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技術 マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法

出願人 HOYA株式会社
発明者 石田宏之相澤毅
出願日 2018年9月12日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-170715
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-042214
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 遮光帯パターン 転写対象物 クロムターゲット 凹欠陥 合格品 遮光膜下 Zeiss社 検証データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

マスクブランク基板主表面上に欠陥が存在していても、その欠陥は転写用マスクによる転写像への影響がないものとして合格品とすることができるマスクブランクを提供する。

解決手段

透光性基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクであり、前記透光性基板の主表面には欠陥が存在し、この欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での欠陥の先端までの長さをLとしたとき、 L≦97.9×w−0.4の関係を満たす。

概要

背景

半導体デバイスの製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には転写用マスクが使用される。この転写用マスクは、一般に透光性ガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細転写パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。

近年、半導体デバイスのパターンの微細化に伴い、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化が進んできている。通常、転写用マスクは、基板上にパターン形成用薄膜を備えるマスクブランクを用いて製造される。転写用マスクを露光装置マスクステージにセットし、ArFエキシマレーザー等の露光光照射することで、その転写用マスクの薄膜パターン(転写パターン)を透過した露光光によって、転写対象物半導体ウェハ上のレジスト膜等)にパターン転写される。

一般に、転写用マスクの基板上に欠陥が存在している場合、その転写用マスクを用いてウェハ上のレジスト膜に露光転写を行ったときに、その欠陥の像がそのレジスト膜に転写される現象が起こる。このため、マスクブランクから転写用マスクを製造した後には、マスク欠陥検査装置によるマスク欠陥検査が行われる。一方、以前より、転写用マスクを製造する原版となるマスクブランクにおいても、特に転写パターンが形成される領域では、基板上に欠陥がないことが望まれている。そのため、従来、マスクブランクにおいても、たとえばマスクブランクの製造過程で発生する欠陥の検査が行われている(特許文献1等参照)。

概要

マスクブランクの基板主表面上に欠陥が存在していても、その欠陥は転写用マスクによる転写像への影響がないものとして合格品とすることができるマスクブランクを提供する。透光性基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクであり、前記透光性基板の主表面には欠陥が存在し、この欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での欠陥の先端までの長さをLとしたとき、 L≦97.9×w−0.4の関係を満たす。

目的

一方、以前より、転写用マスクを製造する原版となるマスクブランクにおいても、特に転写パターンが形成される領域では、基板上に欠陥がないことが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

透光性基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクであって、前記透光性基板の前記主表面に欠陥が存在し、前記欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、L≦97.9×w−0.4の関係を満たすことを特徴とするマスクブランク。

請求項2

前記欠陥の前記長さLは、13nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。

請求項3

前記欠陥の前記幅wは、200nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。

請求項4

前記欠陥は、前記薄膜に転写パターンが形成される領域内の前記透光性基板の主表面上に存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。

請求項5

前記欠陥は、ケイ素酸素を含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。

請求項6

前記薄膜は、ArFエキシマレーザー露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記薄膜を透過した前記露光光に対して前記薄膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上200度以下の位相差を生じさせる機能とを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。

請求項7

透光性基板の主表面上に、転写パターンが形成された薄膜を備えた転写用マスクであって、前記透光性基板の前記主表面に欠陥が存在し、前記欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、L≦97.9×w−0.4の関係を満たすことを特徴とする転写用マスク。

請求項8

前記欠陥の前記長さLは、13nm以下であることを特徴とする請求項7に記載の転写用マスク。

請求項9

前記欠陥の前記幅wは、200nm以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の転写用マスク。

請求項10

前記欠陥は、前記薄膜に転写パターンが形成されている領域内の前記透光性基板の主表面上に存在することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の転写用マスク。

請求項11

前記欠陥は、ケイ素と酸素を含有していることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の転写用マスク。

請求項12

前記薄膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記薄膜を透過した前記露光光に対して前記薄膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上200度以下の位相差を生じさせる機能とを有することを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の転写用マスク。

請求項13

請求項7乃至12のいずれかに記載の転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、マスクブランク転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

半導体デバイスの製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には転写用マスクが使用される。この転写用マスクは、一般に透光性ガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細転写パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。

0003

近年、半導体デバイスのパターンの微細化に伴い、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化が進んできている。通常、転写用マスクは、基板上にパターン形成用薄膜を備えるマスクブランクを用いて製造される。転写用マスクを露光装置マスクステージにセットし、ArFエキシマレーザー等の露光光照射することで、その転写用マスクの薄膜パターン(転写パターン)を透過した露光光によって、転写対象物半導体ウェハ上のレジスト膜等)にパターン転写される。

0004

一般に、転写用マスクの基板上に欠陥が存在している場合、その転写用マスクを用いてウェハ上のレジスト膜に露光転写を行ったときに、その欠陥の像がそのレジスト膜に転写される現象が起こる。このため、マスクブランクから転写用マスクを製造した後には、マスク欠陥検査装置によるマスク欠陥検査が行われる。一方、以前より、転写用マスクを製造する原版となるマスクブランクにおいても、特に転写パターンが形成される領域では、基板上に欠陥がないことが望まれている。そのため、従来、マスクブランクにおいても、たとえばマスクブランクの製造過程で発生する欠陥の検査が行われている(特許文献1等参照)。

先行技術

0005

特開2010−175660号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、近年、マスクブランクを欠陥検査する欠陥検査装置の性能が大きく向上してきており、従来では検出できないような大きさの欠陥を検出できるようになってきている。このため、従来よりも、欠陥検査時に欠陥が検出されるマスクブランクの比率が高くなってきている。マスクブランクの製造における欠陥検査工程で、基板上に欠陥がないマスクブランクのみを選定すると、製造歩留まりが大きく低下するという問題があった。

0007

本発明者らは、転写用マスクの基板上(基板の主表面)に欠陥が存在していても、その欠陥の条件によっては、マスク欠陥検査で検出されない場合があるという仮説を立て、さらに、欠陥が存在していても、その欠陥の条件によっては、転写像への影響の問題は生じない、あるいはその影響が許容範囲内に収まるほど小さい場合があるという仮説を立て、さらにこれらの仮説の検証を行い、一定の知見を得た。

0008

本発明の目的とするところは、第1に、マスクブランクの基板主表面上に欠陥が存在していても、その欠陥は転写用マスクによる転写像への影響がないものとして合格品とすることができるマスクブランクを提供することである。第2に、転写用マスクの基板主表面上に欠陥が存在していても、その欠陥は転写用マスクによる転写像への影響がないものとして合格品とすることができる転写用マスクを提供することであり、第3に、かかる転写用マスクを用いて、微細パターンの形成された高品質の半導体デバイスの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記課題を解決するべく、以下のような検討を試みた。
欠陥検査装置で検出される例えば転写用マスクの基板上に存在する欠陥には、様々な形状、平面視の大きさ、高さのものがある。本発明者らは、転写用マスクの基板上(基板の主表面)に欠陥が存在しても、その欠陥の条件によっては、マスク欠陥検査で検出されない場合があるという仮説を立てた。さらに、そのマスク欠陥検査によって検出されない欠陥が転写用マスクの基板上にあった場合であっても、その転写用マスクを用いてウェハ上のレジスト膜に露光転写を行ったときに、その欠陥の像がレジスト膜に転写されず、現像処理等を経てレジストパターンを形成したときにレジスト膜に欠陥の影響が現れない場合がある、あるいはそのレジスト膜に欠陥が転写されたとしても、現像処理等を行ってレジストパターンを形成した時にその欠陥によってパターンの精度に与える影響が許容範囲内に収まるほど小さい場合があるという仮説を立てた。

0010

本発明者らは、これらの仮説を検証するために、基板の主表面に異なる大きさと高さの凸欠陥プログラム欠陥)を多数配置したプログラムマスクを製造した。このプログラムマスクに対し、マスク欠陥検査装置Teron(KLA Tencor社製)を用いて各凸欠陥の検出有無の検証を行った。さらに、このプログラムマスクに対し、AIMS193(CarlZeiss社製)を用いてそのプログラムマスクを用いて露光転写を行ったときの転写像をシミュレーションし、各凸欠陥が転写像に与える影響を検証した。その結果、マスク欠陥検査で検出できなかった凸欠陥は、いずれも転写像に与える影響が小さく実質的に問題とならないということが判明した。すなわち、マスク欠陥検査で検出できない凸欠陥は、実際に存在していても、転写像への影響の問題は生じないということがわかった。

0011

さらに、本発明者らは、これらの検証結果を基に、転写用マスクにおける基板上の凸欠陥であって、マスク欠陥検査で検出されない凸欠陥は、その凸欠陥の幅と高さの関係が、所定の関係を満たすものであることを突き止めた。
そして、さらに検討の結果、マスクブランクの基板上に、幅と高さの関係が所定の関係を満たす欠陥が存在していても、その欠陥は転写像への影響がないものとして合格品にすることができるという結論に至り、以下の構成を有する発明を完成させたものである。

0012

(構成1)
透光性基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクであって、前記透光性基板の前記主表面に欠陥が存在し、前記欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、
L≦97.9×w−0.4
の関係を満たすことを特徴とするマスクブランク。

0013

(構成2)
前記欠陥の前記長さLは、13nm以下であることを特徴とする構成1に記載のマスクブランク。
(構成3)
前記欠陥の前記幅wは、200nm以下であることを特徴とする構成1又は2に記載のマスクブランク。

0014

(構成4)
前記欠陥は、前記薄膜に転写パターンが形成される領域内の前記透光性基板の主表面上に存在することを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記欠陥は、ケイ素酸素を含有していることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。

0015

(構成6)
前記薄膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記薄膜を透過した前記露光光に対して前記薄膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上200度以下の位相差を生じさせる機能とを有することを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。

0016

(構成7)
透光性基板の主表面上に、転写パターンが形成された薄膜を備えた転写用マスクであって、前記透光性基板の前記主表面に欠陥が存在し、前記欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、
L≦97.9×w−0.4
の関係を満たすことを特徴とする転写用マスク。

0017

(構成8)
前記欠陥の前記長さLは、13nm以下であることを特徴とする構成7に記載の転写用マスク。
(構成9)
前記欠陥の前記幅wは、200nm以下であることを特徴とする構成7又は8に記載の転写用マスク。

0018

(構成10)
前記欠陥は、前記薄膜に転写パターンが形成されている領域内の前記透光性基板の主表面上に存在することを特徴とする構成7乃至9のいずれかに記載の転写用マスク。
(構成11)
前記欠陥は、ケイ素と酸素を含有していることを特徴とする構成7乃至10のいずれかに記載の転写用マスク。

0019

(構成12)
前記薄膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記薄膜を透過した前記露光光に対して前記薄膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上200度以下の位相差を生じさせる機能とを有することを特徴とする構成7乃至11のいずれかに記載の転写用マスク。

0020

(構成13)
構成7乃至12のいずれかに記載の転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。

発明の効果

0021

本発明によれば、マスクブランクの基板主表面上に欠陥が存在していても、その欠陥は転写用マスクによる転写像への影響がないものとして合格品とすることができるマスクブランクを提供することができる。
また、本発明によれば、転写用マスクの基板主表面上に欠陥が存在していても、その欠陥は転写用マスクによる転写像への影響がないものとして合格品とすることができる転写用マスクを提供することができる。
また、本発明により得られる転写用マスクを用いて、微細パターンの形成された高品質の半導体デバイスを製造することができる。

図面の簡単な説明

0022

マスクブランクの断面概略図である。
マスクブランク用基板の断面図である。
転写用マスクの断面概略図である。
プログラム欠陥の構成を示す平面図である。
プログラム欠陥の構成を示す断面図である。
基板の主表面に異なる大きさ(幅)と高さの凸欠陥(プログラム欠陥)を多数配置したプログラムマスクに対し、マスク欠陥検査装置Teronによる各凸欠陥の検出有無の検証結果を示す図である。

0023

以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳述する。
前述のように、本発明者らは、転写用マスクの基板上(基板の主表面)に欠陥が存在していても、その欠陥の条件によっては、マスク欠陥検査で検出されない場合があるという仮説を立て、さらに、欠陥が存在していても、その欠陥の条件によっては、転写像への影響の問題は生じない、あるいはその影響が許容範囲内に収まるほど小さい場合があるという仮説を立て、さらにこれらの仮説の検証を行い、得られた知見に基づき本発明を完成させたものである。以下に、詳しく説明する。

0024

本発明者らは、転写用マスクの基板上(基板の主表面)に欠陥が存在しても、その欠陥の条件によっては、マスク欠陥検査で検出されない場合があるとう仮説を立てた。さらに、そのマスク欠陥検査によって検出されない欠陥が転写用マスクの基板上に存在している場合であっても、その転写用マスクを用いてウェハ上のレジスト膜に露光転写を行ったときに、その欠陥の像がレジスト膜に転写されず、現像処理等を経てレジストパターンを形成したときにレジスト膜に欠陥の影響が現れない場合がある、あるいはそのレジスト膜に欠陥が転写されたとしても、現像処理等を行ってレジストパターンを形成した時にその欠陥によってパターンの精度に与える影響が許容範囲内に収まるほど小さい場合があるという仮説を立てた。

0025

本発明者らは、これらの仮説を検証するために、まず、基板の主表面に高さが実質的に同じであるが、異なる大きさ(主表面側から見たときの大きさ、幅。)の凸欠陥(プログラム欠陥)を多数配置したプログラムマスクを、異なる凸欠陥の高さ毎に製造した。そのプログラムマスクは、基板の主表面上に同じ大きさおよび高さの凸欠陥を等間隔で複数配置し、その上に凸欠陥の間隔とわずかにラインパターンの間隔が異なるラインアンドスペースの薄膜パターン(転写パターン)を配置することで、凸欠陥とラインパターンとの重なり具合が異なる状態が作られているもので、その異なる重なり具合の状態が異なる大きさの凸欠陥ごとに作られたものである。

0026

図4は、このような各プログラムマスクに設けられたプログラム欠陥の構成を示す平面図であり、図5は、同じくプログラム欠陥の構成を示す断面図である。

0027

図4及び図5に示されるとおり、基板(ガラス基板)1の主表面上に同じ大きさ(幅)および高さの凸欠陥を等間隔で複数(9個)配置している。そして、これら9個の等間隔で配置された同じ大きさおよび高さの凸欠陥1a、1b、・・・、1h、1i(以下、1a〜1iと記載することもある。)の上に、これら凸欠陥の間隔とわずかにラインパターンの間隔が異なるライン・アンド・スペースの薄膜パターン(転写パターン)2bを配置している。これによって、凸欠陥1a〜1iと上記ラインパターンとの重なり具合が異なる状態が作られている。プログラム欠陥は、このように凸欠陥とラインパターンとの異なる重なり具合の状態が、異なる大きさの凸欠陥(実質的に同じ高さ)ごとに作られたものである。そして、1枚のプログラムマスクには、凸欠陥が同じ高さのプログラム欠陥のみが設けられている。すなわち、凸欠陥の高さの異なるプログラム欠陥毎に別々のプログラムマスクが製造されている。

0028

このプログラム欠陥の具体例を挙げると、例えば、凸欠陥の大きさ(幅)wは32nm〜200nmの範囲で、異なる大きさであり、実質的に同じ高さ(4nm〜24nmの範囲で)の複数の凸欠陥を配置する。そして、これら凸欠陥上に、例えばピッチ360nmのライン・アンド・スペースの薄膜パターン(転写パターン)を配置し、凸欠陥1a〜1iとラインパターン2bとの重なり具合(図5中に示す幅m)を制御する。なお、図4中のL字マークMは、マスク欠陥検査時にマスク欠陥検査装置がプログラムマスク上のプログラム欠陥の位置を検出しやすくするために設けたマークである。

0029

透光性基板上に凸欠陥が存在しているマスクブランクから転写用マスクを製造する場合、そのマスクブランクのパターン形成用の薄膜に形成するパターンの形状や、主表面上のパターンの配置によって、完成した転写用マスクの薄膜パターンと凸欠陥との位置関係パターンエッジと凸欠陥との重なり具合)は、様々な状態になりうる。上記のような、薄膜のラインパターンと凸欠陥との重なり具合が異なるプログラム欠陥を用いて、マスク欠陥検査装置TeronとAIMS193による検証を行うことで、薄膜パターンとの位置関係に関わらず、マスク欠陥検査で凸欠陥が検出されず、露光転写を行ったときに凸欠陥が転写像に与える影響が生じないあるいは影響が許容範囲内である凸欠陥の範囲を特定することが可能となる。

0030

以上のようなプログラム欠陥は、以下のような方法で作製することができる。
まず、たとえばエッチング法で、ガラス基板上に異なる大きさの凸欠陥を形成する。次いで、基板全面にパターン形成用の薄膜を成膜した後、レジストパターンを用いたフォトリソグラフィー法により、所定のライン・アンド・スペースの薄膜パターンを形成することによって、凸欠陥とラインパターンとの重なり具合の異なる状態が、異なる大きさの欠陥ごとに作られたプログラム欠陥が作製される。なお、凸欠陥の高さについては、ガラス基板に対するエッチング時間等で調整する。

0031

次に、このようなプログラム欠陥を配置した複数のプログラムマスクに対し、マスク欠陥検査装置Teron(KLA Tencor社製)を用いて各凸欠陥の検出有無の検証を行った。その結果、所定の凸欠陥は検出できないことが判明した。図6は、以上の異なる大きさ(幅)と高さのプログラム欠陥を配置した複数のプログラムマスクに対し、マスク欠陥検査装置Teronによる各凸欠陥の検出有無の検証結果を示す図である。

0032

さらに、この複数のプログラムマスクに対し、AIMS193(CarlZeiss社製)を用いて各プログラムマスクを用いて露光転写を行ったときの転写像をシミュレーションし、各凸欠陥が転写像に与える影響を検証した。その結果、その転写像に与える影響が大きく問題となる凸欠陥と、転写像に与える影響が小さく実質的に問題とならない凸欠陥が存在することが判明した。

0033

また、これらの検証データを照らし合わせた結果、マスク欠陥検査で検出できなかった凸欠陥は、いずれも転写像に与える影響が小さく実質的に問題とならないということが判明した。すなわち、マスク欠陥検査で検出できない凸欠陥は、実際に存在していても、転写像への影響の問題は生じないということがわかった。

0034

さらに、本発明者らは、これらの検証結果を基に、マスクブランクまたは転写用マスクにおける基板上の凸欠陥であって、マスク欠陥検査で検出されない凸欠陥は、その凸欠陥の幅wと高さhの関係が、
h≦97.9×w−0.4
の関係を満たすものであることを突き止めた。なお、前述の図6には、h=97.9×w−0.4の関係を示す曲線を描いている。

0035

そして、本発明者らは、以上の検証結果から、マスクブランクまたは転写用マスクにおける基板上に、たとえば上記の幅wと高さhの関係を満たす凸欠陥が存在していても、その凸欠陥は転写像への影響がないものとして合格品にすることができるという結論に至り、本発明を完成させることができた。
なお、以上は、本発明の一実施形態として、凸欠陥に関する検証結果を説明したが、凹欠陥の場合でも同様の結論が成り立つ。

0036

本発明のマスクブランクは、透光性基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクであって、前記透光性基板の前記主表面に欠陥が存在し、前記欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、
L≦97.9×w−0.4 ・・・(1)
の関係を満たすことを特徴とするものである。

0037

ここで、上記基板の主表面に存在する上記欠陥とは、凸欠陥と凹欠陥の両方を含むものである。また、上記の主表面から垂直方向での欠陥の先端までの長さLとは、凸欠陥の場合は、その高さhであり、凹欠陥の場合は、その深さdのことである。また、上記基板主表面に存在する上記欠陥は、例えばケイ素と酸素を含有している。

0038

本発明のマスクブランクは、そのマスクブランクの基板上に凸欠陥又は凹欠陥が存在しているが、その凸欠陥又は凹欠陥は、そのマスクブランクを用いて転写用マスクを製造し、その転写用マスクに対してマスク欠陥検査を行ったときに検出されない特定の関係(上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1))を満たす凸欠陥又は凹欠陥である。これにより、マスクブランクを製造する際の欠陥検査工程で凸欠陥又は凸欠陥が検出されたマスクブランクに対し、上記の関係式(1)を満たす凸欠陥又は凹欠陥である場合は、その凸欠陥又は凹欠陥が存在していても、これら欠陥は転写像への影響がないものとして合格品とすることができる。このため、合格品となるマスクブランクの比率が高くなり、高い歩留まりでマスクブランクを提供することができる。

0039

本発明のマスクブランクにおいて、上記欠陥の長さLは、13nm以下であることが好ましい。上記欠陥の長さL、つまり凸欠陥の場合はその高さhが、凹欠陥の場合はその深さdが13nmを超えると、そのような欠陥は、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たさないことが多く、そのため転写像に与える影響が大きくなる。なお、上記欠陥の長さLは、11nm以下であるとより好ましい。この欠陥の長さLの範囲内であり、かつ欠陥の幅wが200nm以下であれば、マスク欠陥検査で検出されないためである。さらに、上記欠陥の長さLは、6nm以下であるとさらに好ましい。この欠陥の長さLの範囲内であり、かつ欠陥の幅wが1000nm以下であれば、マスク欠陥検査で検出されないためである。

0040

また、本発明のマスクブランクにおいて、上記欠陥の幅wは、200nm以下であることが好ましい。上記欠陥の幅wが200nmを超えると、そのような欠陥は、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たさないことが多く、そのため転写像に与える影響が大きくなる。

0041

本発明のマスクブランクは、透光性基板1の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜2を備えたマスクブランク10である(図1図2参照)。

0042

上記透光性基板1は、半導体装置製造用の転写用マスク(例えば、バイナリマスク位相シフトマスク等の透過型マスクなど)に用いられる基板であれば特に限定されない。したがって、上記透光性基板1は、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されず、合成石英基板や、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラスアルミノシリケートガラス等)が用いられる。この中でも合成石英基板は、微細パターン形成に有効なArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので、特に好ましく用いられる。

0043

透過型マスク製造用のマスクブランクの場合、上記薄膜2は、遮光膜半透過膜位相シフト膜や、これらの膜の積層膜が用いられる。上記薄膜2が位相シフト膜である場合、たとえば、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、上記薄膜を透過した上記露光光に対して上記薄膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した上記露光光との間で150度以上200度以下の位相差を生じさせる機能とを有することが好ましい。また、目的に応じてさらにハードマスク膜エッチングストッパー膜などを追加してもよい。薄膜2は、単一膜でも、あるいは、同じ種類または異なる種類の膜の積層膜とすることもできる。薄膜2の材料としては、例えば、クロム(Cr)を含有する材料、ケイ素(Si)を含有する材料、ケイ素(Si)及び遷移金属(Moなど)を含有する材料や、タンタル(Ta)を含有する材料を用いることができるが、もちろんこれらの材料に限定されるわけではない。

0044

図1に示すマスクブランク10のような透光性基板1上に薄膜2を形成する方法は特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することが出来るので好適である。

0045

マスクブランクを製造する際の欠陥検査工程で凸欠陥または凹欠陥が検出されたマスクブランクであっても、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たす欠陥である場合は、これら欠陥は転写像への影響がないものとして、そのマスクブランクを、欠陥検査の合格品として判定することが可能である。すなわち、欠陥検査の合格品となるマスクブランクの比率が高くなり、マスクブランクの生産歩留まりを向上させることができる。

0046

本発明では、上記欠陥は、上記薄膜に転写パターンが形成される領域内の透光性基板の主表面上に存在する欠陥である。ここで、一辺が約152mmの四角形の主表面を有する基板である場合、その基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域を薄膜に転写パターンが形成される領域とすることが好ましい。このため、この基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域内の基板主表面上に欠陥が存在していても、上記の関係式(1)を満たす欠陥である場合は、そのマスクブランクを、欠陥検査の合格品として判定することが可能である。

0047

本発明のマスクブランク10の透光性基板1の主表面は、薄膜に転写パターンが形成される領域の外側の領域には、上記の関係式(1)を満たさない幅wと長さLを有する欠陥が存在してもよい。薄膜2に転写パターンが形成される領域の外側の領域は、転写像に与える影響が実質的にないためである。一方、本発明のマスクブランク10の透光性基板1の主表面であって、薄膜2に転写パターンが形成される領域に存在する欠陥の全てが上記関係式(1)を満たすことが好ましい。他方、透光性基板1の主表面の薄膜2に転写パターンが形成される領域に、上記の関係式(1)を満たさない幅wと長さLを有する欠陥が存在するマスクブランクであって、その欠陥数が少なく、薄膜2に転写パターンを配置するときにその欠陥の影響を受けないように配置することが可能であれば、合格品とすることも可能である。

0048

本発明のマスクブランク10の透光性基板1の主表面は、薄膜に転写パターンが形成される領域にも、所定数以下であれば、上記の関係式(1)を満たさない幅wと長さLを有する欠陥が存在してもよい。上記の関係式(1)を満たさない欠陥の数が非常に少なければ、薄膜に形成する転写パターンの主表面上の位置をその欠陥を薄膜が覆うように配置することで、マスク欠陥検査でその欠陥を検出されないようにすることが可能であり、またその欠陥が転写像に与える影響も小さくすることが可能であるためである。上記の関係式(1)を満たさない欠陥が許容される所定数は、このマスクブランク10から作製される転写用マスクの仕様によっても変わるが、例えば5個であると好ましく、3個であるとより好ましく、1個であるとさらに好ましい。

0049

一方、マスクブランク10は、薄膜に転写パターンが形成される領域に存在する欠陥は、全て上記の関係式(1)を満たす幅wと長さLを有することが好ましい。このようなマスクブランク10を用いれば、いずれの仕様の転写用マスクを作製しても、マスク欠陥検査でその欠陥が検出されることはなく、またその欠陥が転写像に影響を与えることもないためである。

0050

以上説明したように、マスクブランクの基板上に凸欠陥又は凹欠陥が存在していても、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たす凸欠陥又は凹欠陥である場合は、これら欠陥は転写像への影響がないものとして合格品とすることができる。このため、合格品となるマスクブランクの比率が高くなり、高い歩留まりでマスクブランクを提供することができる。

0051

本発明のマスクブランクを製造する方法については、例えば、以下のような製造方法が適用可能である。具体的には、透光性基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクの製造方法であって、前記透光性基板を準備する工程と、前記透光性基板の転写パターンが形成される側の主表面に対して欠陥検査を行う工程と、前記欠陥検査で欠陥が検出されなかった透光性基板と、所定の関係を満たす欠陥のみが検出された透光性基板を合格品として選定する工程と、前記合格品の透光性基板の一方の主表面上に前記転写パターン形成用の薄膜を形成する工程とを含み、前記所定の関係を満たす欠陥は、前記主表面側からみたときの前記欠陥の幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、L≦97.9×w−0.4 の関係を満たすことを特徴とするマスクブランクの製造方法である。この製造方法を用いることによって、合格品となるマスクブランクの比率が高くなり、高い歩留まりでマスクブランクを提供することができる。

0052

また、上記のマスクブランクの場合において説明した上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)は、転写用マスクの基板上に存在する欠陥についても同様に適用することができる。

0053

本発明の転写用マスクは、透光性基板の主表面上に、転写パターンが形成された薄膜を備えた転写用マスクであって、前記透光性基板の前記主表面に欠陥が存在し、前記欠陥は、前記主表面側からみたときの幅をw、前記主表面から垂直方向での前記欠陥の先端までの長さをLとしたとき、
L≦97.9×w−0.4 ・・・(1)
の関係を満たすことを特徴とするものである。

0054

ここで、上記基板の主表面に存在する上記欠陥とは、凸欠陥と凹欠陥の両方を含むものであり、また、上記の主表面から垂直方向での欠陥の先端までの長さLとは、凸欠陥の場合は、その高さhであり、凹欠陥の場合は、その深さdのことであることは、前述のマスクブランクの場合と同様である。

0055

上記転写用マスクは、透光性基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとし、さらにそのマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成することにより製造される。例えば、図1に示すマスクブランク10の薄膜2に転写パターンを形成することで、図3に示すような基板1上に転写パターン2aを備えた転写用マスク20が得られる。転写用マスクの製造に用いるマスクブランクは、上述した本発明のマスクブランクであることが好適である。薄膜2に転写パターンを形成する方法としては、通常フォトリソグラフィー法を用いるのが微細パターン形成の観点から好適である。なお、転写用マスクにおける上記透光性基板、薄膜の材質等については、前述のマスクブランクの場合と同様である。

0056

本発明の転写用マスクにおいても、その基板上に凸欠陥又は凹欠陥が存在しているが、その凸欠陥又は凹欠陥は、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たす凸欠陥又は凹欠陥である場合は、その凸欠陥又は凹欠陥が存在していても、これら欠陥は転写像への影響がないものとして合格品とすることができる。なお、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を導き出すに至った経緯に関しては、前述のとおりである。

0057

また、本発明の転写用マスクにおいても、上記欠陥の長さLは、13nm以下であることが好ましい。上記欠陥の長さL、つまり凸欠陥の場合はその高さhが、凹欠陥の場合はその深さdが13nmを超えると、そのような欠陥は、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たさないことが多く、そのため転写像に与える影響が大きくなる。なお、前述のマスクブランクの場合と同様、上記欠陥の長さLは、11nm以下であるとより好ましい。この欠陥の長さLの範囲内であり、かつ欠陥の幅wが200nm以下であれば、マスク欠陥検査で検出されないためである。さらに、上記欠陥の長さLは、6nm以下であるとさらに好ましい。この欠陥の長さLの範囲内であり、かつ欠陥の幅wが1000nm以下であれば、マスク欠陥検査で検出されないためである。

0058

また、本発明の転写用マスクにおいても、上記欠陥の幅wは、200nm以下であることが好ましい。上記欠陥の幅wが200nmを超えると、そのような欠陥は、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たさないことが多く、そのため転写像に与える影響が大きくなる。

0059

また、本発明の転写用マスクにおいても、上記欠陥は、上記薄膜に転写パターンが形成されている領域内の透光性基板の主表面上に存在する欠陥とすることができる。例えば一辺が約152mmの四角形の主表面を有する基板である場合、その基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域を薄膜に転写パターンが形成される領域とすることが好ましく、この基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域内の基板主表面上に欠陥が存在していても、上記の関係式(1)を満たす欠陥である場合は、その転写用マスクを欠陥検査の合格品として判定することが可能である。

0060

また、本発明の転写用マスクにおいても、上記薄膜に転写パターンが形成されている領域の外側の領域には、上記の関係式(1)を満たさない幅wと長さLを有する欠陥が存在してもよい。上記薄膜に転写パターンが形成されている領域の外側の領域は、転写像に与える影響が実質的にないためである。一方、上記薄膜に転写パターンが形成されている領域に存在する欠陥の全てが上記関係式(1)を満たすことが好ましい。

0061

以上説明したように、本発明の転写用マスクは、その基板上に凸欠陥又は凹欠陥が存在しているが、その凸欠陥又は凹欠陥は、上記の欠陥の幅wと上記長さLとの関係式(1)を満たす凸欠陥又は凹欠陥であり、その凸欠陥又は凹欠陥が存在していても、これら欠陥は転写像への影響がないものとして合格品とすることができる。

0062

また、本発明は、上記転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有する半導体デバイスの製造方法についても提供する。本発明により得られる転写用マスクを用いて、微細パターンの形成された高品質の半導体デバイスを製造することができる。

0063

以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例は、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いるハーフトーン型位相シフトマスクの製造に使用するマスクブランクに関するものである。
本実施例に使用するマスクブランクは、透光性基板(ガラス基板)上に、光半透過膜二層構造の遮光膜、ハードマスク膜を順に積層した構造のものである。このマスクブランクは、以下のようにして作製した。

0064

ガラス基板として合成石英基板(大きさ約152mm×152mm×厚み6.35mm)を準備した。この合成石英基板に対してマスクブランク用欠陥検査装置であるM6640(レーザーテック社製)を用いた欠陥検査を行った。その結果、転写パターンが形成される領域(一辺が132mmの四角形の内側領域)内のこの合成石英基板上に、7個の凸欠陥が検出され、4個の凹欠陥が検出された。この検出された全ての凸欠陥および凹欠陥に対し、原子間力顕微鏡AFM)で各凸欠陥および各凹欠陥の幅wおよび高さhまたは深さdを測定した。その結果、いずれの凸欠陥についても、その幅wと高さhの関係が、h≦97.9×w−0.4の関係を満たすものであること、さらにいずれの凹欠陥についても、その幅wと深さdの関係が、d≦97.9×w−0.4の関係を満たすものであることが確認できた。

0065

次に、枚葉DCスパッタリング装置内に上記合成石英基板を設置し、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合焼結ターゲット(Mo:Si=12原子%:88原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N2)およびヘリウム(He)の混合ガス流量比Ar:N2:He=8:72:100,圧力=0.2Pa)をスパッタリングガスとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、合成石英基板上に、モリブデン、シリコンおよび窒素からなるMoSiN光半透過膜(位相シフト膜)を69nmの厚さで形成した。形成したMoSiN膜組成は、Mo:Si:N=4.1:35.6:60.3(原子%比)であった。この組成はX線光電子分光法(XPS)により測定した。

0066

次に、スパッタリング装置から基板を取り出し、上記合成石英基板上の光半透過膜に対し、大気中での加熱処理を行った。この加熱処理は、450℃で30分間行った。この加熱処理後の光半透過膜に対し、位相シフト量測定装置を使用してArFエキシマレーザーの波長(193nm)における透過率と位相シフト量を測定したところ、透過率は6.44%、位相シフト量は174.3度であった。

0067

次に、上記光半透過膜を成膜した基板を再びスパッタリング装置内に投入し、上記光半透過膜の上に、CrOCN膜からなる下層、およびCrN膜からなる上層積層構造の遮光膜を形成した。具体的には、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比Ar:CO2:N2:He=20:24:22:30、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記光半透過膜上に厚さ47nmのCrOCN膜からなる遮光膜下層を形成した。続いて、同じくクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:N2=25:5、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記下層の上に厚さ5nmのCrN膜からなる遮光膜上層を形成した。

0068

形成した遮光膜下層のCrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=49.2:23.8:13.0:14.0(原子%比)、遮光膜上層のCrN膜の組成は、Cr:N=76.2:23.8原子%比)であった。これらの組成はXPSにより測定した。

0069

次いで、上記遮光膜の上に、SiON膜からなるハードマスク膜を形成した。具体的には、シリコンのターゲットを用い、アルゴン(Ar)と一酸化窒素(NO)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比Ar:NO:He=8:29:32、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記遮光膜の上に厚さ15nmのSiON膜からなるハードマスク膜を形成した。形成したSiON膜の組成は、Si:O:N=37:44:19(原子%比)であった。この組成はXPSにより測定した。

0070

上記光半透過膜と遮光膜の積層膜の光学濃度は、ArFエキシマレーザーの波長(193nm)において3.0以上(透過率0.1%以下)であった。
以上のようにして本実施例のマスクブランクを作製した。
次に、作製した上記のマスクブランクの欠陥検査を行った。欠陥検査に用いる欠陥検査装置は、マスクブランク用欠陥検査装置であるM6640(レーザーテック社製)を用いた。その結果、上記の合成石英基板に対する欠陥検査で検出された凸欠陥と凹欠陥が、薄膜の同じ位置に全て検出された。また、それ以外の凸欠陥と凹欠陥が新たに検出されることはなかった。

0071

次に、このマスクブランクを用いて、ハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
まず、上記マスクブランクの上面にHMDS処理を行い、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製PRL009)を塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。

0072

次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜に対して所定のデバイスパターン(光半透過膜(位相シフト膜)に形成すべき位相シフトパターンに対応するパターンで、ライン・アンド・スペースを含む。)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成した。

0073

次に、上記レジストパターンをマスクとして、ハードマスク膜のドライエッチングを行い、ハードマスク膜パターンを形成した。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガスSF6)を用いた。
上記レジストパターンを除去した後、上記ハードマスク膜パターンをマスクとして、上層及び下層の積層膜からなる遮光膜のドライエッチングを連続して行い、遮光膜パターンを形成した。ドライエッチングガスとしてはCl2とO2の混合ガス(Cl2:O2=8:1(流量比))を用いた。

0074

続いて、上記遮光膜パターンをマスクにして、光半透過膜のドライエッチングを行い、光半透過膜パターン位相シフト膜パターン)を形成した。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF6)を用いた。なお、この光半透過膜2のエッチング工程において、表面に露出しているハードマスク膜パターンは除去された。

0075

次に、基板上の全面に、スピン塗布法により、前記レジスト膜を再び形成し、電子線描画機を用いて、所定のデバイスパターン(たとえば遮光帯パターンに対応するパターン)を描画した後、現像して所定のレジストパターンを形成した。続いて、このレジストパターンをマスクとして、露出している遮光膜パターンのエッチングを行うことにより、たとえば転写パターン形成領域内の遮光膜パターンを除去し、転写パターン形成領域の周辺部には遮光帯パターンを形成した。この場合のドライエッチングガスとしてはCl2とO2の混合ガス(Cl2:O2=8:1(流量比))を用いた。
最後に、残存するレジストパターンを除去し、ハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。

0076

そして、このハーフトーン型位相シフトマスクに対し、マスク欠陥検査装置であるTeron(KLA Tencor社製)を用い、マスク欠陥検査を行った。その結果、マスクブランクの欠陥検査で検出された基板上の凸欠陥および凹欠陥はいずれもマスク欠陥として検出されなかった。

0077

次に、このハーフトーン型位相シフトマスクに対し、AIMS193(CarlZeiss社製)を用い、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、高精度で露光転写できることが確認できた。つまり、マスクブランクの基板上に欠陥が存在していても、その欠陥が上記の幅wと高さh(または深さd)の関係を満たす欠陥であれば、その欠陥に起因する転写像への影響の問題は生じないことが確認できた。

0078

(比較例1)
実施例1と同様にして、準備した合成石英基板(ガラス基板)に対し、マスクブランク用欠陥検査装置であるM6640(レーザーテック社製)を用いた欠陥検査を行った。その結果、転写パターンが形成される領域(一辺が132mmの四角形の内側領域)内のこの合成石英基板上に、9個の凸欠陥が検出され、6個の凹欠陥が検出された。この検出された全ての凸欠陥および凹欠陥に対し、原子間力顕微鏡(AFM)で各凸欠陥および各凹欠陥の幅wおよび高さhまたは深さdを測定した。その結果、全ての凸欠陥のうち、幅wと高さhの関係が、h≦97.9×w−0.4の関係を満たさない凸欠陥が7個あることが確認された。さらに、全ての凹欠陥のうち、その幅wと深さdの関係が、d≦97.9×w−0.4の関係を満たさない凹欠陥が3個あることが確認された。

0079

次に、欠陥検査を行った後の透光性基板(ガラス基板)上に、実施例1と同様の手順で光半透過膜、二層構造の遮光膜、ハードマスク膜を順に積層した構造のマスクブランクを作製した。
次に、作製した上記のマスクブランクの欠陥検査を行った。欠陥検査に用いる欠陥検査装置は、実施例1と同様のマスクブランク用欠陥検査装置であるM6640(レーザーテック社製)を用いた。その結果、上記の合成石英基板に対する欠陥検査で検出された凸欠陥と凹欠陥が、薄膜の同じ位置に全て検出された。また、それ以外の凸欠陥と凹欠陥が新たに検出されることはなかった。

0080

次に、このマスクブランクを用いて、実施例1と同様にしてハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
そして、作製したハーフトーン型位相シフトマスクに対し、マスク欠陥検査装置であるTeron(KLA Tencor社製)を用い、マスク欠陥検査を行った。その結果、転写パターン形成領域内に、凸欠陥及び凹欠陥がマスク欠陥として10個検出された。これらの欠陥は、いずれも透光性基板の欠陥検査で検出された凸欠陥および凹欠陥のうち、上記の幅wと高さh(または深さd)の関係を満たさない欠陥であった。一方、透光性基板の欠陥検査で検出された凸欠陥および凹欠陥のうち、上記の幅wと高さh(または深さd)の関係を満たしている欠陥については、いずれもこのマスク欠陥検査では検出されなかった。

実施例

0081

次に、このハーフトーン型位相シフトマスクに対し、AIMS193(CarlZeiss社製)を用い、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、上記のマスク欠陥検査で検出された凸欠陥および凹欠陥に起因する転写不良が生じていた。一方、透光性基板の欠陥検査で検出されていたが、マスク欠陥検査で検出されなかった凸欠陥および凹欠陥については、いずれも転写不良は生じていなかった。

0082

1マスクブランク用基板
1a〜1iプログラム欠陥
2薄膜
2a転写パターン
10マスクブランク
20 転写用マスク

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