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技術 保持器付きころ

出願人 日本トムソン株式会社
発明者 飛田野謙吾島田義洋
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172133
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-045909
状態 未査定
技術分野 ころがり軸受
主要キーワード 矩形リング 溝間距離 小リング 門形形状 弾性ステー 大リング 各環状部材 弾性線材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (20)

課題

この保持器付きころは,ころを保持する保持部材弾性線材で作製し,該弾性線材を環状部材係止して軽量化を達成し,ころ本数を増やして負荷容量を増加させる。

解決手段

この保持器付きころ1は,複数のころ2毎に転動自在にそれぞれ保持する弾性線材30から形成された保持部材3,及びころ2の両端面12側にそれぞれ位置して保持部材3の両端部10をそれぞれ係止して支持する一対の環状部材4を有する。保持部材3は,ころ2を保持するケージ部5と環状部材4に係止する係止部6から成る。

概要

背景

従来,保持器付きころは,例えば,エンジンコネクティングロッド大端部に使用され,保持器内周に略U字状の凹部が形成された門形形状になっている。該保持器付きころは,両端部に設けた円環部と該円環部に一体構造ポケットを形成した柱部とを有する略円筒状の保持器と,該保持器のポケットにそれぞれ挿入されたころから構成されている。

また,ころ軸受として,圧延機産業用機械自動車鉄道車輪等の高荷重衝撃荷重変動荷重が発生する設備等で円筒ころ軸受又は円錐ころ軸受が使用されていることが知られている。該ころ軸受は,外周面内輪軌道を有する内輪と,内周面外輪軌道を有する外輪と,これらの内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数のころと,これらのころの端部を回転自在に支持する一対の環状板とから構成されている。これらの一対の環状板は,ピアノ線又はピアノ線と同程度以上の弾性及び強度を有する線材から成る弾性ステーにより互いに結合されており,互いに対向する内側面にその内側にころの軸方向端部に,これらの各ころが回転自在な状態で挿入される複数の凹部を有するものである。該ころ用保持器は,環状部材の対向面に形成した柱部でころを保持している(例えば,特許文献1参照)。

また,ころ軸受用保持器として,一対の半円環状保持器を合せ面で当接させて構成し,合せ面付近の外周面を面取りし,遠心力による合せ面付近の変形に対応してエンジンの高速化に順応させるものが知られている。該ころ軸受用保持器は,半円環状保持器の両端面の合せ面を対向させて全体として円環状に形成されている。半円環状保持器は,両側の半円環部とその間の柱部とから構成されており,軽量であって,剛性を有する形状に形成されている。合せ面付近の外周面に形成される面取り部は,円環状保持器を半円環状保持器に二分割する前に平面状に加工し,面取り部の加工管理を容易にしている。ころ軸受用保持器は,環状部材の周面にころを収容する複数のポケットをプレス加工で形成し,ポケット縁部の柱部でころをそれぞれ保持している(例えば,特許文献2参照)。

また,転がり軸受の保持器として,1本の線杆波状屈曲し,転動体の非直径線上の周面に対する保持枠部を連続的に一定間隔に形成したものが知られている。該転がり軸受の保持器は,1本の線杆を屈曲し保持枠部と側杆部及び間隔側枠部を連続的に形成し,該端末を一体的に接続して環状の主体を形成し,保持枠部を転動体の非直径線上の周面一部に線接触させたものである(例えば,特許文献3参照)。

概要

この保持器付きころは,ころを保持する保持部材弾性線材で作製し,該弾性線材を環状部材に係止して軽量化を達成し,ころ本数を増やして負荷容量を増加させる。この保持器付きころ1は,複数のころ2毎に転動自在にそれぞれ保持する弾性線材30から形成された保持部材3,及びころ2の両端面12側にそれぞれ位置して保持部材3の両端部10をそれぞれ係止して支持する一対の環状部材4を有する。保持部材3は,ころ2を保持するケージ部5と環状部材4に係止する係止部6から成る。

目的

この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,複数の保持部材によって複数のころをころ毎にそれぞれ保持する構造に構成し,保持部材の両端部を対向する環状部材に係止して保持部材にころを保持させる保持器付きころであって,該保持部材をピアノ線等の弾性線材でころを保持する籠状のケージ部とその両端部に形成した環状部材に係止する係止部とで構成し,従来のような板材を加工した柱部間にポケットを形成して該ポケットにころを保持する保持器付きころに比較して,ころを保持する保持部材を細い弾性線材で形成したので,保持部材で占める周方向の長さを短く形成でき,ころ間の距離を可及的に縮めて,保持器自体の径を大きくすることなく,環状部材に保持するころの装填本数を増加させ,それによって負荷容量を増大させると共に,軽量に作製したことを特徴とする保持器付きころを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のころ,前記ころ毎にそれぞれ転動自在に保持する弾性線材から形成された複数の保持部材,及び前記ころの両端面側にそれぞれ位置し且つ前記保持部材の両端部をそれぞれ係止して支持する一対の環状部材を有し,前記環状部材は,前記保持部材を係止するために内周面外周面とにそれぞれ周方向隔置して複数対形成された一対の係止溝を備えており,前記保持部材は,前記弾性線材が前記ころの直径より短い幅のポケットを形成して前記ころの転動面に沿って延びるケージ部と,前記ケージ部から前記ころの前記端面以上に突出して延び出し且つ前記環状部材の前記一対の係止溝にそれぞれ係止する係止部とから構成されていることから成る保持器付きころ

請求項2

前記保持部材の前記ケージ部は,前記弾性線材を前記ころの長手方向に沿って螺旋状に複数巻回され且つ前記ころの前記長手方向に沿って前記弾性線材が延びる格子状に形成されており,前記保持部材の前記係止部は,前記螺旋状の両端側の前記ケージ部から前記ころの前記両端面以上にそれぞれ突出して延び出し且つ前記環状部材の前記一対の係止溝に跨がってそれぞれ係止する係留ループに形成されていることから成る請求項1に記載の保持器付きころ。

請求項3

前記保持部材の前記係止部を形成する前記弾性線材の両端部は,前記環状部材に係止するフックに形成されていることから成る請求項2に記載の保持器付きころ。

請求項4

前記保持部材の前記係止部は,前記螺旋状の両端側の前記ケージ部の両端からそれぞれ突出して延び出した前記係留ループに形成された外周側係止部と内周側係止部とから形成されていることから成る請求項2又は3に記載の保持器付きころ。

請求項5

前記保持部材は,前記ころの前記転動面に沿って延びる一対の矩形状のリングから構成されており,前記ケージ部は前記リングの中間部で構成され,前記係止部は前記リングの両端部で構成されていることから成る請求項1に記載の保持器付きころ。

請求項6

前記環状部材は,中央部が外周部と内周部に比較して厚肉に形成され,前記環状部材に形成された前記係止溝は,前記外周部と前記内周部との周方向に隔置してそれぞれ形成され,前記保持部材の前記外周側係止部が前記環状部材の前記外周部の前記係止溝にそれぞれ係止され,前記保持部材の前記内周側係止部が前記環状部材の前記内周部の前記係止溝にそれぞれ係止されていることから成る請求項1〜5のいずれか1項に保持器付きころ。

請求項7

前記環状部材は,中央部が外周部と内周部より外側に膨出して形成され,前記環状部材に形成された前記係止溝は,前記外周部と前記内周部との周方向に隔置してそれぞれ形成され,前記保持部材の前記外周側係止部が前記環状部材の前記外周部の前記係止溝にそれぞれ係止され,前記保持部材の前記内周側係止部が前記環状部材の前記内周部の前記係止溝にそれぞれ係止されていることから成る請求項1〜5のいずれか1項に保持器付きころ。

請求項8

前記環状部材に形成された前記係止溝は,周方向に傾斜した傾斜係止溝であることから成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の保持器付きころ。

技術分野

0001

この発明は,例えば,変速機減速機出力軸等の軸受に組み込んで使用される保持器付きころに関する。

背景技術

0002

従来,保持器付きころは,例えば,エンジンコネクティングロッド大端部に使用され,保持器内周に略U字状の凹部が形成された門形形状になっている。該保持器付きころは,両端部に設けた円環部と該円環部に一体構造ポケットを形成した柱部とを有する略円筒状の保持器と,該保持器のポケットにそれぞれ挿入されたころから構成されている。

0003

また,ころ軸受として,圧延機産業用機械自動車鉄道車輪等の高荷重衝撃荷重変動荷重が発生する設備等で円筒ころ軸受又は円錐ころ軸受が使用されていることが知られている。該ころ軸受は,外周面内輪軌道を有する内輪と,内周面外輪軌道を有する外輪と,これらの内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数のころと,これらのころの端部を回転自在に支持する一対の環状板とから構成されている。これらの一対の環状板は,ピアノ線又はピアノ線と同程度以上の弾性及び強度を有する線材から成る弾性ステーにより互いに結合されており,互いに対向する内側面にその内側にころの軸方向端部に,これらの各ころが回転自在な状態で挿入される複数の凹部を有するものである。該ころ用保持器は,環状部材の対向面に形成した柱部でころを保持している(例えば,特許文献1参照)。

0004

また,ころ軸受用保持器として,一対の半円環状保持器を合せ面で当接させて構成し,合せ面付近の外周面を面取りし,遠心力による合せ面付近の変形に対応してエンジンの高速化に順応させるものが知られている。該ころ軸受用保持器は,半円環状保持器の両端面の合せ面を対向させて全体として円環状に形成されている。半円環状保持器は,両側の半円環部とその間の柱部とから構成されており,軽量であって,剛性を有する形状に形成されている。合せ面付近の外周面に形成される面取り部は,円環状保持器を半円環状保持器に二分割する前に平面状に加工し,面取り部の加工管理を容易にしている。ころ軸受用保持器は,環状部材の周面にころを収容する複数のポケットをプレス加工で形成し,ポケット縁部の柱部でころをそれぞれ保持している(例えば,特許文献2参照)。

0005

また,転がり軸受の保持器として,1本の線杆波状屈曲し,転動体の非直径線上の周面に対する保持枠部を連続的に一定間隔に形成したものが知られている。該転がり軸受の保持器は,1本の線杆を屈曲し保持枠部と側杆部及び間隔側枠部を連続的に形成し,該端末を一体的に接続して環状の主体を形成し,保持枠部を転動体の非直径線上の周面一部に線接触させたものである(例えば,特許文献3参照)。

先行技術

0006

特開2001−330035号公報
特開2002−195270号公報
特公昭37−17617号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで,従来の保持器付きころとしては,パイプ材等で形成した円環部材の周面に針状のころを収容するポケットを形成する複数の柱部をプレス加工で形成するタイプがあるが,該保持器付きころは,プレス加工に耐えられる強度を確保するため,円環部材に形成される複数の柱部をそれぞれ細く形成することができず,円環部材にポケットの数を増やすことができず,負荷容量を増大させることができず,また,保持部材を軽量に構成することができなかった。例えば,特許文献1には,一対の環状部材をピアノ線で結合したころ用保持器が記載されている。該特許文献1の保持器は,環状部材の対向面に形成した複数の柱部でころをそれぞれ保持している。また,特許文献2には,パイプ材等で形成した環状のころ軸受用保持器が記載されている。該ころ軸受用保持器は,環状部材の周面に,ころを収容する複数のポケットをプレス加工で形成し,ポケット縁部の複数の柱部でころをそれぞれ保持している。

0008

しかしながら,特許文献1や特許文献2では,板材で作製した環状部材に形成した複数の柱部でころをそれぞれ保持するため,これらの柱部が邪魔となり,ころ間の距離を縮めることができず,環状部材に装填するころの装填数を増大させることができず,負荷容量を増大させることができなかった。特許文献3は,線杆のみで保持器を形成しているため,保持器の強度を確保し難いという問題がある。

0009

この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,複数の保持部材によって複数のころをころ毎にそれぞれ保持する構造に構成し,保持部材の両端部を対向する環状部材に係止して保持部材にころを保持させる保持器付きころであって,該保持部材をピアノ線等の弾性線材でころを保持する籠状ケージ部とその両端部に形成した環状部材に係止する係止部とで構成し,従来のような板材を加工した柱部間にポケットを形成して該ポケットにころを保持する保持器付きころに比較して,ころを保持する保持部材を細い弾性線材で形成したので,保持部材で占める周方向の長さを短く形成でき,ころ間の距離を可及的に縮めて,保持器自体の径を大きくすることなく,環状部材に保持するころの装填本数を増加させ,それによって負荷容量を増大させると共に,軽量に作製したことを特徴とする保持器付きころを提供することである。

課題を解決するための手段

0010

この発明は,複数のころ,前記ころ毎にそれぞれ転動自在に保持する弾性線材から形成された複数の保持部材,及び前記ころの両端面側にそれぞれ位置し且つ前記保持部材の両端部をそれぞれ係止して支持する一対の環状部材を有し,
前記環状部材は,前記保持部材を係止するために内周面と外周面とにそれぞれ周方向に隔置して複数対形成された一対の係止溝を備えており,
前記保持部材は,前記弾性線材が前記ころの直径より短い幅のポケットを形成して前記ころの転動面に沿って延びるケージ部と,前記ケージ部から前記ころの前記端面以上に突出して延び出し且つ前記環状部材の前記一対の係止溝にそれぞれ係止する係止部とから構成されていることから成る保持器付きころに関する。

0011

また,前記保持部材の前記ケージ部は,前記弾性線材を前記ころの長手方向に沿って螺旋状に複数巻回され且つ前記ころの前記長手方向に沿って前記弾性線材が延びる格子状に形成されており,前記保持部材の前記係止部は,前記螺旋状の両端側の前記ケージ部から前記ころの前記両端面以上にそれぞれ突出して延び出し且つ前記環状部材の前記一対の係止溝に跨がってそれぞれ係止する係留ループに形成されている。

0012

更に,前記保持部材の前記係止部を形成する前記弾性線材の両端部は,前記環状部材に係止するフックに形成されている。

0013

また,前記保持部材の前記係止部は,前記螺旋状の両端側の前記ケージ部の両端からそれぞれ突出して延び出した前記係留ループに形成された外周側係止部と内周側係止部とから形成されている。

0014

或いは,この保持器付きころは,前記保持部材を前記ころの前記転動面に沿って延びる一対の矩形状のリングから構成し,前記ケージ部を前記リングの中間部で構成し,前記係止部を前記リングの両端部で構成したものである。

0015

また,前記環状部材は,中央部が外周部と内周部に比較して厚肉に形成され,前記環状部材に形成された前記係止溝は,前記外周部と前記内周部との周方向に隔置してそれぞれ形成され,前記保持部材の前記外周側係止部が前記環状部材の前記外周部の前記係止溝にそれぞれ係止され,前記保持部材の前記内周側係止部が前記環状部材の前記内周部の前記係止溝にそれぞれ係止されている。

0016

また,前記環状部材は,中央部が外周部と内周部より外側に膨出して形成され,前記環状部材に形成された前記係止溝は,前記外周部と前記内周部との周方向に隔置してそれぞれ形成され,前記保持部材の前記外周側係止部が前記環状部材の前記外周部の前記係止溝にそれぞれ係止され,前記保持部材の前記内周側係止部が前記環状部材の前記内周部の前記係止溝にそれぞれ係止されている。

0017

また,前記環状部材に形成された前記係止溝は,周方向に傾斜した傾斜係止溝に形成されている。

発明の効果

0018

この発明による保持器付きころは,上記のように,複数のころをころ毎にそれぞれ保持する複数の保持部材と,保持部材が掛止即ち係止される互いに対向した一対の環状部材を備え,保持部材を弾性線材の折り曲げ加工で籠状即ちケージ状に形成し,各環状部材の両縁部である内外周部に保持部材の両端の係止部を係止する係止溝を形成したので,従来使用されていた板材よりも細い弾性線材で形成した保持部材でころを保持することになり,隣接するころ間の距離を縮めることができるので,保持器自体の径即ちサイズを変えることなく,環状部材へのころの装填数を増加することができ,負荷容量を増加させるとができ,また,板材よりも軽量な弾性線材でころを保持しているため,保持器の重量を低減して軽量化を達成でき,更に,弾性線材で形成した保持部材としては隙間が多いため,通油性即ち潤滑性能を向上できると共に,当該隙間をグリースポケットとして利用することもできる。また,この保持器付きころは,保持部材としては,例えば,ころの形状に合わせて線材を螺旋状に巻回した格子状のケージ,或いは,弾性線材で形成した一対の矩形リングをケージに構成することもできる。また,環状部材の径方向に対して係止溝を周方向に傾斜させることにより,保持部材が係止溝から抜け出すことが防止でき,また,例えば,自転しながら公転を行う減速機の遊星歯車の軸受として,本発明の保持器付きころを用いることができる。

図面の簡単な説明

0019

この発明による保持器付きころの第1実施例を示す斜視図である。
図1の保持器付きころを示す正面図である。
図2線分A−Aにおける保持器付きころを示す断面図である。
図1の保持器付きころを構成するころと保持部材を示す側面図である。
図4のころを保持した保持部材を示す端面図である。
環状部材に形成された係止溝の位置を示す拡大説明図である。
図6の環状部材に形成された係止溝に保持部材の係止部を係止した状態を示す拡大説明図である。
図1の保持器付きころを構成する環状部材を示す平面図である。
図8の線分B−Bにおける環状部材を示す断面図である。
この発明による保持器付きころを構成するころと保持部材とを示す斜視図である。
弾性線材を加工して形成された保持部材を示す斜視図である。
この発明による保持器付きころの第2実施例を示す正面図である。
図12の線分C−Cにおける保持器付きころを示す断面図である。
図12の保持器付きころにおけるころとリングで形成された保持部材を示す斜視図である。
図12の保持器付きころの一部を示す拡大側面図である。
図14の保持器付きころにおけるころと保持部材を示す端面図である。
この発明による保持器付きころの第3実施例を示す斜視図である。
この発明による保持器付きころの第3実施例で使用される環状部材を示す正面図である。
図18の線分D−Dにおける環状部材を示す断面図である。
この発明による保持器付きころの第4実施例におけるころ,環状部材,及び保持部材の一部を示す拡大正面図である。
図20に示す環状部材の一部を示す拡大正面図である。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下,図面を参照して,この発明による保持器付きころの実施例を説明する。まず,図1図11を参照して,この発明による保持器付きころの第1実施例について説明する。第1実施例の保持器付きころ1は,複数のころ2,ころ2毎にそれぞれ回転自在に保持するピアノ線等の弾性線材から形成された複数の保持部材3,及びころ2の両端面12側にそれぞれ位置し且つ保持部材3の両端部10をそれぞれ係止して支持する一対の環状部材4を有する。ころ2は,相手部材に対して転動する円周状の転動面11,及び転動面11の両端面12から形成されている。ころ2の両端面12に近接して位置する一対の環状部材4は,保持部材3を係止するために内周面8と外周面9とにそれぞれ周方向に隔置して複数対形成された一対の係止溝7を備えている。保持部材3は,弾性線材30をころ2の長手方向に沿ってそれぞれ巻回した籠状のケージ部5と,ケージ部5からころ2の端面12以上に突出して延び出し且つ環状部材4の一対の係止溝7に係止する係止部6とから構成されている。係止部6は,ケージ部5を形成した弾性線材30を延長させて環状部材4の一対の係止溝7に係止する形状に弾性線材30を屈曲させた一種係留用輪状,言い換えれば,係留ループ28に形成され,弾性線材30の端部は環状部材4に係止するフック29に形成されている。

0021

この保持器付きころ1について,保持部材3の籠状のケージ部5は,1個毎のころ2を転動自在に保持してころ2の転動を案内するように,ころ2の長手方向即ち転動面11に沿って螺旋状に巻回して形成されている。即ち,ケージ部5は,弾性線材30をころ2の長手方向に沿って螺旋状に複数巻回され且つころ2の長手方向に沿って弾性線材30が延びる格子状の籠状に形成されている。弾性線材30は,材料としては,例えば,JISG3522に規定されるSWP−B製のピアノ線で形成されている。ケージ部5の中央部には,1個のころ2が収容されるポケット19が形成されている。保持部材3におけるケージ部5の両端部10は,一対の環状部材4に掛止される係止部6にそれぞれ形成されている。保持部材3の両端部10の係止部6は,環状部材4の外周側に位置するものが外周側掛止部14に形成され,また,環状部材4の内周側に位置するものが内周側掛止部15に形成されている。

0022

また,保持部材3の係止部6は,螺旋状の両端側13のケージ部5からころ2の両端面12以上にそれぞれ突出して延び出しており,環状部材4の一対の係止溝7に跨がってそれぞれ係止する半円弧状となる係留ループ28に形成されている。即ち,一対の外周側係止部14と一対の内周側係止部15とは,螺旋状の両端のケージ部5の両端にころ2の両端面12からそれぞれ突出して延び出した係留ループ28に形成されている。また,外周側掛止部14と内周側掛止部15の間には,ポケット19が形成されてころ2を案内する案内部に形成されている。これらの案内部によって,ころ2が案内されることにより,ころ2のスキューの発生が抑制されることになる。また,格子状の籠状に形成されたケージ部5及び係留ループ28に形成された係止部6は,ころ2の転動面11の径方向両側に位置し且つころ2の直径より幅が短く形成されて,ころ2の転動を干渉しないように形成されている。また,籠状のケージ部5にころ2を挿入すると,図5に示すように,ポケット19の上下開口がころ径よりも小さく形成されているので,ケージ部5のポケット19からころ2が脱落しないように設定されている。

0023

また,一対の環状部材4は,例えば,SCM415により形成されている。各環状部材4は,SCM415を環状にプレス成形し,浸炭焼入処理塩浴軟窒化処理(例えば,タフトライド処理)などの熱処理をして形成されている。各環状部材4の両縁部である外周部16と内周部17には,保持部材3の係止部6が係止される一対の係止溝7が複数対形成されている。即ち,環状部材4は,中央部18が外周部16と内周部17に比較して厚肉に形成されている。環状部材4に形成された係止溝7は,外周部16と内周部17とにそれぞれ形成されている。保持部材3の外周側係止部14は,環状部材4の外周部16の係止溝7にそれぞれ係止し,また,内周側係止部15は,環状部材4の内周部17の係止溝7にそれぞれ係止している。保持器付きころ1は,一対の隔置した環状部材4の周方向に複数形成されている係止溝7に保持部材3の両側の係止部6をそれぞれ係止することによって,環状部材4の周方向に複数の保持部材3を係止することができ,一対の環状部材4は,確実に隔置した対向状態に形成される。環状部材4に形成された各係止溝7は,ころ2の配置位置に合わせて間隔を空けて形成されるため,係止溝7に掛止即ち係止された保持部材3にころ2を収容すると,ころ2を環状部材4の周方向に確実に所定の間隔に隔置して配置させることができる。保持器付きころ1について,保持部材3を環状部材4に係止する際に,係止部6の弾性線材30を押し広げて,環状部材4に引っ掛けるように係止するため,寸法差によるテンションが付与されて,保持部材3と環状部材4とを強固に連結されることになる。また,保持部材3の係止部6を形成する弾性線材30の両端部20は,環状部材4に係止するフック29に形成されている。

0024

この保持器付きころ1について,具体的には,環状部材4の高さ,言い換えれば,その幅は,保持部材3のケージ部5の高さ即ち保持幅よりも大きく設定されている。また,環状部材4の外周側の係止溝7間の距離は,保持部材3の係止部6の外周側係止部14の幅よりも大きく設定されている。更に,環状部材4の内周側の係止溝7間の距離は,保持部材3のケージ部5の内周側係止部15の幅よりも大きく設定されている。保持器付きころ1について,上記のように,寸法設定することにより,図6及び図7に示すように,保持部材3を環状部材4に係止する際に,高さ方向や幅方向に保持部材3を押し広げた状態で環状部材4に係止することになるため,保持部材3を構成する弾性線材30の張力により環状部材4に保持部材3が強固に連結されることになる。また,環状部材4には,図8及び図9に示すように,中央部18が山部に形成されているため,中央部18の位置で保持部材3の収縮が阻まれ,保持部材3を環状部材4の所定の位置に固定することができる。また,保持部材3は,板材よりも細い線材の弾性線材30でころ2を保持しているため,ころ2間の距離を縮めることができ,保持器自体の径即ちサイズを大きくせずに,環状部材4に装填するころ2の本数を増加することができる。その結果,保持器付きころ1の寸法を変えることなく,負荷容量を増加することができる。また,保持部材3は,細い弾性線材30で作製されているため軽量であり,保持器付きころ1の全重量を低減することができる。加えて,弾性線材30で形成した保持部材3は,隙間が多いため,通油性即ち潤滑性能を向上させることができるとともに,当該隙間をグリースポケットとして利用することができる。なお,保持部材3の製造方法を例示すると,例えば,SWP−B製のピアノ線を曲げ加工により籠状のケージ部5に巻回して切断した後に,必要な場合は,熱処理を施して製造することができる。また,この保持器付きころ1は,減速機等に適用した場合には,減速機の油中で使用することとなり,保持器付きころ1の表面処理は不要であるが,必要な場合は適宜表面処理をすることもできる。また,保持部材3を形成する材料は,必要な強度と張力を確保することができれば,ピアノ線に限定されるものではない。

0025

次に,図12図16を参照して,この発明による保持器付きころの第2実施例を説明する。第2実施例の保持器付きころ1Aについて,保持部材が異なる以外は第1実施例と同じ構成を有するものであり,複数のころ2,ころ2毎にそれぞれ転動自在に保持する弾性線材から形成された複数の保持部材3,及びころ2の両端面12側にそれぞれ位置し且つ保持部材3の両端部10をそれぞれ係止して支持する一対の環状部材4を有している。環状部材4は,保持部材3を係止するために内周面8と外周面9とにそれぞれ周方向に隔置して複数対形成された対の係止溝7を備えている。保持部材3は,ころ2の直径より短い幅のポケット19を形成した一対の矩形状のリング21,22から構成され,弾性線材30をころ2の長手方向に沿って延びるケージ部5と,ケージ部5からころ2の端面12以上に突出して延び出し且つ環状部材4の一対の係止溝7に係止する係止部6とから構成されている。第2実施例の保持器付きころ1Aは,第1実施例の保持器付きころ1が籠状のケージ部5に形成されているのに対して,弾性線材で形成された一対の矩形リング即ち大リング21と小リング22によってころ2を保持していることである。各矩形リング21,22の短辺はころ2の直径より小さく設定されているため,一対の矩形リング21とリング22との間に収容されたころ2が抜け出ないようになっている。また,矩形リング21,22は,それらの両端部が係止部6に形成されると共に,矩形リング21,22の長辺がころ2の周面に接してころ2を案内可能になっている。保持器付きころ1Aは,上記の構成によっても,従来に比べてころ2間の距離を縮めることができるため,保持器の径を変えることなく,ころ2の本数を増加することができ,負荷容量を増大させることができる。

0026

次に,図17図19を参照して,この発明による保持器付きころについての第3実施例を説明する。第3実施例の保持器付きころ1Bについて,環状部材が第1実施例と異なる以外は同じ構成を有するものであり,板材をプレス加工で折り曲げて環状部材23が形成されている。環状部材23は,中央部26が外周部24と内周部25より外側に膨出して形成された膨出部に形成されている。環状部材23に形成された係止溝7は,外周部24と内周部25とにそれぞれ形成されており,保持部材3の外周側係止部14は環状部材23の外周部24の係止溝7にそれぞれ係止しており,内周側係止部15は,環状部材23の内周部25の係止溝7にそれぞれ係止している。

0027

また,図20図21を参照して,この発明による保持器付きころについての第4実施例を説明する。第4実施例の保持器付きころ1について,環状部材4に形成された係止溝が異なる以外は第1実施例と同じ構成を有するものであり,は,周方向に傾斜した傾斜係止溝27に形成されている。この保持器付きころは,第1実施例と相違する点は,環状部材4の径方向に対して傾斜係止溝27を周方向に傾斜させて形成している点である。一対の傾斜係止溝27は,係止部6が傾斜係止溝27から抜け出さないように,溝の深さ方向にV形となる溝間距離に形成されている。これによれば,環状部材4の径方向に,傾斜係止溝27から係止部6が抜け出すことを予防できる。

0028

この発明による保持器付きころは,例えば,変速機,減速機等の機械装置であって,特に,再給脂がし難い構造の軸受部に組み込んで好ましいものである。

0029

1,1A,1B保持器付きころ
2 ころ
3保持部材
4,23環状部材
5ケージ部
6係止部
7係止溝
8内周面
9外周面
10 端部
11転動面
12 端面
13 両端側のケージ部
16,24 外周部
17,25内周部
18,26 中央部
19ポケット
20弾性線材の端部
21,22リング
27 傾斜係止溝
28係留ループ
29フック
30 弾性線材

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