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技術 配線基板の製造方法及び配線基板の製造装置並びにこれらを用いた集積回路の製造方法及び集積回路の製造装置

出願人 富士ゼロックス株式会社
発明者 松村保雄山崎純明村上毅吉田華奈佐藤修二
出願日 2018年9月13日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-171873
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-043312
状態 未査定
技術分野 プリント配線の製造(2) 電子写真における現像剤
主要キーワード 針状端子 累積相対度数 集積回路製造装置 入口気流 ウレタンロール シリコンロール 青銅粉 加圧荷重
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

抵抗定性に優れた配線を有する配線基板の製造方法を提供すること。

解決手段

熱可塑性トナートナー像が形成された基板を準備する準備工程と、前記基板の上に形成された、前記トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成工程と、を含む、配線基板の製造方法である。

概要

背景

特許文献1には、「静電像坦持体現像器転写体現像剤を転写する転写装置具備する装置において、現像剤が導電性粒子であって、該転写体の表面に粘着剤が塗布されており、該導電性粒子を表面に保持した該静電潜像担持体と該粘着剤を接触させ粘着転写する工程とからなる事を特徴とする回路基板の製造方法及び装置」が開示されている。

特許文献2には、「ICモジュール埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、当該ICモジュールに接続端子を介してアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、少なくとも加圧することで当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて接着することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする非接触情報記録媒体の製造方法」が開示されている。

特許文献3には、「電子写真方式で用いられるトナーないし現像剤をレジスト剤として利用して導電回路を作成することを特徴とする導電回路の作成方法」が開示されている。

概要

抵抗定性に優れた配線を有する配線基板の製造方法を提供すること。熱可塑性トナーのトナー像が形成された基板を準備する準備工程と、前記基板の上に形成された、前記トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成工程と、を含む、配線基板の製造方法である。

目的

本発明の課題は、厚さ0.1μm未満又は2μm超えの導電箔を形成する場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱可塑性トナートナー像が形成された基板を準備する準備工程と、前記基板の上に形成された、前記トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成工程と、を含む、配線基板の製造方法。

請求項2

前記熱可塑性トナーは、加熱下における流動開始温度が80℃以下であり、1/2降下温度が95℃以下である請求項1に記載の配線基板の製造方法。

請求項3

前記熱可塑性トナーは、前記流動開始温度が50℃以上75℃以下であり、前記1/2降下温度が60℃以上86℃以下である請求項2に記載の配線基板の製造方法。

請求項4

前記熱可塑性トナーは、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

請求項5

前記熱可塑性トナーは、前記非晶性樹脂及び前記結晶性樹脂を含む芯部と、前記芯部を被覆し、非晶性樹脂を含む被覆部と、を有する構造のトナー粒子を含む、請求項4に記載の配線基板の製造方法。

請求項6

前記熱可塑性トナーは、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

請求項7

前記配線形成工程において、前記トナー像及び前記導電箔に、60℃以上の熱及び1MPa以下の圧力を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

請求項8

前記配線形成工程において、フィルム基材上に形成された前記導電箔を、前記トナー像の上に転写して、前記導電箔で構成され、かつ表面が導電性の配線を形成する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

請求項9

請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法により配線基板を製造する工程と、前記配線基板に対して、半導体素子を取り付ける取付工程と、を含む、集積回路の製造方法。

請求項10

基板の上に形成された、熱可塑性トナーのトナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成部を含む、配線基板の製造装置

請求項11

前記熱可塑性トナーは、加熱下における流動開始温度が80℃以下、1/2降下温度が95℃以下である請求項10に記載の配線基板の製造装置。

請求項12

前記熱可塑性トナーの、前記流動開始温度が50℃以上75℃以下であり、前記1/2降下温度が60℃以上86℃以下である請求項11に記載の配線基板の製造装置。

請求項13

前記熱可塑性トナーは、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

請求項14

前記熱可塑性トナーは、前記非晶性樹脂及び前記結晶性樹脂を含む芯部と、前記芯部を被覆し、非晶性樹脂を含む被覆部と、を有する構造の熱可塑性トナーである請求項13に記載の配線基板の製造装置。

請求項15

前記熱可塑性トナーは、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下である請求項10〜請求項14のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

請求項16

前記配線形成部において、前記トナー像及び前記導電箔に、60℃以上の熱及び1MPa以下の圧力を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

請求項17

前記配線形成部において、フィルム基材上に形成された前記導電箔を、前記トナー像の上に転写して、前記導電箔で構成され、かつ表面が導電性の配線を形成する請求項10〜請求項16のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

請求項18

請求項10〜請求項17のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置と、前記配線基板に対して、半導体素子を取り付ける取付装置と、を含む、集積回路の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、配線基板の製造方法及び配線基板の製造装置並びにこれらを用いた集積回路の製造方法及び集積回路の製造装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、「静電像坦持体現像器転写体現像剤を転写する転写装置具備する装置において、現像剤が導電性粒子であって、該転写体の表面に粘着剤が塗布されており、該導電性粒子を表面に保持した該静電潜像担持体と該粘着剤を接触させ粘着転写する工程とからなる事を特徴とする回路基板の製造方法及び装置」が開示されている。

0003

特許文献2には、「ICモジュール埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、当該ICモジュールに接続端子を介してアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、少なくとも加圧することで当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて接着することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする非接触情報記録媒体の製造方法」が開示されている。

0004

特許文献3には、「電子写真方式で用いられるトナーないし現像剤をレジスト剤として利用して導電回路を作成することを特徴とする導電回路の作成方法」が開示されている。

先行技術

0005

特開2011−238837号公報
特開2013−015953号公報
特開2004−095648号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来、基板上に熱可塑性トナーを用いたトナー像を形成し、前記トナー像の上に、導電箔を接着させる配線基板の製造方法では、形成される配線抵抗定性が低い傾向にある。そこで本発明の課題は、厚さ0.1μm未満又は2μm超えの導電箔を形成する場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。

0008

[1]熱可塑性トナーのトナー像が形成された基板を準備する準備工程と、
前記基板の上に形成された、前記トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成工程と、
を含む、配線基板の製造方法。

0009

[2] 前記熱可塑性トナーは、加熱下における流動開始温度が80℃以下であり、1/2降下温度が95℃以下である前記[1]に記載の配線基板の製造方法。

0010

[3] 前記熱可塑性トナーは、前記流動開始温度が50℃以上75℃以下であり、前記1/2降下温度が60℃以上86℃以下である前記[2]に記載の配線基板の製造方法。

0011

[4] 前記熱可塑性トナーは、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む
前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

0012

[5] 前記熱可塑性トナーは、前記非晶性樹脂及び前記結晶性樹脂を含む芯部と、前記芯部を被覆し、非晶性樹脂を含む被覆部と、を有する構造のトナー粒子を含む、前記[4]に記載の配線基板の製造方法。

0013

[6] 前記熱可塑性トナーは、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下である前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

0014

[7] 前記配線形成工程において、前記トナー像及び前記導電箔に、60℃以上の熱及び1MPa以下の圧力を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

0015

[8] 前記配線形成工程において、フィルム基材上に形成された前記導電箔を、前記トナー像の上に転写して、前記導電箔で構成され、かつ表面が導電性の配線を形成する前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。

0016

[9] 前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法により配線基板を製造する工程と、
前記配線基板に対して、半導体素子を取り付ける取付工程と、
を含む、集積回路の製造方法。

0017

[10]基板の上に形成された、熱可塑性トナーのトナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成部を含む、配線基板の製造装置。

0018

[11] 前記熱可塑性トナーは、加熱下における流動開始温度が80℃以下、1/2降下温度が95℃以下である前記[10]に記載の配線基板の製造装置。

0019

[12] 前記熱可塑性トナーの、前記流動開始温度が50℃以上75℃以下であり、前記1/2降下温度が60℃以上86℃以下である前記[11]に記載の配線基板の製造装置。

0020

[13] 前記熱可塑性トナーは、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む前記[10]〜[12]のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

0021

[14] 前記熱可塑性トナーは、前記非晶性樹脂及び前記結晶性樹脂を含む芯部と、前記芯部を被覆し、非晶性樹脂を含む被覆部と、を有する構造の熱可塑性トナーである前記[13]に記載の配線基板の製造装置。

0022

[15] 前記熱可塑性トナーは、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下である前記[10]〜[14]のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

0023

[16] 前記配線形成部において、前記トナー像及び前記導電箔に、60℃以上の熱及び1MPa以下の圧力を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する前記[10]〜[15]のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

0024

[17] 前記配線形成部において、フィルム基材上に形成された前記導電箔を、前記トナー像の上に転写して、前記導電箔で構成され、かつ表面が導電性の配線を形成する前記[10]〜[16]のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置。

0025

[18] 前記[10]〜[17]のいずれか1項に記載の配線基板の製造装置と、
前記配線基板に対して、半導体素子を取り付ける取付装置と、
を含む、集積回路の製造装置。

発明の効果

0026

[1]、[4]、[5]又は[8]に係る発明によれば、厚さ0.1μm未満又は2μm超えの導電箔を形成する場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造方法が提供される。

0027

[2]又は[3]に係る発明によれば、加熱下における流動開始温度が80℃超えである場合又は1/2降下温度が95℃超えである場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造方法が提供される。

0028

[6]に係る発明によれば、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%を超える場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造方法が提供される。

0029

[7]に係る発明によれば、前記配線形成工程において、前記トナー像及び前記導電箔に、60℃未満の熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造方法が提供される。

0030

[9]又は[18]に係る発明によれば、厚さ0.1μm未満又は2μm超えの導電箔を形成する配線基板の製造方法により配線基板を製造する工程と、前記配線基板に対して、半導体素子を取り付ける取付工程と、を含む場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板を備える集積回路の製造方法又は集積回路の製造装置が提供される。

0031

[10]、[13]、[14]又は[17]に係る発明によれば、厚さ0.1μm未満又は2μm超えの導電箔を形成する場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造装置が提供される。

0032

[11]又は[12]に係る発明によれば、加熱下における流動開始温度が80℃超えである場合又は1/2降下温度が95℃超えである場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造装置が提供される。

0033

[15]に係る発明によれば、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%を超える場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造装置が提供される。

0034

[16]に係る発明によれば、前記配線形成工程において、前記トナー像及び前記導電箔に、60℃未満の熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する場合に比べ、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板の製造装置が提供される。

図面の簡単な説明

0035

本実施形態に係る配線基板製造装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る導電箔付フィルム層構成の一例を示した概略構成図である。
本実施形態に係る配線基板製造装置における配線形成部80の構成の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る配線基板製造装置における配線形成部90の構成の一例を示す概略構成図である。
短絡の有無の評価に用いた基板の概略図である。
抵抗安定性の評価1に用いた集積回路の概略図である。
抵抗安定性の評価2に用いた集積回路の概略図である。

0036

以下に、本実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。

0037

本実施形態中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本実施形態中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。

0038

本実施形態において各成分は該当する物質複数種含んでいてもよい。本実施形態において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。

0039

本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。

0040

本実施形態に係る配線基板の製造方法は、熱可塑性トナーのトナー像が形成された基板を準備する準備工程と、前記基板の上に形成された、前記トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成工程と、を含む。本実施形態に係る配線基板の製造方法は、その他の工程を含んでいてもよい。

0041

従来、配線基板の製造方法及びこれを用いた配線基板の製造装置では、高分子フィルムセラミックス等を用いた絶縁性基板金属箔感光材レジスト)などを用いる手法;フォトリソグラフィにより、導電性インク配線回路印刷する技術が知られている。フォトリソグラフィによる印刷技術では、従来、基板上に感光材を塗布した後、配線回路の原版であるマスクを通して基板を露光し、前記配線回路の型を基板上に作製(印刷)する。

0042

しかしながら、従来のマスクを用いた配線回路の作製は、必要な型の配線基板を必要な量だけすぐに製造する点、即ち、オンデマンド性欠ける。また、少数の配線基板を試作しようとすると、コストアップが避けられない。

0043

そこで近年、新しい印刷技術の一つとして、基板上に熱可塑性トナーを用いたトナー像を形成し、前記トナー像の上に、導電箔を押圧して配線基板を製造する方法が開発されている。しかしながら、従来の熱可塑性トナーを用いた印刷技術では、最終的に得られる配線基板において、配線に部分的な欠け及び短絡が生じたり、配線基板が発熱したりすることがある(以下、これらの現象が生じることを「抵抗安定性が低い」とも称す)。

0044

一方、本実施形態に係る配線基板の製造方法では、上記工程を含むことにより、抵抗安定性の高い配線を有する配線基板が提供される。この要因としては必ずしも明らかではないが、以下の様に考えることができる。

0045

本実施形態に係る配線基板の製造方法では、配線形成工程において用いる導電箔の厚さが0.1μm以上である。つまり、トナー像の上に形成される配線の厚さが厚くなり、配線の抵抗が低くなる傾向にある。そのため、例えば、配線に高電流を流そうとした場合においても、配線の発熱が抑制されると考えられる。
また、本実施形態に係る配線基板の製造方法では、配線形成工程において用いる導電箔の厚さが2μm以下である。つまり、トナー像の上に形成される配線の厚さが過度に厚くならず、導電箔の転写不良が抑制される傾向にある。その結果、配線の欠け及び短絡も抑制されると考えられる。

0046

以下、添付図面を参照して、本実施形態に係る配線基板の製造装置について詳細に説明する。

0047

[配線基板の製造装置]
本実施形態に係る配線基板の製造装置は、基板の上に形成された、熱可塑性トナーのトナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成部を含む。本実施形態に係る配線基板の製造装置は、その他の部材を備えていてもよい。

0048

図1は、本実施形態に係る配線基板製造装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す配線基板製造装置1は、所謂タンデム型カラープリンタである。配線基板製造装置1は、画像データに基づき、基板の一例である用紙P上に、ガイド用の画像形成を行うガイド用画像形成部10と、配線基板製造装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース部30と、を備える。配線基板製造装置1は、本実施形態に係る導電箔用の熱可塑性トナーを用いて、用紙P上に導電箔用トナー像を形成する導電箔用トナー像形成部70と、導電箔用トナー像の上に厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成し、この導電箔用トナー像及び導電箔に少なくとも熱を付与して配線を形成する配線形成部80と、を備える。

0049

図1に示す配線基板製造装置1は、半導体素子を取り付ける素子取付部300(取付装置)を更に備えることで集積回路製造装置としてもよい。

0050

ガイド用画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、イエロー(Y)のガイド用画像形成ユニット11Y、マゼンタ(M)のガイド用画像形成ユニット11M、シアン(C)のガイド用画像形成ユニット11C、および黒(K)のガイド用画像形成ユニット11Kの4つの画像形成ユニットを備える。なお、以下の説明において、各画像形成ユニットを区別しないで説明する場合には「ガイド用画像形成ユニット11」と総称する。

0051

各ガイド用画像形成ユニット11は、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色のガイド用トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定めた電位帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備える。そして、各ガイド用画像形成ユニット11は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成されている。

0052

ガイド用画像形成部10は、各ガイド用画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される転写ベルト20と、各ガイド用画像形成ユニット11にて形成された各色のガイド用トナー像を転写ベルト20に転写(1次転写)する1次転写ロール21と、を備える。また、転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を用紙Pに一括転写(2次転写)する2次転写ロール22を、備える。さらに、各色のガイド用トナー像が形成された用紙Pを、加熱および加圧し、用紙P上に各色のガイド用トナー像を熱定着させる定着ユニット60を、備える。本実施形態では、定着ユニット60の熱定着処理により用紙P上に定着する導電箔用トナー像を形成するためのトナーを、熱可塑性トナーと称する。熱可塑性トナーは、加熱されることにより、粘度が低下する。なお、本実施形態では、2次転写ロール22が配置され、転写ベルト20上の各色のガイド用熱定着トナー像が用紙Pに2次転写される領域を、2次転写領域23と称する。

0053

配線基板製造装置1を用いて配線基板を製造する基本的な動作例について説明する。ガイド用画像形成部10のガイド用画像形成ユニット11の各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりイエロー、マゼンタ、シアン、黒のガイド用熱定着トナー像を形成する。各ガイド用画像形成ユニット11にて形成された各色のガイド用熱定着トナー像は、1次転写ロール21により転写ベルト20上に順に1次転写され、各色のガイド用熱定着トナーが重畳された合成トナー像を形成する。転写ベルト20上の合成トナー像は、転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って2次転写ロール22が配置された2次転写領域23に搬送される。

0054

記録媒体搬送系では、記録媒体収容容器40から繰出しロールにより繰り出された用紙Pは、搬送路に沿って搬送され、2次転写領域23に到達する。2次転写領域23では、2次転写ロール22により形成された転写電界によって、転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙Pに一括して二次転写される。
その後、画像が形成された用紙Pは、転写ベルト20から分離され、搬送路に沿って定着ユニット60に搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙P上の画像(ガイド用熱定着トナー像)は、定着ユニット60によって定着処理を受けて用紙Pに定着される。

0055

定着ユニット60によってガイド用熱定着トナー像が定着された用紙Pは、搬送路に沿って導電箔用トナー像形成部70に搬送される。導電箔用トナー像形成部70に搬送された用紙P上に、熱可塑性トナーの導電箔用トナー像を形成する。次に、配線形成部80により形成された前記熱可塑性トナーの導電箔用トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を、押し当て接着させる。そして、この導電箔用トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与し、導電箔用トナー像の上に導電箔で形成された配線を接着することで、配線基板を製造する。

0056

導電箔用トナー像形成部70は、電子写真方式により導電箔用トナー像を形成する機能部である導電箔用トナー像形成ユニット71を備える。導電箔用トナー像形成ユニット71は、トナーが収容されている点を除いてガイド用画像形成部10の各ガイド用画像形成ユニット11と略同様に構成されている。また、導電箔用トナー像形成部70は、導電箔用トナー像形成ユニット71に形成された導電箔用トナー像を、用紙Pに対して転写するためのトナー像転写ロール72を備える。

0057

以下、本実施形態に係る配線基板の製造装置における各構成材料について、詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。

0058

[熱可塑性トナー]
熱可塑性トナーの構成について説明する。
本実施形態に係る熱可塑性トナー(以下、単に「トナー」とも称す)は、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。

0059

(熱可塑性トナーの性質
熱可塑性トナーは、抵抗安定性に優れた配線を形成する観点から、加熱下における流動開始温度の上限値が、80℃以下であることが好ましく、78℃以下であることがより好ましく、75℃以下であることが更に好ましい。
また、熱可塑性トナーは、熱によりトナーが融着する現象(ブロッキング)の抑制など保管性の観点から、加熱下における流動開始温度の下限値が、50℃以上であることが好ましく、55℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることが更に好ましい。

0060

熱可塑性トナーは、抵抗安定性に優れた配線を形成する観点から、加熱下における1/2降下温度の上限値が95℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、86℃以下であることが更に好ましい。
また、熱可塑性トナーは、凝集粗粉が発生することを抑制する観点から、加熱下における1/2降下温度の下限値が、60℃以上であることが好ましく、65℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが更に好ましい。

0061

「流動開始温度」とは、高分子材料試験法(「高分子工学講座」14,364〜369頁、高分子学会編集、(株)地人書、昭和38年)に記載されている「流出開始温度」を意味する。

0062

熱可塑性トナーの加熱下における流動開始温度及び1/2降下温度は、高化式フローテスターCFT−500((株)島津製作所製)を用いて求める。具体的にまず、熱可塑性トナーを圧縮固化し、ペレット状の試験片を作製する。次に、ダイスの細孔の径を0.5mm、ピストン面積を1cm2、ダイ長さを1mm、加圧荷重を10kgf/cm2とし、昇温速度1℃/分で50℃から昇温させる条件下で、シリンダー中のペレットの加熱を開始する。ピストンに押される試料溶融流出が始まる流出開始点を、流出開始温度とする。また、前記流出開始温度から、ピストンに押される試料が全て溶融流出するときの流出終了温度までの1/2に相当する温度を、1/2降下温度とする。

0063

熱可塑性トナーの加熱下における流動開始温度及び1/2降下温度を、上記範囲内とする手法としては、特に限定されないが、例えば、後述するトナー粒子の構造を芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層シェル層)とで構成されたコアシェル構造のトナー粒子とする手法における、被覆層に含まれる非晶性樹脂の含有量の調整;非晶性樹脂と結晶性樹脂との含有比率の調整;非晶性樹脂のガラス転移温度の調整等が挙げられる。

0064

熱可塑性トナーは、より抵抗安定性に優れた配線を形成する観点から、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含むことが好ましい。

0065

熱可塑性トナーは、より抵抗安定性に優れた配線を形成する観点から、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む芯部と、前記芯部を被覆し、非晶性樹脂を含む被覆部と、を有する構造のトナー粒子を含むことが好ましい。

0066

熱可塑性トナーは、着色剤を含む有色の熱可塑性トナーであってもよく、透明の熱可塑性トナーであってもよい。例えば、配線基板を形成した後に、配線となる導電箔の下のトナー像の色が透けることを抑制する観点、及び、製造過程におけるコスト削減の観点から、透明の熱可塑性トナーであることが好ましい。

0067

ここで、「透明の熱可塑性トナー」とは、少なくとも可視光を透過する熱可塑性トナーであることを意味する。透明の熱可塑性トナーは、着色剤を実質的に含まない。なお、前記実質的に含まないとは、目視にて着色の程度が確認されない程度を意味する。

0068

(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。

0069

−トナー粒子の特性−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コアシェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コアシェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。なお、コアシェル構造のトナー粒子を溶解懸濁法により製造する場合、被覆層は無機粒子を含んで構成された被覆層であってもよい。また、離型剤は、芯部及び被覆層の少なくとも一方に含んでいてもよい。

0070

上記構成のコアシェル構造を有するトナー粒子であると、トナー製造及び保管等の際にトナーの凝集が抑制される傾向にある。その結果、熱可塑性トナーによる低温での導電箔の接着性を保ちつつ、トナー像の部分的な欠落による接着不良も抑制される傾向にある。

0071

トナー粒子がコアシェル構造を有する場合、前記コア粒子における結晶性樹脂の含有量の下限値は、コア粒子に含まれる全結着樹脂に対して15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましい。

0072

トナー粒子がコアシェル構造を有する場合、前記コア粒子における結晶性樹脂の含有量の上限値は、熱可塑性トナーとしての十分な帯電性の観点、及び、保存安定性の観点から、コア粒子に含まれる全結着樹脂に対して50質量%以下であることが好ましい。

0073

トナー粒子の体積平均粒子径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。

0074

トナー粒子の平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒子径の粒子粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲チャンネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50vと定義する。

0075

トナー粒子は、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが好ましい。

0076

粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下であると、基板にトナー像を線状に形成したときに、トナー像の幅のばらつきが抑制される傾向にある。そのため、前記トナー像の上に形成される導電箔の幅のばらつきも抑制される傾向にある。その結果、例えば、複数の配線が、狭い間隔(例えば、1mm間隔)で並んでいる場合においても、隣接する配線間で短絡が生じることが抑制され易くなると考えられる。
上記に加えて、例えば、基板に形成されたトナー像の上に導電箔を押し当て配線を形成する際においても、前記トナー粒子の粒子径分布均一性が高くなり易く、トナー像に押し当てる圧力の均等性が高くなる傾向にある。その結果、トナー像の上に形成される導電箔にムラが生じることが抑制され、形成される配線における断線の発生が抑制され易くなると考えられる。

0077

粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率は、以下の様にして求める。
上記トナー粒子の粒子径の測定において、得られた粒子径分布を基にして分割された体積粒度範囲のヒストグラムを作成する。前記ヒストグラムから、前記トナー粒子の全体積に対する、16μm以上のトナー粒子の体積比率累積相対度数)を求める。

0078

粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率を、前記トナー粒子の全体積に対して1%以下とする手法としては、特に限定されないが、例えば、凝集合一法によりトナーを製造する場合は、凝集剤の量の調整、凝集粒子形成工程における攪拌の均一性を高く調整等が挙げられる。溶解懸濁法によりトナーを製造する場合は、油相分散工程における無機粒子の量の調整、油相中固形分量の調整等が挙げられる。混練粉砕法によりトナーを製造する場合は、風力分級による調整等が挙げられる。

0079

トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。

0080

トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。

0081

−結着樹脂−
結着樹脂としては、非晶性樹脂が適用される。
非晶性樹脂としては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂(例えばスチレンアクリル樹脂等)、エポキシ樹脂ポリカーボネート樹脂ポリウレタン樹脂等の公知の非晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、トナーの定着性および帯電性の点から、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂(特にスチレン・アクリル樹脂)が好ましく、非晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。

0082

ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。

0083

非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。

0084

多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸マロン酸マレイン酸フマル酸シトラコン酸イタコン酸グルタコン酸、コハク酸アルケニルコハク酸アジピン酸セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸イソフタル酸フタル酸ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0085

多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールプロピレングリコールブタンジオールヘキサンジオールネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオールシクロヘキサンジメタノール水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリントリメチロールプロパンペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0086

ただし、多価アルコールとして、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)は使用しない、又は使用しても少量とする。具体的には、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用する場合、その使用量は、全多価アルコールに対して0モル%超え5モル%以下とすることがよい。

0087

非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上65℃以下が好ましく、55℃以上64℃以下がより好ましく、58℃以上62℃以下がより好ましい。

0088

非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチック転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。

0089

非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましく、30000以上50000以下がさらに好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。

0090

非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。

0091

非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点溶剤溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。

0092

非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、全結着樹脂に占める割合で、60質量%以上98質量%以下が好ましく、70質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上98質量%以下がさらに好ましい。

0093

ここで、非晶性樹脂と共に、結晶性樹脂を併用することがよい。

0094

結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂結晶性ビニル樹脂(例えば、ポリアルキレン樹脂長鎖アルキルメタアクリレート樹脂等)等の公知の結晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性トナーの加熱下における流動開始温度及び1/2降下温度を前記範囲内に制御しやすくする観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。

0095

結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。

0096

多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0097

多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0098

ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。

0099

非晶性樹脂と結晶性樹脂の併用としては、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを併用したものを含むことが好ましい。
結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含むと、例えば、トナー粒子をコアシェル構造とした場合、結晶性樹脂の部位と非晶性樹脂の部位との相溶性及び融点の調整がし易い傾向にある。その結果、熱可塑性トナーが狭い温度範囲で粘度が低下して融解する性質(シャープメルト性)を有し、熱可塑性トナーによる低温での導電箔の接着性が向上する傾向にある。

0100

結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上95℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。

0101

結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。

0102

非晶性樹脂のガラス転移温度の下限値は、耐熱性及び保管性の観点から、50℃以上であることが好ましく、55℃以上であることがより好ましく、58℃以上であること更に好ましい。

0103

非晶性樹脂のガラス転移温度の上限値は、通常の熱可塑性トナーよりも流動開始温度を下げ、導電箔による配線とトナー定着像とを並存させる観点から、65℃以下であることが好ましく、64℃以下であることがより好ましく、62℃以下であることが更に好ましい。

0104

非晶性樹脂のガラス転移温度は、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度と同様にして求める。

0105

結晶性樹脂の融解温度は、50℃以上95℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。

0106

結晶性樹脂の融解温度は、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度と同様にして求める。

0107

通常、上記のような溶融挙動を示す熱可塑性トナーを用いる場合、トナー像が装置における定着部材等に付着する現象(以下、「オフセット」と称す)が生じることがあるが、本実施形態に係る配線基板の製造方法においては、導電箔の存在により前記オフセットの発生が抑制されると考えられる。

0108

結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。

0109

結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法により得られる。

0110

結晶性樹脂(好ましくは結晶性ポリテル樹脂)の含有量は、熱可塑性トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。

0111

結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂以外の他の結着樹脂を併用してもよい。ただし、他の結着樹脂の含有量は、全結着樹脂に占める割合で10質量%以下であることが好ましい。

0112

結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。

0113

−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラッククロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエローパーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジバルカンオレンジウオッチヤングレッドパーマネントレッドブリリアントカーミン3Bブリリアントカーミン6BデュポンオイルレッドピラゾロンレッドリソールレッドローダミンBレーキレーキレッドCピグメントレッドローズベンガルアニリンブルーウルトラマリンブルーカルコオイルブルーメチレンブルークロライドフタロシアニンブルーピグメントブルーフタロシアニングリーンマラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0114

着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。

0115

着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。

0116

−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックスカルナバワックスライスワックスキャンデリラワックス等の天然ワックスモンタンワックス等の合成又は鉱物石油系ワックス脂肪酸エステルモンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。

0117

離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。

0118

離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。

0119

−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。

0120

−外添剤−
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。

0121

外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤シリコーンオイルチタネート系カップリング剤アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。

0122

外添剤としては、樹脂粒子ポリスチレンポリメチルメタクリレートPMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸金属塩フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。

0123

外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。

0124

(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。

0125

トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。

0126

具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。

0127

トナー粒子を溶解懸濁法により製造する場合、シェル層となる無機粒子を油相中に分散する油相分散工程を経て、コアシェル構造のトナー粒子を製造してもよい。

0128

トナー粒子を混練粉砕法により製造する場合、粉砕物を風力分級により分級する工程を経て、トナー粒子を製造してもよい。

0129

以下、凝集合一法における各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。

0130

−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。

0131

ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。

0132

樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0133

界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤ポリエチレングリコール系アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0134

樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミルサンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中粒子状に分散する方法である。

0135

樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒子径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒子径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒子径も同様に測定される。

0136

樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。

0137

なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒子径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。

0138

−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。

0139

具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。

0140

凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオン錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。

0141

無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム硝酸カルシウム塩化バリウム塩化マグネシウム塩化亜鉛塩化アルミニウム硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウムポリ水酸化アルミニウム多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸クエン酸グルコン酸等のオキシカルボン酸イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。

0142

−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。

0143

以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コアシェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。

0144

ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥気流乾燥流動乾燥振動型流動乾燥等を施すことがよい。

0145

そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダーヘンシェルミキサーレーディミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。

0146

[導電箔]
導電箔について説明する。
導電箔の厚さの下限値は、抵抗安定性に優れた配線を形成する観点から、0.1μm以上であり、0.2μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましい。
導電箔の厚さの上限値は、抵抗安定性に優れた配線を形成する観点から、2μm以下であり、1.5μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。

0147

図2は、本実施形態に係る導電箔付フィルムの層構成の一例を示した概略構成図である。
導電箔付フィルム100は、フィルム状に形成されており、フィルム基材の一例である基材100aと、離型層100bと、導電箔100cとを備える。導電箔付フィルム100においては、図中下側から、基材100a、離型層100b、導電箔100cの順に積み重なっている。

0148

基材100aは、離型層100b、および導電箔100cの支持体となる。基材100aとしては、例えば、樹脂製シート樹脂製フィルム等が挙げられる。前記樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルサルフォンポリイミド等の非フッ素系樹脂シリコーン系樹脂シンジオタクチックポリスチレン樹脂などが挙げられる。基材100aは、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。

0149

離型層100bは、導電箔100cの基材100aからの剥離性を確保する機能を有する層である。離型層100bに用いられる材料としては、例えば、熱硬化性樹脂紫外線硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂に対して、ワックスを添加したものが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミンまたはイソシアネート硬化剤として用いた樹脂が挙げられる。紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂としては、例えば、アクリレートまたはエポキシ樹脂を含有した樹脂が挙げられる。ワックスとしては、フッ素系のモノマーシリコン系のモノマー、フッ素系のポリマー、シリコン系のポリマー等が挙げられる。離型層100bに用いられる材料は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また基材100b自体が離型性を有する場合、導電箔付フィルム100は離型層100bを有さなくてもよい。

0150

導電箔100cは、金属材料が含まれる金属層を有し、導電性を有する。
金属層は、例えば、金属材料を用いた蒸着法、スパッタリング法イオンプレーティング法塗布法等により形成してもよく、酸化等の影響を抑制する観点並びに配線の導電率を上げる観点から、蒸着法により形成することが好ましい。金属材料としては、例えば、アルミニウム、スズ、銀、クロムニッケル、金、ニッケル−クロム−鉄合金青銅アルミ製銅等が挙げられる。また、金属材料の他に、カーボンブラック等の導電性を有する材料を含んでいてもよい。

0151

ここで、導電箔付フィルム100は、導電箔用トナー像に導電箔100cを転写したとき、基材100aと離型層100bとが剥離するフィルム(つまり、導電箔100cと共に離型層100bも導電箔用トナー像上に転写されるフィルム)であってもよい。また、導電箔付フィルム100は、離型層100bと導電箔100cとが剥離するフィルム(つまり、導電箔100cのみが導電箔用トナー像上に転写されるフィルム)であってもよい。例えば、表面が導電性の配線を形成する観点から、導電箔付フィルム100は、離型層100bと導電箔100cとが剥離するフィルムであることが好ましい。

0152

[配線形成部]
配線形成部80について説明する。
配線形成部では、導電箔用トナー像の上に導電箔を形成し、導電箔用トナー像及び導電箔に少なくとも熱を付与して、導電箔で構成された配線を形成する。

0153

図3は、本実施形態に係る配線基板製造装置における配線形成部80の構成の一例を示す概略構成図である。
配線形成部80は、一体として形成された長尺状の導電箔付フィルム100を保持する。そして、用紙P上の導電箔用トナー像に、導電箔付フィルム100を押し当てる。この長尺状の導電箔付フィルム100の幅方向(図中奥行き方向)における長さは、用紙Pの幅方向における長さより大きくてもよい。
配線形成部80は、導電箔付フィルム100をロール状に巻き付けこの導電箔付フィルム100を供給する供給ロール81と、導電箔付フィルム100をロール状に巻き取る巻取ロール82とを備える。また、配線形成部80は、導電箔付フィルム100を張架し用紙P上の導電箔用トナー像に導電箔付フィルム100を転写する箔転写ロール83と、導電箔付フィルム100を介して箔転写ロール83に対向する対向ロール84とを備える。

0154

箔転写ロール83は、供給ロール81と巻取ロール82との間に設けられ、且つ導電箔付フィルム100のうちの導電箔100c(図2参照)よりも基材100aに近い側に設けられている。箔転写ロール83と対向ロール84とは、互いに押圧されている。この際、対向ロール84は、加熱源(不図示)を有し、導電箔用トナー像及び導電箔に熱を付与する。
箔転写ロール83は、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受け図中反時計回り方向に回転する。そして、対向ロール84との間で、用紙P上の導電箔用トナー像に導電箔付フィルム100を押し当てる。このとき、箔転写ロール83は、用紙Pの幅方向の長さよりも広い領域に対して導電箔付フィルム100を押し当ててもよい。

0155

[配線基板の製造方法]
配線基板の製造方法について、詳細な工程を説明する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法は、熱可塑性トナーのトナー像が形成された基板を準備する準備工程と、前記基板の上に形成された、前記トナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、前記トナー像及び前記導電箔に少なくとも熱を付与して、前記導電箔で構成された配線を形成する配線形成工程と、を含む。本実施形態に係る配線基板の製造方法は、その他の工程を含んでいてもよい。

0156

(準備工程)
準備工程では、熱可塑性トナーのトナー像が形成された基板を準備する。
基板としては、特に制限されず、公知の基板を適用してよい。例えば、電子写真方式の複写機プリンター等に使用される紙、OHPシート等が挙げられ、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用アート紙等の記録媒体シリコン基板等の半導体基板ガラス基板石英基板ステンレス基板プラスチック基板などを使用することができる。

0157

基板に対して、熱可塑性トナーのトナー像を形成する方法は、特に制限されず、適宜公知の手法を適用してよい。基板は、例えば、予め熱可塑性トナーのトナー像が形成された基板を用いてもよい。例えば、先述の配線基板製造装置等を用いて熱可塑性トナーによるガイド用の画像及び導電箔用のトナー像それぞれが形成された基板を用いてもよい。

0158

(配線形成工程)
配線形成工程では、基板の上に形成されたトナー像の上に、厚さ0.1μm以上2μm以下の導電箔を形成した後、トナー像及び導電箔に少なくとも熱を付与して、導電箔で構成された配線を形成する。

0159

トナー像及び導電箔に付与する熱の温度としては、より抵抗安定性の高い配線基板を得る観点から、50℃以上130℃以下であることが好ましく、60℃以上120℃以下であることがより好ましく、65℃以上115℃以下であることが更に好ましい。

0160

配線形成工程では、トナー像及び導電箔に少なくとも熱を付与する際に、必要に応じて、更に圧力を付与し、導電箔で構成された配線を形成してもよい。

0161

配線形成工程において、トナー像及び導電箔に圧力を付与する場合、基材にしわができる等の基材劣化を抑制する観点から、付与する圧力としては、0.05MPa以上5MPa以下であることが好ましく、0.1MPa以上1MPa以下であることがより好ましく、0.2MPa以上0.8MPa以下であることが更に好ましい。

0162

上記の中でも、より抵抗安定性の高い配線基板を得る観点から、配線形成工程では、トナー像及び導電箔に、60℃以上の熱及び1MPa以下の圧力を付与して、導電箔で構成された配線を形成することが好ましい。

0163

トナー像の上に導電箔を形成する手法としては、特に限定されず、フィルム基材上に形成された導電箔をトナー像の上に転写して導電箔を形成してもよく、複数の粉状の導電箔をトナー像の上に転写して導電箔を形成してもよい。

0164

上記の中でも、より抵抗安定性の高い配線基板を得る観点から、配線形成工程では、フィルム基材上に形成された前記導電箔を、前記トナー像の上に転写して、前記導電箔で構成され、かつ表面が導電性の配線を形成することが好ましい。

0165

導電箔付フィルムを用いて、トナー像の上に導電箔を形成する形成方法としては、熱間プレス成形ホットスタンプ)、熱を用いないプレス成形コールドスタンプ)等に用いられる金属蒸着型などを使う方法が挙げられる。なお、前記コールドスタンプを適用する場合、コールドスタンプ後のトナー像及び導電箔に対し、熱を付与して導電箔で構成される配線を形成する。

0166

金属蒸着型とは、フィルム基材上に、金、銀、銅、アルミ等の蒸着層(好ましくはアルミ)を設けたものを表す。金属蒸着型は、基材と金属蒸着層の間に、薄い離型層が設けられていてもよい。

0167

(配線基板の製造方法の例)
以下、図面を参照しつつ、配線基板の製造方法について詳細を説明する。
図4は、本実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。
配線基板製造装置1(図1参照)におけるガイド用画像形成部10は、2次転写領域23にて、用紙Pに対してガイド用熱定着トナー像を形成する(ステップS101:ガイド用熱定着トナー像形成工程)。次に、定着ユニット60が、ガイド用熱定着トナー像が形成された用紙Pに対して熱定着処理を行い、ガイド用熱定着トナー像を用紙Pに定着させる(ステップS102:ガイド用熱定着トナー像の熱定着工程)。このS101及びS102は、必要に応じて省いてもよい。また、予めガイド用熱定着トナーによる画像が形成された基板を用いてもよい。

0168

用紙Pは、搬送路に沿って導電箔用トナー像形成部70に搬送される。導電箔用トナー像形成部70では、用紙Pの上に、熱可塑性トナーによる導電箔用トナー像を形成する(ステップS103:導電箔用トナー像形成工程)。なお、導電箔用トナー像形成工程は、導電箔用トナー像が形成された基板を準備する準備工程としても捉えられる。

0169

導電箔用トナー像が形成された用紙Pは、配線形成部80に搬送される。用紙Pが箔転写ロール83(図3参照)と対向ロール84との間に入り込むと、箔転写ロール83は、用紙Pに70℃以下の温度で導電箔付フィルム100を押し当てる。用紙Pに形成されたトナー像は、導電箔付フィルム100に押し当て、加熱されることにより粘度が低下し、導電箔付フィルム100の導電箔100c(図2参照)に接着する。そして、導電箔用トナー像と重なっている導電箔付フィルム100のうちの導電箔100cを、基材100aから剥離させる。これにより、用紙Pに対してトナー像の上に導電箔付フィルム100(導電箔付フィルム100のうちの導電箔100c)が形成される(ステップS104:導電箔形成工程)。
なお、配線形成部80が保持する導電箔付フィルム100のうち導電箔100cが剥離したことにより残存した基材100a、離型層100b及び導電箔付フィルム100のうち用紙Pに形成されなかった部分は、巻取ロール82に巻き取られる。以上の工程により、表面が導電性の配線が形成された配線基板が得られる。

0170

なお、得られた配線基板に対して、半導体素子を取り付けてもよい(取付工程)。つまり、半導体素子を取り付ける素子取付部300(取付装置)を設けた、集積回路の製造装置としてもよい。
配線基板に半導体素子を取り付ける方法としては、特に限定されないが、例えば、半導体素子の端子を配線基板の配線に接触させた状態で、導電性のステープルを備えるステープラを用いてこの端子を配線に取り付ける方法が挙げられる。また、例えば、常温固化型の導電性接着剤や導電性のはんだを備えるはんだごてを用いて、半導体素子の端子を配線にはんだ付けする方法が挙げられる。
半導体素子としては、特に限定されないが、例えば、ダイオードトランジスタサイリスタ等が挙げられる。
以上の工程により、配線基板に半導体素子が取り付けられた集積回路が得られる。

0171

半導体素子が取り付けられた基板に対して、配線基板製造装置1を用いて導電箔用トナー像又は導電箔100cを形成する場合、配線基板製造装置1にてこの基板に対して加熱及び加圧を施す過程において半導体素子が損傷するおそれがある。また、半導体素子が取り付けられた基板に導電箔100cを形成する場合、基板のうち半導体素子が取り付けられている部分と取り付けられていない部分とで段差が生じていると、この段差の部分に導電箔100cが形成されにくくなる。
これに対し、本実施形態では、配線が形成された基板に対して半導体素子を取り付けている。この場合、半導体素子が配線基板製造装置1にて損傷することが抑制される。また、基板に対して導電箔100cを形成しやすくなる。

0172

また、本実施形態では、箔形成工程において、一体として形成されたフィルム状の導電箔付フィルム100を用紙Pに押し当てて押圧することで、用紙Pの導電箔用トナー像の上に導電箔100cを形成する。
この場合、それぞれ別体に形成された複数の箔を用紙Pに形成する場合に比べて、用紙Pの導電箔用トナー像の上に導電箔が形成されない部分が生じることが抑制される。

0173

図3に示す配線形成部80を用いた配線形成工程では、一体として形成された導電箔付フィルム100を用紙Pに押し当て、用紙Pの上に形成された導電箔用トナー像の上に、配線としての導電箔100cが形成されるが、本実施形態に係る配線形成工程は、上記の工程例に限定されない。

0174

次に、配線形成部90について説明する。
図5は、本実施形態に係る配線基板製造装置における配線形成部90の構成の一例を示す概略構成図である。

0175

配線形成部90は、用紙Pの導電箔用トナー像の上に、複数の粉状の導電箔110を形成することにより、配線基板を製造する。

0176

図5に示す導電箔110には、金属粉が含まれている。金属粉としては、例えば、金粉銀粉アルミニウム粉スズ粉クロム粉ニッケル粉青銅粉等が挙げられる。

0177

配線形成部90は、導電箔110を保持する保持ロール91と、用紙Pの導電箔用トナー像の上に導電箔110を転写する導電箔転写ロール92と、導電箔転写ロール92に対向する対向ロール93とを備える。

0178

保持ロール91は、表面が吸着性を有する。吸着性を有する材料としては、例えば、シリコンゴムウレタンゴムフッ素ゴム天然ゴムスチレンブタジエンゴムニトリルゴム等が挙げられる。保持ロール91として、シリコンロールウレタンロールが用いられてもよい。

0179

保持ロール91は、複数の導電箔110を保持しながら回転する。具体的には、保持ロール91は、複数の導電箔110を収容するカートリッジ(不図示)から供給される導電箔110を表面に吸着させて保持しながら、図中時計回り方向に回転する。保持ロール91のうち導電箔110が吸着される領域における幅方向(図中奥行き方向)の長さは、用紙Pの幅方向の長さより大きくてもよい。

0180

導電箔転写ロール92は、表面が吸着性を有する。吸着性を有する材料としては、例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。導電箔転写ロール92として、シリコンロールやウレタンロールが用いられてもよい。また、導電箔転写ロール92における表面の吸着力は、保持ロール91における表面の吸着力よりも大きい。

0181

導電箔転写ロール92は、図中反時計回り方向に回転する。導電箔転写ロール92と保持ロール91とは互いに押圧されており、保持ロール91は、この押圧部Tにて、導電箔転写ロール92に導電箔110を供給する。導電箔転写ロール92のうち導電箔110が供給される領域における幅方向(図中奥行き方向)の長さは、用紙Pの幅方向の長さより大きくてもよい。

0182

配線形成部90においても、配線形成部80と同様に、用紙Pに対して導電箔用トナー像が形成された後に、この用紙P上に形成されたトナー像の上に導電箔110が形成される。
用紙Pは、導電箔用トナー像形成ユニット71(図1参照)にて導電箔用トナー像が形成された後、配線形成部90へ搬送される。用紙Pが導電箔転写ロール92と対向ロール93との間に入り込むと、導電箔転写ロール92は、用紙Pに70℃以下の温度で複数の粉状の導電箔110を押し当てる。この際、対向ロール93は、加熱源(不図示)を有し、トナー像及び導電箔に熱を付与する。これにより、導電箔転写ロール92が用紙Pに押し当てた複数の導電箔110のうち、導電箔用トナー像と重なった導電箔110が、導電箔用トナー像と接着し、用紙Pの導電箔用トナー像の上に導電箔110が形成される。導電箔転写ロール92が用紙Pに押し当てた複数の導電箔110のうち用紙Pに形成されなかった導電箔110は、その後も導電箔転写ロール92に保持される。
なお、導電箔転写ロール92は、用紙Pの幅方向の長さよりも広い領域に対して導電箔110を押し当ててもよい。

0183

配線形成部90を用いて複数の粉状の導電箔110を用紙Pに形成する構成では、図2に示した配線形成部80を用いて一体として形成された導電箔付フィルム100を用紙Pの導電箔用トナー像の上に形成する構成に比べて、導電箔用トナー像の上に形成されなかった導電箔のうち次の導電箔の形成に用いられる箔の量が多くなる。

0184

例えば、図2に示す導電箔の層構成のように、一体として形成された導電箔付フィルム100を用紙P上に形成する場合、配線形成部80が保持する導電箔付フィルム100のうち、導電箔100cが残っていない部分は、次の導電箔形成には用いられない。また、導電箔100cが残っていない部分の周辺部(導電箔100cが残っている部分)も、次の導電箔形成には用いられない。

0185

これに対し、図5にて示した配線形成部90を用いた例のように、それぞれが別体として形成されている複数の導電箔110を用紙Pの導電箔用トナー像の上に形成する場合、導電箔転写ロール92が保持する導電箔110のうち用紙Pの導電箔用トナー像の上に形成されなかった導電箔110は、導電箔転写ロール92に保持され続け、次の導電箔の形成に用いられる。この場合、次の導電箔の形成に用いられる導電箔110の量が多くなる。

0186

なお、本実施形態では、基板として用紙Pが用いられる例を説明しているが、基板としては、次の導電箔が形成されるものや、半導体素子が取り付けられるものであれば特に限定されない。例えば、基板として樹脂製シートや樹脂製フィルムが用いられてもよい。

0187

また、本実施形態では、配線基板製造装置1に導電箔用トナー像形成部70及び配線形成部80が設けられているが、これに限定されない。例えば、配線基板製造装置1とは別に、導電箔用トナー像形成部および配線形成部を有する導電箔形成装置を設ける構成としてもよい。この場合に、まず、配線基板製造装置を用いて基板に対してガイド用熱定着トナー像を形成する。続いて、ガイド用熱定着トナー像が形成された基板を配線基板製造装置から取り出し、導電箔用トナー像形成部を用いて、この基板に対して導電箔用トナー像を形成する。そして、配線形成部を用いて、導電箔用トナー像が形成された基板に対して導電箔を押し当てた後、導電箔形成用トナー及び導電箔に熱を付与し、配線を形成してもよい。また、導電箔用トナー像形成部と配線形成部とがそれぞれ別の装置に設けられてもよい。また、基板に対してガイド用熱定着トナー像を形成することなく、導電箔用トナー像を形成し、この導電箔用トナー像の上に導電箔を形成してもよい。

0188

以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本実施形態の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。

0189

−樹脂の合成例−
[非晶性ポリエステル樹脂:A1の合成]
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:150部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:250部
・テレフタル酸:100部
テトラプロペニルこはく酸無水物:130部
・トリメリット酸:15部
攪拌器温度計コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガス置換した後、ジオタン酸スズを前記モノマー成分の合計量に対して0.3%投入した。窒素ガス気流下温度を235℃まで1時間かけて昇温し、3時間反応させ、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、攪拌反応させ、求められる分子量になった時点で反応を終了した。得られた非晶性ポリエステル樹脂A1のガラス転移温度は60℃、重量平均分子量は45000であった。

0190

[非晶性ポリエステル樹脂:A2の合成]
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:30部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:270部
・テレフタル酸:60部
・フマル酸:40部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:40部
モノマー成分を、上記とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂A1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂A2を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂2のガラス転移温度は63℃、重量平均分子量は21000であった。

0191

[非晶性ポリエステル樹脂:A3の合成]
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:240部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:260部
・テレフタル酸:150部
・トリメリット酸:15部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:120部
モノマー成分を、上記とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂A1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂A3を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂A3のガラス転移温度は59℃、重量平均分子量は28000であった。

0192

[非晶性ポリエステル樹脂:A4の合成]
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:210部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:230部
・テレフタル酸:30部
・フマル酸:135部
モノマー成分を、上記とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂A1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂A4を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂A4のガラス転移温度は61℃、重量平均分子量は19000であった。

0193

[結晶性ポリエステル樹脂:C1の合成]
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,6−ヘキサンジオール:170部
撹拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジオクタン酸スズを、前記モノマー成分100部に対して0.3部投入した。窒素ガス気流下、160℃で3時間撹拌反応させた後、温度を更に180℃まで1.5時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、所望の分子量になった時点で反応を終了して結晶性ポリエステル樹脂C1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂C1の融解温度は73℃、重量平均分子量は26000であった。

0194

[結晶性ポリエステル樹脂:C2の合成]
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,9−ノナンジオール:240部
モノマー成分を、上記とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂C2を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂C2の融解温度は78℃、重量平均分子量は34000であった。

0195

[結晶性ポリエステル樹脂:C3の合成]
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,4−ブタンジオール:130部
モノマー成分を、上記とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂C3を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂C3の融解温度は68℃、重量平均分子量は22000であった。

0196

−分散液の調製準備−
非晶性ポリエステル樹脂分散液:A1−1の調製]
・非晶性ポリエステル樹脂1(A1):100部
メチルエチルケトン:60部
イソプロピルアルコール:10部
撹拌機を備えた反応容器中に、上記成分を投入し、60℃にて溶解させた。溶解を確認した後、反応容器を35℃に冷却した後、10%アンモニア水溶液3.5部を添加した。次いで、イオン交換水300部を3時間かけて反応容器中に滴下し、ポリエステル樹脂分散液を作成した。次いで、エバポレーターにてメチルエチルケトン、並びに、イソプロピルアルコールを除去し、非晶性ポリエステル樹脂分散液A1−1を得た。

0197

[非晶性ポリエステル樹脂分散液:A2−1の調製]
使用する樹脂を、非晶性ポリエステル樹脂(A2)とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液A1−1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液A2−1を得た。

0198

[非晶性ポリエステル樹脂分散液:A3−1の調製]
使用する樹脂を、非晶性ポリエステル樹脂(A3)とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液A1−1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液A3−1を得た。

0199

[非晶性ポリエステル樹脂分散液:A4−1の調製]
使用する樹脂を、非晶性ポリエステル樹脂(A4)とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液A1−1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液A4−1を得た。

0200

結晶性ポリエステル樹脂分散液:C1−1の調製]
・結晶性ポリエステル樹脂(C1):100部
・メチルエチルケトン:60部
・イソプロピルアルコール:15部
撹拌機を備えた反応容器中に、上記成分を投入し、65℃にて溶解させた。溶解を確認した後、反応容器を60℃に冷却した後、10%アンモニア水溶液5部を添加した。次いで、イオン交換水300部を3時間かけて反応容器中に滴下し、ポリエステル樹脂分散液を作成した。次いで、エバポレーターにてメチルエチルケトン、並びに、イソプロピルアルコールを除去し、結晶性ポリエステル樹脂分散液C1−1を得た。

0201

[結晶性ポリエステル樹脂分散液:C2−1の調製]
使用する樹脂を、結晶性ポリエステル樹脂(C2)とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液C1−1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液C2−1を得た。

0202

[結晶性ポリエステル樹脂分散液:C3−1の調製]
使用する樹脂を、結晶性ポリエステル樹脂(C3)とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液C1−1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液C3−1を得た。

0203

離型剤分散液の調製]
下記成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザ)で、内液温度120℃にて離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液を得た。この離型剤分散液中の粒子の体積平均粒子径D50vは210nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20.0%になるように調製した。
・炭化水素系ワックス(日本精(株)社製、商品名:FNP0090、融解温度Tw=90.2℃):270部
・アニオン界面活性剤(テイカ(株)社製、テイカパワーBN2060、有効成分量:60%):13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0%)
・イオン交換水:700部

0204

[実施例1]
(トナー粒子1の製造)
下記の量した各分散液を、丸型ステンレス製フラスコに投入後、固形分濃度が12.5%となるようにイオン交換水を加え、更に、硫酸アルミニウム10%水溶液6.3部を投入した。次いで、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)用い5000rpmで10分間混合及び分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら40℃まで
加熱攪拌し、以降、毎分0.5℃で昇温しながら、粒子径が4.5μmになったところで温度を保持した。これによりコア粒子を作製した。
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A1−1:21.5部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A2−1:21.5部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液C1−1:30部

0205

次に、上記コア粒子が形成された分散液中に、下記の各分散液を秤量、混合し、60分保持した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)四ナトリウム塩キレスト(株)製、キレスト40)を11部加えた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて82.5℃にしたのち、10分毎に硝酸でpHを0.05ずつ下げ、45分間撹拌を続けた。冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してコアシェル構造を有するトナー粒子1を得た。
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A1:24部
・離型剤分散液:3部

0206

(熱可塑性トナー1の調製)
上記より得たトナー粒子1の100部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、RY50)1.5部を加え、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで分し、熱可塑性トナー1を調製した。この無色の熱可塑性トナー1におけるトナー粒子の粒子径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50が6.8μm、体積粒度分布指標GSDvが1.22であった。また16μm以上のトナー粒子の体積分率は0.5%であった。熱可塑性トナー1を包埋材に固定し、スライスし、透過型電子顕微鏡で観察したところ、コアシェル構造の熱可塑性トナー1となっていることが確認された。この熱可塑性トナー1の流動開始温度は72℃、1/2降下温度は86℃であった。

0207

樹脂被覆キャリアの調製)
フェライト粒子を除く下記成分及びガラスビーズ(φ1mm、トルエン同量)を、関西ペイント株式会社製サンドミルを用いて1200rpmで30分間撹拌し、樹脂被覆層形成用溶液を得た。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気ニーダーに入れ、減圧し、トルエンを留去して乾燥することにより、樹脂被覆キャリア(C)を調製した。
・Mn−Mg−Sr系フェライト粒子(平均粒子径40μm):100部
・トルエン:14部
シクロヘキシルメタクリレートジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体質量比99:1、Mw80000):2.0部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット製):0.12部

0208

(現像剤の作製)
熱可塑性トナー1の36部と、キャリア414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μm目開きメッシュに篩分して、現像剤を作製した。

0209

(配線基板の製造)
現像剤を、富士ゼロックスDocuPrint P450 にセットした。
基板として王子製紙社製OKトップコート紙(A4 127GSM登録商標))を用いて、同じく富士ゼロックスDocuCenter C7550Iにて、人物を中心にしたサンプル画像を形成し、これを定着した定着画像を用意した。
上記定着画像を形成した用紙を、前記DocuPrint P450に装てんし、図6に示すように、基板に対して、幅の大きさがそれぞれ異なる三種類の線状のトナー像を、各種類につき5本ずつ形成した。具体的には、幅の大きさが約0.4mm(線間0.8mm)のトナー像G1、約1mm(線間2mm)のトナー像G2、約2mm(線間4mm)のトナー像G3を、5本ずつ形成した。なお、隣接するトナー像G1の間隔L、隣接するトナー像G2の間隔L、隣接するトナー像G3の間隔Lは、何れも約1mmとした。
上記基板の上に形成されたトナー像の上に、導電箔層が厚さ0.5μmのアルミ蒸着層である導電箔付フィルムを重ね、90℃に加熱したロールで圧力を印加(0.6MPa)しつつ、通紙した。これにより、熱可塑性トナーによるトナー像の上にアルミ蒸着転写箔が転写され、厚さ0.5μmの配線が得られた。デジタルマルチテスターを用い、その針状端子2本を各ライン上配線端部に突き立て、ブザーにより導通を確認した。

0210

[実施例2]
トナー溶液の製造)
トナーコア成分として下記種類及び比率の分散液を混合した。次に、温風乾燥機にて、水分を除去し、混合樹脂Xとして取り出した。混合樹脂Xそのものは乾燥後不透明に白濁しており、ミクロ相分離している様子が観察された。
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A3−1:35部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A4−1:35部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液C1−1:30部

0211

次に、下記成分を混合し、ジルコニアボールを用いてボールミルにより、3時間分散を行った。
・混合樹脂X 100部
・THF 300部
酢酸エチル300部

0212

炭酸カルシウム分散液の調製)
下記成分を混合し、ジルコニアボールを用いてボールミルにより、2時間分散を行った。その後、さらにイオン交換水900部を更に加えて、ホモジナイザーにより、均一混合を行い、炭酸カルシウム分散液を調製した。
炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製ルミナス) 200部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 5部
・イオン交換水 400部

0213

(熱可塑性トナー2の製造)
得られた炭酸カルシウム分散液中に、ホモジナイザーを運転しながら、上記トナー溶液を加えて乳化を行った。その後、40℃に加熱しながら、脱溶剤を4時間かけて行った。さらに1N塩酸400部を加えて、炭酸カルシウムを溶解せしめたのち、15ミクロンナイロンメッシュ通過させた後、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水中に再分散し、15分、ステンレスインペラーを用い100rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離したのち、含有水分量を40%に調整したのち、入口気流温度を80℃に設定しフラッシュジェットドライヤーにて乾燥を行った。この無色の熱可塑性トナー2におけるトナー粒子の粒子径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50が8.3μm、体積粒度分布指標GSDvが1.26であった。また16μm以上のトナー粒子の体積分率は0.7%であった。
熱可塑性トナー2を包埋材に固定し、スライスし、透過型電子顕微鏡で観察したところ炭酸カルシウム粒子表層(シェル層)とするコアシェル構造の熱可塑性トナー2となっていることが確認された。得られた熱可塑性トナー2の流動開始温度は75℃、1/2降下温度は88℃であった。

0214

(現像剤の作製)
熱可塑性トナー2を用いる仕様とした以外は、実施例1と同様の仕様として、現像剤を作製した。

0215

(配線基板の製造)
現像剤を、富士ゼロックスDocuPrint P450 にセットした。
基板として、厚さ20μmのポリプロピレンフイルムを表面に付した王子製紙社製OKトップコート紙(A4 127GSM(登録商標))を用いた以外は、実施例1と同様の仕様として、図6に示すように、基板に対して、幅の大きさがそれぞれ異なる三種類の線状のトナー像を、各種類につき5本ずつ形成した。
上記基板の上に形成されたトナー像の上に、厚さ0.3μmの銀箔粉を付着させたドナーロールを重ね、90℃に加熱したロールで圧力を印加(0.6MPa)しつつ、前記ポリプロピレンフイルムを積層したコート紙を通過させた。これにより、熱可塑性トナーによるトナー像の上に銀箔が転写され、厚さ0.4μmの配線が得られた。デジタルマルチテスターを用い、その針状端子2本を各ライン上配線端部に突き立て、ブザーにより導通を確認した。

0216

[実施例3]
配線基板の製造において、ロール設定温度を80℃とした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0217

[実施例4]
配線基板の製造における導電箔を、基板層紡績(株)製のポリスチレン系剥離性フィルム(オイデイスHN12ミクロン厚)であり、導電箔層が厚さ0.3μmの銅蒸着層である導電箔付フィルムとした。また、ロール設定温度を70℃とした以外は、実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。なお、配線の表面は、離型層で被覆されておらず、導電性があった。

0218

[実施例5]
配線基板の製造において、熱可塑性トナーを、コアシェル構造を有さない熱可塑性トナー5とする仕様とした以外は、実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。熱可塑性トナーの体積平均粒子径D50が9.5μm、体積粒度分布指標GSDvが1.29であった。また16ミクロン以上の粒子の体積分率は1.2%であった。なお、コアシェル構造を有さない熱可塑性トナー5の製造方法(混練粉砕法)を下記に示す。

0219

(混練粉砕法によるトナー粒子5の製造)
実施例2で用いた混合樹脂Xを、バンバリーミキサーにて混練した後、圧延し、冷却した。その後、ハンマーミルにて粗粉砕、さらにジェットミルにて微粉砕を行なった後、エルボージェットによって分級し、コアシェル構造を有さない熱可塑性トナー5を製造した。

0220

(熱可塑性トナー5の調製)
上記より得たトナー粒子5の100部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、RY50)1.5部を加え、サンプルミルを用いて13000回転/分で30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分し、熱可塑性トナー5を調製した。

0221

[実施例6]
トナー粒子の製造におけるコア粒子の調製で用いる樹脂分散液を、下記の種類及び量とした以外は、実施例1と同様の仕様として、熱可塑性トナー6を製造した。この無色の熱可塑性トナー6におけるトナー粒子の粒子径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50が8.8μm、体積粒度分布指標GSDvが1.25であった。また16μm以上のトナー粒子の体積分率は0.9%であった。熱可塑性トナー6を包埋材に固定し、スライスし、透過型電子顕微鏡で観察したところ炭酸カルシウム粒子を表層(シェル層)とするコアシェル構造の熱可塑性トナー6となっていることが確認された。この熱可塑性トナー6の流動開始温度は82℃、1/2降下温度は98℃であった。
得られた熱可塑性トナー6を用いて、配線基板を製造した。なお、配線基板の製造においては、ロール設定温度を90℃とした後、110℃まで更に昇温した以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A1−1:33.5部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A2−1:33.5部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液C1−1:5部

0222

[実施例7]
配線基板の製造において、導電箔の厚さを0.11μmとした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0223

[実施例8]
配線基板の製造において、導電箔の厚さを2.0μmとした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0224

[実施例9]
配線基板の製造において、導電箔の厚さを0.8μmとした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0225

[実施例10]
配線基板の製造において、粒子径が16μm以上であるトナー粒子の体積分率が、前記トナー粒子の全体積に対して2.0%である熱可塑性トナーを用いる仕様とした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0226

[比較例1]
配線基板の製造において、導電箔の厚さを0.07μmとした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0227

[比較例2]
配線基板の製造において、導電箔の厚さを2.1μmとした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0228

[比較例3]
配線基板の製造において、配線形成工程の際に熱を付与せずに、配線を形成する仕様とした以外は実施例1と同様の仕様として、配線基板を製造した。

0229

各例における熱可塑性トナーの性質及び配線基板の製造方法の条件を、表1に示す。なお、表1に示す配線形成工程において付与する熱の温度の項目では、熱を付与しない構成としたものは「−」とした。

0230

−評価−
[短絡の有無の評価]
各例にて作製した配線基板について短絡の有無の評価を行った。
図6は、短絡の有無の評価に用いた基板の概略図である。
図6に示すように、基板に対して、幅の大きさがそれぞれ異なる三種類の線状のトナー像を、各種類につき5本ずつ形成した。具体的には、幅の大きさが約0.4mmのトナー像G1、約1mmのトナー像G2、約2mmのトナー像G3を、5本ずつ形成した。隣接するトナー像G1の間隔L、隣接するトナー像G2の間隔L、隣接するトナー像G3の間隔Lを、何れも約1mmとした。この基板に対して、トナー像G1、トナー像G2、トナー像G3の上にそれぞれ箔を形成し、幅の大きさが約0.4mmの配線、約1mmの配線、約2mmの配線が5本ずつ形成された配線基板を作製した。また、上記の方法により、この配線基板を10枚作製した。

0231

デジタルマルチメータを用いて、得られた配線基板の各々に対して短絡の有無を評価した。具体的には、幅の大きさが約0.4mmの5本の配線のうち隣接する配線の一方にデジタルマルチメータの一方の端子を接触させ、配線の他方にデジタルマルチメータの他方の端子を接触させ、導通するか否かにより、短絡の有無を評価した。また、幅の大きさが
約1mmの配線および幅の大きさが約2mmの配線についても、同様に短絡の有無を評価した。なお、評価基準は以下の通りである。以下の評価基準のうち、Aの評価を合格とし、Bの評価を不合格とした。各例における評価結果を表1に示す。
A:全ての配線基板で短絡が確認されなかった。
B:1枚以上の配線基板で短絡が確認された。

0232

[抵抗安定性の評価1]
図7は、抵抗安定性の評価1に用いた集積回路の概略図である。
各例の現像剤を用いて、長さが3cm、幅が1cmの二つのトナー像を、厚さ100μmのPETフィルム基板に対して直列に形成した。二つのトナー像の間隔Xは、1cmとした。次に、基板上の二つのトナー像の上にそれぞれ導電箔を形成し、配線基板を製造した。そして、前記二つの配線部を含む4cm×8cmの短冊切り出した。

0233

前記二つの配線部に対して、ショットキーバリアダイオード200(ルネサス社製:1SS106)および発光ダイオード333(OptoSupply社製:LED OSDR3133A)を回路モジュールとして取り付け、集積回路としてのレクテナを作製した。具体的には、研磨(MAX No.10)した導電性の針:ステープルS(マックス株式会社製 No.10)を用いて、ショットキーバリアダイオード200の一方の端子(図中左側の端子)および発光ダイオード333一方の端子(図7中左側の端子)を配線100Aに取り付けた。また、ステープルSを用いて、ショットキーバリアダイオード200の他方の端子(図7中右側の端子)および発光ダイオード333の他方の端子(図7中右側の端子)を、配線100Bに取り付けた。
このレクテナは、2.4GHzの電波を受信し、発生した交流電流をショットキーバリアダイオード200により直流に変換し、変換した直流電流により発光ダイオード333を発光させる。

0234

レクテナに対し、2.4GHzの電波を発信し、発光ダイオードが発光するか否かによりこの集積回路における半導体素子の動作の有無を評価した。なお、評価基準は以下の通りである。各例における評価結果を表1に示す。
A:発光ダイオード333の発光が確認された。
B:発光ダイオード333が発光したり、発光しなかったりと不安定であった。

0235

[抵抗安定性の評価2]
図8は、抵抗安定性の評価2に用いた集積回路の概略図である。
抵抗安定性の評価1と同様に、各例の現像剤を用いて、基板上の二つのトナー像の上にそれぞれ導電箔を形成し、配線基板を製造した。そして、前記二つの配線部を含む4cm×8cmの短冊を切り出した。

0236

前記二つの配線部に対して、表面実装型ショットキーバリアダイオード201(ルネサス社製:1SS106)および発光ダイオード334(OptoSupply社製:LED OSDR3133A)を回路モジュールとして取り付け、集積回路としてのレクテナを作製した。具体的には、上記抵抗安定性の評価1におけるステープルの代わりに、Bare Conductive社製導電性ペイント(Electric Paint)を用いて、表面実装型ショットキーバリアダイオード(HSMS−2820)201の一方の端子を、配線100Aの一端に取り付けた。同様にして、表面実装型ショットキーバリアダイオード201の一方の端子を、配線100Bの一端に取り付けた。また、前記導電性ペイントを用いて、発光ダイオード(OptSuppply社製LED OSDR3133A)334の一方の端子(図8中左側の端子)を、配線100Aの一端に取り付け、他方の端子(図8中右側の端子)を、配線100Bの一端に取り付けた。
このレクテナは、発光ダイオード334のリード線導電配線表面に接触させて状態で、Wi−Fi(登録商標)モードとしたスマートフォンを近付けると、発光ダイオード334を発光させる。

0237

前記レクテナに対し、2.4GHzの電波を発信し、発光ダイオードが発光するか否かによりこの集積回路における半導体素子の動作の有無を評価した。なお、評価基準は以下の通りである。各例における評価結果を表1に示す。
A:発光ダイオード334の発光が確認された。
B:発光ダイオード334が発光したり、発光しなかったりと不安定であった。

0238

[ブロッキング耐久性の評価]
各例で使用する熱可塑性トナーを、温度50℃、湿度50%の環境下に17時間放置した。その後、35μm目開きのメッシュで篩分し、網上の熱可塑性トナー量から、ブロッキング耐久性について、以下の基準で評価した。
A:網上に熱可塑性トナーは残留しなかった。
B:網上に熱可塑性トナーが少量残留した。

0239

実施例

0240

上記結果から、実施例における配線基板の製造方法は、比較例における配線基板の製造方法よりも、抵抗安定性が高い配線が得られることがわかった。より具体的に、実施例における配線基板の製造方法は、比較例における配線基板の製造方法よりも、短絡の評価、抵抗安定性の評価1及び2からなる3種の評価結果において、2種以上の評価で良好な結果を示した。特に、配線形成工程において熱を付与しない構成とした比較例3における配線基板の製造方法では、トナー像の上に導電箔を転写できず、配線は形成されなかった。

0241

1配線基板製造装置
10ガイド用画像形成部
70導電箔用トナー像形成部
80配線形成部
100 導電箔付フィルム
110 導電箔
300素子取付部

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