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技術 細胞内酸化ストレス抑制剤及びその用途

出願人 フェイスラボ株式会社
発明者 石川千明原一茂
出願日 2018年9月14日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2018-172289
公開日 2020年3月26日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2020-045288
状態 未査定
技術分野 化粧料 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 人工太陽照明灯 IRエネルギー 水蒸気蒸留後 抑制度合い 蒸留釜内 リラックス作用 バンドスペクトル シグマアルドリッチ製
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

新規細胞酸化ストレス抑制剤及びその用途を提供する。

解決手段

本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、アルローズ水溶性エキスを有効成分とする。この細胞内酸化ストレス抑制は、化粧品学的、皮膚病学的及び/又は薬学的に許容される添加剤とともに皮膚外用剤として用いられる。

概要

背景

外部環境と接触するヒトの肌や皮膚は、常に紫外線乾燥状態酸化状態にさらされている。これらの外部環境は、肌の乾燥、シミシワやたるみといった皮膚の問題を引き起こす。これらの問題は、紫外線等の外部環境による細胞活性酸素種(O2・−、H2O2、1O2及びOH・、以下、ROSという)の生成、細胞内酸化ストレス亢進、そして細胞内酸化ストレスによる分子損傷、細胞への影響や細胞死と関連する(非特許文献1)。

人体は、抗酸化物質(Antioxidants、以下、AOXという)を備えており、通常、AOXとROSとがバランスを保っている。バランスのとれた状態では、ROSは、一酸化窒素と反応してその作用を消滅させる、体内侵入した細菌を取り除くといった役割を果たす。皮膚が紫外線曝露、乾燥や酸化状態にさらされると、ROSレベルが上昇する。ROSの蓄積がAOXよりも過剰となってAOXとROSとのバランスがくずれると、細胞内酸化ストレスが起こる。細胞内酸化ストレスは、脂質や脂肪酸アミノ酸タンパク質核酸等の分子を損傷させ、その結果、コラーゲンヒアルロン酸で構成される皮膚マトリックス変質、細胞死等の重要な細胞機能に悪影響を与える。細胞内酸化ストレスは、高血圧動脈硬化糖尿病等の生活習慣病癌疾患にも関与する。したがって、ROSの過剰な蓄積と細胞内酸化ストレスの発生は、皮膚の老化や疾患にとって重大な問題である。

活性酸素消去する物質として、従来、ビタミンEビタミンC、BHA等の抗酸化物質が知られている。現在、新規な抗酸化物質の探索も行われている。例えば、特許文献1は、ジャスミンローズベチバー、及びローレル一種以上の植物抽出物からなる抗酸化剤を提案する。この抗酸化剤を含む香料組成物を配合した皮膚外用剤は、香料としての機能に経皮的な抗酸化作用を賦与することができる。特許文献2は、ハイブリッドティー・ローズ又はその抽出物を含有する化粧品組成物を提案する。この化粧品組成物は、抗老化作用が高く、とりわけコラゲナーゼ活性阻害作用が高い。特許文献3は、ダマスクバラ溶媒抽出物を含有する化粧料を提案する。この化粧料は、抗酸化作用、抗炎症作用及び美白作用を有する抽出物を有効成分とする化粧料であって、肌の老化(シワ、たるみ等)の予防及び改善効果、肌のハリツヤ向上効果外的要因(紫外線や化学物質)による酸化ダメージ及び炎症から肌を保護する効果、並びにシミ、ソバカス肝斑等を予防及び改善する効果を奏する。特許文献4は、β−エンドルフィン及びβ−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤とを含有してなる皮膚外用剤を提案する。β−エンドルフィン産生促進剤は、テルミナリアエキスセイヨウオトギリソウエキストウキンセンカエキスジャイアントケルプエキス、又はローズウォーターから選択される。この皮膚外用剤は、抗酸化効果相乗的に増強され、少量の配合により抗酸化剤の効果を十分に発揮し、皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成を抑制し、肌の炎症,肌荒れを防止あるいは改善する効果を有する。

概要

新規な細胞内酸化ストレス抑制剤及びその用途を提供する。本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、アルバローズの水溶性エキスを有効成分とする。この細胞内酸化ストレス抑制は、化粧品学的、皮膚病学的及び/又は薬学的に許容される添加剤とともに皮膚外用剤として用いられる。

目的

本発明は、新規な細胞内酸化ストレス抑制剤及びその用途を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

前記アルバローズの水溶性エキスは、アルバローズの水蒸気蒸留後蒸留釜内の残渣から得られたものである、請求項1に記載の細胞内酸化ストレス抑制剤。

請求項3

細胞内酸化ストレスによる細胞死を抑制するための請求項1又は2に記載の細胞内酸化ストレス抑制剤。

請求項4

細胞内酸化ストレスによる皮膚コラーゲン量の減少を抑制するための請求項1〜3のいずれかに記載の細胞内酸化ストレス抑制剤。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の細胞内酸化ストレス抑制剤、並びに化粧品学的、皮膚病学的及び/又は薬学的に許容される添加剤を含有する、細胞内酸化ストレス抑制用皮膚外用剤

請求項6

化粧料用である、請求項5に記載の細胞内酸化ストレス抑制用皮膚外用剤。

技術分野

0001

本発明は、細胞酸化ストレス抑制剤に関し、より詳細には特定のバラエキスを有効成分とする細胞内酸化ストレス抑制剤及びその用途に関する。

背景技術

0002

外部環境と接触するヒトの肌や皮膚は、常に紫外線乾燥状態酸化状態にさらされている。これらの外部環境は、肌の乾燥、シミシワやたるみといった皮膚の問題を引き起こす。これらの問題は、紫外線等の外部環境による細胞内活性酸素種(O2・−、H2O2、1O2及びOH・、以下、ROSという)の生成、細胞内酸化ストレス亢進、そして細胞内酸化ストレスによる分子損傷、細胞への影響や細胞死と関連する(非特許文献1)。

0003

人体は、抗酸化物質(Antioxidants、以下、AOXという)を備えており、通常、AOXとROSとがバランスを保っている。バランスのとれた状態では、ROSは、一酸化窒素と反応してその作用を消滅させる、体内侵入した細菌を取り除くといった役割を果たす。皮膚が紫外線曝露、乾燥や酸化状態にさらされると、ROSレベルが上昇する。ROSの蓄積がAOXよりも過剰となってAOXとROSとのバランスがくずれると、細胞内酸化ストレスが起こる。細胞内酸化ストレスは、脂質や脂肪酸アミノ酸タンパク質核酸等の分子を損傷させ、その結果、コラーゲンヒアルロン酸で構成される皮膚マトリックス変質、細胞死等の重要な細胞機能に悪影響を与える。細胞内酸化ストレスは、高血圧動脈硬化糖尿病等の生活習慣病癌疾患にも関与する。したがって、ROSの過剰な蓄積と細胞内酸化ストレスの発生は、皮膚の老化や疾患にとって重大な問題である。

0004

活性酸素消去する物質として、従来、ビタミンEビタミンC、BHA等の抗酸化物質が知られている。現在、新規な抗酸化物質の探索も行われている。例えば、特許文献1は、ジャスミンローズベチバー、及びローレル一種以上の植物抽出物からなる抗酸化剤を提案する。この抗酸化剤を含む香料組成物を配合した皮膚外用剤は、香料としての機能に経皮的な抗酸化作用を賦与することができる。特許文献2は、ハイブリッドティー・ローズ又はその抽出物を含有する化粧品組成物を提案する。この化粧品組成物は、抗老化作用が高く、とりわけコラゲナーゼ活性阻害作用が高い。特許文献3は、ダマスクバラ溶媒抽出物を含有する化粧料を提案する。この化粧料は、抗酸化作用、抗炎症作用及び美白作用を有する抽出物を有効成分とする化粧料であって、肌の老化(シワ、たるみ等)の予防及び改善効果、肌のハリツヤ向上効果外的要因(紫外線や化学物質)による酸化ダメージ及び炎症から肌を保護する効果、並びにシミ、ソバカス肝斑等を予防及び改善する効果を奏する。特許文献4は、β−エンドルフィン及びβ−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤とを含有してなる皮膚外用剤を提案する。β−エンドルフィン産生促進剤は、テルミナリアエキスセイヨウオトギリソウエキストウキンセンカエキスジャイアントケルプエキス、又はローズウォーターから選択される。この皮膚外用剤は、抗酸化効果相乗的に増強され、少量の配合により抗酸化剤の効果を十分に発揮し、皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成を抑制し、肌の炎症,肌荒れを防止あるいは改善する効果を有する。

0005

J.G.Scandalios,”Oxidative stress:molecular perception and transduction of signals triggering antioxidant gene defenses”,Brazilian Journal of Medical and Biological Research (2005) 38:995-1014

先行技術

0006

特開2007−291031(抗酸化香料組成物及びこれを含有する皮膚外用剤)
特開2011−236147(ハイブリッド・ティー・ローズまたはその抽出物を含有する化粧品組成物、飲食品組成物及び医薬品組成物
特開2014−240375(化粧料)
特開2006−8537(皮膚外用剤)

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、新規な細胞内酸化ストレス抑制剤及びその用途を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

バラ科バラ属の植物であるローズ(バラ)は、美を象徴する花として歴史的になじみがある植物である。ローズは、原種の数が多く古来、交配が繰りかえされてきたため、バラの登録品種数は40,000以上といわれている。中でも、アルバローズは、“白バラの祖”と言われており、爽やかで上品な香りを放つので、リラックス作用がある。本発明者は、意外にも、アルバローズの水溶性エキスには、細胞内酸化ストレス抑制作用があることを発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、アルバローズの水溶性エキスを有効成分とする細胞内酸化ストレス抑制剤を提供する。本発明書において、細胞内酸化ストレス抑制剤とは、正常状態よりも過剰量の細胞内ROSの生成を抑制する機能を有する組成物を意味する。

0009

前記アルバローズの水溶性エキスは、特にアルバローズの水蒸気蒸留後蒸留釜残渣から得られたものである。

0010

前記細胞内酸化ストレス抑制剤は、細胞内酸化ストレスによる細胞死を抑制するために用いられる。

0011

前記細胞内酸化ストレス抑制剤は、また、細胞内酸化ストレスによる皮膚コラーゲン量の減少を抑制するために用いられる。

0012

本発明は、また、前記細胞内酸化ストレス抑制剤、並びに化粧品学的、皮膚病学的及び/又は薬学的に許容される添加剤を含有する、細胞内酸化ストレス抑制用皮膚外用剤を提供する。

0013

細胞内酸化ストレス抑制用皮膚外用剤は、例えば化粧料用である。

発明の効果

0014

アルバローズ水溶性エキスを有効成分とする本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤によれば、細胞内酸化ストレス抑制作用に優れ、かつ天然植物成分由来で安全性の高い組成物を提供可能である。本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、例えば皮膚が紫外線、赤外線大気中のオゾンやSO2等に曝露された際のROSの生成、細胞死、皮膚コラーゲン量の減少等を抑制するために用いることができる。

0015

従来、赤外線曝露の細胞内酸化ストレスに及ぼす影響が、あまりよくわかっていなかったところ、後述の実施例で、赤外線曝露の影響が明確となった。したがって、本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、例えば炎天下での比較的長期にわたる赤外線曝露時のROSの生成や皮膚コラーゲン量の減少を抑制することができる。

0016

上記細胞内ストレス抑制剤を配合した皮膚外用剤は、紫外線、赤外線、乾燥や酸化状態等のさまざまな外部環境により生ずる細胞内酸化ストレスを抑制する作用を有するので、特にUV化粧品、抗老化化粧品等化粧品用途が期待される。

図面の簡単な説明

0017

IR照射が皮膚マトリックス関連タンパク質に及ぼす影響を遺伝子別にmRNA発現相対値)として示すグラフである。CCN1及びTIMP−1は、IR照射で変化を示さなかったが、COLIA1は、有意なダウンレギュレーション、そしてMMP−1は、有意なアップレギュレーションを示した。ミクロフィブリル関連タンパク質の中では、フィブリリン−1(FBN−1)がIR照射によって有意なダウンレギュレーションを示した。IR照射は、また、IL−8/CXCL−8及びHSP70も有意にアップレギュレートした。
皮膚マトリックス内の骨格構造繊維タンパク質であるI型コラーゲン量へのIRの影響を示すグラフである。図中、コラーゲン量(相対値)は、IRを照射しない場合のコラーゲン量に対する各IRエネルギーレベルでのコラーゲン量の倍率である。IR照射は、コラーゲン量をエネルギー依存的に有意に減少させる。
ヒト皮膚繊維芽細胞(NHDSFs)がIR照射を受けた時の細胞内活性酸素種(ROS)の生成に与える影響を示すグラフである。図中、細胞内ROS量(相対値)は、IRを照射しない場合の細胞内ROS量に対する各IRエネルギーレベルでの細胞内ROS量の倍率である。IR照射は、細胞内ROSをIRエネルギー依存的に増大させる。
IR照射時の細胞内ROS生成のアルバローズ水溶性エキスによる抑制効果を示すグラフである。図の各アルバローズエキス濃度における左側の棒グラフはIR未照射、そして右側の棒グラフは250JのIR照射を示す。図中、細胞内ROS量(相対値)は、アルバローズ水溶性エキス無添加かつIR未照射の細胞内ROS量を1としたときの、各濃度レベルでのIR未照射及びIR照射での細胞内ROS量の倍率である。NHDFs細胞をアルバローズ水溶性エキスで処理した細胞は、IRを照射されても、細胞内ROS上昇が抑制される。アルバローズ水溶性エキスは、IR照射由来の細胞内ROSを濃度依存的に抑制する。
過酸化水素(H2O2)曝露時の細胞内ROS生成のアルバローズ水溶性エキスによる抑制効果を示すグラフである。図の各アルバローズエキス濃度における左側の棒グラフはH2O2非曝露、そして右側の棒グラフはH2O2曝露を示す。図中、細胞内ROS量(相対値)は、アルバローズ水溶性エキス無添加かつH2O2非曝露の細胞内ROS量を1としたときの、各濃度レベルでのH2O2非曝露及びH2O2曝露での細胞内ROS量の倍率である。細胞をH2O2に曝露すると細胞内ROSが増大するが、アルバローズ水溶性エキスで処理した細胞は、ROSの生成がアルバローズ水溶性エキスの濃度依存的に抑制される。アルバローズ水溶性エキスのROS抑制効果は、活性酸素消去能が知られているAPMの効果に匹敵する。
H2O2曝露時のコラーゲン量減少のアルバローズ水溶性エキスによる抑制効果を示すグラフである。図の各アルバローズエキス濃度における左側の棒グラフはH2O2非曝露、そして右側の棒グラフはH2O2曝露を示す。図中、コラーゲン量(相対値)は、アルバローズ水溶性エキス無添加かつH2O2非曝露のコラーゲン量を1としたときの、各濃度レベルでのH2O2非曝露及びH2O2曝露でのコラーゲン量の倍率である。コラーゲン量は、H2O2がもたらす細胞内ROSによって減少するが、アルバローズ水溶性エキスで処理された細胞では、コラーゲン減少率がアルバローズ水溶性エキス濃度依存的に抑制されている。
UVB照射時の細胞死のアルバローズ水溶性エキスによる抑制効果を示すグラフである。アルバローズ水溶性エキスで処理されたHaCaT細胞は、UVBを照射されても、細胞生存率の低下が抑制される。アルバローズ水溶性エキスは、UVB照射由来の細胞死を濃度依存的に抑制する。
UVA照射時のコラーゲン量減少のアルバローズ水溶性エキスによる抑制効果を示すグラフである。図の各アルバローズエキス濃度における左側の棒グラフはUVA未照射、そして右側の棒グラフはUVA照射を示す。アルバローズ水溶性エキスで処理されたNHDFs細胞は、UVAを照射されても、皮膚コラーゲン量の低下が抑制される。アルバローズ水溶性エキスは、優れた抗老化作用を発揮する。

0018

以下に示す本発明の一実施の形態によって、本発明を詳細に説明する。本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、アルバローズの水溶性エキスを有効成分として含有する。

0019

アルバローズ(学名ロサ・アルバ)は、ロサ・ダマスケナとロサ・カニナの自然交雑で生まれたと言われている、オールドローズの系統の一つである。本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤に使用するアルバローズ原料は、花、花弁、がく、葉、、種子、根等でよく、好ましくは花、特に好ましくは花弁である。原料は、生物自体、凍結物乾燥物凍結乾燥物等のいずれでもよいが、抽出効率を上げるために、抽出前裁断粉砕等の微細化を行うことが好ましい。

0020

アルバローズ水溶性エキスは、例えば蒸留釜内のアルバローズ原料と水との混合物水蒸気蒸留にかけた際に、蒸留釜内の残渣中の水分、すなわち煮沸水から得ることができる。煮沸水から得られる水溶性エキスは、水蒸気蒸留によって油分が除かれて水溶性エキスのみが濃縮されている、沸点の高い成分が濃縮される等の点で有利である。また、アルバローズの水蒸気蒸留後の煮沸水は、通常は廃棄されてしまうところ、本発明によって有効利用が可能となる。水蒸気蒸留は、常法に基づく。

0021

アルバローズ水溶性エキスは、また、アルバローズ原料を水、親水性有機溶媒、又はこれらの混合物からなる抽出溶媒中に浸漬して水溶性成分を抽出することによっても得ることができる。上記親水性有機溶媒の例として、メタノールエタノールプロパノールブタノールグリセロールプロピレングリコール、3−ブチレングリコール等の低級アルコールアセトンメチルケトン等のケトンエチルエーテルイソプロピルエーテルジエチルエーテルテトラヒドロフラン等のエーテル酢酸エチル酢酸ブチルプロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル等が挙げられる。親水性有機溶媒は、一種単独、又は二種以上の併用であってもよい。好ましい抽出溶媒は、水である。溶剤抽出は、常温又は加温下で行われ、好ましくは加温下である。

0022

上記の水蒸気蒸留時の蒸留釜に残る煮沸水や上記溶剤抽出時の親水性溶媒抽出物を、適宜、ろ過や遠心分離機にかけることによって、アルバローズ水溶性エキスを精製する。さらに、細胞内酸化ストレス抑制剤の効能阻害しない限り、脱色処理脱臭処理等の精製を行ってもよい。

0023

精製されたアルバローズ水溶性エキスは、適宜、エバポレーション凍結乾燥等の濃縮手段によって濃縮又は乾固してもよい。さらに、濃縮又は乾固したエキスを再度、水、アルコール等の溶媒に溶解してもよい。

0024

本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤中のアルバローズ水溶性エキスの配合量は、使用目的に応じて適宜決められるが、エキスの固形分として、通常、0.01〜5質量%でよく、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。

0025

アルバローズ水溶性エキスは、DPPHラジカル消去活性能又はスーパーオキシド消去活性能で示される抗酸化性を示す。本発明では、アルバローズ水溶性エキスが、細胞内酸化ストレスによる細胞死、及び/又は皮膚コラーゲン量の減少を抑制するといった生理活性を発揮することが重要である。これらの生理活性に基づいて、本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、細胞死、皮膚コラーゲン量の減少を抑制する等の用途に有用となる。

0026

本発明は、また、前記細胞内酸化ストレス抑制剤、並びに化粧品学的、皮膚病学的及び/又は薬学的に許容される添加剤を含有する、細胞内酸化ストレス抑制用皮膚外用剤を提供する。

0027

化粧品学的、皮膚病学的及び/又は薬学的に許容される添加剤の例には、水;エチレングリコールポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールグリセリンジグリセリンポリグリセリンペンチレングリコールイソプレングリコールグルコースマルトースフルクトースキシリトールソルビトールマルトトリオースエリスリトール等の多価アルコール;メタノール、エタノール、プロピルアルコールイソプロピルアルコールブチルアルコールイソブチルアルコール等の低級アルコール;オレイン酸イソステアリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸ベヘン酸ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;オリーブ油トウモロコシ油ツバキ油マカデミアナッツ油アボカド油ナタネ油ゴマ油ヒマシ油サフラワー油綿実油ホホバ油ヤシ油パーム油等の油脂;カルナバロウキャンデリラロウミツロウラノリン等のロウ類;ソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖ラクトーストレハロース等の糖類;メチルポリシロキサンメチルフェニルポリシロキサンメチルシクロポリシロキサンオクタメチルシクロテトラシロキサンオクタメチルシクロペンタシロキサンデカメチルシクロペンタシロキサンメチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン類カラギーナンキサンタンガムゼラチンペクチンアガロースアルギン酸塩デキストリンメチルセルロースエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシエチルセルロースカルボキシメチルセルロースカルボキシビニルポリマーポリビニルアルコールポリビニルピロリドンアラビアガムカラヤガムトラガントガムタマリンドガム等の増粘剤ラウロイル硫酸ナトリウムモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等の非イオン界面活性剤アルキルサルフェート塩、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤フェノキシエタノールメチルパラベンエチルパラベンプロピルパラベンブチルパラベンパラオキシ安息香酸エステル安息香酸サリチル酸とその塩類ソルビン酸とその塩類、デヒドロ酢酸とその塩類、クロルクレゾールヘキサクロロフェン等の防腐剤ベントナイトスメクタイトバイデライトノントロナイトサポナイトヘクトライト、ソーコナイトスチーブンサイト等の鉱物ベンガラ黄酸化鉄黒酸化鉄酸化コバルト群青紺青酸化チタン酸化亜鉛等の無機顔料;赤色202号、黄色4号、青色404号等の着色料;香料;香油ビタミンAビタミンD、ビタミンE、ビタミンFビタミンK等のビタミン類やジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、ジパルミチン酸アスコルビルモノパルミチン酸アスコルビルモノステアリン酸アスコルビル等のビタミン誘導体スクワランスクワレン流動パラフィン等の高級脂肪族炭化水素類セラミドセレブロシドスフィンゴミエリン等のスフィンゴ脂質コレステロールフィトステロール等のステロール類フラボノイドカロテノイドタンニン類没食子酸トコフェロールスーパーオキシドディムターゼ(SOD)、チオレドキシン、チオレドキシンリダクターゼ、ブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソール等の抗酸化剤;ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症剤パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステルアントラニル酸メチルホモメンチル−N−アセチルアントラニレート、パラメトキシケイ皮酸オクチルエチル−4−イソプロピルシンナメート等の紫外線吸収剤;t−シクロアミノ酸誘導体コウジ酸アスコルビン酸ハイドロキノンエラグ酸ニコチン酸レゾルシノールトラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸カリウム塩マグノリグナン、4−HPB、ヒドロキシ安息香酸、ビタミンE、α−ヒドロキシ酸AMP等の美白剤;グリセリン、1,3−ブチレングリコール(BG)、ジプロピレングリコール(DPG)、ベタイン、トレハロース、ヒアルロン酸Na、水溶性コラーゲン尿素等の保湿剤等が挙げられる。

0028

本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、ヒトを含む動物の皮膚に塗布されることにより、経皮的に吸収される。本発明の細胞内酸化ストレス抑制剤は、化粧品や医薬品用途の皮膚外用剤へ配合されることが好ましい。化粧料、皮膚外用薬等の皮膚外用剤に細胞内酸化ストレス抑制作用を付加することができる。

0029

本発明の皮膚外用剤は、細胞内酸化ストレス抑制作用を有する化粧料として用いることが好ましい。化粧料の具体的用途としては、サンタン化粧品、美容液保湿化粧水、柔軟化粧水、収れん化粧水等のスキンケア化粧品ファーミング化粧品、アンチセルライト化粧品等のボディ化粧品;基礎化粧品(化粧水、乳液クリーム)、ファンデーション下地クリームフェイスパウダーウォータープルーフ等のメイクアップ化粧品石鹸シャンプーリンス入浴剤等の入浴料;毛髪剤育毛剤等が挙げられる。

0030

化粧料等の皮膚外用剤の形態は、上記用途に応じて、水剤液剤エアゾール乳剤、乳液、エマルションローション、クリーム、軟膏粉体又は固形物である。即効性の観点から、水剤、液剤、エアゾール、ローション、乳剤、乳液、エマルションに加工される。

0031

本発明の皮膚外用剤への細胞内酸化ストレス抑制剤の配合量は、化粧料や医薬品の用途や効果に応じて適宜決められるが、エキスの固形分として、通常、0.01〜5質量%でよく、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。

0032

本発明の細胞内酸化ストレス抑制用皮膚外用剤の処方例を示す。しかし、本発明は、以下の処方例に限定されるものではない。
[処方例1]化粧水

0033

[処方例2]乳液

0034

[処方例3]クリーム

0035

[処方例3]入浴剤

0036

以下に、本発明に従う実施例を示すことにより、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0037

(1)アルバローズ水溶性エキスの調製
アルバローズの花部からなる原料を蒸留釜に収めて水蒸気蒸留処理に供して、水蒸気蒸留物と蒸留釜に残る蒸留残渣を得た。蒸留残渣中の含水率(すなわち、残渣中の煮沸水の含有率)は86.7%であった。蒸留残渣をエバポレーターにかけて水を蒸発させることにより、アルバローズ水溶性エキス(固形分:0.99質量%)を得た。

0038

(2)培養細胞の準備
ヒト表皮角化細胞株(HaCaT細胞)、及びヒト皮膚繊維芽細胞株(NHDFs細胞)をクラボウ株式会社より入手し、それぞれ、5%FBS補充DMEM培地にて5%CO2+95%エアーからなる雰囲気下、37℃の温度で培養した。

0039

(3)アルバローズ水溶性エキスの細胞毒性評価試験
培養したHaCaT細胞に上記アルバローズ水溶性エキスを表5に示す量のアルバローズ水溶性エキスを添加した。対照として、上記エキス処理をしないものを用意した。これらの処理液のHaCaTの細胞生存率を、ニュートラルレッド(NR)試験(http://www.fdsc.or.jp/contract/device/d_cell.html)に従って測定した。対照(アルバローズ水溶性エキス無添加)の細胞生存率を100%としたときの各濃度での細胞生存率を表5に示す。

0040

0041

表5に示すとおり、アルバローズ水溶性エキスを通常の使用範囲として想定される1mg/mL以下の量で用いても細胞毒性が見られなかった。特に、アルバローズの水溶性エキスの濃度が0.5mg/mL以下では、細胞死はほとんど認められなかった。

0042

(4)アルバローズ水溶性エキスの抗酸化性測定試験
アルバローズの水溶性エキスの抗酸化能をスーパーオキシド(・O2−)消去活性、及びDPPH(2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル)ラジカル消去活性によって評価した。結果を表6に示す。

0043

0044

表6に示すとおり、アルバローズ水溶性エキスには、22μmol TE/gのスーパーオキシド消去活性能が観測された。すなわち、本発明に従うアルバローズ水溶性エキスには、抗酸化物質であるトロロックスの22倍という極めて高い抗酸化活性が認められた。

0045

(5)皮膚細胞のIR照射試験
太陽光からのUVは、皮膚内の酸化ストレスを誘起するために光老化を促進する役割を演ずると理解されている。一方、太陽光からのIRの光老化に対する影響には矛盾した作用が報告されている。例えば、美容領域では、近赤外線(NIR)を含む広いバンドスペクトルを有する光は、皮膚を若返させると考えられてきた。実際、インテンス・パルスライト(IPL)のような強いIRの曝露は、真皮繊維芽細胞内のコラーゲンやヒアルロン酸の合成を刺激して真皮マトリックスの再構成活発にすると報告されている。一方で、弱いIRの真皮繊維芽細胞への曝露は、コラーゲン及びヒアルロン酸の合成を減じ、MMP−1の分泌を誘起すると報告されている。

0046

そこで、皮膚老化に対するIRの役割を調べるために、弾性繊維足場繊維となるコラーゲン繊維やミクロフィブリルに焦点を当て、低密度長期間のIR照射時の真皮マトリックス関連タンパクのmRNA発現レベルへの影響を調べた。

0047

具体的には、IR照射を受けたNHDFs細胞中の皮膚マトリックス関連タンパク質のmRNA発現レベルをRTPCRで測定した。まず、RNeasy Miniキットを用いて細胞からトータルRNAを抽出した。GeneAmpPCRシステムアプライドバイオシステムズ製)とReverTraAceq PCR RTMaster Mix(東洋紡株式会社製)を用いて、50℃、5分及び98℃、5分の条件でRNAの逆転写反応を行った。Illumine Eco real−time PCR system(イルミナ製)とLuminoCt SYBR Green qPCR ReadyMix (シグマアルドリッチ製)を用いてqRT−PCRを行った。増幅反応は、50℃×2分の第一ステップで開始させ、続いて95℃×10分→95℃×10秒→60℃×30秒→95℃×15秒→55℃×15秒→95℃×15秒の連続PCRサイクル反応を行わせた。皮膚マトリックス関連タンパク質のmRNA発現に及ぼすIRの影響を、図1に示す。

0048

図1を見ると、IR照射された真皮繊維芽細胞において、ヘパリン結合性細胞外マトリックスタンパクであるCCN1及びMMP抑制物質として機能するTIMP−1は、IR照射で変化を示さない。

0049

コラーゲン繊維の場合の場合は、I型コラーゲンをエンコードするCOLIA1は、有意にダウンレギュレート、そしてコラーゲン繊維を断裂するMMP−1は有意にアップレギュレートする。これらのmRNA挙動は、IR照射時の真皮中では、コラーゲン繊維の消耗が起こることを示している。繊維芽細胞のコラーゲン繊維の消失は、ROSにより誘導されたMAPKシグナル伝達活性化により説明される(非特許文献1)。MAPKシグナル伝達の活性化は、c−Fos及びc−Junのヘテロ二量体であるAP−1を増加させる。AP−1は、MMP−1及びCCN1/Cyr61を制御する転写因子である。すなわち、AP−1がMMP−1及びCCN1/Cyr61の合成を刺激し、その結果、コラーゲン繊維が消失することになる。

0050

ミクロフィブリル関連タンパク質に関して、IR照射によって、FBN−1が有意にダウンレギュレートする。FBN−1は、エラスチンミクロフィブリルインターフェイサーEMILIN−1)及びミクロフィブリル関連タンパク4(MFAP−4)を補助することによってミクロフィブリルを構築する。これらの結果は、エラスチン繊維の形成をIRが妨害することを示唆する。

0051

IR照射は、さらに、好中球リクルートするケモカインであるIL−8/CXCL−8を有意にアップレギュレートする。好中球は、血管から真皮中へ浸透するときに、コラーゲン繊維やエラスチン繊維のような囲んでいる繊維を消化する。この現象は、また、IRが、真皮マトリックスの崩壊を助長することによって真皮マトリックスの再構成を妨害することを示している。

0052

(6)IR照射時のコラーゲン量の測定試験
皮膚マトリックス内の骨格構造繊維タンパク質であるI型コラーゲン量へのIRの影響を確認した。具体的には、NHDFs細胞にIRを0(未照射)、50、100、150、又は200Jのエネルギー量で照射した。さらに、0.5%FBS補充DMEM培地中でさらに24時間培養した。培養後、培地中のコラーゲン量をELISA法で測定した。結果を図2に示す。図中、IRを照射しない場合のコラーゲン量に対する各照射レベルでのコラーゲン量の比率を示す。図2に示すように、IR照射によって、コラーゲン量は、エネルギー量に依存して有意に減少した。

0053

(7)IR照射による細胞内ROS生成試験
上記のようなIR照射によって生起する現象が、酸化ストレスと関連することが予期された。そこで、IRが細胞内酸化に影響するか否かを試験するため、IR照射されたNHDFsの細胞内ROS量の測定試験を行った。

0054

具体的には、培養NHDFs細胞にROS検出用試薬H2DCFDAEMミリポア社製)で30分間、ローディング後、ランプ容量100Wの人工太陽照明灯製品名SOLAX XC−100E、セリック株式会社製)を用いて、IRを0(未照射)、50、100、150、又は200Jのエネルギー量にて細胞に照射した。照射後の細胞を0.5%FBS補充DMEM培地中でさらに24時間培養した。培養後、NHDSFsの細胞内ROS量を蛍光強度により測定した。結果を図3に示す。図中、IRを照射しない場合の蛍光強度に対する各照射レベルでの蛍光強度比を示す。図3に示すように、細胞内ROSは、IR照射によってエネルギー量に依存して有意に増大した。

0055

(8)IR照射時の細胞内ROS生成のアルバローズ水溶性エキスによる抑制試験
(4)に示したように、アルバローズ水溶性エキスは、優れた抗酸化能を示した。しかし、化学的パラメーターである抗酸化能が生化学的にも通用するとは一概にいえない。そこで、IR照射時の酸化ストレスによる細胞内ROSの生成を、アルバローズ水溶性エキスが抑制や改善するか否かを試験した。

0056

濃度0(陰性対照)、0.25、又は0.5mg/mLのアルバローズ水溶性エキス及び5%FBS補充DMEM培地で24時間、培養したNHDFsに、ROS検出試薬である20μM H2DCFDAのHBSS溶液(EMDミリポア社製)を30分間、ローディング後、前記人工太陽照明灯からIRを250J照射した。さらに24時間培養後、蛍光強度(蛍光励起波長492〜495nm、発光波長517〜527nm)を測定した。蛍光強度から細胞内ROS量を求めた。結果を図4に示す。図中、各濃度レベルにおける棒グラフの左側はIR未照射、そして右側は250JのIR照射を示す。細胞内ROS量は、アルバローズ水溶性エキス無添加かつIR未照射の細胞内ROS量を1としたときの、各濃度レベルでのIR未照射及びIR照射での細胞内ROSの比率で示す。

0057

IR照射による細胞内ROSの上昇率を、下記式:



により求めた。結果を表7に示す。

0058

0059

図4及び表7に示すように、NHDFs細胞をアルバローズ水溶性エキスで処理すると、処理された細胞は、IRを照射されても、細胞内ROS上昇が抑制される。すなわち、アルバローズ水溶性エキスは、IR照射由来の細胞内ROSを濃度依存的に抑制することが判明した。

0060

(9)H2O2曝露時の細胞内ROS生成のアルバローズ水溶性エキスによる抑制試験
(7)で、IR照射によって細胞内ROSが蓄積されることが判明した。そこで、ROSの一種であるH2O2に皮膚細胞が直接さらされたときに、細胞内ROSが増大するか否か、そしてその増大をアルバローズ水溶性エキスが抑制できるか否か試験した。

0061

具体的には、アルバローズの水溶性エキスで処理されたヒトの表皮細胞が酸化状態の外部環境に晒されたときに、前記エキスに細胞内ROSの生成を抑制する効果があるか否かを試験した。まず、濃度0(陰性対照)、0.125、0.25、又は0.5mg/mLのアルバローズ水溶性エキス及び5%FBS補充DMEM培地で、HaCaT細胞を24時間培養した。前記ROS検出用試薬H2DCFDAを30分間、ローディング後、過酸化水素水(500μM)に15分間、曝露した。その後、蛍光強度(蛍光励起波長492〜495nm、発光波長517〜527nm)を測定することにより、細胞内ROS量を求めた。結果を図5に示す。図中、各濃度レベルにおける棒グラフの左側は過酸化水素水(H2O2)非曝露、そして右側はH2O2曝露を示す。細胞内ROS量は、アルバローズ水溶性エキス無添加かつH2O2非曝露の細胞内ROS量を1としたときの、各濃度レベルでのH2O2非曝露及びH2O2曝露での細胞内ROSの比率で示す。

0062

H2O2由来の細胞内ROSの上昇率を、下記式:



により求めた。結果を表8に示す。また、陽性対照としてL−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム(APM、濃度400μM)を含有する培地で培養したHaCaT細胞をH2O2(500μM)に曝露した際の細胞内ROS上昇率も同様にして求めた。結果を表8に示す。

0063

0064

図5及び表8の陰性対照に示すように、HaCaT細胞をH2O2に曝露すると細胞内ROSが増大する。しかし、細胞をアルバローズ水溶性エキスで処理すると、ROSの増大が抑制される。細胞内ROSの上昇率の抑制度合いは、アルバローズ水溶性エキスの添加濃度が増すほど大きくなることが判明した。その効果は、活性酸素消去能が知られているAPMに匹敵する。

0065

(10)H2O2曝露時のコラーゲン量減少のアルバローズ水溶性エキスによる抑制試験
IR照射により減少するコラーゲン量をアルバローズ水溶性エキスが改善する能力を有するか否か確かめるため、H2O2曝露で誘起されるコラーゲン量減少について試験した。具体的には、濃度0(陰性対照)、0.0625、0.125、0.25、又は0.5mg/mLのアルバローズ水溶性エキスを添加した5%FBS補充DMEM培地でNHDFs細胞を24時間培養した。H2O2(1mM)に1時間、曝露後、0.5%FBS含有DMEM培地で24時間、培養した。培地中のコラーゲン量をELISA法で測定した。結果を、図6に示す。図中、各濃度レベルにおける棒グラフの左側はH2O2非曝露、そして右側はH2O2曝露を示す。コラーゲン量は、アルバローズ水溶性エキス無添加かつH2O2非曝露のコラーゲン量を1としたときの、各濃度レベルでのH2O2非曝露及びH2O2曝露でのコラーゲン量の比率で示す。

0066

H2O2由来の細胞内酸化ストレスによるコラーゲンの減少率を、下記式:



により求めた。結果を表9に示す。

0067

0068

図6及び表9に示すように、コラーゲン量は、H2O2曝露がもたらす細胞内ROSによって減少するが、アルバローズ水溶性エキスで処理された細胞では、コラーゲン減少率がアルバローズ水溶性エキス濃度依存的に抑制されている。

0069

(11)UVB照射時の細胞死のアルバローズ水溶性エキスによる抑制試験
290〜320nmの中波長紫外線であるUVBは、DNAを損傷させることが報告されている。アルバローズの水溶性エキスが、UV照射時の酸化ストレスによる細胞死を抑制するか否かを試験した。具体的には、濃度0(陰性対照)、0.0625、0.125、0.25、又は0.5mg/mLのアルバローズ水溶性エキスを添加した5%FBS補充DMEM培地で、HaCaT細胞を24時間培養した。これらの処理液に、紫外線ランプ(PHILIPS製)からUVB(波長:300nm)を20mJ照射した。照射から24時間後、これらの処理液の細胞生存率を、前記ニュートラルレッド(NR)試験に従って測定した。結果を図7に示す。

0070

図7に示すように、HaCaT細胞をアルバローズ水溶性エキスで処理すると、処理された細胞は、UVBを照射されても、細胞生存率の低下が抑制される。アルバローズ水溶性エキスは、UVB照射由来の細胞死を濃度依存的に抑制することが判明した。

0071

(12)UVA照射時のコラーゲン量減少のアルバローズ水溶性エキスによる抑制試験
320〜400nmの長波長紫外線であるUVAは、真皮深部皮下組織に到達して真皮全体のマトリックスに影響を与える。UVA照射による細胞外マトリックス成分への影響に関して、UVAが細胞外マトリックス分解酵素であるMMPのmRNA発現を促進し、線維芽細胞のコラーゲン量を減少させることが報告されている。

0072

アルバローズの水溶性エキスが、UVA照射時の酸化ストレスによる皮膚コラーゲン量減少を抑制するか否かを試験した。具体的には、濃度0(陰性対照)、0.0625、0.125、0.25、又は0.5mg/mLのアルバローズ水溶性エキスを添加したNHDFs細胞に、紫外線ランプ(株式会社東製)からUVA(波長:352nm)を5J照射した。UVA照射後、0.5%FBS補充DMEM培地でさらに24時間、培養した。培地中のコラーゲン量をELISA法で測定した。結果を、図8に示す。図中、各濃度レベルにおける棒グラフの左側はUVA未照射、そして右側はUVA照射を示す。

0073

コラーゲン量減少率(%)を、以下の式:



より求めた。結果を表10に示す。

0074

実施例

0075

図8及び表10に示すように、NHDFs細胞をアルバローズ水溶性エキスで処理すると、UVAを照射されても皮膚コラーゲン量の低下が抑制される。すなわち、アルバローズ水溶性エキスは、優れた抗老化作用を発揮することが判明した。

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