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技術 高強度ステアリングピニオン

出願人 フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト
発明者 アンドレ・フク
出願日 2019年6月13日 (1年6ヶ月経過) 出願番号 2019-110030
公開日 2020年3月26日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-045559
状態 未査定
技術分野 操向伝動装置 物品の熱処理 放電加工、電解加工、複合加工
主要キーワード 軸受け領域 軸受け位置 アセンブリユニット 未完成品 歯付き領域 最終輪郭 ジョイント接続 表面パラメータ
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課題

本発明は、加工品、特にステアリングピニオンの特性を向上させる高強度ステアリングピニオンの製造方法及びステアリングピニオンを提供する。

解決手段

ステアリングピニオン(10)がベイナイト変態化可能なENISO683−17に従う転がり軸受け鋼からなり、そしてベイナイト変態化によって高強度ステアリングピニオン(10)として形成されることが企図される。

概要

背景

DE102004003541A1(特許文献1)は、自動車ステアリング機構に使用されるピニオンシャフトの製造のための、高強度ピニオンシャフトに使用するための鋼、並びにそのための製造方法を開示している。この文献に記載された特定の組成を有するその発明による記載された鋼は、歯切り加工の間の剥離の発生は比較的希であり、高周波焼き入れの後に高い表面硬度ノッチ付き耐衝撃強さ及び捻り強さを有し、そして高周波焼き入れの間の熱処理から被る負荷は比較的少ない。

DE102006059050A1(特許文献2)は、縁領域に残留圧縮応力を有する完全に硬化したベイナイト転がり軸受け鋼、及び及びマルテンサイト部分並びに残留オーステナイト部分からなる転がり軸受け部材の熱処理のための方法であって、前記熱処理が二段階で行われ、ここで加工品は、オーステナイト温度から出発して先ず、マルテンサイト開始温度より若干低い温度を有する塩浴中で急冷し、そして温度が均衡するまで維持し、この際、前記加工品は、次いで、マルテンサイト開始温度よりも僅かに高い温度の第二の浴中で変換させそしてマルテンサイト開始温度を超える温度に維持する、方法を開示している。

DE102006046765A1(特許文献3)は、第一のプロセスステップにおいて、被加工材料、特に後で加工品と称されるクランクシャフトの材料の慣用機械的、好ましくは切削加工を行う、二段階方法を開示している。この際、形状の仕上がり寸法は、後段電解加工の仕上がり寸法の分を補正する必要がある、すなわちその材料削除の分を補正する必要があることが考慮される。その後の第二のプロセスステップでは、慣用の予備加工された空洞を、電解加工法によって加工する。このためには、電解加工のための既知の装置が使用され、すなわち加工の時に工具加工物被加工品)との間の直接的な接触が行われないことを特徴とする電解加工法(ECM−電解加工)または更に発展した電解加工、いわゆるパルス電解加工(PECM−パルス電解加工)が使用される。加工のためには、工具と被加工品とを相対的に押し動かして、加工品上に工具の形状を複製する。このためには、工具と加工品との間に電圧印加し、この際、加工品はアノードとして及び工具はカソードとして接続される。加工のためには、工具(カソード)と加工品(アノード)との間の所与間隙、好ましくは1mm未満の間隙に電解質溶液を注ぎ入れる。それ故、加工品上の材料削除は電解的に行われ、そして溶解した材料は、金属水酸化物として電解質溶液から、加工領域の外に排出される。PECM法は、工具と物品との間の遙かにより狭い間隙幅、好ましくは0.01〜0.2mmの間隙幅を有し、それ故、ECM法よりも本質的により高い加工精度を有する。PECM法に特徴的なのは更に、加工電流がECM法のように持続的にかけられるのではなく、パルス電流として供給される点にある。電解加工の方法は、更に高い加工安定性を特徴とする。

補完的にDE102010032326A1(特許文献4)が参照され、そこでも同様に、電解加工(ECM)またはパルス電解加工(PECM)を用いた空洞(孔)の形成のための装置及び方法が記載されている。

概要

本発明は、加工品、特にステアリングピニオンの特性を向上させる高強度ステアリングピニオンの製造方法及びステアリングピニオンを提供する。ステアリングピニオン(10)がベイナイト変態化可能なENISO683−17に従う転がり軸受け鋼からなり、そしてベイナイト変態化によって高強度ステアリングピニオン(10)として形成されることが企される。

目的

効果

実績

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牽制数
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請求項1

ステアリングピニオン(10)の製造方法であって、ステアリングピニオン(10)の未完成品ベイナイト変態化可能なENISO683−17に従う転がり軸受け鋼から製造し、これを次いで硬度を高めるためにベイナイト変態化することを特徴とする、前記方法。

請求項2

ベイナイト変態化の前にステアリングピニオン(10)の未完成品中に孔(12)を形成するために、先ず孔(12)を前駆輪郭(12V)として前記未完成品中に形成し(ステップa))、次いでステアリングピニオン(10)をベイナイト変態化し(ステップb))、そして最後に、孔(12)の表面を、最終輪郭(12E)の形成のために孔(12)の表面品質を変化させるために、後処理(ステップc))することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

ベイナイト変態化(ステップb))の前に、孔(12)の前駆輪郭(12V)をステアリングピニオン(10)中に機械的にあけるかまたは電解加工によって形成する(ステップa))ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。

請求項4

孔(12)の最終輪郭(12E)が、孔(12)の前駆輪郭(12V)の表面品質の変化のために、ステアリングピニオン(10)のベイナイト変態化(ステップb))の後に、電解加工を用いて後処理される(ステップc))ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。

請求項5

前駆輪郭(12V)及び/または最終輪郭(12E)が、電解加工(ECM)によってまたはパルス電解加工(PECM)によって形成/後処理される(ステップa)及びc))ことを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。

請求項6

ステアリングピニオン(10)が、100Cr6という名称EINISO683−17に従う転がり軸受け鋼からなり、0.93〜1.05の炭素(C:)、0.15〜0.35のケイ素(Si:)及び0.25〜0.45のマンガン(Mn:)及び1.35〜1.6のクロム(Cr:)及び場合により更に別の微量の化学物質の重量%化学物質組成を有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。

請求項7

ステアリングピニオン(10)の未完成品をまたは孔(12)として前駆輪郭(12)が設けられたステアリングピニオン(10)を次のサブステップ、すなわち・オーステナイト化温度まで加熱するステップ(ステップb1));・マルテンサイト鋼曲線(3)を超える250℃と500℃との間の温度まで塩浴中で冷却するステップ(ステップb2));・塩浴中で数分間〜数時間の間、マルテンサイト鋼曲線(3)を超える250℃と500℃との間の温度で、ベイナイト硬化曲線上に維持するステップ(ステップb3));・室温まで冷却するステップ(ステップb4))、に付すことによって、ステアリングピニオン(10)のベイナイト変態化(ステップb))を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。

請求項8

ベイナイト変態化可能なENISO683−17に従う転がり軸受け鋼からなりそしてベイナイト変態化されていることを特徴とする、ステアリングピニオン(10)。

請求項9

ステアリングピニオン(10)が孔(12)を含み、この孔(12)が、請求項2〜7に記載のプロセスステップの少なくとも一つに従い形成されるステアリングピニオン(10)であって、孔(12)の最終輪郭(12E)が、事前にベイナイト変態化されたENISO683−17に従う転がり軸受け鋼の電解加工によって後処理されており、その結果、孔(12)の最終輪郭(12E)の側壁(12E−1)が、電解加工に典型的な平滑でかつ構造的に均一な表面を有することを特徴とする、請求項8に記載のステアリングピニオン(10)。

請求項10

少なくとも孔(12)の最終輪郭(12E)の側壁(12E−1)が、電解加工によって5μm以下の平均粗さ(Rz)を有する平滑な表面を持つことを特徴とする、請求項9に記載のステアリングピニオン(10)。

請求項11

前駆輪郭(12V)及び/または最終輪郭(12E)が、電解加工(ECM)によってまたはパルス電解加工(PECM)によって形成されていることを特徴とする、請求項9または10に記載のステアリングピニオン(10)。

技術分野

0001

本発明は、ステアリング機構ステアリングピニオンを製造するための方法、並びに組み立てた状態でトーションバーを配置可能なステアリングピニオンに関する。

背景技術

0002

DE102004003541A1(特許文献1)は、自動車のステアリング機構に使用されるピニオンシャフトの製造のための、高強度ピニオンシャフトに使用するための鋼、並びにそのための製造方法を開示している。この文献に記載された特定の組成を有するその発明による記載された鋼は、歯切り加工の間の剥離の発生は比較的希であり、高周波焼き入れの後に高い表面硬度ノッチ付き耐衝撃強さ及び捻り強さを有し、そして高周波焼き入れの間の熱処理から被る負荷は比較的少ない。

0003

DE102006059050A1(特許文献2)は、縁領域に残留圧縮応力を有する完全に硬化したベイナイト転がり軸受け鋼、及び及びマルテンサイト部分並びに残留オーステナイト部分からなる転がり軸受け部材の熱処理のための方法であって、前記熱処理が二段階で行われ、ここで加工品は、オーステナイト温度から出発して先ず、マルテンサイト開始温度より若干低い温度を有する塩浴中で急冷し、そして温度が均衡するまで維持し、この際、前記加工品は、次いで、マルテンサイト開始温度よりも僅かに高い温度の第二の浴中で変換させそしてマルテンサイト開始温度を超える温度に維持する、方法を開示している。

0004

DE102006046765A1(特許文献3)は、第一のプロセスステップにおいて、被加工材料、特に後で加工品と称されるクランクシャフトの材料の慣用機械的、好ましくは切削加工を行う、二段階方法を開示している。この際、形状の仕上がり寸法は、後段電解加工の仕上がり寸法の分を補正する必要がある、すなわちその材料削除の分を補正する必要があることが考慮される。その後の第二のプロセスステップでは、慣用の予備加工された空洞を、電解加工法によって加工する。このためには、電解加工のための既知の装置が使用され、すなわち加工の時に工具加工物被加工品)との間の直接的な接触が行われないことを特徴とする電解加工法(ECM−電解加工)または更に発展した電解加工、いわゆるパルス電解加工(PECM−パルス電解加工)が使用される。加工のためには、工具と被加工品とを相対的に押し動かして、加工品上に工具の形状を複製する。このためには、工具と加工品との間に電圧印加し、この際、加工品はアノードとして及び工具はカソードとして接続される。加工のためには、工具(カソード)と加工品(アノード)との間の所与間隙、好ましくは1mm未満の間隙に電解質溶液を注ぎ入れる。それ故、加工品上の材料削除は電解的に行われ、そして溶解した材料は、金属水酸化物として電解質溶液から、加工領域の外に排出される。PECM法は、工具と物品との間の遙かにより狭い間隙幅、好ましくは0.01〜0.2mmの間隙幅を有し、それ故、ECM法よりも本質的により高い加工精度を有する。PECM法に特徴的なのは更に、加工電流がECM法のように持続的にかけられるのではなく、パルス電流として供給される点にある。電解加工の方法は、更に高い加工安定性を特徴とする。

0005

補完的にDE102010032326A1(特許文献4)が参照され、そこでも同様に、電解加工(ECM)またはパルス電解加工(PECM)を用いた空洞(孔)の形成のための装置及び方法が記載されている。

先行技術

0006

DE102004003541A1
DE102006059050A1
DE102006046765A1
DE102010032326A1

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は今や、上記の従来技術から出発して、加工品、特にステアリングピニオンの特性を向上させるという課題に基づくものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、ステアリングピニオンの製造方法に関する。

0009

ステアリングピニオンの未完成品を、ベイナイト変態化可能なEN ISO683−17による転がり軸受け鋼から製造し、これを次いで、硬度を高めるためにベイナイト変態化し、それによって、ステアリングピニオンが、より高い延性及び耐衝撃性並びに摩耗性を有利に有するようになることが企図される。

0010

該ステアリングピニオンは、有利に、ベイナイト変態化によって慣用のステアリングピニオンよりも寸法安定性が高く、そして格別強靱な組織を有する。およそ58HRC(ロックウェル硬さ)である硬度が達成される。ステアリングピニオンの軸受けもベイナイト変態化されるため、マルテンサイト硬化されたステアリングピニオンと比べてその高い破壊抵抗性の故に、本発明によるステアリングピニオンのより長い寿命サイクルが有利に達成可能である。

0011

それ故、該軸受けは、より大きな衝撃負荷に有利にさらされ得る。ベイナイト変態化されたステアリングピニオンの縁領域における残留圧縮応力が比較的小さいため、該ステアリングピニオンの全ての領域を比較的大きな負荷にさらすことができる。更に、慣用の方法で製造されたステアリングピニオンで局所的に生じた比較的小さな強度状態はベイナイト変態化によって有利に取り除くことができる。

0012

好ましくは、ベイナイト変態化の前のステアリングピニオンの未加工品中への孔の形成のためには、
・先ず、前駆輪郭としての孔を、「軟質の」未加工品中に形成し(ステップa))、そして
・その後で初めてステアリングピニオンをベイナイト変態化し(ステップb))、その後、
・最後に、表面品質を変化させるために孔の表面、及び最終輪郭の形成のために孔の表面構造を「硬質に」後処理する(ステップc))、
ことが企図される。

0013

本発明の好ましい形態では、ステアリングピニオン中の孔の前駆輪郭を、ベイナイト変態化(ステップb))の前に機械的に穿孔するかまたは電解加工によって形成する(ステップa))ことが企図される。

0014

孔の最終輪郭は、孔の前駆輪郭の表面品質及び表面構造を変化させるために、ステアリングピニオンのベイナイト変態化(ステップb))の後に、電解加工によって後処理する(ステップc))。

0015

この際、代替的な実施形態では、前駆輪郭及び/または最終輪郭は、ステップa)及びc)において、電解加工(ECM)によってまたはパルス電解加工(PECM)によって形成/後処理されることが企図される。

0016

本発明では、ステアリングピニオンが、重量%で0.93〜1.05の炭素(C:)、0.15〜0.35のケイ素(Si:)及び0.25〜0.45のマンガン(Mn:)及び1.35〜1.6のクロム(Cr:)及び場合により更に別の微量の化学物質の化学物質組成を有する、未加工品としての100Cr6という名称EIN ISO683−17に従う転がり軸受け鋼から形成される。本発明では、まだ孔を持たないステアリングピニオンが未加工品として見なされる。言い換えれば、他の図1に示した構造は既に形成されていてよい。

0017

それ自体既知のベイナイト変態化はステップb)において行われ、そして本発明では、ステアリングピニオンの未加工品(孔無し)をまたは孔が前駆輪郭として設けられたステアリングピニオンを以下のサブステップに付すことによって、ステアリングピニオンに対して行われる。

0018

ステアリングピニオンをオーステナイト化温度に加熱するステップ(ステップb1));
マルテンサイト鋼曲線(3)を超える250℃と500℃との間の温度まで塩浴中でステアリングピニオンを冷却するステップ(ステップb2));
塩浴中で数分間〜数時間の間、マルテンサイト鋼曲線3を超える250℃と500℃との間の温度を、ベイナイト硬化曲線2上に維持するステップ(ステップb3));
ステアリングピニオンを室温に冷却するステップ(ステップb4))。

0019

該プロセスを実行した後に、高強度のベイナイト変態化ステアリングピニオンが存在する。

0020

該ステアリングピニオンは、供すべき孔とは無関係に、上記の特性を有する。

0021

該ステアリングピニオンが、請求項2〜7に記載のプロセスステップの少なくとも一つに従い形成された孔を含む場合には、該ステアリングピニオンの孔の最終輪郭は、事前にベイナイト変態化されたEN ISO683−17に従う転がり軸受け鋼の電解加工によって後処理されるかまたは後処理可能である。

0022

それによって、孔の最終輪郭の少なくとも側壁が電解加工によって形成され、そうして孔の最終輪郭の側壁が、電解加工にとって典型的な平滑で構造的に均一な表面を有するようになる。

0023

この孔の最終輪郭の側壁の表面は、機械的に加工された表面と比べて、有利に、より平滑でかつ構造的により均一であり、そして電解加工にとって典型的な光学的に検査可能な表面構造を有する。

0024

業者は、光学的に微視的な検査によって、機械的に加工された表面構造を、電解加工によって生じた表面構造から区別することができる。

0025

有利に、この電解加工では、典型的には、ステアリングピニオンの孔の表面の構造的な研磨作用並びに構造的な平坦化がもたらされ、この際、特に、比較的に機械的加工では典型的に生じるような表面パラメータの構造的差異が、電解加工が行われた全領域にわたって認められないことが確認可能である。

0026

本発明の好ましい形態では、孔の最終輪郭の側壁は、電解加工によって、≦5μmの平均粗さ(Rz)さえも有することができる。

0027

それ故、平滑な表面が達成できる(≦5μmの平均粗さ(Rz)が可能)ということの他に、電解加工(ECM、PECM)によって、孔の表面が、そうして製造される全てのステアリングピニオンにおいて非常に類似の構造を有し、この際、有利にかつ典型的には、機械加工で生じる痕跡は存在しないことが格別有利である。どのようなタイプの機械的加工の場合でも、このような痕跡が確認でき、この際、特に、微視的な検査は、機械的に加工された孔では、表面構造に部分的に強い(望ましくない)差異を示す。

0028

慣用の機械的硬度加工では、表面品質、例えば平均粗さ(Rz)に関してほぼ理想的な測定値が存在するが、光学的に明らかに異なる表面構造が存在することが確認された。

0029

これらの異なる表面構造は、特に工具の摩耗によって生じるが、これは、電解加工(ECM、PECM)では有利に起こらず、それによって、光学的に異なる表面構造は避けられる。

0030

機械的加工におけるこれらの光学的に確認可能な表面の構造的な差異は、以下に詳細に説明するようにステアリングピニオンとトーションバーとを組み立てた状態にするための、孔の最終輪郭の表面構造と、導通されるトーションバーの表面構造との間の後段のはめ込み工程(いわゆるトーションバージョイント)に劇的に影響を及ぼす。

0031

アセンブリユニットとしての組み立てた状態での該ステアリングピニオンの孔中へのトーションバーの持続的な保持性にとっては、特にトーションバーを介してステアリングピニオンによって吸収されるべき力には常により高い要求が課せられるという背景がある故に、孔及びトーションバーの表面構造が特に重要である。

0032

好ましくは、前駆輪郭及び/または最終輪郭が、電解加工(ECM)によってまたはパルス電解加工(PECM)によって形成されてることが企図される。

0033

以下に、本発明を実施例において添付の図面に基づいて説明する。

図面の簡単な説明

0034

ステアリングピニオンの透視図
軸方向に伸び中央線での上側の切断図として示した、孔の最終輪郭を形成する前のステアリングピニオンの側面図。
ステアリングピニオンの孔の最終輪郭の形成の際の図2のステアリングピニオンの側面図
本発明による方法の説明のための温度[T]−時間[t]図

実施例

0035

図1は、ステアリングピニオン10を透視図で示す。

0036

ステアリングピニオン10は、軸方向に伸びた第一の軸受領域10.1及び軸方向に伸びた第二の軸受領域10.2を含み、それらの間に同様に軸方向に伸びた歯付き領域10.4が形成されている。

0037

軸受領域10.1及び10.2中の形成された軸受けを介して、ステアリングピニオン10がステアリング機構の一部として車体側の軸受け位置据え付けられる。第一の軸受領域10.1にはステアリングピニオン10の軸方向で、過負荷保護形状を有する過負荷保護領域10.3が接続されている。

0038

ステアリングピニオン10の過負荷保護領域10.3側には、組み立てた状態で、図示していないトーションバーを孔12中に押し入れ、その際、トーションバーと孔12の側壁12E−1との間にはポジティブロック及びフリクションロック接合が形成されている。上記トーションバーは、このトーションバーと作用連結している図示していないハンドルステアリング動きを、歯付き領域10.4を介して例えばラックと接続しているステアリングピニオン10に伝達する。

0039

トーションバージョイントの後の、すなわちトーションバーを孔12中に押し入れた後のトーションバーと孔12との間の強い接続が特に重要であることは明らかである。

0040

この際、手順は次の通りである。先ず、孔12を、前駆輪郭12Vを持って機械的に(いわゆる軟質状態で)ステアリングピニオン10中に形成する。次いで、ステアリングピニオン10を全体的に硬化し、この際、大概は、特に歯付き領域10.4の歯を硬化するために、高周波焼入れまたは表面焼入れが使用される。高周波焼入れの場合は、孔12の前駆輪郭12Vを取り囲む材料組織は柔らかいままであり、他方で、ステアリングピニオン10の縁領域中の材料組織は硬化される。

0041

次いで、前駆輪郭12Vは、更なる機械的ステップによって機械的に後加工され、そうして、材料が、予め定め得る取りしろAの分、機械的に削除される。

0042

材料を削除した後に、最後に孔12の最終輪郭12Eが形成される。

0043

この際、最終の機械的加工は、スピンドルまたは摩擦によって行われ、この際、加工は、孔12を囲む材料組織が、いわゆる軟質状態で(高周波焼入れ後)またはいわゆる硬化状態(表面焼入れ後)で存在するか否かを考慮する。

0044

この手順では表面状態が使用した硬化方法に依存しないで変動するため、表面状態に関してのこのような変動を避けるための解決策が求められることが分かった。

0045

本発明によれば、ステップa)において、孔12の前駆輪郭12Vが第一の実施形態では更に機械的に仕上げされることが企図される。

0046

第二の実施形態では、ステップa)において孔12の前駆輪郭12Vが電解加工によって形成されることが企図される。

0047

これらの両方の形態の一つの後には、本発明では、ステップb)(ステアリングピニオン10のベイナイト変態化)が続くために、最終加工のためのステップc)においては、すなわち孔12の最終輪郭12Eの形成のためには、孔12の軟質の前駆輪郭12V及びベイナイト変態化の後には硬質の前駆輪郭12Vが存在する。

0048

両方の実施形態において、本発明では、ステップc)において、図2及び3において概略して示すように、最終輪郭12Eを電解加工(ECM)によってまたはパルス電解加工(PECM)によって形成することが可能である。

0049

図2には、シリンダ状に設計されたステアリングピニオン10の上側半分の断面を示しており、そうして歯付き領域10.4だけでなく、その後に、ステアリングピニオン10のボディ10.5もステップb)においてベイナイト変態化によって硬化されることが明らかとなっており、この際更に、孔12の前駆輪郭12Vが、ステアリングピニオン10の第一の軸受領域10.1に形成されることが明らかとなっている。

0050

孔12はステアリングピニオン10の過負荷型の開口部につながり、この際、この開口部は、過負荷型としての襟状部によって取り囲まれており、この襟状部は、軸方向に見て過負荷保護領域10.3を形成している。

0051

図2には、所定の取りしろAが供されており、これは、電解加工(ECM)によってまたはパルス電解加工(PECM)によって削除して、そうして前駆輪郭12Vから孔12の最終輪郭12Eを形成可能となる、材料領域を明らかにする。

0052

それ故、図2には、前駆輪郭12Vの側壁12V−1が示されている。

0053

図3には、孔12の最終輪郭12の形成のためのプロセスステップc)の原理が明らかにされている。

0054

電解加工(ECMまたはPECM)のために、ステップc)において、工具として使用されるカソードK及び加工品、特にステアリングピニオンが互いに相対的に押し動かされて、孔12の前駆輪郭12Vの内部にカソードKの形状が写し取られる。

0055

このためには、カソードKとステアリングピニオン10との間に電圧を印加し、この際、ステアリングピニオン10はアノードとして機能する。この加工のためには、例示の目的としてのみとして文献DE102006046765A1(特許文献3)に説明されているように、カソードとステアリングピニオン10との間に存在する間隙、好ましくは1mm未満の間隙に電解質溶液を流す。それ故、孔12の前駆輪郭12Vでの原材料の削除は電解的に行われ、そして溶解した原材料は、金属水酸化物として電解質溶液から、加工領域の外に排出される。

0056

特に、ECM法と比べて、PECM法は、カソードKとステアリングピニオン10との間の極めてより小さな間隙幅、好ましくは0.01〜0.2mmの間隙幅を有し、それ故、本質的により高い加工精度(カソード形状のより高い再現性)を有するため、PECM法が好ましい実施形態である。PECM法に特徴的なのは、加工電流がECM法のように持続的にかけられるのではなく、パルス電流として供給される点にある。電解加工の方法は、更に高速な加工時間及び高い加工安定性を特徴とする。

0057

加えて、ステップCにおいて取りしろAの分の材料の削除の際は、カソードKとステアリングピニオン10との間の機械的な振動運動が有利である。というのも、そうすると、電解質溶液が十分に交換されるからである。

0058

電解加工(ECMまたはPECM)の利点は、特に、加工が、ベイナイト変態化によって引き起こされた硬質の組織状態において、最終輪郭12Eの側壁12E−1の特に平滑な表面をもたらし、そしてステアリングピニオン10が全体として高強度ステアリングピニオン10として形成される点にある。

0059

それ故、ステップb)におけるこのベイナイト変態化は種々の効果を生じさせる。ステアリングピニオン10全体が、ベイナイト変態化の後に高強度となる。すなわち、形成された孔12の領域の材料組織だけが高強度になるのではなく、ステアリングピニオン10全体が有利に硬化される。

0060

孔12の最終輪郭12Eのベイナイト変態化された表面は、電解加工(ECMまたはPECM)の後に、表面品質に関して所望の再現可能なパラメータ満足する。

0061

これには、ステアリングピニオン10が、電解加工(ECMまたはPECM)による硬化の後に、もう一度熱的にもしくは機械的に応力を受けず、そのため、ステアリングピニオン10においても内力が生じないという効果がある。

0062

孔12の最終輪郭12Eの形成のためのプロセスステップは、加工工具(カソード)への接触なしに行われ、この際、特に、Rz≦5μm(Rz=平均粗さまたは測定された表面粗さの中央値)を有する最終輪郭12Eの側壁12E−1の表面品質を少なくとも達成できる。従来の手順では発生し得る加工を原因とする凹線及び稜線が有利に避けられる。

0063

更に、従来の方法とは異なり、孔12の最終輪郭12EのRz≦5μmの非常に高い表面品質を効果として達成できるだけでなく、更に別の効果として、例えばRz≦5μmの達成された表面品質が再現可能であり、かつ本質的にそれらの構造的表面状態に関して変動幅を持たず、この際、特に、光学的に微視的に、表面状態の構造的な相違は確認できず、ここに、本発明による手順の本質的な利点の一つが存在する。

0064

この際、削除するべき材料の組織状態がベイナイト変態化によって硬化されている時に電解加工(ECMまたはPECM)を行うことにより、Rz≦5μmの表面品質が、生じさせ得る表面品質の下位範囲において特に、問題なく達成される。

0065

最後に、加工工具(カソード)がほぼ摩耗しない点にも利点がある。更に、必要なプロセス時間が僅かである。孔の深さが例えば18mmであり及び送り速度が例えば4mm/sである場合は、プロセスステップc)のタクト時間は4〜5秒となる。

0066

ベイナイト変態化は、孔12の形成には原則的に依存せず、そして記載されていない領域と先に明示的に記載された領域10.1、10.2、10.3及び10.4の全ての、特に歯付き領域10.4のステアリングピニオン10の硬度を高めるために行うことができる。

0067

本発明によれば、上記のやり方において、ステアリングピニオン10全体の材料硬度、並びに孔12に関しては孔12の表面品質ばかりでなく、孔12の最終輪郭12Eの電解加工にとって典型的な均一な表面構造を再現可能に形成可能であるという相乗効果が有利に生じる。

0068

本発明によれば、孔12中へのトーションバーのトーションバージョイントによって、ベイナイト変態化されたステアリングピニオン10の孔12の完成した電解加工された最終輪郭12E中にポーションバーが押し入れられたアセンブリユニットを製造できる。

0069

このアセンブリユニットは、本発明よれば、ステアリング機構の一部であり、これは、トーションバーが、ジョイント接続(Fuegeverbindung)によって孔12の最終輪郭12Eに押し込まれており、この際、孔12の最終輪郭12Eの側壁12E−1が、電解加工に典型的な平滑でかつ構造的に均一な表面を有する。

0070

図4は、補完的に、ステップb)における本発明による方法の説明のための温度[T]−時間[t]図を示す。

0071

曲線1は、オーステナイト鋼をオーステナイト化温度に加温してから短時間のうちに、250℃と500℃との間にあるマルテンサイト鋼曲線3未満の温度まで冷却を行うことを説明するものである。

0072

曲線2は、本発明に従いステップb1)においてベイナイト化可能な鋼をオーステナイト化温度まで加温し、これを次いでステップb2)において塩浴中で、マルテンサイト鋼曲線3超の250℃と500℃との間の温度に冷却することを説明するものである。この際、塩浴中でのマルテンサイト鋼曲線3超の250℃と500℃との間のステップb3)における温度は、数分間から数時間にわたって、いわゆるベイナイト硬度曲線2に維持され、そうしてから最後に、ステップ(4)において室温までの冷却を行うことが企図される。

0073

10ステアリングピニオン
10.1 第一の軸受け領域
10.2 第二の軸受け領域
10.3 過剰負荷保護領域
10.4歯付き領域
10.5 ボディ
12 孔
12V 前駆輪郭
12V−1 前駆輪郭の側壁
12E最終輪郭
12E−1 最終輪郭の側壁
Kカソード
A 取りしろ
オーステナイト硬度曲線
2ベイナイト硬度曲線(オーステンパー
3マルテンサイト鋼曲線

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