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図面 (20)

課題

癌の治療のためにそれを必要とする被検体投与するための、併用療法の方法を提供する。

解決手段

ヒトヒストンメチルトランスフェラーゼEZH2の阻害剤と、1つまたは複数の他の治療剤、特にプレドニゾンなどの抗癌剤とを含む組成物を用いる、併用療法。

概要

背景

癌の併用療法治療は、複数の手段により疾患を攻撃する利点が一部認知されているため
、より一般的になりつつある。多くの有効な併用療法治療が過去数十年間にわたり確認さ
れてきているが、癌に起因する毎年の死亡者数が継続して多いことを考慮すると、抗癌
療に使用するための有効な治療レジメンを突き止める必要性が依然として存在する。

概要

癌の治療のためにそれを必要とする被検体投与するための、併用療法の方法を提供する。ヒトヒストンメチルトランスフェラーゼEZH2の阻害剤と、1つまたは複数の他の治療剤、特にプレドニゾンなどの抗癌剤とを含む組成物を用いる、併用療法。A−2B

目的

本発明は、EZH2ヒストンメチルトランスフェラ
ーゼ阻害剤および1つまたは複数の他の治療剤を含む組成物、ならびにその過程ヒス
ンまたは他のタンパク質メチル化状態の調節により影響を受け得る疾患、たとえば癌を
治療するためのその使用方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

それを必要とする患者において癌を治療するための方法であって、治療有効量のEZH2阻害剤および治療有効量の標準治療剤を投与することを含む方法。

請求項2

それを必要とする患者において癌を治療するための方法であって、EZH2阻害剤および標準治療剤を含む併用の治療有効量を投与することを含む方法。

請求項3

それを必要とする患者において癌を治療するための方法であって、EZH2阻害剤および標準治療剤を含む組成物の治療有効量を投与することを含む方法。

請求項4

前記癌が非ホジキンリンパ腫である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記非ホジキンリンパ腫が、DLBCL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)またはGCB(胚中心B細胞様)リンパ腫である、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記癌がEZH2野生型癌である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記癌がH3K27でのトリメチル化の増加を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記リンパ腫がEZH2突然変異型リンパ腫である、請求項5に記載の方法。

請求項9

前記EZH2突然変異型リンパ腫が、Y646、A682またはA692の突然変異を有する、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記癌がEZH2阻害剤抵抗性または難治性癌である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記標準治療剤が、R−CHOP構成成分、BCL阻害剤、またはBCR阻害剤からなる群から選択される1つまたは複数の化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記R−CHOPが、グルココルチコステロイド受容体アゴニストである、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記グルココルチコステロイド受容体アゴニストがプレドニゾロンまたはデキサメタゾンである、請求項12に記載の方法。

請求項14

ドキソルビシンがR−CHOPから省略されている、請求項11に記載の方法。

請求項15

前記BCL阻害剤が、ナビクラックス、オバトクラックスまたはABT−199である、請求項11に記載の方法。

請求項16

前記BCR阻害剤が、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達カスケードの阻害剤である、請求項11に記載の方法。

請求項17

前記BCR阻害剤が、リツキシマブ、MK−2206、イデラリシブ、トラメチニブタマタニブ、エベロリムスベルケイド、またはイブルチニブである、請求項11に記載の方法。

請求項18

前記EZH2阻害剤が下記式:を有する化合物44またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記EZH2阻害剤および標準治療剤が、同時にまたは逐次的に投与される、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記EZH2阻害剤が、標準治療剤の投与前に投与される、請求項18に記載の方法。

請求項21

少なくとも1つの遺伝子が前記患者においてアップレギュレートされている、請求項18に記載の方法。

請求項22

前記遺伝子が、セストリン、TNFおよびGILZからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記遺伝子がグルココルチコイド標的遺伝子である、請求項21に記載の方法。

請求項24

遺伝子のアップレギュレーションが、請求項1に記載のEZH2阻害剤の治療有効量を決定または調節するために使用される、請求項21に記載の方法。

請求項25

遺伝子のアップレギュレーションが、請求項1の標準治療剤の治療有効量を決定または調節するために使用される、請求項21に記載の方法。

請求項26

請求項1に記載の治療方法に対する患者を選択する方法であって、前記患者が、セストリン、TNFおよびGILZからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現プロファイルに基づいて選択される方法。

請求項27

前記患者が、セストリン、TNFまたはGILZの発現をアップレギュレートしている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の治療方法。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2013年12月6日に出願された米国仮特許出願第61/913,063
号明細書、2014年1月31日に出願された米国仮特許出願第61/934,388号
明細書、および2014年5月13日に出願された米国仮特許出願第61/922,88
1号明細書の優先権および利益を主張するものであり、これらの仮特許出願の各々の内容
全体を参照により本明細書に援用する。

0002

本発明は、ヒストンH3のリジン27(H3−K27)のモノからトリメチル化触媒
するPRC2複合体の触媒サブユニットであるヒトヒストンメチルトランスフェラーゼ
ZH2の阻害剤、および1つまたは複数の他の治療剤、特に抗癌剤を含む組成物、ならび
に癌を治療するための併用療法の方法に関する。

背景技術

0003

癌の併用療法治療は、複数の手段により疾患を攻撃する利点が一部認知されているため
、より一般的になりつつある。多くの有効な併用療法治療が過去数十年間にわたり確認さ
れてきているが、癌に起因する毎年の死亡者数が継続して多いことを考慮すると、抗癌
療に使用するための有効な治療レジメンを突き止める必要性が依然として存在する。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、化合物44(EPZ−6438、E7438としても知られる)



などのEZH2阻害剤が、現行標準治療を含む種々の薬剤と併用すると、EZH2突然
変異の状態にかかわらず、特定の癌の治療に極めて有効であるという発見に少なくとも部
分的に基づいている。ある種の実施形態では、癌はリンパ腫である。ある種の実施形態で
は、癌は、胚中心B細胞GCB)起原非ホジキンリンパ腫(NHL)またはびまん性
大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。ある種の実施形態では、リンパ腫はEZ
H2突然変異型リンパ腫である。ある種の実施形態では、リンパ腫はEZH2非突然変異
型リンパ腫またはEZH2野生型リンパ腫である。本発明はまた、化合物44などのEZ
H2阻害剤とプレドニゾンプレドニゾロンまたはデキサメタゾンなどのグルココルチコ
イド受容体アゴニスト(GRag)が協同して、癌における治療活性を劇的に増強すると
いう発見に基づいている。化合物44とプレドニゾロンの併用により、突然変異を有する
GCBNHL細胞のみからすべてのGCB NHL細胞に、EZH2阻害感受性とな
細胞の範囲が拡大される。

0005

一態様では、本発明は、それを必要とする患者において癌を治療するための方法であっ
て、治療有効量のEZH2阻害剤および治療有効量の標準治療剤を投与することを含む方
法を対象とする。

0006

別の態様では、本発明は、それを必要とする患者において癌を治療するための方法であ
って、EZH2阻害剤および標準治療剤を含む併用の治療有効量を投与することを含む方
法を対象とする。

0007

本発明の別の態様は、それを必要とする患者において癌を治療するための方法であって
、EZH2阻害剤および標準治療剤を含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法
を対象とする。

0008

ある実施形態では、EZH2突然変異型リンパ腫は、Y646、A682、またはA6
92の突然変異である。

0009

いくつかの実施形態では、標準治療剤は、R−CHOP構成成分、BCL阻害剤、およ
びBCR阻害剤からなる群から選択される1つまたは複数の化合物である。

0010

いくつかの実施形態では、R−CHOPは、CHOPのGRag構成成分であるプレ
ゾロンまたはデキサメタゾンである。

0011

いくつかの実施形態では、R−CHOPはグルココルチコステロイド受容体アゴニスト
である。ある種の実施形態では、グルココルチコステロイド受容体アゴニストは、プレド
ニゾロンまたはデキサメタゾンである。

0012

いくつかの実施形態では、ドキソルビシンは、R−CHOPから省略される。

0013

いくつかの実施形態では、BCL阻害剤は、ナビクラックス、オバトクラックスまた
はABT−19である。

0014

いくつかの実施形態では、BCR阻害剤は、リツキシマブ、AKT阻害剤MK−220
6、イデラリシブ、トラメチニブタマタニブ(tamatanib)、エベロリムス
たはイブルチニブである。

0015

いくつかの実施形態では、BCR阻害剤は、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達
カスケード阻害剤である。

0016

いくつかの実施形態では、BCR阻害剤は、リツキシマブ、MK−2206、イデラリ
シブ、トラメチニブ、タマタニブ、エベロリムス、ベルケイドまたはイブルチニブである

0017

いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤および標準治療剤は、同時にまたは逐次的に
投与される。他の実施形態では、EZH2阻害剤は、標準治療剤の投与前に投与される。

0018

いくつかの実施形態では、少なくとも1つの遺伝子が、患者においてアップレギュレ
トされている。ある種の実施形態では、アップレギュレートされた遺伝子は、セストリン
、TNFおよびGILZからなる群から選択される。他の実施形態では、アップレギュレ
ートされた遺伝子は、グルココルチコイド標的遺伝子である。

0019

いくつかの実施形態では、遺伝子のアップレギュレーションは、EZH2阻害剤および
標準治療剤の治療有効量を決定または調節するために使用される。

0020

別の態様では、本発明は、治療のための患者を選択する方法であって、患者が、セスト
リン、TNFおよびGILZからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現
ファイルに基づいて選択される方法を対象とする。

0021

一態様では、本発明は、それを必要とする患者において癌を治療するための方法であっ
て、治療有効量のEZH2阻害剤および治療有効量の標準治療剤を投与することを含み、
患者がセストリン、TNFまたはGILZの発現をアップレギュレートしている方法を対
象とする。

0022

いくつかの実施形態では、癌は、EZH2阻害剤抵抗性または難治性癌である。

0023

いくつかの実施形態では、癌は、H3K27におけるトリメチル化の増加を特徴とする

0024

本発明の一態様は、EZH2阻害剤と、EZH2突然変異を有する細胞を含む、EZH
2阻害剤抵抗性または難治性突然変異細胞非感受性を元に戻すGRagとの併用を対象
とする。

0025

ある種の実施形態では、EZH2阻害剤は、化合物44またはその薬学的に許容される
塩もしくは溶媒和物、および1つまたは複数の他の治療剤である。

0026

本発明の他の特徴と利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになる
であろう。

図面の簡単な説明

0027

突然変異型EZH2胚中心B細胞リンパ腫細胞株における、CHOP構成成分と化合物44(Cpd44)による併用有益性を実証する一連のFa−CIプロットである。化合物44とドキソルビシンは、WSU−DLCL2細胞では相乗的に作用し(図1A)、SU−DHL−10細胞では相加効果をもたらす(図1D)。併用有益性は、WSU−DLCL2細胞(図1C)およびSU−DHL−10細胞(図1F)において、マホスファミドで観察される。併用有益性はまた、両方のEZH2 Y646突然変異細胞株:WSU−DLCL2細胞(図1B)およびSU−DHL−10細胞(図1E)において、ビンクリスチンで観察される。WSU−DLCL2では、用量は、ドキソルビシンに対して0.16〜20nM、ビンクリスチンに対して0.04〜5nM、マホスファミドに対して0.156〜10μM、化合物44に対して15〜1000nMの範囲であった。SU−DHL−10細胞では、用量は、ドキソルビシンに対して0.5〜60nM、ビンクリスチンに対して0.016〜2nM、マホスファミドに対して0.156〜10μM、および化合物44に対して1.56〜100nMの範囲であった。細胞は、前処理モデルAに従って処理し、データはCalcusynソフトウェア分析した。
EZH2突然変異型リンパ腫株において、グルココルチコイドアゴニストが化合物44(Cpd44)の効力を増強することを実証する一連のプロットである。化合物44の効力は、グルココルチコイドアゴニストと併用すると、劇的に増大する。前処理モデルAに従って、2つのEZH2 Y646F突然変異型DLBCL株にプレドニゾロン(図2A、2C)またはデキサメタゾン(図2B、2D)を加えると、化合物44のIC50が用量依存的にシフトする。用量は、両方の細胞株において、プレドニゾロンに対して15nM〜1000nM、デキサメタゾンに対して1.5nM〜100nMの範囲であった。化合物44の用量は、WSU−DLCL2細胞では15〜1000nMの範囲、SU−DHL−10細胞では1.5〜100nMの範囲であった。
WSU−DLCL2 EZH2突然変異型(図3A、3B)および野生型(図3C、3D)GCBリンパ腫細胞株それぞれにおける、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンと化合物44(Cpd44)の併用の有益性を実証する一連の用量応答プロットである。化合物44の用量は15.6〜1000nMの範囲、プレドニゾロンの用量は7.8〜1000nMの範囲、デキサメタゾンの用量は0.8〜100nMの範囲であった(図3Aおよび3B)。化合物44の効力は、EZH2突然変異型WSU−DLCL2細胞において、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンにより増大した(図3Cおよび3D)。化合物44は、DOHH2 EZH2野生型細胞において単剤として抗増殖効果を示さないため、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンの効力シフトを測定した。プレドニゾロンまたはデキサメタゾンの効力は、DOHH2細胞において、化合物44の添加で増大した。
化合物44(Cpd44)/グルココルチコイドアゴニストの併用により、EZH2阻害剤に抵抗性の細胞株におけるEZH2阻害剤(EZH2i)非感受性が克服されることを実証する要約表である。全体的に、プレドニゾロンと化合物44の併用により、EZH2i感受性細胞株だけでなく、試験したすべてのGCB細胞株において感受性が増大する。RL細胞を除いて、プレドニゾロンによるプレインキュベーション後の化合物44が有効ではないので、薬物添加の順序が重要である。
化合物44(Cpd44)と他の標的療法の併用によりEZH2突然変異型リンパ腫細胞株で観察された極めて強力な相乗作用を示す2つのプロットである。化合物44をBCL2阻害剤ナビトクラックスと併用すると(図5A)、またmTOR阻害剤エベロリムスと併用すると(図5B)、極めて強力な相乗作用が観察される。ナビトクラックスに対する用量範囲は0.16〜10μM、エベロリムスに対しては0.04〜5nM、化合物44に対しては31〜2000nMである。これらのデータは、前処理モデルAで作成し、Calcusynソフトウェアで分析した。
化合物44(Cpd44)と種々の薬物および/または薬物療法の併用からの結果の要約表である。化合物44との併用有益性は、EZH2突然変異型リンパ腫株において、試験したすべての薬物で得られた。グルココルチコイドアゴニストは、EZH2野生型および突然変異型GCBリンパ腫株について、併用有益性を示した。
化合物44(Cpd44)−CHOP併用が、いくつかのEZH2突然変異型リンパ腫異種移植モデルにおいて、単剤に比較して抗腫瘍活性の増強を示すことを実証する一連のプロットである。WSU−DLCL2(EZH2 Y646F)異種移植片を、方法に記載するように、化合物44、CHOP、またその併用で28日間治療した(図7A)。平均腫瘍体積±SEMをプロットする。150mg/kg TIDおよび225mg/kg BIDでの化合物44の用量は両方ともビヒクル単独よりも腫瘍増殖阻害が統計的に顕著であった(*p値<0.05)。225mg/kg BIDでの化合物44にCHOPを加えた治療により、いずれの単剤のみよりも大きな腫瘍退縮が得られた(***ビヒクルに対してp値<0.001)。統計は反復測定分散分析により算出した。SU−DHL6(EZH2 Y646N)異種移植片を、方法に記載するように、化合物44、CHOP、またはその併用で28日間処理した(図7B)。平均腫瘍体積±SEMを上部パネルにプロットする。CHOPまたは単剤の化合物44単独では腫瘍増殖に影響がなかったが、225mg/kg BIDでの化合物44にCHOPを加えて治療すると、28日の治療期間中、腫瘍増殖の退縮がもたらされ、さらに投薬中止の32日後でも腫瘍増殖遅延が維持された(*p値<0.0001)。60日に達する生存曲線(下部パネル)により、化合物44とCHOPの併用で治療した動物における有意な腫瘍増殖遅延が示される(**p値<0.05)。統計は両側t検定により算出した。SUDHL−10(EZH2 Y646F)異種移植片は、方法に記載するように、化合物44、COP(ドキソルビシン構成成分を含まないSOC)、またはその併用で28日間治療した(図7C)。平均腫瘍体積±SEMを上部パネルにプロットする。腫瘍増殖遅延試験における60日に達するパーセント生存率中央パネルにプロットする(注意:500mg/kgおよび250mg/kg+COPの生存曲線は重なっている)。平均腫瘍重量を下部パネルで比較しているが、群間で腫瘍重量に有意な差があることが示される(*p値<0.05、**p値<0.01、****p値<0.0001)。
種々の細胞株を、化合物44、プレドニゾロン、化合物44とプレドニゾロンの併用、またはDMSOで処理した場合における、グルココルチコイド標的遺伝子セストリン1(SESN1、図8A)、TNF(図8B)、およびGILZ(図8C)の発現レベルの変化を示すパネルである。図8A〜8Cで示すように、化合物44またはプレドニゾロン単独に比較して、セストリン1、TNF、およびGILZの発現レベルの増大が併用処理後に観察された。
全体的なH3K27のアセチル化およびトリメチル化がプレドニゾロンまたは併用処理により影響されないことを示すパネルである。用量漸増のプレドニゾロン、化合物44(Cpd44)、一定用量のプレドニゾロンと化合物44の併用で4日間、細胞を処理した。酸抽出したヒストンを、H3K27Me3レベルについてELISAにより分析した(図9A)(プレドニゾロン単独、左パネル;化合物44/プレドニゾロン併用、右パネル、IC50値を各グラフに挿入)。プレドニゾロン処理の場合、用量依存的な変化がこの化合物で観察されなかったので、H3K27Me3値棒グラフとして表す。WSU−DLCL2細胞(図9B)、OCI−LY19細胞(図9C)またはRL細胞(図9D)を、用量漸増のプレドニゾロン、化合物44、または一定用量のプレドニゾロンと化合物44の併用で4日間処理した。酸抽出したヒストンを、H3K27アセチル化レベルについて、ウエスタンブロットにより分析した。
化合物44またはプレドニゾロンによる単剤処理は、SMARCB1タンパク質レベルに影響がないことを示すウエスタンブロットである。
図11Aおよび11Dは、化合物44とエベロリムスの併用有益性を実証するFa−CIプロットである。図11Bおよび11Eは、化合物44、エベロリムス、化合物44とエベロリムスの併用またはDMSOで処理したWSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞におけるアポトーシスを示すパネルである。図11Cおよび11Fは、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の両方において、化合物44単独に比較して、併用処理後に観察された細胞周期G1期の変化を示すプロットである。WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の両方において、化合物44とエベロリムスの併用で強力な相乗効果が観察された(図11A、11D)。
図12Aおよび12Dは、化合物44とイブルチニブの併用有益性を実証するFa−CIプロットである。図12Bおよび12Eは、化合物44、イブルチニブ、化合物44とイブルチニブの併用またはDMSOで処理したWSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞におけるアポトーシスを示すパネルである。図12Cおよび12Fは、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の両方において、化合物44単独に比較して、併用処理後に観察された細胞周期のG1期の変化を示すプロットである。WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の両方において、化合物44とイブルチニブの併用で強力な相乗効果が観察された(図12A、12D)。
図13A、13Dおよび13Gは、WSU−DLCL2細胞、SU−DHL−5細胞およびOCI−LY19細胞において、化合物44とMK−2206の併用有益性を示すFa−CIプロットである。図13B、13Eおよび13Hは、化合物44、MK−2206、化合物44とMK−2206の併用またはDMSOで処理したWSU−DLCL2細胞、SU−DHL−5細胞およびOCI−LY19細胞におけるアポトーシスを示すパネルである。図13C、13Fおよび13Iは、3種の細胞株において、化合物44単独に比較して、併用処理後に観察された細胞周期のG1期の変化を示すプロットである。WSU−DLCL2細胞、SU−DHL−5細胞およびOCI−LY19細胞において、化合物44とMK−2206の併用で強力な相乗効果が観察された(図13A、13Dおよび13G)。
WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞を、化合物44、イブルチニブ、MK−2206、化合物44とイブルチニブの併用または化合物44とMK−2206の併用で処理した場合における、EGR1、FOS、TCL1、AICDAおよびGJA1の遺伝子発現の変化を示す棒グラフである。EGR1(40倍)およびFOS(4倍)のダウンレギュレーション、ならびにAICDA(3倍)、TCL1A(5倍)およびGJA1(3倍)のアップレギュレーションが、単剤単独の処理で観察されたものよりも、化合物44と第2の薬剤の併用で顕著に観察された(図14A〜14C)。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の生物学に関係するシグナル伝達経路、およびシグナル伝達経路内の種々の化学療法剤の標的を示す図である。
図16Aおよび16Dは、化合物44、エベロリムス、化合物44とエベロリムスの併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の処理後に観察された細胞周期のG1期の変化を示すプロットである。図16Bおよび16Eは、化合物44、エベロリムス、化合物44とエベロリムスの併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の処理後に観察された細胞周期のS期の変化を示すプロットである。図16Cおよび16Fは、化合物44、エベロリムス、化合物44とエベロリムスの併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の処理後に観察された細胞周期のG2/M期の変化を示すプロットである。細胞周期のG1、SおよびG2/M期それぞれにおける細胞の相乗的な減少が、SU−DHL−5細胞に対する併用処理後48時間に見られる(図16D〜16F)。WSU−DLCL2細胞を単剤または併用で処理した場合には、細胞周期のsub−G1期の変化は観察されなかった(図16A)。WSU−DLCL2細胞を併用で処理した場合には、細胞周期のS期およびG2/M期それぞれの細胞の相乗的な時間依存的減少が観察された(図16B、16C)。
図17Aおよび17Dは、化合物44、イブルチニブ、化合物44とイブルチニブの併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の処理後に観察された細胞周期のG1期の変化を示すプロットである。図17Bおよび17Eは、化合物44、イブルチニブ、化合物44とイブルチニブの併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の処理後に観察された細胞周期のS期の変化を示すプロットである。図17Cおよび17Fは、化合物44、イブルチニブ、化合物44とイブルチニブの併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の処理後に観察された細胞周期のG2/M期の変化を示すプロットである。図17A〜17Fは、単剤としての化合物44またはイブルチニブに比較して、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の併用処理後24時間における、細胞周期のG1、S、G2/M期それぞれの細胞の相乗的な減少を示す。
図18A、18Dおよび18Gは、化合物44、MK−2206、化合物44とMK−2206の併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞、SU−DHL−5細胞およびOCI−LY19細胞の処理後に観察された細胞周期のG1期の変化を示すプロットである。図18B、18Eおよび18Hは、化合物44、MK−2206、化合物44とMK−2206の併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞、SU−DHL−5細胞およびOCI−LY19細胞の処理後に観察された細胞周期のS期の変化を示すプロットである。図18C、18Fおよび18Iは、化合物44、MK−2206、化合物44とMK−2206の併用およびDMSOによる、WSU−DLCL2細胞、SU−DHL−5細胞およびOCI−LY19細胞の処理後に観察された細胞周期のG2/M期の変化を示すプロットである。図18A〜18Iは、単剤としての化合物44またはMK−2206に比較して、WSU−DLCL2細胞およびSU−DHL−5細胞の併用処理後、細胞周期のG1、S、G2/M期それぞれの細胞の相乗的な減少を示す。
化合物44、プレドニゾロン、化合物44とプレドニゾロンの併用またはDMSOで処理したEZH2野生型(OCI−LY19、DOHH2)、EZH2 Y646感受性(WSU−DLCL2、SUDHL10)、およびEZH2 Y646抵抗性(RL、SUDHL)細胞株について、DMSO対照に対して規準化したグルココルチコイド受容体の発現レベルの変化を示す棒グラフである。倍率変化値は、ΔΔCt法ならびに参照遺伝子としてACTB、B2MおよびGAPDHを使用して定量した。結果に示すように、グルココルチコイド受容体の発現レベルは、併用において、細胞株の間で共通して影響を受けなかった。
異種移植片を有するマウスにおいて、CHOPレジームから1つまたはすべての化学療法構成成分を省略する効果を示すプロットである。図20Aは、化合物44、COP(ドキソルビシン構成成分を含まない化学療法)またはそれらの併用で28日間処理した、SUDHL10(EZH2 Y646F)異種移植片を有するマウスにおける腫瘍重量の変化を示すプロットである。図20Bは、2用量の化合物44、プレドニゾンまたはそれらの併用で28日間処理した、SUDHL10(EZH2 Y646F)異種移植片を有するマウスにおける腫瘍体積の変化を示すプロットである。図20Cは、化合物44、プレドニゾンまたはそれらの併用で処理した、SUDHL10(EZH2 Y646F)異種移植片を有するマウスにおける体重の変化を示すプロットである(図20Bを参照のこと)。最大耐用量の化合物44または化合物44/COP併用を投与したマウスは、60日目に100%の生存を示し、併用群は、化合物44の最大耐用量を含む、他のすべての治療群と比べ最小の28日目腫瘍重量を示した(図20A)。プレドニゾン単独投薬では、何ら顕著な抗腫瘍効果誘導しなかった(図20B)。以前の研究と一致して、化合物44の投薬は、部分的な応答のみをもたらしたが、2サイクルのプレドニゾンレジメンとではない、プレドニゾンと化合物44の併用投薬は、高用量の化合物44単独で達成される可能な最大退縮を誘導した。

0028

本発明は、化合物44が、現行の標準治療を含む種々の薬剤と併用すると、EZH2突
然変異の状態にかかわらず、特定の癌の治療に有効であるという発見に少なくとも部分的
に基づいている。ある種の実施形態では、癌はリンパ腫である。ある種の実施形態では、
癌は、胚中心B細胞(GCB)起原の非ホジキンリンパ腫(NHL)またはびまん性大細
胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。ある種の実施形態では、リンパ腫はEZH2
突然変異型リンパ腫である。ある種の実施形態では、リンパ腫はEZH2非突然変異型リ
ンパ腫またはEZH2野生型リンパ腫である。

0029

本発明のある種の態様では、EZH2阻害剤は、下記式:



を有する化合物44(EPZ−6438、E7438としても知られる)またはその薬学
的に許容される塩である。

0030

本発明は、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤と他の抗癌剤を併用して
特定の腫瘍を治療すると、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤および抗癌
剤単独による腫瘍治療によって達成される結果よりも優れた結果を得ることができるとい
う発見に基づいている。したがって、本発明は、EZH2ヒストンメチルトランスフェラ
ーゼ阻害剤および1つまたは複数の他の治療剤を含む組成物、ならびにその過程ヒス
ンまたは他のタンパク質メチル化状態の調節により影響を受け得る疾患、たとえば癌を
治療するためのその使用方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、化合物44
およびプレドニゾンを含む組成物を特徴とする。本発明はまた、癌、たとえば、濾胞性
ンパ腫(FL)およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DCLBL)を治療するための
、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤と1つまたは複数の治療剤、たとえ
ば化合物44とプレドニゾンを含む併用療法のための方法を含む。具体的には、本発明の
方法は、癌の治療もしくは予防または癌細胞増殖の阻害に有用である。

0031

本発明の態様は、突然変異型EZH2を発現する被検体に、治療有効量のEZH2阻害
剤および1つまたは複数の他の治療剤を投与することにより、被検体の癌または前癌性
態の症状を治療または緩和するための方法に関する。本発明の突然変異型EZH2は、突
変異型EZH2ポリペプチドまたは突然変異型EZH2ポリペプチドをコードする核酸
配列を指す。ある種の実施形態では、突然変異型EZH2は、その基質ポケットドメイン
に1つまたは複数の突然変異を含む。

0032

本発明の別の態様は、突然変異型EZH2または野生型EZH2を発現する被検体に、
治療有効量のEZH2阻害剤および1つまたは複数の他の治療剤を投与することにより、
被検体の癌または前癌性状態の症状を治療または緩和するための方法に関する。本発明の
突然変異型EZH2は、突然変異型EZH2ポリペプチドまたは突然変異型EZH2ポリ
ペプチドをコードする核酸配列を指す。ある種の実施形態では、突然変異型EZH2は、
その基質ポケットドメインに1つまたは複数の突然変異を含む。

0033

別の態様では、本発明は、突然変異型EZH2または野生型EZH2を発現する被検体
に、治療有効量のEZH2阻害剤、たとえば化合物44、および1つまたは複数のグルコ
コルチコイド受容体アゴニスト、たとえばプレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾ
ン(GRag)を投与することにより、被検体の癌または前癌性状態の症状を治療または
緩和するための方法に関する。本発明の突然変異型EZH2は、突然変異型EZH2ポリ
ペプチドまたは突然変異型EZH2ポリペプチドをコードする核酸配列を指す。ある種の
実施形態では、突然変異型EZH2は、その基質ポケットドメインに1つまたは複数の突
然変異を含む。

0034

ヒトEZH2核酸およびポリペプチドは以前に記載されている。たとえば、Chen
et al.(1996)Genomics 38:30−7[746アミノ酸];Sw
iss−Prot受託番号Q15910[746アミノ酸;];GenBank受託番号
NM_004456およびNP_004447(アイソフォームa[751アミノ酸])
;ならびにGenBank受託番号NM_152998およびNP_694543(アイ
フォームb[707アミノ酸])を参照されたい。これらのそれぞれは、その内容全体
を参照により本明細書に援用する。

0035

本出願の目的のために、ヒトEZH2のアミノ酸残基Y641は、Swiss−Pro
t受託番号Q15910のY641であるかまたはそれに対応するチロシン残基を指すこ
とを理解されたい。

0036

さらに、本出願の目的のために、ヒトEZH2のY641突然変異体、および同等にE
ZH2のY641突然変異体は、野生型ヒトEZH2のY641に対応するアミノ酸残基
チロシン以外のアミノ酸残基により置換されているヒトEZH2を指すことを理解され
たい。

0037

ある種の実施形態では、R−CHOPは、CHOPのGRag構成成分であるプレドニ
ゾロンまたはデキサメタゾンである。ある種の実施形態では、B細胞受容体(BCR)シ
ナル伝達経路阻害剤は、リツキシマブ、AKT阻害剤MK−2206、イデラリシブ、
トラメチニブ、タマタニブ、エベロリムスまたはイブルチニブである。

0038

本発明は、PI3K−AKT−mTOR BCRシグナル伝達経路の阻害剤、たとえば
、イデラリシブ、MK−2206およびエベロリムスが、化合物44と併用すると、WS
U−DLCL2細胞株およびSU−DHL−10細胞株において、極めて強力な相乗作用
を誘導したという発見に部分的に基づいている。本発明はまた、化合物44と、B細胞受
容体経路の阻害剤、たとえばイブルチニブおよびタマタニブとの併用が、両方の突然変異
細胞株において、極めて強力な相乗作用を示したという発見に部分的に基づいている。あ
る種の実施形態では、BCL受容体阻害剤は、ナボチクラックス(navoticlax
)またはABT−199である。

0039

いくつかの実施形態では、癌は、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リン
パ腫または非ホジキンリンパ腫胚中心B細胞である。

0040

いくつかの実施形態では、標準治療剤は、R−CHOP、BCL阻害剤およびBCR阻
害剤からなる群から選択される1つまたは複数の化合物である。

0041

いくつかの実施形態では、R−CHOPは、CHOPのGRag構成成分であるプレド
ニゾロンまたはデキサメタゾンである。

0042

いくつかの実施形態では、BCR阻害剤は、リツキシマブ、AKT阻害剤MK−220
6、イデラリシブ、トラメチニブ、タマタニブ、エベロリムスまたはイブルチニブである

0043

いくつかの実施形態では、癌はEZH2突然変異癌である。

0044

いくつかの実施形態では、癌はEZH2阻害剤抵抗性または難治性癌である。

0045

一実施形態では、EZH2のY641突然変異体のアミノ酸配列は、チロシン以外のア
ミノ酸残基による、野生型ヒトEZH2のY641に対応する1個のアミノ酸残基の置換
のみが野生型ヒトEZH2のアミノ酸配列と異なる。

0046

一実施形態では、EZH2のY641突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のY641に対応する1個のアミノ酸残基のフェニルアラニン(F)への置換のみが野
生型ヒトEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態によるEZH2のY641突然
変異体は、Y641F突然変異体または同等にY641Fと本明細書で称される。

0047

一実施形態では、EZH2のY641突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のY641に対応する1個のアミノ酸残基のヒスチジン(H)への置換のみが野生型ヒ
トEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態によるEZH2のY641突然変異体
は、Y641H突然変異体または同等にY641Hと本明細書で称される。

0048

一実施形態では、EZH2のY641突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のY641に対応する1個のアミノ酸残基のアスパラギン(N)への置換のみが野生型
ヒトEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態によるEZH2のY641突然変異
体は、Y641N突然変異体または同等にY641Nと本明細書で称される。

0049

一実施形態では、EZH2のY641突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のY641に対応する1個のアミノ酸残基のセリン(S)への置換のみが野生型ヒトE
ZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態によるEZH2のY641突然変異体は、
Y641S突然変異体または同等にY641Sと本明細書で称される。

0050

一実施形態では、EZH2のY641突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のY641に対応する1個のアミノ酸残基のシステイン(C)への置換のみが野生型ヒ
トEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態によるEZH2のY641突然変異体
は、Y641C突然変異体または同等にY641Cと本明細書で称される。

0051

一実施形態では、EZH2のA677突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のA677に対応する1個のアミノ酸残基の非アラニンアミノ酸、好ましくはグリシン
(G)への置換のみが野生型ヒトEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態による
EZH2のA677突然変異体は、A677突然変異体、および好ましくはA677G突
然変異体または同等にA677Gと本明細書で称される。A677は、A682とも称さ
れる。

0052

一実施形態では、EZH2のA687突然変異体のアミノ酸配列は、野生型ヒトEZH
2のA687に対応する1個のアミノ酸残基の非アラニンアミノ酸、好ましくはバリン
V)への置換のみが野生型ヒトEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実施形態によるE
ZH2のA687突然変異体は、A687突然変異体、および好ましくはA687V突然
変異体または同等にA687Vと本明細書で称される。A687は、A692とも称され
る。

0053

一実施形態では、EZH2の突然変異体のアミノ酸配列は、その基質ポケットドメイン
の1つまたは複数のアミノ酸残基が野生型ヒトEZH2のアミノ酸配列と異なる。この実
施形態によるEZH2の突然変異体は、本明細書でEZH2突然変異体と称される。

0054

他の例示的な置換アミノ酸突然変異には、アミノ酸位置677、687または641で
の置換、たとえば、以下に限定されるものではないが、アミノ酸位置677での野生型残
基アラニン(A)のグリシン(G)への置換(A677G);アミノ酸位置687での野
生型残基アラニン(A)のバリン(V)への置換(A687V);アミノ酸位置641で
の野生型残基チロシン(Y)のフェニルアラニン(F)への置換(Y641F);アミノ
酸位置641での野生型残基チロシン(Y)のヒスチジン(H)への置換(Y641H)
;アミノ酸位置641での野生型残基チロシン(Y)のアスパラギン(N)への置換(Y
641N);アミノ酸位置641での野生型残基チロシン(Y)のセリン(S)への置換
(Y641S);またはアミノ酸位置641での野生型残基チロシン(Y)のシステイン
(C)への置換(Y641C)が含まれる。Y641は、Y646とも称される。

0055

EZH2に対してヘテロ接合性の細胞は、野生型酵素によるH3−K27me1の効率
的な形成、および突然変異型酵素形態による、この前駆細胞種のH3−K27me2およ
び特にH3−K27me3への効率的なその後の移行により、悪性形質を示すと予測され
る。

0056

本発明の別の態様は、被検体において、H3−K27のトリメチル化H3−K27への
変換を阻害するための方法である。阻害としては、被検体における、非メチル化H3−K
27のモノメチル化H3−K27への変換、モノメチル化H3−K27のジメチル化H3
−K27への変換、ジメチル化H3−K27のトリメチル化H3−K27への変換、また
はたとえば、モノメチル化H3−K27のジメチル化H3−K27への変換およびジメチ
ル化H3−K27のトリメチル化H3−K27への変換を含むそれらの任意の組合せの阻
害を挙げることができる。本明細書で使用する場合、非メチル化H3−K27は、メチル
基がリジン27のアミノ基に共有結合していないヒストンH3を指す。本明細書で使用す
る場合、モノメチル化H3−K27は、1個のメチル基がリジン27のアミノ基に共有
合しているヒストンH3を指す。モノメチル化H3−K27は、本明細書でH3−K27
me1とも称される。本明細書で使用する場合、ジメチル化H3−K27は、2個のメチ
ル基がリジン27のアミノ基に共有結合しているヒストンH3を指す。ジメチル化H3−
K27は、本明細書でH3−K27me2とも称される。本明細書で使用する場合、トリ
メチル化H3−K27は、3個のメチル基がリジン27のアミノ基に共有結合しているヒ
ストンH3を指す。トリメチル化H3−K27は、本明細書でH3−K27me3とも称
される。本発明の組成物は、化合物44および1つまたは複数の他の治療剤を含む。本発
明の化合物および組成物は、同時に、逐次的に、または交互に投与するのに適した1つも
しくは複数の他の治療剤または治療法との併用療法の一部として投与するのに適している
。本発明の方法に適した他の化合物は、その内容全体を参照により本明細書に援用する米
国特許出願公開第20120264734号明細書に記載されている。

0057

本発明のある種の態様では、EZH2の阻害剤は、野生型EZH2のヒストンメチルト
ランスフェラーゼ活性を阻害するよりも効率的に突然変異型EZH2のヒストンメチルト
ランスフェラーゼ活性を阻害する場合に、突然変異型EZH2のヒストンメチルトランス
フェラーゼ活性を「選択的に阻害する」。たとえば、一実施形態では、選択的阻害剤は、
野生型EZH2に対するIC50よりも少なくとも40パーセント低い、突然変異型EZ
H2に対するIC50を有する。一実施形態では、選択的阻害剤は、野生型EZH2に対
するIC50よりも少なくとも50パーセント低い、突然変異型EZH2に対するIC5
0を有する。一実施形態では、選択的阻害剤は、野生型EZH2に対するIC50よりも
少なくとも60パーセント低い、突然変異型EZH2に対するIC50を有する。一実施
形態では、選択的阻害剤は、野生型EZH2に対するIC50よりも少なくとも70パー
セント低い、突然変異型EZH2に対するIC50を有する。一実施形態では、選択的阻
害剤は、野生型EZH2に対するIC50よりも少なくとも80パーセント低い、突然変
異型EZH2に対するIC50を有する。一実施形態では、選択的阻害剤は、野生型EZ
H2に対するIC50よりも少なくとも90パーセント低い、突然変異型EZH2に対す
るIC50を有する。

0058

本発明のある種の態様では、阻害剤は、H3−K27me2のH3−K27me3への
変換を阻害する。一実施形態では、阻害剤は、H3−K27のトリメチル化を阻害すると
言われる。H3−K27me1のH3−K27me2への変換がH3−K27me2のH
3−K27me3への変換に先行するので、H3−K27me1のH3−K27me2へ
の変換の阻害剤は、当然、H3−K27me2のH3−K27me3への変換も阻害する
、すなわち、H3−K27のトリメチル化を阻害する。阻害剤は、H3−K27me1の
H3−K27me2への変換を阻害することなく、H3−K27me2のH3−K27m
e3への変換を阻害することも可能である。このタイプの阻害も、H3−K27のジメチ
ル化の阻害がないにもかかわらず、H3−K27のトリメチル化の阻害をもたらすことに
なる。

0059

一実施形態では、阻害剤は、H3−K27me1のH3−K27me2への変換および
H3−K27me2のH3−K27me3への変換を阻害する。そのような阻害剤は、H
3−K27me1のH3−K27me2への変換のみを直接阻害する場合がある。あるい
は、そのような阻害剤は、H3−K27me1のH3−K27me2への変換およびH3
−K27me2のH3−K27me3への変換の両方を直接阻害する場合がある。

0060

本発明のある種の態様では、阻害剤化合物ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性
阻害する。ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の阻害は、任意の好適な方法を使用し
て検出することができる。阻害は、たとえば、ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の
速度から、またはヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の生成物により、測定すること
ができる。

0061

阻害は、適切な対照に比較して測定可能な阻害である。一実施形態では、阻害は、適切
な対照に比較して少なくとも10パーセントの阻害である。すなわち、阻害剤存在下での
酵素活性の速度または生成物の量は、阻害剤非存在下での対応する速度または量の90パ
ーセント以下である。種々の他の実施形態では、阻害は、適切な対照に比較して、少なく
とも20、25、30、40、50、60、70、75、80、90または95パーセン
トの阻害である。一実施形態では、阻害は、適切な対照に比較して少なくとも99パーセ
ントの阻害である。すなわち、阻害剤存在下での酵素活性の速度または生成物の量は、阻
害剤非存在下での対応する速度または量の1パーセント以下である。

0062

本発明の組成物は、EZH2阻害剤もしくは化合物44またはその薬学的に許容される
塩と、1つもしくは複数の他の治療剤またはその薬学的に許容される塩とを含む。本発明
は、EZH2阻害剤もしくは化合物44またはその薬学的に許容される塩と、1つもしく
は複数の治療剤またはその薬学的に許容される塩とを、共通の製剤または別々の製剤とし
て投与することを提供し、製剤の投与は、同時、逐次的、または交互である。ある種の実
施形態では、他の治療剤は、本発明の組成物により治療されている疾患または状態を治療
するのに有用であるとして、当該技術分野で認識されている薬剤であり得る。他の実施形
態では、他の治療剤は、本発明の組成物により治療されている疾患または状態を治療する
のに有用であるとして、当該技術分野で認識されていない薬剤であり得る。一態様では、
他の治療剤は、本発明の組成物に有益な性状を付与する薬剤(たとえば、組成物の粘性
影響を与える薬剤)であり得る。本発明の組成物に対する有益な性状としては、これに限
定されるものではないが、EZH2阻害剤または化合物44と1つまたは複数の他の治療
剤との併用から生じる薬物動態的または薬力学的共同作用が挙げられる。たとえば、1つ
または複数の他の治療剤は、抗癌剤または化学療法剤であり得る。たとえば、1つまたは
複数の他の治療剤は、グルココルチコイドであり得る。たとえば、1つまたは複数の他の
治療剤は、プレドニゾン、プレドニゾロン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキ
ルビシン、マホスファミド、シスプラチン、AraC、エベロリムス、デシタビン、デ
キサメタゾン、またはそれらの機能的なアナログ誘導体プロドラッグおよび代謝産物
から選択することができる。別の態様では、他の治療剤は、プレドニゾンまたはその活性
代謝物であるプレドニゾロンであり得る。

0063

以下に示す治療剤は、例示を目的とするものであり、限定を意図するものではない。本
発明は、以下のリストから選択される少なくとも1つの他の治療剤を含む。本発明は、本
発明の組成物がその目的とする機能を発揮することができるように、2つ以上の他の治療
剤、たとえば、2つ、3つ、4つまたは5つの他の治療剤を含むことができる。

0064

別の実施形態では、他の治療剤は、アルキル化剤抗生物質代謝拮抗剤解毒剤;イ
ターフロンポリクローナルまたはモノクローナル抗体EGFR阻害剤HER2
阻害剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤ホルモン有糸分裂阻害剤MTOR阻害剤;
多標的キナーゼ阻害剤;セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤
VEGF/VEGFR阻害剤タキサンまたはタキサン誘導体アロマターゼ阻害剤、ア
ントラサイクリン微小管標的薬トポイソメラーゼ毒性薬分子標的または酵素(たと
えば、キナーゼまたはタンパク質メチルトランスフェラーゼ)の阻害剤、シチジンナロ
グ薬、あるいはwww.cancer.org/docroot/cdg/cdg_0.
aspに収載されている任意の化学療法剤、抗新生物剤または抗増殖剤を含む群から選択
される化学療法剤(抗新生物剤または抗増殖剤とも呼ばれる)である。

0065

本発明は、疾患または癌の治療を必要とする被検体に、EZH2阻害剤もしくは化合物
44またはその薬学的に許容される塩と1つまたは複数の他の治療剤とを含む組成物を投
与する併用療法のための方法を提供する。この併用療法はまた、増殖を阻害するかまたは
細胞死を誘導するために、癌細胞に対して施すことができる。一態様では、化合物44ま
たはその薬学的に許容される塩は、化合物44またはその薬学的に許容される塩と1つま
たは複数の他の治療剤とを含む本発明の組成物の投与後に投与される。一態様では、化合
物44またはその薬学的に許容される塩は、化合物44またはその薬学的に許容される塩
と1つまたは複数の他の治療剤とを含む本発明の組成物の投与前に投与される。一態様で
は、化合物44またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の治療剤の投与後に
投与され、そのため、他の治療剤は、単一の組成物または2つ以上の組成物で投与され、
たとえば、同時に、逐次的にまたは交互に投与される。一態様では、化合物44またはそ
の薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の治療剤の投与前に投与され、そのため、他
の治療剤は、単一の組成物または2つ以上の組成物で投与され、たとえば、同時に、逐次
的にまたは交互に投与される。

0066

一実施形態では、本発明の組成物は、化合物44またはその薬学的に許容される塩と、
1つまたは複数の抗癌剤、たとえば、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシダウ
ルビシン、オンコビンおよびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン)またはR−CHOP
(リツキシマブ、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン、プレド
ニゾンもしくはプレドニゾロン)とを含む。一実施形態では、本発明の組成物は、化合物
44またはその薬学的に許容される塩とプレドニゾンまたはプレドニゾロンとを含む。本
発明の方法は、化合物44の化合物またはその薬学的に許容される塩と抗癌剤とを投与す
る併用療法を含み、ここで、抗癌剤はCHOP、R−CHOP、プレドニゾンまたはプレ
ドニゾロンである。

0067

ある種の実施形態では、「EZH2阻害剤と標準治療剤とを含む併用」とは、共通製剤
化されていない治療剤の投与を包含することを意図するものである。

0068

ある種の実施形態では、「併用療法」は、各治療剤が異なる時点で投与される、これら
の治療剤の逐次的な投与、ならびにこれらの治療剤またはこれらの治療剤の少なくとも2
つの同時または実質的に同時の投与を包含することを意図する。同時投与は、たとえば、
定比率の各治療剤を含有する単一カプセル剤または治療剤の各々についての複数の単一
カプセル剤を被検体に投与することによって達成することができる。各治療剤の逐次的ま
たは実質的に同時の投与は、以下に限定されるものではないが、経口経路静注経路、筋
肉内経路および粘膜組織による直接吸収を含む、任意の適切な経路により達成することが
できる。治療剤は、同じ経路によりまたは異なる経路により投与することができる。たと
えば、選択された併用の最初の治療剤は静脈内注射により投与することができ、一方他の
治療剤は経口投与することができる。あるいは、たとえば、治療剤をすべて経口投与する
ことも、または静脈内注射により投与することもできる。治療剤はまた交互に投与しても
よい。

0069

本発明のある種の実施形態では、本発明で注目する併用療法は、疾患または癌の治療に
おいて相乗効果をもたらし得るものである。「相乗効果」は、治療剤の併用の効力が単独
投与されたいずれの薬剤の効果の合計よりも大きい場合として定義される。相乗効果はま
た、化合物または他の治療剤のいずれについても単剤として投与することによって達成す
ることができない効果でもあり得る。相乗効果には、以下に限定されるものではないが、
腫瘍サイズ縮小、腫瘍増殖の阻害または被検体の生存期間延長による癌治療の効果が
含まれる。相乗効果にはまた、癌細胞生存率の低下、癌細胞死の誘導および癌細胞増殖の
阻害または遅延も含まれ得る。

0070

本発明のある種の実施形態では、「併用療法」はまた、他の生物学的に活性な成分およ
び非薬物療法(たとえば、外科手術または放射線治療)とのさらなる併用における、上記
の治療剤の投与も包含する。併用療法が非薬物治療をさらに含む場合、治療剤の併用と非
薬物治療との共同作用からの有益な効果が達成される限り、非薬物治療は任意の好適な時
期に行うことができる。たとえば、適合する症例では、非薬物治療が治療剤の投与のため
おそらく数日間または数週間も一時的に中断される場合でも依然として有益な効果が達
成される。

0071

別の態様では、本発明の組成物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は
放射線療法と併用して投与することができる。放射線療法はまた、本発明の組成物および
複数薬剤療法の一部として本明細書に記載の他の化学療法剤と併用して施すことができる

0072

併用療法は、各々が別々に製剤化され投与される2つ以上の薬剤、たとえば、化合物4
4および1つまたは複数の他の治療剤を投与することにより、あるいは単一製剤中の2つ
以上の薬剤を投与することにより達成することができる。他の併用も併用療法に包含され
る。たとえば、2つの薬剤を一緒に製剤化し、第3の薬剤を含有する別の製剤と併用して
投与することができる。併用療法における2つ以上の薬剤は、同時に投与することができ
るが、そうである必要はない。たとえば、第1の薬剤(または薬剤の併用)の投与を、分
、時、日または週の単位で第2の薬剤(または薬剤の併用)の投与に先行させることがで
きる。したがって、2つ以上の薬剤を、互いの数分以内に、または互いの1、2、3、6
、9、12、15、18もしくは24時間以内に、または互いの1、2、3、4、5、6
、7、8、9、10、12、14日以内に、または互いの2、3、4、5、6、7、8、
9もしくは10週以内に投与することができる。いくつかの場合では、さらに長い間隔が
可能である。多くの場合では、併用療法で使用される2つ以上の薬剤は、同時に患者の体
内に存在することが望ましいが、そうである必要はない。

0073

本発明はまた、本明細書に記載の疾患または状態を治療または予防する用量で、薬学的
に好適なキャリアまたは賦形剤と混合された、化合物44またはその薬学的に許容される
塩と本明細書に開示された1つまたは複数の他の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
本発明の医薬組成物はまた、他の治療剤または治療手段と併用して、同時に、逐次的にま
たは交互に投与することができる。

0074

本発明の組成物の混合物もまた、単一混合物としてまたは好適な製剤化された医薬組成
物で患者に投与することができる。たとえば、本発明の一態様は、治療有効用量のEZH
2阻害剤もしくは化合物44またはその薬学的に許容される塩、水和物、エナンチオマー
または立体異性体;1つまたは複数の他の治療剤、および薬学的に許容される希釈剤また
担体を含む医薬組成物に関する。

0075

「医薬組成物」は、被検体への投与に好適な形態で本発明の化合物を含む製剤である。
化合物44および本明細書に記載の1つまたは複数の他の治療剤は各々、個々にまたは活
性成分の任意の組合せで複数の医薬組成物に製剤化することができる。したがって、1つ
または複数の投与経路を各医薬組成物の剤形に基づいて適切に選ぶことができる。あるい
は、化合物44および本明細書に記載の1つまたは複数の他の治療剤は、1つの医薬組成
物として製剤化することができる。

0076

一実施形態では、医薬組成物はバルクまたは単位剤形である。単位剤形は、たとえば、
カプセルIVバッグ錠剤エアロゾル吸入器の単一ポンプまたはバイアルなど種々の
形態のいずれかである。単位用量の組成物における活性成分(たとえば、開示された化合
物またはその塩、水和物、溶媒和物または異性体の製剤)の量は有効量であり、関連する
個々の治療に応じて変化する。当業者であれば、患者の年齢および状態によって投薬量
日常的に変える必要があることもあることを理解するであろう。投薬量はまた投与経路に
よって異なる。経口、経直腸非経口経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入
口腔内下、胸膜内髄腔内、鼻腔内および同種のものなど種々の経路を意図してい
る。本発明の化合物の局所投与または経皮投与用の剤形として、散剤スプレー剤軟膏
剤、ペースト剤クリーム剤ローション剤ゲル剤溶液剤、パッチ剤および吸入薬
挙げられる。一実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容されるキャリア
と、必要とされる任意の防腐剤バッファーまたは噴霧剤と混合される。

0077

本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という語句とは、化合物、アニオン
カチオン、材料、組成物、キャリアおよび/または剤形が、適切な医学的判断の範囲内
において、過剰な毒性、刺激アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を回避し
つつ、合理的なベネフィットリスク比に見合ってヒトおよび動物の組織と接触させて使
用するのに好適であることをいう。

0078

「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物の調製に有用であり、かつ一般に安全で
無毒性であり、生物学的にもあるいは他の点でも望ましい賦形剤を意味し、動物用途のほ
か、ヒトの医薬用途に許容可能な賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲に使用さ
れる「薬学的に許容される賦形剤」は、そうした賦形剤の1種および2種以上の両方を含
む。

0079

本発明の医薬組成物は、その目的の投与経路に適合するように製剤化される。投与経路
の例として、非経口投与、たとえば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与(たと
えば、吸入)、経皮投与(局所)、および経粘膜投与が挙げられる。非経口用途、皮内用
途または皮下用途に使用される溶液または懸濁液として、以下の成分:無菌希釈液、たと
えば食塩水溶液不揮発性油ポリエチレングリコールグリセリンプロピレングリコ
ールまたは他の合成溶媒抗菌薬、たとえばベンジルアルコールまたはメチルパラベン
酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムキレート化剤、たとえ
エチレンジアミン四酢酸;バッファー、たとえばアセテートシトレートまたはホスフ
ェート、および張度調整剤、たとえば塩化ナトリウムまたはブドウ糖を挙げることができ
る。pHは、酸または塩基、たとえば塩酸または水酸化ナトリウムで調整することができ
る。非経口調製物は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプルディスポーザブルシリ
ンジまたはマルチドーズバイアルに封入してもよい。

0080

本発明の組成物は、化学療法治療に現在使用されるよく知られた方法の多くで被検体に
投与することができる。たとえば、癌の治療では、本発明の化合物を腫瘍に直接注射して
も、血流中もしくは体腔に注射しても、あるいは経口投与しても、あるいはパッチを用い
て経皮適用してもよい。選択される用量は効果的な治療となるのに十分であるが、許容で
きない副作用を引き起こすほど高くないようにすべきである。病状の状況(たとえば、癌
前癌および同種のもの)および患者の健康については好ましくは、治療中および治療後
当期間、詳細にモニターすべきである。

0081

「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、特定された疾患または状態を
治療、軽減または予防する、あるいは検出可能な治療効果または阻害効果を示す医薬剤
量をいう。効果は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ方法により検出すること
ができる。被検体の正確な有効量は、被検体の体重、大きさおよび健康;その状態の性質
および程度;ならびに投与のために選択した治療法または治療法の併用によって異なる。
ある状況に対する治療有効量は、臨床医技能および判断の範囲内にある通常の実験によ
り決定することができる。好ましい態様では、治療対象の疾患または状態は癌である。別
の態様では、治療対象の疾患または状態は細胞増殖性障害である。

0082

ある種の実施形態では、併用で使用される各医薬剤の治療有効量は、各薬剤単独による
単独療法に比較して併用で使用される場合低くなる。そのように治療有効量が低くなると
、治療レジメンの毒性が低くなり得るであろう。

0083

いずれの化合物でも、治療有効量は、たとえば、腫瘍性細胞細胞培養アッセイ、また
動物モデル、通常ラット、マウス、ウサギイヌもしくはブタを用いて最初に推定する
ことができる。動物モデルはさらに、適切な濃度範囲および投与経路を判定するのに使用
してもよい。次いでこうした情報を使用して、ヒトの投与に有用な用量および経路を判定
することができる。治療/予防有効性および毒性は、細胞培養または実験動物を対象とし
標準的な薬学的手順、たとえば、ED50(集団の50%で治療効果のある用量)およ
びLD50(集団の50%致死用量)により判定することができる。毒性効果と治療効果
との間の用量比治療係数であり、LD50/ED50比で表すことができる。好ましい
のは、大きな治療係数を示す医薬組成物である。投薬量は、利用する剤形、患者の感受性
および投与経路によってこの範囲内で変わってもよい。

0084

投薬量および投与は、十分なレベルの活性剤を与えるか、または所望の効果を維持する
ように調整される。考慮に入れてもよい因子として、病状の重症度、被検体の一般的な健
康状態、被検体の年齢、体重および性別食事、投与の時間および頻度薬剤併用、反応
感受性、ならびに治療に対する忍容性/反応が挙げられる。長時間作用性医薬組成物は、
特定の製剤の半減期およびクリアランス速度によって3〜4日毎、毎週あるいは2週に1
回投与してもよい。

0085

本発明の活性化合物を含む医薬組成物は、一般に知られた方法で、たとえば、従来の混
合プロセス、溶解プロセス造粒プロセス糖衣錠製造プロセス、研和プロセス、乳化
ロセス、カプセル化プロセス、封入プロセスまたは凍結乾燥プロセスによって製造するこ
とができる。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用することができる調製物に加工し
やすくする賦形剤および/または助剤を含む、1種もしくは複数種の薬学的に許容される
キャリアを用いて従来の方法で製剤化してもよい。言うまでもなく、適切な製剤は選択さ
れた投与経路によって異なる。

0086

注射用途に好適な医薬組成物は、無菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および必
要に応じて調製される無菌注射用溶液または分散液用の無菌粉末を含む。静脈内投与では
、好適なキャリアとして、生理食塩水静菌水、Cremophor EL(商標)(B
SF,Parsippany,N.J.)またはリン酸塩緩衝生理食塩水PBS)が
挙げられる。すべての場合において、組成物は無菌でなければならず、シリンジ操作が容
易である程度の流動性があるべきである。組成物は、製造および保存条件下で安定でなけ
ればならず、細菌および真菌などの混入微生物の作用を防止しなければならない。キャリ
アは、たとえば、水、エタノールポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレング
リコールおよび液体ポリエチレングリコールならびに同種のもの)およびこれらの好適な
混合物を含む溶媒または分散媒であってもよい。適切な流動性は、たとえば、レシチン
どのコーティングの使用により、分散液の場合には、必要とされる粒度の維持により、お
よび界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌
剤および抗真菌剤、たとえば、パラベンクロロブタノールフェノールアスコルビン
酸、チメロサールおよび同種のものの使用により達成することができる。多くの場合、組
成物中に等張剤、たとえば、糖、多価アルコール、たとえばマニトールおよびソルビトー
ル、ならびに塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の持続化は、組
成物に吸収を遅らせる薬、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含
ませることにより行うことができる。

0087

無菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した1つの成分また
は成分の組み合わせと共に適切な溶媒に加え、続いて濾過滅菌を行うことにより調製する
ことができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒および上記に列挙したものから必要と
される他の成分を含む無菌ビヒクルに活性化合物を加えることにより調製される。無菌注
射溶液の調製用の無菌粉末の場合、調製方法真空乾燥およびフリーズドライであり、こ
れにより活性成分と任意の所望の追加成分との、前もって滅菌濾過した溶液から、活性成
分と任意の所望の追加成分との粉末が得られる。

0088

経口組成物は一般に、不活性希釈剤または食用の薬学的に許容されるキャリアを含む。
経口組成物はゼラチンカプセルに封入しても、あるいは錠剤に圧縮してもよい。経口治療
投与の目的上、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態
で使用してもよい。経口組成物はさらに、洗口剤として使用される液体キャリアを用いて
調製してもよく、液体キャリア中の化合物は経口適用し、すすいで吐き出すかまたは飲み
込む。薬学的に適合する結合剤および/または補助剤を組成物の一部として含めてもよい
。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤および同種のものは、性質の類似した以下の成分
または化合物:バインダー、たとえば微結晶性セルローストラガントゴムまたはゼラチ
ン;賦形剤、たとえばデンプンまたはラクトース崩壊剤、たとえばアルギン酸、Pri
mogelまたはコーンスターチ滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウムまたはS
terotes;流動促進剤、たとえばコロイド状二酸化ケイ素甘味剤、たとえばスク
ロースまたはサッカリン;または着香剤、たとえばペパーミントサリチル酸メチルまた
はオレンジ香味料のいずれかを含んでもよい。

0089

吸入による投与では、化合物は、好適な噴射剤、たとえば、二酸化炭素などのガスを含
加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態
送達される。

0090

全身投与はまた、経粘膜または経皮手段によるものでもよい。経粘膜または経皮投与で
は、透過対象のバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。こうした浸透剤は一般に当該技
術分野において公知であり、たとえば、経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁酸塩および
フシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用により達成
することができる。経皮投与では、活性化合物を一般に当該技術分野において公知の軟膏
膏薬ゲルまたはクリームに製剤する。

0091

活性化合物は、化合物の身体からの急速な排除を防ぐ薬学的に許容されるキャリア、た
とえばインプラントおよびマイクロカプセル化送達系などの放出制御製剤と共に調製して
もよい。エチレン酢酸ビニルポリ酸無水物ポリグリコール酸コラーゲンポリオル
エステルおよびポリ乳酸などの生分解性生体適合性ポリマーを使用してもよい。こうし
た製剤を調製するための方法は、当業者に明らかであろう。こうした材料はさらに、Al
za CorporationおよびNova Pharmaceuticals,In
c.から市販品として入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対する
モノクローナル抗体を用いて感染細胞を標的としたリポソームを含む)も、薬学的に許容
されるキャリアとして使用することができる。これらは、たとえば米国特許第4,522
,811号明細書に記載されているような当業者に公知の方法に従い調製することができ
る。

0092

投与のしやすさおよび投薬量の均一性のため、経口または非経口組成物を投薬単位剤形
で製剤化すると特に有利である。投薬単位剤形とは、本明細書で使用する場合、単位投薬
量として治療対象の被検体に適した物理的に分離した単位をいい、各単位は、必要とされ
薬学的キャリアと共に、所望の治療効果を発揮するように計算された所定量の活性化合
物を含む。本発明の投薬単位剤形の規格は、活性化合物の特有の特徴および達成されるべ
き個々の治療効果により決定され、それらに直接左右される。

0093

治療用途では、本明細書に記載のEZH2阻害剤化合物、本明細書に記載の他の治療剤
、化合物44と1つもしくは複数の他の治療剤とを含む組成物または本発明に従い使用さ
れる医薬組成物の投薬量は、選択した投薬量に影響を与える数ある要因の中でも、薬剤、
レシピエント患者の年齢、体重および臨床状態、ならびに治療を行う臨床医または開業医
の経験および判断によって異なる。一般に、用量は、腫瘍の増殖を遅延させる、そして好
ましくは退縮させる、さらに好ましくは癌を完全に退縮させるのに十分であるべきである
。投薬量は、単回投与分割投与または連続投与で約0.01mg/kg/日〜約500
0mg/kg/日の範囲であってもよい。好ましい態様では、投薬量は約1mg/kg/
日〜約1000mg/kg/日の範囲であってもよい。一態様では、用量は約0.1mg
/日〜約50g/日;約0.1mg/日〜約25g/日;約0.1mg/日〜約10g/
日;約0.1mg〜約3g/日;または約0.1mg〜約1g/日の範囲であってもよい
(投与はkg単位の患者の体重、m2単位の体表面積および年齢に応じて調整してもよい
)。医薬剤の有効量は、臨床医または他の適格観察者により認められる改善が客観的
特定できる量である。たとえば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準に測定してもよ
い。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。退縮はさらに、治療を中止した後に再発する腫瘍が
ないことによっても示される。本明細書で使用する場合、「投薬量効果的方法」という用
語は、活性化合物の量が被検体または細胞で所望の生物学的作用を発揮することをいう。

0094

医薬組成物は、投与説明書と共に容器パックまたはディスペンサーに含めてもよい。

0095

本発明の組成物はさらに塩を形成することができる。本発明の組成物は、分子当たり2
つ以上の塩、たとえば、モノ−、ジ−、トリ−を形成することができる。こうした形態も
すべて、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲内にあることを意図している。

0096

本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸性塩または
塩基性塩を作ることにより修飾された本発明の化合物の誘導体をいう。薬学的に許容され
る塩の例として、アミンなどの塩基性残基鉱酸塩または有機酸塩カルボン酸などの酸
性残基のアルカリ塩または有機塩、および同種のものがあるが、これに限定されるもので
はない。薬学的に許容される塩は、たとえば、無毒性無機酸または有機酸から形成された
親化合物の従来の無毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。たとえば、そうした従来
の無毒性塩として、2−アセトキシ安息香酸2−ヒドロキシエタンスルホン酸酢酸
アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸安息香酸重炭酸炭酸クエン酸エデト酸
エタンジスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコ
ン酸、グルタミン酸グリコール酸、グリコリアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒ
ドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフ
トエ酸、イセチオン酸乳酸ラクトビオン酸ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リン
ゴ酸、マンデル酸メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸シュウ酸、パモ酸、パント
ン酸、フェニル酢酸リン酸ポリガラクツロン酸プロピオン酸サリチル酸ステア
リン酸、サブ酢酸(subacetic)、コハク酸スルファミン酸スルファニル酸
硫酸タンニン酸酒石酸トルエンスルホン酸および一般に存在するアミン酸、たと
えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン等から選択される無機酸およ
び有機酸から得られるものがあるが、これに限定されるものではない。

0097

薬学的に許容される塩の他の例として、ヘキサン酸シクロペンタンプロピオン酸、ピ
ルビン酸、マロン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4−クロ
ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファー
スルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸
3−フェニルプロピオン酸トリメチル酢酸第三級ブチル酢酸、ムコン酸および同種
のものが挙げられる。本発明はさらに、親化合物に存在する酸性プロトン金属イオン
たとえば、アルカリ金属イオンアルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンに置き
換えられている場合、あるいは有機塩基、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミントロメタミンN−メチルグルカミンおよび同種のものと配
位している場合に形成される塩を包含する。

0098

薬学的に許容される塩への言及にはすべて、同じ塩の溶媒付加体(溶媒和物)が含まれ
ることを理解すべきである。

0099

組成物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、経口投与、経鼻投与、経
皮投与、経肺投与吸入投与、口腔内投与、舌下投与腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投
与、静脈内投与、直腸内投与、胸膜内投与、髄腔内投与および非経口投与される。一実施
形態では、化合物は経口投与される。当業者であれば、特定の投与経路の利点を認識する
であろう。

0100

化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的
状態;治療対象の状態の重症度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;ならびに利用さ
れる個々の化合物またはその塩など種々の因子に従い選択される。通常の知識を有する医
師または獣医師であれば、当該状態の進行を予防、防止または停止するのに必要な薬剤の
有効量を容易に判定し、処方することができる。

0101

開示した本発明の化合物の製剤および投与のための技術は、Remington:th
e Science and Practice of Pharmacy,19th
edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(19
95)で確認することができる。一実施形態では、本明細書に記載の化合物およびその薬
学的に許容される塩は、薬学的に許容されるキャリアまたは希釈薬と組み合わせて医薬調
製物に使用される。好適な薬学的に許容されるキャリアとして、不活性な固体充填剤また
は希釈薬、および無菌水溶液または有機溶液が挙げられる。本化合物は、本明細書に記載
の範囲の所望の投薬量を与えるのに十分な量でそうした医薬組成物中に存在する。

0102

本明細書に使用されるパーセンテージおよび比率はすべて、他に記載がない限り、重量
による。本発明の他の特徴と利点は様々な例から明らかである。提示した例は、本発明を
実施する際に有用な様々な要素および方法を説明するものである。こうした例は、特許請
求の範囲に記載されている発明を限定するものではない。本開示に基づき、当業者であれ
ば、本発明を実施するのに有用な他の要素および方法を特定し、利用することができる。

0103

本発明は、ヒストンまたは他のタンパク質のメチル化状態の調節により、その過程がヒ
ストンまたは他のタンパク質のメチル化状態の調節により影響を受け得る状態および疾患
を治療するための組成物および方法であって、前記メチル化状態が、EZH2の活性によ
り少なくとも部分的に媒介される組成物および方法を提供する。ヒストンのメチル化状態
の調節の結果、メチル化により活性化される標的遺伝子および/またはメチル化により抑
制される標的遺伝子の発現レベルが影響され得る。この方法は、そうした治療を必要とす
る被検体に、治療有効量の本発明の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶
媒和物を投与することを含む。

0104

異常なヒストンメチル化が特定の癌および前癌性状態に関連することが見出されている
という事実に少なくとも基づいて、被検体の突然変異型EZH2を有する癌または前癌性
状態を治療するための方法は、それを必要とする被験体に、メチル化を阻害する治療有効
量の化合物を投与することを含む。一実施形態では、被検体の癌または前癌性状態を治療
するための方法は、それを必要とする被験体に、非メチル化H3−K27のモノメチル化
H3−K27(H3−K27me1)への変換を阻害する治療有効量の化合物を投与する
ことを含む。一実施形態では、被検体の癌または前癌性状態を治療するための方法は、そ
れを必要とする被験体に、モノメチル化H3−K27(H3−K27me1)のジメチル
化H3−K27(H3−K27me2)への変換を阻害する治療有効量の化合物を投与す
ることを含む。一実施形態では、被検体の癌または前癌性状態を治療するための方法は、
それを必要とする被験体に、H3−K27me2のトリメチル化H3−K27(H3−K
27me3)への変換を阻害する治療有効量の化合物を投与することを含む。一実施形態
では、被検体の癌または前癌性状態を治療するための方法は、それを必要とする被験体に
、H3−K27me1のH3−K27me2への変換およびH3−K27me2のH3−
K27me3への変換の両方を阻害する治療有効量の化合物を投与することを含む。細胞
のヒストンまたはタンパク質のメチル化レベルが全体的に増大することなく、メチル化の
疾患特異的な増大が、重要なゲノム遺伝子座で生じ得ることに注目することは重要である
。たとえば、重要な疾患関連遺伝子の異常な過剰メチル化が全体的なヒストンまたはタン
パク質の低メチル化背景に反して生じることが可能である。

0105

メチル化のモジュレーターは、一般に、細胞増殖の調節のために使用することができる
。たとえば、場合によっては、過剰な増殖は、メチル化を低下させる薬剤により低減する
ことができるのに対して、不十分な増殖は、メチル化を増大させる薬剤により刺激するこ
とができる。したがって、治療することができる疾患には、良性の細胞増殖および悪性の
細胞増殖(癌)など過剰増殖の疾患が含まれる。

0106

EZH2介在性のタンパク質メチル化が役割を果たす障害として、癌、細胞増殖性障害
または前癌性状態があり得る。本発明はさらに、癌の治療に有用な薬物の調製のための、
そのような治療を必要とする被検体に対する本発明の組成物またはその薬学的に許容され
る塩、溶媒和物の使用を提供することができる。治療することができる例示的な癌として
、リンパ腫、たとえば、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)およびびまん性大
細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、たとえば、GCBリンパ腫を挙げることができる

0107

一般に、メチル化モジュレーターである化合物は、一般に、細胞増殖の調節のために使
用することができる。たとえば、場合によっては、過剰な増殖は、メチル化を低下させる
薬剤により低減することができるのに対して、不十分な増殖は、メチル化を増大させる薬
剤により刺激することができる。したがって、本発明の化合物により治療することができ
る疾患には、良性の細胞増殖および悪性の細胞増殖など過剰増殖の疾患が含まれる。

0108

本明細書で使用する場合、「それを必要とする被検体」は、EZH2在性のタンパク質
メチル化が役割を果たす障害を有する被検体、または一般集団と比較してそうした障害を
発症するリスクが高い被検体をいう。それを必要とする被検体は、前癌性状態を有してい
てもよい。好ましくは、それを必要とする被検体は癌を有する。「被検体」には哺乳動物
が含まれる。哺乳動物は、たとえば、任意の哺乳動物、たとえばヒト、霊長類、トリ、マ
ウス、ラット、イヌ、ネコ雌ウシウマヤギラクダヒツジまたはブタであっても
よい。好ましくは、哺乳動物はヒトである。

0109

本発明の被検体は、癌または前癌性状態と診断されているか、それらの症状を有するか
、またはそれらを発症するリスクのある任意のヒト被検体を含む。本発明の被験体は、突
然変異型EZH2を発現する任意のヒト被検体を含む。たとえば、突然変異型EZH2は
1つまたは複数の突然変異を含み、突然変異は、置換、点突然変異ナンセンス突然変異
ミスセンス突然変異欠失もしくは挿入、または本明細書に記載の任意の他のEZH2
突然変異である。

0110

それを必要とする被験体は難治性または抵抗性癌を有することがある。「難治性または
抵抗性癌」は、治療に反応しない癌を意味する。癌は治療の初期に抵抗性がある場合も、
または治療中に抵抗性になる場合もある。いくつかの実施形態では、それを必要とする被
検体は、直近の療法による寛解後に癌が再発している。いくつかの実施形態では、それを
必要とする被検体は、癌治療に有効な既知の療法をすべて受けて無効であった。いくつか
の実施形態では、それを必要とする被検体は少なくとも1つの先行療法を受けていた。あ
る種の実施形態では、先行療法は単独療法である。ある種の実施形態では、先行療法は併
用療法である。

0111

いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、以前の療法の結果として二次癌
を有することがある。「二次癌」は、以前の発癌療法、たとえば化学療法によりあるいは
その結果として発生する癌を意味する。

0112

被検体はまた、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤または他の任意の治
療剤に対して抵抗性を示すことがある。

0113

本発明はまた、癌を有する被検体に対する併用療法を選択する方法を特徴とする。この
方法は、被検体由来サンプルにおいて、本明細書に記載の1つまたは複数のEZH2突
然変異を検出するステップ;および1つまたは複数のEZH2突然変異の存在に基づいて
、癌を治療するための併用療法を選択するステップを含む。一実施形態では、この療法は
、被検体に本発明の組成物を投与することを含む。一実施形態では、この方法は、治療有
効量の本発明の組成物を被検体に投与することをさらに含む。EZH2突然変異は、当該
技術分野で公知の任意の好適な方法を使用して検出することができる。さらに多くの方法
が、その内容全体を参照により本明細書に援用する米国特許出願公開第20130040
906号明細書に記載されている。

0114

本明細書に記載の方法および使用は、被検体への本発明の組成物(たとえば、化合物4
4またはその薬学的に許容される塩と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物)の投与前
および/または投与後に、それを必要とする被検体に由来するサンプル中に、本明細書に
記載の1つまたは複数のEZH2突然変異を検出するステップを含むことができる。試験
サンプル中に本明細書に記載の1つまたは複数のEZH2突然変異が存在すると、被検体
が本発明の併用療法に感受性であることが示される。

0115

本発明は、被検体における本明細書に記載の1つまたは複数のEZH2突然変異の遺伝
スクリーニングにより、被検体のための個別化医療、治療および/または癌管理を提供
する。たとえば、本発明は、併用療法に対する被検体の反応性を判定して、被検体が併用
療法に感受性がある場合、被検体に本発明の組成物を投与することにより、それを必要と
する被検体の癌の症状または前癌性状態を治療または緩和するための方法を提供する。反
応性は、被検体からサンプルを採取し、本明細書に記載の1つまたは複数のEZH2突然
変異を検出することにより判定し、そうした本明細書に記載の1つまたは複数のEZH2
突然変異が存在すると、被検体は本発明の組成物に感受性があることが示される。被検体
の反応性が判定されたならば、治療有効量の組成物、たとえば、化合物44またはその薬
学的に許容される塩と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物を投与することができる。
組成物の治療有効量は、当業者が判定することができる。

0116

本明細書で使用する場合、「反応性」という用語は、「反応性のある」、「感受性のあ
る」および「感受性」と同義であり、本発明の組成物を投与されたときに被検体が治療反
応を示す、たとえば、被検体の腫瘍細胞または腫瘍組織がアポトーシスおよび/もしくは
壊死を起こし、かつ/または成長分裂もしくは増殖の低下を示すことを意味する。この
用語はまた、被検体が、本発明の組成物を投与されたときに一般集団と比較して、治療反
応を示す、たとえば、被検体の腫瘍細胞または腫瘍組織がアポトーシスおよび/もしくは
壊死を起こし、かつ/または成長、分裂もしくは増殖の低下を示す確率が高くなることま
たは高いことを意味する。

0117

「サンプル」は、被検体から得られた任意の生物学的サンプルを意味し、以下に限定さ
れるものではないが、細胞、組織サンプル、体液粘液、血液、血漿血清、尿、唾液
よび精液があるが、これに限定されるものではない)、腫瘍細胞および腫瘍組織がある。
好ましくは、サンプルは、骨髄末梢血細胞、血液、血漿および血清から選択される。サ
プルは、治療または検査中の被検体から得てもよい。あるいはサンプルは、当該技術分
野における通常の業務に従い医師が採取してもよい。

0118

本明細書で使用する場合、「細胞増殖性障害」という用語は、細胞の制御不能な増殖も
しくは異常な増殖、または制御不能かつ異常な増殖により、癌性であることもあればそう
でない場合もある望ましくない状態または疾患が発症し得る状態をいう。本発明の例示的
な細胞増殖性障害は、細胞分裂無秩序である種々の状態を包含する。例示的な細胞増殖
性障害として、新生物良性腫瘍悪性腫瘍、前癌性状態、in situ腫瘍、被包性
腫瘍、転移性腫瘍液性腫瘍、充実性腫瘍免疫学的腫瘍、血液系腫瘍、癌、癌腫、白血
病、リンパ腫、肉腫および急速に分裂する細胞があるが、これに限定されるものではない
。「急速に分裂する細胞」という用語は、本明細書で使用する場合、同じ組織内の隣接す
るまたは並列する細胞において予想または観察される速度を上回るまたはそれより大きな
速度で分裂する任意の細胞と定義される。
細胞増殖性障害は前癌または前癌性状態を含む。細胞増殖性障害は癌を含む。好ましく
は、本明細書に規定される方法は癌の症状を治療または緩和するために使用される。「癌
」という用語は、充実性腫瘍のほか、血液腫瘍および/または悪性腫瘍を含む。「前癌細
胞」または「前癌性細胞」は、前癌または前癌性状態である細胞増殖性障害を発現してい
る細胞である。「癌細胞」または「癌性細胞」は、癌である細胞増殖性障害を発現してい
る細胞である。任意の再現可能な測定手段を用いて、癌細胞または前癌性細胞を同定する
ことができる。癌細胞または前癌性細胞は、組織サンプル(たとえば、生検標本)の組織
学的分類またはグレード分類により同定してもよい。癌細胞または前癌性細胞は、適切な
分子マーカーの使用により同定してもよい。

0119

治療できる癌は、DNAサイトメトリー、フローサイトメトリーまたはイメージイト
メトリーにより評価してもよい。治療できる癌は、細胞の10%、20%、30%、40
%、50%、60%、70%、80%または90%が細胞分裂の合成期(たとえば、細胞
分裂のS期)にあるものとして型別にしてもよい。治療できる癌は、S期割合が低いまた
はS期割合が高いものとして型別にしてもよい。

0120

本明細書で使用する場合、「正常な細胞」は、「細胞増殖性障害」の一部として分類で
きない細胞である。正常な細胞には、望ましくない状態または疾患の発症に至る可能性が
ある制御不能な増殖もしくは異常な増殖、または制御不能かつ異常な増殖が見られない。
好ましくは、正常な細胞は、正常に機能する細胞周期チェックポイント制御機構を有する

0121

本明細書で使用する場合、「細胞を接触させること」とは、化合物または他の組成物が
細胞と直接接触している、あるいは細胞に所望の生物学的作用を起こすのに十分に接近し
ている状態をいう。

0122

本明細書で使用する場合、「候補化合物」とは、その化合物が細胞、組織、系、動物ま
たはヒトにおいて研究者または臨床医が求めている所望の生物学的または医学的反応を惹
起する可能性が高いかどうかを判定するため、1つまたは複数のインビトロまたはイン
ボでの生物学的アッセイで試験したことがあるあるいは試験する予定の本発明の化合物、
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物をいう。候補化合物は、本発明の化合
物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝物、多形もしくは溶媒和物で
ある。生物学的または医学的反応は、癌の治療であってもよい。生物学的または医学的反
応は、細胞増殖性障害の治療または予防であってもよい。インビトロまたはインビボでの
生物学的アッセイとして、以下に限定されるものではないが、酵素活性アッセイ、電気
動移動度シフトアッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存率アッセイお
よび本明細書に記載のアッセイを挙げることができる。

0123

本明細書で使用する場合、「治療すること」または「治療する」は、疾患、状態または
障害の対処を目的とした患者の管理およびケアをいい、疾患、状態もしくは障害の症状ま
たは合併症を緩和するため、あるいは疾患、状態もしくは障害を除去するため本発明の化
合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む。

0124

本発明の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物はまた、疾患、状
態または障害を予防するために使用してもよい。本明細書で使用する場合、「予防するこ
と」または「予防する」は、疾患、状態もしくは障害の症状または合併症の発症を減少ま
たは除去することをいう。

0125

本明細書で使用する場合、「緩和する」という用語は、障害の徴候または症状の重症度
を低下させるプロセスを記載することを意図している。重要な点として、徴候または症状
は、除去することなく緩和することができる。好ましい実施形態では、本発明の医薬組成
物を投与すると徴候または症状が除去されるが、しかしながら、除去は必須ではない。効
果的な投薬量は徴候または症状の重症度を低下させると予想される。たとえば、複数の部
位で起こり得る癌などの障害の徴候または症状は、複数の部位の少なくとも1つで癌の重
症度が低下すると緩和される。

0126

本明細書で使用する場合、「重症度」という用語は、癌が前癌性または良性状態から悪
性状態に変化する可能性を記載することを意図している。あるいは、またはさらに、重症
度は、たとえば、TNM方式(International Union Agains
t Cancer(UICC)およびAmerican Joint Committe
e on Cancer(AJCC)により認められた)により、あるいは他の当該技術
分野において承認されている方法により癌の病期を記載することを意図している。癌の病
期とは、原発腫瘍の位置、腫瘍の大きさ、腫瘍数およびリンパ節転移(癌のリンパ節への
広がり)などの因子に基づく癌の程度または重症度をいう。あるいは、またはさらに、重
症度は、当該技術分野において承認されている方法により腫瘍グレードを記載することを
意図している(米国国立癌研究所(National Cancer Institut
e)、www.cancer.govを参照されたい)。腫瘍グレードは、癌細胞が顕微
鏡下でどのように異常に見えるか、そして腫瘍がいかに急速に増殖し広がる傾向があるか
という観点から癌細胞を分類するのに使用するシステムである。腫瘍グレードを判定する
際は、細胞の構造および増殖パターンなど多くの因子が考慮される。腫瘍グレードの判定
に使用される具体的な因子は、各癌型によって異なる。重症度はまた、腫瘍細胞が同じ組
織型の正常な細胞にどの程度類似しているかを示す、分化とも呼ばれる組織学的グレード
もいう(米国国立癌研究所(National Cancer Institute、w
ww.cancer.govを参照されたい)。さらに、重症度は、腫瘍細胞の核の大き
さおよび形状と、分裂している腫瘍細胞の割合とを示す核グレードについてもいう(米国
国立癌研究所(National Cancer Institute、www.can
cer.govを参照されたい)。

0127

本発明の別の態様では、重症度は、腫瘍が増殖因子をどの程度分泌したか、細胞外マト
リックスをどの程度分解したか、どの程度血管新生化したか、隣接した組織への接着をど
の程度失ったか、あるいはどの程度転移したかをいう。さらに重症度は、原発腫瘍が転移
した部位の数も示す。最後に、重症度は、様々な型および部位の腫瘍の治療のしにくさを
含む。たとえば、手術不能な腫瘍、複数の器官に到達しやすい癌(血液系および免疫系の
腫瘍)、および伝統的な治療に最も抵抗性があるものが、最も重度と見なされる。これら
の状況において、被検体の平均余命の延長および/または疼痛の低下、癌性細胞の比率の
低下または細胞が1つの系に限定されること、ならびに癌の病期/腫瘍グレード/組織学
的グレード/核グレードの改善は、癌の徴候または症状の緩和と見なされる。

0128

本明細書で使用する場合、「症状」という用語は、疾患、疾病、障害または体内に適切
でないものがあることの兆しと定義される。症状は、症状を経験している個体が感じある
いは気付くものであるが、他人は容易に気付くことができない。他人は、非医療専門家
定義される。

0129

本明細書で使用する場合、「徴候」という用語も、体内に適切でないものがあることの
兆しと定義される。ただし、徴候は、医師、看護師または他の医療専門家により確認する
ことができるものと定義される。

0130

癌は、ほとんどすべての徴候または症状を引き起こし得る疾患群である。徴候および症
状は、癌がどこにあるか、癌の大きさ、および癌が近くの器官または構造にどの程度影響
を与えるかによって異なる。癌が広がる(転移する)場合、症状は体の様々な部分で現れ
ることがある。

0131

癌を治療すると、腫瘍の大きさが小さくなることがある。腫瘍の大きさが小さくなるこ
とは、「腫瘍退縮」という場合もある。好ましくは、治療後、腫瘍の大きさは、治療前
その大きさと比較して5%以上縮小し;一層好ましくは、腫瘍の大きさは10%以上縮小
し;一層好ましくは20%以上縮小し;一層好ましくは30%以上縮小し;一層好ましく
は40%以上縮小し;なお一層好ましくは、50%以上縮小し;最も好ましくは、75%
超縮小する。腫瘍の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。
腫瘍の大きさは、腫瘍の直径として測定してもよい。

0132

癌を治療すると、腫瘍容積が縮小することがある。好ましくは、治療後、腫瘍容積は、
治療前のその大きさと比較して5%以上縮小し;一層好ましくは、腫瘍容積は10%以上
縮小し;一層好ましくは20%以上縮小し;一層好ましくは30%以上縮小し;一層好ま
しくは40%以上縮小し;なお一層好ましくは50%以上縮小し;最も好ましくは75%
超縮小する。腫瘍容積は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。

0133

癌を治療すると、腫瘍の数が減少する。好ましくは、治療後、腫瘍数は、治療前の数と
比較して5%以上減少し;一層好ましくは、腫瘍数は10%以上減少し;一層好ましくは
20%以上減少し;一層好ましくは30%以上減少し;一層好ましくは40%以上減少し
;なお一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%超減少する。腫瘍の数は
、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の数は、肉眼または特定
倍率で観察できる腫瘍をカウントすることにより測定することができる。好ましくは、
特定の倍率は2倍、3倍、4倍、5倍、10倍または50倍である。

0134

癌を治療すると、原発腫瘍部位から離れた他の組織または器官における転移病変の数が
減少することがある。好ましくは、治療後、転移病変の数は、治療前の数と比較して5%
以上減少し;一層好ましくは、転移病変の数は10%以上減少し;一層好ましくは20%
以上減少し;一層好ましくは30%以上減少し;一層好ましくは40%以上減少し;なお
一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%超減少する。転移病変の数は、
任意の再現可能な測定手段により測定することができる。転移病変の数は、肉眼または特
定の倍率で観察できる転移病変をカウントすることにより測定することができる。好まし
くは、特定の倍率は2倍、3倍、4倍、5倍、10倍または50倍である。

0135

癌を治療すると、治療した被検体の集団の平均生存期間が、キャリアを単独投与した集
団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層
好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を
超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定する
ことができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による
治療の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間
の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の平均生存期
間を計算することにより測定してもよい。

0136

癌を治療すると、治療した被検体の集団の平均生存期間が、未治療被検体の集団と比較
して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましく
は60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延
長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することがで
きる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による治療の開
始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長は
また、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の平均生存期間を計算
することにより測定してもよい。

0137

癌を治療すると、治療した被検体の集団の平均生存期間が、本発明の化合物、またはそ
の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物ではない薬剤による単独療法を受けた集団と比
較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好まし
くは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて
延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することが
できる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による治療の
開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長
はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の平均生存期間を計
算することにより測定してもよい。

0138

癌を治療すると、治療した被検体の集団の死亡率がキャリアを単独投与した集団と比較
して低下することがある。癌を治療すると、治療した被検体の集団の死亡率が未治療集団
と比較して低下することがある。癌を治療すると、治療した被検体の集団の死亡率が、本
発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物ではない薬剤による単
独療法を受けた集団と比較して低下することがある。好ましくは、死亡率は2%超;一層
好ましくは5%超;一層好ましくは10%超;最も好ましくは25%超低下する。治療し
た被検体の集団の死亡率の低下は、任意の再現可能な手段により測定することができる。
集団の死亡率の低下は、たとえば、集団について活性化合物による治療の開始後の単位時
間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。集団の死亡率の
低下はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の単位時間当た
りの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。

0139

癌を治療すると、腫瘍の成長率が低下することがある。好ましくは、治療後、腫瘍の成
長率は治療前の数と比較して少なくとも5%低下し;一層好ましくは、腫瘍の成長率は少
なくとも10%低下し;一層好ましくは少なくとも20%低下し;一層好ましくは少なく
とも30%低下し;一層好ましくは少なくとも40%低下し;一層好ましくは少なくとも
50%低下し;なお一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも
75%低下する。腫瘍の成長率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができ
る。腫瘍の成長率は、単位時間当たり腫瘍直径の変化により測定してもよい。

0140

癌を治療すると、腫瘍の再増殖が抑制されることがある。好ましくは、治療後、腫瘍の
再増殖は5%未満であり;一層好ましくは、腫瘍の再増殖は10%未満であり;一層好ま
しくは20%未満であり;一層好ましくは30%未満であり;一層好ましくは40%未満
であり;一層好ましくは50%未満であり;なお一層好ましくは50%未満であり;最も
好ましくは75%未満である。腫瘍の再増殖は、任意の再現可能な測定手段により測定す
ることができる。腫瘍の再増殖は、たとえば、以前の腫瘍縮小後に、治療後生じた腫瘍の
直径の増加を測定することにより測定してもよい。腫瘍の再増殖の抑制は、治療を中止し
た後に腫瘍が再発しないことにより示される。

0141

細胞増殖性障害を治療または予防すると、細胞増殖率が低下することがある。好ましく
は、治療後、細胞増殖率は少なくとも5%低下し;一層好ましくは少なくとも10%低下
し;一層好ましくは少なくとも20%低下し;一層好ましくは少なくとも30%低下し;
一層好ましくは少なくとも40%低下し;一層好ましくは少なくとも50%低下し;なお
一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。細
増殖率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細胞増殖率は、た
とえば、組織サンプルにおいて単位時間当たりに分裂している細胞数を測定することによ
り測定してもよい。

0142

細胞増殖性障害を治療または予防すると、増殖している細胞の比率が低下することがあ
る。好ましくは、治療後、増殖している細胞の比率は少なくとも5%;一層好ましくは少
なくとも10%;一層好ましくは少なくとも20%;一層好ましくは少なくとも30%;
一層好ましくは少なくとも40%;一層好ましくは少なくとも50%;なお一層好ましく
は少なくとも50%;最も好ましくは少なくとも75%低下する。増殖している細胞の比
率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。好ましくは、増殖してい
る細胞の比率は、たとえば組織サンプルにおいて分裂している細胞数を非分裂細胞の数と
比較して定量することにより測定される。増殖している細胞の比率は、分裂指数と等価で
あり得る。

0143

細胞増殖性障害を治療または予防すると、細胞の増殖部位または領域の大きさが小さく
なることがある。好ましくは、治療後、細胞の増殖部位または領域の大きさは、治療前の
その大きさと比較して少なくとも5%縮小し;一層好ましくは少なくとも10%縮小し;
一層好ましくは少なくとも20%縮小し;一層好ましくは少なくとも30%縮小し;一層
好ましくは少なくとも40%縮小し;一層好ましくは少なくとも50%縮小し;なお一層
好ましくは少なくとも50%縮小し;最も好ましくは少なくとも75%縮小する。細胞の
増殖部位または領域の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる
。細胞の増殖部位または領域の大きさは、細胞の増殖部位または領域の直径または幅とし
て測定してもよい。

0144

細胞増殖性障害を治療または予防すると、異常な外観もしくは形態を有する細胞の数ま
たは比率が低下することがある。好ましくは、治療後、異常な形態を有する細胞数は、治
療前のその大きさと比較して少なくとも5%減少し;一層好ましくは少なくとも10%減
少し;一層好ましくは少なくとも20%減少し;一層好ましくは少なくとも30%減少し
;一層好ましくは少なくとも40%減少し;一層好ましくは少なくとも50%減少し;な
お一層好ましくは少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。
異常な細胞外観または形態は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。
異常な細胞形態は、たとえば倒立培養顕微鏡を用いて顕微鏡観察により測定してもよい
。異常な細胞形態は、核異型の形をとることがある。

0145

本明細書で使用する場合、「選択的に」という用語は、ある集団において別の集団より
高頻度で起こる傾向があることを意味する。比較される集団は細胞集団であってもよい。
好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、癌
または前癌性細胞に選択的に作用するが、正常な細胞には作用しない。好ましくは、本発
明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、ある分子標的(たと
えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を調節するが、別の分子標的(たとえ
ば、非標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)をあまり調節しないように選択的に作
用する。本発明はまた、酵素、たとえばタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性を選
択的に阻害するための方法を提供する。好ましくは、あるイベントが集団Bと比較して集
団Aで2倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは、集団Bに対して集団Aにお
いて選択的に起こる。あるイベントが集団Aで5倍を超える高い頻度で起こる場合、その
イベントは選択的に起こる。あるイベントが集団Bと比較して集団Aで10倍を超える高
い頻度で;一層好ましくは50倍を超える;なお一層好ましくは100倍を超える;最も
好ましくは1000倍を超える高い頻度で、集団Aで起こる場合、そのイベントは選択的
に起こる。たとえば、細胞死は、正常な細胞と比較して癌細胞で2倍を超える頻度で起こ
る場合、癌細胞で選択的に起こるといえると考えられる。

0146

本発明の組成物、たとえば、化合物44またはその薬学的に許容される塩および1つま
たは複数の他の治療剤、たとえばプレドニゾンは、分子標的(たとえば、標的タンパク質
メチルトランスフェラーゼ)の活性を調節することができる。調節とは、分子標的の活性
を刺激または阻害することをいう。好ましくは、本発明の化合物またはその薬学的に許容
される塩もしくは溶媒和物が、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的
の活性と比較して分子標的の活性を少なくとも2倍刺激または阻害する場合、その化合物
は分子標的の活性を調節する。一層好ましくは、本発明の化合物またはその薬学的に許容
される塩もしくは溶媒和物が、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的
の活性と比較して分子標的の活性を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20
倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍刺激または阻害する場合、その化合物は分子
標的の活性を調節する。分子標的の活性は、任意の再現可能な手段により測定することが
できる。分子標的の活性はインビトロで測定しても、あるいはインビボで測定してもよい
。たとえば、分子標的の活性は酵素活性アッセイまたはDNA結合アッセイによりインビ
トロで測定してもよいし、あるいは、分子標的の活性はレポーター遺伝子の発現をアッセ
イすることによりインビボで測定してもよい。

0147

本発明の組成物は、化合物の添加により分子標的の活性が、前記化合物が存在しないこ
と以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して10%を超えて刺激または阻害されない
場合、分子標的の活性をあまり調節しない。

0148

本明細書で使用する場合、「アイソザイム選択的」という用語は、酵素の第2のアイソ
フォームと比較して酵素の第1のアイソフォームの優先的な阻害または刺激(たとえば、
タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムβと比較してタンパク質メチルトラン
スフェラーゼアイソザイムαの優先的な阻害または刺激)を意味する。好ましくは、本発
明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、生物学的作用を得る
のに必要な投薬量で最低4倍の差、好ましくは10倍の差、一層好ましくは50倍の差を
示す。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物
は、阻害範囲にわたりこの差を示し、この差の例としてIC50、すなわち、目的の分子
標的の50%阻害が挙げられる。

0149

本発明の組成物を細胞またはそれを必要とする被検体に投与すると、目的のタンパク質
メチルトランスフェラーゼの活性が調節(すなわち、刺激または阻害)され得る。

0150

本発明の化合物、たとえば、化合物44または薬学的に許容される塩と1つまたは複数
の他の治療剤、たとえばプレドニゾンとを含む組成物を、細胞またはそれを必要とする被
検体に投与すると、細胞内標的(たとえば、基質)の活性が調節(すなわち、刺激または
阻害)される。本発明の化合物を用いて、以下に限定されるものではないが、タンパク質
メチルトラスフェラーゼなどいくつかの細胞内標的を調節することができる。

0151

活性化とは、組成物(たとえば、タンパク質または核酸)を所望の生物学的機能を発揮
するのに好適な状態に置くことをいう。活性化することができる組成物はまた、不活性状
態も有する。活性化組成物は、阻害性の生物学的機能または刺激性の生物学的機能を有し
ても、あるいはその両方を有してもよい。上昇とは、組成物(たとえば、タンパク質また
は核酸)の所望の生物活性の増加をいう。上昇は、組成物の濃度の増加により起きてもよ
い。

0152

本明細書で使用する場合、「細胞周期チェックポイント経路」とは、細胞周期チェック
ポイントの調節に関わる生化学的経路をいう。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周
チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対して刺激作用もしくは阻害作用を有
しても、あるいはその両方を有してもよい。細胞周期チェックポイント経路は、少なくと
も2つの組成物、好ましくはタンパク質からなり、そのどちらも細胞周期チェックポイン
トの調節に寄与する。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイント経路
の1つまたは複数のメンバーの活性化により活性化され得る。好ましくは、細胞周期チェ
ックポイント経路は生化学的シグナル伝達経路である。

0153

本明細書で使用する場合、「細胞周期チェックポイント制御因子」とは、細胞周期チェ
ックポイントの調節において少なくともある程度機能し得る組成物をいう。細胞周期チェ
ックポイント制御因子は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対し
て刺激作用もしくは阻害作用を有しても、あるいはその両方を有してもよい。細胞周期チ
ェックポイント制御因子はタンパク質でも、あるいはタンパク質でなくてもよい。

0154

癌または細胞増殖性障害を治療すると、細胞死が起こることがあり、好ましくは細胞死
により、ある集団で細胞の数が少なくとも10%減少する。一層好ましくは、細胞死は、
少なくとも20%の減少;一層好ましくは少なくとも30%の減少;一層好ましくは少な
くとも40%の減少;一層好ましくは少なくとも50%の減少;最も好ましくは少なくと
も75%の減少を意味する。集団における細胞数は、任意の再現可能な手段により測定す
ることができる。集団における細胞数は、蛍光活性化セルソーター(FACS)、免疫蛍
光顕微鏡および光学顕微鏡により測定してもよい。細胞死を測定する方法は、Li et
al.,Proc Natl Acad Sci U S A.100(5):267
4−8,2003に示される通りである。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こ
る。

0155

好ましくは、本発明の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の有
効量は、正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の化合物の投与によ
り細胞死が正常な細胞の10%より多く誘導されない場合、治療有効量の化合物は正常な
細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の化合物の投与により細胞死が正常
な細胞の10%より多く誘導されない場合、治療有効量の化合物は正常な細胞の生存率に
あまり影響を与えない。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。

0156

本発明の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と細胞を接触させ
ると、癌細胞の細胞死を選択的に誘導または活性化することがある。それを必要とする被
検体に本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与すると
、癌細胞の細胞死を選択的に誘導または活性化することがある。本発明の組成物、または
その薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と細胞を接触させると、細胞増殖性障害に冒
された1つまたは複数の細胞の細胞死を選択的に誘導することがある。好ましくは、それ
を必要とする被検体に本発明の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和
物を投与すると、細胞増殖性障害に冒された1つまたは複数の細胞の細胞死が選択的に誘
導される。

0157

本発明は、それを必要とする被験体に、本発明の組成物、またはその薬学的に許容され
る塩もしくは溶媒和物を投与することにより、癌を治療または予防する方法であって、本
発明の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与すると、以下の
1つまたは複数:細胞周期の1つまたは複数の期(たとえば、G1、G1/S、G2/M
)への細胞の蓄積、または細胞老化の誘導、または腫瘍細胞分化の促進による癌細胞増殖
の防止;正常細胞において相当量の細胞死を起こすことのない、細胞毒性、ネクローシス
またはアポトーシスによる癌細胞の細胞死の促進、動物における治療係数が少なくとも2
の抗腫瘍活性がもたらされる方法に関する。本明細書で使用する場合、「治療係数」は最
大耐量を有効用量で除した値である。

0158

当業者は、本明細書で考察した公知の技術または等価な技術の詳細な説明に関する一般
的な参考文献を参照してもよい。そうした文献として、Ausubel et al.,
Current Protocols in Molecular Biology,J
ohn Wiley and Sons,Inc.(2005);Sambrook e
t al.,Molecular Cloning,A Laboratory Man
ual(3rd edition),Cold Spring Harbor Pres
s,Cold Spring Harbor,New York(2000);Coli
gan et al.,Current Protocols in Immunolo
gy,John Wiley & Sons,N.Y.;Enna et al.,Cu
rrent Protocols in Pharmacology,John Wil
ey & Sons,N.Y.;Fingl et al.,The Pharmaco
logical Basis of Therapeutics(1975),Remi
ngton’s Pharmaceutical Sciences,Mack Pub
lishing Co.,Easton,PA,18th edition(1990)
が挙げられる。さらにこれらの文献は、本発明の態様の製造または使用の際に参照しても
よいことは、言うまでもない。

0159

実施例1.
EZH2阻害剤とグルココルチコイドとの相乗的な抗腫瘍活性
その内容全体を参照により本明細書に援用する米国特許第8,410,088号明細書
に記載されるように、化合物44を合成した。

0160

化合物44(Cpd44)をCHOPのグルココルチコイド受容体アゴニスト(GRa
g)プレドニゾロンまたは他のGRag、たとえばデキサメタゾンとまさに併用した場合
に、劇的な相乗作用が観察された。CHOPと併用した場合、化合物44の抗増殖効果は
大幅に増強されるが、この相乗作用の大部分は、CHOPのGRag構成成分であるプレ
ドニゾロン(プレドニゾンの活性代謝物)に帰着させることができる。注目すべきことに
は、化合物44とプレドニゾロンの併用により、突然変異を有するGCBNHL細胞の
みからすべてのGCB NHL細胞に、EZH2阻害に感受性となる細胞の範囲が拡大さ
れる。

0161

2種のEZH2突然変異型細胞株、WSU−DLCL2およびSU−DHL10を、化
合物44で4日間前処理し、次いで、さらに3日間、化合物44と個々のCHOPとの組
合せで併用処理した(4+3モデル)。マホスファミド(シクロホスファミドのアナログ
)、ドキソルビシンおよびビンクリスチンはすべて、それ自体で突然変異細胞株の濃度依
存的増殖阻害を示した。したがって、化合物44と併用したこれらの薬物については併用
指数(CI、Calcusynソフトウェアを使用して算出した)を得た。しかしながら
、これらの細胞株は、プレドニゾロン(プレドニゾンの活性代謝物)単独に感受性を示さ
なかった。したがって、この場合には、CIを判定することができず、その代りにプレド
ニゾロンの濃度反応曲線で見られた化合物44のIC50のシフトに基づいて、効力の増
強を算出した。

0162

化合物44とマホスファミドの併用は、両方のEZH2突然変異型細胞株において、全
体を通して相加的な併用有益性をもたらした(図1C、1F)。WSU−DLCL2細胞
では、化合物44とドキソルビシンの併用は、4+3モデルにおいて相乗的に作用したが
(図1A)、SU−DHL10細胞ではこの併用は相加であった(図1D)。さらに化合
物44とビンクリスチンの併用は、両方のEZH2突然変異型細胞株で相加性を示した(
図1B、1E)。WSU−DLCL2細胞をプレドニゾロンと化合物44の併用で処理す
ると、化合物44について、効力増大方向への9倍シフトが観察された。異なるGRag
であるデキサメタゾンとの処理では、化合物44のIC50はさらに大きな17倍のシフ
トになった(図2A、2B)。化合物44についての効力シフトの同様な傾向は、SU−
DHL10細胞でも観察された(図2C、2D)。

0163

化合物44とCHOPの併用効果が、野生型EZH2リンパ腫細胞株を化合物44に感
受性にさせ得るが否かを検討した。化合物44単独処理では、EZH2野生型リンパ腫株
に増殖阻害を誘導しないので、個々のCHOP構成成分の濃度反応曲線に基づいて、効力
シフトを算出した。試験した4種のCHOP構成成分のうち、GRagと化合物44の併
用のみが、野生型GCBリンパ腫細胞株において効力シフトをもたらした。

0164

次に、化合物44とCHOPの併用効果が、EZH2突然変異型および野生型細胞株で
あるWSU−DLCL2 EZH2突然変異型(図3A、3B)およびDOHH2 EZ
H2野生型(図3C、3D)GCBリンパ腫細胞株を化合物44に感受性にさせ得るか否
かを検討した。プレドニゾロンと化合物44の併用によりWSU−DLCL2細胞を処理
すると、化合物44の活性が増強され(図3A)、化合物44のIC50が最大で1/2
4に減少した。異なるGRagであるデキサメタゾンとの処理では、化合物44のIC5
0はさらに大きく1/30に減少した(図3B)。プレドニゾロンについて1μMおよび
デキサメタゾンについて100nMの生物学的に適切な濃度では、効力増強はそれぞれ7
倍および15倍であった。化合物44は、DOHH2 EZH2野生型細胞において単剤
として抗増殖効果を示さないため(図3C、3D)、プレドニゾロンまたはデキサメタゾ
ンの効力シフトを測定した。興味深いことには、化合物44を野生型GCBリンパ腫細胞
株(DOHH2)で試験した場合、CHOPのGRag構成成分のみが、化合物44の存
在下で効力増強を示した(図3C、3D)。DOHH2細胞において、プレドニゾロンま
たはデキサメタゾンの効力は、化合物44の添加で増大した(図3C、3D)。

0165

EZH2野生型および突然変異型GCBリンパ腫細胞株において、いずれの単剤に比較
しても、GRagとEZH2iの併用のみが劇的な抗増殖効果の増強を誘導したことを考
慮して、化合物の処理期間および/または添加順序が感受性に影響を及ぼすか否かを判定
した。また、細胞株パネルを、EZH2野生型、EZH2突然変異型、化合物44感受性
、およびEZH2突然変異型、化合物44非感受性の細胞株を含むように拡張した(以前
にMcCabeらにより報告されたもの、および未公開内部データ)。これまでの4+3
モデルでは、効力シフトは、化合物44(EZH2 Y646(Y641としても知られ
る)感受性細胞株において)またはプレドニゾロン(EZH2野生型細胞株において)の
曝露のいずれかに基づくものであった。この実験セットについては、一定濃度のプレドニ
ゾロンにおける化合物44のIC50シフトを使用して、4+3モデル、4日間もしくは
7日間の併用処理、または4日間のプレドニゾロン前処理+3日間の併用処理のいずれか
で処理した細胞株における併用有益性を判定した。EZH2突然変異型化合物44感受性
細胞株を4日間併用処理すると、化合物44のIC50が1/30〜1/60に低下する
ことが観察され、4+3処理スケジュールと同様な傾向が示された(表1)。同様の結果
は、7日間併用処理および4+3モデルでも観察された(表1)。EZH2野生型GCB
細胞株では、4日後では測定可能な化合物44のIC50が得られないにもかかわらず、
両方の細胞株において、プレドニゾロンとの併用処理の4日後では、増殖の低下および測
定可能な化合物44のIC50が示された(表1)。EZH2野生型GCB細胞は、4+
3モデルおよび/または7日間併用処理スケジュールにも反応した(表1)。印象的なこ
とには、EZH2突然変異型化合物44非感受性細胞株は、これも4日間処理後に測定可
能な化合物44のIC50を示さないが、4日間併用処理により増殖の低下を示し、4+
3処理スケジュールによる併用および7日間併用処理に一層大きく反応した(表1)。細
胞をプレドニゾロンで前処理し、次いで化合物44とプレドニゾロンで併用処理した場合
には、細胞株の1つしか併用有益性を示さず、薬物添加の順序が相乗作用にとって重要で
あることが示唆された(表1)。

0166

0167

これらの細胞株における、化合物44とGRagの観察された併用有益性の原因となる
可能な機序を評価するために、本出願者らは、WSU−DLCL2細胞、OCI−LY1
9細胞およびRL細胞において、プレドニゾロン処理が、単独または化合物44との併用
による4日間処理後にH3K27の全体的なメチル化およびアセチル化に影響を及ぼすか
否かを判定した(2つの独立した実験)。単剤プレドニゾロンは、WSU−DLCL2細
胞またはRL細胞では、H3K27Me3レベルに影響を及ぼさなかったが、OCI−L
Y19細胞では、高用量でH3K27Me3レベルを増大させた(図9A)。プレドニゾ
ロン非感受性のEZH2突然変異体株と対照的に、OCI−LY19細胞がプレドニゾロ
ンに高感受性であるため、プレドニゾロン用量を低くすることがOCY−LY19細胞の
処理に必要であった。いずれの細胞株においても、プレドニゾロンを含めても、H3K2
7Me3阻害に対する化合物44のIC50に変化はなかった(図9A)。同様に、全体
的なH3K27アセチル化レベルも、プレドニゾロン単独または化合物44とプレドニゾ
ロンの併用により影響を受けなかった(図9B、9Cおよび9D)。

0168

H3K27アセチル化またはトリメチル化の全体的なレベルが影響を受けないことが見
出されたので、GRシグナル伝達経路の転写調節を検討した。WSU−DLCL2細胞、
SU−DHL10細胞、RL細胞、SU−DHL4細胞、OCI−LY19細胞およびD
OHH2細胞を、単一濃度の化合物44、プレドニゾロンまたはそれらの併用で4日間処
理し、グルココルチコイドシグナル伝達PCRアレイを使用して遺伝子発現を分析した(
表4)。全体的に、すべての細胞株において、プレドニゾロンおよび併用処理の両方によ
り、より多数の遺伝子がダウンレギュレートされ、遺伝子発現の活性化因子および抑制因
子の両方としてのGRの役割が示された。ここで、GRの活性化機能に焦点を合わせ、併
用処理により細胞株パネルの中で相乗的なアップレギュレーションを示す3種の遺伝子に
ついて記載する。mTORシグナル伝達(ref)を阻害する推定上の腫瘍サプレッサー
であるセストリン(SESN1)を、併用療法により4種のEZH2突然変異型細胞株の
間で共通して相乗的にアップレギュレートされる遺伝子として同定したが、EZH2野生
型細胞株ではそうではなかった(図8Aおよび表2)。TNF発現は、2種のEZH2突
然変異型化合物44非感受性細胞株の一方(SUDHL4)においてまさに相乗的にアッ
プレギュレートされ、他方のEZH2突然変異型化合物44非感受性細胞株(RL)に対
する傾向も同じ結果を示した(図8Bおよび表2)。TSC22D3/GILZの発現は
、プレドニゾロンによりすべての細胞株でアップレギュレートされるが、EZH2突然変
異型化合物44感受性細胞では併用処理によりまさに相乗的に増強される(図8Cおよび
表2)。

0169

0170

EZH2野生型(すなわち、OCI−LY19、DOHH2)、EZH2 Y646感
受性(すなわち、WSU−DLCL2、SUDHL10)、およびEZH2 Y646抵
抗性(すなわち、RL、SUDHL4)細胞株について、DMSO対照に規準化したグル
ココルチコイド受容体の発現レベルを、表示の化合物44、プレドニゾロン、化合物44
とプレドニゾロンの併用またはDMSOによる処理後に測定した(2つの生物学的レプリ
ケート、詳細については、方法材料および方法セクション5を参照のこと)。結果に示す
ように、グルココルチコイド受容体の発現レベルは、併用において、細胞株の間で共通し
て影響を受けなかった。(図19)倍率変化値は、ΔΔCt法ならびに参照遺伝子として
ACTB、B2MおよびGAPDHを使用して定量した。

0171

次いで、2つのさらなる異種移植片試験でCHOPレジームから1つまたはすべての化
学療法構成成分を省略する効果を検討した。SUDHL10(EZH2 Y646F)異
移植片を有するマウスを、化合物44、COP(ドキソルビシン構成成分を含まない化
学療法)またはそれらの併用で28日間処理した(図20A)。28日目に安楽死させた
8/16匹のマウスの平均腫瘍重量を比較し、群間で腫瘍重量に有意差があることが示さ
れた(*p<0.05、**p<0.01、****p<0.0001;両側t検定)。
最大耐用量の化合物44または化合物44/COP併用を投与したマウスは、60日目に
100%の生存を示し、併用群は、化合物44の最大耐用量を含む、他のすべての治療群
と統計的に差がある(p<0.05)、最小の28日目腫瘍重量を示した(図20A)。

0172

次いで、本出願者らは、2用量の化合物44または2つの異なるスケジュールのプレド
ニゾン(Pred−1=1〜5日目および22〜26日目に0.15mg/kg BID
×5のプレドニゾン;Pred−2=0.15mg/kg BID×28のプレドニゾン
)と共に、SUDHL10異種移植片モデルにおいて、化合物44とプレドニゾンの28
日間併用投与を検討した。インビトロのデータから示唆されるように、プレドニゾン単独
投与では、何ら有意な抗腫瘍効果が誘導されなかった(図20B)。以前の研究と一致し
て、化合物44の125mg/kg BID(毎日2回)投薬は、部分的な応答のみをも
たらしたが、2サイクルのプレドニゾンとではなく、0.15mg/kg BIDのプレ
ドニゾンと化合物44の併用投薬は、高用量の化合物44単独で達成される可能な最大退
縮を誘導した。投与したすべてのマウスの体重を、図20Cに示す。

0173

方法に記載のように、SUDHL10(EZH2 Y646F)異種移植片を有するマ
ウスを、化合物44、COP(ドキソルビシン構成成分を含まない化学療法)、またはそ
れらの併用で28日間処理した。28日目に安楽死させた8/16匹のマウスの平均腫瘍
重量を比較すると、群間で腫瘍重量に有意差があることが示された(*p<0.05、*
*p<0.01、****p<0.0001;両側t検定)。B)SUDHL10(EZ
H2 Y646F)異種移植片を有するマウスを、2用量の化合物44または2つの異な
るスケジュールのプレドニゾン(Pred−1=1〜5日目および22〜26日目に0.
15mg/kg BID×5のプレドニゾン;Pred−2=0.15mg/kg BI
D×28のプレドニゾン)で28日間処理した。両方の化合物はまた、示されるように併
用で投与された。平均腫瘍体積±SEM(n=10)を上部パネルにプロットする。EP
Z−6438を投与された群はすべて、統計的に有意な腫瘍増殖の退縮を示すが(p<0
.01、少なくともビヒクルまたは両方のスケジュールのプレドニゾン単剤に対して;反
復測定分散分析、Dunnett事後検定)、プレドニゾン単剤は、ビヒクルに比較して
、何ら有意な抗腫瘍効果を誘発しなかった。

0174

0175

最後に、腫瘍増殖阻害を3つの異なるEZH2突然変異型リンパ腫異種移植片モデルで
評価した。皮下にリンパ腫異種移植片を有するSCIDマウスまたはヌードマウスに、化
合物44とCHOPまたはCOP(ドキソルビシンを含まないCHOP)のいずれかの化
学療法を併用投薬し、単剤治療と比較した。WSU−DLCL2異種移植片を有するマウ
スでは、腫瘍増殖阻害は、使用されたすべての化合物44の用量およびスケジュールで達
成され、CHOP化学療法単独よりも良好であった(図7A)。さらに、化合物44およ
びCHOPの併用療法は、強固な抗腫瘍反応、およびいずれの単剤単独よりも(CHOP
および化合物44それぞれについて45%および71%)有意に良好な(p<0.001
)腫瘍増殖阻害(93%)を誘導した。すべての単回治療は耐容性があった;第1サイク
ル後に化合物44/CHOP併用群に軽微体重減少(11.3%)があったが、その後
次のサイクル前にはマウスは回復した。

0176

SU−DHL6異種移植片モデルでは、EZH2阻害剤GSK503を使用した、Be
guelinらにより以前に公表された結果とは対照的に、有意な腫瘍増殖阻害は、CH
OP単独または化合物44で観察されなかった(図7B、上部パネル)。印象的なことに
は、化合物44/CHOPの併用は腫瘍退縮をもたらした。投薬を28日目に中止し、腫
瘍増殖遅延について60日目に達するまで観察した場合、この併用により、58%のマウ
スに腫瘍がない状態の生存がもたらされた(図7B、下部パネル)。

0177

CHOPのドキソルビシン構成成分は、その心毒性のため、生涯累積投薬許容限度が5
50mg/m2未満になる。したがって、この構成成分を排除した化合物44/化学療法
レジメンの併用有益性を検討した。第3の試験では、SU−DHL10異種移植片を有す
るマウスを、用量漸増の化合物44(BID)、ドキソルビシン不含化学療法レジメン
COP)、またはCOPと化合物44の併用で28日間治療した。化合物44のすべての
用量およびCOPについて、腫瘍増殖阻害が観察された(図7C、上部パネル)。266
mg/kg、532mg/kgおよびCOP/化合物44併用の治療は、反復測定分散分
析およびDunnett事後検定により評価すると、ビヒクルとは統計的に差がある(p
>0.001)退縮をもたらし、化合物44/COP併用群が最良総合効果を示した。2
8日間投薬後、腫瘍量が最小のマウス亜群(1群当たり8匹のマウス)は、腫瘍増殖遅延
エンドポイントの間、さらに投薬されなくとも生存し続けた。化合物44で治療されたマ
ウスについては、明白な用量依存的腫瘍増殖遅延の有益性があったが、COPで治療され
た腫瘍は、化合物44で治療されたものよりも速く進行した(図7C、中央パネル)。最
耐用量の化合物44または化合物44/COP併用で治療されたマウスは、60日目に
100%の生存を示し、併用群は、化合物44の最大耐用量を含む、他のすべての治療群
と統計的に差がある(p>0.05)、最小の最終腫瘍重量を示した(図7C、下部パネ
ル)。

0178

B細胞NHLのための標準治療は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリス
チンおよびプレドニゾロンで構成される併用化学療法レジメンである。40〜50%の完
寛解率を達成することができる一方、相当な割合の患者が再発し、3年全生存率はわず
か約30%である。再発したリンパ腫は、広範囲の抗癌剤に対して抵抗性を示すことがあ
り、これは、これらの高悪性度の悪性腫瘍を管理するという、クリニックに厳しい課題を
提起する。リンパ腫の薬物抵抗性の獲得は、腫瘍細胞の遺伝的多様性および不安定性によ
り部分的に促進される。したがって、化学療法抵抗性のNHLの治療に成功するには、B
細胞NHLの種々のサブタイプに特異的な複数の経路を標的にする薬物の合理的な併用が
必要になる。たとえば、活性化B細胞タイプのリンパ腫では、NFkB経路の構成的な活
性化が療法抵抗性に関係しており、いくつかの新規の標的療法が、このサブタイプでは有
望であることが示されている。

0179

ポリコームなどのエピジェネティックエフェクターも癌細胞化学療法抵抗性に関係し
ている。ポリコーム抑制複合体2(PRC2)の触媒サブユニットであるEZH2は、
中心由来B細胞リンパ腫における重要な腫瘍形成動因子である。これらのより原始的
B細胞悪性腫瘍、特に、触媒活性が変化したEZH2突然変異体を発現する変異体は、増
殖および生存のためにEZH2を必要とする。前臨床試験の結果によると、そのような遺
伝的に明確な癌の治療のためにEZH2触媒阻害剤が極めて有望であると予測され、EZ
H2阻害剤は化学療法抵抗性を低減する可能性もある。本明細書で示すデータから、臨床
段階のEZH2阻害剤である化合物44は、相加作用から相乗作用に至る範囲の種々の程
度に、CHOPの構成成分との併用有益性が示される。これらの併用効果は、具体的には
胚中心起原のリンパ腫で見出され、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよびビンクリ
スチンの場合には、EZH2変異体を有する細胞に限定された。さらに、化合物44をC
HOPとインビボで併用投薬した場合に、リンパ腫細胞致死作用における顕著な相乗作用
も見出された。これは、いずれの単剤も何ら顕著な抗腫瘍活性を示さなかったが、併用で
はマウスの50%超で長期の退縮が誘導されたSU−DHL6異種移植片モデルで特に間
違いのないものであった。これから、EZH2突然変異型リンパ腫の化学療法抵抗性にお
ける活性亢進のEZH2の潜在的な重要性が再確認される。CHOP構成成分の中で、プ
レドニゾンとの化合物44の併用が最も強力な抗増殖活性を誘導し、この併用はまた、E
ZH2の突然変異の状態にかかわらず、非感受性のGCBリンパ腫細胞株をEZH2阻害
に感受性にさせることができる可能性がある。さらに、化合物44およびプレドニゾロン
が一緒にまたは順序特定の方法で投薬される場合、この併用有益性はより明らかになり;
こうして、EZH2阻害剤で細胞をプライミングした後、GRアゴニストにより処理する
と、特に効果的であることが判明した。この驚くべき発見は、クリニックでのEZH2阻
害剤の適用にとって潜在的に重要な意味を有する。第1に、広く使用されるGRagは、
薬物誘導アレルギー反応を予防するために、また疼痛、悪心および嘔吐を緩和するために
抗腫瘍薬と併用投与されることが多く、造血悪性腫瘍にアポトーシスを誘導するその能
力のために、この癌の治療に極めて重要である。他のCHOP構成成分に比較して、GR
agは重篤有害作用の誘導が最小である。さらに、SU−DHL10異種移植片モデル
におけるデータから示唆されるように、化合物44との併用有益性を保持しながら、CH
OPレジームからドキソルビシンを排除する見込みがあれば、ドキソルビシンの用量制限
的な心臓毒性の副作用を患者に与えずに済ますことができる可能性がある。最後に、前臨
床試験から、単剤EZH2阻害剤が、EZH2突然変異体を有するリンパ腫のみに顕著な
細胞致死を誘導することが示されており、このリンパ腫は、未だ対処されてなく臨床的
要性が高い、ある割合(20%)のGCBリンパ腫患者を象徴する。この結果から、GR
ag/EZH2阻害剤の併用が、すべての胚中心由来B細胞リンパ腫において臨床的有用
性を有し得ることが示される。

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