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技術 水処理装置および水処理方法

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 梅田隆太渡辺恵介
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172879
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-044471
状態 未査定
技術分野 活性汚泥処理 生物膜廃水処理
主要キーワード オーバーフロー分 キューブ状 水質指標 処理率 ポリブタジエン系エラストマ ABS樹脂 洗浄設備 流動床担体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストである水処理装置の提供。

解決手段

曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置であって;被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり; 曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない水処理装置;水処理方法

概要

背景

一般的な水質指標のひとつに、生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand;BOD)と呼ばれる値がある。例えば、食品加工系排水などの有機物を含む排水は、BODの値が高くなる。
BODが高い被処理水水処理方法として、微生物により有機物を分解除去する処理槽を用いる方法が知られており、例えば活性汚泥法生物膜法などがよく知られている。活性汚泥法は、曝気装置を備える処理槽である曝気槽を用いて、活性汚泥中の好気性微生物被処理水中の有機物などの汚濁物質を分解させる方法である。生物膜法は、担体の表面または内部に付着させた微生物に被処理水中の有機物などの汚濁物質を分解させる方法である。

特許文献1には、好気性条件下有機性排水を微生物により処理する有機性排水の処理方法であって、有機性排水を1kgBOD/m3/day以上の高負荷にて好気性生物処理を行う第1の生物処理工程と、第1の生物処理工程で処理した処理水を、凝集剤を使用した凝集処理にて凝集分離を行う工程と、凝集分離された処理水を第1の生物処理よりも低い負荷で好気性生物処理を行う第2の生物処理工程と、を含む、有機性排水の処理方法が記載されている。特許文献1では、第1の生物処理および第2の生物処理のいずれでも担体を用いており、第1の生物処理は固定床もしくは流動床担体を、第2の生物処理は繊維及び活性炭のいずれかもしくは両方を含む生物担体を用いることが好ましいと記載されている。

特許文献2には、有機性排水を生物処理槽に導入して活性汚泥処理し、生物処理槽の処理液汚泥と処理水とに固液分離する生物処理方法において、生物処理槽内の汚泥の一部及び/又は分離汚泥の少なくとも一部を、槽内に孔径5〜100μmの浸漬濾材を設けた汚泥処理槽に導入して好気性生物処理し、浸漬濾材の透過液を生物処理槽に返送する、有機性排水の生物処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、有機性排水を第1生物処理槽に導入して細菌により生物処理し、第1生物処理槽からの細菌を含む処理液を第2生物処理槽に導入して活性汚泥処理し、第2生物処理槽の処理液を汚泥と処理水とに固液分離する生物処理方法において、第2生物処理槽内の汚泥の一部及び/又は分離汚泥の少なくとも一部を、槽内に孔径5〜100μmの浸漬濾材を設けた汚泥処理槽に導入して好気性生物処理し、浸漬濾材の透過液を第1生物処理槽及び/又は第2生物処理槽に返送する、有機性排水の生物処理方法も記載されている。

概要

BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストである水処理装置の提供。曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置であって;被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり; 曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない水処理装置;水処理方法。

目的

本発明が解決しようとする課題は、BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストである水処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置であって;被処理水の前記曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり;前記曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;前記消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない;水処理装置。

請求項2

前記曝気槽でのBOD除去率が70%以上である、請求項1に記載の水処理装置。

請求項3

前記流動床担体の充填率が40〜50%である、請求項1または2に記載の水処理装置。

請求項4

前記流動床担体がポリプロピレン製である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項5

前記流動床担体が略円柱状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項6

前記曝気槽が、前記流動床担体の前記消化槽への移動を制限できるスクリーンを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項7

前記被処理水の前記曝気槽に対するBOD容積負荷が1.5〜2.5kg/m3/dayである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項8

前記被処理水が食品加工系排水である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項9

前記被処理水の温度が1〜15℃である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項10

前記消化槽の下流に沈殿槽を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水処理装置。

請求項11

前記沈殿槽から、前記曝気槽および前記消化槽の少なくとも一方に汚泥返送する手段を備えない、請求項10に記載の水処理装置。

請求項12

曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置に被処理水を通過させる水処理方法であって;前記被処理水の前記曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり;前記曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;前記消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない;水処理方法。

技術分野

0001

本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。

背景技術

0002

一般的な水質指標のひとつに、生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand;BOD)と呼ばれる値がある。例えば、食品加工系排水などの有機物を含む排水は、BODの値が高くなる。
BODが高い被処理水の水処理方法として、微生物により有機物を分解除去する処理槽を用いる方法が知られており、例えば活性汚泥法生物膜法などがよく知られている。活性汚泥法は、曝気装置を備える処理槽である曝気槽を用いて、活性汚泥中の好気性微生物被処理水中の有機物などの汚濁物質を分解させる方法である。生物膜法は、担体の表面または内部に付着させた微生物に被処理水中の有機物などの汚濁物質を分解させる方法である。

0003

特許文献1には、好気性条件下有機性排水を微生物により処理する有機性排水の処理方法であって、有機性排水を1kgBOD/m3/day以上の高負荷にて好気性生物処理を行う第1の生物処理工程と、第1の生物処理工程で処理した処理水を、凝集剤を使用した凝集処理にて凝集分離を行う工程と、凝集分離された処理水を第1の生物処理よりも低い負荷で好気性生物処理を行う第2の生物処理工程と、を含む、有機性排水の処理方法が記載されている。特許文献1では、第1の生物処理および第2の生物処理のいずれでも担体を用いており、第1の生物処理は固定床もしくは流動床担体を、第2の生物処理は繊維及び活性炭のいずれかもしくは両方を含む生物担体を用いることが好ましいと記載されている。

0004

特許文献2には、有機性排水を生物処理槽に導入して活性汚泥処理し、生物処理槽の処理液汚泥と処理水とに固液分離する生物処理方法において、生物処理槽内の汚泥の一部及び/又は分離汚泥の少なくとも一部を、槽内に孔径5〜100μmの浸漬濾材を設けた汚泥処理槽に導入して好気性生物処理し、浸漬濾材の透過液を生物処理槽に返送する、有機性排水の生物処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、有機性排水を第1生物処理槽に導入して細菌により生物処理し、第1生物処理槽からの細菌を含む処理液を第2生物処理槽に導入して活性汚泥処理し、第2生物処理槽の処理液を汚泥と処理水とに固液分離する生物処理方法において、第2生物処理槽内の汚泥の一部及び/又は分離汚泥の少なくとも一部を、槽内に孔径5〜100μmの浸漬濾材を設けた汚泥処理槽に導入して好気性生物処理し、浸漬濾材の透過液を第1生物処理槽及び/又は第2生物処理槽に返送する、有機性排水の生物処理方法も記載されている。

先行技術

0005

特開2006−828号公報
特開2006−247494号公報

発明が解決しようとする課題

0006

BODが高い被処理水を効率的に水処理しようとする場合、曝気槽の容積に対する1日間に処理できるBOD量BOD容積負荷)を高くする必要があるが、通常の活性汚泥法では高BOD容積負荷処理できないと考えられていた(例えば、特許文献1の[0028]参照)。
また、本発明者らが、流動床担体などの生物膜法にて曝気槽を用いて高BOD容積負荷処理を行ったところ、過剰に汚泥量が増えてしまう問題が生じることがわかった。

0007

一方、特許文献1に記載の生物膜法を用いる方法は、第1の生物処理および第2の生物処理のいずれでも担体を用いる点で運用コストが高く、また、第1の生物処理および第2の生物処理の間に凝集剤を使用して凝集分離する点で薬品コストおよび設備コストが高いことがわかった。
特許文献2に記載の方法は、汚泥処理槽において担体として浸透膜などの浸漬濾材として用いる点で運用コストやメンテナンスコストが高く、浸漬濾材の透過液(返送汚泥)をその量を制御しながら生物処理槽に返送する手段が必要な点で設備コストおよびメンテナンスコストが高いことがわかった。

0008

本発明が解決しようとする課題は、BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストである水処理装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、流動床担体による生物処理を行う曝気槽と、汚泥減量をするための担体を含まない消化槽をこの順で連結することにより、上記の課題を解決できることを見出した。
具体的に、本発明および本発明の好ましい構成は、以下のとおりである。

0010

[1]曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置であって;
被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり;
曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;
消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない;水処理装置。
[2] 曝気槽でのBOD除去率が70%以上である[1]に記載の水処理装置。
[3] 流動床担体の充填率が40〜50%である[1]または[2]に記載の水処理装置。
[4] 流動床担体がポリプロピレン製である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[5] 流動床担体が略円柱状である[1]〜[4]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[6] 曝気槽が、流動床担体の消化槽への移動を制限できるスクリーンを備える[1]〜[5]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[7] 被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が1.5〜2.5kg/m3/dayである[1]〜[6]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[8] 被処理水が食品加工系排水である[1]〜[7]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[9] 被処理水の温度が1〜15℃である[1]〜[8]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[10] 消化槽の下流に沈殿槽を有する[1]〜[9]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[11] 沈殿槽から、曝気槽および消化槽の少なくとも一方に汚泥を返送する手段を備えない[10]に記載の水処理装置。
[12] 曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置に被処理水を通過させる水処理方法であって;
被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり;
曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;
消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない;水処理方法。

発明の効果

0011

本発明によれば、BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストである水処理装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、本発明の水処理装置の一例の断面概略図である。
図2は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。
図3は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。
図4は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。

0013

以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。

0014

[水処理装置]
本発明の水処理装置は、曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置であって;被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり;曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない。
この構成により、本発明の水処理装置は、BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストである。曝気手段を備え、かつ、担体を含まない消化槽の作用により、低コストで、高BOD容積負荷処理を行う際に多量に出る汚泥の減量が可能となる。また、曝気槽では担体として流動床担体を用いることにより、流動床担体内に生物相を保持させることができ、高BOD容積負荷処理を小さな体積で(曝気槽の設置スペース縮小して)行うことができ、設備コストを低くできる。
以下、本発明の水処理装置の好ましい態様を説明する。

0015

<全体構成>
まず、本発明の水処理装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の水処理装置の一例の断面概略図である。図1に示した水処理装置は、曝気槽11および消化槽12をこの順で備える水処理装置であって、曝気槽11が曝気手段22および流動床担体21を備え;消化槽が曝気手段22を備え、かつ、担体を含まない。

0016

図1に示した水処理装置を用いる水処理方法を説明する。図1では、水の流れを実線の矢印で示している。図1に示した水処理装置では、被処理水1は曝気槽11に送液される。
曝気槽11において、被処理水1は、曝気手段22からの気体に曝気されながら流動床担体21によって生物処理された後、生物処理水2として曝気槽11から消化槽12に送液される。
消化槽12において、生物処理水2は曝気手段22からの気体に曝気された後、処理水3として消化槽12から下流に排出される。消化槽12からの処理水3は、そのまま海洋河川等の外部領域に放出されてもよく、用水として回収および再利用されてもよく、あるいは、さらに排水処理が施されてもよい。

0017

図2は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。図2に示した水処理装置は、図1に示した構成の水処理装置において、さらに曝気槽11が、流動床担体21の消化槽12への移動を制限できるスクリーン23を備える構成である。

0018

図3は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。図3に示した水処理装置は、図2に示した構成の水処理装置において、さらに消化槽12の下流に沈殿槽13を有する構成である。

0019

図4は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。図4に示した水処理装置は、図3に示した構成の水処理装置において、さらに曝気槽11の上流調整槽14を有する構成である。

0020

<被処理水>
本発明の水処理装置は高BOD容積負荷処理を行うことができるため、BODが高い被処理水を用いることができる。このような被処理水としては、例えば、食品加工総合排水水産加工工場の排水などの食品加工系排水、植物工場養液養殖飼育水といった生物汚濁水下水、一般汚水浄化処理に用いることができる。中でも、本発明の水処理装置は、被処理水が食品加工系排水である場合に、特に好ましく用いられる。

0021

(BOD容積負荷)
本発明では、被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayである。なお、BOD容積負荷の単位として「kg−BOD/m3/day」を用いられることもあるが、本明細書における「kg/m3/day」と同義である。
本発明の水処理装置は、被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷を高くして水処理ができる。BOD容積負荷の下限値は1.0kg/m3/day以上であることが好ましく、1.2kg/m3/day以上であることがより好ましく、1.5kg/m3/day以上であることが特に好ましく、2.0kg/m3/day以上であることがより特に好ましい。ただし、処理水のS−BODの高さ、生物処理水のS−BOD除去率の低さを許容しつつ、高BOD容積負荷処理を重視する場合は、BOD容積負荷を2.5kg/m3/day以上とすることも好ましく、3.0kg/m3/day以上とすることも好ましい。
被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷をある程度低くすることで、さらに処理水のS−BODを低くでき、かつ、曝気槽S−BOD処理率を高くすることができる。この観点から、BOD容積負荷の上限値は3.5kg/m3/day以下であることが好ましく、3.0kg/m3/day以下であることがより好ましく、2.5kg/m3/day以下であることが特に好ましい。

0022

(その他の被処理水の水質
被処理水のSS濃度は、例えば50〜1000mg/Lであることが好ましく、200〜500mg/Lであることがより好ましく、300〜400mg/Lであることが特に好ましい。
被処理水のT−BOD(トータルBOD)は、例えば200〜2000mg/Lであることが好ましく、600〜1000mg/Lであることがより好ましく、800〜900mg/Lであることが特に好ましい。
被処理水のS−BOD(溶解性BOD)は、例えば100〜1000mg/Lであることが好ましく、300〜500mg/Lであることがより好ましく、400〜450mg/Lであることが特に好ましい。なお、S−BODとT−BODの関係は、以下のとおりである。
T−BODは全溶液中のBODであり、S−BODは懸濁物質を取り除いた後(JIS K0102 14.1懸濁物質測定方法に基づく)の溶解性BODである。

0023

本発明の水処理装置は、被処理水の温度に制限はなく、高温の被処理水であっても、低温の被処理水であっても用いることもできる。低温の被処理水を用いることにより、設備管理および維持管理を簡便にすることができ、好ましい。例えば、低温の被処理水として、被処理水の温度が1〜15℃である場合でも汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、BOD除去率を高くすることができる。特に、低温の被処理水の温度が5〜12℃、特に7〜11℃である場合にBOD除去率を高くすることができる。

0024

<曝気槽>
本発明の水処理装置は曝気槽を備える。また、本発明では、曝気槽が曝気手段および流動床担体を備える。
曝気槽の体積は特に制限はない。本発明では、流動床担体を用いて高BOD容積負荷処理を行うことにより、曝気槽の体積を小さくすることができ、曝気槽の設置に必要な敷地面積も小さくすることができる。
曝気槽の材質としては、コンクリート製、金属製、樹脂製などを挙げることができる。中でも、樹脂製であることが好ましく、例えば、塩化ビニル繊維強化プラスチックなどを好ましく採用することができる。

0025

(曝気手段)
曝気槽の曝気手段としては特に制限はなく、公知の曝気手段を用いることができる。

0026

(流動床担体)
曝気槽は流動床担体を備え、具体的には曝気槽に流動床担体が充填されることが好ましい。流動床担体は、流動状態で(固定されずに)充填されていることにより、高BOD容積負荷処理を行うことができ、好ましくは短時間でBOD低下ができる。
本発明では、流動床担体の充填率が40〜50%であることが好ましく、45〜50%であることがより好ましい。
流動床担体は、流動床担体の内部に微生物が密集できる形状や材質であることが、低水温(10℃前後)でも曝気槽での生物処理を可能とする観点からより好ましい。

0027

流動床担体の形状は、立方体キューブ状)、直方体、柱状、短冊形金平糖型四面体球体サッカーボールのような形状等であることが好ましく、柱状であることがより好ましい。柱状とは、底面および上面が同じ形状であって、底面と上面をつなぐ側面を備える形状である。本発明では、流動床担体が、略円柱状であることが特に好ましい。略円柱状である場合、底面および上面は完全な円形状であっても、円の一部が変形した形状であっても、複数の円を平面的に重ねあわせた形状であってもよい。

0028

流動床担体の材質としては、例えば樹脂、セラミックなどの無機物を用いることができる。流動床担体に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂ゴムエラストマー等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂酢酸ビニル樹脂塩化ビニル樹脂塩化ビニリデン樹脂スチレン樹脂エチレン酢酸ビニル樹脂ABS樹脂ポリエチレンポリプロピレンポリスチレンポリアセタールポリアミド樹脂ポリエステルポリウレタン、及びそれらの共重合体などが使用できる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂フェノール樹脂ユリア樹脂メラミン樹脂ポリウレタン樹脂シリコン樹脂ジアリルフタレート樹脂、及びそれらの共重合体などが使用できる。
ゴムとしては、天然ゴムイソプレンゴムブタジエンゴムブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、NBR、MBR、CR、フッ素ゴムアクリルゴムシリコーンゴム、EPM、EPDM、及びそれらの共重合体などが使用できる。
エラストマーとしては、スチレン系エラストマーポリオレフィン系エラストマーポリウレタン系エラストマーポリエステル系エラストマーポリアミド系エラストマーポリブタジエン系エラストマー、及びそれらの共重合体などが使用できる。
上述した樹脂、ゴム、エラストマーは、単独で使用することもでき、また、2種類以上を混合して使用することもできる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂が、高BOD容積負荷処理を行いやすい観点から好ましい。熱可塑性樹脂の中では、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンを用いることがより好ましい。本発明では流動床担体がポリプロピレン製であることが特に好ましい。

0029

(スクリーン)
本発明では、曝気槽が、流動床担体の消化槽への移動を制限できるスクリーンを備えることが好ましい。この構成により、消化槽が担体を含まない状態を維持しやすくでき、消化槽でのBOD容積負荷を減らして、消化槽での汚泥減量の作用を高めることができる。スクリーンとしては特に制限はなく、膜状や筒状などの公知のスクリーンを用いることができる。

0030

(曝気槽でのBOD除去率)
曝気槽でのBOD除去率を高くすることが、消化槽ではBOD除去率を低くすることができ、消化槽での汚泥減量の作用を高める観点から好ましい。
本発明では、曝気槽でのBOD除去率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。本発明の水処理装置では、被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayと高い場合であっても、曝気槽でのBOD除去率を70%以上にすることができる。また、被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が1.0〜3.0kg/m3/day程度の高い場合であれば、曝気槽でのBOD除去率を80%以上にすることができる。
さらに、本発明の水処理装置では、被処理水の水温が、例えば10℃前後と低温であっても、曝気槽でのBOD除去率を高くすることができる。

0031

<消化槽>
本発明の水処理装置は消化槽を備える。また、本発明では、消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない。消化槽が「担体を含まない」とは、厳密に担体となり得る物質を全く含まない場合に限定されることはなく、実質的に担体を含んでいなければよい。積極的に担体を添加する運用とせずに低コスト化でき、消化槽でのBOD除去率を低くして汚泥減量ができれば、本発明の解決しようとする課題は解決し得る。また、より効果的に汚泥の減量を行いたい場合は、担体を消化槽に投入するなどといった拡張も容易である。
消化槽を設けることにより、消化槽を設けない場合の汚泥量(単位:kg/day)を基準として、消化槽の後の汚泥量を5質量%以上減らせることが好ましく、10質量%以上減らせることがより好ましい。なお、消化槽を設けない場合の汚泥量は1.5kg/day以下であることが好ましい。また、消化槽の後の汚泥量は1.2kg/day以下であることが好ましい。
消化槽の体積は特に制限はない。例えば、消化槽の体積を、曝気槽の体積と同程度とする構成を挙げることができる。
消化槽の材質は特に制限はない。例えば、消化槽の材質を、曝気槽の材質と同じとする構成を挙げることができる。

0032

(曝気手段)
消化槽の曝気手段は、公知の曝気手段を用いてもよいが、間欠曝気できる曝気手段であることが好ましい。
また、消化槽は、曝気槽からの汚泥が消化槽に溜まるように曝気手段を間欠曝気できるように制御する制御手段を備えることが好ましい。消化槽で間欠曝気する構成とすることにより、曝気が停止している期間に汚泥の固形分が沈降し、消化槽に滞留する汚泥の密度が上昇するため汚泥消化を促進できる作用が生じ、下流の沈殿槽からの返送汚泥を無くすことができる。
一方、消化槽は発生汚泥量多寡に応じて機能の使用不使用を選択可能であることが、設置スペースを調整する観点から好ましい。例えば、排水の状態によって汚泥量が想定より少ない場合等に、消化槽として区切ってある槽を消化槽以外の別の用途に転用することが可能である。その際は、曝気槽からの生物処理水をそのまま処理水として放流するか、沈殿槽に導入してもよい。

0033

<沈殿槽>
本発明の水処理装置は、消化槽の下流に沈殿槽を有することが好ましい。消化槽からの処理水は、沈殿槽に送液され、沈殿槽で固液分離された後に、海洋や河川等の外部領域に放出されるか、用水として回収および再利用されることが好ましい。
本発明の水処理装置は、沈殿槽から、曝気槽および消化槽の少なくとも一方に汚泥を返送する手段を備えないことが好ましい。汚泥を返送しないことにより、返送汚泥用の流路ポンプの設備コストおよびメンテナンスコストを低くすることができ、維持管理が容易となる。

0034

<その他の装置>
水処理装置は、その他の装置を有していてもよい。
水処理装置は、被処理水、生物処理水および処理水を送液するために、ポンプなどの公知の送液手段を備えることが好ましい。
水処理装置は、調整槽を備えることが好ましい。曝気槽の上流に調整槽を有する構成とすることで、被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷や、その他の被処理水の水質を制御しやすくなる。
水処理装置は、曝気槽と消化槽の間などに凝集分離手段を備えないことが、水処理装置自体をさらに簡素化でき、かつ、凝集剤に起因する薬品コストも生じない観点から好ましい。
水処理装置は洗浄設備を有していても、有していなくてもよい。流動床担体を洗浄する際には、水処理装置から流動床担体を取り出して洗浄してもよく、水処理装置内逆流洗浄をしてもよく、洗濯機等によって負荷をかけて洗浄してもよい。水処理装置は洗浄設備を有さないことが水処理装置自体をさらに簡素化できて好ましい。流動床担体は優れた強度を有し、耐久性に優れていることが好ましく、耐久性に優れる流動床担体を用いる場合は、水処理装置は洗浄設備を有さないことが好ましい。

0035

<処理水>
処理水のS−BOD(溶解性BOD)は、200mg/L以下であることが好ましく、150mg/L以下であることがより好ましく、100mg/L以下であることが特に好ましく、50mg/L以下であることがより特に好ましい。

0036

[水処理方法]
本発明の水処理方法は、曝気槽および消化槽をこの順で備える水処理装置に被処理水を通過させる水処理方法であって;被処理水の曝気槽に対するBOD容積負荷が0.8〜4.0kg/m3/dayであり;曝気槽が曝気手段および流動床担体を備え;消化槽が曝気手段を備え、かつ、担体を含まない。
本発明の水処理方法の好ましい態様は、本発明の水処理方法の好ましい態様と同様である。

0037

本発明の水処理方法では、曝気槽内に微生物が未固着の流動床担体を投入し、曝気槽に被処理水を通過させるだけで自動的に微生物を流動床担体に固着させることができる。そのため、流動床担体を、微生物を固着した担体とする工程は特に必要はない。

0038

以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。

0039

[実施例1]
容積5Lの曝気槽と、容積5Lの消化槽と、容積2Lの沈殿槽を連結し、実施例1の水処理装置とした。
曝気槽として、略円柱状のポリプロピレン担体を収容した、流動床式の生物処理槽を用いた。曝気槽では、流動床担体の充填率を50%とした。消化槽への流路の前にスクリーンを設け、曝気槽から消化槽に流動床担体が移動しないようにした。
消化槽として、活性汚泥槽を用いた。消化槽は、汚泥を消化するための曝気手段を備えるものの、担体は収容しなかった。消化槽から曝気槽への汚泥返送は行わなかった。
被処理水として食品加工系排水を用いた。
実施例1の水処理装置で水処理を行った。実施例1では、BOD容積負荷を2.18kg−BOD/m3/dayとした。まず、設定した容積負荷になるように被処理水の通水量を設定し、曝気槽に通水した。曝気槽で曝気を行い、流動床担体に微生物を保持させて、生物処理を行った。その後、曝気槽からのオーバーフローを生物処理水として消化槽に通水し、曝気装置で間欠曝気して、曝気槽からの汚泥をある程度溜めることと、汚泥を消化することを繰り返すように制御した。消化槽からのオーバーフロー分を沈殿槽に通水して、最終的に沈殿槽のオーバーフローを処理水として得た。沈殿槽から、曝気槽または消化槽への汚泥返送は行わなかった。
実施例1の水処理方法における被処理水のSS濃度、S−BOD(溶解性BOD)、T−BOD(トータルBOD)は下記表1のとおりであった。曝気槽からの生物処理水のS−BODを測定し、被処理水のS−BODを基準とする曝気槽S−BOD除去率を求め、下記表1に記載した。沈殿槽からの処理水のS−BODを測定し、下記表1に記載した。各BOD濃度はJIS K 0102 21に準拠して測定した。
実施例1の水処理における汚泥量を測定し、下記表1に記載した。消化槽の後の汚泥量は以下の方法で測定した。
沈殿槽下部から抜き出した汚泥を乾燥機で完全に乾燥させ、絶乾汚泥量を測定し、含水率を85%とした時の1日あたりの重量を算出した。
パラメータの値は10日間程度の試験結果を平均して算出した。
なお、実施例1で用いた被処理水の水温は20℃であった。

0040

[実施例2]
BOD容積負荷を3.82kg/m3/dayとした以外は実施例1と同様にして、水処理を行った。

0041

[比較例1]
消化槽を備えない以外は実施例1の水処理装置と同様の比較例1の水処理装置を製造した。実施例1の水処理装置の代わりに、比較例1の水処理装置を用いた以外は実施例1と同様にして、水処理を行った。
消化槽を設けない場合の汚泥量は以下の方法で測定した。
実施例1と同様にして沈殿槽下部の絶乾汚泥量から含水率85%想定の1日当たりの汚泥量を算出した。

0042

0043

以上の実施例および比較例より、本発明の水処理装置は、BODが高い被処理水を用いて高BOD容積負荷処理を行う場合に汚泥量を顕著に減らすことができ、かつ、低コストであることがわかった。一方、消化槽無しの比較例1の水処理装置を用いた場合、消化槽を設けた実施例1の水処理装置に比べて汚泥量が12質量%程度多かった。
さらに本発明の水処理装置の好ましい態様では、高BOD容積負荷処理を行う場合にS−BOD除去率を高くできることがわかった。実施例1および2の条件でそれぞれ排水の水処理を行った場合、BOD容積負荷2.18kg/m3/dayの場合のBOD除去率は90%以上となり、BOD容積負荷3.82kg/m3/dayの場合のBOD除去率は70%以上となった。

0044

[実施例3〜6]
BOD容積負荷および水温を下記表2のとおりとした以外は実施例1と同様にして、水処理を行った。その結果を下記表2に示した。

0045

実施例

0046

上記表2より、本発明の水処理装置の好ましい態様では、BOD負荷が高い被処理水の水温が10℃前後であっても、S−BOD除去率を高くできることがわかった。曝気槽で流動床担体を用いることで、流動床担体内部の深くに微生物が密集できたため、被処理水の水温が低くてもS−BOD除去率を高くできたと考えられる。

0047

1被処理水
2生物処理水
3処理水
11曝気槽
12消化槽
13沈殿槽
14調整槽
21担体
22曝気手段
23 スクリーン

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