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技術 細胞培養基材及びその製造方法

出願人 AGCテクノグラス株式会社
発明者 増田秀樹
出願日 2016年12月28日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2016-256320
公開日 2020年3月26日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-043764
状態 未査定
技術分野 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 合周壁 落し蓋 最適角度 シャーレ状 リン脂質ポリマー ウェル開口 接着コート ウェル形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月26日)のものです。
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図面 (10)

課題

1つの培養面に複数のマイクロウェルが形成された培養基材において、マイクロウェルの深さを深くしすぎることなく、マイクロウェルからのスフェロイドの移動を抑制し均一な大きさのスフェロイドを形成することができる細胞培養基材を提供する。

解決手段

細胞を培養するための培養面を有する培養基材であって、前記培養面は複数のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは傾斜面を有する第1のウェルと、第1のウェル内に第2のウェルを有し、前記第1のウェルと第2のウェルの間の境界部に突起を有し、前記培養面は細胞低接着面となっていることを特徴とする培養基材。

概要

背景

ヒトや動物など由来細胞培養容器などで人工的に培養して三次元的に凝集させるスフェロイド培養がよく知られている。スフェロイド培養では、細胞集団立体的な構造を形成し、細胞同士が相互作用しているため、生体内での三次元構造により近い状態で培養または維持できると考えられており、それが通常の平面接着培養と比べ優れた特性を示すことが知られている。実際に、がん細胞を用いた抗がん剤スクリーニングや、多能性幹細胞などの増殖や分化などにスフェロイド培養がよく利用されている。

また、容器本体の底部に、細胞及び培養液を収容するための凹部を備え、この凹部の底部には、細胞を重力によって集合させるための複数のマイクロウェルが設けた細胞培養容器において、この凹部の開口端へ近付くにつれて開口面積が広がるように凹部の側面を傾斜面で構成したものも知られている(特許文献1参照)。

また、培養面に設けた複数のマイクロウェル内に傾斜を設け、且つ深さを深くすることで、培地交換時にスフェロイドや細胞が他のウェルに移動しづらくする細胞培養容器も知られている(特許文献2参照)。

概要

1つの培養面に複数のマイクロウェルが形成された培養基材において、マイクロウェルの深さを深くしすぎることなく、マイクロウェルからのスフェロイドの移動を抑制し均一な大きさのスフェロイドを形成することができる細胞培養基材を提供する。細胞を培養するための培養面を有する培養基材であって、前記培養面は複数のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは傾斜面を有する第1のウェルと、第1のウェル内に第2のウェルを有し、前記第1のウェルと第2のウェルの間の境界部に突起を有し、前記培養面は細胞低接着面となっていることを特徴とする培養基材。

目的

本発明においては、1つの培養面に複数のマイクロウェルが形成された培養基材において、マイクロウェルの深さを深くしすぎることなく、マイクロウェルからのスフェロイドの移動を抑制し均一な大きさのスフェロイドを形成することが可能な細胞培養基材及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

細胞を培養するための培養面を有する培養基材であって、前記培養面は複数のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは傾斜面を有する第1のウェルと、第1のウェル内に第2のウェルを有し、前記第1のウェルと第2のウェルの間の境界部に突起を有し、前記培養面は細胞低接着面となっていることを特徴とする培養基材。

請求項2

前記培養面の外周面傾斜壁を有することを特徴とする請求項1の培養基材。

請求項3

前記第1のウェルは、培養面に稠密に配置されていることを特徴とする請求項1又は2の培養基材。

請求項4

前記第2のウェルの開口部の径は、0.05mm〜3mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の培養基材。

請求項5

前記第1のウェルは、内部に傾斜面を有し、その傾斜角度は0°超〜90°未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の培養基材。

請求項6

前記第2のウェルは、深さが開口部の径の0.1〜2倍であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の培養基材。

請求項7

前記第1のウェルは、開口部の径が第2のウェルの開口部の径の0.1〜3倍であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の培養基材。

請求項8

前記第1のウェルと第2のウェルを合わせた深さは、培養面の厚みの0.1〜0.9倍であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の培養基材。

請求項9

前記第2のウェルは内部に平坦面を有していないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の培養基材。

請求項10

細胞を培養するための培養面を有する培養基材の製造方法であって、傾斜面を有する第1のウェルと第1のウェル内に第2のウェルを有し、前記第1のウェルと第2のウェルの間の境界部に突起があるように複数のマイクロウェルを培養面に形成するマイクロウェル形成工程を備えることを特徴とする培養基材の製造方法。

請求項11

前記マイクロウェル形成工程は、第1のウェルを形成後、第2のウェルを形成することを特徴とする、請求項10記載の培養基材の製造方法。

請求項12

前記マイクロウェル工程は、培養基材と同時に前記第1のウェルを形成することを特徴とする請求項10又は11に記載の培養基材の製造方法。

請求項13

前記マイクロウェル形成工程は、第1のウェルを形成後、第1のウェル内に第2のウェルをレーザで形成することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項記載の培養基材の製造方法。

請求項14

前記突起は、レーザによって形成することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の培養基材の製造方法。

請求項15

前記マイクロウェル形成工程に次いで前記培養面に細胞低接着処理を行う工程を備えることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の培養基材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、細胞などの被培養物を培養してスフェロイド細胞凝集塊)を得るための細胞培養基材及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

ヒトや動物など由来の細胞を培養容器などで人工的に培養して三次元的に凝集させるスフェロイド培養がよく知られている。スフェロイド培養では、細胞集団立体的な構造を形成し、細胞同士が相互作用しているため、生体内での三次元構造により近い状態で培養または維持できると考えられており、それが通常の平面接着培養と比べ優れた特性を示すことが知られている。実際に、がん細胞を用いた抗がん剤スクリーニングや、多能性幹細胞などの増殖や分化などにスフェロイド培養がよく利用されている。

0003

また、容器本体の底部に、細胞及び培養液を収容するための凹部を備え、この凹部の底部には、細胞を重力によって集合させるための複数のマイクロウェルが設けた細胞培養容器において、この凹部の開口端へ近付くにつれて開口面積が広がるように凹部の側面を傾斜面で構成したものも知られている(特許文献1参照)。

0004

また、培養面に設けた複数のマイクロウェル内に傾斜を設け、且つ深さを深くすることで、培地交換時にスフェロイドや細胞が他のウェルに移動しづらくする細胞培養容器も知られている(特許文献2参照)。

先行技術

0005

特開2015−029431号公報
国際公開第2014/196204号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1のような細胞培養容器は、一度に多量の培養を可能とする多数のウェルが形成されたものを適用する場合、容器の移動時や培地交換による吸引、添加時に培養容器内培地が大きく流動するおそれがある。これにより、ウェル内から細胞や、形成したスフェロイドが飛び出して、別のウェル内に移動することなどがあり、この結果、スフェロイドの形成効率が下がったり、均一な大きさのスフェロイドを得ることが難しくなったりするなど問題が起きる。

0007

特許文献2では、ウェル内からのスフェロイドの移動を解決するために、傾斜(1〜20°)を形成したり、ウェルの深さを従来より深くしたりする(特許文献2の実施例及び比較例参照)ことが記載されているが、従来から使用されているシャーレ状の培養容器を用いた場合、底部の厚みに対して深くウェルを形成することになるため、底部の強度が低くなり、破損やクラック等が発生するおそれがある。

0008

そこで、本発明においては、1つの培養面に複数のマイクロウェルが形成された培養基材において、マイクロウェルの深さを深くしすぎることなく、マイクロウェルからのスフェロイドの移動を抑制し均一な大きさのスフェロイドを形成することが可能な細胞培養基材及びその製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、細胞を培養するための培養面を有する培養基材であって、前記培養面は複数のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは傾斜面を有する第1のウェルと、第1のウェル内に第2のウェルを有し、前記第1のウェルと第2のウェルの間の境界部に突起を有し、前記培養面は細胞低接着面となっていることを特徴とする。

0010

本発明の培養基材は、前記培養面の外周面傾斜壁を有することを特徴とする。

0011

本発明の培養基材は、前記第1のウェルが、培養面に稠密に配置されていることを特徴とする。

0012

本発明の培養基材は、前記第2のウェルの開口部の径は、0.05mm〜3mmであることを特徴とする。

0013

本発明の培養基材は、前記第1のウェルの内部に傾斜面を有し、その傾斜角度は0°超〜90°未満であることを特徴とする。

0014

本発明の培養基材は、前記第2のウェルの深さが開口部の径の0.1〜2倍であることを特徴とする。

0015

本発明の培養基材は、前記第1のウェルの開口部の径が第2のウェルの開口部の径の0.1〜3倍であることを特徴とする。

0016

本発明の培養基材は、前記第1のウェルと第2のウェルを合せた深さが培養面の厚みの0.1〜0.9倍であることを特徴とする。

0017

本発明の培養基材は、前記第2のウェルは内部に平坦面を有していないことを特徴とする。

0018

本発明の培養基材の製造方法は、傾斜面を有する第1のウェルと、第1のウェル内に第2のウェルを有し、前記第1のウェルと第2のウェルの間の境界部に突起があるように複数のマイクロウェルを培養面に形成するマイクロウェル形成工程を備えることを特徴とする。

0019

本発明の培養基材の製造方法は、前記マイクロウェル形成工程において前記マイクロウェルが、第1のウェルを形成後、第2のウェルを形成することを特徴とする。

0020

本発明の培養基材の製造方法は、前記マイクロウェル形成工程において培養基材と同時に前記第1のウェルを形成することを特徴とする。

0021

本発明の培養基材の製造方法は、前記マイクロウェル形成工程において第1のウェルを形成後、第1のウェル内に第2のウェルをレーザで形成されることを特徴とする。

0022

本発明の培養基材の製造方法は、前記突起が、レーザによって形成されることを特徴とする。

0023

本発明の培養基材の製造方法は、前記マイクロウェル形成工程に次いで前記培養面に細胞低接着処理を行う工程を備えることを特徴とする。

発明の効果

0024

本発明によれば、従来の培養基材の培養面にスフェロイドを形成するための複数のマイクロウェルを形成したとしても、培地(培養液)の流動による細胞やスフェロイドのウェル間での移動を低減できると共に、大きさが均一なスフェロイドを大量に培養できる細胞培養基材を提供することが可能である。

図面の簡単な説明

0025

本発明の培養基材の上面図の一例を示す。
本発明の培養基材のA−A´断面図の一例を示す。
本発明のマイクロウェルの上面図の一例を示す。
本発明のマイクロウェルの断面図の一例を示す。
本発明のマイクロウェルにおける微細突起の拡大図の一例を示す。
本発明の第1のウェルの開口形状バリエーションの一例を示す。
本発明の第1のウェル(第2のウェル形成前)の断面図の一例を示す。
本発明の第2のウェルの開口形状のバリエーションの一例を示す。
本発明の第2のウェルのB−B´断面図のバリエーションの一例を示す。

実施例

0026

以下、実施形態について、図面に基づき説明する。なお、本発明は以下に記載する実施形態に限られるものでなく、適宜変更可能である。

0027

本発明の培養基材1は基材の少なくとも1面に培養の過程で細胞を三次元的に凝集させたスフェロイドを得ることができる培養面を有し、その培養面は複数のマイクロウェルを有する。培養基材1の形状は例えば、シャーレフラスコ多層フラスコマイクロプレートシートインサート等があげられるが特に形状は限定しない。シート状の部材にマイクロウェルを形成後、シャーレ等の容器に載置して使用してもよい。本明細書及び図面においては、シャーレの培養面2にマイクロウェル3を有するものを例に説明する。

0028

図1に示すように、本発明の実施形態の1つの培養基材1は底部、周壁部を主に備えている。底部は円板状に構成されており、複数のマイクロウェル3がある培養面2を有する。培養面2は底部に形成されている。

0029

周壁部は底部の周縁部から立ち上がっている。周壁部の形状は周縁部分を起立させた状態である。円板状の底部は、直径が例えば85mm、厚みが例えば1mmで形成されている。周壁部の高さは、底部を基準として例えば20mmで形成されている。なお、底部と周壁部とは一体の部品によって構成されている。また、細胞培養基材1は、開口部を覆うための蓋体などを備えていてもよい。

0030

本発明の培養面2は、スフェロイドを形成するために、細胞が接着しない又は接着しづらい面(以下、細胞低接着面という)であることが好ましい。培養面2に接着すると細胞低接着面とするために、培養面2に細胞低接着となる処理(以下、細胞低接着処理という)をしたり、容器自体を細胞低接着の樹脂で形成したりしてもよい。細胞低接着処理としては例えば、リン脂質ポリマー(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等)、ポリヒドロキシエチルメタアクリレートフッ素含有化合物、あるいはポリエチレングリコール等を用いたコートを行ったり、プラズマ処理コロナ放電UVオゾン処理等の表面処理を行ったりしてもよい。また、細胞低接着の樹脂としては例えば、シリコーン樹脂や、細胞低接着コート様の成分を混ぜ込んだ樹脂等を用いることなどがあげられる。なお、細胞低接着処理は培養面2に限らず、培養面の周壁部等にも同等の処理を施してもよい。

0031

図1及び図2に示すように、本発明の培養基材1は培養面2上に複数のマイクロウェル3を備える。各マイクロウェル3内でスフェロイドが培養される。マイクロウェル3は培養面2に稠密に配置され、マイクロウェル3同士の間には平坦面がない(非平坦面とする)ことが好ましい。例えば、マイクロウェル3同士の間を非平坦面とすることで、播種した細胞がマイクロウェル3内に必ず落ち込むため、マイクロウェル3外に細胞が留まることを防止できる。これにより、細胞がスフェロイドにならないことを抑制することが可能となる。ここで、本明細書における「非平坦」とは、培養面2の底面(培養基材の底面)に対して水平ではないことを指す。また、「稠密」とは、マイクロウェル3が密に形成され、そのウェルとウェルの間に平坦面がないことを指す。また、「細胞がスフェロイドにならない」とは、単層培養単細胞浮遊培養、球状とならない積層培養、細胞が培養面2に接着して培養される、スフェロイドに取り込まれずに単細胞の状態で死んでしまうもの等を含む。

0032

本発明のマイクロウェル3は、図2及び図3に示すように、第1のウェル31と第2のウェル32からなることが好ましい。第1のウェル31と第2のウェル32は一体として成形してもよく、第1のウェル31を形成後、第2のウェル32を形成してもよい。本明細書においては、第1のウェル31を形成後に第2のウェル32を形成した場合について説明する。

0033

本発明の第2のウェル32は、第1のウェル31の底部に形成される。第2のウェル32は第1のウェル31の底部を開口させたものであり、その開口部(以下、第2の開口部という)の底部を有する。第2の開口部は第1のウェルの傾斜角度が変化した点を指す。第2のウェル32の開口形状としては、図8示した一例のように、円形(a)、多角形(b)(c)(e)(f)、ドーナツ型(d)、開口が複数ある形状(g)などから適宜選択できる。第2のウェル32の形状としては、円錐型、角柱型、U底型、V底型等から適宜選択できるが、特に、U底であればウェルに落ち込んだ細胞がまとまりやすく、且つ均一な球体を形成しやすいため好ましい。第2のウェルの断面形状の一例を図9に示す。

0034

第2の開口部の径321は、0.05mm〜3.0mmであることが好ましい。第2の開口部の径321が0.05mm未満であると、スフェロイドが取り出しにくくなるおそれがある。また第2の開口部の径321が3.0mm超であると、スフェロイドがウェルから飛び出しやすくなるおそれがある。第2の開口部の径321は0.1mm〜2.5mmであることがより好ましく、0.15mm〜2.0mmであることがより一層好ましい。

0035

また第2のウェルの深さ322は第2の開口部の径321の0.1〜2.0倍であることが好ましい。第2のウェルの深さ322が第2の開口部の径の0.1倍未満であるとスフェロイドがこぼれやすくなることが問題となる。また、第2のウェルの深さ322が第2の開口部の径321の2.0倍超であるとスフェロイドが取り出しづらくなること、底面強度が低くなることなどが問題となる。第2のウェルの深さ322は第2のウェルの径321の0.2〜1.8倍であることがより好ましく、0.3〜1.7倍であることがより一層好ましい。なお、第2のウェルの深さ322は第2の開口部から底部の高さのうち、最も長い箇所の値を指す。

0036

本発明の第1のウェル31は開口部(以下、第1の開口部という)と底部に向かう傾斜面を有する。また、第1の開口部の上面からみた形状は、図6に示すように、ハニカム型格子型、円形等から適宜選択できる。例えば、ハニカム型であれば、隣接するウェル同士の距離が等しくなるので、各ウェルに同量の培地が入りやすく、より均一な条件でスフェロイド形成が可能となるため好ましい。第1の開口部の径311は、第2のウェルの径321の1.5〜5倍であることが好ましい。1.5倍未満であると、突起5が形成しづらいおそれがある。5倍超であると、培養効率が低下するおそれがある。第1の開口部の径311は第2の開口部の径321の1.8〜4.5倍あることがより好ましく、2〜3.5倍であることがより一層好ましい。また第1のウェルの深さ312は第1の開口部の径311の0.1〜3倍であることが好ましい。0.1倍未満であると、培地の粘度によっては、培地の表面張力に負け傾斜が不十分となるおそれがある。3倍超であると、培養面の厚み21によっては第2のウェルを深くできなくなる。第1のウェルの深さ312は第1の開口部の径311の0.13〜2.5倍であることがより好ましく、0.15〜2倍であることがより一層好ましい。第1の開口部の径311及び深さ312については、培養する細胞や所望のスフェロイドの大きさによって適宜調整することができる。

0037

また、第1のウェルの傾斜面は、その傾斜角度313(θ)は0超〜90°未満であることが好ましい。傾斜角度θが0°(平坦面)であると、培地の粘度によっては、表面張力の影響により、第2のウェルへ培地が流れず、スフェロイドの大きさにばらつきが発生しやすい。また、傾斜角度313(θ)が90°以上であると、深堀形状になりやすいため、スフェロイドが取り出しづらくなるおそれがある。傾斜角度313(θ)は5°〜80°であることがより好ましく、8°〜70°であることがより一層好ましい。培地の粘度によって最適角度が異なるため、上記範囲の中で適宜調整することが可能である。

0038

本発明の第1のウェル31と第2のウェル32は連結した形状となっている。第1のウェルと第2のウェルを合わせた深さ30は、培養基材1の培養面の厚み21の0.1〜0.9倍であることが好ましい。0.1倍未満では十分な深さのウェルが形成できず、0.9倍を超えると培養基材1の培養面2の強度が落ちるおそれがある。0.3〜0.8倍が好ましく、0.4〜0.7倍であることがより一層好ましい。

0039

本発明の第1のウェル31と第2のウェル32の間(結合している部分、以下、境界部という)には図3及び図4に示すような突起5を形成することが好ましい。突起5は第2のウェル32内に落ち込んだ細胞や、第2のウェル32内で形成されたスフェロイドが第2のウェル32より外側に移動することを抑制するためのものである。突起5があることにより、培地交換時等に培養基材1を傾けた際に、突起5によってスフェロイドや細胞がき止められ、第2のウェル32内に留めることができる。突起5は境界部において、第2の開口部に突出している形状であることが好ましく、その突起5は、第2の開口部を通じて第2のウェル32内に細胞が落ち込むこと、及び第2のウェル43内で形成されたスフェロイドが取り出すことができる範囲で、第2の開口部に突出していてもよい。例えば、第2のウェルの開口部の径321が250μm程度、所望のスフェロイドの径が150μm程度であった場合、突起5は2μm〜5μm程度とすることが好ましい。なお突起5の形状としては、特に限定されないが、細胞やスフェロイドにダメージを与えたり、突起5上に細胞が残ってしまったりすることがないよう、細胞やスフェロイドが接触する箇所はった角を有しない非平坦面であることが好ましい。

0040

本発明のマイクロウェル3は、培養面2の単位面積当たり、10個/cm2〜10000個/cm2、形成することが好ましい。より好ましくは、15個/cm2〜5000個/cm2、さらに好ましくは、20個/cm2〜1000個/cm2である。マイクロウェル3の数は、使用する培養基材1の大きさ、所望のスフェロイドの大きさ及び数によって適宜調整可能である。

0041

本発明のマイクロウェル3は得られるスフェロイドの大きさを均一にするために、ウェルの大きさを均一にすることが好ましい。スフェロイドの大きさはウェルの大きさに依存するため、ウェルの大きさが異なると形成されるスフェロイドの大きさが均一でなくなってしまうため、好ましくない。

0042

なお、本発明の培養基材1において、必須ではないが、以下の構成を選択、組み合わせてもよい。

0043

培養基材1の形状により、例えばシャーレの場合周壁部近くに、他のマイクロウェル3と同じ大きさのマイクロウェル3を形成できない広さの面が残ってしまう場合がある。この場合、マイクロウェル3を形成できない面を平坦面のまま残しておくと細胞が落ち込む可能性があり、細胞がスフェロイドにならない可能性がある。そのため、マイクロウェル3を形成できない面が残る場合は、その面を非平坦面にすることが好ましい。例えば、図2(a)のように傾斜壁4を形成する、図2(b)のように周壁を厚くする、非平坦面を形成する部品を置く、仕切りをつける等の対応をしてもよい。また、以上の対応は、均一な大きさのマイクロウェル3を形成できない場合に用いることに限られず、例えばマイクロウェル3を培養面2の一部のみに形成したい場合及びマイクロウェル3の数を規格化したい場合等にも用いることが可能である。

0044

マイクロウェル3内からのスフェロイドの移動をより抑制するために、仕切りを設けてもよい。仕切りは培養面2に接合したものでもよく、載置したものでもよく、また培養面2に接触しないもの(例えば落し蓋形状等)を用いてもよい。また仕切りの材質は特に限定されないが、培養基材1と同じ材質でもよく、異なる材質でもよく、また細胞を通さず培地のみを通すメンブレン状の素材からなっていてもよい。

0045

本発明の第1のウェル31の中心部と第2のウェル32の中心部は、一致してもよく、一致しなくてもよい。一致させることで、第1のウェル31の傾斜面の長さが均一となるため、細胞が均一に落ちやすくなる。また、一致させないことで、ウェル開口部が傾いた形状となり、容器を傾けた際の細胞の飛び出しを防止することができる。

0046

続いて本発明の培養基材1の製造方法について説明する。なお、製造方法は用いる基材の素材や所望の形状、大きさ等によって適宜変更可能である。

0047

本発明の培養基材1本体(マイクロウェル形成前の状態)は、基材の素材や大きさによって適した方法で製造すればよい。基材の素材は樹脂製、ガラス製、金属製、またはそれらの組合せ等から適宜選択できる。樹脂製の場合、例えばアクリル樹脂ポリスチレン樹脂ポリエステル樹脂ポリカーボネートポリプロピレン等に加え、前述した細胞低接着となる物質を混合したものや、着色剤(例えば、酸化チタンカーボン等)を混合したもの等を用いることができる。培養基材の成形は例えば、射出成型プレス成型真空成型ブロー成形等から適宜選択できる。

0048

本発明のマイクロウェル3は第1のウェル31と第2のウェル32を一度に成形してもよく、また、第1のウェル31を形成後、第2のウェル32を形成してもよい。マイクロウェルの形成方法としては、金型(基材本体製造時に一緒に成形)、レーザ(CO2レーザYAGレーザエキシマレーザ等)、ナノインプリントプレス等があげられる。第1のウェル31を形成後、第2のウェル32を形成する場合は、第1のウェル31を金型であらかじめ成形した上に、レーザで第2のウェル32を形成することで、ウェル数の規格化がしやすくなる。また、樹脂製の基材にCO2レーザで第2のウェルを形成すると、樹脂が溶解及び気化することにより表面が滑らかな面となるため、きれいな球体のスフェロイドが形成しやすくなり、且つ境界部になめらかな突起5が形成されるため、スフェロイドにダメージを与えることも少ないため好ましい形態となる。

0049

第1のウェル31を形成後、CO2レーザで第2のウェル32を形成する場合、そのレーザ光の強度は5〜500Wであることが好ましい。強度を高くすればするほど、第2のウェルを深く32、且つ第2の開口部の径321を広く形成することができる。つまり、強度が高いほど、大きなスフェロイドを形成することが可能となる。照射スポットは円形であることが好ましいが、細胞を凝集できる形状のウェルが形成できれば特に形は問わない。照射スポットの直径は、20μm〜1500μmが適当である。なお、レーザの照射位置に関しても、所望のウェル形状に応じて適宜調整可能である。また、培養基材1の材質によっても適宜強度を調整してもよい。例えば、ポリスチレンの場合は5〜30W、ガラスの場合は80〜200Wが好ましい。

0050

前記培養基材1の培養面2が細胞低接着面となっていない(細胞低接着の素材で成形していない)場合は、別途細胞低接着処理を行う必要がある。低接着処理の方法としては、低接着となる物質を含んだ液体に培養面2を浸漬させて培養面2に定着させる方法、低接着となる物質をUV硬化樹脂と混合してUV照射により定着させる方法、放電処理、低接着となる物質を含むシートを貼り付ける方法等があげられる。なお、細胞低接着の素材で培養基材1を成形している場合においても、前記低接着処理を併せて行ってもよい。

0051

1.培養基材、2.培養面、21.培養面の厚み、3.マイクロウェル、30.マイクロウェル全体の深さ、31.第1のウェル、311.第1のウェルの径、312.第1のウェルの深さ、313.第1のウェルの傾斜角度、32.第2のウェル、321.第2のウェルの径、322.第2のウェルの深さ、4.傾斜壁、5.突起

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