図面 (/)

技術 熱帯熱マラリア原虫アルテミシニン耐性の分子マーカー

出願人 アンスティテュ・パストゥールアンスティテュ・パストゥール・デュ・カンボージュサントルナショナルドゥラルシェルシュシアンティフィック
発明者 フレデリク・アリエオディル・ピュアロンディディエ・メナールフランソワーズ・ブノワ-ヴィカルジョアン・ベギャンブノワ・ヴィトコウスキジャン-クリストフ・バラルクリスティアーヌ・ブッシェニモル・キム
出願日 2019年12月5日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-220442
公開日 2020年3月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-043873
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 O,S系縮合複素環 生物学的材料の調査,分析 複数複素環系化合物 その他のN系縮合複素環1 酵素、微生物を含む測定、試験 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 キノリン系化合物
主要キーワード 薬剤圧 クロッパ 定型操作 現地試験 空間的制限 機能的制約 的痕跡 リアケ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

アルテミシニン誘導体(ART)耐性広範囲監視するための、ART耐性と関連する分子マーカー、並びにプラスモジウム属原虫を検出及び遺伝子型決定するための方法、組成物、及びキットを提供する。

解決手段

(a)プラスモジウム属原虫を含むサンプルを準備する工程、及び(b) 前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の存在を検出する工程を含む、プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定する方法。

概要

背景

カンボジアにおける熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のアルテミシニン誘導体(ART)への耐性出現は、世界的なマラリアの抑制及び根絶への取り組みを脅かしている1, 2。ART耐性寄生虫がカンボジア西部から大メコン(Greater Mekong Subregion)へ、そしてアフリカへと拡大するリスクは、以前クロロキン耐性及びスルファドキシン/ピリメタミン耐性寄生虫で起こったように3-5、非常に厄介である。臨床的ART耐性は、減少した寄生虫クリアランス速度1, 6-10として定義され、寄生虫クリアランス半減期の上昇として表されるか11, 12、又はアルテミシニンに基づく併用療法(ACT)の3日目の顕微鏡で検出可能な寄生虫の持続として表される2。半減期のパラメーターは、インビトロリングステージ生存アッセイ(Ring-stage Survival Assay)の結果(RSA0-3h)、及びエキソビボのRSAと強く関連しており13、これは、全てのARTの主要な代謝産物であるジヒドロアルテミシニン(DHA)への薬理学的に意義のある曝露(700 nM、6時間)に対する若いリングステージの寄生虫の生存率を測定するものである。しかし、分子マーカーが現在存在しないため、ART耐性寄生虫が既に記録されている地域内への集中的な封じ込めが阻害され、ACTが依然として最も手で効果的な抗マラリア薬である、他の場所でのこれらの寄生虫の迅速な検出が妨げられる。ART耐性の拡大を検出し監視するために、広範な使用のための分子マーカーが必要である。

近年の熱帯熱マラリア原虫分離株ゲノム規模解析により、ART耐性の地理的地域での近年の正の選択のエビデンスが得られている9, 14-16。寄生虫の臨床的表現型遺伝率が50%を超えている一方で、信頼性のある分子マーカーは未だに同定されていない。考えられる説明の一つは、寄生虫クリアランス半減期が寄生虫分離株のARTへの固有感受性によってのみ決定されるのではなく、ART治療の時の発達段階(発達ステージ)並びに薬理動態及び免疫等の宿主に関連するパラメーターによっても決定されることである17。この問題は、近年、インビボの寄生虫クリアランス半減期とインビトロのRSA0-3h生存率とが一致しないデータを示す患者において、浮き彫りになった13。さらに、ゲノムワイド関連解析(GWAS)は、寄生虫の集団構造についての不確実性困惑している。カンボジア西部における複数の高度に分化したART耐性寄生虫の亜集団に関する近年のエビデンス15は、別個の出現事象が起こっている可能性があることを示唆している。分子マーカーを発見するための代替的な対策は、インビトロで高用量のARTで生存するように選抜された、実験室順応させた寄生虫クローンにより特異的に取得された変異を解析し、この情報を、ART耐性が時間的及び地理的レベルで十分に記録されている地域由来の臨床的寄生虫分離株における多型の解析を導くために用いることである。本願において、発明者らはこの方策を用いて、臨床的ART耐性の表現型が最初に報告された1,8カンボジアでこの臨床的ART耐性の分子署名を探索した。

アルテミシニンに基づく併用療法(ACT)は、世界的なマラリア抑制の取り組みの鍵となる要因である。Nkhomaら, JID 208:346-349 (2013)。しかし、アルテミシニン耐性マラリアの出現によりこの取り組みが脅かされている。Id.ART耐性を測定するための信頼性のあるインビトロ試験は現在無い。Id.したがって、ART感受性を患者においてART治療後の寄生虫血症の減少から測定していた。Id.このアプローチは高価で、多くの労働力を要し、時間がかかる。Id.

概要

アルテミシニン誘導体(ART)耐性を広範囲で監視するための、ART耐性と関連する分子マーカー、並びにプラスモジウム属原虫を検出及び遺伝子型決定するための方法、組成物、及びキットを提供する。(a) プラスモジウム属原虫を含むサンプルを準備する工程、及び(b) 前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の存在を検出する工程を含む、プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定する方法。なし

目的

そのようなヒト化抗体は、周知の技術により調製することができ、抗体がヒトに投与される場合に免疫原性が低減されるという利点を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(a)プラスモジウム属原虫を含むサンプルを準備する工程、及び(b) 前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の存在を検出する工程を含む、プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定する方法。

請求項2

前記プラスモジウム属原虫が熱帯熱マラリア原虫である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在がシーケンシングにより検出される、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在がPCRにより検出される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

(a)患者由来の血液サンプルを準備する工程、及び(b) 前記血液サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む、患者のプラスモジウム属原虫感染を検出する方法。

請求項6

前記プラスモジウム属原虫が熱帯熱マラリア原虫である、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在又は野生型K-13プロペラ核酸の存在が、シーケンシングにより検出される、請求項5又は6に記載の方法。

請求項8

前記サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在又は野生型K-13プロペラ核酸の存在が、PCRにより検出される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記プラスモジウム属原虫が野生型のK-13プロペラ核酸若しくはタンパク質配列を有するか、又は変異型のK-13プロペラ核酸若しくはタンパク質配列を有するかを判定する工程を含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

K-13プロペラ核酸を増幅するためのプライマー及び増幅産物を検出するための試薬を含む、プラスモジウム属原虫感染を検出するためのキット

請求項11

変異型K-13プロペラ核酸を検出するためのプローブを含む、請求項10に記載のキット。

請求項12

前記プローブが蛍光標識放射性標識、又は酵素標識で標識されている、請求項11に記載のキット。

請求項13

Y493H、R539T、I543T、及びC580Yアレルをコードする変異型K-13プロペラ核酸を検出する、請求項10〜12のいずれか一項に記載のキット。

請求項14

少なくとも1個の以下のプライマーを含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載のキット5'-cggagtgaccaaatctggga-3’ (配列番号:9)、5'- gggaatctggtggtaacagc-3’ (配列番号:10)、5'-cgccagcattgttgactaat-3’ (配列番号:11)、5'-gcggaagtagtagcgagaat-3’ (配列番号:12)、5'- gccaagctgccattcatttg -3’ (配列番号:13)、及び5'- gccttgttgaaagaagcaga -3’ (配列番号:14)。

請求項15

F446I、N458Y、C469Y、Y493H、K503N、R539T、I543T、P553L、P574L、A578S、C580Y、及びD584Vアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する、請求項10〜14のいずれか一項に記載のキット。

請求項16

F446I、G449A、N458Y、C469Y、W470stop、A481V、Y493H、K503N、S522C、V534A、R539T、I543T、G548D、P553L、V555A、A557S、R561H、K563R、V568G、P574L、A578S、C580Y、F583L、D584V、V589I、Q613E、及びD641Gアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する、請求項10〜14のいずれか一項に記載のキット。

請求項17

少なくとも1組の以下の一対のプライマーを含む、請求項10〜16のいずれか一項に記載のキットペアPCR15’ AGGTGGATTTGATGGTGTAGAAT 3’ (フォワード) (配列番号:15)5’CATACACCTCAGTTTCAAATAAAGC3’ (リバース) (配列番号:16)ペアPCR25’ AATTTCTTATACGTTTTTGGTGGTAA 3’ (フォワード) (配列番号:17)5’ CTCTACCCATGCTTTCATACGAT 3’ (リバース) (配列番号:18)ペアPCR35’ GGATATGATGGCTCTTCTATTATACCG 3’ (フォワード) (配列番号:19)5’ ACTTCAATAGAATTTAATCTCTCACCA 3’ (リバース) (配列番号:20)ペアPCR45’ ATGTCATTGGTGGAACTAATGGT 3’ (フォワード) (配列番号:21)5’ TTAAATGGTTGATATTGTTCAACG 3’ (リバース) (配列番号:22)ペアPCR55’ TTCAGGAGCAGCTTTTAATTACC 3’ (フォワード) (配列番号:23)5’ CTGGTGAAAAGAAATGACATGAA 3’ (リバース) (配列番号:24)ペアPCR65’CCTTGTTGAAAGAAGCAGAATTT 3’ (フォワード) (配列番号:25)5’ ATTCAATACAGCACTTCCAAAATAA 3’ (リバース) (配列番号:26)。

請求項18

以下のSNPの1つとハイブリダイズする少なくとも1個のプローブを含む、請求項10〜17のいずれか一項に記載のキット。

請求項19

a)プラスモジウム属原虫のDNAを含む生体サンプルを準備する工程、b)場合により前記生体サンプルからDNAを抽出する工程、c)プラスモジウム属原虫のDNAを、100 bp〜300 bpの範囲の距離をおいてK13プロペラ核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも一組のプライマーと接触させ、インターカレート染料の存在下でPCR反応を行う工程、d)増幅産物を融解テップに供する工程、e)前記増幅産物の融解プロファイル解析することにより変異型アレル又は野生型アレルの存在を判定する工程を含む、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプルにおいて野生型K13プロペラ核酸又は変異型K13プロペラ核酸の存在を検出するための方法。

請求項20

F446I、G449A、N458Y、C469Y、W470stop、A481V、Y493H、K503N、S522C、V534A、R539T、I543T、G548D、P553L、V555A、A557S、R561H、K563R、V568G、P574L、A578S、C580Y、F583L、D584V、V589I、Q613E、及びD641Gアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。

請求項21

変異型K13プロペラ核酸をPCR反応により増幅する工程及び増幅した核酸を変異型K13プロペラに特異的なプローブと接触させる工程を含む、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプルにおいて変異型K13プロペラ核酸の存在を検出するための方法。

請求項22

変異型K13プロペラ変異核酸又はタンパク質の存在が、前記患者がアルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染していることを示す、請求項5に記載の方法。

請求項23

アルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染している前記患者に、通常のプロトコルよりも長期のアルテミシニン誘導体に基づく治療を施す工程及び/又は別の抗マラリア薬、好ましくはキニーネクロロキン、又はメフロキン投与する工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。

請求項24

アルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染している前記患者に、新規抗マラリア薬に基づく治療を施す工程、及び前記治療の施行後に請求項5に規定する工程a)及びb)を繰り返す工程をさらに含み、変異型K13プロペラ核酸又はタンパク質が存在しないことが、前記患者がもはやアルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染していないこと、及び前記治療がアルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に対して有効であることを示す、請求項22に記載の方法。

請求項25

前記プローブが蛍光ビーズに結合している、請求項21に記載の方法。

請求項26

前記プローブを変異型K13プロペラドメイン核酸に結合させる工程、及び前記結合したK13プロペラドメイン核酸を、前記結合したK13プロペラドメイン核酸に結合する第二のプローブを用いて検出する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、プラスモジウム属原虫(Plasmodium)を検出及び遺伝子型決定(genotyping)するための方法、組成物、及びキット包含する。

背景技術

0002

カンボジアにおける熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のアルテミシニン誘導体(ART)への耐性出現は、世界的なマラリアの抑制及び根絶への取り組みを脅かしている1, 2。ART耐性寄生虫がカンボジア西部から大メコン(Greater Mekong Subregion)へ、そしてアフリカへと拡大するリスクは、以前クロロキン耐性及びスルファドキシン/ピリメタミン耐性寄生虫で起こったように3-5、非常に厄介である。臨床的ART耐性は、減少した寄生虫クリアランス速度1, 6-10として定義され、寄生虫クリアランス半減期の上昇として表されるか11, 12、又はアルテミシニンに基づく併用療法(ACT)の3日目の顕微鏡で検出可能な寄生虫の持続として表される2。半減期のパラメーターは、インビトロリングステージ生存アッセイ(Ring-stage Survival Assay)の結果(RSA0-3h)、及びエキソビボのRSAと強く関連しており13、これは、全てのARTの主要な代謝産物であるジヒドロアルテミシニン(DHA)への薬理学的に意義のある曝露(700 nM、6時間)に対する若いリングステージの寄生虫の生存率を測定するものである。しかし、分子マーカーが現在存在しないため、ART耐性寄生虫が既に記録されている地域内への集中的な封じ込めが阻害され、ACTが依然として最も手で効果的な抗マラリア薬である、他の場所でのこれらの寄生虫の迅速な検出が妨げられる。ART耐性の拡大を検出し監視するために、広範な使用のための分子マーカーが必要である。

0003

近年の熱帯熱マラリア原虫分離株ゲノム規模解析により、ART耐性の地理的地域での近年の正の選択のエビデンスが得られている9, 14-16。寄生虫の臨床的表現型遺伝率が50%を超えている一方で、信頼性のある分子マーカーは未だに同定されていない。考えられる説明の一つは、寄生虫クリアランス半減期が寄生虫分離株のARTへの固有感受性によってのみ決定されるのではなく、ART治療の時の発達段階(発達ステージ)並びに薬理動態及び免疫等の宿主に関連するパラメーターによっても決定されることである17。この問題は、近年、インビボの寄生虫クリアランス半減期とインビトロのRSA0-3h生存率とが一致しないデータを示す患者において、浮き彫りになった13。さらに、ゲノムワイド関連解析(GWAS)は、寄生虫の集団構造についての不確実性困惑している。カンボジア西部における複数の高度に分化したART耐性寄生虫の亜集団に関する近年のエビデンス15は、別個の出現事象が起こっている可能性があることを示唆している。分子マーカーを発見するための代替的な対策は、インビトロで高用量のARTで生存するように選抜された、実験室順応させた寄生虫クローンにより特異的に取得された変異を解析し、この情報を、ART耐性が時間的及び地理的レベルで十分に記録されている地域由来の臨床的寄生虫分離株における多型の解析を導くために用いることである。本願において、発明者らはこの方策を用いて、臨床的ART耐性の表現型が最初に報告された1,8カンボジアでこの臨床的ART耐性の分子署名を探索した。

0004

アルテミシニンに基づく併用療法(ACT)は、世界的なマラリア抑制の取り組みの鍵となる要因である。Nkhomaら, JID 208:346-349 (2013)。しかし、アルテミシニン耐性マラリアの出現によりこの取り組みが脅かされている。Id.ART耐性を測定するための信頼性のあるインビトロ試験は現在無い。Id.したがって、ART感受性を患者においてART治療後の寄生虫血症の減少から測定していた。Id.このアプローチは高価で、多くの労働力を要し、時間がかかる。Id.

先行技術

0005

Dondorp, A. M.ら. Artemisinin resistance in Plasmodium falciparum malaria. N Engl J Med 361, 455-67 (2009)
World Health Organization. in WHO publications (ed. Press, W.) (2011-2013)
Mita, T.ら. Limited geographical origin and global spread of sulfadoxine-resistant dhps alleles in Plasmodium falciparum populations. J Infect Dis 204, 1980-8 (2011)
Roper, C.ら. Intercontinental spread of pyrimethamine-resistant malaria. Science 305, 1124 (2004)
Wootton, J. C.ら. Genetic diversity and chloroquine selective sweeps in Plasmodium falciparum. Nature 418, 320-3 (2002)
Amaratunga, C.ら. Artemisinin-resistant Plasmodium falciparum in Pursat province, western Cambodia: a parasite clearance rate study. Lancet Infect Dis 12, 851-8 (2012)
Kyaw, M. P.ら. Reduced susceptibility of Plasmodium falciparum to artesunate in southern Myanmar.PLoS One 8, e57689 (2013)
Noedl, H.ら. Evidence of artemisinin-resistant malaria in western Cambodia. N Engl J Med 359, 2619-20 (2008)
Phyo, A. P.ら. Emergence of artemisinin-resistant malaria on the western border of Thailand: a longitudinal study. Lancet 379, 1960-6 (2012)
Tran, T. H.ら. In vivo susceptibility of Plasmodium falciparum to artesunate in Binh Phuoc Province, Vietnam. Malar J 11, 355 (2012)
Flegg, J. A.,ら. Standardizing the measurement of parasite clearance in falciparum malaria: the parasite clearance estimator. Malar J 10, 339 (2011)
White, N. J. The parasite clearance curve. Malar J 10, 278 (2011)
Witkowski, B.ら. Novel phenotypic assays for the detection of artemisinin-resistant Plasmodium falciparum malaria in Cambodia: in-vitro and ex-vivo drug-response studies. Lancet Infect Dis 13 (2013)
Cheeseman, I. H.ら. A major genome region underlying artemisinin resistance in malaria. Science 336, 79-82 (2012)
Miotto, O.ら. Multiple populations of artemisinin-resistant Plasmodium falciparum in Cambodia. Nat Genet 45, 648-55 (2013)
Takala-Harrison, S.ら. Genetic loci associated with delayed clearance of Plasmodium falciparum following artemisinin treatment in Southeast Asia. Proc Natl Acad Sci U S A 110, 240-5 (2012)
Lopera-Mesa, T. M.ら Plasmodium falciparum clearance rates in response to artesunate in Malian children with malaria: effect of acquired immunity. J Infect Dis 207, 1655-63 (2013)
Nkhomaら, JID 208:346-349 (2013)

発明が解決しようとする課題

0006

現在、分子マーカーが存在しないために、ART耐性寄生虫が記録されている中心地への封じ込めの取り組みが阻害され、ARTが依然として最も手頃で効果的な抗マラリア薬である、他の流行地域でのART耐性の迅速な検出が妨げられる。ART耐性を広範囲で監視するために、ART耐性と関連する分子マーカーが至急必要である。本発明は、当該技術分野におけるこの必要性を満たす。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、プラスモジウム属原虫(Plasmodium)を検出及び遺伝子型決定(genotyping)するための方法、組成物、及びキットを包含する。一つの実施態様において、方法はプラスモジウム属原虫を含むサンプルを準備する工程、及びサンプル中の変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の存在を検出する工程を含む。好ましくは、プラスモジウム属原虫は熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)である。

0008

一つの実施態様において、サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在は、シーケンシングにより検出される。一つの実施態様において、サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在はPCRにより検出される。

0009

本発明は、プラスモジウム属原虫感染を感染した患者において検出するための方法、組成物、及びキットを包含する。一つの実施態様において、方法は、患者の血液サンプルを準備する工程、及び血液サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む。方法は、プラスモジウム属原虫が野生型又は変異型のいずれのK-13プロペラ核酸又はタンパク質配列を有するかを判定する工程を含んでもよい。

0010

好ましくは、プラスモジウム属原虫は熱帯熱マラリア原虫である。

0011

一つの実施態様において、サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在は、シーケンシングにより検出される。一つの実施態様において、サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸の有無は、PCRにより検出される。

0012

一つの実施態様において、プラスモジウム属原虫感染を検出するためのキットは、K-13プロペラ核酸を増幅するためのプライマー及び増幅産物を検出するための試薬を含む。

0013

一つの実施態様において、キットは、変異型K-13プロペラ核酸を検出するためのプローブを含む。好ましくは、プローブは蛍光標識又は酵素標識で標識されている。

0014

様々な実施態様において、キットは、Y493H、R539T、I543T、及びC580Yアレル(allele)をコードする変異型K-13プロペラ核酸を検出する。

0015

ある実施態様において、キットは、Y493H、R539T、I543T、又はC580Yアレルをコードする変異型K-13プロペラ核酸を検出する。

0016

様々な実施態様において、キットは以下のプライマーを少なくとも一つ含む。
5'-cggagtgaccaaatctggga-3’ (配列番号:9)、
5'-gggaatctggtggtaacagc-3’ (配列番号:10)、
5'-cgccagcattgttgactaat-3’ (配列番号:11)、及び
5'-gcggaagtagtagcgagaat-3’ (配列番号:12)、
又はキットは以下のプライマーを少なくとも一つ含む。
5'-cggagtgaccaaatctggga-3’ (配列番号:9)、
5'-gggaatctggtggtaacagc-3’ (配列番号:10)、
5'-cgccagcattgttgactaat-3’ (配列番号:11)、
5'-gcggaagtagtagcgagaat-3’ (配列番号:12)、
5'-gccaagctgccattcatttg-3’ (配列番号:13)、及び
5'-gccttgttgaaagaagcaga-3’ (配列番号:14)。

0017

様々な実施態様において、キットはF446I、N458Y、C469Y、Y493H、K503N、R539T、I543T、P553L、P574L、A578S、C580Y、及びD584Vアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する。

0018

様々な実施態様において、キットは、F446I、G449A、N458Y、C469Y、W470stop、A481V、Y493H、K503N、S522C、V534A、R539T、I543T、G548D、P553L、V555A、A557S、R561H、K563R、V568G、P574L、A578S、C580Y、F583L、D584V、V589I、Q613E、及びD641Gアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する。

0019

様々な実施態様において、キットは、少なくとも1組の以下の一対のプライマーを含む。
ペアPCR1
5’ aggtggatttgatggtgtagaat 3’ (フォワード) (配列番号:15)
5’ catacacctcagtttcaaataaagc 3’ (リバース) (配列番号:16)
ペアPCR2
5’ aatttcttatacgtttttggtggtaa 3’ (フォワード) (配列番号:17)
5’ ctctacccatgctttcatacgat 3’ (リバース) (配列番号:18)
ペアPCR3
5’ ggatatgatggctcttctattataccg 3’ (フォワード) (配列番号:19)
5’ acttcaatagaatttaatctctcacca 3’ (リバース) (配列番号:20)
ペアPCR4
5’ atgtcattggtggaactaatggt 3’ (フォワード) (配列番号:21)
5’ ttaaatggttgatattgttcaacg 3’ (リバース) (配列番号:22)
ペアPCR5
5’ ttcaggagcagcttttaattacc 3’ (フォワード) (配列番号:23)
5’ ctggtgaaaagaaatgacatgaa 3’ (リバース) (配列番号:24)
ペアPCR6
5’ ccttgttgaaagaagcagaattt 3’ (フォワード) (配列番号:25)
5’ attcaatacagcacttccaaaataa 3’ (リバース) (配列番号:26)

0020

様々な実施態様において、キットは以下のSNPとハイブリダイズする少なくとも一個のプローブを含む。

0021

0022

本発明は、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプル中において野生型K13プロペラ核酸又は変異型K13プロペラ核酸の存在を検出するための方法を包含し、方法は、
プラスモジウム属原虫のDNAを含む生体サンプルを準備する工程、
場合により前記生体サンプルからDNAを抽出する工程、
プラスモジウム属原虫のDNAを、K13プロペラ核酸と100 bp〜300 bpの間の距離をおいて特異的にハイブリダイズする1組のプライマーと接触させ、インターカレート染料(intercalating dye)の存在下でPCR反応を実行する工程、
増幅産物を融解テップに供する工程、
増幅産物の融解プロファイルを解析することにより変異型アレル又は野生型アレルの存在を判定する工程
を含む。

0023

いくつかの実施態様において、方法は、F446I、G449A、N458Y、C469Y、W470stop、A481V、Y493H、K503N、S522C、V534A、R539T、I543T、G548D、P553L、V555A、A557S、R561H、K563R、V568G、P574L、A578S、C580Y、F583L、D584V、V589I、Q613E、及びD641Gアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する工程を含む。

0024

本発明は、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプルにおいて変異型K13プロペラ核酸の存在を検出するための方法を包含し、方法は、変異型K13プロペラ核酸をPCR反応により増幅する工程、及び増幅した核酸を変異型K13プロペラ核酸に特異的なプローブと接触させる工程を含む。

0025

いくつかの実施態様において、プローブは蛍光ビーズ又はビオチンと結合している。

0026

いくつかの実施態様において、方法は、プローブを変異型K13プロペラドメイン核酸に結合させる工程、及び結合したK13プロペラドメイン核酸を、該結合したK13プロペラドメイン核酸に結合する第二のプローブを用いて検出する工程を含む。

0027

いくつかの実施態様において、変異型K13プロペラ変異核酸又はタンパク質の存在は、患者がアルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染していることを示す。

0028

いくつかの実施態様において、方法は、アルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染した前記患者に、通常のプロトコルよりも長い期間、アルテミシニン誘導体に基づく治療を施し、及び/又は別の抗マラリア薬、好ましくはキニーネ、クロロキン、又はメフロキンをを投与する工程を含む。

0029

いくつかの実施態様において、方法は、アルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染した前記患者に、新規抗マラリア薬に基づく治療を施し、また前記治療を施した後に、工程a)及びb)を繰り返す工程を含み、変異型K13プロペラ核酸又はタンパク質が存在しないことが、患者がもはやアルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に感染していないこと、及び前記治療がアルテミシニン誘導体耐性のプラスモジウム属原虫に有効であることを示す。

図面の簡単な説明

0030

図1は、F32-ART5における経時的な変異の獲得を示す。増加するアルテミシニン濃度に連続120サイクル曝露されたF32-Tanzania寄生虫18を、5つの時点(灰色の矢印)で全ゲノムシーケンシングにより解析した。所定の数の薬剤圧サイクルの後に変異したローカスを示す(ボックス)。PCRにより3個の変異が検出された最も初期の時点(黒矢印)を、PF3D7_1343700についてはφ、PF3D7_0213400については*、及びPF3D7_1115700については#で示す。円は、それぞれF32-ART5及びF32-TEM寄生虫のRSA0-3h生存率を示す。
図2は、K13プロペラアレルにより階層化した、RSA0-3hでのカンボジアの寄生虫分離株の生存率を示す。全ゲノム配列データマイニングすることにより(n=21)、又はPCR産物をシーケンシングすることにより(n=28)、遺伝子型を取得した。変異型寄生虫は、野生型寄生虫よりも有意に高いRSA0-3h生存率を有する。野生型(n=17、中央値0.16%、四分位範囲0.09-0.24、レンジ0.04-0.51)、C580Y (n=26、中央値14.1%、四分位範囲11.3-19.6、レンジ3.8-27.3、野生型対C580YについてP<10-6、マンホイットニーU検定)、R539T (n=5、中央値24.2%、四分位範囲12.6-29.5、レンジ 5.8-31.3、野生型対R539TについてP<10-3)、Y493H (51.4%)、及びI543T (58.0%)。対照の3D7寄生虫のRSA0-3h生存率(0.04%)をアスタリスクによって示す。
図3は、2001年〜2012年における6つのカンボジアの州での886株の寄生虫分離株中のK13プロペラアレルの頻度を示す。遺伝子型は、保管血液サンプルのPCR産物をシーケンシングすることにより得られた。全ての変異型アレルは、単一の非同義的SNP(色分けされており、野生型、C580Y、R539T、Y493H、及びI543Tについて図2と同じ色分け)を保有する。野生型アレルの頻度の有意な減少(フィッシャーの正確確率検定)が、パイリン(Pailin)、バタバン(Battambang)、ポーサット(Pursat)、及びクラチエ(Kratie)で経時的に観察された(実施例を参照)。
図4のAは、2009年〜2010年におけるポーサット及びラタナキリ(Ratanakiri)の寄生虫分離株についての寄生虫クリアランス半減期とK13プロペラアレルとの相関を示す。野生型寄生虫(中央値3.30時間、四分位範囲2.59-3.95、n=72)は、C580Y(7.19時間、6.47-8.31、n=51、P<10-6、マン・ホイットニーのU検定)、R539T(6.64時間、6.00-6.72、n=6、P<10-6)、又はY493H(6.28時間、5.37-7.14、n=21、P<10-6)寄生虫よりも短い半減期を有している。C580Y寄生虫の半減期は、Y493H寄生虫の半減期よりも有意に長い(P=0.007)。Bは、同じ150株の寄生虫分離株について、寄生虫クリアランス半減期、KH亜集団15、及びK13プロペラアレルの相関を示す。半減期を、ポーサット(正方形)及びラタナキリ(三角形)の寄生虫について示し、KH群及びK13プロペラアレルによって階層化している(パネルAと同様に色分け)。K13プロペラアレルによって階層化された半減期の中央値は、[KH1:野生型(2.88)及びY493H(6.77);KH2:C580Y(7.13)及びY493H(4.71);KH3:野生型(3.65)、C580Y(8.73)及びR539T(6.65);KH4:Y493H(6.37);並びにKHA:野生型(4.01)、C580Y(7.09)、Y493H(6.18)、及びR539T(5.73)]。
図5は、F32-ART5及びF32-TEMの全ゲノム配列比較のSNPコーリングアルゴリズム(a)、及びF32-TEMとF-32 ART5とで異なる7個の候補遺伝子におけるSNPの配列及びカバレッジ(b)を示す。
図6は、2011年〜2012年におけるカンボジアのK13プロペラアレルの地理的分布を示す。円グラフは、10のカンボジアの州における300株の寄生虫分離株中のK13プロペラアレルの頻度を示す。円の大きさは、分離株の数に比例しており、異なるアレルは図3と同様に色分けされている。変異型K13プロペラアレルの頻度(95%信頼区間)は、パイリン(95%、88-99、n=84)、バタンバン(93%、87-99、n=71)、ポーサット(89%、67-99、n=19)、カンポット(Kampot)(83%、52-98、n=12)、コンポンソム(Kampong Som)(71%、29-96、n=7)、ウドンメンチェイ(Oddar Meanchey)(76%、58-89、n=33)、プレアヴィヒア(Preah Vihear)(16%、3-40、n=19)、クラチエ(71%、44-90、n=17)、モンドルキリ(Mondulkiri)(67%、9-99、n=3)、及びラタナキリ(6%、1-19、n=35)である。
図7は、8つのカンボジアの州における、野生型K13プロペラアレルの頻度と、ACT治療後3日目の陽性保有率との間の相関を示す。3日目の陽性の頻度を、野生型K13プロペラアレルの頻度に対してプロットする。データは、2010年〜2012年に8つのカンボジアの州においてACTを用いた熱帯熱マラリア原虫性マラリアの治療を受けた患者に由来する(図4):パイリン(n=86、2011年WHO治療効果調査報告書(therapeutic efficacy study)、アルテスネイト(artesunate)-メフロキン(mefloquine))、ポーサット(n=32、2012年WHO治療効果調査報告書、ジヒドロアルテミシニン-ピペラキン)、ウドンメンチェイ(n=32、2010年NAMRU-2治療効果調査報告書、アルテスネイト-メフロキン)、コンポンソム/スプー(Speu)(n=7、2012年WHO治療効果調査報告書、ジヒドロアルテミシニン-ピペラキン)、バタンバン(n=18、2012年WHO治療効果調査報告書、ジヒドロアルテミシニン-ピペラキン)、クラチエ(n=15、2011年WHO治療効果調査報告書、ジヒドロアルテミシニン-ピペラキン)、プレアヴィヒア(n=19、2011年WHO治療効果調査報告書、ジヒドロアルテミシニン-ピペラキン)、ラタナキリ(n=32、2010年WHO治療効果調査報告書、ジヒドロアルテミシニン-ピペラキン)。スピアマンの順位相関係数(8地域):r=-0.99、95%信頼区間 -0.99〜-0.96、P < 0.0001。
図8は、熱帯熱マラリア原虫K13及びヒトKEAP1タンパク質間相同性の概略図(A)及びK13プロペラドメインの構造的3次元モデル(B)を示す。 Aは、予測PF3D7_1343700タンパク質の概略図及びヒトKeap1との相同性である。Keap1と同様に、PF3D7_1343700はBTB/POZドメイン及びC末端の6枚羽のプロペラを含んでおり、プロペラは4つの逆平行βシートからなるkelchモチーフを組む。Bは、K13プロペラドメインの構造的3次元モデルであり、N末端からC末端へ1〜6番の番号を付された6枚のkelchの羽根(blade)を示す。 K13プロペラと、ヒトKeap146, 47を含む3次元構造が解決されたタンパク質のkelchドメインとの間のアミノ酸同一性のレベルにより、発明者らはK13プロペラの3次元構造モデルを作ることができ、ART圧下で選抜された変異をマッピングすることができた(表4)。K13プロペラの3次元モデルの正確性を、Modeller特異的なモデル/フォールド信頼度基準(実施例参照)によって確認した。発明者らは、K13プロペラは、6枚羽のβプロペラ構造へと折りたたまれ48、C末端のβシートとN末端の羽根との間の相互作用によって閉じられる46, 48と予測する。第一のドメインは3つのβシートを有し、4つ目は、図9においてβ’1と呼ばれる追加のC末端のβシートにより与えられる。 ヒトKeap1のkelchプロペラの足場(scaffold)は、ヒトの肺癌46及び高血圧47において、同一の羽根内及び異なる羽根間の相互作用に影響する様々な変異によって不安定化される。様々な変異の位置を球によって示す。F32-ART5において変異したM476残基を濃い灰色で示す。ヒトKeap1において観察された変異46, 47と同様に、多くのK13プロペラ変異はプロペラの構造を変化させるか又は表面の電荷を変化させ、結果としてタンパク質の生物学的機能を変化させると予測される。重要なことに、カンボジアで観察される2つの主要な変異、C580Y及びR539Tは、どちらも非保存的であり、組織二次構造:それぞれ、この足場の完全性(integrity)を変化させると予測されている4番目の羽根のβシート、及び3番目の羽根の表面、に位置していることが予測される。 Keap1のkelchプロペラドメインは、ほとんどのkelch保有モジュールと同様に43、タンパク質-タンパク質の相互作用に関与している。Keap1は、誘導性のNrf2依存的細胞保護応答の負の調節因子であり、定常状態下ではNrf2を細胞質に隔離している。酸化ストレスを受けると、Nrf2/Keap1複合体が破壊され、Nrf2が核へ移行し、そこで細胞保護性のARE依存性遺伝子の転写誘導する49, 50。発明者らは、熱帯熱マラリア原虫では類似の機能がPF3D7_1343700に割り当てられている可能性があり、K13プロペラの変異により未知のタンパク質のパートナーとの相互作用が損なわれ、その結果無秩序抗酸化/細胞保護応答が起こると推測する。熱帯熱マラリア原虫の抗酸化応答は、後期トロホゾイトステージに最大となるが、この時にヘモグロビン消化及び代謝が最も高い51。その調節は、未だに十分に理解されておらず、プラスモジウム属原虫のゲノムにおいてNrf2のオーソログは同定できていない。
図9Aは、PF3D7_1343700参照核酸(配列番号:1)及びアミノ酸(配列番号:2)のコード配列(3D7型)及び変異の部位を示す。図9Aの色分け:濃い灰色、プラスモジウム属特異的部位(1-225)及びアピコンプレックス門(Apicomplexa)特異的部位(225-345);薄い灰色、BTB/POZドメイン。
図9Bは、PF3D7_1343700参照核酸(配列番号:1)及びアミノ酸(配列番号:2)のコード配列(3D7型)及び変異の部位を示す。図9Bにおいて、PlasmoDBバージョン9.3(http://www.plasmodb.org/plasmo/)において報告されている多型コドンの部位、及び本試験において観察された多型コドンの部位を、黒で囲んである。最も多く報告された多型は、ガンビア由来の1株の分離株において観察された(引用文献44)E621Dから離れたN末端ドメインに位置していることに留意されたい。6つの個々のkelchドメインは、それぞれ443〜473、474〜526、527〜573、574〜614、615〜666、及び667〜726の残基に位置する。
図10Aは、7種のプラスモジウム属原虫の種由来のPF3D7_1343700オーソログのタンパク質配列のClustalWアライメントを示す。符号:F-XP_001350158 熱帯熱マラリア原虫(PF3D7_1343700) (配列番号:2)V-XP_001614215三日熱マラリア原虫Sal1(配列番号:3)C-XP_004223579 P. cynomolgi (配列番号:4)K-XP_002259918 P. knowlesi (配列番号:5)B-XP_674094 P. berghei (配列番号:6)Y-XP_730901 P. yoelii (配列番号:7)PCHAS_136130 P. chabaudi (配列番号:8)多型の熱帯熱マラリア原虫は、灰色で影をつけてある。
図10Bは、7種のプラスモジウム属原虫の種由来のPF3D7_1343700オーソログのタンパク質配列のClustalWアライメントを示す。
図10Cは、7種のプラスモジウム属原虫の種由来のPF3D7_1343700オーソログのタンパク質配列のClustalWアライメントを示す。
図11は、リアルタイムPCR-HRM:変異型K13プロペラアレル対野生型K13プロペラアレルの検出を示す。核酸配列は、配列番号:1のnt 1261-2181である。アミノ酸配列は、配列番号:2のaa 421-726である。 全てのドメインを増幅するようにK13遺伝子のプロペラドメインの配列上に設計された6組のプライマーは、矢印によって示される。
図12Aは、リアルタイムPCR-HRMによる変異型K13プロペラアレル対野生型K13プロペラアレルの検出を示す(配列番号:1のnt 1279-2127)。
図12Bは、6組のプライマーの組の配列、K13プロペラドメインの核酸配列上のこれらの位置、及び増幅産物のサイズを示す(配列番号:27〜38)。
図13は、Luminex(登録商標)多重アッセイ(多重リガーゼ検出反応蛍光ミクロスフェアアッセイ)によるPCR反応及びプローブのハイブリダイゼーションを用いた、変異型K13プロペラアレルのうちの20個の検出を示す。核酸配列は、配列番号:1のnt 1261-2181である。アミノ酸配列は、配列番号:2のaa 421-726である。 黒矢印はPCR反応用のプライマーを示す。 プライマーF 5’ gccttgttgaaagaagcaga 3’ (配列番号:14) プライマーR 5'- gccaagctgccattcatttg -3’ (配列番号:13)特異的プローブ(薄い灰色及び濃い灰色)は、K13プロペラドメイン中の一塩基多型(SNP)を検出するように設計される。薄い灰色のプローブは、アレル特異的であり、蛍光ビーズに結合する。薄い灰色の各位置において、2個のプローブが存在し、1個は3’末端に変異したヌクレオチドを有しており、1個は3’末端に野生型ヌクレオチドを有している。濃い灰色のプローブは、保存配列領域内に設計され、ビオチンに結合する。

0031

0032

表1は、F32-ART5において非同義的(non-synonymous)一塩基多型を含む遺伝子を増幅するために用いられるプライマーの配列を示す。フォワードプライマー(配列番号:39〜45)及びリバースプライマー(配列番号:46〜52)を示す。
表2は、増加する濃度のアルテミシニンへの有効な5年間の非連続的な曝露中に、F32-ART5において獲得された、F32-TEM系統と比較した8つの非同義的一塩基多型を記述する。
# 3D7型配列;同一のコドン配列が、親株のF32-Tanzania株においても観察される。
* 対応する薬剤圧サイクルにおいて選抜に用いられたアルテミシニン(ART)用量。
a Takala-Harrisonら16の最上位の選択の痕跡(top-ranked signatures of selection)の染色体位置において見出された遺伝子。
表3は、F32-ART5寄生虫において変異した遺伝子の報告された特徴を示す。
表4は、K13プロペラ多型について試験した、保管血液サンプルの地理的起源及び採集年を示す。
表5は、2001年〜2012年に採集されたカンボジアの熱帯熱マラリア原虫分離株のK13プロペラ中、及びガンビアにおいて(引用文献42)観察される多型を示す。
* F32-ART5において観察され、カンボジアでは観察されていない
** ガンビアで報告され(引用文献42)、カンボジアでは観察されていない
表6は、2009年〜2010年にカンボジアのポーサット州(n=103)及びラタナキリ州(n=47)で採集された150株の熱帯熱マラリア原虫分離株において観察された、K13プロペラ中に観察される多型とKH亜集団(引用文献15)との関連を示す。
表7は、アジア及びアフリカにおいてK13プロペラドメイン中に同定された最も頻度の高い変異の一覧である。
表8は、Witkowskiら45によって記述されたとおりにインビトロ培養に順応させた、カンボジア由来の50株の臨床的熱帯熱マラリア原虫分離株(2010年及び2011年に採集)を示す。RSA及び多型を示す。

0033

アジアにおける熱帯熱マラリア原虫のアルテミシニン誘導体への耐性は、マラリアの抑制及び根絶への世界的な取り組みを脅かしている。アルテミシニン耐性の拡大を監視するために、分子マーカーが至急必要である。本願では、アフリカ由来のアルテミシニン耐性寄生虫株及びカンボジア由来の臨床的寄生虫分離株の全ゲノムシーケンシングを用いて、PF3D7_1343700 kelchプロペラドメイン(「K13プロペラ」)における変異をインビトロ及びインビボでのアルテミシニン耐性と関連付ける。変異型K13プロペラアレルは、耐性が広がっているカンボジアの州に集中しており、ドミナント変異型K13プロペラアレルの頻度の増加は、カンボジア西部における近年の耐性の拡大と相関がある。変異型アレルの存在、インビトロの寄生虫生存率、及びインビボの寄生虫クリアランス速度の間の強力な相関は、K13プロペラ変異がアルテミシニン耐性の重要な決定因子であることを示している。K13プロペラの多型は、アルテミシニン耐性を大メコン圏(Greater Mekong Subregion)内に封じ込め、世界的な拡大を防ぐための大規模調査の取り組みに有用な分子マーカーを構成する。

0034

ART耐性の候補分子マーカーの同定
ART感受性のF32-Tanzaniaのクローンを、用量増加型、125サイクルのアルテミシニンのレジメンで5年間培養することにより、ART耐性F32-ART5寄生虫株を選抜した18。F32-ART5とF32-TEM(アルテミシニン無しで培養した同胞種のクローン(sibling clone))の両方について、それぞれ460x及び500xの平均ヌクレオチドカバレッジで、全ゲノム配列を得た。F32-TEMと比較して、F32-ART5において欠失した遺伝子は同定されなかった。(i) 変動が大きい、マルチジーンファミリー由来の遺伝子(var、rifin、及びstevor)、(ii) 寄生虫株の平均カバレッジの25%未満のカバレッジを有する位置、(iii) F32-ART5中に混在していることが判明した一塩基多型(SNP)、獲得したART耐性変異は5年間の継続的な選抜の後はサンプル中に定着していると期待できると考えて、(iv) F32-ART5とART感受性の3D7寄生虫株とで共有されているSNP、及び(v)同義的(synonymous)SNPを除いた後、F32-ART5及びF32-TEMのエクソームを比較した (図5)。

0035

この解析により、7つの遺伝子において8つの変異が同定され、これらを続いてPCR産物のサンガー法シーケンシングにより確認した(表1)。F32-ART5において、各遺伝子はF32-TEM、F32-Tanzania、又は3D7と比較して一個の変異型コドンを含む(表2)。遺伝子の発現及びタンパク質の生物学的機能についての情報を、表3に列挙する。これらの遺伝子のただ1つ、システインプロテアーゼファルシパイン2a(PF3D7_1115700)のみが、以前にARTへのインビトロ応答と関連づけられている19。各変異がいつF32-ART5の系統に出現したのか決定するために、様々な薬剤圧サイクルでの寄生虫の全ゲノム配列を解析した(図1)。この解析により、ART耐性の急激な増加の間にPF3D7_0110400 D56V及びPF3D7_1343700 M476Iの変異が最初に獲得され、その後安定して維持されたことが示された。重要なことには、これら2つの変異の出現は、リングステージ生存アッセイ(RSA0-3h)の生存率の0.01%未満から12.8%への増加と関連している。その後のPF3D7_1343700ローカスのPCR解析により、30薬剤圧サイクル後にM476I変異が検出されたが、これはその後に観察されたRSA0-3h生存率の急激な増加と一致している。選抜の後半の段階で、他のSNPも段階的に出現した:PF3D7_0213400 (68サイクル);PF3D7_1115700 (98サイクル);PF3D7_1302100、PF3D7_1459600、及びPF3D7_1464500 (120サイクル) (表2)。これらのデータは、PF3D7_1343700 M476I変異がF32-TanzaniaのRSA0-3hでのDHAへの耐性を向上させたことを示唆している。

0036

これらの変異がカンボジアにおけるART耐性に関連しているかどうかを調査するために、発明者らは、2010年〜2011年に採集された、培地に順応させた寄生虫分離株49株について全ゲノム又はサンガー配列をマイニング(網羅解析)することによって全7遺伝子の配列多型を調べた(実施例参照)。発明者らは、RSA0-3h生存率の差(表8)に基づいて、これらの分離株を選択し、これらの配列を、対照寄生虫株3D7、89F520、及びK1992と比較した(実施例参照)。全ての寄生虫分離株について、3つの遺伝子(PF3D7_0110400、PF3D7_0213400、及びPF3D7_1302100)は、野生型配列をコードしている。他の4つの遺伝子は集団内での多様性を示し、以前に報告されたSNP又は新規のSNPを有する(表8)。PF3D7_1115700は、RSA0-3h生存率とは関連しない11個のSNPを有する(P=0.06、クラスカルウォリス検定)。PF3D7_1459600は、生存率とは関連しない6個のSNPを有する(P=0.65)。PF3D7_1464500は、ART感受性Dd2株21を含む、東南アジア由来のより古い分離株で以前報告された12個のSNPを有するが、これはおそらく地理的痕跡を反映している。これらのSNPも、生存率と有意な関連を示さない(P=0.42)。したがって、これらの6つの遺伝子はそれ以上試験しなかった。

0037

対照的に、PF3D7_1343700多型はRSA0-3h生存率と有意な関連を示す(図2)。実際、RSA0-3h生存率は野生型K13プロペラアレルを有する寄生虫分離株(中央値0.17%、レンジ0.06-0.51%、n=16)と、変異型K13プロペラアレルを有する寄生虫分離株(18.8%、3.8-58%、n=33)との間で実質的に異なる(P<10-4、マン・ホイットニーのU検定) (表8)。4つの変異型アレルが観察され、各々がC末端のK13プロペラドメインのkelchリピート内に単一の非同義的SNP、すなわちY493H、R539T、I543T、及びC580Yを含み、これらはそれぞれリピート#2、#3、#3、及び#4に位置している。K1992株及びART感受性89F5株の両方が、野生型K13プロペラを保有している。K-13プロペラにおける多型と、他の候補遺伝子における多型との間に関連は無い(表8)。これらの観察及びF32-ART5によるkelchリピート#2のM476Iの獲得に基づき、発明者らは、K13プロペラ多型がカンボジアにおけるART耐性の分子署名であるかどうかを調べた。

0038

カンボジアにおける変異型K13プロペラアレルの出現及び拡大
過去10年間にわたり、カンボジアの西部の州でART耐性の保有率は着実に増加しているが、当該国の他の地域ではそうではない2。K13プロペラ変異の時空間的分布がART耐性の時空間的分布と相関するかどうかを試験するために、発明者らは、2001年〜2012年にマラリアに罹患したカンボジアの患者由来の保管寄生虫分離株のK13プロペラをシーケンシングした(表4)。6州からのデータを比較した(n=886):ART耐性が確認された西部のパイリン、バタンバン、及びポーサット1, 6, 8, 22、ART耐性が近年増加している南東部のクラチエ2、並びに、この期間内にART耐性のエビデンスが事実上無かった部のプレアヴィヒア及び北東部のラタナキリ2である。この解析により、3個の高頻度(≧ 5%)アレル(C580Y、R539T、及びY493H)を含む、全部で17個の変異型アレルが明らかになる。西部の3州全てにおいて、野生型配列の頻度は、時間とともに有意に減少したが、プレアヴィヒアやラタナキリでは減少しなかった。パイリン及びバタンバンにおいて、2001年〜2002年から2011年〜2012年にかけて、C580Yアレルの頻度が有意に増加したが、これはこの集団がこれらの地域に急速に侵入し、ほとんど定着していることを示している(図3)。

0039

カンボジアにおけるK13プロペラ多型の地理的多様性をさらに調べるために、発明者らは、2011年〜2012年に、配列解析を拡大して、4つの追加の州のデータを含めた(n=55、コンポンソム、カンポット、モンドルキリ、及びウドンメンチェイ) (表4)。多数の変異が観察される(図9及び表5)が、C580Yアレルが2011年〜2012年に観察された全変異型アレルの85% (189/222)を占める(図6)。このマッピングにより、K13プロペラに単一の非同義的変異を含む寄生虫の頻度の上昇(74%、222/300)及び分布の地理的格差が説明される。重要なことには、様々な州にわたる変異型アレルの頻度分布は、ACTを用いたマラリアの治療を受けた患者における3日目の陽性率と一致し(スピアマンのr=0.99、95%信頼区間0.96-0.99、P<0.0001)、臨床的ART耐性の示唆的兆候と考えられた(図7)。

0040

K13プロペラ多型、ART耐性亜集団、及び臨床的ART耐性の間の関係
K13プロペラ多型が臨床的ART耐性の分子マーカーであることを確認するために、発明者らは、最初に、2009年〜2010年に寄生虫クリアランス半減期を測定し(レンジ1.58-11.53時間)6、以前に寄生虫が全ゲノム配列データの系統解析に基づいてKH亜集団(KH1、KH2、KH3、KH4、又はKHA)に割り当てられた15、ポーサット及びラタナキリの163人の患者を同定した。混合型の遺伝子型(野生型及び1種以上の変異型K13プロペラアレル)を有する13人の患者を除外した。残りの150人の患者中、72人が野生型アレルを有する寄生虫を保有し、他の人はK13プロペラに単一の非同義的SNPのみを有する寄生虫を保有していた:C580Y (n=51)、R539T (n=6)、及びY493H (n=21) (表6)。野生型寄生虫を有する患者における寄生虫クリアランス半減期(中央値3.30時間、四分位範囲2.59-3.95)は、C580Y (7.19時間、6.47-8.31、P<10-6、マン・ホイットニーのU検定)、R539T (6.64時間、6.00-6.72、P<10-4)、又はY493H (6.28時間、5.37-7.14、P<10-6)の寄生虫を有する患者の半減期に比べて、有意に短い(図4A)。また、C580Y寄生虫を保有する患者における寄生虫クリアランス半減期は、Y493H寄生虫を有する患者の半減期に比べて、有意に長い(P=0.007、マン・ホイットニーのU検定)。これらのデータは、C580Y、R539T、及びY493Hが、ARTを用いて治療したマラリア患者においてクリアランスが遅延する(slow-clearing)寄生虫を特定することを示す。

0041

KH2、KH3、KH4、及びKHAの寄生虫はKH1の寄生虫より長い半減期を有している15ため、発明者らは、K13プロペラにおけるアレルのバリエーションがこれらの差異主要因であると仮定した。150株の寄生虫のうち、55株、26株、14株、12株、及び43株が、それぞれKH1、KH2、KH3、KH4、及びKHAに分類される。3つのK13プロペラアレルがKHの群と強く関連する:KH1の寄生虫の96% (53/55)、KH2の寄生虫の96% (25/26)、及びKH4の寄生虫の100% (12/12)が、それぞれ野生型アレル、C580Yアレル、及びY493Hアレルを保有している(表6)。KH3の寄生虫(n=14)は野生型アレル、C580Yアレル、及びR539Tアレルを保有している一方で、KH1、KH2、又はKH4の寄生虫においてR539Tは観察されない。予想通り、KHAの寄生虫は混合型のアレル組成を有している。重要なことには、K13プロペラ変異は、KHの群よりも正確に、クリアランスが遅延する寄生虫を特定し(図4B)、これにより、K13プロペラ多型とカンボジアにおける臨床的ART耐性との関連が、KH亜集団の遺伝的背景から部分的に独立であることが明らかになる。KH1群(n=55)中、野生型寄生虫を有する患者における寄生虫クリアランス半減期(n=53、中央値2.88時間、四分位範囲2.52-3.79)は、Y493H寄生虫を有する患者の半減期(n=2、中央値6.77時間、P=0.02、マン・ホイットニーのU検定)に比べて有意に短い。KH3亜集団(n=14)中、野生型寄生虫を有する患者における半減期(n=3、中央値3.65時間)は、C580Y寄生虫を有する患者の半減期(n=7、中央値8.73時間、四分位範囲7.35-9.06、P=0.02)又はR539T寄生虫を有する患者の半減期(n=4、6.65時間、6.29-6.80、P=0.03)よりも短い。

0042

F32-ART5系統は、RSA0-3hにおけるDHAへの薬理学的に意義のある曝露を生き延びる能力によって示される、ART耐性を発達させる間に、K13プロペラ変異を獲得した。ART耐性と推定的に関連する遺伝子(Pfcrt23, 24、Pftctp25, 26、Pfmdr18, 27, 28、Pfmrp127-29、及びABCトランスポーター30)、又はARTの推定的標的をコードする遺伝子(PfATPase631, 32及びP. chabaudiのubp1のオーソログであるPfubcth33, 34)は、F32-ART5の5年間の選抜の間に変異せず、Pfmdr1の増幅は観察されなかった35-40。加えて、集団遺伝学的アプローチを用いて近年同定された全てのART耐性候補遺伝子14, 40, 41は、F32-ART5系統において、Takala-Harrisonら16によって同定された連鎖不平衡ウインドウに位置するPF3D7_1343700及びPF3D7_1459600を除いて、不変のままであった。これらの発見により、発明者らは、カンボジアで天然循環している寄生虫においてさらに17個の単一のK13プロペラ変異を同定した。これらの変異のいくつかは、カンボジアにおけるART耐性の時空間的分布、インビトロでのDHAに対する寄生虫の向上した生存率、及びインビボでのART治療に対する長期の寄生虫クリアランス半減期と強く関連する。カンボジア由来の寄生虫分離株において、F32-ART5において変異した他の6個の遺伝子はいずれもRSA0-3h生存率と関連していない。

0043

K13プロペラ多型は、複数の理由で、ART耐性の分子マーカーの定義を充足する:(i)カンボジア西部において、この地域でART耐性が出現した10年間に、野生型寄生虫の進行性消失が起こっている、(ii)変異型寄生虫が、ART耐性が十分に確認されているカンボジアの州に集まっており、ART耐性がまれな場所ではそれほど広まっていない、(iii)PF3D7_1343700は、Cheesemanら14によって近年の正の選択下にあるとして同定された35-kbのローカスの5.9 kb上流に位置しており、Takala-Harrisonら16によって概説された、最上位の選択の痕跡の領域内にある、(iv) その全てが非同義的である複数の変異がK13プロペラに存在し、ヒッチハイキング効果や遺伝的浮動ではなくむしろ正の選択を反映している、(v) 変異は熱帯熱マラリア原虫において高度に保存されているドメインで起こっており、このドメインについては、アフリカから単離された1株の寄生虫においてただ1つの非同義的SNPしか記録されていない42、(vi) 発明者らがカンボジアにおいて観察した全ての多型は新規であり、1つ(V568G)を除いて全てがプラスモジウム属の種間で厳密に保存されている部位において起こっており(図9及び図10)、タンパク質への強い構造的及び機能的制約が示唆される、(vii) 最も普及している3つのK13プロペラ変異は、個々の寄生虫分離株及びマラリア患者のレベルで、それぞれインビトロのRSA0-3h生存率及びインビボの寄生虫クリアランス半減期と強く相関する、そして(viii) 変異型アレルの頻度は、カンボジアにおけるヒト個体群レベルでACT治療後3日目の保有率と強く相関する。

0044

他のkelchプロペラドメインとの相同性に基づき、発明者らは、観察されたK13プロペラ変異がドメインの足場を不安定化させ、その機能を変えると予測する。PF3D7_1343700のC末端部分は、6個のkelchモチーフをコードするが、これらは多様な細胞機能を有する多数のタンパク質において見出される43, 44。もしART誘導体の毒性が主にその酸化促進作用に依存するならば、いくつかのkelchを含むタンパク質について報告されている、外部ストレスに対する細胞保護的反応及びタンパク質分解反応の制御における役割は、特に興味深い。K13プロペラは、ユビキチンに基づくタンパク質分解に関与するヒトKLHL12及びKLHL2、並びに酸化ストレスに対する細胞の適応に関与するKEAP1と相同性を示す(図8)。言うまでもなく、K13の正常な機能及び様々な変異の影響を明らかにするためには今後の研究が必要である。変異型寄生虫及び野生型寄生虫におけるアレル交換試験は、種々の遺伝的背景におけるK13プロペラ多型のRSA0-3h生存率への寄与を明確にするための一助となる可能性がある。実際、わずか2つの変異、すなわちK13プロペラM476I及びPF3D7_0110400 D56Vが、典型的なアフリカの遺伝的背景を有するF32-TanzaniaにART耐性を付与するのに十分であったことは、特に憂慮すべきである。変異型K13プロペラを有するカンボジアの寄生虫は広い範囲のRSA0-3h生存率(3.8%-58%)及び寄生虫クリアランス半減期(4.5-11.5時間)を示すことから、さらなる研究を行ってART耐性の遺伝的決定因子を同定する必要があり、これらの遺伝的決定因子は近年同定された強力に選択された領域16, 14内に存在している可能性がある。これに関連して、同一のK13プロペラ変異を含む寄生虫間における定量的特性としてのRSA0-3h生存率の解析は、ART耐性に関与するさらなる遺伝的ローカスを同定する一助となり得る。

0045

要約すれば、K13プロペラ多型は、ART耐性熱帯熱マラリア原虫の出現及び拡大を追跡するための有用な分子マーカーである。

0046

プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定する方法
本発明は、プラスモジウム属原虫、特に熱帯熱マラリア原虫を遺伝子型決定するための方法を包含する。方法は、インビトロで行われ、生体サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む。前記サンプルは、患者から前もって取得しておいたものであり、特に血液サンプルである。好ましい実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプルを準備する工程、及びサンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む。野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質は、当該技術分野における通常の技術により検出される。例えば、本願明細書の実施例又は別の部分において説明される技術を用いることができる。

0047

生体サンプルは有利には血液サンプルである。

0048

野生型又は変異型K-13プロペラ核酸は、シーケンシング、ハイブリダイゼーション、又は増幅アッセイ等の、当業者に周知の多数の技術により検出することができる。

0049

本発明との関連において、「野生型熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラ核酸」は、配列番号:1の配列を有する核酸、又は配列番号:2のアミノ酸配列をコードするバリアント核酸配列を意味する。本発明との関連において、「野生型熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラタンパク質」は、配列番号:2のアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。他の野生型プラスモジウム属原虫K-13プロペラタンパク質を、図10に示す。

0050

本発明との関連において、「変異型熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラ核酸」は、「変異した熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラ核酸」と同義であり、配列番号:1の核酸配列と一箇所以上の違いを有し、それにより配列番号:2のアミノ酸配列と少なくとも1アミノ酸の違いを有する核酸配列を意味する。好ましくは、本発明の変異型熱帯熱マラリア原虫K13プロペラ核酸は、カルボキシ末端K13プロペラドメインのkelchリピート内に単一の非同義的一塩基多型(SNP)を含む。より好ましくは、単一の非同義的SNPは、以下のSNPのうちの1つである。

0051

0052

本発明との関連において、「変異型熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラタンパク質」は、「変異した熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラタンパク質」と同義であり、配列番号:2のアミノ酸配列と1箇所以上の違いを有するアミノ酸配列を意味する。配列番号:2のアミノ酸配列との1箇所以上の違いは、熱帯熱マラリア原虫 K-13プロペラタンパク質のカルボキシ末端K13プロペラドメインのkelchリピート内の1つ以上の変異型アミノ酸である。

0053

好ましい変異型熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラタンパク質は、図9又は図13に示す1つ以上の変異を有している。

0054

より好ましい変異型熱帯熱マラリア原虫K-13プロペラタンパク質は、図9又は図13に示す変異から選択される単一の変異を有する。

0055

また、これらの変異は、上記に提示したSNPの一覧に従って規定される。

0056

様々な実施態様において、方法は、生体サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラタンパク質の有無を検出する工程を含む。この工程は、野生型K-13プロペラタンパク質と変異型K-13プロペラタンパク質とを識別する特定の抗体を用いることにより行うことができる。これらの抗体を、患者のサンプルと接触させることができ、免疫学的反応の有無を検出することにより、野生型又は変異型K-13プロペラタンパク質の有無を判定することができる。好ましくは、方法はELISAアッセイを含む。

0057

好ましい実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫を含むサンプルを準備する工程、及びサンプル中の変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の存在を検出する工程を含む。好ましくは、サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在をシーケンシング又はPCRにより検出する。

0058

好ましくは、プラスモジウム属原虫は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale curtisi、Plasmodium ovale wallikeri)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、サルマラリア原虫(Plasmodium knowlesi、Plasmodium brasilianum、Plasmodium cynomolgi、Plasmodium cynomolgi bastianellii、Plasmodium inui)、Plasmodium rhodiani、Plasmodium schweitzi、Plasmodium semiovale、Plasmodium simium、ネズミマラリア原虫(Plasmodium berghei、Plasmodium yoelii、及びPlasmodium chabaudi)から選択される。

0059

本発明は、プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定するための方法を包含する。好ましくは、本発明は、(野生型K13アレルを有する)アルテミシニン感受性のプラスモジウム属原虫と、(変異型K13アレルを有する)アルテミシニン耐性のプラスモジウム属原虫とを識別する。

0060

本発明は、K13プロペラドメイン核酸配列中の少なくとも1個の変異を検出するためのインビトロの方法を包含する。本発明は、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプル中の変異型K13プロペラ核酸の存在を検出するための方法を包含し、方法はK13プロペラ核酸を、変異型K13プロペラ配列に特異的なプローブと接触させる工程、及び前記プローブの前記K13プロペラ核酸との結合を検出する工程を含む。プローブのK13プロペラ核酸との結合は、当該技術分野における通常の技術により検出することができる。例えば、本願明細書に記述される任意の技術を用いることができる。例示的な変異体及びプローブを実施例15及び図13に図示する。好ましくは、プローブは少なくとも15 bp、20 bp、25 bp、又は30 bpの大きさである。最も好ましくは、プローブは15 nt〜20 nt、15 nt〜25 nt、15 nt〜30 nt、20 nt〜25 nt、又は25 nt〜30 ntの大きさである。

0061

いくつかの実施態様において、プローブは蛍光ビーズと結合している。いくつかの実施態様において、方法は、プローブを変異型K13プロペラドメイン核酸に結合させる工程、及び結合したK13プロペラドメイン核酸に結合するプローブを用いて該結合したK13プロペラドメイン核酸を検出する工程を含む。いくつかの実施態様において、K13プロペラ核酸は検出前に増幅される。

0062

一つの実施態様において、プラスモジウム属原虫の核酸は、K13プロペラドメイン核酸配列の増幅に供される。様々な実施態様において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれより多いK13プロペラドメイン核酸配列の断片が増幅される。増幅された断片は、少なくとも50 nt、75 nt、100 nt、125 nt、150 nt、175 nt、又は200 ntの大きさから、少なくとも75 nt、100 nt、125 nt、150 nt、175 nt、200 nt、250 nt、又は300 ntまでの大きさであり得る。この増幅のためのプライマーは、本願明細書で説明する任意のものであり得る。

0063

好ましくは、増幅方法はPCRであり、最も好ましくはリアルタイムPCR、PCR-HRM (高解像度DNA融解) (Andriantsoanirinaら Journal of Microbiological Methods, 78 : 165 (2009)参照)、又は蛍光ミクロスフェア(Luminex(登録商標)ミクロスフェア)に基づく、リガーゼ検出反応と連動したPCRである。この最後の方法により、複数の変異したK13プロペラアレルを同時に検出するための多重アッセイを行うことが可能になる。

0064

他の好ましい増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(LCR) (例えば、Wu及びWallace, Genomics 4, 560 (1989)、Landegrenら, Science 241, 1077 (1988)、及びBarringerら Gene 89:117 (1990))、転写増幅(Kwohら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173 (1989)及び国際公開公報第88/10315号)、自家持続配列複製(self-sustained sequence replication) (Guatelliら, Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 87, 1874 (1990)及び国際公開公報第90/06995号)、標的ポリヌクレオチド配列選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、及び核酸に基づく配列増幅(NABSA) (米国特許第5,130,238号、第5,409,818号、第5,554,517号、及び第6,063,603号)が含まれる。使用してもよい他の増幅方法は、米国特許第5,242,794号、第5,494,810号、第4,988,617号、及び第6,582,938号に記述されている。核酸の増幅に関する上記の引用文献は、各増幅方法において増幅のために用いられる特定の反応条件の該引用文献での開示に関して、具体的に参照により組み込まれる。

0065

一つの実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫の核酸を準備する工程、プラスモジウム属原虫の核酸中のK13プロペラドメイン核酸配列の少なくとも1個の断片をPCR増幅する工程、及びK13プロペラドメイン核酸配列中の少なくとも1つの変異を検出する工程を含む。本発明は、変異型K13プロペラ核酸をPCR反応により増幅する工程及び増幅した核酸を変異型K13プロペラに特異的なプローブと接触させる工程を含む、プラスモジウム属原虫を含む生体サンプル中において変異型K13プロペラ核酸の存在を検出するための方法を包含する。例示的な変異体及びプローブを実施例15及び図13に図示する。好ましくは、プローブは少なくとも15 bp、20 bp、25 bp、又は30 bpの大きさである。

0066

一つの実施態様において、変異は高解像度DNA融解により検出される。様々な実施態様において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれより多いK13プロペラドメイン核酸配列の断片が増幅され、変異の存在について高解像度DNA融解により評価される。最も好ましくは、K13プロペラドメイン核酸配列の6個の断片が増幅され、変異の存在について高解像度DNA融解により評価される。

0067

一つの実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫のDNAを含む生体サンプルを準備する工程、場合により生体サンプルからDNAを抽出する工程、プラスモジウム属原虫のDNAを、好ましくは100 bp〜300 bpの範囲の距離をおいて、K13プロペラ核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも1組のプライマーと接触させる工程、及び、好ましくはインターカレート染料の存在下でPCR反応を行う工程を含む。好ましくは、増幅産物を融解ステップに供し、増幅産物の融解プロファイルを作製する。融解ステップにより、増幅産物の融解プロファイルを解析することによる変異型アレル又は野生型アレルの存在の判定ができるようになる。

0068

一つの実施態様において、変異は、K13プロペラドメイン中の一塩基多型(SNP)を検出するように設計された特異的プローブにより検出される。一つの実施態様において、アレル特異的プローブは固体基質、好ましくはビーズ、最も好ましくは蛍光ビーズに結合する。プローブはK13プロペラドメインの変異に特異的であってもよく、又は野生型K13プロペラドメインに特異的であってもよい。プローブは、変異型又は野生型K13プロペラドメイン核酸に結合(すなわち捕捉)することができる。その後、結合した(すなわち捕捉された)K13プロペラドメイン核酸を、結合した(すなわち捕捉された)K13プロペラドメイン核酸に結合するプローブを用いて検出することができる。好ましくは、アッセイは、蛍光ミクロスフェア(Luminex(登録商標) microspheres)に基づく。例示的な変異体及びプローブを実施例15及び図13に図示する。好ましくは、プローブは少なくとも15 bp、20 bp、25 bp、又は30 bpの大きさである。好ましくは、プローブは、実施例15及び図13に列挙する変異のひとつにかかるものである。

0069

様々な実施態様において、K13プロペラドメイン核酸の少なくとも1個の断片を、配列番号15〜26から選択されるヌクレオチド配列を有する少なくとも1つのプライマーを用いて増幅する。好ましくは、増幅に用いられる1つ以上のプライマーのセットは、以下のプライマーの組から選択される。
ペアPCR1:
5’ AGGTGGATTTGATGGTGTAGAAT 3’ (フォワード) (配列番号:15)
5’CATACACCTCAGTTTCAAATAAAGC3’ (リバース) (配列番号:16)
ペアPCR2:
5’ AATTTCTTATACGTTTTTGGTGGTAA 3’ (フォワード) (配列番号:17)
5’ CTCTACCCATGCTTTCATACGAT 3’ (リバース) (配列番号:18)
ペアPCR3
5’ GGATATGATGGCTCTTCTATTATACCG 3’ (フォワード) (配列番号:19)
5’ ACTTCAATAGAATTTAATCTCTCACCA 3’ (リバース) (配列番号:20)
ペアPCR4
5’ ATGTCATTGGTGGAACTAATGGT 3’ (フォワード) (配列番号:21)
5’ TTAAATGGTTGATATTGTTCAACG 3’ (リバース) (配列番号:22)
ペアPCR5
5’ TTCAGGAGCAGCTTTTAATTACC 3’ (フォワード) (配列番号:23)
5’ CTGGTGAAAAGAAATGACATGAA 3’ (リバース) (配列番号:24)
ペアPCR6
5’CCTTGTTGAAAGAAGCAGAATTT 3’ (フォワード) (配列番号:25)
5’ ATTCAATACAGCACTTCCAAAATAA 3’ (リバース) (配列番号:26)。

0070

様々な実施態様において、K13プロペラドメイン核酸配列の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれより多いフラグメントが増幅され、変異の存在を評価される。最も好ましくは、K13プロペラドメイン核酸配列の6個のフラグメントが増幅され、高解像度DNA融解によって変異の存在を評価される。好ましくは、検出される変異は、以下の変異から選択される(始点/終点)。

0071

0072

最も好ましくは、検出される変異は以下の変異のうちの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、又は全てである。

0073

0074

ART耐性を監視する方法
本発明は、プラスモジウム属原虫のART耐性を監視するための方法を包含する。好ましい実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫を培養する工程、プラスモジウム属原虫をアルテミシニンと接触させる工程、及びK-13プロペラ核酸又はタンパク質中の変異を検出する工程を含む。好ましくは、プラスモジウム属原虫をインビトロで、好ましくは、本願明細書に参照により組み込まれるvan Schalkwykら, Malaria Journal 2013, 12:320のとおりに培養する。

0075

一つの実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫を培養する工程、プラスモジウム属原虫をアルテミシニンと接触させる工程、及びK-13プロペラ核酸又はタンパク質を複数の時点でシーケンシングする工程を含む。

0076

一つの実施態様において、方法は、単一の又は複数の地理的地域由来のプラスモジウム属原虫の複数のサンプルを準備する工程、及びK-13プロペラ核酸又はタンパク質中の変異を検出する工程を含む。

0077

プラスモジウム属原虫感染を検出する方法
本発明は、プラスモジウム属原虫感染の検出のための方法、及び感染した患者における感染の診断のための方法を包含する。患者由来の細胞サンプルを提供することにより、患者を診断することができる。好ましい実施態様において、方法は、患者由来の細胞サンプルを準備する工程、及び細胞サンプル中に野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む。

0078

野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質は、当該技術分野における通常の技術により検出される。例えば、本願明細書で用いられるあらゆる技術を用いることができる。

0079

細胞サンプルは、プラスモジウム原虫を含む患者から得られる任意の細胞サンプルであってよい。好ましくは、細胞サンプルは採血により作製される。細胞サンプルは、好ましくは血液サンプルである。血液サンプルは、さらに加工して、インビトロでサンプル中のプラスモジウム属原虫を培養することができる。例えば、van Schalkwykら, Malaria Journal 2013, 12:320に記述される技術を用いることができる。

0080

一つの実施態様において、方法は患者由来の血液サンプルを準備する工程、場合によりインビトロでサンプル中のプラスモジウム属原虫を培養する工程、及び細胞サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む。

0081

一つの実施態様において、方法は、患者由来の血液サンプルを準備する工程、及びサンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質の有無を検出する工程を含む。好ましくは、サンプル中の変異型K-13プロペラ核酸の存在は、シーケンシング又はPCRにより検出される。

0082

好ましくは、核酸シーケンシングを用いて、細胞サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラ核酸の有無を検出する。当業者に周知の任意のシーケンシング法を採用することができる。本願明細書で用いられる用語「シーケンシング」は、広い意味で用いられ、サンガージデオキシ終止シーケンシング、全ゲノムシーケンシング、ハイブリダイゼーションによるシーケンシング、パイロシーケンシングキャピラリー電気泳動、サイクルシーケンシング、一塩基伸長シーケンシング、固相シーケンシング、ハイスループットシーケンシング、大規模並列シグネチャシーケンシング(massively parallel signature sequencing) (MPSS)、可逆ダイターミネーターによるシーケンシング、ペアエンドシケンシング短期的(near-term)シーケンシング、エキソヌクレアーゼシーケンシング、ライゲーションによるシーケンシング、ショートリードシーケンシング、一分子シーケンシング、合成によるシーケンシング、リアルタイムシーケンシング、リバースターミネーターシーケンシング、ナノポアシーケンシング、454シーケンシング、Solexa Genome Analyzerシーケンシング、SOLiD(登録商標)シーケンシング、MS-PETシーケンシング、質量分析法、及びこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない、当業者に周知の任意の技術を指す。特定の実施態様において、本発明の方法を、ABIPRISM(登録商標) 377 DNA Sequencer、ABI PRISM(登録商標) 310, 3100, 3100-Avant、3730若しくは3730x1 Genetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標) 3700 DNA Analyzer、又はApplied Biosystems SOLiD(登録商標) System (全てApplied Biosystems社)、Genome Sequencer 20 System (Roche Applied Science社)で実行するために適合させる。

0083

好ましくは、細胞サンプルのプラスモジウム属原虫中のK-13プロペラは、図9若しくは図13又は表7に示される1個以上の変異を有している。

0084

一つの実施態様において、方法は、図9若しくは図13又は表7に示される任意の変異をコードする任意の核酸配列を検出する工程を含む。これらの配列は、シーケンシング、ハイブリダイゼーション、又は増幅アッセイ等の周知の多数の技術によって特異的に検出することができる。

0085

例えば、増幅方法はRCA、MDA、NASBA、TMA、SDA、LCR、b-DNA、PCR(RT-PCRを含む全ての種類)、RAM、LAMPICAN、SPIA、QBレプリカーゼ、又はインベーダー(Invader)であり得る。好ましい増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅である。例えば、PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification (Ed. H. A. Erlich, Freeman Press, NY, N.Y., 1992)、PCR Protocols: A Guide to Methodsand Applications (Eds. Iinis,ら, Academic Press, San Diego, Calif., 1990)、Mattilaら, Nucleic Acids Res. 19, 4967 (1991); Eckertら, PCR Methods and Applications 1, 17 (1991)、PCR (McPhersonら編, IRL Press, Oxford)、並びに米国特許第4,683,202号、第4,683,195号、第4,800,159号、第4,965,188号、及び第5,333,675号を参照。より好ましいPCR法は、リアルタイムPCR、PCR-HRM (High-Resolution DNA Melting:高解像度DNA融解) (Andriantsoanirinaら Journal of Microbiological Methods, 78: 165 (2009)を参照)、及び蛍光ミクロスフェア(Luminex(登録商標) microspheres)に基づく、リガーゼ検出反応と連動したPCRである。この最後の方法により、複数の変異型K13プロペラアレルを同時に検出するための多重アッセイを行うことが可能になる。

0086

他の好ましい増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(LCR) (例えば、Wu及びWallace, Genomics 4, 560 (1989)、Landegrenら, Science 241, 1077 (1988)、及びBarringerら Gene 89:117 (1990))、転写増幅(Kwohら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173 (1989)及び国際公開公報第88/10315号)、自家持続配列複製(Guatelliら, Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 87, 1874 (1990)及び国際公開公報第90/06995号)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、及び核酸に基づく配列増幅(NABSA) (米国特許第5,130,238号、第5,409,818号、第5,554,517号、及び第6,063,603号)が含まれる。使用してもよい他の増幅方法は、米国特許第5,242,794号、第5,494,810号、第4,988,617号、及び第6,582,938号に記述されている。核酸の増幅に関する上記の引用文献は、各増幅方法において増幅のために用いられる特定の反応条件の該引用文献での開示に関して、具体的に参照により組み込まれる。

0087

好ましい実施態様において、少なくとも1個の以下のプライマーを増幅に用いる。
フォワードK13-1 5'-cggagtgaccaaatctggga-3’ (配列番号:9)、
リバースK13-4 5'- gggaatctggtggtaacagc-3’ (配列番号:10)、
フォワード K13-2 5'-cgccagcattgttgactaat-3’ (配列番号:11)、
リバース K13-3 5'-gcggaagtagtagcgagaat-3’ (配列番号:12)、
フォワード 5'- gccaagctgccattcatttg -3’ (配列番号:13)、及び
リバース 5'- gccttgttgaaagaagcaga -3’ (配列番号:14)。

0088

核酸は、RNAであってもDNAであってもよい。一つの実施態様において、RNAを抽出し、逆転写してcDNAにする。増幅又はシーケンシングをその後cDNAについて行う。

0089

したがって、方法は、患者由来のサンプルからRNAを単離する工程、RNAを逆転写してcDNAにする工程、cDNAを増幅するか又はシーケンシングする工程、及び野生型又は変異型K-13プロペラ核酸の有無を判定する工程を含み得る。

0090

様々な実施態様において、方法は、細胞サンプル中の野生型又は変異型K-13プロペラタンパク質の有無を検出する工程を含む。この工程は、野生型K-13プロペラタンパク質と変異型K-13プロペラタンパク質とを識別する特定の抗体を用いることにより行うことができる。これらの抗体を、患者のサンプルと接触させることができ、免疫学的反応の有無を検出することにより、野生型又は変異型K-13プロペラタンパク質の有無を判定することができる。好ましくは、方法はELISAアッセイを含む。

0091

抗体は、合成、モノクローナル、又はポリクローナルであってよく、周知の方法により作製することができる。そのような抗体は、(非特異的結合とは対照的に)抗体の抗原結合部位を介して特異的に結合する。K-13プロペラポリペプチド、断片、バリアント、融合タンパク質等を抗原として使用して、これらに免疫反応性の抗体を製造することができる。より具体的には、ポリペプチド、断片、バリアント、融合タンパク質等は、抗体の形成を引き起こす抗原決定基又はエピトープを含む。

0092

これらの抗原決定基又はエピトープは直鎖状であっても立体配座をとっても(不連続であっても)よい。直鎖状エピトープはポリペプチドの単一のアミノ酸片から構成され、一方立配座又は不連続エピトープはポリペプチド鎖の異なる領域に由来し、タンパク質フォールディングの際に非常に近くに集められる、アミノ酸片から構成される(C. A. Janeway, Jr.及びP. Travers, Immuno Biology 3:9 (Garland Publishing Inc., 第2版, 1996))。フォールディングされたタンパク質は複雑な表面を有するので、利用可能なエピトープの数は非常に多い。しかし、タンパク質の立体配座及び立体障害のために、エピトープに実際に結合する抗体の数は、利用可能なエピトープの数よりも少ない(C. A. Janeway, Jr.及びP. Travers, Immuno Biology 2:14 (Garland Publishing Inc., 第2版, 1996))。エピトープは、周知の任意の方法により同定することができる。従来技術により、ポリクローナルとモノクローナルの両方の抗体を調製することができる。

0093

野生型及び変異型K-13プロペラタンパク質のアミノ酸配列に基づくK-13プロペラペプチドを利用して、野生型及び/又は変異型K-13プロペラに特異的に結合する抗体を調製することができる。用語「抗体」は、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体、これらの断片、例えばF(ab')2断片及びFab断片一本鎖可変断片(scFvs)、単一ドメイン抗体断片(VHH又はナノボディ(Nanobodies))、二価抗体断片(ダイアボディ(diabodies))、並びに任意の組換え的及び合成的に製造された結合パートナーを含むことを意味する。

0094

抗体は、野生型及び/又は変異型K-13プロペラポリペプチドに107 M-1以上のKaで結合すれば、特異的に結合するものと定義される。結合パートナー又は抗体のアフィニティは、従来技術、例えばScatchardら, Ann. N.Y. Acad. Sci., 51:660 (1949)によって記述されているものを用いて容易に決定することができる。

0095

ポリクローナル抗体は、様々な供給源、例えばウマウシヤギヒツジイヌニワトリウサギマウス、又はラットから、当業者に周知の手法を用いて容易に作製することができる。一般的に、精製K-13プロペラ又は適切にコンジュゲートしたK-13プロペラのアミノ酸配列に基づくペプチドを、典型的には非経口の注射によって宿主動物に投与する。アジュバント、例えば完全又は不完全フロイントアジュバントの使用によって、K-13プロペラの免疫原性強化することができる。ブースター免疫付与の後、少量の血清サンプル採取し、K-13プロペラポリペプチドへの反応性を試験する。そのような判定に有用な様々なアッセイの例は、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow及びLane (編), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988に記載されているもの、また向流免疫電気泳動(CIEP)、放射免疫アッセイ放射免疫沈降、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブロットアッセイ、及びサンドイッチアッセイ等の手法を含む。米国特許第4,376,110号及び第4,486,530号を参照。

0096

モノクローナル抗体は、周知の手法を用いて容易に調製することができる。例えば、米国特許第RE 32,011号、第4,902,614号、第4,543,439号、及び第4,411,993号、Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analyses, Plenum Press, Kennett, McKeam及びBechtol (編), 1980に記述される手法を参照。

0097

例えば、マウス等の宿主動物に、少なくとも1回、好ましくは約3週間の間隔を空けて少なくとも2回、単離精製した野生型若しくは変異型K-13プロペラタンパク質又はコンジュゲートしたK-13プロペラペプチドを、場合によりアジュバントの存在下で、腹腔内に注射することができる。その後マウス血清を従来のドットブロット技術又は抗体捕捉(ABC)により測定してどの動物が融合に最適であるかを決定する。およそ2週間〜3週間後、マウスにタンパク質又はペプチドの静脈ブーストを与える。その後、マウスを屠殺し、確立されたプロトコルに従って、脾臓細胞をAg8.653 (ATCC)等の市販の骨髄腫細胞と融合した。簡潔に言えば、骨髄腫細胞を培地中で数回洗浄し、マウス脾臓細胞と、1骨髄腫細胞に対して約3脾臓細胞の割合で融合させた。融合剤は当該技術分野で用いられる任意の適切な剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)であってよい。融合物を、融合細胞を選択的に増殖させる培地を含むプレート上に出してプレーティングする。その後、融合細胞をおよそ8日間増殖させることができる。得られたハイブリドーマからの上清回収し、先にヤギ抗マウスIgコーティングしたプレートに加える。洗浄後、標識K-13プロペラポリペプチド等の標識を各ウェルに加え、その後インキュベートする。陽性のウェルをその後検出することができる。陽性のクローンをバルク培養で培養し、その後上清をプロテインAカラム(Pharmacia社)によって精製することができる。

0098

本発明のモノクローナル抗体は、代替技術を用いて製造することができ、例えばAlting-Meesら, "Monoclonal Antibody Expression Libraries: A Rapid Alternative to Hybridomas", Strategies in Molecular Biology 3:1-9 (1990)により記述されるものであり、本願明細書に参照により組み込まれる。同様に、結合パートナーは、組換えDNA技術を用いて構築し、特異的結合抗体をコードする遺伝子の可変領域を組み込むことができる。そのような技術は、Larrickら, Biotechnology, 7:394 (1989)に記述されている。

0099

また、従来技術によって製造することができる、そのような抗体の抗原結合断片も、本発明に包含される。そのような断片の例には、Fab断片及びF(ab')2断片が含まれるが、これに限定されない。また、遺伝子工学技術によって製造される抗体断片及び誘導体も、提供される。

0100

本発明のモノクローナル抗体は、キメラ抗体、例えばヒト化型マウスモノクローナル抗体を含む。そのようなヒト化抗体は、周知の技術により調製することができ、抗体がヒトに投与される場合に免疫原性が低減されるという利点を提供する。一つの実施態様において、ヒト化モノクローナル抗体マウス抗体の可変領域(又はその抗原結合部位のみ)及びヒト抗体由来定常領域を含む。あるいは、ヒト化抗体断片は、マウスモノクローナル抗体の抗原結合部位及びヒト抗体由来の(抗原結合領域欠く)可変領域断片を含むことができる。キメラモノクローナル抗体及びさらに改変されたモノクローナル抗体の製造のための手法には、Riechmannら (Nature 332:323, 1988)、Liuら (PNAS 84:3439, 1987)、Larrickら (Bio/Technology 7:934, 1989)、並びにWinter及びHarris (TIPS 14:139, May, 1993)において記述されるものが含まれる。抗体を遺伝子組換え的に作製するための手法は、英国特許第2,272,440号、米国特許第5,569,825号及び第5,545,806号に見出すことができる。

0101

キメラモノクローナル抗体及びヒト化モノクローナル抗体等の、ヒト部分と非ヒト部分とを両方含み、標準的な組換えDNA技術を用いて作製することができる、遺伝子工学的方法によって製造される抗体を用いることができる。そのようなキメラモノクローナル抗体及びヒト化モノクローナル抗体は、周知の標準的なDNA技術を用いて、例えばRobinsonら,国際公開公報第87/02671号、Akiraら, 欧州特許出願第0184187号、Taniguchi, M., 欧州特許出願第0171496号、Morrisonら, 欧州特許出願第0173494号、Neubergerら 国際公開公報第86/01533号、Cabillyら 米国特許第4,816,567号、Cabillyら 欧州特許出願第0125023号、Betterら, Science 240:1041 1043, 1988、Liuら, PNAS 84:3439 3443, 1987、Liuら, J. Immunol. 139:3521 3526, 1987、Sunら PNAS 84:214 218, 1987、Nishimuraら, Canc. Res. 47:999 1005, 1987、Woodら, Nature 314:446 449, 1985、及びShawら, J. Natl. Cancer Inst. 80:1553 1559, 1988)、Morrison, S. L., Science 229:1202 1207, 1985、Oiら, BioTechniques 4:214, 1986、Winter 米国特許第5,225,539号、Jonesら, Nature 321:552 525, 1986、Verhoeyanら, Science 239:1534, 1988、及びBeidlerら, J. Immunol. 141:4053 4060, 1988に記述される方法を用いて、遺伝子工学により製造することができる。

0102

合成抗体及び準合成抗体に関しては、そのような用語は、抗体断片、アイソタイプスイッチ抗体、ヒト化抗体(例えばマウス-ヒト、ヒト-マウス)、ハイブリッド、複数の特異性を有する抗体、及び全合成抗体様分子を含むことを意図するが、これに限定されない。

0103

治療的適用については、患者の抗体に対する免疫反応を最小化するために、ヒトの定常領域及び可変領域を有する「ヒト」モノクローナル抗体が好まれることが多い。そのような抗体は、ヒトの免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニック動物を免疫することにより作製することができる。Jakobovitsら, Ann NY Acad Sci 764:525-535 (1995)を参照。

0104

また、K-13プロペラポリペプチドに対するヒトモノクローナル抗体を、対象のリンパ球由来のmRNAから調製した免疫グロブリン軽鎖及び重鎖cDNAを用いて、Fabファージディスプレイライブラリー又はscFvファージディスプレイライブラリー等の組合せ免疫グロブリンライブラリーを構築することによっても調製することができる。例えば、McCaffertyら,国際公開公報第92/01047号、Marksら (1991) J. Mol. Biol. 222:581 597、及びGriffthsら (1993)EMBO J 12:725 734を参照。加えて、抗体可変領域組合せライブラリーを、既知ヒト抗体を変異させることにより作製することができる。例えば、K-13プロペラに結合することが知られているヒト抗体の可変領域を、例えばランダムに改変した突然変異オリゴヌクレオチドを用いることにより変異させ、変異した可変領域のライブラリーを作製することができ、その後K-13プロペラに結合するものをスクリーニングすることができる。免疫グロブリンの重鎖及び/又は軽鎖のCDR領域内でのランダム変異誘発を誘導する方法、ランダム化された重鎖と軽鎖とを掛け合わせて対を形成させる方法、及びスクリーニング方法は、例えば、Barbasら, 国際公開公報第96/07754号、Barbasら (1992) Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 89:4457 4461に見出すことができる。

0105

免疫グロブリンライブラリーは、好ましくは繊維状ファージ由来の一群ディスプレイパッケージにより発現させ、抗体ディスプレイライブラリーを形成することができる。抗体ディスプレイライブラリーの作製における使用に特に適している方法及び試薬の例は、例えば、Ladnerら, 米国特許第5,223,409号、Kangら国際公開公報第92/18619、Dowerら 国際公開公報第91/17271号、Winterら 国際公開公報第92/20791号、Marklandら 国際公開公報第92/15679号、Breitlingら 国際公開公報第93/01288号、McCaffertyら 国際公開公報第92/01047号、Garrardら 国際公開公報第92/09690号、Ladnerら 国際公開公報第90/02809号、Fuchsら (1991) Bio/Technology 9:1370 1372、Hayら (1992) Hum Antibod Hybridomas 3:81 85、Huseら (1989) Science 246:1275 1281、上述のGriffthsら (1993)、Hawkinsら (1992) J Mol Biol 226:889 896、Clacksonら (1991) Nature 352:624 628、Gramら (1992) PNAS 89:3576 3580、Garradら (1991) Bio/Technology 9:1373 1377、Hoogenboomら (1991) Nuc Acid Res 19:4133 4137、及びBarbasら (1991) PNAS 88:7978 7982に見出すことができる。ディスプレイパッケージ(例えば繊維状ファージ)の表面にディスプレイされると、抗体ライブラリーはスクリーニングされ、K-13プロペラポリペプチドに結合する抗体を発現するパッケージが同定及び単離される。好ましい実施態様において、ライブラリーの一次スクリーニングには、固定したK-13プロペラポリペプチドを用いてパンニング(panning)する工程が関与し、固定したK-13プロペラポリペプチドに結合する抗体を発現するディスプレイパッケージを選抜する。

0106

好ましい実施態様において、方法は、プラスモジウム属原虫感染を検出する工程を含む。方法は、プラスモジウム属原虫が野生型又は変異型のどちらのK-13プロペラ核酸又はタンパク質配列を有しているかを判定する工程をさらに含むことができる。

0107

プラスモジウム属原虫感染を治療する方法
本発明は、プラスモジウム属原虫感染を治療するための方法を包含し、一つの実施態様において、方法は、患者が野生型又は変異型K-13プロペラ核酸又はタンパク質配列を含むプラスモジウム属原虫に感染しているかを判定する工程、及び患者が野生型又は変異型K-13プロペラのどちらを含むプラスモジウム属原虫に感染しているかに基づいて抗寄生虫治療を調整する工程を含む。

0108

好ましい実施態様において、患者が野生型K-13プロペラを含むプラスモジウム属原虫に感染していれば、患者をアルテミシニン誘導体を用いて治療する。

0109

好ましい実施態様において、患者が変異型K-13プロペラを含むプラスモジウム属原虫に感染していれば、患者をアルテミシニンを含まない抗寄生虫治療を用いて、好ましくはキニーネ、クロロキン、及びメフロキンから選択される抗マラリア薬を用いて治療する。

0110

別の実施態様において、患者が変異型K-13プロペラを含むプラスモジウム属原虫に感染していれば、患者を、通常用いられる期間よりも長い期間、アルテミシニン誘導体を用いて治療する。

0111

また、本発明は、野生型K-13プロペラを有するプラスモジウム属原虫に感染した患者の治療において使用するためのアルテミシニン誘導体に関し、治療において、前記患者から前もって取得した生体サンプルについて、プラスモジウム属原虫が野生型K-13プロペラを含むかを検出するインビトロの工程を行う。

0112

さらに、本発明は、変異型K-13プロペラを有するプラスモジウム属原虫に感染した患者の治療において使用するためのアルテミシニン誘導体に関し、治療において、 前記患者から前もって取得した生体サンプルについて、プラスモジウム属原虫が変異型K-13プロペラを含むかを検出するインビトロの工程を行い、アルテミシニンの投与レジメン及び/又は投与量は、野生型K-13プロペラを含むプラスモジウム属原虫による感染に適用されるレジメン、用量それぞれに対して、期間が延長され、及び/又はより高用量である。

0113

加えて、本発明は、変異型K-13プロペラを有するプラスモジウム属原虫に感染した患者の治療における使用のためのキニーネ、クロロキン、又はメフロキンに関し、治療において、前記患者から前もって取得した生体サンプルについて、プラスモジウム属原虫が変異型K-13プロペラを含むかを検出するインビトロの工程を行う。

0114

したがって、感染のプロファイルに応じて前記薬剤を使用することは、本発明において規定するとおり、様々な態様に従って、プラスモジウム属原虫感染を検出及び遺伝子型決定し、プラスモジウム属原虫が野生型K-13プロペラを保有しているのか、そうではなくむしろ変異型K-13プロペラを保有しているのかを判定する工程を最初に包含する。

0115

プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定するためのキット
本発明は、プラスモジウム属原虫を遺伝子型決定するための、又はプラスモジウム属原虫感染を検出するためのキットを包含する。好ましくは、キットは、K-13プロペラ核酸を増幅するためのプライマーを含む。キットは、増幅産物を検出するための試薬を含むことができる。キットは、本願明細書に示す任意のプライマー又は任意のプライマーの組み合わせを含むことができる。キットは、本願明細書に示す少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、又はそれよりも多いプライマーを含むことができる。一つの実施態様において、キットは、100 bp〜300 bpの範囲の距離をおいてK13プロペラ核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも1組のプライマーを含む。本キットの好ましい実施態様において、100 bp〜300 bpの範囲の距離をおいてK13プロペラ核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも1組のプライマーは、少なくとも1個の一塩基多型(SNP)を包囲する。

0116

好ましくは、キットは、K-13プロペラ核酸、特に増幅したK-13プロペラ核酸を検出するためのプローブを含む。好ましくは、プローブは蛍光標識又は酵素標識で標識される。

0117

一つの実施態様において、キットは、変異型K-13プロペラ核酸、特にY493H、R539T、I543T、又はC580Yアレルをコードするものを特異的に検出する。一つの実施態様において、キットは野生型K-13プロペラ核酸を特異的に検出する。

0118

好ましい実施態様において、キットは以下のプライマーの少なくとも1個を含む。
5'-cggagtgaccaaatctggga-3’ (配列番号:9)、
5'- gggaatctggtggtaacagc-3’ (配列番号:10)、
5'-cgccagcattgttgactaat-3’ (配列番号:11)、及び
5'-gcggaagtagtagcgagaat-3’ (配列番号:12)。
5'- gccaagctgccattcatttg -3’ (配列番号:13)、及び
5'- gccttgttgaaagaagcaga -3’ (配列番号:14)。

0119

いくつかの実施態様において、キットは、F446I、N458Y、C469Y、Y493H、K503N、R539T、I543T、P553L、P574L、A578S、C580Y、及びD584Vアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する。

0120

いくつかの実施態様において、キットは、F446I、G449A、N458Y、C469Y、W470stop、A481V、Y493H、K503N、S522C、V534A、R539T、I543T、G548D、P553L、V555A、A557S、R561H、K563R、V568G、P574L、A578S、C580Y、F583L、D584V、V589I、Q613E、及びD641Gアレルをコードする変異型K13プロペラ核酸を検出する。

0121

いくつかの実施態様において、キットは少なくとも1組の以下の一対のプライマーを含む。
ペアPCR1
5’ AGGTGGATTTGATGGTGTAGAAT 3’ (フォワード) (配列番号:15)
5’CATACACCTCAGTTTCAAATAAAGC3’ (リバース) (配列番号:16)
ペアPCR2
5’ AATTTCTTATACGTTTTTGGTGGTAA 3’ (フォワード) (配列番号:17)
5’ CTCTACCCATGCTTTCATACGAT 3’ (リバース) (配列番号:18)
ペアPCR3
5’ GGATATGATGGCTCTTCTATTATACCG 3’ (フォワード) (配列番号:19)
5’ ACTTCAATAGAATTTAATCTCTCACCA 3’ (リバース) (配列番号:20)
ペアPCR4
5’ ATGTCATTGGTGGAACTAATGGT 3’ (フォワード) (配列番号:21)
5’ TTAAATGGTTGATATTGTTCAACG 3’ (リバース) (配列番号:22)
ペアPCR5
5’ TTCAGGAGCAGCTTTTAATTACC 3’ (フォワード) (配列番号:23)
5’ CTGGTGAAAAGAAATGACATGAA 3’ (リバース) (配列番号:24)
ペアPCR6
5’CCTTGTTGAAAGAAGCAGAATTT 3’ (フォワード) (配列番号:25)
5’ ATTCAATACAGCACTTCCAAAATAA 3’ (リバース) (配列番号:26) .

0122

いくつかの実施態様において、キットは、以下のSNPの1つとハイブリダイズする少なくとも1個のプローブを含む。

0123

0124

新規マラリア薬剤のスクリーニングの方法
本発明は、ART耐性プラスモジウム属原虫に感染した患者の治療に有効な新規マラリア薬剤をスクリーニングするための方法を包含する。一つの実施態様において、方法は、以下の工程を含む。
・本発明に従って、プラスモジウム属原虫に感染した患者由来の生体サンプル中のプラスモジウム属原虫を遺伝子型決定する工程、
・患者に感染しているプラスモジウム属原虫が変異型K13プロペラアレルを有している場合、プラスモジウム属原虫の寄生虫クリアランス半減期及び/又は生存率を測定する工程、
・患者に感染しているプラスモジウム属原虫が変異型K13プロペラアレルを有している場合、試験する新規薬剤を生体サンプルと接触させる工程、
・薬剤の投与後、RSA0-3hにおけるプラスモジウム属原虫の寄生虫クリアランス半減期及び/又は生存率を測定する工程、
・薬剤の投与後にプラスモジウム属原虫の寄生虫クリアランス半減期及び/又は生存率が減少する場合、ART耐性プラスモジウム属原虫に感染した患者の治療に有効なマラリア薬剤として、その薬剤を選択する工程。

0125

別の実施態様において、方法は、患者に感染しているプラスモジウム属原虫が変異型K13プロペラアレルを有している場合に、試験する薬剤を患者に投与する工程をさらに含む。

0126

0127

[実施例1]アルテミシニン圧及び偽薬圧をかけた熱帯熱マラリア原虫F32系統
ART感受性F32-Tanzaniaクローンを、アルテミシニンの用量増加型レジメンで5年間培養することにより、ART耐性F32-ART5寄生虫株を選抜した。F32-Tanzaniaをアルテミシニン曝露無しで並行して培養することによりF32-TEM株を得た。参照DNAは、熱帯熱マラリア原虫株3D7、89F5 Palo Alto Uganda、及びK1992から抽出した。リングステージ生存アッセイ(RSA0-3h)を記述された13とおりに行った。Illumina社のペアリードシーケンシング技術を用いて、全ゲノムシーケンシングを、F32-Tanzania、F32-TEM、F32-ART5(4時点で)、3株の参照株(3D7、89F5、及びK1992)、及び21株のカンボジア寄生虫分離株について行った。一連の1091株の臨床的熱帯熱マラリア原虫分離株を、2001年〜2012年のACT有効性試験に参加した患者から採集した。K13プロペラを、ネステッドPCRを用いて増幅した。PCR産物の二本鎖配列シーケンシングは、韓国のMacrogen社が行った。配列を、MEGA5ソフトウェアバージョン5.10を用いて解析し、特異的なSNPの組み合わせを同定した。データを、マイクロソフト社エクセル及びMedCalcバージョン12(マリアケルケ、ベルギー)を用いて解析した。P値が0.05未満の場合、差は統計的に優位であるとみなした。寄生虫分離株コレクション倫理的クリアランスは、カンボジア国立保健研究倫理委員会(Cambodian National Ethics Committee for Health Research)、ナバル医療研究センター治験審査委員会(the Institutional Review Board of the Naval Medical Research Center)、WHO西太平洋地域事務局技術審査グループ(the Technical Review Group of the WHO Regional Office for the Western Pacific)、及び国立アレルギー感染症研究所治験審査委員会(the Institutional Review Board of the National Institute of Allergy and Infectious Diseases)より得た。

0128

マイコプラズマを含まないF32-Tanzania寄生虫を、5%ヒト血清を補ったRPMI-1640培地(Invitrogen社、サンディエゴ、カリフォルニア州)で2.5%ヘマトクリット値まで希釈したヒトのO型赤血球(RBC)(フランス血液機構(Etablissement Francais du Sang))中で維持した。寄生虫培養を、37℃、5% CO2の雰囲気中に維持した。寄生虫血(parasitemia)を毎日確認し、10%未満に維持した。ART耐性寄生虫の選抜については、非同期培養を5%〜7%の寄生虫血に調節し、薬剤圧の最初の3年間は、上昇する用量のアルテミシニン(10 nM〜9 μM)の存在下で、24時間培養した18。その後の2年間は、各薬剤圧サイクルを48時間、9 μM〜18 μMの範囲の用量で行った。薬剤曝露の後、培地を廃棄してヒト血清添加(20%)薬剤不使用培地と交換した。寄生虫血を、5%に達するまで毎日モニタリングした。その時点で、薬剤圧を再びかけた。有効な5年間の非連続ART圧の後に得られた寄生虫株をF32-ART5と名付けた。並行して、親株のF32-Tanzania株を、対照として、同じ時間、同じ条件下(すなわち、RBC、血清、及び培地)だがアルテミシニン処理無しで連続培地中に維持した。得られた対照株をF32-TEMと称した。

0129

[実施例2]実験室順応させた熱帯熱マラリア原虫株
参照DNAを、実験室順応させた熱帯熱マラリア原虫株3D7(MR4、マナサスバージニア州)、89F5 Palo Alto Uganda (Palo Alto株からのクローンであり、1978年のウガンダに由来し、コモンリスザル(Saimiri sciureus)の実験的宿主においてアーテメター(artemether)治療への高感受性を呈する[O. Mercereau-Puijalon、H. Contamin、及びJ.C. Barale、未発表データ])、及びK1992、すなわち1992年にパイリンにおいて、この地域におけるARTの大規模な展開の前に採集された分離株(フランス国立マラリアレファレンスセンター(French National Reference Center of Malaria)より提供)より抽出した。寄生虫のDNAは、凍結血液分注物(200 μl)より、Mini blood kit (Qiagen社、バレンシア、カリフォルニア州)を用いて、メーカー取扱説明書に従って抽出した。

0130

[実施例3]培養順応させたカンボジア由来の熱帯熱マラリア原虫分離株
カンボジア由来の臨床的熱帯熱マラリア原虫分離株50株(2010年及び2011年に採集)を、Witkowskiら45により記述されたとおりにインビトロ培養に順応させた。これらの地理的起源を、表8に示す。これらの患者分離株について寄生虫クリアランス速度は決定されなかったが、これはこれらがそのような測定を含まない現地試験中に採集されたためである。Mini blood kit (Qiagen社)を用いて、寄生虫DNAを凍結血液分注物(200 μl)より抽出した。

0131

[実施例4]リングステージ生存アッセイ
リングステージ生存アッセイ(RSA0-3h)を、Witkowskiら13によって記述されたとおりに、高度に同期した寄生虫培養を用いて実行した。簡潔に言えば、0〜3時間の侵入後のリングステージの寄生虫を700nM DHA[ジヒドロアルテミシニン、WWARN (www.wwarn.org/research/tools/qaqc)より入手]又はその溶媒であるDMSOに6時間曝露し、洗浄してその後さらに66時間、薬剤無しで培養した。ギムザ染色した薄層塗抹標本中、正常な形態で第二世代リング又はトロホゾイトへと成長した、生存している寄生虫の比率を顕微鏡で数えることにより、生存率を評価した。

0132

[実施例5]時間的及び地理的サンプルの採集
2001年から2012年までに、カンボジアの国立マラリア制御プログラム(Cambodia’s National Malaria Control Program)の定期的な抗マラリア薬の効果モニタリングの一環として行われたACTの治療効果試験に参加した患者から、及びNAMRU-2により行われた試験から、一連の臨床的熱帯熱マラリア原虫分離株941株を採集した(表4)。EDTA又はACD中に回収した静脈血サンプル(5 ml)を、採集の48時間以内に4℃でプノンペンのカンボジアパスツール研究所(Institut Pasteur du Cambodge)へ輸送し、その後−20℃でDNA抽出まで保存した。Mini blood kit (Qiagen社)を用いて、寄生虫DNAを凍結血液分注物(200 μl)より抽出した。

0133

[実施例6]寄生虫クリアランス半減期の測定
既報6, 13のとおり、2009年及び2010年、ポーサット州及びラタナキリ州において、合併症が無いか、又は重篤な熱帯熱マラリア原虫性マラリアに罹患し、初期寄生虫密度が≧10,000/μlである患者を登録した。ARTを用いて患者を治療し、寄生虫血が検出されなくなるまで、血液厚層塗抹より、寄生虫密度を6時間毎に測定した。これらの寄生虫計数から、WWARNのオンラインParasite Clearance Estimator (http://www.wwarn.org/toolkit/data-management/parasite-clearance-estimator)を用いて163人の患者における寄生虫クリアランス半減期を得た。本試験は、ClinicalTrials.govに登録されている(第NCT00341003号)。

0134

[実施例7]寄生虫DNAの全ゲノムシーケンシング
llumina社のペアリードシーケンシング技術を用いて、全ゲノムシーケンシングを、F32-Tanzania、F32-TEM、F32-ART5系統(4時点)、参照株3株(3D7、89F5、及びK1992)、及びカンボジア由来の寄生虫分離株21株について行った。Illuminaライブラリーの調整及びシーケンシングは、供給者により開発された標準的なプロトコルに従った。簡潔に言えば、ゲノムDNAを噴霧によりせん断し、せん断した断片を末端修復及びリン酸化した。平滑末端にA付加し、シーケンシングアダプターを断片にライゲーションした。インサートを、AgencourtAMPure XP Beads(± 500 bp;Beckman Coulter Genomics社、ダンバース、マサチューセッツ州)を用いてサイズを揃え、10サイクルのPCRを用いて濃縮した後、ライブラリー定量化及びバリデーションを行った。ライブラリーのフローセルへのハイブリダイゼーション及びブリッジ増幅を行ってクラスターを生成し、100サイクルのペアエンドのリードをHiSeq 2000機器(Illumina社、サンディエゴ、カリフォルニア州)に回収した。シーケンシングが完了した後、Illumina Analysis Pipelineバージョン1.7を用いて画像解析ベースコーリング、及び誤差推定を実行した。

0135

リードにおける最初と最後の低品質塩基トリミングすることができる、N. Joly (バイオロジーITセンター、パスツール研究所、パリ)により開発されたリード品質フィルタリングソフトウェアのFqqualityツールを用いて、生シーケンスファイルをフィルタリングした。管理されたFastqファイルからのトリミングされたリードを、バローズ-ホイーラーアライメント(Burrows-Wheeler Alignment) (BWA)を用いて参照ゲノム(熱帯熱マラリア原虫3D7)上にマッピングし、BAMファイル(タブで区切ったフォーマットであるSAMのバイナリファイル)を作成した。次に、発明者らはSamtoolsを用いて、パイルアップファイル(pileup file)を作成し、これを研究所内のソフトウェアを用いてフォーマットし、データをWholegenome Data Manager (WDM)データベース(Beghainら、準備中)に組み入れた。WDMソフトウェアは、一部又は全部の熱帯熱マラリア原虫ゲノムを比較及び/又はアラインするように設計されている。

0136

[実施例8]F32-ART5における非同義的SNPを含むシーケンシング遺伝子
選択した遺伝子のPCR増幅を、表1に列挙したプライマーを用いて行った。2 μlのDNAを、1 μMの各プライマー、0.2 mM dNTP (Solis Biodyne社、タルトゥエスニア)、3 mM MgCl2、及び2 U TaqDNAポリメラーゼ(Solis Biodyne社)と共に、以下のサイクルプログラムを用いて増幅した:94℃で5分間、その後94℃で30秒間、60℃で90秒間、72℃で90秒間を40サイクル、及び最終伸長72℃で10分間。PCR産物を、2%アガロースゲル電気泳動及びエチジウムブロマイド染色により検出した。PCR産物の二本鎖シーケンシングを、フランスのBeckman Coulter Genomics社により行った。特定のSNPの組み合わせを同定するために、MEGA5ソフトウェアバージョン5.10を用いて配列を解析した。

0137

[実施例9]K13プロペラドメインのシーケンシング
K13プロペラドメインを、以下のプライマーを用いて増幅した:一次(primary)PCR用(K13-1 5'-cggagtgaccaaatctggga-3’ (配列番号:9)及びK13-4 5'-gggaatctggtggtaacagc-3’ (配列番号:10))、及びネステッドPCR用(K13-2 5'-gccaagctgccattcatttg -3’ (配列番号:13)及びK13-3 5'-gccttgttgaaagaagcaga -3’ (配列番号:14))。1 μlのDNAを、1 μMの各プライマー、0.2 mM dNTP (Solis Biodyne社)、3 mM MgCl2、及び2 U TaqDNAポリメラーゼ(Solis Biodyne)と共に、以下のサイクルプログラムを用いて増幅した:94℃で5分間、その後94℃で30秒間、60℃で90秒間、72℃で90秒間を40サイクル、及び最終伸長72℃で10分間。ネステッドPCRについては、2 μlの一次PCR産物を、MgCl2濃度(2.5 mM)以外は同一の条件下で増幅した。PCR産物を、2%アガロースゲル電気泳動及びエチジウムブロマイド染色を用いて検出した。PCR産物の二本鎖シーケンシングを、韓国のMacrogen社により行った。特定のSNPの組み合わせを同定するために、MEGA5ソフトウェアバージョン5.10を用いて配列を解析した。

0138

[実施例10]臨床的寄生虫分離株のディープシーケンシング及び集団構造解析
カンボジアのポーサット州及びラタナキリ州のマラリア患者から得られた臨床的寄生虫分離株のDNA抽出、Illumina(登録商標)シーケンシング、及びSNP遺伝子型決定は、既に記述されている15。これらの寄生虫の集団構造解析により、4つの亜集団が同定された:KH1、KH2、KH3、及びKH4。これら4つの群のいずれにも<80%の起源を有する寄生虫を、混合されている(KHA)とみなした。

0139

[実施例11]F32-ART5系統における変異の経時的な獲得
0時点(元のF32-Tanzaniaクローン株)、196日目(0.2-μMの圧力サイクル#23)、385日目(1.8-μMの圧力サイクル#39)、618日目(9-μMの圧力サイクル#56)、及び2250日目(9-μMの圧力サイクル#120)に採取したサンプルを用いて、F32-ART5系統を全ゲノムシーケンシングにより探索した。F32-TEMのサンプルを2250日目に採取した。30回目、33回目、34回目、36回目、68回目、及び98回目の圧力サイクルの時点で採取した追加のサンプルを、PCRにより試験した。寄生虫培養由来のDNAを、High Pure PCR Template Preparation Kit (Roche Diagnostics社、マンハイム、ドイツ)を用いて、メーカーの取扱説明書に従って抽出した。

0140

リングステージ生存アッセイ(RSA0-3h)において試験したF32-ART5のサンプルは、17回目、48回目、及び122回目の圧力サイクル(0.04、2.7、及び9 μM ART)の時点でそれぞれ採取した。F32-TEMのサンプルは、最後の模擬圧力サイクルで採取した。RSA0-3h生存率は、3重の試験で、異なるバッチの赤血球細胞を用いて決定し、ギムザ染色した薄層塗抹標本を用いて、2名の独立した顕微鏡観察者(B.W.及びF. B.-V.)により読み取り、上述のとおり評価した。生存率は、マン・ホイットニーのU検定を用いて比較した。F32-ART5のサンプルのRSA0-3h生存率は、以下のとおりであった:薬剤圧サイクル:#17 (n=3、中央値0%、四分位範囲0-0.07%)、#48 (n=3、中央値11.7%、四分位範囲10.3-14.6;#17対#48についてP=0.04、マン・ホイットニーのU検定)、及び#122 (n=3、中央値12.8%、四分位範囲10.6-14.5、#17対#122及び#48対#122についてP=0.04及びP=0.82)。また、F32-TEM株のRSA0-3h生存率も、3重の試験で決定した(n=3、中央値0%、四分位範囲0-0.05、# TEM対#17についてP=0.81、マン・ホイットニーのU検定)。

0141

[実施例12]2001年〜2012年にカンボジアの6つの州において採集した臨床的寄生虫分離株886株におけるK13プロペラ変異の保有率
886個の保管血液サンプルから増幅したPCR産物をシーケンシングすることにより、K13プロペラを遺伝子型決定した。解析した各州由来の各年のサンプルの数を、図3に示す。フィッシャーの正確確率検定を用いて、各州における野生型K13プロペラ配列を含む分離株の頻度を経時的に比較した。この10年の間で、西部の州において野生型K13プロペラアレル頻度の有意な減少が観察された。パイリンでは、2001年〜2002年の30.0%(12/40)から2011年〜2012年の4.8%(4/84)、P=0.0002、フィッシャーの正確確率検定;バタンバンでは、2001年〜2002年の71.9%(46/64)から2011年〜2012年の7.0%(5/71)、P<10-6;ポーサットでは、2003年〜2004年の50.0%(5/10)から2011年〜2012年の10.5%(2/19)、P=0.03;及びクラチエでは、2001年〜2002年の93.3%(14/15)から2011年〜2012年の29.4%(5/17)、P=0.0003、と減少した。野生型アレル頻度の有意な減少は、プレアヴィヒア[2001年〜2002年の92.6%(25/27)から2011年〜2012年の84.2%(16/19)、P=0.63]やラタナキリ[2001年〜2002年の96.4%(54/56)から2011年〜2012年の94.3%(33/35)、P=0.63]では観察されなかった。C580Yの頻度は、パイリンでは、2001年〜2002年の45.0%(18/40)から2011年〜2012年の88.1%(74/84) (P<10-6)、バタンバンでは、2001年〜2002年の7.8%(5/64)から2011年〜2012年の87.3%(62/71) (P<10-6)に増加し、これはこの集団がこれらの州に急速に侵入し、ほとんど定着していることを示している。

0142

[実施例13]K13プロペラの3次元構造モデリング
PF3D7_1343700のkelchプロペラドメイン(「K13プロペラ」)の3次元構造モデルを、Modeller v9.11 (Fiser A、Sali A (2003). "Modeller: generation and refinement of homology-based protein structure models". Meth. Enzymol. 374: 461-91.)を用いて、空間的制限を充足するホモロジーモデリングにより得た。K13プロペラを構成する295アミノ酸は、ヒトKeap1のkelchプロペラドメイン[Protein Data Bank (PDB) 2FLU]、KLHL12 (PDB 2VPJ)、及びKLHL2 (PDB 2XN4)タンパク質と、それぞれ22%、25%、及び25%同一であり、これらをK13プロペラの3次元構造をモデリングするための鋳型として用いた。得られたモデルの信頼性を、2つの古典的な基準を用いて評価した。第一に、K13のkelchドメインと1つの鋳型との間の配列アライメントの有意性を、Built-Profileの定型操作を用いてModellerによって計算された期待値(E-value) = 0によって確認した。第二に、モデルはGA341モデルスコア= 1 (≧0.7のスコアが、高信頼性のモデルに相当)を達成した。K13の3次元モデルにおける変異の位置の特定を、PyMOL Molecular Graphics System、バージョン1.5.0.4 (Schrodinger社、ポートランドオレゴン州)を用いて、作成した。

0143

[実施例14]統計的解析
マイクロソフト社のエクセル及びMedCalcバージョン12(マリアケルケ、ベルギー)を用いてデータを解析した。定量データは中央値、四分位範囲(IQR)として表した。マン・ホイットニーのU検定(独立サンプル、両側)を用いて2つの群を比較し、クラスカル・ウォリス検定(H検定、両側)を用いて2より多い群を比較した。スピアマンのロー順位相関係数(及び相関係数について95%信頼区間)を用いて、野生型K13プロペラアレルの保有率と3日目の陽性率(アルテミシニンに基づく組み合わせ療法の3日目における顕微鏡で検出可能な寄生虫の持続として定義される)との間の関係の強さを測定した2。フィッシャーの正確確率検定を用いて、頻度データを比較し、比率についてはベータ分布に基づくクロッパー-ピアソン(Clopper-Pearson)の正確法を用いて95%信頼区間を決定した。P値が0.05未満の場合、差は統計的に優位であるとみなした。

0144

[実施例15]追加のSNP
実施例5に記述したカンボジアの患者由来の941株の臨床的熱帯熱マラリア原虫の最初の採集の後、熱帯熱マラリア原虫に感染した患者由来のさらなる血液サンプルを、ベナンアンゴラ、及びカメルーン等の複数のアフリカの国々、及び南アメリカにおいて、実施例5と同様の実験的手法に従って採集した。合計で9523個の血液サンプルを採集した。

0145

0146

実施例9で記述したとおりに寄生虫DNAから増幅したPCR産物をシーケンシングすることにより、K13プロペラドメインを遺伝子型決定した。

0147

K13プロペラドメインにおいて追加の非同義的SNPが発見された。最終的に、発明者らは以下に列挙する27個のSNPを同定した。

0148

0149

[実施例16]K13プロペラドメイン中の全ての変異を同時に検出するための方法(図13)
本実施例は、K13プロペラドメイン中の全ての変異を同時に検出するための方法に関する詳細を記述する(図13)。SNP検出を3つの工程で行う:
全てのプローブと増幅したDNAとのハイブリダイゼーション(第一の工程)、保存されたプローブとアレル特異的プローブとのライゲーション(第二の工程)、並びにビオチンから放出された蛍光及びアレル特異的蛍光由来の蛍光の読み取り(第三の工程)。

0150

0151

全ての変異を含むK13プロペラドメインの配列
GCCTTGTTGAAAGAAGCAGAATTTTATGGTATTAAATTTTTACCATTCCCATTAGTATTTTGTATAGGTGGATTTGATGGTGTAGAATATTTAAATTCGATGGAATTATTAGATATTAGTCAACAATGCTGGCGTATGTGTACACCTATGTCTACCAAAAAAGCTTATTTTGGAAGTGCTGTATTGAATAATTTCTTATACGTTTTTGGTGGTAATAACTATGATTATAAGGCTTTATTTGAAACTGAGGTGTATGATCGTTTAAGAGATGTATGGTATGTTTCAAGTAATTTAAATATACCTAGAAGAAATAATTGTGGTGTTACGTCAAATGGTAGAATTTATTGTATTGGGGGATATGATGGCTCTTCTATTATACCGAATGTAGAAGCATATGATCATCGTATGAAAGCATGGGTAGAGGTGGCACCTTTGAATACCCCTAGATCATCAGCTATGTGTGTTGCTTTTGATAATAAAATTTATGTCATTGGTGGAACTAATGGTGAGAGATTAAATTCTATTGAAGTATATGAAGAAAAAATGAATAAATGGGAACAATTTCCATATGCCTTATTAGAAGCTAGAAGTTCAGGAGCAGCTTTTAATTACCTTAATCAAATATATGTTGTTGGAGGTATTGATAATGAACATAACATATTAGATTCCGTTGAACAATATCAACCATTTAATAAAAGATGGCAATTTCTAAATGGTGTACCAGAGAAAAAAATGAATTTTGGAGCTGCCACATTGTCAGATTCTTATATAATTACAGGAGGAGAAAATGGCGAAGTTCTAAATTCATGTCATTTCTTTTCACCAGATACAAATGAATGGCAGCTTGGC (配列番号:1のnt 1279-2127)。

0152

第一の工程:K13プロペラドメイン配列のPCR増幅
PCR増幅は実施例9に従って行う。一次PCR用のプライマーは、
K13_1_F 5’-CGGAGTGACCAAATCTGGGA-3’ (配列番号:9)
K13_4_R 5’-GGGAATCTGGTGGTAACAGC-3’ (配列番号:10)
である。ネステッドPCR用のプライマーは、
K13_3_F 5’-GCCTTGTTGAAAGAAGCAGA-3’ (配列番号:14)
K13_2_R 5’-GCCAAGCTGCCATTCATTTG-3’ (配列番号:13)
である。

0153

第二の工程: SNP検出
各SNPについて、変異したヌクレオチドの位置の下流の保存配列とハイブリダイズする1個の保存されたプローブを用いる。このプローブは、ライゲーションを可能にするために5’末端にホスフェート[Phos]を有し、3’末端にビオチンタグ[BtnTg]を有する。各SNPについて、野生型コドン又は変異型コドンとハイブリダイズする2個のアレル特異的プローブも用いた。各々のアレル特異的プローブは特定的な蛍光タグ(野生型コドンに特異的なタグについてはTag WT、変異型コドンに特異的なタグについてはTagMT)を有する。

0154

実施例

0155

引用文献
1. Dondorp, A. M. et al. Artemisinin resistance in Plasmodium falciparum malaria. N Engl J Med 361, 455-67 (2009).
2. World Health Organization. in WHO publications (ed. Press, W.) (2011-2013).
3. Mita, T. et al. Limited geographical origin and global spread of sulfadoxine-resistant dhps alleles in Plasmodium falciparum populations. J Infect Dis 204, 1980-8 (2011).
4. Roper, C. et al. Intercontinental spread of pyrimethamine-resistant malaria. Science 305, 1124 (2004).
5. Wootton, J. C. et al. Genetic diversity and chloroquine selective sweeps in Plasmodium falciparum. Nature 418, 320-3 (2002).
6. Amaratunga, C. et al. Artemisinin-resistant Plasmodium falciparum in Pursat province, western Cambodia: a parasite clearance rate study. Lancet Infect Dis 12, 851-8 (2012).
7. Kyaw, M. P. et al. Reduced susceptibility of Plasmodium falciparum to artesunate in southern Myanmar.PLoS One 8, e57689 (2013).
8. Noedl, H. et al. Evidence of artemisinin-resistant malaria in western Cambodia. N Engl J Med 359, 2619-20 (2008).
9. Phyo, A. P. et al. Emergence of artemisinin-resistant malaria on the western border of Thailand: a longitudinal study. Lancet 379, 1960-6 (2012).
10. Tran, T. H. et al. In vivo susceptibility of Plasmodium falciparum to artesunate in Binh Phuoc Province, Vietnam. Malar J 11, 355 (2012).
11. Flegg, J. A., et al. Standardizing the measurement of parasite clearance in falciparum malaria: the parasite clearance estimator. Malar J 10, 339 (2011).
12. White, N. J. The parasite clearance curve. Malar J 10, 278 (2011).
13. Witkowski, B. et al. Novel phenotypic assays for the detection of artemisinin-resistant Plasmodium falciparum malaria in Cambodia: in-vitro and ex-vivo drug-response studies. Lancet Infect Dis 13 (2013).
14. Cheeseman, I. H. et al. A major genome region underlying artemisinin resistance in malaria. Science 336, 79-82 (2012).
15. Miotto, O. et al. Multiple populations of artemisinin-resistant Plasmodium falciparum in Cambodia. Nat Genet 45, 648-55 (2013).
16. Takala-Harrison, S. et al. Genetic loci associated with delayed clearance of Plasmodium falciparum following artemisinin treatment in Southeast Asia. Proc Natl Acad Sci U S A 110, 240-5 (2012).
17. Lopera-Mesa, T. M. et al. Plasmodium falciparum clearance rates in response to artesunate in Malian children with malaria: effect of acquired immunity. J Infect Dis 207, 1655-63 (2013).
18. Witkowski, B. et al. Increased tolerance to artemisinin in Plasmodium falciparum is mediated by a quiescence mechanism. Antimicrob Agents Chemother54, 1872-7 (2010).
19. Klonis, N. et al. Artemisinin activity against Plasmodium falciparum requires hemoglobin uptake and digestion. Proc Natl Acad Sci U S A 108, 11405-10 (2011).
20. Vigan-Womas, I. et al An in vivo and in vitro model of Plasmodium falciparum rosetting and autoagglutination mediated by varO, a group A var gene encoding a frequent serotype. Infect Immun. Dec;76(12):5565-80 (2008)
21. Cui, L. et al. Mechanisms of in vitro resistance to dihydroartemisinin in Plasmodium falciparum. Mol Microbiol 86, 111-28 (2012).
22. Leang, R. et al. Efficacy of dihydroartemisinin-piperaquine for treatment of uncomplicated Plasmodium falciparum and Plasmodium vivax in Cambodia, 2008 to 2010. Antimicrob Agents Chemother 57, 818-26 (2012).
23. Sidhu, A. B. et al. Chloroquine resistance in Plasmodium falciparum malaria parasites conferred by pfcrt mutations. Science 298, 210-3 (2002).
24. Valderramos, S. G. et al. Identification of a mutant PfCRT-mediated chloroquine tolerance phenotype in Plasmodium falciparum. PLoS Pathog 6, e1000887 (2010).
25. Bhisutthibhan, J. et al. The Plasmodium falciparum translationally controlled tumor protein homolog and its reaction with the antimalarial drug artemisinin. J Biol Chem 273, 16192-8 (1998).
26. Eichhorn, T. et al. Molecular interaction of artemisinin with translationally controlled tumor protein (TCTP) of Plasmodium falciparum. Biochem Pharmacol 85, 38-45 (2013).
27. Sanchez, C. P. et al. Polymorphisms within PfMDR1 alter the substrate specificity for anti-malarial drugs in Plasmodium falciparum. Mol Microbiol 70, 786-98 (2008).
28. Veiga, M. I. et al. Novel polymorphisms in Plasmodium falciparum ABC transporter genes are associated with major ACT antimalarial drug resistance. PLoS One 6, e20212 (2011).
29. Raj, D. K. et al. Disruption of a Plasmodium falciparum multidrug resistance-associated protein (PfMRP) alters its fitness and transport of antimalarial drugs and glutathione. J Biol Chem 284, 7687-96 (2009).
30. Anderson, T. J. et al. Are transporter genes other than the chloroquine resistance locus (pfcrt) and multidrug resistance gene (pfmdr) associated with antimalarial drug resistance? Antimicrob Agents Chemother 49, 2180-8 (2005).
31. Jambou, R. et al. Resistance of Plasmodium falciparum field isolates to in-vitro artemether and point mutations of the SERCA-type PfATPase6. Lancet 366, 1960-3 (2005).
32. Krishna, S. et al. Artemisinins and the biological basis for the PfATP6/SERCA hypothesis. TrendsParasitol 26, 517-23 (2010).
33. Hunt, P. et al. Gene encoding a deubiquitinating enzyme is mutated in artesunate- and chloroquine-resistant rodent malaria parasites. Mol Microbiol 65, 27-40 (2007).
34. Hunt, P. et al. Experimental evolution, genetic analysis and genome re-sequencing reveal the mutation conferring artemisinin resistance in an isogenic lineage of malaria parasites.BMCGenomics 11, 499 (2010).
35. Borges, S. et al. Genome-wide scan reveals amplification of mdr1 as a common denominator of resistance to mefloquine, lumefantrine, and artemisinin in Plasmodium chabaudi malaria parasites. Antimicrob Agents Chemother 55, 4858-65 (2011).
36. Chavchich, M. et al. Role of pfmdr1 amplification and expression in induction of resistance to artemisinin derivatives in Plasmodium falciparum. Antimicrob Agents Chemother 54, 2455-64 (2010).
37. Chen, N. et al. Deamplification of pfmdr1-containing amplicon on chromosome 5 in Plasmodium falciparum is associated with reduced resistance to artelinic acid in vitro. Antimicrob Agents Chemother 54, 3395-401 (2010).
38. Picot, S. et al. A systematic review and meta-analysis of evidence for correlation between molecular markers of parasite resistance and treatment outcome in falciparum malaria. Malar J 8, 89 (2009).
39. Price, R. N. et al. Mefloquine resistance in Plasmodium falciparum and increased pfmdr1 gene copy number. Lancet 364, 438-47 (2004).
40. Sidhu, A. B. et al. Decreasing pfmdr1 copy number in Plasmodium falciparum malaria heightens susceptibility to mefloquine, lumefantrine, halofantrine, quinine, and artemisinin. J Infect Dis 194, 528-35 (2006).
41. Yuan, J. et al. Chemical genomic profiling for antimalarial therapies, response signatures, and molecular targets. Science 333, 724-9 (2011).
42. Amambua-Ngwa, A. et al. Population genomic scan for candidate signatures of balancing selection to guide antigen characterization in malaria parasites. PLoS Genet 8, e1002992 (2012).
43. Adams, J. et al. The kelch repeat superfamily of proteins: propellers of cell function. Trends Cell Biol 10, 17-24 (2000).
44. Prag, S. & Adams, J. C. Molecular phylogeny of the kelch-repeat superfamily reveals an expansion ofBTB/kelch proteins in animals. BMC Bioinformatics 4, 42 (2003).
45. Witkowski, B. et al. Reduced artemisinin susceptibility of Plasmodium falciparum ring stages in western Cambodia. Antimicrob Agents Chemother 57, 914-23 (2013).
46. B. Padmanabhan et al., Structural basis for defects of Keap1 activity provoked by its point mutations in lung cancer. Mol Cell 21, 689 (2006).
47. L. M. Boyden et al., Mutations in kelch-like 3 and cullin 3 cause hypertension and electrolyte abnormalities. Nature 482, 98 (2012).
48. X. Li, D. Zhang, M. Hannink, L. J. Beamer, Crystal structure of the Kelch domain of human Keap1. J Biol Chem 279, 54750 (2004).
49. K. Itoh et al., Keap1 represses nuclear activation of antioxidant responsive elements by Nrf2 through binding to the amino-terminal Neh2 domain. Genes Dev 13, 76 (1999).
50. D. Zhang, M. Hannink, Distinct cysteine residues in Keap1 are required for Keap1-dependent ubiquitination of Nrf2 and for stabilization of Nrf2 by chemopreventive agents and oxidative stress. Mol Cell Biol 23, 8137 (2003).
51. Z. Bozdech, H. Ginsburg, Antioxidant defense in Plasmodium falciparum--data mining of the transcriptome. Malar J 3, 23 (2004).
52. N. K. Nesser, D. O. Peterson, D. K. Hawley, RNA polymerase II subunit Rpb9 is important for transcriptional fidelity in vivo. Proc Natl Acad Sci U S A 103, 3268 (2006).
53. H. Kettenberger, K. J. Armache, P. Cramer, Architecture of the RNA polymerase II-TFIIS complex and implications formRNAcleavage. Cell 114, 347 (2003).
54. D. Dorin-Semblat, A. Sicard, C. Doerig, L. Ranford-Cartwright, C. Doerig, Disruption of the PfPK7 gene impairs schizogony and sporogony in the human malaria parasite Plasmodium falciparum. Eukaryot Cell 7, 279 (2008).
55. R. Tewari et al., The systematic functional analysis of Plasmodium protein kinases identifies essential regulators of mosquito transmission. Cell Host Microbe 8, 377 (2010).
56. P. J. Rosenthal, J. H. McKerrow, M. Aikawa, H. Nagasawa, J. H. Leech, A malarial cysteine proteinase is necessary for hemoglobin degradation by Plasmodium falciparum. J Clin Invest 82, 1560 (1988).
57. P. S. Sijwali et al., Plasmodium falciparum cysteine protease falcipain-1 is not essential in erythrocytic stage malaria parasites. Proc Natl Acad Sci U S A 101, 8721 (2004).
58. P. S. Sijwali, J. Koo, N. Singh, P. J. Rosenthal, Gene disruptions demonstrate independent roles for the four falcipain cysteine proteases of Plasmodium falciparum. Mol Biochem Parasitol 150, 96 (2006).
59. N. Klonis et al., Altered temporal response of malaria parasites determines differential sensitivity to artemisinin. Proc Natl Acad Sci U S A 110, 5157 (2013).
60. C. A. Lobo, H. Fujioka, M. Aikawa, N. Kumar, Disruption of the Pfg27 locus by homologous recombination leads to loss of the sexual phenotype in P. falciparum. Mol Cell 3, 793 (1999).
61. Olivieri et al., The Plasmodium falciparum protein Pfg27 is dispensable for gametocyte and gamete production, but contributes to cell integrity during gametocytogenesis. Mol Microbiol 73, 180 (2009).
62. Sharma, I. Sharma, D. Kogkasuriyachai, N. Kumar, Structure of a gametocyte protein essential for sexual development in Plasmodium falciparum. Nat Struct Biol 10, 197 (2003).

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社堀場製作所の「 エクソソーム表面分子を特定する方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】本発明はエクソソーム表面分子に対する結合性分子が固相化された担体をカゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液でブロックおよび洗浄すること、ならびに該担体とエクソソームを含む被験試料の接触前... 詳細

  • 株式会社資生堂の「 レチノイドの副作用に対する感受性の決定方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】SNP解析により遺伝要素に基づいて対象のレチノイドの副作用に対する感受性を決定する方法、レチノイドの副作用に対する感受性を決定するコンピュータ、及び当該コンピュータを制御するプログラ... 詳細

  • 公立大学法人福島県立医科大学の「 大腸がんの予後バイオマーカー」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】大腸がん患者の予後を予測するための、及び/又は大腸がん患者に対する抗がん剤の有効性を判定するためのバイオマーカーを提供する。GALNT6タンパク質若しくはそのペプチド断片、又はGAL... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ