図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

本発明の課題は、一段階の反応で脂環式含酸素化合物を合成できる、収率の高い脂環式含酸素化合物の製造方法を提供することにある。

解決手段

水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を、塩基性触媒と接触させて脱水環化反応させることにより脂環式含酸素化合物を製造する、脂環式含酸素化合物の製造方法。

概要

背景

シクロペンタンメタノールシクロヘキサンメタノールシクロヘプタンメタノール等の脂環式含酸素化合物は、近年、その有用性が着目されている。例えば、シクロペンタンメタノールは、医薬品原料揮発性防黴剤の有効成分等に利用され、シクロヘキサンメタノールは、フラーレン誘導体の材料や揮発性防黴剤の有効成分等に利用され、シクロヘプタンメタノールは、α2Bアドレナリン受容体調整剤の原料イソインドリン‐1‐オングルコキナーゼアクチベータ等に利用されている。

このような脂環式含酸素化合物を製造する方法として、活性アルミナ触媒として、テトラヒドロピラン‐2‐メタノールからシクロペンタンアルデヒドを合成し、ラネーNiなどの水素化触媒によりシクロペンタンメタノールを得る方法が提案されている(特許文献1)。また、水溶性ロジウム化合物および水溶性の有機ホスフィンを触媒として、1,3‐ブタジエンヒドロホルミル化し、Pt‐活性炭触媒存在下で水素化することにより、n‐ペンタノールを得る反応の副生成物(1,6‐ヘキサンジアルデヒド縮合生成物)としてシクロペンタンメタノールが得られることが知られている(特許文献2)。しかし、これらの方法は、いずれも反応が多段階であるため、反応のコントロール反応装置が複雑となる。また、収率が低く、さらに、特許文献2の方法では、触媒が貴金属であるため高価であり、脂環式含酸素化合物は副生成物として生成するにすぎないという問題があった。文献1及び2に示された方法もシクロペンタンメタノールが副生成物として得られることが記載されているだけであり収率が低く、また文献3で示された方法を利用するには多段階の反応が必要となる(非特許文献1〜3)。

概要

本発明の課題は、一段階の反応で脂環式含酸素化合物を合成できる、収率の高い脂環式含酸素化合物の製造方法を提供することにある。水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を、塩基性触媒と接触させて脱水環化反応させることにより脂環式含酸素化合物を製造する、脂環式含酸素化合物の製造方法。なし

目的

本発明の課題は、上記問題点を解決し、一段階の反応で脂環式含酸素化合物を合成できる、収率の高い脂環式含酸素化合物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を、塩基性触媒と接触させて脱水環化反応させることにより脂環式含酸素化合物を製造する、脂環式含酸素化合物の製造方法。

請求項2

塩基性触媒が、アパタイト化合物及びハイドロタルサイトから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。

請求項3

水酸基を有する場合、水酸基が結合した炭素には1個以上の水素が結合していることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。

請求項4

水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素のうちの少なくとも1個の炭素に1個以上の水素が結合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。

請求項5

任意の1個の水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素と、その他の水酸基が結合している炭素又はカルボニル基の炭素のうちの少なくとも1個の炭素との間に、炭素が3個以上存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。

請求項6

アパタイト化合物が、ハイドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、脂環式含酸素化合物の製造方法に関する。

背景技術

0002

シクロペンタンメタノールシクロヘキサンメタノールシクロヘプタンメタノール等の脂環式含酸素化合物は、近年、その有用性が着目されている。例えば、シクロペンタンメタノールは、医薬品原料揮発性防黴剤の有効成分等に利用され、シクロヘキサンメタノールは、フラーレン誘導体の材料や揮発性防黴剤の有効成分等に利用され、シクロヘプタンメタノールは、α2Bアドレナリン受容体調整剤の原料イソインドリン‐1‐オングルコキナーゼアクチベータ等に利用されている。

0003

このような脂環式含酸素化合物を製造する方法として、活性アルミナ触媒として、テトラヒドロピラン‐2‐メタノールからシクロペンタンアルデヒドを合成し、ラネーNiなどの水素化触媒によりシクロペンタンメタノールを得る方法が提案されている(特許文献1)。また、水溶性ロジウム化合物および水溶性の有機ホスフィンを触媒として、1,3‐ブタジエンヒドロホルミル化し、Pt‐活性炭触媒存在下で水素化することにより、n‐ペンタノールを得る反応の副生成物(1,6‐ヘキサンジアルデヒド縮合生成物)としてシクロペンタンメタノールが得られることが知られている(特許文献2)。しかし、これらの方法は、いずれも反応が多段階であるため、反応のコントロール反応装置が複雑となる。また、収率が低く、さらに、特許文献2の方法では、触媒が貴金属であるため高価であり、脂環式含酸素化合物は副生成物として生成するにすぎないという問題があった。文献1及び2に示された方法もシクロペンタンメタノールが副生成物として得られることが記載されているだけであり収率が低く、また文献3で示された方法を利用するには多段階の反応が必要となる(非特許文献1〜3)。

0004

米国特許第2480990号明細書
特許第2609429号公報

先行技術

0005

“The Vapor Phase Catalytic Dehydrogenation of 1,6-Hexanediol”, The Journal of Organic Chemistry, 30, 2 (1965) 335-339
“Vapor phase catalytic dehydration of terminal diols”, Catalysis Today, 164 (2011) 419-424
“First rhodium-catalyzed hydroformylation of cyclopentadiene”, Journal of Molecular Catalysis A: Chemical, Volume 406, September 2015, Pages 114-117

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題は、上記問題点を解決し、一段階の反応で脂環式含酸素化合物を合成できる、収率の高い脂環式含酸素化合物の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記問題点を解決するために、多段階の反応でなく、脂環式含酸素化合物を収率よく製造できる方法の検討を開始した。検討を進めるなかで、水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を原料として使用して、前記原料をアパタイト化合物ハイドロタルサイトなどの塩基性触媒に接触させることにより、前記脂肪族含酸素化合物を脱水環化反応させることができ、一段階の反応で収率よく脂環式含酸素化合物を合成できることを見いだした。

0008

すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を、塩基性触媒と接触させて脱水環化反応させることにより脂環式含酸素化合物を製造する、脂環式含酸素化合物の製造方法。
(2)塩基性触媒が、アパタイト化合物及びハイドロタルサイトから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)記載の製造方法。
(3)水酸基を有する場合、水酸基が結合した炭素には1個以上の水素が結合していることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の製造方法。
(4)水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素のうちの少なくとも1個の炭素に1個以上の水素が結合していることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の製造方法。
(5)任意の1個の水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素と、その他の水酸基が結合している炭素又はカルボニル基の炭素のうちの少なくとも1個の炭素との間に、炭素が3個以上存在することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の製造方法。
(6)アパタイト化合物が、ハイドロキシアパタイトであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載の製造方法。

発明の効果

0009

本発明の製造方法によると、原料を適宜選択することにより、一段階の反応で各種の脂環式含酸素化合物を収率よく製造することができる。そのため、反応装置を簡易な構造とすることができ、反応のコントロールも容易となる。

0010

本発明の製造方法は、水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を、塩基性触媒と接触させて脱水環化反応させることにより、脂環式含酸素化合物を製造することを特徴とする。本発明において原料として使用する脂肪族含酸素化合物としては、水酸基及び/又はカルボニル基を有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物であり、前記水酸基を2個以上、前記カルボニル基を2個以上、又は前記水酸基と前記カルボニル基を合わせて2個以上有する脂肪族含酸素化合物であれば特に限定されない。水酸基とカルボニル基のうち、水酸基だけを2個以上有していてもよく、カルボニル基だけを2個以上有していてもよく、水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有していてもよい。

0011

本発明における脂肪族含酸素化合物は、水酸基だけを2個以上有する場合、例えば、以下の式(1)で表すことができる。

0012

本発明における脂肪族含酸素化合物は、カルボニル基だけを2個以上有する場合、例えば、以下の式(2)で表すことができる。

0013

本発明における脂肪族含酸素化合物は、水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する場合、例えば、以下の式(3)で表すことができる。

0014

式(1)〜(3)において、nは0以上の整数であり、nが0の場合、mは付与されず、nが1以上の場合、mは5以上かつ(4+n)以下の整数を表す。式(1)〜(3)における



は、[ ]内の構造をn個有することを表し、mは、n個の各構造におけるC、Ra及びRbに付与する番号であり、n個の各構造におけるC、Ra及びRbに対して、mは5から(4+n)までの各整数が番号として付与される。例えば、nが1のとき、



を表し、nが2のとき、



を表す。式(1)〜(3)において、R2a、R2b、R3a、R3b、Rma及びRmb並びにR1及びR4は、独立に、水素、酸素、水酸基、ヒドロキシアルキル基脂肪族基脂環式基若しくは芳香族基であるか、又は一緒になって脂環式基若しくは芳香族基を形成してもよい。ヒドロキシアルキル基としては、特に制限されないが、例えば、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を挙げることができ、ヒドロキシメチル基ヒドロキシエチル基ヒドロキシプロピル基ヒドロキシブチル基ヒドロキシペンチル基等を挙げることができる。脂肪族基としては、特に制限されないが、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基を挙げることができ、アルキル基アルケニル基アルキニル基等を挙げることができる。アルキル基としては、例えば、メチルエチルプロピルブチルペンチル、ヘキシルヘプチルオクチル、ノニルデシル等の鎖状のアルキル基(各異性体を含む)、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチル等の環状のアルキル基などを挙げることができる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基プロペニル基ブテニル基ペンテニル基ヘキセニル基等を挙げることができる。アルキニル基としては、例えば、エチニル基プロピニル基ブチニル基、ペンチニル基ヘキシニル基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜6の鎖状のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が好ましい。脂環式基としては、特に制限されないが、例えば、炭素数3〜10の脂環式基を挙げることができ、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。芳香族基としては、特に制限されないが、例えば、ベンゼン環ナフタレン環を含む基等が挙げられる。

0015

本発明における脂肪族含酸素化合物は、式(1)及び式(3)に示されるように水酸基が結合した炭素に1個以上の水素が結合していることが好ましい。また、本発明における脂肪族含酸素化合物は、水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素のうちの少なくとも1個の炭素に1個以上の水素が結合していることが好ましい。また、任意の1個の水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素と、その他の水酸基が結合している炭素又はカルボニル基の炭素のうちの少なくとも1個の炭素との間に、炭素が3個以上存在することが好ましい。

0016

例えば、式(1)〜(3)において、水酸基が結合した炭素及び/又はカルボニル基の炭素(式中C1とC4)を隔てる炭素が2個(n=0)または3個(n=1)の場合、R1及びR4のうちの少なくとも1つが式(4)に示す水素原子が1個以上結合したアルキル基である。この場合、C4に結合している水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素であるCp(R4は式(4)に示すアルキル基)と、その他の水酸基が結合した炭素又はカルボニル基の炭素であるC1との間に3個以上の炭素が存在する。R1が式(4)に示すアルキル基である場合も同様に、CpとC4との間に3個以上の炭素が存在する。



この場合、R2a、R2b、R3a、R3b、Rma及びRmb並びにR1及びR4は、独立して、水素、酸素、水酸基、ヒドロキシアルキル基、脂肪族基、脂環式基若しくは芳香族基であるか、あるいは一緒になって脂環式基若しくは芳香族基を形成してもよく、R1及び/又はR4が式(4)に示すアルキル基である場合は、Rpa及びRpbは、独立して、水素、酸素、水酸基、ヒドロキシアルキル基、脂肪族基、脂環式基若しくは芳香族基であるか、R2a、R2b、R3a、R3b、Rma及び/又はRmbと一緒になって脂環式基若しくは芳香族基を形成してもよい。本段落に記載のヒドロキシアルキル基、脂肪族基、脂環式基及び芳香族基は、段落[0014]に記載したものと同じである。

0017

また、例えば、式(1)〜(3)において、水酸基が結合した炭素及び/又はカルボニル基の炭素(式中C1とC4)を隔てる炭素が4個以上(n≧2)の場合、R2a、R2b、R3a、及びR3bのうちの少なくとも1つが水素原子であるか、R1及びR4のうちの少なくとも1つが式(4)に示す水素原子が1個以上結合したアルキル基である。この場合、C1とC4に結合した水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素、すなわちC2及びC3、並びにR1及び/又はR2が式(4)に示すアルキル基の場合のCp、のうちの少なくとも1個の炭素に1個以上の水素が結合していることになる。例えば、C4に結合している水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素であるC3又はCp(R4が式(4)に示すアルキル基の場合)に水素が結合している場合、その他の水酸基が結合した炭素又はカルボニル基の炭素であるC1との間に3個以上の炭素が存在する。また、C1に結合している水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素であるC2又はCp(R1が式(4)に示すアルキル基の場合)に水素が結合している場合、その他の水酸基が結合した炭素又はカルボニル基の炭素であるC4との間も同様に3個以上の炭素が存在する

0018

本発明において、水酸基及び/又はカルボニル基が3個以上の場合、一組の炭素間で上記関係を有していればよい。すなわち、任意の1個の水酸基の酸素又はカルボニル基の酸素に対してβ位にある炭素と、その他の複数の水酸基が結合している炭素又はカルボニル基の炭素のうちの少なくとも1個の炭素との間に、炭素が3個以上存在すればよい。例えば、式(1)〜(3)において、C4の隣の炭素とC1との間に3個以上の炭素が存在する場合、あるいはC1の隣の炭素とC4との間に3個以上の炭素が存在する場合、C1とC4の間に存在する炭素、あるいはR1及び/又はR4の炭素に水酸基が結合していてもよく、C1とC4の間に存在する炭素、あるいはR1及び/又はR4の炭素がカルボニル基を形成していてもよい。

0019

本発明における脂肪族含酸素化合物としては、水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物であれば、特に制限されるものではない。本発明における脂肪族含酸素化合物として、水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、1,6‐ヘキサンジオール等のジオール類、1,2,8‐オクタントリオール等のトリオール類などを挙げることができ、カルボニル基を2個以上有する化合物としては、例えば、アセトニルアセトン等のジケトン類アジポアルデヒド等のジアルデヒド類、5‐オキソヘキサナール等のオキソアルデヒド類などを挙げることができ、水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する化合物としては、例えば、5‐ヒドロキシ2‐ペンタノン等のヒドロキシケトン類、5‐ヒドロキシヘキサナール等のヒドロキシアルデヒド類などを挙げることができる。本発明における脂肪族含酸素化合物としては、例えば、1,4‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、1,7‐ヘプタンジオール、1,8‐オクタンジオール、2,5‐ヘキサンジオール、1,2,6‐ヘキサントリオール、1,2,8‐オクタントリオール、4‐(2‐ヒドロキシエチルシクロヘキサノール、5‐ヒドロキシ‐2‐ペンタノン、アセトニルアセトン、アジポアルデヒド、5‐オキソヘキサナール、5‐ヒドロキシヘキサナール等を挙げることができる。ジオール類及びトリオール類の場合、その水酸基は一級又は二級が好ましい。

0020

本発明において得られる脂環式含酸素化合物は使用する原料により異なるが、本発明における脂環式含酸素化合物は、本発明の製造方法により得られる脂環式含酸素化合物である限り、特に限定されない。本発明における脂環式含酸素化合物としては、例えば、シクロペンタノール、シクロペンタンメタノール、2‐シクロペンテンメタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、2‐シクロヘキセンメタノール、シクロヘプタノール、シクロヘプタンメタノール、2‐シクロヘプテンメタノール、3‐メチルシクロペンタノール、3‐メチル‐2‐シクロペンテノール、3‐ヒドロキシシクロペンタンメタノール、3‐ヒドロキシ‐2‐シクロペンテンメタノール、シクロヘキサン‐1,2‐エタンジオール、シクロヘキサン‐1,2‐ジメタノール、シクロヘプタン‐1‐エタノール‐3‐メタノール、ビシクロ[1,2,3]‐2‐オクタノールシクロペンタノン、2‐シクロペンテノン、3‐メチル‐2‐シクロペンテノン、1‐シクロペンテン‐1‐カルボアルデヒド、2‐シクロヘキセノン、2‐シクロヘキセン‐1‐オール等を挙げることができる。本発明の製造方法によると、例えば、5員環以上の脂環式含酸素化合物、二環式の脂環式含酸素化合物等を製造することができ、5員環、6員環又は7員環の脂環式含酸素化合物や、前記環同士が結合した二環式の脂環式含酸素化合物等を好適に製造することができる。また、本発明における脂環式含酸素化合物には、複素環式化合物は含まれない。

0021

本発明の製造方法における触媒としては、塩基性触媒であれば特に限定されるものでなく、例えば、アパタイト化合物、ハイドロタルサイト類化合物ナトリウムカリウム等のアルカリ金属及びマグネシウムカルシウム等のアルカリ土類金属酸化物水酸化物リン酸塩等を挙げることができる。

0022

アパタイト化合物とは、アパタイト構造を有する化合物であり、固溶体をも含む概念で、一般式:Ma(M’Ob)cX2で表すことができる。基本的なアパタイト化合物は、aが10、bが4、cが6であり、a/cが1.67であるM10(M’O4)6X2で表されるが、本発明におけるアパタイト化合物は、前記基本的なアパタイト化合物に限定されるものではなく、a、b及びcが前記値とならない場合も含まれる。固溶体の場合や、a/cが1.67からずれる場合、Mに2価以外の元素が含まれる場合、M’にCやS等の5価以外の元素が含まれる場合等は、a、b及びcは前記値とは異なる値となる。本発明におけるアパタイト化合物では、a/cは1.5〜1.8の間が好ましい。また、本発明におけるアパタイト化合物では、前記一般式において、Mは、特に制限されるものではないが、例えば、Ca、Sr、Pb、Mg、Cd、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、La、H等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。これらの中でも、Caが好ましい。また、M’は、特に制限されるものではないが、例えば、P、V、As、C、S等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。これらの中でも、P又はPと他の元素の組み合わせが好ましい。Xは、特に制限されるものではないが、例えば、OH、F、Cl等を挙げることができる。これらの中でも、OHが好ましい。アパタイト化合物の形状は、顆粒球体ペレットハニカム等任意のものを使用することができる。本発明におけるアパタイト化合物としては、上記のものであれば、特に制限されないが、ハイドロキシアパタイトが好ましい。ハイドロキシアパタイトは、化学量論的には、Ca10(PO4)6(OH)2からなる組成で示されるが、上記のようにCa/Pモル比が1.67にならない非化学量論的なものであっても、ハイドロキシアパタイトの性質を示すと共にアパタイト構造をとることができ、このようなCa/Pモル比1.4〜1.8程度の合成ハイドロキシアパタイトも含まれる。特に、本発明の製造方法においては、Ca/Pモル比が1.60〜1.80のハイドロキシアパタイトが好ましい。

0023

上記ハイドロタルサイト類化合物は、一般式[M2+1−xM3+x(OH)2][An−x/n・mH2O]で表すことができる。M2+は、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Li2+、Ni2+、Co2+、Pt2+、Pd2+、Cu2+等を表し、M3+は、Al3+、Fe3+、Cr3+、Mn3+等を表し、An−は、CO32−及びOH−等を表し、それぞれ1種又は2種以上であってもよい。mは0以上の値をとり、xは0.2〜0.4の間が一般的であるが、その限りではない。ハイドロタルサイト類化合物としては、ハイドロタルサイトMg6Al2(OH)16CO3・4H2Oが好ましい。ハイドロタルサイト類化合物の形状は、顆粒、球体、ペレット、ハニカム等任意のものを使用することができる。

0024

本発明の方法によれば、水酸基若しくはカルボニル基を2個以上、又は水酸基とカルボニル基を合わせて2個以上有する炭素数5以上の脂肪族含酸素化合物を、塩基性触媒と接触させて脱水環化反応させることにより、脂環式含酸素化合物を製造することができる。前記脂肪族含酸素化合物を塩基性触媒と接触させて反応させる方法や装置としては、従来から公知の方法や装置を適宜使用することができる。原料となる脂肪族含酸素化合物が、常温固体の化合物の場合、溶媒の存在下に反応を実施することができる。常温で液体の化合物の場合は、溶媒の存在下でも溶媒なしでも反応を実施することができる。使用する溶媒は、原料となる脂肪族含酸素化合物が溶解又は分散するものであれば特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、1‐プロパノール2‐プロパノール、1‐ブタノール2‐ブタノール、iso‐ブタノール、tert‐ブタノール、酢酸エチルジメチルスルホキシド2‐メトキシエタノール無水酢酸テトラヒドロフランアセトニトリルジクロロメタン等を挙げることができる。液体の前記脂肪族含酸素化合物、又は溶媒に溶解若しくは分散させた前記脂肪族含酸素化合物を、窒素ガスヘリウムガス等の不活性キャリアガスと共に反応器に導入して反応させてもよい。

0025

本発明における脂肪族含酸素化合物を触媒と接触させて反応させるときの反応温度は、特に限定されないが、通常150〜450℃の範囲で選択することが好ましく、250〜400℃の範囲で選択することがより好ましい。接触時間(W/F)は、0.01h〜200h(時間)であることが好ましく、0.05〜50hであることがより好ましい。ここで、Wは触媒重量(g)、Fは脂肪族含酸素化合物の流量(g/h)である。反応時間、使用する触媒量、反応させる脂肪族含酸素化合物の量等は必要に応じて適宜選択できる。本発明の製造方法に使用される反応装置は、バッチ方式連続方式固定床移動床流動床またはスラリー床のいずれの方法によってもよく、常圧または加圧下で行うことができる。例えば、固定床流通式反応装置を用いる場合、触媒層の上下流にシリカウール石英砂等の不活性充填剤充填してもよい。反応生成物蒸留晶析等の公知の精製手段によって精製することにより、高純度の脂環式含酸素化合物を得ることができる。

0026

次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。

0027

[実施例1]
合成反応及び触媒特性の評価)
反応装置として固定床ガス流通触媒反応装置を用いて、表1に示す原料及び触媒を使用して反応を行った。触媒0.15gを内径8mmのガラス反応管の中央部に充填し、触媒の前後にシリカウールを設置して、前処理として500℃、3時間の熱処理を行った。反応溶液(1,6‐ヘキサンジオール:エタノール=1:9(mol:mol))を、シリンジポンプを用いて0.98mL/hで窒素気流中に導入し、375℃で5時間反応を行った。反応生成物を、氷水トラップで1時間ごとに回収した。回収した液体の重量を量し、液体及びトラップ後方ガス生成物を、GC‐FIDおよびGC‐MSで分析した。GC‐FIDには、GC‐14B(島津製作所社製)を使用し、分析カラムは、DB‐WAXを使用した。GC‐MSには、MS検出器HP5972(MDS)(Hewlett‐Packared 社製)を搭載したHP5890(GC)(Hewlett‐Packared 社製)を使用した。液体生成物については、ブタノールで10 mLまで希釈したものを分析した。

0028

(脂環式含酸素化合物の選択率
反応開始3時間後の脂環式含酸素化合物の選択率を表1に示す。1,6‐ヘキサンジオールを原料として、脂環式含酸素化合物としてシクロペンタンメタノール及び2‐シクロペンテンメタノールが得られた。脂環式含酸素化合物の選択率は、前記シクロペンタンメタノール及び2‐シクロペンテンメタノールを合わせた選択率である。

0029

[実施例2]
実施例2として、表1に示す原料及び触媒を使用して、触媒量を0.3gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応及び評価を行った。反応開始5時間後の脂環式含酸素化合物の選択率を表1に示す。実施例1と同様に、1,6‐ヘキサンジオールを原料とした場合、脂環式含酸素化合物としてシクロペンタンメタノール及び2‐シクロペンテンメタノールが得られた。脂環式含酸素化合物の選択率は、前記シクロペンタンメタノール及び2‐シクロペンテンメタノールを合わせた選択率である。

0030

[比較例1]
表1に示す原料及び触媒を使用して実施例1と同様に反応及び評価を行った。反応開始5時間後の脂環式含酸素化合物の選択率を表1に示す。比較例1における反応では、脂環式含酸素化合物は得られなかった。

0031

0032

[実施例3及び4]
実施例3として、反応温度を400℃とした以外は、実施例1と同様の方法で反応及び評価を行った。実施例4として、反応温度を250℃、触媒充填量を0.8gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応及び評価を行った。実施例3及び4では、実施例1と同様に脂環式含酸素化合物としてシクロペンタンメタノール及び2‐シクロペンテンメタノールが得られた。反応開始5時間後の結果を表2に示す。

0033

[比較例2]
原料を1,4‐ブタンジオールにし、反応温度を300℃、触媒充填量を0.2gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応及び評価を行った。1,4‐ブタンジオールを原料とした場合、脂環式含酸素化合物は生成せず、複素環式化合物であるテトラヒドロフランが生成した。反応開始5時間後の結果を表2に示す。

0034

0035

[実施例5]
原料を1,7‐ヘプタンジオールにし、反応温度を375℃、触媒充填量を0.2g、希釈溶媒をメタノール、原料希釈比を1:49とした以外は、実施例1と同様の方法で反応及び評価を行った。1,7‐ヘプタンジオールを原料とした場合、脂環式含酸素化合物としてシクロヘキサンメタノール及び2‐シクロヘキセンメタノールが生成した。反応開始5時間後の結果を表3に示す。脂環式含酸素化合物の選択率は、前記シクロヘキサンメタノール及び2‐シクロヘキセンメタノールを合わせた選択率である。

0036

[実施例6]
原料を1,8‐オクタンジオールにし、触媒量を0.1gとした以外は、実施例5と同様の方法で反応及び評価を行った。1,8‐オクタンジオールを原料とした場合、脂環式含酸素化合物としてシクロヘプタンメタノール及び2‐シクロヘプテンメタノールが生成した。反応開始5時間後の結果を表3に示す。脂環式含酸素化合物の選択率は、前記シクロヘプタンメタノール及び2‐シクロヘプテンメタノールを合わせた選択率である。

0037

[実施例7]
原料をアセトニルアセトンにし、触媒充填量を0.05g、原料希釈比を1:19とした以外は、実施例5と同様の方法で反応及び評価を行った。アセトニルアセトンを原料とした場合、脂環式含酸素化合物として3‐メチル‐2‐シクロペンテノンが生成した。反応開始3時間後の結果を表3に示す。脂環式含酸素化合物の選択率は、前記3‐メチル‐2‐シクロペンテノンの選択率である。

実施例

0038

0039

本発明の製造方法は、医薬品原料や防黴剤等の各種分野で有用であるシクロペンタンメタノール、シクロヘキサンメタノール、シクロヘプタンメタノール等の脂環式含酸素化合物を簡易な反応機構で収率よく製造することができるので、脂環式含酸素化合物の製造方法として有用である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ