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技術 良色相の成形品およびその製造方法

出願人 東洋スチレン株式会社
発明者 佐藤誠塚田雅史宮島悠平高橋哲也
出願日 2019年11月5日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-200991
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-045488
状態 未査定
技術分野 ライトガイド一般及び応用 高分子組成物 高分子成形体の処理
主要キーワード 押出成形設備 加熱器付き エンジニアリングプラスチック製 分光放射分布 メタクリル酸単量体単位 シアン化ビニルモノマー 外部潤滑剤 本願記載
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この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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課題

光学特性が改善された光照射成形品およびその成形品を得るための製造方法を提供する。

解決手段

熱可塑性樹脂からなる成形品に、主として波長340nm〜575nmの成分を含む光(望ましくは主として波長370〜510nmの成分を含む光)を照射することで得られる光照射成形品は、光を照射しない成形品に比べ、良色相の成形品となる。また、この製造方法は、従来の熱可塑性樹脂からなる成形品を更に良色相の成形品とするための手段として活用できる。

概要

背景

熱可塑性樹脂は、雑貨包材自動車電気機器医療機器等、今日では多くの産業分野に用いられている。

スチレン系樹脂は、透明性、剛性低吸水性、寸法安定性などの特性に優れ、成形加工性に優れることから、射出成形押出成形ブロー成形などの各種成形方法により、電気製品や各種工業材料食品包装容器、雑貨等として広く用いられている。また、透明性を生かした用途として、導光板拡散板などの光学部材にも用いられている。

スチレン系樹脂の特徴として透明性が挙げられるが、例えば、透明性がとりわけ重要な光学用途などでは、必ずしも要求を満足しない場合もあるため、様々な手法で透明性の改善がなされている。スチレン系樹脂の透明性改善と黄変防止に関する方法として、酸化防止剤を配合する方法や、スチレン系樹脂中の特定の成分を制御するなどの方法が知られている。

概要

光学特性が改善された光照射成形品およびその成形品を得るための製造方法を提供する。熱可塑性樹脂からなる成形品に、主として波長340nm〜575nmの成分を含む光(望ましくは主として波長370〜510nmの成分を含む光)を照射することで得られる光照射成形品は、光を照射しない成形品に比べ、良色相の成形品となる。また、この製造方法は、従来の熱可塑性樹脂からなる成形品を更に良色相の成形品とするための手段として活用できる。なし

目的

本発明は、従来の熱可塑性樹脂からなる成形品に比べ、更に光学特性が改善された成形品およびその成形品を得るための製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱可塑性樹脂からなる成形品に、主として波長340nm〜575nmの成分を含む光を照射することで得られる光照射成形品。

請求項2

照射する光が主として波長370〜510nmの成分を含む光である、請求項1記載の光照射成形品。

請求項3

照射する光の光源LEDである、請求項1または請求項2記載の光照射成形品。

請求項4

熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光照射成形品。

請求項5

スチレン系樹脂が、スチレン系単量体と(メタアクリル酸系単量体とを共重合して得られるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂であって、スチレン系樹脂のスチレン系単量体単位含有量が85.0〜99.9質量%、(メタ)アクリル酸系単量体単位の含有量が0.1〜15.0質量%である請求項4に記載の光照射成形品。ただし、スチレン系樹脂のスチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸系単量体単位の含有量の合計を100質量%とする。

請求項6

スチレン系樹脂が、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂であって、スチレン系樹脂のスチレン系単量体単位の含有量が40.0〜99.0質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が1.0〜60.0質量%である請求項4に記載の光照射成形品。ただし、スチレン系樹脂のスチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量の合計を100質量%とする。

請求項7

上記熱可塑性樹脂が、熱可塑性樹脂と酸化防止剤とを含む熱可塑性樹脂組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光照射成形品。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の光照射成形品を利用した光学用部材

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の光照射成形品を利用した導光板

請求項10

熱可塑性樹脂からなる成形品に主として波長340nm〜575nmの成分を含む光を照射し、光照射成形品を得る製造方法。

請求項11

照射する光が主として波長370〜510nmの成分を含む光である、請求項10記載の製造方法。

請求項12

照射する光の光源がLEDである、請求項10または請求項11記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、良色相成形品およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

熱可塑性樹脂は、雑貨包材自動車電気機器医療機器等、今日では多くの産業分野に用いられている。

0003

スチレン系樹脂は、透明性、剛性低吸水性、寸法安定性などの特性に優れ、成形加工性に優れることから、射出成形押出成形ブロー成形などの各種成形方法により、電気製品や各種工業材料食品包装容器、雑貨等として広く用いられている。また、透明性を生かした用途として、導光板拡散板などの光学部材にも用いられている。

0004

スチレン系樹脂の特徴として透明性が挙げられるが、例えば、透明性がとりわけ重要な光学用途などでは、必ずしも要求を満足しない場合もあるため、様々な手法で透明性の改善がなされている。スチレン系樹脂の透明性改善と黄変防止に関する方法として、酸化防止剤を配合する方法や、スチレン系樹脂中の特定の成分を制御するなどの方法が知られている。

先行技術

0005

特開2012−149156
特開2014−173034

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、従来の熱可塑性樹脂からなる成形品に比べ、更に光学特性が改善された成形品およびその成形品を得るための製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記目的を達成するため、検討を進めたところ、熱可塑性樹脂からなる成形品に光照射をする事で、従来に比べ、光学特性を改善できる事を見出した。本発明はかかる知見に基づくもので、以下の要旨を有する。
1.熱可塑性樹脂からなる成形品に主として波長340nm〜575nmの成分を含む光を照射し、光照射成形品を得る製造方法、およびその製造方法により得られた光照射成形品。
2.好ましくは、上記1項記載の光が、主として波長370〜510nmの成分を含む光である製造方法、およびその製造方法により得られた光照射成形品。
3.上記1項または2項記載の光の光源LEDである製造方法、その製造方法により得られた光照射成形品。
4.上記1項〜3項のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂である光照射成形品。
5.上記4項記載のスチレン系樹脂がスチレン系単量体と(メタアクリル酸系単量体とを共重合して得られるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂である光照射成形品。
6.上記4項記載のスチレン系樹脂が、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂である光照射成形品。
7.上記1項〜6項のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂が、熱可塑性樹脂と酸化防止剤とを含む熱可塑性樹脂組成物である光照射成形品。
8.上記1項〜7項のいずれか1項に記載の光照射成形品を利用した光学用部材
9.上記1項〜8項のいずれか1項に記載の光照射成形品を利用した導光板。

0008

本発明者らは、光照射をすることで熱可塑性樹脂からなる成形品の光学特性が改善すること、更に改善のためには、特定の波長範囲の光が有効である事を見出した。このような効果が得られる原因は必ずしも明らかになっていないが、成形品に含まれる有色の成分が起因しており、光照射によってそれが無色の成分へ変化するためと推察される。更に、この反応が特定の波長範囲の光によって引き起こされているためと推察される。

発明の効果

0009

本発明の製造方法は熱可塑性樹脂に等しく利用でき、光学特性を改善するための手法として採用できる。また、本発明の光照射成形品は、従来に比べ光学特性が改善されたものであるため、色相などの光学特性が重要な用途や、透明性がとりわけ重要な光学用途において、好適に用いることができる。

0010

<<成形品に照射する光>>
本発明の光照射成形品とは、成形品に光を照射したものを言う。本発明において、成形品に照射する光は主として波長340nm〜575nmの成分を含む光である。340nm以下では、成形品を構成する樹脂やその他の種々の成分の劣化により、光学特性や機械特性等の物性が悪化する傾向にあるが、340nm以上とすることでこれを抑制でき、また、光学特性の改善効果が高くなる。また、575nm以下の光が、光学特性の改善に対して効果がある。好ましくは、370〜510nmであり、この波長領域では、更に高い効果が得られることが実験的に確認された。

0011

<<光源>>
本発明に用いる光源には特に制限はないが、光学特性改善に寄与する光の波長は340nm〜575nmであるため、エネルギー利用効率の観点から、全波長領域における光エネルギーに対し、該波長領域の光エネルギーの割合が高い方が、より高効率の光源となる。なお、本願において「主として」とは、本願で定める波長領域の光エネルギーが、全波長領域の光エネルギーに対し50%以上である事を意味する。このような光として、例えばLED(無機ELを利用した無機LEDや、有機ELを利用したO−LEDも含む)は、特定の波長範囲の光を選択的に利用できるため、本願の要求を満たす光源として特に効果的である。それ以外にも種々の光源を利用可能である。
本願で定める波長領域の光エネルギーは全波長領域の光エネルギーに対し、例えば、60%、70%、80%、90%、100%と割合を高めることで、エネルギーの浪費を抑制できるため、ここで示した数値以上とすることで、より好ましい光源となる。

0012

また、各種光源に対しても、特定の波長の光を選択的に成形品に照射するような措置をとることで、擬似的に本願の要求を満たす光源とすることも可能である。そのような手法としては例えば、特定の波長をカットするフィルターを使用する方法や、分光して照射する方法などが挙げられる。光源に制限はないが、例えばLED以外にも、蛍光灯太陽光水銀灯白熱電球キセノンランプカーボンアーク等様々な光源に対して適用可能である。

0013

放射照度は、放射源から平面状の物体に照射された単位面積あたりの放射束の両を表す物理量であるが、本願では放射源は光源である。放射照度は任意に選択可能であるが、放射照度が高い方が、反応速度が速くなるため、短時間で色相を変化させることができる。放射照度は、光源の光の強度(電流電圧光変換効率によって異なる)や光源と成形品の距離によって変更可能である。

0014

光源と成形品の距離は任意に選択可能であるが、光源と成形品の距離が長くなると、光の拡散のため、光源から放たれる光を効率的に利用できない場合がある。距離が短い場合も、光源の出力によっては、光源の熱により成形品が変形や劣化を起こす場合がある。光源と成形品の距離は、成形品に光源を密着させる場合の0mmから、光源から放たれる光の影響がなくなる距離(光源の放射強度あるいは放射エネルギー外部環境に依存する)までの中から選択できる。

0015

成形品への光照射の方向は、成形品に対して任意の方向から照射することができ、限定されない。しかしながら、成形品に対して充分な面積(あるいは体積)を照射できるような光源を使用する場合、光源から放たれる光が成形品内部を通る距離が短い方が、より短時間で成形品全体の色相を変化させることができるため、エネルギー消費の観点から、成形品の形状に適した照射方向を選択することが好ましい。例えば、本願実施例に記載するような板状の成形品(115×127×3mm)であれば、光源からの光が成形品の127mmや115mm部分を通過するような方向から照射するよりも、3mm部分を通過するような方向から照射することで、より短時間で色相を変化させることができるため、効率的である。

0016

光照射する時間は、任意の時間とすることができる。成形品の色相は光照射をすることで、経時変化するが、ある時間Ts以降は色相が変化しない挙動となる。図1に光照射する事での色相値YIの変化の一例を示した。Ts以内で照射をやめると、色相が変化しなくなるまでの任意の色相とすることができ、Ts以降の照射は、Ts時点からの色相変化に対して実質的に効果がない。エネルギーの浪費になるため、Ts以内で光照射をやめる方が好ましい。Tsは光エネルギー全体に対する波長340nm〜575nmまたは370〜510nmの成分の割合、放射照度、成形品と光源の距離、成形品への光照射方向、等の光照射の条件、また、樹脂の種類、添加剤等の含有成分の種類や量、等の成形品を構成する材料によっても変化する。

0017

0018

光照射は、実質的に動かない成形品に対して実施できる他(回分式)、動いている成形品に対しても実施可能である(連続式)。成形品を継続して生産する設備、例えば、連続の押出成形設備や、ベルトコンベア等を利用して成形品を流すような設備の場合、光照射を途中で実施することで、光照射成形品を継続して得る事ができる。

0019

<<熱可塑性樹脂>>
本願発明に用いる成形品の材料としては、種々の熱可塑性樹脂が利用でき、限定されない。熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂環状ポリオレフィン系樹脂ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、各種添加剤とで構成されていることが好ましく、熱可塑性樹脂組成物100質量%中の熱可塑性樹脂の割合は、例えば90〜99.9質量%であり、95〜99.9質量%が好ましい。熱可塑性樹脂の割合は、具体的には例えば、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。

0020

<<スチレン系樹脂>>
スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を重合して得ることができる樹脂である。スチレン系単量体とは、芳香族ビニル系モノマーであるが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられ、これらの単独または2種以上の混合物であり、好ましくはスチレンである。また、本発明の特徴を損ねない範囲でスチレン系単量体と共重合してもよく、アクリル酸メタクリル酸等のアクリル酸モノマーアクリロニトリルメタクリロニトリル等のシアン化ビニルモノマーアクリル酸ブチルアクリル酸エチルアクリル酸メチルメタクリル酸メチル等のアクリル系モノマー無水マレイン酸フマル酸等のα,β−エチレン不飽和カルボン酸類、フェニルマレイミドシクロヘキシルマレイミド等のイミドモノマー類が挙げられる。
スチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂と、各種添加剤とで構成されていることが好ましく、スチレン系樹脂組成物100質量%中のスチレン系樹脂の割合は、例えば90〜99.9質量%であり、95〜99.9質量%が好ましい。スチレン系樹脂の割合は、具体的には例えば、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。

0021

スチレン系樹脂が、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体とを共重合して得られるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂である場合、スチレン系樹脂のスチレン系単量体単位含有量が85.0〜99.9質量%、(メタ)アクリル酸系単量体単位の含有量が0.1〜15.0質量%であることが好ましい。ただし、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸単位の含有量の合計を100質量%とする。(メタ)アクリル酸系単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸等であり、メタクリル酸が好ましい。なお、スチレン系単量体単位とは、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂を構成する分子構造の中で、スチレン系単量体に由来する構造単位のことであり、(メタ)アクリル酸系単量体単位とは、(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位のことである。

0022

スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂中の(メタ)アクリル酸系単量体単位の含有量の測定は室温で実施する。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂0.5gを量し、トルエンエタノール=8/2(体積比)の混合溶液に溶解後、水酸化カリウム0.1mol/Lエタノール溶液にて中和滴定を行い、終点を検出し、水酸化カリウムエタノール溶液の使用量より、(メタ)アクリル酸単位の質量基準の含有量を算出する。なお、電位自動滴定装置を使用することができ、京都電子工業株式会社製AT−510により測定を行うことができる。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂中の(メタ)アクリル酸系単量体単位の含有量は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂の重合時における原料のスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体との組成比によって調整することができるが、相溶する範囲において(メタ)アクリル酸系単量体単位を含有するスチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂と(メタ)アクリル酸系単量体単位を含有しないスチレン系樹脂とをブレンドして調整することもできる。

0023

スチレン系樹脂が、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂である場合、スチレン系樹脂のスチレン系単量体単位の含有量が40.0〜99.0質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が1.0〜60.0質量%であることが好ましい。ただし、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量の合計を100質量%とする。(メタ)アクリル酸エステル系単量体とは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル等である。なお、スチレン系単量体単位とは、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂を構成する分子構造の中で、スチレン系単量体に由来する構造単位のことであり、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位とは、(メタ)アクリル酸エステル系単量体に由来する構造単位のことである。

0024

スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量は熱分解ガスクロマトグラフィーで以下の条件にて測定できる。
熱分解炉:PYR−2A(株式会社島津製作所製)
熱分解炉温度設定:525℃
ガスクロマトグラフGC−14A(株式会社島津製作所製)
カラムガラス製3mm径×3m
充填剤FFAPChromsorb WAW 10%
インジェクションディテクター温度:250℃
カラム温度:120℃
キャリアーガス:窒素

0025

スチレン系樹脂の重合方法としては、塊状重合法溶液重合法懸濁重合法、乳化重合法等公知のスチレン重合方法が挙げられる。品質面や生産性の面では、塊状重合法、溶液重合法が好ましく、連続重合であることが好ましい。溶媒として例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン等のアルキルベンゼン類アセトンメチルエチルケトン等のケトン類ヘキサンシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が使用できる。

0026

スチレン系樹脂の重合時に、必要に応じて重合開始剤連鎖移動剤を使用することができる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、公知慣用の例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ジ(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシルプロパン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシイソノナノエート等のアルキルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートポリエーテルテトラキス(t-ブチルパーオキシカーボネート)等のパーオキシカーボネート類、N,N'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、N,N'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、N,N'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、N,N'−アゾビス[2−(ヒドロキシメチルプロピオニトリル]等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤としては、脂肪族メルカプタン芳香族メルカプタンペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー及びテルピノーレン等が挙げられる。

0027

連続重合の場合、まず重合工程にて公知の完全混合槽型攪拌槽塔型反応器等を用い、目標分子量、分子量分布反応転化率となるよう、重合温度調整等により重合反応が制御される。重合工程を出た重合体を含む重合溶液は、脱揮工程に移送され、未反応の単量体及び重合溶媒が除去される。脱揮工程は加熱器付き真空脱揮槽ベント付き脱揮押出機などで構成される。脱揮工程を出た溶融状態の重合体は造粒工程へ移送される。造粒工程では、多孔ダイよりストランド状に溶融樹脂押出し、コールドカット方式や空中ホットカット方式、水中ホットカット方式にてペレット形状に加工される。

0028

本発明のスチレン系樹脂の重量平均分子量は特に制限はないが、15万〜70万であると、成形品としての特性や成形性が良好となる。15万未満では成形品の強度が不十分となり、70万を超えると成形性が著しく低下する。また、18万〜50万であることが好ましい。スチレン系樹脂の重量平均分子量は、重合工程の反応温度滞留時間、重合開始剤の種類及び添加量、連鎖移動剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量等によって制御することができる。
重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製PLgel 10μmMIXED−B
移動相テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
本発明の分子量は単分散ポリスチレン溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。

0029

<<成形品>>
本願記載の成形品の成形方法に特に制限はないが、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形などの目的に応じた各種成形方法で成形品を得ることができる。成形品の形状は目的に応じた形状とすることができ、限定されるものではない。例えば板状成形品であれば、導光板として用いることができる。導光板とする方法として、板状成形品の背面(光を出射する面の反対側)にドットパターンなどの反射パターンを設けることが知られている。樹脂板から導光板に加工する際、光の入射面あるいは樹脂板の端面全面を研磨処理して、鏡面とすることが好ましい。また、出射光均一性を高めるために、板状成形品の表面(光が出射される面)にプリズムパターンを設けることができる。板状成形品の表面あるいは背面のパターンは、板状成形品の成形時に形成させることができ、例えば射出成形では金型形状、押出成形ではロール転写などによって、パターン形成させることができる。

0030

<<添加剤・酸化防止剤>>
本願に示す成形品には、滑剤や酸化防止剤などの各種添加剤が含まれていても良い。例えば、ミネラルオイルステアリン酸エチレンビスステアリン酸アミド等の内部潤滑剤ヒンダードフェノール系酸化防止剤リン系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤ラクトン系酸化防止剤ヒンダードアミン系安定剤、紫外線吸収剤帯電防止剤等の添加剤が挙げられる。また、外部潤滑剤としては、エチレンビスステアリン酸アミドが好適であり、含有量としては樹脂組成物中に30〜200ppmであることが好ましい。

0031

特に、酸化防止剤を含む成形品においては、成形品中の酸化防止剤由来の着色成分が光照射によって無色の成分に変化したと推測される結果が実験的に確認されたため、本願の製造方法、あるいは用いる成形品として効果的である。

0032

リン系酸化防止剤とは、三価リン化合物である亜リン酸エステル類であり、種々の物が使用できる。リン系酸化防止剤は、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシホスホラスビス(2,4−ジクミルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、4,4'−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ〔5.5〕ウンデカンサイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルフォスファイト)、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−[2−メチル−4,6−ビス−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エチルフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、耐加水分解性に優れたものが好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ〔5.5〕ウンデカンであることが好ましい。特に好ましくは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトである。リン系酸化防止剤は、単独でもよいが二種以上を併用してもよい。

0033

ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、基本骨格フェノール性水酸基を持つ酸化防止剤であり、種々の物が使用できる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンビスオキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス〔(ドデシルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、DL−α−トコフェロール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス−[3,3−ビス−(4'−ヒドロキシ−3'−tert—ブチルフェニル)−ブタン酸]−グリコールエステル等が挙げられる。好ましくは、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス]2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕である。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独でもよいが二種以上を併用してもよい。

0034

各種添加剤の添加方法は特に限定されないが、例えば、スチレン系樹脂の重合工程、脱揮工程、造粒工程で添加混合する方法や成形加工時の押出機射出成形機などで添加混合する方法、これらの添加剤を高濃度に調整した樹脂組成物を無添加あるいは濃度の薄いスチレン系樹脂によって目的の含有量に希釈混合する方法などが挙げられる。

0035

紫外線吸収剤は、紫外線による劣化や着色を抑制する機能を有するものであって、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系サリシレート系、シアノアクリレート系、蓚酸アニリド系、マロン酸エステル系ホルムアミジン系などの紫外線吸収剤が挙げられる。これらは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができ、ヒンダートアミン等の光安定剤を併用してもよい。

0036

本発明の光照射成形品は従来の成形品に比べ、優れた透明性のものであるため、雑貨等の用途以外にも、色相や透明性がとりわけ重要な光学用途などにも好適に使用できる。光学用部材として例えば、導光板や光拡散板レンズカバーなどが挙げられる。なお、導光板や拡散板などは板状成形品のみならず、棒状や筒状等あらゆる形状の、広義導光体拡散体をいう。

0037

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0038

<<試験1>>
(スチレン系樹脂A−1〜A−3の製造)
完全混合型撹拌槽である第1反応器と第2反応器及び静的混合器プラグフロー型反応器である第3反応器を直列に接続して重合工程を構成し、表1に示す条件によりスチレン系樹脂の製造を実施した。各反応器の容量は、第1反応器を39リットル、第2反応器を39リットル、第3反応器を16リットルとした。表1に記載の原料組成にて、原料溶液を作成し、第1反応器に原料溶液を表1に記載の流量にて連続的に供給した。重合開始剤は、第1反応器の入口で表1に記載の添加濃度(原料スチレン及びメタクリル酸、メタクリル酸メチルの合計量に対する質量基準の濃度)となるように原料溶液に添加し、均一混合した。表1に記載の重合開始剤は次の通り。
重合開始剤−1: 2,2−ジ(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(日油株式会社製パーテトラAを使用した。)
重合開始剤−2: 1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油株式会社製パーヘキサCを使用した。)
なお、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分、出口部分で表1の温度となるよう調整した。
続いて、第3反応器より連続的に取り出した重合体を含む溶液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、表1に記載の樹脂温度となるよう予熱器の温度を調整し、表1に記載の圧力に調整することで、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、多孔ダイよりストランド状に押し出しして、コールドカット方式にて、ストランドを冷却および切断しペレット化した。
表1に記載のPMAA含有量は、メタクリル酸単量体単位の含有量を表し、PMMA含有量はメタクリル酸メチル単量体単位の含有量を表す。

0039

MFR>
スチレン系樹脂組成物のMFR(メルトマスフローレート)は、200℃、49N荷重の条件で、JIS K 7210に基づき測定した。

0040

ビカット軟化温度
ビカット軟化温度については、JIS K−7206により、昇温速度50℃/hr、試験荷重50Nで求めた。

0041

0042

得られたペレットを用いて、シリンダー温度230℃、金型温度50℃にて射出成形を行い、127×127×3mm厚みの板状成形品を成形した。

0043

樹脂A−4、A−5として、以下に示す市販品のPMMA、PC樹脂を使用した。また、樹脂A−4はシリンダー温度230℃、金型温度50℃にて射出成形を行い、樹脂A−5はシリンダー温度250℃、金型温度50℃にて射出成形を行い、127×127×3mm厚みの板状成形品を成形した。
樹脂名称A−4:三菱レイヨン株式会社製PMMA樹脂、VH5−000
樹脂名称A−5:三菱エンジニアリングプラスチック製PC樹脂、HL−4000

0044

色相評価
得られた板状成形品からメガテクニカ株式会社製ゲート加工GCPB−500を用いて115×127×3mmに切削研磨し、端面に鏡面を有する板状成形品を得た。得られた板状成形品について、日本分光株式会社製の紫外線可視分光光度計V−670を用いて、大きさ20×1.6mm、広がり角度0°の入射光において、光路長115mmでの波長350nm〜800nmの分光透過率を測定し、C光源における、視野2°でのYI値をJIS K7105に倣い算出した。得られた値が表2のYIである。また、表2に示す透過率とは、波長380nm〜780nmの平均透過率を表す。
ΔYIは、光を照射する前の成形品のYIと光を照射した後の成形品のYIの差を表す(式1)。
ΔYI=(光照射後の成形品のYI)−(光照射前の成形品のYI) (式1)
実施例1−1を例にとると、YI=3.1であり、照射する前のYIは比較例1−1のYI=3.5となるため、ΔYI=−0.4となる。ΔYIが負に大きい方が、色相改善効果が大きい。

0045

<試験に使用した光源>
試験では、以下の光源を利用した。なお、各光源は特定の分光放射分布を有しており、極大波長とは、分光放射分布のグラフ極大値となる波長のことであり、波長範囲とは、放射エネルギー>0となる波長の最も短い波長から最も長い波長までの領域を示す。
緑色LED:日動工業株式会社製、LED照明、LEN−30D−DB−G、極大波長520nm、波長範囲465nm〜605nm
青色LED:日動工業株式会社製、LED照明、LEN−30D−DB−B、極大波長450nm、波長範囲415nm〜505nm
白色LED:日動工業株式会社製、LED照明、LEN−30D−ES−W、極大波長450nm、565nm、波長範囲415nm〜760nm
紫色LED:アイグラフィックス株式会社製、LED照明、極大波長405nm波長範囲385nm〜430nm
紫外LED(1):アイグラフィックス株式会社製、LED照明、極大波長395nm波長範囲375nm〜420nm
紫外LED(2):アイグラフィックス株式会社製、LED照明、極大波長385nm波長範囲365nm〜410nm
紫外LED(3):アイグラフィックス株式会社製、LED照明、極大波長365nm波長範囲345nm〜390nm
赤色LED:日動工業株式会社製、LED照明、LEN−30D−DB−R、極大波長630nm、波長範囲575nm〜670nm
ここで、本試験で使用した白色LEDは、青色LEDと黄色蛍光体を用いた擬似白色LEDであり、それぞれに由来する二つの極大波長がある。
また、分光放射分布に対して、340nm、345nm、・・・のように、5nm毎の値をとり、全ての光エネルギーをEA、340nm〜575nmの光のエネルギーをE1、370〜510nmの光エネルギーをE2として、それぞれの比であるE1/EAおよびE2/EAを求めた。数学的にはEA、E1およびE2は、各光源における、それぞれの範囲でのエネルギーの積算値である。例として図2にEA、E1の一例を網掛け部で図示した。
また、蛍光灯、太陽光、高圧水銀灯は、それぞれの照明の室内、あるいは屋外に成形品を設置した。

0046

0047

<放射照度の測定>
放射照度は、日置電機株式会社製照度計Lux HiTESTER3423、またはアイグラフィックス株式会社製UV METER UVPF−A1 PD−405(紫色LED、紫外LED(1)〜紫外LED(3)のみ)で照度計測し、照度計の可視域相対分光応答度特性またはUV METERの分光感度特性、および光源の分光放射分布より放射照度を計算した。

0048

<実施例1>
樹脂A−1の成形品に、表2に示す光学特性の光源を120分照射し、光照射成形品を得た。照射は115×127mmの面に対して行ったため、光が成形品中を通過する距離は3mmである。この時の放射照度は100W/m2であった。また、光照射成形品の透過率、YIの測定を実施した。

0049

<実施例1−2〜1−19>
実施例1−1同様に樹脂A−1〜A−5からなる成形品に、表2に示す光学特性の光源、照射時間、放射照度で光照射し、光照射成形品を得た。また、光照射成形品の透過率、YIの測定を実施した。

0050

<比較例1−1〜1−5>
比較例1−2は、表2に示す光学特性の光源、それ以外の比較例は樹脂A−1〜A−5からなる成形品に光照射せず、透過率、YIの測定を実施した。

0051

<参考例1−1〜1−3>
樹脂A−1からなる成形品に、太陽光、蛍光灯、高圧水銀灯、および白熱電球の光を所定の時間照射した。また、照射後の成形品の透過率、YIの測定を実施した。

0052

0053

参考例1−1や1−2の様に、各波長のエネルギーが万遍ない、所謂白色光においてYIが負に変化し、色相が改善される挙動が見られたが、波長340nm〜575nmの光エネルギーの割合が高い光において、ΔYIが負に大きく、色相改善の効果が大きいことが判った。比較例1−2を参照すると、575nm以上の光では色相改善の効果が見られなかった。また、特に波長370〜510nmの光エネルギーの割合が高いものは、より高い効果であった。参考例1−3ではΔYIが正の値となっているが、これは水銀灯の光に含まれる紫外線が悪影響を及ぼし、成形品が劣化したためだと考えられる。
実施例1−7や実施例1−13〜1−15を参照すると、340nm〜575nmの光エネルギーの割合が比較的高くない光でも高い効果が得られているが、これは、この白色LEDが青色LEDと黄色蛍光体を用いた擬似白色LEDであり、青色LED由来の光である、波長415nm〜505nm光の影響が大きいためと考えられる。

0054

<<試験2>>
樹脂A−1は、試験1と同様の方法で得た。次に表3に示す含有量となるよう、上記で得られたスチレン系樹脂のペレットと添加剤として酸化防止剤をスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬してペレットを得た。使用した添加剤を以下に示す。なお、実施例2−1、比較例2−1で用いた樹脂は添加剤を添加せずに溶融混練した。
添加剤1:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASFジャパン株式会社製 Irganox 1076)
添加剤2:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト(BASFジャパン株式会社製 Irgafos 168)
得られたペレットは、試験1と同様の条件で射出成形、切削・研磨を行い、端面に鏡面を有する板状成形品を得た。色相評価や放射照度の測定等も試験1と同様の方法で実施した。

0055

<実施例2−1〜2−4>
表3に記載の樹脂A−1、添加剤1、添加剤2からなるそれぞれの樹脂組成物の成形品に、表Xに記載の光学特性を有する光源の光を照射し、光照射成形品を得た。照射は115×127mmの面に対して行ったため、光が成形品中を通過する距離は3mmである。照射時間は60分であり、放射照度は630W/m2であった。また、照射後の成形品の透過率、YIの測定を実施した。

0056

<比較例2−1〜2−4>
表3に記載の樹脂A−1、添加剤1、添加剤2からなるそれぞれの樹脂組成物の成形品に光照射せず、透過率、YIの測定を実施した。

0057

実施例

0058

表3の通り、酸化防止剤を含む場合においても試験1同様に、光照射によってYIの低下が確認された。実施例2−1では溶融混練しない場合(実施例1−1)と比較し、ΔYIが負に大きくなっているが、これは、溶融混練により樹脂組成物中に熱酸化劣化による着色成分が生成し、これが光照射により無色の成分に変化したためだと考えられる。また、酸化防止剤を含まない場合に比べ、ΔYIが負に大きくなっているが、これは、成形品中に酸化防止剤に由来する着色成分があり、これが光照射により無色の成分に変化したためだと考えられる。

0059

本発明の光照射成形品は、従来の成形品に比べ、無色透明性が改善されたものであり、透明性と色相に優れることから、従来の用途以外にも透明性がとりわけ要求される光学用途でも、好適に用いることができる。光学用部材として例えば、レンズや拡散板、カバー、導光板といった用途に適用可能である。
また、本発明の製造方法は、従来の熱可塑性樹脂からなる成形品を更に良色相の成形品とするための手段として活用できる。

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