気飽和現象を上記方法で利用することで、電流に対する出力軸の変位特性は、線形性(直線性)の優れた特性を得ることができるという点に加えて、出力軸のストロークを大幅に増大することができる点を利用したものである。50〜100μm程度が限界であった従来のピエゾアクチュータ、超磁歪アクチュータでは得られなかったミリ・オーダーの変位制御が可能である。さらに、ボイスコイルモータ(リニアモータ)と比較しても、推力定数が高く、小電力で駆動できてアクチュータの大幅な小型化が可能である。

0099

具体的に、請求項34の発明は、前記電磁石の中央部を貫通して、前記出力軸が設けられているものである。

0100

すなわち、本発明においては、前記コイルに電流を印加したとき、前記出力軸端部はアクチュエータ本体から突き出る動作をする。したがって、本アクチュータが磁気吸引式であるにも関わらず、従来から広く用いられている圧電型磁歪型アクチュータ等と同様の使い方ができる。

0101

具体的に、請求項35の発明は、変位・速度・加速度センサは前記出力軸の前記電磁石とは反対側の端部に、前記出力軸の変位、速度、加速度等の位置情報を検出するセンサを配置したものである。

0102

すなわち、本発明においては、中心軸が前記外枠部を貫通した構成にすることにより、前記出力軸端部と反対側の空間を利用してセンサを配置できて、センサ内蔵型のマイクロアクチュータをコンパクトに構成できる。

0103

具体的に、請求項36の発明は、前記出力軸は静圧軸受によって半径方向が支持されているように構成したものである。

0104

すなわち、本発明においては、中心軸を支持する軸受に静圧軸受を用いれば、クーロン摩擦静摩擦)の影響から回避できるため、前記出力軸端部は精度の高い変位制御ができる。

0105

具体的に、請求項37の発明は、前記吸入口と前記ノズル開口部間を繋ぐ供給側流路において、前記開口部より上流側に設けられた整流化区間の長さをL、この整流化区間の平均内径をdとして、L/d>4となるように構成したものである。

0106

すなわち、本発明においては、前記フラッパには前記供給側ノズルからの高圧流体墳力が加わり、この流体墳力が前記フラッパを励振させ、異音を発生させ、流量を不安定にするなどの問題を解消するものである。前記供給側ノズル開口部に最も近接した流路径平均値をΦd、流速に急峻な変化を生じさせない長さLの整流化区間を形成して、この長さLを充分に大きく設定することにより、流体墳力がもたらす前記フラッパの不安定現象を解消することができることを見出したものである。

発明の効果

0107

さて、本発明による流体サーボバルブの特徴を列記すれば、
(1)共振周波数を高く設定できる
(2)小電力でバルブを駆動できる
(3)高速応答性が得られる
(4)構造がシンプルで部品点数が少なく、部品加工、組み立て・調整が容易
従来バルブの欠点を大きく解消する本発明バルブにより、今後、空気圧サーボシステムの幅広い普及はおおいに加速すると予想される。その効果は顕著である。

図面の簡単な説明

0108

本発明の実施形態1に係る流体サーボバルブの正面断面図。
実施形態1における円盤形状ディスクであるフラッパの形状を示す図。
実施形態1におけるフラッパと電磁石近傍の拡大図で、図3(a)は図3(b)の上面図、図3(b)は正面断面図。
実施形態1におけるフラッパ、供給側ノズル、排気側ノズルの位置関係を示す部分拡大図で、図4aはコイルに通電する電流値I=0の状態、図4bはコイルに電流が通電された状態を示す図。
電流に対するフラッパ変位特性の解析結果を示すグラフ
電流に対する制御圧力特性の解析結果を示すグラフ。
排気ポートを遮断した状態における、電流に対する制御流量特性の解析結果を示すグラフ。
電流に対する内部リーク流量特性の解析結果を示すグラフ。
本発明の実施形態2の概要を説明するための、電流に対するフラッパ変位特性を示すグラフ。
図10aはディスクを流れる磁束の磁気抵抗を解析的に求めるためのモデル図、図10bはフラッパであるディスクと電磁石を示す正面断面図、図10cは、ディスクを放射状に流れる磁束の流出源である磁束コントロール面を示す図。
本実施例における供試材料の磁気特性の一例で、磁化力に対する磁束密度特性を示すグラフ。
電流に対する磁束密度特性の解析結果を示すグラフ。
電流に対する電磁石吸引力特性の解析結果を示すグラフ。
電流に対するフラッパ変位特性の解析結果を示すグラフ。
排気ポートを遮断した状態における、電流に対する制御流量特性の解析結果を示すグラフ。
電流値に対する流量の実測値を基に、線形化の効果指標を求める方法を示すグラフ。
「線形化の効果指標」を求めるためのバルブの流量特性を実測する一例を示す図。
本発明の実施形態3に係る、凸型円盤形状ディスクによる流体サーボバルブの正面断面図。
実施形態3におけるフラッパと電磁石近傍の拡大図。
電流に対するフラッパ変位特性の解析結果を示すグラフ。
電流に対する発生力の解析結果を示すグラフ。
排気ポートを遮断した状態における、電流に対する制御流量特性の解析結果を示すグラフ。
実施形態3に係る流体サーボバルブにおいて、ディスク形状を凹型円盤形状にした場合の電磁石近傍の拡大図。
本発明の実施形態4に係る流体サーボバルブの正面断面図。
実施形態4において、排気ノズル及び吸気ノズル近傍の部分拡大図で、図25aは図25bのAA矢視図、図25bは図25cのBB矢視図、図25cはコイルに電流が印加された状態を示す図。
電流に対するフラッパ変位特性の解析結果を示すグラフ。
本発明の実施形態5に係る流体サーボバルブの正面断面図。
本発明の実施形態6に係る流体サーボバルブの正面断面図。
磁極を一個だけ設けた前述した第5実施形態の閉ループ磁気回路の拡大図。
第1磁極に加えて第2磁極を補助的に設けた本実施形態の閉ループ磁気回路の拡大図。
電流に対するフラッパ変位特性の解析結果を示すグラフ。
フラッパに空隙部を形成することで、剛性を調節した図。
本発明の実施形態7に係る流体サーボバルブで、図33aは図33cのAA矢視図でスパイラルディスクばねを示す図、図33bは、図33aの部分拡大図、図33cは正面断面図。
図33cのスパイラルディスクばね部の部分拡大図。
磁気経路部の中心部に荷重を加えたときの、スパイラルディスクばねの変形の構造解析結果を示す図。
本発明の実施形態7で、ディスクに雲形ばねを用いた図。
本発明の実施形態8に係る流体サーボバルブで、図37aは図37bの上面図、図37bは正面断面図。
本発明の実施形態9に係る流体サーボバルブの正面断面図。
本発明の実施形態10に係る流体サーボバルブで、図39aは図39bの上面図、図39bは正面断面図。
本発明の実施形態11に係る流体サーボバルブの正面断面図。
本発明の実施形態12に係る流体サーボバルブの正面断面図。
本発明の実施形態13に係る流体サーボバルブの正面断面図。
実施形態13におけるノズルとフラッパの部分拡大図で、図43a、図43b、図43cはノズルとフラッパ間の勘合状態を示す図。
実施形態13における流体サーボバルブの原理を示す図で、図44aにおける図A、図B、図Cはノズルとフラッパ間の勘合状態を示す図、図44bはノズルフラッパ間の隙間に対するバルブ流量を示すグラフ。
実施形態13に係る流体サーボバルブの低消費流量の原理を示す図で、図45aは従来バルブのノズルフラッパ間隙間に対するバルブ流量を示すグラフ、図45bは本発明のノズルフラッパ間の隙間に対するバルブ流量を示すグラフ。
実施形態13における電流に対するフラッパ変位特性の解析結果を示すグラフ。
実施形態13に係る流体サーボバルブにおいて、フラッパ側凸部をテーパ形状にした場合を示す図で、図47a、図47b、図47cはノズルとフラッパ間の勘合状態を示す図。
本発明の実施形態14に係る流体サーボバルブの正面断面図。
実施形態14に係る流体サーボバルブにおいて、図49a、図49b、図49cはノズルとフラッパ間の勘合状態を示す図。
本発明の実施形態15に係る流体サーボバルブの正面断面図。
実施形態15に係る流体サーボバルブにおいて、図50のノズルフラッパ部の拡大図。
本発明の実施形態16を示す正面断面図で、本発明を電空変換器として使用する場合を示す図。
本発明の実施形態17を示す正面断面図で、本発明をパイロット弁として使用する場合を示すバルブの正面断面図。
本発明の実施形態17で駆動される4方案内弁を示す図。
本発明の実施形態18を示す正面断面図で、マイクロアクチュエータ部を示す図。
本発明の実施形態18のマイクロアクチュエータ部に連結されるポペット弁の正面断面図。
本発明の実施形態18のマイクロアクチュエータ部に連結されるスプール弁の正面断面図。
本発明の実施形態19に係る流体サーボバルブの正面断面図。
本発明の実施形態20に係る流体サーボバルブと比較する参考図で、実施形態3におけるノズルとフラッパ部分の拡大図。
本発明の実施形態20に係る流体サーボバルブで、実施形態6におけるノズルとフラッパ部分の拡大図。
磁界強度に対する磁束密度特性が異なる3種類(A、B、C)の磁性材料特性を示す図。
図61のA,B,Cの材料を用いたときの、電流に対するフラッパの変位特性の違いを定性的に示す図。
中心軸に磁気飽和現象を調節するための、磁路面積の小さな箇所を設けた場合を示す電磁石を示す断面図。
アクティブ制御におけるスカイフック理論を説明するモデル図で、図64aは空中に張られた架空の線に物体を宙吊りした状態を示す図、図64bは物体をアクチュータで支持して、加速度センサを配置した図。
空気圧アクチュエータを用いた除振装置の除振性能をモデル的に示すグラフ。
アクティブ制御除振台の解析モデルの一例を示すブロック図。
アクティブ制御除振台の開ループ伝達特性の解析結果の一例を示す図で、図67aは周波数に対するゲイン特性図67aは周波数に対する位相特性を示す図。
従来の流体サーボバルブを搭載したアクティブ除振台を示すモデル図。
従来の流体サーボバルブを示す図で、図69aは正面断面図、図69bは側面断面図。
従来の流体サーボバルブをモデル化した図。
リニアモータを用いた従来提案流体サーボバルブの正面断面図。

実施例

0109

<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態1に係る空気圧サーボバルブの正面断面図である。
10は磁性材料である筒部形状の中心軸(支持軸)、11はこの中心軸の底部、12は前記中心軸と同芯円で形成された外枠部、13は前記中心軸に装着された非磁性材料コイルボビン、14は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。中心軸10、外枠部12、コイルボビン13、コイル14により、フラッパ(後述)の面板部を吸引して、その変位を制御する電磁アクチュエータ(電磁石)を構成している。15は外枠部12を収納する筒形状のハウジング、16は前記ハウジングの側面に締結される排気側底板、17は底部11と排気側底板16を締結するボルト、18はハウジング15と排気側底板16を締結するボルト、19は中心軸10に形成された気体(作動流体)の排気側流通路、20は排気側底板16に形成された吐出口である。21は供給側底板、22は前記供給側底板の中心部に形成された気体の供給側流路、23は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる気体の制御側流路である。24は円盤ディスク形状のフラッパでボルト25によりハウジング15と供給側底板21の間に装着される。すなわち、前記ボルト、前記ハウジング、前記供給側底板がフラッパ支持部材であり、前記フラッパ24の外縁部を挟み込んで固定して外縁部については動かないようにしている。26はフラッパ24と供給側底板21の壁面間に形成される供給側空隙部、27はフラッパ24と排気側壁面(コイルボビン13、ハウジング15等)の間に形成される排気側空隙部である。

0110

図2に示す円盤ディスク形状のフラッパ24において、28a、28b、28c、28dは供給側空隙部26と排気側空隙部27を連絡するフラッパに形成された流通穴(電磁石には28b、28dは図示せず)である。29は供給側ノズル(順方向ノズル)、30は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。31は中心軸10のフラッパ側端面(中心軸端面で第1磁極)、32は外枠部のフラッパ側端面(外枠部端面で第2磁極)である。供給側空隙部26と排気側空隙部27、及び、制御側流路23で形成される空間が本バルブの制御室33、34は吸入口である。ちなみに、前記フラッパという呼称は、従来バルブのモデル図64に示すように、一般には揺動運動する平板イメージがある。本実施例を含む本発明では、ノズルの対向面に配置されて、ノズルとの間で流体の流路面積を調節する部材を、その部材形状に関わり無くフラッパと呼ぶことにする。

0111

後述する実施例も同様であるが、本実施例では前記磁極(第1磁極と第2磁極)の中心線上で、かつ前記磁極側に排気側ノズルを配置し、さらに前記フラッパを介在して前記磁極の反対側に供給側ノズルを配置している。

0112

図3a、及び図3bは電磁アクチュエータ近傍の拡大図で、図3aは上面図、図3bは正面断面図である。図中の矢印を有した点線は、コイル14に通電することで発生する磁束を示すもので、この磁束により、「第1磁極31→空隙部27→フラッパ24→空隙部27→第2磁極32→外枠部12→底部11→中心軸10」の閉ループ磁気回路が形成される。但し、コイル14に流す電流の方向が逆の場合、上記磁束の向きは逆になる。ここで、磁気回路を流れる磁束をФ、中心軸端面31(第1磁極)のリング形状面積をS1、外枠部端面32(第2磁極)のリング形状面積をS2、空気の透磁率をμ0とすれば、Maxwellの応力によるフラッパ24の面板部に働く吸引力Fは、

0113

吸引力Fによりフラッパが変位して、フラッパに働く円盤ばね反力とこの吸引力Fが平衡する。磁束Фはコイル14に通電する電流値に比例するために、電流を可変させることにより、フラッパ変位、即ちノズルとその対向面間の隙間(離間距離)を調節できる。

0114

図4はフラッパ24と供給側ノズル29、排気側ノズル30の位置関係を示す部分拡大図で、図4aはコイルに通電する電流値I=0で、フラッパ24が供給側ノズル29先端を遮蔽している状態、図4bはコイルに電流が通電されて、フラッパ24が供給側ノズル29と排気側ノズル30の中間にある状態を示す。図4aにおいて、X0はフラッパ24と第1磁極31間の隙間(初期ギャップ)、δn は第1磁極31端面に対する排気側ノズル30先端部の突出量、δaは排気側ノズル30先端部とフラッパ24間の隙間(流路長さ)であり、フラッパ24の最大ストロークである。実施例では、コイル14に通電する電流値I=0のときは、図4aに示すごとく、フラッパ24が供給側ノズル29先端を遮蔽するように各部材の位置関係を設定している。コイル14に電流が印加されると、図4bに示すように、フラッパ24は供給側ノズル29先端から離れる。ここで変位Xは、フラッパ24が初期ギャップX0の位置から排気ノズル30側への移動量である。以降の実施例においても、「変位Xは初期ギャップX0の位置からの移動量」として定義する。

0115

図5は、同図中に記載された設定条件の基で、電流値Iに対するフラッパ変位Xを示すものである。解析方法
i.磁極とフラッパ間のギャップ(X0-X)を与えて、磁場解析により吸引力Fを求める
ii.上記吸引力Fとフラッパの支持剛性Kからフラッパ変位Xを求める
iii.磁束コントロール面における磁化力Hと磁束密度B関係(図11)を考慮しながら、上記i.ii.を連成問題として収束計算をする。

0116

上記のステップi.〜iii.を経て求めたものである。但し、上記iii.について詳細は後述する。図5のグラフから、I=0.02AのときX=0.045mmである。ここでI=0.02Aのとき、フラッパ24が排気ノズル30を遮蔽するように設定すれば、フラッパの最大ストロークXmax=δa=0.045mmである。したがって、ノズル突出量δn = X0-δa =0.250-0.045=0.205mmに設定すればよい。

0117

以下、各ノズルとフラッパ間のギャップを与えたときの、本実施例サーボバルブの圧力・流量特性を求める。サーボ弁のノズルを通過する気体の質量流量は、圧縮性流体の等エントロピ流れにおけるノズルの式(4)(5)を用いる。ノズルフラッパ間の開口面積は、ノズル先端とフラッパ間で形成される環状の流路面積であり、ノズル内径をdとして、供給側開口面積ain=dπX、排気側開口面積aout=dπ(δa-X)である。以下、供給源側から空気室に流入する気体の質量流量Ginを次式に示す。ここで、Psは供給源圧力、Paはサーボバルブの制御室圧力、ρsは供給源気体密度κ比熱比である。

0118

但し、Pa/Ps<{2/(κ+1)}2/(κ-1) のときは

0119

0120

前記制御室から大気側へ流出する気体の質量流量Goutは、式(4)、(5)において、Ps→ Pa、Pa→ P0、ρs→ρa、aout=dπ(δa-X) とすればよい。Vcは制御室33の容積、Rは気体定数である。この質量流量Gin、Goutにより、制御室33の圧力Paは、次式で求められる。

0121

0122

図6は、実施形態1に係る空気圧バルブにおいて、電流値に対する定常状態における制御圧力の解析結果を示すものである。制御圧力とは、制御側流路23に繋がる供給側空隙部26と排気側空隙部27で形成される制御室33の圧力Paである。解析条件は、供給圧力PS=0.6MPa(abs)、大気圧P0=0.1MPa(abs)、供給側ノズル29と排気側ノズル30のノズル内径は共にΦ1.2mmである。

0123

図7は、排気ポートを遮断した状態における、電流に対する制御流量特性を示すものである。電流値に対する制御流量特性の曲線のプロフィールは、図5の電流値に対するフラッパ変位特性のそれにほぼ一致する。

0124

図8は、上記空気圧サーボバルブにおいて、電流値に対する内部リーク流量を示すものである。ここで内部リーク流量とは、バルブの制御側流路23を遮断した状態における排気側流路19からの流量QLとして定義する。
電流値に対するフラッパ変位の図5のグラフにおいて、電流値I=0.0118Aで変位X=0.02mmであり、フラッパ27は供給側ノズル29と排気側ノズル30の概略中間にある。このとき、図7に示す内部リーク流量QLは最大値を示すことが分かる。

0125

さて、本実施例バルブの特徴を列記すれば、次のようである。
(1)共振周波数を高く設定できる
(2)小電力でバルブを駆動できる
(3)高速応答性が得られる
(4)構造がシンプルで部品点数が少なく、部品加工、組み立て・調整が容易
上記(1)の理由は次の様である。ここで、フラッパの可動質量をm、このフラッパを支持するばね定数をKとすれば、共振周波数f0 は

0126

0127

前述したように、従来サーボバルブ(図69)において、剛体であるフラッパ506は揺動運動をするため、前記フラッパの質量mは大きくならざるを得ない。そのため、前記フラッパを支持するバネ剛性Kを高く設定することで、共振周波数f0 [式(7)]を高く設定している。フラッパ支持のバネ剛性Kが大きいと、フラッパを駆動するためには大きな力を必要とする。前述したように、従来サーボバルブの場合、フラッパを駆動する力は、式(2)に示すように、F∝Φ1Φ2 であった。つまり電磁コイルの発生する磁束Φ1を永久磁石が発生する磁束Φ2 で増幅させることで、大きな駆動力を得ているのである。

0128

しかし、本実施例の場合、電磁コイルの発生する磁束Φ1だけがフラッパ弁を駆動する力となる。にもかかわらず、高い共振周波数が得られる理由は次のようである。

0129

本研究において、バルブのフラッパに相当する部材を薄いディスク形状にすると、慣性負荷となる可動部の有効質量mはノズル先端近傍における弾性変形部分のみとなる点に注目した。すなわち、従来サーボバルブは質量mの剛体であるフラッパがバネで支持されているのに対して、本発明サーボバルブはフラッパ自身が弾性体(バネ)である。表1は、可動部の有効質量、フラッパ支持のばね剛性、共振周波数について、本実施例バルブと従来フラッパ弁(一例)を比較したものである。本実施例における可動部の有効質量mは、ばね剛性Kと共振周波数f0 の実測値から、式(7)を用いて求めた。また、従来例サーボバルブの可動部であるフラッパ(図69のフラッパ506に相当)は揺動運動するため、慣性負荷となる有効質量は実測値(5g)の1/2と仮定した。

0130

0131

表1から、本発明の実施例バルブは、従来バルブと比べて同等以上の共振周波数を有するにもかかわらず、可動部の有効質量は約1/7、ばね剛性は約1/4である。フラッパを支持するばね剛性を十分に小さくできるために、本実施例バルブは、高い共振周波数を有するにもかかわらず、電磁石のみでフラッパを駆動することができる。永久磁石と電磁石の両方を必要とする従来の空気圧サーボ弁は、図69a、図69bに示すように、永久磁石と電磁石のそれぞれの磁気回路を形成するためのヨーク材が直交して配置される3次元構造で、かつアクチュータ部と流体制御部は分離して構成されている。そのため、構成の複雑さと必要部品点数の多さゆえに、フラッパとノズル間の位置調整が難しく、またコストが高いという課題があった。

0132

上記(2)の理由は次の様である。本発明のサーボバルブが小電力(小電流)で駆動できる理由は、駆動源導体表面に働くMaxwellの応力を利用しているという点にある。通常は、0.1mm〜数mmオーダーの微小変位直動運動させるアクチュエータとして、ボイスコイルモータ(リニアモータ)が使用される。前述した特許文献4においても、上記ボイスコイルモータを利用したサーボバルブが考案されている。しかし、ボイスコイルモータはローレンツ力を利用しており、大きな推力定数(電気機械変換効率)は得られない。本実施例は、空気圧サーボバルブという限定された対象ならば、ローレンツ力よりもはるかに推力定数の高いMaxwellの応力が利用できるという点を利用している。本実施例の推力定数を、市販されているボイスコイルモータと比較した一例を表2に示す。

0133

0134

表2から、本実施例バルブのアクチュータの推力定数は、ボイスコイルモータと比べて20倍以上である。上記理由により、本実施例サーボバルブを駆動する電源容量は十分に小さく、かつ小電流でよい。ちなみに、本実施例の推力定数は、電流に対する変位特性を示す図5のグラフを用いて、最大変位におけるばねの反力(F=1.92×104×4.5×10-5)に最大電流(Imax=0.02A)を除して求めたものである。

0135

上記(3)の理由は、上記(1)(2)の本実施例バルブの特徴から、必然的に導かれるものである。すなわち、慣性負荷mとばね負荷Kが小さく、かつ電気機械変換効率が高いために、コイルの巻数も少なく、電気回路におけるインクダンスも小さい。したがって、入力電流に対するフラッパ変位(流量)の伝達特性は、十分に高い応答性を得ることができる。

0136

上記(4)の理由は次の様である。油圧サーボ技術から派生的に生まれた従来空気圧サーボ弁(図69図70参照)が、アクチュータ部と流体制御部が分離構造であるのに対して、本実施例は、アクチュータ部と流体制御部は一体化構造である。後述する実施例も同様であるが、本実施例におけるアクチュータ部は、前記電磁アクチュエータ部(電磁石)、前記フラッパ、前記フラッパ支持部材(筒形状のハウジング、供給側底板21)から構成される。また、流体制御部は前記フラッパ、前記ノズル、前記吸入口を含む供給側流路22、前記吐出口を含む排気側流路19、前記支持部材で構成される。ノズル部の拡大図を示す図4a、図4bにおいて、前述したように、図4aはコイルに通電する電流値I=0の状態、図4bはバルブの駆動状態を示す。本発明において、アクチュータ部と流体制御部を一体化構造にできる理由は、磁気吸引作用が有効利用できる磁極とフラッパ間の磁気ギャップ最大値X0と、エアーサーボ弁として有効利用できるノズルとフラッパ間のエアーギャップδa(流路長さ)の最大値が0.05〜0.20mmと同オーダーであることに着目したものである。エアーギャップδmに対する磁気吸引力の特性は非線形であり、上記最大値を超えると、磁気吸引力は通常では大幅に低下する。ノズルフラッパ弁の場合も同様に、流量を線形に可変できるエアーギャップδaは、通常上記範囲が限界である。さらに本実施例では電磁アクチュエータの中心軸10を筒部形状にして、エアーの排気側流通路19を形成している。この構成により、双方向フラッパによるノズルフラッパ弁の大幅な簡素化を図ることができる。ちなみに、実施例では、図4aはコイル電流値I=0において、供給側ノズル29はフラッパ24によって遮断された状態になるように、供給側ノズル29とフラッパ24の位置を設定した。これは停電時、アクティブ制御が不能となった場合に、空気圧アクチュエータ(図示せず)への高圧空気の流入を遮断する安全機能(フェルセーフ機能)である。

0137

さらに本実施例バルブは、すべて軸対称部品で構成されている。そのため、すべての部品は旋盤加工のみで製作できて、部品点数も少なく、組み立て後の調整も簡素化できた。本実施例バルブが軸対称で構成できる理由は、前述したように、前記磁極(第1磁極と第2磁極)の中心線上で、かつ前記磁極側に排気側ノズルを配置し、さらに前記フラッパを介在して前記磁極の反対側に供給側ノズルを配置しているからである。但し、排気側ノズルと供給側ノズルの位置は逆でもよい。

0138

また前述したように、供給側空隙部26と排気側空隙部27、及び、制御側流路23の各空間の総和が空気圧アクチュータに繋がる制御室33の総容積Vcとなる。この容積Vcの大きさが、アクティブ制御(流体サーボ)を施す上で、制御性能(応答性)に重大な影響を与えるために、容積Vcは極力小さい方が好ましい。本実施例のバルブは、軸対称部品で構成されるために、隙間δt1とδt2を狭く構成でき、3次元構造で構成されるバルブ(後述)と比べて、コイルを収納する空間を必要としないため、制御室33の総容積Vcは十分に小さくできる。

0139

<第2の実施形態>
電磁石に電流を印加して、Maxwellの全応力Tによる可動部の磁気吸引作用を利用する機器を想定する。図9のグラフAの場合、電流に対する可動部の変位特性は、電流値の増大に伴い変位が急峻に立ち上がる非線形な特性となるため、ON/OFF的な機能を要する機器(リレー等)に使用される場合が多い。しかし、本研究の過程において、フラッパに相当する可動部に適切な磁性材料と薄いディスクを用いると、電流に対するフラッパの変位特性は、図9のグラフBに示すように、線形性(直線性)の優れた特性を得ることができることがわかった。この効果は偶然発見により、見出したものである。本研究が見出したこの現象を理論的究明し、ノズルフラッパ弁への適用可能性を評価するために、以下に示す理論解析をおこなった。

0140

1.理論解析
図10は、実施形態1における空気圧サーボバルブの構造(図1)をモデル化したもので、図10aはディスク(フラッパ)の部分断面図、図10bは空気圧サーボバルブのモデル化した正面断面図、図10cは後述する最大磁束コントロール面を示す図である。図10bにおいて、210は中心軸、211は空隙部、212はフラッパ、213は外枠部である。上記モデル図10bにおいて、コイルの通電によって発生する磁束Φは、前述したように、「中心軸210→空隙部211→フラッパ212→空隙部211→外枠部213」の経路を経て閉ループを描く。ここで、ディスクを放射状に流れる磁気回路の磁気抵抗を求める。図10a、図10bにおいて、半径方向Δrの部分の磁気抵抗ΔReは

0141

式(8)において、hはディスク(フラッパ)の厚み、μ0は空気の透磁率、μsはディスク材料比透磁率である。半径r=r1からr=r2までの全抵抗を求めると

0142

上記ディスクの磁気抵抗以外の磁気抵抗を として、磁束Φは

0143

0144

式(10)において、Nはコイルの巻数、Iはコイルに流す電流値である。また、 は前記フラッパと磁極間の2つの空隙部211、中心軸210、外枠部213、底部の各磁気抵抗の総和である。図11は、本実施例における供試材料の磁気特性の一例で、磁化力(磁界強度)Hに対する磁束密度B特性を示すものである。磁化力Hに対して磁束密度Bが比例して増加する 0線形領域、磁化力Hに対して磁束密度Bの勾配が大きく低下するH>Hcの範囲を磁気飽和領域と定義する。ちなみにHcは、0包絡線Aと、H>Hcの領域にあるBH特性の包絡線Bの交点から求められるものである。Hcを線形領域と磁気飽和領域の磁化力境界値、H=Hcのときの磁束密度を磁束密度境界値Bcと定義する。図11の磁性材料特性の場合は、Hc=1500AT/m、Bc=1.5Wb/m2である。
磁束Φが流れる閉ループ磁気回路に、磁路面積Scの極度に狭い箇所があれば、その箇所において、磁束密度(B=Φ/Sc)は最も大きい。すなわち、この箇所において、磁化力Hが所定の値を超えれば、磁束密度Bは磁気飽和する。磁気飽和したときのB=Bmaxとすれば、磁束の大きさは、Φ<S・Bmaxの範囲で抑制される。

0145

図10cにおいて、半径r=r1 、厚みhのリング形状の側面(磁路面積Sc=2πr1h)に注目する。この部分はディスクを放射状に流れる磁束の流出源(あるいは流入源)とも言うべき箇所で、磁気飽和現象を調節する箇所(以下、最大磁束コントロール面と呼ぶ)である。この箇所における磁束密度は

0146

上式から、最大磁束コントロール面の磁路面積Sc(=2πr1h)が極度に小さい場合、磁化力Hが所定の値を超えれば、すなわちH>Hcならば、グラフ(図11)の曲線に沿って磁束密度、及び磁束は磁気飽和し、フラッパ(図10bの212)に働く吸引力F(式3)も抑制される。

0147

図12図15はディスクの板厚hを各種変えた場合について、電流値に対する磁束密度Br1、電磁石の吸引力F、フラッパ変位X、制御ポートからの流量Qを、前述した解析方法で求めた解析結果である。解析条件は、図12のグラフ中に記載しているように、フラッパの支持剛性が一定となるように、フラッパ支持部の半径r3の値を設定している。図12の電流値に対する磁束密度Br1の特性に注目すると、

0148

a.ディスク厚みが厚くh=0.5mmの場合、電流値が大きくなると、I=Ic(=0.017A)近傍から磁束密度Br1は急峻に増大する非線形な特性を示す。I>Icの領域では、磁束密度Br1は飽和して一定値Br1=1.7Wb/m2(図11参照)に収束する。
b.ディスク厚みが薄くh=0.2mmの場合、電流値に対する磁束密度Br1は全領域で線形な特性を示す。

0149

上記b.の場合、0磁束密度Br1は、上記i.の場合と比べて大きい。
I>Icの領域で磁束密度が上昇後、なだらか抑制されるのは電流値がIcに達した段階
で、磁束密度Br1は既に磁気飽和と同レベルの値まで増大しており、この段階からBr1は磁気飽和領域に入るからである。したがって、(1)磁路面積(ディスク厚み)を小さくして、電流値が小さい段階から磁束密度を高くする。(2)磁束密度が急峻に増大する電流値Icの近傍で、磁気飽和が始まるようにする。上記(1)(2)により、電流値に対する磁束密度Br1特性は、線形領域から磁気飽和領域になだらかに移行して、極めて線形性に優れた特性となる。線形性に優れた磁束密度特性は、変位特性、流量特性等の線形性にも反映される。

0150

本研究で得られた上記知見を用いて、図13図15の電流値に対する電磁石吸引力、フラッパ変位、及び流量特性の特徴について説明する。図13はディスクの板厚hを各種変えた場合について、電流値に対する電磁石吸引力(=ディスクばねの復元力)を求めたものである。電流値に対する電磁石吸引力特性の曲線プロフィールは、後述する電流値に対するフラッパ変位特性の曲線プロフィール(図14)とほぼ一致する。図14の電流値に対するフラッパ変位特性において、h=0.5mmの場合、I>Icでフラッパ変位が一定値X=0.25mmを保つのは、フラッパと第1磁極間の最大隙間(初期ギャップ)をX0=0.25mmに設定しているからである。(図4参照)h=0.2〜0.3mmのとき、電流値に対してフラッパ弁変位特性(及び流量特性)はほぼ直線的に変位し、制御性の観点から理想的な特性が得られる。前述したように、この条件はアクティブ除振台に適用される空気圧サーボバルブに要求される3つ目条件、すなわち、(3)「線形性・・・バルブ駆動電流に対する発生圧力が直線的比例関係にある」を満足させるものである。h>0.35の場合、電流値が大きくなると、I=Ic(=0.017A)近傍からフラッパ変位は急峻に増大して、非線形な特性を示す。

0151

図15は、フラッパ変位特性のグラフを求めた解析条件(図14に記載)の基で、ノズルの流出流量を求めたものである。これは、図1のサーボバルブにおいて、排気側流路20を遮断して、制御側流路を大気開放した相当する。解析条件は、供給圧力PS=0.6MPa(abs)、大気圧Pa=0.1MPa(abs)、供給側ノズル29のノズル径はΦ1.2mmである。図14図15の比較から、フラッパ変位特性とノズルの流量特性の曲線プロフィールはほぼ同一であることがわかる。

0152

要約すれば、フラッパ(ディスク)を薄い板厚の弾性体構造にすることにより
a.可動部の有効質量を小さくして、共振周波数を上げる。(表1参照)
b.磁気飽和現象の利用により、電流に対する流量特性の線形性を向上させる。
上記a.b.の相乗効果をもたらすのである。

0153

2.線形化の効果指標と実測による評価
ここで、バルブ駆動電流に対するフラッパの変位(流量)特性における「線形化の効果指標」を定義する。図16は電流値に対する流量の実測値を基に、「線形化の効果指標」を求める方法を示すモデル図である。バルブは電流値:0(a点)<I<Imax(d点)の範囲で駆動されるものとする。本実施例バルブの場合、電流値に対する磁気吸引力は非線形であるために、電流値が小さい領域では電流値に対して吸引力はゆるやかに上昇し、電流値の増加と共に急峻に増大する。しかし、電流値がさらに増大して磁気飽和の領域に入ると、磁束Φ(及び吸引力F)の増大は抑制される。その結果、電流に対する流量特性(フラッパ変位特性)のプロフィールは、電流値が低い領域では下に凸、電流値が高い領域では上に凸の曲線になる。ここで、「下に凸の曲線」から「上に凸の曲線」に移り変わる変極点Eを、2つの包絡線BbとCdの交点から求める。電流に対する流量特性の曲線をAaとして、上記Bb(一点鎖線)は曲線Aaが下に凸の領域の包絡線である。また、上記Cd(一点鎖線)は、曲線Aaが上に凸の領域の包絡線である。包絡線BbとCdの交点が上記変極点Eである。変極点EのX軸座標をc、包絡線BbがX軸と交差するX軸座標をbとする。また、曲線AaのI=Imax(d点)におけるY軸との交差点をFとする。交差点Fと原点(0,0)を結ぶ直線(鎖線)をDaとする。包絡線Bbの勾配QE/Ibc(角度β)が本バルブの流量ゲイン(電流に対する流量の比)の最大値である。直線Daの勾配QF/Iad(角度α)を流量ゲインの基準値とする。ここで、「流量ゲインの最大値」に対する「流量ゲインの基準値」の比を、線形化の効果指標ηとして、次のように定義する。

0154

η=1のとき、曲線Aaは直線Daと一致して、電流に対して流量は正比例の関係となり、線形性の評価はベストとなる。

0155

さて、サーボバルブの電流に対する流量特性に線形性が要求される理由は次ぎのようである。サーボバルブは流体サーボ装置(アクティブ除振台)の制御系を構成する一要素であるため、電流の変化分に対する流量の変化分の比率:KQ=δQ/δIは流量ゲインとして、開ループゲインKLの中に組み込まれる。即ち、サーボバルブ以外で制御要素ゲインをKXとして各要素を結合すると、KL=KX・KQである。たとえば、安定性に対する周波数応答法を用いた裕度設定の一例として
(1)ゲイン余裕は10dB以上
(2)位相余裕は45deg以上
などの調整条件生産現場において適用されている。サーボバルブの流量ゲイン最大値が電流値I=Imax 近傍でKQMAXの場合、アクティブ除振台全体の安定性裕度を見込むための開ループゲインKLは、上記最大値KQMAXで決定せざるを得ない。しかし、サーボバルブの動作点は、通常は駆動電流範囲の中間位置近傍(I≒Imax/2)で使用される場合が多い。そのため、電流に対する流量特性が非線形である程、動作点において必要以上に過剰なゲイン余裕を設定することになる。この場合、アクティブ除振台は最も使用時間の長い動作点において、本来有する十分な性能を発揮できない。したがって、サーボバルブの電流に対する流量特性が線形であるほど、制御系は適切な安定度(ゲイン余裕、位相余裕)を設定できるのである。

0156

さらに補足すれば、サーボバルブの電流に対する発生圧力(発生力)の特性が線形性を有するのが好ましい。これは、本サーボバルブをアクティブ制御装置に適用したときに要求される条件である。前述したように、フィードフォワード制御は外乱が既知であって始めて成立する。上記ステージFF制御を施すためには、既知であるステージ挙動信号を用いる。フィードバック制御により定盤の自由振動が収束する時間は改善されるが、ステージ加減速の瞬間の応答まで低減するのは難しい。ステージFF制御を用いて、直動外乱を効果的に相殺するためには、ステージの加速度信号を逆位相で再現する、精度の高い発生力の波形を作る必要がある。そのためには、バルブ駆動電流波形と発生圧力の波形が相似形になるように、すなわち、バルブ駆動電流に対する発生圧力(発生力)の特性が、動作点を中心に広い範囲で線形性を持つ必要がある。

0157

0158

図17に、「線形化の効果指標」を求めるためのバルブの流量特性を実測する一例を示す。バルブの基本構造は、図1の実施形態で示した順方向ノズルと逆方向ノズルが対向して配置される2ノズル型を用いた場合を想定している。「線形化の効果指標」は電流に対するフラッパの変位特性からも求められるが、フラッパ変位の計測はバルブの構造面から容易ではない場合が多い。しかし、フラッパ変位特性と電流値に対するプロフィールがほぼ同一なバルブの流量特性は、バルブ本体を解体することなく、図17に示す方法で求められる。

0159

図17において、230は測定対象となるバルブ、231はこのバルブを駆動する電源、232は制御ポート、233は供給圧力源234に繋がる供給口、235は排気口、236は流量計である。排気ポート235を遮断した状態で、制御ポート232の大気解放時の流量を測定すれば、「線形化の効果指標」を評価するために必要な、電流値に対するバルブの流量特性を求めることができる。図1の実施形態の場合は、フラッパに対向して配置された一個のノズル(この場合は順方向ノズル)とフラッパ間の流量である。本方法により、バルブの詳細な構造に関わり無く、「線形化の効果指標」を求めることができる。

0160

3.磁気飽和現象利用の評価方法
本実施例は、電流値の増大と共にフラッパの変位(流量)特性が、本来ならば急峻に立ち上がる領域に磁気飽和現象を利用することで、線形性(制御性)の優れた特性を得ることができる点を利用したものである。したがって、閉ループ磁気回路を構成するいずれかの要素が、バルブの動作範囲内で磁気飽和することが本実施例を適用する上で前提条件となる。磁気飽和現象を利用せず、電流に対してフラッパ変位が急峻に立ち上がる手前でバルブ電流の上限値を設定しても、サーボバルブとして適用は可能である。但し、大きなフラッパ変位(流量)は得られない。

0161

また磁気飽和現象を利用して、前記電磁石に通電させる電流の最大値近傍で、電流に対する流量特性は上に凸の曲線となるように、即ち変曲点(モデル図16のE点)を有するように構成することで、次の効果が得られる。図4を用いて説明すれば、フラッパ24と磁極31間の隙間(初期ギャップ)は裕度を持って設定できる。上記磁気飽和現象を利用しなければ、部材の加工・組み立て精度、電磁石吸引力特性、磁性材料の磁気特性などの僅かなばらつきにより、電流に対してフラッパ変位(流量)が急峻に立ち上がる領域に入ってしまうため、不安定なバルブ特性になりやすい。

0162

ここで、電磁石、ノズル、フラッパなどの要素部品から構成されるサーボバルブの構造を想定する。このとき、各要素部品の形状、バルブ全体構成などは任意とする。磁気飽和現象を利用したサーボバルブを具体化するために、次の方法で本実施例発明の適用可否を評価する。

0163

i.閉ループ磁気回路の磁気抵抗の総和を求める。
ノズルフラッパ間の磁気抵抗Raは、電流最大値I=Imaxのとき最小となる。このときのノズルフラッパ間の距離をδn(図4参照)、磁極面積をSとして、Ra=δn/(μ0S)である。上記磁気抵抗Ra以外の線形磁気抵抗の総和をRXとして、閉ループ磁気回路の磁気抵抗の総和は、RS=Ra+ RXである。線形磁気抵抗とは、透磁率μが一定で、磁化力Hと磁束密度Bの関係が正比例関係(B=μH)にある、と仮定した場合の磁気抵抗を示す。

0164

ii.閉ループ磁気回路に発生する磁束の最大値を求める
電磁コイルの巻数をNとして、起磁力の最大値Emax=N×Imaxであり、磁束の最大値はΦmax= N×Imax /RSである。

0165

iii.磁気飽和が発生し易い箇所の磁束密度Bmaxを求める。
閉ループ磁気回路において、(1)磁路面積の最も狭い箇所、あるいは、(2)飽和磁束密度の最も小さな磁性材料を用いている箇所、上記(1)(2)に注目し、その磁路面積をScとすれば、磁束密度Bmax=Φmax / Scである。

0166

iv.磁気飽和現象発生の評価
ここで、上記(1)(2)の箇所に用いる磁性材料の「磁化力に対する磁束密度特性
(BH特性)」を評価データ図11参照)として用いる。線形領域と磁気飽和領域の境界域(磁化力境界値Hc)における磁束密度境界値Bcと、上記Bmaxの大きさを比較する。Bmax磁気回路は線形領域内で使
用されている。Bmax>Bcならば、磁気飽和現象が上記(1)(2)の箇所で発生しており、本実施例の発明を適用する上で前提条件を満足していることが分かる。

0167

<第3の実施形態>
図18は、本発明の実施形態3に係る空気圧サーボバルブの正面断面図であり、フラッパに相当するディスクを凸形円盤形状にすることにより、ディスクを流れる磁束の磁気飽和現象を利用する箇所と、ディスクのバネ剛性を設定する箇所を2つに分離したバルブ形態を示すものである。

0168

110は筒部形状の中心軸、111はこの中心軸の底部、112は前記中心軸と同芯円で形成された外枠部、113は前記中心軸に装着されたコイルボビン、114は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。中心軸111、外枠部112、コイルボビン113、コイル114により、フラッパ(後述)の面板部を吸引して、その変位を制御する電磁アクチュエータを構成している。

0169

115は外枠部12を収納する筒形状のハウジング、116は前記ハウジングの側面に締結される排気側底板、117は底部111と排気側底板116を締結するボルト、118はハウジング115と排気側底板116を締結するボルト、119は中心軸110に形成された気体(作動流体)の排気側流通路、120は排気側底板116に形成された吐出口である。121は供給側底板、122は前記供給側底板の中心部に形成された気体の供給側流路、123は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる気体の制御側流路である。124は凸型ディスク形状のフラッパでボルト125によりハウジング115と供給側底板121の間に装着される。

0170

フラッパ124は板厚の厚い凸部124a(磁気経路部)と、板厚の薄い外周部(弾性支持部)124bにより構成される。126は供給側底板121とフラッパ124の間に形成される供給側空隙部、127はフラッパ124と前記ハウジング側との間に形成される排気側空隙部、128a、128b、128c、128dはフラッパに形成された流通穴(図18には128b、128dは図示せず)、129は供給側ノズル(順方向ノズル)、130は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。131は中心軸110のフラッパ側端面(中心軸端面で第1磁極)、132は外枠部のフラッパ側端面(外枠部端面で第2磁極)、133は吸入口である。

0171

図19図18における中心軸110、フラッパ124、コイル114等の部品で形成される閉ループ磁気回路のモデル図である。なおこのモデル図では、供給側底板121、供給側ノズル129などは省略している。 本実施例バルブのフラッパは、半径r2、厚みh2の凸部を有するが、半径r= r1の箇所(磁路面積S1=2πr1h2)がディスクを放射状に流れる磁束の流出源で、前述した磁気飽和を調節する最大磁束コントロール面である。フラッパの外周部(r2弾性変形し易い。また凸部の外半径r2は、外枠部端面132(第2磁極)の外半径r4と比べて、r2区間を十分に長く取れるため、厚みh1は極度に薄い値に設定しなくてもよい。

0172

図20は、板厚形状とばね剛性の異なる3種類のフラッパ形状を想定して、電流値に対するフラッパ変位を比較したものである。図21は、電流値に対する電磁石の発生力を比較したものである。図20図21から、同一電流値のとき次のようである。

0173

i.変位の大きさはC>B>A
ii.発生力の大きさはC>A>B
変位と発生力でAとBが逆転する理由は、次のようである。発生力でA>Bとなるのは、板厚の厚いAの方がBと比べて磁気飽和が緩和されるからである。しかし変位でAディスクのばね剛性が板厚の3乗に比例するため、ばね剛性はA>>Bであるからである。ディスク中心部が同じ板厚のCとAを比較したとき、発生力がC>Aとなる理由は、CはAと比べて変形し易く、同一電流値でディスクと磁極間のCのギャップはAと比べて小さくなるからである。上記結果から、凸形状のディスクは均一厚みのディスクと比べて、十分な線形性を維持したままで、同一の電流値でより大きな変位を得ることができる。

0174

図22は、前述した3種類のフラッパ形状を有するバルブ(図18の構造)において、排気口120を遮断した状態における電流値に対する制御流量を比較したものである。解析条件は、供給圧力PS=0.6MPa(abs)、大気圧P0=0.1MPa(abs)、供給側ノズル129と排気側ノズル130のノズル径は共にΦ1.2mmである。3種類のフラッパ形状を有するバルブはいずれも、電流値I=0のときフラッパ124によって供給側ノズル129が遮断される場合を想定している。最大電流値I=0.025Aのとき排気側ノズル130が遮断されるためには、排気側ノズル130先端部の突出量δn(図4a参照)を次のように設定すればよい。δaをI=0.025Aのときのフラッパ変位として、Type Aはδn=X0-δa=0.222mm、Type Bはδn=0.207mm、Type Cはδn=0.135mmである。

0175

図23は、本発明の実施形態3に係る空気圧サーボバルブにおいて、フラッパに相当するディスクを凹型円盤形状にしたものである。140は中心軸、141はフラッパ、142はコイル、143はコイル外枠部、144aと144bはフラッパ固定部である。フラッパ141は板厚の薄い141a(磁気経路部)と、板厚の薄い外周部(弾性支持部)141bにより構成される。ディスクが凹型円盤形状の場合、ディスクの中央部では、板厚が薄いため磁気飽和により吸引力の発生は抑制される。ディスク外周部では、板厚が厚いためディスクは変形しにくい。空気圧サーボバルブの適用対象によって、たとえば、ディスク変形量(流量)が微小でもよい場合に本構造は適用できる。あるいは、弾性支持部141bに流通穴を数多く形成して、板厚が厚くても剛性を小さくした場合(たとえば第7の実施形態)などにも本構造は適用できる。

0176

<第4の実施形態>
図24は、本発明の実施形態4に係る空気圧サーボバルブの正面断面図である。
中心軸のフラッパ側端面(第1磁極)において、ノズル開口部と中心軸外周部の間に半径方向流通路を形成することにより、小さな電流値で大きなフラッパ変位(流量)を得ることができるバルブ構成を示すものである。50は筒部形状の中心軸、51はこの中心軸の底部、52は外枠部、53はコイルボビン、54はコイル、55は筒形状のハウジング、56は前記ハウジングの排気側底部、57は締結ボルト、58及び59は排気側流通路である。60は供給側底板、61は供給側流路、62は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路である。63は凸型ディスク形状のフラッパでボルト64によりハウジング55と供給側底板60の間に装着される。フラッパ63は板厚の厚い凸部63a(磁気経路部)と、板厚の薄い外周部(弾性支持部)63bにより構成される。64は供給側空隙部、65は排気側空隙部である。66a、66b、66c、66dは円盤ディスク形状フラッパに形成された流通穴(図24には66b、66dは図示せず)、67は供給側ノズル(順方向ノズル)の開口部、68は排気側ノズル(逆方向ノズル)の開口部である。69は中心軸50のフラッパ側端面(中心軸端面で第1磁極)、70は外枠部のフラッパ側端面(外枠部端面で第2磁極)である。

0177

図25は排気ノズル及び吸気ノズル近傍の部分拡大図で、図25aは図25bのAA矢視図で、フラッパが吸気ノズルを遮蔽した状態、図25bは図25cのBB矢視図、図25cはコイルに電流が印加された状態を示す。本実施例では、排気ノズル及び吸気ノズルは図1の実施例のように別部品を装着するのではなく、中心軸50及び供給側ハウジング60を利用して一体で形成した。71a、71b、71cは第1磁極69のフラッパ側端面に形成した流通溝、72は排気ノズル開口部68と第1磁極69の間に形成した窪み部、73は排気ノズル開口部68の外周側に形成されたテーパ部である。前記流通溝の溝深さは充分に深く、0.3〜0.5mmに形成した。

0178

本実施例では、排気ノズル開口部68は第1磁極69端面に対して、δn=0.046mm(δnは図4a参照)だけ僅かに突出させた状態で形成した。したがって、フラッパ63が排気ノズル開口部68を遮蔽したとき、第1磁極端面69とフラッパ63の間隙は上記δnの狭い値になる。しかし、この場合でも排気ノズル開口部68の外周側(窪み部72)と排気側空隙部64は、溝深さが充分に深い前記流通溝と連絡しており、排気ノズル開口部68の外周側圧力は排気側空隙部64、吸気側空隙部64と同一の圧力を保つことができる。

0179

図26は、電流値に対するフラッパ変位特性を示すもので、下記2ケースを比較したものである。
i.排気ノズル開口部68を、第1磁極69端面に対して僅かにδnだけ突出させて形成(本実施形態で初期ギャップX0=0.15mm、ノズル突出量δn=0.046mm)
ii.排気ノズル開口部を、第1磁極から充分な距離を保って突出させる(実施形態3の構造でX0=0.25mm、δn=0.135mmに設定した場合)

0180

上記ii.でδn=0.135mmに設定した理由は次のようである。ノズル突出量δnを小さくすると、半径方向流路空気抵抗が増大して、第1磁極69の外径を総面積Sとする空隙部全体が大気圧(PS =0.1MPa)に近くなる可能性がある。この場合、前記フラッパ左右の圧力差に比例した力f=(Pa-PS)Sが前記フラッパに加わることになる。実験の結果、前記フラッパは前記第1磁極面密着した状態となり、フラッパ変位(制御圧力)の電流制御に支障をきたすことがわかった。したがって、充分な距離を保って、突出量δnの値を設定するのが好ましい。上記ii.の条件では、変位X=0.102mm(このとき制御圧Pa =0.6MPa)に到達(B点)するために電流値I=0.025Aを必要とする。上記i.の本実施形態では、δnを十分に小さくしても安定したフラッパ変位の電流制御ができ、同変位(同制御圧)に到達(A点)する電流値はI=0.015Aである。

0181

<第5の実施形態>
図27は、本発明の実施形態5に係る空気圧サーボバルブの正面断面図であり、
外枠部のフラッパ弁側端面をフラッパ面と密着させることで、第2磁極を省略して、第1磁極だけでフラッパに対する吸引作用を得るように磁気回路を形成したものである。この構成により、凸形状フラッパの弾性支持部の外径を小さくできるため、サーボバルブ本体の外径(ΦD)を小さくできる。たとえば、アクティブ除振台の場合、ステージの4隅を支持する空気圧ユニットには、多軸の空気圧アクチュータが装着される。空気圧アクチュータとサーボバルブの制御ポート間は近接して配置する必要があるため、サーボバルブ本体の外径(ΦD)は出来るだけ小さくするのが好ましい。

0182

150は筒部形状の中心軸、151はこの中心軸の底部、152は前記中心軸の外枠部、153はコイルボビン、154はコイル、155は筒形状のハウジング、156はこのハウジング底部、157は締結ボルト、158は排気側流通路、159は吐出口、160は供給側ハウジング、161は供給側流路、162は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路、163は凸形円盤形状のフラッパでフラッパ163は板厚の厚い凸部(磁気経路部)164と、板厚の薄い外周部(弾性変形部)165により構成される。166は供給側空隙部、167は排気側空隙部、168a、168b、168c、168dはフラッパ163に形成された流通穴(168b、168dは図示せず)、169は供給側ノズル(順方向ノズル)開口部、170は排気側ノズル(逆方向ノズル)開口部、171は電磁石の磁極、172は中心軸の外枠部152のフラッパ側端面であり、フラッパ163と密着している。173は吸入口である。

0183

<第6の実施形態>
図28は、本発明の実施形態6に係る空気圧サーボバルブの正面断面図であり、コイル外径よりも径小のリング形状の第2磁極を、閉ループ磁気回路内に設けることにより、磁気吸引力を維持したままで、サーボバルブ本体の外径(ΦD)を小型化したものである。すなわち、バルブ本体小型化に伴う弾性変形部の磁気飽和の影響(吸引力低下)を解消するものである。250は筒部形状の中心軸、251はこの中心軸の底部、252は前記中心軸(支持軸)の外枠部、253はコイルボビン、254はコイルである。255は筒形状のハウジング、256はこのハウジング底部、257は締結ボルト、258は排気側流通路、259は吐出口、260は供給側ハウジング、261は供給側流路、262は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路である。263は凸形円盤形状のフラッパで、板厚の厚い凸部(磁気経路部)264と、板厚の薄い外周部(弾性変形部)265により構成される。266は供給側空隙部、267は排気側空隙部である。268a、268b、268c、268dはフラッパ263に形成された流通穴(268b、268dは図示せず)、269は供給側ノズル(順方向ノズル)開口部、270は排気側ノズル(逆方向ノズル)開口部、271は電磁石の第1磁極、272は中心軸の外枠部252のフラッパ側端面、273は締結ボルト、274はハウジング底部256とハウジング255を締結するボルトである。275は外枠部252のフラッパ側端面272とハウジング255の間に矜持された磁極用リング、276はこの磁極用リングのフラッパ263側端面に形成された第2磁極である。277は磁極用リング275とフラッパ265の間に介在するハウジング255の一部で、このハウジング255は非磁性材料で構成されている。278は吸入口である。

0184

図29は、磁極を一個だけ設けた前述した第5実施形態の閉ループ磁気回路、図30は第1磁極に加えて第2磁極を補助的に設けた本実施形態の閉ループ磁気回路の拡大図である。図29の場合、閉ループ磁気回路は、「中心軸150→磁極171→磁気経路部164→弾性変形部165→外枠部152」の経路を経る。

0185

図30に示す本実施形態の場合、閉ループ磁気回路は、「中心軸250→第1磁極271→磁気経路部264→第2磁極276→磁極用リング275→外枠部252」の経路を経る。上記2つの閉ループ磁気回路の違いは、図29の磁気回路が弾性変形部165を経るのに対して、図30の磁気回路では弾性変形部265をスキップ離脱)して閉ループを描くという点である。

0186

図31は、上記2つの磁気回路を想定して、「電流値に対するフラッパ変位特性」を比較したものである。図中に示すように、各ディスクの形状・剛性は同一である。
Type Aは本実施形態(図30の構造)、Type Bは図29の構造を用いた場合である。
バルブの小型化を図るためにディスク外径を小さくした場合、弾性変形部の半径方向の長さも小さくせざるを得ない。そのため、低い剛性を維持するために、弾性変形部の板厚をh1=0.08mmまで薄くした条件下での解析結果である。
電流値I=0.025Aにおいて、Type Aのフラッパ最大変位はXmax=0.13mmであるのに対して、Type Bのフラッパ最大変位はXmax=0.018mmしか得られない。その理由は、
i.Type Bの場合、磁気回路は薄い板厚h1の箇所を経由する。しかしその結果、磁束は磁路面積の狭い経路を通過することになり、磁気飽和の影響を受けて、最大磁束が大きく抑制されてしまう。
ii.Type Aの場合、磁束は弾性変形部265である薄い板厚h1の箇所をスキップして
磁気経路部264→第2磁極276→外枠部252の経路を描く。そのため、閉ループ磁気回路を流れる磁束の大きさは、板厚の薄い弾性変形部265の影響を受けない。

0187

すなわち、本実施例ではディスク部のばね剛性を決める構造設計と、電流値に対する吸引力特性を決める磁気回路設計を、それぞれ独立して行うことができる。

0188

前述した第5、第6の実施形態では、前記弾性変形部の板厚h1を変えることで、剛性を調節していた。しかし、前記フラッパに適切な空隙部を形成することで、剛性を調節できる。図32において、280はフラッパ、281は弾性変形部、282は空隙部、283は締結ボルト、284は磁気経路部である。

0189

あるいは前記フラッパの剛性を調節する手段として、たとえば、円周方向で軸対称に小さな複数個の穴を前記フラッパに形成してもよい。(図示せず)

0190

<第7の実施形態>
図33は、本発明の実施形態7に係る空気圧サーボバルブであり、図33aは図33cのAA矢視図、図33bは図33aの部分拡大図、図33cは正面断面図、図34図33cのスパイラルディスクばね部の部分拡大図である。本実施例は、フラッパの弾性変形部の剛性を板厚ではなく、フラッパに形成したスパイラルの形状で選択したものである。350は中心軸(支持軸)、351はこの中心軸の底部、352は中心軸の外枠部、353はコイルボビン、354は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。中心軸350、中心軸底部351、中心軸の外枠部352、コイルボビン353、コイル354により、フラッパ(後述)の面板部を吸引して、その変位を制御する電磁アクチュエータを構成している。355は筒形状のハウジング、356はこのハウジング底部、357はボルト、358は排気側流通路、359は吐出口、360は供給側ハウジング、361は供給側流路、362は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路である。363は円盤形状のフラッパで、中央部の磁気経路部364と、スパイラルディスクばね(後述)が形成された弾性変形部365により構成される。366は供給側ハウジング360とフラッパ363の間に形成される供給側空隙部、367はフラッパ363と前記ハウジング側との間に形成される排気側空隙部である。368は供給側ノズル(順方向ノズル)開口部、369は排気側ノズル(逆方向ノズル)開口部である。370は中心軸350の前記フラッパ側端面(中心軸端面)で電磁石の磁極、371は吸入口である。

0191

弾性変形部365であるスパイラルディスクばねは、本実施例では、8本のリッジ部)と同数グルーブ(空隙部)により構成した。図34のスパイラルディスクばね部の部分拡大図において、372a、372b、372c、372dはスパイラルディスクばね(弾性変形部365)の空隙部であり、372dは磁極370近傍に形成した開口面積の最も大きい空隙部である。さて、本実施例におけるスパイラルディスクばね(弾性変形部365)は、以下i.〜iii.に示す役割を同時に担っている。
i.発生応力を緩和して、適切なフラッパ支持剛性を得る
ii.グルーブ(空隙部)を利用して、供給側空隙部366と排気側空隙部367を繋ぐ流通路とする
iii.閉ループ磁気回路の磁路とする

0192

上記i.の効果は次ぎのようである。サーボバルブ本体の外径(ΦD)を小型化するために、フラッパを凸形状にして、かつ弾性支持部の板厚を極力薄くして剛性を低減すると共に、第2磁極を設ける方法(第6の実施形態)と比較する。この場合、板厚が薄くなるほど弾性支持部に発生する応力が増大して、ディスク形状のフラッパ部材許容応力弾性限界)を超えてしまうという問題があった。凸形状部材をスパイラルディスクばねにすることにより、最大発生応力の大幅な低減を図ることができる。スパイラルディスクばねの剛性と発生応力は、板厚以外にスパイラル角度α(図33a)、グルーブ(リッジ)の本数、グルーブとリッジの幅比などによって選定できる。但し、磁気経路部364と前記リッジの境界線で、スパイラル曲線開始点の部分は鋭角になるため、応力集中が発生する。この応力集中を低減するために、図33bに示すように本来のスパイラル曲線とは異なる曲面部373、374を形成した。この曲面部の形成により、応力集中が大幅に緩和できることが分った。

0193

上記ii.の場合、空隙部372a、372b、372c、372dを利用して、供給側空隙部366と排気側空隙部367と繋ぐ流通路を兼ねることができる。応力集中の緩和を兼ねて曲面部373、374から形成される空隙部372dは、開口面積を最も大きく確保することができる。図34に空気の流れを矢印(実線)で示す。

0194

上記iii.は、スパイラルディスクばねの板厚を充分に厚くしても、その形状で剛性の選択ができる点を利用している。板厚が厚く磁路面積が大きくできるため、磁気飽和が発生せず、第6の実施形態で示したような第2磁極を形成しなくてもよい。その結果、バルブ構造本体の簡素化を図ることができる。磁束の流れは、図34に矢印(鎖線)で示すように、「磁極370→スパイラルディスクばねのリッジ(峰部)→中心軸の外枠部352」である。実施例では、弾性変形部365(スパイラルディスクばね)の板厚は磁気経路部364と同じに設定したが、磁気経路部364のそれよりも厚めに設定してもよい。この場合、図23で示したように、フラッパ全体のプロフィールは凹形状となる。図35に、磁気経路部364の中心部に荷重Fを加えたときの、スパイラルディスクばねの変形の構造解析結果を示す。

0195

前記弾性変形部に用いることのできるディスクばねとして、図36に示すような公知の雲形ばねを用いてもよい。380はフラッパ、381は弾性変形部、382a、382bは円弧形状の空隙部、383は磁気経路部、384は締結ボルトである。

0196

<第8の実施形態>
前述した本発明の実施例は、バルブ構造は主に軸対称部品で構成したものであった。上記軸対称部品以外に、角柱、円柱馬蹄形、環状、などの各種鉄心長方形薄板材角型ブロックなどの組み合わせで磁気回路、及び流体回路を形成しても、本発明によるサーボバルブを実現できる。

0197

図37は、本発明の実施形態8に係る空気圧サーボバルブで、図37aは上面図、図37bは正面断面図である。400は支持軸、401はこの支持軸に装着された電磁コイル、402はL形部材底部、403はL形部材直立部、404は弾性部材である薄板のフラッパ、405はこのフラッパと支持軸400を締結するボルト、406はL形部材底部402と支持軸400を締結するボルトである。支持軸400、電磁コイル401、L形部材底部402、L形部材直立部材403、フラッパ404により、このフラッパを吸引して、その変位を制御する電磁アクチュエータ(アクチュエータ部)を構成している。「支持軸400→L形部材底部402→L形部材直立部403→フラッパ404→支持軸400」により、閉ループ磁気回路を形成している。406はL形部材直立部材403に形成された排気側流通路、407はこの排気側流通路のフラッパ側に装着された排気側ノズル(逆方向ノズル)である。408は供給側ブロック、409はこの供給側ブロックに形成された供給側流路、410はこの供給側流路の前記フラッパ側に装着された供給側ノズル(順方向ノズル)、411は供給側ブロック408と支持軸400を締結するボルト、412は供給側空隙部、413は排気側空隙部、414は制御ポートである。供給側空隙部412と排気側空隙部413の2つの空間は繋がっており、この2つの空間が本サーボバルブの制御室415となる。この制御室から制御ポート414を経由して空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がっている。前記フラッパ、前記供給側ノズル、前記排気側ノズル、前記供給側流路、前記排気側流通路、前記供給側ブロック、前記L形部材直立部により流体制御部を構成している。416はL形部材直立部403の前記フラッパ側端面であり、電磁石の磁極である。417は吸入口、418は吐出口である。

0198

本実施例では、実施形態1の場合と同様に、前記磁極の中心線上で、前記フラッパの前後に一対のノズルを配置して、双方向フラッパによるノズルフラッパ弁を構成している。また、前記流体に空気を用いて、前記アクチュータ部と前記流体制御部は前記流体が貫通する同一空間内に配置されている。前記フラッパは閉ループ磁気回路を構成する一部品として、平板形状部材で構成し、前記フラッパ自身の弾性を利用して、電磁石の吸引力と平衡するように、前記ノズルと前記フラッパ間の隙間に比例した復元力を前記フラッパに持たせている。

0199

さらに、前記フラッパの作動範囲で前記電磁石に通電する電流値を増大させたとき、前記前記フラッパを流れる磁束の磁束密度は磁気飽和領域に入るように、フラッパの磁路面積(Sc=b×h)を選択している。そのため、実施形態2同様に、線形性の良い電流値に対するフラッパ変位(流量)特性を得ることができる。

0200

磁気飽和現象を調節する最大磁束コントロール面に、上記フラッパの磁路面積を選ぶのではなく、たとえば、実施形態2と同様に、円環形状の磁極415の外径(あるいは筒部の厚み)を極力小さくするような構成でもよい。

0201

本実施例では、前記フラッパは片持ち支持構造であるため、シンプルなバルブ構成にできる。しかし、後述する実施例も同様であるが、前記フラッパを両端支持構造にすれば、i.磁気吸引力と平衡させるための必要な剛性、ii.磁気飽和現象を利用する場合の適切な磁路面積、iii.ノズルからの流体墳力によって生じる不安定振動、上記i.〜iii.に対してより適切なフラッパの形状を選択することができる。(図示せず)

0202

<第9の実施形態>
本実施形態は第8の実施形態を改良するもので、前記電磁石のフラッパ側端面に2つの磁極を設けて、第1磁極のフラッパ側端面と前記第2磁極のフラッパ側端面の間に前記閉ループ磁気回路の主経路となる磁気経路部を形成して、前記フラッパの固定側に弾性支持部を設けたものである。本実施例により、軸対称バルブである第6の実施形態同様に、磁気吸引力特性と無関係にフラッパの支持剛性が設定できため、同一の電流値でより大きなフラッパ変位(流量)を得ることができる。

0203

図38は、本発明の実施形態9に係る空気圧サーボバルブの正面断面図である。
430は支持軸、431は電磁コイル、432はL形部材底部、433はL形部材直立部、434はフラッパ、435は締結ボルト、436は排気側流通路、437は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。438は供給側ブロック、439は供給側流路、440は供給側ノズル(順方向ノズル)、441は締結ボルト、442は供給側空隙部、443は排気側空隙部、444は制御ポート、445は制御室、446は電磁石の第1磁極である。前記制御室から制御ポート444を経由して空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がっている点は、前述した実施例と同様である。447は磁極用ヨーク材、448はこの磁極用ヨーク材の前記フラッパ側端面に形成された第2磁極、449は非磁性材料によるスペーサ、450は前記スペーサを介して前記磁極用ヨーク材と前記フラッパを供給側ブロック438に締結するボルト、451は前記第2磁極と前記フラッパの固定側との間で、前記フラッパに形成された弾性変形部である。すなわち、前記フラッパの表裏に凹部を形成して前記弾性変形部を構成している。また、452は前記フラッパにおいて、前記供給側ノズルと前記第2磁極の間は磁気経路部である。453は吸入口、454は吐出口である「支持軸430→L形部材底部432→L形部材直立部433→第1磁極446→前記フラッパの磁気経路部452→第2磁極448→磁極用ヨーク材447→支持軸430」により、閉ループ磁気回路を形成している。

0204

<第10の実施形態>
本実施形態は第9の実施形態を改良するもので、フラッパを両端固定支持にすることにより、電磁石に電流が印加されない初期状態において、フラッパの弾性変形部の板厚が薄く剛性が小さな場合でも、経年変化の影響を受けず、上記磁気ギャップ、エアーギャップは常に一定に保つことができる。

0205

図39は、本発明の実施形態10に係る空気圧サーボバルブで、図39aは上面図、図39bは正面断面図である。460は支持軸、461は電磁コイル、462a、462bはW形部材底部、463a、463bはW形部材直立部、464はフラッパ、465a、465bは締結ボルト、466は排気側流通路、467は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。468は供給側ブロック、469は供給側流路、470は供給側ノズル(順方向ノズル)、471a、471bは供給側空隙部、472a、472bは排気側空隙部、473は制御ポート、474は制御室、475は電磁石の第1磁極である。前記制御室から制御ポート473を経由して空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がっている点は、前述した実施例と同様である。476a、476bは磁極用ヨーク材、477a、477bはこの磁極用ヨーク材の前記フラッパ側端面に形成された第2磁極、478a、478bは非磁性材料によるスペーサ、479a、479bは前記スペーサを介して前記磁極用ヨーク材と前記フラッパを供給側ブロック468に締結するボルト、480a、480bは前記第2磁極と前記フラッパの固定側との間で、前記フラッパに形成された弾性変形部である。すなわち、前記フラッパの表裏に凹部を形成して前記弾性変形部を構成している。また前記フラッパにおいて、481a、481bは前記供給側ノズルと前記第2磁極の間に形成される磁気経路部である。482は吸入口、483は吐出口である。右半分のみの閉ループ磁気回路は、「支持軸460→第1磁極475→前記フラッパの磁気経路部481b→第2磁極477b→磁極用ヨーク材476b→L形部材直立部463b→W形部材底部462b→支持軸460」である。

0206

<第11の実施形態>
前述した実施形態は、いずれもアクチュータ部を構成する閉ループ磁気回路内に、「ノズル⇔ノズルフラッパ間の間隙⇔制御室」に繋がる流路を設けたものであった。したがって、アクチュータ部と流体制御部の部材を一部共有化したものであった。本実施例は、前記アクチュータ部から前記フラッパを延長して設け、この延長したフッッパ面にノズルを対向して配置する流路を構成したものである。

0207

図40は、本発明の実施形態11に係る空気圧サーボバルブの正面断面図である。
800は支持軸、801は電磁コイル、802はL形部材底部、803はL形部材直立部、804はフラッパ、805は上部支持部材、806は前記支持軸と前記上部支持部材を締結するボルト、807は前記支持軸と前記フラッパを締結するボルトである。

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