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課題

慢性呼吸器障害又はその他の慢性補体介在性障害治療する方法。

解決手段

補体阻害剤複数回投与を、平均で(i)前記補体阻害剤の血漿中濃度が、前回投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して少なくとも2週間後に、(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで回復して少なくとも2週間後に、(iii)前記補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2倍に等しい間隔で、又は(iv)少なくとも3週間の間隔で次の投与を実施する投与スケジュールに従って、前記対象に実施する方法。

概要

背景

呼吸器系の慢性障害は、発生率が世界的に増加しつつある罹患率および死亡率の大きな原因となっている。世界保健機関推定では、約8000万人が中等度ないし重度慢性閉塞性肺疾患COPD)に罹患しており、2005年には300万人(世界全体の死亡者の約5%)がCOPDで死亡している。COPDは2002年の死因の第5位であったが、主要な危険因子、特に喫煙の抑制に成功しない限り、2030年に世界の死因の第3位になるであろうと推定されている。喘息も世界的に重要な健康問題であり、世界全体で推定3億人が罹患している。喘息およびCOPDとも、特に重症の場合、患者の日々の機能および生活の質を低下させ得るものである。両疾患はほかにも、医療費および生産性損失の点で大きな負担となっている。

喘息およびCOPDの治療には気管支拡張薬副腎皮質ステロイドなどの薬物療法が広く用いられている。しかし、このような治療介入を受けても、患者の大部分に持続的な症状がみられる。さらに、このような薬剤が重大な副作用を引き起こすこともある。呼吸器系を冒す障害を治療する新たな薬物療法が必要とされている。

概要

慢性呼吸器障害又はその他の慢性補体介在性障害を治療する方法。補体阻害剤複数回投与を、平均で(i)前記補体阻害剤の血漿中濃度が、前回投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して少なくとも2週間後に、(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで回復して少なくとも2週間後に、(iii)前記補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2倍に等しい間隔で、又は(iv)少なくとも3週間の間隔で次の投与を実施する投与スケジュールに従って、前記対象に実施する方法。なし

目的

結合部分は、結合させる実体との結合には関与せずに実体を互いに空間的に分離することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

慢性呼吸器障害またはその他の慢性補体介在性障害治療を必要とする対象を治療する方法であって、補体阻害剤複数回投与を、平均で(i)前記補体阻害剤の血漿中濃度が、前回投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して少なくとも2週間後に、(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで回復して少なくとも2週間後に、(iii)前記補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2倍に等しい間隔で、または(iv)少なくとも3週間の間隔で次の投与を実施する投与スケジュールに従って、前記対象に実施することを含む方法。

請求項2

平均で(i)前記補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して2週間〜6週間後に、(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで回復して2週間〜6週間後に、(iii)前記補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2〜5倍に等しい間隔で、または(iv)3〜6週間の間隔で、前記補体阻害剤の次の投与を実施する、請求項1に記載の方法。

請求項3

平均で少なくとも4週間間隔で前記補体阻害剤の次の投与を実施する、請求項1に記載の方法。

請求項4

前回の投与後に血漿補体活性化能が正常範囲内に回復して平均で少なくとも2週間後に、前記補体阻害剤の次の投与を実施する、請求項1に記載の方法。

請求項5

補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の10%以下に減少して平均で少なくとも2週間後に、前記補体阻害剤の次の投与を実施する、請求項1に記載の方法。

請求項6

補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の5%以下に減少して平均で少なくとも2週間後に、前記補体阻害剤の次の投与を実施する、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記投与スケジュールが、少なくとも部分的には、対象の集団で測定された前記補体阻害剤の血漿中濃度、前記補体阻害剤の血漿中半減期および/または前記血漿補体活性化能の値に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記投与スケジュールが、少なくとも部分的には、治療を受けている前記対象の前記補体阻害剤の血漿中濃度、前記補体阻害剤の血漿中半減期および/または前記血漿補体活性化能の値に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。

請求項9

少なくとも5回投与を実施する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。

請求項10

前記対象が喘息慢性閉塞性肺疾患COPD)またはその両方の治療を必要とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。

請求項11

前記対象が重症喘息の治療を必要とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。

請求項12

前記補体阻害剤を呼吸経路によって投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。

請求項13

噴霧器定量吸入器または乾燥粉末吸入器を用いて前記補体阻害剤を投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。

請求項14

振動メッシュ噴霧器を用いて前記補体阻害剤を投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。

請求項15

前記補体阻害剤を静脈経路によって投与する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。

請求項16

前記補体阻害剤が、補体カスケードのC3またはC3の上流に作用する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項17

前記補体阻害剤がC3、C5またはB因子の切断を阻害する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項18

前記補体阻害剤が抗体、アプタマーペプチドポリペプチドまたは小分子を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項19

前記補体阻害剤が、C3、C5、B因子またはD因子と結合する抗体、アプタマー、ペプチド、ポリペプチドまたは小分子を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項20

前記補体阻害剤がコンプスタチン類似体を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項21

前記補体阻害剤が、配列が配列番号14、21、28、29、32、33、34または36を含むコンプスタチン類似体を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項22

前記補体阻害剤が、配列が配列番号3〜41のいずれかを含むコンプスタチン類似体を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。

請求項23

前記補体介在性障害がTh17と関連のある障害である、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。

請求項24

前記対象中または前記対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーを検出することを含む、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。

請求項25

体液を含む試料中に前記Th17バイオマーカーを検出し、前記体液が血液、BAL液、鼻汁もしくは尿またはこれらの組合せから任意に選択される、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記バイオマーカーが、Th17細胞によって産生される少なくとも1種類のサイトカインまたはTh17細胞の形成、生存もしくは活性を促進する少なくとも1種類のサイトカインを含む、請求項24に記載の方法。

請求項27

参照と比較した前記Th17バイオマーカーのレベル上昇が、前記対象が補体阻害剤の投与を必要とすることを示す、請求項24に記載の方法。

請求項28

前記参照が、前記障害に罹患していない者の正常範囲内にあるか、前記障害が十分に管理されている場合の前記対象のベースライン値である、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記Th17バイオマーカーが、前記補体阻害剤の投与実施前に検出され、前記対象が前記補体阻害剤の投与を必要とすることの指標となる、請求項24に記載の方法。

請求項30

前記バイオマーカーが、前記補体阻害剤の投与実施前に検出され、前記対象が前記補体阻害剤の投与を必要とすることの指標としての役割を果たし、前記方法が、前記バイオマーカー検出後の所定の期間内に前記補体阻害剤を投与することを含む、請求項24に記載の方法。

請求項31

前記所定の期間が1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日または2週間、3週間もしくは4週間である、請求項30に記載の方法。

請求項32

慢性補体介在性障害の治療を必要とする対象を治療する方法であって、(a)前記対象に少なくとも1回の補体阻害剤投与を実施することと、(b)前記対象中または前記対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーについて前記対象を監視することとを含む方法。

請求項33

(c)前記対象に少なくとも1回の追加の前記補体阻害剤投与を実施することを含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

段階(b)が、前記対象中または前記対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーを検出することを含む、請求項32に記載の方法。

請求項35

段階(b)が、参照と比較した前記バイオマーカーのレベル上昇を検出することを含み、前記レベル上昇が、前記対象が前記補体阻害剤の投与を必要とすることを示す、請求項32に記載の方法。

請求項36

段階(b)が、参照と比較した前記バイオマーカーのレベル上昇を検出することを含み、前記レベル上昇が、前記対象が前記補体阻害剤の投与を必要とすることを示し、前記方法が、(c)前記対象に少なくとも1回の追加の前記補体阻害剤投与を実施することをさらに含む、請求項32に記載の方法。

請求項37

段階(b)が、参照と比較した前記バイオマーカーのレベル上昇を検出することを含み、前記レベル上昇が、前記対象が前記補体阻害剤の投与を必要とすることを示し、前記方法が、(c)前記バイオマーカー検出の所定の期間内に、前記対象に少なくとも1回の追加の前記補体阻害剤投与を実施することを含む、請求項32に記載の方法。

請求項38

前記所定の期間が1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日または2週間、3週間もしくは4週間である、請求項37に記載の方法。

請求項39

前記対象に抗Th17剤を投与することをさらに含む、請求項1〜38のいずれかに記載の方法。

請求項40

前記抗Th17剤が、Th17細胞の形成または活性を阻害する薬剤を含む、請求項39に記載の方法。

請求項41

前記抗Th17剤が、Th17細胞によって産生されるサイトカインの産生もしくは活性を阻害する薬剤またはTh17細胞の形成もしくは活性を促進する薬剤を含む、請求項39に記載の方法。

請求項42

前記抗Th17剤が、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23の産生または活性を阻害する薬剤を含む、請求項39に記載の方法。

請求項43

前記抗Th17剤が抗体、小分子、アプタマー、ポリペプチドまたはRNAi剤を含む、請求項39に記載の方法。

請求項44

前記抗Th17剤が、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23と結合するか上記のいずれかの受容体と結合する抗体、小分子、アプタマーまたはポリペプチドを含む、請求項39に記載の方法。

請求項45

補体阻害剤と抗Th17剤とを含む、医薬組成物

請求項46

前記補体阻害剤が、C3活性またはC3活性化を阻害する、請求項45に記載の医薬組成物。

請求項47

前記補体阻害剤がコンプスタチン類似体を含む、請求項45に記載の医薬組成物。

請求項48

前記抗Th17剤が、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23と結合するか上記のいずれかの受容体と結合する抗体、小分子、アプタマーまたはポリペプチドを含む、請求項45〜47のいずれかに記載の医薬組成物。

請求項49

必要とする対象に請求項45〜48のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、補体介在性障害を治療する方法。

請求項50

必要とする対象に請求項45〜48のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、Th17と関連のある障害を治療する方法。

請求項51

必要とする対象に請求項45〜48のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクル崩壊させる方法。

請求項52

DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について前記対象を監視することを含む、請求項49〜51のいずれかに記載の方法。

請求項53

DC−Th17−B−Ab−Cサイクルの証拠について前記対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、前記対象に前記組成物を投与することとを含む、請求項49〜51のいずれかに記載の方法。

請求項54

Th17バイオマーカーについて前記対象を監視することを含む、請求項49〜51のいずれかに記載の方法。

請求項55

Th17バイオマーカーについて前記対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、前記対象に前記組成物を投与することとを含む、請求項49〜51のいずれかに記載の方法。

請求項56

補体介在性障害を有するか補体介在性障害のリスクのある対象を治療する方法であって、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について前記対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、前記対象に補体阻害剤を投与することとを含む方法。

請求項57

前記対象に抗Th17剤を投与することをさらに含む、請求項56に記載の方法。

請求項58

補体介在性障害を有するか補体介在性障害のリスクのある対象を治療する方法であって、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について前記対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、前記対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを投与することとを含む方法。

請求項59

Th17と関連のある障害を有するかTh17と関連のある障害のリスクのある対象を治療する方法であって、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について前記対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、前記対象に補体阻害剤を投与することとを含む方法。

請求項60

前記対象に抗Th17剤を投与することをさらに含む、請求項59に記載の方法。

請求項61

Th17と関連のある障害を有するかTh17と関連のある障害のリスクのある対象を治療する方法であって、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について前記対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、前記対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを投与することを含む方法。

請求項62

前記補体阻害剤が、C3活性またはC3活性化を阻害する、請求項56〜61のいずれかに記載の方法。

請求項63

前記補体阻害剤がコンプスタチン類似体を含む、請求項56〜61のいずれかに記載の方法。

請求項64

前記抗Th17剤が、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23と結合するか上記のいずれかの受容体と結合する抗体、小分子、アプタマーまたはポリペプチドを含む、請求項56〜63のいずれかに記載の方法。

請求項65

DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について前記対象を監視することが、前記対象中または前記対象から得られた試料中のTh17に関連するバイオマーカーを評価することを含む、請求項56〜64のいずれかに記載の方法。

請求項66

監視を約1〜2週間毎、2〜4週間毎または約1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月もしくは12か月毎に実施する、請求項56〜65のいずれかに記載の方法。

請求項67

DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠またはTh17に関連するバイオマーカーのレベル上昇が検出されてから1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日または2週間、3週間もしくは4週間以内に補体阻害剤、抗Th17剤またはその両方を投与することを含む、請求項56〜65のいずれかに記載の方法。

請求項68

AMDの治療を必要とする対象を治療する方法であって、前記対象に抗IL−23剤を投与することを含む方法。

請求項69

前記薬剤を眼球局所的に投与する、請求項68に記載の方法。

請求項70

前記対象が乾燥型AMDを有する、請求項68に記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本出願は、2011年6月22日に出願された米国特許仮出願第61/499,895号の優先権を主張するものであり、上記出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。

背景技術

0002

呼吸器系の慢性障害は、発生率が世界的に増加しつつある罹患率および死亡率の大きな原因となっている。世界保健機関推定では、約8000万人が中等度ないし重度慢性閉塞性肺疾患COPD)に罹患しており、2005年には300万人(世界全体の死亡者の約5%)がCOPDで死亡している。COPDは2002年の死因の第5位であったが、主要な危険因子、特に喫煙の抑制に成功しない限り、2030年に世界の死因の第3位になるであろうと推定されている。喘息も世界的に重要な健康問題であり、世界全体で推定3億人が罹患している。喘息およびCOPDとも、特に重症の場合、患者の日々の機能および生活の質を低下させ得るものである。両疾患はほかにも、医療費および生産性損失の点で大きな負担となっている。

0003

喘息およびCOPDの治療には気管支拡張薬副腎皮質ステロイドなどの薬物療法が広く用いられている。しかし、このような治療介入を受けても、患者の大部分に持続的な症状がみられる。さらに、このような薬剤が重大な副作用を引き起こすこともある。呼吸器系を冒す障害を治療する新たな薬物療法が必要とされている。

0004

本発明は特に、慢性補体介在性障害を治療する方法を提供し、この方法は、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤投与することを含む。いくつかの態様では、本発明は、呼吸器系の慢性障害を治療する方法を提供し、この方法は、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、障害は喘息である。いくつかの実施形態では、障害はCOPDである。本発明の特定の態様は少なくとも部分的には、補体阻害剤が補体介在性障害、例えば、喘息またはCOPDなどの呼吸器系の慢性補体介在性障害の治療において長い作用持続時間を示すという認識に基づくものである。例えば、いくつかの実施形態では、補体阻害剤が慢性補体介在性障害、例えば慢性呼吸器障害の1つ以上の徴候を有意に減少させる作用持続時間は、静脈内投与した場合、その補体阻害剤が実質的に血漿補体活性化能を阻害する作用持続時間より長い。

0005

いくつかの態様では、本発明は、慢性呼吸器障害またはその他の慢性補体介在性障害の治療を必要とする対象を治療する方法を提供し、この方法は、補体阻害剤の複数回投与を、平均で(i)補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して少なくとも2週間後に;(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで回復して少なくとも2週間後に;(iii)補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2倍に等しい間隔で;または(iv)少なくとも3週間の間隔で次の投与を実施する投与スケジュールに従って、対象に実施することを含む。いくつかの実施形態では、平均で(i)補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して2週間〜6週間後に;(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで回復して2週間〜6週間後に;(iii)補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2〜5倍に等しい間隔で;または(iv)3〜6週間の間隔で、次の補体阻害剤投与を実施する。いくつかの実施形態では、平均で少なくとも4週間間隔で次の補体阻害剤投与を実施する。いくつかの実施形態では、前回の投与後に血漿補体活性化能が正常範囲内に回復して平均で少なくとも2週間後に、次の補体阻害剤投与を実施する。いくつかの実施形態では、補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の10%以下に減少して平均で少なくとも2週間後に、次の補体阻害剤投与を実施する。いくつかの実施形態では、補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の5%以下に減少して平均で少なくとも2週間後に、次の補体阻害剤投与を実施する。いくつかの実施形態では、投与スケジュールが少なくとも部分的には、対象の集団で測定された補体阻害剤の血漿中濃度、補体阻害剤の血漿中半減期および/または血漿補体活性化能の値に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、投与スケジュールが少なくとも部分的には、治療を受けている対象の補体阻害剤の血漿中濃度、補体阻害剤の血漿中半減期および/または血漿補体活性化能の値に基づいて決定される。

0006

投与することを含む任意の方法のいくつかの実施形態では、少なくとも5回投与する。

0007

いくつかの実施形態では、対象が喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)またはその両方の治療を必要とする。いくつかの実施形態では、対象が重症喘息の治療を必要とする。

0008

いくつかの実施形態では、呼吸器経路によって補体阻害剤を投与する。いくつかの実施形態では、噴霧器定量吸入器または乾燥粉末吸入器を用いて補体阻害剤を投与する。いくつかの実施形態では、振動メッシュ噴霧器を用いて補体阻害剤を投与する。

0009

いくつかの実施形態では、静脈経路によって補体阻害剤を投与する。

0010

いくつかの実施形態では、補体阻害剤は補体カスケードのC3またはC3の上流に作用する。いくつかの実施形態では、補体阻害剤はC3、C5またはB因子の切断を阻害する。

0011

いくつかの実施形態では、補体阻害剤は抗体、アプタマーペプチドポリペプチドまたは小分子を含む。

0012

いくつかの実施形態では、補体阻害剤は、C3、C5、B因子またはD因子と結合する抗体、アプタマー、ペプチド、ポリペプチドまたは小分子を含む。

0013

いくつかの実施形態では、補体阻害剤はコンプスタチン類似体を含む。

0014

いくつかの実施形態では、補体阻害剤は、配列が配列番号14、21、28、29、32、33、34または36を含むコンプスタチン類似体を含む。

0015

いくつかの実施形態では、補体阻害剤は、配列が配列番号3〜41のいずれかを含むコンプスタチン類似体を含む。

0016

いくつかの実施形態では、補体介在性障害はTh17と関連のある障害である。

0017

いくつかの実施形態では、任意の治療方法が対象中または対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーを検出することを含む。いくつかの実施形態では、Th17バイオマーカーは体液を含む試料中に検出され、体液は血液、BAL液、鼻汁もしくは尿またはそれらの組合せから任意に選択されるものである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、Th17細胞によって産生されるサイトカインまたはTh17細胞の形成、生存もしくは活性を促進するサイトカインを少なくとも1種類含む。いくつかの実施形態では、参照と比較したTh17バイオマーカーレベルの上昇が、対象が補体阻害剤の投与を必要とすることを示す。いくつかの実施形態では、参照は、障害に罹患していない者の正常範囲内にあるか、障害が十分に管理されている場合の対象のベースライン値である。いくつかの実施形態では、Th17バイオマーカーは補体阻害剤の投与実施前に検出され、対象が補体阻害剤の投与を必要とすることの指標ととしての役割を果たす。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは補体阻害剤の投与実施前に検出され、対象が補体阻害剤の投与を必要とすることの指標としての役割を果たし、この方法は、バイオマーカー検出後の所定の期間内に補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、所定の期間は1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日または2週間、3週間もしくは4週間である。

0018

いくつかの態様では、慢性補体介在性障害の治療を必要とする対象を治療する方法は、(a)対象に少なくとも1回の補体阻害剤投与を実施することと、(b)対象中または対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーについて対象を監視することとを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、(c)対象に少なくとも1回の追加の補体阻害剤投与を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、段階(b)は、対象中または対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーを検出することを含む。いくつかの実施形態では、段階(b)は、参照と比較したバイオマーカーレベルの上昇を検出することを含み、そのレベルの上昇は対象が補体阻害剤の投与を必要とすることを示す。いくつかの実施形態では、段階(b)は、参照と比較したバイオマーカーレベルの上昇を検出することを含み、そのレベルの上昇は対象が補体阻害剤の投与を必要とすることを示し、この方法は、(c)対象に少なくとも1回の追加の補体阻害剤投与を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、段階(b)は、参照と比較したバイオマーカーレベルの上昇を検出することを含み、そのレベルの上昇は対象が補体阻害剤の投与を必要とすることを示し、この方法は、(c)バイオマーカー検出の所定の期間内に、対象に少なくとも1回の追加の補体阻害剤投与を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、所定の期間は1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日または2週間、3週間もしくは4週間である。いくつかの実施形態では、方法は、対象に抗Th17剤を投与することをさらに含む。

0019

いくつかの実施形態では、抗Th17剤は、Th17細胞の形成または活性を阻害する薬剤を含む。いくつかの実施形態では、抗Th17剤は、Th17細胞によって産生されるサイトカインの産生もしくは活性を阻害する薬剤またはTh17細胞の形成もしくは活性を促進する薬剤を含む。いくつかの実施形態では、抗Th17剤はIL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23の産生または活性を阻害する薬剤を含む。いくつかの実施形態では、抗Th17剤は抗体、小分子、アプタマー、ポリペプチドまたはRNAi剤を含む。いくつかの実施形態では、抗Th17剤は、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23と結合するか、上記のいずれかの受容体と結合する、抗体、小分子、アプタマーまたはポリペプチドを含む。

0020

いくつかの態様では、補体阻害剤と抗Th17剤とを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、補体阻害剤はC3活性またはC3活性化を阻害する。いくつかの実施形態では、補体阻害剤はコンプスタチン類似体を含む。いくつかの実施形態では、抗Th17剤は、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23と結合するか、上記のいずれかの受容体と結合する、抗体、小分子、アプタマーまたはポリペプチドを含む。

0021

いくつかの態様では、補体介在性障害を治療する方法は、必要とする対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを含む組成物を投与することを含む。

0022

いくつかの態様では、Th17と関連のある障害を治療する方法は、必要とする対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを投与することを含む。

0023

いくつかの態様では、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクル崩壊させる方法の方法が提供され、この方法は、必要とする対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを含む投与を含む。

0024

いくつかの態様では、Th17と関連のある障害を治療する方法は、必要とする対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを投与することを含む。

0025

いくつかの態様では、Th17と関連のある障害を治療する方法は、必要とする対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを含む組成物を投与することを含む。

0026

いくつかの態様では、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルを崩壊させる方法の方法が提供され、この方法は、必要とする対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを含む投与を含む。

0027

いくつかの実施形態では、いずれかの方法が、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することを含む。

0028

いくつかの実施形態では、いずれかの方法が、DC−Th17−B−Ab−Cサイクルの証拠について対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、対象に補体阻害剤、抗Th17剤または補体阻害剤、抗Th17剤を含む組成物を投与することとを含む。

0029

いくつかの実施形態では、いずれかの方法が、Th17バイオマーカーについて対象を監視することを含む。

0030

いくつかの実施形態では、いずれかの方法が、Th17バイオマーカーについて対象を監視することと、少なくとも部分的にその監視の結果に基づいて、対象に補体阻害剤、抗Th17剤または補体阻害剤、抗Th17剤を含む組成物を投与することとを含む。

0031

いくつかの態様では、補体介在性障害を有するか補体介在性障害のリスクのある対象を治療する方法は、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、対象に補体阻害剤を投与することとを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、対象に抗Th17剤を投与することをさらに含む。

0032

いくつかの態様では、補体介在性障害を有するか補体介在性障害のリスクのある対象を治療する方法は、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを投与することとを含む。

0033

いくつかの態様では、Th17と関連のある障害を有するかTh17と関連のある障害のリスクのある対象を治療する方法は、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、対象に補体阻害剤を投与することとを含む。

0034

いくつかの実施形態では、この方法は、対象に抗Th17剤を投与することをさらに含む。

0035

いくつかの態様では、Th17と関連のある障害を有するかTh17と関連のある障害のリスクのある対象を治療する方法が提供され、この方法は、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することと、少なくとも部分的に前記監視の結果に基づいて、対象に補体阻害剤と抗Th17剤とを投与することを含む。いくつかの実施形態では、補体阻害剤はC3活性またはC3活性化を阻害する。いくつかの実施形態では、補体阻害剤はコンプスタチン類似体を含む。

0036

少なくとも部分的に抗Th17剤と関係のある組成物または方法のいくつかの実施形態では、抗Th17剤は、IL−1β、IL−6、IL−21、IL−22、IL−17またはIL−23と結合するか、上記のいずれかの受容体と結合する、抗体、小分子、アプタマーまたはポリペプチドを含む。

0037

DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することを含む任意の方法のいくつかの実施形態では、このような監視は、対象中または対象から得られた試料中のTh17に関連するバイオマーカーを評価することを含む。

0038

対象を監視することを含む任意の方法のいくつかの実施形態では、監視を約1〜2週間毎、2〜4週間毎または約1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月もしくは12か月毎に実施する。

0039

補体阻害剤、抗Th17剤またはその両方を投与することを含む任意の方法のいくつかの実施形態では、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠またはTh17に関連するバイオマーカーのレベル上昇が検出されてから1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日または2週間、3週間もしくは4週間以内に投与を実施する。

0040

いくつかの態様では、AMDの治療を必要とする対象を治療する方法が提供され、この方法は、対象に抗IL−23剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、この薬剤を眼球局所的に、例えば硝子体内注射により投与する。いくつかの実施形態では、対象は乾燥型AMDを有する。

0041

本願で言及される論文書籍、特許出願、特許、その他の刊行物ウェブサイトおよびデータベースはすべて、参照により本明細書に組み込まれるものとする。本明細書と、組み込まれるいずれかの参考文献との間に不一致が生じた場合、本明細書(本明細書に対するあらゆる補正を含む)が統制するものとする。特に明示されない限り、本明細書では、当該技術分野で認められている用語および略語の意味を用いる。

図面の簡単な説明

0042

ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。
ブタ回虫(Ascaris suum)抗原負荷0、1および2の前または後の図示される時点で個々のカニクイザルから得られた試料で測定した、図示されるサイトカインの気管支肺胞洗浄(BAL)液中濃度を示すプロットである。対照個体(青;三角);ブデソニド処置個体(赤;+);CA−28処置個体(緑;丸)。24時間にわたる変化がより明瞭に図示されるよう、各時点での平均サイトカイン濃度のプロットを重ね合わせ、実線で示してある。

0043

(本発明の特定の実施形態の詳細な説明)
I.定義
本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗体および抗原結合部位を含む抗体フラグメント包含する。本発明の特定の実施形態で有用な抗体は、様々な種、例えば、ヒト、非ヒト霊長類げっ歯類(例えば、マウスラットウサギ)、ヤギニワトリ由来するか、これらから得られるものおよび/または様々な抗体クラス、例えば、ヒトクラス:IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgMIgAIgDおよびIgEのものであり得る。例えば、抗体フラグメント(Fab)は、Fab’、F(ab’)2、scFv(一本鎖可変部位)または抗原結合部位を保持するか、これを含むその他のフラグメントであり得る。例えば、Allen,T.,Nature Reviews Cancer,Vol.2,750−765,2002およびその参考文献を参照されたい。当該技術分野でダイアボディミニボディまたはナノボディとして知られる抗体を各種実施形態で用いることができる。二重特異性抗体または多重特異性抗体を各種実施形態で用いることができる。IgG免疫グロブリン(例えば、げっ歯類またはヒトのIgG)の重鎖および軽鎖には、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)によって個々に分離された4つのフレームワーク領域(FR1〜FR4)が含まれている。CDR、具体的にはCDR3領域、特に重鎖CDR3は抗体特異性に大きな役割を果たしている。抗体は例えば、げっ歯類由来もしくは非ヒト霊長類由来の可変ドメインヒト由来定常ドメインとを融合させたキメラ抗体、また抗原結合部位を構成する相補性決定領域(CDR)のアミノ酸の一部もしくは全部が(場合によっては1つ以上のフレームワークのアミノ酸または領域とともに)げっ歯類抗体(例えば、マウス抗体)もしくはファージディスプレイ抗体からヒト抗体に「移植」され、げっ歯類抗体もしくはファージディスプレイ抗体の特異性を保持している「ヒト化」抗体であり得る。したがって、ヒト化抗体は、抗体の相補性決定領域のみが非ヒト由来である組換えタンパク質であり得る。ヒト化工程に含まれる抗体配列の改変は一般に、核酸レベルの技術、例えば、標準的な組換え核酸技術により実施されることが理解されよう。いくつかの実施形態では、特異性決定残基(SDR)、抗体−リガンド相互作用において最も重要なCDR残基のみを移植する。SDRは、例えば、構造のわかっている抗原抗体複合体三次元構造のデータベースを用いることによって、あるいは抗体結合部位変異解析によって同定され得る。いくつかの実施形態では、さらに多くのCDR残基を保持する方法、すなわち、いわゆる「短縮された」CDR、全SDRを含む一連のCDR残基の移植を用いる。SDR移植についての詳細な記述に関しては、例えば、Kashmiri,SV,Methods.36(1):25−34(2005)を参照されたい。ヒト化抗体を得る各種の方法の概説に関しては、例えば、Almagro JC,Fransson J.Humanization of antibodies. Front Biosci.13:1619−33(2008)を参照されたい。「〜に由来するか、〜から得られる」とは、抗体配列またはその一部分を定める遺伝情報入手源を指すものであり、これは抗体が最初に合成される種によって異なり得ることが理解されよう。例えば、ゲノムヒト免疫グロブリン遺伝子を組み込んだげっ歯類で「ヒト」ドメインを作製し得る。完全ヒト抗体を作製するには、例えば、Vaughanら,(1998),Nature Biotechnology,16:535−539を参照されたい。抗体はポリクローナルであってもモノクローナルであってもよいが、本発明の目的には、治療剤としてモノクローナル抗体が一般に好ましい。実質的に任意の目的分子と特異的に結合する抗体の作製方法が当該技術分野で公知である。例えば、天然源から、例えば、抗体を産生する動物の血液または腹水から(例えば、分子またはその抗原性フラグメント免疫感作したのち)モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を精製する、あるいはこれを細胞培養物組換えにより産生させ、例えば培地から精製することが可能である。アフィニティー精製、例えば、プロテインA/Gアフィニティー精製および/または抗原をアフィニティー試薬として用いるアフィニティー精製を用いてもよい。ファージディスプレイおよびそれに関連する技術を用いて適切な抗体を同定することができる。詳細な情報に関しては、例えば、Kaser,M.およびHoward,G.,「Making and Using Antibodies:A Practical Handbook」ならびにSidhu,S.,「Phage Display in Biotechnology and Drug Discovery」,CRCPress,Taylor and Francis Group,2005を参照されたい。抗体フラグメントの作製方法はよく知られている。例えばF(ab’)2 フラグメントを、例えば、固定化ペプシンを用いて抗体を消化し、固定化プロテインAカラムで精製するImmunopure F(ab’)2 Preparation Kit(Pierce)を用いて作製することができる。F(ab’)2が高収率で得られるよう当業者消化条件(温度および持続時間など)を最適化することができる。消化によって得られるF(ab’)2の収率は、標準的なタンパク質ゲル電気泳動によって監視することができる。抗体のパパイン消化によって、あるいはF(ab’)2中のS−S結合を還元することによってF(ab’)を得ることができる。本明細書で使用される「一本鎖Fv」または「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、これらのドメインが単一のポリペプチド鎖中に存在するものである。scFv抗体は通常、VHとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含むが、特定のある実施形態では、他のリンカーを用いてこれらドメインを連結することができる。

0044

数に関連する「約」という用語は一般に、特に明記されない限り、あるいは文脈上特に明らかでない限り、その数の±10%以内、いくつかの実施形態では±5%以内、いくつかの実施形態では±1%以内、いくつかの実施形態では±0.5%以内に収まる数を包含する(ただし、その数が許容範囲を超えて、考え得る値の100%を上回る場合は除く)。

0045

「補体活性化能」は、最大限の補体活性化を引き起こす刺激曝露されて生じる補体活性化のレベルを指す。補体活性化能は通常、対象から得られる試料(例えば、血液、血漿、血清またはその他の液体試料。適宜希釈してもよい)を用いて評価され、この試料は補体を活性化する刺激にin vitroで曝露され得る。熱で不活性化した試料を対照として用いることができる。補体活性化能の測定を行うために、刺激が最大限の補体活性化を引き起こすのに十分なものである必要はないことが理解されよう。例えば、定められた期間内に生じる補体活性化の程度を補体活性化能の指標とすることができる。補体活性化を例えば、溶血(例えば、ヒツジまたはニワトリ赤血球の溶解)に基づく機能アッセイ、補体活性化の生成物(例えば、C3a、C3b、iC3b、C5a、MAC)の沈着または捕捉などの適切なアッセイを用いて測定し得る。経路特異的補体活性化能を例えば、1つまたは2つ以上の経路を活性化する適切な刺激およびアッセイ条件(例えば、アッセイ組成物中のカルシウムイオンの有無)を用いて評価し得る。例えば、抗体(例えば、IgMまたは免疫複合体)を用いて古典経路を活性化すること、リポ多糖LPS)を用いて代替経路を活性化すること、マンナンを用いてレクチン経路マンノース結合レクチン部分を活性化することなどが可能である。いくつかの実施形態では、古典補体経路活性化因子としての抗体感作ヒツジまたはニワトリ赤血球と、50%の溶解が生じるのに必要な量を決定するための被験試料の各種希釈物とを用いるCH50試験を用いて、試料の総古典補体活性を測定する。溶血のパーセント分光測定により決定することができる。依然として50%の溶解が得られる試料の希釈率が高い(すなわち、試料が希釈されている)ほど補体活性化能が高い。いくつかの実施形態では、ELISAに基づくアッセイを用いる。いくつかの実施形態では、概ね国際出願PCT/US2010/035871号(国際公開第2010135717号)(実施例を参照)に記載されている通りに、iC3bレベルに基づいて補体活性化を評価する。いくつかの実施形態では、概ね国際出願PCT/US2008/001483(国際公開第2008/097525号)のそれぞれ実施例1および2に記載されている通りに、C3bレベルに基づいて補体活性化を評価する。いくつかの実施形態では、MicroVue CH50 EqEIAKit(古典経路)、MicroVue Bb Plus EIA Kit(代替経路)、MicroVue iC3b EIA KitまたはMicroVue C3a Plus EIA Kit(すべてQuidel社製)を用いて、古典経路を介した補体活性化を評価する。いくつかの実施形態では、補体活性化の生成物の量を、補体活性化刺激に曝露する前に試料中に存在する未変化のC3量に対して正規化する。

0046

補体成分」または「補体タンパク質」とは、補体系の活性化に関与する、あるいは補体が媒介する1つ以上の活性に関与するタンパク質のことである。古典的補体経路の成分としては、例えばC1q、C1r、C1s、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9および膜侵襲複合体(MAC)とも呼ばれるC5b−9複合体ならびに上記のいずれかの活性フラグメントまたは酵素切断産物(例えば、C3a、C3b、C4a、C4b、C5aなど)が挙げられる。代替経路の成分としては、例えばB因子、D因子およびプロパージンが挙げられる。レクチン経路の成分としては、例えばMBL2、MASP−1およびMASP−2が挙げられる。補体成分としてはほかにも、可溶性補体成分に対する細胞結合受容体が挙げられ、この場合、可溶性補体成分が結合すると細胞結合受容体がこの可溶性補体成分の1つ以上の生物活性を媒介する。このような受容体としては、例えばC5a受容体(C5aR)、C3a受容体(C3aR)、補体受容体1(CR1)、補体受容体2(CR2)、補体受容体3(CR3、CD45としても知られる)などが挙げられる。「補体成分」という用語は補体活性化の「トリガー」として働く分子および分子構造、例えば、抗原抗体複合体微生物の表面または人工的な表面上に存在する外来の構造などを包含することを意図するものではないことが理解されよう。

0047

「補体制御タンパク質」とは、補体活性の制御に関与するタンパク質のことである。補体制御タンパク質は、例えば、補体活性化を阻害することにより、あるいは1種類以上の活性化補体タンパク質の崩壊を不活性化または加速することにより、補体活性をダウンレギュレートし得る。補体制御タンパク質の例としては、C1阻害因子、C4結合タンパク質クラスタリンビトロネクチン、CFH、I因子ならびに細胞結合タンパク質CD46、CD55、CD59、CR1、CR2およびCR3が挙げられる。

0048

本明細書において2つ以上の部分に関して使用される「結合している」とは、それらの部分が互いに物理的に結び付いて、あるいは繋がって、好ましくはその新たな分子構造が使用される条件下、例えば生理的条件下でそれらの部分の結び付きが維持されるよう十分に安定な分子構造を形成することを意味するものである。本発明の特定の好ましい実施形態では、結合は共有結合である。他の実施形態では、結合は非共有結合である。部分同士が直接結合していても、間接的に結合していてもよい。2つの部分が直接結合している場合、それらは互いに共有結合しているか、あるいは2つの部分の間の分子間力が部分同士の結び付きを維持するのに十分な程度に接近している。2つの部分が間接的に結合している場合、それらはそれぞれが第三の部分と共有結合または非共有結合し、これにより両部分の間の結び付きが維持される。一般に、「結合部分」または「結合部」により結合しているという場合、両結合部分の間の結合は間接的なものであり、通常は、結合される部分のそれぞれが結合部分と共有結合している。2つの部分を「リンカー」を用いて結合させることができる。リンカーは、実体の安定性を維持できる条件下(条件によっては、必要に応じて実体の一部分を保護することがある)適度な時間内に、適度な収率が得られる量で、結合させる実体と反応する、任意の適切な部分であり得る。リンカーは通常、少なくとも2つの官能基を含み、2つの官能基一方が第一の実体と反応し、他方が第二の実体と反応する。リンカーが結合させる実体と反応した後は、「リンカー」という用語は、得られた構造のリンカーに由来する部分または少なくとも反応した官能基を含まない部分を指し得ることが理解されよう。結合部分は、結合させる実体との結合には関与せずに実体を互いに空間的に分離することを目的とする部分を含み得る。このような部分は「スペーサー」と呼ばれ得る。

0049

本明細書で使用される「ポリペプチド」は、任意選択アミノ酸類似体を1つ以上含むアミノ酸のポリマーを指す。タンパク質とは、1つ以上のポリペプチドからなる分子のことである。ペプチドとは、長さが通常約2〜60アミノ酸、例えば、長さが8〜40アミノ酸の比較的短いポリペプチドのことである。「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」という用語は互換的に使用され得る。本明細書で使用されるポリペプチドは、タンパク質中に本来みられるアミノ酸、タンパク質中に本来みられないアミノ酸および/またはアミノ酸ではないアミノ酸類似体などのアミノ酸を含み得る。本明細書で使用されるアミノ酸の「類似体」は、アミノ酸と構造が類似している別のアミノ酸またはアミノ酸と構造が類似しているアミノ酸以外の化合物であり得る。タンパク質中に普通にみられる20種類のアミノ酸(「標準」アミノ酸)の当該技術分野で認められている類似体が多数知られている。例えば、炭水化物基、リン酸基ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基コンジュゲーション官能基化またはその他の修飾のためのリンカーなどの化学的実体を付加することにより、ポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸を修飾することができる。特定の非限定的な適切な類似体および修飾が国際公開第2004026328号および/または以降に記載されている。ポリペプチドを、例えばN末端アセチル化し、かつ/または例えばC末端アミド化してもよい。

0050

ポリペプチドは一般に、当該技術分野で公知の任意の適切な方法を用いて入手または作製することができる。例えば、ポリペプチドを天然源から単離しても、適切な発現系(例えば、組換え宿主細胞またはトランスジェニック非ヒト動物もしくは植物によるもの)に組換えDNA技術を用いてin vitroまたはin vivoで作製しても、固相ペプチド合成などの化学的手段および/または合成ペプチド化学ライゲーションを行う方法(例えば、Kent,S.,J Pept Sci.,9(9):574−93,2003および米国特許出願公開第20040115774号を参照)またはこれらの組合せを用いて合成してもよい。当業者であれば、適切な方法(1つまたは複数)を容易に選択するであろう。ポリペプチドはタグ、例えばエピトープタグを含み得るが、このようなタグはポリペプチドの精製および/または検出を容易にし得るものである。タグの例としては、例えば、6×His、HA、Myc、SNUTFLAG、TAPなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、タグは切断可能なものであり、例えば、タグはプロテアーゼによる切断のための認識部位を含むか、プロテアーゼによる切断のための認識部位を含む連結部分によってポリペプチドの補体阻害部分から分離されている。例えば、TEVプロテアーゼ切断部位を用いることができる。

0051

ポックスウイルス」は、ポックスウイルス科(Poxyiridae)を構成する複雑な二本鎖DNAウイルスの仲間を指す。この科にはポックスウイルス科(Poxyiridae)、コードポックスウイルス亜科(Chordopoxyirinae)の1属であり、ヒトを含めた哺乳動物に感染する多数の種を含むオルソポックスウイルスが含まれる。ポックスウイルスについては、Fields,B Nら,Fields Virology,第3版,Lippincott Williams & Wilkins,2001に記載されている。オルソポックスウイルスには、特に限定されないが、ワクシニアウイルス大痘瘡ウイルス、小痘瘡ウイルス、牛痘ウイルスサル痘ウイルスラクダ痘ウイルス豚痘ウイルスおよびエクトロメリアウイルスが含まれる。

0052

「ポックスウイルス補体制御タンパク質」は、多数の異なるポックスウイルスによってコードされ、1種類以上の補体経路タンパク質と結合し、補体活性化の古典経路、補体活性化の代替経路、レクチン経路またはこれらの任意の組合せのいずれかを阻害する相同タンパク質ファミリーメンバーを指す。ポックスウイルス補体制御タンパク質は、補体活性化制御因子RCAスーパーファミリーとも呼ばれる補体制御タンパク質(CCP)のメンバーである(Reid,K B MおよびDay,A J,Immunol Today,10:177−80,1989)。

0053

「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」およびその他のこのような用語は、目的のポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターなどの外来核酸(通常はDNA)を含んでいる原核または真核の細胞または細胞系を指す。このような用語は、ベクターまたはその他の核酸が導入された元の細胞(1つまたは複数)の子孫を包含することが理解されよう。適切な宿主細胞としては、ポリヌクレオチドの発現に当該技術分野において日常的に用いられる(例えば、このようなポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド(1つまたは複数)を作製する目的で)任意の宿主細胞が挙げられ、このような細胞としては、例えば、大腸菌(E.coli)などの原核生物ならびに例えば、酵母(例えば、ピキアパストリス(Pichia pastoris))などの真菌昆虫細胞(例えば、Sf9)、植物細胞および動物細胞、例えば、CHO、R1.1、B−W、L−M、アフリカミドリザル腎細胞(例えば、COS−1、COS−7、BSC−1、BSC−40およびBMT−10)などの哺乳動物細胞および培養ヒト細胞を含めた真核生物が挙げられる。外来核酸は、プラスミドなどのエピソームとして安定に維持され得るか、任意選択でコピーまたは逆転写の後に少なくとも一部が宿主細胞ゲノム内に組み込まれ得る。「宿主細胞」などのような用語はこのほか、核酸導入前に外来核酸のレシピエントとして使用することができる細胞または細胞系を指すのに使用される。「組換えポリヌクレオチド」とは、天然では互いに直接連結していない核酸配列を含むポリヌクレオチドのことである。例えば、核酸配列は異なる遺伝子または異なる種にみられるものであってよく、また1つ以上の配列が天然の配列のバリアントであるか、少なくとも部分的に天然の配列に相同でない人工配列であってよい。「組換えポリペプチド」とは、組換え宿主細胞もしくは無細胞in vitro発現系による外来核酸の転写および翻訳によって産生されるポリペプチドおよび/または天然では互いに直接連結していないアミノ酸配列を含むポリペプチドのことである。後者の場合、組換えポリペプチドは「キメラポリペプチド」と呼ばれる。キメラポリペプチド内のアミノ酸配列は、例えば、異なる遺伝子または異なる種にみられるものであってよく、また1つ以上の配列が天然の配列のバリアントであるか、少なくとも部分的に天然の配列に相同でない人工配列であってよい。キメラポリペプチドは2つ以上のポリペプチドを含み得ることが理解されよう。例えば、キメラポリペプチドの第一と第二のポリヌクレオチドAとBが直接連結していても(A−BまたはB−A)、第三のポリペプチド部分によって分離されていても(A−C−BまたはB−C−A)よい。いくつかの実施形態では、部分Cは、例えばグリシン残基および/またはセリン残基を複数含み得る、ポリペプチドリンカーを表す。いくつかの実施形態では、2つ以上のポリペプチドが非ポリペプチドリンカー(1つまたは複数)によって連結され得る。

0054

本明細書で使用される「反応性官能基」は、特に限定されないが、オレフィンアセチレンアルコールフェノールエーテルオキシドハロゲン化物アルデヒドケトンカルボン酸エステルアミドシアナートイソシアナートチオシアナートイソチオシアナートアミンヒドラジンヒドラゾンヒドラジドジアゾジアゾニウムニトロ、ニトリルメルカプタンスルフィドジスルフィドスルホキシドスルホンスルホン酸スルフィン酸アセタールケタール無水物、硫酸スルフェン酸イソニトリルアミジンイミドイミダートニトロンヒドロキシルアミンオキシムヒドロキサム酸チオヒドロキサム酸、アレンオルトエステル亜硫酸エナミン、イナミン、尿素イソ尿素セミカルバジドカルボジイミドカルバミン酸イミンアジドアゾ化合物アゾキシ化合物およびニトロソ化合物、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルマレイミド、スルフィドリルなどを含めた基を指す。上に挙げた各官能基を調製する方法は当該技術分野で周知であり、特定の目的でのその適用または修飾は当業者の能力の範囲内にある(例えば、SandlerおよびKaro編,ORGANIC FUNCTIONALGROUP PREPARATIONS,Academic Press,San Diego,1989ならびにHermanson,G.,Bioconjugate Techniques,第2版,Academic Press,San Diego,2008を参照されたい)。

0055

特異的結合」は一般に、標的ポリペプチド(またはより一般には標的分子)と、抗体またはリガンドなどの結合分子との間の物理的な結び付きを指す。この結び付きは通常、結合分子によって認識される抗原決定基エピトープ結合ポケットまたは間隙などの標的の特定の構造的特徴の存在に依存するものである。例えば、抗体がエピトープAに対して特異的である場合、遊離の標識されたAおよびそれと結合する結合分子をともに含有する反応物中に、エピトープAを含むポリペプチドが存在することまたは遊離の未標識のAが存在することにより、結合分子と結合する標識されたAの量が減少する。このほか、特異性は完全なものである必要はなく、一般に結合が起こる状況を指すものであることを理解するべきである。例えば、多くの抗体が、標的分子中に存在するエピトープに加えて他のエピトープと交差反応することが当該技術分野で周知である。このような交差反応性は、抗体を使用する適用によっては許容され得るものである。当業者は、任意の適用において(例えば、標的分子の検出のため、治療目的など)、十分に機能できる程度の特異性を有する抗体またはリガンドを選択することができるであろう。このほか、結合分子と他の標的、例えば競合物質との親和性に対する結合分子と標的分子との親和性などの他の因子の観点から特異性が評価され得ることも理解するべきである。結合分子が検出することを望む標的分子に対して高い親和性を示し、非標的分子に対しては低い親和性を示せば、その抗体は許容される試薬である可能性があるであろう。結合分子の特異性が1つ以上の状況において確認されれば、その特異性を再び評価する必要なしにそれを他の状況、好ましくはほぼ同じ状況で用いることができる。いくつかの実施形態では、2分子、例えば、特異的結合を示す2分子の親和性(平衡解離定数Kdにより測定される)は、試験条件下、例えば生理的条件下(例えば、対応するin vivoの条件に適度に類似している塩濃度、pHおよび/または温度などの条件)またはその他のアッセイ条件で10−3M以下、例えば10−4M以下、例えば10−5M以下、例えば10−6M以下、10−7M以下、10−8M以下または10−9M以下である。当該技術分野で公知の様々な方法のいずれかを用いて、結合親和性を測定することができる。例えば、等温滴定熱量測定または表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えば、Biacore(登録商標)アッセイ)を特定の実施形態に用いることができる。

0056

本発明に従って治療する「対象」は通常、ヒト、非ヒト霊長類または別の哺乳動物(例えば、マウスまたはラット)である。少なくとも補体阻害剤を投与する実施形態では、対象は、使用する特定の補体阻害剤によって阻害され得る補体成分を少なくとも1つ発現するものでなければならないことが理解されよう。例えば、霊長類補体に特異的な補体阻害剤は通常、ヒトもしくは非ヒト霊長類またはヒト補体成分(1つまたは複数)を発現するよう遺伝子操作された動物モデルに投与される。いくつかの実施形態では、対象は雄である。いくつかの実施形態では、対象は雌である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は少なくとも12である。いくつかの実施形態では、対象は成体、例えば、少なくとも18歳、例えば18〜100歳のヒトである。いくつかの実施形態では、対象は少なくとも40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳、75歳または80歳である。いくつかの実施形態では、対象は子供、例えば、0〜4歳または5〜11歳のヒトである。

0057

対象を治療することに関連して本明細書で使用される「治療(すること)」は、治療を提供すること、すなわち、対象の任意のタイプの内科的または外科的処置を提供することを指す。治療は、疾患を正常な状態に戻す、それを軽減する、疾患の進行を抑制する、疾患を予防する、疾患の可能性を低下させるために、あるいは疾患の1つ以上の症状または徴候を正常な状態に戻す、それを軽減する、それを抑制する、疾患の1つ以上の症状または徴候の進行を防ぐ、疾患の1つ以上の症状または徴候を予防する、疾患の1つ以上の症状または徴候の可能性を低下させるために提供され得る。「予防する」とは、少なくともいくつかの個体、例えば、疾患、症状または徴候の発現するリスクのある個体に疾患または疾患の症状もしくは徴候が少なくとも一定期間は生じないようにすることを指すものである。治療には、疾患を示す1つ以上の症状または徴候が発現したときに、例えば、疾患を正常な状態に戻す、それを軽減する、疾患の重症度を軽減するおよび/または疾患の進行を抑制するもしくは防ぐために、ならびに/あるいは疾患の1つ以上の症状もしくは徴候を正常な状態に戻す、それを軽減する、疾患の1つ以上の症状もしく徴候の重症度を軽減するおよび/または抑制するために、対象に化合物または組成物を投与することが含まれ得る。疾患を発症している対象または疾患の発症リスクが一般集団の者より高い対象、任意選択で年齢性別および/またはその他の人口統計学的変数(1つまたは複数)の点でその対象と一致する者に化合物または組成物を投与することができる。

0058

特定のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの「バリアント」には、それぞれ「元のポリペプチド」または「元のポリヌクレオチド」と呼ぶことができるポリペプチドまたは核酸に対して1つ以上の改変(例えば、付加、置換および/または削除。これらをまとめて「変異」と呼ぶことができる)がみられる。したがって、バリアントは、それがバリアントとなっているポリペプチドまたはポリヌクレオチドより短いものでも、長いものでもあり得る。「バリアント」という用語は「フラグメント」を包含する。「フラグメント」とは、元のポリペプチドより短い連続するポリペプチドの一部分のことである。本発明の特定の実施形態では、バリアントポリペプチドは、バリアントの長さまたはポリペプチドの長さ(いずれか短い方)の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上を含むバリアントの連続する一部分にわたって、元のポリペプチドと有意な配列同一性を有する。本発明の特定の実施形態では、バリアントポリペプチドは、バリアントの長さまたはポリペプチドの長さ(いずれか短い方)の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上を含むバリアントの連続する一部分にわたって、元のポリペプチドと実質的に配列同一性を有する。非限定的な実施形態では、バリアントは、バリアントの90%〜100%を含むバリアントの連続する一部分にわたって、例えば、バリアントの長さまたはポリペプチドの長さ(いずれか短い方)の100%にわたって、元の配列と少なくとも80%の同一性を有する。別の非限定的な実施形態では、バリアントは、バリアントの90%〜100%を含むバリアントの連続する一部分にわたって、例えば、バリアントの長さまたはポリペプチドの長さ(いずれか短い方)の100%にわたって、元の配列と少なくとも80%の同一性を有する。特定の実施形態では、バリアントポリペプチドの配列には元の配列に対してN個のアミノ酸の相違があり、ここでNは、1〜10の任意の整数である。他の特定の実施形態では、バリアントポリペプチドの配列には元の配列に対してN個のアミノ酸の相違があり、ここでNは、1〜20の任意の整数である。アミノ酸の「相違」は、アミノ酸の置換、挿入または削除を指す。

0059

本発明の特定の実施形態では、フラグメントまたはバリアントは、その三次元構造(実際の構造または予測構造)を元のポリペプチドの構造と重ね合わせたとき、重なる体積が元のポリペプチドの構造の総体積の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%になるように元のポリペプチドと十分な構造的類似性を有する。フラグメントまたはバリアントの部分的なまたは完全な三次元構造は、タンパク質を結晶化することによって決定され得るものであり、結晶化は標準的な方法を用いて行うことができる。あるいは、同じく標準的な方法を用いて、NMR溶液構造を作成することができる。MODLERのようなモデリングプログラム(Sali,A.およびBlundell,TL,J.Mol.Biol.,234,779−815,1993)またはその他の任意のモデリングプログラムを用いて予測構造を作成することができる。関連するポリペプチドの構造または予測構造が利用できれば、モデルはその構造に基づくものとなり得る。PROSPECTPSPPのプログラム一式を用いることができる(Guo,JTら,Nucleic AcidsRes.32(ウェブサーバ版):W522−5,July 1,2004)。

0060

多くの実施形態では、バリアントまたはフラグメントの1つ、2つ以上またはすべての生物学的機能または活性が、元の分子の対応する生物学的機能または活性と実質的にほぼ同じである。特定の実施形態では、バリアントまたはフラグメントの活性は、元の分子の活性の少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%、元の分子の最大約100%、約125%または約150%であり得る。特定の実施形態では、バリアントまたはフラグメントの活性は、何らかの効果を得るのに必要なバリアントの量または濃度が、その効果を得るのに必要な元の分子の量または濃度の0.5〜5倍以内になる程度のものである。本発明は、本明細書に開示されるいずれかの補体阻害ポリペプチドのバリアントの使用を企図し、そのバリアントは、本明細書に記載の方法に有用な程度に補体を阻害するものである。いくつかの実施形態では、バリアントは、免疫原性などの望ましくないと思われる特性がないか、大幅に減少している。

0061

本明細書で使用される「アルキル」は、約1個〜約22個の炭素原子(ならびにその炭素原子の範囲および特定の数のすべての組合せおよび部分的組合せ)を有する飽和の直鎖状分岐状または環状炭化水素を指し、本発明の特定のある実施形態では、炭素原子の数は約1個〜約12個または約1個〜約7個が好ましい。アルキル基としては、特に限定されないが、メチルエチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルイソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチルイソペンチルネオペンチルn−ヘキシル、イソヘキシルシクロヘキシルシクロオクチル、アダマンチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルおよび2,3−ジメチルブチルが挙げられる。

0062

本明細書で使用される「ハロ」はF、Cl、BrまたはIを指す。

0063

本明細書で使用される「アルカノイル」は、約1個〜10個の炭素原子(ならびにその炭素原子の範囲および特定の数のすべての組合せおよび部分的組合せ)、例えば、理解されるように、末端のC=O基と単結合で結合した(「アシル基」と呼ばれることもある)約1個〜7個の炭素原子を有し、任意選択で置換されている直鎖状または分岐状の脂肪族環状残基を指す。アルカノイル基としては、特に限定されないが、ホルミルアセチルプロピオニルブチリルイソブチリルペンタノイル、イソペンタノイル、2−メチル−ブチリル、2,2−ジメトキシプロピオニル、ヘキサノイルヘプタノイルオクタノイルなどが挙げられ、本発明の目的のためには、ホルミル基はアルカノイル基と見なされる。「低級アルカノイル」は、約1個〜約5個の炭素原子(ならびにその炭素原子の範囲および特定の数のすべての組合せおよび部分的組合せ)を有し、任意選択で置換されている直鎖状または分岐状の脂肪族非環状残基を指す。このような基としては、特に限定されないが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、イソペンタノイルなどが挙げられる。

0064

本明細書で使用される「アリール」は、約5個〜約14個の炭素原子(ならびにその炭素原子の範囲および特定の数のすべての組合せおよび部分的組合せ)、好ましくは約6個〜約10個の炭素原子を有し、任意選択で置換されている単環式または二環式芳香環系を指す。非限定的な例としては、例えばフェニルおよびナフチルが挙げられる。

0065

本明細書で使用される「アラルキル」は、アリール置換基を有し、かつ約6個〜約22個の炭素原子(ならびにその炭素原子の範囲および特定の数のすべての組合せおよび部分的組合せ)を有するアルキルラジカルを指し、特定の実施形態では、炭素原子の数は約6個〜約12個が好ましい。アラルキル基は、任意選択で置換されていてもよい。非限定的な例としては、例えば、ベンジルナフチルメチルジフェニルメチルトリフェニルメチルフェニルエチルおよびジフェニルエチルが挙げられる。

0066

本明細書で使用される「アルコキシ」および「アルコキシル」という用語は、任意選択で置換されているアルキル−O−基を指し、ここでは、アルキルは上で定義した通りのものである。アルコキシ基およびアルコキシル基の例としては、メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシが挙げられる。

0067

本明細書で使用される「カルボキシ」は−C(=O)OH基を指す。

0068

本明細書で使用される「アルコキシカルボニル」は−C(=O)O−アルキル基を指し、ここでは、アルキルは上で定義した通りのものである。

0069

本明細書で使用される「アロイル」は−C(=O)−アリール基を指し、ここでは、アリールは上で定義した通りのものである。アロイル基の例としては、ベンゾイルおよびナフトイルが挙げられる。

0070

「環系」という用語は、一部が不飽和であるか完全に飽和されている芳香族または非芳香族の3員〜10員環系を指し、これには、3〜8個の原子の大きさの単環ならびに非芳香環と融合した芳香族5員もしくは6員アリール基または芳香族複素環基を含み得る二環系および三環系が含まれる。このような複素環には、独立して酸素硫黄および窒素からなる群より選択されるヘテロ原子を1個〜3個有する複素環が含まれる。特定の実施形態では、複素環という用語は、少なくとも1つの環原子がO、SおよびNからなる群より選択されるヘテロ原子である非芳香族5員、6員もしくは7員環基または多環基を指し、これには、特に限定されないが、独立して酸素、硫黄および窒素からなる群より選択されるヘテロ原子を1個〜3個有する融合6員環を含む二環基または三環基が含まれる。いくつかの実施形態では、「環系」はシクロアルキル基を指し、本明細書で使用されるシクロアルキル基は、3個〜10個、例えば4個〜7個の炭素原子を有する基を指す。シクロアルキルとしては、特に限定されないが、任意選択で置換されているシクロプロピルシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、「環系」は、任意選択で置換されているシクロアルケニル部分またはシクロアルキニル部分を指す。

0071

置換されている化学的部分には通常、水素代わる置換基が1つ以上含まれている。置換基の例としては、例えば、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、スルフィドリル、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシル、シアノ(−CN)、カルボキシル(−COOH)、−C(=O)O−アルキル、アミノカルボニル(−C(=O)NH2)、−N−置換アミノカルボニル(−C(=O)NHR”)、CF3、CF2CF3などが挙げられる。上記の置換基について、部分R’’はそれぞれ独立して、例えばH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルのいずれかであり得る。

0072

本明細書で使用される「L−アミノ酸」は、タンパク質中に普通に存在する天然の左旋性α−アミノ酸またはこのα−アミノ酸のアルキルエステルのいずれかを指す。「D−アミノ酸」という用語は右旋性のα−アミノ酸を指す。特に明記されない限り、本明細書で言及されるアミノ酸はすべてL−アミノ酸である。

0073

本明細書で使用される「芳香族アミノ酸」とは、芳香環を少なくとも1つ含むアミノ酸のことであり、例えば、芳香族アミノ酸はアリール基を含む。

0074

本明細書で使用される「芳香族アミノ酸類似体」とは、芳香環を少なくとも1つ含むアミノ酸類似体のことであり、例えば、芳香族アミノ酸類似体はアリール基を含む。

0075

II.補体阻害剤を用いる障害の治療方法
本発明は特に、補体阻害剤を用いる慢性補体介在性障害の治療方法を提供する。例えば、本発明は、補体阻害剤を用いる慢性呼吸器系障害の治療方法を提供する。いくつかの態様では、本発明の方法は、補体阻害剤がその血漿中半減期および/または血漿補体活性化能を阻害する作用持続時間と比較して、様々な障害、例えば慢性呼吸器障害の治療における作用持続時間が長いという認識に少なくとも部分的に基づくものである。いくつかの態様では、本発明は、補体阻害剤の複数回投与を実施することによって慢性補体介在性障害の治療方法を提供し、この方法では、長期間の補体阻害効果を利用する投与スケジュールに従って補体阻害剤を投与する。

0076

本明細書で使用される「慢性障害」とは、少なくとも3か月間持続し、かつ/または当該技術分野で慢性障害として認められている障害のことである。多くの実施形態では、慢性障害は少なくとも6か月間、例えば、少なくとも1年間またはそれ以上、例えば無期限に持続するものである。当業者は、各種慢性障害の徴候の少なくとも一部が断続的なものであり得、かつ/または重症度の増悪寛解を経時的に繰り返し得ることを理解するであろう。慢性障害は、例えば経時的に重症になる、あるいは罹患領域が広がる傾向のある進行性のものであり得る。本明細書では多数の慢性補体介在性障害について述べる。本明細書では、補体介在性の慢性呼吸器障害、特に喘息およびCOPDに関する本発明の各種実施形態について最も詳細に述べるが、本発明の各種態様は、特に限定されないが、本明細書に開示される特定の障害を含めた任意の慢性補体介在性障害に関する実施形態を包含するということを理解するべきである。したがって、本明細書のある実施形態が慢性呼吸器障害のことを言う場合、本発明は、他の補体介在性障害、例えば、補体活性化(例えば、過剰な補体活性化または異常な補体活性化)が、例えば寄与因子および/または少なくとも原因の一部として関与する慢性障害に関する類似の実施形態を提供する。便宜上、障害に罹患している対象の特に冒されることが多い器官または系を参照して障害を分類することがある。複数の器官または系を冒す障害は多数存在すると考えられ、本明細書での分類は決して限定的なものではないということが理解されよう。さらに、多数の異なる障害のいずれかに罹患している対象に多数の徴候(例えば、症状)がみられることがある。いくつかの態様では、本発明は、このような徴候(1つまたは複数)の治療を必要とする対象を治療する方法、例えば、このような徴候(1つまたは複数)を軽減する方法を提供し、その方法は、本発明の投与スケジュール(例えば、本発明の投与間隔を用いる投与スケジュール)に従って補体阻害剤を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は複数の補体介在性障害に罹患している。本明細書で目的とする障害に関する非限定的な情報は、例えば、Cecil Textbook of Medicine(例えば、第23版)、Harrison’s Principles of Internal Medicine(例えば、第17版)などの内科学の標準的なテキストならびに/あるいは特定の医学領域、特定の体組織もしくは器官および/または特定の障害に焦点絞り込んだ標準的なテキストにみることができる。

0077

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害はTh2と関連のある障害である。本明細書で使用されるTh2と関連のある障害とは、身体またはその一部分、例えば、少なくとも1つの組織、器官または構造においてTh2サブタイプのCD4+ヘルパーT細胞(「Th2細胞」)の数が過剰であることおよび/またはその活性が過剰であるか異常であることを特徴とする障害のことである。例えば、障害に冒された少なくとも1つの組織、器官または構造において、Th2細胞の方がTh1サブタイプのCD4+ヘルパーT細胞(「Th1細胞」)より優勢な場合がある。当該技術分野で公知のように、Th2細胞は通常、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)およびインターロイキン−13(IL−13)などの特徴的なサイトカインを分泌するが、Th1細胞は通常、インターフェロン−γ(IFN−γ)および腫瘍壊死因子β(TNFβ)を分泌する。いくつかの実施形態では、Th2と関連のある障害は、例えば少なくとも一部の少なくとも1つの組織、器官または構造において、IL−4、IL−5および/またはIL−13の産生および/または量が、例えばIFN−γおよび/またはTNFβに比べて過剰であることを特徴とする。

0078

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害はTh17と関連のある障害である。本明細書で使用されるTh17と関連のある障害とは、身体またはその一部分、例えば、少なくとも1つの組織、器官または構造においてTh17サブタイプのCD4+ヘルパーT細胞(「Th17細胞」)の数が過剰であることおよび/またはその活性が過剰であるか異常であることを特徴とする障害のことである。例えば、障害に冒された少なくとも1つの組織、器官または構造において、Th17細胞の方がTh1細胞および/またはTh2細胞より優勢な場合がある。いくつかの実施形態では、Th17細胞の優勢は相対的な優勢である、例えば、Th17細胞とTh1細胞の比および/またはTh17細胞とTh2細胞の比が正常値より高くなっている。いくつかの実施形態では、Th17細胞と制御T細胞(CD4+CD25+制御T細胞。「Treg細胞」とも呼ばれる)の比が正常値より高くなっている。Th17細胞の形成および/またはTh17細胞の活性化は各種サイトカイン、例えば、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン21(IL−21)、インターロイキン23(IL−23)および/またはインターロイキン1β(IL−1β)によって促進される。Th17細胞の形成には、前駆体T細胞、例えばナイーブCD4+T細胞がTh17表現型分化し、それが機能的なTh17細胞に成熟することが含まれる。いくつかの実施形態では、Th17細胞の形成にはTh17細胞の発生、増殖(拡大)、生存および/または成熟の任意の側面が含まれる。いくつかの実施形態では、Th17と関連のある障害は、IL−6、IL−21、IL−23および/またはIL−1βの過剰な産生および/または量を特徴とする。Th17細胞は通常、インターロイキン−17A(IL−17A)、インターロイキン−17F(IL−17F)、インターロイキン−21(IL−21)およびインターロイキン−22(IL−22)などの特徴的なサイトカインを分泌する。いくつかの実施形態では、Th17と関連のある障害は、Th17エフェクターサイトカイン、例えばIL−17A、IL−17F、IL−21および/またはIL−22の過剰な産生および/または量を特徴とする。いくつかの実施形態では、サイトカインの過剰な産生または量が血液中に検出可能である。いくつかの実施形態では、サイトカインの過剰な産生または量が局所的に、例えば、少なくとも1つの組織、器官または構造に検出可能である。いくつかの実施形態では、Th17と関連のある障害は、Treg数の減少および/またはTregと関連のあるサイトカインの量の減少を原因とするものである。いくつかの実施形態では、Th17障害は任意の慢性炎症性疾患であり、この用語には、様々な組織に対する自己永続的な免疫傷害を特徴とする様々な疾患であって、その疾患を引き起こした最初の傷害(不明な場合もある)から分離したと思われるものが包含される。いくつかの実施形態では、Th17と関連のある障害は任意の自己免疫疾患である。ほとんどではないにしても多数の「慢性炎症性疾患」は、実際には自己免疫疾患であり得る。Th17と関連のある障害の例としては、乾癬およびアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患全身性強皮症および全身性硬化症炎症性腸疾患(IBD)(クローン病および潰瘍性大腸炎など);ベーチェット病皮膚筋炎多発性筋炎多発性硬化症(MS);皮膚炎髄膜炎脳炎ブドウ膜炎変形性関節症ループス腎炎関節リウマチ(RA)、Sjorgen症候群、多発性硬化症、血管炎中枢神経系(CNS炎症性障害慢性肝炎慢性膵炎糸球体腎炎サルコイドーシス甲状腺炎、組織/臓器移植に対する病的免疫応答(例えば、移植拒絶反応);COPD、喘息、細気管支炎過敏性間質性肺炎特発性肺線維症(IPF)、歯周炎および歯肉炎が挙げられる。いくつかの実施形態では、Th17疾患は、1型糖尿病または乾癬などの古典的に知られている自己免疫疾患である。いくつかの実施形態では、Th17と関連のある障害は加齢黄斑変性症である。

0079

いくつかの態様では、本開示は、補体活性化およびTh17細胞が樹状細胞および抗体を含むサイクルに関与し、様々な障害の基礎となる病的な免疫微小環境の維持の一因となっているという洞察を提供するものである。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、病的な免疫微小環境は、一度確立されると自律して持続し、細胞および組織損傷の一因となる。樹状細胞(DC)は、体の組織、特に皮膚および粘膜の表面などの外部環境に曝される組織のほとんどならびに血液中(未成熟の状態で存在し得る)にみられる白血球一種である。未成熟DCは、例えば、Toll様受容体(TLR)などのパターン認識受容体を介して、周囲環境病原体サンプリングしている。各種の刺激(例えば、病原体による物質またはその他の危険シグナル炎症性サイトカインおよび/または抗原活性化T細胞)に応答すると、DCは成熟してリンパ系組織に移動し、そこで抗原提示細胞として働き、T細胞およびB細胞などの他の免疫系細胞抗原フラグメントを非抗原特異的な共刺激分子とともに提示することによって、これらを活性化する。DC刺激がTh細胞の増殖、活性化およびエフェクターTh細胞への分化を促進する。エフェクターTh細胞は、例えば、各種の刺激作用を有するサイトカインを分泌することによって、細胞傷害性T細胞、B細胞およびマクロファージを「補助」する。Thによる補助は、例えば、細胞傷害性T細胞の増殖および活性化を増強し、またB細胞の増殖、成熟および抗体産生を刺激する。本開示の特定の態様において特に重要なのは、成熟DCがCD4+ヘルパーT細胞をTh17細胞に分化させてB細胞の成熟および活性化を刺激し、抗体産生をもたらすことができるということである。

0080

抗体応答は一般にポリクローナルであり、抗体のほとんどが低親和性である。しかし、このような抗体のあるものは、様々な方法のいずれかの方法で翻訳後に体内酵素的に、あるいは非酵素的化学修飾された自己タンパク質などの自己タンパク質に対して交差反応性を示すことがある。このような自己タンパク質は、例えば、細胞表面に露出している場合、間質腔に存在する場合および/または血中を循環している場合がある。自己タンパク質の修飾としては、例えば、アシル化および/または糖化(タンパク質または脂質と糖との間での非酵素的な共有結合形成)が挙げられる。例えば、タンパク質は多数の方法で酸化され得るが、このような方法は少なくとも3種類に分類することができる。1つ目の機序は、タンパク質主鎖またはアミノ酸側鎖、例えば、Pro、Arg、Lys、Thr、GluまたはAsp残基の側鎖での酸化的切断を含むものであり、この酸化的切断は活性酸素種(ROS)による直接的な酸化によって生じる。通常の細胞代謝時には特定のROSが生成し、このような化合物の潜在的に有害な作用から防御する各種の機序が存在する。ROSの例としては、例えば、スーパーオキシドアニオン過酸化水素およびペルオキシ亜硝酸が挙げられる。環境および/または細胞プロセスもしくは抗酸化機序の欠陥によって過剰なレベルの活性酸素種(ROS)が生じ、高レベル酸化ストレスがもたらされ得る。タンパク質酸化の2つ目の機序は、4−ヒドロキシ−2−ノネアル(noneal)、2−プロペナールまたはマロンジアルデヒドなどの脂質酸化生成物がタンパク質に付加されることによるものである。3つめの機序では、糖化最終産物(AGE)の酸化によって、タンパク質中にカルボニル基が生じる。AGEは、最初の糖化反応後の一連の化学反応によって形成され得るものである。AGE修飾部位の例にはカルボキシメチルリジンCML)およびカルボキシエチルリジン(CEL)がある。ROSは多価不飽和脂質を分解し、脂質過酸化最終産物ALE)と呼ばれる共有結合によるタンパク質付加物を形成する反応性アルデヒドのマロンジアルデヒドを形成し得る。ドコサヘキサエン酸含有脂質の酸化によりカルボキシエチルピロール(CEP)によるタンパク質修飾が生じる。

0081

修飾された自己タンパク質(例えば、マロンジアルデヒド修飾タンパク質、CEP修飾タンパク質)は、免疫系、例えば抗体によって非自己として認識されるエピトープを含み得る。抗体が自己タンパク質と結合すると、古典経路を介して補体活性化が起こる。古典経路媒介による補体活性化は一度開始されると、代替経路によって増幅される。本開示の特定の態様によれば、活性化された補体がDCを極性化してTh17表現型を維持させる。例えば、DCは、Th17の形成および/または活性化を促進するIL−23などのサイトカインを分泌するよう極性化され得る。アナフィトキシン(例えば、C3a、C4aおよび/またはC5a)などの補体切断生成物および/またはiC3bもしくはC3dなどのC3切断/分解生成物は、DC細胞表面受容体と結合し、DCが極性化されてTh17表現型を維持する一因となり得る。補体がDCを極性化する方法の例には、酸化アルミニウムによる樹状細胞の活性化がある。酸化アルミニウムはワクチンアジュバントとして広く用いられている。酸化アルミニウムが補体を活性化し、このことがDCを刺激し、Th2表現型およびTh17表現型を促進し維持させる。補体はほかにも、他の種類の抗原提示細胞も極性化する。単球およびマクロファージは抗原提示細胞として働くことができ、同様に補体活性化によって極性化され得る。いくつかの態様では、このサイクルを次のようにまとめることができる:(1)補体活性の高い環境中にある成熟樹状細胞がTh17細胞表現型の分化を刺激する;(2)Th17 T細胞がポリクローナルB細胞の拡大を刺激し、例えば、カルボニル修飾された自己タンパク質などの修飾自己タンパク質に対してポリクローナルの自己反応性抗体が産生される;(3)酸化ストレスによってカルボニル修飾された自己タンパク質が生じ得る。これは、例えば汚染物質タバコ煙またはアレルゲンが原因で生じ得る;(4)カルボニル修飾された自己タンパク質に対する自己反応性抗体が、補体活性の高い環境を促進または維持し得る;(5)補体活性が高いことが抗原提示細胞にTh17微小環境を維持させる。

0082

このサイクルをもたらし組織に損傷を与えるエフェクター経路には様々なものがあり、いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、主要な経路はマクロファージを介するものであると考えられる。いくつかの態様では、Th17細胞により分泌されるIL−17が単独で、あるいはインターフェロンガンマ(IFN−γ)などの1種類以上の他のサイトカインとともに、マクロファージ活性化および/またはM1表現型への極性化の一因となる。M1極性化マクロファージは、炎症誘発性サイトカインを高レベルで発現すること、活性窒素および活性酸素中間体生成量が多いことを特徴とする免疫エフェクター細胞であり、微生物および腫瘍細胞などの標的に対して強力な細胞傷害活性を示し得る。マクロファージ、例えばM1極性化マクロファージおよびそれが生成する生成物が組織損傷を引き起こすことがあり、免疫病理の重要なメディエーターとなっている。自己タンパク質およびその他の細胞成分が活性窒素および活性酸素種による修飾を受けると、機能不全に陥り、正常な細胞プロセスが阻害されることがある。機能不全の修飾タンパク質が毒性量まで蓄積すると、細胞死が起こり得る。マクロファージはこのほか、変化した自己細胞、例えば、酸化的修飾を受けたタンパク質または脂質が細胞表面に露出した自己細胞を直接死滅させることができる。マクロファージにより産生される活性窒素および活性酸素種が酸化ストレスを増幅し、上記のような機序による自己タンパク質の修飾をさらにもたらすことがあり、このことにより、自己反応性抗体およびマクロファージの新たな標的が生じる。抗体が補体をさらに活性化し、このことがDCのTh17促進表現型への極性化を維持する。このようにして、Th17細胞がB細胞を活性化し、ポリクローナル抗体が産生され、次いで補体が活性化され、これがB細胞の刺激および抗体産生の継続的な刺激を促すTh17促進表現型へのDC極性化を促進するという悪循環が繰り返される。本明細書の目的のために、上でも要約したこのサイクルを「樹状細胞−Th17細胞−B細胞−抗体−補体−樹状細胞」サイクル、略してDC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルと呼ぶことがある。細胞成分を直接損傷し得るマクロファージのM1表現型およびROS産生への極性化は、このフィードバックループの「産物」として生じ得る。DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルとその産物により生じた病理学的結果は、組織または器官によって異なるものとなり得る。例えば、呼吸器系では、これらは少なくとも部分的には喘息およびCOPDなどの慢性呼吸器疾患の基礎となり得る。眼球では、これらは少なくとも部分的には加齢黄斑変性症などの慢性障害に基礎となり得る。皮膚では、これらは少なくとも部分的には乾癬の基礎となり得る。膵臓では、これらは少なくとも部分的には1型糖尿病の基礎となり得る。

0083

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害はIgEと関連のある障害である。本明細書で使用される「IgEと関連のある障害」とは、IgEの過剰なおよび/または異常な産生および/または量、IgE産生細胞(例えば、IgEを産生するB細胞または形質細胞)の過剰なまたは異常な活性ならびに/あるいは好酸球またはマスト細胞などのIgE応答性細胞の過剰なおよび/または異常な活性を特徴とする障害のことである。いくつかの実施形態では、IgEと関連のある障害は、対象の血漿中および/または局所の総IgEレベルの上昇および/またはいくつかの実施形態では、アレルゲン特異的IgEレベルの上昇を特徴とする。

0084

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は補体介在性溶血、例えば、1種類以上の内因性補体制御タンパク質の欠損または変異に起因する補体介在性溶血を特徴とする。いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は、例えば、1つ以上の内因性補体制御タンパク質の欠損または変異に起因する溶血を特徴とするものではない。

0085

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は、補体を例えば、古典経路を介して活性化し得る自己抗体および/または免疫複合体が体内に存在することを特徴とする。例えば、自己抗体は、例えば体内の細胞または組織上にある自己抗原と結合し得る。いくつかの実施形態では、自己抗体は血管、皮膚、神経、筋肉結合組織心臓腎臓甲状腺などにある抗原と結合する。いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は、自己抗体および/または免疫複合体を特徴とするものではない。

0086

いくつかの実施形態では、本発明は、補体阻害剤の複数回投与を実施することによって慢性補体介在性障害を治療する方法を提供し、ここでは、長期間の補体阻害効果を利用する投与スケジュールに従って補体阻害剤を投与する。「投与スケジュール」は、化合物(または化合物を含有する組成物)の投与のタイミングを指す。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、実質的に全治療期間を通して、例えば、体内での有意なレベルの補体阻害剤および/または有意なレベルの補体阻害を維持することを目的とした投与間隔より長い投与間隔を用いるものである。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、実質的に全治療期間を通して、例えば、補体介在性障害に冒された組織(1つまたは複数)または器官(1つまたは複数)を有意なレベルの補体阻害剤に曝露することならびに/あるいはこのような組織(1つまたは複数)または器官(1つまたは複数)(および/またはこのような組織(1つもしくは複数)もしくは器官(1つもしくは複数)と接触しているか、その中に存在する体液)において有意なレベルの補体阻害を維持することを目的とした投与間隔より長い投与間隔を用いるものである。本明細書で使用される「投与間隔」は、化合物(または化合物を含有する組成物)を連続して投与するときの投与間の時間間隔を指す。

0087

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は呼吸器障害である。いくつかの実施形態では、慢性呼吸器障害は喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。いくつかの実施形態では、慢性呼吸器障害は肺線維症(例えば、特発性肺線維症)、放射線による損傷、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性間質性肺炎(アレルギー性肺胞炎としても知られる)、慢性好酸球性肺炎、間質性肺炎、サルコイドウェゲナー肉芽腫症または閉塞性細気管支炎である。

0088

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害はアレルギー性鼻炎鼻副鼻腔炎または鼻ポリープである。いくつかの実施形態では、本発明は、アレルギー性鼻炎、鼻副鼻腔炎または鼻ポリープの治療を必要とする対象を治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の投与スケジュールに従って、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤を投与することを含む。

0089

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は筋骨格系を冒す障害である。このような障害の例としては、炎症性関節病態(例えば、関節リウマチまたは乾癬性関節炎などの関節炎若年性慢性関節炎脊椎関節症ライター症候群痛風)が挙げられる。いくつかの実施形態では、筋骨格系障害により疼痛硬直および/または罹患身体部位(1つまたは複数)の運動制限などの症状がみられる。皮膚筋炎、多発性筋炎およびその他の様々な筋炎を含む炎症性ミオパチーは、筋肉の衰弱をもたらす原因不明の慢性筋炎の障害である。いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は重症筋無力症である。いくつかの実施形態では、本発明は、筋骨格系を冒す上記障害のいずれかを治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の投与スケジュールに従って、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤を投与することを含む。

0090

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は外皮系を冒す障害である。このような障害の例としては、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、天疱瘡全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、強皮症、強皮皮膚筋炎、シェーグレン症候群および慢性蕁麻疹が挙げられる。いくつかの態様では、本発明は、外皮系を冒す上記障害のいずれかを治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の投与スケジュールに従って、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤を投与することを含む。

0091

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は神経系、例えば、中枢神経系(CNS)および/または末梢神経系(PNS)を冒すものである。このような障害の例としては、例えば、多発性硬化症、その他の慢性脱髄性疾患筋萎縮性側索硬化症慢性疼痛、脳卒中、アレルギー性神経炎ハンチントン病アルツハイマー病、およびパーキンソン病が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明は、神経系を冒す上記障害のいずれかを治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の投与スケジュールに従って、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤を投与することを含む。

0092

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は循環系を冒すものである。例えば、いくつかの実施形態では、障害は、血管炎あるいは脈管の炎症、例えば、血管および/またはリンパ管の炎症によるその他の障害である。いくつかの実施形態では、血管炎は結節性多発動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎チャーグ・ストラウス症候群、顕微鏡多発血管炎ヘノッホ‐シェーンライン紫斑病高安動脈炎川崎病またはベーチェット病である。いくつかの実施形態では、対象、例えば、血管炎の治療を必要とする対象は抗好中球細胞質抗体(ANCA)に陽性を示す。

0093

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は胃腸系を冒すものである。例えば、障害は炎症性腸疾患、例えば、クローン病または潰瘍性大腸炎であり得る。いくつかの実施形態では、本発明は、胃腸系を冒す慢性補体介在性障害の治療方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の投与スケジュールに従って、その障害の治療を必要とする対象に補体阻害剤を投与することを含む。

0094

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は甲状腺炎(例えば、橋本甲状腺炎グレーブス病分娩後甲状腺炎)、心筋炎肝炎(例えば、C型肝炎)、膵炎、糸球体腎炎(例えば、膜性増殖性糸球体腎炎または膜性糸球体腎炎)または脂肪織炎である。

0095

いくつかの実施形態では、本発明は、慢性疼痛に罹患している対象を治療する方法を提供し、この方法は、本発明の投与スケジュールに従って対象に補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は神経因性疼痛に罹患している。神経因性疼痛は、神経系の初期病変または機能不全によって始まる、あるいはこれによって引き起こされる疼痛、特に体性感覚系を冒す病変または疾患の直接的な結果として生じる疼痛として定義されている。例えば、神経因性疼痛は、体性感覚経路を冒し、末梢神経の細径線維および/またはCNSの脊髄視床皮質系に損傷を与える病変によって生じ得る。いくつかの実施形態では、神経因性疼痛は自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症)、代謝疾患(例えば、糖尿病)、感染症(例えば、帯状疱疹またはHIVなどのウイルス性疾患)、血管疾患(例えば、脳卒中)、外傷(例えば、傷害、外科手術)または癌によって生じる。例えば、神経因性疼痛は、傷害が治癒した後もしくは末梢神経末端の刺激が停止した後も持続する疼痛または神経の損傷によって生じる疼痛であり得る。神経因性疼痛の病態または神経因性疼痛を原因とする病態の例としては、有痛性糖尿病性ニューロパチーヘルペス後神経痛(例えば、急性発症から3か月以上後に急性帯状疱疹部位に持続または再発する疼痛)、三叉神経痛、癌と関連する神経因性疼痛、化学療法による神経因性疼痛、HIVと関連する神経因性疼痛(例えば、HIVニューロパチーによるもの)、中枢性脳卒中後の神経因性疼痛、背部痛、例えば腰痛(例えば、脊髄根圧迫、例えば、椎間板ヘルニアによって生じ得る腰椎根圧迫などの神経根症によるもの)によるニューロパチー、脊柱管狭窄症末梢神経傷害性疼痛、幻肢痛多発性ニューロパチー、脊髄損傷に関連する疼痛、脊髄症および多発性硬化症が挙げられる。本発明の特定の実施形態では、本発明の投与スケジュールに従って補体阻害剤を投与し、上記病態を1つ以上有する対象の神経因性疼痛を治療する。

0096

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は慢性眼疾患である。いくつかの実施形態では、慢性眼疾患は黄斑変性症脈絡膜血管新生(CNV)、網膜血管新生(RNV)、眼炎症または上記の任意の組合せを特徴とする。黄斑変性症、CNV、RNVおよび/または眼炎症は、その障害を決定付ける特徴および/または診断的特徴であり得る。このような特徴のうちの1つ以上を特徴とする障害の例としては、特に限定されないが、黄斑変性症と関連する病態、糖尿病性網膜症早産児網膜症増殖性硝子体網膜症、ブドウ膜炎、角膜炎結膜炎および強膜炎が挙げられる。黄斑変性症と関連する病態としては、例えば加齢黄斑変性症(AMD)が挙げられる。いくつかの実施形態では、対象は湿潤型AMDの治療を必要とする対象である。いくつかの実施形態では、対象は乾燥型AMDの治療を必要とする対象である。いくつかの実施形態では、対象は地図状萎縮(GA)の治療を必要とする対象である。いくつかの実施形態では、対象は眼炎症の治療を必要とする対象である。眼炎症は、結膜(結膜炎)、角膜(角膜炎)、上強膜強膜(強膜炎)、ブドウ膜路、網膜、血管系および/または視神経などの眼の多数の構造を冒す。眼炎症の証拠としては、眼球内の白血球(例えば、好中球、マクロファージ)などの炎症関連細胞の存在、内因性の炎症性メディエーター(1つまたは複数)の存在、眼痛充血、光過敏、霧視および飛蚊症のような1つ以上の症状などが挙げられる。ブドウ膜炎は、眼のブドウ膜、例えば、虹彩毛様体または脈絡膜を含めたブドウ膜のいずれかの構造の炎症を指す一般用語である。ブドウ膜炎の具体的な種類としては、虹彩炎虹彩毛様体炎毛様体炎、毛様体扁平部炎および脈絡膜炎が挙げられる。いくつかの実施形態では、対象は地図状萎縮(GA)の治療を必要とする対象である。いくつかの実施形態では、慢性眼疾患は、緑内障などの視神経損傷(例えば、視神経変性)を特徴とする眼疾患である。

0097

いくつかの実施形態では、慢性補体介在性障害は、移植された臓器、組織、細胞または細胞集団(まとめて「移植片」と呼ぶ)の慢性拒絶反応である。移植片の例としては、例えば、腎臓、肝臓、肺、膵臓、心臓などの固形臓器軟骨、角膜、皮膚、心臓弁および血管などの組織;膵島または島細胞が挙げられる。移植拒絶反応は、遺伝的に異なる同種個体間での移植(同種移植)または異種個体間での移植(異種移植)によって生じる主要なリスクの1つであり、移植不全を引き起こし、レシピエントから移植片を除去する必要が生じる。本明細書で使用される「慢性拒絶反応」は、移植後少なくとも6か月、例えば、移植後6か月〜1年、2年、3年、4年、5年またはそれ以上、多くの場合、良好な移植片機能の数か月から数年後にみられる拒絶反応を指す。本明細書の目的には、慢性拒絶反応に移植組織内部の血管の線維症を表すために使用される用語の慢性移植片血管症を含め得る。いくつかの実施形態では、本発明は、移植片の慢性拒絶反応を抑制するための治療を必要とする対象を治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の投与スケジュールに従って対象に補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、既に移植を受けた対象または今後12週間以内に移植を受ける予定の対象を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、移植後1か月、2か月、3か月、6か月または12か月以内に治療を開始する。

0098

いくつかの態様では、本発明は、慢性補体介在性障害、例えば慢性呼吸器障害の治療を必要とする対象を治療する方法を提供し、この方法は、補体阻害剤の複数回投与を、平均で(i)補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して少なくとも2週間後に;(ii)前回の投与後に血漿補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで、もしくは正常範囲内まで回復して少なくとも2週間後に;(iii)補体阻害剤の終末血漿中半減期の少なくとも2倍に等しい間隔で;または(iv)少なくとも3週間の間隔で次の投与を実施する投与スケジュールに従って、対象に実施することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも3週間、例えば3〜15週間、例えば3〜12週間、例えば3〜10週間、例えば4〜8週間、例えば約4週間、5週間、6週間、7週間または8週間毎の平均投与間隔での補体阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、上記条件のうち少なくとも2つが満たされる。いくつかの実施形態では、上記条件のうち少なくとも3つが満たされる。いくつかの実施形態では、上記条件がすべて満たされる。

0099

本発明の特定の実施形態では、少なくとも部分的に補体阻害剤の局所補体活性化能および/または局所濃度に基づいて選択される投与スケジュールに従って、補体阻害剤を投与する。本発明の目的のため、「局所補体活性化能」は、補体介在性障害によって冒された組織または器官における補体活性化能を指し、この補体活性化能は、例えば、このような組織または器官から得られた関連試料を用いて決定され得る。本発明の目的のため、「局所濃度」、例えば、補体阻害剤またはTh17関連サイトカインなどのTh17の局所濃度は、組織または器官(例えば、補体介在性障害によって冒された組織または器官)中の濃度を指し、この濃度は、このような組織または器官から得られた関連試料を用いて決定され得る。いくつかの実施形態では、試料は、補体介在性障害によって冒された組織または器官(またはその一部分)から得られた体液を含む。いくつかの実施形態では、体液はBAL液、痰(例えば、誘発喀痰)、胸水滑液硝子体液房水または脳脊髄液である。本発明は本明細書に記載の方法のいずれかの変形形態を提供し、この変形形態では、血漿補体活性化能の代わりに、あるいはこれに加えて局所補体活性化能を用いる。例えば、本発明の特定の実施形態では、前回の投与後に局所補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで、または正常範囲内まで回復して少なくとも2週間後に、補体阻害剤を投与する。本発明のいくつかの実施形態では、前回の投与後に局所補体活性化能がベースラインの少なくとも50%まで、または正常範囲内まで回復して2〜15週間後に、補体阻害剤を投与する。いくつかの実施形態では、平均で(i)補体阻害剤の局所濃度が、前回の投与後に達した最高局所濃度の20%以下に減少して少なくとも2週間後に次の投与を実施する投与スケジュールに従って、補体阻害剤を投与する。任意の上記方法のいくつかの実施形態では、補体阻害剤を局所投与する。

0100

いくつかの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも3週間、例えば3〜15週間、例えば3〜12週間、例えば3〜10週間、例えば4〜8週間、例えば約4週間、5週間、6週間、7週間または8週間毎の平均投与間隔での補体阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、4〜6週間の平均投与間隔での補体阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、血漿補体活性化能を実質的に阻害するのに十分な用量を投与する。いくつかの実施形態では、補体介在性障害によって冒された組織または器官における局所補体活性化能を実質的に阻害するのに十分な用量を投与する。いくつかの実施形態では、補体活性化能、例えば、血漿補体活性化能または局所補体活性化能は、それがバックグラウンドレベルの2倍以下、例えば、ほぼバックグラウンドレベルまで低下した場合、「実質的に阻害された」と見なされる。バックグラウンドレベル(例えば、本発明の任意の態様または実施形態における)は、様々な適切な方法を用いて決定されるレベルであり得る。例えば、補体を例えば熱不活性化によって不活性化した、あるいはC3などの補体成分を1種類以上枯渇させた対照試料、例えば血漿またはその他の体液の対照試料を用いることができ、かつ/または不可欠なアッセイ成分を除外した対照アッセイを実施することができる。いくつかの実施形態では、血漿中の補体を正常範囲内に減少させ、かつ/または正常範囲内に維持するのに十分な用量を投与する。いくつかの実施形態では、補体介在性障害によって冒された組織または器官における局所補体活性化を正常範囲内に低下させ、かつ/または正常範囲内に維持するのに十分な用量を投与する。

0101

本発明の方法のいくつかの実施形態では、要素(i)は、補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の10%以下、またはいくつかの実施形態では5%以下、またはいくつかの実施形態では1%以下に減少して平均で少なくとも2週間後に次の投与を実施する投与スケジュールに従って、対象に補体阻害剤の複数回投与を実施することを含む。本発明の方法のいくつかの実施形態では、要素(i)は、補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の20%以下に減少して平均で少なくとも3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間または15週間後に、あるいはいくつかの実施形態では、補体阻害剤の血漿中濃度が、前回の投与後に達した最高血漿中濃度の10%以下、またはいくつかの実施形態では5%以下、またはいくつかの実施形態では1%以下に減少して少なくとも3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間または15週間後に次の投与を実施する投与スケジュールに従って、対象に補体阻害剤の複数回投与を実施することを含む。

0102

いくつかの実施形態では、本発明の方法は、対象の血漿補体活性化能が投与と投与の間の平均少なくとも2週間、ベースラインの少なくとも50%であるか正常範囲内にあるような間隔で補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、対象の血漿補体活性化能が投与と投与の間の平均少なくとも2週間、ベースラインの少なくとも50%であるような間隔で補体阻害剤を投与することを含む。この文脈での「ベースライン」は、過去6週間以内に、補体系に有意な影響を及ぼす薬剤の投与または刺激への曝露の影響を受けておらず、喘息またはCOPD(または本発明のいくつかの態様では、場合に応じて別の補体介在性障害)の増悪がみられない場合の対象の典型的な補体活性化能を指す。いくつかの実施形態では、本発明の投与レジメンは、対象の血漿補体活性化能が投与と投与の間の平均少なくとも2週間、正常範囲内にあるような間隔で補体阻害剤を投与することを含む。この文脈での「正常範囲」は通常、対象母集団平均値(例えば、算術平均値)の±2標準偏差以内の範囲を指す。当業者は、「正常範囲」の具体的な数値が少なくとも部分的には、補体活性化能を評価するのに用いる具体的なアッセイおよび/または使用する具体的な試薬などの因子によって決まるということを理解するであろう。いくつかの実施形態では、公開されているデータを用いて正常範囲が決定され得る。いくつかの実施形態では、研究所、試験施設、当業者などによって正常範囲が適宜定められ得る。

0103

いくつかの実施形態では、対象の補体活性化能が投与と投与の間の平均少なくとも3週間、例えば3〜15週間、例えば3〜12週間、例えば3〜10週間、例えば4〜8週間、例えば約4週間、5週間、6週間、7週間または8週間、ベースラインの少なくとも50%であるか正常範囲内にあるような投与間隔で補体阻害剤を投与する。本発明の目的のため、血漿補体活性化能と血清補体活性化能にはほとんど相違がなく、そうでないという根拠がない限り互換的に使用され得るものとする。相違があることが明らかになった場合、本発明は、血漿補体活性化能を用いる実施形態、血清補体活性化能を用いる実施形態および平均値を用いる実施形態を提供する。

0104

いくつかの実施形態では、本発明の方法は、静脈内投与した場合の補体阻害剤の血漿中半減期の少なくとも平均で2倍に等しい間隔で補体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の投与レジメンは、静脈内投与した場合の補体阻害剤の血漿中半減期の少なくとも平均で3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍に等しい間隔で補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、選択された投与経路によって投与した場合の補体阻害剤の血漿中半減期の少なくとも平均で2倍に等しい間隔で、同じ投与経路によって補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、選択された投与経路によって投与した場合の補体阻害剤の血漿中半減期の少なくとも平均で3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍に等しい間隔で、同じ投与経路によって補体阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与経路は呼吸経路である。いくつかの実施形態では、補体阻害剤は平均血漿中半減期が1〜5日である。いくつかの実施形態では、補体阻害剤は平均血漿中半減期が5〜10日である。いくつかの実施形態では、補体阻害剤は平均血漿中半減期が10〜20日である。いくつかの実施形態では、補体阻害剤は平均血漿中半減期が20〜30日である。

0105

半減期などの薬物動態PKパラメータを決定するための様々な方法を用い得ることが理解されよう。適切な方法が当業者によって選択され得る。一般に半減期は、対象に化合物を1回以上投与し、投与後の様々な時間に対象から血液試料採取し、前記試料中の化合物の濃度を測定し、少なくとも部分的に前記測定に基づいて半減期を算出することを含む方法によって決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、投与後0時間(投与前)、5分、15分、30分、1時間、4時間、8時間、24時間(1日)、48時間(2日)、96時間(4日)、192時間(8日)、14日、21日、28日の各時間に試料を採取し得る。ここに挙げた時点は例示的なものであることが理解されよう。異なる時点および/またはこれより多いまたは少ない時点を各種実施形態で用いることができる。当業者であれば適切な時点を選択するであろう。通常は測定実施前に血液試料を処理して血漿または血清を得る。本発明の目的のため、血漿中濃度と血清中濃度(および半減期などの薬物動態)にはほとんど相違がなく、そうでないという根拠がない限り互換的に使用され得るものとする。相違があることが明らかになった場合、本発明は、血漿中濃度(および/または血漿中半減期)を用いる実施形態、血清中濃度(および/または血清中半減期)を用いる実施形態および平均値を用いる実施形態を提供する。

0106

当業者であれば、化合物を測定する適切な方法を選択するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、イムノアッセイを用いる。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーに基づく方法を用いる(例えば、液体クロマトグラフィー(LC)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)または液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS−MS)。いくつかの実施形態では、バイオアッセイを用いる。多くの実施形態では、半減期は終末(消失)半減期である。いくつかの実施形態では、単回投与の実施後に終末相半減期を算出する。いくつかの実施形態では、複数回投与を実施し、濃度が定常状態に達したのちに終末相半減期を算出する。いくつかの実施形態では、初期(分布)相について決定された半減期を用いる。例えば、分布相で化合物の大部分が循環中から除去される場合、いくつかの実施形態で初期半減期を用い得る。

0107

いくつかの実施形態では、対象群から得られた複数回投与のPKデータに非コンパートメント解析を用いてPK解析を実施することにより半減期を決定する。いくつかの実施形態では、対象群から得られた複数回投与のPKデータに標準的な1コンパートメントモデルを用いてPK解析を実施することにより半減期を決定する。いくつかの実施形態では、慢性呼吸器障害(例えば、喘息またはCOPD)に罹患している対象で決定される半減期を用いる。いくつかの実施形態では、健常で障害に罹患していることが明らかにされていない対象で決定される半減期を用いる。いくつかの実施形態では、慢性呼吸器障害以外の補体介在性障害に罹患している対象で決定される半減期を用いる。いくつかの実施形態では、成人(18歳以上の者)で決定される半減期を用いる。

0108

いくつかの実施形態では,慢性補体介在性障害、例えば慢性呼吸器障害、例えば喘息またはCOPDを治療するのに適した用量を用いて半減期を決定する。いくつかの実施形態では、用量は、血漿補体活性化能を正常範囲の下限の50%以下まで低下させるのに十分な用量である。いくつかの実施形態では、用量は、血漿補体活性化能をバックグラウンドレベルの2倍以下、例えば、ほぼバックグランドレベルまで低下させるのに十分な用量である。いくつかの実施形態では、補体阻害剤を含む組成物を用いて半減期を決定し、その組成物は、慢性補体介在性障害を治療するのに用いる組成物と同じであるか、実質的にほぼ同じものである。

0109

特定の実施形態では、化合物を安定化させる、化合物の免疫原性を低減する、体内での化合物の寿命延ばす、化合物の溶解度を増大させるか低減させるおよび/または化合物の分解に対する耐性を増大させるのに有用なポリペプチド成分または非ポリペプチド成分とのコンジュゲーションによって補体阻害剤を修飾する。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー、アルブミンまたはアルブミン結合ペプチドを使用し得る。このような実施形態では、「半減期」は通常、そのように修飾された補体阻害剤の半減期を指す。

0110

PKパラメータの計算を容易にするのに様々なソフトウェアツールを利用することが可能である。例えば、Phoenix NMLEまたはPhoenix WinNonlinソフトウェア(PharSight社、St.Louis、MO)またはKinetica(Thermo Scientific社)を用いることができる。モデルに基づいて合理的に推定された半減期を用い得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、本発明の投与間隔を決定する際の半減期として、特定の化合物の第I相、第II相または第III相臨床試験で決定された半減期および/またはFDAなどの規制当局への申請(例えば、INDまたはNDA)の形で提出された半減期を用いる。

0111

いくつかの実施形態では、方法は、本発明の投与スケジュールに従って対象に(すなわち、本発明による投与間隔を用いて)少なくとも5回、10回、15回、20回または25回投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療を少なくとも3か月、6か月、9か月、12か月またはそれ以上の期間にわたって、例えば数か月またはそれ以上の期間にわたって、例えば1〜2年、2〜5年、5〜10年またはそれ以上の期間にわたって、例えば無期限に継続する。

0112

本明細書に明記されている投与の間隔または範囲より短いまたは長い投与間隔を随時用いることなど、わずかな逸脱もすべて本発明の範囲内にあることが理解されよう(例えば、6か月、1年などの期間内で、例えば、用量の最大約5%、10%または20%など)。いくつかの実施形態では、対象への投与間隔は、経時的に変化し得るものであり、かつ/または少なくとも部分的には投与間の補体活性化能の測定および/または疾患活動性(またはそのバイオマーカー)の評価に基づいて選択され得るものである。

0113

本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、補体阻害剤を静脈内投与する。本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、呼吸器経路によって補体阻害剤を投与する。本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、補体阻害剤を皮下投与する。本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、補体阻害剤を筋肉内投与する。本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、補体阻害剤を経口投与する。

0114

いくつかの実施形態では、補体阻害剤の徐放(「持続放出」または「制御放出」とも呼ばれる)をもたらす製剤として補体阻害剤を投与する。徐放性製剤を用いるいくつかの実施形態では、少なくとも部分的には徐放性製剤が補体阻害剤を放出する時間の長さに基づいて、投与間の時間間隔を算出する。例えば、徐放性製剤が投与後N週間、補体阻害剤を枯渇するまで放出する場合、本発明は、少なくともN+3週間、例えばN+3〜N+15週間、例えばN+3〜N+12週間、例えばN+3〜N+10週間、例えばN+4〜N+8週間、例えば、約N+4週間毎、N+5週間毎、N+6週間毎、N+7週間毎またはN+8週間毎の平均投与間隔で次の投与を実施する投与スケジュールに従って前記徐放性製剤の複数回投与を実施することを含む、対象の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、徐放性製剤は、対象の血漿補体活性化能および/または局所補体活性化能(例えば、補体介在性障害によって冒された組織または器官におけるもの)を正常範囲未満の状態またはベースラインの少なくとも50%だけ低い状態を維持するのに十分な補体阻害剤を放出しなくなった場合、枯渇したと見なされる。いくつかの実施形態では、徐放性製剤は、対象の血漿補体活性化および/または局所補体活性化(例えば、補体介在性障害によって冒された組織または器官におけるもの)を正常範囲未満の状態またはベースラインの少なくとも50%だけ低い状態を維持するのに十分な補体阻害剤を放出しなくなった場合、枯渇したと見なされる。いくつかの実施形態では、徐放性製剤は、投与時に製剤中に含まれる補体阻害剤の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が放出されるか、製剤が実質的に補体阻害剤を放出しなくなった場合、枯渇したと見なされる。

0115

本明細書に開示される各種の補体阻害剤、補体阻害剤の特性(例えば、化合物のクラス、分子量、半減期、分子標的など)、投与パラメータ(例えば、投与間隔、投与経路など)および障害、例えば呼吸器障害のあらゆる組合せが、本発明の各種実施形態で企図される。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも3週間、例えば3〜15週間、例えば3〜12週間、例えば3〜10週間、例えば4〜8週間、例えば、約4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎または8週間毎の平均投与間隔で補体阻害剤を静脈内投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも3週間、例えば3〜15週間、例えば3〜12週間、例えば3〜10週間、例えば、約4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎または8週間毎の平均投与間隔で補体阻害剤を経肺投与することを含む。

0116

さらに、補体阻害剤を投与する投与間隔を選択する方法が提供される。いくつかの実施形態では、補体阻害剤を投与する投与間隔を選択する方法は、(a)補体阻害剤の半減期を把握することと、(b)半減期より少なくとも2〜10週間長い投与間隔を選択することとを含む。いくつかの実施形態では、補体阻害剤を投与する投与間隔を選択する方法は、(a)補体阻害剤の半減期を把握することと、(b)半減期の少なくとも3倍の長さの投与間隔を選択することとを含む。いくつかの実施形態では、補体阻害剤を投与する投与間隔を選択する方法は、(a)補体阻害剤が血漿補体活性化能をベースラインの少なくとも50%だけ低下させる時間の長さおよび/または補体阻害剤が血漿補体活性化能を正常範囲未満に低下させる時間の長さを明らかにすることと、(b)前記測定された時間の長さに基づいて、上記本発明の投与間隔のいずれかを選択することとを含む。いくつかの実施形態では、投与間隔を選択する方法は、本発明の投与スケジュールに従って慢性補体介在性障害、例えば、慢性補体媒介性呼吸器障害のモデルとしての役割を果たす動物に投与した補体阻害剤を試験することをさらに含み得る。

0117

いくつかの実施形態では、本発明の治療方法は導入期と維持期とを含む。多くの実施形態では、対象が治療を開始する時点で導入期(用いる場合)が生じる。導入期は、補体阻害剤を維持期より高用量かつ/または高頻度で、かつ/あるいは維持期と異なる経路を用いて投与する期間で構成され得る。維持期には、上に記載した本発明の投与スケジュールおよび/または投与間隔のいずれかを用いて補体阻害剤を投与し得る。例えば、導入期に週1回、維持期に平均4〜15週間毎、例えば4〜8週間毎に補体阻害剤を投与し得る。いくつかの実施形態では、導入期に1日1回以上、補体阻害剤を投与する。いくつかの実施形態では、導入期に毎週少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回または7回、補体阻害剤を投与する。いくつかの実施形態では、導入期が最大1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間または8週間続く。いくつかの実施形態では、導入期に用量または投与間隔を調節する。例えば、いくつかの実施形態では、導入期に投与間隔を経時的に長くし、かつ/または用量を経時的に減少もしくは増加させ得る。

0118

上記の通り、いくつかの実施形態では、慢性呼吸器疾患は喘息である。喘息の危険因子、疫学病因、診断、現在用いられている管理などに関する情報は、例えば、「Expert Panel Report 3:Guidelines for the Diagnosis and Management of Asthma」.National Heart Lung and Blood Institute.2007.http://www.nhlbi.nih.gov/guidelines/asthma/asthgdln.pdf.(「NHLBI Guidelines」;www.nhlbi.nih.gov/guidelines/asthma/asthgdln.htm),Global Initiative for Asthma,Global Strategy for Asthma Management and Prevention 2010「GINA Report」ならびに/あるいはCecil Textbook of Medicine(第20版)、Harrison’s Principles of Internal Medicine(第17版)などの内科学の標準的なテキストおよび/または呼吸器学に焦点を絞り込んだ標準的なテキストにみることができる。喘息は、マスト細胞、好酸球、Tリンパ球、マクロファージ、好中球および上皮細胞などの多数の細胞および細胞成分が何らかの役割を演じている気道慢性炎症性障害である。喘息患者には喘鳴息切れ(breathlessness)(呼吸困難または息切れ(shortness of breath)とも呼ばれる)、胸部絞扼感およびなどの症状を伴う再発エピソードがみられる。このようなエピソードは通常、自然発生的なまたは治療による、多くの場合可逆性広範囲であるが一定しない気流閉塞を原因とするものである。炎症はほかにも、既にある様々な刺激に対する気管支過敏性を付随的に増大させる。気道過敏症(刺激に対する過剰な気管支収縮反応)が喘息の典型的な特徴である。一般に、気管支収縮および気道浮腫により気流制限が生じる。喘息患者によっては気流制限の可逆性が不十分なことがある。例えば、気道再構築により固定的な気道狭窄が生じ得る。構造的な変化としては、基底膜下の肥厚上皮下線維症、気道平滑筋肥大および肥厚、血管の増殖および拡張ならびに粘液腺過形成および分泌過多が挙げられる。

0119

喘息患者には増悪がみられることがあり、これは患者の以前の状態からの変化を特徴とする事象として確認される。重症の喘息増悪は、喘息による入院または死亡などの重篤転帰を防ぐため患者とその医師の側に緊急の対策が必要とされる事象と定義することができる。例えば、重症の喘息増悪では、通常は経口副腎皮質ステロイド薬(OCS)なしでも喘息が十分管理されている対象または一定の維持量を増加させる必要があり得る対象に全身副腎皮質ステロイド薬(例えば、経口副腎皮質ステロイド薬)の使用が必要となることがある。中等度の喘息増悪は、対象には厄介なものであり、治療の変更の必要性を促すが、重症ではない事象と定義することができる。上に挙げた事象は臨床的には、対象の日常的な喘息の変化の通常範囲外れることによって確認される。

0120

現在喘息に用いられている薬剤は通常、大きく2種類に分類され、持続性喘息の管理を行い維持するために使用される吸入副腎皮質ステロイド薬(ICS)、経口副腎皮質ステロイド薬(OCS)、長時間作用型気管支拡張薬(LABA)、ロイコトリエン調節薬(例えば、ロイコトリエン受容体アンタゴニストまたはロイコトリエン合成阻害薬抗IgE抗体オマリズマブ(Xolair(登録商標))、クロモリンおよびネドクロミルなどの長期管理薬(「コントローラー薬」)と、急性の症状および増悪を治療するために使用される短時間作用型気管支拡張薬(SABA)などの急速リリーフ薬がある。本発明の目的のため、ここに挙げた治療法を「従来の治療法」と呼ぶことがある。増悪の治療としてはこのほか、コントローラー薬療法の用量および/または強度を増大させることが挙げられる。例えば、OCS治療を用いて喘息の管理を取り戻すことができる。現在のガイドラインでは、持続性喘息の対象にはコントローラー薬剤を毎日投与すること、または多くの場合、コントローラー薬を毎日複数回投与することが義務付けられている(ただし、2週間または4週間毎に投与するXolairを除く)。

0121

対象の症状発現が平均週2回を超え、かつ/または対象が通常、症状管理のために急速リリーフ薬(例えば、SABA)を週2回を超えて用いている場合、その対象は一般に持続性喘息であると見なされる。一度関連する共存症が治療され、吸入器の扱いおよび順守が最適化されれば、「喘息重症度」は、対象の喘息を管理するのに必要な治療の強度に基づいて分類することができる(例えば、GINA Report;Taylor,DR,Eur Respir J 2008;32:545−554を参照)。治療強度の記述は、NHLBI Guidelines 2007,GINA Reportなどのガイドラインおよびその先行物ならびに/あるいは標準的な医学テキストにみられる段階的な治療アルゴリズム推奨される薬剤および用量に基づくものであり得る。例えば、喘息は、表1に示すように間欠性、軽症、中等症または重症に分類することができ、表中の「治療」は、対象の最高レベルでの喘息管理を達成するのに十分な治療を指す。(軽症喘息、中等症喘息および重症喘息のカテゴリーは一般に、間欠性喘息よりも持続性であることを示すことが理解されよう)。表1が例示的なものであること、またここに挙げたすべての薬剤がすべての医療制度で利用できるとは限らず、一部の環境において喘息重症度の評価に影響を及ぼし得ることものであることを当業者は理解するであろう。また、他の登場しつつある方法または新たな方法が軽症/中等症喘息の分類に影響を及ぼし得ることも理解されよう。しかし、軽症喘息がきわめて低強度の治療を用いて良好に管理することができることによって定義され、重症喘息が高強度の治療を必要とすることによって定義されるという同じ原理が依然として適用され得る。これと同時にあるいはこれに代えて、治療を加えない疾患本来の強度に基づいて喘息重症度を分類することができる(例えば、NHBLI Guidelines 2007を参照)。現在のスパイロメトリー検査および患者による過去2〜4週間にわたる症状の回想に基づいて評価を実施することができる。現在の障害および将来のリスクのパラメータを評価し、喘息重症度のレベルの決定に含めてもよい。いくつかの実施形態では、0〜4歳、5〜11歳、12歳以上の患者について、NHBLI Guidelinesのそれぞれ図3.4(a)、3.4(b)、3.4(c)に示される通りに喘息重症度を定義する。

0122

0123

「喘息管理」は、喘息の徴候が治療(薬物療法、非薬物療法に関係なく)によって軽減されるか、除去される程度を指す。症状の頻度、夜間症状、スパイロメトリーのパラメータなどの客観的肺機能測定値(例えば、%FEV1予測値、FEV1の変動)、症状管理のためのSABA使用の必要性などの因子に基づいて、喘息管理を評価することができる。現在の障害および将来のリスクのパラメータを評価し、喘息管理のレベルの決定に含めてもよい。いくつかの実施形態では、0〜4歳、5〜11歳または12歳以上の患者について、NHBLI Guidelinesのそれぞれ図4.3(a)、4.3(b)、4.3(c)に示される通りに喘息管理を定義する。

0124

一般に、当業者は喘息重症度レベルおよび/または管理の程度を決定する適切な手段選択することが可能であり、当業者によって妥当であると考えらえている任意の分類スキームを用いることができる。

0125

本発明のいくつかの実施形態では、本発明の投与レジメンを用いて、持続性喘息に罹患している対象を補体阻害剤で治療する。いくつかの実施形態では、対象は軽症または中等症喘息に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は重症喘息に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、従来の治療法を用いて良好に管理されない喘息を有する。いくつかの実施形態では、対象は、従来の治療法を用いて治療する場合、良好に管理するのにICSの使用が必要な喘息を有する。いくつかの実施形態では、対象は、ICSを使用しても良好に管理することができない喘息を有する。いくつかの実施形態では、対象は、従来の治療法を用いて治療する場合、良好に管理するのにOCSの使用が必要な喘息を有する。いくつかの実施形態では、対象は、OCSを含む高強度の従来の治療法を使用しても良好に管理することができない喘息を有する。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の投与レジメンは、コントローラー薬として補体阻害剤を投与することを含み、ここでは、標準的なコントローラー薬に比べて少ない頻度でかつ/または不定期に補体阻害剤を投与し、同時に少なくとも同等の喘息管理を維持する。いくつかの実施形態では、本発明の投与レジメンは、従来のコントローラー薬の標準的なレジメンに比べて患者の受容性コンプライアンスおよび/または利便性を改善し、同時に少なくとも同等の喘息管理を維持する。いくつかの実施形態では、例えば本発明の投与レジメンに従って、補体阻害剤で治療した対象は、コントローラー薬としてのICS、Xolairおよび/またはOCSの用量を大幅に低減するか(例えば、少なくとも50%だけ)、実質的にこれらの使用を回避することができる。

0126

いくつかの実施形態では、対象は、ほとんどの喘息患者が該当するアレルギー性喘息に罹患している。いくつかの実施形態では、喘息の非アレルギー性のトリガー(例えば、寒冷運動)が明らかではなく、かつ/または標準的な診断評価で確認されない場合、喘息対象はアレルギー性喘息を有すると見なされる。いくつかの実施形態では、喘息対象が、(i)対象が感受性である1つまたは複数のアレルゲンに曝露されたのち、喘息症状(または喘息症状の悪化)が繰り返し発現する;(ii)対象が感受性である1つまたは複数のアレルゲンに特異的なIgEを示す;(iii)対象が感受性である1つまたは複数のアレルゲンの皮膚プリック試験に陽性を示す;かつ/または(iv)アレルギー性鼻炎、湿疹または総血清IgEの上昇などのアトピーと一致する特徴(1つまたは複数)のその他の症状(1つまたは複数)を示す場合、その対象はアレルギー性喘息を有すると見なされる。特定の環境で対象に症状の悪化がみられる場合、特定のアレルギー性のトリガーが確定されるのではなく、疑われるか推測され得ることが理解されよう。

0127

吸入によるアレルゲン負荷は、アレルギー性気道疾患の評価に広く用いられている方法である。アレルゲンの吸入により、例えばマスト細胞および好塩基球上のIgE受容体と結合したアレルゲン特異的IgEの架橋が起こる。次いで分泌経路の活性化が起こることにより、気管支収縮および血管透過性のメディエーターが放出される。アレルギー性喘息の患者には、アレルゲン負荷後に各種の徴候、例えば、即時型喘息反応(early asthmatic response)(EAR)、遅発型喘息反応(LAR)、気道過敏症(AHR)および気道好酸球増加症が発現し、これらはそれぞれ、当該技術分野で公知の通りに検知され定量化され得るものである。例えば、気道好酸球増加症は痰および/またはBAL液中の好酸球の増加として検知され得る。EARは即時型喘息反応(immediate asthmatic response)(IAR)と呼ばれることもある、アレルゲン負荷に対する反応のことであり、この反応は吸入直後、通常は吸入後10分以内に、例えばFEV1の減少として検知可能となる。EARは通常、負荷後30分以内に最大となり、2〜3時間以内に解消する。例えば、この時間枠内に対象のFEV1がベースラインFEV1(この文脈での「ベースライン」は、負荷前の状態、例えば、喘息増悪がみられず、対象が感受性であるアレルギー性刺激に曝露されていない場合の対象の通常の状態と等しい状態を指す)より少なくとも15%、例えば少なくとも20%減少していれば、その対象はEAR「陽性」を示すと見なされる。遅発型喘息反応(LAR)は通常、負荷後3〜8時間に始まり、気道の細胞性炎症、気管支血管の透過性増大および粘液分泌と特徴とする。遅発型喘息反応は通常、FEV1の減少として検知され、EARによるFEV1の減少より程度が大きく、潜在的に臨床的に重要となり得る。例えば、ベースラインFEV1と比較して該当する時間内に対象のFEV1がベースラインFEV1より少なくとも15%、例えば少なくとも20%減少している場合、その対象はLAR「陽性」を示すと見なされる。遅発型気道反応(DAR)は負荷の約26〜32時間後に始まり、約32〜48時間後に最大となり、負荷後約56時間以内に解消し得る(Pelikan,Z.Ann Allergy Asthma Immunol.2010,104(5):394−404)。

0128

いくつかの実施形態では、慢性呼吸器障害は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。COPDは、治療によっても完全な可逆性が得られない通常は進行性の気流制限を特徴とする、一連の病態を包含する。COPDの症状としては、呼吸困難(息切れ)、運動耐容能の低下、咳、痰産生、喘鳴および胸部絞扼感が挙げられる。COPDの人は、頻度および持続時間に差がみられ罹患率を高める原因となっていることがある急性の(例えば、1週間未満にわたって、多くの場合24時間以下にわたって発現する)症状増悪(COPD増悪と呼ばれる)のエピソードを経験し得る。このようなエピソードは呼吸器感染症、有害粒子への曝露などの事象によって引き起こされ場合もあれば、原因不明の場合もある。喫煙が最もよくみられるCOPDの危険因子であるが、他の吸入による曝露がこの疾患の発症および進行の一因となることもある。COPDにおける遺伝因子の役割は盛んに研究されている分野である。ごく少数のCOPD患者に循環中の主要なセリンプロテアーゼ阻害物質のα−1アンチトリプシンの遺伝的欠損がみられ、この欠損が急性進行型の疾患を引き起こす可能性がある。

0129

COPDに特有病態生理学的特徴としては、最も一般的には慢性炎症による小気道の狭窄および構造変化ならびに肺実質(特に肺胞周辺)の破壊が挙げられる。COPDで観察される慢性気流制限には通常、上に挙げた因子が混在しており、その気流制限の一因としての相対的な重要度は人によって異なる。「肺気腫」という用語は、気腔壁の破壊をみる終末細気管支末端の気腔(肺胞)の腫脹を指す。「肺気腫」という用語は多くの場合、このような病理学的変化を引き起こす医学的状態を指すのに臨床的に使用されるということに留意するべきである。一部のCOPD患者には慢性気管支炎が認められ、慢性気管支炎は、連続2年間、1年のうちの3か月間ほぼ毎日みられる痰産生を伴う咳として臨床的に定義されるものである。COPDの危険因子、疫学、病因、診断および現在の用いられている管理に関する詳細な情報は、例えば、Global Initiative on Chronic Obstructive Pulmonary Disease,Inc.(GOLD)ウェブサイト(www.goldcopd.org)で入手可能な「Global Strategy for the Diagnosis,Management,and Prevention of Chronic Obstructive Pulmonary Disease」(2009年に更新)(本明細書では「GOLDレポート」とも呼ぶ)、ATSウェブサイト(www.thoracic.org/clinical/copd−guidelines/resources/copddoc.pdf)で入手可能なAmerican Thoracic Society/European Respiratory Society Guidelines(2004)(本明細書では「ATCERSCOPD Guidelines」とも呼ぶ)ならびにCecil Textbook of Medicine(第20版)、Harrison’s Principles of Internal Medicine(第17版)などの内科学の標準的なテキストおよび/または呼吸器学に焦点を絞り込んだ標準的なテキストにみることができる。

0130

いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は上に述べたDC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルを阻害する(干渉する、崩壊させる)。例えば、補体阻害剤の投与により、補体がDC細胞を刺激し、Th17表現型を促進するサイクルが破壊され得る。その結果、Th17細胞の数および/または活性が減少し、次いでこのことがTh17媒介によるB細胞刺激の量およびポリクローナル抗体産生量を減少させる。いくつかの実施形態では、上に挙げた作用が免疫微小環境をより正常で病理性の弱い状態に「リセット」する。実施例1に記載する通り、Th17関連サイトカイン産生に対して阻害作用を長時間示すという補体阻害の能力を裏付ける証拠が喘息の動物モデルで得られた。

0131

いくつかの実施形態では、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの阻害に疾患調節作用がある。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、単に障害の症状を治療するのではなく、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルを阻害することによって、症状が良好に管理されている場合でも継続する組織損傷の一因となり得る基礎的な病理機序および/または疾患の増悪の一因となり得る基礎的な病理機序が干渉され得る。いくつかの実施形態では、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの阻害により慢性障害が寛解する。いくつかの実施形態では、寛解は、疾患の再発の可能性はあるが、慢性障害の対象の疾患活動性がみられないか、実質的にみられない状態を指す。いくつかの実施形態では、継続的な治療を実施しなくても、あるいは用量を減らしても、あるいは投与間隔を延ばしても寛解が長期間(例えば、少なくとも6か月、例えば、6〜12か月、12〜24か月またはそれ以上)維持され得る。いくつかの態様では、補体の阻害が、Th17細胞に多くみられる組織の免疫微小環境を変化させて、調節T細胞(Treg)に多くみられる微小環境に調節し得る。このようにすることで、免疫系自体が「リセット」され、寛解状態になる。いくつかの実施形態では、例えば、トリガーとなる事象が生じるまで寛解が維持され得る。トリガーとなる事象には、例えば、感染症(感染病原体とも自己タンパク質とも反応するポリクローナル抗体の産生が生じ得る)、特定の環境条件(例えば、高レベルのオゾンもしくは粒子状物質などの大気汚染物質またはタバコ煙などの煙の成分、アレルゲン)への曝露などがある。遺伝因子が何らかの役割を果たしていることもある。例えば、補体成分をコードする遺伝子の特定の対立遺伝子を有する個体では、補体活性のベースラインレベルが比較的高く、補体系の反応性が比較的高く、かつ/または内因性の補体調節タンパク質活性のベースラインレベルが比較的低いことがある。いくつかの実施形態では、個体がAMDのリスク増大の原因となる遺伝子型を有する。例えば、対象は補体タンパク質または補体調節タンパク質、例えばCFH、C3、B因子をコードする遺伝子に多型を有し、この多型がAMDのリスク増大の原因となる。

0132

いくつかの実施形態では、例えば、慢性障害の症状を未だ発現していない対象または障害を発症し本明細書に記載の通りに治療を受けた対象において、時間の経過とともに免疫微小環境が病理学的状態に徐々に偏向し得る。このような移行確率論的に(例えば、おそらく少なくとも部分的には抗体のレベルおよび/または親和性の不規則な変動により)および/または障害の症状発症を誘発する程度に満たない強度の「閾値下」のトリガー事象が蓄積された結果として生じ得る。

0133

いくつかの態様では、本明細書に開示される方法は、DC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルの証拠について対象を監視することを含む。このような証拠が発見された場合、対象補体阻害剤および/またはDC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルを崩壊させるその他の薬剤で対象を治療し得る。いくつかの実施形態では、Th17細胞(例えば、Th17細胞の数または総対数)ならびに/あるいはTh17細胞および/またはTh17活性に関連する1つ以上のバイオマーカー(「Th17バイオマーカー」)について対象を試験する。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にTh17バイオマーカーによるTh17細胞の評価に基づいて、対象を補体阻害剤で治療する。「Th17バイオマーカー」は、Th17細胞の存在(例えば、Th17細胞の数または濃度)と相関し、かつ/または少なくとも1つのTh17細胞の活性と相関する任意の分子もしくは検出可能な指標を包含する。いくつかの実施形態では、Th17バイオマーカーは、Th17関連サイトカインのレベルを含む。いくつかの実施形態では、Th17関連サイトカインとは、Th17細胞の形成および/または活性化を促進するサイトカイン、例えば、IL−6、IL−21、IL−23および/またはIL−1βのことである。いくつかの実施形態では、Th17関連サイトカインとは、Th17細胞によって産生されるサイトカイン、例えばIL−17(例えば、IL−17Aおよび/またはIL−17F)、IL−21および/またはIL−22のことである。いくつかの実施形態では、Th17と関連のある活性の量の増加または相対量の増加が、Th17細胞の増加および/またはTh17と関連のある活性の増加の指標となる。いくつかの実施形態では、相対量とは、異なるサイトカインと比較した量のことである。いくつかの実施形態では、異なるサイトカインはTreg細胞と関連のあるものである。いくつかの実施形態では、異なるサイトカインはIL−10である。いくつかの実施形態では、2種類、3種類、4種類、5種類またはそれ以上のTh17関連サイトカインのレベルを測定する。Th17と関連のある活性のレベルの指標となる指数またはスコアの合計を求め、Th17バイオマーカーとして用い得る。いくつかの実施形態では、Th17バイオマーカーを評価する任意の目的でTh17細胞自体の存在またはレベルを評価する。いくつかの実施形態では、Tregの存在またはレベルを評価する。いくつかの実施形態では、FOXP3の発現に基づいてTregを同定する。

0134

いくつかの実施形態では、対象から得られた試料中のTh17バイオマーカーレベルを測定する。いくつかの実施形態では、試料は体液、例えば、血液、BAL液、痰、鼻汁、尿などを含む。いくつかの実施形態では、試料は、補体介在性障害によって冒された組織または器官から得ることができる組織試料を含む。いくつかの実施形態では、異なる体液または体液試料と組織試料の2つ以上の試料を評価する。いくつかの実施形態では、レベルを参照値と比較する。いくつかの実施形態では、参照値は正常値(例えば、正常範囲内の値、例えば正常範囲の上限)であり得る。いくつかの実施形態では、参照値は、対象について前回確立された値、例えば、対象の障害が良好に管理されていたときまたは障害が発現する前に確立された値であり得る。いくつかの実施形態では、測定値が参照値から大幅に外れているか、参照値から増加の方向に外れる傾向を示す場合、対象を補体阻害剤で治療し得る。いくつかの実施形態では、補体阻害剤とDC−Th17−B−Ab−C−DCサイクルを崩壊させる第二の薬剤とを用いて対象を治療し得る。「正常範囲」は、健常者の少なくとも95%が含まれる範囲であり得る。いくつかの実施形態では、参照値は疾患と関連のある値、例えば、疾患に罹患している対象に未治療状態で通常みられる値であり得る。いくつかの実施形態では、正常範囲または疾患と関連のある範囲は、少なくとも部分的に年齢、性別などの人口統計学的因子によって決まり、それに応じて調整可能なものである。異なる障害および/または異なるTh17バイオマーカーおよび/またはいくつかの実施形態では、個々の対象について、適切な参照値または範囲を実験的に確立し得る。

0135

いくつかの実施形態では、Th17細胞および/またはTh17バイオマーカーのin vivo評価を考慮する。例えば、いくつかの実施形態では、Th17細胞(例えば、細胞表面マーカーまたはTh17細胞に対して十分に特異的なその組合せ)と結合するか、Th17関連サイトカインと結合し、検出可能なように標識した薬剤を対象に投与する。適切な画像撮影法を用いて薬剤をin vivoで可視化する。いくつかの実施形態では、例えば、肺、皮膚または補体介在性障害によって冒され得るその他の位置の画像を得る。いくつかの実施形態では、in vivo検出により目的とする組織または器官の免疫微小環境の評価が可能となる。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は蛍光部分放射性部分、超音波部分または磁気検出が可能な部分を含む。いくつかの実施形態では、画像撮影法は磁気共鳴画像撮影超音波画像撮影、光学画像撮影(例えば、蛍光画像撮影または生物発光画像撮影)または核画像撮影を含む。いくつかの実施形態では、蛍光部分は、近赤外線蛍光部分または赤外線蛍光部分(スペクトル近赤外線領域または赤外線領域放射する)を含む。いくつかの実施形態では、画像撮影法は陽電子放射断層撮影法(PET)および単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を含む。いくつかの実施形態では、検出する標的と直接結合する物質に検出可能な標識が結合している。いくつかの実施形態では、検出可能な標識が粒子と会合しているか、粒子中に組み込まれているか、粒子を含み、いくつかの実施形態では、この粒子は検出する標的と直接結合する物質を表面にもつ。

0136

いくつかの実施形態では、Th17バイオマーカー評価から得られる情報を追加の情報、例えば、遺伝子型、環境への曝露および/または対象の病歴に関する情報とともに用いて、補体阻害剤および/または抗Th17剤の投与の可否もしくは時期を決定し、かつ/または対象に対する用量もしくは投与レジメンを決定する。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に1台以上のコンピュータによって、いずれかのバイオマーカー評価法および/または治療決定法を実施し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能媒体にいずれかのバイオマーカー評価法および/または治療決定法を少なくとも一部取り込むか保存し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ読取り可能媒体は、任意の一時的でない、かつおよび/または有形のコンピュータ読取り可能媒体を含む。

0137

いくつかの実施形態では、固定された日程で再治療を実施し得る。

0138

本明細書に記載の態様または実施形態が補体介在性障害と関連させて記載されている場合は常に、Th17と関連のある障害に関連する類似の態様および実施形態が提供される。本明細書に記載の態様または実施形態が補体介在性障害と関連させて記載されている場合は常に、Th17と関連のある障害に関連する類似の態様および実施形態が提供される。本明細書に開示される各種の補体阻害剤、補体阻害剤の特性(例えば、化合物のクラス種類、分子量、半減期、分子標的など)、抗Th17剤、投与パラメータ(例えば、投与間隔、投与経路など)および障害のあらゆる組合せが、本発明の各種実施形態で企図される。本明細書に開示される各種の補体阻害剤、補体阻害剤の特性(例えば、化合物のクラス、分子量、半減期、分子標的など)、抗Th17剤、抗Th17剤の特性(例えば、化合物のクラス、分子量、半減期、分子標的など)、投与パラメータ(例えば、投与間隔、投与経路など)および障害のあらゆる組合せが、本発明の各種実施形態で企図される。

0139

いくつかの態様では、本発明は、必要とする対象に補体阻害剤および抗Th17剤を投与することを含む、慢性補体介在性障害またはTh17と関連のある障害の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、任意の適切な投与レジメンに従って補体阻害剤および/または抗Th17剤を投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の投与レジメンに従って補体阻害剤および抗Th17剤を投与する。いくつかの実施形態では、慢性障害は、任意の慢性補体介在性障害または任意のTh17と関連のある障害である。いくつかの態様では、本発明は、必要とする対象に抗Th17剤を投与することを含む、慢性補体介在性障害の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、任意の適切な投与レジメンに従って抗Th17剤を投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の投与レジメンに従って抗Th17剤を投与する。いくつかの実施形態では、補体阻害剤と抗Th17剤とを含む組成物、例えば医薬組成物を提供する。抗Th17剤の具体例については第V節で述べる。

0140

III.補体系
本発明の理解を容易にするため、本発明を限定する意図は一切ないが、本節に補体とその活性化経路概要を記載する。さらに詳細な説明については、例えば、Kuby Immunology,第6版,2006;Paul,W.E.,Fundamental Immunology,Lippincott Williams & Wilkins;第6版,2008;およびWalport MJ.,Complement.First of two parts.N Engl J Med.,344(14):1058−66,2001に記載されている。

0141

補体は、感染病原体から体を防御するのにある重要な役割を担う自然免疫系の一部門である。補体系には、古典経路、代替経路およびレクチン経路として知られる3つの主要な経路に関与する30種類以上の血清タンパク質および細胞タンパク質が含まれる。古典経路は通常、抗原とIgMまたはIgG抗体との複合体がC1と結合することにより誘発される(ただし、ある種の他の活性化因子もこの経路を開始する)。活性化したC1がC4およびC2をC4aとC4bおよびC2aとC2bに分解する。C4bとC2aが合わさってC3転換酵素を形成し、これがC3を分解してC3aとC3bが形成される。C3bとC3転換酵素が結合するとC5転換酵素が生じ、これがC5をC5aとC5bに分解する。C3a、C4aおよびC5aはアナフィロトキシンであり、急性炎症性応答における複数の反応を媒介する。またC3aおよびC5aは、好中球などの免疫系細胞を誘引する走化性因子でもある。

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