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技術 3次元造形装置用の造形材料のホットエンド、及びホットエンドを搭載した3次元造形装置

出願人 谷口秀夫
発明者 谷口秀夫
出願日 2018年9月20日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-176539
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-044781
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし)
主要キーワード ゴムメタル コイルばね状 ホットエンド 機械的係合 超塑性的 供給部側 通路内壁 銀系ペースト
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

造形材料詰まりを防止した信頼性の高い3次元造形装置用の造形材料のホットエンドを提供する。

解決手段

3次元造形装置用の造形材料のホットエンドが、フィラメント状の造形材料の供給口を有する供給部、加熱部材取付けられ前記供給部から供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解部で融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給口と前記吐出口とを連通する通路、を備え、前記通路内に前記融解部において融解された造形材料が前記供給部側に逆流するのを防止するリング状の逆流防止部材が設けられている。

概要

背景

近年、コンピュータを利用して3次元プリンタにより立体造形物を製造することが盛んに行われている。このような立体造形物を製造するホットエンドとして、例えば図6に示されるような構造のものが知られている(例えば非特許文献1参照)。このホットエンドは、ヒータブロック103の一端側に吐出部101aを突出するようにノズル101がねじ込まれ、ヒータブロック103の他端側に造形材料の供給部を有するバレル102がねじ込まれた構造を備えている。このバレル102にワイヤ状の造形材料(フィラメント)が挿入され、送り込まれることによって、ヒータブロック103により造形材料が加熱融解されて吐出部101aに流動し、吐出部101aから吐出されるようになっている。このとき、フィラメントは、制御信号によって、バレル102に必要に応じた量が送り込まれることで、吐出部101aから必要な量が吐出され、この吐出部101aの位置が、造形物を形成する造形テーブル(図示せず)とxyz方向に相対的に移動することにより、吐出された造形材料を積層していき所望の3次元造形物が形成される。

また、このようなホットエンドにおいて、バレル102内においてフィラメントが溶けないように、バレル102の上部に放熱フィン(図示せず)を設けたり、ファン水冷によってバレル102を強制的に冷却することが行われている。

概要

造形材料の詰まりを防止した信頼性の高い3次元造形装置用の造形材料のホットエンドを提供する。3次元造形装置用の造形材料のホットエンドが、フィラメント状の造形材料の供給口を有する供給部、加熱部材取付けられ前記供給部から供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解部で融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給口と前記吐出口とを連通する通路、を備え、前記通路内に前記融解部において融解された造形材料が前記供給部側に逆流するのを防止するリング状の逆流防止部材が設けられている。A

目的

本発明者は、この課題の原因が、連続造形時にバレル102側でのフィラメントの融解を予防するために放熱フィンなどによって冷却しバレル102のフィラメントの通路(流路)内においてフィラメントを固体の状態に維持できたとしても、フィラメントが押圧されて送り込まれる際にノズル101側で融解したフィラメントが、通路の内径とフィラメントの線径との差異による通路内壁とフィラメントとの間の隙間(クリアランス)、すなわち固体の状態のフィラメントと通路の内壁との隙間からバレル102側に侵入(逆流)することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

フィラメント状造形材料の供給口を有する供給部、加熱部材取付けられ、前記供給部から供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解部で融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給口と前記吐出口とを連通する通路、を備える3次元造形装置用の造形材料のホットエンドであって、前記通路内に、前記融解部において融解された造形材料が前記供給部側に逆流するのを防止するリング状の逆流防止部材を設けたことを特徴とするホットエンド。

請求項2

前記融解部の入口部の前記通路の径が前記逆流防止部材の外径よりも小さくされ、前記融解部よりも前記供給部側の前記通路の径が前記融解部の入口部の通路径よりも大きくされ、前記逆流防止部材は、前記供給部の前記供給口から前記融解部へ向かって前記通路内に挿通されて固定される請求項1に記載のホットエンド。

請求項3

前記供給部と前記融解部との間に、前記融解部の熱が前記供給部へ伝導するのを抑制する断熱部を備えた請求項1又は2に記載のホットエンド。

請求項4

加熱部材が取付けられ、融解部入口から供給されたフィラメント状の造形材料を融解する融解部、前記融解部で融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、前記融解部入口と前記吐出口とを連通する通路、及び前記融解部において融解された造形材料が前記融解部入口側に逆流するのを防止するリング状の逆流防止部材、を備えることを特徴とする3次元造形装置用の造形材料のホットエンド。

請求項5

前記リング状の前記逆流防止部材は、公差による前記造形材料の線径の変化に追従するように、リング内径を変化可能な部材である請求項1〜4のいずれか1項に記載のホットエンド。

請求項6

前記逆流防止部材は、耐熱性を有する弾性体からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のホットエンド。

請求項7

前記逆流防止部材は、超弾塑性型合金である請求項1〜5のいずれか1項に記載のホットエンド。

請求項8

前記リング状とは、コイルばね状である請求項1〜7のいずれか1項に記載のホットエンド。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載のホットエンドを搭載したことを特徴とする3次元造形装置。

技術分野

0001

本発明は、3次元造形装置(3次元プリンタ)用の造形材料吐出ヘッドホットエンド)、及びホットエンドを搭載した3次元造形装置に関する。

背景技術

0002

近年、コンピュータを利用して3次元プリンタにより立体造形物を製造することが盛んに行われている。このような立体造形物を製造するホットエンドとして、例えば図6に示されるような構造のものが知られている(例えば非特許文献1参照)。このホットエンドは、ヒータブロック103の一端側に吐出部101aを突出するようにノズル101がねじ込まれ、ヒータブロック103の他端側に造形材料の供給部を有するバレル102がねじ込まれた構造を備えている。このバレル102にワイヤ状の造形材料(フィラメント)が挿入され、送り込まれることによって、ヒータブロック103により造形材料が加熱融解されて吐出部101aに流動し、吐出部101aから吐出されるようになっている。このとき、フィラメントは、制御信号によって、バレル102に必要に応じた量が送り込まれることで、吐出部101aから必要な量が吐出され、この吐出部101aの位置が、造形物を形成する造形テーブル(図示せず)とxyz方向に相対的に移動することにより、吐出された造形材料を積層していき所望の3次元造形物が形成される。

0003

また、このようなホットエンドにおいて、バレル102内においてフィラメントが溶けないように、バレル102の上部に放熱フィン(図示せず)を設けたり、ファン水冷によってバレル102を強制的に冷却することが行われている。

先行技術

0004

3Dプリンタではじめるデジタルモノづくり」(門田和雄著、日刊工業新聞社、103頁)

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら従来のホットエンドでは、よくバレル102の通路内にフィラメントによる詰りが生じ造形に支障を来たすという課題がある。本発明者は、この課題の原因が、連続造形時にバレル102側でのフィラメントの融解を予防するために放熱フィンなどによって冷却しバレル102のフィラメントの通路流路)内においてフィラメントを固体の状態に維持できたとしても、フィラメントが押圧されて送り込まれる際にノズル101側で融解したフィラメントが、通路の内径とフィラメントの線径との差異による通路内壁とフィラメントとの間の隙間(クリアランス)、すなわち固体の状態のフィラメントと通路の内壁との隙間からバレル102側に侵入(逆流)することであることを見出した。つまり、ノズル101側で融解させられたフィラメントが、前記クリアランスからバレル102側に侵入し、バレル102側の通路内で固着してしまい、バレル102内の通路でフィラメントの詰まりが生じ、フィラメントの送り込みを阻害することから、吐出(積層)ができず、造形に支障が生じることになる。そこで、通路の内径をフィラメントの線径に近づけて前記クリアランスを極力小さくすることで融解したフィラメントの逆流を防止することを試みようとしても、元来フィラメントの線径は一定ではなく公差を含んでいることから、効果的な逆流防止とはならない。

0006

本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、融解した造形材料がバレル102側へ逆流することを防ぐことで、通路内でのフィラメントの詰まりを防止して、良好に連続造形可能な信頼性の高いホットエンド及びホットエンドを搭載した3元造形装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、3次元造形装置用のホットエンドにおいて、融解された造形材料の造形材料を供給する側への逆流を防止する逆流防止部材を、フィラメントが融解される融解部とフィラメントが供給される供給部との間に設けることで、融解した造形材料の逆流は抑制され、ホットエンドの通路の詰まりが生じにくくなることを見出した。

0008

すなわち、本発明は、フィラメント状の造形材料の供給口を有する供給部、加熱部材取付けられ、前記供給部から供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解部で融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給口と前記吐出口とを連通する通路、を備える3次元造形装置用の造形材料のホットエンドであって、前記通路内に、前記融解部において融解された造形材料が前記供給部側に逆流するのを防止するリング状の逆流防止部材を設けたことを特徴とするホットエンドに係る。

0009

本発明のホットエンドによれば、フィラメント状の造形材料が逆流防止部材によって実質的に隙間なく密着して保持されることよって、融解部で融解した造形材料が供給部側へ逆流することが防止される。これにより、造形材料を供給する通路の詰まりを防止して良好に連続造形可能な信頼性の高いホットエンドを実現することができる。

0010

本発明のホットエンドにおいて、前記融解部の入口部の前記通路の径が前記逆流防止部材の外径よりも小さくされ、前記融解部よりも前記供給部側の前記通路の径が前記融解部の入口部の通路径よりも大きくされ、前記逆流防止部材は、前記供給部の前記供給口から前記融解部へ向かって前記通路内に挿通されて固定され得る。前記供給部と前記融解部との間に、前記融解部の熱が前記供給部へ伝導するのを抑制する断熱部が設けられてもよい。

0011

また、本発明の3次元造形装置用の造形材料のホットエンドは、加熱部材が取付けられ、融解部入口から供給されたフィラメント状の造形材料を融解する融解部、前記融解部で融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、前記融解部入口と前記吐出口とを連通する通路、及び前記融解部において融解された造形材料が前記融解部入口側に逆流するのを防止するリング状の逆流防止部材を備えることを特徴とする。

0012

また、前記リング状の前記逆流防止部材は、公差による前記造形材料の線径の変化に追従するようにリング内径を変化可能な部材であることが望ましく、前記逆流防止部材は、耐熱性を有する弾性体からなることが好ましい。前記逆流防止部材は超弾塑性型合金であることがさらに好ましく、前記逆流防止部材の形状はコイルばね状であってよい。また、前記逆流防止部材がステンレス等の金属製のリング(筒状、コイルばね状等)であっても、リングの内径を、融解部側の通路径よりも小さくするとともにフィラメントの最大線径と同程度に近づけることで、逆流防止部材として使用することができる。

0013

本発明の3次元造形装置は、上述の3次元造形装置用の造形材料のホットエンドを搭載したことを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明によれば、造形材料(フィラメント)の固体の部分が逆流防止部材によって実質的な隙間なく保持されつつ融解部の通路内に送り込まれる。これにより、融解した造形材料は逆流防止部材によって融解部側から供給部側の通路内に侵入することが抑制されるようになる。その結果、造形材料の吐出(造形動作)に支障を来たす通路の詰りの発生を予防しつつホットエンドを使用することが可能となり、良好で連続的な造形動作を実現できる信頼性の高いホットエンド、及びこれを搭載した3次元造形装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態の一例のホットエンドの断面説明図である。
本発明の一実施形態の他の例のホットエンドの断面説明図である。
本発明の一実施形態のホットエンドの、ヘッド本体の(A)正面図、及び(B)底面図、である。
本発明の一実施形態のホットエンドの、加熱部材を説明する図である。
加熱部材による加熱量の制御の一例を説明するブロック図である。
本発明の他の実施形態のホットエンドの断面説明図である。
従来のホットエンドの一例を示す断面図である。

実施例

0016

以下に、図面を参照しながら本発明の一実施形態の3次元造形装置用の造形材料のホットエンドを説明する。図1A及び1Bは、本発明のホットエンド10の断面説明図である。ホットエンド10は、造形材料の供給口21を有する供給部20、供給部20への熱の伝導を抑制する断熱部30、供給された造形材料を融解する融解部40、融解された造形材料を吐出する吐出口51を有する吐出部50、及び供給口21と吐出口51とを連通する通路2を有するヘッド本体1に、融解部40を加熱する加熱部材60、及び造形材料(フィラメント)の逆流を防止する逆流防止部材70が設けられている。

0017

図1Aに示される例において、逆流防止部材70は、ヘッド本体1の通路2の内部に、融解部40の造形材料が供給される入口に接して設けられ、固定部材71によって、融解部40のフィラメントが供給される入口と挟まれるようにして固定されている。フィラメントは固体の状態で供給口21から通路2に挿入され逆流防止部材70を介して融解部40に送り込まれ、加熱部材60から与えられる熱によって融解し、吐出部50に設けられた吐出口51から吐出される。固体の状態のフィラメントは23a、融解した状態のフィラメントは23bとして示されている。

0018

図1Bに示される例は、固定部材71の代わりに円筒状の内管22が供給口21から断熱部30にかけてのヘッド本体1の内側に設けられた2重管構造となっている。内管22の融解部40側の先端部は逆流防止部材70に当接し、逆流防止部材70を融解部40のフィラメントが供給される入口とで挟むように固定している。図1A及び1Bにおける固定部材71又は内管22は設けられずに、逆流防止部材70が通路2内に圧入されることで固定されてもよい。

0019

前述のように、ホットエンド(3次元造形材料用の吐出ヘッド)を用いて造形を行う際に、造形材料が通路内で詰まることがある。本発明者がこの詰まりの原因について鋭意検討を重ねて調べた結果、図6に示されるホットエンドにおいて、造形材料が供給される側(バレル102側)に、造形材料が吐出される側(ノズル101側)で一旦融解した造形材料が逆流して固化し、その固化した部分が再融解しないために詰まりになることを見出した。

0020

すなわち、前述のように、従来構造ではバレル102に放熱フィンを設けてファンや水冷によって強制的に冷却して温度の上昇を抑制し、バレル102側の造形材料が融解しないようにしても、固体の状態のフィラメントと通路の内壁との隙間に、ノズル101側で融解した造形材料が侵入することが詰まりの原因となることを見出した。

0021

そこで、本発明者は、融解部40の造形材料が供給される入口側に、融解部40の通路内で融解した造形材料が供給口20側へ逆流しないように逆流防止部材70を設けることが、融解した造形材料23bの供給口20側への逆流をし難くし、結果として通路の詰まりを予防し得ることを見出した。すなわち、逆流防止部材70は、融解部40の上流側(造形材料の供給側)で、固体のフィラメント23aの長さ方向における一部分の外周を、造形動作に必要な造形材料の送り込みが可能な程度の力で実質的に隙間なく密着して保持するように設けられる。固体の状態のフィラメントと通路2の内壁との間に、融解した造形材料23bが侵入し難くなる。

0022

図1A及び1Bに示される例では、逆流防止部材70は、フィラメントの長さ方向における一部の周縁を取り囲んで密着して保持し得るリング状(円筒状)に形成されている。逆流防止部材70は、その内径がフィラメントの線径の公差内の変動に追従し密着して保持した状態が維持され得る弾性を有する材料で形成される。例えば直径が1.75mmのフィラメントで線径の公差が±0.05mmのものが用いられる場合であれば、逆流防止部材70の内径は1.70mmに形成され、1.70mm〜1.80mmの範囲の径の変動に追従し得るように形成される。

0023

ホットエンド10に使用されるヘッド本体1を加熱部材60が取り付けられる面の側から見た正面図が図2(A)に示され、吐出口51側から見た底面図が図2(B)に示される。ヘッド本体1は、供給部20、断熱部30、融解部40及び吐出部50が、例えば、ステンレス、ニッケル合金チタンチタン合金セラミックスのいずれかから一体的に形成されているものであってもよいし、別部材を組み合わせて形成されたものでもよく、一部又は全部が独立可能にされていてもよいし、各部の間のいずれか或いはすべてに他の部材を介在させるなど非連続的なものであってもよい。図示される例では、ヘッド本体1は円柱状の金属棒を例えば切削加工してなるものであり、全長が例えば32mmで、直径が例えば4mmφの、例えば64チタン(チタンにアルミニウム6質量%、バナジウム4質量%を混ぜた合金)からなっている。別部材を組み合わせてヘッド本体1を形成する場合には、融解部40及び吐出部50に使用される部材の材料の熱伝導率が断熱部30及び供給部20に使用される部材の材料の熱伝導率より高いことが、供給部20側への伝熱を抑制し、加熱部材60の熱を効果的に造形材料の融解に利用する観点から好ましい。

0024

ヘッド本体1には、一端側の供給口21から他端側の吐出口51へ延びる、通路(貫通孔)2が形成されている。ヘッド本体1及び通路2のサイズは、フィラメントのサイズなどに応じて適宜変更され得る。

0025

ヘッド本体1の供給部20は、例えば長さ5mm、直径4mmφの円柱形状(円筒形状)とされている。供給部20は、3次元造形装置本体に取り付けるためのアダプターへの取付部としての役割も兼ねている。

0026

断熱部30は、融解部40よりも熱抵抗が大きくなるように形成されており、例えば、構造的に融解部40よりも肉厚を薄くしたり開口を設けたりするなどして断面積を小さくしたり、物性的に融解部40よりも熱伝導率の低い材料を用いたり、或いは放熱フィン等を設けるなどすることで形成することもできる。図示される例では、断熱部30は、供給部20と融解部40との間に位置し、例えば長さ11mm、直径3mmφの円柱形状(円筒形状)とされている。断熱部30は、上述のように直径3mmφとされ、その中心部を貫通する通路2が形成される。また、断熱部30の中央部には、断熱部30の断面積を小さくしてその熱抵抗を高くし得る、例えば長さ8mm、幅1.8mmの開口31が、通路2に対向して一対で形成されている。開口31は、ヘッド本体1の長さ方向及び/又は幅方向に1つ又は複数設けてもよく、サイズも適宜決定される。熱抵抗との関係で断面積を、強度が保証される範囲内で適宜決定することができる。低熱伝導率であることに加えて、必要な強度が得られる範囲内で小型化(小断面積化することで高熱抵抗化)されることが好ましい。

0027

融解部40は、例えば長さ13mm、直径4mmφとされている。融解部40には、正面側図2(A)における紙面の表面側)と背面側(図2(A)における紙面の裏面側)が切削されて2つの平面部が、例えば3mm隔てて対向するように形成されている。平面部の中央部には、例えば長さ8mm、幅1mmの開口41が、通路2を露出するように形成されている。開口41は、長さ方向に複数並設するようにしてもよい。なお、加えて、平面部の表面を粗面化してもよいし、開口部41を形成せずに粗面化のみしてもよい。開口41が形成されない場合には、平面部がさらに切削されることにより通路2の側壁肉薄になるように形成されてもよい。なお、融解部40における通路2の径は、後述する逆流防止部材70を、断熱部30の通路2内の融解部40側(融解部40のフィラメントの入口)で固定し得るように、断熱部30における通路2の径より小さく形成されている。

0028

吐出部50は、例えば長さ3mmとされ、正面側と背面側から切削されて、例えば幅3mmとされ、両側面側は吐出部50の長さ方向の途中まで、吐出口51に向かってテーパ状に細められ、吐出口51が形成された先端部は、例えば直径1.5mmφとされ、吐出口51は、例えば直径0.6mmφとされる。

0029

ホットエンド10における加熱部材60としては、例えば、絶縁基板上に厚膜抵抗体層を形成した加熱ヘッドヒートブロック等公知のものを広く使用することができるが、応答性やサイズの点において加熱ヘッドを用いるのが好ましい。加熱部材(加熱ヘッド)60の構造の一例を図3に示す。ヘッド本体1の融解部40に取付けられる加熱部材60は、例えば厚さ0.3mm、長さ12mm、幅5mmの矩形板状のアルミナ又はジルコニアなどのセラミック基板(絶縁基板)61と、絶縁基板61の表面に形成された帯状発熱抵抗体62と、絶縁基板61の表面において発熱抵抗体62の両端部のそれぞれに接続するように形成された電極63を有する。なお、発熱抵抗体62の表面を、例えばフィラーを含むガラス等の保護層(誘電体層)でコートしてもよい。

0030

加熱部材60は、絶縁基板61に、例えばAg、Pd、Pt等の合金粉末酸化ルテニウムを含む厚膜用ペースト等を所定のパターン印刷、乾燥後、所定温度焼成することで発熱抵抗体62、電極63を形成することができる。

0031

また、絶縁基板61の電極63の形成部に、電極63とリード(図示せず)との接続強度を向上させるために切欠部が形成される。図3に示される例では切欠部は1つの電極63に対して2つずつ設けるようにしたが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。さらに、切欠部に代えて貫通孔(スルーホール)を1つ若しくは複数設けてもよいし、切欠部と貫通孔とを組み合わせて用いるようにしてもよい。つまり、切欠部や貫通孔を設けるのは、電極63とリードとの接続強度を向上させるために、接続面積を増やしたり、アンカー効果機械的係合が得られる対策をとることで、高温に加熱したり、2次元的又は3次元的に移動操作させた場合であっても接続不良が生じないようにしている。

0032

図1A及び1Bに示されているように、ヘッド本体1に加熱部材60が取付けられた状態では、加熱部材60は、その裏面(絶縁基板61の裏面、発熱抵抗体62が形成されていない面)側をヘッド本体1の融解部40の平面部に、開口部41を覆うように、例えば銀系厚膜ペースト(Agに例えばガラス、Cuが含有されたもの)を接合材料として塗布、焼成して、接合されている。このとき、接合材料が開口部41に入り込み、アンカー効果が得られることで、加熱部材をヘッド本体1の融解部40に強固に接合して取付けることができる。

0033

本実施の形態では、加熱部材60の幅(5mm)を、ヘッド本体1の融解部40の平面部の幅よりも僅かに広くし、加熱部材60とリードとの接続部をヘッド本体1の融解部40の平面部の一方側の側縁から外方へ飛び出させて、ヘッド本体1に加熱部材60を接合させるようにしている。

0034

図4は、ホットエンド10で加熱部材60の発熱抵抗体62によって基板温度測定をもおこない、測定された温度に応じて発熱抵抗体62による加熱量を調整することで融解部40の温度制御をする場合の制御回路の一例を示すブロック図である。すなわち、この駆動回路直流又は交流電源64で駆動する例で、電源64としては、電池商用電源又は商用電源をトランスなどにより電圧印加時間を調整して、印加電力を調整する調整部を介して発熱抵抗体62に接続されている。

0035

商用の交流電源64により供給される電圧は、電力の調整部により調整され、所望の温度になるように調整される。その結果、直流電源が不要で、電源冷却ファンも不要になる。しかし、電池による直流電源が用いられてもよい。また、図示されていないが、パルスを印加するパルス駆動により加熱がされてもよい。その場合、電圧を変える以外にもデューティサイクルを変えたり、位相制御などで発熱に関する実行印加電力が調整され得る。

0036

温度は、発熱抵抗体62を利用して、その抵抗値の変化によって検出することができる。発熱抵抗体62の抵抗値の変化は、図4に示されるように、発熱抵抗体62と直列シャント抵抗65が接続され、その両端の電圧を測定することによって、電流の変化を検出できる。発熱抵抗体62に印加する電圧が一定のとき、電流の変化が分かれば、抵抗値の変化を知ることができる。すなわち、発熱抵抗体62の抵抗値は温度によって変る温度特性を有している。そのため、その温度特性(温度係数)を予め検出しておくことによって、抵抗値が分かれば、発熱抵抗体62、すなわち絶縁基板61の温度を知ることができる。この温度検出は、制御手段によってなされる。また、シャント抵抗65は、発熱の影響を避けるため温度検知が可能な限り抵抗値の低い方がよい。また、できるだけ温度係数の小さい抵抗が好ましく、電流による発熱を避けるため、電流が小さくなるように設定される。

0037

この温度測定によって測定された温度に応じて、発熱抵抗体62に印加される電圧が調整部で調整されるように制御手段から制御信号が出され、発熱抵抗体62、すなわち絶縁基板61の温度が所望の温度に調整される。加熱部材60によって造形材料を軟化させて造形物を形成する造形動作の最中には、通路2内における温度分布が安定するように、発熱抵抗体62の温度が制御される。

0038

本発明のホットエンド10における逆流防止部材70は、上述のように融解した造形材料が供給部20側へ逆流することを防止するために設けられる。フィラメントの一部における外周に逆流防止部材70が実質的に隙間なく密着して、造形動作に伴うフィラメントの送り込みを阻害しない程度の力で保持される。3次元造形に使用されるフィラメントはその長さ方向で径が変動し得る。直径1.75mmのフィラメントであれば、例えば±0.05mmの公差を有し得るので、逆流防止弁70はこの径の変動に追従してフィラメントに密着し得る弾性を有する材料で形成される。

0039

逆流防止部材70に使用される弾性材料は、フィラメントの融解する温度に対する耐熱性を有することが好ましく、一例として超弾性合金であるNi−Ti系合金が使用され得る。超弾性合金であるNi−Ti系合金はその超弾性により8%程度の回復ひずみを有しており、フィラメントの径の変動に対して充分に追従し得る。また、耐熱性の弾性を有する樹脂が用いられてもよく、例えば300℃近くの高温でもゴムとしての物性を保ち得るパーフルオロエラストマーFFKM)が使用され得る。さらに、超弾性的性質超塑性的性質を併せ持った超弾塑性型合金も用いられ得る。超弾塑性合金は、室温で99.9%以上の冷間加工が可能である超組成的性質から成形がきわめて容易であり、加工性も優れていることから好ましい。超弾塑性型合金の一例としては、β型チタン合金に属する、豊通マテリアル(株)製「ゴムメタル」(登録商標)が挙げられる。

0040

逆流防止部材70の形状は、その内側が固体の状態のフィラメントに密着して保持し得るリング状に形成されている。ここでリング状とは、フィラメントの外周を取り囲んで保持し得る、例えば、コイル状、コイルばね状、管状、筒状、ワッシャ状、テーパ付管状等を含む広義の意味である。コイルばね状の逆流防止弁70が用いられる場合にはコイルの巻き数は例えば2〜3周にされ、フィラメントの線径の変化に対する追従において、ばねの変形も寄与することになり、より良好に追従し得ることになり好ましい。逆流防止部材70の内周にはC面又はR面が形成されてよく、フィラメントと逆流防止部材70との接触面積が調整され、フィラメントを保持する力が適切に調整され得る。

0041

リング状の逆流防止部材70が通路2内に圧入されることによって固定される場合には、その外径は、融解部40の通路2の径より大きくされ、融解部40より供給部20側の通路2に圧入されて固定され得るサイズに形成される。

0042

逆流防止部材70は、供給口21から通路2内に圧入されることで通路2内に固定されるが、例えば金属ペースト無機接着剤といった耐熱性の接着剤を使用した通路2内への接合によって固定されてもよい。また、図1Aに示されるようにリング状の固定部材71が逆流防止部材70の供給口21側に通路2内に圧入して固定されるように設けられ、固定部材71が逆流防止部材70を融解部40との間に挟むように固定してもよい。固定部材71には、通路2内で逆流防止部材70を安定して固定する観点から、例えば金属が好ましく、形状記憶合金であるNi−Ti系合金がより好ましく使用される。

0043

逆流防止部材70の固定は、図1Bに示されるように、固定部材71に代えて、例えば、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のエンジニアリングプラスチックからなる円筒状の内管22を設け、その先端部分で逆流防止部材70を融解部40との間に挟み込むように固定してもよい。内管22にはステンレス、ニッケル合金、チタン、又はチタン合金等の金属が使用されてもよく、セラミックス又はガラスも使用され得る。

0044

逆流防止部材70は、融解したフィラメントの逆流を防止する観点から、保持する部分のフィラメントが固体である必要がある。すなわち、逆流防止部材70が設けられている部分(融解部40と断熱部30の境界近傍)においては、フィラメントが融解しない温度に温度制御されている必要がある。加熱部材60から融解部40に与えられて融解部40のフィラメントが供給される入口側へ伝わる熱による、逆流防止部材70が設けられる部位の温度上昇を抑制するために、熱容量を増加させる手段である、例えばアルミニウム又はステンレス等からなる金属ブロックキャップ)がヘッド本体1の融解部40と断熱部30の境界付近の外周に設けられ得る。放熱量を増加させる手段である放熱板が設けられてもよい。センサなどの手段によって、逆流防止部材70が設けられる部位の温度が測定されてもよく、この場合には、測定温度に基づいた制御信号によって加熱部材60の発熱抵抗体62に印加される電圧が制御され、逆流防止部材70が設けられる部位の温度が制御され得る。また、融解部40を加熱部材60によって温度勾配を持たせて加熱するようにしてもよい。つまり、融解部40の下部側(吐出部50側)の加熱温度を、融解部40の上部側(断熱部30側)の加熱温度よりも高くし、逆流防止部材70へ伝導する熱量を軽減して、加熱走査時の逆流防止部材70が設けられる部位の温度を所望の温度に保つこともできる。要は、必要に応じて、逆流防止部材70の上下側で通路2内の温度を異ならせ、下側では造形材料が融解する温度に、逆流防止部材70及びその上側では造形材料が融解しない温度にするための手段を講じればよい。

0045

次に、本発明の他の実施形態におけるホットエンドが、図5を参照して説明される。図5に示されるホットエンド110は、図1A及び1Bの例におけるホットエンド10とは異なり、供給部及び断熱部は設けられておらず、ヘッド本体11が融解部40及び吐出部50から構成されている。この実施形態では、融解部40の造形材料が送り込まれる入口に逆流防止部材70が圧入固定され得るように通路2の径を広くした部分が設けられ、逆流防止部材70が固定されている。フィラメントは逆流防止部材70の開口に直接挿入されて融解部40に送り込まれる構造になっている。このような構成にすることで、ヘッド本体110と逆流防止部材70とで同一の材料を用いて、一体的に形成することも可能となる。この実施形態においても、逆流防止部材70で保持されるフィラメントが融解しないように、温度を制御するために、上述のホットエンド10の逆流防止部材70が設けられる部位の温度制御と同様の手段が、ヘッド本体11の融解部40のフィラメントの入口近傍の外周に設けられ得る。

0046

本発明のホットエンド10、110が3次元造形装置に取付けられる際には、3次元造形装置本体側に取付けられるアダプターに設けられた開口にホットエンドの造形材料が供給される側を挿し込み、横から、例えば押しネジを用いて固定することができるし、ヘッド本体1、11の外周にネジ溝を切って螺合によってアダプターに取付けることもできる。

0047

上述の本発明のホットエンド10、110は、耐熱温度が高いスーパーエンジニアリングプラスチックとして知られるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)をフィラメントに用いて良好に造形できることを確認している。このとき、逆流防止部材70によって融解した造形材料の逆流が抑止され、通路2内での造形材料の詰まりによる造形動作の不良が発生することもなく、ヘッド本体1と加熱ヘッド60、加熱ヘッド60とリード6との結合部、接続部において一切の不良も見られず、良好に動作することも確認している。また、ホットエンド10、110は500℃の高温に迅速昇温可能であることから、低融点金属類のフィラメントも使用され得る。

0048

また、上述のホットエンド10は、全体として長さ32mm、幅5mmとされ、現存するホットエンドに比べて格段に小型となっている。また、ヘッド本体1を64チタン合金で形成する場合には、小型と相俟って極めて軽量化されている。よって、ホットエンド10を2次元又は3次元に移動させて造形を行うようにした場合であっても、駆動エネルギーの省力化ができる。さらに、上述のホットエンド110は断熱部及び供給部が不要であることから、ホットエンド10よりもさらに小型化されている。小型であることから、複数のホットエンドを取付治具(アダプター)等により、各々のホットエンドの吐出口51を近接して配置して束ねることができるので、マルチノズルヘッドマルチノズルラインヘッドとして使用することもできる。これらマルチノズルヘッド又はマルチノズルラインヘッドを用いてマルチマテリアルの高速造形用として好適に使用することもできる。

0049

また、ヘッド本体の材料としてチタン合金(例えば、64チタン)及び加熱部材60の絶縁基板61としてセラミック基板(例えば、アルミナジルコニア基板)を用いた場合には、チタン合金とセラミックとの熱膨張率が近いこともあって、造形動作による加熱、冷却のサイクルによる接合不良を効果的に防止することができる。また、アルミナジルコニア基板は、アルミナ基板に比して機械的強度が高いことから薄くでき、加熱ヘッドの小型軽量化をより一層図ることができる。

0050

しかも、ヘッド本体1と加熱部材60とリードとの接合、接続を同金属系の厚膜ペースト(例えば、銀系ペースト)を用いて行うことができ、ヘッド本体1と加熱部材60との接合、加熱部材60の電極とリードとの接続において良好とし得、加熱部材60を高温に加熱した場合であっても、接合不良、接続不良を防止することができる。また、厚膜技術により加熱部材60をヘッド本体1に接合することができるので、電子素子特性変化を防止することもできる。

0051

本発明では、ヘッド本体1、11を一体形成一体成形)とすることができる。さらに、ヘッド本体11と逆流防止部材70を一体形成とし、部品接合箇所を少なくして、一段と信頼性を向上することができる。

0052

また、逆流防止部材70は、逆流が生じないように、フィラメントに密着しつつフィラメントの送り込みを阻害しない程度の適切な力でフィラメントを保持する観点から、その材料の弾性等を加味して形状を決定することができる。

0053

1、11ヘッド本体
2通路
10、110ホットエンド
20 供給部
21 供給口
22内管
30断熱部
31 開口
40融解部
41 開口
50吐出部
51 吐出口
60加熱部材
61絶縁基板
62発熱抵抗体
63電極
64電源
65シャント抵抗
70逆流防止部材
71 固定部材

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