図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

マスク周縁部と顔との隙間にバリアを形成することで、マスクを装着したときに空気中の有害物質吸入する量を大幅に減少させることができるマスク処理剤及び有害物質の吸入抑制方法を提供する。

解決手段

人間の顔に装着されるマスク100をマスク処理剤によって処理することで、マスク100の周縁部100aと顔との隙間から空気中の有害物質が吸入されるのを抑制するバリアをマスクの周縁部100aと顔との隙間に形成する吸入抑制剤を含んでいる。

概要

背景

従来より、例えばアレルゲン病原性ウイルス等の有害物質を人間が吸入してしまうのを抑制するものとして、例えば特許文献1に開示されている有害物質の吸入抑制製品や、特許文献2に開示されているマスク処理用組成物が知られている。

特許文献1の有害物質の吸入抑制製品は、カチオン化セルロース等の電荷物質を含んだ液体を噴霧機構によって人間の顔に直接付着させるように構成されている。また、特許文献2のマスク処理用組成物は、ノニオン系界面活性剤多価アルコールを含んでおり、マスクに付着させて使用するものである。

概要

マスクの周縁部と顔との隙間にバリアを形成することで、マスクを装着したときに空気中の有害物質を吸入する量を大幅に減少させることができるマスク処理剤及び有害物質の吸入抑制方法を提供する。人間の顔に装着されるマスク100をマスク処理剤によって処理することで、マスク100の周縁部100aと顔との隙間から空気中の有害物質が吸入されるのを抑制するバリアをマスクの周縁部100aと顔との隙間に形成する吸入抑制剤を含んでいる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

人間の顔に装着されるマスクを処理するマスク処理剤において、空気中の有害物質吸入されるのを抑制するバリアを前記マスクの周縁部と顔との隙間に形成する吸入抑制剤を含むことを特徴とするマスク処理剤。

請求項2

人間の顔に装着されるマスクを処理するマスク処理剤において、空気中の有害物質が前記マスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制する吸入抑制剤を含むことを特徴とするマスク処理剤。

請求項3

請求項1または2に記載のマスク処理剤において、前記吸入抑制剤は、陽電荷ポリマーを含むことを特徴とするマスク処理剤。

請求項4

請求項3に記載のマスク処理剤において、前記陽電荷ポリマーは、カチオン化セルロースであることを特徴とするマスク処理剤。

請求項5

請求項1から4のいずれか1つに記載のマスク処理剤において、前記吸入抑制剤の濃度は、0.01%以上0.1%以下であることを特徴とするマスク処理剤。

請求項6

有害物質の吸入抑制方法において、人間の顔に装着されたマスクの周縁部と顔との隙間から空気中の有害物質が吸入されるのを抑制するバリアを形成することを特徴とする有害物質の吸入抑制方法。

請求項7

請求項6に記載の有害物質の吸入抑制方法において、前記バリアを形成する吸入抑制剤を前記マスクに付着させるマスク処理工程を備えることを特徴とする有害物質の吸入抑制方法。

請求項8

請求項7に記載の有害物質の吸入抑制方法において、前記マスク処理工程では、液体の吸入抑制剤を前記マスクに噴霧することによって付着させることを特徴とする有害物質の吸入抑制方法。

請求項9

請求項7または8に記載の有害物質の吸入抑制方法において、前記マスク処理工程では、吸入抑制剤を前記マスクにおける外面に付着させることを特徴とする有害物質の吸入抑制方法。

技術分野

0001

本発明は、例えばアレルゲン病原性ウイルス等の有害物質を人間が吸入してしまうのを抑制する効果を高めるマスク処理剤及び有害物質の吸入抑制方法に関する。

背景技術

0002

従来より、例えばアレルゲンや病原性ウイルス等の有害物質を人間が吸入してしまうのを抑制するものとして、例えば特許文献1に開示されている有害物質の吸入抑制製品や、特許文献2に開示されているマスク処理用組成物が知られている。

0003

特許文献1の有害物質の吸入抑制製品は、カチオン化セルロース等の電荷物質を含んだ液体を噴霧機構によって人間の顔に直接付着させるように構成されている。また、特許文献2のマスク処理用組成物は、ノニオン系界面活性剤多価アルコールを含んでおり、マスクに付着させて使用するものである。

先行技術

0004

特開2014−57724号公報
特開2006−348429号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、特許文献1の有害物質の吸入抑制製品は、人間の顔に直接付着させることによって有害物質の吸入抑制効果を得るようにしたものであり、マスクを用いることなく吸入抑制効果が得られるという簡便性に優れたものである。

0006

一方で、吸入防止の効果を特に重視する消費者においては、特許文献1の吸入抑制製品よりもマスクの使用を好む場合があると予想される。そのようなニーズに対しては、特許文献2のようにマスクに付着させるマスク処理用組成物を使用することが考えられる。特許文献2では、ノニオン系界面活性剤や多価アルコールにより、空気中浮遊粒子に対する防御性を高めるようにしており、具体的には、マスクの空気中浮遊粒子の透過抑制効果を高めることができるものである。

0007

このように、特許文献2のマスク処理用組成物を付着させたマスクを使用することで空気中浮遊粒子の吸入を抑制することができるが、特にアレルゲンや病原性ウイルスについてはその吸入量をより一層低減したいという要求がある。

0008

そこで、マスクを装着した状態で微粒子や口から吸入されるしくみについて本発明者らが研究した結果、近年のマスクは濾過性能が向上しているのでマスクを通過して吸入される微粒子は極めて少ないのに対し、マスクの装着の仕方が原因で微粒子を吸入してしまうケースがあることが判明した。すなわち、マスクにはプリーツ型と呼ばれるものや立体形状のもの等、様々な形状のものがあるが、いずれの形状のものであっても、マスクの周縁部を使用者の顔に完全にフィットさせることは難しく、マスクの周縁部と顔との間には隙間ができることは避けられない。また、装着時にマスクの周縁部と顔との隙間が無くなるようにしていたとしても、しゃべるときや表情の変化によって口やが動くと、それに伴ってマスクがずれ、これにより、マスクの周縁部と顔との間に隙間ができることがある。微粒子はこの隙間を通って鼻や口から吸入されてしまう。このことを防止しようとすると、いわゆる防毒マスクのような大掛かりな装着ストラップが必要になり、日常の使用には適さない。

0009

また、特許文献2では、マスクの空気中浮遊粒子の透過抑制効果を高めるだけであることから、マスクの周縁部と顔との隙間からの空気中浮遊粒子の吸入を抑制できるものであるか否かは不明である。

0010

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マスクを装着したときに吸入されてしまう空気中の有害物質の量を大幅に減少させることにある。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するために、本発明では、マスクの周縁部と顔との隙間から吸入されてしまう空気中の有害物質の量を減少させるようにした。

0012

第1の発明は、人間の顔に装着されるマスクを処理するマスク処理剤において、空気中の有害物質が吸入されるのを抑制するバリアを前記マスクの周縁部と顔との隙間に形成する吸入抑制剤を含むことを特徴とする。

0013

この構成によれば、マスク処理剤によって処理されたマスクを装着すると、マスクの周縁部と顔との隙間にバリアが形成される。バリアとは、マスクの周縁部と顔との隙間に形成される見えない障壁防壁である。これにより、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのが抑制される。バリアは、空気中の有害物質の吸入を100%防止できるものでなくてもよく、バリアが形成されていることにより、形成されていない場合と比べて有意な差が生じる程度の抑制効果があればよい。

0014

空気中の有害物質とは、例えば、ダニ死骸花粉等のアレルゲンや、各種病原性ウイルスや細菌、PM2.5等である。有害物質の量とは、質量で表されるものであってもよいし、花粉等の場合は個数で表されるものであってもよい。

0015

第2の発明は、人間の顔に装着されるマスクを処理するマスク処理剤において、空気中の有害物質が前記マスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制する吸入抑制剤を含むことを特徴とする。

0016

この構成によれば、マスク処理剤によって処理されたマスクを装着すると、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのが抑制される。つまり、マスク処理剤によってバリアの形成効果を得ることができる。

0017

第3の発明は、前記吸入抑制剤は、陽電荷ポリマーを含むことを特徴とする。

0018

この構成によれば、陽電荷ポリマーが空気中の有害物質に対してクーロン力を与えて有害物質をマスクに吸引することができる。すなわち、クーロン力によってマスクの周縁部と顔との隙間にバリアが形成されるとともに、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制することができる。

0019

第4の発明は、前記陽電荷ポリマーは、カチオン化セルロースであることを特徴とする。

0020

この構成によれば、カチオン化セルロースを使用することで、バリアの効果がより一層高まるとともに、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制する効果がより一層高まる。

0021

第5の発明は、前記吸入抑制剤の濃度は、0.01%以上0.1%以下であることを特徴とする。

0022

すなわち、吸入抑制剤の濃度(質量パーセント濃度)が0.01%未満になると有害物質に対して作用するクーロン力が低くなって吸引力が低下してしまい、また、吸入抑制剤の濃度が0.1%を超えると、吸入抑制剤が陽電荷ポリマーである場合に、陽電荷ポリマーが空気中の水分を吸って電荷を失い易くなり、有害物質に対して作用するクーロン力が低くなる。従って、吸入抑制剤の濃度を0.01%以上0.1%以下の範囲とすることで、バリアの効果がより一層高まるとともに、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制する効果がより一層高まる。

0023

第6の発明は、有害物質の吸入抑制方法において、人間の顔に装着されたマスクの周縁部と顔との隙間から空気中の有害物質が吸入されるのを抑制するバリアを形成することを特徴とする。

0024

この構成によれば、見えない障壁、防壁が形成されるので、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのが抑制される。

0025

第7の発明は、前記バリアを形成する吸入抑制剤を前記マスクに付着させるマスク処理工程を備えることを特徴とする。

0026

この構成によれば、吸入抑制剤をマスクに付着させることで、マスクの周縁部と顔との隙間から空気中の有害物質が吸入されることを防ぐバリアを簡単に形成することができる。

0027

第8の発明は、前記マスク処理工程では、液体の吸入抑制剤を前記マスクに噴霧することによって付着させることを特徴とする。

0028

この構成によれば、吸入抑制剤をマスクの広範囲にまんべんなく付着させることができる。

0029

第9の発明は、前記マスク処理工程では、吸入抑制剤を前記マスクにおける外面に付着させることを特徴とする。

0030

この構成によれば、マスクの外面に吸入抑制剤が付着しているので、マスクの外方にバリアを形成することができ、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制する効果がより一層高まる。

発明の効果

0031

本発明によれば、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制できるので、マスクを装着したときに吸入されてしまう空気中の有害物質の量を大幅に減少させることができる。

図面の簡単な説明

0032

本発明の実施形態に係るマスク処理剤が収容された有害物質の吸入抑制製品を示す図である。
マスクの処理要領を説明する図である。
マスクを装着した状態を正面から見た図である。
マスクを装着した状態を側面から見た図である。
疑似花粉吸入率を示すグラフである。
微粒子のマスク透過率を示すグラフである。

実施例

0033

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。

0034

図1は、本発明の実施形態に係るマスク処理剤が収容された有害物質の吸入抑制製品1を示すものである。有害物質の吸入抑制製品1は、有害物質を人間が吸入してしまうのを抑制するためのものであり、主に図2に示すマスク100に対して使用するものである。

0035

処理対象となるマスク100は、プリーツ型のものであってもよいし、立体形状のものであってもよい。マスク100は、例えば、3層構造のものがあり、不織布からなる2つの外層(口に当たる層と、外面になる層)の間に、エレクトレット処理されたフィルタが配置されて一体化されている。近年のマスク100の濾過性能は高く、有害物質の99%程度を捕捉する性能を有するものがある。

0036

マスク100は、ガーゼ等の織布、不織布、紙(パルプ紙レーヨン繊維紙)等からなるものを例示することができる。マスク100を構成する繊維としては、ポリプロピレンポリエチレンナイロンポリウレタン、綿、ポリエステルレーヨン等を例示することができる。マスク100は、市販の高性能使い捨てタイプ汎用使い捨てタイプ、加湿効果のあるタイプ、洗って繰り返し使用するタイプ、香り付きのタイプのいずれであってもよい。

0037

ここで、有害物質とは、空気中に浮遊するダニの死骸や糞、花粉等のアレルゲンや、各種病原性ウイルスや細菌等のほか、PM2.5などの微小粒子状物質も含む。これら有害物質は、吸入されて体内に取り込まれると、喘息皮膚炎花粉症等の症状が現れることがある。本発明が対象とする有害物質は上記に限られるものではなく、その他、体内に取り込まれることによって何らかの症状が現れる物質を含んでいる。上記した有害物質は、空気中を浮遊する粒子として存在し、そのような粒子は通常、プラスマイナスの電荷を持ったものが殆どである。

0038

図1に示す有害物質の吸入抑制製品1は、容器2と、容器2に収容された液体のマスク処理剤と、容器2内のマスク処理剤を噴霧する噴霧機構3とを備えている。噴霧機構3は、使用者が指で押す押しボタン4を備えており、プッシュスプレータイプのものである。この押しボタン4を押すことにより、内蔵されたポンプ(図示せず)を作動させ、押しボタン4に設けられている噴霧口4aからマスク処理剤を噴霧することができる。これにより、マスク処理剤を、指等を使用することなく、マスク100に直接付着させることができる。噴霧機構3としては、マスク処理剤を噴霧させることができればよく、例えばトリガータイプのものであってもよい。1回の操作で噴射される薬剤の量は、例えば0.05ml以上に設定されているが、これに限られるものではなく、0.01ml以上0.5ml以下の範囲で設定することができる。

0039

噴霧機構3は、噴霧するマスク処理剤の平均粒子径が50μm以上350μm以下となるように構成されている。マスク処理剤の平均粒子径は、噴霧機構3が有する噴射口の形状や大きさ等で任意に設定することができる。平均粒子径が50μmよりも小さいと、マスク処理剤の噴霧時に飛散しやすくなり、目的の場所への付着量が減ってしまうという問題があり、また、平均粒子径が350μmよりも大きいと、マスク処理剤が液滴で付着することになるため、均一な付着が難しくなるという問題がある。

0040

マスク処理剤の平均粒子径の測定方法は次のとおりである。マスク処理剤を、噴射機構3から水平方向に噴射し、噴射口から噴射方向(水平方向)に直線距離で20cm離れた箇所における平均粒子径を測定した。雰囲気温度は25℃である。平均粒子径の測定装置として、粒度分布測定装置レーザー光散乱方式、東日コンピューターアプリケーションズ株式会社製 LDSA−1400A)を用いた。平均粒子径は、上記粒度分布測定装置で測定して処理装置によって自動的に演算されて解析されたD50を意味するものである。D50とは、体積積算値が50%を占める時の粒子径のことである。尚、上記直線距離の起算点は、噴射口の中心点である。

0041

尚、この実施形態では、使用者の押圧操作によるポンプ作用を利用して薬剤を噴霧するようにしているが、これに限らず、いわゆるエアゾール缶噴射剤と共に薬剤を収容しておき、ボタン操作によって薬剤を噴射剤と一緒に噴射するようにしてもよい。噴射剤としては、窒素二酸化炭素等の圧縮空気LPG液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)などの液化ガス等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。

0042

マスク処理剤は、マスク100の外面に付着させるのが好ましいが、内面に付着させてもよい。マスク100の外面とは、口が当たらない側の面であり、内面とは、口が当たる側の面である。

0043

マスク処理剤は、人間の顔に装着されるマスクを処理するための薬剤である。マスク処理剤には、吸入抑制剤が含まれている。吸入抑制剤は、空気中の有害物質が口や鼻から吸入されるのを抑制するバリアをマスク100の周縁部100aと顔との隙間に形成するとともに、空気中の有害物質がマスク100の周縁部100aと顔との隙間から吸入されるのを抑制するためのものである。

0044

図3及び図4に示すように、マスク100を顔に装着すると、マスク100の周縁部100aと顔との間に隙間ができてしまう。例えば、マスク100の上縁部と頬との間、マスク100の左右両縁部と頬との間等に隙間ができる。マスク100にはプリーツ型と呼ばれるものや立体形状のもの等、様々な形状のものがあるが、いずれの形状のものであっても、マスク100の周縁部100aを使用者の顔に完全にフィットさせることは難しく、マスク100の周縁部100aと顔との間には上述した隙間ができることは避けられない。また、装着時にマスク100の周縁部100aと顔との隙間が無くなるようにしていたとしても、しゃべるときや表情の変化によって口や頬が動くと、それに伴ってマスク100がずれたり、マス100の周縁部100aと顔との隙間が大きくなることがある。隙間ができると、使用者が息を吸い込むときに、その隙間から空気中の有害物質が口や鼻に吸入されることがある。

0045

前記隙間に形成するバリアとは、見ることも触ることもできない障壁、防壁のことであるが、物質の行き来を完全に遮断できるものでなくてもよく、バリアが形成されない場合と比較して有害物質の吸入抑制効果が有意な差となって現れるものであればよい。本発明のバリアの理論的な詳細が全て明らかになっているわけではないが、以下のように考えられる。即ち、マスク処理剤によって処理されたマスク100を顔に装着すると、マスク100の周縁部100aと顔との隙間に、空気中の有害物質の侵入を抑制するバリアが形成される。バリアは、吸入抑制剤が持つ電荷によって形成することができ、電荷によってバリアを形成することで、クーロン力を有害物質に与えて有害物質をマスクに吸引できる。吸入抑制剤は、バリア形成剤と呼ぶこともできるし、クーロン力による有害物質吸引剤と呼ぶこともできる。また、吸入抑制剤により、イオンの力でマスク100の周縁部100aと顔との間の隙間をバリアすることができる。さらに、マスク100の周縁部100aと顔との間の隙間から吸入される有害物質を吸入抑制剤によってブロックすることができるので、吸入ブロック剤と呼ぶこともできる。

0046

この実施形態では、上記電荷を有する吸入抑制剤として、陽電荷ポリマーを含んでいる。陽電荷ポリマーは、カチオン化セルロース、具体的にはヒドロキシエチルセルロース四級アンモニウム塩を付加して四級カチオン化したものを使用することができる。この他の四級アンモニウム塩の重合体も陽電荷ポリマーとして使用できる。このような陽電荷ポリマーとしては、例えば、POLYQUATERNIUM-10、POLYQUATERNIUM-51、POLYQUATERNIUM-61、POLYQUATERNIUM-64、POLYQUATERNIUM-64、POLYQUATERNIUM-65、POLYQUATERNIUM-7等を挙げることができる。これらのうち、任意の1種のみまたは複数種を混合して使用することができる。

0047

吸入抑制剤の濃度(質量パーセント濃度)は、0.01%以上0.1%以下とすることができる。すなわち、吸入抑制剤の濃度(質量パーセント濃度)が0.01%未満になると有害物質に対して作用するクーロン力が低くなって吸引力が低下してしまい、また、吸入抑制剤の濃度が0.1%を超えると、吸入抑制剤が陽電荷ポリマーである場合に、陽電荷ポリマーが空気中の水分を吸って電荷を失い易くなり、有害物質に対して作用するクーロン力が低くなる。従って、吸入抑制剤の濃度を0.01%以上0.1%以下の範囲とすることで、バリアの効果がより一層高まるとともに、空気中の有害物質がマスクの周縁部と顔との隙間から吸入されるのを抑制する効果がより一層高まる。

0048

吸入抑制剤の濃度の下限は、0.02%とすることができる。吸入抑制剤の濃度の上限は、0.04%とすることができる。

0049

マスク処理剤は、吸入抑制剤の他、増粘多糖類抗菌剤消臭剤溶剤としての精製水が含まれている。増粘多糖類は、化粧品に使用されているものが好ましく、例えばプルランを挙げることができる。抗菌剤は、化粧品に使用されているものが好ましく、複数種を混合して使用することができる。消臭剤は、植物抽出物が好ましく、例えば緑茶抽出物等を挙げることができる。マスク処理剤には香料が含まれていてもよい。また、マスク処理剤には、ミントラベンダーユーカリ等のハーブ精油が含まれていてもよい。

0050

(有害物質の吸入抑制方法)
次に、本発明の有害物質の吸入抑制方法について説明する。有害物質の吸入抑制方法は、人間の顔に装着されたマスク100の周縁部100aと顔との隙間から空気中の有害物質が吸入されるのを抑制するためのバリアを形成する工程を少なくとも備えている。マスク100にマスク処理剤を付着させた後に、当該マスク100を顔に装着することで、バリアをマスク100の周縁部100aと顔との隙間に形成することができる。マスク100にマスク処理剤を付着させるタイミングは、マスク100を顔に装着する前であってもよいし、マスク100を顔に装着した後であってもよい。本実施形態のマスク処理剤は人体に対する安全性が高いので、顔に付着しても問題はなく、従って、顔に装着したマスク100に対してマスク処理剤を噴霧することができる。

0051

マスク100にマスク処理剤を付着させるタイミングがいずれの場合であっても、有害物質の吸入抑制方法は、バリアを形成するための吸入抑制剤をマスク100に付着させるマスク処理工程を備えることになる。マスク処理工程では、マスク処理剤をマスク100に対して噴霧することによって当該マスク100の外面に付着させる。噴霧機構3の押しボタン4を複数回押してマスク100の外面にマスク処理剤が均一に付着するようにする。

0052

(疑似花粉吸入試験
次に、疑似花粉吸入試験について説明する。疑似花粉吸入試験では、従来から周知の花粉飛散装置を使用した。擬似花粉として、中位粒子径が30〜40μmのAPIE石松子を用いた。花粉飛散装置により擬似花粉を空間中が一定濃度となるよう飛散させた後、パーティクルカウンターを接続した顔モデルを用いて空間中の空気を60分間吸入させた(測定粒子径:10μm)。

0053

図5に疑似花粉吸入試験の結果を示している。「マスクなし」は、顔モデルにマスクを装着しなかった場合であり、「マスクなし」における疑似花粉吸入数を100%とした。「未処理マスク」とは、本実施形態のマスク処理剤による処理を行っていないマスクを顔モデルに装着した場合である。「比較例」は、比較例に係るマスク処理剤による処理を行ったマスクを顔モデルに装着した場合である。比較例に係るマスク処理剤は、吸入抑制剤を含んでおらず、非イオン界面活性剤を5%、グレープフルーツ種子エキスを10%、緑茶抽出物を0.1%、消泡剤を0.1%、香料を0.1%含み、残部が精製水(溶剤)である。図5の「本発明」は、本実施形態のマスク処理剤による処理を行ったマスクを顔モデルに装着した場合である。この試験で使用したマスクは、全て同じであり、サラヤサージカルマスクフリーサイズである。尚、マスク100の種類や形状は特に限定されるものではなく、同じような結果が得られる。

0054

図5に示すように「未処理マスク」は疑似花粉吸入率が50%であった。つまり、マスクを装着しても、非装着の場合と比べて疑似花粉吸入率は半分程度にしかならない。これは、近年のマスク100が有害物質の99%程度を捕捉する性能を有していることに鑑みると、疑似花粉がマスク100の周縁部100aと顔との隙間から吸入されていることを示している。また、上述したように、マスク100には、エレクトレット処理されたフィルタが設けられているが、このフィルタでは、マスク100の周縁部100aと顔との隙間にバリアを形成することができないことも示している。

0055

「比較例」は、「未処理マスク」と同程度の疑似花粉吸入率であった。「比較例」は、吸入抑制剤を含まないマスク処理剤で処理したマスクを使用しているので、マスク100の周縁部100aと顔との隙間にバリアを形成することができず、従って、「未処理マスク」と同程度の性能であると考えられる。

0056

一方、「本発明」は、疑似花粉吸入率が30%であり、「比較例」及び「未処理マスク」に比べて4割程度、疑似花粉吸入数が低下している。この低下分は、マスク100の周縁部100aと顔との隙間からの吸入数が低下した分である。すなわち、マスク100の周縁部100aと顔との隙間に、疑似花粉の吸入を抑制するバリアが形成されているということができ、このバリアにより、バリア無しの比較例や「未処理マスク」に比べて疑似花粉の吸入数が大幅に低下する。

0057

(マスク通過率試験)
次に、マスク通過率試験について説明する。マスク通過率試験では、人工唾液をネプライザーで空間中に噴霧し、パーティクルカウンターを接続した顔モデルを用いて空間中の空気を60分間吸入させた(測定粒子径:10μm)。使用したマスクは、疑似花粉吸入試験で使用したものと同じである。

0058

図6にマスク通過率試験の結果を示している。「未処理マスク」、「比較例」及び「本発明」は、それぞれ、疑似花粉吸入試験の「未処理マスク」、「比較例」及び「本発明」と同じである。「エタノール」は、エタノールをマスク100に付着させた場合である。

0059

マスク通過率が「比較例」は67%であったのに対し、「本発明」では62%であり、「本発明」は「比較例」に対して5ポイント向上している。この試験では、微粒子のマスク通過率を得ており、「本発明」と「比較例」との差は5ポイントであったが、上述した疑似花粉吸入試験では、図5に示すように17ポイントもの大きな差が出ている。つまり、疑似花粉吸入試験による「本発明」と「比較例」との差は、マスク通過率の差だけではないということを示しており、マスク100の周縁部100aと顔との隙間に形成されたバリアによって疑似花粉吸入数を低下させることができることが分かる。尚、エタノールを付着させると微粒子の通過率が著しく高まることになる。

0060

(実施形態の作用効果
以上説明したように、この実施形態によれば、マスク処理剤によって処理されたマスク100を装着すると、マスク100の周縁部100aと顔との隙間にバリアを形成することができ、このバリアにより、空気中の有害物質がマスク100の周縁部100aと顔との隙間から吸入されるのを抑制することができる。

0061

上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。

0062

以上説明したように、本発明に係るマスク処理剤及び有害物質の吸入抑制方法は、例えばアレルゲンや病原性ウイルス等の有害物質を人間が吸入してしまうのを抑制する場合に使用することができる。

0063

1有害物質の吸入抑制製品
2容器
3噴霧機構
4 押しボタン
4a噴霧口
100マスク
100a マスクの周縁部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ