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図面 (8)

課題

ドーパミン関連の疾患、例えばパーキンソン病アルツハイマー病等の神経変性疾患に有効な腸内投与のための医薬組成物の提供。

解決手段

ドーパミン補充剤、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬DDI)及びカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物。ドーパミン補充剤がレボドパであり、DDIがカルビドパベンセラジドから選択され、COMT阻害薬がエンタカポントルカポン、オピカポンから選択されることが好ましい。また、pHは4.5〜5.5で、脱酸素化されており、さらに酸化剤を含み、遮光容器にて提供されていることが好ましい。

効果

カルビドパのヒドラジンへの分解が阻害される。

概要

背景

背景
神経変性障害は、通常、ニューロン再生しないか、または補充されない場合、したがって、損傷ニューロンの入れ替えが起こり得ない場合に生じる。進行性神経細胞変性および/または細胞死は、多くの場合、運動の問題(例えば、運動失調)または精神機能の問題(例えば、認知症)をもたらす。多くの神経変性障害は、現在、不治とみなされている。神経変性障害の例としては、パーキンソン病(「PD」)、アルツハイマー病(「AD」)およびハンチントン病(「HD」)が挙げられる。

パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの濃度低下をもたらすドーパミン作動性経路の進行性の変性を特徴とし、これは、患者において緩慢な運動(例えば、運動緩徐)、筋固縮振戦およびバランスがとりにくいという症状として現れる。

生化学的には、ドーパミン(3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン)は、ドーパミン前駆体の代謝によって形成される。例えば、ドーパミンは、脳内および末梢循環系内の両方において、芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素DOPA脱炭酸酵素(DDC)としても知られている)による前駆体レボドパ(L−ドパ;L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)の脱炭酸によって形成される。さらに、レボドパは、アミノ酸L−チロシンから酵素チロシンヒドロキシラーゼ(TH)によって生成される。

ドーパミンは、主に2つの代謝経路によって、すなわち、(i)3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)経由でモノアミン酸化酵素MAO)とカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって、および(ii)3−メトキシチラミン経由で酵素カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)とモノアミノ酸化酵素(MAO)によってホモバニリン酸HVA)に代謝される。

概要

ドーパミン関連の疾患、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病等の神経変性疾患に有効な腸内投与のための医薬組成物の提供。ドーパミン補充剤、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬DDI)及びカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物。ドーパミン補充剤がレボドパであり、DDIがカルビドパベンセラジドから選択され、COMT阻害薬がエンタカポントルカポン、オピカポンから選択されることが好ましい。また、pHは4.5〜5.5で、脱酸素化されており、さらに酸化剤を含み、遮光容器にて提供されていることが好ましい。カルビドパのヒドラジンへの分解が阻害される。

目的

PDの最も一般的な処置は、脳内のドーパミン濃度回復させることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ドーパミン補充剤、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬DDI)およびカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物

請求項2

ドーパミン補充剤がレボドパである、請求項1に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項3

ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬が、カルビドパベンセラジドおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項4

ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬がカルビドパである、請求項3に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項5

COMT阻害薬が、エンタカポントルカポン、オピカポンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜4に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項6

COMT阻害薬がエンタカポンである、請求項5に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項7

さらに、カルビドパのヒドラジンへの分解を阻害する物質を含むものである、請求項3〜4のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項8

該物質がエンタカポンを含む、請求項7に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項9

約5.7以下、好ましくは約4.5〜約5.5のpH値を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項10

脱酸素化されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項11

さらに酸化防止剤を含むものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項12

酸化防止剤がアスコルビン酸またはクエン酸である、請求項11に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項13

金属キレート剤を含有していない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項14

遮光容器(例えば、アルミニウムバッグ)内にて提供される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項15

レボドパ、DDIおよびCOMT阻害薬が粒子の形態であり;該粒子が水性担体中に懸濁されており、80μm以下の粒径を有するものであり;該担体が、中程度の剪断速度で少なくとも300mPasの粘度を有するものである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項16

該担体が、セルロースメチルセルロースエチルセルロースカルボキシメチルセルロース、それらの塩およびそれらの組み合わせからなる群より選択される多糖である、請求項15に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項17

担体がカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項16に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項18

約1.0〜約15%(w/w)の微粉化レボドパ、約0.1〜約2.0%(w/w)の微粉化カルビドパ、約1.0〜約5.0%(w/w)の微粉化エンタカポン、および約1.0〜約7.5%(w/w)のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むものである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項19

ゲル剤のpHが約5.0より大きく、25℃で12日後の水性担体の粘度が、中程度の剪断速度で少なくとも約300mPasである、請求項15〜18のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項20

レボドパに対するドーパミン脱炭酸酵素阻害薬の重量比が約1:10〜約1:2または約1:5〜約1:3である、請求項2に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項21

レボドパに対するCOMT阻害薬の重量比が約10:1〜約2:1または5:1〜3:1である、請求項2に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項22

少なくとも約10mg/mlのレボドパ、少なくとも約2.5mg/mlのドーパミン脱炭酸酵素阻害薬、および少なくとも約10mg/mlのCOMT阻害薬を含むものである、請求項2に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項23

レボドパに対するドーパミン脱炭酸酵素阻害薬の重量比が少なくとも約1:10である、請求項2に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項24

パーキンソン病処置のための請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項25

請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤組成物を腸内に投与することを含む、パーキンソン病の処置方法

請求項26

医薬活性薬剤を含むものであり、腸内送達のために製剤化されており、該医薬活性薬剤がエンタカポンであるか、またはそれを含むものである医薬用ゲル剤組成物。

請求項27

医薬活性薬剤がエンタカポンとカルビドパの組み合わせであるか、またはそれを含むものである、請求項26に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項28

医薬活性薬剤が、エンタカポン、カルビドパおよびレボドパの組み合わせである、請求項27に記載の医薬用ゲル剤組成物。

請求項29

エンタカポンを患者に投与する方法における、エンタカポンを腸内に医薬用ゲル剤組成物にて投与することを含むという改善点。

請求項30

レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの組み合わせでの患者の処置方法における、少なくともエンタカポンを腸内に医薬用ゲル剤組成物にて投与することを含むという改善点。

請求項31

レボドパとカルビドパを含む医薬用ゲル剤組成物においてカルビドパのヒドラジンへの分解を阻害するためのエンタカポンの使用。

請求項32

カルビドパとCOMT阻害薬を含む、カルビドパのヒドラジンへの分解を阻害するためのゲル剤組成物。

請求項33

レボドパとCOMT阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物。

請求項34

レボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物であって、該ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬に対する該COMT阻害薬の重量比が約10:1〜約2:1または約5:1〜約3:1である医薬用ゲル剤組成物。

請求項35

レボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物であって、該レボドパに対する該ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬の重量比が少なくとも約1:10である医薬用ゲル剤組成物。

請求項36

レボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を含む腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物であって、該レボドパ、該ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬および該COMT阻害薬が粒子の形態であり、該粒子が水性担体中に懸濁されており、約80μm以下の粒径を有するものである医薬用ゲル剤組成物。

請求項37

レボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を水性担体と混合することを含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬用ゲル剤の調製方法

請求項38

レボドパとドーパミン脱炭酸酵素阻害薬を含む第1のゲル剤を準備すること;および−COMT阻害薬を該第1のゲル剤に含めることを含む、医薬用ゲル剤の貯蔵寿命を長くする方法。

請求項39

レボドパとカルビドパを含む医薬組成物において、および/またはその投与時にヒドラジンの生成および/または蓄積を低減させるための方法であって、該医薬組成物にCOMT阻害薬を含める工程を含む方法。

請求項40

医薬組成物がゲル剤であるか、またはそれを含むものである、請求項39に記載の方法。

請求項41

医薬組成物が腸内投与のために製剤化されている、請求項40に記載の方法。

請求項42

腸内に医薬用ゲル剤組成物にて投与される、神経変性障害の処置における使用のためのエンタカポン。

請求項43

神経変性障害がアルツハイマー病である、請求項42に記載の使用。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月4日に出願されたスウェーデン特許第1451034−1号および2015年3月24日に出願されたスウェーデン特許第1550344−4号の各々の優先権および恩典を主張し、引用により本明細書に組み込む。

背景技術

0002

背景
神経変性障害は、通常、ニューロン再生しないか、または補充されない場合、したがって、損傷ニューロンの入れ替えが起こり得ない場合に生じる。進行性神経細胞変性および/または細胞死は、多くの場合、運動の問題(例えば、運動失調)または精神機能の問題(例えば、認知症)をもたらす。多くの神経変性障害は、現在、不治とみなされている。神経変性障害の例としては、パーキンソン病(「PD」)、アルツハイマー病(「AD」)およびハンチントン病(「HD」)が挙げられる。

0003

パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの濃度低下をもたらすドーパミン作動性経路の進行性の変性を特徴とし、これは、患者において緩慢な運動(例えば、運動緩徐)、筋固縮振戦およびバランスがとりにくいという症状として現れる。

0004

生化学的には、ドーパミン(3,4−ジヒドロキシフェネチルアミン)は、ドーパミン前駆体の代謝によって形成される。例えば、ドーパミンは、脳内および末梢循環系内の両方において、芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素DOPA脱炭酸酵素(DDC)としても知られている)による前駆体レボドパ(L−ドパ;L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)の脱炭酸によって形成される。さらに、レボドパは、アミノ酸L−チロシンから酵素チロシンヒドロキシラーゼ(TH)によって生成される。

0005

ドーパミンは、主に2つの代謝経路によって、すなわち、(i)3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)経由でモノアミン酸化酵素MAO)とカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって、および(ii)3−メトキシチラミン経由で酵素カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)とモノアミノ酸化酵素(MAO)によってホモバニリン酸HVA)に代謝される。

発明が解決しようとする課題

0006

PDの最も一般的な処置は、脳内のドーパミン濃度回復させることを目的とするものである。ドーパミンの投与は、これが血液脳関門を通過しないため有効でない。しかしながら、前駆体のレボドパは血液脳関門を通過し、脳内でドーパミンに変換されるため、レボドパの投与は、長い間、PD処置に対する第1選択肢の薬物であり、今もなおそうである。

課題を解決するための手段

0007

概要
本発明により、特定のドーパミン関連の疾患、障害および病状、例えば、一部の特定の神経変性障害(例えば、パーキンソン病(PD))を処置するため、および/またはかかる処置において有用な薬剤を投与するための特別な組成物およびストラテジーを提供する。数ある中でも、本発明は、かかる疾患、障害または病状を処置するため、および/また
は該当する薬剤を投与するための特定の既知の組成物および/またはストラテジーに伴う問題の原因の特定を包含している。

0008

一部の実施形態では、本開示は、(i)ドーパミン補充剤、(ii)ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬DDI)および(iii)COMT阻害薬の各々を含む薬剤の組み合わせを被験体に投与することにより、特に、該薬剤の1種類以上を医薬用ゲル剤の腸内投与によって送達した場合に、特定の予想外の利点がもたらされる、および/または神経変性障害(例えば、PD)を処置するためのこれまでのストラテジーに伴う1つ以上の問題が解決されるという洞察を包含している。

0009

一部の実施形態では、本開示により、COMT阻害薬を、ドーパミン補充剤および/またはDDIを投与することを伴う治療と併用して医薬用ゲル剤の腸内投与によって投与する方法を提供する。

0010

一部の実施形態では、本発明は、種々の状況においてCOMT阻害薬を医薬用ゲル剤の腸内投与によって送達するのが有用であり得るという洞察を包含しており、それに関する特別な方法および試薬を提供する。

0011

数ある中でも、本発明は、ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)を投与するための特定の既知の組成物および/またはストラテジーに伴う問題の原因の特定を包含している。例えば、本開示は、被験体の該代謝性前駆体の摂取および/または曝露を最小限にすると同時に、かかる摂取または曝露の治療有益性を維持する処置ストラテジーの必要性の認識を包含している。本開示により、かかる処置ストラテジー(例えば、該当する参照ストラテジー(例えば、現在、認められている標準治療)と比べたとき、患者への曝露の低減が得られると同時に治療有益性が維持される組成物および/または方法を提供する。

0012

一部の実施形態では、本開示は、ドーパミン補充剤、特にレボドパの腸内投与のための改善された医薬組成物の必要性の認識を包含している。本開示により、かかる組成物を提供する。

0013

一部の実施形態では、本開示により、ドーパミン補充剤を含む特定の組成物、特に、レボドパを含む組成物の保存特性(例えば、長期保存および/または特定の条件下での保存に対する安定性)に伴う問題の原因を特定する。数ある中でも、本開示は、特定の保存安定性特性を有する、ドーパミン補充剤を含む医薬組成物、特に、レボドパを含む組成物の必要性の認識を包含している。本開示により、かかる組成物を提供する。

0014

多くの実施形態において、腸内投与は典型的には、外部からの到達点による十二指腸および/または空腸への投与である。

0015

一部の実施形態では、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物は、ドーパミン補充剤、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬(DDI)およびカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬を含むものである。

0016

具体的な一部の実施形態では、本発明により、少なくとも約10mg/mlのレボドパと少なくとも約2.5mg/mlのドーパミン脱炭酸酵素阻害薬を含み、さらに少なくとも約10mg/mlのCOMT阻害薬を含む、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物を提供する。

0017

提供する特定のゲル剤組成物および/または方法において、1種類以上の活性化合物(例えば、レボドパおよび/または1種類以上のDDI[例えば、カルビドパ]および/ま
たは1種類以上のCOMT阻害薬[例えば、エンタカポン])は、その薬学的に許容され得る塩の形態で、および/またはその水和物もしくは溶媒和物の形態で提供および/または使用され得る。具体的な一部の実施形態では、特定の組成物および/または方法では、固形形態で提供および/または使用され得る1種類以上の活性化合物が使用され得る;一部のかかる実施形態では、該固形形態は結晶性形態であり得るか、または該形態を含むものであり得;一部のかかる実施形態では、該固形形態は非晶質形態であり得るか、または該形態を含むものであり得る。一部の実施形態では、固形形態は非晶質形態を含むもの、もしくは該形態からなるものであるか、または特定の単一の結晶性形態を含むもの、もしくは該形態からなるものである。

0018

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物が、最大で200mg/mlのレボドパ、最大で50mg/mlのドーパミン脱炭酸酵素阻害薬、および最大で200mg/mlのCOMT阻害薬を含むものである。

0019

例示的なドーパミン脱炭酸酵素阻害薬としては、カルビドパ、ベンゼラジド、α−ジフルオロメチルドパ[(2S)−2−アミノ−2−[3,4−ジヒドロキシフェニル)−メチル]−3,3−ジフルオロプロパン酸]およびα−メチルドパ[(S)−2−アミノ−3−[3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−メチル−プロパン酸]が挙げられる。

0020

一部の実施形態では、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬が、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらの任意の組み合わせである。

0021

一部の実施形態では、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬がカルビドパである。
一部の実施形態では、COMT阻害薬が、エンタカポン、トルカポン、オピカポンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。

0022

一部の実施形態では、COMT阻害薬がエンタカポンである。
一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物がカルビドパなどのDDIを含み、さらに、カルビドパのヒドラジンへの分解を阻害し得る物質を含むものである。

0023

一部の実施形態では、カルビドパのヒドラジンへの分解を阻害し得る物質がエンタカポンを含む。

0024

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物が、約20mg/mlのレボドパ、5mg/mlのカルビドパ、および20mg/mlのエンタカポンを含むものである。

0025

一部の実施形態では、1種類以上のCOMT阻害薬と少なくとも1種類のさらなる活性化合物を含む本明細書に記載の医薬用ゲル剤組成物は、例えば、COMT阻害薬はない(または、一部の実施形態では、異なる絶対量もしくは相対量で含む)がその他の点では同等の組成物で観察されるものと比べて、該少なくとも1種類のさらなる活性化合物の安定性が高い(例えば、分解が少ない)ことを特徴とするものである。一部のかかる実施形態では、安定性は、経時的に(例えば、特定期間の時間が経過した後)および/または特定の保存条件下で評価される。例えば、一部の実施形態では、かかる高い安定性は、例えば、冷蔵条件(例えば、該組成物が、約15℃より下、好ましくは、約0℃〜約15℃、約0℃〜約12℃、約0℃〜約10℃、約0℃〜約8℃、または約2℃〜約8℃の範囲内の温度で維持され条件)下で、少なくとも1週間、2週間、5週間、7週間、10週間、15週間、20週間またはそれ以上に及ぶ期間にわたって観察される。

0026

一部の実施形態では、提供する腸内用ゲル剤組成物は、約5.7より高くないpHおよび/または約5.7より高くないpHに維持されるpHを特徴とするゲル剤を含むもの、
および/または該ゲル剤から調製されるものである。一部の実施形態では、1種類以上の活性薬剤(例えば、レボドパ、DDI、COMT阻害薬など)を含む提供するかかる組成物は、例えば、pHの値が異なる該当する参照組成物と比べて、1種類以上のかかる活性薬剤の改善された安定性を特徴とするものである。

0027

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は脱酸素化されている(例えば、窒素パージによって)。一部の実施形態では、1種類以上の活性薬剤を含む提供するかかる組成物は、例えば、脱酸素化の存在および/または持続期間が異なる該当する参照組成物と比べて、1種類以上のかかる活性薬剤の改善された安定性を特徴とするものである。

0028

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物は酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸またはクエン酸)を含むものである。一部の実施形態では、1種類以上の活性薬剤を含む提供するかかる組成物は、例えば、かかる酸化防止剤の存在および/または量(例えば、絶対値もしくは相対値)が異なる該当する参照組成物と比べて、1種類以上のかかる活性薬剤の改善された安定性を特徴とするものである。

0029

一部の実施形態では、脱酸素化を低pHまたは酸化防止剤と併用する。
一部の実施形態では、提供するゲル剤組成物は、金属キレート剤、例えばEDTAを実質的に無含有である(例えば、検出可能な、および/または実質的なレベルで有しない);一部の実施形態では、提供するゲル剤組成物はいずれの金属キレート剤も実質的に無含有である。

0030

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物は遮光容器内に提供される。
一部の実施形態では、1種類以上の活性物質(例えば、レボドパ、ドーパミンカルボキシラーゼ阻害薬(例えば、カルビドパ)およびCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン)は、例えば約80μmを超えない最大粒径を有する粒子の形態であり、該粒子は、一部の実施形態では、担体(例えば、水性担体)中に懸濁され得;一部のかかる実施形態では、該担体は、中程度の剪断速度での測定時、少なくとも300mPasの粘度を有するものである。

0031

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物の粘度は少なくとも1800mPasである。別の実施形態では、該粘度は2200〜4500mPasの範囲である。

0032

担体は、典型的には多糖型のものであり得、例えば、セルロースメチルセルロース(MC)、エチルセルロースカルボキシメチルセルロースCMC)およびそれらの塩、キサンタンガムカラギーナン、ならびにそれらの組み合わせから選択され得るが、担体はまた、合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンPVP;ポビドン)またはポリアクリル酸(PAA;カルボマー)であってもよい。例示的な担体はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(NaCMC)である。

0033

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物が、約2%(w/w)の微粉化レボドパ、約0.5%(w/w)の微粉化カルビドパ、約2%(w/w)の微粉化エンタカポン、および約2.92%(w/w)のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むものである。

0034

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物のpH値は、最低pH値が約5.0以上〜約5.5となるように選択され、この場合、25℃で12日後の水性担体の粘度は中程度の剪断速度で少なくとも300mPasである。

0035

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物の担体はNaCMCであり、pH値は5.5±0.2である。

0036

一部の態様において、本発明により、神経変性障害(例えば、パーキンソン病)の処置のための医薬用ゲル剤組成物を提供する。

0037

本発明の一部の態様では、上記の本発明の一部の特定の態様による医薬用ゲル剤組成物を腸内に投与することを含む、パーキンソン病の処置方法を提供する。

0038

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物は、1日あたり約16時間未満の期間にわたって連続投与される。

0039

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物は、1日あたり約16時間より長い期間にわたって連続投与される。

0040

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物は、長期間処置として1日より長い間、連続投与される。

0041

一部の態様では、本発明により、レボドパとカルビドパを含む医薬用ゲル剤組成物においてカルビドパのヒドラジンへの分解を阻害するためのエンタカポンの使用を提供する。

0042

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤組成物が医薬活性薬剤を含むものであり、腸内送達のために製剤化されており、該医薬活性薬剤がエンタカポンであるか、またはエンタカポンを含むものである。

0043

一部の実施形態では、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物がレボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を含むものであって、該ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬に対する該COMT阻害薬の重量比が約10:1〜約2:1または約5:1〜約3:1であるものである。

0044

一部の実施形態では、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物がレボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を含むものであって、該レボドパに対する該ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬の重量比が少なくとも約1:10であるものである。

0045

一部の実施形態では、腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物がレボドパ、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬を含むものであって、該レボドパ、該ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬および該COMT阻害薬が粒子の形態であり、該粒子が水性担体中に懸濁されており、約80μm以下の粒径を有するものである。

0046

一部の実施形態では、医薬用ゲル剤の貯蔵寿命を長くする方法は、レボドパとドーパミン脱炭酸酵素阻害薬を含む第1のゲル剤を準備すること、およびCOMT阻害薬を該第1のゲル剤に含めることを含むものである。

0047

一部の実施形態では、レボドパとカルビドパを含む医薬組成物において、および/またはその投与時にヒドラジンの生成および/または蓄積を低減させるための方法は、該医薬組成物にCOMT阻害薬を含める工程を含むものである。

0048

一部の実施形態は従属項に示されている。
本発明のより完全な理解、ならびにそのさらなる特色および利点は、以下の詳細説明を、添付の図面と併せて読んで参照することにより得られよう。

図面の簡単な説明

0049

図1は、レボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤製剤に対する25℃での10日間の安定性試験の終了時のpHに対するカルビドパ分解産物DHPAの例示的なレベルを示すグラフである。
図2は、レボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤製剤に対する25℃での10日間の安定性試験の終了時のpHに対するカルビドパ分解産物DHPPAの例示的なレベルを示すグラフである。
図3は、レボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤製剤に対する10日間の安定性試験の終了時のpHに対するエンタカポン分解産物RRT 11.8の例示的なレベルを示すグラフである。
図4は、レボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤製剤に対する12日間の安定性試験の終了時のpHに対する例示的な粘度低下レベルを示すグラフである。
図5は、レボドパ/カルビドパゲル剤製剤(上側の曲線)およびレボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤製剤(下側の曲線)に対する冷蔵条件(2〜8℃)での20週間の保存安定性試験中のカルビドパ分解産物ヒドラジンの例示的なレベルを示すグラフである。
図6は、異なるpHの2つのレボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤製剤に対する冷蔵条件(2〜8℃)での20週間の保存安定性試験中のカルビドパ分解産物ヒドラジンの例示的なレベルを示すグラフである;上側の曲線pH5.5および下側の曲線pH5.0.
図7は、LECIGON(商標)とDUODOPA(登録商標)(対比)の例示的な薬物動態試験を示すグラフである。Y軸は、レボドパの用量ごとのDUODOPA(登録商標)と比べたときのLECIGON(商標)の曲線下面積(AUC)の増加(すなわち、バイオアベイラビリティの増大)を示す。X軸は、LECIGON(商標)のレボドパ用量を示す。

0050

定義
本明細書で用いる場合、用語「活性化剤」は、その存在またはレベルが、薬剤なし(または異なるレベルの該薬剤あり)で観察されるものと比べて高い標的のレベルまたは活性相関している薬剤をいう。一部の実施形態では、活性化剤は、その存在またはレベルが、特定の参照レベルまたは活性(例えば、適切な参照条件下、例えば、既知の活性化剤、例えば陽性対照の存在下で観察されるもの)と同等またはそれより大きい標的のレベルまたは活性と相関しているものである。

0051

本明細書で用いる場合、用語「投与」は被験体または系への組成物の投与をいう。動物被験体(例えば、ヒト)への投与は任意の適切な経路によるものであり得る。例えば、一部の実施形態では、投与は、気管支(例えば、気管支点滴により)、口腔内経腸経皮動脈内、皮内、胃内内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、特定の器官内(例えば、肝内)、経粘膜経鼻、経口、経直腸、皮下、下、経表面、気管(例えば、気管内点滴により)、経皮、経膣および経ガラス体であり得る。一部の実施形態では、投与は断続投薬を伴うものであり得る。一部の実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間の連続投薬(例えば、灌流)を伴うものであり得る。当該技術分野で知られているように、抗体療法は一般的には非経口で(例えば、静脈内または皮下注射によって)投与される。

0052

本明細書で用いる場合、用語「およそ」または「約」は、対象の1つ以上の値に適用される場合、記載の基準値と同様の値をいう。特定の実施形態では、用語「およそ」または「約」は、特に記載のない限り、または文脈からそうでないことが明白でない限り、記載の基準値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%ま
たはそれ以下の両方向の(大きいまたは小さい)範囲に含まれる値をいう(かかる数が、考えられ得る値の100%を超えるであろう場合を除く)。

0053

2つの事象または実体は、一方の存在、レベルおよび/または形態が他方のものと相関しているならば、該用語を本明細書で用いる場合、互いに「関連している」。例えば、特定の実体(例えば、ポリペプチド、遺伝子印章代謝産物など)は、その存在、レベルおよび/または形態が、特定の疾患、障害または病状の発生および/または易罹患性と相関している(例えば、該当集団において)場合、該疾患、障害または病状と関連しているとみなされる。一部の実施形態では、2つ以上の実体は、これらが互いに物理的に近接する、および/または物理的に近接したままであるように直接または間接的に相互作用する場合、互いに物理的に「関連している」。一部の実施形態では、互いに物理的に関連している2つ以上の実体は互いに共有結合している;一部の実施形態では、互いに物理的に関連している2つ以上の実体は、互いに共有結合はしていないが非共有結合的に、例えば、水素結合ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用磁気およびそれらの組み合わせによって関連している。

0054

本明細書で用いる場合、用語「担体」は、組成物とともに投与される希釈剤佐剤賦形剤またはビヒクルをいう。一部の例示的な実施形態では、担体としては、滅菌された液状物、例えば、水および油、例えば、石油動物、植物または合成起源の油など、例えば、ピーナッツ油ダイズ油鉱油ゴマ油などが挙げられ得る。一部の実施形態では、担体は1種類以上の固形成分であるか、または1種類以上の固形成分を含むものである。

0055

本明細書で用いる場合、用語「併用療法」は、被験体が2つ以上の治療レジメン(例えば、2種類以上の治療用薬剤)に同時に曝露される状況をいう。一部の実施形態では、2種類以上の薬剤は同時に投与され得る;一部の実施形態では、かかる薬剤は逐次投与され得る;一部の実施形態では、かかる薬剤は、重なり合う投薬レジメンで投与される。

0056

本発明による「組成物」または「医薬組成物」は、本明細書に記載の2種類以上の薬剤を共投与または同じレジメンの一部としての投与のために合わせたものをいう。すべての実施形態において、この薬剤を合わせたものにより物理的混合がもたらされることは必要とされない、すなわち、該組成物の各成分を別個の共薬剤として投与することが可能である;しかしながら、当該技術分野における多くの患者または医師には、2種類以上の成分の薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤中の混合物であり、この合わせたものの構成成分が同時に投与されることを可能にした組成物を調製することが好都合であることがわかるであろう。

0057

本明細書で用いる場合、用語「同等」とは、互いに同一ではないかもしれないが、観察された違いまたは類似性に基づいて結論が合理的に誘導され得るような互いとの比較が許容されるのに充分に類似している2種類以上の薬剤、実体、状況、条件の組などをいう。一部の実施形態では、同等の条件の組、状況、個体または集団は、複数の実質的に同一の特色と1つまたは少数相違する特色を特徴とするものである。当業者には、文脈において、任意の所与の状況で2種類以上のかかる薬剤、実体、状況、条件の組などが同等とみなされるのに、どのくらいの度合いの同一性が必要とされるかが理解されよう。例えば、当業者には、ある状況、個体または集団の組が充分な数および型の実質的に同一の特色を特徴としており、異なる組の状況、個体または集団で得られた結果または観察された現象における差が、該特色のさまざまである多様性によって引き起こされているか、または該多様性を示すものであるという合理的な結論が正当化される場合、その状況、個体または集団の組は互いに同等であることが認識されよう。

0058

用語「ドーパミン補充剤」は、本明細書で用いる場合、そのヒトへの投与が、かかる投
与なしで観察されるものと比べて脳内のドーパミンレベルの増大と相関する薬剤をいう。一部の実施形態では、ドーパミン補充剤は、血液脳関門を通過する能力を特徴とするものである。一部の実施形態では、ドーパミン補充剤が、ドーパミンの代謝性前駆体(例えば、レボドパ、メレボドパ、エチレボドパなど、およびその組み合わせ)、ドーパミンアゴニスト(例えば、アポモルヒネブロモクリプチンカベルゴリンジヒドロエルゴクリスチンメシル酸塩ペルゴリドピリベジルプラミペキソールロピニロールロチゴチンなど、およびその組み合わせ)、ドーパミンの分解をブロックする薬剤(例えば、MAO−B阻害薬、例えば、セレギリンラサジリンなど、およびその組み合わせ)および/またはその他の様式でドーパミン生成を刺激する薬剤(例えば、ブジピン)からなる群より選択される。かかる薬剤の種々の市販の製剤および調製物が当該技術分野で知られており、特定の経口(例えば、カプセル剤もしくは錠剤)、経皮(例えば、貼付剤)、非経口(例えば、皮下、静脈内、髄腔内など、特に、注入用)および/または他の(例えば、ゲル剤、特に、腸内用ゲル剤)製剤が挙げられる。

0059

本明細書で用いる場合、用語「投薬形態」は、被験体への投与のための活性薬剤(例えば、治療用または診断用薬剤)の物理的に独立した単位をいう。各単位には、所定の量の活性薬剤が含有される。一部の実施形態では、かかる量は、該当集団に投与した場合に所望の転帰または有益な転帰と相関するように決定された投薬レジメン(すなわち、治療的投薬レジメン)に従う投与に適切な単位投薬量(またはその全部分量)である。当業者には、具体的な被験体に投与される治療用の組成物または薬剤の総量は、1人以上の担当医師によって決定され、多数の投薬形態の投与を伴うものであってもよいことが認識されよう。

0060

本明細書で用いる場合、用語「投薬レジメン」は、被験体に典型的には時間を空けて個々に投与される一組の単位用量(典型的には、1回より多く)をいう。一部の実施形態では、所与の治療用薬剤は推奨投薬レジメンを有し、これは1回分以上の用量を伴うものであってもよい。一部の実施形態では、投薬レジメンは複数回の用量を含むものであり、各用量は、互いに同じ長さの時間間隔空ける;一部の実施形態では、投薬レジメンは複数回の用量を含むものであり、個々の用量間に少なくとも2つの異なる時間間隔を空ける。一部の実施形態では、投薬レジメンのすべての用量が同じ単位用量の量である。一部の実施形態では、投薬レジメンの異なる用量が異なる量である。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1用量の量の第1用量、その後、第1用量の量と異なる第2用量の量の1回以上のさらなる用量を含むものである。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1用量の量の第1用量、その後、第1用量の量と同じ第2用量の量の1回以上のさらなる用量を含むものである。一部の実施形態では、投薬レジメンは、該当集団において投与した場合の所望の転帰または有益な転帰と相関している(すなわち、治療的投薬レジメンである)。

0061

本明細書で用いる場合、用語「賦形剤」は、例えば、所望の粘稠度または安定化効果をもたらすため、またはこれらに寄与させるために医薬組成物に含められ得る治療用でない薬剤をいう。好適な医薬用賦形剤としては、例えば、デンプングルコースラクトーススクロースゼラチン麦芽、米、小麦粉白亜シリカゲルステアリン酸ナトリウムグリセロールモノステアレートタルク塩化ナトリウム脂肪粉乳グリセロールプロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。

0062

本明細書で用いる場合、用語「ゲル」は、そのレオロジー特性により、例えば溶液固体などと区別される粘弾性物質をいう。一部の実施形態では、物質または組成物は、その貯蔵弾性率(G’)がその弾性率(G”)より大きい場合、ゲルとみなされる。一部の実施形態では、組成物は、例えば、粘性溶液中のもつれた分子により区別されるように、溶液中に化学的または物理的架橋網目が存在する場合、ゲルとみなされる。一部の実施形態
では、ゲル剤組成物は、マトリックス内に懸濁された、またはその他の様式で分布された第1の材料である粒子であり得るか、または該粒子を含むものであり得る。一部の実施形態では、マトリックスが多糖型であるか、またはそれを含むものであり、例えば、セルロース、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびそれらの塩、キサンタンガム、カラギーナンおよびそれらの組み合わせから選択される。また、担体は合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP;ポビドン)またはポリアクリル酸(PAA;カルボマー)であってもよい。例示的な担体はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(NaCMC)である。

0063

本明細書で用いる場合、用語「患者」は、提供する組成物が、例えば、実験診断、予防、美容および/または治療の目的で投与される、または投与され得る任意の生物体をいう。典型的な患者としては、動物(例えば、哺乳動物、例えば、マウスラットウサギ非ヒト霊長類および/またはヒト)が挙げられる。一部の実施形態では、患者はヒトである。一部の実施形態では、患者は、1つ以上の障害または病状(例えば、ドーパミン関連の疾患、障害または病状、例えば、PDなどの神経変性障害)に苦しんでいるか、または易罹患性の患者である。一部の実施形態では、患者は、疾患、障害または病状の1つ以上の症状を示している患者である。一部の実施形態では、患者は、1つ以上の疾患、障害または病状と診断されている患者である。一部の実施形態では、患者は、疾患、障害または病状を診断および/または処置するためのなんらかの治療を受けているか、または受けたことがある患者である。

0064

本明細書で用いる場合、用語「医薬組成物」は、活性薬剤が1種類以上の薬学的に許容され得る担体と一緒に製剤化された組成物をいう。一部の実施形態では、活性薬剤を、該当集団に投与した場合に所定の治療効果が得られることの統計学的に有意な確率を示す治療レジメンでの投与に適切な単位用量の量で存在させる。一部の実施形態では、医薬組成物は、固形形態または液状形態での投与のために特別に製剤化されたもの、例えば、以下:経口投与、例えば、水薬水性もしくは非水性の液剤もしくは懸濁剤)、錠剤、例えば、口腔内、舌下および全身性吸収を対象としたもの、ボーラス散剤顆粒剤、舌への適用のためのペースト剤非経口投与、例えば、皮下、筋肉内、静脈内もしくは硬膜外注射により、例えば、滅菌された液剤もしくは懸濁剤または徐放製剤として;経表面適用、例えば、クリーム剤軟膏、または皮膚、もしくは口腔に適用される制御放出貼付剤もしくはスプレー剤として;内もしくは直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム剤もしくはフォーム剤として;舌下;接眼;経皮;あるいは経鼻、経肺および他の粘膜表面適合させたものであり得る。

0065

用語「剪断速度」は、本明細書で用いる場合、平行な内側表面同士が互いにずれるときに材料物質の進行性の変形が材料の一部に負荷される速度をいう。「中程度の剪断速度」は、本明細書で用いる場合、水性担体が中程度にアジテーションされる場合の剪断速度、典型的には、およそ500秒−1未満だがおよそ20秒−1(このとき、担体はほぼ静止している)より高い剪断速度に対応する剪断速度をいう。

0066

用語「安定な」は、本明細書における組成物に適用する場合、該組成物が、その物理的構造および/または活性の1つ以上の性状を指定された組の条件下で一定期間にわたって維持していることを意味する。一部の実施形態では、該期間は少なくとも約1時間である;一部の実施形態では、該期間は約5時間、約10時間、約1日、約1週間、約2週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約8ヶ月間、約10ヶ月間、約12ヶ月間、約24ヶ月間、約36ヶ月間またはそれより長期間である。一部の実施形態では、該期間は約1日〜約24ヶ月間、約2週間〜約12ヶ月間、約2ヶ月間〜約5ヶ月間などの範囲内である。一部の実施形態では、指定された条件は周囲条件(例えば、室温および周囲圧力)である。一部の実施形態では、指定された条件は
生理学的条件(例えば、インビボまたは約37℃で例えば血清中もしくはリン酸緩衝生理食塩水中)である。一部の実施形態では、指定された条件は低温保存下(例えば、約4℃、−20℃もしくは−70℃またはそれより下)である。一部の実施形態では、指定された条件は暗所である。

0067

本明細書で用いる場合、用語「実質的に」は、対象の特徴または特性が完全またはほぼ完全な程度または度合いで示される定性的状態をいう。生物学の技術分野の当業者には、生物学的および化学的現象が完結すること、および/または完全性に至るまで、あるいは絶対的な結果が得られるか、もしくは回避されるまで進行することは、あるとしても稀であることが理解されよう。したがって、用語「実質的に」は、本明細書において、多くの生物学的および化学的現象に内在する完全性の欠如の可能性を含めるために用いている。

0068

本明細書で用いる場合、語句「治療用薬剤」または「活性薬剤」(例えば、「活性化合物」)は、一般に、生物体に投与した場合に所望の薬理学的効果誘起する任意の薬剤をいう。一部の実施形態では、薬剤は、適切な集団において統計学的に有意な効果が示される場合、治療用薬剤であるとみなされる。一部の実施形態では、適切な集団はモデル生物体集団であり得る。一部の実施形態では、適切な集団は、種々の基準、例えば、特定の年齢群性別遺伝的背景、先在する臨床的病状などによって規定され得る。一部の実施形態では、治療用薬剤は、疾患、障害および/または病状の1つ以上の症状または特色を緩和する、改善する、軽減する、抑止する、予防する、発症遅延させる、重症度を低減させる、および/または発生率を低減させるために使用され得る物質である。一部の実施形態では、「治療用薬剤」は、ヒトへの投与のために市場に売り出され得る前の、政府機関による承認が必要とされている、または必要とされる薬剤である。一部の実施形態では、「治療用薬剤」は、ヒトへの投与のために処方箋が必要とされる薬剤である。

0069

本明細書で用いる場合、用語「治療有効量」は、所望の効果のために投与すると該効果がもたらされる量を意図する。一部の実施形態では、該用語は、疾患、障害および/または病状に苦しんでいるか、または易罹患性である集団に治療的投薬レジメンに従って投与した場合に該疾患、障害および/または病状が処置されるのに充分な量をいう。一部の実施形態では、治療有効量は、疾患、障害および/または病状の1つ以上の症状の発生率および/または重症度を低減させるもの、および/または発症を遅延させるものである。当業者には、用語「治療有効量」が、具体的な個体において実際に成功裡の処置がなされることを必要とするものではないことが認識されよう。そうではなく、治療有効量は、かかる処置を必要とする患者に投与した場合に有意な数の被験体に特定の所望の薬理学的応答をもたらす量であり得る。一部の実施形態では、治療有効量に対する言及は、1種類以上の特定の組織(例えば、疾患、障害もしくは病状に罹病している組織)または体液(例えば、血液、唾液血清、尿など)において測定された量に対する言及であり得る。当業者には、一部の実施形態において、治療有効量の具体的な薬剤または治療薬単回用量で製剤化および/または投与され得ることが認識されよう。一部の実施形態では、治療有効薬剤は複数回の用量で、例えば、投薬レジメンの一部として製剤化されおよび/または投与され得る。

0070

本明細書で用いる場合、用語「処置」(また「処置する」)は、特定の疾患、障害および/または病状(例えば、がん)の1つ以上の症状、特色および/または原因を一部または完全に緩和する、改善する、軽減する、抑止する、発症を遅延させる、重症度を低減させる、および/または発生率を低減させる物質(例えば、抗受容体型チロシンキナーゼ抗体または受容体型チロシンキナーゼ拮抗薬)の任意の投与をいう。かかる処置は、該当する疾患、障害および/または病状の徴候を示していない被験体のもの、および/または疾患、障害および/または病状のほんの初期の徴候を示している被験体のものであり得る。択一的または付加的に、かかる処置は、該当する疾患、障害および/または病状の1つ以
上の確定された徴候を示している被験体のものであってもよい。一部の実施形態では、処置は、該当する疾患、障害および/または病状に苦しんでいると診断された被験体のものであり得る。一部の実施形態では、処置は、該当する疾患、障害および/または病状の高い発症リスクと統計学的に相関している1つ以上の易罹患性因子を有することがわかっている被験体のものであり得る。

0071

表現「単位用量」は、本明細書で用いる場合、医薬組成物の単回用量として、および/または物理的に独立した単位で投与される量をいう。多くの実施形態において、単位用量は所定の量の活性薬剤を含むものである。一部の実施形態では、単位用量は、全部が単回用量の該薬剤を含むものである。一部の実施形態では、全部の単回用量を1回より多くの単位用量で投与する。一部の実施形態では、目的の効果を得るために反復単位用量の投与が必要とされるか、または必要であることが予測される。単位用量は、例えば、所定の量の1種類以上の治療用薬剤を含有している液状物(例えば、許容され得る担体)の容積、所定の量の固形形態の1種類以上の治療用薬剤、所定の量の1種類以上の治療用薬剤を含有している徐放製剤または薬物送達デバイスなどであり得る。単位用量は、治療用薬剤に加えて任意のさまざまな成分を含む製剤中に存在し得ることは認識されよう。例えば、許容され得る担体(例えば、薬学的に許容され得る担体)、希釈剤、安定剤、バッファー保存料などが、後述するようにして含められ得る。当業者には、多くの実施形態において、具体的な治療用薬剤の適切な全部の1日の投薬量が、単位用量の一部で構成されてもよく複数の単位用量で構成されてもよく、例えば、担当医師により正しい医学的判断の範囲内で決定され得ることが認識されよう。一部の実施形態では、任意の特定の被験体または生物体の具体的な有効用量レベルは、さまざまな要素、例えば、処置対象の障害および該障害の重症度;使用される具体的な活性化合物の活性;使用される具体的な組成物;被験体の年齢、体重、一般健康状態、性別および食生活;投与期間、および使用される具体的な活性化合物の排出速度;処置の持続期間;使用される具体的な化合物と併用して、または同時に使用される薬物および/またはさらなる治療薬などの医学分野でよく知られた要素に依存し得る。

0072

一部の特定の実施形態の詳細な説明
以下の説明は、本発明の説明および例示のためのものにすぎず、本発明を、記載の具体的な実施形態に限定することを意図するものではない。

0073

特に定義していない限り、科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。

0074

本明細書において挙げた参考文献、例えば特許出願および刊行物はすべて、引用によりその全体が組み込まれる。

0075

上記のように、本発明は、特定のドーパミン関連の疾患、障害および病状を処置するための新規な医薬組成物および/または方法論に関する。多くの実施形態において、本発明は、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)、以下において、しばしばPDと称する)を処置するための組成物および/または方法論に関する。特に、本発明は、ドーパミン補充剤、COMT阻害薬(例えば、エンタカポン、オピカポン、トルカポンなど、およびそれらの組み合わせ)を、ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ、メレボドパ、エチレボドパ、ブジピンおよびそれらの組み合わせ)とドーパミン脱炭酸酵素阻害薬(例えば、カルビドパ、ベンセラジドおよびそれらの組み合わせ)と一緒に、ゲル形態であることを特徴とする医薬組成物の状況で腸内(典型的には、十二指腸または空腸への)に投与するということに関する。多くの実施形態において、3成分はすべて腸内に、多くの場合、同じ組成物で(すなわち、同じ単位投薬形態で)投与される。

0076

ドーパミン関連の疾患、障害または病状
多くの実施形態において、本開示は、1つ以上のドーパミン関連の疾患、障害または病状の処置に関する。一部の実施形態では、本開示は具体的にはレボドパ応答性の患者の処置に関する。

0077

上記のように、ドーパミンは神経伝達物質である。ドーパミンは神経系においていくつかの重要な役割を果たしており、いくつかの重要な疾患、障害および病状はドーパミン系の機能不全と関連している。一部の実施形態では、ドーパミン関連の疾患、障害または病状は、該疾患、障害または病状がない場合に観察されるものと比べて、1つ以上の該当する神経系の領域または組織内(例えば、脳内またはその特定の領域内)のドーパミンの改変されたレベルおよび/または活性と関連しているものであり得る。多くの実施形態において、かかる改変されたレベルは低下したレベルである。

0078

例示的なドーパミン関連の疾患、障害および病状としては、白化症、アルツハイマー病、視力減退アンジェルマ症候群、前部虚血性視神経症失語症背部痛、鬱、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ欠損症、薬物(例えば、アルコールコカインアヘン)依存/中毒失読症、ジストニック脳性麻痺、ハンチントン病、低血圧失神衝動調節障害髄様癌運動ニューロン疾患運動障害多系統萎縮症起立性低血圧症起立不耐症、パーキンソン病、プリオン病下肢静止不能症候群、網膜疾患統合失調症脊髄損傷脊髄筋萎縮症脊髄小脳性運動失調、卒中、甲状腺癌甲状腺新生物トゥレット症候群などが挙げられ得る。

0079

一部の実施形態では、ドーパミン関連の疾患、障害または病状は、1つ以上の増殖性障害(例えば、がん)、炎症性の病状、神経変性疾患など、およびそれらの組み合わせであり得るか、またはこれを含むものであり得る。

0080

多くの実施形態において、ドーパミン関連の疾患、障害または病状は神経変性障害(例えば、PD、AD、HD)である。

0081

本開示の諸実施形態は、具体的にはPDの処置に関連するものである。一般に、本明細書に記載の治療薬が投与される患者はPDの任意の段階であり得る。しかしながら、多くの実施形態において、PD患者は、例えば、ホーン−ヤール(H&Y)のステージII以上に整合する中等度から進行期の患者である。一部の実施形態では、PD患者は、運動症状の変動および運動過剰症ジスキネジアが起こっている患者である。一部の実施形態では、PD患者は、本明細書に記載の1種類以上の従来の処置(例えば、活性薬剤の断続的な投薬および/または患者への曝露を伴うもの)での治療を以前に受けたことがある患者である。具体的な一部の実施形態では、PD患者は、経口レボドパ療法を以前に受けたことがあり、運動症状の変動が起こっている患者であり得る。一部の実施形態では、本開示は、かかる運動症状の変動が、少なくともある程度、経口レボドパ療法の波状ドーパミン作動性刺激に起因するものであり得、一部の状況では、短い半減期および/または一貫性のない吸収によって悪化し得る(例えば、胃内容排出に起因する場合のように)ことを提案するものである。一部の態様では、本開示により、本明細書において提供する特定の組成物(例えば、具体的には、活性薬剤として(a)ドーパミン補充剤;(b)DDI;および(c)COMT阻害薬の各々を含む腸内投与のための特定のゲル剤組成物)が、かかる患者の処置において種々の利点をもたらし得るという洞察を提供する。なんら特定の理論に拘束されることを望まないが、かかる組成物により、このような(および他の)患者において実質的に連続的なドーパミン作動性刺激が行われ得、それにより治療転帰が改善され、特に、運動症状の変動の発症または悪化のリスクが低減され得ることが提案される。

0082

患者を、1日あたりいくつかの少数個の錠剤で処置してもよいが、典型的には抗パーキンソン病投薬物カクテルが投与される。また、患者を、より連続的なドーパミン作動性刺激により、例えば、Levodopa Carbidopa Intestinal Gel(DUODOPA(登録商標)、DUOPA(登録商標))、アポモルヒネ、DBSおよび/または貼付剤あるいはそれらの組み合わせで処置してもよい。

0083

ドーパミン関連の疾患、障害および病状に対して現在推奨されている治療としては、多くの場合、ドーパミンの投与、投与後に代謝によってドーパミンに変換される前駆体化合物(例えば、レボドパ、メレボドパ、エチレボドパ)の投与、または別の型のドーパミン補充剤の投与が挙げられる。特に、代謝性前駆体であるレボドパは、神経変性のドーパミン関連の疾患、障害または病状、特にPDなどの処置において一般的に投与される。

0084

ドーパミン補充剤
上記のように、多くのドーパミン関連の疾患、障害および病状は、1つ以上の該当する組織または部位におけるドーパミンレベルの低下と関連している。推奨される治療としては、多くの場合、ドーパミンの投与、または投与後に代謝によってドーパミンに変換される前駆体化合物の投与が挙げられる。特に、ドーパミンが血液脳関門を通過しないことを考慮すると、血液脳関門を通過する択一的な薬剤が、神経変性のドーパミン関連の疾患、障害または病状、特にPDなどの処置に特に望ましい。かかる薬剤を本明細書において「ドーパミン補充剤」と称し、例えば、ドーパミンの代謝性前駆体(例えば、レボドパ、メレボドパ、エチレボドパなど、およびそれらの組み合わせ)、ドーパミンアゴニスト(例えば、アポモルヒネ、ブロモクリプチン、カベルゴリン、ジヒドロエルゴクリスチンメシル酸塩、ペルゴリド、ピリベジルプラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチンなど、およびそれらの組み合わせ)、ドーパミン分解をブロックする薬剤(例えば、MAO−B阻害薬、例えば、セレギリン、ラサジリンなど、およびそれらの組み合わせ)および/またはその他の様式でドーパミン生成を刺激する薬剤(例えば、ブジピン)が挙げられる。かかる薬剤の種々の市販の製剤および調製物が当該技術分野で知られており、特定の経口(例えば、カプセル剤もしくは錠剤)、経皮(例えば、貼付剤)、非経口(例えば、皮下、静脈内、髄腔内など、特に、注入用)および/または他の(例えば、ゲル剤、特に、腸内用ゲル剤)製剤が挙げられる。

0085

レボドパ療法は、現在、PDの処置のための標準治療である。
芳香族アミノ酸であるレボドパは、水に溶けにくく、197.2の分子量を有する白色の結晶性化合物である。これは、化学的には(−)−L−α−アミノ−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸と表示される。その実験式はC9H11NO4であり、構造式は:

0086

0087

である。
レボドパは、ドーパミンの代謝性前駆体であるだけでなく、他の神経伝達物質、例えば、ノルエピネフリンノルアドレナリン)およびエピネフリンアドレナリン)(これらはどちらも、ドーパミンと同様、カテコールアミンクラスの構成員である)の代謝性前駆体でもある。

0088

レボドパの、特にPDに苦しんでいる被験体への投薬および投与では課題が提示され得る。個体は、PDの臨床症状を示す前において、脳内のドーパミンニューロンの50〜60%が既に失われており、対応するドーパミン濃度のおよそ70〜80%の低下がもたらされている。疾患初期では、レボドパの短い半減期およびこの経口医薬予測不可能な頻繁な腸内吸収のため血漿レボドパレベルが変動するにもかかわらず、生存しているニューロンがまだ、レボドパを取り込み、これをドーパミンとして貯蔵し、経時的に連続的で比較的一定の様式でゆっくり放出することができる。しかしながら、進行性の疾患では、より多くのドーパミンニューロンが死滅し、この緩衝能は失われている。

0089

したがって、時間とともに患者は、レボドパの有益な効果が数時間しか持続しないことを認識し始め、そのため、運動症状の変動として知られる現象である減衰効果またはウェアリングオフ現象を示す。より多くのドーパミンニューロンが失われるにつれて、患者の臨床応答は、より密接に血中レボドパ濃度の変動に反映され、最終的にレボドパ応答は1時間か2時間しか持続しなくなり得、そのためウェアリングオフとなり得る。この緩衝能の喪失のため、ドーパミン受容体は、血漿レボドパレベルの変動に起因するドーパミン濃度の変動に曝露される。脳内のレボドパ由来ドーパミン濃度が高すぎると患者にジスキネジア(方向転換運動)が起こり、脳内ドーパミン濃度が低すぎるとPD症状が戻る。これにより治療可能時間域が経時的に進行的に狭くなる。患者がジスキネジアを示したら、より多くのドーパミン投薬物を投与するとジスキネジアが増大するが、ドーパミン投薬物を減らすとオフ時間が増え、このときPD症状が戻る。

0090

経口レボドパ製剤で得られる波状的ドーパミン刺激は、従来の徐放経口レボドパ製剤の場合よりいくぶん低減されるにすぎない。有効なレボドパ投与の改善を希望して、択一的な製剤および投薬ストラテジーが探索され続けている。本開示により、改善されたレボドパ投与、特に、DDIとCOMT阻害薬を併用する改善されたレボドパ投与を、具体的には、これらの薬剤の各々に制御された曝露を行う組成物および方法を提供することにより、被験体に対して驚くべき有益性を伴って行うための技術を提供する。さらに、一部の実施形態では、本開示により、本明細書において実証されたような、レボドパ安定性が、一部の実施形態では同じ3種類の薬剤の択一的な製剤と比べた場合であっても驚くほど改善される合剤組成物(例えば、レボドパ、DDIおよびCOMT阻害薬[特に、エンタカポン])の各々を含む組成物を提供する。

0091

一部の実施形態では、本発明により、レボドパは経口投与され得る。一部の実施形態では、本発明により、レボドパは腸内に投与され得る。

0092

一部の実施形態では、本発明により、レボドパは錠剤形式で投与され得る。一部の実施形態では、本発明により、レボドパはゲル剤形式で投与され得る。具体的な一部の実施形態では、レボドパは腸内にゲル剤形式で投与され得る。

0093

レボドパおよびその組成物の種々の投与形式が当該技術分野で知られている。かかる組成物の一例としては、レボドパの代謝性分解と関連している酵素の具体的な阻害薬が挙げられる。例えば、PARCOPA(登録商標)錠はレボドパとカルビドパの両方を含むものであり、舌の上で速やかに分解し、溶解または嚥下補助するための水を必要としないことを特徴とするものであり;SINEMET(登録商標)およびSINEMET(登録商標)CRはレボドパとカルビドパを含む徐放錠剤であり;KINSON(登録商標)錠はレボドパとカルビドパの両方を含むものであり;MADOPAR(登録商標)錠はレボドパとベンセラジド塩酸塩を含むものであり;STALEVO(登録商標)はレボドパ、カルビドパおよびエンタカポンを含む錠剤である。

0094

さらに、DUODOPA(登録商標)は、レボドパとカルビドパを4対1の比率の組み合わせで含む腸内用ゲル剤であり、レボドパの連続的な腸内注入をもたらすと報告されている。このゲル剤形式の使用は、経口製剤で観察されるものと比べて、患者(例えば、進行PDを有する)の運動症状の変動を低減させ、「オン」時間を長くすると報告されている。運動症状の変動および運動過剰症/ジスキネジアは、DUODOPA(登録商標)を受けている患者では低減され(経口治療を受けている患者と比べて)、これは、レボドパの血漿濃度が治療可能時間域において安定したレベルで維持されるためであると考えられる。DUODOPA(登録商標)は、挿入管によって十二指腸内に直接投与される。レボドパは、腸から高容量アミノ酸輸送系を経由して速やかに有効に吸収される。レボドパは、DUODOPA(登録商標)ゲル剤によって投与した場合、錠剤で投与した場合と同じバイオアベイラビリティ(81〜98%)を有する。しかしながら、個体における血漿レボドパ/ドーパミン濃度の差異は、レボドパをDUODOPA(登録商標)ゲル剤によって投与した場合の方がかなり小さく(錠剤による場合と比べて);かかる小さい差異は、吸収速度に対する胃内容排出速度の影響を回避するDUODOPA(登録商標)ゲル剤によってもたらされる連続的腸内投与によるものであり得ることが提案されている。DUODOPA(登録商標)腸内用ゲル剤のの最初の用量を高くすると、レボドパ/ドーパミンは10〜30分以内に治療的血漿レベルに達する。

0095

レボドパの入手可能な具体的な医薬組成物、例えばSTALEVO(登録商標)錠は、例えば、米国特許第6,500,867B1号および同第6,797,732B2号に記載されている。レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンを含む経口医薬組成物が、WO2008/053297、WO2012/147099、US2006/0222703およびWO2009/098661に開示されている。レボドパの特定のゲル剤組成物、特に腸内用ゲル剤形式、例えば、DUODOPA(登録商標)は、例えば、US5,635,213およびEP0670713B1に記載されている。

0096

PARCOPA(登録商標)の医療専門家向け添付文書には、これが3種類の有効性成分含量で供給されることが示されている:PARCOPA(登録商標)25/100は25mgのカルビドパと100mgのレボドパを含有し;PARCOPA(登録商標)10/100は10mgのカルビドパと100mgのレボドパを含有し;PARCOPA(登録商標)25/250は25mgのカルビドパと250mgのレボドパを含有する。不活性成分アスパルテーム、クエン酸、クロスポビドンステアリン酸マグネシウムマンニトール微晶質セルロース天然および人工ミントフレーバーならびに重炭酸ナトリウムである。また、PARCOPA(登録商標)10/100と25/250には、FD&Cブルー#2HTアルミニウムレーキも含有されている。また、PARCOPA(登録商標)25/100には黄色酸化鉄10も含有されている。PARCOPA(登録商標)は、特発性パーキンソン病(振戦麻痺)、脳炎パーキンソニズムおよび症候性パーキンソニズム(後に、一酸化炭素中毒および/またはマンガン中毒による神経系に対する傷害が起こり得る)の症状の処置に指示される。PARCOPA(登録商標)は、このような病状において、低用量でのレボドパの投与を可能にするために指示され、悪心および嘔吐が少なくなり、より速やかに投薬量調整され、いくぶん応答が円滑になり、ピリドキシンビタミンB6)が補給される。推奨される投薬は、1錠のPARCOPA(登録商標)25/100を1日3回から開始することを伴うものである。この投薬スケジュールにより1日あたり75mgのカルビドパがもたらされる。投薬量を、必要に応じて毎日または1日おきに1錠ずつ、PARCOPA(登録商標)25/100の投薬量が1日あたり8錠まで増やしてもよい。PARCOPA(登録商標)10/100を使用する場合、投薬量は、1錠を1日3回または4回から開始され得る。しかしながら、これでは、多くの患者で充分な量のカルビドパがもたらされない。投薬量を、毎日または1日おきに1錠ずつ、合計8錠(2錠を1日4回)まで増やしてもよい。

0097

SINEMET(登録商標)錠に備えられる医療専門家向け添付文書には、これが「カルビドパとレボドパの合剤」であると記載されており、「パーキンソン病の処置」に対して指示される。SINEMET(登録商標)錠は25mgのカルビドパと100mgのレボドパを含有しており、1日3回投与される。投薬量を、必要に応じて毎日または1日おきに1錠ずつ、最大日用量の8錠まで増やしてもよい。SINEMET(登録商標)は、別の様式でレボドパに曝露されている被験体には投与しないのがよい;SINEMET(登録商標)投薬は、他のレボドパの投与の中止後、少なくとも12時間までは開始しないのがよい。

0098

KINSON(登録商標)錠の医療専門家向け添付文書には、これが100mgのレボドパと25mgの無水カルビドパを含有していると示されている。また、その錠剤には以下の不活性成分:微晶質セルロース、トウモロコシデンプンデンプングリコール酸ナトリウム、精製タルク、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、キノリン黄色CI47005が含有されている。KINSON(登録商標)錠は、PDおよびパーキンソン症候群の処置に承認されている。これは、パーキンソニズムの症状の多く、特に筋固縮および運動緩徐の軽減に有用であると言われており、また、多くの場合で、パーキンソン病およびパーキンソン症候群と関連している振戦、嚥下障害流涎症および姿勢動揺マネージメントの一助になるとも報告されている。多くの他のレボドパ/カルビドパ合剤製剤品と同様、KINSON(登録商標)は、他のレボドパ療法を受けている患者への投与は推奨されない;レボドパ投与は、KINSON(登録商標)での治療の開始の少なくとも12時間前には中止するのがよい。用量が個々の各患者に対して個別調整されるように用量調整した投薬が推奨されるが、末梢ドーパミン脱炭酸酵素はおよそ70〜100mg/日のカルビドパによって飽和状態になること、およびこの量より少ない量を受けている患者は悪心および嘔吐をより起こし易いことに注意されたい。

0099

医療専門家向け添付文書によれは、MADOPAR(登録商標)は、「ベンセラジド塩酸塩/レボドパ」を含有している「パーキンソン病に使用される薬」であると記載されている。MADOPAR(登録商標)錠には50mgのレボドパおよび12.5mgのベンセラジド塩酸塩が含有されており;推奨投薬量は1日4〜8個のカプセル剤である。

0100

STALEVO(登録商標)錠に備えられる医療専門家向け添付文書には、これが「カルビドパ、レボドパおよびエンタカポンの合剤」であると記載されており、「パーキンソン病の処置」における使用のためのものであると示されている。STALEVO(登録商標)錠には50mgのカルビドパ,200mgのレボドパおよび200mgのエンタカポンが含有されており;最大推奨投薬量は24時間の時間内で6個の錠剤である。

0101

DUOPOPA(登録商標)に備えられる医療専門家向け添付文書には、このゲル剤には、ゲル剤1mLあたり20mgのレボドパおよび5mgのカルビドパ一水和物が含有されていると示されている。不活性成分はカルメロースナトリウムおよび精製水を含む。DUOPOPA(登録商標)は、米国において、最適化された経口処置にもかかわらず重度の運動症状の変動を伴う進行した特発性パーキンソン病の処置に承認されている。永続的に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)チューブを挿入する前に一時的経鼻十二指腸挿管により投与したDUOPOPA(登録商標)に対するプラスの臨床応答を確認することが推奨されている。また、DUOPOPA(登録商標)を患者の小腸に直接送達してもよい。DUOPOPA(登録商標)は、日中に連続腸内投与することが意図されている。携帯ポンプ(特に、CADD−レガシーDUOPOPA(登録商標)ポンプ(CE 0473))により十二指腸内に直接、経腹腔アウターチューブおよび腸内インナーチューブを用いた経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)による永続的チューブによって投与することが、特に長期投与では推奨される。あるいはまた、なんらかの理由でPEGが適さない場合、放射線医学胃空腸吻合術が考慮され得る。永続的挿管での処置を開始する前に、一時的
経鼻十二指腸挿管を用いて、患者がこの処置方法に対して都合よく応答するかどうかを調べ、用量を調整することが推奨される。用量は典型的には、個々の患者に対して至適臨床応答(これは、オフエピソード回数およびオフ時間(運動緩徐)を最小限にすること、および身体障害性のジスキネジアを伴うオン時間を最小限にすることにより日中の機能オン時間を最大限にすることを意味する)となるように調整される。少なくとも最初は、DUOPOPA(登録商標)を最初は単独治療で投与する(すなわち、同時に他の治療を受けていない被験体に投与する)ことが推奨される。

0102

一部の実施形態では、本開示により、レボドパの腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかる組成物は、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約35mg/ml、約40mg/ml、約45mg/ml、約50mg/ml、約55mg/ml、約60mg/ml、約65mg/ml、約70mg/ml、約75mg/ml、約80mg/ml、約85mg/ml、約90mg/ml、約95mg/ml、約100mg/ml、約105mg/ml、約110mg/ml、約115mg/ml、約120mg/ml、約125mg/ml、約130mg/ml、約135mg/ml、約140mg/ml、約145mg/ml、または約150mg/mlのレボドパを含むものである。一部の実施形態では、かかる組成物は、約、10mg/ml〜約150mg/ml、10mg/ml〜約140mg/ml、10mg/ml〜約130mg/ml、10mg/ml〜約120mg/ml、10mg/ml〜約110mg/ml、10mg/ml〜約100mg/ml、約10mg/ml〜約90mg/ml、約10mg/ml〜約85mg/ml、約10mg/ml〜約80mg/ml、約10mg/ml〜約75mg/ml、約10mg/ml〜約70mg/ml、約10mg/ml〜約65mg/ml、約10mg/ml〜約60mg/ml、約10mg/ml〜約55mg/ml、約10mg/ml〜約50mg/ml、または約20mg/ml〜約50mg/mlのレボドパを含むものである。

0103

一部の実施形態では、本開示により、レボドパの経口投与のための医薬組成物が提供または使用され得る。一部の実施形態では、かかる組成物は、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mgまたは約300mgのレボドパを含むものである。

0104

ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬(DDI)
レボドパは、体内での半減期が30〜60分間と短く、レボドパが単独で摂取されると、レボドパが脳に達する前に90%より多くがドーパミンに代謝される。したがって、レボドパを投与するための多くのプロトコルは大用量での投与を伴うものであり、そのため、これにより高い脳外ドーパミン濃度がもたらされ、これは、多くの場合、悪心および他の有害な副作用を伴い得る。したがって、レボドパのバイオアベイラビリティを高めるため、およびその副作用を低減させるため、レボドパは、通常、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬(DDI)、典型的には、カルビドパ(L−2−ヒドラジノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン酸)またはベンセラジド(DL−2’−(2,3,4−トリヒドロキシベンジルセリンヒドラジド)(脳外でのレボドパのドーパミンへの変換を阻害し、血液脳関門を通過しない)と並存的に投与される。

0105

カルビドパ
芳香族アミノ酸の脱炭酸阻害薬であるカルビドパは、水に溶けにくく、244.2の分子量を有する白色の結晶性化合物である。これは、化学的には(−)−L−α−ヒドラジノ−α−メチル−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸一水和物と表示される。

0106

カルビドパは、多くの場合、一水和物の形態(これは226.3の分子量を有する)で存在する、および/または使用される。その実験式はC10H14N2O4×H2Oであり、構造式は:

0107

0108

である。
多くの実施形態において、重量基準または重量パーセントでのカルビドパの量に対する言及は、カルビドパ一水和物の重量(または重量パーセント)においてみられる量と理解してよい(すなわち、記載したカルビドパ一水和物の重量に対応する量と理解してよい、またはそう理解されたい)。

0109

カルビドパは、さまざまな投与形式で患者に利用可能である。例えば、カルビドパは、経口錠剤としてLodosynの名称で市販されている。Lodosyn錠は25mgのカルビドパを含有しており、特発性パーキンソン病(振戦麻痺)、脳炎後パーキンソニズムおよび症候性パーキンソニズム(後に、一酸化炭素中毒および/またはマンガン中毒による神経系に対する傷害が起こり得る)の症状の処置において、カルビドパ−レボドパまたはレボドパとの使用に指示される。特に、Lodosynは、カルビドパ−レボドパの投薬量でもたらされるカルビドパが充分な日投薬量(通常、1日70mg)より少ない患者において、カルビドパ−レボドパとともに使用するためのものである。Lodosynは、特に、カルビドパおよびレボドパの必要投薬量について各投薬物の用量調整が個々に必要とされる、時折みられる患者においてレボドパとともに使用するためのものと言われている。Lodosynをカルビドパ−レボドパまたはレボドパとともに使用すると低用量でのレボドパの投与が可能になり、その他の場合の該当する形式/レジメンでのレボドパの投与で観察されるものより悪心および嘔吐が少なくなり、より速やかに投薬量調整され、いくぶん応答が円滑になることが報告されている。しかしながら、レボドパに対する(「オン/オフ」)応答が著しく不規則な患者では、カルビドパの添加による有益性が示されていないことに注意されたい。Lodosynは、用量調整することによって投与するのがよい。ほとんどの患者は、カルビドパの日投薬量が1日あたり70mg以上であるとして、1:10の比率のカルビドパとレボドパに応答性であると言われている。Lodosyn(唯一のカルビドパ源としてであれ、レボドパ/カルビドパ製剤品との併用であれ)を受けている被験体に投与されるべき最大日投薬量は200mgを超えないのがよい。

0110

また、上記で論考したように、カルビドパは、レボドパとの併用で提供される特定の形式(例えば、経口形式および腸内用ゲル剤形式)で利用可能である。

0111

一部の実施形態では、本開示により、カルビドパを含む医薬活性薬剤またはカルビドパからなる医薬活性薬剤を含む(例えば、腸内投与のための)医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、本開示により、医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。特定の実施形態では、本開示により、ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)、COMT阻害薬(例えば、エンタカポン)または両方と併用されるカルビドパを含む、または該カルビドパからなる医薬活性薬剤を含む(例えば、腸内投与
のための)ゲル剤組成物を提供する。

0112

一部の実施形態では、本開示により、約0.5mg/ml、約1.0mg/ml、約1.5mg/ml、約2.0mg/mg、2.5mg/ml、約3.0mg/mg、約3.5mg/mg、約4.0mg/mg、約4.5mg/mg、約5mg/ml、約5.5mg/mg、約6.0mg/mg、約6.5mg/mg、約7.0mg/mg、約7.5mg/ml、約8.0mg/mg、約8.5mg/mg、約9.0mg/mg、約9.5mg/mg、約10mg/ml、約12.5mg/ml、約15mg/ml、約17.5mg/ml、または約20mg/mlのカルビドパを含むゲル剤組成物(例えば、腸内投与のための)が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかる組成物は、約2.5mg/ml〜約25mg/ml、約2.5mg/ml〜22.5mg/ml、約2.5mg/ml〜約20mg/ml、約2.5mg/ml〜約17.5mg/ml、約2.5mg/ml〜約15mg/ml、約2.5mg/ml〜約12.5mg/ml、または約2.5mg/ml〜約10mg/mlのカルビドパを含むものである。

0113

ベンセラジド
ベンセラジドは、257.2の分子量を有する芳香族アミノ酸の脱炭酸阻害薬である。これは、化学的には(RS)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−N’−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)プロパンヒドラジドと表示される。その実験式はC10H15N3O5であり、構造式は:

0114

0115

である。
上記のように、ベンセラジドは市販の特定の医薬製剤品に、特に、上記で論考したようなレボドパとの合剤製剤品(具体的にはMADOPAR(登録商標),また、これは、特定の管轄区域ではPROLOPA(登録商標)として市販されている)に含まれている。

0116

一部の実施形態では、本発明では、ベンセラジドを含有している1種類以上の利用可能な医薬製剤品が使用され得る。しかしながら、特定の実施形態では、本開示により、ベンセラジドが新規なゲル剤組成物に提供および/または使用される。特定の実施形態において、本開示では、例えば腸内用ゲル剤によるベンセラジドの腸内投与を想定している。一部の実施形態では、本開示により、ベンセラジドを含む医薬活性薬剤またはベンセラジドからなる医薬活性薬剤を含む(例えば、腸内投与のための)ゲル剤組成物を提供する。特定の実施形態では、本開示により、ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)、COMT阻害薬(例えば、エンタカポン)または両方と併用されるベンセラジドを含む、または該ベンセラジドからなる医薬活性薬剤を含む(例えば、腸内投与のための)ゲル剤組成物を提供する。

0117

一部の実施形態では、本開示により、ベンセラジドの腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかる組成物は、約2.5mg/ml、約5.0mg/ml、約7.5mg/ml、約10mg/ml、約12.5mg/ml、約15mg/ml、約17.5mg/ml、または約20mg/mlのベンセラジドを含むものである。一部の実施形態では、かかる組成物は、約2.5mg/ml
〜約25mg/ml、約2.5mg/ml〜22.5mg/ml、約2.5mg/ml〜約20mg/ml、約2.5mg/ml〜約17.5mg/ml、約2.5mg/ml〜約15mg/ml、約2.5mg/ml〜約12.5mg/ml、または約2.5mg/ml〜約10mg/mlのベンセラジドを含むものである。

0118

一部の実施形態では、本開示により、ドーパミン脱炭酸酵素阻害薬の腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかるものは、約2.5mg/ml、約5.0mg/ml、約7.5mg/ml、約10mg/ml、約12.5mg/ml、約15mg/ml、約17.5mg/ml、または約20mg/mlの1種類以上のドーパミン脱炭酸酵素阻害薬を含むものである。一部の実施形態では、かかる組成物は、約2.5mg/ml〜約25mg/ml、約2.5mg/ml〜22.5mg/ml、約2.5mg/ml〜約20mg/ml、約2.5mg/ml〜約17.5mg/ml、約2.5mg/ml〜約15mg/ml、約2.5mg/ml〜約12.5mg/ml、または約2.5mg/ml〜約10.0mg/mlの1種類以上のドーパミン脱炭酸酵素阻害薬を含むものである。

0119

一部の実施形態では、本開示により、DDIの経口投与のための医薬組成物が提供または使用され得る。一部において、組成物は約12.5mg〜約75mgの1種類以上のDDIを含むものである。

0120

カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬
一部の実施形態では、本発明の特色として、COMT阻害薬をゲル剤組成物で、特に腸内用ゲル剤組成物で、任意選択で1種類以上の他の活性薬剤(例えば、レボドパおよび/またはDDI)との併用で投与することによって特定の有益な効果が得られ得る、および/または問題が回避され得ることの認識が挙げられる。本開示により、例えば、COMT阻害薬の医薬用ゲル剤組成物での腸内投与は、ドーパミン前駆体での治療、特にレボドパでの治療を受けている被験体にとって特別な有益性を有することが示される。

0121

一部の実施形態では、かかる投与により、レボドパの投与のための他の形式および/またはレジメン(例えば、単独、DDI(例えば、カルビドパ)との併用および/または異なる形式)で必要とされるものと比べて被験体のレボドパへの曝露の低減が可能になる。

0122

択一的または付加的に、かかる投与により、レボドパとDDI(例えば、カルビドパ)での治療を受けている被験体においてマイナスの効果(例えば、ヒドラジンレベル)が低減され得る。なおさらには、本開示により、具体的には、COMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を組成物に含めた場合、特定のゲル剤組成物で改善された保存安定性特性が示される。

0123

一部の態様では、本開示により、レボドパとカルビドパを含有する医薬用ゲル剤組成物のかかる改善された保存安定性特性が確立される;すなわち、本開示により、レボドパとカルビドパを含むゲル剤組成物にCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を含めた場合、COMT阻害薬はないがその他の点では同等の組成物と比べて、かかる改善された保存安定性特性が示される。本開示を読むと当業者には理解されるであろうが、本明細書において例示している本所見は、COMT阻害薬、DDI阻害薬および/またはドーパミン前駆体の他の合剤にも合理的に一般化され得る。

0124

なおさらには、本開示により、ドーパミン前駆体(例えば、レボドパ)、DDI(例えば、カルビドパ)およびCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を含む特定のゲル剤組成物の、かかる組成物の腸内投与によりドーパミン前駆体のバイオアベイラビリティが、他の形式の同等の合剤で観察されるものより大きい程度まで高まるという驚くべき特色が
記録される。

0125

PDの患者では、レボドパは、末梢投与後も、酵素カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって3−O−メチルドパ(3−OMD;3−メトキシ−4−ヒドロキシ−L−フェニルアラニン)に直接代謝され得る。体内でのレボドパの半減期をさらに長くするため、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害薬、典型的にはエンタカポン((2E)−2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−N,N−ジエチルプロプ−2−エンアミド)がレボドパとカルビドパとともに投与されている。カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬としてのエンタカポンは、欧州特許第0444899B1号に記載されている。レボドパ/カルビドパ投薬物の添加剤として使用される別のCOMT阻害薬はトルカポン(3−ジヒドロキシ−4’−メチル−5−ニトベンゾフェノン)である。レボドパに対するアドオン治療のための最近開発されたCOMT阻害薬はオピカポン(2,5−ジクロロ−3−[5−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル]−1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)−4,6−ジメチルピリジン−1−オキシド)である。

0126

カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬であるエンタカポンは、305.3の分子量を有するニトロカテコール構造の化合物である。エンタカポンの化学名は(E)−2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−N,N−ジエチル−2−プロペンアミドである。その実験式はC14H15N3O5であり、構造式は:

0127

0128

である。
一部の実施形態では、本開示により、エンタカポンの腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかる組成物は、約5.0mg/ml、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約35mg/ml、約40mg/ml、約45mg/ml、約50mg/ml、約55mg/ml、約60mg/ml、約65mg/ml、約70mg/ml、または約75mg/mlのエンタカポンを含むものである。一部の実施形態では、かかる組成物は、約5.0mg/ml〜約100mg/ml、約5.0mg/ml〜約90mg/ml、約5.0mg/ml〜約85mg/ml、約5.0mg/ml〜約80mg/ml、約5.0mg/ml〜約75mg/ml、約5.0mg/ml〜約70mg/ml、約5.0mg/ml〜約65mg/ml、約5.0mg/ml〜約60mg/ml、約5.0mg/ml〜約55mg/ml、約5.0mg/ml〜約50mg/ml、約5.0mg〜約45mg/ml、約5.0mg/ml〜約40mg/mlのエンタカポンを含むものである。

0129

一部の実施形態では、本開示により、エンタカポンの経口投与のための医薬組成物が提供または使用され得る。一部の実施形態では、かかる組成物は約12.5mg〜約250mgのエンタカポンを含むものである。

0130

オピカポンは、413.17の分子量を有するカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬である。オピカポンの化学名は(4Z)−4−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシドピリジン−1−イウム−3−イル)−2H−1,2,4−オキサジアゾル−5−イリデン]−2−ヒドロキシ−6−ニトロシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−オンである。その実験式はC15H10Cl2N4O6であり、構造式は

0131

0132

である。
一部の実施形態では、本開示により、オピカポンの腸内投与のための医薬用ゲル剤組成物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかる組成物は、約0.5mg/ml、約1.0mg/ml、約1.5mg/ml、約2.0mg/ml、約2.5mg/ml、約3.0mg/ml、約4.0mg/ml、約5.0mg/ml、約6.0mg/ml、約7.0mg/ml、約8.0mg/ml、約9.0mg/ml、または約10mg/mlのオピカポンを含むものである。一部の実施形態では、かかる組成物は、約0.5mg/ml〜約10mg/ml、約0.5mg/ml〜約9.0mg/ml、約0.5mg/ml〜約8.5mg/ml、約0.5mg/ml〜約8.0mg/ml、約0.5mg/ml〜約7.5mg/ml、約0.5mg/ml〜約7.0mg/ml、約0.5mg/ml〜約6.5mg/ml、約0.5mg/ml〜約6.0mg/ml、約0.5mg/ml〜約5.5mg/ml、または約0.5mg/ml〜約5.0mg/mlのオピカポンを含むものである。

0133

一部の実施形態では、本開示により、オピカポンの経口投与のための医薬組成物が提供または使用され得る。一部の実施形態では、かかる組成物は約10mg〜約100mgのオピカポンを含むものである。

0134

トルカポンは、273.2の分子量を有するカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬である。オピカポンの化学名は(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)(4−メチルフェニルメタノンである。その実験式はC14H11NO5であり、構造式は

0135

0136

である。
一部の実施形態では、本開示により、トルカポンの腸内投与のための医薬用ゲル剤組成
物が提供および/または使用される。一部の実施形態では、かかる組成物は、約5.0mg/ml 約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約35mg/ml、約40mg/ml、約45mg/ml、約50mg/ml、約55mg/ml、約60mg/ml、約65mg/ml、約70mg/ml、または約75mg/mlのトルカポンを含むものである。一部の実施形態では、かかる組成物は、約10mg/ml〜約100mg/ml、約10mg/ml〜約90mg/ml、約10mg/ml〜約85mg/ml、約10mg/ml〜約80mg/ml、約10mg/ml〜約75mg/ml、約10mg/ml〜約70mg/ml、約10mg/ml〜約65mg/ml、約10mg/ml〜約60mg/ml、約10mg/ml〜約55mg/ml、約10mg/ml〜約50mg/ml、または約5.0mg/ml〜約40mg/mlのトルカポンを含むものである。

0137

一部の実施形態では、本開示により、トルカポンの経口投与のための医薬組成物が提供または使用され得る。一部の実施形態では、かかる組成物は約12mg〜約75mgのトルカポンを含むものである。

0138

内用組成物
例えば、レボドパ投与の副作用の1つ以上(例えば、ジスキネジア)を低減させること、および/または「オフ期間」の頻度および/または長さを低減させることを希望して、医薬組成物中のレボドパの安定性を改善するため、および/またはその送達の粘稠度を改善するために一定の試みがなされている。

0139

例えば、上記で論考したように、注入技術が開発されており(特に、末期のPD患者の処置のための)、これによれば、レボドパは、外部ポンプによる注入によって連続的に、および小腸部分(例えば、十二指腸または空腸)に直接投与され、ここでレボドパの大部分が吸収される。かかるアプローチでは、より連続的な血漿レベルがもたらされると考えられており、これはさらに、オフ期間とジスキネジアの両方の低減を得ることが意図されている。また、薬物の非生理学的は断続的投与によるものであるため、連続的な送達により運動合併症が低減され得ることが知られている(Olanow et al,www.thelancet.com/neurology,Vol 13,P 141−149,2014)。しかしながら、レボドパおよびカルビドパの水溶性が低いため、大容量のレボドパ/カルビドパ液剤を使用しなければならず、これは、患者にとって厄介であり、非現実的であった。

0140

開発された他の技術としては、例えば、EP1670450B1に記載されているような、クエン酸とEDTAによって安定化させたレボドパとカルビドパの液状組成物が挙げられる。

0141

さらに、上記で論考したように、微粉化されたレボドパとカルビドパをメチルセルロース増粘剤ゲル中に懸濁させた腸内用ゲル剤技術が開発されており、この組成物は十二指腸内注入によって十二指腸に直接送達される。具体的には、20mg/mlのレボドパと5mg/mlのカルビドパを含有する十二指腸内注入のための腸内用ゲル剤が商標名DUODOPA(登録商標)で市販されている。十二指腸内投与のためのかかる医薬製剤は、US5,635,213およびEP0670713B1に開示されている。レボドパ/カルビドパの24時間の長時間腸内投与がWO2007/138086A1に開示されている。DUODOPA(登録商標)は、他のレボドパ形式で観察されるものと比べて水性媒体中におけるレボドパの化学的安定性の改善を示す/もたらすと報告されている。また、DUODOPA(登録商標)は、有益な粒子分布(例えば、沈降がない)特性を有し、PDの処置に有用とも報告されている。

0142

本開示により、DUODOPA(登録商標)と比べたとしても改善を示す特定の組成物および治療レジメンを提供する。一部の実施形態では、例えば、提供する組成物(例えば、具体的には、DUODOPA(登録商標)と同様、レボドパとカルビドパの両方を含む医薬用ゲル剤組成物)は、さらにCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を含んでいる。したがって、一部の実施形態では、本開示により、ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)、DDI(例えば、カルビドパ)または両方との併用でCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を含む医薬活性薬剤または該COMT阻害薬(例えば、エンタカポン)からなる医薬活性薬剤を含む(例えば、腸内投与のための)ゲル剤組成物を提供する。

0143

数ある中でも、本開示により、レボドパの保存および/または投与のための医薬品形式としてのDUODOPA(登録商標)に伴う問題の原因を特定する。具体的には、本開示では、DUODOPA(登録商標)が有する貯蔵寿命は比較的短いことを認識している(例えば、冷蔵庫内(例えば、2〜8℃)で15週間、室温(例えば、25℃)で16時間)。DUODOPA(登録商標)は、貯蔵寿命を長くするために凍結保存することすら推奨されている。例えば、1つの薬物カセットは16時間までしか使用することができない。

0144

DUODOPA(登録商標)の十二指腸内投与は、場合によっては、レボドパのバイオアベイラビリティを高めることができるエンタカポンの経口投与と併用される場合があり得ることが報告されている(https://www.medicines.org.uk/emc/medicine/20786,前回閲覧は2015年9月3日)。しかしながら、本開示により、血漿薬物レベルが上記で論考したように経口医薬の予測不可能な腸内吸収のため変動することを考慮して、かかるストラテジーに伴う問題の原因を特定する。したがって、本開示では、エンタカポンの経口投与で一貫性のある成果を得ることは難題であり得ることを認識し、したがって、さらに、レボドパ、DDIおよびエンタカポンの3剤合剤の投与のための改善されたストラテジーが望ましいものであり、開発することができることを認識している。

0145

レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンをアルギニンおよび任意選択でメグルミンと一緒に含む、とりわけ十二指腸内投与のための安定な液状組成物がWO2012/0666538に開示されている。

0146

本開示は、COMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を含めた(例えば、腸内投与のための)特定のゲル剤組成物を提供および使用することにより特定の有益な効果が得られ得るという洞察、さらに、特定のかかるゲル剤組成物、例えば、該組成物中に含まれた医薬活性薬剤がドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)、DDI(例えば、カルビドパ)およびCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン)の組み合わせを含むもの、または該組み合わせからなるものであるゲル剤組成物は、これらの薬剤の一部または全部を含む他の利用可能な形式と比べて、特定の予想外の有益な特性を有するという洞察を包含している。例えば、数ある中でも、本開示により、提供する3剤型ゲル剤組成物によって他の形式と比べて安定な血漿薬物レベルおよび長い貯蔵寿命がもたらされ得ることを示す。

0147

一部の実施形態では、本発明によって提供する組成物は、これまでに知られているレボドパ/カルビドパ腸内用ゲル剤(以下、「LCIG」と略記)、例えば、DUODOPA(登録商標)とは異なる。数ある中でも、一部の実施形態では、提供する組成物は、例えば、含まれた活性薬剤の安定性が、かかる薬剤を含む他の組成物(例えば、DUODOPA(登録商標))と比べて改善されていることを特徴とするものである。一部の実施形態では、提供する組成物は、患者に対して、含まれた活性薬剤の1種類以上が、該薬剤を含む他の利用可能な組成物に存在する、および/または該組成物で行われるものより低いまたは少ない頻度用量で投与されるように含有され得る、および/または投与され得る。

0148

具体的な一部の実施形態では、提供する組成物は、腸内用ゲル剤であるかまたは腸内用ゲル剤を含むものであり、レボドパ、DDIおよびCOMT阻害薬を含むものである。具体的な一部の実施形態では、提供する組成物は、1種類以上の腸内用ゲル剤に記載された1種類以上の参照組成物および/またはDUODOPA(登録商標)として市販されている1種類以上の参照組成物と実質的に類似しているがエンタカポンなどのCOMT阻害薬が含まれているという点でかかる参照組成物とは異なる腸内用ゲル剤組成物である。

0149

LCIGと比較すると、本発明の一部の特定の実施形態によるCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン、オピカポン、トルカポン)を含んでいることにより、毎日のレボドパ摂取量が約10〜30%低減され得、それにより、患者にレボドパ関連の副作用、例えばジスキネジアおよび運動症状の変動が発生し得るリスクが低減され得る。

0150

また、レボドパ摂取量の低減は非常に望ましい。報告されている神経系検査異常は、LCIG注入で処置した患者の方が経口処置患者よりも重度である。神経障害性の変化の重症度の度合いはレボドパの用量の増大と相関している。

0151

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物によるCOMT阻害薬(例えば、エンタカポン、トルカポン)の投与により、制御されたエンタカポンまたはトルカポンの送達がもたらされ得る。一部の実施形態では、エンタカポンまたはトプルカポンの別個の経口投与がLCIG投与と併用され得る。

0152

一部の実施形態では、本開示により、DDIとレボドパの医薬組成物が提供または使用され得る。一部の実施形態では、かかる組成物におけるDDI対レボドパの重量比は約1:20〜約1:2、約1:15〜約1:2、約1:10〜約1:2、約1:8〜約1:4、約1:5〜約1:3、約1:15〜約1:8または約1:12〜約1:0である。一部の実施形態では、かかる組成物におけるDDI対レボドパの重量比は約1:12、約1:11、約1:10、約1:9、約1:8、約1:7、約1:6、約1:5、約1:4、約1:3または約1:2である。

0153

一部の実施形態では、本開示により、COMT阻害薬とレボドパの医薬組成物が提供または使用され得る。一部の実施形態では、かかる組成物におけるCOMT阻害薬対レボドパの重量比は約10:1〜約0.5:1、約8:1〜約4:1、約5:1〜約3:1、約5:1〜約0.5:1、約3:1〜約0.5:1または約2:1〜約0.5:1である。一部の実施形態では、かかる組成物におけるCOMT阻害薬対レボドパの重量比は約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1または約0.5:1である。

0154

一部の実施形態では、提供するゲル剤形式は、医薬活性成分(例えば、レボドパ、DDIおよびCOMT阻害薬)が、本明細書に定義している中程度の剪断速度で少なくとも約300mPasの粘度を有する水性担体中に懸濁された粒子の形態で存在している半固形組成物である。

0155

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物の活性成分の粒子は、約80μm、約60μm、約40μmまたは約20μmを超えない最大粒径を有するものであり得る。粒子は微粉化されたものであってもよい。さらに、水性担体は、中程度の剪断速度(20〜500秒−1)で少なくとも300mPas、通常、300〜5000Pasの範囲の粘度を有するものである。

0156

一部の実施形態では、担体は、アジテーション中に粘度が低下し、そのため液状水性担
体のポンプ輸送が容易になるように塑性または塑性の性質を有するものであってもよい。

0157

一部の実施形態では、水性担体は通常、多糖型、例えば、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、キサンタンガム、カラギーナン、または合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンもしくはポリアクリル酸など、それらの組み合わせの薬学的に許容され得るコロイド、水溶性もしくは水膨潤性のコロイドの分散体または溶液である。

0158

一部の実施形態では、ゲル剤組成物の粘度は、活性成分の薬物負荷量が沈降の傾向なく担持されるのに充分に高いものであり得る。一部の実施形態では、粘度は、ゲル剤を、例えば、医用移動式ポンプで(例えば、妥当バッテリー消費量で)ポンプ輸送することが可能であるように高すぎないのがよい。

0159

一部の特定の実施形態では、好適な粘度は、使用するコロイドの分子量を好適な範囲内に調整すること、例えば、重合度を調整することによって得られ得る。一部の実施形態では、粘度は、水性系におけるコロイドの好適な濃度を選択することによって調整され得る。

0160

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物の粘度は少なくとも約1800mPas、または約2200〜約4500mPasの範囲であり得る。

0161

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、さらに、他の成分を含むものである。例えば、一部の実施形態では、かかる組成物は、1種類以上の医薬活性でない成分を含むものであり得る。一部の実施形態では、該他の成分は、金属キレート剤、保存料、賦形剤、界面活性剤エモリエント剤、バッファーおよびその組み合わせからなる群より選択され得る。

0162

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、さらに1種類以上のドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン、カベルゴリン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、アポモルヒネ、ジヒドロエルゴクリスチンメシル酸塩、ピリベジル)を含むものである。ドーパミンアゴニストは、ドーパミンの非存在下でドーパミン受容体を活性化させ、脳内でのドーパミンの機能を模倣させるものである。

0163

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、さらに1種類以上のモノアミン酸化酵素B型(MAO−B)阻害薬(例えば、ラサジリン、セレギリン)を含むものである。モノアミン酸化酵素B型(MAO−B)は脳内でドーパミンを分解し、生物起源および生体異物アミン酸化的脱アミノ化を触媒する。

0164

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、さらに1種類以上の抗コリン作用薬(例えば、抗ヒスタミン薬トロピン、トロピン誘導体(例えば、トロピンのエーテル))を含むものである。抗コリン作用薬は、神経細胞内アセチルコリンがその受容体に結合するのをブロックし、したがって、神経系内のアセチルコリンを阻害するものである。

0165

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、さらに1種類以上のグルタミン酸拮抗薬を含むものである。

0166

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、さらに1種類以上のアマンタジンまたはアマンタジン誘導体を含むものである。

0167

腸内用ゲル剤組成物は、担体を水と混合してゲルを形成し、次いで、活性成分(例えば、レボドパ、DDIおよびCOMT阻害薬)を水性担体中に、当業者によく知られた方法および装置を用いて微細分散させることにより調製され得る。調製された製剤は次いで、腸内(例えば、十二指腸内)投与のための適当な容器内に分注される。

0168

腸内用ゲル剤組成物は、腸内投与(例えば、腸(例えば、十二指腸もしくは空腸)内に直接)によって、直接空腸造瘻術によって、または経皮内視鏡的胃瘻造設術によって投与され得る。

0169

一部の実施形態では、該ゲル剤は、携帯型ポンプ(例えば、蠕動またはシリンジ型)により投与される。例示的な蠕動ポンプは、商標名CADD−Legacy DUODOPA(登録商標)ポンプ(Smiths Medical,MN,U.S.A.)で販売されているものである。該ゲル剤を、送達系を作出するためにポンプに取り付けたカセットパウチまたはバイアルに内包させてもよい。この送達系は、腸内投与のための十二指腸チューブまたは空腸チューブに接続される。シリンジ型送達系の一例は、商標名Cane
Crono Infusion Pump(Applied Medical Technology Ltd.,Cambridge,U.K.)で販売されている携帯型ポンプである。

0170

一部の実施形態では、本発明の腸内用ゲル剤は、1日あたり約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間までの期間にわたって連続投与され得る。一部の実施形態では、本発明の腸内用ゲル剤は、1日、1週間または1ヶ月間より長く連続投与され得る。

0171

一部の実施形態では、腸内用ゲル剤組成物は、所望の量の1種類以上のその活性薬剤が1日で(例えば、24時間の間に)送達されるように投与される。

0172

安定性
本発明の特定の実施形態の特色の1つは、医薬組成物、特に腸内用ゲル剤組成物の保存安定性または貯蔵寿命に関する。

0173

先行技術の腸内用ゲル剤LCIG(例えば、DUODOPA(登録商標))の冷蔵条件での貯蔵寿命は、基本的にはカルビドパの分解、より具体的には、遺伝毒性であるとみなされている分解産物のヒドラジンレベルによって決定される。

0174

レボドパは、先行技術のLCIGならびに本発明の腸内用ゲル剤組成物において比較的安定であることがわかったが、カルビドパは、さらにエンタカポンを含有している対応する腸内用ゲル剤組成物において約50パーセント速く分解することがわかった。

0175

一部の実施形態では、本発明のレボドパ/カルビドパ/エンタカポンゲル剤組成物により、最終のカルビドパ分解産物(例えば、ヒドラジン)の形成が妨げられるという驚くべき特性がもたらされる。一部の実施形態では、本発明の組成物は、冷蔵条件で長期保存後、先行技術の腸内用ゲル剤LCIG(例えば、DUODOPA(登録商標))と比べて好都合に低いヒドラジンレベル(例えば、約20ppm未満または約30ppm未満)を有するものであり得る。一部の実施形態では、本発明の組成物は、先行技術の腸内用ゲル剤LCIG(例えば、DUODOPA(登録商標))と比べて約50%少ないヒドラジンレベルを有するものであり得る。

0176

一部の実施形態では、かかるゲル剤組成物において、エンタカポンは、COMT阻害薬としての機能を果たすだけでなく、カルビドパの分解におけるヒドラジン形成阻害薬とし
ての機能も果たす。

0177

例えば冷蔵条件において約10週間、約15週間、約20週間または約25週間の安定性を有するという本発明のレボドパ/カルビドパ/エンタカポン組成物の安定性の増大は、活性成分が依然として有意義な治療効果を有するものとする場合、異なる手段によって別々に、または任意選択的に合剤中の2種類以上によって得られ得る。一部の実施形態では、例えば室温(例えば、25℃)で約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約26時間、約28時間または約30時間の安定性を有するという本発明のレボドパ/カルビドパ/エンタカポン組成物の安定性の増大。

0178

本発明の一部の実施形態によれば、腸内用ゲル剤組成物の安定性は、ゲル剤組成物のpHを約5.7より高くならないように(すなわち、5.7以下に)調整することにより増大させ得る。

0179

一般的に、ゲル剤組成物中の活性物質(主に、カルビドパ)の安定性は、pHが下がるにつれて増大する。しかしながら、他方において、ゲル自体の安定性は、pHの低下に伴って低下する(粘度が下がることにより不安定化される)。さらに、ゲル剤組成物のpH値が低すぎることは患者の腸にとって有害である。

0180

本発明の一部の実施形態によれば、活性物質ならびにゲル構造および患者の腸の感受性に関する保存安定性の増大は、pHが約4.5〜約5.7、好ましくは4.5〜5.5の至適範囲内、例えば約5.0となるように注意深く選択することによって得られることがわかった。

0181

一部の実施形態では、pHの酸性調整は、鉱酸塩酸など)または有機酸(例えば、クエン酸もしくはクエン酸バッファー)によって行われ得る。

0182

pHの安定化に択一的または付加的に、酸素の除去によってゲル剤組成物の安定化を行ってもよく、これは、よく知られた方法によって、典型的には窒素ガスパージすることによって行われ得る。

0183

腸内用ゲル剤組成物を安定化させるまた別の方法は、1種類以上の酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸またはクエン酸をゲル剤に導入することである。使用され得る他の酸化防止剤は、当業者によって一般的に知られた酸化防止剤から容易に選択され得よう。

0184

また、ゲル剤組成物を光低減容器内に、例えばアルミニウムバッグ内に保存することも、カルビドパおよびエンタカポンの分解に対していくらかのプラスの効果を有することがわかった。

0185

一部の実施形態では、本発明の腸内用ゲル剤組成物は、約5のpHを有し、窒素ガスで脱酸素化されており、好ましくは遮光容器内に提供されている。

0186

重金属は、カルビドパの分解を触媒することが知られている。先行技術のレボドパ/カルビドパ製剤はEDTA(これは、大きなキレート化特性を有する)によって安定化されることが示されているが、本発明の腸内用ゲル剤組成物の安定性は、驚くべきことに、EDTAによってマイナスに影響されることがわかった。したがって、一部の実施形態では、本発明によって提供されるゲル剤組成物は、好ましくはいずれのキレート剤も含有していないものである。

0187

当業者には、本開示を読むと、エンタカポンが存在する場合(具体的には、腸内投与の
ためのゲル剤組成物中にエンタカポンが存在する場合)の本開示において実証されたカルビドパ安定性の増大は、他のCOMT阻害薬の存在に、および/または本明細書に記載のゲル剤形式の合剤以外の状況に充分に一般化可能であり得ることが認識されよう。したがって、一部の実施形態では、本開示により、カルビドパとCOMT阻害薬を含む医薬活性薬剤またはカルビドパとCOMT阻害薬からなる医薬活性薬剤を含み、任意選択でさらにレボドパを含む(例えば、腸内投与のための)ゲル剤組成物を提供する。さらに、一部の実施形態では、本開示により、カルビドパの投与をエンタカポン(例えば、腸内投与のためのゲル剤組成物の状況において)または他のCOMT阻害薬の投与(任意選択で、別個の組成物で)と併用する治療レジメンを提供し、これにより、ヒドラジンレベルが(例えば、COMT阻害薬、例えばエンタカポンなしの同等の条件下観察されるものと比べて)低減され得、患者に有益な効果を有する。

0188

併用療法
本明細書に記載のように、本発明により、(a)ドーパミン補充剤;(b)1種類以上のDDIおよび(c)1種類以上のCOMT阻害薬での併用療法を伴う、および/または行う技術を提供する。本明細書に記載のように、多くの実施形態では、本開示は、特定の治療レジメンおよび形式が既に既知のものである個々の薬剤または合剤の薬剤の投与に関する。一部の実施形態では、本開示において実施形態を示した洞察により、かかる既知のレジメンおよび/または形式と比べて少ない投薬(例えば、1日の量、選択された期間における総量および/または投薬頻度が)を内包または包含する組成物および/または投薬レジメンを提供する。

0189

一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のように、(a)ドーパミン補充剤(b)DDI;および(c)COMT阻害薬の各々が同時に、さらには単一の組成物で(例えば、本明細書に記載の腸内用ゲル剤組成物で)投与される。本明細書において示す教示により、当業者に、具体的に例示した実施形態に限定されない洞察および技術(例えば、組成物および方法)がもたらされよう。

0190

例えば、本明細書において示す教示により、当業者に、例えば、(a)ドーパミン補充剤(b)DDI;および(c)COMT阻害薬を、特定の実施形態では別個の組成物で投与してもよいかもしれないことが示される。一部の実施形態では、各々が相違する組成物にされ得る。一部の実施形態では、2種類が単一の組成物で一緒にされ得、第3のものを別個の組成物にする。一例だが具体例を挙げると、当業者であれば、本開示を読むと、DUODOPA(登録商標)と、エンタカポン、および/または別のCOMT阻害薬を含む別個の腸内用ゲル剤組成物との共投与が望ましいであろうことが認識され得よう。

0191

もちろん、当業者には、本明細書において記録された利点のすべてがかかるすべての形式で得られ得るとは限らない、または同レベルで得られ得るとは限らないことがすぐに承知されよう。すなわち、具体的な利点は、少なくとも一部において、単一の組成物内の3種類すべての薬剤の共局在性帰属し得る。しかしながら、当業者にはまた、有意な有益性が、かかる共局在性がない場合であっても得られる場合があり得ることも認識されよう。例えば、例えば、別個のゲル剤の共投与(実質的に同時であるか時間的に離れているかにかかわらず、患者、任意選択で患者の同じ部位[例えば、十二指腸]には3種類すべての薬剤への曝露がなされる)により、他の利用可能な治療ストラテジーと比べて有意な有益性が充分にもたらされ得る。

0192

当業者には、本開示を読むと、一部の実施形態では、使用される具体的な(a)ドーパミン補充剤(b)DDI;および(c)COMT阻害薬の1つ以上の特色に応じた相違する投薬パターンが一部の状況では有益であろうことが具体的に認識されよう。例えば、ある特定の類型の異なる薬剤は異なる半減期および/または他の薬理学的特性を有するもの
であり得、そのため、他の薬剤に対するそれらの投与のタイミングは、望ましくは時差的にするのがよい。一例だが例をあげると、研究により、異なるCOMT阻害薬では異なる薬物動態学的および薬力学的特性が報告されており(例えば、Forsberg et al.,JPET 304:498,2003−02−01参照)、例えば、トルカポンは、エンタカポンよりも長い作用持続期間および良好な脳内浸透を有することが報告されている。具体的には、Forsberg et alには:
静脈内投与(3mg/kg)後、エンタカポンの消失半減期(t1/2β)(0.8時間)はトルカポンのもの(2.9時間)よりも明らかに短かった。トルカポンの線条体/血清比はエンタカポンのものより3倍高かった。単回経口用量(10mg/kg)後、エンタカポンおよびトルカポンはどちらも、末梢組織において等しい最大度合いのCOMT阻害をもたらしたが、トルカポンは、エンタカポンよりも有効に線条体COMTを阻害した。7日間の処置(10mg/kgを1日2回)後、COMT活性は、最後のエンタカポン投与後、8時間以内に対照の67〜101%のレベルまで回復した。トルカポン処置動物では、末梢組織において依然として広範なCOMT阻害が存在し、阻害の度合いも単回用量後に得られるものより高かった。薬物動態学的−薬力学的モデリングにより、達成可能な最大阻害付近でのCOMT阻害の平坦域は、エンタカポンおよびトルカポンのどちらも、2000ng/ml未満の血漿濃度で既に到達することが明らかになった。エンタカポンおよびトルカポンは、ラット肝臓COMTをインビトロで、それぞれ10.7および10.0nMのKi値で等しく阻害した」
と報告されており、その結果により「末梢COMT阻害薬は、トルカポンを12時間間隔で投与した場合に連続的に阻害されることが示唆されるが、これはエンタカポンでは観察されなかった」と結論付けられている。

0193

当業者であれば、このような違いを承知しており、本開示を読むと、例えば、トルカポンはエンタカポンよりも低頻度で投与することが望ましいであろうことが認識され得よう。本開示により、数ある中でも、COMT阻害薬の腸内用ゲル剤投与の具体的な有用性が示されていること、また、(a)ドーパミン補充剤(b)DDI;および(c)COMT阻害薬の各々を含む組成物の特定の利点も示されていることを考慮すると、当業者であれば、本開示により、トルカポンを含む合剤組成物であって(例えば、レボドパ、カルビドパおよびトルカポンの各々を含む組成物)、任意選択でゲル剤形式の、例えば腸内投与のための合剤組成物が提供されることが認識され得、また、一部の実施形態において、COMT阻害薬がトルカポンである場合はエンタカポンと比べて、他の活性薬剤に対するCOMT阻害薬の比率を低くして含めることが望ましいであろうことも認識され得よう。あるいはまた、同等の比率が保持され得るが低頻度の投薬を使用してもよく、任意選択で、例えば、(a)ドーパミン補充剤と(b)DDIが含まれた組成物のさらなる投薬を散在させてもよいかもしれない。

0194

択一的または付加的に、当業者には、本開示を読むと、(a)ドーパミン補充剤(b)DDI;および(c)COMT阻害薬のうちの1種類以上の既に利用可能な形式(例えば、本明細書に記載のようなもの)の状況での投与に本開示の教示が適用され得る程度および/または併用され得る程度が認識されよう。したがって、例えば、一部の実施形態では、本開示によって提供される治療レジメンでは、例えば、COMT阻害薬(例えば、エンタカポン)を(a)ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)および/または(b)DDI(例えば、カルビドパ)との組み合わせで含むゲル剤組成物の利用可能な市販の形式の状況での腸内投与が使用され得る。一部のかかる実施形態では、市販の形式の任意の個々の投薬量(および/または総投薬量)の経路、タイミングおよび/または量は、本明細書において提供するCOMT阻害薬を含むゲル剤組成物の腸内投与と併用する場合、異なるものであり得る。

0195

なおさらには、当業者には、一部の実施形態において、患者が(a)ドーパミン補充剤
;(b)1種類以上のDDIおよび(c)1種類以上のCOMT阻害薬の各々での治療を受ける際に従う本明細書に記載の併用療法を、さらに、1種類以上の他の治療法/治療モダリティと併用してもよいことが容易に認識されよう。いくつかを挙げると、一部の実施形態では、提供する治療は、1種類以上の抗コリン作用薬(例えば、抗ヒスタミン薬、トピンおよび/またはそれらのエステルなど、ならびにその組み合わせ)、1種類以上のグルタミン酸拮抗薬および/または1種類以上のアマンタジン誘導体と併用して投与される。一部の実施形態では、1種類以上のかかる薬剤が本明細書に記載の腸内用ゲル剤に含められる。

0196

バイオアベイラビリティ
一部の実施形態では、本発明は、レボドパ、DDIおよびCOMT阻害薬の合剤を被験体に投与する(ここで、この合剤の1種類以上の該薬剤は、医薬用ゲル剤の腸内投与によって投与される)と、1種類以上の活性薬剤の1つ以上の薬物動態学的特性(例えば、曲線下面積(AUC)、バイオアベイラビリティ(例えば、絶対バイオアベイラビリティ、相対バイオアベイラビリティ)、半減期など)の予想外の改善がもたらされるという洞察を包含している。

0197

数ある中でも、本開示により、提供する組成物および/または方法論によって、ドーパミン補充剤(例えば、レボドパ)のバイオアベイラビリティの有意な改善が得られ得るという驚くべき知見が示される。具体的には、単一の錠剤の(a)レボドパ、(b)カルビドパおよび(c)エンタカポンの3成分合剤での併用療法のこれまでの報告では、レボドパのバイオアベイラビリティは、(a)レボドパと(b)カルビドパを含むが(c)エンタカポンはない、その他の点では同等の錠剤と比べて約10%〜約30%増大し得る(例えば、Summary of Product Characteristics of
STALEVO(登録商標)、http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_−_Product_Information/human/000511/WC500057485.pdf参照,前回の閲覧は2015年9月3日)。以下の表1に、特定の文献で報告された、COMT阻害薬と併用したときのレボドパのバイオアベイラビリティの観察された増大をまとめる:

0198

0199

以下の実施例のセクションを参照すると、特に、実施例4を参照するとわかるように、本開示により、(a)ドーパミン補充剤;(b)DDI;および(a)COMT阻害薬の各々を含む医薬活性薬剤またはこれらからなる医薬活性薬剤を含む特定の本発明のゲル剤組成物(例えば、腸内投与のために製剤化されているゲル剤組成物)によって、レボドパのバイオアベイラビリティの劇的に大きな増大が得られ得るという驚くべき所見が記録され、実際には、40%、45%、50%またはさらには55%より大きな、平均で55%の増大(1.5〜3.0倍の範囲内の改善)が、本明細書に記載の1回の試験でも観察された。

0200

このような注目すべき所見に鑑みると、当業者には、本開示により、レボドパ(および/または場合によっては、1種類以上の他のドーパミン補充剤)の1つ以上の薬物動態学的または薬力学的特性の改善もまた得られる組成物および/または合剤が特定、開発、提供および/または特性評価され得ることが確立されることが認識されよう。本開示により、かかる特定、開発、提供および/または特性評価を得るための技術を提供する。

0201

例えば、一部の特定の実施形態では、当業者により、実施例4に示す手引き(本明細書の以下の本文中に示す)に従って任意のさまざまな異なるDDIおよび/またはCOMT阻害薬薬剤ならびにその組み合わせ(例えば、異なる比率など)が試験され得、モデル生物体またはヒトに投与した場合(および/またはその1つ以上の適切なモデルにおいて評価した場合)の1種類以上のドーパミン補充剤のバイオアベイラビリティおよび/または他のパラメータ(例えば、安定性、半減期、選択された期間でのAUCなど)に対するその効果が評価され得る。

0202

したがって、本開示により、数ある中でも、ドーパミン補充剤、DDIおよびCOMT阻害薬を含む組成物であって、適切な系において適切な参照組成物と比べて評価した場合
にドーパミン補充剤の1つ以上の薬物動態学的および/または薬力学的特色における改善を特徴とする組成物を提供する。一部の実施形態では、適切な参照組成物は、COMT阻害薬はないか、または異なるCOMTを含むものであるか、または同じCOMT阻害薬だが異なる量(ドーパミン補充剤、DDIまたは両方に対して絶対的または相対的のいずれであれ)で含むものであるがその他の点では同等の組成物である。一部の実施形態では、適切な参照組成物は、DDIはないか、または異なるDDIを含むものであるか、または同じDDIだが異なる量(ドーパミン補充剤、COMT阻害薬または両方に対して絶対的または相対的のいずれであれ)で含むものであるがその他の点では同等の組成物である。

0203

一部の実施形態では、適切な改善は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%またはそれ以上の大きさを有する。一部の実施形態では、適切な改善は、少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、5.0倍、5.5倍、6.0倍 6.5倍、7.0倍、7.5倍、8.0倍、8.5倍、9.0倍、9.5倍、10倍またはそれ以上の大きさを有する。

0204

以下に、本発明の腸内用ゲル剤組成物の非限定的な実施形態およびそれとの比較実験を記載する。

0205

実施例

0206

実施例1:組成物
以下に、本発明による腸内用ゲル剤組成物の一実施形態(以下、“LECIGON(商標)”と称する)、および先行技術の市販のレボドパ/カルビドパ腸内用ゲル剤DUODOPA(登録商標)(以下、“LCIG”と称する)、ならびに安定性試験のための改良LECIGON(商標)組成物を用いて実施した実験を記載する。LCIGおよびLECIGON(商標)の組成を以下の表2および3に示す。

0207

0208

0209

表4に示した15種類の例示的な小規模バッチを、後述のようにして製造し、初期評価ならびに種々の保存条件および使用条件における安定性評価のためシリンジに充填した。実験のバッチサイズは100〜500gにした。表4において、APIは医薬品有効成分であり、Lはレボドパであり、Cはカルビドパであり、Eはエンタカポンである。

0210

0211

実施例2:製造方法
試験する腸内用ゲル剤試料の例示的な製造方法を以下に記載する。

0212

1)カルボキシメチルセルロースナトリウムを、パイレックス(登録商標)ビーカー内の精製水に、塊のない粘性の溶液が得られるまで1〜2分間の均一化中に添加した。

0213

2)活性成分のレボドパ、カルビドパおよびエンタカポンを添加し、均一な懸濁剤が得られるまで均一化した。

0214

3)上記の表3に記載のさらなる賦形剤を、均一化中に、溶解するまで添加した。
4)必要であれば、混合中に水酸化ナトリウムまたは塩酸の溶液の添加によってpHを目標値に調整した。

0215

5)手作業で懸濁剤をシリンジに充填した。
実験用バッチの製造に使用するプロセス用機器には、Silverson L5M Homogenizer(Silverson Machines Ltd.,Chesh
am,U.K.)およびIKA Janke & Kunkel RW28W Mixer(IKA Works GmbH,Staufen,Germany)を含めた。

0216

以下の分析機器を物理分析のため、および製造中のプロセス制御において使用した:
pHメータ−Inlab Micro電極を有するMettler Toledo Seven Compact(商標)(Mettler−Toledo Inc.,Columbia,OH,U.S.A.)
粘度計−少量試料用アダプターを有するBrookfield DV−I(商標) Prime(Brookfield Engineering,Middleborough,MA,U.S.A.)
HPLCDAD検出器および冷却インジェクタを有するAgilent 1100;OpenLAB CDS Chemstation C.01.05(Agilent Technologies Inc.,Santa Clara,CA,U.S.A.)

0217

実施例3:安定性試験
この実施例では、種々の条件下での腸内用ゲル剤の安定性を示す。

0218

3.1.不安定化LECIGON(商標)とLCIG(対比)の安定性
不安定化LECIGON(商標)の安定性をLCIGのものとカルビドパの安定性に関して、特に、その分解産物ヒドラジン(これは遺伝毒性であるとみなされている)に関して比較した。ヒドラジンは、3,4−ジヒドロキシフェニルアセトン(DHPA)(こちらの方が測定し易く、したがって、この実験ならびに以下のその他の実験において参照として使用した)と等モル数で形成される。結果を以下の表5に示す。

0219

0220

表5に示されるように、カルビドパは、3剤レボドパ−カルビドパ−エンタカポンゲル懸濁剤(LECIGON(商標))において、対応するレボドパ−カルビドパゲル懸濁剤(LCIG)と比べて約50%速く分解する。

0221

3.2.LECIGON(商標)の安定化
LECIGON(商標)を用いたカルビドパ、レボドパおよびエンタカポンに関する安定化実験を、促進安定性試験において25℃で12日間行った。参照製剤品として、安定化の改良を有しないLECIGON(商標)を使用した。DHPAの測定に加え、さらなるカルビドパ分解産物3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオン酸(DHPPA)ならびに(現時点では)特定されていないエンタカポンの分解産物を測定した。

0222

LECIGON(商標)組成物の以下の安定化の改良を試験し、上記の表4の対応する実験組成物(「実施例」)を括弧で示す:
1.さまざまなpH(実施例6,7)
2.酸化防止剤の添加
a)0.1%のアスコルビン酸(実施例5)
b)0.5%のクエン酸バッファー(実施例12)
c)0.5%のクエン酸(実施例4)
3.酸素の除去
窒素ガス(実施例15)
4.金属イオンの除去
0.05%のEDTA(実施例3)
5.低pHと酸化防止剤の併用(実施例13)
6.酸化防止剤と酸素の除去の併用
a)0.1%のアスコルビン酸と0.05%のEDTA(実施例14)
b)0.5%のクエン酸と0.05%のEDTA(実施例10)
7.アルミニウムバッグ内への封入(実施例8).
結果を以下の表6に示す。結果を、ヒドラジンの低減(DHPA,RRT 7.1)に関してランク付けしている。RRT 8.5はDHPPAであり、RRT 11.8はエンタカポンの分解産物である。レボドパは、すべての組み合わせで安定であった。したがって、表には含めていない。表中、「Carb」はカルビドパであり、「Ent」はエンタカポンである。

0223

0224

3.3.LECIGON(商標)の安定性に対してpHが影響を及ぼす効果
pHは、pH(ガラス)電極を用いて測定した。表示したpHは、最終製剤品の測定値を示す。

0225

上記の表6に示されるように、pHは、カルビドパおよびエンタカポンの両方の安定性に対して最も大きな影響を有するが、その影響は低pHでは小さい。種々のゲル懸濁剤pHでの25℃で10日間の促進安定性試験の終了時に形成された分解産物のレベルを図1(カルビドパ:DHPA)、図2(カルビドパ:RRT 8.5=DHPPA)および図3(RRT 11.8)に示す。

0226

3.4.粘度
上記に示したように、低pHはカルビドパおよびエンタカポンの両方の安定性に対してプラスの影響を有するが、低pHはNaCMCゲルの粘度を低下させる。図4は、種々のゲル懸濁剤pHでの25℃で12日間の促進安定性試験の終了時の粘度の低減レベルを示す。

0227

3.5.LECIGON(商標)の安定性,まとめ
得られた試験結果によれば、最終製剤は低pHを有するものであるのがよい。しかしながら、低pHは2つの大きな欠点を有する。第1に、粘度を低下させ、これによりこの懸濁剤が不安定化(沈降)し、pHが小さくなるほどゲルの分解が急速になり、第2に、低pHにより投与部位の腸に刺激が引き起こされ得る。12日後、最大1000cPの粘度低下が許容範囲であり得、これは約4.9〜5.0のpHに対応する。

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