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技術 光重合開始剤、光重合開始剤セット、光硬化性組成物、歯科材料、及び硬化物

出願人 三井化学株式会社
発明者 高橋一生
出願日 2018年9月18日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-173630
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-045402
状態 未査定
技術分野 重合方法(一般) 歯科用製剤 重合触媒 2個以上の酸素原子を含む複素環式化合物 複数複素環系化合物
主要キーワード 合成樹脂成型 充填複合材料 鎖式アルキル基 歯科材料用 ニトリロ基 エリア面積 裂溝封鎖材 歯科修復材料
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課題

光硬化性組成物硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物曲げ強度を向上させることができる、光重合開始剤を提供する。

解決手段

芳香環上に特定の置換基を有する、ベンゾジオキソール化合物を含む光重合開始剤及び該光重合開始剤を用いた光硬化性組成物、歯科材料、硬化物。

概要

背景

歯科分野において、歯の欠損修復するために、金属補綴物合成樹脂成型物などが用いられている。
歯への接着には、リン酸基カルボキシ基といった酸性基を含有する接着重合性モノマーを含有する接着剤が多用されている。
また、大きな欠損の修復の為に、歯代替物として所謂コンポジットレジンと呼ばれる硬化性組成物が古くから多用されている。
近年、コンポジットレジンの使用範囲が拡大してきている。

特許文献1には、上記コンポジットレジン(硬化性組成物)の一例として、ベンゾジオキソール骨格を有する特定の化合物と、カンファーキノン(CQ)と、の組み合わせを含む可視光硬化型充填複合材料が開示されている。

概要

光硬化性組成物硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物曲げ強度を向上させることができる、光重合開始剤を提供する。芳香環上に特定の置換基を有する、ベンゾジオキソール化合物を含む光重合開始剤及び該光重合開始剤を用いた光硬化性組成物、歯科材料、硬化物。なし

目的

従って、本開示の一態様の課題は、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度を向上させることができる、光重合開始剤及び光重合開始剤セットを提供する

効果

実績

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請求項1

下記式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤。〔式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、下記基(a)、下記基(b)、下記基(c)、下記基(d)、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。但し、R1〜R4のうち少なくとも1つが、下記基(a)、下記基(b)若しくは下記基(c)であるか、又は、R1〜R4のうち少なくとも2つが、それぞれ独立に、下記基(d)である。基(a)は、酸素含有基硫黄含有基窒素含有基及びハロゲン原子からなる群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基である。基(b)は、前記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基である。基(c)は、式(c)で表されるアルコキシ基である。式(c)中、Rc1は、前記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜50の1価の鎖式有機基を表すか、又は、水素原子を表し、*は、結合位置を表す。基(d)は、前記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の1価の炭化水素基である。〕

請求項2

式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、前記基(a)であり、前記基(a)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜10の1価の鎖式炭化水素基である請求項1に記載の光重合開始剤。〔式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。〕

請求項3

式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、前記基(b)であり、前記基(b)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜20の1価の有機基であり、前記1環〜3環の環状構造が、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の光重合開始剤。〔式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。〕

請求項4

式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、前記基(c)であり、前記基(c)におけるRc1は、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜20の1価の鎖式有機基であるか、又は、水素原子である請求項1に記載の光重合開始剤。〔式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。〕

請求項5

前記基(a)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜10の1価の鎖式炭化水素基であり、前記基(b)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜20の1価の有機基であり、前記1環〜3環の環状構造が、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記基(c)におけるRc1が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜20の1価の鎖式有機基であるか、又は、水素原子であり、前記基(d)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の炭化水素基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光重合開始剤。〔式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。〕

請求項6

前記式(1)で表される化合物の分子量が、800以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光重合開始剤。

請求項7

前記式(1)で表される化合物として、下記化合物(1−1)〜下記化合物(1−11)からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光重合開始剤。

請求項8

歯科材料用光重合開始剤である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光重合開始剤。

請求項9

請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光重合開始剤である第1光重合開始剤と、ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤と、を備える光重合開始剤セット。

請求項10

前記ノリッシュII型光重合開始剤が、ベンゾフェノンカンファーキノンクマリン誘導体及びインダン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項9に記載の光重合開始剤セット。

請求項11

歯科材料用光重合開始剤セットである請求項9又は請求項10に記載の光重合開始剤セット。

請求項12

請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光重合開始剤である第1光重合開始剤と、ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤である第2光重合開始剤と、重合性単量体と、を含有する光硬化性組成物

請求項13

前記ノリッシュII型光重合開始剤が、ベンゾフェノン、カンファーキノン、クマリン誘導体及びインダン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項12に記載の光硬化性組成物。

請求項14

前記重合性単量体が、(メタアクリレート化合物を含む請求項12又は請求項13に記載の光硬化性組成物。

請求項15

歯科材料用光硬化性組成物である請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。

請求項16

請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を含む歯科材料

請求項17

請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の硬化物

技術分野

0001

本開示は、光重合開始剤、光重合開始剤セット、光硬化性組成物歯科材料、及び硬化物に関する。

背景技術

0002

歯科分野において、歯の欠損修復するために、金属補綴物合成樹脂成型物などが用いられている。
歯への接着には、リン酸基カルボキシ基といった酸性基を含有する接着重合性モノマーを含有する接着剤が多用されている。
また、大きな欠損の修復の為に、歯代替物として所謂コンポジットレジンと呼ばれる硬化性組成物が古くから多用されている。
近年、コンポジットレジンの使用範囲が拡大してきている。

0003

特許文献1には、上記コンポジットレジン(硬化性組成物)の一例として、ベンゾジオキソール骨格を有する特定の化合物と、カンファーキノン(CQ)と、の組み合わせを含む可視光硬化型充填複合材料が開示されている。

先行技術

0004

中国特許第100415200号明細書

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の材料は、硬化速度及び硬化後の曲げ強度の両方を満足させるという点において、十分なものとはいえない。
従って、本開示の一態様の課題は、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度を向上させることができる、光重合開始剤及び光重合開始剤セットを提供することである。
また、本開示の別の一態様の課題は、硬化速度及び硬化物の曲げ強度に優れる、光硬化性組成物及び歯科材料を提供することである。
また、本開示の更に別の一態様の課題は、曲げ強度に優れた硬化物を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 下記式(1)で表される化合物を含む光重合開始剤。

0007

0008

式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、下記基(a)、下記基(b)、下記基(c)、下記基(d)、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。
但し、R1〜R4のうち少なくとも1つが、下記基(a)、下記基(b)若しくは下記基(c)であるか、又は、R1〜R4のうち少なくとも2つが、それぞれ独立に、下記基(d)である。
基(a)は、酸素含有基硫黄含有基窒素含有基及びハロゲン原子からなる群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基である。
基(b)は、前記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基である。
基(c)は、式(c)で表されるアルコキシ基である。
式(c)中、Rc1は、前記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜50の1価の鎖式有機基を表すか、又は、水素原子を表し、*は、結合位置を表す。
基(d)は、前記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の1価の炭化水素基である。

0009

<2> 式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、前記基(a)であり、
前記基(a)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜10の1価の鎖式炭化水素基である<1>に記載の光重合開始剤。

0010

0011

式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。

0012

<3> 式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、前記基(b)であり、
前記基(b)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜20の1価の有機基であり、
前記1環〜3環の環状構造が、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含む<1>に記載の光重合開始剤。

0013

0014

式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。

0015

<4> 式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、前記基(c)であり、
前記基(c)におけるRc1は、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜20の1価の鎖式有機基であるか、又は、水素原子である<1>に記載の光重合開始剤。

0016

0017

式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。

0018

<5> 前記基(a)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜10の1価の鎖式炭化水素基であり、
前記基(b)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜20の1価の有機基であり、前記1環〜3環の環状構造が、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記基(c)におけるRc1が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜20の1価の鎖式有機基であるか、又は、水素原子であり、
前記基(d)が、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の炭化水素基である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の光重合開始剤。

0019

0020

式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表し、*は、結合位置を表す。

0021

<6> 前記式(1)で表される化合物の分子量が、800以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光重合開始剤。
<7> 前記式(1)で表される化合物として、下記化合物(1−1)〜下記化合物(1−11)からなる群から選択される少なくとも1種を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光重合開始剤。

0022

0023

<8>歯科材料用光重合開始剤である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の光重合開始剤。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の光重合開始剤である第1光重合開始剤と、
ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤と、
を備える光重合開始剤セット。
<10> 前記ノリッシュII型光重合開始剤が、ベンゾフェノン、カンファーキノン、クマリン誘導体及びインダン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含む<9>に記載の光重合開始剤セット。
<11> 歯科材料用光重合開始剤セットである<9>又は<10>に記載の光重合開始剤セット。
<12> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の光重合開始剤である第1光重合開始剤と、
ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤である第2光重合開始剤と、
重合性単量体と、
を含有する光硬化性組成物。
<13> 前記ノリッシュII型光重合開始剤が、ベンゾフェノン、カンファーキノン、クマリン誘導体及びインダン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含む<12>に記載の光硬化性組成物。
<14> 前記重合性単量体が、(メタアクリレート化合物を含む<12>又は<13>に記載の光硬化性組成物。
<15> 歯科材料用光硬化性組成物である<12>〜<14>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<16> <12>〜<15>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を含む歯科材料。
<17> <12>〜<15>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物の硬化物。

発明の効果

0024

本開示の一態様によれば、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度を向上させることができる、光重合開始剤及び歯科材料用光重合開始剤セットが提供される。
また、本開示の別の一態様によれば、硬化速度及び硬化物の曲げ強度に優れる、光硬化性組成物及び歯科材料が提供される。
また、本開示の更に別の一態様によれば、曲げ強度に優れた硬化物が提供される。

0025

本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において、化学式中の*は、結合位置を表す。

0026

〔光重合開始剤〕
本開示の光重合開始剤は、下記式(1)で表される化合物を含む。

0027

0028

式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、下記基(a)、下記基(b)、下記基(c)、下記基(d)、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。
但し、R1〜R4のうち少なくとも1つが、下記基(a)、下記基(b)若しくは下記基(c)であるか、又は、R1〜R4のうち少なくとも2つが、それぞれ独立に、下記基(d)である。
基(a)は、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基及びハロゲン原子からなる群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基である。
基(b)は、群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基である。
基(c)は、式(c)で表されるアルコキシ基である。
式(c)中、Rc1は、群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜50の1価の鎖式有機基を表すか、又は、水素原子を表し、*は、結合位置を表す。
基(d)は、群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の1価の炭化水素基である。

0029

一般に、光硬化性組成物は、重合性単量体及び光重合開始剤を含有する。
光硬化性組成物における光重合開始剤として、本開示の光重合開始剤を用いることにより、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度を向上させることができる。かかる効果が奏される理由は明らかではないが、以下のように推測される。

0030

本開示の光重合開始剤は、一般式(1)で表される化合物を含む。
一般式(1)で表される化合物では、ベンゾジオキソール骨格に対し、
基(a)が少なくとも1つ結合していること、
基(b)が少なくとも1つ結合していること、
基(c)が少なくとも1つ結合していること、及び
基(d)が少なくとも2つ結合していること
の少なくとも1つを満足する。
ベンゾジオキソール骨格に対し基(a)が少なくとも1つ結合している場合には、光照射によって発生したラジカルが、炭素数2以上の鎖状炭化水素基である基(a)によって安定化され、これにより、光照射に対する高い活性が示されると考えられる。
ベンゾジオキソール骨格に対し基(b)が少なくとも1つ結合している場合には、光照射によって発生したラジカルが、1環〜3環の環状構造を含む基(b)の部分に伝播して安定化され、これにより、光照射に対する高い活性が示されると考えられる。ここで、環状構造が4環以上である場合には、環状構造に伝播したラジカル周辺立体障害が大きくなり、却って活性が低下すると考えられる。
ベンゾジオキソール骨格に対し基(c)が少なくとも1つ結合している場合には、光照射によって発生したラジカルが、特定のアルコキシ基である基(c)の部分に伝播して安定化され、これにより、光照射に対する高い活性が示されると考えられる。
ベンゾジオキソール骨格に対し基(d)が少なくとも2つ結合している場合には、光照射によって発生したラジカルが、少なくとも2つの基(d)によって安定化され、これにより、光照射に対する高い活性が示されると考えられる。ベンゾジオキソール骨格に対し、基(d)が1つのみ結合され、かつ、基(a)、基(b)及び基(c)のいずれも結合されていない場合には、ラジカルの安定化作用が不十分となると考えられる。

0031

本開示の光重合開始剤では、以上のようにして光照射に対する高い活性が示されると考えられる。
従って、本開示の光重合開始剤を、光硬化性組成物中の成分として用いることにより、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度を向上させることができる。

0032

本開示の光重合開始剤は、近紫外領域から可視領域に吸収波長を有する。
本開示の光重合開始剤は、かかる吸収波長に対応する光によって硬化する、光硬化性組成物における光重合開始剤として好適である。
本開示の光重合開始剤の用途には特に制限はなく、工業分野医療分野等におけるあらゆる用途に適用できる。
本開示の光重合開始剤は、特に、生体への影響が少ない可視領域(例えば、波長430nm〜500nmの領域)の光によって硬化する光硬化性組成物における光重合開始剤として好適であり、より具体的には、医療用光重合開始剤(特に好ましくは歯科材料用光重合開始剤)として特に好適である。

0033

以下、式(1)中のR1〜R4について説明する。
前述のとおり、R1〜R4は、それぞれ独立に、基(a)、基(b)、基(c)、基(d)、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。但し、R1〜R4のうち少なくとも1つが、基(a)、基(b)若しくは基(c)であるか、又は、R1〜R4のうち少なくとも2つが、それぞれ独立に、基(d)である。
言い換えれば、R1〜R4は、R1〜R4のうち1つ〜3つが、基(a)、基(b)若しくは基(c)を表し、R1〜R4のうちの残りが、基(a)、基(b)、基(c)、基(d)、ハロゲン原子、若しくは水素原子を表すか、又は、
R1〜R4のうち2つ又は3つが、基(d)であり、R1〜R4のうちの残りが、基(d)、ハロゲン原子、若しくは水素原子を表す。
式(1)中に基(a)が複数存在する場合、複数存在する基(a)は、同一であっても異なっていてもよい。基(b)等の他の基についても同様である。

0034

基(a)は、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基及びハロゲン原子からなる群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基である。

0035

本開示において、「鎖式」とは、直鎖式又は分岐鎖式を意味する。言い換えれば、「鎖式」は、環状構造を含まないことを意味する。

0036

基(a)において、1価の鎖式炭化水素基としては、鎖式アルキル基又は鎖式アルケニル基が好ましい。

0037

基(a)において、炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基の炭素数(即ち、2〜50)は、上記1価の鎖式炭化水素基が置換基を有する場合には、置換基中の炭素数を含めない炭素数を意味する。
言い換えれば、基(a)において、炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基の炭素数は、ベンゾジオキソール骨格中ベンゼン環に対し、ヘテロ原子を介さずに直接結合している1価の鎖式炭化水素基の炭素数である。基(a)では、この炭素数が2以上であることが、光照射に対する活性に対して有効に作用すると考えられる。

0038

基(a)において、炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。

0039

基(a)の総炭素数(即ち、1価の鎖式炭化水素基が置換基を有する場合には、置換基中の炭素数を含めた総炭素数)には特に制限はないが、好ましくは2〜50であり、より好ましくは2〜20であり、更に好ましくは2〜10である。

0040

基(a)において、炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基は、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基及びハロゲン原子からなる群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい。

0041

群Aにおいて、酸素含有基としては、酸素原子を含む基であること以外には特に限定はない。酸素含有基は、酸素原子からなる基(即ち、オキソ基(=O))であってもよい。
酸素含有基の炭素数は、0〜30が好ましく、0〜20がより好ましく、0〜10がより好ましい。
酸素含有基としては、オキソ基(=O)又は下記式(A)で表される基が好ましい。

0042

0043

式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜10の鎖式アルキル基を表し、L1Aは、炭素数2〜4の鎖式アルキレン基を表し、nは、0〜5の整数を表す。

0044

式(A)中、R1Aは、水素原子又は炭素数1〜6の鎖式アルキル基であることが好ましい。
式(A)中、L1Aは、炭素数2又は3の鎖式アルキレン基であることが好ましい。
式(A)中、nは、0〜3の整数であることが好ましい。

0045

式(A)中、nが0である場合、R1Aは水素原子であることが好ましい。
即ち、基(a)における炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基が、置換基として、nが0である式(A)で表される基を有する場合、R1Aは水素原子であることが好ましい。この場合の1価の鎖式炭化水素基は、置換基として水酸基を有していることになる。
基(a)である炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基が、置換基として、nが0でありR1Aが水素原子である式(A)で表される基(即ち、水酸基)を有する場合、この水酸基は、基(a)である炭素数2〜50の1価の鎖式炭化水素基の末端(即ち、先端)の炭素原子に結合することが好ましい。この場合の末端の炭素原子には、更に、置換基としてオキソ基(=O)が結合していてもよい。この場合、末端の炭素原子と、水酸基と、オキソ基と、により、カルボキシ基(−C(=O)OH)が形成されることになる。

0046

群Aにおいて、硫黄含有基としては、硫黄原子を含む基であること以外には特に限定はない。硫黄含有基は、硫黄原子からなる基(即ち、チオキソ基(=S))であってもよい。
硫黄含有基としては、例えば、チオール基(−SH)、チオキソ基(=S)等が挙げられる。

0047

群Aにおいて、窒素含有基としては、窒素原子を含む基であること以外には特に限定はない。窒素含有基は、窒素原子からなる基(即ち、ニトリロ基(≡N))であってもよい。
窒素含有基としては、例えば、ニトリロ基(≡N)、アミノ基(−NH2)、炭素数1〜10(好ましくは1〜6)のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜20(好ましくは1〜12)のジアルキルアミノ基等が挙げられる。

0048

群Aにおいて、ハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましい。

0049

群Aは、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群であることが好ましい。

0050

基(a)において、群Aから選択される置換基の数は、0又は1以上であるが、0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましく、0又は1であることが特に好ましい。

0051

基(b)は、群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基である。
基(b)における群Aの好ましい態様は、基(a)における群Aの好ましい態様と同様である。
上記1価の有機基が上記置換基を有する場合、環状構造の部分に上記置換基を有していてもよいし、環状構造以外の部分に置換基を有していてもよい。

0052

基(b)における1環〜3環の環状構造は、芳香環、脂肪族環、及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
環状構造が2環又は3環である場合、2環又は3環である環状構造は、単環同士が共有結合した環、縮合環スピロ環、及び橋かけ環のいずれであってもよく、また、これら(即ち、単環同士が共有結合した環、縮合環、スピロ環、及び橋かけ環)を2つ以上組み合わせた態様の構造であってもよい。

0053

基(b)中、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基の炭素数としては、3〜20がより好ましく、6〜20が更に好ましく、7〜20が更に好ましい。

0054

基(b)において、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基の炭素数(即ち、3〜50)は、環状構造の炭素数を含めた炭素数であるが、上記1価の有機基が置換基を有する場合には、置換基中の炭素数を含めない炭素数を意味する。
上記1価の有機基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましい。

0055

基(b)の総炭素数(即ち、1価の有機基が置換基を有する場合には、置換基中の炭素数を含めた炭素数)には特に制限はないが、好ましくは3〜50であり、より好ましくは3〜20であり、更に好ましくは3〜10である。

0056

基(b)中、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基は、当然に炭素原子を含むが、更に、ヘテロ原子を含んでもよい。
ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。

0057

基(b)中、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50の1価の有機基としては、
1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50のアルキル基
1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50のアルケニル基、
1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50のアルキル基中の炭素原子の少なくとも1つをヘテロ原子に置き換えた基、又は、
1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜50のアルケニル基中の炭素原子の少なくとも1つをヘテロ原子に置き換えた基
が好ましい。

0058

基(c)は、下記式(c)で表されるアルコキシ基である。

0059

0060

式(c)中、Rc1は、上記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜50の1価の鎖式有機基を表すか、又は、水素原子を表し、*は、結合位置を表す。

0061

式(c)中、Rc1における群Aの好ましい態様は、基(a)における群Aの好ましい態様と同様である。

0062

Rc1において、炭素数1〜50の1価の鎖式有機基の炭素数(即ち、1〜50)は、上記1価の鎖式有機基が置換基を有する場合には、置換基中の炭素数を含めない上記1価の鎖式有機基の炭素数を意味する。

0063

Rc1における、炭素数1〜50の1価の鎖式有機基の炭素数としては、1〜20がより好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜6が更に好ましい。

0064

Rc1全体の炭素数(即ち、1価の鎖式有機基が置換基を有する場合には、置換基中の炭素数を含めた炭素数)には特に制限はないが、好ましくは1〜50であり、より好ましくは1〜20であり、更に好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6である。

0065

Rc1において、炭素数1〜50の1価の鎖式有機基は、炭素原子を当然に含むが、更に、ヘテロ原子を含んでもよい。
ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。

0066

Rc1中、炭素数1〜50の1価の鎖式有機基としては、
炭素数1〜50の鎖式アルキル基、
炭素数2〜50の鎖式アルケニル基、
1〜50の鎖式アルキル基中の炭素原子の少なくとも1つをヘテロ原子に置き換えた基、又は、
炭素数2〜50の鎖式アルケニル基中の炭素原子の少なくとも1つをヘテロ原子に置き換えた基
が好ましい。

0067

基(d)は、上記群Aから選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の1価の炭化水素基である。
基(d)中、群Aの好ましい態様は、基(a)における群Aの好ましい態様と同様である。

0068

例えば、基(d)として、
置換基を有しない場合の炭素数1の1価の炭化水素基は、メチル基であり、
置換基としてオキソ基を1つ有する場合の炭素数1の1価の炭化水素基は、ホルミル基(−C(=O)H)であり、
置換基として水酸基及びオキソ基を1つずつ有する場合の炭素数1の1価の炭化水素基は、カルボキシ基(−C(=O)OH)であり、
置換基としてニトリロ基を1つ有する場合の炭素数1の1価の炭化水素基は、シアノ基(−CN)である。

0069

基(d)は、置換基として上記式(A)で表される基を有する炭素数1の1価の炭化水素基であることが好ましい。この場合、式(A)中のnが、1〜3であることが好ましい。
また、基(d)は、置換基として、nが0であってR1Aが水素原子である式(A)で表される基(即ち、水酸基)と、オキソ基(=O)と、を有する炭素数1の1価の炭化水素基であること(即ち、基(d)がカルボキシ基(−C(=O)OH)であること)も好ましい。

0070

式(1)中、R1〜R4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましい。

0071

式(1)で表される化合物の好ましい態様としては、
式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、基(a)であり、
基(a)が、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜10の1価の鎖式炭化水素基である態様が挙げられる。

0072

また、式(1)で表される化合物の好ましい態様としては、
式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、基(b)であり、
基(b)が、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜20の1価の有機基であり、1環〜3環の環状構造が、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含む態様も挙げられる。

0073

また、式(1)で表される化合物の好ましい態様としては、
式(1)中、R1〜R4のうち少なくとも1つが、基(c)であり、
基(c)におけるRc1は、オキソ基、下記式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜20の1価の鎖式有機基であるか、又は、水素原子である態様も挙げられる。

0074

また、式(1)で表される化合物の好ましい態様としては、
式(1)中、R1及びR4が水素原子であり、R2及びR3の一方が、基(a)、基(b)、又は基(c)であり、R2及びR3の他方が、基(a)、基(b)、基(c)、ハロゲン原子、又は水素原子である態様も挙げられる。

0075

式(1)で表される化合物の特に好ましい態様としては、
R2が基(a)であり、R3が水素原子又は基(d)であり、かつ、R1及びR4が水素原子である態様、
R2が基(b)であり、R3が水素原子であり、かつ、R1及びR4が水素原子である態様、並びに、
R2が基(c)であり、R3が基(d)であり、かつ、R1及びR4が水素原子である態様が挙げられる。

0076

また、式(1)で表される化合物の好ましい態様としては、
基(a)が、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数2〜10の1価の鎖式炭化水素基であり、
基(b)が、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい、1環〜3環の環状構造を含む炭素数3〜20の1価の有機基であり、この1環〜3環の環状構造が、芳香環及びヘテロ環からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
基(c)におけるRc1が、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1〜20の1価の鎖式有機基であるか、又は、水素原子であり、
基(d)が、オキソ基、式(A)で表される基、ニトリロ基、アミノ基、及びハロゲン原子からなる群から選択される1つ以上の置換基を有してもよい炭素数1の炭化水素基である態様も挙げられる。

0077

式(1)で表される化合物の分子量には特に制限はなく、例えば800以下であってよいが、好ましくは500以下であり、より好ましくは400以下である。
式(1)で表される化合物の分子量の下限は、例えば150である。

0078

本開示の光重合開始剤は、式(1)で表される化合物に該当する化合物を1種含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
以下、式(1)で表される化合物の具体例(化合物(1−1)〜(1−11))を示すが、式(1)で表される化合物は、これらの具体例には限定されない。

0079

0080

化合物(1−1)〜(1−11)の詳細は以下のとおりである。
化合物(1−1) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、水酸基及びオキソ基を有する炭素数2の鎖式炭化水素基)である化合物である。分子量は180である。
化合物(1−2) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、オキソ基を有する炭素数4の鎖式炭化水素基)である化合物である。分子量は192である。
化合物(1−3) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、水酸基及びオキソ基を有する炭素数3の鎖式炭化水素基)である化合物である。分子量は194である。
化合物(1−4) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、オキソ基を有する炭素数4の鎖式炭化水素基)である化合物である。分子量は192である。
化合物(1−5) … 式(1)中、R1及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、炭素数3の鎖式炭化水素基)であり、R3が、基(d)(詳細には、式(A)で表される基を有する炭素数1の炭化水素基)である化合物である。分子量は338である。
化合物(1−6) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(b)(詳細には、1環の環状構造を有する炭素数4の有機基)である化合物である。分子量は208である。
化合物(1−7) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、炭素数3の鎖状炭化水素基)である化合物である。分子量は162である。
化合物(1−8) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(b)(詳細には、1環の環状構造を有する炭素数8の有機基)である化合物である。分子量は239である。
化合物(1−9) … 式(1)中、R1及びR4が水素原子であり、R2が、基(c)(詳細には、Rc1が水素原子)であり、R3が、基(d)(詳細には、オキソ基を有する炭素数1の炭化水素基)である化合物である。分子量は180である。
化合物(1−10) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(a)(詳細には、ニトリロ基を有する炭素数2の鎖式炭化水素)である化合物である。分子量は161である。
化合物(1−11) … 式(1)中、R1、R3、及びR4が水素原子であり、R2が、基(b)(詳細には、1環の環状構造を有する炭素数6の有機基)である化合物である。分子量は219である。

0081

式(1)で表される化合物の合成方法には特に制限はない。
式(1)で表される化合物は、置換ベンゾジオキソール化合物を合成するための一般的な合成方法を利用して合成できる。
式(1)で表される化合物の合成方法については、例えば、Moragas, Toni; Gaydou, Morgane; Martin, Ruben - Angewandte Chemie - International Edition, 2016, vol. 55, # 16, p. 5053 - 5057, Angew. Chem., 2016, vol. 128, # 16, p. 5137 - 5141,5等の公知文献を適宜参照できる。

0082

〔光重合開始剤セット〕
本開示の光重合開始剤セットは、上述した本開示の光重合開始剤である第1光重合開始剤と、ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤と、を備える。
本開示の光重合開始剤とノリッシュII型光重合開始剤との組み合わせは、これらの各々と比較して、近紫外領域から可視領域(特に、波長430nm〜500nmの可視領域)の光に対する活性により優れる。
従って、本開示の光重合開始剤セットを用いた場合には、本開示の光重合開始剤及びノリッシュII型光重合開始剤の各々を単独で用いた場合と比較して、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度をより効果的に向上させることができる。

0083

本開示の光重合開始剤セットは、近紫外領域から可視領域の光によって硬化する、光硬化性組成物における光重合開始剤セットとして好適である。
本開示の光重合開始剤セットの用途には特に制限はなく、工業分野、医療分野等におけるあらゆる用途に適用できる。
本開示の光重合開始剤セットは、特に、生体への影響が少ない可視領域(例えば、波長430nm〜500nmの領域)の光によって硬化する光硬化性組成物における光重合開始剤として好適であり、より具体的には、医療用光重合開始剤セット(特に好ましくは歯科材料用光重合開始剤セット)として特に好適である。

0084

本開示の光重合開始剤セットは、第1光重合開始剤(即ち、本開示の光重合開始剤)を、1種のみ備えていてもよいし、2種以上備えていてもよい。
また、本開示の光重合開始剤セットは、第2光重合開始剤を、1種のみ備えていてもよいし、2種以上備えていてもよい。

0085

ノリッシュII型光重合開始剤(即ち、第2光重合開始剤)としては、ベンゾフェノン又はその誘導体、カンファーキノン又はその誘導体、クマリン誘導体、インダン誘導体等が挙げられる。

0086

ノリッシュII型光重合開始剤(即ち、第2光重合開始剤)は、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度をより効果的に向上させる観点から、ベンゾフェノン、カンファーキノン、クマリン誘導体及びインダン誘導体からなる群から選択される1つ以上を含むことが好ましく、カンファーキノンを含むことが特に好ましい。

0087

〔光硬化性組成物〕
本開示の光硬化性組成物は、上述した本開示の光重合開始剤である第1光重合開始剤と、ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤と、重合性単量体と、を含有する。
前述したとおり、本開示の光重合開始剤とノリッシュII型光重合開始剤との組み合わせは、近紫外領域から可視領域の光に対する活性に優れる。
従って、これらの組み合わせを含有する本開示の光硬化性組成物を用いた場合には、硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度がより向上する。

0088

本開示の光硬化性組成物は、近紫外領域から可視領域の光によって硬化する光硬化性組成物として好適である。
本開示の光硬化性組成物の用途には特に制限はなく、工業分野、医療分野等におけるあらゆる用途に適用できる。
本開示の光硬化性組成物は、特に、生体への影響が少ない可視領域(例えば、波長430nm〜500nmの領域)の光によって硬化する光硬化性組成物として好適であり、より具体的には、医療用光硬化性組成物(特に好ましくは歯科材料用光硬化性組成物)として特に好適である。

0089

<第1光重合開始剤>
本開示の光硬化性組成物は、上述した本開示の光重合開始剤である第1光重合開始剤を含有する。
本開示の光硬化性組成物に含有される第1光重合開始剤は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
第1光重合開始剤(即ち、本開示の光重合開始剤)の好ましい態様については、「光重合開始剤」の項で説明したとおりである。

0090

本開示の光硬化性組成物に含有される第1光重合開始剤中の式(1)で表される化合物の含有量には特に制限はないが、光硬化性組成物の全量に対し、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.1質量%〜3.0質量%がより好ましく、0.2質量%〜2.0質量%が更に好ましい。

0091

本開示の光硬化性組成物に含有される第1光重合開始剤中の式(1)で表される化合物の含有量は、重合性単量体の全量に対し、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.1質量%〜3.0質量%がより好ましく、0.2質量%〜2.0質量%が更に好ましい。

0092

<第2光重合開始剤>
本開示の光硬化性組成物は、ノリッシュII型光重合開始剤である第2光重合開始剤を含有する。
本開示の光硬化性組成物に含有される第2光重合開始剤は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
第2光重合開始剤(即ち、ノリッシュII型光重合開始剤)の好ましい態様については、「光重合開始剤セット」の項で説明したとおりである。

0093

本開示の光硬化性組成物に含有される第2光重合開始剤の含有量には特に制限はないが、光硬化性組成物の全量に対し、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.1質量%〜3.0質量%がより好ましく、0.2質量%〜2.0質量%が更に好ましい。

0094

本開示の光硬化性組成物に含有される第2光重合開始剤の含有量は、重合性単量体の全量に対し、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.1質量%〜3.0質量%がより好ましく、0.2質量%〜2.0質量%が更に好ましい。

0095

本開示の光硬化性組成物において、第1光重合開始剤に対する第2光重合開始剤の含有質量比(以下、含有質量比〔第2光重合開始剤/第1光重合開始剤〕ともいう)は、光硬化性組成物の硬化速度及び光硬化性組成物の硬化物の曲げ強度をより効果的に向上させる観点から、0.1〜2.0が好ましく、0.1〜1.5がより好ましく、0.2以上1.0未満が更に好ましく、0.2〜0.9が更に好ましい。

0096

<重合性単量体>
本開示の光硬化性組成物は、重合性単量体を含有する。
本開示の光硬化性組成物に含有される重合性単量体は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。

0097

重合性単量体としては、ラジカル重合性基を含む化合物が好ましく用いられる。
ラジカル重合性基としては、エチレン性二重結合を含む基が好ましく、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。

0098

重合性単量体は、(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
この場合、重合性単量体中に占める(メタ)アクリレート化合物の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。

0099

(メタ)アクリレート化合物としては、単官能の(メタ)アクリレート化合物及び二官能以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物は、二官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、二官能〜六官能の(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましく、二官能〜四官能の(メタ)アクリレート化合物を含むことが更に好ましく、二官能の(メタ)アクリレート化合物(即ち、ジ(メタ)アクリレート化合物)を含むことが特に好ましい。

0100

二官能の(メタ)アクリレート化合物(即ち、ジ(メタ)アクリレート化合物)としては特に制限はないが、ウレタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニルプロパンエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。

0101

重合性単量体中に占めるジ(メタ)アクリレート化合物の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。

0102

(メタ)アクリレート化合物中に占めるジ(メタ)アクリレート化合物の割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。

0103

重合性単量体については、例えば、特開平11−315059号公報、特開2001−70437号公報、特開2011−105722号公報、特開2000−204069号公報、特表2013−544823号公報、国際公開第2016/125758号、国際公開第2015/119163号等の公知文献の記載を適宜参照してもよい。

0104

本開示の光硬化性組成物中における重合性単量体の含有量は、光硬化性組成物の全量に対し、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。

0105

フィラー
本開示の光硬化性組成物は、必要に応じ、フィラーを含有してもよい。
フィラーとしては、歯科分野で用いられる一般的なフィラーを使用することができる。 フィラーは、通常、有機フィラー無機フィラーとに大別される。

0106

有機フィラーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチルポリメタクリル酸エチルメタクリル酸メチルメタクリル酸エチル共重合体架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン酢酸ビニル共重合体スチレンブタジエン共重合体等の微粉末が挙げられる。

0107

無機フィラーとしては、例えば、各種ガラス類二酸化珪素を主成分とし、必要に応じ、重金属ホウ素、アルミニウム等の酸化物を含有する)、各種セラミック類、珪藻土カオリン粘土鉱物モンモリロナイト等)、活性白土合成ゼオライトマイカフッ化カルシウム、フッ化イッテルビウムリン酸カルシウム硫酸バリウム二酸化ジルコニウム二酸化チタンヒドロキシアパタイトなどの微粉末が挙げられる。このような無機フィラーの具体例としては、例えば、バリウムボロシリケートガラスキンブルレイソーブT3000、ショット8235、ショットGM27884、ショットGM39923等)、ストロンチウムロアルミシリケートガラス(レイソーブT4000、ショットG018−093、ショットGM32087等)、ランタンガラス(ショットGM31684等)、フルオロアルミノシリケートガラス(ショットG018−091、ショットG018−117等)、ジルコニウムセシウム等を含むボロアルミノシリケートガラス(ショットG018−307、G018−308、G018−310等)が挙げられる。

0108

また、無機フィラーに重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後、重合硬化させ、粉砕して得られる有機無機複合フィラーを用いてもよい。

0109

また、光硬化性組成物において、粒径が0.1μm以下のミクロフィラーを含有する態様は、歯科材料用光硬化性組成物として好適な態様の一つである。
かかる粒径の小さなフィラーの材質としては、シリカ(例えば、商品アエロジル)、アルミナジルコニアチタニア等が好ましい。

0110

これらのフィラーは、目的に応じて、シランカップリング剤等の表面処理剤により表面処理が施されていてもよい。表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤、例えば、メタクリルオキシアルキルトリメトキシシラン(メタクリルオキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12)、メタクリルオキシアルキルトリエトキシシラン(メタクリルオキシ基と珪素原子との間の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシランビニルエトキシシランビニルトリアセトキシシラン等の有機珪素化合物が挙げられる。

0111

<その他の成分>
本開示の光硬化性組成物は、必要に応じ、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、重合禁止剤着色剤(例えば、顔料又は染料)、補強材(例えばファイバー)、殺菌剤消毒剤安定化剤保存剤等が挙げられる。
その他の成分についても、例えば、特開平11−315059号公報、特開2001−70437号公報、特開2011−105722号公報、特開2000−204069号公報、特表2013−544823号公報、国際公開第2016/125758号、国際公開第2015/119163号等の公知文献の記載を適宜参照してもよい。

0112

本開示の光硬化性組成物に対し、公知の手段によって光照射(好ましくは可視光照射)を施すことにより、光硬化性組成物が硬化した硬化物を得ることができる。
本開示の光硬化性組成物に対し、光照射の後、更に熱処理を施すことにより、硬化物の機械的物性を向上させてもよい。

0113

〔歯科材料、硬化物〕
本開示の歯科材料は、上述した本開示の光硬化性組成物を含む。
また、本開示の硬化物は、上述した本開示の光硬化性組成物の硬化物である。
本開示の歯科材料又は本開示の硬化物は、歯科修復材料義歯床用レジン義歯床用裏装材印象材合着用材料(レジンセメントレジン添加型グラスアイオノマーセメント等)、歯科用接着材歯列矯正用接着材窩洞塗布用接着材等)、歯牙裂溝封鎖材CADCAM用レジンブロック、テンポラリークラウン人工歯材料等として好ましく使用することができる。
歯科修復材料を適用範囲別に分類すると、歯冠用コンポジットレジン、齲蝕窩洞充填用コンポジットレジン、支台築造用コンポジットレジン、充填修復用コンポジットレジン等に分類できる。

0114

以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例によって制限されるものではない。

0115

以下に、本開示の実施例において使用される重合性単量体及び光重合開始剤について説明する。

0116

<重合性単量体>
重合性単量体として、以下のものを準備した。
DMAウレタンジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート

0117

<ノリッシュII型光重合開始剤(第2光重合開始剤)>
ノリッシュII型光重合開始剤として、以下のものを準備した。
CQ:カンファーキノン

0118

<式(1)で表される化合物(第1光重合開始剤)>
式(1)で表される化合物(以下、「式(1)化合物」とする)として、下記化合物(1−1)〜(1−11)を準備した。

0119

0120

比較化合物
式(1)で表される化合物との比較用の化合物として、以下の比較化合物A〜Cを準備した。

0121

0122

化合物(1−1)〜(1−11)及び比較化合物A〜Cの入手先は以下のとおりである。
化合物(1−1):東京化成工業株式会社、3,4-Methylenedioxyphenylacetic Acid。
化合物(1−2):東京化成工業株式会社、Piperonylacetone。
化合物(1−3):シグマアルドリッチ、3-(3,4-Methylenedioxyphenyl)propionic acid。
化合物(1−4):東京化成工業株式会社、2-Methyl-3-(3,4-methylenedioxyphenyl)propionaldehyde。
化合物(1−5):東京化成工業株式会社、Piperonyl Butoxide。
化合物(1−6):東京化成工業株式会社、4-(4-Methyl-1,3-dioxolan-2-yl)-1,2-methylenedioxybenzene。
化合物(1−7):東京化成工業株式会社、Safrole。
化合物(1−8):シグマアルドリッチ、N-(3,4-Methylenedioxybenzylidene)benzylamine。
化合物(1−9):シグマアルドリッチ、6-Methoxy-1,3-benzodioxole-5-carbaldehyde。
化合物(1−10):東京化成工業株式会社、3,4-Methylenedioxyphenylacetonitrile。
化合物(1−11):シグマアルドリッチ、3-Benzo[1,3]dioxol-5-ylmethyl-piperidine。
比較化合物A:東京化成工業株式会社、Sesamin。
比較化合物B:東京化成工業株式会社、1,2-Methylenedioxybenzene。
比較化合物C:東京化成工業株式会社、Piperonylic Acid。

0123

〔実施例1〜11及び比較例1〜4〕
<光硬化性組成物の調製>
遮光瓶に下記表1に示す各成分を量し、次いで、ASONE社製ミックスローターMRC−5を用い、温度50℃、速度50rpm(revolutions per minute)の条件で1時間撹拌し、実施例1〜11及び比較例1〜4の光硬化性組成物を得た。
表1に示す各成分欄の数字は、各成分の量(質量部)を意味する。
表1中の空欄は、その成分を用いなかったことを意味する。

0124

<硬化速度の評価>
実施例1〜11及び比較例1〜4の光硬化性組成物について、それぞれ、以下のようにして硬化速度の評価を行った。
厚さ約1.3mmの型に光硬化性組成物を充填し、充填された光硬化性組成物に対し、Kulzer社製Translux2waveを用い、波長430〜500nmの光を20秒間照射した。光照射開始から0秒及び光照射開始から19.6秒の各々の時点において、PerkinElmer製FT−IRを用いて、光硬化性組成物のFT−IRスペクトルを測定し、約810cm−1に見られるピークエリア面積を求めた。得られた各エリア面積に基づき、下記式により、硬化率を求めた。結果を表1に示す。
硬化率(%)=(1−(19.6秒後のエリア面積/0秒のエリア面積))×100

0125

得られた硬化率に基づき、下記評価基準評点)に基づき、硬化速度を評価した。
結果を表1に示す。
下記評価基準において、硬化速度に最も優れる評点は「3」である。

0126

−硬化速度の評価基準(評点)−
3:硬化率が58%以上
2:硬化率が58%未満56%以上
1:硬化率が56%未満

0127

<曲げ強度の評価>
実施例1〜11及び比較例1〜4の光硬化性組成物について、それぞれ、以下のようにして曲げ強度の評価を行った。
ISO4049に従い、光硬化性組成物の硬化物を作製し、得られた硬化物の曲げ強度(MPa)を、インストロン万能試験機を用いて測定した。結果を表1に示す。
ここで、硬化物の作製における光重合は、モリタ社製αLightVを用い、光硬化性組成物の両面側から、波長430〜500nmの光を180秒間照射することにより行った。

0128

得られた曲げ強度に基づき、下記評価基準(評点)に基づき、曲げ強度を評価した。
結果を表1に示す。
下記評価基準において、曲げ強度に最も優れる評点は「3」である。

0129

−曲げ強度の評価基準(評点)−
3:曲げ強度が100MPa以上
2:曲げ強度が100MPa未満87MPa以上
1:曲げ強度が87MPa未満

0130

実施例

0131

表1に示すように、式(1)化合物(第1光重合開始剤)を用いた実施例1〜11では、硬化速度及び曲げ強度の両方に優れていた。
これに対し、式(1)化合物(第1光重合開始剤)を用いなかった比較例1〜4では、硬化速度及び曲げ強度の少なくとも一方が劣化した。

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