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技術 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形体

出願人 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
発明者 山中康史
出願日 2018年9月14日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-172212
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-045375
状態 未査定
技術分野 グラフト、ブロック重合体 コネクタハウジング及び接触部材の保持 高分子組成物
主要キーワード 精密機器用部品 センサー部品 配合質量割合 コネクター類 ポリエステルエーテル樹脂 アクリレートエマルジョン 電子電気機器部品 リレー部品
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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課題

解決手段

(A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、(B)フルオロポリマーエラストマー複合化物7〜20質量部、(C)エポキシ化合物0.3〜4質量部を含有することを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。

概要

背景

ポリブチレンテレフタレート樹脂は、加工の容易さ、機械的物性耐熱性その他物理的、化学的特性に優れているため、自動車用部品電気電子機器用部品機械部品建築資材部品、その他精密機器用部品等の分野に幅広く使用されている。例えば、自動車分野においてコネクターディストリビューター部品、イグニッションコイル部品エンジン周りの部品、各種コントロールユニット、各種センサー、電気電子機器部品としてはコネクター類スイッチ部品リレー部品コイル部品等の広範な分野において、ポリブチレンテレフタレート樹脂が使用されている。

ポリブチレンテレフタレート樹脂は、比較的物性のバランスのとれた樹脂であるが、ポリアミド樹脂ポリカーボネート樹脂に比べると靭性耐衝撃性に劣っている。靱性や耐衝撃性を改良するためには、通常、耐衝撃改良剤を配合する。しかし、耐衝撃改良剤を配合すると引張強度曲げ強度が低下するのでその配合量は自ずと限られており、更なる靱性および耐衝撃性の向上を目的に、特許文献1ではポリブチレンテレフタレート樹脂に、アクリルゴム及びポリカーボネートを配合した組成物が提案されているが、さらなる改良が望まれている。

また、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、高温では水や水蒸気によって加水分解が起きやすく、電気部品電子部品自動車部品、機械部品などの工業用材料として使用するためには、一般の化学的および物理的諸特性のバランスに加えて、優れた耐加水分解性を有することが求められている。
また、近年では、成形体の小型化とともに、薄肉化・軽量化が進行しており、特にコネクターなどの薄肉成形体用途においては、溶融滞留時粘度変化が大きい場合、成形時にバリショートショットなど成形不具合が発生するため、溶融滞留時の粘度変化の少ない、滞留熱安定性に優れた材料が求められている。

概要

耐衝撃性、靱性に優れ、かつ、耐加水分解性と滞留熱安定性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその成形体を提供する。(A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、(B)フルオロポリマーエラストマー複合化物7〜20質量部、(C)エポキシ化合物0.3〜4質量部を含有することを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。なし

目的

しかし、耐衝撃改良剤を配合すると引張強度や曲げ強度が低下するのでその配合量は自ずと限られており、更なる靱性および耐衝撃性の向上を目的に、特許文献1ではポリブチレンテレフタレート樹脂に、アクリルゴム及びポリカーボネートを配合した組成物が提案されているが、さらなる改良が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

(A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、(B)フルオロポリマーエラストマー複合化物7〜20質量部、(C)エポキシ化合物0.3〜4質量部を含有することを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物

請求項2

(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物のエラストマーが、共重合成分としてグリシジルメタクリレートを含むアクリル系エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。

請求項3

請求項1または2に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形体

請求項4

コネクター部品である請求項3に記載の成形体。

技術分野

0001

本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形体に関し、詳しくは、耐衝撃性靱性に優れ、かつ、耐加水分解性滞留熱安定性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその成形体に関する。

背景技術

0002

ポリブチレンテレフタレート樹脂は、加工の容易さ、機械的物性耐熱性その他物理的、化学的特性に優れているため、自動車用部品電気電子機器用部品機械部品建築資材部品、その他精密機器用部品等の分野に幅広く使用されている。例えば、自動車分野においてコネクターディストリビューター部品、イグニッションコイル部品エンジン周りの部品、各種コントロールユニット、各種センサー、電気電子機器部品としてはコネクター類スイッチ部品リレー部品コイル部品等の広範な分野において、ポリブチレンテレフタレート樹脂が使用されている。

0003

ポリブチレンテレフタレート樹脂は、比較的物性のバランスのとれた樹脂であるが、ポリアミド樹脂ポリカーボネート樹脂に比べると靭性、耐衝撃性に劣っている。靱性や耐衝撃性を改良するためには、通常、耐衝撃改良剤を配合する。しかし、耐衝撃改良剤を配合すると引張強度曲げ強度が低下するのでその配合量は自ずと限られており、更なる靱性および耐衝撃性の向上を目的に、特許文献1ではポリブチレンテレフタレート樹脂に、アクリルゴム及びポリカーボネートを配合した組成物が提案されているが、さらなる改良が望まれている。

0004

また、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、高温では水や水蒸気によって加水分解が起きやすく、電気部品電子部品自動車部品、機械部品などの工業用材料として使用するためには、一般の化学的および物理的諸特性のバランスに加えて、優れた耐加水分解性を有することが求められている。
また、近年では、成形体の小型化とともに、薄肉化・軽量化が進行しており、特にコネクターなどの薄肉成形体用途においては、溶融滞留時粘度変化が大きい場合、成形時にバリショートショットなど成形不具合が発生するため、溶融滞留時の粘度変化の少ない、滞留熱安定性に優れた材料が求められている。

先行技術

0005

特開昭55−500870号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題(目的)は、上記従来技術の問題点を解決し、耐衝撃性、靱性に優れ、かつ、耐加水分解性と滞留熱安定性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその成形体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねてきた結果、固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂に、フルオロポリマーエラストマー複合化物エポキシ化合物をそれぞれ特定量配合することで、耐衝撃性、靱性、耐加水分解性および滞留熱安定性が向上することを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形体に関する。

0008

[1](A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物7〜20質量部、(C)エポキシ化合物0.3〜4質量部を含有することを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
[2](B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物のエラストマーが、共重合成分としてグリシジルメタクリレートを含むアクリル系エラストマーであることを特徴とする上記[1]に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
[3]上記[1]または[2]に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形体。
[4]コネクター用部品である上記[3]に記載の成形体。

発明の効果

0009

本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、耐衝撃性と、特に靱性に優れ、かつ、優れた耐加水分解性を有し、滞留熱安定性にも優れ、成形体の外観にも優れている。
したがって、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、自動車用部品、電気電子機器用部品、機械部品、建築資材部品等の広範囲の分野に好適に利用できる。特にコネクター、ディストリビューター部品、センサー部品等の車載用部品や電子電気機器部品の成形体として、優れた耐衝撃性、靱性、耐加水分解性を有している。

0010

以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。

0011

本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物7〜20質量部、(C)エポキシ化合物0.3〜4質量部を含有することを特徴とする。

0012

[(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂を含有する。固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂を、(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物および(C)エポキシ化合物と組み合わせて含有することにより、耐衝撃性と靱性に優れ、そして、これらと耐加水分解性、滞留熱安定性および外観の全てをバランス良く向上させることができる。
固有粘度は、好ましくは0.83dl/g以上、より好ましくは0.85dl/g以上、さらに好ましくは0.88dl/g以上、特に好ましくは0.90dl/g以上であり、また、好ましくは2dl/g以下、より好ましくは1.8dl/g以下、さらに好ましくは1.6dl/g以下である。

0013

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、固有粘度を異にする2種類以上のものを併用して、所望の固有粘度となるように調整してもよい。その場合の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、2種類以上の樹脂の各固有粘度から配合質量割合を基に加重平均で算出する。
なお、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。

0014

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸単位及び1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有するポリエステル樹脂であって、ポリブチレンテレフタレート樹脂(ホモポリマー)の他に、テレフタル酸単位及び1,4−ブタンジオール単位以外の、他の共重合成分を含むポリブチレンテレフタレート共重合体や、ホモポリマーと当該共重合体との混合物を含む。

0015

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよく、他のジカルボン酸の具体例としては、イソフタル酸オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ビス(4,4’−カルボキシフェニルメタンアントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、1,4−シクロキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸類、および、アジピン酸セバシン酸アゼライン酸ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類等が挙げられる。

0016

ジオール単位としては、1,4−ブタンジオールの外に他のジオール単位を含んでいてもよく、他のジオール単位の具体例としては、炭素原子数2〜20の脂肪族又は脂環族ジオール類、ビスフェノール誘導体類等が挙げられる。具体例としては、エチレングリコールプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオールネオペンチルグリコールデカメチレングリコールシクロヘキサンジメタノ一ル、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシメタン、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシプロパンビスフェノ一ルAのエチレンオキシド付加ジオール等が挙げられる。また、上記のような二官能性モノマー以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸トリメシン酸ピロメリット酸ペンタエリスリトールトリメチロールプロパン等の三官能性モノマー分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。

0017

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、上記した通り、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを重縮合させたポリブチレンテレフタレート単独重合体が好ましいが、また、カルボン酸単位として、前記のテレフタル酸以外のジカルボン酸1種以上及び/又はジオール単位として、前記1,4−ブタンジオール以外のジオール1種以上を含むポリブチレンテレフタレート共重合体であってもよく、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂が、共重合により変性したポリブチレンテレフタレート樹脂である場合、その具体的な好ましい共重合体としては、ポリアルキレングリコール類、特にはポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂や、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。中でも、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂を用いることが好ましい。
なお、これらの共重合体は、共重合量が、ポリブチレンテレフタレート樹脂全セグメント中の1モル%以上、50モル%未満のものをいう。中でも、共重合量が好ましくは2モル%以上50モル%未満、より好ましくは3〜40モル%、特に好ましくは5〜20モル%である。このような共重合割合とすることにより、流動性、靱性が向上しやすい傾向にあり、好ましい。

0018

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、末端カルボキシル基量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。60eq/tonを超えると、耐アルカリ性及び耐加水分解性が低下し、また樹脂組成物溶融成形時ガスが発生しやすくなる。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造の生産性を考慮し、通常、10eq/tonである。

0019

なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mLにポリアルキレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定する値である。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比重合温度減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。

0020

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分又はこれらのエステル誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を、回分式又は連続式溶融重合させて製造することができる。また、溶融重合で低分子量のポリブチレンテレタレト樹脂を製造した後、さらに窒素気流下又は減圧固相重合させることにより、重合度(又は分子量)を所望の値まで高めることもできる。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法で得られたものが好ましい。

0021

エステル化反応遂行する際に使用される触媒は、従来から知られているものであってよく、例えば、チタン化合物錫化合物マグネシウム化合物カルシウム化合物等を挙げることができる。これらの中で特に好適なものは、チタン化合物である。エステル化触媒としてのチタン化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルチタネートテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラートテトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等を挙げることができる。

0022

[(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物を含有する。(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物は、フルオロポリマーとエラストマーを含有し、その形態としてはこれらの混合物、あるいはグラフト化物等が好ましいが、その形態に制限はない。
本発明において、(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物を含有することで、樹脂組成物の耐衝撃性を改良することができる。

0023

本発明に使用する(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物に用いるエラストマーは、ゴム成分にこれと共重合可能単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体が好ましい。グラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合溶液重合懸濁重合乳化重合などのいずれの製造方法であってもよく、共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。
ゴム成分は、ガラス転移温度が通常0℃以下、中でも−20℃以下が好ましく、さらには−30℃以下が好ましい。ゴム成分の具体例としては、ポリブタジエンゴムポリイソプレンゴムポリブチルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体などのポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムなどのシリコーン系ゴムブタジエンアクリル複合ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN(Interpenetrating Polymer Network)型複合ゴムスチレンブタジエンゴムエチレン−プロピレンゴムエチレンブテンゴム、エチレン−オクテンゴムなどのエチレン−α−オレフィン系ゴム、エチレン−アクリルゴム、フッ素ゴムなど挙げることができる。これらは、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、機械的特性表面外観の面から、ポリブタジエンゴム、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。

0024

ゴム成分とグラフト共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物シアン化ビニル化合物、(メタアクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物マレイン酸フタル酸イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)などが挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。

0025

ゴム成分を共重合したグラフト共重合体は、耐衝撃性や表面外観の点からコアシェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましい。なかでもポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分をコア層とし、その周囲に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層からなる、コア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。上記コア/シェル型グラフト共重合体において、ゴム成分を40質量%以上含有するものが好ましく、60質量%以上含有するものがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸は、10質量%以上含有するものが好ましい。なお、コア/シェル型とは必ずしもコア層とシェル層が明確に区別できるものでなくてもよく、コアとなる部分の周囲にゴム成分をグラフト重合して得られる化合物を広く含む趣旨である。

0026

これらコア/シェル型グラフト共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB)、メチルメタクリレート−アクリルゴム共重合体(MA)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン共重合体(MAS)、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体等が挙げられる。このようなゴム性重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。

0027

(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物のエラストマーとしては、アクリル成分を含有するエラストマーが好ましく、アクリル系ゴム性重合体にアクリル成分を共重合させたものが好ましい。これらの中でも、コア、シェルともにアクリル酸エステルであるアクリル系コア/シェル型のアクリル系エラストマーが、耐衝撃性の点から好ましい。

0028

コア/シェル型グラフト共重合体中のアクリル成分の含有量は、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは70〜85質量%ある。アクリル成分の含有量が50質量%未満であると、耐衝撃性に劣る傾向となり、90質量%を超えると、耐加水分解性が悪化する傾向となるため好ましくない。

0029

アクリル系エラストマーは、樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂に確固たる結合を達成するため、エポキシ基を有することが好ましい。エポキシ基を有するエラストマーとしては、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体等の直鎖状共重合体、あるいはこれら直鎖状共重合体を主鎖として、ポリスチレンあるいはポリメタクリル酸メチルを側鎖とするグラフト共重合体を挙げることができる。エポキシ基を有するコア/シェルグラフト共重合体としては、ゴム状ポリマーの存在下、エポキシ基含有ビニル系単量体および必要に応じて共重合可能な他のビニル系単量体を重合して得られる共重合体等が挙げられる。エポキシ基含有ビニル系単量体としては、特にグリシジルメタクリレートが好ましい。

0030

(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物のフルオロポリマーとしては、フルオロオレフィン樹脂が好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂テトラフルオロエチレン樹脂テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられるが、なかでもテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
また、フルオロポリマーとしては、フィブリル形成能を有するものが好ましく、具体的には、フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フィブリル形成能を有することで、分散が樹脂組成物中に広く浸透しやすく、耐加水分解性をより向上させることができ、耐衝撃性も向上する。

0031

また、フルオロポリマーとしては、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂も好適に使用することができる。フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体としては、特に制限されるものではなく、このような有機系重合体を生成するための単量体の具体例としては、スチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;ブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。なお、これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。

0032

本発明に用いる(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物は、上記したフルオロポリマーとエラストマーとからなる。(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物を製造する方法としては、各種の方法が採用できるが、フルオロポリマー水性分散液と有機系重合体水性分散液ラテックス)とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、あるいは、フルオロポリマー水性分散液と有機系重合体水性分散液(ラテックス)を混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法等が好ましく挙げられる。

0033

(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物におけるフルオロポリマーの含有割合は、0.1〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは0.8〜25質量%、最も好ましくは1.0〜20質量%である。

0034

本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物における(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、7〜20質量部である。含有量がこのような範囲にあることで、耐衝撃性、靱性、耐加水分解性、滞留熱安定性を優れたものとすることができる。含有量は、好ましくは7.5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは9質量部以上であり、好ましくは18質量部以下、より好ましくは16質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。

0035

[(C)エポキシ化合物]
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は(C)エポキシ化合物を、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、0.3〜4質量部含有する。
(C)エポキシ化合物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂が加水分解を受け、分子量低下を起こすと同時に機械的強度等が低下することを抑制するためのものであるが、通常、より高い耐加水分解性を求めるには、その量をさらに増量して配合することが行われるが、そうすると樹脂組成物が増粘してしまい、安定した成形ができにくくなる。本発明では、(A)固有粘度が0.8dl/g以上のポリブチレンテレフタレート樹脂に、上記した(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物と(C)エポキシ化合物を併用することにより、(C)エポキシ化合物の含有量が小量であっても耐加水分解性を向上させることができる上に、成形性や流動性ならびに靱性を十分なものとすることが可能となる。(C)エポキシ化合物の好ましい含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、0.3〜3質量部、より好ましくは0.3〜2.8質量部、さらに好ましくは0.3〜2.5質量部である。(C)エポキシ化合物の含有量は0.3質量部未満になると耐加水分解性の低下が発生しやすくなり、逆に4質量部を超えると滞留時の増粘が著しく、成形安定性が低下する傾向となる。

0036

(C)エポキシ化合物としては、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するものであればよく、通常はアルコールフェノール類又はカルボン酸等とエピクロロヒドリンとの反応物であるグリシジル化合物や、オレフィン性二重結合エポキシ化した化合物を用いればよい。
(C)エポキシ化合物としては、例えば、ノボラック型エポキシ化合物ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物グリシジルエーテル類グリシジルエステル類、エポキシ化ブタジエン重合体レゾルシン型エポキシ化合物等が挙げられる。

0037

ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物等を例示できる。
ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル等が挙げられ、ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル等が挙げられる。

0038

脂環式エポキシ化合物の例としては、ビニルシクロヘキセンジオキシドジシクロペンタジエンオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−シクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルグリシジルエーテル等が挙げられる。

0039

グリシジルエーテル類の具体例としては、メチルグリシジルエーテルブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテルフェニルグリシジルエーテルブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルグリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル類が挙げられる。

0040

グリシジルエステル類としては、安息香酸グリシジルエステルソルビン酸グリシジルエステル等のモノグリシジルエステル類;アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、オルトフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類等が挙げられる。

0041

エポキシ化ブタジエン重合体としては、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン系共重合体、エポキシ化水素化スチレン−ブタジエン系共重合体等を例示できる。
レゾルシン型エポキシ化合物としてはレゾルシンジグリシジルエーテル等が例示できる。

0042

また、(C)エポキシ化合物は、グリシジル基含有化合物を一方の成分とする共重合体であってもよい。例えばα,β−不飽和酸のグリシジルエステルと、α−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸メタクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種または2種以上のモノマーとの共重合体が挙げられる。

0043

また、(C)エポキシ化合物としては、エポキシ当量50〜10000g/eq、重量平均分子量8000以下のエポキシ化合物が好ましい。エポキシ当量が50g/eq未満のものは、エポキシ基の量が多すぎるため樹脂組成物の粘度が高くなり、逆にエポキシ当量が10000g/eqを超えるものは、エポキシ基の量が少なくなるため、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の耐アルカリ性、耐ヒートショック性、耐加水分解性を向上させる効果が十分に発現しにくい傾向にある。エポキシ当量は、より好ましくは100〜7000g/eqであり、さらに好ましくは100〜5000g/eqであり、最も好ましくは100〜3000g/eqである。また、重量平均分子量が8000を超えるものは、ポリブチレンテレフタレート樹脂との相溶性が低下し、成形体の機械的強度が低下する傾向にある。重量平均分子量は、より好ましくは7000以下であり、さらに好ましくは6000以下である。

0044

(C)エポキシ化合物としては、ビスフェノールAやノボラックとエピクロロヒドリンとの反応から得られる、ビスフェノールA型エポキシ化合物やノボラック型エポキシ化合物が好ましい。中でも、ノボラック型エポキシ化合物が、耐アルカリ性が向上しやく、また、耐加水分解性、耐ヒートショック性、成形体の表面外観の点から特に好ましい。

0045

(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端COOH基に対する(C)エポキシ化合物のエポキシ基の当量比(エポキシ基/COOH基)は、0.2〜2.7の範囲にあることが好ましい。当量比が0.2を下回ると耐加水分解性が悪くなりやすく、2.7を上回ると成形性が不安定となりやすい。エポキシ基/COOH基は、より好ましくは0.3以上であり、2.5以下である。

0046

離型剤
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、離型剤を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、耐アルカリ性が良好な点で、ポリオレフィン系化合物脂肪酸エステル系化合物が好ましく、特に、ポリオレフィン系化合物が好ましい。

0047

ポリオレフィン系化合物としては、パラフィンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる化合物が挙げられ、中でも、重量平均分子量が、700〜10000、更には900〜8000のものが好ましい。

0048

脂肪酸エステル系化合物としては、飽和又は不飽和の1価又は2価の脂肪族カルボン酸エステル類グリセリン脂肪酸エステル類ソルビタン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類やその部分鹸化物等が挙げられる。中でも、炭素数11〜28、好ましくは炭素数17〜21の脂肪酸とアルコールで構成されるモノ又はジ脂肪酸エステルが好ましい。

0049

脂肪酸としては、パルミチン酸ステアリン酸カプロン酸カプリン酸ラウリン酸アラキン酸ベヘン酸リグノセリン酸セロチン酸メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。また、脂肪酸は、脂環式であってもよい。
アルコールとしては、飽和又は不飽和の1価又は多価アルコールを挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノールデカノールドデカノールステアリルアルコールベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノールネオペンチレングリコールジトリメチロールプロパンジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。

0050

脂肪酸エステル系化合物の具体例としては、グリセリンモノステアレートグリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリン−12−ヒドロキシモノステアレートソルビタンモノベヘネート、ぺンタエリスリトールモノステアレート、ペンタリストールジステアレート、ステアリルステアレート、エチレングリコールモンタン酸エステル等が挙げられる。

0051

離型剤の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部であるが、0.2〜2.5質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.25〜2質量部である。0.1質量部未満であると、溶融成形時の離型不良により表面性が低下しやすく、一方、3質量部を超えると、樹脂組成物の練り込み作業性が低下しやすく、また成形体表面に曇りが生じやすい。

0052

[安定剤]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性や色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、イオウ系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。

0053

イオウ系安定剤としては、従来公知の任意のイオウ原子含有化合物を用いることが出来、中でもチオエーテル類が好ましい。具体的には例えば、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイドニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテートトリラウリルトリチオホスファイトが挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)が好ましい。

0054

フェノール系安定剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−ネオペンチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトルテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。

0055

安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。

0056

安定剤の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、好ましくは0.001〜2質量部である。安定剤の含有量が0.001質量部未満であると、樹脂組成物の熱安定性や相溶性の改良が期待しにくく、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりやすく、2質量部を超えると、過剰量となりシルバーの発生や、色相悪化が更に起こりやすくなる傾向がある。安定剤の含有量は、より好ましくは0.01〜1.5質量部であり、更に好ましくは、0.1〜1質量部である。

0057

[その他成分]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記した以外の他の樹脂添加剤を含有することもできる。他の樹脂添加剤としては、難燃剤難燃助剤強化充填材酸化防止剤紫外線吸収剤耐候安定剤滑剤、染顔料等の着色剤触媒失活剤帯電防止剤発泡剤可塑剤結晶核剤結晶化促進剤等が挙げられる。

0058

本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲内で、前記した必須成分の樹脂以外の、他の熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂等を含有することができる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂液晶ポリエステル樹脂アクリル系樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂メラミン樹脂シリコーン樹脂エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種でも2種類以上であってもよい。

0059

ただし、前記した必須成分の樹脂以外の、他の樹脂を含有する場合の含有量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、40質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは30質量部以下、さらには20質量部以下、中でも10質量部以下、特には5質量部以下、2質量部以下とすることが最も好ましい。

0060

ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を製造する方法は、特定の方法に限定されるものではないが、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)フルオロポリマー−エラストマー複合化物および(C)エポキシ化合物、並び必要に応じて配合されるその他成分を混合し、次いで溶融混練する方法が挙げられる。

0061

溶融・混練方法としては、例えば、前記した必須成分、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分をヘンシェルミキサーリボンブレンダーV型ブレンダータンブラー等により均一に混合した後、一軸又は多軸混練押出機ロールバンバリーミキサーラボプラストミルブラベンダー)等で溶融・混練する方法が挙げられる。要すれば、強化充填材等の他の成分を混錬押出機サイドフィーダーより供給することもできる。溶融・混練する際の温度と混練時間は、樹脂成分を構成する成分の種類、成分の割合、溶融・混練機の種類等により選ぶことができるが、溶融・混練する際の温度は200〜300℃の範囲が好ましい。300℃を超えると、各成分の熱劣化が問題となり、成形体の物性が低下したり、外観が悪化したりすることがある。

0062

本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から、目的の成形体を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について従来から採用されている成形法、すなわち射出成形法インサート成形法中空成形法押出成形法圧縮成形法等によることができ、中でも射出成形法が好ましい。

0063

成形体としては、例えば、自動車用部品、電気電子機器用部品、機械部品、建築資材部品、その他精密機器用部品等が挙げられる。具体的には、例えば、自動車分野においてコネクター、ディストリビューター部品、イグニッションコイル部品等エンジン周りの部品、各種コントロールユニット、各種センサー、電気電子機器部品としてはコネクター類、スイッチ部品、リレー部品、コイル部品等が挙げられる。これらのなかでも特にコネクター用部品が好ましい。

0064

以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載例に限定して解釈されるものではない。
実施例及び比較例で使用した原料成分は、下記の表1のとおりである。

0065

0066

なお、上記表1中のエラストマー(B0)は、以下の製造例1により製造し、フルオロポリマー−エラストマー複合化物(B1〜B3)は以下の製造例2〜4により製造した。

0067

(製造例1)エラストマー(B0)の製造
2−エチルヘキシルアクリレート99質量部、アリルメタクリレート1質量部を混合し、(メタ)アクリレート単量体混合物100質量部を得た。アルケニル暁拍酸ジカリウム塩を1質量部溶解した蒸留水300質量部に上記(メタ)アクリレート単量体混合物100質量部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備撹枠した後、ホモジナイザーにより300kg/cm2の圧力で乳化、分散させ、(メタ)アクリレートエマルジョンを得た。この混合液コンデンサーおよび撹搾を備えたセパラブルフラスコに移し、窒素置換および混合撹梓しながら加熱し70℃になった時に少量の水に溶解した過硫酸カリウム1質量部を添加した後70℃で5時間放置し、重合を完結しアクリルゴム(A−1)のラテックス(ALx−1)を得た。
得られたアクリルゴム(A−1)のラテックス(ALx−1)の重合率は98.5%であり、平均粒子径は0.19μmであった。また、このラテックスをエタノール凝固乾燥固形物を得、トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ91.4質量%であった。

0068

上記アクリルゴム(A−1)のラテックス(ALx−1)を120質量部採取し撹枠機を備えたセパラブルフラスコにいれ、蒸留水205質量部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート53.9質量部、アリルメタクリレート1.1質量部およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.22質量部の混合液を仕込み30分間撹枠し、この混合液をアクリルゴム(A−1)のラテックス(ALx−1)粒子に浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006質量部、ロンガリット0.26質量部および蒸留水5質量部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了してポリアルキル(メタ)アクリレト系ゴム(AB−1)のラテックス(ABLx−1)を得た。このラテックスを一部採取し、ポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴムの平均粒子径を測定したところ0.24μmであった。また、このラテックスを乾燥し固形物を得、トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ97.3質量%であった。

0069

GMA変性)
このポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.06質量部とメチルメタクリレート12質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)3質量部との混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、ポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴムへのグラフト重合を完了した。メチルメタクリレートの重合率は、96.4%であった。
得られたGMA変性グラフト共重合体ラテックスを酢酸カルシウム8質量%の熱水200質量部中に滴下し、凝固、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリル系エラストマー(B0)を98.9質量部得た。

0070

(製造例2)フルオロポリマー−エラストマー複合化物(B1)の製造
製造例1で得られたGMA変性グラフト共重合体ラテックスに、ポリテトラフルオロエチレン水性分散液(AGC社製、「フルオンAD939E」)4.17質量部を追加して撹枠混合する以外は製造例1と同様にして、粉末状のフルオロポリマーを2.5質量%含有するGMA変性アクリル系エラストマー(フルオロポリマー−エラストマー複合化物B1)を100.9質量部得た。

0071

(製造例3)フルオロポリマー−エラストマー複合化物(B2)の製造
製造例1で得られたGMA変性グラフト共重合体ラテックスに、ポリテトラフルオロエチレン水性分散液(「フルオンAD939E」)2.08質量部を追加して撹枠混合する以外は製造例1と同様にして、粉末状のフルオロポリマーを1.3質量%含有するGMA変性アクリル系エラストマー(フルオロポリマー−エラストマー複合化物B2)を99.8質量部得た。

0072

(製造例4)フルオロポリマー−エラストマー複合化物(B3)の製造
ポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴムラテックス(ABLx−1)に滴下する単量体成分をメチルメタクリレート15質量部にする以外は製造例2と同様にして、粉末状のフルオロポリマーを2.5質量%含有するGMA未変性アクリル系エラストマー(B3)を101.0質量部得た。

0073

〔実施例1〜7及び比較例1〜7〕
<ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造>
表1に記載の各成分を、下記の表2に示される割合(全て質量部)にて、ブレンドし、これを30mmのベントタイプ二軸押出機(日本製鋼所社製、二軸押出機TEX30α)を使用して、バレル温度270℃にて溶融混練し、ストランドに押し出した後、ストランドカッターによりペレット化し、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のペレットを得た。

0074

測定評価方法
実施例及び比較例における各種の物性・性能の測定評価は、以下の方法により実施した。

0075

(a)耐加水分解性評価
(a−1)引張強度保持率(単位:%):
日精樹脂工業社製射出成形機「NEX80−9E」を使用し、シリンダー温度250℃、金型温度80℃にて、ISO試験片を作製し、ISO527に準拠引張試験を行った。
さらに、上述のISO試験片を、温度121℃の飽和水蒸気中、圧力203kPaにて、75時間湿熱処理した。湿熱処理前後のISO試験片につき、ISO527に準拠し引張強度の測定を行った。
引張強度保持率(単位:%)を、以下の式から求めた。
引張強度保持率(%)=(処理後の引張強度/処理前の引張強度)×100
(a−2)引張伸度保持率(単位:%):
湿熱処理後のISO試験片につき、ISO527に準拠し引張伸度の測定を行った。

0076

(b)耐衝撃性ノッチシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2):
得られたペレットを120℃で6時間乾燥後、日精樹脂工業社製射出成形機「NEX80−9E」を使用して、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、シャルピー衝撃強度測定用ISO試験片を成形し、ISO179に準拠して、ノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。

0077

(c)表面外観評価:
日精樹脂工業社製射出成形機「NEX80−9E」を使用し、シリンダー温度250℃、金型温度80℃にて、縦100mm×横100mm×厚み3mmの平板を成形し、表面外観評価を目視で下記のとおり振り分けた。
○:良好
△:少し悪い
×:著しく悪い

0078

(d)滞留熱安定性
キャピログラフ(東洋精機社製「キャピログラフ1C」)により、測定温度270℃、1φ×30フラットキャピラリーを用いて、上記で得られたペレットを投入後、3分滞留させたときの溶融粘度せん断速度91.2sec−1での溶融粘度)を基準にして、30分滞留させたときの溶融粘度(せん断速度91.2sec−1での溶融粘度)を測定し、溶融粘度の上昇率(30min/3min×100、単位:%)を求めた。3分滞留の溶融粘度と30分滞留の溶融粘度の上昇率が低いほど、増粘が少なく、滞留安定性に優れていることを意味する。

0079

(e)総合評価
以上の結果を基に、以下の基準により、総合評価を行った。
総合評価 A:
(1)引張強度保持率86%以上(耐加水分解性評価75時間処理後)
(2)引張伸度6%以上(耐加水分解性評価75時間処理後)
(3)シャルピー衝撃値10kJ/m2以上
(4)表面外観○
(5)粘度上昇率500%以下
総合評価 B:
上記(1)〜(5)のいずれかを4つ以上満たす
総合評価 C:
上記A、Bのいずれにも属さない
結果を以下の表2に示す。

0080

実施例

0081

上記表2の結果から、実施例1〜7のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、耐加水分解性、靱性、表面外観及び滞留熱安定性の全てをバランス良く達成することが分かる。

0082

本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、耐加水分解性、靱性、表面外観及び滞留熱安定性の全てをバランス良く達成するので、自動車用部品、電気電子機器用部品、機械部品、建築資材部品等の広範囲の分野に好適に利用で、特にコネクター、ディストリビューター部品、センサー部品等の車載用部品や電子電気機器部品の成形体として有用である。

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