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技術 自動車用シートのブレーキ装置

出願人 株式会社TF-METAL
発明者 金沢卓弥
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172035
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-044855
状態 未査定
技術分野 車両用座席
主要キーワード レバー組立体 内歯車状 シフタ機構 自動化設備 板ばね製 凹状空間 解除爪 係止フランジ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (15)

課題

ブレーキ装置全体としての組付性を改善する。

解決手段

ブレーキ装置7は、ハウジング11を主要素としてピニオン軸12が逆入力に対して回転しないように支持するブレーキ部9と、ピニオン軸12を操作するための操作部10と、から構成される。ピニオン軸12を含むブレーキ部9の構成要素がブレーキ組立体40として仮組みされていると共に、操作部10の一部の構成要素がツース組立体50として仮組みされている。さらに、操作部10の残された構成要素がレバー組立体60として仮組みされている。これらのブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の三者が軸方向で重ねて組み付けられている。

概要

背景

この種の自動車用シートブレーキ装置として例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。

この特許文献1に記載されたブレーキ装置では、例えばシートリフタ機構に組み込まれて、出力軸の一端に設けられた駆動側ギヤからの逆入力によって当該出力軸が回転しないように制動状態を保持するブレーキ機構部と、操作部材中立位置から正転方向および逆転方向のうちいずれか一方に回転操作した時には、出力軸の制動状態を解除して、操作部材の回転操作に伴う出力軸のいずれか一方への回転を許容する駆動機構部と、により構成されている。

そして、ブレーキ機構部の構成要素である各々の部品と駆動機構部の構成要素である各々の部品とが同軸上に配置されている。

概要

ブレーキ装置全体としての組付性を改善する。ブレーキ装置7は、ハウジング11を主要素としてピニオン軸12が逆入力に対して回転しないように支持するブレーキ部9と、ピニオン軸12を操作するための操作部10と、から構成される。ピニオン軸12を含むブレーキ部9の構成要素がブレーキ組立体40として仮組みされていると共に、操作部10の一部の構成要素がツース組立体50として仮組みされている。さらに、操作部10の残された構成要素がレバー組立体60として仮組みされている。これらのブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の三者が軸方向で重ねて組み付けられている。

目的

本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、ブレーキ装置全体としての組付性を改善した構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ピニオン軸からの逆入力に対して回転しないように支持するブレーキ部と、前記ブレーキ部のピニオン軸を操作するための操作部と、が軸方向に重ねて配置される自動車用シートブレーキ装置であって、前記ブレーキ部は、ハウジング部材と、前記ハウジング部材内にブレーキ要素と共に収容されると共に、前記ピニオン軸に挿入されて当該ピニオン軸と一体に回転可能であって且つ内歯を有する駆動ホイールと、を有していて、前記操作部は、前記ピニオン軸に回転可能に挿入されて、前記駆動ホイールに対して常時回転方向摩擦力を発生する保持プレートと、前記保持プレートに設けた第1支持部に回転可能に支持されると共に、前記内歯ギヤに噛み合い可能な一対の外歯を有するツースプレートと、前記ピニオン軸に回転可能に挿入されると共に、前記第1支持部とは異なる第2支持部で前記ツースプレートと係合する入力レバーと、前記ハウジング部材と結合されて、当該ハウジング部材と共に前記保持プレートと前記ツースプレートおよび前記入力レバーを収容するカバー部材と、前記入力レバーを中立位置方向に付勢するコイルばねと、前記カバー部材の外側で前記入力レバーと連結されるレバーブラケットと、を有していて、前記ピニオン軸を含む前記ブレーキ部の構成要素が当該構成要素同士の相対位置関係自己保持できるようにブレーキ組立体として予め仮組みされていると共に、前記操作部の構成要素である前記保持プレートと前記ツースプレートが当該プレート同士の相対位置関係を自己保持できるようにツース組立体として予め仮組みされていて、さらに、前記操作部の構成要素である前記入力レバーと前記カバー部材と前記コイルばねおよび前記レバーブラケットが当該構成要素同士の相対位置関係を自己保持できるようにレバー組立体として予め仮組みされていて、前記ブレーキ組立体と前記ツース組立体および前記レバー組立体の三者が軸方向で重ねて組み付けられていることを特徴とする自動車用シートのブレーキ装置。

請求項2

請求項1に記載の自動車用シートのブレーキ装置において、前記保持プレートは、前記ツースプレートが前記第1支持部から外れるのを規制する保持部を備えていることを特徴とする自動車用シートのブレーキ装置。

請求項3

請求項2に記載の自動車用シートのブレーキ装置において、前記保持プレートは板ばね製のものであって、前記ツースプレートのうち前記入力レバー側とは反対側の面に沿って延びるアーム部と、前記ツースプレートのうち前記入力レバー側の面に沿って延びる一対の保持部と、を備えていて、前記アーム部と前記一対の保持部とで前記ツースプレートを挟むように支持していることを特徴とする自動車用シートのブレーキ装置。

請求項4

請求項3に記載の自動車用シートのブレーキ装置において、前記保持プレートは、前記駆動ホイールに圧接する一対の脚部と、前記カバー部材の一部に係合する一対の作用片と、を備えていて、前記保持プレートは、前記入力レバーが中立位置にあるとき、前記一対の作用片により前記中立位置に保持されるようになっていることを特徴とする自動車用シートのブレーキ装置。

請求項5

請求項4に記載の自動車用シートのブレーキ装置において、前記コイルばねは、前記カバー部材と前記レバーブラケットとの間にあって、前記レバーブラケットの凹部内に収容配置されていて、前記コイルばねの一対の端部は、前記カバー部材からの切り起こし片と、当該切り起こし片に重なり合うように前記レバーブラケットに形成された切り起こし片とにそれぞれ係止されていることを特徴とする自動車用シートのブレーキ装置。

技術分野

0001

本発明は、自動車用シートブレーキ装置に関し、特にシートの座面となるシートクッションの高さ位置調整のためのシートリフタ機構や、シートの背もたれ部となるシートバックの角度位置調整のためのリクライニング機構に組み込まれる自動車用シートのブレーキ装置に関する。

背景技術

0002

この種の自動車用シートのブレーキ装置として例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。

0003

この特許文献1に記載されたブレーキ装置では、例えばシートリフタ機構に組み込まれて、出力軸の一端に設けられた駆動側ギヤからの逆入力によって当該出力軸が回転しないように制動状態を保持するブレーキ機構部と、操作部材中立位置から正転方向および逆転方向のうちいずれか一方に回転操作した時には、出力軸の制動状態を解除して、操作部材の回転操作に伴う出力軸のいずれか一方への回転を許容する駆動機構部と、により構成されている。

0004

そして、ブレーキ機構部の構成要素である各々の部品と駆動機構部の構成要素である各々の部品とが同軸上に配置されている。

先行技術

0005

特開2018−86976号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載されたブレーキ装置では、ブレーキ機構部および駆動機構部の構成要素である各々の部品が同軸上に配置されている構造ではあっても、部品相互組付性が十分に考慮されておらず、ブレーキ装置全体の組付性向上の上でなおも改善の余地が残されている。

0007

本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、ブレーキ装置全体としての組付性を改善した構造を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、ピニオン軸からの逆入力に対して回転しないように支持するブレーキ部と、前記ブレーキ部のピニオン軸を操作するための操作部と、が軸方向に重ねて配置される自動車用シートのブレーキ装置であって、前記ブレーキ部は、ハウジング部材と、前記ハウジング部材内にブレーキ要素と共に収容されると共に、前記ピニオン軸に挿入されて当該ピニオン軸と一体に回転可能であって且つ内歯を有する駆動ホイールと、を有している。

0009

その一方、前記操作部は、前記ピニオン軸に回転可能に挿入されて、前記駆動ホイールに対して常時回転方向摩擦力を発生する保持プレートと、前記保持プレートに設けた第1支持部に回転可能に支持されると共に、前記内歯ギヤに噛み合い可能な一対の外歯を有するツースプレートと、前記ピニオン軸に回転可能に挿入されると共に、前記第1支持部とは異なる第2支持部で前記ツースプレートと係合する入力レバーと、前記ハウジング部材と結合されて、当該ハウジング部材と共に前記保持プレートと前記ツースプレートおよび前記入力レバーを収容するカバー部材と、前記入力レバーを中立位置方向に付勢するコイルばねと、前記カバー部材の外側で前記入力レバーと連結されるレバーブラケットと、を有している。

0010

そして、前記ピニオン軸を含む前記ブレーキ部の構成要素が当該構成要素同士の相対位置関係自己保持できるようにブレーキ組立体として予め仮組みされていると共に、前記操作部の構成要素である前記保持プレートと前記ツースプレートが当該プレート同士の相対位置関係を自己保持できるようにツース組立体として予め仮組みされている。さらに、前記操作部の構成要素である前記入力レバーと前記カバー部材と前記コイルばねおよび前記レバーブラケットが当該構成要素同士の相対位置関係を自己保持できるようにレバー組立体として予め仮組みされている。

0011

その上で、前記ブレーキ組立体と前記ツース組立体および前記レバー組立体の三者が軸方向で重ねて組み付けられていることを特徴とするものである。

0012

前記ツース組立体における前記保持プレートと前記ツースプレートとの自己保持性向上のための望ましい態様としては、前記保持プレートは、前記ツースプレートが前記第1支持部から外れるのを規制する保持部を備えている。

0013

前記保持プレートのより望ましい態様としては、前記保持プレートは板ばね製のものであって、前記ツースプレートのうち前記入力レバー側とは反対側の面に沿って延びるアーム部と、前記ツースプレートのうち前記入力レバー側の面に沿って延びる一対の保持部と、を備えていて、前記アーム部と前記一対の保持部とで前記ツースプレートを挟むように支持している。

0014

さらに、前記保持プレートの機能向上の上でより望ましい態様としては、前記保持プレートは、前記駆動ホイールに圧接する一対の脚部と、前記カバー部材の一部に係合する一対の作用片と、を備えていて、前記保持プレートは、前記入力レバーが中立位置にあるとき、前記一対の作用片により前記中立位置に保持されるようになっている。

0015

前記コイルばねの配置位置に着目したより望ましい態様としては、前記コイルばねは、前記カバー部材と前記レバーブラケットとの間にあって、前記レバーブラケットの凹部内に収容配置されていて、前記コイルばねの一対の端部は、前記カバー部材からの切り起こし片と、当該切り起こし片に重なり合うように前記レバーブラケットに形成された切り起こし片とにそれぞれ係止されている。

0016

したがって、本発明では、それぞれに仮組み状態にあるブレーキ組立体とツース組立体およびレバー組立体の三者を重ね合わせた上で、例えばブレーキ組立体のハウジング部材とレバー組立体のカバー部材とを結合することでブレーキ装置として仕上げられる。

発明の効果

0017

本発明によれば、ブレーキ組立体とツース組立体およびレバー組立体の三者がそれぞれに予め仮組み状態にあり、それらの三者を重ね合わせた上で、例えばブレーキ組立体のハウジング部材とレバー組立体のカバー部材とを結合するだけで良いので、組付性に優れ、コストダウンに寄与することができる。また、本発明によれば、自動化設備による自動組み立てにも容易に対応できる利点がある。

図面の簡単な説明

0018

シートアジャスタとしてシートリフタ機構およびシートリクライニング機構を備えた自動車用シートの一例を示す斜視図。
本発明に係るブレーキ装置の第1の実施の形態として、図1に示したシートリフタ機構に用いられるブレーキ装置を示す車載時と同等の正面図。
図2に示したブレーキ装置の左側面図。
図3に示したブレーキ装置のレバーブラケットを取り外した状態を示す左側面図。
図3のA−A線に沿った断面図。
図2に示したブレーキ装置におけるブレーキ部および操作部のそれぞれの構成要素の分解斜視図。
図6に示したブレーキ部の中立状態での説明図。
図7のQ部の拡大説明図。
図6に示した保持プレートの拡大図。
図7に示したブレーキ部を簡略化した説明図。
図6に示した操作部の中立状態での説明図。
図10に示した状態から操作レバーを回転操作した時のブレーキ部の状態を示す説明図。
図11に示した状態から操作レバーを回転操作した時の操作部の状態を示す説明図。
図6に示したブレーキ部および操作部を、ブレーキ組立体とツース組立体およびレバー組立体としてそれぞれに仮組みした状態を示す分解斜視図。

実施例

0019

図1〜14は本発明に係る自動車用シート(以下、単に「シート」と言う。)のブレーキ装置を実施するためのより具体的な形態を示していて、特に図1はシートアジャスタを備えたシートの一例を示している。

0020

図1に示したシート1では、シートアジャスタとして、シート1の前後位置調整のためのシートスライド機構2と、座面となるシートクッション3の高さ位置調整のためのシートリフタ機構と、背もたれ部となるシートバック4の角度調整のためのリクライニング機構と、を備えている。そのため、シートクッション3の側部には、シートリフタ機構の操作レバー5とリクライニング機構の操作レバー6とが並べて設けられている。

0021

そして、図1に示したシート1では、シートリフタ機構に着目した場合、シートリフタ機構の操作レバー5を例えば中立位置(以下の説明では、操作レバー5が中立位置にある状態を中立状態とも言う。)から上方へ引き上げ操作する毎に少しずつシートクッション3の位置が高くなる一方で、逆に操作レバー5を中立位置から下方へ押し下げ操作する毎に少しずつシートクッション3の位置が低くなる公知の構造のものである。これによって、シート1の座面の高さ位置調整機能が発揮される。

0022

図2図1に示したシート1のシートリフタ機構に適用されるブレーキ装置7の車載状態と同等の正面図を、図3図2の左側面図をそれぞれ示している。また、図4図3におけるレバーブラケット24を取り外した状態での左側面図を、図5図3のA−A線に沿った断面図をそれぞれ示している。さらに、図6図2に示したブレーキ装置7の分解斜視図をそれぞれ示している。

0023

図2のほか図6の分解斜視図に示すように、ブレーキ装置7は、半割り状のハウジング部材であるハウジング11とカバー部材であるカバー22とを突き合わせることで略円筒状ケース8が形成される。このケース8内に、後述する図6のブレーキ部9と操作部10の一部の構成要素とが同軸上に収容される。また、ケース8を形成しているハウジング11とカバー22とにまたがるかたちで、それらの中心部に、実質的にブレーキ部9と操作部10とが共有するピニオン軸12が軸心方向に貫通して配置される。ピニオン軸12の一端には、図1に示した操作レバー5と共に操作部材として機能するレバーブラケット24が回転可能に支持されると共に、ピニオン軸12の他端には外部に露出するピニオンギヤ12gが一体に形成される。

0024

なお、レバーブラケット24は中立位置から正転方向および逆転方向のいずれの方向にも回転操作可能である。また、レバーブラケット24には、図1に示した操作レバー5がレバーブラケット24側のねじ孔24e(図3参照)を用いてねじ締め固定される。

0025

そして、ブレーキ装置7は、カバー22側のフランジ部29に形成された取付孔29aを用いて、図1に示したシート1のうち図示を省略したサイドブラケットに固定され、ピニオンギヤ12gが図示を省略したシートリフタ機構側の従動側ギヤに噛み合うことになる。

0026

このブレーキ装置7では、レバーブラケット24が中立位置にある時には、ピニオン軸12への逆入力によっては当該ピニオン軸12が回転しないように制動状態を保持する。その一方、レバーブラケット24を中立位置から正転方向および逆転方向のうちいずれか一方に回転操作した時には、ピニオン軸12の制動状態を解除して、レバーブラケット24の回転操作に伴うピニオン軸12の回転を許容することになる。このピニオン軸12の回転は、ピニオンギヤ12gを介して図示を省略したシートリフタ機構の従動側ギヤの回転変位に変換され、さらにはリンク機構を介してシート1のシートクッション3の上下方向変位に変換される。

0027

なお、このタイプのブレーキ装置7では、レバーブラケット24のストロークが比較的小さいために、多くの場合には特定の方向へのレバーブラケット24の回転操作を複数回繰り返すことで所期の目的を達成することができる。

0028

図2,6に示すように、ブレーキ部9側のハウジング11と操作部10側のカバー22とで形成されるケース8内に、ブレーキ部9と操作部10の一部の構成要素とが互いに同軸上に位置するように隣接配置されることは先に述べた通りである。以降の説明では、各構成要素の三次元形状や配置等が理解しやすい図6を中心としてその構造を説明するものとし、必要に応じて図6以外の図を適宜参照するものとする。

0029

図6に示すように、ブレーキ部9は、ケース8の一部として機能するハウジング11と、ハウジング11に回転可能にされるピニオン軸12と、ハウジング11内に互いに対向配置される二つで一組の略半円形状のロックプレート14と、これらの一組のロックプレート14同士が共有しているロックばね15と、同じくハウジング11内の一組のロックプレート14の上に軸方向に重ねて配置される同形状のもう一組のロックプレート16と、これらの一組のロックプレート16同士が共有しているロックばね17と、一組のロックプレート16の上に重ねて配置される浅皿状の駆動ホイール18と、から構成される。

0030

また、図6に示した操作部10は、駆動ホイール18の上に重ねて配置される保持プレート19と、保持プレート19と組み合わされるツースプレート20と、保持プレート19およびツースプレート20と重ね合わされる入力レバー21と、ブレーキ部9側のハウジング11と突き合わされてケース8を形成することになるカバー22と、カバー22の外側に配置されるねじりコイルばねタイプのコイルばね23と、同じくカバー22の外側に配置される操作部材としてのレバーブラケット24と、から構成される。

0031

図6に示したブレーキ部9のハウジング11は、例えば所定厚みの板金素材を用いて略深皿状に絞りプレス成形したものであり、そのハウジング11の内周面円筒状の制動面13となっている。

0032

ハウジング11の底部には、ピニオン軸12のうちピニオンギヤ12g側の大径軸部12fが挿入される軸孔11aが形成される。また、ハウジング11の開口縁部にはフランジ部11bが形成されると共に、フランジ部11bの例えば三箇所に係止凹部11cが形成される。これら三つの係止凹部11cは後述するカバー22との結合固定部となる。

0033

図6に示したブレーキ部9のピニオン軸12は、小径軸部12aと、中径軸部12bと、二面幅部12dを有する略矩形軸状の異形軸部12cと、図5に示すようにハウジング11の内底面に当接してピニオン軸12の軸方向への移動を規制するフランジ部12eと、ハウジング11の底部に形成した軸孔11aに回動可能に支持される大径軸部12fと、駆動側ギヤとしてのピニオンギヤ12gと、ピニオンギヤ12gの先端の先端軸部12hと、が同軸一体に形成されたいわゆる多段段付き軸状のものである。このピニオン軸12は、後述するようにブレーキ部9と操作部10とに共用化されている。また、ピニオン軸12における異形軸部12cの二面幅部12dは、二組のロックプレート14,16に対し外力を及ぼす作用部として機能する。

0034

図6に示したブレーキ部9の一組のロックプレート14は、ハウジング11の内底面に着座しつつ両端部の外周面が制動面13に接するように左右対称または上下対称に対向配置される。さらに、一組のロックプレート14の上にもう一組のロックプレート16が左右対称または上下対称となるようにピニオン軸12の軸方向に重ねて対向配置される。これら二組のロックプレート14,16の外周面のうち凹部25をはさんで離間した両端部には、ハウジング11の制動面13と接触可能な円弧状の制動ロック面26がそれぞれに形成される。

0035

そして、一組のロックプレート14のうち双方の一端部(第1端部)同士の間に付勢手段としてのロックばね15が介装される。このロックばね15により、一組のロックプレート14の一端部(第1端部)同士が互いに離間する方向に付勢されている。同様に、もう一組のロックプレート16のうち双方の一端部(第2端部)同士の間に付勢手段としてのロックばね17が介装される。このロックばね17により、一組のロックプレート16の一端部(第2端部)同士が互いに離間する方向に付勢されている。なお、図6に示すロックばね15,17は、略M字状に折り曲げ板ばね17aと、その板ばね17aの双方の脚部の端部同士の間にコイルばね17bを挟み込んだいわゆる複合ばねタイプのものであり、コイルばね17bは板ばね17aの両脚部が広がる方向に付勢している。

0036

図6に示したブレーキ部9の駆動ホイール18は、外周側のリング部18aの内周面にその全周にわたって内歯18bが形成されたいわゆる内歯車状のものである。駆動ホイール18の中心部には、ピニオン軸12の異形軸部12cと一体的に回転可能なように、その異形軸部12cが嵌め合わされる角孔18cが形成される。さらに、駆動ホイール18の背面側には、二組のロックプレート14,16側に向かって突出する一対の円弧状の解除爪部18dが一体に形成される(図7参照)。

0037

なお、駆動ホイール18の角孔18cとピニオン軸12の異形軸部12cとの間には回転方向に所定の遊びを有している。また、駆動ホイール18は、例えば金属製の円板プレス成形により半抜きして内歯18bを有するリング部18aを形成し(図5参照)、リング部18aの内側の底部および解除爪部18dをいわゆるインサート成形法等の手法により樹脂材料にて一体に形成している。

0038

図6に示したピニオン軸12は、図5にも示すように、ピニオンギヤ12gの根元部分に形成された大径軸部12fがハウジング11の軸孔11aに回転可能に挿入支持される。その一方、異形軸部12cの二面幅部12dが一組のロックプレート14同士および他の一組のロックプレート16同士の対向間隙内にそれぞれ位置するように挿通される。さらに、その異形軸部12cが駆動ホイール18の角孔18cに遊嵌的に且つ微少角度だけ回転可能に嵌め合わされる。

0039

その際に、図7にも示すように、駆動ホイール18側の一対の解除爪部18dが、二組のロックプレート14,16の外周側において、各ロックプレート14,16の凹部25にピニオン軸12の回転方向に隙間を有して嵌め合わされる。そして、それら一対の解除爪部18dの円弧状の外周面は、ハウジング11の制動面13に対して、各解除爪部18d自体の弾性力により圧接している。

0040

すなわち、図7図6に示したブレーキ部9の中立状態での説明図である。図7に示すように、ピニオン軸12の異形軸部12cの両側に位置する一組のロックプレート16,16同士の対向端面Pのうち、異形軸部12cの二面幅部12dと対峙する部分には、異形軸部12cの回転中心の左右二箇所に相当する位置に円弧状の凸部16a,16bが形成される。そして、一組のロックプレート16の一端部(第2端部)同士の間にロックばね17が介装されていて、それら一端部(第2端部)同士が互いに離間する方向に付勢されている。

0041

そのため、一組のロックプレート16はハウジング11の制動面13に沿って所定量だけ回転移動し、それによってロックプレート16の第2端部同士のなす距離よりも第1端部同士のなす距離の方が小さいものとなっている。その結果として、一組のロックプレート16同士の対向端面Pに形成された一対の凸部16a,16bのうち一方の凸部16bが異形軸部12cの二面幅部12dの一方側に接触し、他方の凸部16aは異形軸部12cの二面幅部12dから離間している。

0042

これらの関係は、図6に示したもう一組のロックプレート14についても同様であり、一組のロックプレート14の一端部(第1端部)同士の間にロックばね15が介装されていて、それら一端部(第1端部)同士が互いに離間する方向に付勢されている。それ故に、後述するように、異形軸部12cの作用部として機能する二面幅部12dは、二組のロックプレート14,16に対して回転方向に隙間なく当接することになる。

0043

なお、図7以降の各図では、ブレーキ部9および操作部10の各構成要素の向きを、図6の向きに対して90度異ならせて描いている。また、図7に示したピニオン軸12の二面幅部12dは、同図の上下方向の中央部を頂部として上下両端に向かって傾斜したテーパ面として描いてあるが、二面幅部12dは傾斜のない単純な平坦面であっても良い。

0044

図8図7のQ部の拡大図を示している。同図に示すように、一組のロックプレート16の外周面における制動ロック面26には、対向端面P側に向かって半径がわずかに小さくなるように設定され、且つハウジング11の制動面13に対する円周方向での接触長が長い大径制動面26aと、凹部25に近い位置に形成された極小円弧状の制動突起部26bと、大径制動面26aと制動突起部26bとを互いに離間させるべく両者の間に形成された逃げ凹部26cと、が含まれている。なお、この制動ロック面26の形状は、もう一組のロックプレート14についても同様である。

0045

そして、図8に示すように、通常時において、各ロックプレート16の上下の大径制動面26aがハウジング11の制動面13に接触している状態では、制動突起部26bがハウジング11の制動面13に接触することがないように、制動面13aと制動突起部26bとのなす隙間aおよび制動面13aからの逃げ凹部26cの深さbがa<bの関係を満たすようにそれぞれ設定される。

0046

図6に示した操作部10の保持プレート19は、図9に拡大して示すように、ピニオン軸12の軸心方向でばね特性を発揮する板ばね状のものである。この保持プレート19は、ピニオン軸12の中径軸部12bに挿入される軸孔19bが形成されたボス部19aと、ボス部19aから半径方向に延び、駆動ホイール18側に向かって一体に折り曲げ形成されて駆動ホイール18の底部に着座する一対の脚部19cと、同じくボス部19aから半径方向に延び、後述する図14に示すように段付き状に一体に折り曲げ形成されたアーム部19dと、を備える。アーム部19dには、先端を切り起こすかたちで略円筒状に丸めた第1支持部として機能する第1軸部19eが形成される。

0047

また、保持プレート19には、図6,9に示すように、アーム部19d側において当該アーム部19dと干渉しないように半径方向に延びる一対の作用片19fがカバー22側に向かって折り曲げ形成される。各作用片19fの先端には係止部19gが湾曲形成される。さらに、それら一対の作用片19fの内側でアーム部19dを挟むように一対の保持部としての保持片19hが半径方向に真っ直ぐに突出形成される。

0048

図6に示したツースプレート20は、保持プレート19のアーム部19dの上から重ねて駆動ホイール18内に配置される略半円弧状のものである。このツースプレート20の中央部には、異形の軸部20aがカバー22側に突出形成されているとともに、ピニオン軸12を中心とする径方向において軸部20aよりも外側にオフセットした位置に円形の軸孔20bが形成される。さらに、ツースプレート20の両端部には、駆動ホイール18側の内歯18bと対向するようにリム部20cが形成される。このリム部20cの外周面には駆動ホイール18側の内歯18bと噛み合う外歯20dが形成される。

0049

なお、上記の軸部20aは一部が切り欠かれて略D字状をなしているが、これは近接する軸孔20bとの干渉を回避するためであり、かかる干渉を回避できるならば、軸部20aは円筒軸状のものであっても良い。

0050

図6に示した入力レバー21は、操作部10での入力部材として機能するものである。入力レバー21の中央部には、ピニオン軸12の中径軸部12bに回転可能に支持される軸孔21aが形成される。また、その軸孔21aから外側にオフセットした位置には、ツースプレート20の軸部20aが挿通される第2支持部としての小径軸孔21bが形成される。さらに、入力レバー21の周縁部には、端部が二股状をなす三つの折り曲げ係止片21cがカバー22側に向かって突出形成される。

0051

そして、入力レバー21の小径軸孔21bに対してツースプレート20の軸部20aが回転可能に挿入支持される。これにより入力レバー21とツースプレート20とが相対回転可能に連結される。また、ツースプレート20の軸孔20bが保持プレート19の第1軸部19eに係合して、ツースプレート20と保持プレート19とが相対回転可能に連結される。この場合において、後述する図14に示すように、保持プレート19のアーム部19dと保持片19hとの間にツースプレート20が挟み込まれる。なお、ツースプレート20の軸孔20bと保持プレート19の第1軸部19eとの軸と孔の関係は逆であっても良い。

0052

図6に示したカバー22は、例えばプレスによる深絞り成形にて略カップ状一体成形したものである。このカバー22は、図2,5に示すように、ブレーキ部9側のハウジング11と突き合わされることで、ハウジング11と共にブレーキ装置7のケース8を形成する。そして、先にも述べたように、このケース8の内部にブレーキ部9と操作部10の一部の構成要素が収容配置される。

0053

この場合に、図5に示すように、保持プレート19が駆動ホイール18と入力レバー21との間に挟まれて撓み変形することで、保持プレート19が両者に圧接することになる。また、保持プレート19における脚部19cの端部が駆動ホイール18の底壁部の樹脂モールドされた部分に圧接することで、保持プレート19は少なくとも駆動ホイール18との間で相対回転方向での摺動抵抗を付与する。

0054

カバー22の側壁部には、図4に示すように、中央部の軸孔22aと共に、その軸孔22aを挟んで互いに対向する位置に、二つで一組の円弧状の長孔22bが開口形成される。また、一組の長孔22b同士の対向方向と直交する方向においては、一方には円弧状の長孔からなる開口部22cが形成されると共に、他方には矩形の開口部22dと共に切り起こし片22eが外側に直立するように形成される。開口部22cの長さ(円弧の周長)は、一組の長孔22bそれぞれの長さ(円弧の周長)よりも大きく設定される。そして、カバー22がブレーキ部9側のハウジング11と突き合わされる際に、軸孔22aがピニオン軸12の小径軸部12aに嵌め合わされることで、ピニオン軸12はハウジング11とカバー22とで回転可能に両持ち支持される。

0055

二つで一組の長孔22bと開口部22cには、図4に示すように、入力レバー21側の二股状をなす二つの折り曲げ係止片21cがレバーブラケット24側に向かって突出するように挿入される。三つの折り曲げ係止片21cの幅寸法に対して、一組の長孔22bおよび開口部22cの長さ(周長)は十分に大きく設定される。これにより、正転方向および逆転方向に回転可能な入力レバー21の回転範囲、ひいてはその入力レバー21と結合されるレバーブラケット24の回転範囲が一組の長孔22bの長さの範囲内に規制される。つまり、一組の長孔22bにおける長手方向両端部の内周面は、レバーブラケット24の回転範囲を規制するストッパ面として機能する。

0056

また、図4に示すように、入力レバー21が同図のような中立位置にある状態で、カバー22の開口部22cにおいては、その長手方向の両端部に、図9に示した保持プレート19の作用片19fの係止部19gがそれぞれに係合離脱可能に係止される。これにより、保持プレート19はツースプレート20を介して入力レバー21と共に回転変位すると共に、入力レバー21が中立位置に復帰すれば、それに伴って保持プレート19も中立位置に復帰することになる。

0057

図4に示すように、カバー22に形成された一組の長孔22bの周縁部からは内側に向けてそれぞれにガイド突起部27が折り曲げ形成されている。これらのガイド突起部27は、図5,11に示すようにブレーキ部9の内部空間に臨んでいて、後述するようにツースプレート20の動きガイドする役目をする。

0058

また、図4,6に示すカバー22のうち、ハウジング11と対面する側の開口縁部には、例えば円周方向の三箇所に、取付孔29aを有するフランジ部29が外側に向けて折り曲げ形成される。さらに、各フランジ部29と干渉しない円周方向の三箇所に、フランジ部29よりも突出長の小さな係止フランジ部30が突出形成される。これらの係止フランジ部30は、図2にも示すように、ハウジング11とカバー22とでケース8を形成するべく両者を突き合わせた際に、ハウジング11側の係止凹部11cに嵌め合わされる。その上で、係止フランジ部30を図2仮想線で示す状態から実線で示すようにかしめることで、ハウジング11とカバー22とが不離一体に結合固定される。なお、カバー22のフランジ部29は、図1に示したシート1に対するブレーキ装置7の取付部となる。

0059

図6に示したレバーブラケット24は、図5にも示すように略浅皿状に絞りプレス成形されたものであって、カバー22の側壁部の外側に配置される。カバー22とレバーブラケット24との間には、レバーブラケット24の凹状空間に収容されるかたちでコイルばね23が配置される。レバーブラケット24の中央部には軸孔24aが形成される。軸孔24aはピニオン軸12の小径軸部12aに回転可能に支持される。また、図3に示すように、レバーブラケット24の周縁部には、一対の位置決め片24bと共に、それらの位置決め片24b同士の間に、カバー22側に向かって突出する切り起こし片24cが形成される。

0060

さらに、図6に示すレバーブラケット24には、図3にも示すように、ねじ孔24e付きの一対のフランジ部24dと共に、図7に示した入力レバー21側の三つの折り曲げ係止片21cに対応する角孔24fが形成される。三つの折り曲げ係止片21cは、カバー22の長孔22bと開口部22cを挿通した上で、レバーブラケット24の角孔24fに係合しつつ突出するかたちとなる。

0061

そして、図3に示すように、角孔24fから突出する各折り曲げ係止片21cにおける一対の先端分割片121cを互いに離間する方向に折り曲げることで、カバー22を挟むかたちで、レバーブラケット24と入力レバー21が互いに固定される。これにより、レバーブラケット24と入力レバー21との相対回転が阻止され、レバーブラケット24は入力レバー21と共に正転方向および逆転方向に一体的に回転可能となる。

0062

レバーブラケット24に形成された切り起こし片24cは、カバー22の切り起こし片22eと位置的一致するように設定されている。そのため、図3,4に示すように、カバー22を挟んでレバーブラケット24と入力レバー21を固定した際に、レバーブラケット24の切り起こし片24cがカバー22の開口部22dに挿入されて、双方の切り起こし片22e,24c同士が互いに重なり合うことになる。

0063

図3,6に示したレバーブラケット24には、図1に示した操作レバー5が装着される。操作レバー5は、レバーブラケット24の一対の位置決め片24bを用いて相対位置決めが施された上で、二つのねじ孔24eと図外の止めねじとによりレバーブラケット24に固定される。これにより、レバーブラケット24は操作レバー5と共に操作部10における操作部材として機能する。

0064

図6に示したコイルばね23は、カバー22とレバーブラケット24との間に収容されて、入力レバー21をレバーブラケット24と共に中立位置に向けて付勢保持する機能を有する。コイルばね23の両端部にはフック部23aが外向きに折り曲げ形成される。そして、図3にも示すように、コイルばね23自体を巻き締まり状態とした上で、それら一対のフック部23aは、カバー22とレバーブラケット24との間で互いに重なり合っている双方の切り起こし片22e,24cを両側から挟み込むようにして、それらの切り起こし片22e,24cに係止される。

0065

これにより、図1に示した操作レバー5を正転方向および逆転方向のいずれの方向に回転操作した場合であっても、その操作力を解除するならば、コイルばね23の付勢力により、入力レバー21がレバーブラケット24および操作レバー5と共に中立位置に復帰することになる。

0066

ここで、図6に示したブレーキ部9の構成要素であるピニオン軸12や二組のロックプレート14,16、ならびに操作部10の構成要素である駆動ホイール18のリング部18a、ツースプレート20等はいずれも金属材料で形成されている。その上で、各構成要素は、各々の機能よりして予め焼き入れ処理が施されて硬質化が図られている。これに対して、同様に金属材料で形成されるハウジング11は、後述するように、二組のロックプレート14,16との摺動抵抗を確保しつつ、それらのロックプレート14,16の大径制動面26aや制動突起部26bが食い込み易いようにするために焼き入れ処理は施されていないことが望ましい。

0067

このように構成されたブレーキ装置7の機能は次の通りである。

0068

図1に示した操作レバー5を図3,6に示したレバーブラケット24と共に回転操作しないかぎりは、レバーブラケット24は入力レバー21と共にコイルばね23の付勢力により中立状態に保持されている。そして、図10図7に示したブレーキ部9の中立状態を簡略化して示していて、図11図6に示した操作部10の中立状態を示している。

0069

図10,11に示す中立状態においては、操作部10におけるツースプレート20も中立状態にあって、ツースプレート20の両側の外歯20dは共に駆動ホイール18の内歯18bに対して隙間を持って対向する非噛み合い状態となっている。同時に、ブレーキ部9では、それぞれにロックばね15,17で付勢された二組の各ロックプレート14,16の凸部16a,16bがピニオン軸12の二面幅部12dに圧接していると共に、両端部の制動ロック面26がハウジング11の制動面13に圧接している。これにより、ピニオン軸12は、正転方向と逆転方向の両回転方向において回転を阻止され、両者の摩擦力をもってその制動状態を自己保持している。

0070

この場合において、乗員の着座によるシートリフタ機構側からのブレーキ装置7への逆入力が作用したとしても、ハウジング11の制動面13と二組のロックプレート14,16の制動ロック面26との間の摩擦力をもってその制動状態を自己保持することができる。また、逆入力として過大な外力が負荷された場合には、制動ロック面26の摩擦力に加えて、制動ロック面26の一部でもある制動突起部26bが制動面13に食い込むことで、その過大な外力に対しても対抗することができる。したがって、ブレーキ部9のうちでも、ハウジング11の制動面13と、ロックばね15,17を含む二組のロックプレート14,16と、が直接的なブレーキ要素として機能する。

0071

その一方、先に述べたシートリフタ機構での高さ位置調整に際して、ブレーキ装置7におけるブレーキ部9の制動状態を解除するには、図6に示した操作部10のレバーブラケット24を図1に示した操作レバー5と共に正転方向または逆転方向に回転操作するものとする。

0072

図11は、先に述べたように、ブレーキ装置7における操作部10の中立状態を示している。図11の状態では、ツースプレート20の両端部の外歯20dがそれぞれ駆動ホイール18の内歯18bに対し隙間を有して非噛み合い状態で対向している。そして、ツースプレート20のうち外歯20dが形成されたリム部20cはカバー22から突出形成されたガイド突起部27から離間している。

0073

図11に示した操作部10の中立状態から操作レバー5と共にレバーブラケット24を正転方向および逆転方向のいずれか一方の方向、例えば図11の状態から時計回り方向に回転操作した場合を想定してみる。図12,13は、図10,11の状態から操作レバー5と共にレバーブラケット24を時計回り方向に回転操作した状態を示している。図13に示すように、レバーブラケット24の時計回り方向への回転に伴い、操作部10の入力レバー21も同方向に一体的に回転する。さらに、ツースプレート20は、入力レバー21側の小径軸孔21bに対する軸部20aの嵌合のために、同じく時計回り方向に押されることになる。

0074

ツースプレート20は軸孔20bで保持プレート19の第1軸部19eに支持され、保持プレート19は時計回り方向の回転に対し駆動ホイール18の内底面との圧接による回転抵抗を有している。そのため、ツースプレート20は第1軸部19eを中心として図13反時計回り方向に回転する。その結果、図13に示すように、ツースプレート20のうち上側のリム部20cの外歯20dが駆動ホイール18の内歯18bと噛み合うことになる。そして、この状態からさらに入力レバー21を図13の時計回り方向へ回転することで、入力レバー21、ツースプレート20、保持プレート19および駆動ホイール18が一体となって回動することになる。

0075

入力レバー21が中立位置から回動した状態では、図13に示すように、上側のリム部20cの内周側に一方のガイド突起部27が対向するように位置している。そのため、ツースプレート20のうち下側の外歯20dが駆動ホイール18側の内歯18bに噛み合おうとしても、上側のリム部20cと同じく上側のガイド突起部27との干渉によって、下側の外歯20dと内歯18bとの噛み合いが阻止される。したがって、図13に示す状態から入力レバー21を中立位置に戻す際には、下側の外歯20dは内歯18bと噛み合わないため、入力レバー21とツースプレート20と保持プレート19とが一体となって中立状態まで回動することになる。

0076

なお、図4に示したように、操作レバー5と共に回転する入力レバー21の三つの折り曲げ係止片21cのうち、二つの折り曲げ係止片21cがカバー22側の二つの長孔22bに挿通しているので、操作レバー5の操作ストロークは、二つの折り曲げ係止片21cがカバー22側の長孔22bにおける長手方向のいずれか一方の端部内周面に当接することで規制される。

0077

図13に示すように、ツースプレート20との噛み合いにより押された駆動ホイール18は、最初に二組のロックプレート14,16によるピニオン軸12の回転規制を解除する。図7に示すように、二組のロックプレート14,16の凹部25に駆動ホイール18側の解除爪部18dがそれぞれに入り込んでいる。なお、図10,12では、図7では示されている解除爪部18dを省略している。

0078

そのため、図13での駆動ホイール18の時計回り方向の回転に伴い、解除爪部18dがそれぞれのロックプレート14,16を同じ方向に回転させることになる。これにより、図12に示すように、二組のロックプレート14,16によるピニオン軸12の二面幅部12dの挟み込みが解除された状態となり、実質的にそれまでのブレーキ部9の制動状態が解除される。この制動状態の解除により、ピニオン軸12は二組のロックプレート14,16と共にハウジング11に対して回転可能になる。

0079

次に、ツースプレート20より押された駆動ホイール18によるピニオン軸12の回転は、図6に示した角孔18cとピニオン軸12側の異形軸部12cの二面幅部12dとの間に設けた所定の遊び分だけ回転した後に行われる。角孔18cと異形軸部12cの二面幅部12dとが当接することでピニオン軸12を図12の時計回り方向に回転させる。このピニオン軸12の回転は図6に示したピニオンギヤ12gの回転にほかならず、このピニオンギヤ12gの回転によって当該ピニオンギヤ12gと噛み合っているシートシフタ機構の従動側ギヤが回転してシート1の高さ位置が例えば低位側に変位することになる。

0080

なお、先の説明から明らかなように、操作レバー5の回転操作量の割には、シートリフタ機構の機能に基づく図1のシート1の上下方向の変位量は小さいので、多くの場合には操作レバー5の回転操作を複数回繰り返すものとする。

0081

図6に示したレバーブラケット24に装着される図1の操作レバー5には、同じく図6に示したコイルばね23の復帰力がレバーブラケット24を介して作用している。そのため、操作レバー5の操作力を解除すると、コイルばね23の復帰力で、操作レバー5のほか、操作部10の入力レバー21と保持プレート19およびツースプレート20のそれぞれが図13の状態から図11に示した中立位置である初期状態に回転復帰することになる。

0082

この初期状態への回転復帰に際して、入力レバー21を初期位置に復帰させるために、図13の状態から反時計回り方向に回動すると、ツースプレート20が保持プレート19側の第1軸部19eを中心として時計回り方向へ回動する。このツースプレート20の時計回り方向の回動に伴い、上側の外歯20dが駆動ホイール18の内歯18bから外れると共に、下側の外歯20dが内歯18bと噛み合おうとする。

0083

この時には、カバー22側の上側のガイド突起部27により、上側のリム部20cが中立位置以上に回動するのを規制されている。そのため、上下双方の外歯20dが内歯18bに噛み合うことがなく、駆動ホイール18を先に回転した位置に残したままで、駆動ホイール18およびピニオン軸12の回転を伴うことなく、入力レバー21、ツースプレート20および保持プレート19が図11の初期状態に回転復帰する。そして、図11に示すように、ツースプレート20が初期状態まで回転復帰すると、上側のリム部20cが、カバー22側の一方のガイド突起部27による拘束から解除され、ツースプレート20の上下双方の外歯20dが共に駆動ホイール18の内歯18bとの噛み合いが可能な図11の状態となる。

0084

また、図11図13とを比較すると明らかなように、図13に示すように保持プレート19が時計回り方向に回動した時には、一方の作用片19fの先端の保持片19hはカバー22の開口部22cから一旦は抜け出すことになる。その一方で、図11に示すように保持プレート19が中立位置に復帰すれば、一方の作用片19fの先端の保持片19hは、カバー22の開口部22cに再び係合して元の状態に復帰する。

0085

そして、図10,11から明らかなように、ブレーキ部9および操作部10共に、その内部構造が左右対称または上下対称な配置構成となっている。そのため、以上のような一連の動作は、操作レバー5を上記とは逆方向(図10,11において反時計回り方向)に回転操作した場合であっても、操作部10およびブレーキ部9の回転要素の回転方向が逆になるだけで、上記と同様な動作をすることになる。

0086

なお、以上のようなブレーキ装置7の挙動は、先に特許文献1として例示した特開2018−86976号公報に記載のものと基本的に同様である。

0087

ここで、上記のようなブレーキ装置7を組み立てるには、次のような手順で行う。すなわち、図6に分解図で示したブレーキ部9および操作部10のそれぞれの構成要素を、ブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の三つの組立体グループ分けし、それぞれに仮組み状態としておく。その上で、それら三つの組立体40,50,60同士を軸方向に重ね合わせるように組み付けて一体化する工法とする。

0088

図14は、仮組み状態とされたブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の相対位置関係を示している。図14に示したブレーキ組立体40は、図6に示したブレーキ部9の構成要素同士を組み合わせたものである。図6に示したハウジング11を母体として、このハウジング11に、ピニオン軸12、ロックばね15を含む一対のロックプレート14、同じくロックばね17を含む一対のロックプレート16、および駆動ホイール18のそれぞれを、軸方向に重ねるように仮組みして、図14に示すブレーキ組立体40として組み立てる。

0089

この場合において、二つで一組のロックプレート14同士の間に介装されるロックばね15と、もう一組のロックプレート16同士の間に介装されるロックばね17の弾性力により、二組のロックプレート14,16の制動ロック面26はそれぞれハウジング11の内周面である制動面13に圧接することになる。

0090

また、駆動ホイール18は、先に述べたように、解除爪部18dがそれ自体の弾性力によりハウジング11の内周面である制動面13に圧接することになる。そのため、ハウジング11、ピニオン軸12、二組のロックプレート14,16および駆動ホイール18を構成要素とするブレーキ組立体40は、正規組み付け状態と同じ構成要素同士の相対位置関係を自己保持して、図14の状態を維持することが可能である。

0091

図14に示したツース組立体50は、図6に示した操作部10の構成要素のうち、保持プレート19とツースプレート20とを組み合わせたものである。図6に示した保持プレート19のアーム部19dと一対の保持片19hとを利用して、それらのアーム部19dと一対の保持片19hとの間にツースプレート20を挟み込む。さらに、アーム部19dの第1軸部19eにツースプレート20の軸孔20bを嵌め合わせる。

0092

この場合において、アーム部19dと一対の保持片19hとのなす距離は、ツースプレート20の厚みを受容可能な大きさに予め設定されているので、アーム部19dと一対の保持片19hとの間にツースプレート20を挟み込んだ上で、アーム部19dの第1軸部19eにツースプレート20の軸孔20bを嵌め合わせれば、両者が離脱することはなくなる。これによって、保持プレート19とツースプレート20を構成要素とするツース組立体50は、正規組み付け状態と同じ構成要素同士の相対位置関係を自己保持して、図14の状態を維持することが可能である。

0093

図14に示したレバー組立体60は、図6に示した操作部10の構成要素のうち、入力レバー21と、カバー22、コイルばね23およびレバーブラケット24を組み合わせたものである。図6に示したカバー22の内側から入力レバー21を装着し、カバー22の二つの長孔22bと開口部22cとから入力レバー21の折り曲げ係止片21cを突出させる。また、カバー22の外側にコイルばね23を当てがい、カバー22から突出している三つの折り曲げ係止片21cをコイルばね23で取り囲むように配置する。そして、コイルばね23の双方のフック部23aをカバー22の切り起こし片22eに両側から係止させる。

0094

さらに、コイルばね23を覆うようにカバー22にレバーブラケット24をかぶせる。そして、レバーブラケット24の切り起こし片24cとカバー22の切り起こし片22eとを重ね合わせて、レバーブラケット24の切り起こし片24cにもコイルばね23の双方のフック部23aを係止させる。同時に、カバー22から突出している入力レバー21の折り曲げ係止片21cを、レバーブラケット24の角孔24fから突出させる。

0095

その上で、入力レバー21と、カバー22、コイルばね23およびレバーブラケット24を正規組み付け状態として、レバーブラケット24の角孔24fから突出している入力レバー21の折り曲げ係止片21cを折り曲げる。より具体的には、入力レバー21の三つの折り曲げ係止片21cの先端分割片121cを互いに離間する方向に折り曲げて塑性変形させる。これにより、入力レバー21と、カバー22、コイルばね23およびレバーブラケット24を構成要素とするレバー組立体60は、正規組み付け状態と同じ構成要素同士の相対位置関係を自己保持して、図14の状態を維持することが可能である。

0096

このようにして、それぞれに仮組み状態とされた図14のブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の三者は、同図のようにレバー組立体60のカバー22を上向きにした上で、その上にツース組立体50を重ね合わせ、最後にツース組立体50の上からブレーキ組立体40を重ね合わせる。

0097

レバー組立体60の上からツース組立体50を重ね合わせる際には、ツースプレート20の軸部20aを入力レバー21の小径軸孔21bに嵌め合わせる。

0098

また、ツース組立体50の上からブレーキ組立体40を重ね合わせる際には、ピニオン軸12を保持プレート19の軸孔19bに挿通させると共に、さらにピニオン軸12を入力レバー21の軸孔21aとカバー22の軸孔22aおよびレバーブラケット24の軸孔24aにそれぞれ挿入する。そして、カバー22の三箇所の係止フランジ部30とハウジング11の三箇所の係止凹部11cとを合致させる。

0099

こうして、ブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の三者を組み合わせたならば、カバー22の各係止フランジ部30を図2に示すようにかしめることで、両者を不離一体に結合する。以上により、図2に示したブレーキ装置7が完成する。

0100

このように本実施の形態のブレーキ装置7によれば、ブレーキ部9の構成要素であるハウジング11と、ピニオン軸12と、ロックばね15,17を含む二組のロックプレート14,16と、駆動ホイール18と、がそれぞれの構成要素同士の相対位置関係を自己保持できるようにブレーキ組立体40として予め仮組みされている。

0101

同様に、操作部10の構成要素である保持プレート19と、ツースプレート20と、が両者の相対位置関係を自己保持できるようにツース組立体50として予め仮組みされている。

0102

さらに、操作部10の構成要素である入力レバー21と、カバー22と、コイルばね23と、レバーブラケット24と、がそれぞれの構成要素同士の相対位置関係を自己保持できるようにレバー組立体60として予め仮組みされている。

0103

その上で、ブレーキ組立体40とツース組立体50およびレバー組立体60の三者を軸方向で重ねて組み付けることでブレーキ装置7が構成されている。

0104

そのため、従来の構造に比べて組付性が良く、組付工数の削減によるコストダウンを図ることができるほか、例えば組付ロボット等の自動化設備での自動組み立てにも容易に対応することが可能となる。

0105

なお、上記実施の形態では、ロックばね15,17を含む二組のロックプレート14,16と、制動面13を有するハウジング11と、をブレーキ要素とするブレーキ部9を例にとって説明したが、ブレーキ部9は必ずしもこの形式のものに限定されない。例えば、特許第3977065号公報に記載されているように、内外輪の間に、保持器に保持されたローラ等の複数の転動体を介装させたタイプのブレーキ部であっても本発明を適用することができる。

0106

7…ブレーキ装置
9…ブレーキ部
10…操作部
11…ハウジング(ハウジング部材)
12…ピニオン軸
18…駆動ホイール
18b…内歯
19…保持プレート
19c…脚部
19d…アーム部
19e…第1軸部(第1支持部)
19f…作用片
19h…保持片(保持部)
20…ツースプレート
20d…外歯
21…入力レバー
21b…小径軸孔(第2支持部)
22…カバー(カバー部材)
22e…切り起こし片
23…コイルばね
23a…フック部(端部)
24…レバーブラケット
24c…切り起こし片
40…ブレーキ組立体
50…ツース組立体
60…レバー組立体

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    【課題】 フレーム本体内の圧力が過度に上昇してしまうことを抑制可能な乗物シート用フレームの一例を開示する。【解決手段】 挿入部12の外周面及び被挿入部13の内周面のうち少なくとも一方の周面12Aに... 詳細

  • トヨタ紡織株式会社の「 乗物用シートリクライニング装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】シートバックの傾倒を所定位置に係止するための負荷を乗物用シートリクライニング装置に掛けにくくすること。【解決手段】シートリクライニング装置4であって、互いに相対回転可能に軸方向に組み付けられた... 詳細

  • 三菱自動車工業株式会社の「 車両のシート装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】衝突時において折り畳んだ状態のシートバックの傾動を規制して、安全性を向上させる車両のシート装置を提供する。【解決手段】車体に支持されたシートクッション3と、シートクッション3の後部に配置され、... 詳細

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