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技術 高圧処理した食材を含有する飲料

出願人 サントリーホールディングス株式会社
発明者 長田知也片山真
出願日 2018年9月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-172744
公開日 2020年3月26日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-043774
状態 未査定
技術分野 果実または野菜の調製
主要キーワード 高圧処理前 醸造酒類 含浸度合 シャワー殺菌 高圧処理後 樹脂性容器 アルコール含有液 カーボネーター
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

本発明の課題は、固形食材の形状を維持しつつも液体浸透して柔軟化されているような食材を含む飲料を提供することである。

解決手段

本発明によって、300MPa以上の高圧で処理した固形の果実および/または野菜を含む飲料が提供される。本発明に係る飲料は、固形の果実および/または野菜と液体を柔軟性のある密封容器に入れ、密封容器の外側から300MPa以上の圧力で処理する工程を含む方法によって製造することができる。

概要

背景

従来、果物または野菜を含む多様な食材に関して、さまざまな物理的な処理が実施されてきた。例えば、食材中の成分を抽出するために果物や野菜を加圧して搾したり、食材を液体中に浸漬したり、食材を切断/粉体化してから液体中に浸漬し、あるいは加熱することで抽出効率を上げたりできる。逆に、浸漬することによって、食材に浸漬液の成分を浸み込ませたり、あるいは特定の液体成分や酵素を添加したり、加熱処理高圧処理を施すことによって、食材の成分や風味食感等を変えたり、有益/有害な微生物の増殖をコントロールする等、様々な食品加工技術が見出されてきた。

液体中の食材を高圧で処理する技術に関しては、例えば、特許文献1には、酵素を添加した鰯や牡蠣などの食材を40℃〜60℃の温度域で50MPa〜100MPaの圧力下で保持することによって、微生物の増殖を抑制しながら酵素の作用を促進して調味料熟成期間を短縮する方法が開示されている。

また、特許文献2には、かぶら寿しなどの魚肉加工製品の製造方法として、ブリなどの魚肉材料に100MPa以下の圧力を掛けることで、魚肉材料の組織破壊し、塩漬などの調味に要する期間を短縮する技術が開示されている。

さらに、特許文献3には、300MPaの圧力を食材に与えることによって、短時間のうちに食材の内部まで調味液などを含浸させる技術が記載されている。
さらにまた、特許文献4には、果物や野菜などの食材に対して、爆薬などを利用して5〜500MPa以下の圧力を伴う衝撃波を液体中で与えることによって、食材を軟化させる技術が提案されている。

概要

本発明の課題は、固形の食材の形状を維持しつつも液体が浸透して柔軟化されているような食材を含む飲料を提供することである。本発明によって、300MPa以上の高圧で処理した固形の果実および/または野菜を含む飲料が提供される。本発明に係る飲料は、固形の果実および/または野菜と液体を柔軟性のある密封容器に入れ、密封容器の外側から300MPa以上の圧力で処理する工程を含む方法によって製造することができる。

目的

本発明の課題は、固形の食材の外観を維持しつつも食材を短時間のうちに処理する技術を開発することであり、特に、短時間で食材の内部まで液体を浸透させることができる技術を開発することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

固形食材液体を柔軟性のある密封容器に入れ、密封容器の外側から300MPa以上の圧力で処理する工程を含む、固形の食材を含有する飲料の製造方法。

請求項2

食材を350〜700MPaの高圧で処理する、請求項1に記載の方法。

請求項3

食材を400〜650MPaの高圧で処理する、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

10秒間〜30分間、食材を高圧処理する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

請求項5

高圧処理後の食材の大きさが0.5〜10cmである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

請求項6

高圧処理した固形の食材に別の液体を添加して飲料を調製する工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。

請求項7

食材が果実および/または野菜である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。

請求項8

300MPa以上の圧力で処理した固形の食材を含む飲料。

技術分野

0001

本発明は、高圧処理した食材を含有する飲料に関する。より詳しくは、本発明は、野菜および/または果実などの食材を液体とともに一定以上の圧力で処理することによって食材に液体を浸透させ、液体を浸透させた食材を用いて飲料を製造する技術に関する。

背景技術

0002

従来、果物または野菜を含む多様な食材に関して、さまざまな物理的な処理が実施されてきた。例えば、食材中の成分を抽出するために果物や野菜を加圧して搾したり、食材を液体中に浸漬したり、食材を切断/粉体化してから液体中に浸漬し、あるいは加熱することで抽出効率を上げたりできる。逆に、浸漬することによって、食材に浸漬液の成分を浸み込ませたり、あるいは特定の液体成分や酵素を添加したり、加熱処理や高圧処理を施すことによって、食材の成分や風味食感等を変えたり、有益/有害な微生物の増殖をコントロールする等、様々な食品加工技術が見出されてきた。

0003

液体中の食材を高圧で処理する技術に関しては、例えば、特許文献1には、酵素を添加した鰯や牡蠣などの食材を40℃〜60℃の温度域で50MPa〜100MPaの圧力下で保持することによって、微生物の増殖を抑制しながら酵素の作用を促進して調味料熟成期間を短縮する方法が開示されている。

0004

また、特許文献2には、かぶら寿しなどの魚肉加工製品の製造方法として、ブリなどの魚肉材料に100MPa以下の圧力を掛けることで、魚肉材料の組織破壊し、塩漬などの調味に要する期間を短縮する技術が開示されている。

0005

さらに、特許文献3には、300MPaの圧力を食材に与えることによって、短時間のうちに食材の内部まで調味液などを含浸させる技術が記載されている。
さらにまた、特許文献4には、果物や野菜などの食材に対して、爆薬などを利用して5〜500MPa以下の圧力を伴う衝撃波を液体中で与えることによって、食材を軟化させる技術が提案されている。

先行技術

0006

特開2001−120219号公報
特開2013−055912号公報
特開2017−079729号公報
国際公開WO2006/098453

発明が解決しようとする課題

0007

食材に液体を浸透させたり柔軟化したりするために種々の物理的な処理が行われるが、処理効率の観点や成分などが変質しないように、できるだけ短時間で簡単に処理することが好ましい。また、物理的な処理によって食材中の栄養成分が損なわれたりしては意味がない。

0008

食材を物理的に処理する場合、従来は、加熱、切断、圧搾などの処理方法が採用されてきたが、これらの方法では、熱によって食材中の栄養成分が分解してしまったり、処理に時間がかかりすぎたりする問題があった。また、ジャムのように食材を微細にして処理を効率化することができるものの、食材の食感などが損なわれたり、食材の外観が失われたりしてしまう。

0009

このような状況に鑑み、本発明の課題は、固形の食材の外観を維持しつつも食材を短時間のうちに処理する技術を開発することであり、特に、短時間で食材の内部まで液体を浸透させることができる技術を開発することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討したところ、ポリエチレン袋などの柔軟性(可撓性)のある容器に食材と液体を入れた上で密封し、一定MPa以上の圧力をかけて処理することによって、食材内部までに液体を効率よく浸透させられることが判明した。このようにして処理した食材は、内部まで液体が浸透しつつも、その固形の外観を維持しており、このような食材を用いることによって優れた飲料を得ることができる。

0011

これに限定されるものではないが、本発明は、下記の態様を包含する。
(1)固形の食材と液体を柔軟性のある密封容器に入れ、密封容器の外側から300MPa以上の圧力で処理する工程を含む、固形の食材を含有する飲料の製造方法。
(2) 食材を350〜700MPaの高圧で処理する、(1)に記載の方法。
(3) 食材を400〜650MPaの高圧で処理する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 10秒間〜30分間、食材を高圧処理する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)高圧処理後の食材の大きさが0.5〜10cmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 高圧処理した固形の食材に別の液体を添加して飲料を調製する工程をさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 食材が果実および/または野菜である、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 300MPa以上の高圧で処理した固形の食材を含む飲料。

発明の効果

0012

本発明によれば、食材内部に極めて効率的に液体を浸透させることができる。また、好ましい態様において、液体を食材内部に浸透させることによって、食材の形状を保持しつつ柔軟化することはもちろん、食材内部まで香味を付与したり、保存性を向上させたりすることができる。特に本発明によれば、高圧処理後の処理物をそのまま飲料などとして利用することができる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、実験1に係る食材の外観写真である(左:高圧処理前瓜、右:高圧処理後の冬瓜)。
図2は、実験2に係る食材の外観写真である(左:高圧処理前のリンゴ、右:高圧処理後のリンゴ)。
図3は、実験4に係る飲料の外観写真である(左:製造例1、右:製造例2)。

0014

本発明においては、果物や野菜などの食材を液体ともに柔軟性のある密封容器に入れ、密封容器の外側から一定以上の圧力を与えることによって、食材内部に液体を効率的に浸透させることができる。好ましい態様において、液体を食材内部に浸透させることによって、食材を柔軟化することはもちろん、食材内部まで香味を付与したり、食材の保存性を向上させたりすることができる。また、本発明によれば、高圧処理後の処理物をそのまま飲料として利用することができ、保管も容易である。

0015

本発明においては、極めてシンプルな操作によって食材を短時間で処理することができるため、処理の容易化だけでなく、処理時間の短縮化にもつながる。また、本発明の方法は加熱を伴わないため、熱に起因して栄養成分が損なわれることがない。

0016

本発明の一つの好ましい態様においては、食材の外形原形)を維持しつつ食品を高圧処理する。なお、原形を維持とは、高圧処理前の形状(原形)をそのまま保っている場合だけでなく、多少変形していても一定の期間その形状を保持できるものであれば、そのような態様も包含する。また別の態様において、本発明によって食材が軟化して原形が崩れるように食材を高圧処理することもできる。ここで、食材の軟化とは、高圧処理前の状態に比して、食材の硬度が食品の一部あるいは全体にわたって低下していることを意味する。

0017

本発明によれば、適宜カットした食材を液体で高圧処理することによって食材が軟化するが、高圧処理や液体の種類などを組み合わせて、新しい食感と多様な風味を備えた食材を飲料中の固形分として利用できることになるため、バリエーション豊かな飲料を簡単に提供することができる。

0018

本発明において食材とは、主として加熱せずに可食性の食材を意味する。好ましい態様において本発明の食材は植物性食品であり、果物または野菜などに代表される食品はもちろんのこと、穀物農作物などを始めとする、人間が喫食する以前の態様(生産者等が収穫する際の態様)の食品も含む意味である。

0019

食品としては、野菜および/または果物を好適に処理することができる。例えばリンゴ、パイナップル、いちご、キウイ、冬瓜、大根ニンジンショウガジャガイモナガイモサツマイモニンニクトマト、ゆず、パッションフルーツドラゴンフルーツゴボウタケノコプルーンサトウキビあるいは甜菜等が挙げられる。この食品としては、例えば、リンゴ、みかん、パイナップル、いちご、キウイ、などの果物、大根、大根の葉、冬瓜、ニンジン、キュウリなどの野菜などを好適に挙げることができる。また、本発明においては、サツマイモ、ジャガイモ、サトウキビ、ショウガ、ニンニク、茶葉香辛料、豆(一連豆類を含む)または乾燥キノコなどの穀物などを食材として高圧処理することも可能である。もちろん、処理対象の食材は、1種類だけであってもよく、2種類以上の食品を一緒に高圧処理に供してもよい。食材としては、その他にも、例えば、茶葉、小豆コーヒー豆クルミ、五穀米あるいはシイタケなどを挙げることができる。

0020

本発明によって食材を高圧処理する場合、果肉だけでなく、果皮の部分も処理することができる。例えば、果肉と比較して果皮は硬いため、本発明によって果実をそのまま高圧処理した場合、果肉部分が軟化されて液状になっても、果皮部分はその形状を保持することができ、このような形態の食材は、例えば、それにストローをさして内部の果汁飲用することができる。

0021

本発明においては、高圧処理した後の食材をそのまま用いてもよいし、例えば、圧搾するなどしてから使用してもよい。本発明においては、液体とともに高圧処理した食材をそのまま飲料とすることもできるし、また、液体とともに高圧処理した食材に別の液体をさらに添加するなどして飲料を製造することもできる。添加する別の液体としては、例えば、水や炭酸水はもちろん、アルコールヨーグルト、果汁、なども好適な例として挙げることができる。また、通常の飲料と同様、各種添加剤等を配合してもよいことは当然である。各種添加剤としては、例えば、酸味料香料ビタミン類色素類、酸化防止剤乳化剤保存料、調味料、エキス類pH調整剤増粘剤品質安定剤等を挙げることができる。

0022

本発明によれば、食材に高圧を与えることにより食材中の細胞壁を破壊して軟化させることができ、短時間で食材を処理することができる。好ましい態様において、本発明に係る高圧処理の時間は5秒間〜50分間とすることができ、10秒間〜40分間がより好ましく、20秒間〜30分間がさらに好ましく、30秒間〜20分間がよりさらに好ましく、1分間〜10分間とすることもできる。

0023

また、本発明の高圧処理は加熱を必要としないため、食材中の栄養成分などが熱に起因して損なわれることがない。好ましい態様において、本発明に係る高圧処理の温度は0〜70℃であり、5〜60℃がより好ましく、10〜50℃がさらに好ましく、15〜40℃がよりさらに好ましい。本発明によれば食材が長期間に渡って加熱されないため、栄養成分と共に風味も損なわれ難い。そのため、本発明による高圧処理は、例えば、茶葉や香辛料などの風味が重視される食材を処理する際に極めて重要である。

0024

本発明における高圧処理では、300MPa以上の圧力を付加できればよく、300〜1000MPaがより好ましく、350〜800MPaや400〜650MPaあるいは550〜650MPaとしてもよい。高圧処理の方式は特に制限されず、バッチ式で処理してもよいし、連続式で処理してもよい。等方圧を加えられる処理方式(isostatic pressing)が好ましく、例えば、冷間等方圧加圧法CIP法:cold isostatic pressing)、温間等方圧加圧法(WIP法:warm isostatic pressing)、熱間等方圧加圧法(HIP法:hot isostatic pressing)のいずれを用いることもできる。圧力の発生方式も特に制限されず、例えば、ピストンなどによって直接圧縮加圧する方式(ピストン直圧式)でもよいし、高圧ポンプなどを用いて圧媒送り込んで昇圧する方式(外部昇圧式)であってもよい。

0025

本発明の高圧処理は、食品を液体とともに柔軟性のある密封容器に入れ、密封容器の外側から圧力を与えることによって行われる。液体としては、飲食可能な液体であれば特に制限されず使用することができ、例えば、水、炭酸水、果汁などのジュース糖液、茶、コーヒーなどが挙げられる。本発明においては、例えば、リンゴに対してリンゴジュースを浸透させることもできるが、固形分として用いる食材とは別の食材由来の液体を浸透させるなど、高圧処理に供する食材と液体の組み合わせを変えることができ、複雑で新しい美味しさを提供することができる。

0026

柔軟性のある密封容器としては、例えば、ポリエチレンシリコンなどの高分子材料により構成された密封容器を好適に使用することができる。
(果汁)
本発明に係る飲料に使用する液体は、無果汁であってもよいが、果汁を配合することもできる。果汁の種類や配合量は特に制限されないが、例えば、ストレート果汁換算で0.01〜30%としてもよく、20%以下、10%以下、さらには5%以下としてもよい。果汁の種類も、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁、あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。また、混濁果汁であっても、透明果汁であってもよい。果汁としては、1または複数の果汁を用いることができる。

0027

炭酸
本発明に係る飲料は、炭酸ガスを含有する炭酸飲料としてもよい。炭酸ガスの圧力は、炭酸ガスに由来する爽快感感じられる程度の圧力であることが好ましく、液温が20℃において0.5〜3.5kgf/cm2が好ましく、1.0〜3.0kgf/cm2がより好ましく、1.5〜2.5kgf/cm2がさらに好ましい。

0028

炭酸ガスの添加は、当業者に通常知られている方法を用いればよく、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を含む炭酸水を配合しても良いし、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させても良いし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーターなどのミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合して炭酸ガス含有飲料としてもよい。

0029

(その他)
本発明の飲料には、例えば、酸味料、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、増粘剤、品質安定剤などを配合することができる。また、本発明の飲料は、ぶどう糖をはじめとする糖類を含有してもよい。本発明の飲料は、天然甘味料人工甘味料を1または複数使用することができる。

0030

本発明に係る飲料は、通常の飲料と同様、瓶、、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、殺菌等の工程を経て容器入り飲料とすることができる。また、例えば、飲料を容器に充填した後に熱水シャワー殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌してから容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することも可能である。

0031

本発明に係る飲料は、好ましい態様においてアルコール飲料とすることができる。アルコール飲料はアルコール(エタノール)を含有していれば特に種類は問わないが、例えば、チューハイカクテルフィズなどのスピリッツ類、リキュール類などを好ましい例として挙げることができる。アルコール原料としては特に限定はないが、例えば、スピリッツ類(ラムウオッカジン等)、リキュール類(例えば、ジン、ウォッカ、及びテキーラ等のスピリッツ、原料用アルコールニュートラルアルコール等)、ウイスキーブランデー又は焼酎などが挙げられ、さらにはビールなどの醸造酒類でもよい。これらのアルコール原料については、それぞれ単独又は併用して用いることができる。

0032

本発明の飲料に用いるアルコールの原料としては、飲料に適したアルコール含有液状物であれば特に制限はなく、例えば、酵母による糖のアルコール発酵によって得ることができる。アルコール発酵の原料も特に制限されず、ブドウ、リンゴ、サクランボヤシ等の果実や米、麦、トウモロコシ等の穀物、ジャガイモ、サツマイモ等の根菜類、ならびにサトウキビ等を上げることができる。アルコール飲料のアルコール含有量は特に制限されないが、15v/v%以下が好ましく、13v/v%以下がより好ましく、11v/v%以下がさらに好ましい。アルコール含有量の下限は特に制限されないが、1v/v%以上が好ましく、2v/v%以上がより好ましく、3v/v%以上がさらに好ましい。アルコール含有量が1v/v%未満の場合は、リモネン共存していてもピリピリとした後味刺激がそれほど強く感じられにくい。好ましい態様において、本発明のアルコール飲料のアルコール含有量は4〜9v/v%である。

0033

以下、具体的な実験例を示しつつ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の具体例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。

0034

実験1:食品の高圧処理(冬瓜)
高圧処理装置ピストン式IP装置、神戸製鋼所)を用いて、2cm角または3cm角にカットした冬瓜を高圧処理した。具体的には、カットした冬瓜と下記の液体(150ml)を、柔軟性のある樹脂密閉容器容積:約200ml)に果肉が浸るように入れて密封し、常温にて300〜600MPaの圧力を密封容器の外側から5分間与えた。

0035

また、コントロールとして、カットした冬瓜と液体を密封容器に入れ、単に5分間浸漬しておくだけのサンプルも作製した。
(液体)
・水
砂糖液(ブリックス:10)
オレンジジュース(なっちゃんオレンジサントリー食品インターナシナル
(a)重量
食材(冬瓜)を高圧処理した前後の重量を測定したところ、高圧処理によって食材の重量が増加し、液体が食材内部に含浸したことが確認された。その一方で、300〜600MPaの圧力範囲では、食品内部への液体の含浸度合い(重量の増加量)は同等程度であった。

0036

0037

(b)外観(色および形状)
液体としてオレンジジュースを用いたものについて、高圧処理前後の外観を目視で評価した。450MPaで高圧処理したサンプルを図1に示すが、食材内部までオレンジ色となっており、高圧処理によって冬瓜の内部までオレンジジュースが浸透したことが確認できた。また、300MPaや600MPaで処理した場合も、450MPaで処理した場合と同様に、食材内部までオレンジジュースが浸透することが確認できた。

0038

(c)香味および食感
高圧処理した後のサンプルを喫食して、香味および食感を官能評価した。
液体として水を用いた場合、高圧処理後のサンプルは果肉のみずみずしさを強く感じることができ、食品内部まで水が浸透していることを官能評価でも確認できた。また、高圧処理の圧力が高くなるほど冬瓜の内部まで液体が浸透しているように感じられた。

0039

液体として糖液を用いた場合、高圧処理後のサンプルは内部まで果肉に甘さを感じることができ、食品内部まで糖液が浸透していることを官能評価でも確認できた。また、高圧処理の圧力が高くなるほど冬瓜の内部まで液体が浸透しているように感じられた。

0040

液体としてオレンジジュースを用いた場合、高圧処理後のサンプルは内部までオレンジジュースの味を感じることができ、食品内部までオレンジジュースが浸透していることを官能評価でも確認できた。また、高圧処理の圧力が高くなるほど冬瓜の内部まで液体が浸透しているように感じられた。

0041

また、食材の食感(硬さ)を5段階で官能評価したところ、高圧処理によって食材が軟化したことが確認できた(数値が大きいほど食感が硬いことを意味する)。

0042

0043

(d)硬度
硬度計型番SF−1010またはSF5050、いずれも青光舎製)を用いて処理前後の食材の硬度を測定した。具体的には、硬度計の先端を食材表面に押し当て、沈み込む際の目盛りを読みとった(単位:kg)。

0044

結果を下表に示すが、高圧処理によって、処理対象物(冬瓜)が柔らかくなった。また、300〜600MPaの圧力範囲では、硬度の低下の度合いは同等であった。

0045

0046

実験2:種々の食品の高圧処理
実験1と同様にして、種々の食品に対して高圧処理を行って、その効果を確認した。具体的には、下記の食材とオレンジジュース(なっちゃんオレンジ、サントリー食品インターナショナル)を柔軟性のある樹脂製密閉容器に入れて密封し、実験1と同様にして高圧処理を行った(圧力:600MPa)。また、コントロールとして、カットした食品とオレンジジュースを密封容器に入れ、単に5分間浸漬しておくだけのサンプルも作製した。
(食材)
・リンゴ(約2cm角)
・みかん(一房、約3cm)
バナナ(約2cm角)
・いちご(一つ、約3cm)
・ニンジン(約2cm角)
・大根(約2cm角)
(a)外観(色および形状)
オレンジジュースに浸漬した各種食材について、高圧処理前後の外観を目視で評価した。リンゴ、みかん、バナナについては、食材内部までオレンジ色となっており、高圧処理によって食材内部までオレンジジュースが浸透したことが確認できた。リンゴを高圧処理したサンプルの写真を図2に示すが、食材内部までオレンジジュースが浸透することが確認できた。

0047

(b)香味および食感(官能評価)
高圧処理後のサンプルを官能評価したところ、いずれのサンプルについても、オレンジジュースが浸透していることを感じることができた。特に、リンゴ、ミカン、バナナ、いちごについては、食品の中央部までオレンジジュースの味が付加され、元の食材とは異なる味わいを感じることができ、オレンジジュースが食品の中央部まで浸透していることを官能評価でも確認できた。

0048

(c)硬度
実験1と同様にして、処理前後の食材の硬度を測定した。結果を下表に示すが、高圧処理によって食材を軟化させることができた。

0049

0050

実験3:高圧処理による殺菌効果
下記の菌について、高圧処理の影響を確認した。具体的には、好気条件で培養した菌を約6mlの生理食塩水とともに柔軟性のある樹脂製容器に入れて密封した後、実験1と同様にして、100〜600MPaにて5分間高圧処理した。
供試菌)
エンテロバクター属菌(腸内細菌、Enterobacter sp.)
クレブシエラ属菌(腸内細菌、Klebsiella oxytoca)
カンジダ属菌(酵母、Candida sake)
サッカロマイセス属菌(酵母、Saccharomyces cerevisiae)
(評価結果)
高圧処理前後のサンプルについて、コロニー形成単位(CFU/ml)を測定した結果を下表に示す。下表から明らかなように、本発明に基づく高圧処理によって大幅に菌が減少し、400MPa以上になると完全に殺菌することができた。

0051

0052

実験4:果実入り飲料の調製
下記のようにして、高圧処理によって果実入り飲料を製造することができる。製造例1〜4に記載の飲料はいずれも、高圧処理後の樹脂性容器中で一定期間保存し、必要な時に開封して簡単に飲食に供することができる。

0053

(製造例1)
リンゴ(約2cm角)、パイナップル(約2cm角)、いちご(約3cm)、砂糖水(ブリックス:約10)を柔軟性のある樹脂製容器に入れて密封し、上記実験と同様に、400MPaで5分間高圧処理した。リンゴは5切れ、パイナップルは3切れ、いちごは1つ、砂糖水は約100mlを使用した。

0054

高圧処理後の飲料を図3(左)に示すが、固形の食材がその形状を保ちながらも、砂糖水が食材内部まで浸透し、美味しい果実入り飲料を得ることができた。
(製造例2)
リンゴ(約2cm角)、パイナップル(約2cm角)、キウイ(約2cm角)、リンゴジュース(なっちゃんリンゴ、サントリー食品インターナショナル)を柔軟性のある樹脂製容器に入れて密封し、上記実験と同様に、400MPaで5分間高圧処理した。リンゴは5切れ、パインは3切れ、キウイは5切れ、リンゴジュースは約100mlを使用した。

0055

高圧処理後の飲料を図3(右)に示すが、固形の食材がその形状を保ちながらも、リンゴジュースが食材内部まで浸透し、美味しい果実入り飲料を得ることができた。
(製造例3)
リンゴ(約2cm角)、パイナップル(約2cm角)、キウイ(約2cm角)、砂糖水(ブリックス:約10)を柔軟性のある樹脂製容器に入れて密封し、上記実験と同様に、400MPaで5分間高圧処理する。リンゴは5切れ、パイナップルは3切れ、キウイは5切れ、砂糖水は約100mlを使用した。高圧処理後、さらに約100mlの炭酸水を加えて、フルーツポンチを製造する。

0056

このようにして得られるフルーツポンチは、固形の食材がその形状を保ちながらも、糖液が食材内部まで浸透しており、更にフルーツ由来の栄養や香りが損なわれず、美味しい果実入り飲料とすることができる。

0057

(製造例4)
リンゴ(約2cm角)、パイナップル(約2cm角)、キウイ(約2cm角)、砂糖水(ブリックス:約10)を柔軟性のある樹脂製容器に入れて密封し、上記実験と同様に、400MPaで5分間高圧処理する。リンゴは5切れ、パイナップルは3切れ、キウイは5切れ、砂糖水は約100mlを使用した。高圧処理後、さらに約100mlの白ワインを加えて、アルコール入りのフルーツポンチを製造する。

実施例

0058

このようにして得られるフルーツポンチは、固形の食材がその形状を保ちながらも、糖液が食材内部まで浸透しており、更にフルーツ由来の栄養や香りが損なわれず、美味しい果実入り飲料とすることができる。

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    【課題】 従来の即席麺の製法では、「乾燥工程」で麺表面の水分を蒸発させても麺の内部が膨潤したふっくらした麺とならず、食べたときの食感が良くないという問題もあった。【解決手段】 本発明は、冷凍解凍工... 詳細

  • サラヤ株式会社の「 羅漢果抽出物」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】水不溶物が抑制された羅漢果抽出物を提供する。【解決手段】(1)モグロシドVを0.01質量%〜70質量%;及び(2)水不溶性成分5質量%以下を含有し、水不溶性成分含有量/ポリフェノール含有量が、... 詳細

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