図面 (/)

技術 無活性アルカリホスファターゼ

出願人 東ソー株式会社
発明者 松葉隆雄
出願日 2018年9月19日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-174564
公開日 2020年3月26日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-043814
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 酵素・酵素の調製 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 活性アルカリ 水不溶性担体 見積もり 溶存酸素濃度 スケール 取扱説明書 PLU ウルトラ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

遺伝子組換え技術を用いて動物細胞で作製したアルカリホスファターゼ非特異的吸着を防止するために利用できる、無活性アルカリホスファターゼを提供すること。

解決手段

アルカリホスファターゼのアミノ酸配列の92番目アミノ酸であるセリン欠失させるか、別のアミノ酸に置換したアミノ酸配列を含み、野生型のアルカリホスファターゼと比較して活性が低下した無活性アルカリホスファターゼ。別のアミノ酸が、アスパラギン酸またはイソロイシンである、無活性アルカリホスファターゼ。

概要

背景

アルカリホスファターゼは、抗原・抗体反応などの検出系にホースラディッシュパーオキシダーゼと並んでよく利用される酵素である。従来は動物臓器から精製されたアルカリホスファターゼが利用されていたが、ロット間差などがあり均一な性能の物を入手することが難しかった。それらの課題を解決するために、遺伝子工学技術を用い、ピキア酵母で高活性遺伝子組換えLP生産する方法(特許文献1)、CHO細胞発現する方法が報告されている(特許文献2)。

ところで、ELISA構築する際に問題となる課題の一つが、ELISAを構成する各種材料の水不溶性担体への非特異的吸着である。解決方法として、ウシ血清アルブミンスキムミルクなど反応に直接関与しない物質共存させることで低減できる場合が多いが、非特異的吸着を十分に抑えられない場合がある。そのような場合には次のような解決方法が採用される場合がある。例えばアルカリホスファターゼ自体の非特異的吸着が起こっている場合は、活性を消失させたアルカリホスファターゼを反応系に添加しておくことで、活性を有したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を抑えることができる。そのような目的で使用するアルカリホスファターゼは、活性を有したアルカリホスファターゼと全く同じ構造を有している事が好ましい。

これまでに、ピキア酵母で作製したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を防止するために、無活性アルカリホスファターゼの作製を発現し測定系に利用する方法が報告されている。本発明では、動物細胞で作製したアルカリホスファターゼと同一の構造を有する、活性を消失させたアルカリホスファターゼ、および、非特異的吸着を低減させた測定系に関する。

無活性アルカリホスファターゼを作製する方法は活性に関与するアミノ酸を他のアミノ酸に変異させる方法が採用できる。例えば非特許論文1によると、金属を配位しているアミノ酸に変異を導入することで、酵素活性が低下するとの報告がされている。また、特許論文3には、活性残基である92番目セリンアラニングリシンバリンロイシン置換することで活性が低下化する報告がされている。しかしながら、それ以外の変異体やアミノ酸を欠失させた場合にどうなるかについては開示されていなかった。

概要

遺伝子組換え技術を用いて動物細胞で作製したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を防止するために利用できる、無活性アルカリホスファターゼを提供すること。アルカリホスファターゼのアミノ酸配列の92番目のアミノ酸であるセリンを欠失させるか、別のアミノ酸に置換したアミノ酸配列を含み、野生型のアルカリホスファターゼと比較して活性が低下した無活性アルカリホスファターゼ。別のアミノ酸が、アスパラギン酸またはイソロイシンである、無活性アルカリホスファターゼ。なし

目的

本発明の目的は、遺伝子組換え技術を用いて動物細胞で作製したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を防止するために利用できる、無活性アルカリホスファターゼを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

列番号1に記載のアミノ酸配列の92番目アミノ酸であるセリン欠失させるか、別のアミノ酸に置換したアミノ酸配列を含み、野生型アルカリホスファターゼと比較して活性が低下した無活性アルカリホスファターゼ

請求項2

前記別のアミノ酸が、アスパラギン酸またはイソロイシンである、請求項1に記載の無活性アルカリホスファターゼ。

請求項3

請求項1または2に記載の無活性アルカリホスファターゼの突然変異体を作製する方法。

請求項4

請求項1または2に記載の無活性アルカリホスファターゼを免疫測定系に添加して、アルカリホスファターゼの非特異的吸着を低減させることを特徴とする測定系。

技術分野

0001

本発明は、無活性アルカリホスファターゼ作製方法とそれを使用した測定系に関する。

背景技術

0002

アルカリホスファターゼは、抗原・抗体反応などの検出系にホースラディッシュパーオキシダーゼと並んでよく利用される酵素である。従来は動物臓器から精製されたアルカリホスファターゼが利用されていたが、ロット間差などがあり均一な性能の物を入手することが難しかった。それらの課題を解決するために、遺伝子工学技術を用い、ピキア酵母で高活性遺伝子組換えLP生産する方法(特許文献1)、CHO細胞発現する方法が報告されている(特許文献2)。

0003

ところで、ELISA構築する際に問題となる課題の一つが、ELISAを構成する各種材料の水不溶性担体への非特異的吸着である。解決方法として、ウシ血清アルブミンスキムミルクなど反応に直接関与しない物質共存させることで低減できる場合が多いが、非特異的吸着を十分に抑えられない場合がある。そのような場合には次のような解決方法が採用される場合がある。例えばアルカリホスファターゼ自体の非特異的吸着が起こっている場合は、活性を消失させたアルカリホスファターゼを反応系に添加しておくことで、活性を有したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を抑えることができる。そのような目的で使用するアルカリホスファターゼは、活性を有したアルカリホスファターゼと全く同じ構造を有している事が好ましい。

0004

これまでに、ピキア酵母で作製したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を防止するために、無活性アルカリホスファターゼの作製を発現し測定系に利用する方法が報告されている。本発明では、動物細胞で作製したアルカリホスファターゼと同一の構造を有する、活性を消失させたアルカリホスファターゼ、および、非特異的吸着を低減させた測定系に関する。

0005

無活性アルカリホスファターゼを作製する方法は活性に関与するアミノ酸を他のアミノ酸に変異させる方法が採用できる。例えば非特許論文1によると、金属を配位しているアミノ酸に変異を導入することで、酵素活性が低下するとの報告がされている。また、特許論文3には、活性残基である92番目セリンアラニングリシンバリンロイシン置換することで活性が低下化する報告がされている。しかしながら、それ以外の変異体やアミノ酸を欠失させた場合にどうなるかについては開示されていなかった。

0006

特許第3657895号公報
特許第4295386号公報
特許第3850806号公報
特開2017−192381
特許第5810514号公報

先行技術

0007

J.Biol.Chem.,277、22992(2002)
J.Biochem.、108、673;1990

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、遺伝子組換え技術を用いて動物細胞で作製したアルカリホスファターゼの非特異的吸着を防止するために利用できる、無活性アルカリホスファターゼを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は上記課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は以下の態様を包含する。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列の92番目のアミノ酸であるセリンを欠失させるか、別のアミノ酸に置換したアミノ酸配列を含み、野生型のアルカリホスファターゼと比較して活性が低下した無活性アルカリホスファターゼ。
(2)前記別のアミノ酸が、アスパラギン酸またはイソロイシンである、(1)に記載の無活性アルカリホスファターゼ。
(3)(1)または(2)に記載の無活性アルカリホスファターゼの突然変異体を作製する方法。
(4)(1)または(2)に記載の無活性アルカリホスファターゼを免疫測定系に添加して、アルカリホスファターゼの非特異的吸着を低減させることを特徴とする測定系。

0010

以下に本発明をさらに詳細に説明する。

0011

アルカリホスファターゼの非特異的吸着に起因するバックグラウンドの向上を抑えるためには、測定系で使用しているアルカリホスファターゼと同様な構造を有しているが、活性だけが消失した無活性アルカリホスファターゼを添加することが有効である。そのためには、活性型アルカリホスファターゼと同じホスト−ベクター系で作製した、無活性アルカリホスファターゼを添加することが好ましい。

0012

なお「活性が消失した」「無活性」とは、本明細書中においては、野生型のアルカリホスファターゼと比較して活性が1000分の1以下であることを意味し、1500分の1以下が好ましく、2000分の1以下がより好ましい。

0013

特許文献4に記載されている変異型アルカリホスファターゼをコードする遺伝子を用いた製造方法と同じホスト−ベクター系を用い、92番目のセリンを欠失させたもの、イソロイシンに置換したもの、アスパラギン酸に置換したものを、アラニンに置換したものを作製した。変異の導入方法は、特殊な作業は必要なく、一般的に知られている方法で行えばよい。

0014

さらに本特許では480番目のアミノ酸までをコードしたアルカリホスファターゼ遺伝子を使用したが、それに限定されるものではない。

0015

本特許では、発現させたアルカリホスファターゼの検出を容易にするために、上記アルカリホスファターゼのC末端に特許文献5に開示されているタグペプチドCKVLRRH)を連結させたアルカリホスファターゼを作製したが、無活性アルカリホスファターゼを生産する場合は、本タグペプチドは除去することは可能である。

0016

上記各種変異体を遺伝子組み換えタンパク質として発現させるホスト・ベクター系や、その培養方法は特に限定されない。たとえば動物細胞用発現体として発現させるベクターとして、非特許文献2に示された発現ベクター使い、CHO細胞をホストとして用いることができる。また、ホストとして使用する動物細胞は、COS細胞ミエローマ細胞HEK293細胞などを例示することができるが、それらに限定されるものではない。もちろん、付与される糖鎖の構造が天然型と異なったり、糖鎖欠損体であってもよい場合は、大腸菌酵母バチルスなどの細菌でも製造することは可能であり、無細胞タンパク質合成系で生産することも可能である。ただし、活性型アルカリホスファターゼを発現させたホスト−ベクター系と同じ組み合わせを使用することが、糖鎖の付与のされ方などの、翻訳後修飾が同一となるため特に好ましい。

0017

組換えアルカリホスファターゼを生産するための培養方法は、それぞれのホスト・ベクター系で最適な方法で培養すればよく、培養時間、溶存酸素濃度、pHや各種培地成分をタンパク質の発現量が最適になるように調整することで生産することができる。

発明の効果

0018

本発明で示した無活性アルカリホスファターゼを使用することで、アルカリホスファターゼの非特異的な吸着を低減することができる。

図面の簡単な説明

0019

変異体の活性を比較した図。
図1縦軸を拡大した図
アルカリホスファターゼの発現確認

0020

[実施例1]タグ配列付のアルカリホスファターゼ遺伝子および変異体遺伝子の作製
特許文献4に示されたアルカリホスファターゼの遺伝子の480番目のアミノ酸までをコードする遺伝子配列を、非特許文献2で使用されているpECE−dhfrベクターに導入した。そのベクターをALP—480とした。

0021

その後、ALP−480を鋳型として用い、KODPLUS−MutagenesisKit(東洋紡績社製)により、アルカリホスファターゼの活性残基である92番目のセリンの変異体を作製した。それぞれの変異体の名前は、92番目のセリンを欠失させたものをS92d、イソロイシンに置換したものをS92I、アスパラギン酸に置換したものをS92D、アラニンに置換したものをS92Aで示した。

0022

[実施例2]一過性発現による各種変異体の発現
実施例1で得られた発現ベクターを、CHO−K1細胞にリポフェクトアミン2000(Invitrogen社製)を用い、取扱説明書に従い遺伝子を導入した。遺伝子を導入してから3日後に培養上清回収し、以下の実験に使用した。

0023

[実施例3]培養上清中に発現したアルカリホスファターゼ活性の比較
アミコンウルトラ0.5ml(30K)(ミリポア社製)を用いることで、培養上清を10倍に濃縮した。濃縮した溶液10マイクロリットルを、4−MUP溶液(1Mジエタノールアミン、0.5mM塩化マグネシウム、1mM 4−MUP)90マイクロリットルに添加し、30分間室温インキュベートしたのちに、蛍光強度励起波長360nm、発光波長465nm)をプレートリーダーで測定した。得られた結果を図1に示し、縦軸のスケールを拡大したものを図2に示した。図中Posiは変異を導入していないALP−480を細胞に導入した培養上清、Negaは、トランスフェクションを行う際に遺伝子を導入しなかった培養上清(ネガティブコントロール)の、PBSは培養上清の代わりにPBSを使用した結果である。以上の結果から、今回作製したアルカリホスファターゼの活性は、ネガティブコントロールと同程度のシグナルしか得られていなかった。

0024

[実施例4]変異を導入していないアルカリホスファターゼに対する変異体の活性見積もり
変異体の活性とネガティブコントロールとの差は、S92A,S92D,S92I、S92dそれぞれ、14、1、9、4となった。変異を導入していないアルカリホスファターゼの活性とネガティブコントロールとの差は37,755であるため、変異体の活性は、変異を導入していないアルカリホスファターゼの活性と比較して、S92A,S92D,S92I、S92dそれぞれ、2,697分の1、37,755分の1、4,195分の1、9,439分の1であった。

0025

[実施例5]ウエスタンブロッティング法による、培養上清中に発現したアルカリホスファターゼの確認
培養上清中に含まれるアルカリホスファターゼを、ウエスタンブロッティング法で確認した。まず培養上清7マイクロリットルを、定法に従い、5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行いPVDF膜転写した。転写後のPVDF膜を、5%スキムミルクを含むTBS中で、4℃で一晩放置することによりブロッキングした。その後、定法でアルカリホスファターゼ標識したタグペプチドを認識する抗体(特許文献5中に記載のBC23−11)を、0.5ug/mlとなるように5%スキムミルクを含むTBSで希釈した溶液と室温で2時間反応した。その後、PVDF膜をTBS−Tで4回洗浄し、NBT/BCIP(ロシュ社製、11681451001)で発色させた。その結果、変異体は変異を導入していないALP−480と同程度の量は培養上清中に発現していることが確認された。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ