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技術 銅管とアルミニウム管の接合体およびその接合方法

出願人 奥村金属株式会社
発明者 芝栄一
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172096
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-044538
状態 未査定
技術分野 圧接、拡散接合 固着及びねじ継手
主要キーワード 材料寸法 パイプ肉厚 共晶点付近 挿入条件 異種金属管 二元状態図 アルミニウム合金管 漏れ箇所
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (5)

課題

製造性が優れ、信頼性の高い、銅管アルミニウム管接合体およびその接合方法を提供する。

解決手段

接合体1は、銅管5とアルミニウム管3との接合体である。アルミニウム管3と接合される銅管5の端部には、先端に行くにつれて縮径するテーパー部7が設けられる。銅管5のテーパー部7は、アルミニウム管3に挿入され、アルミニウム管3の内面と銅管5のテーパー部7の外面とが接触する。接合体1の長手方向の断面視において、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面は、接合体1の長手方向に対して斜めに接する。また、アルミニウム管3の外面は、接合体1の長手方向に対して略平行に形成される。また、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面には全周に亘り共晶層9が形成されている。すなわち、アルミニウム管3と銅管5とは、共晶層9を介して接合されている。

概要

背景

従来、空調機器配管材料として銅管が使用されてきたが、近年、材料コストの低減、或いは軽量化の観点から、銅管の代わりにアルミニウム管の使用が増えてきた。特に熱交換器アルミニウム化は広く行われている。このように、銅管とアルミニウム管とが混在する状況では、銅管とアルミニウム管とを接続する必要がある。

銅管とアルミニウム管の接続方法には幾つかの方法があるが、現在量産で広く使われている方法の一つとして共晶接合がある(例えば、非特許文献1)。共晶接合は拡散接合一種であるが、一時的に接合面が液化する点に特徴がある。アルミニウム管の中に先端を縮管加工した銅管を嵌め込み、銅管を強く押し込みながら加熱して接合する方法である。

銅とアルミニウム二元状態図では共晶点(548℃)が存在するので、銅管とアルミニウム管を接触させて加熱すると、拡散により接触面において相互の原子の混合が生じ、温度が共晶点に達すると接触面付近溶融する。共晶接合はこれを利用して銅管とアルミニウム管を短時間で接合する方法である(非特許文献2)。

概要

製造性が優れ、信頼性の高い、銅管とアルミニウム管の接合体およびその接合方法を提供する。 接合体1は、銅管5とアルミニウム管3との接合体である。アルミニウム管3と接合される銅管5の端部には、先端に行くにつれて縮径するテーパー部7が設けられる。銅管5のテーパー部7は、アルミニウム管3に挿入され、アルミニウム管3の内面と銅管5のテーパー部7の外面とが接触する。接合体1の長手方向の断面視において、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面は、接合体1の長手方向に対して斜めに接する。また、アルミニウム管3の外面は、接合体1の長手方向に対して略平行に形成される。また、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面には全周に亘り共晶層9が形成されている。すなわち、アルミニウム管3と銅管5とは、共晶層9を介して接合されている。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、製造性が優れ、信頼性の高い、銅管とアルミニウム管の接合体およびその接合方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

銅管アルミニウム管からなる接合体であって、接合体の長手方向の断面視において、前記アルミニウム管の内面と前記銅管の外面は、長手方向に対して斜めに接し、前記アルミニウム管の外面は、長手方向に対して略平行であり、前記アルミニウム管の内面と前記銅管の外面には共晶層が形成されていることを特徴とする銅管とアルミニウム管の接合体。

請求項2

前記アルミニウム管と接合される前記銅管の端部には、先端に行くにつれて縮径するテーパー部が設けられ、前記アルミニウム管の内面と前記銅管の前記テーパー部の外面とが接触していることを特徴とする請求項1記載の銅管とアルミニウム管の接合体。

請求項3

接合体の長手方向に垂直な断面において、前記銅管の素管部分の断面積が、前記アルミニウム管の素管部分の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅管とアルミニウム管の接合体。

請求項4

接合体の長手方向に垂直な断面において、前記アルミニウム管の素管部分の断面積に対する前記銅管の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であることを特徴とする請求項3記載の銅管とアルミニウム管の接合体。

請求項5

銅管とアルミニウム管の接合方法であって、前記銅管は、一方の端部に、先端に行くにつれて縮径するテーパー部を有し、前記銅管のテーパー部を前記アルミニウム管の端部に挿入して前記銅管と前記アルミニウム管に直接通電して加熱し、前記銅管の外面と前記アルミニウム管の内面の接合部に共晶層を形成して接合することを特徴とする銅管とアルミニウム管の接合方法。

請求項6

長手方向に垂直な断面において、前記アルミニウム管の素管部分の断面積に対する前記銅管の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であることを特徴とする請求項5記載の銅管とアルミニウム管の接合方法。

技術分野

0001

本発明は、銅管アルミニウム管とを接合した接合体およびその接合方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、空調機器配管材料として銅管が使用されてきたが、近年、材料コストの低減、或いは軽量化の観点から、銅管の代わりにアルミニウム管の使用が増えてきた。特に熱交換器アルミニウム化は広く行われている。このように、銅管とアルミニウム管とが混在する状況では、銅管とアルミニウム管とを接続する必要がある。

0003

銅管とアルミニウム管の接続方法には幾つかの方法があるが、現在量産で広く使われている方法の一つとして共晶接合がある(例えば、非特許文献1)。共晶接合は拡散接合一種であるが、一時的に接合面が液化する点に特徴がある。アルミニウム管の中に先端を縮管加工した銅管を嵌め込み、銅管を強く押し込みながら加熱して接合する方法である。

0004

銅とアルミニウム二元状態図では共晶点(548℃)が存在するので、銅管とアルミニウム管を接触させて加熱すると、拡散により接触面において相互の原子の混合が生じ、温度が共晶点に達すると接触面付近溶融する。共晶接合はこれを利用して銅管とアルミニウム管を短時間で接合する方法である(非特許文献2)。

0005

浅野 祐一郎 「異種金属管の接合」軽金属溶接Vol.42(2004),No.9,pp429-434
里 達雄、岡 山治、神尾 彰彦「Al−Cu系合金」軽金属 Vol.38(1988),No.9,pp558-578

先行技術

0006

特開平11−33747号公報
特開2011−140049号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、従来の共晶接合技術としては、主に、銅管の先端のテーパー形状アルミニウム合金管への銅管の挿入条件加熱条件などを最適化することで、より高い接合品質を得ることが検討されてきた。

0008

例えば、特許文献1には、先端をテーパー状に加工した銅管を加熱してアルミニウム管に特定のスピード圧入する共晶接合方法について詳しく開示されている。特許文献1では、アルミニウム管の内径よりも、外径が僅かに大きな銅管が用いられる。銅管の先端はテーパー角度1度〜8度で加工され、この銅管を、高周波加熱コイルを用いて、銅−アルミニウムの共晶点(548℃)以上であって、アルミニウム管の融点以下の温度に加熱する。この状態で、10mm/秒以上の速度で銅管をアルミニウム管に圧入し、その後に圧縮空気を流して冷却することで、両者が接合される。

0009

例えば、特許文献1の実施例では、実際の具体的な接合例として、外径8φ、肉厚0.6mmの脱酸銅管と、同じく外径8φ、肉厚0.6mmのアルミニウム管(99.3%Al)が用いられる。銅管を10秒間加熱して銅管温度を750℃とし、その後加熱速度を下げて銅管温度を560℃にしてから、銅管をアルミニウム管に50mm/秒で圧入し、その後に圧縮空気で冷却することで、両者が接合される。しかし、このような方法では、初期加熱だけで10秒を要し、生産性の点でこの方法をそのまま量産に適用することはできない。

0010

これに対し、特許文献2では、量産に使える方法として、抵抗溶接の様に電極を経由して銅素材アルミニウム素材電流を流すことで急速に加熱を行う方法が提案されている。又、共晶接合の品質を上げるために、2次加圧を印加することが提案されている。銅素材とアルミニウム素材が押し付け合っている界面で共晶反応が生じると、界面に液相が生ずる結果、押し付け面での変位が可能となるので、これを検出してそのタイミングで2次加圧を行うものである。

0011

しかし、特許文献1、2の方法は、いずれも、接合時にアルミニウム管の接続部が膨らみ、外径が大きい。ここで、高品質の共晶接合を得る為に重要な因子の一つは、銅管とアルミニウム管の接触圧力が高い事である。銅管の挿入によりアルミニウム管の接続部が膨らむと、銅管とアルミニウム管の接触面に生ずる圧力が低下するので、接合層の品質が低下し接合強度の低下等が生ずる恐れがある。また、アルミニウム管が膨らむ場合には、接合部に於けるパイプ偏芯等の形状異常により、接合部の強度の低下や外観異常等の問題が生ずる恐れがある。よってアルミニウム管が一見して膨らんでいる接合部は望ましくない。

0012

また、特許文献1、2はいずれも、銅管形状や接合時の条件についての細かな数値は示されているが、例えば設計変更材料寸法変動等でパイプ肉厚が変わった場合に、提案された方法および条件で共晶接合が可能かどうかという様な、実際の生産を行う時には必ず直面する状況に関する内容は考慮されていない。

0013

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、製造性が優れ、信頼性の高い、銅管とアルミニウム管の接合体およびその接合方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

前述した目的を達するために第1の発明は、銅管とアルミニウム管からなる接合体であって、接合体の長手方向の断面視において、前記アルミニウム管の内面と前記銅管の外面は、長手方向に対して斜めに接し、前記アルミニウム管の外面は、長手方向に対して略平行であり、前記アルミニウム管の内面と前記銅管の外面には共晶層が形成されていることを特徴とする銅管とアルミニウム管の接合体である。

0015

前記アルミニウム管と接合される前記銅管の端部には、先端に行くにつれて縮径するテーパー部が設けられ、前記アルミニウム管の内面と前記銅管の前記テーパー部の外面とが接触していることが望ましい。

0016

接合体の長手方向に垂直な断面において、前記銅管の素管部分の断面積が、前記アルミニウム管の素管部分の断面積よりも小さいことが望ましい。

0017

接合体の長手方向に垂直な断面において、前記アルミニウム管の素管部分の断面積に対する前記銅管の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であることが望ましい。

0018

第1の発明によれば、銅管の外面とアルミニウム管の内面との接触部が、長手方向に対して斜めに接合されるが、アルミニウム管の外面が略直線状となるため、銅管とアルミニウム管の外径が大きくならない。このため、銅管とアルミニウム管の接触面に生ずる圧力を高くすることが出来、また接合部のパイプの偏芯等の形状異常が生じにくいので、高品質の接合部を得ることができる。

0019

また、アルミニウム管と接合される銅管の端部に、先端に行くにつれて縮径するテーパー部を設けることで、容易にアルミニウム管に挿入することができ、接合が容易である。

0020

また、接合体の長手方向に垂直な断面において、銅管の素管部分の断面積をアルミニウム管の素管部分の断面積よりも小さくすることで、同じ条件で同時に加熱を行った際に、接合部における銅管とアルミニウム管の温度差を小さくして、より高い品質で接合を行うことができる。

0021

特に、アルミニウム管の素管部分の断面積に対する銅管の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であれば、より確実に、高い品質で接合を行うことができる。例えば、断面積を考慮せずに加熱を行うと、銅管の温度がアルミニウム管の温度よりも上がりにくいため、十分に共晶温度まで加熱されずに接合不良となるおそれがある。また、銅管を十分に加熱すると、アルミニウム管の温度が上がり過ぎて、部分溶融等の問題がある。これに対し、断面積を適切に設定することで、両者の温度を略同等にすることができ、高い品質で接合を行うことができる。

0022

第2の発明は、銅管とアルミニウム管の接合方法であって、前記銅管は、一方の端部に、先端に行くにつれて縮径するテーパー部を有し、前記銅管のテーパー部を前記アルミニウム管の端部に挿入して前記銅管と前記アルミニウム管に直接通電して加熱し、前記銅管の外面と前記アルミニウム管の内面の接合部に共晶層を形成して接合することを特徴とする銅管とアルミニウム管の接合方法である。

0023

長手方向に垂直な断面において、前記アルミニウム管の素管部分の断面積に対する前記銅管の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であることが望ましい。

0024

第2の発明によれば、銅管とアルミニウム管に直接通電することで、短時間に両者を加熱して接合することができる。

0025

この際、アルミニウム管の素管部分の断面積に対する銅管の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であれば、前述したように、高い品質で銅管とアルミニウム管との接合を行うことができる。

発明の効果

0026

本発明によれば、製造性が優れ、信頼性の高い、銅管とアルミニウム管の接合体およびその接合方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

(a)は接合体1を示す図、(b)は(a)のA部拡大図。
(a)、(b)は、接合体1の製造工程を示す図。
(a)、(b)は、接合体1の曲げ試験方法を示す図。
接合体1の水圧気密試験方法を示す図。

0028

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、接合体1の長手方向の断面図であり、図1(b)は、図1(a)のA部拡大図である。接合体1は、銅管5とアルミニウム管3との接合体である。なお、銅管5は、銅製または銅合金製管体であり、アルミニウム管3は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の管体である。

0029

アルミニウム管3と接合される銅管5の端部には、先端に行くにつれて縮径するテーパー部7が設けられる。銅管5のテーパー部7は、アルミニウム管3に挿入され、アルミニウム管3の内面と銅管5のテーパー部7の外面とが接触する。

0030

接合体1の長手方向の断面視において、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面は、接合体1の長手方向(図1(a)の線B)に対して斜めに接する。また、アルミニウム管3の外面は、接合体1の長手方向(図1(a)の線B)に対して略平行に形成される。なお、アルミニウム管3の外面が長手方向に対して略平行とは、アルミニウム管3の外径に対して接合部の外径増が5%以下とする。

0031

また、図1(b)に示すように、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面には全周に亘り共晶層9が形成されている。すなわち、アルミニウム管3と銅管5とは、共晶層9を介して接合されている。

0032

次に、銅管5とアルミニウム管3の接合方法について説明する。まず、図2(a)に示すように、アルミニウム管3と銅管5とを対向させる。なお、アルミニウム管3は、図示を省略した電極上に配置される。例えば、アルミニウム管3の外径に対応した溝を有する一対の電極でアルミニウム管3を挟み込むことで、アルミニウム管3を外面から拘束することができる。

0033

なお、前述したように、銅管5は、アルミニウム管3と対向する一方の端部に、先端に行くにつれて縮径するテーパー部7を有する。ここで、テーパー部7のテーパー角度(図中θ)は、3度〜9度であることが望ましい。

0034

銅管5のテーパー部7を、電極で保持されたアルミニウム管3の端部に挿入して、銅管5とアルミニウム管3に電源11を接続して直接通電することで加熱する。電源11は、例えば、数千Aの大電流を約1秒程度流す事で、銅管5とアルミニウム管3の温度を共晶点付近まで急激に上げることができる。この結果、銅管5の外面とアルミニウム管3の内面の接合部に共晶層9を形成して接合することができる。この際、アルミニウム管3は、外面から拘束されているため、拡径されない。

0035

ここで、本実施形態では、接合体1の長手方向に垂直な断面において、銅管5の素管部分の断面積が、アルミニウム管3の素管部分の断面積よりも小さいことが望ましい。

0036

このように、銅管5とアルミニウム管3の断面積を異なるようにするのは、以下の理由による。共晶接合では、銅管5とアルミニウム管3の接触部の温度が共晶点以上になって反応を起こす。発明者は、銅管5とアルミニウム管3の共晶接合においては、双方の材料温度は非常に重要であることに注目し、共晶接合時の材料温度を適切に設定することが、より高い品質の接合部を得る上で重要であることを見出した。

0037

ここで、銅管5とアルミニウム管3を同時に同じ条件で加熱すると、銅管5とアルミニウム管3の温度は、両者の熱容量により変わってくる。すなわち、熱容量が大きければ温度は上がり難いし、熱容量が小さければ温度は上がり易い。

0038

また、銅管5とアルミニウム管3の先端を接触させて直列回路とし、電流を流した際において、主な発熱源はパイプに生ずるジュール熱である。単位長当たりのジュール熱の大きさは、材料の抵抗率により決まる。また、この熱によりどの程度温度が変化するかは材料の比熱により決まる。この様な物性値は材料に固有なものであるが、断面積が変わると単位長当たりの熱容量や発熱量は変わるので、2つのパイプの間で断面積の調整により物性値により生じる温度差を補償することができる。すなわち、発明者は、銅管5とアルミニウム管3の断面積は調節可能であるため、銅管5とアルミニウム管3の断面積を適切に設定することで、両者を適切な温度とすることができることを見出した。

0039

例えば、断面積が1%増加すると、管体の単位長当たりの熱容量は1%増加するが、管体の単位長当たりの抵抗値が1%減少する結果、発熱量が1%減少するので、管体の単位長当たりの温度上昇は約2%減少する。このようにして熱的なモデル仮定して温度を計算した結果、銅管5の断面積を、アルミニウム管3の断面積よりも所定量小さくすることで、銅管5とアルミニウム管3の物性値による温度差を補償することができることが知見された。

0040

すなわち、銅管5とアルミニウム管3の断面積比を適切に設定することで、零度〜共晶点(約550℃)を超えて約600℃までの温度範囲で、両者の温度上昇率をほぼ同じにできるので、銅管5とアルミニウム管3を同じ温度から同時に加熱した際に、両者の温度は同じ時刻に同じ温度に到達する。このように、銅管5とアルミニウム管3の接合を行う際には、両者の断面積比を適切に設定することで両者の温度を同時に共晶点まで加熱する事ができ、これにより共晶接合品質を改善することができる。

0041

発明者は、さらに適切な断面積比について検証を行ったところ、特に望ましいのは、長手方向に垂直な断面において、アルミニウム管3の素管部分の断面積に対する銅管5の素管部分の断面積比が0.53〜0.85であることを見出した。

0042

なお、断面積の測定方法としては、端末加工されておらず端末加工の影響を受けていない素管部分の外径と肉厚を、長手方向に対して直交する2方向で測定して、直径と肉厚の測定値平均値から断面積を計算する。

0043

また、銅管5の素管部分の断面積とは、図2(a)に示すように、テーパー部7の長さをLとした際に、銅管5の端部から3Lの位置における銅管5の断面積とする。同様に、アルミニウム管3の素管部分の断面積とは、アルミニウム管3の端部から3Lの位置におけるアルミニウム管3の断面積とする。

0044

なお、実際には、共晶接合において考慮されるべき各管体の断面積は、両者の接合部であるため、銅管5の断面積は、テーパー部7の断面積となる。テーパー部7においては、断面積が部位により異なるため、銅管5の断面積の正確な計算は複雑である。しかし、テーパー角度が3度〜9度程度であれば、素管部で測定した断面積を用いても、大きな差は出ない。このため、本実施形態では、簡単のため、素管部において測定された断面積によって、望ましい断面積比の範囲を特定することとする。

0045

このようにすることで、より確実に、アルミニウム管3の内面と銅管5の外面の全周に亘って品質の良い共晶層9を形成することができる。ここで、接合体1の軸方向に垂直な一断面で完全に環状に共晶層9が形成されていなくてもよい。例えば、共晶層9は、管軸方向に曲がりながら形成されてもよい。すなわち、共晶層9は、テーパー面上の周方向と軸方向にうねる3次元的な閉曲線となってもよい。

0046

なお、接合体1が例えばエアコン配管として使用される場合には、エアコンの運転時に配管内部に加わる圧力は通常は最大4.2MPa程度である。接合部に共晶層9が有効に存在すれば、このような圧力に対する耐圧性能は十分に確保することができる。一方、共晶層9が十分に形成されていないなど、接合部に不良部が存在すると、上記の耐圧性能を得ることができない。

0047

また、SEM等を用いて画像の分析や、接合面厚さ方向の組成変化線分析等を行う事で、漏れ箇所での共晶層9の存在を調べることもできる。なお、経験では、共晶層9の領域内において、成分分析の結果、銅が30%〜60%の範囲(銅側の銅濃度が高く、傾向として銅側からアルミ側に銅濃度が徐々に減少する)となる。共晶層9の領域を外れると、銅濃度またはアルミニウム濃度が急激に変化するため、共晶層9の有無を判定することもできる。

0048

以上のように、本実施形態では、銅管5とアルミニウム管3の断面積比を適切に設定することで、両者を効率よく加熱し、共晶接合を行うことができる。

0049

また、銅管5とアルミニウム管3の一方が過熱されることを抑制することができるため、接合時における銅管5の変形やアルミニウム管3の溶断などを抑制することができ、高い接合強度を得ることができる。

0050

空調配管として一般的な外径9.52φの銅管とアルミニウム管を用いて共晶接合を行い、断面積比の違いに対する接合品質の違いを評価した。銅管の肉厚は0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.8mm、1.0mmとし、アルミニウム管の肉厚は1.0mm、1.2mmとした。銅管とアルミニウム管の組合せを表1に示す。

0051

0052

表1に示すように、No.1〜No.5はアルミニウム管の肉厚を同じ1mmとして、銅管の肉厚を0.4mm〜1mmまで変化させた場合である。No.5、No.6は銅管の肉厚を1mmとしてアルミニウム管の肉厚を1.0mm、1.2mmと変化させた場合である。表1の組み合わせに対して共晶接合を行った結果を表2に示す。

0053

0054

共晶接合品質は、水圧気密試験剥離試験、および外観で評価した。水圧気密試験は、前述したエアコンの配管の耐圧性能を考慮して実施したもので、まず、図3(a)に示すように、接合体1を固定治具13に鉛直に固定し、図3(b)に示すように、鉛直方向から左右にθ1=5度ずつ曲げて鉛直に戻して1往復とし、これを3往復反復した。

0055

その後、図4に示すように、接合体1の一端を封止部15で封止し、他端にポンプ17を接続して、ポンプ17によって水槽19から4.2MPaの水圧を接合体1に印加して、漏れ調査した。漏れが無ければ接合体1を固定治具13に戻して、曲げ角度を10度にして、同じく3往復の曲げ負荷を加えた後に、同様の水圧での気密試験を行った。表2においては、漏れが見られなかったものを○として、漏れが見られたものを×とした。

0056

剥離試験は接合体のアルミニウム管を、工具を用いて銅管より剥離して銅管接合面に残留したアルミニウム管の剥離痕の軸方向長さを測定して評価した。接合が弱い場合には、アルミニウム管が銅管との界面から全体として一度に剥がれてしまい、アルミニウムの残留が見られなかった。一方、接合が強固な場合は、アルミニウム管が銅管から剥がす事ができず、無理に剥がそうとすると、アルミニウム管が切れて残留する。このような場合は残留したアルミニウム管の長さを剥離痕の長さに含めた。以上の様にして剥離試験で銅管に対してアルミニウム管の剥離痕の長さを測定して、接合強度を評価した。

0057

なお、剥離痕の長さは銅管周方向で多少変動するので、全周を見て最も短い剥離痕の長さをその接合体の接合長と定義した。同じ条件でn=3の試験を行い、剥離痕の長さの平均により各条件の評価を行った。接合長の平均値が0のものを×とし、剥離痕が見られたが接合長の平均が5mm未満のものを△とし、接合長の平均が5mm以上のものを○とした。

0058

また、外観は、共晶接合直後に接合部付近について、アルミニウム管の溶融や傷、穴、破断、銅管の膨張、変形等を目視で調査した。表2においては、特に異常のみられなかったものを○とし、接合強度や気密試験に影響を与えるような異常が見られたものを×とし、多少の変形等が見られるが、品質に大きな影響がないと判断したものを△とした。

0059

また、表2において、総合の評価として、全ての項目で○の評価のものを◎とし、一部に△の評価があるものを○とし、一つでも×評価があるものを×とした。

0060

結果より、断面積比が0.53〜0.85(No.2〜No.4、No.5)は、どの場合も気密試験が○評価であり、接合強度も、△〜○評価となった。断面積比が0.53、0.63、0.82(No.2〜No.4)と増加するに伴い接合長は増加したが、断面積比0.85(No.6)では断面積比0.82(No.4)よりも接合長は少し減少した。

0061

一方、断面積比が0.43(No.1)の場合は、気密試験が×評価となり、共晶接合部を調べると共晶層が形成されていなかった。また、断面積比が0.43(No.1)の場合は、銅管の断面積が小さすぎるため、銅管の過熱と剛性不足により、銅管の変形が見られ、外観が×評価であった。

0062

また、断面積比が1.0(No.5)の場合は、断面積比が0.82(No.4)に比べて接合長が減少した。また、断面積比が0.82(No.4)、或いは断面積比0.85(No.6)に比べて、温度が低下した時の接合長の減少が大きく、安定性が求められる量産には向いていない傾向であった。

0063

また、断面積比が1.0(No.5)の場合は、一部にアルミニウムの溶融が見られた。No.6の銅管の肉厚は、No.5と同じ1.0mmであるが、アルミニウム管の肉厚を1.2mmと厚くしたことで断面積比が減少しており、銅管の肉厚が同じNo.5よりも接合長が向上して、No.4に近づいた。またアルミニウム管の溶融は見られなかった。

0064

以上から、断面積比が0.43〜1.0の銅管とアルミニウム管の組み合わせについて共晶接合を行った結果、断面積比が0.53〜0.85の範囲において、特に高い品質の共晶接合を行うことができた。

実施例

0065

以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0066

1………接合体
3………アルミニウム管
5………銅管
7………テーパー部
9………共晶層
11………電源
13………固定治具
15………封止部
17………ポンプ
19………水槽

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