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技術 AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤

出願人 公立大学法人横浜市立大学
発明者 高橋琢哉宮崎智之中島和希
出願日 2017年1月11日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-002962
公開日 2020年3月26日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-045285
状態 未査定
技術分野 非環式または炭素環式化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード PET薬剤 ポジトロン断層撮影法 カニューレチューブ 吸収補正 フィードバック型 先端抵抗 製造助剤 記憶学習
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (9)

課題

AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤の提供。

解決手段

式(I)で表される化合物、その医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を含有する、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤。(A及びZは夫々独立にCO、SO又はSO2;X及びYは夫々独立にS又はO)

概要

背景

AMPA受容体シナプス機能分子であり、精神神経活動において重要な役割を果たしている。本発明者らは生体内におけるAMPA受容体(グルタミン酸受容体シナプス移行が、記憶学習をはじめとした様々な高次脳機能可塑的現象の分子細胞メカニズムであることを明らかにしてきた(非特許文献1〜8)。また、近年では主に死後脳研究分野においてAMPA受容体がうつ病統合失調症薬物依存自閉症てんかん病、ALSなど多くの精神・神経疾患関与していることが報告されている。そうした疾患を対象としてAMPA受容体作動薬前臨床・臨床開発が盛んに行われている。
AMPA受容体を標的とした薬剤(AMPA受容体作動薬)には大きく分けて(1)受容体拮抗薬と(2)受容体機能活性化薬が存在する。前者に関して、てんかん病に対するAMPA受容体拮抗薬(フィコンパ;エーザイ社)が2016年3月に日本国内で上市した。その一方で、AMPA受容体機能活性化薬でいまだ上市されたものはない。
また上記疾患の発症メカニズムはヘテロであり、AMPA受容体作動薬が全例に有効である可能性はさほど高くないと考えられる。
それゆえ、AMPA受容体機能活性化作用を示す化合物を含有する医薬組成物の開発が求められていた。

概要

AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤の提供。式(I)で表される化合物、その医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を含有する、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤。(A及びZは夫々独立にCO、SO又はSO2;X及びYは夫々独立にS又はO)なし

目的

本発明は、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物: (式中、A及びZは、それぞれ独立に、CO、SO又はSO2であり;X及びYは、それぞれ独立に、S又はOであり;R1〜R4は、それぞれ独立に、水素アルキルアルケニルアルキニル又はハロであり;R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり;R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり;nは0〜4の整数である。)を含有する、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤

請求項2

R1〜R4の全てが、水素となることはない、請求項1記載の予防及び/又は治療剤。

請求項3

A及びZは、それぞれ独立に、CO又はSO2である、請求項1又は2記載の予防及び/又は治療剤。

請求項4

AがSO2であり、かつZがCOである、請求項1〜3のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項5

XがSであり、かつYがOである、請求項1〜4のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項6

R2がアルキル、アルケニル、又はアルキニルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項7

R2がアルキルである、請求項6記載の予防及び/又は治療剤。

請求項8

R1がアルキル又はハロである、請求項1〜7のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項9

R3及びR4のうちの一方が水素であり、他方がアルキルである、請求項1〜8のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項10

R5がハロである、請求項1〜9のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項11

前記ハロがフルオロである、請求項10記載の予防及び/又は治療剤。

請求項12

nが2である、請求項1〜11のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。

請求項13

下記からなる群から選択される、請求項1記載の予防及び/又は治療剤:

請求項14

AMPA受容体機能活性化剤である、請求項1〜13記載の予防及び/又は治療剤。

請求項15

MAP受容体に関連する疾患が、精神疾患又は神経疾患である、請求項1〜13いずれか1項に記載の予防及び/又は治療剤。

請求項16

精神疾患がうつ病である、請求項15に記載の予防及び/又は治療剤。

技術分野

0001

本発明は、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤、特にAMPA受容体量が低下している疾患の治療剤に関する。

背景技術

0002

AMPA受容体はシナプス機能分子であり、精神神経活動において重要な役割を果たしている。本発明者らは生体内におけるAMPA受容体(グルタミン酸受容体シナプス移行が、記憶学習をはじめとした様々な高次脳機能可塑的現象の分子細胞メカニズムであることを明らかにしてきた(非特許文献1〜8)。また、近年では主に死後脳研究分野においてAMPA受容体がうつ病統合失調症薬物依存自閉症てんかん病、ALSなど多くの精神・神経疾患関与していることが報告されている。そうした疾患を対象としてAMPA受容体作動薬前臨床・臨床開発が盛んに行われている。
AMPA受容体を標的とした薬剤(AMPA受容体作動薬)には大きく分けて(1)受容体拮抗薬と(2)受容体機能活性化薬が存在する。前者に関して、てんかん病に対するAMPA受容体拮抗薬(フィコンパ;エーザイ社)が2016年3月に日本国内で上市した。その一方で、AMPA受容体機能活性化薬でいまだ上市されたものはない。
また上記疾患の発症メカニズムはヘテロであり、AMPA受容体作動薬が全例に有効である可能性はさほど高くないと考えられる。
それゆえ、AMPA受容体機能活性化作用を示す化合物を含有する医薬組成物の開発が求められていた。

先行技術

0003

Takahashi,Science 2003.
Mitsushima,Takahashi,PNAS 2011.
Jitsuki,Takahashi,Neuron 2011.
Miyazaki,Takahashi,J. Clinical Investigation 2012.
Miyazaki,Takahashi,European J. Neurosci.2013.
Mitsushima,Takahashi,Nature Communications 2013.
Tada,Miyazaki,Takahashi,PNAS 2016.
Takemoto,Takahashi,Nat.Biotech.2016

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤を提供することを目的とする。特に、本発明は、AMPA受容体量が低下している疾患の予防及び/又は治療剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、鋭意研究の結果、下記式(I)で表される化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物





が高い脳移行性を示し、AMPA受容体機能活性化作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。

0006

すなわち、本発明は以下に示されるとおりである。

(1)式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物:




(式中、
A及びZは、それぞれ独立に、CO、SO又はSO2であり;
X及びYは、それぞれ独立に、S又はOであり;
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素アルキルアルケニルアルキニル又はハロであり;
R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり;
R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり;
nは0〜4の整数である。
を含有する、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤。
(2)R1〜R4の全てが、水素となることはない、上記(1)記載の予防及び/又は治療剤。
(3)A及びZは、それぞれ独立に、CO又はSO2である、上記(1)又は(2)記載の予防及び/又は治療剤。
(4)AがSO2であり、かつZがCOである、上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(5)XがSであり、かつYがOである、上記(1)〜(4)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(6)R2がアルキル、アルケニル、又はアルキニルである、上記(1)〜(5)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(7)R2がアルキルである、上記(6)記載の予防及び/又は治療剤。
(8)R1がアルキル又はハロである、上記(1)〜(7)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(9)R3及びR4のうちの一方が水素であり、他方がアルキルである、上記(1)〜(8)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(10)R5がハロである、上記(1)〜(9)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(11)前記ハロがフルオロである、上記(10)記載の予防及び/又は治療剤。
(12)nが2である、上記(1)〜(11)のいずれか一項記載の予防及び/又は治療剤。
(13)下記からなる群から選択される、上記(1)記載の予防及び/又は治療剤:





(14)AMPA受容体機能活性化剤である、上記(1)〜(13)記載の予防及び/又は治療剤。
(15)AMAP受容体に関連する疾患が、精神疾患又は神経疾患である、上記(1)〜いずれか1項に記載の予防及び/又は治療剤。
(16)精神疾患がうつ病である、請求項15に記載の予防及び/又は治療剤。

発明の効果

0007

本発明によれば、式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を含有する、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

K−2についてインビトロでのAMPA受容体結合性試験(in vitrо autоradiоgraphy法)の結果を示すグラフである。
K−2およびK−4についてインビトロでのAMPA受容体結合性試験(電気生理学的検証)の結果を示すグラフである。
放射性標識化K−2をWistarラット投与後のインビボPET画像である。
放射性標識化K−2をWKYラットに投与後のインビボPET画像である。
Wistarラット及びWKYラットにおける放射性標識化K−2の脳内取り込み量を示すグラフである。
ラットでのK−2急性投与における強制水泳試験の結果を示すグラフである。
K−2およびK−4の強制水泳試験の結果を示すグラフである。
[11C]K−2を投与した健常者でのPET撮像画像である。
[11C]K−2を投与した健常者でのPET撮像の結果を示すグラフである。

0009

以下、本発明の実施形態について詳述する。

0010

(1.定義)
用語「アルキル」とは、脂肪族飽和炭化水素水素原子1個が失われて生じる1価の基を意味する。アルキルは、例えば、1〜15個(C1−C15)の炭素原子、典型的には、1〜10個(C1−C10)、1〜8個(C1−C8)、1〜6個(C1−C6)、1〜5個(C1−C5)、1〜4個(C1−C4)、1〜3個(C1−C3)、1〜2個(C1−C2)、又は2〜6個(C2−C6)の炭素原子を有する。アルキルは、直鎖若しくは分枝状であってもよい。アルキルの例を挙げると、限定されないが、メチルエチルプロピルイソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチルイソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチルネオペンチル、及びヘキシルなどがある。アルキルは、さらに適当な置換基によって置換されてもよい。

0011

用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの二重結合を持つ脂肪族不飽和炭化水素基を意味する。アルケニルは、例えば、2〜15個(C2−C15)の炭素原子、典型的には、2〜10個(C2−C10)、2〜8個(C2−C8)、2〜6個(C2−C6)、2〜5個(C2−C5)、2〜4個(C2−C4)、2〜3個(C2−C3)、3〜6個(C3−C6)、3〜8個(C3−C8)、4〜6個(C4−C6)、4〜7個(C4−C7)、又は4〜8個(C4−C8)の炭素原子を有する。アルケニルは、直鎖若しくは分枝状であってもよい。アルケニルの例を挙げると、限定されないが、具体的には、ビニル(−CH=CH2)、アリル(−CH2CH=CH2)、−CH=CH(CH3)、−CH=C(CH3)2、−C(CH3)=CH2、−C(CH3)=CH(CH3)、−C(CH2CH3)=CH2、1,3−ブタジエニル(−CH=CH−CH=CH2)、及びヘプタ−1,6−ジエン−4−イル(−CH2−(CH2CH=CH2)2)などがある。アルケニルは、さらに適当な置換基によって置換されてもよい。

0012

用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの三重結合を持つ脂肪族不飽和炭化水素基を意味する。アルキニルは、例えば、2〜15個(C2−C15)の炭素原子、典型的には、2〜10個(C2−C10)、2〜8個(C2−C8)、2〜6個(C2−C6)、2〜5個(C2−C5)、2〜4個(C2−C4)、2〜3個(C2−C3)、3〜6個(C3−C6)、3〜8個(C3−C8)、4〜6個(C4−C6)、4〜7個(C4−C7)、又は4〜8個(C4−C8)の炭素原子を有する。アルキニルは、直鎖若しくは分枝状であってもよい。アルキニルの例を挙げると、限定されないが、エチニル(−C≡CH)、−C≡CH(CH3)、−C≡C(CH2CH3)、−CH2C≡CH、−CH2C≡C(CH3)、及び−CH2C≡C(CH2CH3)などがある。アルキニルは、さらに適当な置換基によって置換されてもよい。

0013

用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)、及びヨード(−I)を意味する。

0014

用語「医薬として許容し得る塩」とは、哺乳動物、特にヒトに対して有害でない塩を指す。医薬として許容し得る塩は、無機酸若しくは無機塩基、又は有機酸若しくは有機塩基を含む、無毒性の酸又は塩基を用いて形成することができる。医薬として許容し得る塩の例を挙げると、アルミニウムカルシウムリチウムマグネシウムカリウムナトリウム及び亜鉛などから形成される金属塩、又はリジン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカインコリンジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミンN−メチルグルカミン)及びプロカインなどから形成される有機塩などがある。また、医薬として許容し得る塩は、酸付加塩及び塩基付加塩包含する。

0015

用語「溶媒和物」とは、本発明化合物に対する1つ又は複数の溶媒分子会合により形成される含溶媒化合物を意味する。溶媒和物は、例えば、一溶媒和物、二溶媒和物、三溶媒和物、及び四溶媒和物を含む。また、溶媒和物は、水和物を含む。
用語「剤」とは、医薬、医療用食品食品サプリメントを含む。「食品」には、機能性食品、健康食品、健康志向食品なども含まれる。

0016

(2.化合物)
本発明は、下記式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を含有する、AMPA受容体に関連する疾患の予防及び/又は治療剤を提供する。




式中、A及びZは、それぞれ独立に、CO、SO又はSO2であり、これらの基であれば、AMPA受容体との間に相互作用を示すことが期待される。これらの中でも好ましくは、A及びZは、それぞれ独立に、CO又はSO2であり、より好ましくは、AがSO2であり、かつZがCOである。
X及びYは、それぞれ独立に、S又はOであり、好ましくは、XがSであり、かつYがOである。
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロである。一実施態様において、R1〜R4の全てが水素となることはない、すなわち、R1〜R4の少なくとも1つは水素以外である。中でも、治療効果の観点から、R2がアルキルであることが特に好ましい。他の実施態様において、R1はアルキル又はハロである。R1は、オルト位メタ位、又はパラ位のいずれかに存在することができる。好ましくは、R1は、パラ位に存在する。さらに他の実施態様において、R3及びR4のうちの一方が、水素であり、他方がアルキルである。より、好ましくは、R1、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり、R2は、アルキル、アルケニル又はアルキニルである。
R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロである。好ましくは、R5は、ハロであり、特に好ましくは、フルオロである。さらに好ましくは、R5は、Y基に対して両方のオルト位(すなわち、X基に対して両方のメタ位)に存在する。
nは、0〜4の整数である。好ましくは、nは2である。

0017

さらに他の実施態様において、式(I)の化合物における各置換基の組み合わせとしては、A及びZがそれぞれ独立に、CO、SO又はSO2であり、X及びYがそれぞれ独立に、S又はOであり、R1、R3及びR4がそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり、R2がアルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、R5が出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり、nが0〜4の整数である組み合わせが好ましい。

0018

さらに他の実施態様において、式(I)の化合物における各置換基の組み合わせとしては、AがSO2であり、ZがCOであり、XがSであり、YがOであり、R2がアルキルであり、R1が水素、アルキル又はハロであり、R1がアルキル又はハロである場合、R1はパラ位に存在し、R3及びR4のうち一方が水素であり、他方がアルキルであり、R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり、nは、0〜4の整数である組み合わせが好ましい。

0019

さらに他の実施態様において、式(I)の化合物における各置換基の組み合わせとしては、AがSO2であり、ZがCOであり、XがSであり、YがOであり、R2がアルキルであり、R1が水素、アルキル又はハロであり、R1がアルキル又はハロである場合、R1はパラ位に存在し、R3及びR4のうち一方が、水素であり、他方がアルキルであり、R5がハロ、特にフルオロであって、R5はY基に対して両方のオルト位(すなわち、X基に対して両方のメタ位)に存在し、nが2である組み合わせが好ましい。

0020

さらに他の実施態様において、式(I)の化合物における各置換基の組み合わせとしては、AがSO2であり、ZがCOであり、XがSであり、YがOであり、R2がアルキルであり、R1が水素、アルキル又はハロであり、R1がアルキル又はハロである場合、R1はパラ位に存在し、R3及びR4が共に水素であり、R5は、出現ごとにそれぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル又はハロであり、nは、0〜4の整数である組み合わせが好ましい。

0021

さらに他の実施態様において、式(I)の化合物における各置換基の組み合わせとしては、AがSO2であり、ZがCOであり、XがSであり、YがOであり、R2がアルキルであり、R1が水素、アルキル又はハロであり、R1がアルキル又はハロである場合、R1はパラ位に存在し、R3及びR4が独立にアルキルであり、R5がハロ、特にフルオロであって、R5はY基に対して両方のオルト位(すなわち、X基に対して両方のメタ位)に存在し、nが2である組み合わせが好ましい。

0022

一実施態様において、式(I)の化合物から、4−[2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノエチルチオ]−2,6−ジフルオロフェノキシアセトアミド、N,N−ジメチル−4−[2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)エチルチオ]−2,6−ジフルオロフェノキシアセトアミド、4−[2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)エチルチオ]−2−フルオロフェノキシアセトアミド、N,N−ジメチル−4−[2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)エチルチオ]−2−フルオロフェノキシアセトアミド、4−[2−(フェニルスルホニルアミノ)エチルチオ]−2−フルオロフェノキシアセトアミド、及びN,N−ジメチル−4−[2−(フェニルスルホニルアミノ)エチルチオ]−2−フルオロフェノキシアセトアミドは除かれてもよい。

0023

式(I)の化合物の具体的な例を挙げると、以下の化合物がある:

0024

上記代表的な化合物中、K−2及びK−4が好ましく、K−4がより好ましい。

0025

(3.製造方法及び中間体
(合成例1)
R2がアルキル、アルケニル又はアルキニルである式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、例えば、下記式(II)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物:




(式中、A、X、Y、Z、R1、R3、R4、R5、及びnは、式(I)の化合物において定義したものと同じである。)を、X1−R2(式中、R2はアルキル、アルケニル又はアルキニルであり、X1はハロゲンである。)と反応させることにより製造することができる。一実施態様において、式(I)及び式(II)中のR3及びR4はいずれも水素である。一実施態様において、X1はIである。式(II)の化合物の具体例をあげると、2−[2,6−ジフルオロ−4−({2−[(フェニルスルホニルアミノ]エチル}チオフェノキシ]アセトアミド(PEPA)がある。

0026

該反応は、ジメチルホルムアミドDMF)、テトラヒドロフランアセトニトリルアセトン又はジメチルスルホキシドなどの極性非プロトン性溶媒中で行うことができる。また、該反応は、NaOHなどの塩基を用いて、塩基性条件下で行うことが好ましい。反応温度は、室温〜還流温度、特に、60〜100℃が好ましく、より好ましくは80℃である。反応時間は、1分〜10分、特に5分である。

0027

本発明者らは、式(II)の化合物とX1−R2との反応が、式(II)の化合物のA基に隣接するNH基で定量的に起こることを見出した。したがって、たとえR3及びR4が水素であったとしても、保護基を使用せずに該NH基のみをN−R2基に変換することができる。
式(II)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、R2がアルキル、アルケニル又はアルキニルである式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を製造するための中間体として使用することができる。

0028

式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、下記実施例に示す方法によっても製造することができる。

0029

(4.AMPA受容体に関連する疾患)
式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、AMPA受容体機能増強作用を示すことから、これらの作用に基づく医薬として有用である(Jingli Zhangら、Rev.Neurosci.2013;24(5):499−505、Simon E Wardら、British Journal оf Pharmacology(2010),160,181−190)。

0030

AMAP受容体機能増強作用を示す本発明の式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、哺乳動物、特にヒト、サルなどの霊長類に対して、例えば、
(1)うつ病、大うつ病双極性うつ病、気分変調障害情動障害再発性うつ病、産後うつ病、ストレス性障害、うつ症状、躁病、不安、全般性不安障害、不安症候群パニック障害恐怖症社会性恐怖症、社会性不安障害、強迫性障害心的外傷後ストレス症候群外傷後ストレス障害タウレット症候群、自閉症、脆弱X症候群、レット症候群、適応障害双極性障害神経症、統合失調症、慢性疲労症候群不安神経症強迫神経症恐慌性障害、てんかん、神経過敏症、注意欠陥多動性障害精神病性大うつ病、難治性大うつ病、治療抵抗性うつ病などの精神疾患
(2)アルツハイマー病アルツハイマー型老人性認知症パーキンソン病ハンチントン舞踏病、多発脳梗塞性認知症、前頭側頭認知症、パーキンソン型前頭側頭認知症、進行性核上麻痺ピック症候群ニーマン−ピック症候群、大脳皮質基底核変性症ダウン症欠陥性認知症、レヴィー小体認知症、筋委縮性脊髄側索硬化症運動神経原性疾患、クロイツフェルトヤコブ病脳性麻痺、進行性核上麻痺、多発性硬化症などの神経変性疾患
(3)加齢性記憶障害、老人性認知症などの加齢に伴う認知記憶障害
(4)内在因性睡眠障害外在因性睡眠障害、概日リズム障害睡眠随伴症、内科又は精神科障害に伴う睡眠障害、ストレス性不眠症、不眠症、不眠性神経症睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害
(5)麻酔薬外傷性疾患、又は神経変性疾患などに起因する呼吸抑制
(6)外傷性脳損傷、脳卒中、神経性食欲不振摂食障害神経性無食欲症過食症、その他の摂食障害、アルコール依存症アルコール乱用アルコール性健忘症アルコール妄想症アルコール嗜好性、アルコール離脱アルコール性精神病アルコール中毒、アルコール性嫉妬、アルコール性躁病、アルコール依存性精神障害アルコール精神病薬物嗜好、薬物恐怖症、薬物狂、薬物離脱、偏頭痛、ストレス性頭痛緊張性頭痛糖尿病性ニューロパシー肥満糖尿病筋肉痙攣メニエール病自律神経失調症脱毛症緑内障難聴高血圧心臓病頻脈うっ血性心不全過呼吸気管支喘息無呼吸乳幼児突然死症候群炎症性疾患アレルギー疾患インポテンス更年期障害不妊症、癌、HIV感染による免疫不全症候群脳脊髄膜炎末端肥大症失禁メタボリックシンドローム骨粗しょう症消化性潰瘍過敏性腸症候群炎症性腸疾患潰瘍性大腸炎クローン病、ストレス性胃腸障害神経性嘔吐、消化性潰瘍、下痢便秘術後イレウス
などの疾患の予防及び/又は治療剤として有用である。

0031

本発明の式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、脳内移行性に優れているので、特にうつ病、てんかん等の疾患の予防及び/又は治療剤として有用である。

0032

本発明の式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、他の活性成分と併用して使用してもよい。

0033

上記他の活性成分としては、例えば、以下が挙げられる。
ジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬、塩酸イミプラミン塩酸デシプラミンなどの三環性又は四環性抗うつ薬塩酸パロキセチンなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬塩酸ベンラファキシンなどのセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬、メシルレボキセチンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害薬、5−HT1A作動薬シアメマジンなどの5−HT3拮抗薬ヒスタミンH1拮抗薬、クロルプロマジンクロザピンなどの統合失調症治療薬CRF拮抗薬、メプロバメートなどの抗不安薬、タキニン拮抗薬、代謝型グルタミン酸受容体に作用する薬物、CCK拮抗薬、β3アドレナリン拮抗薬、GAT−1阻害薬NMDAグリシン部位作動薬、NMDA拮抗薬末梢性ベンゾジアゼピン受容体作動薬、バソプレッシン拮抗薬バソプレッシンV1b拮抗薬、バソプレッシンV1a拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬オピオイド拮抗薬オピオイド作動薬ニコチン酸受容体作動薬、MAO阻害薬、5−HT2A拮抗薬、COMT阻害薬、炭酸リチウムなどの双極性障害治療薬カンナビノイドCB1拮抗薬、ナトリウムチャネル阻害薬塩酸メタンフェタミンなどの抗ADHD薬、アルコール依存症治療薬、自閉症治療薬、慢性疲労症候群治療薬、抗痙攣薬トリアゾラムなどの不眠症治療薬、重症筋無力症治療薬、脳梗塞治療薬、躁病治療薬、過眠症治療薬、疼痛治療薬、気分変調症治療薬、自律神経失調症治療薬、アルコール関連症の治療薬、過敏性腸症候群治療薬、ドネペジルなどのアルツハイマー病治療薬パーキンソン病治療薬、ALS治療薬、プラバスタチンナトリウムなどの脂質異常症治療薬、鎮静薬アポトーシス阻害薬、抗肥満薬糖尿病治療薬高血圧治療薬リューマチ治療薬抗癌剤カルシウム受容体拮抗薬、神経分化促進薬、神経再生促進薬、非ステロイド抗炎症約、ステロイド抗サイトカイン薬、抗体医薬核酸又は核酸誘導体など。

0034

(5.医薬組成物)
本発明の式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物は、予防及び/又は治療のために経口的あるいは非経口的に投与することができる。経口投与剤としては、散剤顆粒剤カプセル剤錠剤などの固形製剤あるいはシロップ剤エリキシル剤などの液状製剤とすることができる。また、非経口投与剤として注射剤、好ましくは静脈注射剤、直腸投与剤、皮膚外用剤吸入剤とすることができる。これらの製剤は有効成分に薬学的に認容である製造助剤を加えることにより常法に従って製造される。更に公知の技術により持続性製剤とすることも可能である。

0035

経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤例えば乳糖デンプン結晶セルロース、乳糖カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム無水ケイ酸などとを混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖ヒドロキシプロピルセルロースポリビニルピロリドンなどの結合剤カルボキシメチルセルロースカルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するにはこれらの散剤及び顆粒剤をそのままあるいはステアリン酸マグネシウムタルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒又は錠剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートメタアクリル酸メタアクリル酸メチルコポリマーなどの腸溶性基剤被覆して腸溶性製剤、あるいはエチルセルロースカルナウバロウ硬化油などで被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには散剤又は顆粒剤を硬カプセル充填するか、有効成分をグリセリンポリエチレングリコールゴマ油オリーブ油などに溶解したのちゼラチン膜で被覆し軟カプセル剤とすることができる。

0036

経口投与用の液状製剤を製造するには、有効成分と白糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油エタノールなどを加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴムトラガントポリソルベート80カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを加えて乳剤又は懸濁剤としてもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤着色剤保存剤などを加えてもよい。

0037

注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じ塩酸水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸ナトリウムリン酸一水素ナトリウムリン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤塩化ナトリウムブドウ糖などの等張化剤とともに注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、更にマンニトールデキストリンシクロデキストリンゼラチンなどを加えて真空凍結乾燥し、用時溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレシチン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化せしめ注射用乳剤とすることもできる。

0038

直腸投与剤を製造するには、有効成分及びカカオ脂脂肪酸トリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコールなどの坐剤基剤とを加湿して溶融し型に流しこんで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコール、大豆油などに溶解したのちゼラチン膜で被覆すればよい。

0039

皮膚外用剤を製造するには、有効成分を白色ワセリンミツロウ流動パラフィン、ポリエチレングリコールなどに加えて必要ならば加湿して練合軟膏剤とするか、ロジンアクリル酸アルキルエステル重合体などの粘着剤と練合したのちポリエチレンなどの不織布に展延してテープ剤とする。吸入剤を製造するには、有効成分をフロンガスなどの噴射剤に溶解又は分散して耐圧容器に充填しエアゾール剤とする。

0040

上記構成を有する本発明の予防及び/又は治療剤は、公知の製造法、例えば日本薬局方第10版製剤総則記載の方法ないし適当な改良を加えた方法によって製造することができる。

0041

本発明の予防及び/又は治療剤の投与量は患者年齢、体重及び病態によって異なるが、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物換算で、通常1日約1mg〜1000mgであり、1乃至数回に分けて投与することが望ましい。

0042

以下に実施例を記載する。下記実施例は、請求の範囲に関する理解を深めるために記載しているものであり、請求の範囲を限定することを意図するものではない。

0043

(製造例1)
(K−1、K−2、K−4及びK−5の合成)
下記スキームに従って、2−[2,6−ジフルオロ−4−({2−[(フェニルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)フェノキシ]アセトアミド(K−1,PEPA)及び{4−[2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−アセトアミド(K−2)を合成した。
各化合物の1HNMRスペクトルは、TMS内部標準として使用し、Bruker Avance III 400MHz又はVarian Mercury plus−300 MHzで記録した。

0044

工程(i):(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(2)の合成




2,6−ジフルオロ−フェノール(1) (5.00g,38.5mmol)のアセトン溶液(75mL)に、K2CO3(8.40g,60.7mmol)を加え、10分後、反応溶液ブロモ酢酸メチル(5.80g,38.5mmol)を加えた。該反応溶液を室温で一晩撹拌した。反応終了後に、該反応混合液濃塩酸(20mL)と氷水(200mL)の混合液に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出し、有機層を水(50mL×3)及びブライン(100mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。その後、真空下で濃縮し、化合物(2)を黄色オイルとして得た(7.50g,97%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ3.78(s,3H),4.74(s,2H),6.86−6.99(m,3H).

0045

工程(ii):(4−クロロスルホニル−2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(3)の合成




(2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(2)(5.00g,24.7mmol)のDCM溶液に、クロロスルホン酸(17.2g,24.7mmol)を、氷浴下、滴下して加え、反応溶液を45℃に加熱し、1.5時間、撹拌した。反応終了後に、該反応混合液を50mLの氷水でクエンチし、有機層を分離し、かつ水(300mL×3)で洗浄した。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、その後、真空下で濃縮することにより、化合物(3)を黄色オイルとして得た(5.50g,74%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ3.81(s,3H),4.96(s,2H),7.61(s,1H),7.64(s,1H).

0046

工程(iii):(2,6−ジフルオロ−4−メルカプト−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(4)の合成




(4−クロロスルホニル−2,6−ジフルオロ−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(3)(5.50g,18.3mmol)、SnCl2(14.5g,64.2mmol)、及びメタノール(50mL)の混合液に、濃塩酸(25mL)を滴下して加えた。反応混合液を還流温度に加熱し、2時間、撹拌した。冷却後に、該反応混合液を氷水(100mL)に注ぎ、DCM(100mL×3)で抽出した。有機層を水(100mL×3)及びブライン(100mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、その後、真空下で濃縮することにより、化合物(4)を黄色オイルとして得た(3.30g,77%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ3.52(s,1H),3.77(s,3H),4.71(s,2H),6.83(s,1H),6.86(s,1H).

0047

工程(iv):[4−(2−ベンゼンスルホニルアミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−酢酸メチルエステル(5)の合成




(2,6−ジフルオロ−4−メルカプト−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(4)(1.10g,4.7mmol)、炭酸カリウム(778mg,5.6mmol)、及びアセトン(15mL)の混合液を、N2下、室温で20分間、撹拌した。該反応溶液に、N−(2−ブロモ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド(9)(1.30g,4.90mmol)を加え、該反応溶液を、室温で一晩撹拌した。反応終了後に、該反応溶液を30mLの2NHClに注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を水(50mL×3)及びブライン(100mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、その後、真空下で濃縮することにより、残渣を得た。該残渣をシルカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1to3/1,v/v)により精製し、化合物(5)を黄色オイルとして得た(1.60g,84%)。
1HNMR(300MHz,CDCl3):δ2.95(t,J=6.6Hz,2H),3.12(q,J=6.3Hz,2H),3.78(s,3H),4.72(s,2H),5.20(t,J=6.0Hz,1H),6.76−6.83(m,2H),7.47−7.60(m,3H),7.82−7.84(m,2H).

0048

工程(v):{4−[2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−酢酸メチルエステル(6)の合成




[4−(2−ベンゼンスルホニルアミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−酢酸メチルエステル(5)(300mg,0.72mmol)及びK2CO3(397mg,2.88mmol)の10mLDMF混合液に、0℃でMeI(255mg,1.80mmol)を加えた。その後、反応溶液を、室温で1時間、撹拌した。反応終了後に、該反応溶液を、20mlの水で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。有機層を水(30mL×3)及びブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、その後、真空下で濃縮することにより、化合物(6)を黄色オイルとして得た(285mg,92%)。
1HNMR(300MHz,CDCl3):δ2.81(s,3H),3.04−3.09(m,2H),3.19−3.24(m,2H),3.79(s,3H),4.74(s,2H),6.90−6.94(m,2H),7.50−7.60(m,3H),7.74−7.77(m,2H).

0049

工程(vi):{4−[2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−アセトアミド(K−2)の合成




{4−[2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−酢酸メチルエステル(6)(40.0mg,0.09mmol)及び13mLの4NMeOH/NH3の混合液を、室温で18時間、撹拌した。反応終了後に、該反応混合液を真空下で濃縮することにより、残渣を得た。該残渣を分取HPLCにより精製して、化合物(K−2)を白色固体として得た(22.0mg,57%)。
1HNMR(300MHz,CDCl3):δ2.82(s,3H),3.08−3.13(m,2H),3.20−3.26(m,2H),4.58(s,2H),6.93−6.99(m,2H),7.50−7.63(m,3H),7.75−7.78(m,2H).

0050

{4−[2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−N,N−ジメチル−アセトアミド(K−4)の合成




{4−[2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−酢酸メチルエステル(6)(9g,27.7mmol)及び240mLの5Nジメチルアミン/メタノールの混合液を室温で2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物(K−4)を無色油状物質として得た(12g,97%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ2.82(s,3H),2.98(s,3H),3.05−3.09(m,5H),3.19−3.22(m,2H),4.80(s,2H),6.89−6.92(m,2H),7.53−7.55(m,2H),7.58−7.60(m,1H),7.75−7.77(m,2H).
LCMS[移動相:55%水(0.05%ギ酸)及び45%アセトニトリル(0.05%ギ酸)で6.5分間分析純度>95%,保持時間=3.445min;MS Calcd.:444.5;MS Found: 445.0[M+1]+.

0051

工程(vii):2−[2,6−ジフルオロ−4−({2−[(フェニルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)フェノキシ]アセトアミド(K−1)の合成




[4−(2−ベンゼンスルホニルアミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−酢酸メチルエステル(5)(200mg,0.48mmol)及び10mLの4NMeOH/NH3の混合液を、室温で18時間、撹拌した。反応終了後に、該反応混合液を真空下で濃縮することにより、残渣を得た。該残渣を分取HPLCにより精製して、化合物K−1を白色固体として得た(110mg,57%)。
1HNMR(300MHz,CDCl3+D2O):δ2.97−3.02(m,2H),3.11−3.16(m,2H),4.56(s,2H),6.82−6.90(m,2H),7.48−7.61(m,3H),7.82−7.87(m,2H).

0052

{4−[2−(ベンゼンスルホニル−アミノ)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}− N,N−ジメチル−アセトアミド(K−5)の合成




K−1(159.4mg,0.396mmol)を1,4−dioxane(3mL)中に溶解させ、6M塩酸(1mL)を加え、80℃で2時間加熱した。
水を加えて反応を停止し、酢酸エチル生成物を抽出した後、この酢酸エチル溶液飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層に生成物を抽出し、再度、塩酸を加えて酸性とした後に、再び酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて水分を除去した。この溶液を減圧留去し、得られた残渣をジクロロメタン溶液で溶解し、この溶液にジメチルアミン・塩酸塩(94.5mg)、WSC・HCl(150.8mg)、ジイソプロピルエチルアミン(265μL)を加え、室温で2時間攪拌した。これに塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで生成物を抽出した。これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的とするK−5を白色固体(148.1mg,84%)として得た。

0053

工程(viii):N−(2−ブロモ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド(9)の合成




ベンゼンスルホニルクロリド(7)(3.00g,17.0mmol)及び2−ブロモエチルアミンヒドロブロミド(8)(3.80g,18.7mmol)のDCM(30mL)溶液に、氷浴下で、DIPEA(4.80g,37.4mmol)を加えた。その後、反応溶液を、同じ温度で1.5時間、撹拌した。反応終了後に、該反応溶液を20mLの水で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。有機層を水(30mL×3)及びブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、その後、真空下で濃縮することにより、化合物(9)を白色固体として得た(4.40g,98%)。
1HNMR(300MHz,CDCl3):δ3.36−3.39(m,4H),5.09(s,1H),7.50−7.63(s,3H),7.87−7.89(s,2H).

0054

(製造例2)
(M−1、M−2及びM−3の合成)
下記スキームに従って、2−[4−(2−ベンゼンスルホニルアミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−N−メチル−アセトアミド(M−1)、2−{2,6−ジフルオロ−4−[2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチルスルファニル]−フェノキシ}−アセトアミド(M−2)、及び2−{2,6−ジフルオロ−4−[2−(4−メチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチルスルファニル]−フェノキシ}−アセトアミド(M−3)を合成した。
各化合物の1HNMRスペクトルは、TMSを内部標準として使用し、Varian Mercury plus−400MHzで記録した。LCMSは、下記のものを使用した:Agilent 1200A,カラム:C18;カラムサイズ:4.6*50分;移動相:B(ACN),A(0.05%NH3の水);勾配(B%):実施例に示すとおり。

0055

工程(i):3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゼンスルホニルクロリド(10)の合成




化合物(1)(5.0g)のDCM(50mL)溶液に、クロロスルホン酸(15mL)を滴下して加えた。反応混合液を、25℃で1時間、撹拌した。TLC石油エーテル/EtOAc:20/1)は、反応が完了したことを示した。その後、該溶液をクラッシュアイスに注いだ。有機層を分離し、セライトを通して濾過した。濾液を乾燥させ、真空下で留去して、化合物(10)を黄色オイルとして得た:5g(57%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ6.30(s,1H),7.66−7.68(m,2H).

0056

工程(ii):2,6−ジフルオロ−4−メルカプト−フェノール(11)の合成




トリフェニルホスフィン(3.4g,13.1mmol)及びDMF(0.1mL)のDCM(3mL)溶液に、窒素下0℃で、化合物(10)(1.0g,4.3mmol)のDCM(4mL)溶液を滴下して加えた。反応混合液を、25℃で2時間、撹拌した。その後、該混合液に、1NHClを加えてpH=3に調整し、EAで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去して、粗化合物(11)を黄色オイルとして得た。

0057

工程(iii):2−[2−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−イソインドール−1,3−ジオン(12)の合成




粗化合物(11)(14g,86mmol)のDMF(100mL)溶液に、2−(2−ブロモ−エチル)−イソインドール−1,3−ジオン(13.2g,51.8mmol)及びK2CO3(23.8g,172.4mmol)を加えた。混合液を、25℃で一晩、撹拌した。その後、該混合液に、1NHClを加えてpH=3に調整し、EAで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去して、化合物(12)を黄色固体として得た(8g,27%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ3.20−3.23(t,2H),3.75−3.79(t,2H),7.08−7.10(d,2H),7.84(s,4H).

0058

工程(iv):{4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−酢酸エチルエステル(13)の合成




化合物(12)(5.0g,15mmol)をDMF(30mL)に溶解した溶液に、3−ブロモ−プロピオン酸エチルエステル(2.5g,15mmol)及びK2CO3(3.0g,22.5mmol)を加えた。混合液を、25℃で一晩、撹拌した。その後、該混合液をEAで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去して、化合物(13)を白色固体として得た(6g,97%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ1.21−1.24(t,3H),3.11−3.14(t,2H),3.84−3.88(t,2H),4.18−4.20(d,2H),4.61(s,2H),6.91−6.94(d,2H),7.66−7.68(m,2H),7.77−7.79(m,2H).

0059

工程(v):2−{4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−N−メチル−アセトアミド(14)の合成




化合物(13)(0.5g,1.2mmol)のメチルアミンアルコール溶液(10mL)を、100℃で30分間、撹拌した。その後、混合液を濃縮し、粗化合物(14)を黄色オイルとして得た(1g)。

0060

工程(vi):2−[4−(2−アミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−N−メチル−アセトアミド(15)の合成




ヒドラジン水和物(0.25g,5mmol)を、粗化合物(14)(1g,2.5mmol)のEtOH(10mL)溶液に、90℃で加えた。溶液を90℃に加熱し、30分間撹拌し、その後、室温に冷却した。生成物を濾過し、EtOHで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗化合物(15)を黄色オイルとして得た(0.5g)。

0061

工程(vii):2−[4−(2−ベンゼンスルホニルアミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−N−メチル−アセトアミド(M−1)の合成




ベンゼンスルホニルクロリド(0.4g,2.2mmol)及びトリエチルアミン(0.2g,2.2mmol)を、粗化合物(15)(0.5g,1.8mmol)のDCM(10mL)溶液に加えた。その後、混合液を、25℃で1時間、撹拌し、EAで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物(M−1)を白色固体として得た(20mg)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ2.65−2.66(d,3H),2.91−2.94(t,2H),2.01−3.04(t,2H),4.50(s,2H),7.10−7.12(d,2H),7.57−7.65(m,3H),7.76−7.78(d,2H),7.92−7.95(t,1H),8.05(s,1H).
MS:m/z 417(M+1)+
LCMS[移動相:90%水(0.1%NH4OH)及び10%CH3CNから5%水(0.1%NH4OH)及び95%CH3CN、6.0分、最終的にこれらの条件下0.5分]純度97.4%,Rt=3.341分;MS Calcd.:416;MS Found:417([M+1]+).

0062

工程(viii):2−{4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチルスルファニル]−2,6−ジフルオロ−フェノキシ}−アセトアミド(16)の合成




化合物(13)(5.0g,11.8mmol)のNH3/EtOH(100mL)溶液を、25℃で2時間、撹拌した。その後、該溶液を濃縮し、粗化合物(16)を黄色オイルとして得た(6.0g)。

0063

工程(ix):2−[4−(2−アミノ−エチルスルファニル)−2,6−ジフルオロ−フェノキシ]−アセトアミド(17)の合成




ヒドラジン水和物(1.5g,30mmol)を、粗化合物(16)(6.0g,15.3mmol)のEtOH(50mL)溶液に、90℃で加えた。溶液を90℃に加熱し、30分間撹拌し、その後、室温に冷却した。生成物を濾過し、EtOHで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗化合物(17)を黄色オイルとして得た(4.0g)。

0064

工程(x):2−{2,6−ジフルオロ−4−[2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチルスルファニル]−フェノキシ}−アセトアミド(M−2)の合成




4−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリド(0.4g,2.3mmol)及びトリエチルアミン(0.2g,2.2mmol)を、粗化合物17(0.5g,1.9mmol)のDMF(10mL)溶液に加えた。その後、混合液を、25℃で1時間、撹拌し、EAで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、化合物(M−2)を白色固体として得た(20mg)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ2.92−2.95(t,2H),3.01−3.04(t,2H),4.45(s,2H),7.09−7.11(d,2H),7.40−7.44(m,3H),7.47(s,1H),7.81−7.85(m,2H),7.95−7.98(t,1H).
MS:m/z 421(M+1)+
LCMS[移動相:90%水(0.1%NH4OH)及び10%CH3CNから5%水(0.1%NH4OH)及び95%CH3CN、6分、最終的にこれらの条件下0.5分]純度95.1%,Rt=3.284分;MS Calcd.:420;MS Found:421([M+1]+).

0065

工程(xi):2−{2,6−ジフルオロ−4−[2−(4−メチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチルスルファニル]−フェノキシ}−アセトアミド(M−3)の合成




4−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(0.5g,2.3mmol)及びトリエチルアミン(0.2g,2.2mmol)を、粗化合物(17)(0.5g,1.9mmol)のDMF(10mL)溶液に加えた。その後、混合液を、25℃で1時間、撹拌し、EAで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、化合物(M−3)を白色固体として得た(20mg)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ2.38(s,3H),2.88−2.91(t,2H),2.99−3.02(t,2H),4.49(s,2H),7.08−7.10(d,2H),7.37−7.48(m,4H),7.64−7.66(d,2H),7.81−7.84(t,1H).
MS:m/z 417(M+1)+
LCMS[移動相:90%水(0.1%NH4OH)及び10%CH3CNから5%水(0.1%NH4OH)及び95%CH3CN、6.0分、最終的にこれらの条件下0.5分]純度96.6%,Rt=3.365分;MS Calcd.:416;MS Found:417([M+1]+).

0066

(実施例1)
(in vitro autoradiography法)
ラットは、2〜3週齢オス成体SDラットチャールズリバー、日本)を使用した。線条体を含む厚さ200umの急性脳切片を作成し、セルストレイナー上に置き、酸素化CSF人工脳脊髄液)中で60分間静置した。
100μM PEPA(1%DMSO含有ACSF)を12ml分調整し、そこに20nMになるよう[11C]K−2を加え、60分間静置した。反応後、ACSFで10秒間洗浄を3回行い、最後に蒸留水で10秒間洗浄を行った。反応後の脳切片より大きめにセルストレイナーを切除し、イメージングプレートに2時間感光させた。感光後のイメージングプレートはTyphoon(GEヘルスケアジャパン)で撮像した(分解能25pixel)。
(電気生理学的検証)
7〜8週齢の雄性SDラットを使用した。イソフルレンによる麻酔下で断頭し、ビブラトーム(VT1000;Leica社)を使用して海馬を含む厚さ400umの急性脳切片を作成した。60分間室温のACSFで静置した後、全細胞記録法によりAMPA電流計測した。ACSFを3ml/分の速度で還流した条件下で、PicrotoxinおよびAPV投与にてAMPA電流のみを単離した。刺激電極シャファー線維上に置き、記録電極はCA1における錐体細胞に置いた。全細胞記録は-80mV電位を固定して行い、30秒に一度の頻度で100マイクロ秒刺激を加えた。5分間基底状態のAMPA電流を記録し、その後15分間K-2ないしK-4の投与を行い、その後30分間AMPA電流を記録した。静置時および還流時はACSFを95% O2/5% CO2で飽和させて使用し、ACSFの組成は以下の通り;119mM NaCl, 2.5mM KCl, 2.5mM CaCl2, 1.5mM MgSO4, 26mM NaHCO3, 1mM NaH2PO4。記録電極は先端抵抗が3-5MOhmとなるように作製し、使用した充填内液の組成は以下の通り;115mM CsMeSO4, 20mM CsCl, 10mMHEPES, 2.5mM MgCl2, 4mM Na2ATP, 0.4mM Na3GTP, 10 Na-phosphocreatinine, 0.6mM EGTA。
生物学的実施例)
(AMPA受容体結合化合物の調製及び投与)
強制水泳試験では、AMPA受容体結合化合物K−2およびK−4を、100%DMSO(ナカライテスク、日本)に2.1mMの濃度となるように溶解し、投与直前生理食塩水で希釈し(15%DMSO、320μM)、5μl/体重(g)の投与量にて、1mg/kgないし1.5mg/kgとなるようにラットに経静脈的に投与した。

0067

動物実験
すべての動物実験は、横市立大学の動物実験委員会審議及び承認を受けた(承認番号:F−A−15−051)。
ラットは、6〜10週齢のオス成体Wistarラット及びうつ病モデルラットであるWistar kyoto ラット(WKYラット)(チャールズリバー、日本)を使用した。
反復してK−2投与を行う経路を確保するため、実験を実施する1週間前に頚静脈カニューレ留置手術を行った。頚静脈カニューレ留置手術は、イソフルラン(DSファーマアニマルヘルス、日本)でラットを入させた後、1.5%のイソフルラン濃度(空気2L/分)で麻酔を維持して行った。頚部の皮膚を約3cm切開し、皮下脂肪開創し、頚静脈を露出させた。カニューレチューブを装着した針で頚静脈を貫通させた後、カニューレチューブを針から取り外し、カニューレチューブの尖端を頚静脈内に2.5cm挿入し、縫合糸で挿入部付近へ固定した。カニューレチューブの反対側は、ラット背部り体外へ露出させ、逆流を防ぐために栓を装着し、切開した皮膚を縫合した。手術終了後、ラットはホームケージに戻した。

0068

(ラットを用いたインビボPET撮像)
PET撮像は、microPET(Focus 220;Siemens Medical Solution)を用いて行った。
ラットを用いたPET撮像実験:イソフルラン(DSファーマアニマルヘルス、日本)を充填した麻酔箱の中でラットを入眠させた後、1.5%のイソフルラン濃度(空気2L/分)で麻酔を維持し、尾静脈より24Gサーフロー留置針テルモ、日本)で静脈路を確保した。ラットをPET撮影台に固定した後、撮像の前に減弱補正のための放射撮像を行い、その後放射性標識したK−2(約40MBq)を投与した。PET撮像中は、体温フィードバック型加温盤(BWT−100A;バイオリサーチセンター、日本)を用いて37±0.5℃に維持した。撮像後、静脈路を抜去し、イソフルラン投与を中止した後に、ラットをPET台より外し、ホームケージに戻した。ラットは、撮像後1週間、撮像した部屋にて飼育し、その後、通常のラット集団飼育室に戻した。
加算(Summation)画像を構成するとともに、0.5mmハニング(Hanning)フィルター裏写りを取り除いてダイナミック画像を再構成した。再構成画像は、PMOD画像分析ソフトウェア(PMODtechnologies)を用いて、海馬、内側前頭前皮質側坐核、線条体、視床小脳などの複数の領域を含むVOIsを、鋳型MRI画像上に作成したものと統合して解析した。定量に用いた算出値は%SUV(% of standardized uptake value)であり、以下の式で求めた;
%SUV = VOIで囲われた各組織の放射線量(MBq/cc)/投与した放射線量(MBq)×体重(g)

0069

(ラットを用いた強制水泳試験)
強制水泳試験は、薬剤投与前日の投与前実験、薬剤投与1日目の急性投与実験、薬剤投与7日目の慢性投与実験を行った。
強制水泳試験(投与前実験、急性投与実験、慢性投与実験)では、ラットを実験の実施する部屋へ馴化させるため、1時間静置した。投与前実験は、馴化後すぐに強制水泳試験を行った。急性投与実験は、強制水泳試験を開始する30分前に15%DMSO又は15%DMSOに溶解したK−2およびK−4を経静脈的に投与した。慢性投与実験は、15%DMSO又は15%DMSOに溶解したK−2およびK−4の経静脈的投与を7日間行い、投与7日目の投与30分後に強制水泳試験を行った。
強制水泳試験は、直径20cm泳高さ50cmの円筒ケージを用いて、水温26±0.5℃の水道水水位40cmまで注水して行った。この円筒ケージ内にラットを投入し、10分間泳ぐ様子をデジタルビデオカメラ(HC−V750、パナソニック、日本)を用いて撮影した。撮影後、ペーパータオルでラットの水滴を拭き取り、ホームケージへ戻した。
解析は、急性投与実験及び慢性投与実験において、撮影した動画の2〜10分間(0〜2分はラットの環境適応時間とした)における、ラットの四肢を動かさない時間を無動時間として計測した。15%DMSOを投与したラットと15%DMSOに溶解したK−2およびK−4を投与したラットで無動時間を比較した。
(ヒトでのPET撮像)
20代健常男性を対象としてPET撮像を行った。撮像台上で臥位をとり、前腕ないし手背に22ゲージサーフロー針で静脈路を確保した。約1分間の吸収補正用CT撮像を行った後、約370MBqの[11C]K−2を1分間かけて静脈投与した。その後、120分間の撮像を行った。撮像にはPET/CT装置aquiduo(東メディカルステムズ)を用いた。収集されたリストデータはOS−EM法でダイナミック画像を再構成した。
再構成画像は、PMOD画像分析ソフトウェア(PMODtechnologies)を用いて、前頭葉、歯状皮質、海馬、扁桃体、被核、小脳、橋などの複数の領域を含むVOIsを、鋳型MRI画像上に作成したものと統合して解析した。定量に用いた算出値は%SUV(% of standardized uptake value)を使用した。健常者3名分の%SUVはPET薬剤投与50分後から120分後までの70分間の平均値を算出し、解析に用いた。

0070

(実験結果)
(AMPA受容体結合性試験結果)
in vitro autoradiography法によって、K−2はAMPA受容体に結合親和性を示すことが確認され、そのKd値は47.9nMであった(図1)。
電気生理学的検証によって、K−2及びK−4はAMPA受容体に結合親和性を示すことが確認された(図2)。
(AMPA受容体標識化合物K−2を用いたラットでのPET撮像)
放射性標識化K−2([11C]K−2)をWistarラットとWKYラットに投与し、インビボでのPET撮像を行った(図3,4)。その結果、WKYラットの内側前頭前皮質、線条体、大脳皮質、視床において放射性標識化K−2の有意に低い脳内への取り込みを示し(図5)、これらの部位においてAMPA受容体の集積量の低下が示唆された。これらの結果より、うつ病モデルラットであるWKYラットでは、特定の脳領域において、AMPA受容体の発現量が低下していることがわかった。

0071

(AMPA受容体結合化合物K−2を用いたラットでの強制水泳試験)
急性投与実験では、15%DMSOを投与したラットとK−2を投与したラット間で無動時間の変化は認められなかった(図6)。慢性投与実験では、K−2投与ラットでは無動時間の有意な低下が認められ、その効果は1mg/kgよりも1.5mg/kgで有意に高かった(図7)。また同様にK−4投与ラットでも無動時間の有意な低下が認められ、1mg/kg投与間で比較するとK−4はK−2に比して有意に無働時間を低下させた(図7)。この結果より、うつ病モデルラットであるWKYラットにおけるK−2およびK−4慢性投与は抗うつ効果を示すことが示唆された。
AMPA受容体に結合親和性を示すK−2やK−4といった化合物と、AMPA受容体の関連が知られているうつ病との関連が確認されたことから、上記の抗うつ効果はK−2やK−4によるAMPA受容体機能活性化に起因すると示唆される。このため、K−2及びK−4、並びにこれらに類似する本発明の化合物は、うつ病に限らずAMPA受容体が関連する疾患の治療に有用であることが示唆される。
(ヒトでのPET撮像)
[11C]K−2を投与した健常者での脳内取り込み量を示すグラフ(図9)から、複数の健常者間で脳内各部位における取り込み量の割合はほぼ一様であり、[11C]K−2を投与した健常者でのPETイメージング図8)が妥当であり、個人間比較における定量解析性が高いことが裏付けられた。

実施例

0072

略号の説明)
AMPA:α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DCM:ジクロロメタン
EA、EtOAc:酢酸エチル
PE:石油エーテル
PEPA:2−[2,6−ジフルオロ−4−({2−[(フェニルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)フェノキシ]アセトアミド
PET:ポジトロン断層撮影法
TEA:テトラエチルアンモニウム
TMS:テトラメチルシラン
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
MeI:ヨウ化メチル
WSC・HCl:水溶性カルボジイミド塩酸塩
DMSO:ジメチルスルホキシド
ACFS:人工脳脊髄液

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