図面 (/)

技術 食材の加熱調理のための下処理用組成物、及び加熱調理食品の製造方法

出願人 昭和産業株式会社
発明者 堀祥太古川竜矢
出願日 2018年9月21日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-177594
公開日 2020年3月26日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-043845
状態 未査定
技術分野 穀類誘導体・合成クリーム 食品の調整及び処理一般
主要キーワード 下処理液 ジェットオーブン 焼き塩 料理酒 重量対比 繊維感 澱粉材料 アセチル化酸化澱粉
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

食材加熱調理する前に食材に付着させる下処理用組成物であって、得られる加熱調理食品歩留り及びジューシー感を向上させるとともに、食材表面にぬめりが生じることを抑制する下処理用組成物、並びに歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品の製造方法を提供する。

解決手段

食材を加熱調理する前に前記食材に付着させる下処理用組成物であって、ワキシーコーンスターチコーンスターチ馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする下処理用組成物、並びにそのような下処理用組成物を用いる加熱調理食品の製造方法。

概要

背景

鶏肉豚肉牛肉等の食肉類ブリマグロエビホタテ貝等の魚介類等の食材焼成油ちょう、蒸し、電子レンジ調理等によって加熱調理した加熱調理食品は、家庭内調理される他、飲食店スーパーマーケット等のバックヤード食品加工食品製造工場等で調理されている。一般に、食材を加熱調理する場合、加熱調理時に食材から肉汁等のうま味を含む水分が抜け出し、得られる加熱調理食品の歩留りが低下するだけでなく、食品ジューシー感が低下してしまう場合がある。そこで、従来から、食品の加熱調理後の歩留り及びジューシー感を向上させるため、加熱調理する前に、食材を糖質等を含む液体に浸漬したり、食材に小麦粉澱粉等を含む粉体まぶしたりする下処理が行われている。

近年、加熱調理食品の歩留りの向上や美味しさの追及のため、食材の加熱調理前の下処理技術について、さらなる技術開発が進められている。例えば、特許文献1では、鳥獣肉、魚介類等の加熱調理食品において、加熱前の下処理段階で用いることにより、歩留まりを従来品並に維持しつつ、24時間の常温ないしチルド又は冷凍保存後でもソフト感・ジューシー感、繊維感を保ち、食味劣化しない食肉用改良剤を提供することを目的とし、塩化ナトリウムに対しマグネシウムを0.02〜0.7重量部含む焼き塩1重量部に対し、グルタチオンが0.001〜0.1重量部、糖アルコール及び/又はオリゴ糖が1.0〜5.5重量部、及び澱粉のエステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体が0.1〜2.5重量部含有されてなることを特徴とする食肉用改良剤が開示されている。また、特許文献2では、小売店や飲食店のバックヤードにおけるオペレーション負荷を軽減しつつ、調味食肉肉質改善を同時に行うことが可能な調味肉の製造方法、及び食肉の肉質改善処理を短時間で行う場合と長時間で行う場合の双方に適用可能であり、かつ処理後に廃液が多量に生じてしまうような過分量の処理液を用いる必要のない肉質改善処理がなされた調味肉の製造方法の実現を目的とし、食肉を、(a)塩分が3〜10質量%、(b)未膨潤状態リン酸架橋澱粉が2〜7質量%含有されている処理液であって処理対象である食肉との重量対比で10〜20%の分量の処理液に48時間までの所定の時間接触させ、前記食肉に前記処理液を浸透させることにより、加熱調理時の歩留改善処理がなされた調味肉の製造方法が開示されている。

概要

食材を加熱調理する前に食材に付着させる下処理用組成物であって、得られる加熱調理食品の歩留り及びジューシー感を向上させるとともに、食材表面にぬめりが生じることを抑制する下処理用組成物、並びに歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品の製造方法を提供する。食材を加熱調理する前に前記食材に付着させる下処理用組成物であって、ワキシーコーンスターチコーンスターチ馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする下処理用組成物、並びにそのような下処理用組成物を用いる加熱調理食品の製造方法。なし

目的

例えば、特許文献1では、鳥獣肉、魚介類等の加熱調理食品において、加熱前の下処理段階で用いることにより、歩留まりを従来品並に維持しつつ、24時間の常温ないしチルド又は冷凍保存後でもソフト感・ジューシー感、繊維感を保ち、食味の劣化しない食肉用改良剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

食材加熱調理する前に前記食材に付着させる下処理用組成物であって、ワキシーコーンスターチコーンスターチ馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする下処理用組成物。

請求項2

前記澱粉Aの含有量と前記澱粉Bの含有量の比(澱粉A:澱粉B)が、1:9〜9:1の範囲である請求項1に記載の下処理用組成物。

請求項3

前記澱粉Aにおける加工澱粉が、アセチル化澱粉エーテル化澱粉アセチル化リン酸架橋澱粉エーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選択される1種以上の加工澱粉であり、且つ/又は前記澱粉Bにおける加工澱粉が、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、エーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選択される1種以上の加工澱粉である請求項1又は2に記載の下処理用組成物。

請求項4

得られる加熱調理食品の食材表面にぬめりが生じることを抑制する請求項1〜3のいずれか1項に記載の下処理用組成物。

請求項5

食材に下処理用組成物を付着させる下処理工程、及び前記下処理した食材を加熱調理する工程を含む加熱調理食品の製造方法であって、前記下処理用組成物が、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする加熱調理食品の製造方法。

請求項6

前記下処理工程における、前記食材に前記下処理用組成物を付着させる量が、前記食材100質量部に対して、前記澱粉A及び前記澱粉Bの総質量として0.2〜2.4質量部である請求項5に記載の加熱調理食品の製造方法。

請求項7

前記下処理用組成物として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の下処理用組成物を用いる請求項5又は6に記載の加熱調理食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、食肉類魚介類等の食材加熱調理する前に付着させる下処理用組成物であって、得られる加熱調理食品歩留り及びジューシー感を向上させるとともに、食材表面にぬめりが生じることを抑制する下処理用組成物、並びに歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品の製造方法に関する。

背景技術

0002

鶏肉豚肉牛肉等の食肉類、ブリマグロエビホタテ貝等の魚介類等の食材を焼成油ちょう、蒸し、電子レンジ調理等によって加熱調理した加熱調理食品は、家庭内調理される他、飲食店スーパーマーケット等のバックヤード食品加工食品製造工場等で調理されている。一般に、食材を加熱調理する場合、加熱調理時に食材から肉汁等のうま味を含む水分が抜け出し、得られる加熱調理食品の歩留りが低下するだけでなく、食品のジューシー感が低下してしまう場合がある。そこで、従来から、食品の加熱調理後の歩留り及びジューシー感を向上させるため、加熱調理する前に、食材を糖質等を含む液体に浸漬したり、食材に小麦粉澱粉等を含む粉体まぶしたりする下処理が行われている。

0003

近年、加熱調理食品の歩留りの向上や美味しさの追及のため、食材の加熱調理前の下処理技術について、さらなる技術開発が進められている。例えば、特許文献1では、鳥獣肉、魚介類等の加熱調理食品において、加熱前の下処理段階で用いることにより、歩留まりを従来品並に維持しつつ、24時間の常温ないしチルド又は冷凍保存後でもソフト感・ジューシー感、繊維感を保ち、食味劣化しない食肉用改良剤を提供することを目的とし、塩化ナトリウムに対しマグネシウムを0.02〜0.7重量部含む焼き塩1重量部に対し、グルタチオンが0.001〜0.1重量部、糖アルコール及び/又はオリゴ糖が1.0〜5.5重量部、及び澱粉のエステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体が0.1〜2.5重量部含有されてなることを特徴とする食肉用改良剤が開示されている。また、特許文献2では、小売店や飲食店のバックヤードにおけるオペレーション負荷を軽減しつつ、調味食肉肉質改善を同時に行うことが可能な調味肉の製造方法、及び食肉の肉質改善処理を短時間で行う場合と長時間で行う場合の双方に適用可能であり、かつ処理後に廃液が多量に生じてしまうような過分量の処理液を用いる必要のない肉質改善処理がなされた調味肉の製造方法の実現を目的とし、食肉を、(a)塩分が3〜10質量%、(b)未膨潤状態リン酸架橋澱粉が2〜7質量%含有されている処理液であって処理対象である食肉との重量対比で10〜20%の分量の処理液に48時間までの所定の時間接触させ、前記食肉に前記処理液を浸透させることにより、加熱調理時の歩留改善処理がなされた調味肉の製造方法が開示されている。

先行技術

0004

国際公開第2006/098510号
特開2016−67355号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1及び2の技術のように、澱粉を含む下処理液で浸漬した場合、焼成等の加熱調理後の食材表面に澱粉由来のぬめりが生じ、加熱調理食品の食感が低下する場合がある。

0006

したがって、本発明の目的は、食肉類、魚介類等の食材を加熱調理する前に前記食材に付着させる下処理用組成物であって、得られる加熱調理食品の歩留り及びジューシー感を向上させるとともに、食材表面にぬめりが生じることを抑制する下処理用組成物、並びに歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、下処理用組成物の配合について、種々検討した結果、所定の2種類の澱粉を所定の割合で配合することで上記課題を解決できることを見出した。

0008

すなわち、上記目的は、食材を加熱調理する前に前記食材に付着させる下処理用組成物であって、ワキシーコーンスターチコーンスターチ馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする下処理用組成物によって達成される。また、上記目的は、食材に下処理用組成物を付着させる下処理工程、及び前記下処理した食材を加熱調理する工程を含む加熱調理食品の製造方法であって、前記下処理用組成物が、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする加熱調理食品の製造方法によって達成される。なお、本発明において、「下処理用組成物」とは、食肉類、魚介類等の食材を加熱調理する前に、食材を漬け込んだり、食材にまぶしたり、揉み込んだりすることにより、食材の調味や物性調整等の下ごしらえをするための下処理液、又は下処理用粉粒体のことを称し、例えば、調味液浸漬液、調味粉、打ち粉等が挙げられる。

発明の効果

0009

本発明の下処理用組成物、及び加熱調理食品の製造方法を用いることにより、歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品を容易に製造することができる。

0010

[下処理用組成物]
本発明の下処理用組成物は、食材を加熱調理する前に前記食材に付着させる下処理用組成物であって、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする。澱粉A及び澱粉Bを配合した本発明の下処理用組成物を加熱調理前に食材に付着させることにより、加熱調理時の食材からのうま味を含む水分や油脂等の流出を抑制することができ、得られる加熱調理食品の歩留り及びジューシー感を向上させるとともに、食材表面にぬめりが生じることを抑制することができる。後述する実施例で示す通り、本発明の下処理用組成物を食材に付着させる量は、加熱調理前の食材の種類、大きさ等に応じて、本発明の効果が得られるように適宜調整することができる。

0011

本発明において、澱粉A及び澱粉Bの配合する割合は特に制限はない。本発明の効果をより有効に得るため、前記澱粉Aの含有量と前記澱粉Bの含有量の比(澱粉A:澱粉B)は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましく、1:9〜8:2であることがより好ましく、3:7〜7:3であることがさらに好ましい。

0012

本発明において、澱粉Aは、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの澱粉を原料澱粉として、物理的、化学的な加工を単独又は複数組み合わせて施した加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉である。加工澱粉としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。例えば、酵素処理澱粉、アルファー化澱粉湿熱処理澱粉酸化澱粉酸処理澱粉漂白澱粉アセチル化澱粉等のエステル化澱粉リン酸化澱粉ヒドロキシプロピル化澱粉等のエーテル化澱粉;リン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉等の架橋澱粉;アセチル化アジピン酸架橋澱粉アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等の複数の加工を組み合わせた加工澱粉等が挙げられる。これらの澱粉を1種単独、又は複数種を組み合わせて用いることができる。本発明において、澱粉Aにおける加工澱粉は、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、エーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選択される1種以上の加工澱粉であることが好ましく、アセチル化リン酸架橋澱粉、及び/又はエーテル化リン酸架橋澱粉であることがさらに好ましい。

0013

本発明において、澱粉Bは、キャッサバから得られるタピオカ澱粉を原料澱粉として、物理的、化学的な加工を単独又は複数組み合わせて施した加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉である。加工澱粉としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はない。例えば、酵素処理澱粉、アルファー化澱粉;湿熱処理澱粉;酸化澱粉;酸処理澱粉;漂白澱粉;アセチル化澱粉等のエステル化澱粉;リン酸化澱粉;ヒドロキシプロピル化澱粉等のエーテル化澱粉;リン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉等の架橋澱粉;アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等の複数の加工を組み合わせた加工澱粉等が挙げられる。これらの澱粉を1種単独、又は複数種を組み合わせて用いることができる。本発明において、澱粉Bにおける加工澱粉は、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、エーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選択される1種以上の加工澱粉であることが好ましく、リン酸架橋を施された加工澱粉であることがさらに好ましい。澱粉A及び澱粉Bは、該当する市販の澱粉製品を適宜選択して使用することができる。

0014

本発明の下処理用組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上述の澱粉A及び澱粉B以外に、一般に下処理用組成物に使用される材料を適宜含んでいてもよい。例えば、水;デキストリン、オリゴ糖、ショ糖マルトースぶどう糖果糖等の糖質;卵白粉卵黄粉全卵粉小麦たん白、乳たん白大豆たん白等のたん白素材植物性油脂動物性油脂加工油脂粉末油脂等の油脂;食塩醤油味噌、酒、みりんグルタミン酸ナトリウムイノシン酸ナトリウムグアニル酸ナトリウム等の調味料類コショウ山椒唐辛子パプリカ等の香辛料類;畜肉魚介果実野菜類由来ペーストエキス類キサンタンガムグアガムタマリンドガムローカストビーンガムジェランガムカードラン、及びカラギーナン等の増粘剤グリセリン脂肪酸エステルレシチン等の乳化剤;その他、酵素、種々の品質改良剤等が挙げられる。澱粉A及び澱粉B以外の澱粉類、例えば、小麦澱粉サゴ澱粉米澱粉甘藷澱粉等の澱粉、及びこれらの澱粉に物理的、化学的な加工を単独又は複数組み合わせて施した加工澱粉等の澱粉類、及び薄力粉、中力粉、準強力粉強力粉全粒粉デュラム小麦粉等の小麦粉、米粉大麦粉、大豆粉そば粉ライ麦粉ホワイトソルガム粉トウモロコシ粉、これらの穀粉加熱処理した加熱処理穀粉等の穀粉類も、本発明の効果を損なわない限り含んでいてもよい。

0015

[加熱調理食品の製造方法]
本発明の加熱調理食品の製造方法は、食材に下処理用組成物を付着させる下処理工程、及び前記下処理した食材を加熱調理する工程を含む加熱調理食品の製造方法であって、前記下処理用組成物が、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、及びタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含むことを特徴とする。食材の加熱調理の前に、澱粉A及び澱粉Bを配合した下処理用組成物を付着させる下処理工程により、上述の通り、加熱調理時の食材からのうま味を含む水分や油脂等の流出を抑制することができ、得られる加熱調理食品の歩留り及びジューシー感を向上させるとともに、食材表面にぬめりが生じることを抑制することができる。本発明の加熱調理食品の製造方法は、常法に従って実施することができる。例えば、調味液、浸漬液等の下処理液に食材を漬け込んだり、前記下処理液を食材に揉み込んだり、又は調味粉、打ち粉等の下処理用粉粒体を食材にまぶしたり、揉み込んだりすることにより、食材に下処理用組成物を付着させた後、製造する加熱調理食品に応じて、下処理した食材をそのまま、又は必要に応じてさらにブレッダーバッター等を付着させて、焼成、油ちょう、蒸し、電子レンジ調理等の加熱調理を適切な温度、適切な時間で実施する。なお、食材に下処理用組成物を付着させておく時間は特に制限はなく、下処理用組成物を食材にまぶしたり、揉み込んだりした後、短時間(数分〜数十分)で加熱調理してもよく、下処理用組成物に食材を長時間(数時間から数十時間)漬け込んだ後、加熱調理してもよい。本発明の製造方法によって得られた加熱調理食品は、上述の通り、歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品である。

0016

本発明の加熱調理食品の製造方法において、前記下処理用組成物の好ましい態様は、上述の本発明の下処理用組成物の場合と同様である。したがって、前記澱粉Aの含有量と前記澱粉Bの含有量の比(澱粉A:澱粉B)は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましく、1:9〜8:2であることがより好ましく、3:7〜7:3であることがさらに好ましい。また、澱粉Aにおける加工澱粉は、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、エーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選択される1種以上の加工澱粉であることが好ましく、アセチル化リン酸架橋澱粉、及び/又はエーテル化リン酸架橋澱粉であることがより好ましい。さらに、澱粉Bにおける加工澱粉は、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、エーテル化リン酸架橋澱粉からなる群から選択される1種以上の加工澱粉であることが好ましく、リン酸架橋を施された加工澱粉であることがより好ましい。本発明の加熱調理食品の製造方法においては、前記下処理用組成物として、本発明の下処理用組成物を用いてもよく、上述の本発明の下処理用組成物に含まれる前記澱粉A及び前記澱粉B、並びにその他の材料を、それぞれ個別に、又は一部が予め混合されたものを用いて混合した組成物を用いてもよい。本発明の加熱調理食品の製造方法においては、容易に使用できる点で、前記下処理用組成物として本発明の下処理用組成物を用いることが好ましい。

0017

本発明の加熱調理食品の製造方法の下処理工程において、食材に下処理用組成物を付着させる量は、加熱調理前の食材の種類、大きさ等に応じて、本発明の効果が得られるように適宜調整することができる。本発明の製造方法において、前記下処理工程における、前記食材に前記下処理用組成物を付着させる量は、前記食材100質量に対して、前記澱粉A及び前記澱粉Bの総質量として0.2〜2.4質量部であることが好ましく、0.2〜2.3質量部がより好ましく、1.0〜2.3質量部がさらに好ましく、1.4〜2.3質量部が特に好ましい。後述する実施例で示す通り、前記食材に対する澱粉A及び澱粉Bの総質量が少な過ぎると、加熱調理食品の歩留り及びジューシー感を向上させる効果が十分得られない場合があり、多過ぎると、食材表面のぬめりが生じてしまう場合がある。

0018

本発明の加熱調理食品の製造方法において、加熱調理食品としては、特に制限はない。例えば、鶏肉、豚肉、牛肉等の食肉類、ブリ、サバサケタラ、エビ、ホタテ貝等の魚介類等の焼成調理食品油ちょう調理食品、蒸し調理食品、電子レンジ調理食品等が挙げられる。本発明の製造方法は、加熱調理後の歩留りが低下し易く、従来の下処理用組成物では食材表面のぬめりが生じ易い焼成調理食品を製造する場合に使用することが好ましい。

0019

以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.澱粉材料について
実施例及び比較例の下処理用組成物に使用した澱粉材料を表1に示した。

0020

0021

2.加熱調理食品の製造及び評価
(1)鶏肉加熱調理食品の製造(調味液使用)
下処理用組成物として調味液を用いて鶏肉加熱調理食品を製造した。参考例1、各実施例、及び各比較例の調味液は、水64質量部、砂糖11質量部、グルタミン酸ナトリウム10質量部、食塩10質量部、パプリカ3質量部、カイエンペッパー2質量部を混合したべース調味液を調製し、表2〜5に示した配合率で混合した澱粉と混合して調製した(参考例1はベース調味液のみ)。まず、鶏もも肉(皮なし)30g×15個と、調味液(ベース調味液(食材100質量部に対して10質量部)、表に示した添加量の澱粉を含む)をボールに入れて混合し、冷蔵庫内で1時間漬け込んだ(漬け込み時間の検討の場合は表5に示した時間漬け込んだ)。その後バットに網を敷き、下処理した鶏もも肉を網に乗せ、ジェットオーブン(株式会社フジマック)で200℃、15分間焼成した。
(2)加熱調理食品の評価
(i)加熱後歩留り
焼成後の鶏もも肉の質量を測定し、下処理前の鶏もも肉の質量に対する歩留り(質量%)を算出した。結果を表2〜5に示す。
(ii)ジューシー感及び食材表面のぬめり
焼成後、約1時間後の加熱調理食品を試食し、食材のジューシー感及び食材表面のぬめりについて、専門パネル5名で評価した。具体的には、以下の評価基準に基づいて評価し、パネル全員で相談して評価結果を決定した。結果を表2〜5に示す。なお、焼成後1日冷蔵保存した後、電子レンジ再加熱して試食、評価した場合も同様な結果であった(表には示していない)。
・ジューシー感(食品を噛んだときに、食材からの肉汁等のうま味を含む水分や油脂等が口の中に広がる食感)
5:食材がジューシー仕上がり、非常に良い
4:食材がジューシーに仕上がり、良い
3:普通
2:食材のジューシー感がやや劣る
1:食材のジューシー感がなく、非常に劣る
・食材表面のぬめり
○:加熱後の食材の表面に、澱粉由来のぬめりが全く感じられない
△:加熱後の食材の表面に、澱粉由来のぬめりがやや感じられるが、許容範囲
×:加熱後の食材の表面に、澱粉由来のぬめりが感じられる

0022

0023

表2に示した通り、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、及び馬鈴薯澱粉(澱粉A−1〜A−3)のいずれか1種の澱粉、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉(澱粉B−1〜B−5)のいずれか1種の澱粉を含む調味液を用いた実施例1〜7では、澱粉を含まない調味液を用いた参考例1と比較して、加熱後歩留りが良好で、食材のジューシー感の評価が高く、食材表面のぬめりの評価も良好であった。一方、澱粉A−1、又は澱粉A−3のみを含む調味液を用いた比較例1及び比較例2では加熱後歩留り及びジューシー感の評価は良好であったが、食材表面のぬめりの評価が悪かった。また、澱粉B−1〜B−4のいずれか1種のみを含む調味液を用いた比較例3〜6は、食材表面のぬめりの評価は良好であったが、加熱後歩留りがやや低く、ジューシー感の評価が悪かった。したがって、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含む調味液で鶏肉を下処理することで、歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された鶏肉加熱調理食品を製造できることが示唆された。

0024

0025

表3においては、澱粉Aとして澱粉A−1、澱粉Bとして澱粉B−1を用いて、調味液における澱粉Aと澱粉Bの配合率の影響について検討した。表3に示した通り、澱粉A−1の含有量と澱粉B−1の含有量の比(澱粉A−1:澱粉B−1)が、1:9〜9:1の範囲の調味液を用いた実施例8〜12で、歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された(実施例12は許容範囲)鶏肉加熱調理食品が得られた。実施例8〜12の結果から、澱粉Aの含有量と澱粉Bの含有量の比(澱粉A:澱粉B)は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましいことが示唆された。

0026

0027

表4においては、澱粉Aとして澱粉A−1、澱粉Bとして澱粉B−1を用いて、調味液における澱粉Aと澱粉Bの総添加量の影響について検討した。表4に示した通り、食材100質量部に対して、澱粉Aと澱粉Bの総添加量が0.2〜2.4質量部である調味液を用いた実施例13〜18で、歩留り及びジューシー感が良好で(実施例13は普通)、且つ食材表面のぬめりが抑制された(実施例18は許容範囲)鶏肉加熱調理食品が得られた。実施例13〜18の結果から、食材100質量部に対して、澱粉A及び澱粉Bの総質量は、0.2〜2.4質量部であることが好ましいことが示唆された。

0028

0029

表5においては、澱粉Aとして澱粉A−1、澱粉Bとして澱粉B−1を用いて、調味液の浸漬時間の影響について検討した。表5に示した通り、食材の調味液への漬け込み時間を15分間〜22時間で行なった実施例19〜21で歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された鶏肉加熱調理食品が得られた。したがって、食材に調味液を付着させる時間は、短時間から長時間まで特に制限がないことが示唆された。

0030

(3)鶏肉加熱調理食品の製造(調味粉使用)
下処理用組成物として調味粉を用いて鶏肉加熱調理食品を製造した。参考例2、及び実施例22の調味粉は、砂糖11質量部、グルタミン酸ナトリウム10質量部、食塩8質量部、パプリカ3質量部、カイエンペッパー1質量部を混合したべース調味粉を調製し、表6に示した配合率で混合した澱粉と混合して調製した(参考例2はベース調味粉のみ)。まず、鶏もも肉(皮なし)30g×15個と、調味粉(ベース調味粉(食材100質量部に対して3.3質量部)、表に示した添加量の澱粉を含む)をボールに入れて混合した。その後バットに網を敷き、下処理した鶏もも肉を網に乗せ、ジェットオーブン(株式会社フジマック)で200℃、15分間焼成した。評価は2.(2)と同様に行なった。結果を表6に示す。

0031

0032

表6に示した通り、澱粉Aとして澱粉A−1、澱粉Bとして澱粉B−1を含む調味粉を用いた実施例22では、澱粉を含まない調味粉を用いた参考例2と比較して、加熱後歩留りが良好で、食材のジューシー感の評価が高く、食材表面のぬめりの評価も良好であった。したがって、下処理用組成物は、調味液等の下処理液の形態だけでなく、調味粉等の下処理用粉粒体の形態でも使用できることが示唆された。

0033

(4)豚肉加熱調理食品の製造(調味液使用)
下処理用組成物として調味液を用いて豚肉加熱調理食品を製造した。参考例3、実施例23の調味液は、砂糖25質量部、濃口醤油25質量部、料理酒25質量部、みりん25質量部を混合したべース調味液を調製し、表7に示した配合率で混合した澱粉と混合して調製した(参考例3はベース調味液のみ)。まず、豚ロース肉(150g、厚さ約1cm)を3枚と、調味液(ベース調味液(食材100質量部に対して10質量部)、表に示した添加量の澱粉を含む)をボールに入れて混合した。その後バットに網を敷き、下処理した豚ロース肉を網に乗せ、ジェットオーブン(株式会社フジマック)で200℃、15分間焼成した。評価は2.(2)と同様に行なった。結果を表7に示す。

0034

0035

表7に示した通り、澱粉Aとして澱粉A−1、澱粉Bとして澱粉B−1を含む調味液を用いた実施例23では、澱粉を含まない調味液を用いた参考例3と比較して、加熱後歩留りが良好で、食材のジューシー感の評価が高く、食材表面のぬめりの評価も良好であった。したがって、上述の下処理用組成物は、豚肉を加熱調理する場合も有効であることが示唆された。

0036

(5)(ブリ)加熱調理食品の製造(調味液使用)
下処理用組成物として調味液を用いて魚(ブリ)加熱調理食品を製造した。参考例4、実施例24の調味液は、砂糖6質量部、醤油12質量部、料理酒12質量部、みりん12質量部を混合したべース調味液を調製し、表8に示した配合率で混合した澱粉と混合して調製した(参考例4はベース調味液のみ)。まず、ブリの切り身80g×6枚と、調味液(ベース調味液(食材100質量部に対して42質量部)、表に示した添加量の澱粉を含む)をボールに入れて混合した。その後バットに網を敷き、下処理したブリの切り身を網に乗せ、ジェットオーブン(株式会社フジマック)で200℃、15分間焼成した。評価は2.(2)と同様に行なった。結果を表8に示す。

0037

0038

表8に示した通り、澱粉Aとして澱粉A−1、澱粉Bとして澱粉B−1を含む調味液を用いた実施例24では、澱粉を含まない調味液を用いた参考例4と比較して、加熱後歩留りが良好で、食材のジューシー感の評価が高く、食材表面のぬめりの評価も良好であった。したがって、上述の下処理用組成物は、魚を加熱調理する場合も有効であることが示唆された。

0039

以上により、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及びそれらの加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉A)、並びにタピオカ澱粉の加工澱粉からなる群から選択される1種以上の澱粉(澱粉B)を含む下処理用組成物を用いることで、歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品を製造できることが示唆された。

実施例

0040

なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。

0041

本発明により、歩留り及びジューシー感が良好で、且つ食材表面のぬめりが抑制された加熱調理食品を容易に製造することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 伊那食品工業株式会社の「 錠剤用基材及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】従来より優れた崩壊性と十分な硬度とを錠剤に付与できる錠剤用基材、及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る錠剤用基材は、単一粒子の平均繊維長が20〜1000μmの繊維状ファイバー10... 詳細

  • フイルメニツヒソシエテアノニムの「 アラビアガム/キトサンコアセルベート系」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】本発明は、例えば、消費者製品中の脂肪を部分的または完全に置き換えるための脂肪代替物として使用可能な潤滑剤の分野に関する。より具体的には、本発明は、アラビアガムとキトサンとを含む複合コ... 詳細

  • オプティバイオティクスリミテッドの「 組成物」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】本発明は、a)グルコマンナン;b)クロム;およびc)プレバイオティクス(FOS)を含む、胃腸の細菌叢の多様性を増大させるのに使用するための組成物および食品に関する。組成物および食品は... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ