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技術 液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および駆動信号生成システム

出願人 エスアイアイ・プリンテック株式会社
発明者 川本俊司清水貴之吉田憲右
出願日 2018年9月14日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-172686
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-044668
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) インクジェット(粒子形成、飛翔制御)
主要キーワード ステップ波 昇温機構 OFF期間中 ネガティブパルス ポジティブパルス アクチュエータ温度 非循環式 測定設備
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

ユーザにおける利便性を向上させることが可能な液体噴射ヘッド液体噴射記録装置および駆動信号生成ステムを提供する。

解決手段

本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体噴射する複数のノズルを有する噴射部と、この噴射部に対して1または複数の駆動波形を有する駆動信号印加することにより、ノズルから液体を噴射させる駆動部と、所定の演算処理を行う演算処理部と、上記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する信号生成部とを備えている。上記演算処理部は、上記演算処理に基づいて、上記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定する。上記信号生成部は、上記演算処理部において設定された上記サンプリング周波数に応じて、上記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、上記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、設定したパルス幅を有する駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する。

概要

背景

液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が様々な分野に利用されており、液体噴射ヘッドとしては、各種方式のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

ユーザにおける利便性を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および駆動信号生成ステムを提供する。本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体噴射する複数のノズルを有する噴射部と、この噴射部に対して1または複数の駆動波形を有する駆動信号印加することにより、ノズルから液体を噴射させる駆動部と、所定の演算処理を行う演算処理部と、上記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する信号生成部とを備えている。上記演算処理部は、上記演算処理に基づいて、上記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定する。上記信号生成部は、上記演算処理部において設定された上記サンプリング周波数に応じて、上記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、上記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、設定したパルス幅を有する駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する。

目的

ユーザにおける利便性を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および駆動信号生成システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液体噴射する複数のノズルを有する噴射部と、前記噴射部に対して、1または複数の駆動波形を有する駆動信号印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる駆動部と、所定の演算処理を行う演算処理部と、前記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する信号生成部とを備え、前記演算処理部は、前記演算処理に基づいて、前記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定し、前記信号生成部は、前記演算処理部において設定された前記サンプリング周波数に応じて、前記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、前記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、設定した前記パルス幅を有する前記駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する液体噴射ヘッド

請求項2

前記演算処理部は、前記演算処理として、前記液体中での音速に基づいて、前記駆動波形において設定されるべきパルス幅を求めると共に、前記設定されるべきパルス幅に基づいて、前記サンプリング周波数を設定する請求項1に記載の液体噴射ヘッド。

請求項3

前記演算処理部は、前記液体の温度と前記液体中での音速との対応関係を規定したテーブルを利用して、前記液体中での音速を求める請求項2に記載の液体噴射ヘッド。

請求項4

前記液体中での音速を測定する音速測定部と、前記液体の温度を調節する温度調節機構とを用いて、前記テーブルが生成される請求項3に記載の液体噴射ヘッド。

請求項5

前記音速測定部と前記温度調節機構とを、更に備えた請求項4に記載の液体噴射ヘッド。

請求項6

請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置

請求項7

液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部に対して印加される、1または複数の駆動波形を有する駆動信号を生成するシステムであって、所定の演算処理を行う演算処理部と、前記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する信号生成部とを備え、前記演算処理部は、前記演算処理に基づいて、前記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定し、前記信号生成部は、前記演算処理部において設定された前記サンプリング周波数に応じて、前記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、前記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、設定した前記パルス幅を有する前記駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する駆動信号生成システム。

技術分野

0001

本開示は、液体噴射ヘッド液体噴射記録装置および駆動信号生成ステムに関する。

背景技術

0002

液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が様々な分野に利用されており、液体噴射ヘッドとしては、各種方式のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開平2−253960号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このような液体噴射ヘッドでは、ユーザにおける利便性を向上させることが求められている。ユーザにおける利便性を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および駆動信号生成システムを提供することが望ましい。

課題を解決するための手段

0005

本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体噴射する複数のノズルを有する噴射部と、この噴射部に対して1または複数の駆動波形を有する駆動信号印加することにより、ノズルから液体を噴射させる駆動部と、所定の演算処理を行う演算処理部と、上記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する信号生成部とを備えたものである。上記演算処理部は、上記演算処理に基づいて、上記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定する。上記信号生成部は、上記演算処理部において設定された上記サンプリング周波数に応じて、上記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、上記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、設定したパルス幅を有する駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する。

0006

本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置は、上記本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドを備えたものである。

0007

本開示の一実施の形態に係る駆動信号生成システムは、液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部に対して印加される、1または複数の駆動波形を有する駆動信号を生成するシステムであって、所定の演算処理を行う演算処理部と、上記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する信号生成部とを備えたものである。上記演算処理部は、上記演算処理に基づいて、上記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定する。上記信号生成部は、上記演算処理部において設定された上記サンプリング周波数に応じて、上記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、上記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、設定したパルス幅を有する駆動波形を用いて、上記駆動信号を生成する。

発明の効果

0008

本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および駆動信号生成システムによれば、ユーザにおける利便性を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置の概略構成例を表す模式斜視図である。
図1に示した液体噴射ヘッドおよび循環機構の概略構成例を表す模式図である。
図2に示した液体噴射ヘッドおよび循環機構の詳細構成例を表すブロック図である。
図3に示した音速測定部の詳細構成例等を表す模式図である。
図3に示したテーブルの構成例を表す図である。
図3に示したPLL回路の詳細構成例を表すブロック図である。
駆動信号の構成例を模式的に表すタイミング図である。
比較例に係る液体噴射記録装置の概略構成例を表すブロック図である。
比較例に係るパルス幅の調整方法を表すタイミング図である。
実施の形態に係るテーブルの生成処理の一例を表す流れ図である。
実施の形態に係る駆動信号の生成処理等の一例を表す流れ図である。
吐出チャネル内の共振について説明するための模式図である。
実施の形態に係るパルス幅の調整方法の概要について説明するための模式図である。
実施の形態に係るパルス幅の調整方法の一例を表すタイミング図である。
変形例1に係る液体噴射記録装置の概略構成例を表すブロック図である。
変形例2に係る液体噴射記録装置の概略構成例を表すブロック図である。

実施例

0010

以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(温度調節機構,音速測定部を液体噴射ヘッドの内部に設けた場合の例)
2.変形例
変形例1(温度調節機構,音速測定部を液体噴射ヘッドの外部に設けた場合の例)
変形例2(演算処理部,信号生成部等も液体噴射ヘッドの外部に設けた場合の例)
3.その他の変形例

0011

<1.実施の形態>
[A.プリンタ1の全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1の概略構成例を、模式的に斜視図にて表したものである。プリンタ1は、後述するインク9を利用して、被記録媒体としての記録紙Pに対して、画像や文字等の記録(印刷)を行うインクジェットプリンタである。

0012

プリンタ1は、図1に示したように、一対の搬送機構2a,2bと、インクタンク3と、インクジェットヘッド4と、循環機構5と、走査機構6とを備えている。これらの各部材は、所定形状を有する筺体10内に収容されている。なお、本明細書の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。

0013

ここで、プリンタ1は、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応し、インクジェットヘッド4(後述するインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4K)は、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。また、インク9は、本開示における「液体」の一具体例に対応している。

0014

搬送機構2a,2bはそれぞれ、図1に示したように、記録紙Pを搬送方向d(X軸方向)に沿って搬送する機構である。これらの搬送機構2a,2bはそれぞれ、グリッドローラ21、ピンチローラ22および駆動機構(不図示)を有している。この駆動機構は、グリッドローラ21を軸周りに回転させる(Z−X面内で回転させる)機構であり、例えばモータ等によって構成されている。

0015

(インクタンク3)
インクタンク3は、インク9を内部に収容するタンクである。このインクタンク3としては、この例では図1に示したように、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色のインク9を個別に収容する、4種類のタンクが設けられている。すなわち、イエローのインク9を収容するインクタンク3Yと、マゼンダのインク9を収容するインクタンク3Mと、シアンのインク9を収容するインクタンク3Cと、ブラックのインク9を収容するインクタンク3Kとが設けられている。これらのインクタンク3Y,3M,3C,3Kは、筺体10内において、X軸方向に沿って並んで配置されている。

0016

なお、インクタンク3Y,3M,3C,3Kはそれぞれ、収容するインク9の色以外については同一の構成であるため、以下ではインクタンク3と総称して説明する。

0017

(インクジェットヘッド4)
インクジェットヘッド4は、後述する複数のノズル(ノズル孔Hn)から記録紙Pに対して液滴状のインク9を噴射(吐出)して、画像や文字等の記録(印刷)を行うヘッドである。このインクジェットヘッド4としても、この例では図1に示したように、上記したインクタンク3Y,3M,3C,3Kにそれぞれ収容されている4色のインク9を個別に噴射する、4種類のヘッドが設けられている。すなわち、イエローのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Yと、マゼンダのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Mと、シアンのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Cと、ブラックのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Kとが設けられている。これらのインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kは、筺体10内において、Y軸方向に沿って並んで配置されている。

0018

なお、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kはそれぞれ、利用するインク9の色以外については同一の構成であるため、以下ではインクジェットヘッド4と総称して説明する。また、このインクジェットヘッド4の詳細構成例については、後述する(図2図6)。

0019

循環機構5は、インクタンク3内とインクジェットヘッド4内との間でインク9を循環させるための機構である。循環機構5は、インク9を循環させるための流路循環流路50)を含んで構成されている。なお、この循環機構5の詳細構成例については、後述する(図2)。

0020

(走査機構6)
走査機構6は、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って、インクジェットヘッド4を走査させる機構である。この走査機構6は、図1に示したように、Y軸方向に沿って延設された一対のガイドレール61a,61bと、これらのガイドレール61a,61bに移動可能に支持されたキャリッジ62と、このキャリッジ62をY軸方向に沿って移動させる駆動機構63と、を有している。

0021

駆動機構63は、ガイドレール61a,61bの間に配置された一対のプーリ631a,631bと、これらのプーリ631a,631b間に巻回された無端ベルト632と、プーリ631aを回転駆動させる駆動モータ633と、を有している。また、キャリッジ62上には、前述した4種類のインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kが、Y軸方向に沿って並んで配置されている。

0022

なお、このような走査機構6と前述した搬送機構2a,2bとにより、インクジェットヘッド4と記録紙Pとを相対的に移動させる、移動機構が構成されるようになっている。

0023

[B.インクジェットヘッド4および循環機構5の詳細構成]
続いて、図2図6を参照して、インクジェットヘッド4および循環機構5の詳細構成例について説明する。

0024

ここで、図2は、インクジェットヘッド4および循環機構5の概略構成例を、模式的に表したものである。また、図3は、図2に示したインクジェットヘッド4および循環機構5の詳細構成例を、ブロック図で表したものである。

0025

(B−1.循環機構5)
循環機構5は、図1図3に示したように、インク供給管50aおよびインク排出管50bにより構成される循環流路50と、インク供給管50aに設けられた加圧ポンプ52aと、インク排出管50bに設けられた吸引ポンプ52bと、を備えている。インク供給管50aおよびインク排出管50bはそれぞれ、例えば、前述した走査機構6の動作に追従可能な程度の可撓性を有する、フレキシブルホースにより構成されている。

0026

加圧ポンプ52aは、インク供給管50a内を加圧し、このインク供給管50aを通してインクジェットヘッド4にインク9を送り出すものである。一方、吸引ポンプ52bは、インク排出管50b内を減圧し、このインク排出管50bを通してインクジェットヘッド4からインク9を吸引するものである。インク9は、これらの加圧ポンプ52aおよび吸引ポンプ52bの駆動により、インクジェットヘッド4とインクタンク3との間を、循環流路50を通して循環可能となっている(図2図3中の破線の矢印参照)。

0027

(B−2.インクジェットヘッド4)
インクジェットヘッド4は、図2図3に示したように、ノズルプレート41、アクチュエータプレート42、温度調節機構43、音速測定部44、温度検出部45、演算処理部46、PLL(Phase Locked Loop)回路47、周波数固定発振器40、信号生成部48および駆動部49を有している。

0028

なお、ノズルプレート41およびアクチュエータプレート42は、本開示における「噴射部」の一具体例に対応している。また、演算処理部46および信号生成部48は、本開示における「駆動信号生成システム」の一具体例に対応している。

0029

(ノズルプレート41)
ノズルプレート41は、ポリイミド等のフィルム材または金属材料により構成されたプレートであり、図2図3に示したように、インク9を噴射する複数のノズル孔Hnを有している(図2図3中の破線の矢印参照)。これらのノズル孔Hnはそれぞれ、所定の間隔をおいて一直線上に(この例ではX軸方向に沿って)並んで形成されている。なお、各ノズル孔Hnは、本開示における「ノズル」の一具体例に対応している。

0030

(アクチュエータプレート42)
アクチュエータプレート42は、例えばPZTチタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料により構成されたプレートである。このアクチュエータプレート42には、複数のチャネル(不図示)が設けられている。これらのチャネルは、インク9に対して圧力を印加するための圧力室として機能する部分であり、所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。各チャネルは、圧電体からなる駆動壁(不図示)によってそれぞれ画成されており、断面視にて凹状の溝部となっている。

0031

このようなチャネルには、インク9を吐出させるための吐出チャネル(後述する吐出チャネルCe:図12参照)と、インク9を吐出させないダミーチャネル非吐出チャネル)とが存在している。言い換えると、吐出チャネルにはインク9が充填される一方、ダミーチャネルにはインク9が充填されないようになっている。また、各吐出チャネルは、ノズルプレート41におけるノズル孔Hnと連通している一方、各ダミーチャネルは、ノズル孔Hnには連通しないようになっている。これらの吐出チャネルとダミーチャネルとは、所定の方向に沿って交互に並んで配置されている。

0032

上記した駆動壁における対向する内側面にはそれぞれ、駆動電極(不図示)が設けられている。この駆動電極には、吐出チャネルに面する内側面に設けられたコモン電極共通電極)と、ダミーチャネルに面する内側面に設けられたアクティブ電極(個別電極)とが存在している。これらの駆動電極と、駆動基板(不図示)における駆動回路との間は、フレキシブル基板(不図示)に形成された複数の引き出し電極を介して、電気的に接続されている。これにより、このフレキシブル基板を介して、後述する駆動部49を含む駆動回路から各駆動電極に対し、後述する駆動電圧Vd(駆動信号Sd)が印加されるようになっている。

0033

(温度調節機構43)
温度調節機構43は、図3に示したように、前述したインク供給管50a内を流れるインク9の温度(後述する温度Ti)を調節する機構である。このような温度調節機構43は、例えば、昇温機構ヒータ)や降温機構クーラ)などを用いて構成されており、後述する演算処理部46によって動作制御が行われるようになっている。

0034

(音速測定部44)
音速測定部44は、図3に示したように、上記したインク供給管50a内を流れるインク9について、所定の測定(音響測定,インク9中での音速Vsの測定)を行うものである。なお、この音速測定部44に対する動作制御や、各種データの入出力等は、後述する演算処理部46によってなされるようになっている。

0035

図4は、このような音速測定部44の詳細構成例等を、模式的に表したものである。具体的には、図4(A)は、音速測定部44の詳細構成例を模式的に示している。また、図4(B),図4(C)はそれぞれ、以下説明する音響信号Sac(Sacout)および音響信号Sac(Sacin)における波形の一例を、タイミング図で示している。なお、これらの図4(B),図4(C)における横軸は、時間tを示している。

0036

図4(A)に示したように、音速測定部44は、インク供給管50aに接続されているインク9の流路440と、音波発信器441aと、音波受信器441bと、流路440内のインク9の温度(後述する温度Ti)を検出する温度検出部442と、を有している。

0037

音波発信器441aは、音波(超音波)の音響信号Sacを、音響信号Sacoutとして、流路440内を流れるインク9中へ向けて発信する機器である。なお、このような音響信号Sacoutの発信は、例えば、後述する演算処理部46から出力される電気信号に基づき、電気−機械変換を用いて行われるようになっている(図3参照)。

0038

音波受信器441bは、音波(超音波)の音響信号Sacを、流路440内を流れるインク9中から受信する機器である。具体的には、音波受信器441bは、音波発信器441aから出力されてインク9中を進行した音響信号Sacを、音響信号Sacinとして受信する。なお、このような音響信号Sacinの受信は、例えば機械−電気変換を用いて行われるようになっており、そのようにして得られた音響信号Sacinは、後述する演算処理部46へと出力されるようになっている(図3参照)。

0039

ちなみに、このような音響信号Sac(Sacout,Sacin)はそれぞれ、本実施の形態では正弦波を用いて構成されている(図4(B),図4(C)参照)。また、インク9中を進行するのに伴い、音響信号Sacoutの振幅に対して音響信号Sacinの振幅が、減衰するようになっている。

0040

更に、図4中にも示したように、音波発信器441aから音波受信器441bまでの物理的な距離Δdと、音波発信器441aから音波受信器441bまでのインク9中での音響信号Sacの伝搬時間Δtとを用いて、インク9中での音速Vsは、以下の(1)式のように規定されるようになっている。
Vs=(Δd/Δt) ……(1)

0041

(温度検出部45)
温度検出部45は、図3に示したように、インクジェットヘッド4内におけるアクチュエータプレート42付近の温度(アクチュエータ温度Tpzt)を検出するものである。このようにして温度検出部45によって検出されたアクチュエータ温度Tpztは、後述する演算処理部46へと出力されるようになっている。

0042

(演算処理部46)
演算処理部46は、後述する所定の演算処理に基づいて、後述する駆動部49からアクチュエータプレート42に対して印加される駆動信号Sdを生成する際の分周比逓倍数)Nを設定するものである(N:整数)。具体的には、演算処理部46は、このような演算処理として、詳細は後述するが、上記したインク9中での音速Vsに基づいて、サンプリング周波数fsampを生成する際の分周比Nを設定するようになっている。また、演算処理部46は、所定の対応関係を規定したテーブルTBを利用して、インク9中での音速Vsを求めるようになっている。

0043

図5は、このようなテーブルTBの構成例を表したものである。この図5に示したように、テーブルTBでは、インク9の温度Tiと、インク9中での音速Vsと、の対応関係が規定されている。このようなテーブルTBは、前述した温度調節機構43および音速測定部44を用いて、生成されるようになっている。具体的には、詳細は後述するが(図10)、温度調節機構43を用いてインク9の温度Tiの調節を行いながら、音速測定部44を用いてインク9中での音速Vsを測定することで、テーブルTBが生成されるようになっている。

0044

(PLL回路47)
PLL回路47は、図3に示したように、演算処理部46において設定された分周比Nと、基準周波数f0(リファレンスクロックCLKr)とに基づいて、後述する信号生成部48において駆動信号Sdを生成する際のサンプリング周波数fsampを生成する回路である。なお、この基準周波数f0は固定の周波数であり、周波数固定発振器40からPLL回路47へと供給されるようになっている。具体的には、PLL回路47は、基準周波数f0に対してN倍の逓倍処理(N逓倍)を行うことで、サンプリング周波数fsamp(=N×f0)を生成するようになっている。

0045

図6は、このようなPLL回路47の詳細構成例を、ブロック図で表したものである。この図6に示したように、PLL回路47は、分周器470、位相比較器471、ループフィルタ472および電圧制御発振器473を有している。

0046

分周器470は、いわゆるプログラマブルデバイダとして機能する回路であり、上記したサンプリング周波数fsamp(=N×f0)に対して、分周比Nによる分周処理を行うようになっている。位相比較器471は、基準周波数f0のリファレンスクロックCLKrと、分周器470からの出力信号との間で、位相比較処理を行う回路である。ループフィルタ472は、いわゆるLPF(Low Pass Filter)を用いて構成された、フィルタ回路である。電圧制御発振器473は、いわゆるVCO(Voltage Controlled Oscillator)として構成された回路である。

0047

このような構成によりPLL回路47では、基準周波数f0をN逓倍したサンプリング周波数fsamp(=N×f0)が、生成されるようになっている。

0048

(信号生成部48)
信号生成部48は、詳細は後述するが、駆動信号Sdにおける駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、1または複数の駆動波形を有する駆動信号Sdを生成するものである。なお、このような「(1または複数の)駆動波形」とはそれぞれ、以下説明する、1または複数の「パルス」(パルス幅Wp,電圧値Vp)を含むものとなっている。

0049

ここで、図7(A)〜図7(C)はそれぞれ、駆動信号Sdの構成例を、模式的にタイミング図で表したものである。なお、これらの図7(A)〜図7(C)において、横軸は時間tを、縦軸は、駆動信号Sdにおける駆動電圧Vd(この例では正電圧)を、それぞれ示している。

0050

まず、図7(A)に示した駆動信号Sdは、1つのパルス(パルスPa)を有しており、いわゆる「1ドロップ」の場合の例となっている。このパルスPaは、立ち上がりタイミング立ち下がりタイミングとの間に設けられたON期間であり、上記したパルス幅Wpおよび電圧値Vpの一例として、パルス幅Wpa1および電圧値Vp1を有している。

0051

一方、図7(B)に示した駆動信号Sdは、いわゆる「マルチパルス方式」が適用されるパルスとして、以下の2つのパルス(パルスPa,Pb)を有している(いわゆる「2ドロップ」の場合の例)。すなわち、そのようなパルス(ON期間)として、パルスPa,Pbの2つが設けられている。なお、これら2つのパルスPa,Pbの間には、OFF期間(「OFF1」)が設けられている。また、上記したパルス幅Wpおよび電圧値Vpの一例として、パルスPaはパルス幅Wpa2および電圧値Vp2を有し、パルスPbはパルス幅Wpb2および電圧値Vp2を有している。

0052

同様に、図7(C)に示した駆動信号Sdは、上記した「マルチパルス方式」が適用されるパルスとして、以下の3つのパルス(パルスPa,Pb,Pc)を有している(いわゆる「3ドロップ」の場合の例)。すなわち、そのようなパルス(ON期間)として、パルスPa,Pb,Pcの3つが設けられている。なお、パルスPa,Pbの間にはOFF期間(「OFF1」)が設けられているとともに、パルスPb,Pcの間にはOFF期間(「OFF2」)が設けられている。また、上記したパルス幅Wpおよび電圧値Vpの一例として、パルスPaはパルス幅Wpa3および電圧値Vp3を有し、パルスPbはパルス幅Wpb3および電圧値Vp3を有し、パルスPcはパルス幅Wpc3および電圧値Vp3を有している。

0053

なお、これらの駆動信号Sdにおける各パルスPa,Pb,Pcは、ハイ(High)状態の期間において前述した吐出チャネルを膨張させると共に、ロウ(Low)状態の期間において吐出チャネルを収縮させる、ポジティブパルスとなっている。

0054

ここで、信号生成部48は、詳細は後述するが、このようなパルス(パルスPa,Pb,Pc)におけるパルス幅Wpを設定し、設定したパルス幅Wpを有する駆動波形(パルス)を用いて、駆動信号Sdを生成するようになっている。また、この際に信号生成部48は、前述した演算処理部46(およびPLL回路47)において設定されたサンプリング周波数fsampに応じて、基準駆動波形におけるパルス幅(基準パルス幅Wps:図3参照)を変化させることによって、パルス幅Wpを設定するようになっている。なお、このような信号生成部48による駆動信号Sdの生成処理の詳細については、後述する(図10図14)。

0055

ここで、上記した基準パルス幅Wpsは、本開示における「基準駆動波形におけるパルス幅」の一具体例に対応している。また、本開示における「パルス」とは、例えば図7に示したような矩形波だけではなく、例えば、台形波三角波ステップ波などの波形も含む概念のものであり、以下同様である。

0056

(駆動部49)
駆動部49は、アクチュエータプレート42に対して上記した駆動電圧Vd(駆動信号Sd)を印加して、前述した吐出チャネルを膨張または収縮させることで、各ノズル孔Hnからインク9を噴射させる(噴射動作を行わせる)ものである(図2図3参照)。具体的には、駆動部49は、上記した信号生成部48において生成された駆動信号Sdを用いて、そのような噴射動作を行わせるようになっている。

0057

[動作および作用・効果]
(A.プリンタ1の基本動作
このプリンタ1では、以下のようにして、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作印刷動作)が行われる。なお、初期状態として、図1に示した4種類のインクタンク3(3Y,3M,3C,3K)にはそれぞれ、対応する色(4色)のインク9が十分に封入されているものとする。また、インクタンク3内のインク9は、循環機構5を介してインクジェットヘッド4内に充填された状態となっている。

0058

このような初期状態において、プリンタ1を作動させると、搬送機構2a,2bにおけるグリッドローラ21がそれぞれ回転することで、グリッドローラ21とピンチローラ22と間に、記録紙Pが搬送方向d(X軸方向)に沿って搬送される。また、このような搬送動作と同時に、駆動機構63における駆動モータ633が、プーリ631a,631bをそれぞれ回転させることで、無端ベルト632を動作させる。これにより、キャリッジ62がガイドレール61a,61bにガイドされながら、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って往復移動する。そしてこの際に、各インクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4K)によって、4色のインク9を記録紙Pに適宜吐出させることで、この記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作がなされる。

0059

(B.インクジェットヘッド4における詳細動作)
続いて、インクジェットヘッド4における詳細動作(インク9の噴射動作)について説明する。すなわち、このインクジェットヘッド4では、以下のようにして、せん断シェア)モードを用いたインク9の噴射動作が行われる。

0060

まず、駆動部49は、アクチュエータプレート42内の前述した駆動電極(コモン電極およびアクティブ電極)に対し、駆動電圧Vd(駆動信号Sd)を印加する(図2図3参照)。具体的には、駆動部49は、前述した吐出チャネルを画成する一対の駆動壁に配置された各駆動電極に対し、駆動電圧Vdを印加する。これにより、これら一対の駆動壁がそれぞれ、その吐出チャネルに隣接するダミーチャネル側へ、突出するように変形する。

0061

このとき、駆動壁における深さ方向の中間位置を中心として、駆動壁がV字状に屈曲変形することになる。そして、このような駆動壁の屈曲変形により、吐出チャネルがあたかも膨らむように変形する。このように、一対の駆動壁での圧電厚み滑り効果による屈曲変形によって、吐出チャネルの容積が増大する。そして、吐出チャネルの容積が増大することにより、インク9が吐出チャネル内へ誘導されることになる。

0062

次いで、このようにして吐出チャネル内へ誘導されたインク9は、圧力波となって吐出チャネルの内部に伝播する。そして、ノズルプレート41のノズル孔Hnにこの圧力波が到達したタイミング(またはその近傍のタイミング)で、駆動電極に印加される駆動電圧Vdが、0(ゼロ)Vとなる。これにより、上記した屈曲変形の状態から駆動壁が復元する結果、一旦増大した吐出チャネルの容積が、再び元に戻ることになる。

0063

このようにして、吐出チャネルの容積が元に戻る過程で、吐出チャネル内部の圧力が増加し、吐出チャネル内のインク9が加圧される。その結果、液滴状のインク9が、ノズル孔Hnを通って外部へと(記録紙Pへ向けて)吐出される(図2図3参照)。このようにしてインクジェットヘッド4におけるインク9の噴射動作(吐出動作)がなされ、その結果、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われることになる。

0064

(C.駆動信号Sdの生成動作
次に、図1図7に加えて図8図14を参照して、前述した信号生成部48による駆動信号Sdの生成動作(生成処理)等について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。

0065

(C−1.比較例)
図8は、比較例に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ101の概略構成例を、ブロック図で表したものである。この比較例のプリンタ101は、本実施の形態のプリンタ1(図3参照)において、インクジェットヘッド4の代わりに、比較例に係る液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド104)を設けたものに対応している。また、この比較例のインクジェットヘッド104は、前述したノズルプレート41、アクチュエータプレート42および温度検出部45とともに、波形情報記憶部108を有する駆動部109を備えている。すなわち、このインクジェットヘッド104は、インクジェットヘッド4(図3参照)において、前述した温度調節機構43、音速測定部44、演算処理部46、PLL回路47、周波数固定発振器40および信号生成部48を設けない(省く)ようにすると共に、駆動部49の代わりに駆動部109を設けたものに対応している。

0066

駆動部109における波形情報記憶部108には、駆動信号Sdにおけるパルス(図7中のパルスPa〜Pc参照)を設定するための波形情報(例えば、前述した基準駆動波形等の駆動波形に関する情報)が、予め記憶されている。このような波形情報は、例えば、ノズルプレート41における各ノズル孔Hnからのインク9の噴射を、事前人手観測して算出された情報である。そして、駆動部109は、プリンタ101本体から入力された印刷データ等に基づき、この波形情報記憶部108に予め記憶されている波形情報を用いて駆動信号Sdを設定し、その駆動信号Sdをアクチュエータプレート42に対して印加するようになっている。

0067

ところで、インクジェットヘッドでは一般に、前述した吐出チャネルの形状やインク9の物性値などによって、最適な圧力発生タイミング(後述するオンパルスピーク)や、圧力設定条件(駆動電圧)が、大きく異なることが知られている。したがって、このような圧力発生タイミングや圧力設定条件を最適化するために、この比較例では、上記したようなインク9の噴射観測(飛翔観測)を、事前に人手で行う必要が生じているのである。ただし、このようなインク9の噴射観測を利用した波形情報は事前に、トライアンドエラーを繰り返して作成されることから、膨大な時間が必要であったり、十分な経験と知識が必要となったり、インク9の種類ごとに上記した波形情報の作成が必要となったりする。

0068

また、この比較例では、以下説明するように、サンプリング周波数fsampが固定であることから、以下のようになる。すなわち、基準駆動波形を用いた駆動信号Sdの生成の際に、駆動信号Sdにおけるパルス幅Wpを変更する度に、駆動波形に関する情報(上記した波形情報記憶部108の情報)の書き換えを行う必要が生じる。このような情報の書き換えを行っている間は、駆動信号Sdの設定(駆動波形の切り替え)ができず、インク9の噴射動作も行えないことから、印刷のデッドタイムが生じてしまうことになる。

0069

ここで、図9(A)〜図9(C)はそれぞれ、比較例に係るパルス幅Wpの調整方法を、タイミング図で表したものである。なお、これらの図9(A)〜図9(C)において、横軸は時間tを、縦軸は電圧(駆動電圧Vd)を、それぞれ示している。

0070

図9(A)〜図9(C)に示したように、この比較例では、サンプリング周波数fsampおよびサンプリング周期Tsamp(=1/fsamp)が固定であることから、以下のようになる。すなわち、パルス幅Wpの調整が、このサンプリング周期Tsamp単位でしか行うことができない。具体的には、例えば図9(A)に示したパルス幅Wp=Wp101を基準とした場合、図9(B)に示したパルス幅Wp=Wp102では、サンプリング周期Tsampの1単位分だけ、パルス幅Wpが小さくなるように調整されている。また、図9(C)に示したパルス幅Wp=Wp103では、サンプリング周期Tsampの1単位分だけ、パルス幅Wpが大きくなるように調整されている。なお、一例として、Wp=7[μs],Tsamp=100[ns]とした場合、パルス幅Wpの(1/70)単位である粗い幅でしか、パルス幅Wpの調整を行うことができないことになる。

0071

更に、プリンタのユーザ(エンドユーザ等)にとっては、インク9を自由に変更したいという要求があるものの、この比較例のプリンタ101では、インク9を変更すると、上記した波形情報の適切な利用ができなくなってしまうことになる。つまり、上記した圧力発生タイミングや圧力設定条件の最適化が図られず、印刷画質が低下してしまうおそれがある。したがって、このような印刷画質の低下のリスクを考慮すると、プリンタ101のユーザにとっては、インク9についての選択の自由度は、事実上は非常に小さいものとなってしまうと言える。

0072

このようにしてこの比較例では、駆動信号Sdにおける駆動波形(前述した基準駆動波形等)の設定のために、ノズル孔Hnからのインク9の噴射観測等を事前に人手で行っておく必要があり、膨大な時間や手間、印刷のデッドタイムを要することから、以下のようになる。すなわち、ユーザにおける利便性が損なわれてしまうおそれがある。

0073

(C−2.本実施の形態)
そこで、本実施の形態のインクジェットヘッド4では、信号生成部48において、駆動信号Sdを随時生成する(自動生成する)ようにしている。具体的には、信号生成部48は、駆動信号Sdにおけるパルス(前述したパルスPa,Pb,Pc等)のパルス幅Wpを設定し、設定したパルス幅Wpを有するパルス(駆動波形)を用いて、駆動信号Sdの生成を行う。また、この際に信号生成部48は、前述したテーブルTB(図5参照)を利用して、駆動信号Sdの生成を行う。以下、このような駆動信号Sdの生成処理等について、詳細に説明する。

0074

図10は、このようなテーブルTBの生成処理(作成処理)の一例を、流れ図で表したものである。また、図11は、本実施の形態に係る駆動信号Sdの生成処理等の一例を、流れ図で表したものである。なお、この図11に示した一連の処理(後述するステップS20〜S27)のうち、後述するステップS21〜S26の各処理が、駆動信号Sdの生成処理に相当する。

0075

(ステップS11〜S17:テーブルTBの生成処理)
まず、図10に示した一連の処理(テーブルTBの生成処理)では、最初に、前述したポンプ(加圧ポンプ52aおよび吸引ポンプ52b)を起動して、インクタンク3とインクジェットヘッド4との間で、インク9を循環させる(ステップS11)。次いで、温度調節機構43を用いて、インク供給管50a内を流れるインク9の温度Tiを、所定の温度範囲ΔT内の下限温度Tminに設定する(ステップS12)。

0076

続いて、インク9の温度Tiが安定した状態で、音速測定部44において、前述した音波(音響信号Sac)の伝搬時間Δtと、その時のインク9の温度Tiとを、それぞれ測定する(ステップS13)。なお、インク9の温度Tiは、音速測定部44内の温度検出部442において行われる。

0077

次に、演算処理部46は、このようにして得られた伝搬時間Δtと、予め分かっている前述した距離Δd(音波発信器441aから音波受信器441bまでの物理的な距離)とに基づいて、前述した(1)式を用いることで、インク9中での音速Vsを求める(ステップS14)。そして、演算処理部46は、このようにして求められた音速Vsと、ステップS13において得られたインク9の温度Tiとの対応関係を、テーブルTB内に書き込む(ステップS15)。

0078

続いて、温度調節機構43を用いて、インク供給管50a内を流れるインク9の温度Tiを、上記した下限温度Tminから所定の温度の分だけ、上昇させる(ステップS16)。そして、演算処理部46は、温度上昇させた後のインク9の温度Tiが、上記した温度範囲ΔT内の上限温度Tmaxよりも高い(Ti>Tmax)のか否かについて、判定を行う(ステップS17)。

0079

ここで、インク9の温度Tiが上限温度Tmax以下である(Ti≦Tmax)と判定された場合(ステップS17:N)、以下のようになる。すなわち、この場合には、テーブルTBが未完成である(温度範囲ΔT内の下限温度Tminから上限温度Tmaxに至るまでは、テーブルTBが作成できていない)と判定され、ステップS11〜S16の処理が再度繰り返されることになる。

0080

一方、インク9の温度Tiが上限温度Tmaxよりも高い(Ti>Tmax)と判定された場合(ステップS17:Y)、以下のようになる。すなわち、この場合には、テーブルTBが完成した(温度範囲ΔT内の下限温度Tminから上限温度Tmaxに至るまで、テーブルTBが作成された)と判定され、図10に示した一連の処理(テーブルTBの生成処理)が終了となる。

0081

(ステップS20〜S27:駆動信号Sdの生成処理等)
一方、図11に示した一連の処理(駆動信号Sdの生成処理等)では、まず前段階として、演算処理部46は、駆動信号Sdの生成(更新)が必要であるのか否かについて、判定を行う(ステップS20)。ここで、駆動信号Sdの生成が必要であると判定された場合(ステップS20:Y)、以下説明する駆動信号Sdの生成処理(ステップS21〜S26)へと移行する。一方、駆動信号Sdの生成が必要ではないと判定された場合(ステップS20:N)、後述するステップS27へと移行し、現段階での駆動信号Sdに基づいてインク9の噴射動作が行われることになる。

0082

なお、駆動信号Sdの生成(更新)が必要な場合とは、例えば以下のような場合が挙げられる。すなわち、例えば、所定の時間が経過した場合や、インクタンク3のカートリッジを装着した場合、ユーザからの所定の操作信号がプリンタ1に入力された場合、インク9の非吐出期間アイドル期間)が所定時間以上となった場合、等が挙げられる。

0083

次いで、駆動信号Sdの生成処理(ステップS21〜S26)では、信号生成部48等は以下のようにして、駆動波形におけるパルス幅Wpの設定処理を行う(図11参照)。

0084

ここで、このようなパルス幅Wpの設定処理では、まず、温度検出部45において、前述したアクチュエータ温度Tpzt(≒インク9の温度Ti)を測定する(ステップS21)。次いで、演算処理部46は、このようにして得られたアクチュエータ温度Tpztも考慮しつつ、図10に示した一連の処理により生成されたテーブルTBを利用して、所定の補間法も用いて、インク9中での音速Vsを求める(ステップS22)。

0085

続いて、演算処理部46は、このようにして求められたインク9中での音速Vsに基づいて、駆動信号Sdの駆動波形(パルス)において設定されるべき、パルス幅Wpを求める(ステップS23)。

0086

ここで、図12および図13を参照して、このようなパルス幅Wpの設定手法等について、説明する。図12(A)〜図12(C)はそれぞれ、前述した吐出チャネル(吐出チャネルCe)内の共振について説明するための模式図である。また、図13は、本実施の形態の形態に係るパルス幅Wpの調整方法の概要を、模式図で表したものである。なお、この図13において、横軸は時間tを、縦軸は電圧(駆動電圧Vd)を、それぞれ示している。

0087

まず、図12(A)〜図12(C)ではそれぞれ、以下説明するM=0,1,2の場合における、吐出チャネルCe内の共振の状態が、示されている。

0088

ここで、インク9の噴射速度(吐出速度)が最大となるようにすることを考えた場合、吐出チャネルCeにおけるチャネル長L(図12(A)〜図12(C)参照)に対し、駆動信号Sdにおけるパルス幅Wpは、以下の(2)式のように規定される。そして、この(2)式を用いることで、インク9の噴射速度を最大とするためのパルス幅Wp(オンパルスピーク(AP):図13参照)が、上記したインク9中での音速Vs等に基づき、求められることになる。なお、この(2)式で規定されているように、音速Vsの奇数倍を用いた共振の場合に、機械的伝達効率が上がってインク9の噴射速度が極大になると考えられ、特にM=0の場合に、インク9の噴射速度が最大になると考えられる。
AP=(2×L)/{Vs×(2M+1) (M=0,1,2,…) ……(2)

0089

ちなみに、上記したAPとは、吐出チャネルCe内におけるインク9の固有振動周期の1/2の期間(1AP=(インク9の固有振動周期)/2)に対応している。そして、パルス幅WpがこのAPに設定された場合、上記したように、通常の1滴分のインク9を吐出(1滴吐出)させる際に、インク9の噴射速度(吐出効率)が極大(最大)となる。なお、このAPは、例えば、吐出チャネルCeの形状やインク9の物性値(比重等)などによって、規定されるようになっている。

0090

続いて、演算処理部46(およびPLL回路47)は、このようにして求められた、設定されるべきパルス幅Wpに基づいて、サンプリング周波数fsampを設定する(ステップS24)。そして、信号生成部48は、このようにして設定されたサンプリング周波数fsampに応じて、基準駆動波形におけるパルス幅(基準パルス幅Wps)を変化させることによって、パルス幅Wpを設定する(ステップS25)。

0091

ここで、図14(A)〜図14(C)はそれぞれ、本実施の形態に係るパルス幅Wpの調整方法の一例を、タイミング図で表したものである。なお、これらの図14(A)〜図14(C)において、横軸は時間tを、縦軸は電圧(駆動電圧Vd)を、それぞれ示している。

0092

図14(A)〜図14(C)に示したように、本実施の形態では、前述した比較例(図9(A)〜図9(C))とは異なり、サンプリング周波数fsampおよびサンプリング周期Tsamp(=1/fsamp)がそれぞれ、可変となっている。したがって、本実施の形態では上記したように、サンプリング周波数fsampの変化を利用して基準パルス幅Wpsを変化させることで、パルス幅Wpの調整が行われる。

0093

具体的には、例えば図14(A)に示したパルス幅Wp=Wp1を基準とした場合(基準パルス幅Wps=Wp1)、図14(B)に示したパルス幅Wp=Wp2では、以下のようにして、パルス幅Wpの調整が行われている。すなわち、サンプリング周波数fsampの値が、fsamp1からfsamp2へと増加し、それに伴ってサンプリング周期Tsampの値が、Tsamp1からTsamp2へと減少することで、パルス幅Wpの値が、Wp1からWp2へと減少するように調整されている(図14(A),図14(B)参照)。

0094

一方、この場合において、図14(C)に示したパルス幅Wp=Wp3では、以下のようにして、パルス幅Wpの調整が行われている。すなわち、サンプリング周波数fsampの値が、fsamp1からfsamp3へと減少し、それに伴ってサンプリング周期Tsampの値が、Tsamp1からTsamp3へと増加することで、パルス幅Wpの値が、Wp1からWp3へと増加するように調整されている(図14(A),図14(C)参照)。

0095

このようにして本実施の形態では、前述した比較例(サンプリング周期Tsampの単位数を変化させることで、パルス幅Wpを調整する手法)とは異なり、以下のようになっている。すなわち、本実施の形態では、サンプリング周期Tsampの単位数(基準駆動波形)自体は固定しつつ、各サンプリング周期Tsamp(サンプリング周波数fsamp)の大きさを変化させる(基準パルス幅Wpsを変化させる)ことで、パルス幅Wpを調整するようになっている。

0096

ここで、サンプリング周波数fsamp(=f0×N)の大きさは、PLL回路47に入力される基準周波数f0(リファレンスクロックCLKrの周波数:例えば1[kHz]程度)単位で調整可能である。したがって、前述したように、サンプリング周期Tsamp単位の粗い幅でしかパルス幅Wpの調整を行うことができない上記比較例の場合と比べ、本実施の形態では、微細な幅でのパルス幅Wpの調整(微調整)が、実現されることになる。

0097

次に、信号生成部48は、このようにして設定されたパルス幅Wpを有するパルス(駆動波形)を用いて、例えば前述した図7に示したような、駆動信号Sdを生成する(ステップS26)。そして、信号生成部48は、このような駆動信号Sdをアクチュエータプレート42に印加して、ノズル孔Hnからインク9を噴射させる(ステップS27)。このようにして、前述したインク9の噴射動作が行われる。

0098

以上で、図11に示した一連の処理(駆動信号Sdの生成処理等)が終了となる。

0099

(C−3.作用・効果)
このようにして、本実施の形態のインクジェットヘッド4では、前述した所定の演算処理に基づいてサンプリング周波数fsampが設定され、その設定されたサンプリング周波数fsampに応じて基準パルス幅Wpsを変化させることで、駆動信号Sdにおける駆動波形のパルス幅Wpが設定される。そして、設定されたパルス幅Wpを有する駆動波形(パルス)を用いて駆動信号Sdが生成され、生成された駆動信号Sdがアクチュエータプレート42に対して印加されることで、ノズルプレート41におけるノズル孔Hnから、インク9が噴射される。すなわち、サンプリング周波数fsampの設定に応じてパルス幅Wpが変化することを利用して、インクジェットヘッド4内で駆動信号Sdが自動生成され、その自動生成された駆動信号Sdを用いて、インク9の噴射動作が行われる。

0100

このようにして本実施の形態では、前述した比較例等の場合とは異なり、以下のようになる。すなわち、駆動信号Sdにおける駆動波形(上記した基準駆動波形等)の設定のために、ノズル孔Hnからのインク9の噴射観測等を、事前に人手で行っておく必要がなくなる。

0101

また、本実施の形態では、比較例等のようにサンプリング周波数fsampが固定である場合(図9(A)〜図9(C)参照)とは異なり、以下のようになる。すなわち、基準駆動波形を用いた駆動信号Sdの生成の際に、駆動信号Sdにおけるパルス幅Wpを変更する度に、駆動波形に関する情報(比較例における波形情報記憶部108の情報など:図8参照)の書き換えを行う必要がなくなる。

0102

これらのことから、本実施の形態では、膨大な時間や手間、印刷のデッドタイムが不要となり、その時々での駆動条件に適した駆動波形(駆動信号Sd)が、インクジェットヘッド4内において随時自動生成されるようになる。

0103

以上のことから本実施の形態では、上記した比較例等と比べ、ユーザ(エンドユーザ等)における利便性を、向上させることが可能となる。また、例えば、上記したインク9の噴射観測等の際に別途必要となる、測定設備投資固定費を、大幅に低減することも可能となる。更に、インク9についての選択の自由度を大幅に向上させることができ、ユーザにおけるプリンタ1を使用する際の自由度も、向上させることが可能となる。加えて、駆動波形に関する情報の書き換えが不要となることから、制御が簡単となり、駆動波形の切り替えを迅速に行うことが可能となる。

0104

また、本実施の形態では、インク9中での音速Vsに基づいて、駆動波形(パルス)において設定されるべきパルス幅Wpが求められ、その設定されるべきパルス幅Wpに基づいてサンプリング周波数fsampが設定されることから、以下のようになる。すなわち、駆動条件に対して、より適切に設定された駆動波形が生成されるようになる結果、インク9の吐出安定性を向上させることが可能となる。

0105

更に、本実施の形態では、インク9の温度Tiとインク9中での音速Vsとの対応関係を規定したテーブルTBを利用して、インク9中での音速Vsが求められることから、駆動条件に対してより適切に設定された駆動波形が、容易かつ迅速に生成されるようになる。よって、ユーザにおける利便性を、更に向上させることが可能となる。

0106

加えて、本実施の形態では、温度調節機構43を用いてインク9の温度調節を行いながら、音速測定部44を用いてインク9中での音速Vsを測定することで、テーブルTBを生成するようにしたので、以下のようになる。すなわち、そのようにして自動生成されたテーブルTBを利用して、駆動信号Sdの駆動波形(パルス)が設定されることで、駆動条件の変化に即座に対応した駆動信号Sdを、容易に自動生成することができる。よって、ユーザにおける利便性を、より一層向上させることが可能となる。

0107

また、本実施の形態では、音速測定部44および温度調節機構43がそれぞれ、インクジェットヘッド4内に設けられているため、以下のようになる。すなわち、このインクジェットヘッド4単体でテーブルTBの自動生成ができるようになると共に、インク9の吐出環境(アクチュエータプレート42およびノズルプレート41)に近い場所において、テーブルTBが生成されることになる。したがって、そのインク9に適合した駆動信号Sdを、インクジェットヘッド4内で容易に生成することができ、ユーザにおける利便性を、更に一層向上させることが可能となる。

0108

更に、本実施の形態では、インクタンク3とインクジェットヘッド4との間でインク9を循環させて利用する、循環式のインクジェットヘッド4を用いるようにしたので、以下のようになる。すなわち、インク9を循環させながらインク9の温度Tiを上昇または下降させた状態で、インク9中での音速Vsの測定を行うことができるため、インク9の廃棄による無駄が生じず、インク9の有効利用を図ることが可能となる。

0109

<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1,2)について説明する。なお、上記実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。

0110

[変形例1]
図15は、変形例1に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1aの概略構成例を、ブロック図で表したものである。この変形例1のプリンタ1aは、実施の形態のプリンタ1において、インクジェットヘッド4の代わりに以下説明するインクジェットヘッド4aを設けたものに対応している。

0111

なお、プリンタ1aは、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応している。また、インクジェットヘッド4aは、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。

0112

この変形例1のインクジェットヘッド4aでは、図15に示したように、実施の形態のインクジェットヘッド4(図3参照)において、温度調節機構43および音速測定部44をそれぞれ、インクジェットヘッド4aの外部に設けるようにしたものに対応している。すなわち、これらの温度調節機構43および音速測定部44はいずれも、プリンタ1a内におけるインクジェットヘッド4aの外部に配置されている。したがって、この変形例1のインクジェットヘッド4aには、ノズルプレート41、アクチュエータプレート42、温度検出部45、演算処理部46、PLL回路47、周波数固定発振器40、信号生成部48および駆動部49が、設けられていることになる(図15参照)。

0113

このような構成の変形例1においても、基本的には実施の形態と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。

0114

また、特にこの変形例1では、温度調節機構43および音速測定部44をインクジェットヘッド4aの外部に設けるようにしたので、実施の形態のインクジェットヘッド4と比べ、インクジェットヘッド4aの構成を簡易なものとすることが可能となる。

0115

[変形例2]
図16は、変形例2に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1bの概略構成例を、ブロック図で表したものである。この変形例2のプリンタ1bは、実施の形態のプリンタ1において、インクジェットヘッド4の代わりに以下説明するインクジェットヘッド4bを設けたものに対応している。

0116

なお、このプリンタ1bは、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応している。

0117

この変形例2のインクジェットヘッド4bは、実施の形態のインクジェットヘッド4(図3参照)において、以下のようにしたものに対応している。すなわち、図16に示したように、温度調節機構43および音速測定部44に加え、演算処理部46、PLL回路47、周波数固定発振器40および信号生成部48もが、インクジェットヘッド4bの外部に設けられている。つまり、これらの温度調節機構43、音速測定部44、演算処理部46、PLL回路47、周波数固定発振器40および信号生成部48はいずれも、プリンタ1b内におけるインクジェットヘッド4bの外部に配置されている。したがって、この変形例2のインクジェットヘッド4bには、ノズルプレート41、アクチュエータプレート42、温度検出部45および駆動部49のみが設けられている(図16参照)。

0118

このような構成の変形例2においても、プリンタ1b全体としては、これまでに説明したプリンタ1やプリンタ1aと同様の構成となっていることから、実施の形態や変形例1と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。

0119

また、特にこの変形例2では、温度調節機構43および音速測定部44に加え、演算処理部46、PLL回路47、周波数固定発振器40および信号生成部48もがそれぞれ、インクジェットヘッド4bの外部に設けるようにしたので、例えば以下のような効果を得ることも可能となる。すなわち、例えば既存の構成のインクジェットヘッド4bを用いる場合であっても、プリンタ1b内に、温度調節機構43、音速測定部44、演算処理部46、PLL回路47、周波数固定発振器40および信号生成部48を配置することで、これまでに説明したような駆動信号Sdの生成処理等を実現することが可能となる。

0120

<3.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。

0121

例えば、上記実施の形態等では、プリンタおよびインクジェットヘッドにおける各部材の構成例(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。具体的には、上記実施の形態等では、インクジェットヘッドが移動するシャトルタイプのプリンタを例に挙げて説明したが、この例には限られず、例えば、インクジェットヘッドが固定されたシングルパスタイプのプリンタであってもよい。また、上記実施の形態等では、インクタンクが所定の筺体内に収容されている場合を例に挙げて説明したが、この例には限られず、インクタンクが筺体の外部に配置されているようにしてもよい。更に、演算処理部46、PLL回路47、固定周波数発振器40および信号生成部48のうち、少なくとも1つがプリンタ内(インクジェットヘッドの外部)に配置されると共に、残りがインクジェットヘッド内に配置されるようにしてもよい。

0122

また、インクジェットヘッドの構造としては、各タイプのものを適用することが可能である。すなわち、例えば、アクチュエータプレートにおける各吐出チャネルの延在方向の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドであってもよい。あるいは、例えば、各吐出チャネルの延在方向に沿ってインク9を吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドであってもよい。更には、プリンタの方式としても、上記実施の形態等で説明した方式には限られず、例えば、サーマル式(サーマル方式オンデマンド型)やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式など、各種の方式を適用することが可能である。

0123

更に、上記実施の形態等では、インクタンクとインクジェットヘッドとの間でインク9を循環させて利用する、循環式のインクジェットヘッドを例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、インク9を循環させずに利用する、非循環式のインクジェットヘッドにおいても、本開示を適用することが可能である。

0124

加えて、上記実施の形態等では、信号生成部48等による駆動信号Sdの生成処理等の例を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態等で挙げた例には限られず、他の手法を用いて、駆動信号Sdの生成処理等を行うようにしてもよい。具体的には、例えば上記実施の形態等では、駆動波形(パルス)におけるパルス幅Wpを設定(自動調整)したうえで、駆動信号Sdを生成する場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、駆動波形におけるパルス幅Wpおよび電圧値(波高値)Vpの双方を設定したうえで、駆動信号Sdを生成するようにしてもよい。

0125

また、上記実施の形態等では、各吐出チャネル内の容積を膨張させるパルス(パルスPa,Pb,Pc)が、ハイ(High)状態の期間において膨張させるパルス(ポジティブパルス)である場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、ハイ状態の期間において膨張させると共にロウ(Low)状態の期間において収縮させるパルスの場合だけでなく、逆に、ロウ状態の期間において膨張させると共にハイ状態の期間において収縮させるパルス(ネガティブパルス)としてもよい。

0126

更に、例えば、ON期間の直後のOFF期間中に、液滴の吐出を補助するためのパルスを、付加的に印加するようにしてもよい。この液滴の吐出を補助するためのパルスとしては、例えば、各吐出チャネル内の容積を収縮させるためのパルスや、吐出した液滴の一部を引き戻すためのパルス(補助パルス)などが挙げられる。また、後者の補助パルスの直前に印加されるパルス(メインパルス)は、例えば、オンパルスピーク(AP)の幅以下のパルス幅を有している。なお、このような液滴の吐出を補助するためのパルスを付加したとしても、これまでに説明してきた本開示の内容(駆動方法等)には、影響を及ぼさない。

0127

また、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェアプログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワーク記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。

0128

更に、上記実施の形態等では、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例として、プリンタ1(インクジェットプリンタ)を挙げて説明したが、この例には限られず、インクジェットプリンタ以外の他の装置にも、本開示を適用することが可能である。換言すると、本開示の「液体噴射ヘッド」(インクジェットヘッド)を、インクジェットプリンタ以外の他の装置に適用するようにしてもよい。具体的には、例えば、ファクシミリオンデマンド印刷機などの装置に、本開示の「液体噴射ヘッド」を適用するようにしてもよい。

0129

加えて、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。

0130

なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。

0131

また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、
前記噴射部に対して、1または複数の駆動波形を有する駆動信号を印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる駆動部と、
所定の演算処理を行う演算処理部と、
前記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する信号生成部と
を備え、
前記演算処理部は、前記演算処理に基づいて、前記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定し、
前記信号生成部は、
前記演算処理部において設定された前記サンプリング周波数に応じて、前記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、前記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、
設定した前記パルス幅を有する前記駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する
液体噴射ヘッド。
(2)
前記演算処理部は、前記演算処理として、
前記液体中での音速に基づいて、前記駆動波形において設定されるべきパルス幅を求めると共に、前記設定されるべきパルス幅に基づいて、前記サンプリング周波数を設定する
上記(1)に記載の液体噴射ヘッド。
(3)
前記演算処理部は、前記液体の温度と前記液体中での音速との対応関係を規定したテーブルを利用して、前記液体中での音速を求める
上記(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(4)
前記液体中での音速を測定する音速測定部と、前記液体の温度を調節する温度調節機構とを用いて、前記テーブルが生成される
上記(3)に記載の液体噴射ヘッド。
(5)
前記音速測定部と前記温度調節機構とを、更に備えた
上記(4)に記載の液体噴射ヘッド。
(6)
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
(7)
液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部に対して印加される、1または複数の駆動波形を有する駆動信号を生成するシステムであって、
所定の演算処理を行う演算処理部と、
前記駆動波形の基準となる基準駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する信号生成部と
を備え、
前記演算処理部は、前記演算処理に基づいて、前記駆動信号を生成する際のサンプリング周波数を設定し、
前記信号生成部は、
前記演算処理部において設定された前記サンプリング周波数に応じて、前記基準駆動波形におけるパルス幅を変化させることによって、前記駆動波形におけるパルス幅を設定すると共に、
設定した前記パルス幅を有する前記駆動波形を用いて、前記駆動信号を生成する
駆動信号生成システム。

0132

1,1a,1b…プリンタ、10…筺体、2a,2b…搬送機構、21…グリッドローラ、22…ピンチローラ、3(3Y,3M,3C,3K)…インクタンク、4(4Y,4M,4C,4K),4a,4b…インクジェットヘッド、40…周波数固定発振器、41…ノズルプレート、42…アクチュエータプレート、43…温度調節機構、44…音速測定部、440…流路、441a…音波発信器、441b…音波受信器、442,45…温度検出部、46…演算処理部、47…PLL回路、470…分周器(プログラマブル・デバイダ)、471…位相比較器、472…ループフィルタ、473…電圧制御発振器、48…信号生成部、49…駆動部、5…循環機構、50…循環流路、50a…インク供給管、50b…インク排出管、52a…加圧ポンプ、52b…吸引ポンプ、6…走査機構、61a,61b…ガイドレール、62…キャリッジ、63…駆動機構、631a,631b…プーリ、632…無端ベルト、633…駆動モータ、9…インク、P…記録紙、d…搬送方向、Hn…ノズル孔、Ce…吐出チャネル、Sd…駆動信号、Vd…駆動電圧、Tpzt…アクチュエータ温度、Ti…温度、Tmin…下限温度、Tmax…上限温度、ΔT…温度範囲、Wp(Wp1,Wp2,Wp3)…パルス幅、Wps…基準パルス幅、Vp…電圧値(波高値)、Vs…音速、Pa,Pb,Pc…パルス、Sac,Sacin,Sacout…音響信号、f0…基準周波数、fsamp(fsamp1,fsamp2,fsamp3)…サンプリング周波数、Tsamp(Tsamp1,Tsamp2,Tsamp3)…サンプリング周期、CLKr…リファレンスクロック、N…分周比(逓倍数)、Δd…距離、L…チャネル長、TB…テーブル、t…時間、t1,t2…タイミング、Δt…伝搬時間。

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