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技術 D2D発見送信のためのリソース割当て

出願人 サンパテントトラスト
発明者 ロアーヨアヒムバスマリックプラティーク
出願日 2019年11月20日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-209649
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-043587
状態 未査定
技術分野 移動無線通信システム
主要キーワード 部分電力 周期タイマー 禁止タイマー 静的パラメータ 半永続的 発見通知 発見信号 タイミングユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (17)

課題

D2D発見アナウンスのためのD2Dリソース割当を要求する通信装置に対して、D2Dリソース割当てを実行する方法及び基地局装置を提供する。

解決手段

基地局装置(eNB)は、D2Dリソース割当要求を含む要求メッセージRRC_CONNECTEDモードの通信装置(UE)から受信しS04、リソース要求はD2D発見アナウンスのための発見送信の数を示す。eNBは、要求メッセージに応じて、UEを対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つをD2D発見アナウンスのためのD2Dリソースとして選択しS05、第1のD2Dリソース又は第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージをUEに送信するS06、S08。

概要

背景

ロングタームエボリューションLTE

WCDMA登録商標無線アクセス技術ベースとする第3世代の移動通信システム(3G)は、世界中で広範な規模配備されつつある。この技術を機能強化または発展進化させるうえでの最初のステップとして、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)と、エンハンスアップリンク高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)とも称する)とが導入され、これにより、極めて競争力の高い無線アクセス技術が提供されている。

ユーザからのますます増大する需要に対応し、新しい無線アクセス技術に対する競争力を確保する目的で、3GPPは、ロングタームエボリューション(LTE)と称される新しい移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間にわたり、データおよびメディア高速伝送ならびに大容量の音声サポートに要求されるキャリアを提供するように設計されている。高いビットレートを提供する能力は、LTEにおける重要な方策である。

LTE(ロングタームエボリューション)に関する作業項目(WI)の仕様は、E−UTRA(Evolved UMTSTerrestrial Radio Access(UTRA):進化したUMTS地上無線アクセス)およびE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN):進化したUMTS地上無線アクセスネットワーク)と称され、最終的にリリース8(LTEリリース8)として公開される。LTEシステムは、パケットベースの効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークであり、IPベースの全機能を低遅延かつ低コストで提供する。詳細なシステム要件については、非特許文献1に記載されている。LTEでは、与えられたスペクトルを用いてフレキシブルなシステム配備を達成するために、スケーラブルな複数の送信帯域幅(例えば、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、および20.0MHz)が指定されている。ダウンリンクには、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、かかる無線アクセスは、低いシンボルレートのため本質的にマルチパス干渉(MPI)を受けにくく、また、サイクリックプレフィックス(CP)を使用しており、さらに、さまざまな送信帯域幅の構成に対応可能だからである。アップリンクには、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access:シングルキャリア周波数分割多元接続)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、ユーザ機器(UE)の送信出力が限られていることを考えれば、ピークデータレートを向上させるよりも広いカバレッジエリアを提供することが優先されるからである。リリース8のLTEでは、数多くの主要なパケット無線アクセス技術(例えば、MIMO(多入力多出力チャネル伝送技術)が採用され、高効率の制御シグナリング構造が達成されている。

E−UTRANのアーキテクチャ

図1は、LTEの全体的なアーキテクチャを示し、図2は、E−UTRANのアーキテクチャをより詳細に示している。E−UTRANは、1基または複数基のeNodeBから構成され、eNodeBは、UE向けの、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーンRRC)のプロトコル終端処理する。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)レイヤ媒体アクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤ(これらのレイヤはユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含む)をホストする。eNBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理アドミッション制御スケジューリング交渉によるアップリンクサービス品質(UL QoS)の実施、セル情報ブロードキャストユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化/復号化、ダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダ圧縮復元など、多くの機能を実行する。複数のeNodeBは、X2インタフェースによって互いに接続されている。

また、複数のeNodeBは、S1インタフェースによってEPC(Evolved Packet Core:進化したパケットコア)、より具体的には、S1−MMEによってMME(Mobility Management Entity:移動管理エンティティ)、S1−Uによってサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続されている。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多関係をサポートする。SGWは、ユーザデータパケットルーティングして転送する一方で、eNodeB間のハンドオーバー時におけるユーザプレーンのモビリティアンカーとして機能し、さらに、LTEと別の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカー(S4インタフェースを終端させ、2G/3GシステムとPDN GWとの間でトラフィック中継する)として機能する。SGWは、アイドル状態のユーザ機器に対しては、ダウンリンクデータ経路を終端させ、そのユーザ機器へのダウンリンクデータが到着したときにページングトリガーする。SGWは、ユーザ機器のコンテキスト(例えばIPベアラサービスパラメータネットワーク内部ルーティング情報)を管理および格納する。さらに、SGWは、合法傍受(lawful interception)の場合にユーザトラフィックの複製を実行する。

MMEは、LTEのアクセスネットワークの主要な制御ノードである。MMEは、アイドルモードのユーザ機器の追跡およびページング手順再送信を含む)の役割を担う。MMEは、ベアラアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、さらには、最初のアタッチ時と、コアネットワーク(CN)ノード再配置を伴うLTE内ハンドオーバー時とに、ユーザ機器のSGWを選択する役割も担う。MMEは、(HSS対話することによって)ユーザを認証する役割を担う。非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングはMMEにおいて終端され、MMEは、一時的なIDを生成してユーザ機器に割り当てる役割も担う。MMEは、サービスプロバイダ公衆陸上移動網PLMN:Public Land Mobile Network)に入るためのユーザ機器の認証をチェックし、ユーザ機器のローミング制約を実施する。MMEは、NASシグナリングの暗号化/完全性保護においてネットワーク内の終端点であり、セキュリティキーの管理を行う。シグナリングの合法傍受も、MMEによってサポートされる。さらに、MMEは、LTEのアクセスネットワークと2G/3Gのアクセスネットワークとの間のモビリティのための制御プレーン機能を提供し、SGSNからのS3インタフェースを終端させる。さらに、MMEは、ローミングするユーザ機器のためのホームHSSに向かうS6aインタフェースを終端させる。

LTEにおけるコンポーネントキャリア構造

3GPPLTEシステムのダウンリンクコンポーネントキャリアは、いわゆるサブフレームにおける時間−周波数領域でさらに分割される。3GPPLTEで、各サブフレームは、図3に示すように2つのダウンリンクスロットに分割され、そこにおいて、第1のダウンリンクスロットは、第1のOFDMシンボル内の制御チャネル領域PDCCH領域)を備える。各サブフレームは、時間領域内の所与の数のOFDMシンボルで構成され(3GPP LTE(リリース8)では12個または14個のOFDMシンボル)、各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に広がる。したがって、OFDMシンボルは、各々、図4にも示すように、NDLRB×NRBsc個のそれぞれのサブキャリアで送信されるいくつかの変調シンボルで構成される。

例えば3GPPロングタームエボリューション(LTE)において使用されるような、例えばOFDMを使用する、マルチキャリア通信システムを想定すると、スケジューラによって割り当てることができるリソース最小単位は、1つの「リソースブロック」である。物理リソースブロックは、図4に例示されるように時間領域におけるNDLsymb個の連続するOFDMシンボルおよび周波数領域におけるNRBsc個の連続するサブキャリアとして定義される。したがって、3GPP LTE(リリース8)では、物理リソースブロックは、時間領域における1つのスロットおよび周波数領域における180kHzに対応する、NDLsymb×NRBsc個のリソース要素で構成される(ダウンリンクリソースグリッドについてさらに詳しくは、例えば、3GPPのウェブサイト入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている、非特許文献2の6.2節を参照)。

「コンポーネントキャリア」という用語は、いくつかのリソースブロックの組合せを示す。LTEの将来のリリースでは、「コンポーネントキャリア」という用語はもはや使用されず、その代わりに、その専門用語はダウンリンクおよびオプションアップリンクリソースの組合せを示す「セル」に変更される。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との間のリンク付けは、ダウンリンクリソースで送信されるシステム情報において指示される。

LTEのさらなる発展(LTE−A)

世界無線通信会議2007(WRC−07)において、IMT−Advancedの周波数スペクトルが決定された。IMT−Advancedのための全体的な周波数スペクトルは決定されたが、実際に利用可能な周波数帯域幅は、地域や国によって異なる。しかしながら、利用可能な周波数スペクトルのアウトラインの決定に続いて、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)において無線インタフェース標準化が開始された。3GPPでは、3GPP TSG RAN #39会合において、「Further Advancements for E-UTRA (LTE-Advanced)」に関する検討項目記述承認された。この検討項目は、E−UTRAを進化・発展させるうえで(例えば、IMT−Advancedの要求条件を満たすために)考慮すべき技術要素カバーしている。以下では、LTE−Aを対象として現在検討されている2つの重要な技術要素について説明する。

より広い帯域幅をサポートするためのLTE−Aにおけるキャリアアグリゲーション

LTEアドバンストシステムがサポートすることができる帯域幅は100MHzであり、一方、LTEシステムは20MHzのみをサポートすることができる。今日、無線スペクトル欠如ワイヤレスネットワークの開発のボトルネックになり、結果として、LTEアドバンストシステムのために十分広いスペクトル帯域を見つけることは困難である。したがって、より広い無線スペクトル帯域を獲得するための方法を見つけることは急務であり、ここにおいて、可能性のある答えは、キャリアアグリゲーション機能である。

キャリアアグリゲーションでは、最大で100MHzの広い送信帯域幅をサポートする目的で、2つ以上のコンポーネントキャリア(CC)がアグリゲートされる。LTE−Advancedシステムでは、LTEシステムにおけるいくつかのセルが、より広い1つのチャネルにアグリゲートされ、このチャネルは、たとえLTEにおけるこれらのセルが異なる周波数帯域である場合でも100MHzに対して十分に広い。ユーザ機器は、次のように自身の能力に応じて1つまたは複数のコンポーネントキャリア(CC)を同時に受信または送信することができる。
− キャリアアグリゲーション(CA)のための受信能力もしくは送信能力またはその両方を備えた、リリース10のユーザ機器は、複数のサービングセルに対応する複数のコンポーネントキャリア(CC)上で同時に受信する、もしくは送信する、またはその両方を行うことができる。
−LTEリリース8/9のユーザ機器は、1つのみのサービングセルに対応する1つのコンポーネントキャリア(CC)上で受信し、1つのコンポーネントキャリア(CC)上で送信することができる。

キャリアアグリゲーション(CA)は、連続するコンポーネントキャリアおよび不連続なコンポーネントキャリアの両方についてサポートされ、各コンポーネントキャリアは、リリース8/9の計算方式(numerology)を使用するとき周波数領域における最大110個のリソースブロックに制限される。

同じeNBから送信される、場合によってはアップリンクおよびダウンリンクにおいて異なる帯域幅の異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲートするように、ユーザ機器を設定することが可能である。

同じeNodeB(基地局)から送信される、場合によってはアップリンクおよびダウンリンクにおいて異なる帯域幅の異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲートするように、3GPPLTE−A(リリース10)互換のユーザ機器を構成することが可能である。設定することのできるダウンリンクコンポーネントキャリアの数は、ユーザ機器のダウンリンクのアグリゲーション能力に依存する。逆に、設定することのできるアップリンクコンポーネントキャリアの数は、ユーザ機器のアップリンクのアグリゲーション能力に依存する。ダウンリンクコンポーネントキャリアよりもアップリンクコンポーネントキャリアが多くなるように移動端末を構成することはできない。

一般的なTDD配備では、コンポーネントキャリアの数および各コンポーネントキャリアの帯域幅は、アップリンクとダウンリンクとで同じである。同じeNodeBから送信されるコンポーネントキャリアは、必ずしも同じカバレッジを提供する必要はない。

コンポーネントキャリアは、LTEリリース8/9互換である。しかしながら、リリース8/9のユーザ機器がコンポーネントキャリアにキャンプオンすることを回避するため、既存のメカニズム(例:バーリング)を使用することができる。

連続的にアグリゲートされるコンポーネントキャリアの中心周波数の間隔は、300kHzの倍数である。これは、3GPPLTE(リリース8/9)の100kHzの周波数ラスターとの互換性を保つと同時に、15kHz間隔のサブキャリアの直交性を維持するためである。アグリゲーションシナリオによっては、連続するコンポーネントキャリアの間に少数の使用されないサブキャリアを挿入することによって、n×300kHzの間隔あけを容易にすることができる。

複数のキャリアをアグリゲートする影響は、MAC層に及ぶのみである。MAC層には、アップリンクおよびダウンリンクの両方において、アグリゲートされるコンポーネントキャリアごとに1つのHARQエンティティが要求される。コンポーネントキャリアあたりのトランスポートブロックは最大1個である(アップリンクにおけるSU−MIMOを使用しない場合)。トランスポートブロックおよびそのHARQ再送信(発生時)は、同じコンポーネントキャリアにマッピングする必要がある。

図5および図6は、それぞれ、ダウンリンクおよびアップリンクにおける、キャリアアグリゲーションが設定された第2層構造を示している。MACと第1層との間にトランスポートチャネルが存在し、MACとRLCとの間に論理チャネルが存在する。

キャリアアグリゲーション(CA)が設定されているとき、ユーザ機器はネットワークとの1つのRRC接続を有するのみである。RRC接続の確立/再確立/ハンドオーバー時、1つのサービングセルが、非アクセス層モビリティ情報(例:トラッキングエリア識別子(TAI))を提供し、RRC接続の再確立/ハンドオーバー時、1つのサービングセルがセキュリティ入力を提供する。このセルは、プライマリセル(PCell)と称される。PCellに対応するキャリアは、ダウンリンクではダウンリンクプライマリコンポーネントキャリア(DL PCC)であり、アップリンクではアップリンクプライマリコンポーネントキャリア(UL PCC)である。

ユーザ機器の能力に応じて、セカンダリセル(SCell)を、PCellとの組合せにおいてサービングセルのセットを形成するように設定することができる。SCellに対応するキャリアは、ダウンリンクではダウンリンクセカンダリコンポーネントキャリア(DL SCC)であり、アップリンクではアップリンクセカンダリコンポーネントキャリア(UL SCC)である。

したがって、ユーザ機器に対して設定されるサービングセルのセットは、つねに、1つのPCellと1つまたは複数のSCellとからなる。
− 各SCellごとに、ダウンリンクリソースに加えてアップリンクリソースのユーザ機器による使用を設定することができる。したがって、設定されるDL SCCの数はUL SCCの数よりもつねに大きいかまたは等しく、アップリンクリソースのみを使用するようにSCellを設定することはできない。
− ユーザ機器の観点からは、各アップリンクリソースは1つのサービングセルにのみ属する。
− 設定することができるサービングセルの数は、UEのアグリゲーション能力によって決まる。
− PCellは、ハンドオーバー手順(すなわちセキュリティキー変更およびRACH手順)によってのみ変更することができる。
− PCellは、PUCCHの送信に使用される。
− PCellは、SCellとは異なり非アクティブ化することができない。
− PCellにおいてレイリーフェージング(RLF)が発生すると再確立がトリガーされるが、SCellにレイリーフェージング(RLF)が発生しても再確立はトリガーされない。
− 非アクセス層(NAS)情報はダウンリンクPCellから取得される。

コンポーネントキャリアの設定および再設定は、RRCによって行うことができる。アクティブ化および非アクティブ化は、MAC制御要素を介して行われる。LTE内ハンドオーバー時、RRCによって、ターゲットセルで使用するためのSCellを追加、削除、または再設定することもできる。SCellの再設定、追加、および削除は、RRCによって実行することができる。LTE内ハンドオーバー時、さらに、移動先セルにおけるPCellと一緒に使用するSCellの追加、削除、または再設定を、RRCによって実行することができる。新しいSCellを追加するときには、そのSCellの必要なすべてのシステム情報を送るために専用のRRCシグナリングが使用され(接続モード時)、ユーザ機器は、ブロードキャストされるシステム情報をSCellから直接取得する必要がない。

キャリアアグリゲーションを使用するようにユーザ機器が構成されているとき、アップリンクコンポーネントキャリアとダウンリンクコンポーネントキャリアの一対がつねにアクティブである。この対のうちのダウンリンクコンポーネントキャリアは、「ダウンリンクアンカーキャリア」と称されることもある。同じことはアップリンクについてもあてはまる

キャリアアグリゲーションが設定されているとき、同時に複数のコンポーネントキャリアについてユーザ機器をスケジューリングすることができるが、一度に行うことのできるランダムアクセス手順は最大で1つである。クロスキャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling)では、コンポーネントキャリアのPDCCHによって別のコンポーネントキャリアのリソースをスケジューリングすることができる。この目的のため、それぞれのDCIフォーマットにコンポーネントキャリア識別フィールド(「CIF」と称する)が導入されている。

クロスキャリアスケジューリングが行われていないときには、アップリンクコンポーネントキャリアとダウンリンクコンポーネントキャリアとをリンクすることによって、グラントが適用されるアップリンクコンポーネントキャリアを識別することができる。アップリンクコンポーネントキャリアへのダウンリンクコンポーネントキャリアのリンクは、必ずしも1対1である必要はない。言い換えれば、同じアップリンクコンポーネントキャリアに複数のダウンリンクコンポーネントキャリアをリンクすることができる。一方で、1つのダウンリンクコンポーネントキャリアは、1つのアップリンクコンポーネントキャリアのみにリンクすることができる。

LTEにおけるRRC状態

以下では、LTEにおける2つの主たる状態である「RRC_IDLE」および「RRC_CONNECTED」を中心に説明する。

RRC_IDLEモードでは、無線は有効ではないが、ネットワークによってIDが割り当てられて追跡されている。より具体的には、RRC_IDLEモードの移動端末は、セルの選択および再選択を実行する(言い換えれば、キャンプオンするセルを決定する)。セルの(再)選択プロセスでは、適用可能な無線アクセス技術(RAT)それぞれの適用可能な各周波数の優先順位無線リンクの品質、およびセルのステータス(すなわちセルが禁止または予約されているか)が考慮される。RRC_IDLEモードの移動端末は、ページングチャネル監視して着呼を検出し、さらにシステム情報を取得する。システム情報は、主として、ネットワーク(E−UTRAN)がセルの(再)選択プロセスを制御することのできるパラメータからなる。RRCは、RRC_IDLEモードの移動端末に適用される制御シグナリング、すなわちページングおよびシステム情報を指定する。RRC_IDLEモードにおける移動端末の挙動については、非特許文献3(参照によって本明細書に組み込まれている)の例えば8.4.2節に規定されている。

RRC_CONNECTED状態では、移動端末は、eNodeBとのアクティブな無線動作を有する。E−UTRANでは、共有データチャネルを介して(ユニキャスト)データを伝送することができるように、移動端末に無線リソースが割り当てられる。この動作をサポートするため、移動端末は、時間および周波数の共有送信リソースの動的な割当てを示すために使用される対応する制御チャネルを監視する。移動端末は、E−UTRANが移動端末にとって最適なセルを選択できるように、自身のバッファ状態およびダウンリンクチャネル品質報告と、隣接セル測定情報とを、ネットワークに提供する。これらの測定報告には、別の周波数や無線アクセス技術(RAT)を使用するセルが含まれる。さらに、ユーザ機器は、送信チャネルを使用するために要求される情報から主として構成されるシステム情報を受信する。RRC_CONNECTED状態のユーザ機器は、自身のバッテリ寿命延ばすため、不連続受信(DRX)サイクルを使用するように構成することができる。RRCとは、RRC_CONNECTED状態のユーザ機器の挙動をE−UTRANが制御するためのプロトコルである。

論理チャネルおよびトランスポートチャネル

MAC層は、論理チャネルを通じてRLC層データ伝送サービスを提供する。論理チャネルは、RRCシグナリングなどの制御データを伝える制御論理チャネル、またはユーザプレーンデータを伝えるトラフィック論理チャネルのいずれかである。ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)、ページング制御チャネル(PCCH)、共通制御チャネル(CCCH)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、および専用制御チャネル(DCCH)は、制御論理チャネルである。専用トラフィックチャネル(DTCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、トラフィック論理チャネルである。

MAC層からのデータは、トランスポートチャネルを通じて物理層交換される。データは、無線送信方式に応じてトランスポートチャネル内に多重化される。トランスポートチャネルは、次のようにダウンリンクまたはアップリンクとして分類される。ブロードキャストチャネル(BCH)、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)、ページングチャネル(PCH)、およびマルチキャストチャネルMCH)は、ダウンリンクトランスポートチャネルであり、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)およびランダムアクセスチャネル(RACH)は、アップリンクトランスポートチャネルである。

ダウンリンクおよびアップリンクそれぞれにおいて、論理チャネルとトランスポートチャネルの間で多重化が実行される。

第1層/第2層(L1/L2)制御シグナリング

スケジューリング対象のユーザに、ユーザの割当てステータス、トランスポートフォーマット、およびその他のデータ関連情報(例:HARQ情報送信電力制御TPC)コマンド)を知らせる目的で、第1層/第2層制御シグナリングがデータと一緒にダウンリンクで送信される。第1層/第2層制御シグナリングは、サブフレーム内にダウンリンクデータと一緒に多重化される(ユーザ割当てがサブフレーム単位で変化しうるものと想定する)。なお、ユーザ割当てをTTI(送信時間間隔)ベースで実行することもでき、その場合、TTI長はサブフレームの倍数であることに留意されたい。TTI長は、サービスエリアにおいてすべてのユーザに対して一定とする、ユーザ毎に異なる、あるいはユーザ毎に動的とすることもできる。第1層/第2層制御シグナリングは、一般的にはTTIあたり1回送信するのみでよい。

第1層/第2層制御シグナリングは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で送信される。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)としてメッセージを伝え、このメッセージには、移動端末またはユーザ機器のグループリソース割当て情報およびその他の制御情報が含まれる。一般的には、いくつかのPDCCHを1つのサブフレーム内で送信することができる。

なお、3GPPLTEでは、アップリンクデータ送信のための割当て(アップリンクスケジューリンググラントまたはアップリンクリソース割当てとも称する)も、PDCCHで送信されることに留意されたい。

スケジューリンググラントに関連して、第1層/第2層制御シグナリングで送られる情報は、次の2つのカテゴリ、すなわち、カテゴリ1の情報を伝える共有制御情報(SCI:Shared Control Information)と、カテゴリ2/3の情報を伝えるダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に分けることができる。

カテゴリ1の情報を伝える共有制御情報(SCI)

第1層/第2層制御シグナリングの共有制御情報部分は、リソース割当て(指示)に関連する情報を含む。共有制御情報は、一般には以下の情報を含む。
−リソースが割り当てられるユーザを示すユーザ識別情報
− ユーザに割り当てられるリソース(リソースブロック(RB))を示すリソースブロック(RB)割当て情報。割り当てられるリソースブロックの数は動的とすることができる。
−割当ての持続時間(オプション)(複数のサブフレーム(またはTTI)にわたる割当てが可能である場合)。

これらに加えて、共有制御情報は、他のチャネルの設定およびダウンリンク制御情報(DCI)の設定(以下を参照)に応じて、アップリンク送信に対するACK/NACK、アップリンクスケジューリング情報、DCIに関する情報(例:リソース、変調符号化方式(MCS))などの情報を含むことができる。

カテゴリ2/3の情報を伝えるダウンリンク制御情報(DCI)

第1層/第2層制御シグナリングのダウンリンク制御情報の部分は、カテゴリ1の情報によって示されるスケジューリング対象のユーザに送信されるデータの送信フォーマットに関連する情報(カテゴリ2の情報)を含む。さらに、再送信プロトコルとして(ハイブリッド)ARQを使用する場合、カテゴリ2の情報は、HARQ(カテゴリ3)情報を伝える。ダウンリンク制御情報は、カテゴリ1に従ってスケジューリングされるユーザによって復号されるのみでよい。ダウンリンク制御情報は、一般には以下に関する情報を含む。
− カテゴリ2の情報:変調方式、トランスポートブロック(ペイロード)サイズまたは符号化率、MIMO(多入力多出力)に関連する情報など。トランスポートブロック(もしくはペイロードサイズ)または符号化率のいずれかをシグナリングすることができる。いずれの場合も、これらのパラメータは、変調方式情報およびリソース情報(割り当てられたリソースブロックの数)を使用することによって相互に計算することができる。
− カテゴリ3の情報: HARQに関連する情報(例えば、ハイブリッドARQプロセス番号、冗長バージョン、再送信シーケンス番号)

ダウンリンク制御情報は、全体のサイズと、フィールドに含まれる情報とが異なるいくつかのフォーマットの形をとる。LTEにおいて現在定義されている異なるDCIフォーマットを以下に示し、また非特許文献4(3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)の5.3.3.1節に詳しく記載されている。

フォーマット0:DCIフォーマット0は、PUSCHのためのリソースグラントを送信する目的で使用される。

DCIフォーマットと、DCIにおいて送信される具体的な情報に関するさらなる詳細については、技術規格、または非特許文献5(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.3章を参照されたい。

ダウンリンクデータおよびアップリンクデータの送信

ダウンリンクデータ送信に関して、第1層/第2層制御シグナリングは、ダウンリンクパケットデータ送信と一緒に、個別の物理チャネル(PDCCH)で送信される。この第1層/第2層制御シグナリングは、一般には以下に関する情報を含む。
− データが送信される(1つまたは複数の)物理リソース(例えば、OFDMの場合のサブキャリアまたはサブキャリアブロック、CDMAの場合の符号)。移動端末(受信機)は、データが送信されるリソースをこの情報によって識別することができる。
−ユーザ機器が、第1層/第2層制御シグナリングにおけるキャリア指示フィールド(CIF:Carrier Indication Field)を有するように構成されているとき、この情報は、その特定の制御シグナリング情報が対象とするコンポーネントキャリアを識別する。これにより、1つのコンポーネントキャリアを対象とする割当てを別のコンポーネントキャリアで送ることが可能になる(「クロスキャリアスケジューリング」)。クロススケジューリングされる側のキャリアは、例えば、PDCCHが含まれないコンポーネントキャリアとすることができ、すなわち、クロススケジューリングされる側のコンポーネントキャリアは、第1層/第2層制御シグナリングを伝えない。
− 送信に使用されるトランスポートフォーマット。例えば、データのトランスポートブロックサイズ(ペイロードサイズ、情報ビットサイズ)、MCS(変調・符号化方式)レベルスペクトル効率、符号化率などが挙げられる。ユーザ機器(受信機)は、復調、デ・レートマッチング(de-rate-matching)、および復号のプロセスを開始する目的で、情報ビットサイズ、変調方式、および符号化率を、この情報(通常はリソース割当て(例えばユーザ機器に割り当てられるリソースブロックの数)と組み合わせる)によって識別することができる。変調方式は明示的にシグナリングすることができる。
−ハイブリッドARQ(HARQ)情報:
HARQプロセス番号: ユーザ機器は、データがマッピングされているハイブリッドARQプロセスを識別することができる。
・シーケンス番号または新規データインジケータ(NDI): ユーザ機器は、送信が新しいパケットであるか再送信されたパケットであるかを識別することができる。HARQプロトコルにおいて軟合成が実施される場合、シーケンス番号または新規データインジケータとHARQプロセス番号とを組み合わせることで、復号の前にPDUのための送信の軟合成が可能である。
・冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方: それぞれ、使用されているハイブリッドARQ冗長バージョン(デ・レートマッチングに必要である)、および、使用されている変調コンステレーションバージョン(復調に必要である)を、ユーザ機器に知らせる。
− ユーザ機器の識別情報(UE ID): 第1層/第2層制御シグナリングの対象であるユーザ機器を知らせる。一般的な実装においては、この情報は、制御情報が別のユーザ機器に読み取られることを防止する目的で、第1層/第2層制御シグナリングのCRCマスクするために使用される。

アップリンクパケットデータ送信を可能にする目的で、送信の詳細をユーザ機器に知らせるため、第1層/第2層制御シグナリングがダウンリンク(PDCCH)で送信される。この第1層/第2層制御シグナリングは、一般には以下に関する情報を含む。
− ユーザ機器がデータ送信に使用するべき(1つまたは複数の)物理リソース(例えば、OFDMの場合のサブキャリアまたはサブキャリアブロック、CDMAの場合の符号)。
− ユーザ機器が、第1層/第2層制御シグナリングにおいてキャリア指示フィールド(CIF)を有するように構成されているとき、この情報は、その特定の制御シグナリング情報が対象とするコンポーネントキャリアを識別する。これにより、1つのコンポーネントキャリアを対象とする割当てを別のコンポーネントキャリアで送ることが可能になる。クロススケジューリングされる側のキャリアは、例えば、PDCCHが含まれないコンポーネントキャリアとすることができ、すなわち、クロススケジューリングされる側のコンポーネントキャリアは、第1層/第2層制御シグナリングを伝えない。
アップリンクグラントの第1層/第2層制御シグナリングは、アップリンクコンポーネントキャリアにリンクされているダウンリンクコンポーネントキャリアで送られる、または、いくつかのダウンリンクコンポーネントキャリアが同じアップリンクコンポーネントキャリアにリンクされている場合、いくつかのダウンリンクコンポーネントキャリアのうちの1つで送られる。
− ユーザ機器が送信に使用するべきトランスポートフォーマット。例えば、データのトランスポートブロックサイズ(ペイロードサイズ、情報ビットサイズ)、MCS(変調・符号化方式)レベル、スペクトル効率、符号化率などが挙げられる。ユーザ機器(送信機)は、変調、レートマッチング、および符号化のプロセスを開始する目的で、情報ビットサイズ、変調方式、および符号化率を、この情報(通常はリソース割当て(例えばユーザ機器に割り当てられるリソースブロックの数)と組み合わせる)によって取得することができる。場合によっては、変調方式を明示的にシグナリングすることができる。
−ハイブリッドARQ情報:
・HARQプロセス番号: データの取得先のハイブリッドARQプロセスをユーザ機器に知らせる。
・シーケンス番号または新規データインジケータ: 新しいパケットを送信するのか、あるいはパケットを再送信するのかをユーザ機器に知らせる。HARQプロトコルにおいて軟合成が実施される場合、シーケンス番号または新規データインジケータとHARQプロセス番号とを組み合わせることで、復号の前にプロトコルデータユニット(PDU)のための送信の軟合成が可能である。
・冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方: それぞれ、使用するハイブリッドARQ冗長バージョン(レートマッチングに必要である)、および、使用する変調コンステレーションバージョン(変調に必要である)を、ユーザ機器に知らせる。
− ユーザ機器識別情報(UE ID): データを送信するべきユーザ機器を知らせる。一般的な実装においては、この情報は、制御情報が別のユーザ機器に読み取られることを防止する目的で、第1層/第2層制御シグナリングのCRCをマスクするために使用される。

上述したさまざまな情報をアップリンクデータ送信およびダウンリンクデータ送信において実際に送信するとき、いくつかの可能な方法が存在する。さらには、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、第1層/第2層制御情報は、追加の情報を含むこともでき、あるいは、いくつかの情報を省くことができる。例えば以下のとおりである。
− 同期HARQプロトコルの場合、HARQプロセス番号が必要ないことがある(すなわちシグナリングされない)。
チェイス合成(Chase Combining)を使用する(冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方がつねに同じである)場合、または、冗長バージョンのシーケンスもしくはコンステレーションバージョンのシーケンスまたはその両方が事前に定義されている場合、冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方が必要ないことがある。
電力制御情報を制御シグナリングにさらに含めることができる。
−MIMOに関連する制御情報(例えばプリコーディング情報)を制御シグナリングにさらに含めることができる。
− 複数のコードワードによるMIMO送信の場合には、複数のコードワードのためのトランスポートフォーマットもしくはHARQ情報またはその両方を含めることができる。

LTEにおいて(物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を対象として)PDCCHでシグナリングされるアップリンクリソース割当てでは、第1層/第2層制御情報にHARQプロセス番号が含まれず、なぜなら、LTEのアップリンクには同期HARQプロトコルが採用されるためである。アップリンク送信に使用されるHARQプロセスは、タイミングによって認識される。さらに、冗長バージョン(RV)情報は、トランスポートフォーマット情報と一緒に符号化され、すなわち、冗長バージョン(RV)情報はトランスポートフォーマット(TF)フィールドに埋め込まれることに留意されたい。トランスポートフォーマット(TF)/変調・符号化方式(MCS)フィールドは、例えば5ビットのサイズを有し、これは32個のエントリに対応する。TF/MCSテーブルの3個のエントリは、冗長バージョン(RV)1、RV2、またはRV3を示すために予約されている。MCSテーブルの残りのエントリは、RV0を暗黙的に示す変調・符号化方式(MCS)レベル(トランスポートブロックサイズ(TBS))をシグナリングするために使用される。PDCCHのCRCフィールドのサイズは16ビットである。

LTEにおいてPDCCHでシグナリングされるダウンリンク割当てPDSCH)では、冗長バージョン(RV)は、2ビットのフィールドにおいて個別にシグナリングされる。さらに、変調次数情報がトランスポートフォーマット情報と一緒に符号化される。アップリンクの場合と同様に、5ビットのMCSフィールドがPDCCHでシグナリングされる。エントリのうち3個は、明示的な変調次数をシグナリングするために予約されており、トランスポートフォーマット(トランスポートブロック)情報は提供されない。残りの29個のエントリにおいては、変調次数およびトランスポートブロックサイズの情報がシグナリングされる。

LTEにおけるアップリンクアクセス方式

アップリンク送信では、カバレッジを最大にするため、ユーザ端末による電力効率の高い送信が必要である。E−UTRAのアップリンク送信方式としては、シングルキャリア伝送と、動的な帯域幅割当てのFDMAとを組み合わせた方式が選択されている。シングルキャリア伝送が選択された主たる理由は、マルチキャリア信号(OFDMA)と比較して、ピーク対平均電力比PAPR)が低く、これに対応して電力増幅器の効率が改善され、カバレッジの向上が見込まれるためである(与えられる端末ピーク電力に対してデータレートが高い)。各時間間隔において、NodeBは、ユーザデータを送信するための固有の時間/周波数リソースをユーザに割り当て、これによってセル内の直交性が確保される。アップリンクにおける直交多元接続によって、セル内干渉が排除されることでスペクトル効率が高まる。マルチパス伝搬に起因する干渉については、送信信号にサイクリックプレフィックスを挿入することにより基地局(NodeB)において対処する。

データを送信するために使用される基本的な物理リソースは、1つの時間間隔(例えば0.5msのサブフレーム)にわたるサイズBWgrantの周波数リソースから構成される(符号化された情報ビットはこのリソースにマッピングされる)。なお、サブフレーム(送信時間間隔(TTI)とも称する)は、ユーザデータを送信するための最小の時間間隔である。しかしながら、サブフレームを連結することにより、1TTIよりも長い時間にわたる周波数リソースBWgrantをユーザに割り当てることも可能である。

LTEにおけるアップリンクのスケジューリング方式

アップリンクの方式として、スケジューリング制御式の(すなわちeNBによって制御される)アクセスと、コンテンション競合)ベースのアクセスの両方を使用することができる。

スケジューリング制御式アクセスの場合、アップリンクデータを送信するための特定の時間長の特定の周波数リソース(すなわち時間/周波数リソース)が、ユーザ機器に割り当てられる。しかしながら、コンテンションベースのアクセス用に、いくらかの時間/周波数リソースを割り当てることができる。コンテンションベースの時間/周波数リソースの範囲内では、ユーザ機器は、最初にスケジューリングされることなく送信することができる。ユーザ機器がコンテンションベースのアクセスを行う1つのシナリオは、例えばランダムアクセスであり、すなわち、ユーザ機器があるセルへの最初のアクセスを行うとき、またはアップリンクリソースを要求するために最初のアクセスを行うときである。

スケジューリング制御式アクセスの場合、NodeBのスケジューラが、アップリンクデータ送信のための固有の周波数/時間リソースをユーザに割り当てる。より具体的には、スケジューラは以下を決定する。
− 送信を許可する(1つまたは複数の)ユーザ機器
物理チャネルリソース(周波数)
−移動端末が送信に使用するべきトランスポートフォーマット(変調・符号化方式(MCS))

割当て情報は、第1層/第2層制御チャネルで送られるスケジューリンググラントを介してユーザ機器にシグナリングされる。以下では、説明を簡潔にするため、このチャネルをアップリンクグラントチャネルと称する。スケジューリンググラントメッセージには、情報として、周波数帯域のうちユーザ機器による使用を許可する部分と、グラントの有効期間と、これから行うアップリンク送信にユーザ機器が使用しなければならないトランスポートフォーマットとが、少なくとも含まれる。最も短い有効期間は1サブフレームである。グラントメッセージには、選択される方式に応じて追加の情報も含めることができる。アップリンク共有チャネル(UL−SCH)で送信する権利を許可するグラントとしては、「各ユーザ機器に対する」グラントのみが使用される(すなわち、「各ユーザ機器における各無線ベアラに対する」グラントは存在しない)。したがってユーザ機器は、割り当てられたリソースを何らかの規則に従って無線ベアラの間で配分する必要がある。トランスポートフォーマットは、HSUPAの場合とは異なり、ユーザ機器側では選択しない。eNBが、何らかの情報(例えば、報告されたスケジューリング情報およびQoS情報)に基づいてトランスポートフォーマットを決定し、ユーザ機器は、選択されたトランスポートフォーマットに従わなければならない。HSUPAでは、NodeBが最大限のアップリンクリソースを割り当てて、ユーザ機器は、それに応じてデータ送信用の実際のトランスポートフォーマットを選択する。

無線リソースのスケジューリングは、サービス品質を決めるうえで、共有チャネルアクセスネットワークにおいて最も重要な機能であるため、効率的なサービス品質(QoS)管理を可能にする目的で、LTEにおけるアップリンクスケジューリング方式が満たしているべき要件がいくつかある。
−優先順位の低いサービスリソース不足を避けるべきである。
− 個々の無線ベアラ/サービスにおいてサービス品質(QoS)が明確に区別されるべきである。
− どの無線ベアラ/サービスのデータが送信されるのかをeNBのスケジューラが識別できるように、アップリンク報告において、きめ細かいバッファ報告(例えば、無線ベアラごとの報告、または無線ベアラグループごとの報告)を可能にするべきである。
− 異なるユーザのサービスの間でサービス品質(QoS)を明確に区別できるようにするべきである。
− 無線ベアラごとに最小限のビットレートを提供できるようにするべきである。

上に挙げた条件から理解できるように、LTEのスケジューリング方式の1つの重要な側面は、事業者が、自身の総セル容量を、異なるQoSクラスの個々の無線ベアラの間で分配することを制御できるメカニズムを提供することである。無線ベアラのQoSクラスは、前述したようにサービングゲートウェイからeNBにシグナリングされる対応するSAEベアラのQoSプロファイルによって識別される。事業者は、自身の総セル容量のうちの特定の量を、特定のQoSクラスの無線ベアラに関連付けられる総トラフィックに割り当てることができる。クラスに基づくこの方法を採用する主たる目的は、パケットの処理を、パケットが属するQoSクラスに応じて区別できるようにすることである。

アップリンクスケジューリングにおけるバッファ状態報告手順/スケジューリング要求手順

スケジューリングの通常のモードは、動的なスケジューリングであり、ダウンリンク送信リソースを割り当てるダウンリンク割当てメッセージと、アップリンク送信リソースを割り当てるアップリンクグラントメッセージとによる。これらのメッセージが有効であるのは、通常では特定の1つのサブフレームの間である。これらのメッセージは、すでに前述したように、ユーザ機器のC−RNTIを使用してPDCCHで送信される。動的なスケジューリングは、トラフィックがバースト性であり速度が動的であるサービスタイプ(TCPなど)において効率的である。

動的なスケジューリングに加えて、パーシステントスケジューリング(persistent scheduling)が定義されており、このスケジューリング方式では、無線リソースを半静的に設定して、1サブフレームより長い期間にわたりユーザ機器に割り当てることができるため、各サブフレームごとにPDCCHを通じた特定のダウンリンク割当てメッセージやアップリンクグラントメッセージの必要性が回避される。パーシステントスケジューリングは、データパケットが小さく周期的でありサイズがほぼ一定であるVoIPなどのサービスに有用である。動的なスケジューリングの場合と比較してPDCCHのオーバーヘッドが大幅に減少する。

eNodeBによるアップリンクリソースの割当て(すなわちアップリンクスケジューリング)を支援する目的で、ユーザ機器からeNodeBへのバッファ状態報告(BSR)が使用される。eNBのスケジューラは、ダウンリンクの場合、各ユーザ機器に配信されるデータの量を当然ながら認識している。しかしながらアップリンク方向の場合、スケジューリングの決定はeNBにおいて行われるが、データのバッファはユーザ機器内にあるため、UL−SCHを通じて送信する必要のあるデータ量を示す目的で、ユーザ機器からeNBにバッファ状態報告(BSR)を送らなければならない。

LTEにおいては、バッファ状態報告のMAC制御要素(BSR)は基本的に2種類あり、ロングBSR(論理チャネルグループ(LCG)のID #0〜#3に対応する4つのバッファサイズフィールドを有する)またはショートBSR(1つの論理チャネルグループ(LCG)のIDフィールドと、1つの対応するバッファサイズフィールドを有する)である。バッファサイズフィールドは、論理チャネルグループのすべての論理チャネルにわたる利用可能な合計データ量を示し、異なるバッファサイズレベルのインデックスとして符号化されたバイト数で示される(非特許文献6(参照によって本明細書に組み込まれている)の6.1.3.1章も参照)。これに加えて、短縮されたデータを使用するさらなるタイプのバッファ状態報告が存在し、このバッファ状態報告は2バイト長である。

ユーザ機器によってショートBSRまたはロングBSRのどちらが送信されるかは、トランスポートブロックにおける利用可能な送信リソースと、空ではないバッファを有する論理チャネルのグループの数と、ユーザ機器において特定のイベントがトリガーされるかによって決まる。ロングBSRは、4つの論理チャネルグループのデータ量を報告するのに対して、ショートBSRは、最高位の論理チャネルグループのみについて、バッファに格納されているデータ量を示す。

論理チャネルグループのコンセプトを導入する理由は、ユーザ機器に5つ以上の論理チャネルが設定されている場合、個々の論理チャネルそれぞれのバッファ状態を報告するとシグナリングオーバーヘッドが大きくなりすぎるためである。したがってeNBは、各論理チャネルを論理チャネルグループに割り当てる。好ましくは、QoS要件が同じかまたは類似する論理チャネルが同じ論理チャネルグループに割り当てられるべきである。

バッファ状態報告(BSR)は、例えば次のイベントの場合にトリガーすることができる。
−バッファが空ではない論理チャネルよりも高い優先順位を有する論理チャネルのデータが到着するとき
− いずれかの論理チャネルにおいて、それまでは送信するデータが存在しなかった状態から、データが利用可能となるとき
−再送信BSRタイマー切れるとき
−周期的なBSR報告のタイミングになるとき(すなわちperiodicBSRタイマーが切れるとき)
− BSRを格納できる余分なスペースがトランスポートブロック内に存在するとき

送信の失敗に対する堅牢性を高める目的で、LTEにはバッファ状態報告の再送信メカニズムが定義されている。アップリンググラントが再開されたときに、再送信BSRタイマーが起動または再起動される。再送信BSRタイマーが切れる前にアップリンググラントが受信されない場合、そのユーザ機器は別のバッファ状態報告をトリガーする。

バッファ状態報告がトリガーされたとき、バッファ状態報告をトランスポートブロック(TB)に含めるためのアップリンクリソースがユーザ機器に割り当てられていない場合、ユーザ機器は、PUCCH(物理アップリンク制御チャネル)(設定されている場合)でスケジューリング要求(SR)を送る。設定されているPUCCHに専用スケジューリング要求(D−SR)リソースが存在しない場合、ユーザ機器は、バッファ状態報告(BSR)情報をeNBに送信するためのUL−SCHリソースを要求する目的でランダムアクセス手順(RACH手順)を開始する。ただし周期的なバッファ状態報告(BSR)を送信する場合、ユーザ機器はスケジューリング要求(SR)の送信をトリガーしないことに留意されたい。

さらには、特定のスケジューリングモードにおいてスケジューリング要求(SR)送信の機能強化が導入されており、送信グラントのための第1層/第2層制御シグナリングのオーバーヘッドを節約する目的で、リソースが所定の周期で永続的に(パーシステントに)割り当てられる(セミパーシステントスケジューリングSPS)と称される)。セミパーシステントスケジューリングの対象として主として考慮されるサービスの一例はVoIPである。トークスパート(talk-spurt)の間、コーデックにおいて20msごとにVoIPパケットが生成される。したがって、eNodeBは、アップリンクリソースまたはダウンリンクリソースを20msごとに永続的に(パーシステントに)割り当てることができ、これらのリソースを使用してVoIPパケットを送信することができる。一般的には、セミパーシステントスケジューリング(SPS)は、トラフィック挙動を予想できる(すなわちビットレートが一定であり、パケットの到着タイミングが周期的である)サービスにおいて恩恵がある。アップリンク方向にセミパーシステントスケジューリング(SPS)が設定される場合、eNodeBは、設定されている特定の論理チャネルについてスケジューリング要求(SR)のトリガリング/送信をオフにすることができ、すなわち、これら特定の設定されている論理チャネルにデータが到着することによってBSRがトリガーされても、スケジューリング要求(SR)がトリガーされない。この種類の機能強化の理由として、セミパーシステントに(半永続的に)割り当てられたリソースを使用する論理チャネル(VoIPパケットを伝える論理チャネル)のためのスケジューリング要求(SR)を送ることは、eNBのスケジューリングにおいて意味がなく、したがって回避すべきである。

バッファ状態報告(BSR)(特にバッファ状態報告のトリガー)に関するさらなる詳細については、非特許文献6(参照によって本明細書に組み込まれている)の5.4.5章に説明されている。

論理チャネルの優先順位付け

ユーザ機器は、複数の無線ベアラ間でのアップリンクリソースの共有を管理するアップリンク伝送速度制御機能を有する。以下では、このアップリンク伝送速度制御機能を論理チャネル優先順位付け手順とも称する。論理チャネル優先順位付け(LCP)手順は、新しい送信が行われるとき、すなわちトランスポートブロックを生成する必要があるときに、適用される。容量を割り当てるための提案されている1つの方式では、各ベアラが、それぞれの最小限のデータレートに相当する割当てを受け取るまで、優先順位の順序で各ベアラにリソースを割り当て、さらなる容量があれば、それを例えば優先順位の順序でベアラに割り当てる。

論理チャネル優先順位付け(LCP)手順についての後からの説明から明らかになるように、ユーザ機器に属する論理チャネル優先順位付け(LCP)手順は、IPの世界で周知であるトークンバケットモデルに基づいて実施される。トークンバケットモデルの基本的な機能は以下のとおりである。ある量のデータを送信する権利を表すトークンが、周期的に特定の速度でバケットに追加される。ユーザ機器にリソースが割り当てられると、バケットの中のトークンの数によって表される量までデータを送信することが許可される。ユーザ機器は、データを送信するとき、送信されるデータ量に相当する数のトークンを削除する。バケットが満杯である場合、それ以上のトークンは破棄される。トークンの追加に関して、このプロセスの反復周期はTTI毎であるものと想定できるが、トークンが1秒ごとに追加されるように、この周期を長くすることも容易である。基本的には、1msごとにトークンをバケットに追加する代わりに、1秒ごとに1000個のトークンを追加することもできる。以下では、リリース8において使用されている論理チャネル優先順位付け(LCP)手順について説明する。

論理チャネル優先順位付け(LCP)手順のさらなる詳細については、非特許文献7(参照によって本明細書に組み込まれている)の5.4.3.1章に説明されている。

RRCは、アップリンクデータのスケジューリングを、各論理チャネルごとのシグナリングによって制御する。このシグナリングにおいて、priority(優先順位)は、値が大きいほど、低い優先順位レベルを示す。prioritisedBitRateは、優先ビットレート(PBR:Prioritized Bit Rate)を設定する。bucketSizeDurationは、バケットサイズ期間(BSD:Bucket Size Duration)を設定する。優先ビットレートの背後にある発想は、リソース不足の発生を回避する目的で、(ビットレートが保証されない(非GBR)低優先順位のベアラを含めて)ベアラそれぞれに最小限のビットレートをサポートすることである。各ベアラは、少なくとも、優先ビットレート(PBR)を達成するための十分なリソースを取得する必要がある。

ユーザ機器は、論理チャネルjごとに変数Bjを維持する。Bjは、関連する論理チャネルが確立されるときに0に初期化され、TTIごとに積PBR×TTI時間長だけインクリメントされていく(PBRは論理チャネルjの優先ビットレート)。ただし、Bjの値はバケットサイズを超えることはできず、Bjの値が論理チャネルjのバケットサイズより大きくなると、Bjの値はバケットサイズに設定される。論理チャネルのバケットサイズは、優先ビットレート(PBR)×バケットサイズ期間(BSD)に等しく、優先ビットレート(PBR)およびバケットサイズ期間(BSD)は上位層によって設定される。

ユーザ機器は、新しい送信を実行するとき、以下の論理チャネル優先順位付け手順を実行する。
− ユーザ機器は、以下のステップで論理チャネルにリソースを割り当てる。
− ステップ1: Bj>0である論理チャネルすべてに、優先順位の順序の大きい順にリソースを割り当てる。無線ベアラの優先ビットレート(PBR)が「無限大」に設定されている場合、ユーザ機器は、その無線ベアラで送信可能な状態のデータすべてに対してリソースを割り当てた後、より低い優先順位の(1つまたは複数の)無線ベアラの優先ビットレート(PBR)を満たす。
− ステップ2: ユーザ機器は、ステップ1において論理チャネルjに使われたMACSDU合計サイズだけBjを減らす。

なおこの時点で、Bjの値が負にもなりうることに留意されたい。
− ステップ3:リソースが残っている場合、すべての論理チャネルに、(Bjの値には無関係に)優先順位の順序の厳密な降順でリソースを割り当て、その論理チャネルのデータがなくなる、またはアップリンクグラントが使い果たされる、のいずれかの状態になるまで、続ける。同じ優先順位に設定されている論理チャネルは、同等に割り当てるものとする。
− さらにユーザ機器は、上のスケジューリング手順時に以下の規則にも従う。
− RLCSDU(または一部分が送信されるSDUあるいは再送信されるRLCPDU)全体が、残っているリソースに収まる場合、ユーザ機器は、そのRLC SDU(または一部分が送信されるSDUあるいは再送信されるRLC PDU)を分割しないべきである。
− ユーザ機器は、論理チャネルからのRLC SDUを分割する場合、グラントができる限り使用されるようにセグメントのサイズを最大にする。
− ユーザ機器は、データの送信を最大限に行うべきである。

論理チャネル優先順位付け手順では、ユーザ機器は次の相対的な優先順位を降順に考慮する。
− C−RNTIのMAC制御要素またはUL−CCCHからのデータ
−バッファ状態報告(BSR)のMAC制御要素(パディングのために含まれるBSRを除く)
電力ヘッドルーム報告(PHR)のMAC制御要素
−論理チャネルからのデータ(UL−CCCHからのデータを除く)
− パディングのために含まれるバッファ状態報告(BSR)のMAC制御要素

キャリアアグリゲーション(前のセクションで説明した)の場合、ユーザ機器が1TTI中に複数のMACPDUを送信するように要求されたときには、ステップ1〜3および関連する規則を、各グラントに独立して適用する、またはグラントの容量の合計に適用することができる。さらに、グラントを処理する順序も、ユーザ機器の実装に委ねられる。ユーザ機器が1TTI中に複数のMAC PDUを送信するように要求されたときに、どのMAC PDUにMAC制御要素を含めるかの決定は、ユーザ機器の実装に委ねられる。

アップリンク電力制御

移動通信システムにおけるアップリンク送信電力制御は、重要な目的を持つ。アップリンク送信電力制御は、要求されるサービス品質(QoS)が達成されるようにビットあたり十分なエネルギを送信する必要性と、システムの別のユーザとの干渉を最小限にし、かつ移動端末のバッテリ寿命を最大にする必要性との間で、バランスをとる。この目的を達成する中で、電力制御(PC)の役割は、要求される信号対干渉雑音比(SINR)を提供すると同時に、隣接セルに引き起こされる干渉を制御するうえで極めて重要となる。アップリンクにおける古典的な電力制御方式の発想では、すべてのユーザが同じ信号対干渉雑音比(SINR)で受信する(完全な補償(full compensation)として知られている)。3GPPでは、これに代えて、LTEにおいて部分電力制御(FPC:Fractional Power Control)の使用を採用した。この新しい機能では、経路損失の大きいユーザは低い信号対干渉雑音比(SINR)要件で動作し、したがって多くの場合、隣接セルに引き起こされる干渉が小さい。

LTEでは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、およびサウンディング基準信号SRS)について、詳細な電力制御式が指定されている(非特許文献8の5.1節)。これらのアップリンク信号それぞれの電力制御式は、同じ基本原理に従う。いずれの場合も、電力制御式は、2つの主項、すなわちeNodeBによってシグナリングされる静的パラメータまたは半静的パラメータから導かれる、開ループ基本動作点と、サブフレームごとに更新される動的オフセット補正)、の合計と考えることができる。

リソースブロックあたりの送信電力を決めるための、開ループの基本動作点は、セル間干渉セル負荷など複数の要因に依存する。開ループの基本動作点は、さらに2つの成分として、半静的な基本レベルP0(セル内のすべてのユーザ機器の共通電力レベル測定単位dBm)とユーザ機器に固有なオフセットとからなる)と、開ループの経路損失補償の成分とに、分解することができる。リソースブロックあたりの電力の動的オフセットの部分は、さらに2つの成分として、使用される変調・符号化方式(MCS)に依存する成分と、明示的な送信電力制御(TPC:Transmitter Power Control)コマンドとに、分解することができる。

変調・符号化方式(MCS)に依存する成分(LTE仕様ではΔTFと称し、TFは「トランスポートフォーマット」を表す)は、リソースブロック(RB)あたりの送信電力を、送信される情報のデータレートに従って適合させることができる。

動的オフセットのもう1つの成分は、ユーザ機器に固有な送信電力制御(TPC)コマンドである。このコマンドは、2種類のモード、すなわち、累積TPC(accumulative TPC)コマンド(PUSCH、PUCCH、およびSRSに対して利用できる)と、絶対TPCコマンド(PUSCHに対してのみ利用できる)とにおいて、動作することができる。PUSCHに対するこれら2つのモードの間の切替えは、ユーザ機器ごとにRRCシグナリングによって半静的に設定される(すなわちモードを動的に変更することはできない)。累積TPCコマンドの場合、各TPCコマンドは、前のレベルを基準としたときの電力ステップをシグナリングする。

電力ヘッドルーム報告

eNodeBが複数のユーザ機器に対してアップリンク送信リソースを適切にスケジューリングすることを支援する目的で、ユーザ機器は、利用可能な電力ヘッドルームをeNodeBに報告できることが重要である。

eNodeBは、ユーザ機器が使用することのできる、サブフレームあたりのさらなるアップリンク帯域幅を、電力ヘッドルーム報告を使用して求めることができる。これは、リソースの無駄を回避する目的で、アップリンク送信リソースを使用できないユーザ機器にリソースが割り当てられることを回避する役割を果たす。

電力ヘッドルーム報告の範囲は、+40〜−23dBである。範囲の負の部分は、ユーザ機器が受信したアップリンクグラントによって、自身が利用できるよりも多くの送信電力が要求される場合に、電力の不足の程度をeNodeBにシグナリングすることができる。これにより基地局は、次のグラントのサイズを小さくすることができ、送信リソースが解放されて別のユーザ機器に割り当てられる。

電力ヘッドルーム報告は、ユーザ機器がアップリンク送信グラントを有するサブフレームにおいてのみ送ることができる。報告は、送られるサブフレームに関連する。電力ヘッドルーム報告をトリガーするための複数の基準として、以下が定義されている。
前回の電力ヘッドルーム報告以降に、推定される経路損失が大きく変化した
− 前回の電力ヘッドルーム報告以降に、設定されているよりも長い時間が経過した
− 設定されている数よりも多くの閉ループTPCコマンドがユーザ機器によって実施された

これらのトリガーそれぞれを制御するパラメータは、システムの負荷状況と、スケジューリングアルゴリズムの要件とに応じて、eNodeBが設定することができる。より具体的には、RRCが、2つのタイマーperiodicPHR−Timer(電力ヘッドルーム報告の周期タイマー)およびprohibitPHR−Timer(電力ヘッドルーム報告の禁止タイマー)を設定し、測定されたダウンリンク経路損失の変化を示すdl−PathlossChangeをシグナリングして電力ヘッドルーム報告をトリガーすることによって、電力ヘッドルーム報告を制御する。

電力ヘッドルーム報告は、MAC制御要素として送られる。このMAC制御要素は1オクテットからなり、上位の2ビットが予約されており、下位の6ビットが、上述した64dB値(1dB間隔)を表す。図7は、このMAC制御要素の構造を示している。

サブフレームiにおけるユーザ機器の有効な電力ヘッドルームPHは、次式によって定義される。

電力ヘッドルームは、範囲[40;−23]dB(1dB間隔)の中の最も近い値に丸められる。

PCMAXは、最大UE送信電力(送信電力)であり、PCMAX_L〜PCMAX_Hの所定の範囲内でユーザ機器によって選択される値である。



式中、PEMAXはネットワークによってシグナリングされる値である。

MPRは電力低減値であり、さまざまな変調方式および送信帯域幅に関連付けられるACLR(隣接チャネル漏洩電力比:Adjacent Channel Leakage Power Ratio)を制御するために使用される。

A・MPRは、追加最大電力低減である。この値は帯域に固有であり、ネットワークによって設定されるときに適用される。したがってPCMAXは、ユーザ機器の実装に固有であり、したがってeNBには認識されていない。

ΔTCに関するさらなる詳細については、非特許文献9(参照によって本明細書に組み込まれている)の6.2.5節に規定されている。

LTEの装置間(D2D)近傍サービス

近傍性に基づくアプリケーションおよびサービスは、ソーシャル技術の新しいトレンドである。識別される分野としては、事業者およびユーザにとって関心のある商用サービスおよび公共安全に関連するサービスが挙げられる。LTEに近傍サービス(ProSe)機能を導入することにより、3GPP業界は、この成長の見込まれる市場にサービスを提供することができると同時に、連係してLTEを使用するいくつかの公共安全コミュニティの緊急なニーズ応えることができる。

装置間(D2D)通信は、LTEリリース12における技術要素である。装置間(D2D)通信技術によって、セルラーネットワークに対するアンダーレイ下層)としてのD2Dにおいてスペクトル効率を高めることができる。例えば、セルラーネットワークがLTEである場合、データを伝えるすべての物理チャネルは、D2DシグナリングにおいてSC−FDMAを使用する。D2D通信では、ユーザ機器(UE)は、基地局を経由せずに、セルラーリソースを使用する直接的なリンクを通じて互いにデータ信号を送信する。図9は、D2D互換の通信システムにおける1つの可能なシナリオを示している。

LTEにおけるD2D通信

「LTEにおけるD2D通信」は、発見および通信という2つの分野に焦点をあてているが、本発明は、ほとんどが発見部分に関連する。

装置間(D2D)通信は、LTE−Aにおける技術要素である。D2D通信では、ユーザ機器は、基地局(BS)を経由せずに、セルラーリソースを使用して直接的なリンクを通じて互いにデータ信号を送信する。D2Dのユーザは、直接通信するが、基地局の制御下のままである(少なくともeNBのカバレッジ内であるとき)。したがってD2Dでは、セルラーリソースを再利用することによってシステムの性能を改善することができる。

D2Dは、アップリンクLTEスペクトル(FDDの場合)において動作する、またはカバレッジを提供しているセルのアップリンクサブフレーム(TDDの場合、ただしカバレッジ外のときを除く)において動作するものと想定する。さらに、D2D送信/受信では、与えられたキャリアにおける全二重を使用しない。個々のユーザ機器の観点からは、与えられたキャリアにおいて、D2D信号受信とLTEアップリンク送信とによる全二重を使用しない(すなわちD2D信号受信およびLTEアップリンク送信を同時に行うことはできない)。

D2D通信では、ユーザ機器1が送信の役割であるとき(送信側ユーザ機器)、ユーザ機器1がデータを送り、ユーザ機器2(受信側ユーザ機器)がそれを受信する。ユーザ機器1およびユーザ機器2は、送信の役割と受信の役割を変えることができる。ユーザ機器1からの送信は、1基または複数基のユーザ機器(ユーザ機器2など)によって受信することができる。

ユーザプレーンのプロトコルに関して、D2D通信に関連する合意内容(非特許文献10(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.2節)を以下に示す。
− PDCP:
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信データ(すなわちIPパケット)は、通常のユーザプレーンデータとして扱うべきである。
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信データには、PDCPにおけるヘッダ圧縮/圧縮解除を適用することができる。
・ 公共安全に関連するD2Dブロードキャスト動作では、PDCPにおけるヘッダ圧縮にUモードを使用する。
− RLC:
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信にはRLC UMを使用する。
セグメント化および再構築はRLC UMによって第2層においてサポートされる。
○受信側ユーザ機器は、送信側のピアユーザ機器あたり少なくとも1つのRLC UMエンティティを維持する必要がある。
○ 最初のRLC UMデータユニットを受信する前に受信機のRLC UMエンティティを設定する必要はない。
現時点では、ユーザプレーンデータを送信するD2D通信においてRLC AMまたはRLC TMの必要性は認識されていない。
− MAC:
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信ではHARQフィードバックを想定しない。
○ 受信側ユーザ機器は、受信機のRLC UMエンティティを識別する目的で送信元IDを認識する必要がある。
MACヘッダには、MAC層におけるパケットフィルタリングを可能にする第2層(L2)送信先IDが含まれる。
○ 第2層(L2)送信先IDは、ブロードキャストアドレスグループキャストアドレス、またはユニキャストアドレスとすることができる。
・ 第2層(L2)グループキャスト/ユニキャスト: MACヘッダにおいて伝えられる第2層(L2)送信先IDによって、受信されたRLC UMPDUを、たとえそれを受信機のRLCエンティティに渡す前であっても破棄することが可能となる。
・ 第2層(L2)ブロードキャスト: 受信側ユーザ機器は、すべての送信機からの受信されたすべてのRLC PDUを処理し、再構築してIPパケットを上位層に渡す。
○ MACサブヘッダには、(複数の論理チャネルを区別するための)論理チャネルID(LCID)が含まれる。
○ D2Dでは、少なくとも多重化/逆多重化、優先順位の処理、およびパディングが有用である。

リソース割当て

D2D通信におけるリソース割当てについては現在検討が進められており、非特許文献10(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.2.3節に、現時点での形式が記載されている。

送信側ユーザ機器の観点からは、ユーザ機器はリソース割当ての次の2つのモードで動作することができる。
− モード1: 直接データ(direct data)および直接制御情報(direct control information)を送信するためにユーザ機器によって使用される正確なリソースを、eNodeBまたはリリース10の中継ノードがスケジューリングする。
− モード2: 直接データおよび直接制御情報を送信するためのリソースを、ユーザ機器自身がリソースプールから選択する。

D2D通信に対応するユーザ機器は、カバレッジ内の場合にモード1を少なくともサポートする。D2D通信に対応するユーザ機器は、少なくともカバレッジ周縁部またはカバレッジ外の場合にモード2をサポートする。

カバレッジ内のユーザ機器およびカバレッジ外のユーザ機器は、D2D通信を受信するためにリソースプール(時間/周波数)を認識している必要がある。

すべてのユーザ機器(モード1(「スケジューリング式」)およびモード2(「自律的」))にリソースプール(時間/周波数)が提供され、ユーザ機器はリソースプールの中でスケジューリング割当ての受信を試みる

モード1では、ユーザ機器はeNodeBからの送信リソースを要求する。eNodeBは、スケジューリング割当ておよびデータを送信するための送信リソースをスケジューリングする。
− ユーザ機器は、スケジューリング要求(専用スケジューリング要求(D−SR)またはRACH手順)をeNodeBに送った後にバッファ状態報告(BSR)を送り、eNodeBは、ユーザ機器がD2D送信を実行しようとしていることと、必要なリソース量とを、そのバッファ状態報告(BSR)に基づいて求めることができる。
− モード1では、ユーザ機器は、D2D通信を送信するためにRRC接続されている必要がある。

モード2の場合、ユーザ機器にリソースプール(時間/周波数)が提供され、ユーザ機器は、D2D通信を送信するためのリソースをリソースプールから選択する。

図8は、オーバーレイ(LTE)およびアンダーレイ(D2D)における送信リソースおよび受信リソースを概略的に示している。ユーザ機器がモード1送信を適用するかモード2送信を適用するかは、eNodeBが制御する。ユーザ機器は、D2D通信を送信(または受信)することのできるリソースを認識すると、対応するリソースを、対応する送信/受信にのみ使用する。図8の例においては、D2Dサブフレームは、D2D信号を受信または送信する目的にのみ使用される。D2D装置としてのユーザ機器は、半二重モードで動作するため、任意の時点においてD2D信号の受信または送信のいずれかを行うことができる。同様に、同じ図8において、D2Dサブフレーム以外のサブフレームはLTE(オーバーレイ)の送信もしくは受信またはその両方に使用することができる。

D2D発見は、自身に関心のある、近傍における他のD2D対応装置を識別する手順/プロセスである。この目的のため、発見されることを望むD2D装置は、何らかの発見信号を(特定のネットワークリソースで)送り、その発見信号に関心のある受信側ユーザ機器が、このような送信側D2D装置を認識する。非特許文献10の8節には、D2D発見メカニズムに関する現時点における詳細が記載されている。

D2D発見

ProSe(近傍サービス)直接発見(ProSe Direct Discovery)は、ProSe対応ユーザ機器が、近傍の別の(1基または複数基の)ProSe対応ユーザ機器を、PC5インタフェースを介してE−UTRA直接無線信号を使用して発見するために使用される手順と定義されている。図10は、に記載されている、装置間の直接発見のためのPC5インタフェースを概略的に示している。

上位層は、発見情報アナウンスおよび監視の許可を処理する。この目的のため、ユーザ機器は、事前に定義された信号(発見信号と称する)を交換しなければならない。ユーザ機器は、必要なときに通信リンクを確立する目的で、発見信号を周期的にチェックすることによって、近傍のユーザ機器のリストを維持する。発見信号は、たとえ信号対雑音比(SNR)が低い環境においても高い信頼性で検出される必要がある。発見信号を周期的に送信することができるように、発見信号用のリソースを割り当てる必要がある。

ProSe直接発見には2つのタイプがあり、すなわちオープン型(open)と制限型(restricted)である。オープン型は、発見されるユーザ機器からの明示的な許可が必要ない場合であり、制限型の発見は、発見されるユーザ機器からの明示的な許可があるときにのみ行われる。

ProSe直接発見は、発見する側のユーザ機器におけるスタンドアロンのサービスイネーブラ(service enabler)とすることができ、このサービスイネーブラは、特定のアプリケーションにおいて、発見する側のユーザ機器が発見される側のユーザ機器からの情報を使用することを可能にする。ProSe直接発見において送信される情報は、一例として、「近くでタクシーを見つけて」、「コーヒーショップを見つけて」、「最寄り警察署を見つけて」などとすることができる。発見する側のユーザ機器は、ProSe直接発見を通じて、必要な情報を取得することができる。さらに、得られる情報に応じて、ProSe直接発見を使用して遠隔通信システムにおける以降の動作(例えばProSe直接通信を開始するなど)を行うことができる。

ProSe直接発見のモデル

ProSe直接発見は、いくつかの発見モデルに基づく。ProSe直接発見のモデルは、非特許文献11(参照によって本明細書に組み込まれている)の5.3.1.2節に以下のように定義されている。

モデルA(「私はここです」)

モデルAは、「私はここです」とも表され、なぜなら、アナウンスする側のユーザ機器が自身に関する情報(自身のProSeアプリケーションの識別情報やProSe UEの識別情報など)を発見メッセージの中でブロードキャストし、これにより自身の身元を明らかにし、自身が利用可能であることを通信システムの他の装置に伝えるためである。

モデルAによると、ProSe直接発見に関与しているProSe対応ユーザ機器の2つの役割が定義されている。ProSe対応ユーザ機器は、アナウンスする側のユーザ機器と監視する側のユーザ機器の機能を有することができる。アナウンスする側のユーザ機器は、発見の許可を有する近傍のユーザ機器が使用することのできる特定の情報をアナウンスする。監視する側のユーザ機器は、アナウンスする側のユーザ機器の近傍において、関心のある特定の情報を監視する。

このモデルでは、アナウンスする側のユーザ機器が、事前に定義される発見間隔で発見メッセージをブロードキャストし、これらのメッセージに関心のある監視する側のユーザ機器が、メッセージを読み取って処理する。

モデルB(「そこにいるのは誰ですか?」/「あなたはそこにいますか?」)

モデルBは、「そこにいるのは誰ですか?/あなたはそこにいますか?」と同等であり、なぜなら、発見する側のユーザ機器が、応答受け取りたい対象の別のユーザ機器に関する情報を送信するためである。送信される情報は、例えば、グループに対応するProSeアプリケーションIDに関する情報とすることができる。グループのメンバーは、この送信された情報に応答することができる。

このモデルによると、ProSe直接発見に関与しているProSe対応ユーザ機器の2つの役割が定義されており、すなわち発見する側のユーザ機器と発見される側のユーザ機器である。発見する側のユーザ機器は、自身が発見したい対象に関する特定の情報を含む要求を送信する。一方で、この要求メッセージを受信した発見される側のユーザ機器は、発見する側のユーザ機器の要求に関連する何らかの情報によって応答することができる。

発見情報の内容は、アクセス層(AS)に透過的であり、アクセス層(AS)は発見情報の内容を認識していない。したがってアクセス層では、ProSe直接発見のさまざまなモデルが区別されず、またProSe直接発見のタイプも区別されない。ProSeプロトコルは、アナウンスする有効な発見情報のみをアクセス層(AS)に渡す。

ユーザ機器は、eNBの設定によるRRC_IDLE状態およびRRC_CONNECTED状態の両方において、発見情報のアナウンスおよび監視に関与することができる。ユーザ機器は、半二重の制約を受ける発見情報をアナウンスおよび監視する。

発見のタイプ

D2D通信は、ネットワークによって制御する(この場合には直接送信(D2D)と従来のセルラーリンクとの間の切り替え通信事業者が管理する)、または、通信事業者の制御なしで直接リンクを装置によって管理することができる。D2Dでは、インフラストラクチャモードアドホック通信を組み合わせることができる。

一般的には、装置の発見は周期的に必要である。さらにD2D装置は、発見メッセージのシグナリングプロトコルを利用して装置の発見を実行する。例えば、D2D対応ユーザ機器が、自身の発見メッセージを送信することができ、別のD2D対応ユーザ機器がこの発見メッセージを受信し、この情報を使用して通信リンクを確立することができる。ハイブリッドネットワークの利点として、D2D装置がネットワークインフラストラクチャ通信範囲内でもある場合、eNBなどのネットワークエンティティが発見メッセージの送信や設定を追加的に支援することができる。発見メッセージの送信や設定をeNBによって調整/制御することは、D2Dのメッセージングと、そのeNBによって制御されているセルラートラフィックとの干渉が発生しないようにするうえでも重要である。さらには、たとえ装置のいくつかがネットワークカバレッジの範囲外である場合でも、カバレッジ内の装置がアドホック発見プロトコルを支援することができる。

説明においてさらに使用される専門用語を定義する目的で、少なくとも以下の2つのタイプの発見手順が定義されている。
− タイプ1:発見情報をアナウンスするためのリソースが特定のユーザ機器を対象とせずに割り当てられ、さらに以下を特徴とするリソース割当て手順。
○ 発見情報のアナウンスに使用されるリソースプールの設定をeNBがユーザ機器に提供する。設定はシステム情報ブロードキャスト(SIB)においてシグナリングすることができる。
○ ユーザ機器は、示されたリソースプールから(1つまたは複数の)無線リソースを自律的に選択し、発見情報をアナウンスする。
○ ユーザ機器は、各発見期間中、ランダムに選択される発見用リソースで発見情報をアナウンスすることができる。
− タイプ2: 発見情報をアナウンスするためのリソースが特定のユーザ機器を対象として割り当てられ、さらに以下を特徴とするリソース割当て手順。
○RRC_CONNECTEDモードにあるユーザ機器は、発見情報をアナウンスするためのeNBからのリソースをRRCを介して要求することができる。eNBはRRCを介してリソースを割り当てる。
○ リソースは、監視するユーザ機器に設定されるリソースプール内に割り当てられる。

タイプ2の手順によると、リソースは例えば発見信号の送信用にセミパーシステントに割り当てられる。

ユーザ機器がRRC_IDLEモードにある場合、eNBは以下のオプションの1つを選択することができる。
− eNBは、発見情報をアナウンスするためのタイプ1のリソースプールをシステム情報ブロードキャスト(SIB)において提供することができる。ProSe直接発見を許可されているユーザ機器は、RRC_IDLEモードにおいてこれらのリソースを使用して発見情報をアナウンスする。
− eNBは、自身がD2Dをサポートしているが、発見情報をアナウンスするためのリソースを提供しないことを、システム情報ブロードキャスト(SIB)において示すことができる。ユーザ機器は、発見情報をアナウンスするためのD2Dリソースを要求するためには、RRC_CONNECTEDモードに入る必要がある。

RRC_CONNECTED状態にあるユーザ機器については、ProSe直接発見のアナウンスを実行することが許可されているユーザ機器は、D2D発見のアナウンスの実行を望むことをeNBに知らせる。するとeNBは、そのユーザ機器がProSe直接発見のアナウンスを許可されているかを、MMEから受信したUEコンテキストを使用して確認する。

eNBは、発見情報のアナウンス用にタイプ1のリソースプールまたはタイプ2の専用リソースを使用するように、専用のRRCシグナリングを介してユーザ機器を設定することができる(またはリソースなし)。eNBによって割り当てられたリソースは、a)eNBがそのリソースをRRCシグナリングによって設定解除する(de-configure)まで、またはb)ユーザ機器がIDLEモードに入るまで、有効である。

RRC_IDLEモードおよびRRC_CONNECTEDモードにある受信側ユーザ機器は、許可されるタイプ1およびタイプ2の発見用リソースプールの両方を監視する。eNBは、発見情報を監視するために使用されるリソースプールの設定を、システム情報ブロードキャスト(SIB)において提供する。システム情報ブロードキャスト(SIB)は、隣接セルにおいてアナウンスするために使用される発見用リソースも含むことができる。

無線プロトコルのアーキテクチャ

図11は、ProSe直接発見のための無線プロトコルスタック(アクセス層(AS))を概略的に示している。

アクセス層(AS)は、上位層(ProSeプロトコル)とのインタフェースとして機能する。したがって、MAC層は上位層(ProSeプロトコル)から発見情報を受け取る。この場合、発見情報を送信するのにIP層は使用されない。さらに、アクセス層(AS)はスケジューリング機能を有し、すなわちMAC層は、上位層から受け取った発見情報をアナウンスするために使用するべき無線リソースを決定する。これに加えてアクセス層(AS)は、発見PDUを生成する機能を有し、すなわちMAC層は、発見情報を伝えるMAC PDUを構築し、そのMAC PDUを、決定した無線リソースにおいて送信できるように物理層に渡す。MACヘッダは追加されない。

ユーザ機器において、RRCプロトコルは、発見用リソースプールをMAC層に知らせる。さらにRRCは、送信用に割り当てられたタイプ2のリソースをMAC層に知らせる。MACヘッダの必要はない。発見に関するMACヘッダには、第2層においてフィルタリングを実行するときに基づくフィールドが含まれない。MACレベルにおいて発見メッセージをフィルタリングしても、上位層においてProSe UE IDやProSeアプリケーションIDに基づいてフィルタリングを実行することと比較して、処理量や電力が節約されるとは考えられない。受信側MAC層は、受け取った発見メッセージすべてを上位層に渡す。このときMAC層は、正しく受信されたメッセージのみを上位層に渡す。

以下では、発見メッセージが正しく受信されたかを第1層がMAC層に示すものと想定する。さらに、上位層は必ず有効な発見情報のみをアクセス層に渡すものと想定する。

D2Dシステムにおいて発見用リソースを割り当てる従来の解決策では、要求されたD2Dサービスに好適な方法でリソースを割り当てるのに適するリソースパターンまたはリソース設定を決定することができない。具体的には、D2D対応装置によって一般的なシグナリング手順に従って送信された情報に基づいて基地局がリソースを割り当てる場合、ユーザ機器が発見情報を完全にブロードキャストするには、送信リソースの期間が短すぎることがある。結果として、送信側ユーザ機器は再びリソースを要求する必要があり、これによりLTEシステムにおけるシグナリングオーバーヘッドが増大する。

さらに、例えば発見情報の内容に関する情報は、アクセス層(AS)に透過的である。したがってアクセス層では、ProSe直接発見のさまざまなモデルが区別されず、またProSe直接発見のタイプも区別されず、基地局では、発見送信のモデルと、発見用リソースを割り当てるための好ましい手順のタイプを決定するうえで有用な何らの情報も受信されない。

概要

D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求する通信装置に対して、D2Dリソース割当てを実行する方法及び基地局装置を提供する。基地局装置(eNB)は、D2Dリソース割当要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置(UE)から受信しS04、リソース要求はD2D発見アナウンスのための発見送信の数を示す。eNBは、要求メッセージに応じて、UEを対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つをD2D発見アナウンスのためのD2Dリソースとして選択しS05、第1のD2Dリソース又は第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージをUEに送信するS06、S08。

目的

LTEは、今後10年間にわたり、データおよびメディアの高速伝送ならびに大容量の音声サポートに要求されるキャリアを提供する

効果

実績

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請求項1

D2D発見アナウンスのためのD2Dリソース割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求はD2D発見アナウンスのための発見送信の数を示す、受信部と、前記要求メッセージに応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部と、前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する送信部と、を具備する基地局装置

請求項2

前記受信部は、前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースが割り当てられていないRRC_IDLEモードの前記通信装置からRRC接続の要求を受信する、請求項1に記載の基地局装置。

請求項3

前記受信部は、前記通信装置が前記D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースをもはや必要としないことを示す停止メッセージを受信する、請求項1に記載の基地局装置。

請求項4

前記通信装置が前記D2D発見アナウンスの送信を許可されている場合に、前記受信部は前記リソース要求を含む前記要求メッセージを受信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の基地局装置。

請求項5

前記リソース要求は、前記D2D発見アナウンスの送信データ量に関する情報を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の基地局装置。

請求項6

前記D2Dリソースは、複数の時間周波数リソースである、請求項1から5のいずれか一項に記載の基地局装置。

請求項7

前記D2D発見アナウンスは、受信側ユーザー端末の存在を発見するために前記通信装置から送信されるメッセージである、請求項1から6のいずれか一項に記載の基地局装置。

請求項8

前記リソース設定メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージによって通知される、請求項1から7のいずれか一項に記載の基地局装置。

請求項9

D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求はD2D発見アナウンスのための発見送信の数を示し、前記要求メッセージに応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択し、前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する、通信方法

請求項10

前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースが割り当てられていないRRC_IDLEモードの前記通信装置からRRC接続の要求を受信する、請求項9に記載の通信方法。

請求項11

前記通信装置が前記D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースをもはや必要としないことを示す停止メッセージを受信する、請求項9に記載の通信方法。

請求項12

前記通信装置が前記D2D発見アナウンスの送信を許可されている場合に、前記リソース要求を含む前記要求メッセージを受信する、請求項9から11のいずれか一項に記載の通信方法。

請求項13

前記リソース要求は、前記D2D発見アナウンスの送信データ量に関する情報を含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の通信方法。

請求項14

前記D2Dリソースは、複数の時間周波数リソースである、請求項9から13のいずれか一項に記載の通信方法。

請求項15

前記D2D発見アナウンスは、受信側ユーザー端末の存在を発見するために前記通信装置から送信されるメッセージである、請求項9から14のいずれか一項に記載の通信方法。

請求項16

前記リソース設定メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージによって通知される、請求項9から15のいずれか一項に記載の通信方法。

請求項17

D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求はD2D発見アナウンスのための発見送信の数を示す、処理と、前記要求メッセージに応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する処理と、前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する処理と、を制御する集積回路

技術分野

0001

本発明は、装置間通信システムにおいて発見情報を送信するためのリソース割当てを実行する装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、装置間通信システムにおいて動作することができ、かつ本発明の方法を実行することができるユーザ機器、にさらに関する。

背景技術

0003

WCDMA登録商標無線アクセス技術ベースとする第3世代の移動通信システム(3G)は、世界中で広範な規模配備されつつある。この技術を機能強化または発展進化させるうえでの最初のステップとして、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)と、エンハンスアップリンク高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)とも称する)とが導入され、これにより、極めて競争力の高い無線アクセス技術が提供されている。

0004

ユーザからのますます増大する需要に対応し、新しい無線アクセス技術に対する競争力を確保する目的で、3GPPは、ロングタームエボリューション(LTE)と称される新しい移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間にわたり、データおよびメディア高速伝送ならびに大容量の音声サポートに要求されるキャリアを提供するように設計されている。高いビットレートを提供する能力は、LTEにおける重要な方策である。

0005

LTE(ロングタームエボリューション)に関する作業項目(WI)の仕様は、E−UTRA(Evolved UMTSTerrestrial Radio Access(UTRA):進化したUMTS地上無線アクセス)およびE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN):進化したUMTS地上無線アクセスネットワーク)と称され、最終的にリリース8(LTEリリース8)として公開される。LTEシステムは、パケットベースの効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークであり、IPベースの全機能を低遅延かつ低コストで提供する。詳細なシステム要件については、非特許文献1に記載されている。LTEでは、与えられたスペクトルを用いてフレキシブルなシステム配備を達成するために、スケーラブルな複数の送信帯域幅(例えば、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、および20.0MHz)が指定されている。ダウンリンクには、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、かかる無線アクセスは、低いシンボルレートのため本質的にマルチパス干渉(MPI)を受けにくく、また、サイクリックプレフィックス(CP)を使用しており、さらに、さまざまな送信帯域幅の構成に対応可能だからである。アップリンクには、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access:シングルキャリア周波数分割多元接続)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、ユーザ機器(UE)の送信出力が限られていることを考えれば、ピークデータレートを向上させるよりも広いカバレッジエリアを提供することが優先されるからである。リリース8のLTEでは、数多くの主要なパケット無線アクセス技術(例えば、MIMO(多入力多出力チャネル伝送技術)が採用され、高効率の制御シグナリング構造が達成されている。

0006

E−UTRANのアーキテクチャ

0007

図1は、LTEの全体的なアーキテクチャを示し、図2は、E−UTRANのアーキテクチャをより詳細に示している。E−UTRANは、1基または複数基のeNodeBから構成され、eNodeBは、UE向けの、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーンRRC)のプロトコル終端処理する。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)レイヤ媒体アクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤ(これらのレイヤはユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含む)をホストする。eNBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理アドミッション制御スケジューリング交渉によるアップリンクサービス品質(UL QoS)の実施、セル情報ブロードキャストユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化/復号化、ダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダ圧縮復元など、多くの機能を実行する。複数のeNodeBは、X2インタフェースによって互いに接続されている。

0008

また、複数のeNodeBは、S1インタフェースによってEPC(Evolved Packet Core:進化したパケットコア)、より具体的には、S1−MMEによってMME(Mobility Management Entity:移動管理エンティティ)、S1−Uによってサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続されている。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多関係をサポートする。SGWは、ユーザデータパケットルーティングして転送する一方で、eNodeB間のハンドオーバー時におけるユーザプレーンのモビリティアンカーとして機能し、さらに、LTEと別の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカー(S4インタフェースを終端させ、2G/3GシステムとPDN GWとの間でトラフィック中継する)として機能する。SGWは、アイドル状態のユーザ機器に対しては、ダウンリンクデータ経路を終端させ、そのユーザ機器へのダウンリンクデータが到着したときにページングトリガーする。SGWは、ユーザ機器のコンテキスト(例えばIPベアラサービスパラメータネットワーク内部ルーティング情報)を管理および格納する。さらに、SGWは、合法傍受(lawful interception)の場合にユーザトラフィックの複製を実行する。

0009

MMEは、LTEのアクセスネットワークの主要な制御ノードである。MMEは、アイドルモードのユーザ機器の追跡およびページング手順再送信を含む)の役割を担う。MMEは、ベアラアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、さらには、最初のアタッチ時と、コアネットワーク(CN)ノード再配置を伴うLTE内ハンドオーバー時とに、ユーザ機器のSGWを選択する役割も担う。MMEは、(HSS対話することによって)ユーザを認証する役割を担う。非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングはMMEにおいて終端され、MMEは、一時的なIDを生成してユーザ機器に割り当てる役割も担う。MMEは、サービスプロバイダ公衆陸上移動網PLMN:Public Land Mobile Network)に入るためのユーザ機器の認証をチェックし、ユーザ機器のローミング制約を実施する。MMEは、NASシグナリングの暗号化/完全性保護においてネットワーク内の終端点であり、セキュリティキーの管理を行う。シグナリングの合法傍受も、MMEによってサポートされる。さらに、MMEは、LTEのアクセスネットワークと2G/3Gのアクセスネットワークとの間のモビリティのための制御プレーン機能を提供し、SGSNからのS3インタフェースを終端させる。さらに、MMEは、ローミングするユーザ機器のためのホームHSSに向かうS6aインタフェースを終端させる。

0010

LTEにおけるコンポーネントキャリア構造

0011

3GPPLTEシステムのダウンリンクコンポーネントキャリアは、いわゆるサブフレームにおける時間−周波数領域でさらに分割される。3GPPLTEで、各サブフレームは、図3に示すように2つのダウンリンクスロットに分割され、そこにおいて、第1のダウンリンクスロットは、第1のOFDMシンボル内の制御チャネル領域PDCCH領域)を備える。各サブフレームは、時間領域内の所与の数のOFDMシンボルで構成され(3GPP LTE(リリース8)では12個または14個のOFDMシンボル)、各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に広がる。したがって、OFDMシンボルは、各々、図4にも示すように、NDLRB×NRBsc個のそれぞれのサブキャリアで送信されるいくつかの変調シンボルで構成される。

0012

例えば3GPPロングタームエボリューション(LTE)において使用されるような、例えばOFDMを使用する、マルチキャリア通信システムを想定すると、スケジューラによって割り当てることができるリソース最小単位は、1つの「リソースブロック」である。物理リソースブロックは、図4に例示されるように時間領域におけるNDLsymb個の連続するOFDMシンボルおよび周波数領域におけるNRBsc個の連続するサブキャリアとして定義される。したがって、3GPP LTE(リリース8)では、物理リソースブロックは、時間領域における1つのスロットおよび周波数領域における180kHzに対応する、NDLsymb×NRBsc個のリソース要素で構成される(ダウンリンクリソースグリッドについてさらに詳しくは、例えば、3GPPのウェブサイト入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている、非特許文献2の6.2節を参照)。

0013

「コンポーネントキャリア」という用語は、いくつかのリソースブロックの組合せを示す。LTEの将来のリリースでは、「コンポーネントキャリア」という用語はもはや使用されず、その代わりに、その専門用語はダウンリンクおよびオプションアップリンクリソースの組合せを示す「セル」に変更される。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との間のリンク付けは、ダウンリンクリソースで送信されるシステム情報において指示される。

0014

LTEのさらなる発展(LTE−A)

0015

世界無線通信会議2007(WRC−07)において、IMT−Advancedの周波数スペクトルが決定された。IMT−Advancedのための全体的な周波数スペクトルは決定されたが、実際に利用可能な周波数帯域幅は、地域や国によって異なる。しかしながら、利用可能な周波数スペクトルのアウトラインの決定に続いて、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)において無線インタフェース標準化が開始された。3GPPでは、3GPP TSG RAN #39会合において、「Further Advancements for E-UTRA (LTE-Advanced)」に関する検討項目記述承認された。この検討項目は、E−UTRAを進化・発展させるうえで(例えば、IMT−Advancedの要求条件を満たすために)考慮すべき技術要素カバーしている。以下では、LTE−Aを対象として現在検討されている2つの重要な技術要素について説明する。

0016

より広い帯域幅をサポートするためのLTE−Aにおけるキャリアアグリゲーション

0017

LTEアドバンストシステムがサポートすることができる帯域幅は100MHzであり、一方、LTEシステムは20MHzのみをサポートすることができる。今日、無線スペクトル欠如ワイヤレスネットワークの開発のボトルネックになり、結果として、LTEアドバンストシステムのために十分広いスペクトル帯域を見つけることは困難である。したがって、より広い無線スペクトル帯域を獲得するための方法を見つけることは急務であり、ここにおいて、可能性のある答えは、キャリアアグリゲーション機能である。

0018

キャリアアグリゲーションでは、最大で100MHzの広い送信帯域幅をサポートする目的で、2つ以上のコンポーネントキャリア(CC)がアグリゲートされる。LTE−Advancedシステムでは、LTEシステムにおけるいくつかのセルが、より広い1つのチャネルにアグリゲートされ、このチャネルは、たとえLTEにおけるこれらのセルが異なる周波数帯域である場合でも100MHzに対して十分に広い。ユーザ機器は、次のように自身の能力に応じて1つまたは複数のコンポーネントキャリア(CC)を同時に受信または送信することができる。
− キャリアアグリゲーション(CA)のための受信能力もしくは送信能力またはその両方を備えた、リリース10のユーザ機器は、複数のサービングセルに対応する複数のコンポーネントキャリア(CC)上で同時に受信する、もしくは送信する、またはその両方を行うことができる。
−LTEリリース8/9のユーザ機器は、1つのみのサービングセルに対応する1つのコンポーネントキャリア(CC)上で受信し、1つのコンポーネントキャリア(CC)上で送信することができる。

0019

キャリアアグリゲーション(CA)は、連続するコンポーネントキャリアおよび不連続なコンポーネントキャリアの両方についてサポートされ、各コンポーネントキャリアは、リリース8/9の計算方式(numerology)を使用するとき周波数領域における最大110個のリソースブロックに制限される。

0020

同じeNBから送信される、場合によってはアップリンクおよびダウンリンクにおいて異なる帯域幅の異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲートするように、ユーザ機器を設定することが可能である。

0021

同じeNodeB(基地局)から送信される、場合によってはアップリンクおよびダウンリンクにおいて異なる帯域幅の異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲートするように、3GPPLTE−A(リリース10)互換のユーザ機器を構成することが可能である。設定することのできるダウンリンクコンポーネントキャリアの数は、ユーザ機器のダウンリンクのアグリゲーション能力に依存する。逆に、設定することのできるアップリンクコンポーネントキャリアの数は、ユーザ機器のアップリンクのアグリゲーション能力に依存する。ダウンリンクコンポーネントキャリアよりもアップリンクコンポーネントキャリアが多くなるように移動端末を構成することはできない。

0022

一般的なTDD配備では、コンポーネントキャリアの数および各コンポーネントキャリアの帯域幅は、アップリンクとダウンリンクとで同じである。同じeNodeBから送信されるコンポーネントキャリアは、必ずしも同じカバレッジを提供する必要はない。

0023

コンポーネントキャリアは、LTEリリース8/9互換である。しかしながら、リリース8/9のユーザ機器がコンポーネントキャリアにキャンプオンすることを回避するため、既存のメカニズム(例:バーリング)を使用することができる。

0024

連続的にアグリゲートされるコンポーネントキャリアの中心周波数の間隔は、300kHzの倍数である。これは、3GPPLTE(リリース8/9)の100kHzの周波数ラスターとの互換性を保つと同時に、15kHz間隔のサブキャリアの直交性を維持するためである。アグリゲーションシナリオによっては、連続するコンポーネントキャリアの間に少数の使用されないサブキャリアを挿入することによって、n×300kHzの間隔あけを容易にすることができる。

0025

複数のキャリアをアグリゲートする影響は、MAC層に及ぶのみである。MAC層には、アップリンクおよびダウンリンクの両方において、アグリゲートされるコンポーネントキャリアごとに1つのHARQエンティティが要求される。コンポーネントキャリアあたりのトランスポートブロックは最大1個である(アップリンクにおけるSU−MIMOを使用しない場合)。トランスポートブロックおよびそのHARQ再送信(発生時)は、同じコンポーネントキャリアにマッピングする必要がある。

0026

図5および図6は、それぞれ、ダウンリンクおよびアップリンクにおける、キャリアアグリゲーションが設定された第2層構造を示している。MACと第1層との間にトランスポートチャネルが存在し、MACとRLCとの間に論理チャネルが存在する。

0027

キャリアアグリゲーション(CA)が設定されているとき、ユーザ機器はネットワークとの1つのRRC接続を有するのみである。RRC接続の確立/再確立/ハンドオーバー時、1つのサービングセルが、非アクセス層モビリティ情報(例:トラッキングエリア識別子(TAI))を提供し、RRC接続の再確立/ハンドオーバー時、1つのサービングセルがセキュリティ入力を提供する。このセルは、プライマリセル(PCell)と称される。PCellに対応するキャリアは、ダウンリンクではダウンリンクプライマリコンポーネントキャリア(DL PCC)であり、アップリンクではアップリンクプライマリコンポーネントキャリア(UL PCC)である。

0028

ユーザ機器の能力に応じて、セカンダリセル(SCell)を、PCellとの組合せにおいてサービングセルのセットを形成するように設定することができる。SCellに対応するキャリアは、ダウンリンクではダウンリンクセカンダリコンポーネントキャリア(DL SCC)であり、アップリンクではアップリンクセカンダリコンポーネントキャリア(UL SCC)である。

0029

したがって、ユーザ機器に対して設定されるサービングセルのセットは、つねに、1つのPCellと1つまたは複数のSCellとからなる。
− 各SCellごとに、ダウンリンクリソースに加えてアップリンクリソースのユーザ機器による使用を設定することができる。したがって、設定されるDL SCCの数はUL SCCの数よりもつねに大きいかまたは等しく、アップリンクリソースのみを使用するようにSCellを設定することはできない。
− ユーザ機器の観点からは、各アップリンクリソースは1つのサービングセルにのみ属する。
− 設定することができるサービングセルの数は、UEのアグリゲーション能力によって決まる。
− PCellは、ハンドオーバー手順(すなわちセキュリティキー変更およびRACH手順)によってのみ変更することができる。
− PCellは、PUCCHの送信に使用される。
− PCellは、SCellとは異なり非アクティブ化することができない。
− PCellにおいてレイリーフェージング(RLF)が発生すると再確立がトリガーされるが、SCellにレイリーフェージング(RLF)が発生しても再確立はトリガーされない。
− 非アクセス層(NAS)情報はダウンリンクPCellから取得される。

0030

コンポーネントキャリアの設定および再設定は、RRCによって行うことができる。アクティブ化および非アクティブ化は、MAC制御要素を介して行われる。LTE内ハンドオーバー時、RRCによって、ターゲットセルで使用するためのSCellを追加、削除、または再設定することもできる。SCellの再設定、追加、および削除は、RRCによって実行することができる。LTE内ハンドオーバー時、さらに、移動先セルにおけるPCellと一緒に使用するSCellの追加、削除、または再設定を、RRCによって実行することができる。新しいSCellを追加するときには、そのSCellの必要なすべてのシステム情報を送るために専用のRRCシグナリングが使用され(接続モード時)、ユーザ機器は、ブロードキャストされるシステム情報をSCellから直接取得する必要がない。

0031

キャリアアグリゲーションを使用するようにユーザ機器が構成されているとき、アップリンクコンポーネントキャリアとダウンリンクコンポーネントキャリアの一対がつねにアクティブである。この対のうちのダウンリンクコンポーネントキャリアは、「ダウンリンクアンカーキャリア」と称されることもある。同じことはアップリンクについてもあてはまる

0032

キャリアアグリゲーションが設定されているとき、同時に複数のコンポーネントキャリアについてユーザ機器をスケジューリングすることができるが、一度に行うことのできるランダムアクセス手順は最大で1つである。クロスキャリアスケジューリング(cross-carrier scheduling)では、コンポーネントキャリアのPDCCHによって別のコンポーネントキャリアのリソースをスケジューリングすることができる。この目的のため、それぞれのDCIフォーマットにコンポーネントキャリア識別フィールド(「CIF」と称する)が導入されている。

0033

クロスキャリアスケジューリングが行われていないときには、アップリンクコンポーネントキャリアとダウンリンクコンポーネントキャリアとをリンクすることによって、グラントが適用されるアップリンクコンポーネントキャリアを識別することができる。アップリンクコンポーネントキャリアへのダウンリンクコンポーネントキャリアのリンクは、必ずしも1対1である必要はない。言い換えれば、同じアップリンクコンポーネントキャリアに複数のダウンリンクコンポーネントキャリアをリンクすることができる。一方で、1つのダウンリンクコンポーネントキャリアは、1つのアップリンクコンポーネントキャリアのみにリンクすることができる。

0034

LTEにおけるRRC状態

0035

以下では、LTEにおける2つの主たる状態である「RRC_IDLE」および「RRC_CONNECTED」を中心に説明する。

0036

RRC_IDLEモードでは、無線は有効ではないが、ネットワークによってIDが割り当てられて追跡されている。より具体的には、RRC_IDLEモードの移動端末は、セルの選択および再選択を実行する(言い換えれば、キャンプオンするセルを決定する)。セルの(再)選択プロセスでは、適用可能な無線アクセス技術(RAT)それぞれの適用可能な各周波数の優先順位無線リンクの品質、およびセルのステータス(すなわちセルが禁止または予約されているか)が考慮される。RRC_IDLEモードの移動端末は、ページングチャネル監視して着呼を検出し、さらにシステム情報を取得する。システム情報は、主として、ネットワーク(E−UTRAN)がセルの(再)選択プロセスを制御することのできるパラメータからなる。RRCは、RRC_IDLEモードの移動端末に適用される制御シグナリング、すなわちページングおよびシステム情報を指定する。RRC_IDLEモードにおける移動端末の挙動については、非特許文献3(参照によって本明細書に組み込まれている)の例えば8.4.2節に規定されている。

0037

RRC_CONNECTED状態では、移動端末は、eNodeBとのアクティブな無線動作を有する。E−UTRANでは、共有データチャネルを介して(ユニキャスト)データを伝送することができるように、移動端末に無線リソースが割り当てられる。この動作をサポートするため、移動端末は、時間および周波数の共有送信リソースの動的な割当てを示すために使用される対応する制御チャネルを監視する。移動端末は、E−UTRANが移動端末にとって最適なセルを選択できるように、自身のバッファ状態およびダウンリンクチャネル品質報告と、隣接セル測定情報とを、ネットワークに提供する。これらの測定報告には、別の周波数や無線アクセス技術(RAT)を使用するセルが含まれる。さらに、ユーザ機器は、送信チャネルを使用するために要求される情報から主として構成されるシステム情報を受信する。RRC_CONNECTED状態のユーザ機器は、自身のバッテリ寿命延ばすため、不連続受信(DRX)サイクルを使用するように構成することができる。RRCとは、RRC_CONNECTED状態のユーザ機器の挙動をE−UTRANが制御するためのプロトコルである。

0038

論理チャネルおよびトランスポートチャネル

0039

MAC層は、論理チャネルを通じてRLC層データ伝送サービスを提供する。論理チャネルは、RRCシグナリングなどの制御データを伝える制御論理チャネル、またはユーザプレーンデータを伝えるトラフィック論理チャネルのいずれかである。ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)、ページング制御チャネル(PCCH)、共通制御チャネル(CCCH)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、および専用制御チャネル(DCCH)は、制御論理チャネルである。専用トラフィックチャネル(DTCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、トラフィック論理チャネルである。

0040

MAC層からのデータは、トランスポートチャネルを通じて物理層交換される。データは、無線送信方式に応じてトランスポートチャネル内に多重化される。トランスポートチャネルは、次のようにダウンリンクまたはアップリンクとして分類される。ブロードキャストチャネル(BCH)、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)、ページングチャネル(PCH)、およびマルチキャストチャネルMCH)は、ダウンリンクトランスポートチャネルであり、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)およびランダムアクセスチャネル(RACH)は、アップリンクトランスポートチャネルである。

0041

ダウンリンクおよびアップリンクそれぞれにおいて、論理チャネルとトランスポートチャネルの間で多重化が実行される。

0042

第1層/第2層(L1/L2)制御シグナリング

0043

スケジューリング対象のユーザに、ユーザの割当てステータス、トランスポートフォーマット、およびその他のデータ関連情報(例:HARQ情報送信電力制御TPC)コマンド)を知らせる目的で、第1層/第2層制御シグナリングがデータと一緒にダウンリンクで送信される。第1層/第2層制御シグナリングは、サブフレーム内にダウンリンクデータと一緒に多重化される(ユーザ割当てがサブフレーム単位で変化しうるものと想定する)。なお、ユーザ割当てをTTI(送信時間間隔)ベースで実行することもでき、その場合、TTI長はサブフレームの倍数であることに留意されたい。TTI長は、サービスエリアにおいてすべてのユーザに対して一定とする、ユーザ毎に異なる、あるいはユーザ毎に動的とすることもできる。第1層/第2層制御シグナリングは、一般的にはTTIあたり1回送信するのみでよい。

0044

第1層/第2層制御シグナリングは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で送信される。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)としてメッセージを伝え、このメッセージには、移動端末またはユーザ機器のグループリソース割当て情報およびその他の制御情報が含まれる。一般的には、いくつかのPDCCHを1つのサブフレーム内で送信することができる。

0045

なお、3GPPLTEでは、アップリンクデータ送信のための割当て(アップリンクスケジューリンググラントまたはアップリンクリソース割当てとも称する)も、PDCCHで送信されることに留意されたい。

0046

スケジューリンググラントに関連して、第1層/第2層制御シグナリングで送られる情報は、次の2つのカテゴリ、すなわち、カテゴリ1の情報を伝える共有制御情報(SCI:Shared Control Information)と、カテゴリ2/3の情報を伝えるダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に分けることができる。

0047

カテゴリ1の情報を伝える共有制御情報(SCI)

0048

第1層/第2層制御シグナリングの共有制御情報部分は、リソース割当て(指示)に関連する情報を含む。共有制御情報は、一般には以下の情報を含む。
−リソースが割り当てられるユーザを示すユーザ識別情報
− ユーザに割り当てられるリソース(リソースブロック(RB))を示すリソースブロック(RB)割当て情報。割り当てられるリソースブロックの数は動的とすることができる。
−割当ての持続時間(オプション)(複数のサブフレーム(またはTTI)にわたる割当てが可能である場合)。

0049

これらに加えて、共有制御情報は、他のチャネルの設定およびダウンリンク制御情報(DCI)の設定(以下を参照)に応じて、アップリンク送信に対するACK/NACK、アップリンクスケジューリング情報、DCIに関する情報(例:リソース、変調符号化方式(MCS))などの情報を含むことができる。

0050

カテゴリ2/3の情報を伝えるダウンリンク制御情報(DCI)

0051

第1層/第2層制御シグナリングのダウンリンク制御情報の部分は、カテゴリ1の情報によって示されるスケジューリング対象のユーザに送信されるデータの送信フォーマットに関連する情報(カテゴリ2の情報)を含む。さらに、再送信プロトコルとして(ハイブリッド)ARQを使用する場合、カテゴリ2の情報は、HARQ(カテゴリ3)情報を伝える。ダウンリンク制御情報は、カテゴリ1に従ってスケジューリングされるユーザによって復号されるのみでよい。ダウンリンク制御情報は、一般には以下に関する情報を含む。
− カテゴリ2の情報:変調方式、トランスポートブロック(ペイロード)サイズまたは符号化率、MIMO(多入力多出力)に関連する情報など。トランスポートブロック(もしくはペイロードサイズ)または符号化率のいずれかをシグナリングすることができる。いずれの場合も、これらのパラメータは、変調方式情報およびリソース情報(割り当てられたリソースブロックの数)を使用することによって相互に計算することができる。
− カテゴリ3の情報: HARQに関連する情報(例えば、ハイブリッドARQプロセス番号、冗長バージョン、再送信シーケンス番号)

0052

ダウンリンク制御情報は、全体のサイズと、フィールドに含まれる情報とが異なるいくつかのフォーマットの形をとる。LTEにおいて現在定義されている異なるDCIフォーマットを以下に示し、また非特許文献4(3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)の5.3.3.1節に詳しく記載されている。

0053

フォーマット0:DCIフォーマット0は、PUSCHのためのリソースグラントを送信する目的で使用される。

0054

DCIフォーマットと、DCIにおいて送信される具体的な情報に関するさらなる詳細については、技術規格、または非特許文献5(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.3章を参照されたい。

0055

ダウンリンクデータおよびアップリンクデータの送信

0056

ダウンリンクデータ送信に関して、第1層/第2層制御シグナリングは、ダウンリンクパケットデータ送信と一緒に、個別の物理チャネル(PDCCH)で送信される。この第1層/第2層制御シグナリングは、一般には以下に関する情報を含む。
− データが送信される(1つまたは複数の)物理リソース(例えば、OFDMの場合のサブキャリアまたはサブキャリアブロック、CDMAの場合の符号)。移動端末(受信機)は、データが送信されるリソースをこの情報によって識別することができる。
−ユーザ機器が、第1層/第2層制御シグナリングにおけるキャリア指示フィールド(CIF:Carrier Indication Field)を有するように構成されているとき、この情報は、その特定の制御シグナリング情報が対象とするコンポーネントキャリアを識別する。これにより、1つのコンポーネントキャリアを対象とする割当てを別のコンポーネントキャリアで送ることが可能になる(「クロスキャリアスケジューリング」)。クロススケジューリングされる側のキャリアは、例えば、PDCCHが含まれないコンポーネントキャリアとすることができ、すなわち、クロススケジューリングされる側のコンポーネントキャリアは、第1層/第2層制御シグナリングを伝えない。
− 送信に使用されるトランスポートフォーマット。例えば、データのトランスポートブロックサイズ(ペイロードサイズ、情報ビットサイズ)、MCS(変調・符号化方式)レベルスペクトル効率、符号化率などが挙げられる。ユーザ機器(受信機)は、復調、デ・レートマッチング(de-rate-matching)、および復号のプロセスを開始する目的で、情報ビットサイズ、変調方式、および符号化率を、この情報(通常はリソース割当て(例えばユーザ機器に割り当てられるリソースブロックの数)と組み合わせる)によって識別することができる。変調方式は明示的にシグナリングすることができる。
−ハイブリッドARQ(HARQ)情報:
HARQプロセス番号: ユーザ機器は、データがマッピングされているハイブリッドARQプロセスを識別することができる。
・シーケンス番号または新規データインジケータ(NDI): ユーザ機器は、送信が新しいパケットであるか再送信されたパケットであるかを識別することができる。HARQプロトコルにおいて軟合成が実施される場合、シーケンス番号または新規データインジケータとHARQプロセス番号とを組み合わせることで、復号の前にPDUのための送信の軟合成が可能である。
・冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方: それぞれ、使用されているハイブリッドARQ冗長バージョン(デ・レートマッチングに必要である)、および、使用されている変調コンステレーションバージョン(復調に必要である)を、ユーザ機器に知らせる。
− ユーザ機器の識別情報(UE ID): 第1層/第2層制御シグナリングの対象であるユーザ機器を知らせる。一般的な実装においては、この情報は、制御情報が別のユーザ機器に読み取られることを防止する目的で、第1層/第2層制御シグナリングのCRCマスクするために使用される。

0057

アップリンクパケットデータ送信を可能にする目的で、送信の詳細をユーザ機器に知らせるため、第1層/第2層制御シグナリングがダウンリンク(PDCCH)で送信される。この第1層/第2層制御シグナリングは、一般には以下に関する情報を含む。
− ユーザ機器がデータ送信に使用するべき(1つまたは複数の)物理リソース(例えば、OFDMの場合のサブキャリアまたはサブキャリアブロック、CDMAの場合の符号)。
− ユーザ機器が、第1層/第2層制御シグナリングにおいてキャリア指示フィールド(CIF)を有するように構成されているとき、この情報は、その特定の制御シグナリング情報が対象とするコンポーネントキャリアを識別する。これにより、1つのコンポーネントキャリアを対象とする割当てを別のコンポーネントキャリアで送ることが可能になる。クロススケジューリングされる側のキャリアは、例えば、PDCCHが含まれないコンポーネントキャリアとすることができ、すなわち、クロススケジューリングされる側のコンポーネントキャリアは、第1層/第2層制御シグナリングを伝えない。
アップリンクグラントの第1層/第2層制御シグナリングは、アップリンクコンポーネントキャリアにリンクされているダウンリンクコンポーネントキャリアで送られる、または、いくつかのダウンリンクコンポーネントキャリアが同じアップリンクコンポーネントキャリアにリンクされている場合、いくつかのダウンリンクコンポーネントキャリアのうちの1つで送られる。
− ユーザ機器が送信に使用するべきトランスポートフォーマット。例えば、データのトランスポートブロックサイズ(ペイロードサイズ、情報ビットサイズ)、MCS(変調・符号化方式)レベル、スペクトル効率、符号化率などが挙げられる。ユーザ機器(送信機)は、変調、レートマッチング、および符号化のプロセスを開始する目的で、情報ビットサイズ、変調方式、および符号化率を、この情報(通常はリソース割当て(例えばユーザ機器に割り当てられるリソースブロックの数)と組み合わせる)によって取得することができる。場合によっては、変調方式を明示的にシグナリングすることができる。
−ハイブリッドARQ情報:
・HARQプロセス番号: データの取得先のハイブリッドARQプロセスをユーザ機器に知らせる。
・シーケンス番号または新規データインジケータ: 新しいパケットを送信するのか、あるいはパケットを再送信するのかをユーザ機器に知らせる。HARQプロトコルにおいて軟合成が実施される場合、シーケンス番号または新規データインジケータとHARQプロセス番号とを組み合わせることで、復号の前にプロトコルデータユニット(PDU)のための送信の軟合成が可能である。
・冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方: それぞれ、使用するハイブリッドARQ冗長バージョン(レートマッチングに必要である)、および、使用する変調コンステレーションバージョン(変調に必要である)を、ユーザ機器に知らせる。
− ユーザ機器識別情報(UE ID): データを送信するべきユーザ機器を知らせる。一般的な実装においては、この情報は、制御情報が別のユーザ機器に読み取られることを防止する目的で、第1層/第2層制御シグナリングのCRCをマスクするために使用される。

0058

上述したさまざまな情報をアップリンクデータ送信およびダウンリンクデータ送信において実際に送信するとき、いくつかの可能な方法が存在する。さらには、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、第1層/第2層制御情報は、追加の情報を含むこともでき、あるいは、いくつかの情報を省くことができる。例えば以下のとおりである。
− 同期HARQプロトコルの場合、HARQプロセス番号が必要ないことがある(すなわちシグナリングされない)。
チェイス合成(Chase Combining)を使用する(冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方がつねに同じである)場合、または、冗長バージョンのシーケンスもしくはコンステレーションバージョンのシーケンスまたはその両方が事前に定義されている場合、冗長バージョンもしくはコンステレーションバージョンまたはその両方が必要ないことがある。
電力制御情報を制御シグナリングにさらに含めることができる。
−MIMOに関連する制御情報(例えばプリコーディング情報)を制御シグナリングにさらに含めることができる。
− 複数のコードワードによるMIMO送信の場合には、複数のコードワードのためのトランスポートフォーマットもしくはHARQ情報またはその両方を含めることができる。

0059

LTEにおいて(物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を対象として)PDCCHでシグナリングされるアップリンクリソース割当てでは、第1層/第2層制御情報にHARQプロセス番号が含まれず、なぜなら、LTEのアップリンクには同期HARQプロトコルが採用されるためである。アップリンク送信に使用されるHARQプロセスは、タイミングによって認識される。さらに、冗長バージョン(RV)情報は、トランスポートフォーマット情報と一緒に符号化され、すなわち、冗長バージョン(RV)情報はトランスポートフォーマット(TF)フィールドに埋め込まれることに留意されたい。トランスポートフォーマット(TF)/変調・符号化方式(MCS)フィールドは、例えば5ビットのサイズを有し、これは32個のエントリに対応する。TF/MCSテーブルの3個のエントリは、冗長バージョン(RV)1、RV2、またはRV3を示すために予約されている。MCSテーブルの残りのエントリは、RV0を暗黙的に示す変調・符号化方式(MCS)レベル(トランスポートブロックサイズ(TBS))をシグナリングするために使用される。PDCCHのCRCフィールドのサイズは16ビットである。

0060

LTEにおいてPDCCHでシグナリングされるダウンリンク割当てPDSCH)では、冗長バージョン(RV)は、2ビットのフィールドにおいて個別にシグナリングされる。さらに、変調次数情報がトランスポートフォーマット情報と一緒に符号化される。アップリンクの場合と同様に、5ビットのMCSフィールドがPDCCHでシグナリングされる。エントリのうち3個は、明示的な変調次数をシグナリングするために予約されており、トランスポートフォーマット(トランスポートブロック)情報は提供されない。残りの29個のエントリにおいては、変調次数およびトランスポートブロックサイズの情報がシグナリングされる。

0061

LTEにおけるアップリンクアクセス方式

0062

アップリンク送信では、カバレッジを最大にするため、ユーザ端末による電力効率の高い送信が必要である。E−UTRAのアップリンク送信方式としては、シングルキャリア伝送と、動的な帯域幅割当てのFDMAとを組み合わせた方式が選択されている。シングルキャリア伝送が選択された主たる理由は、マルチキャリア信号(OFDMA)と比較して、ピーク対平均電力比PAPR)が低く、これに対応して電力増幅器の効率が改善され、カバレッジの向上が見込まれるためである(与えられる端末ピーク電力に対してデータレートが高い)。各時間間隔において、NodeBは、ユーザデータを送信するための固有の時間/周波数リソースをユーザに割り当て、これによってセル内の直交性が確保される。アップリンクにおける直交多元接続によって、セル内干渉が排除されることでスペクトル効率が高まる。マルチパス伝搬に起因する干渉については、送信信号にサイクリックプレフィックスを挿入することにより基地局(NodeB)において対処する。

0063

データを送信するために使用される基本的な物理リソースは、1つの時間間隔(例えば0.5msのサブフレーム)にわたるサイズBWgrantの周波数リソースから構成される(符号化された情報ビットはこのリソースにマッピングされる)。なお、サブフレーム(送信時間間隔(TTI)とも称する)は、ユーザデータを送信するための最小の時間間隔である。しかしながら、サブフレームを連結することにより、1TTIよりも長い時間にわたる周波数リソースBWgrantをユーザに割り当てることも可能である。

0064

LTEにおけるアップリンクのスケジューリング方式

0065

アップリンクの方式として、スケジューリング制御式の(すなわちeNBによって制御される)アクセスと、コンテンション競合)ベースのアクセスの両方を使用することができる。

0066

スケジューリング制御式アクセスの場合、アップリンクデータを送信するための特定の時間長の特定の周波数リソース(すなわち時間/周波数リソース)が、ユーザ機器に割り当てられる。しかしながら、コンテンションベースのアクセス用に、いくらかの時間/周波数リソースを割り当てることができる。コンテンションベースの時間/周波数リソースの範囲内では、ユーザ機器は、最初にスケジューリングされることなく送信することができる。ユーザ機器がコンテンションベースのアクセスを行う1つのシナリオは、例えばランダムアクセスであり、すなわち、ユーザ機器があるセルへの最初のアクセスを行うとき、またはアップリンクリソースを要求するために最初のアクセスを行うときである。

0067

スケジューリング制御式アクセスの場合、NodeBのスケジューラが、アップリンクデータ送信のための固有の周波数/時間リソースをユーザに割り当てる。より具体的には、スケジューラは以下を決定する。
− 送信を許可する(1つまたは複数の)ユーザ機器
物理チャネルリソース(周波数)
−移動端末が送信に使用するべきトランスポートフォーマット(変調・符号化方式(MCS))

0068

割当て情報は、第1層/第2層制御チャネルで送られるスケジューリンググラントを介してユーザ機器にシグナリングされる。以下では、説明を簡潔にするため、このチャネルをアップリンクグラントチャネルと称する。スケジューリンググラントメッセージには、情報として、周波数帯域のうちユーザ機器による使用を許可する部分と、グラントの有効期間と、これから行うアップリンク送信にユーザ機器が使用しなければならないトランスポートフォーマットとが、少なくとも含まれる。最も短い有効期間は1サブフレームである。グラントメッセージには、選択される方式に応じて追加の情報も含めることができる。アップリンク共有チャネル(UL−SCH)で送信する権利を許可するグラントとしては、「各ユーザ機器に対する」グラントのみが使用される(すなわち、「各ユーザ機器における各無線ベアラに対する」グラントは存在しない)。したがってユーザ機器は、割り当てられたリソースを何らかの規則に従って無線ベアラの間で配分する必要がある。トランスポートフォーマットは、HSUPAの場合とは異なり、ユーザ機器側では選択しない。eNBが、何らかの情報(例えば、報告されたスケジューリング情報およびQoS情報)に基づいてトランスポートフォーマットを決定し、ユーザ機器は、選択されたトランスポートフォーマットに従わなければならない。HSUPAでは、NodeBが最大限のアップリンクリソースを割り当てて、ユーザ機器は、それに応じてデータ送信用の実際のトランスポートフォーマットを選択する。

0069

無線リソースのスケジューリングは、サービス品質を決めるうえで、共有チャネルアクセスネットワークにおいて最も重要な機能であるため、効率的なサービス品質(QoS)管理を可能にする目的で、LTEにおけるアップリンクスケジューリング方式が満たしているべき要件がいくつかある。
−優先順位の低いサービスリソース不足を避けるべきである。
− 個々の無線ベアラ/サービスにおいてサービス品質(QoS)が明確に区別されるべきである。
− どの無線ベアラ/サービスのデータが送信されるのかをeNBのスケジューラが識別できるように、アップリンク報告において、きめ細かいバッファ報告(例えば、無線ベアラごとの報告、または無線ベアラグループごとの報告)を可能にするべきである。
− 異なるユーザのサービスの間でサービス品質(QoS)を明確に区別できるようにするべきである。
− 無線ベアラごとに最小限のビットレートを提供できるようにするべきである。

0070

上に挙げた条件から理解できるように、LTEのスケジューリング方式の1つの重要な側面は、事業者が、自身の総セル容量を、異なるQoSクラスの個々の無線ベアラの間で分配することを制御できるメカニズムを提供することである。無線ベアラのQoSクラスは、前述したようにサービングゲートウェイからeNBにシグナリングされる対応するSAEベアラのQoSプロファイルによって識別される。事業者は、自身の総セル容量のうちの特定の量を、特定のQoSクラスの無線ベアラに関連付けられる総トラフィックに割り当てることができる。クラスに基づくこの方法を採用する主たる目的は、パケットの処理を、パケットが属するQoSクラスに応じて区別できるようにすることである。

0071

アップリンクスケジューリングにおけるバッファ状態報告手順/スケジューリング要求手順

0072

スケジューリングの通常のモードは、動的なスケジューリングであり、ダウンリンク送信リソースを割り当てるダウンリンク割当てメッセージと、アップリンク送信リソースを割り当てるアップリンクグラントメッセージとによる。これらのメッセージが有効であるのは、通常では特定の1つのサブフレームの間である。これらのメッセージは、すでに前述したように、ユーザ機器のC−RNTIを使用してPDCCHで送信される。動的なスケジューリングは、トラフィックがバースト性であり速度が動的であるサービスタイプ(TCPなど)において効率的である。

0073

動的なスケジューリングに加えて、パーシステントスケジューリング(persistent scheduling)が定義されており、このスケジューリング方式では、無線リソースを半静的に設定して、1サブフレームより長い期間にわたりユーザ機器に割り当てることができるため、各サブフレームごとにPDCCHを通じた特定のダウンリンク割当てメッセージやアップリンクグラントメッセージの必要性が回避される。パーシステントスケジューリングは、データパケットが小さく周期的でありサイズがほぼ一定であるVoIPなどのサービスに有用である。動的なスケジューリングの場合と比較してPDCCHのオーバーヘッドが大幅に減少する。

0074

eNodeBによるアップリンクリソースの割当て(すなわちアップリンクスケジューリング)を支援する目的で、ユーザ機器からeNodeBへのバッファ状態報告(BSR)が使用される。eNBのスケジューラは、ダウンリンクの場合、各ユーザ機器に配信されるデータの量を当然ながら認識している。しかしながらアップリンク方向の場合、スケジューリングの決定はeNBにおいて行われるが、データのバッファはユーザ機器内にあるため、UL−SCHを通じて送信する必要のあるデータ量を示す目的で、ユーザ機器からeNBにバッファ状態報告(BSR)を送らなければならない。

0075

LTEにおいては、バッファ状態報告のMAC制御要素(BSR)は基本的に2種類あり、ロングBSR(論理チャネルグループ(LCG)のID #0〜#3に対応する4つのバッファサイズフィールドを有する)またはショートBSR(1つの論理チャネルグループ(LCG)のIDフィールドと、1つの対応するバッファサイズフィールドを有する)である。バッファサイズフィールドは、論理チャネルグループのすべての論理チャネルにわたる利用可能な合計データ量を示し、異なるバッファサイズレベルのインデックスとして符号化されたバイト数で示される(非特許文献6(参照によって本明細書に組み込まれている)の6.1.3.1章も参照)。これに加えて、短縮されたデータを使用するさらなるタイプのバッファ状態報告が存在し、このバッファ状態報告は2バイト長である。

0076

ユーザ機器によってショートBSRまたはロングBSRのどちらが送信されるかは、トランスポートブロックにおける利用可能な送信リソースと、空ではないバッファを有する論理チャネルのグループの数と、ユーザ機器において特定のイベントがトリガーされるかによって決まる。ロングBSRは、4つの論理チャネルグループのデータ量を報告するのに対して、ショートBSRは、最高位の論理チャネルグループのみについて、バッファに格納されているデータ量を示す。

0077

論理チャネルグループのコンセプトを導入する理由は、ユーザ機器に5つ以上の論理チャネルが設定されている場合、個々の論理チャネルそれぞれのバッファ状態を報告するとシグナリングオーバーヘッドが大きくなりすぎるためである。したがってeNBは、各論理チャネルを論理チャネルグループに割り当てる。好ましくは、QoS要件が同じかまたは類似する論理チャネルが同じ論理チャネルグループに割り当てられるべきである。

0078

バッファ状態報告(BSR)は、例えば次のイベントの場合にトリガーすることができる。
−バッファが空ではない論理チャネルよりも高い優先順位を有する論理チャネルのデータが到着するとき
− いずれかの論理チャネルにおいて、それまでは送信するデータが存在しなかった状態から、データが利用可能となるとき
−再送信BSRタイマー切れるとき
−周期的なBSR報告のタイミングになるとき(すなわちperiodicBSRタイマーが切れるとき)
− BSRを格納できる余分なスペースがトランスポートブロック内に存在するとき

0079

送信の失敗に対する堅牢性を高める目的で、LTEにはバッファ状態報告の再送信メカニズムが定義されている。アップリンググラントが再開されたときに、再送信BSRタイマーが起動または再起動される。再送信BSRタイマーが切れる前にアップリンググラントが受信されない場合、そのユーザ機器は別のバッファ状態報告をトリガーする。

0080

バッファ状態報告がトリガーされたとき、バッファ状態報告をトランスポートブロック(TB)に含めるためのアップリンクリソースがユーザ機器に割り当てられていない場合、ユーザ機器は、PUCCH(物理アップリンク制御チャネル)(設定されている場合)でスケジューリング要求(SR)を送る。設定されているPUCCHに専用スケジューリング要求(D−SR)リソースが存在しない場合、ユーザ機器は、バッファ状態報告(BSR)情報をeNBに送信するためのUL−SCHリソースを要求する目的でランダムアクセス手順(RACH手順)を開始する。ただし周期的なバッファ状態報告(BSR)を送信する場合、ユーザ機器はスケジューリング要求(SR)の送信をトリガーしないことに留意されたい。

0081

さらには、特定のスケジューリングモードにおいてスケジューリング要求(SR)送信の機能強化が導入されており、送信グラントのための第1層/第2層制御シグナリングのオーバーヘッドを節約する目的で、リソースが所定の周期で永続的に(パーシステントに)割り当てられる(セミパーシステントスケジューリングSPS)と称される)。セミパーシステントスケジューリングの対象として主として考慮されるサービスの一例はVoIPである。トークスパート(talk-spurt)の間、コーデックにおいて20msごとにVoIPパケットが生成される。したがって、eNodeBは、アップリンクリソースまたはダウンリンクリソースを20msごとに永続的に(パーシステントに)割り当てることができ、これらのリソースを使用してVoIPパケットを送信することができる。一般的には、セミパーシステントスケジューリング(SPS)は、トラフィック挙動を予想できる(すなわちビットレートが一定であり、パケットの到着タイミングが周期的である)サービスにおいて恩恵がある。アップリンク方向にセミパーシステントスケジューリング(SPS)が設定される場合、eNodeBは、設定されている特定の論理チャネルについてスケジューリング要求(SR)のトリガリング/送信をオフにすることができ、すなわち、これら特定の設定されている論理チャネルにデータが到着することによってBSRがトリガーされても、スケジューリング要求(SR)がトリガーされない。この種類の機能強化の理由として、セミパーシステントに(半永続的に)割り当てられたリソースを使用する論理チャネル(VoIPパケットを伝える論理チャネル)のためのスケジューリング要求(SR)を送ることは、eNBのスケジューリングにおいて意味がなく、したがって回避すべきである。

0082

バッファ状態報告(BSR)(特にバッファ状態報告のトリガー)に関するさらなる詳細については、非特許文献6(参照によって本明細書に組み込まれている)の5.4.5章に説明されている。

0083

論理チャネルの優先順位付け

0084

ユーザ機器は、複数の無線ベアラ間でのアップリンクリソースの共有を管理するアップリンク伝送速度制御機能を有する。以下では、このアップリンク伝送速度制御機能を論理チャネル優先順位付け手順とも称する。論理チャネル優先順位付け(LCP)手順は、新しい送信が行われるとき、すなわちトランスポートブロックを生成する必要があるときに、適用される。容量を割り当てるための提案されている1つの方式では、各ベアラが、それぞれの最小限のデータレートに相当する割当てを受け取るまで、優先順位の順序で各ベアラにリソースを割り当て、さらなる容量があれば、それを例えば優先順位の順序でベアラに割り当てる。

0085

論理チャネル優先順位付け(LCP)手順についての後からの説明から明らかになるように、ユーザ機器に属する論理チャネル優先順位付け(LCP)手順は、IPの世界で周知であるトークンバケットモデルに基づいて実施される。トークンバケットモデルの基本的な機能は以下のとおりである。ある量のデータを送信する権利を表すトークンが、周期的に特定の速度でバケットに追加される。ユーザ機器にリソースが割り当てられると、バケットの中のトークンの数によって表される量までデータを送信することが許可される。ユーザ機器は、データを送信するとき、送信されるデータ量に相当する数のトークンを削除する。バケットが満杯である場合、それ以上のトークンは破棄される。トークンの追加に関して、このプロセスの反復周期はTTI毎であるものと想定できるが、トークンが1秒ごとに追加されるように、この周期を長くすることも容易である。基本的には、1msごとにトークンをバケットに追加する代わりに、1秒ごとに1000個のトークンを追加することもできる。以下では、リリース8において使用されている論理チャネル優先順位付け(LCP)手順について説明する。

0086

論理チャネル優先順位付け(LCP)手順のさらなる詳細については、非特許文献7(参照によって本明細書に組み込まれている)の5.4.3.1章に説明されている。

0087

RRCは、アップリンクデータのスケジューリングを、各論理チャネルごとのシグナリングによって制御する。このシグナリングにおいて、priority(優先順位)は、値が大きいほど、低い優先順位レベルを示す。prioritisedBitRateは、優先ビットレート(PBR:Prioritized Bit Rate)を設定する。bucketSizeDurationは、バケットサイズ期間(BSD:Bucket Size Duration)を設定する。優先ビットレートの背後にある発想は、リソース不足の発生を回避する目的で、(ビットレートが保証されない(非GBR)低優先順位のベアラを含めて)ベアラそれぞれに最小限のビットレートをサポートすることである。各ベアラは、少なくとも、優先ビットレート(PBR)を達成するための十分なリソースを取得する必要がある。

0088

ユーザ機器は、論理チャネルjごとに変数Bjを維持する。Bjは、関連する論理チャネルが確立されるときに0に初期化され、TTIごとに積PBR×TTI時間長だけインクリメントされていく(PBRは論理チャネルjの優先ビットレート)。ただし、Bjの値はバケットサイズを超えることはできず、Bjの値が論理チャネルjのバケットサイズより大きくなると、Bjの値はバケットサイズに設定される。論理チャネルのバケットサイズは、優先ビットレート(PBR)×バケットサイズ期間(BSD)に等しく、優先ビットレート(PBR)およびバケットサイズ期間(BSD)は上位層によって設定される。

0089

ユーザ機器は、新しい送信を実行するとき、以下の論理チャネル優先順位付け手順を実行する。
− ユーザ機器は、以下のステップで論理チャネルにリソースを割り当てる。
− ステップ1: Bj>0である論理チャネルすべてに、優先順位の順序の大きい順にリソースを割り当てる。無線ベアラの優先ビットレート(PBR)が「無限大」に設定されている場合、ユーザ機器は、その無線ベアラで送信可能な状態のデータすべてに対してリソースを割り当てた後、より低い優先順位の(1つまたは複数の)無線ベアラの優先ビットレート(PBR)を満たす。
− ステップ2: ユーザ機器は、ステップ1において論理チャネルjに使われたMACSDU合計サイズだけBjを減らす。

0090

なおこの時点で、Bjの値が負にもなりうることに留意されたい。
− ステップ3:リソースが残っている場合、すべての論理チャネルに、(Bjの値には無関係に)優先順位の順序の厳密な降順でリソースを割り当て、その論理チャネルのデータがなくなる、またはアップリンクグラントが使い果たされる、のいずれかの状態になるまで、続ける。同じ優先順位に設定されている論理チャネルは、同等に割り当てるものとする。
− さらにユーザ機器は、上のスケジューリング手順時に以下の規則にも従う。
− RLCSDU(または一部分が送信されるSDUあるいは再送信されるRLCPDU)全体が、残っているリソースに収まる場合、ユーザ機器は、そのRLC SDU(または一部分が送信されるSDUあるいは再送信されるRLC PDU)を分割しないべきである。
− ユーザ機器は、論理チャネルからのRLC SDUを分割する場合、グラントができる限り使用されるようにセグメントのサイズを最大にする。
− ユーザ機器は、データの送信を最大限に行うべきである。

0091

論理チャネル優先順位付け手順では、ユーザ機器は次の相対的な優先順位を降順に考慮する。
− C−RNTIのMAC制御要素またはUL−CCCHからのデータ
−バッファ状態報告(BSR)のMAC制御要素(パディングのために含まれるBSRを除く)
電力ヘッドルーム報告(PHR)のMAC制御要素
−論理チャネルからのデータ(UL−CCCHからのデータを除く)
− パディングのために含まれるバッファ状態報告(BSR)のMAC制御要素

0092

キャリアアグリゲーション(前のセクションで説明した)の場合、ユーザ機器が1TTI中に複数のMACPDUを送信するように要求されたときには、ステップ1〜3および関連する規則を、各グラントに独立して適用する、またはグラントの容量の合計に適用することができる。さらに、グラントを処理する順序も、ユーザ機器の実装に委ねられる。ユーザ機器が1TTI中に複数のMAC PDUを送信するように要求されたときに、どのMAC PDUにMAC制御要素を含めるかの決定は、ユーザ機器の実装に委ねられる。

0093

アップリンク電力制御

0094

移動通信システムにおけるアップリンク送信電力制御は、重要な目的を持つ。アップリンク送信電力制御は、要求されるサービス品質(QoS)が達成されるようにビットあたり十分なエネルギを送信する必要性と、システムの別のユーザとの干渉を最小限にし、かつ移動端末のバッテリ寿命を最大にする必要性との間で、バランスをとる。この目的を達成する中で、電力制御(PC)の役割は、要求される信号対干渉雑音比(SINR)を提供すると同時に、隣接セルに引き起こされる干渉を制御するうえで極めて重要となる。アップリンクにおける古典的な電力制御方式の発想では、すべてのユーザが同じ信号対干渉雑音比(SINR)で受信する(完全な補償(full compensation)として知られている)。3GPPでは、これに代えて、LTEにおいて部分電力制御(FPC:Fractional Power Control)の使用を採用した。この新しい機能では、経路損失の大きいユーザは低い信号対干渉雑音比(SINR)要件で動作し、したがって多くの場合、隣接セルに引き起こされる干渉が小さい。

0095

LTEでは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、およびサウンディング基準信号SRS)について、詳細な電力制御式が指定されている(非特許文献8の5.1節)。これらのアップリンク信号それぞれの電力制御式は、同じ基本原理に従う。いずれの場合も、電力制御式は、2つの主項、すなわちeNodeBによってシグナリングされる静的パラメータまたは半静的パラメータから導かれる、開ループ基本動作点と、サブフレームごとに更新される動的オフセット補正)、の合計と考えることができる。

0096

リソースブロックあたりの送信電力を決めるための、開ループの基本動作点は、セル間干渉セル負荷など複数の要因に依存する。開ループの基本動作点は、さらに2つの成分として、半静的な基本レベルP0(セル内のすべてのユーザ機器の共通電力レベル測定単位dBm)とユーザ機器に固有なオフセットとからなる)と、開ループの経路損失補償の成分とに、分解することができる。リソースブロックあたりの電力の動的オフセットの部分は、さらに2つの成分として、使用される変調・符号化方式(MCS)に依存する成分と、明示的な送信電力制御(TPC:Transmitter Power Control)コマンドとに、分解することができる。

0097

変調・符号化方式(MCS)に依存する成分(LTE仕様ではΔTFと称し、TFは「トランスポートフォーマット」を表す)は、リソースブロック(RB)あたりの送信電力を、送信される情報のデータレートに従って適合させることができる。

0098

動的オフセットのもう1つの成分は、ユーザ機器に固有な送信電力制御(TPC)コマンドである。このコマンドは、2種類のモード、すなわち、累積TPC(accumulative TPC)コマンド(PUSCH、PUCCH、およびSRSに対して利用できる)と、絶対TPCコマンド(PUSCHに対してのみ利用できる)とにおいて、動作することができる。PUSCHに対するこれら2つのモードの間の切替えは、ユーザ機器ごとにRRCシグナリングによって半静的に設定される(すなわちモードを動的に変更することはできない)。累積TPCコマンドの場合、各TPCコマンドは、前のレベルを基準としたときの電力ステップをシグナリングする。

0099

電力ヘッドルーム報告

0100

eNodeBが複数のユーザ機器に対してアップリンク送信リソースを適切にスケジューリングすることを支援する目的で、ユーザ機器は、利用可能な電力ヘッドルームをeNodeBに報告できることが重要である。

0101

eNodeBは、ユーザ機器が使用することのできる、サブフレームあたりのさらなるアップリンク帯域幅を、電力ヘッドルーム報告を使用して求めることができる。これは、リソースの無駄を回避する目的で、アップリンク送信リソースを使用できないユーザ機器にリソースが割り当てられることを回避する役割を果たす。

0102

電力ヘッドルーム報告の範囲は、+40〜−23dBである。範囲の負の部分は、ユーザ機器が受信したアップリンクグラントによって、自身が利用できるよりも多くの送信電力が要求される場合に、電力の不足の程度をeNodeBにシグナリングすることができる。これにより基地局は、次のグラントのサイズを小さくすることができ、送信リソースが解放されて別のユーザ機器に割り当てられる。

0103

電力ヘッドルーム報告は、ユーザ機器がアップリンク送信グラントを有するサブフレームにおいてのみ送ることができる。報告は、送られるサブフレームに関連する。電力ヘッドルーム報告をトリガーするための複数の基準として、以下が定義されている。
前回の電力ヘッドルーム報告以降に、推定される経路損失が大きく変化した
− 前回の電力ヘッドルーム報告以降に、設定されているよりも長い時間が経過した
− 設定されている数よりも多くの閉ループTPCコマンドがユーザ機器によって実施された

0104

これらのトリガーそれぞれを制御するパラメータは、システムの負荷状況と、スケジューリングアルゴリズムの要件とに応じて、eNodeBが設定することができる。より具体的には、RRCが、2つのタイマーperiodicPHR−Timer(電力ヘッドルーム報告の周期タイマー)およびprohibitPHR−Timer(電力ヘッドルーム報告の禁止タイマー)を設定し、測定されたダウンリンク経路損失の変化を示すdl−PathlossChangeをシグナリングして電力ヘッドルーム報告をトリガーすることによって、電力ヘッドルーム報告を制御する。

0105

電力ヘッドルーム報告は、MAC制御要素として送られる。このMAC制御要素は1オクテットからなり、上位の2ビットが予約されており、下位の6ビットが、上述した64dB値(1dB間隔)を表す。図7は、このMAC制御要素の構造を示している。

0106

サブフレームiにおけるユーザ機器の有効な電力ヘッドルームPHは、次式によって定義される。

0107

電力ヘッドルームは、範囲[40;−23]dB(1dB間隔)の中の最も近い値に丸められる。

0108

PCMAXは、最大UE送信電力(送信電力)であり、PCMAX_L〜PCMAX_Hの所定の範囲内でユーザ機器によって選択される値である。



式中、PEMAXはネットワークによってシグナリングされる値である。

0109

MPRは電力低減値であり、さまざまな変調方式および送信帯域幅に関連付けられるACLR(隣接チャネル漏洩電力比:Adjacent Channel Leakage Power Ratio)を制御するために使用される。

0110

A・MPRは、追加最大電力低減である。この値は帯域に固有であり、ネットワークによって設定されるときに適用される。したがってPCMAXは、ユーザ機器の実装に固有であり、したがってeNBには認識されていない。

0111

ΔTCに関するさらなる詳細については、非特許文献9(参照によって本明細書に組み込まれている)の6.2.5節に規定されている。

0112

LTEの装置間(D2D)近傍サービス

0113

近傍性に基づくアプリケーションおよびサービスは、ソーシャル技術の新しいトレンドである。識別される分野としては、事業者およびユーザにとって関心のある商用サービスおよび公共安全に関連するサービスが挙げられる。LTEに近傍サービス(ProSe)機能を導入することにより、3GPP業界は、この成長の見込まれる市場にサービスを提供することができると同時に、連係してLTEを使用するいくつかの公共安全コミュニティの緊急なニーズ応えることができる。

0114

装置間(D2D)通信は、LTEリリース12における技術要素である。装置間(D2D)通信技術によって、セルラーネットワークに対するアンダーレイ下層)としてのD2Dにおいてスペクトル効率を高めることができる。例えば、セルラーネットワークがLTEである場合、データを伝えるすべての物理チャネルは、D2DシグナリングにおいてSC−FDMAを使用する。D2D通信では、ユーザ機器(UE)は、基地局を経由せずに、セルラーリソースを使用する直接的なリンクを通じて互いにデータ信号を送信する。図9は、D2D互換の通信システムにおける1つの可能なシナリオを示している。

0115

LTEにおけるD2D通信

0116

「LTEにおけるD2D通信」は、発見および通信という2つの分野に焦点をあてているが、本発明は、ほとんどが発見部分に関連する。

0117

装置間(D2D)通信は、LTE−Aにおける技術要素である。D2D通信では、ユーザ機器は、基地局(BS)を経由せずに、セルラーリソースを使用して直接的なリンクを通じて互いにデータ信号を送信する。D2Dのユーザは、直接通信するが、基地局の制御下のままである(少なくともeNBのカバレッジ内であるとき)。したがってD2Dでは、セルラーリソースを再利用することによってシステムの性能を改善することができる。

0118

D2Dは、アップリンクLTEスペクトル(FDDの場合)において動作する、またはカバレッジを提供しているセルのアップリンクサブフレーム(TDDの場合、ただしカバレッジ外のときを除く)において動作するものと想定する。さらに、D2D送信/受信では、与えられたキャリアにおける全二重を使用しない。個々のユーザ機器の観点からは、与えられたキャリアにおいて、D2D信号受信とLTEアップリンク送信とによる全二重を使用しない(すなわちD2D信号受信およびLTEアップリンク送信を同時に行うことはできない)。

0119

D2D通信では、ユーザ機器1が送信の役割であるとき(送信側ユーザ機器)、ユーザ機器1がデータを送り、ユーザ機器2(受信側ユーザ機器)がそれを受信する。ユーザ機器1およびユーザ機器2は、送信の役割と受信の役割を変えることができる。ユーザ機器1からの送信は、1基または複数基のユーザ機器(ユーザ機器2など)によって受信することができる。

0120

ユーザプレーンのプロトコルに関して、D2D通信に関連する合意内容(非特許文献10(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.2節)を以下に示す。
− PDCP:
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信データ(すなわちIPパケット)は、通常のユーザプレーンデータとして扱うべきである。
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信データには、PDCPにおけるヘッダ圧縮/圧縮解除を適用することができる。
・ 公共安全に関連するD2Dブロードキャスト動作では、PDCPにおけるヘッダ圧縮にUモードを使用する。
− RLC:
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信にはRLC UMを使用する。
セグメント化および再構築はRLC UMによって第2層においてサポートされる。
○受信側ユーザ機器は、送信側のピアユーザ機器あたり少なくとも1つのRLC UMエンティティを維持する必要がある。
○ 最初のRLC UMデータユニットを受信する前に受信機のRLC UMエンティティを設定する必要はない。
現時点では、ユーザプレーンデータを送信するD2D通信においてRLC AMまたはRLC TMの必要性は認識されていない。
− MAC:
○ 1:M D2Dブロードキャスト通信ではHARQフィードバックを想定しない。
○ 受信側ユーザ機器は、受信機のRLC UMエンティティを識別する目的で送信元IDを認識する必要がある。
MACヘッダには、MAC層におけるパケットフィルタリングを可能にする第2層(L2)送信先IDが含まれる。
○ 第2層(L2)送信先IDは、ブロードキャストアドレスグループキャストアドレス、またはユニキャストアドレスとすることができる。
・ 第2層(L2)グループキャスト/ユニキャスト: MACヘッダにおいて伝えられる第2層(L2)送信先IDによって、受信されたRLC UMPDUを、たとえそれを受信機のRLCエンティティに渡す前であっても破棄することが可能となる。
・ 第2層(L2)ブロードキャスト: 受信側ユーザ機器は、すべての送信機からの受信されたすべてのRLC PDUを処理し、再構築してIPパケットを上位層に渡す。
○ MACサブヘッダには、(複数の論理チャネルを区別するための)論理チャネルID(LCID)が含まれる。
○ D2Dでは、少なくとも多重化/逆多重化、優先順位の処理、およびパディングが有用である。

0121

リソース割当て

0122

D2D通信におけるリソース割当てについては現在検討が進められており、非特許文献10(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.2.3節に、現時点での形式が記載されている。

0123

送信側ユーザ機器の観点からは、ユーザ機器はリソース割当ての次の2つのモードで動作することができる。
− モード1: 直接データ(direct data)および直接制御情報(direct control information)を送信するためにユーザ機器によって使用される正確なリソースを、eNodeBまたはリリース10の中継ノードがスケジューリングする。
− モード2: 直接データおよび直接制御情報を送信するためのリソースを、ユーザ機器自身がリソースプールから選択する。

0124

D2D通信に対応するユーザ機器は、カバレッジ内の場合にモード1を少なくともサポートする。D2D通信に対応するユーザ機器は、少なくともカバレッジ周縁部またはカバレッジ外の場合にモード2をサポートする。

0125

カバレッジ内のユーザ機器およびカバレッジ外のユーザ機器は、D2D通信を受信するためにリソースプール(時間/周波数)を認識している必要がある。

0126

すべてのユーザ機器(モード1(「スケジューリング式」)およびモード2(「自律的」))にリソースプール(時間/周波数)が提供され、ユーザ機器はリソースプールの中でスケジューリング割当ての受信を試みる

0127

モード1では、ユーザ機器はeNodeBからの送信リソースを要求する。eNodeBは、スケジューリング割当ておよびデータを送信するための送信リソースをスケジューリングする。
− ユーザ機器は、スケジューリング要求(専用スケジューリング要求(D−SR)またはRACH手順)をeNodeBに送った後にバッファ状態報告(BSR)を送り、eNodeBは、ユーザ機器がD2D送信を実行しようとしていることと、必要なリソース量とを、そのバッファ状態報告(BSR)に基づいて求めることができる。
− モード1では、ユーザ機器は、D2D通信を送信するためにRRC接続されている必要がある。

0128

モード2の場合、ユーザ機器にリソースプール(時間/周波数)が提供され、ユーザ機器は、D2D通信を送信するためのリソースをリソースプールから選択する。

0129

図8は、オーバーレイ(LTE)およびアンダーレイ(D2D)における送信リソースおよび受信リソースを概略的に示している。ユーザ機器がモード1送信を適用するかモード2送信を適用するかは、eNodeBが制御する。ユーザ機器は、D2D通信を送信(または受信)することのできるリソースを認識すると、対応するリソースを、対応する送信/受信にのみ使用する。図8の例においては、D2Dサブフレームは、D2D信号を受信または送信する目的にのみ使用される。D2D装置としてのユーザ機器は、半二重モードで動作するため、任意の時点においてD2D信号の受信または送信のいずれかを行うことができる。同様に、同じ図8において、D2Dサブフレーム以外のサブフレームはLTE(オーバーレイ)の送信もしくは受信またはその両方に使用することができる。

0130

D2D発見は、自身に関心のある、近傍における他のD2D対応装置を識別する手順/プロセスである。この目的のため、発見されることを望むD2D装置は、何らかの発見信号を(特定のネットワークリソースで)送り、その発見信号に関心のある受信側ユーザ機器が、このような送信側D2D装置を認識する。非特許文献10の8節には、D2D発見メカニズムに関する現時点における詳細が記載されている。

0131

D2D発見

0132

ProSe(近傍サービス)直接発見(ProSe Direct Discovery)は、ProSe対応ユーザ機器が、近傍の別の(1基または複数基の)ProSe対応ユーザ機器を、PC5インタフェースを介してE−UTRA直接無線信号を使用して発見するために使用される手順と定義されている。図10は、に記載されている、装置間の直接発見のためのPC5インタフェースを概略的に示している。

0133

上位層は、発見情報のアナウンスおよび監視の許可を処理する。この目的のため、ユーザ機器は、事前に定義された信号(発見信号と称する)を交換しなければならない。ユーザ機器は、必要なときに通信リンクを確立する目的で、発見信号を周期的にチェックすることによって、近傍のユーザ機器のリストを維持する。発見信号は、たとえ信号対雑音比(SNR)が低い環境においても高い信頼性で検出される必要がある。発見信号を周期的に送信することができるように、発見信号用のリソースを割り当てる必要がある。

0134

ProSe直接発見には2つのタイプがあり、すなわちオープン型(open)と制限型(restricted)である。オープン型は、発見されるユーザ機器からの明示的な許可が必要ない場合であり、制限型の発見は、発見されるユーザ機器からの明示的な許可があるときにのみ行われる。

0135

ProSe直接発見は、発見する側のユーザ機器におけるスタンドアロンのサービスイネーブラ(service enabler)とすることができ、このサービスイネーブラは、特定のアプリケーションにおいて、発見する側のユーザ機器が発見される側のユーザ機器からの情報を使用することを可能にする。ProSe直接発見において送信される情報は、一例として、「近くでタクシーを見つけて」、「コーヒーショップを見つけて」、「最寄り警察署を見つけて」などとすることができる。発見する側のユーザ機器は、ProSe直接発見を通じて、必要な情報を取得することができる。さらに、得られる情報に応じて、ProSe直接発見を使用して遠隔通信システムにおける以降の動作(例えばProSe直接通信を開始するなど)を行うことができる。

0136

ProSe直接発見のモデル

0137

ProSe直接発見は、いくつかの発見モデルに基づく。ProSe直接発見のモデルは、非特許文献11(参照によって本明細書に組み込まれている)の5.3.1.2節に以下のように定義されている。

0138

モデルA(「私はここです」)

0139

モデルAは、「私はここです」とも表され、なぜなら、アナウンスする側のユーザ機器が自身に関する情報(自身のProSeアプリケーションの識別情報やProSe UEの識別情報など)を発見メッセージの中でブロードキャストし、これにより自身の身元を明らかにし、自身が利用可能であることを通信システムの他の装置に伝えるためである。

0140

モデルAによると、ProSe直接発見に関与しているProSe対応ユーザ機器の2つの役割が定義されている。ProSe対応ユーザ機器は、アナウンスする側のユーザ機器と監視する側のユーザ機器の機能を有することができる。アナウンスする側のユーザ機器は、発見の許可を有する近傍のユーザ機器が使用することのできる特定の情報をアナウンスする。監視する側のユーザ機器は、アナウンスする側のユーザ機器の近傍において、関心のある特定の情報を監視する。

0141

このモデルでは、アナウンスする側のユーザ機器が、事前に定義される発見間隔で発見メッセージをブロードキャストし、これらのメッセージに関心のある監視する側のユーザ機器が、メッセージを読み取って処理する。

0142

モデルB(「そこにいるのは誰ですか?」/「あなたはそこにいますか?」)

0143

モデルBは、「そこにいるのは誰ですか?/あなたはそこにいますか?」と同等であり、なぜなら、発見する側のユーザ機器が、応答受け取りたい対象の別のユーザ機器に関する情報を送信するためである。送信される情報は、例えば、グループに対応するProSeアプリケーションIDに関する情報とすることができる。グループのメンバーは、この送信された情報に応答することができる。

0144

このモデルによると、ProSe直接発見に関与しているProSe対応ユーザ機器の2つの役割が定義されており、すなわち発見する側のユーザ機器と発見される側のユーザ機器である。発見する側のユーザ機器は、自身が発見したい対象に関する特定の情報を含む要求を送信する。一方で、この要求メッセージを受信した発見される側のユーザ機器は、発見する側のユーザ機器の要求に関連する何らかの情報によって応答することができる。

0145

発見情報の内容は、アクセス層(AS)に透過的であり、アクセス層(AS)は発見情報の内容を認識していない。したがってアクセス層では、ProSe直接発見のさまざまなモデルが区別されず、またProSe直接発見のタイプも区別されない。ProSeプロトコルは、アナウンスする有効な発見情報のみをアクセス層(AS)に渡す。

0146

ユーザ機器は、eNBの設定によるRRC_IDLE状態およびRRC_CONNECTED状態の両方において、発見情報のアナウンスおよび監視に関与することができる。ユーザ機器は、半二重の制約を受ける発見情報をアナウンスおよび監視する。

0147

発見のタイプ

0148

D2D通信は、ネットワークによって制御する(この場合には直接送信(D2D)と従来のセルラーリンクとの間の切り替え通信事業者が管理する)、または、通信事業者の制御なしで直接リンクを装置によって管理することができる。D2Dでは、インフラストラクチャモードアドホック通信を組み合わせることができる。

0149

一般的には、装置の発見は周期的に必要である。さらにD2D装置は、発見メッセージのシグナリングプロトコルを利用して装置の発見を実行する。例えば、D2D対応ユーザ機器が、自身の発見メッセージを送信することができ、別のD2D対応ユーザ機器がこの発見メッセージを受信し、この情報を使用して通信リンクを確立することができる。ハイブリッドネットワークの利点として、D2D装置がネットワークインフラストラクチャ通信範囲内でもある場合、eNBなどのネットワークエンティティが発見メッセージの送信や設定を追加的に支援することができる。発見メッセージの送信や設定をeNBによって調整/制御することは、D2Dのメッセージングと、そのeNBによって制御されているセルラートラフィックとの干渉が発生しないようにするうえでも重要である。さらには、たとえ装置のいくつかがネットワークカバレッジの範囲外である場合でも、カバレッジ内の装置がアドホック発見プロトコルを支援することができる。

0150

説明においてさらに使用される専門用語を定義する目的で、少なくとも以下の2つのタイプの発見手順が定義されている。
− タイプ1:発見情報をアナウンスするためのリソースが特定のユーザ機器を対象とせずに割り当てられ、さらに以下を特徴とするリソース割当て手順。
○ 発見情報のアナウンスに使用されるリソースプールの設定をeNBがユーザ機器に提供する。設定はシステム情報ブロードキャスト(SIB)においてシグナリングすることができる。
○ ユーザ機器は、示されたリソースプールから(1つまたは複数の)無線リソースを自律的に選択し、発見情報をアナウンスする。
○ ユーザ機器は、各発見期間中、ランダムに選択される発見用リソースで発見情報をアナウンスすることができる。
− タイプ2: 発見情報をアナウンスするためのリソースが特定のユーザ機器を対象として割り当てられ、さらに以下を特徴とするリソース割当て手順。
○RRC_CONNECTEDモードにあるユーザ機器は、発見情報をアナウンスするためのeNBからのリソースをRRCを介して要求することができる。eNBはRRCを介してリソースを割り当てる。
○ リソースは、監視するユーザ機器に設定されるリソースプール内に割り当てられる。

0151

タイプ2の手順によると、リソースは例えば発見信号の送信用にセミパーシステントに割り当てられる。

0152

ユーザ機器がRRC_IDLEモードにある場合、eNBは以下のオプションの1つを選択することができる。
− eNBは、発見情報をアナウンスするためのタイプ1のリソースプールをシステム情報ブロードキャスト(SIB)において提供することができる。ProSe直接発見を許可されているユーザ機器は、RRC_IDLEモードにおいてこれらのリソースを使用して発見情報をアナウンスする。
− eNBは、自身がD2Dをサポートしているが、発見情報をアナウンスするためのリソースを提供しないことを、システム情報ブロードキャスト(SIB)において示すことができる。ユーザ機器は、発見情報をアナウンスするためのD2Dリソースを要求するためには、RRC_CONNECTEDモードに入る必要がある。

0153

RRC_CONNECTED状態にあるユーザ機器については、ProSe直接発見のアナウンスを実行することが許可されているユーザ機器は、D2D発見のアナウンスの実行を望むことをeNBに知らせる。するとeNBは、そのユーザ機器がProSe直接発見のアナウンスを許可されているかを、MMEから受信したUEコンテキストを使用して確認する。

0154

eNBは、発見情報のアナウンス用にタイプ1のリソースプールまたはタイプ2の専用リソースを使用するように、専用のRRCシグナリングを介してユーザ機器を設定することができる(またはリソースなし)。eNBによって割り当てられたリソースは、a)eNBがそのリソースをRRCシグナリングによって設定解除する(de-configure)まで、またはb)ユーザ機器がIDLEモードに入るまで、有効である。

0155

RRC_IDLEモードおよびRRC_CONNECTEDモードにある受信側ユーザ機器は、許可されるタイプ1およびタイプ2の発見用リソースプールの両方を監視する。eNBは、発見情報を監視するために使用されるリソースプールの設定を、システム情報ブロードキャスト(SIB)において提供する。システム情報ブロードキャスト(SIB)は、隣接セルにおいてアナウンスするために使用される発見用リソースも含むことができる。

0156

無線プロトコルのアーキテクチャ

0157

図11は、ProSe直接発見のための無線プロトコルスタック(アクセス層(AS))を概略的に示している。

0158

アクセス層(AS)は、上位層(ProSeプロトコル)とのインタフェースとして機能する。したがって、MAC層は上位層(ProSeプロトコル)から発見情報を受け取る。この場合、発見情報を送信するのにIP層は使用されない。さらに、アクセス層(AS)はスケジューリング機能を有し、すなわちMAC層は、上位層から受け取った発見情報をアナウンスするために使用するべき無線リソースを決定する。これに加えてアクセス層(AS)は、発見PDUを生成する機能を有し、すなわちMAC層は、発見情報を伝えるMAC PDUを構築し、そのMAC PDUを、決定した無線リソースにおいて送信できるように物理層に渡す。MACヘッダは追加されない。

0159

ユーザ機器において、RRCプロトコルは、発見用リソースプールをMAC層に知らせる。さらにRRCは、送信用に割り当てられたタイプ2のリソースをMAC層に知らせる。MACヘッダの必要はない。発見に関するMACヘッダには、第2層においてフィルタリングを実行するときに基づくフィールドが含まれない。MACレベルにおいて発見メッセージをフィルタリングしても、上位層においてProSe UE IDやProSeアプリケーションIDに基づいてフィルタリングを実行することと比較して、処理量や電力が節約されるとは考えられない。受信側MAC層は、受け取った発見メッセージすべてを上位層に渡す。このときMAC層は、正しく受信されたメッセージのみを上位層に渡す。

0160

以下では、発見メッセージが正しく受信されたかを第1層がMAC層に示すものと想定する。さらに、上位層は必ず有効な発見情報のみをアクセス層に渡すものと想定する。

0161

D2Dシステムにおいて発見用リソースを割り当てる従来の解決策では、要求されたD2Dサービスに好適な方法でリソースを割り当てるのに適するリソースパターンまたはリソース設定を決定することができない。具体的には、D2D対応装置によって一般的なシグナリング手順に従って送信された情報に基づいて基地局がリソースを割り当てる場合、ユーザ機器が発見情報を完全にブロードキャストするには、送信リソースの期間が短すぎることがある。結果として、送信側ユーザ機器は再びリソースを要求する必要があり、これによりLTEシステムにおけるシグナリングオーバーヘッドが増大する。

0162

さらに、例えば発見情報の内容に関する情報は、アクセス層(AS)に透過的である。したがってアクセス層では、ProSe直接発見のさまざまなモデルが区別されず、またProSe直接発見のタイプも区別されず、基地局では、発見送信のモデルと、発見用リソースを割り当てるための好ましい手順のタイプを決定するうえで有用な何らの情報も受信されない。

先行技術

0163

3GPP, TR 25.913 (“Requirements for EvolvedUTRA and Evolved UTRAN”
3GPP TS 36.211, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 8)”, version 8.9.0 or 9.0.0
TS 25.912
3GPP TS 36.212, “Multiplexing and channel coding”
LTE- The UMTSLong Term Evolution - From Theory to Practice, Edited by Stefania Sesia, Issam Toufik, Matthew Baker
3GPP TS 36.321 v10.5.0
3GPP TS 36.321 v8
TS 36.213
3GPP TS 36.101, vers. 12.0.0
3GPP TS 36.843 vers. 12.0.0
3GPP TS 23.303 v12.0.0
TS 36.331

0164

例示的な一実施形態は、D2D通信システムにおいてリソースの割当てを実行するためのユーザ機器および方法、を提供する。送信されるデータの量に関する情報および発見情報に関する情報を含む、発見送信用のリソースの割当てのためのリソース要求メッセージが、ユーザ機器において生成され、基地局に送信される。

0165

本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。

0166

本発明の主たる一態様は、D2D発見アナウンスのためのD2Dリソースの割当を要求するリソース要求を含む要求メッセージをRRC_CONNECTEDモードの通信装置から受信し、前記リソース要求はD2D発見アナウンスのための発見送信の数を示す、受信部と、前記要求メッセージに応じて、前記通信装置を対象とする第1のD2Dリソース及び特定の通信装置を対象としない第2のD2Dリソースの1つを前記D2D発見アナウンスのための前記D2Dリソースとして選択する制御部と、前記第1のD2Dリソース又は前記第2のD2Dリソースを通知するリソース設定メッセージを前記通信装置に送信する送信部と、を具備する基地局装置である。

0167

開示する実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および利点は、本明細書および図面に開示したさまざまな実施形態および特徴によって個別に提供することができ、これらの恩恵および利点の1つまたは複数を得るためにすべてを備える必要はない。

0168

以下では、例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図面において類似または対応する細部には、同じ参照番号を付してある。

図面の簡単な説明

0169

3GPPLTEシステムの例示的なアーキテクチャを示している。
3GPPLTEのE−UTRANアーキテクチャ全体の例示的な概要を示している。
3GPP LTE(リリース8/9)のために定義されたものとしてのダウンリンクコンポーネントキャリアの例示的サブフレーム境界の図である。
3GPP LTE(リリース8/9)に定義されているダウンリンクスロットの例示的ダウンリンクリソースグリッドの図である。
ダウンリンクのキャリアアグリゲーションが有効になっている状態における3GPP LTE−A(リリース10)の第2層構造を示している。
ダウンリンクのキャリアアグリゲーションが有効になっている状態における3GPP LTE−A(リリース10)の第2層構造を示している。
MAC制御要素の構造を示している。
D2Dサブフレームの中の、オーバーレイ(LTE)およびアンダーレイ(D2D)における送信リソースおよび受信リソースを示している概略図である。
D2D対応ユーザ機器を含むシステムを示している概略図である。
装置間の直接発見のためのPC5インタフェースの概略図を示している。
ProSe直接発見のための無線プロトコルスタックの概略図を示している。
例示的な例による、発見用リソースを受信するときのIDLEモードおよびCONNECTEDモードを示した図である。
D2D通信システムにおいて発見送信用のリソースを割り当てる方式を示した流れ図である。
例示的な実施形態による、基地局および送信/受信機器を含むD2D通信システムを概略的に示している。
本発明によるスケジューリングの方法およびシステムの実施形態による、MACプロトコルデータユニット(PDU)の構造を示している。
発見用リソース周期内のリソース割当てを示している概略図である。

実施例

0170

以下の段落では、さまざまな例示的な実施形態について説明する。例示のみを目的として、ほとんどの実施形態は、上の背景技術のセクションにおいて一部を説明した3GPPLTE(リリース8/9)およびLTE−A(リリース10/11/12)の移動通信システムによる無線アクセス方式に関連して概説してある。これらの例示的な実施形態は、例えば、上の背景技術のセクションにおいて説明した3GPP LTE−A(リリース10/11/12)の通信システムなどの移動通信システムにおいて有利に使用することができるが、これらの例示的な実施形態は、この特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されないことに留意されたい。

0171

請求項および本明細書において使用されている「直接リンク」という用語は、ネットワークが関与することなくデータを直接交換することを可能にする、2基のD2Dユーザ機器の間の通信リンク(通信チャネル)として理解されたい。言い換えれば、通信チャネルは、データを直接交換するのに十分に近い、通信システム内の2基のユーザ機器の間に、eNodeB(基地局)をバイパスして確立される。この用語は、eNodeBによって管理されるユーザ機器間のデータトラフィックを意味する「LTEリンク」または「LTE(アップリンク)トラフィック」と対照される語として使用されている。

0172

請求項および本明細書において使用されている「送信側ユーザ機器」という用語は、データを送信および受信することのできるモバイルデバイスとして理解されたい。形容詞である「送信側」は、一時的な動作を明確に示すことを目的としているにすぎない。以下の説明において発見送信を目的とする送信側ユーザ機器は、アナウンスする側のユーザ機器または発見する側のユーザ機器(発見者)とすることができる。この用語は、データを受信する動作を一時的に実行するモバイルデバイスを意味する「受信側ユーザ機器」と対照される語として使用されている。以下の説明において発見送信を目的とする受信側ユーザ機器は、監視する側のユーザ機器または発見される側のユーザ機器(被発見者)とすることができる。

0173

請求項および本明細書において使用されている「発見送信」という用語は、送信機器による発見アナウンスの送信、または、送信機器が発見しようとしている情報を示す要求、として理解されたい。

0174

請求項および本明細書において使用されている「発見情報」という用語は、送信側ユーザ機器が、発見送信用のリソースの割当てを目的として基地局に送信する情報として理解されたい。発見情報には、発見送信用のリソースを効率的に割り当てる目的で、送信されるデータの量と一緒に基地局によって使用することのできる任意の情報が含まれる。

0175

以下では、いくつかの例について詳しく説明する。以下の説明は、本発明を制限するものではなく、本発明を深く理解するための単なる例示的な実施形態として理解されたい。当業者には、請求項に記載されている一般的な原理を、さまざまなシナリオに、本明細書に明示的に説明されていない方法で適用できることが認識されるであろう。したがって、さまざまな実施形態を説明する目的で想定される以下のシナリオは、本発明をそのようなシナリオに制限するものではない。

0176

本発明の例示的な一態様は、装置間通信(例えば近傍サービス(ProSe))における発見手順に関する。

0177

eNBは、D2D受信/発見用リソースを、システム情報ブロードキャスト(SIB)において提供することができる。これらのリソースは、送信側ユーザ機器が登録されているセル(現在のセル)においてD2D送信に使用されるリソースと、隣接セルにおいて使用されるリソースとをカバーすることができる。装置間通信システムにおけるシステム情報ブロードキャスト(SIB)は、アンダーレイネットワークにおけるD2Dに関する情報のブロードキャストである。ネットワーク(すなわちeNBまたは基地局)は、D2Dに関連する情報(D2D SIBと称する)を、個別のシステム情報ブロードキャスト(SIB)においてブロードキャストすることができる。同じSIBまたは異なるSIBが、セル間発見メッセージを受信するためのD2Dリソースを示すことができる。

0178

ネットワークのカバレッジ内にあるD2D対応ユーザ機器(カバレッジ内ユーザ機器とも称する)については、アイドルモードのユーザ機器と接続モードのユーザ機器(すなわちネットワークとのRRC接続が確立されているユーザ機器)とで、異なる発見手順を使用することができる。以下ではこの2つのモードについて、図12に関連して説明する。

0179

IDLEモード400にあるユーザ機器については、ユーザ機器は、基地局またはネットワークによって提供されるD2Dに関連するSIB情報を読み取り、このSIB情報は、例えば、基地局または現在のセルがD2Dをサポートしているか否か(401,402)に関する情報とすることができる。さらに基地局は、タイプ1の送信リソースプールをシステム情報ブロードキャスト401において提供することができ、タイプ1の送信リソースプールにおいては、リソースが特定のユーザ機器を対象とせずに割り当てられる。D2D発見を許可されているユーザ機器は、IDLEモードにおいてこの送信プール内のリソースを使用する。言い換えれば、ユーザ機器は、利用可能なリソースを送信リソースプールから選択し、発見メッセージの送信を開始することができる。

0180

あるいは、送信リソースプールに関する情報が基地局によって提供されない場合(402)、ユーザ機器は自身の状態を接続モードに切り替えて(420)、発見送信用のD2Dリソースを要求することができる。より具体的には、D2D対応ユーザ機器は、RRC接続モードに移行する目的でRRC接続確立手順を開始し、さらに、発見アナウンスを送信するためのリソースの要求を示す。この時点で基地局は、ユーザ機器の要求に対する応答を送り、リソースを割り当てる手順を設定することができる。この場合、基地局は、特定のユーザ機器を対象とせずにリソースを割り当てる(タイプ1の手順)ことを選択することができる。接続モードにおけるリソースの割当ては、RRCメッセージを交換することによって行うことができる(431)。リソースの割当てが完了した時点で、ユーザ機器は発見メッセージの送信を開始することができる(441)。

0181

さらなる代替方式によると、基地局は、発見情報をアナウンスするためのリソースが特定のユーザ機器を対象として割り当てられる割当て手順(タイプ2の手順)を使用することができる。したがって基地局は、送信リソースプールを示すが、特定のユーザ機器を対象とする送信リソースを割り当てない。代わりにユーザ機器は、示されたリソースプールから(1つまたは複数の)無線リソースを自律的に選択し、発見情報をアナウンスする(440)。

0182

接続モードにおいては、D2D発見送信の実行を許可されているユーザ機器は、D2D発見送信を確立するための要求を基地局に送る。具体的には、ユーザ機器は、発見送信用のリソースの設定を基地局に要求する(430,431)。発見送信用のリソースの設定を要求することに加えて、ユーザ機器は、さらなる情報を基地局に送信することができる。さらなる情報には、ユーザ機器が発見送信に使用することを望む発見手順のタイプの通知を含めることができる。基地局は、ユーザ機器からの要求に基づいて、上述したようにタイプ1またはタイプ2の手順に従ってリソースを割り当てる(430,431)。

0183

図13は、図12に関連して説明した本発明による、D2D通信システムにおいて発見送信用のリソースを割り当てる方式を示した流れ図である。最初にステップS00において、基地局は、ユーザ機器がD2D発見を許可されているかを判定する。このステップは、この例では発見用リソース割当て手順の最初に示してあるが、ステップS00は必ずしもD2D発見用リソース割当て手順の一部である必要はなく、より早い時点で行うことができる。これに代えて、ユーザ機器がD2D発見を許可されているかの判定を、リソース割当て手順の中で実行することができる。ユーザ機器がD2D発見を許可されていない場合、発見情報を送信するこの手順は、ステップS07において停止する。ステップS01において、送信側ユーザ機器はアイドルモード(例えばRRC_IDLEモード)にある。送信側ユーザ機器は、D2Dに関連するSIB情報を読み取り、送信側ユーザ機器がログインしている基地局またはセルがD2D発見をサポートしているかを判定する。具体的にはユーザ機器は、送信リソースプールに関するSIBが基地局によって提供されているかを判定する(ステップS02)。基地局によってタイプ1の送信リソースプールが提供されている場合、送信側ユーザ機器がD2D発見の実行を許可されているかの判定が前に行われていなければ、それを判定することができる。その後、送信側ユーザ機器は、送信リソースプールの中のリソースを使用して、タイプ1の発見送信を実行する(ステップS08)。

0184

基地局によってタイプ1の手順による発見送信のための送信リソースプールが提供されていない場合、ユーザ機器は、ステップS03においてRRC_CONNECTEDモードに切り替える。RRC_CONNECTEDモードに切り替えることは、新しいRRC接続確立のトリガーに相当する。言い換えれば、D2Dタイプ1の送信リソースプールの情報が提供されていないため、アクセス層によってRRC確立手順がトリガーされる。したがって、一実施形態によると、RRC接続要求メッセージの中の新規確立理由値(すなわちRRCConnectionRequestメッセージの中のestablishmentCauseフィールド)が導入される(非特許文献12の5.3.3節を参照)。この新規のestablishmentCause値は、ユーザ機器がD2Dを目的として、またはD2D発見を目的として、RRC接続の確立を望んでいることを示す。次いでユーザ機器は、ステップS04において、発見送信用のリソースの割当てのためのリソース要求メッセージを基地局に送り、このリソース要求メッセージは、送信されるデータの量に関する情報を含む。さらに、リソース要求メッセージは、さらなる情報として、発見送信用に割り当てるリソース量と、送信側ユーザ機器がそのリソースを利用できる期間とを、基地局がその情報に基づいて決定することのできる情報、を含むことができる。このさらなる情報と、さらなる情報に関連付けられる効果および利点については、後からさらなる例示的な実施形態に関連して説明する。無線リソース要求メッセージは、一実施形態によると、RRC接続確立手順の一部として送ることもできる。リソースを割り当てる場合、基地局は、リソースの割当てを、特定のユーザ機器を対象としない(タイプ1の)割当て手順に従って実行するべきか、特定のユーザ機器を対象とする(タイプ2の)割当て手順に従って実行するべきかを、リソース要求メッセージの中の情報に基づいて、または別のパラメータ(リソースの可用性など)に基づいて、または衝突率に基づいて、決定することができる。ステップS05において、基地局がタイプ1のリソース割当て手順を決定した場合、プロセスはステップS08にジャンプする。あるいは基地局がタイプ2のリソース割当て手順を決定した場合、送信側ユーザ機器は、特定のユーザ機器を対象とする手順(タイプ2の手順)によるリソースの割当てを要求する。発見送信用のリソースが割り当てられた時点で、送信側ユーザ機器は発見送信を開始する。

0185

図14は、例示的な実施形態による、基地局510およびProSe対応ユーザ機器または送信/受信機器500を含む、本発明によるD2D通信システムを概略的に示している。以下では、説明を目的として、ユーザ機器を送信側ユーザ機器または単にユーザ機器(UE)と称する。しかしながら、このような装置は、当然ながらD2D通信システムにおいて標準のLTEチャネルおよび直接リンクデータチャネルでデータを受信することもできることを理解されたい。

0186

ユーザ機器500は、発見送信用のリソースの割当てのためのリソース要求メッセージを生成するようにされている生成ユニット570、を含む。リソース要求メッセージは、発見アナウンスまたは発見メッセージを送信するのに必要であるデータの量に関する情報を含む。送信されるデータの量に関する値がシグナリング送信ユニット560に出力され、基地局510に送信される。基地局510は、送信されるデータの量に関する値に基づいて、発見アナウンスを送信するのにユーザ機器によって必要とされる正確な量のリソースを割り当てることができる。生成ユニットは、送信されるデータ量に関する情報に加えて、発見通知(discovery indication)も生成することができる。発見通知は、発見メッセージの送信に関連する任意の情報を含むことができ、発見送信の効率を高める目的で基地局510が発見送信のためのリソースおよびタイムスロットを割り当てるのに使用する。発見通知と、送信されるデータ量に関する情報は、多重化ユニット(図示していない)において、リソース要求メッセージの中に多重化される。次いで送信ユニット560が、生成されたリソース要求メッセージを基地局に送信する。

0187

さらにユーザ機器は、発見送信用のリソースを割り当てる、基地局からのメッセージ、を受信するようにされている受信ユニット540、を含む。これに加えてユーザ機器は、オプションとして、遅延ユニット580、制御ユニット590、およびタイミングユニット550を含むことができる。これらのユニットについては、後からさらなる例示的な実施形態を参照しながらさらに詳しく説明する。

0188

発見通知は、発見に関する通知とすることができ、発見サービスのタイプ、発見送信の継続時間、発見送信の回数、好ましいリソース割当てパターン、発見送信手順の好ましいタイプ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。このリストは説明を目的としているにすぎず、オプションとしての情報すべてを網羅しているわけではなく、必ずしもこれらに制限されないことを理解されたい。リソースの割当てを実行する目的で基地局510によって使用することのできる任意の他の情報を、上にリストした情報に加えて、または代えて、使用することができる。

0189

基地局は、ユーザ機器へのリソースの割当てを優先順位付けする目的で、発見サービスのタイプを示す追加の情報を使用することができる。ユーザ機器は、例えば公共安全性に関する発見メッセージをブロードキャストする必要が生じることがある。例えば、事故が起きて道路の一部が危険で通行不能である場合である。このような発見メッセージの送信が少しでも遅れると、一般的にはその道路を通行する利用者の安全性に関して重大な結果を招きかねない。この場合、生成部は、発見サービスのタイプに関する情報(発見が公共安全性に関することを示す)を、リソース要求メッセージに含めることができる。基地局は、この追加の情報に従って、その発見メッセージに高い優先順位を与えることができる。一例として基地局は、発見サービスのタイプに関する追加の情報に基づいて、発見送信用のリソースをタイプ2の手順を使用して割り当てることを決定することができる。すでに上述したように、タイプ2の手順では、要求を送ったユーザ機器を対象とするリソースを割り当てることができる。タイプ2の手順の利点として、異なるユーザ機器の間で衝突が起こらず、したがって発見送信の効率が高まる。さらに基地局は、発見サービスのタイプに関する情報を使用して、定義されている時間枠内で割り当てるリソースのサイズを決定することができる。

0190

本発明のさらなる実施形態として、発見通知には、ユーザ機器によって実行される発見送信の回数、または発見送信の継続時間を含めることができる。これを目的として、ユーザ機器は、発見送信のタイミングおよび回数を計算するようにされているタイミングユニット550を含むことができる。しかしながらタイミングユニットは必須ではなく、ユーザ機器内の任意の別のユニットによってタイミング機能を実行することもできる。これに代えて、タイミングを固定することができ、ユーザ機器がタイミング情報を認識できるようにすることができる。基地局510は、必要な時間窓に対応する発見送信用のリソースを割り当てる目的で、タイミング情報または発見送信の回数に関する情報を使用することができる。これにより、ユーザ機器500が発見送信用のリソースの割当ての要求を基地局に繰り返し送ることを防ぐことができ、したがってシグナリングオーバーヘッドが減少する。

0191

発見通知の別の例は、発見のタイプがモデルAであるかモデルBであるかに関する情報である(発見のタイプについては導入部分において詳しく説明した)。

0192

送信側ユーザ機器500は、発見送信手順のタイプをリソース要求メッセージに含めることができる。発見送信手順のタイプには第1の手順が含まれ、第1の手順では、発見送信用のリソースの割当てが送信側ユーザ機器を特に対象としていない。この第1の手順は、導入部分で説明したタイプ1の割当て手順に相当する。これに加えて、またはこれに代えて、発見送信手順のタイプには第2の手順が含まれ、第2の手順では、発見送信用のリソースの割当てが送信側ユーザ機器を対象とする。この第2の手順は、導入部分で説明したタイプ2の割当て手順に相当する。

0193

本発明の例示的な実施形態によると、発見送信のリソースは、RRCプロトコルを使用して要求する。したがって、リソース要求メッセージは無線リソース制御(RRC)メッセージである。リソース要求情報を伝える新規のRRCメッセージ(例:ProseDiscoveryIndicationメッセージ)が導入される。基地局は、この要求メッセージに応えて、D2D発見アナウンス用のリソースの設定(すなわち送信リソースプールの情報(タイプ1)または専用リソース割当ての情報(タイプ2)のいずれか)を含む新規のRRCメッセージ(例:DiscoveryResourceConfigメッセージ)を送る。

0194

これに代えて、発見送信用のリソースの割当ての要求は、発見送信およびデータ送信の一般的なシグナリング方式を使用することによって、D2D通信におけるスケジューリング要求(SR)/バッファ状態報告(BSR)のシグナリング手順において実施することができる。

0195

スケジューリング要求(SR)は、基地局によって割り当てられるPUCCHのリソースを介して送信することができる(すなわち専用スケジューリング要求(D−SR)とも称される)。専用スケジューリング要求は、通常では1ビット長であり、対応する周期的なPUCCHリソースによってスケジューリング要求を送信することができるが、バッファ状態報告や送信バッファ内の実際のデータなどのさらなるデータを送信するには不十分である。背景技術のセクションで説明したように、LTEでは、バッファ状態報告がトリガーされたとき、そのバッファ状態報告を送信するのに利用可能なPUSCHリソースがない場合、スケジューリング要求がトリガーされる。言い換えれば、スケジューリング要求の目的は、ユーザ機器がバッファ状態報告を送信することができるようにPUSCHリソースの割当てを基地局に求めることであり、バッファ状態報告によって基地局は、アップリンクデータを送信するのに適切なリソースを割り当てることが可能になる。

0196

D2D対応の送信側ユーザ機器は、D2Dベアラに関するバッファ状態報告がトリガーされているとき(例えばD2Dベアラの新しいデータがバッファに格納されたとき)、スケジューリング要求(SR)をPUCCH(D−SR)またはRACHのいずれかで送信する。このスケジューリング要求は、通常のLTEアップリンク時間/周波数リソースにおいて(すなわちD2D用に予約されている時間/周波数リソースではない)送信される。基地局510は、このスケジューリング要求を受信すると、D2D送信側ユーザ機器にPUSCHリソースを割り当てる。D2D送信側ユーザ機器は、上述したようにD2Dに関連するバッファ状態情報をそのPUSCHリソース内で送信する。基地局510は、詳細なバッファ状態情報に基づいて、D2Dデータ通信のためのD2D時間/周波数リソースを割り当てる。

0197

上述したように、前段落最後の(すなわちD2Dに関連するバッファ状態情報を受信したときの)アップリンググラント/リソース割当てでは、異なるリソース割当てフォーマット/DCI(例えばD2D RNTIにアドレッシングされたフォーマット/DCI)を使用することができる。

0198

図15は、上述したスケジューリング方法の実施形態による、MACプロトコルデータユニット(PDU)の構造を記載している。上述したスケジューリング方法によるバッファ状態報告手順において参照されるMACプロトコルデータユニットには、D2Dに関連するシグナリングを実行するための制御要素が組み込まれている。D2D通信のためのスケジューリング情報は、D2D専用バッファ状態報告とすることができ、D2D専用バッファ状態報告は、D2D通信のためのMAC制御要素によって実施することができる。したがって、PUSCHで送信されるMACプロトコルデータユニットには、LTEアップリンクトラフィックにおけるスケジューリングを実行するために使用される、MACBSR CEやMAC PHR CE(図15にはMAC CE1、MAC CE2として示してある)などのMAC制御要素に加えて、データを送信側ユーザ機器から直接リンクチャネルで受信側ユーザ機器に送信するためのリソースのスケジューリングを実行するのに使用される1つまたは複数のD2D MAC制御要素を含めることができる。

0199

MACPDUの中のD2DMAC制御要素には、さらに識別番号を関連付けることができる。この識別番号は、例えば、予約されている論理チャネルIDとすることができ、論理チャネルIDをMAC PDUのヘッダ(すなわちMACサブヘッダ)に格納することができる。識別番号は、D2D MAC制御要素(D2D MAC CE)に対応するR/R/E/LCIDサブヘッダに格納することが有利である。したがって基地局は、MAC PDUの中のバッファ状態報告のうち、直接リンク接続を通じてのD2Dデータ送信のスケジューリング手順に使用しなければならないバッファ状態報告と、LTEセルラーアップリンクトラフィックをスケジューリングするのに使用しなければならないバッファ状態報告とを、区別することができる。この論理チャネルIDは、予約されている論理チャネルID(LCID)のうちの1つとすることができる。

0200

例示的な実施形態によると、ユーザ機器は、発見メッセージを送信することが許可されている場合、無線リソースの要求、または発見送信の設定を目的として、スケジューリング要求(SR)およびD2Dバッファ状態報告(BSR)を送る。この発見スケジューリングの要求は、データ送信用のアップリンクデータチャネルで基地局に送信される。一例として、発見スケジューリングの要求は、直接リンク通信のためのMAC制御要素の中で送信することができる。直接リンク通信のためのMAC制御要素は、LTEMACPDUの中のD2D BSR MAC制御要素とすることができる。

0201

本発明の例示的な実施形態によると、D2DBSRMAC制御要素は、送信が発見送信であるのかデータ送信であるのかを識別する識別値(identification value)(フラグなど)を含むことができる。フラグが発見送信を示す場合、報告するバイト数は発見メッセージのサイズに一致する。これに対して、D2D BSR MAC制御要素がD2Dデータ送信用の割当て要求であることをフラグが示す場合、報告するバイト数はD2Dベアラのデータに一致する。

0202

これに加えて、またはこれに代えて、D2DBSRMAC制御要素が発見送信に関連することをフラグが示す場合、D2D BSR MAC制御要素には、すでに前述した追加の情報(例えば、好ましいパターン、発見メッセージが公共安全性に関連するか否かに関する情報、ユーザ機器がタイプ1の割当てとタイプ2の割当てのどちらを望むか)を含めることができる。

0203

具体的には、発見送信手順がタイプ1の手順であるという情報は、発見送信用のリソースの割当てが送信側ユーザ機器を特に対象としないことを基地局に伝える。タイプ1の送信手順は、第1の手順としても示される。

0204

具体的には、発見送信手順がタイプ2の手順であるという情報は、発見送信用のリソースの割当てが送信側ユーザ機器を対象とすることを基地局に伝える。タイプ2の送信手順は、第2の手順としても示される。

0205

基地局は、セル内で利用可能なリソースを管理する目的で、ユーザ機器によって送信されたリソース要求メッセージに示されている時間の後、または自身の判断で、発見送信を停止させることができる。これに代えて、基地局は、ユーザ機器が発見メッセージの送信を依然として望んでいるかを認識していないという理由で、発見送信を中断することができる。この状況は、例えばユーザ機器が、前述したモデルBに従って発見アナウンスを送信している場合に起こりうる。この場合、ユーザ機器は、自身が発見したい対象に関する情報を含む発見アナウンスを周期的に送り、発見される側の装置がアナウンスによる要求に応答するまで待機する。

0206

送信の中断の例として、基地局は、発見送信(アナウンス)用に割り当てられているリソースを設定解除することができる。これに代えて、基地局は、たとえD2Dユーザ機器が発見アナウンスを依然として続行することを意図している場合でも、D2Dユーザ機器のRRC接続を解放することができる。

0207

本発明の例示的な実施形態においては、ユーザ機器500の受信ユニット540は、発見送信の中断に関する中断メッセージを基地局510から受信することができる。発見送信の中断は、基地局がリソースを設定解除する、またはRRC接続を解放するときに起こる。したがって中断メッセージには、発見送信用に割り当てられているリソースの設定解除に関する設定解除メッセージ、または無線リソース制御(RRC)接続の解放に関する解放メッセージ、の少なくとも一方を含む。

0208

標準の通信方式によると、ユーザ機器は、基地局によってリソースが設定解除された直後、またはRRC接続が解放された直後に、発見送信手順を再開する。したがって、RRC接続の新たな要求、または発見送信用のリソースの要求が基地局に送信される。しかしながら、送信リソースがもはや利用可能ではないという理由で基地局が送信リソースを設定解除した場合、リソースの割当ての新しい要求を送信しても、ユーザ機器にリソースは割り当てられず、シグナリングオーバーヘッドが増大するだけである。接続が解放された直後、またはリソースが設定解除された直後に、D2D発見アナウンス用のリソースの割当ての要求をユーザ機器が再送信することを回避する目的で、例示的な実施形態においては、リソースが設定解除された後の指定された時間の間、ユーザ機器が発見用リソースを要求することを抑制する禁止メカニズムを導入する。これを目的として、基地局510は、設定解除メッセージと一緒にタイマー値をユーザ機器に送ることができる。受信ユニット540はタイマー値を遅延ユニット580に渡し、遅延ユニット580は、受け取ったタイマー値に従って送信ユニット560を制御して送信を遅らせる。

0209

タイマー値は、基地局510によって、中断メッセージのリソース設定解除メッセージの中、またはRRC接続の解放に関するメッセージの中で、シグナリングすることができる。これに代えて、発見送信用のリソースが割り当てられたときに、タイマー値を指定することができる。例えば、発見送信用のリソースを割り当てるために基地局によって送信されるメッセージの中で、タイマー値を指定することができる。このように、新しいリソース要求メッセージを送信することが禁止される所定の時間に関する情報を、受信される設定解除メッセージまたはリソース設定メッセージに含めることができる。

0210

タイマー値に代えて、またはタイマー値に加えて、基地局は、RRC接続解放メッセージの中に、タイプ1の送信リソースプールの情報を含めることができる。したがって基地局によって発見送信が中断された後、ユーザ機器は、発見送信用のリソースを送信リソースプールから自律的に選択し、基地局から独立して発見送信を再開することができる。

0211

本発明の別の例示的な実施形態においては、RRC_CONNECTEDモードにおいてタイプ1の発見送信を設定された送信側ユーザ機器500は(例えば、無線リソースの要求に応えて基地局によって送信リソースプールの情報が送信側ユーザ機器に提供された場合)、RRC_IDLEモードにおいても発見アナウンスの送信を続行することができる。タイプ1の発見用リソースは、ユーザ機器がRRC_CONNECTEDモードにあるときに割当てが実施される場合であっても、特定のユーザ機器を対象とせずに割り当てられる。したがって、割り当てられたリソースを、たとえ別のユーザ機器が解放するように明示的に要求していない場合でも、割り当てられたリソースをその別のユーザ機器によって使用することができる。したがって、ユーザ機器がRRC_CONNECTEDモードにあるときに割り当てられたタイプ1の発見用リソースは、そのユーザ機器がRRC_IDLEモードに移行しても使用することができる。例えばユーザ機器は、RRC_IDLEモードに移行したとき、有効期間タイマー(validity timer)またはタイマー値が切れるまで、D2D発見アナウンスの送信を続行することができる。より具体的には、RRC_CONNECTEDモードにおいて起動された有効期間タイマーは、たとえユーザ機器がRRC_IDLEモードに入っても継続されるべきである。したがってユーザ機器は、有効期間タイマーの継続中は、特定のProSeアプリケーションに関連する発見アナウンスを実行することが許可される。有効期間タイマーは、許可手順時に割り当てることができる。これに代えて基地局は、ユーザ機器がRRC_IDLEモードにおいてタイプ1のリソース割当て手順に従って発見アナウンスを続行することが許可される期間を、RRCConnectionReleaseメッセージの中で示すことができる。

0212

本発明の別の例示的な実施形態においては、送信側ユーザ機器500は、発見送信用の割り当てられたリソースを維持するように基地局510に要求する継続メッセージまたは維持メッセージ、もしくは、発見送信用に割り当てられたリソースを設定解除できることを示す停止メッセージ、またはその両方を含むステータス情報、を生成する。ステータス情報は、所定の時間間隔で基地局に送信することができる。

0213

例えば、RRC_CONNECTEDモードにあるユーザ機器は、自身が発見アナウンスの続行を望む、または発見アナウンス用に割り当てられた送信リソースの維持を望むことを示す維持メッセージを、基地局に送ることができる。したがって維持メッセージは、例えばRRCプロトコルを使用して独立して基地局に送ることができる。ユーザ機器が発見アナウンスの続行を望むことを示す目的で、この場合にも例えばProseDiscoveryIndicationメッセージを送ることができる。これに代えて、維持メッセージを、MAC制御要素(例えば図15に関連して説明したD2DMAC制御要素など)によって伝えることができる。維持メッセージは所定の時間間隔で基地局に送ることができ、この時間間隔は、基地局が送信リソースを設定解除するまでの時間間隔より短いように選択することができる。時間間隔の決定は、タイミングユニット550において行うことができる。タイミングユニットは、決定した時間間隔を制御ユニット590に出力することができる。次いで制御ユニット590は、維持メッセージを生成するように生成ユニットに命令することができる。生成ユニット570は、RRCプロトコルで送信される独立したメッセージとして維持メッセージを生成する、または、上述したようにMAC制御要素に維持メッセージを含めることができる。次いで、生成された維持メッセージ、または維持情報を含むMAC制御要素を送信ユニットに出力し、基地局に送信する。これに代えて、タイミングユニットは、決定した時間情報を送信部560に直接出力することができる。

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