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課題

複数の距離に虚像投影可能であり、かつ異なる距離への切り替えを行う際における像の違和感を低減するヘッドアップディスプレイ装置を提供すること。

解決手段

ヘッドアップディスプレイ装置100は、投影する像を表示させる表示素子11と、表示素子11からの光を表示像IMとして投影する結像光学系30aと、結像光学系30aによって投影される表示像IMについて、少なくとも2つの距離のうち1つの距離から他の距離に虚像投影位置を切り替える切替部である駆動装置62とを備え、表示素子11は、駆動装置62による切り替え時に、少なくとも2つの距離の間の距離においても投影を行う。

概要

背景

従来のヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置は、虚像運転者からある一定の距離だけ離れた位置に生成することが一般的であり、運転者から虚像までの距離が一定だと、目の位置がずれた場合に実物対象物)の位置と危険信号(虚像)の位置とがずれて運転者が危険信号を誤認したり、実物の位置と危険信号の位置とにずれがあると焦点位置の違いにより違和感が生じたりする問題が生じる。このような問題を解決するため、実物に対して虚像を奥行方向も含めて重畳させることが望ましい。

虚像の位置を変更するHUD装置として、HUD光学系の反射ミラー系において、少なくとも曲率が異なる2つのミラー面を設けて、それらを回動によって光路上に選択的に配置し、投影距離可変とするものがある(特許文献1参照)。特許文献1のHUD装置は、ミラー面が2つであるため、投影できる距離は2点となる。特許文献1のHUD装置では、回動による切り替えの間で像を投影することは実質的に困難である。また、投影距離の数を増やそうとすると、ミラー枚数が多くなるという問題が生じる。

また、複数の表示パネルの投影距離を変えて投影することで、可動部を設けずに虚像距離を変更する表示装置がある(特許文献2参照)。特許文献2の表示装置では、各表示パネルの位置と距離とが固定となるため、画面内の任意の位置で虚像距離を変化させることができない。

また、HUD光学系にレンズ駆動により表示像を変倍する集光レンズを有するものがある(特許文献3参照)。特許文献3のHUD光学系では、表示像の大きさを変倍することが目的となっている。特許文献3のHUD光学系は、集光レンズにビームエキスパンダーを用いることで、虚像投影の光軸方向の位置を調整することができる。ただし、特許文献3には虚像位置を変更することの効果については示されていない。また、変倍の具体的な構成例も示されていない。

また、HUD光学系で、表示素子結像光学系との間にリレー光学系を有し、リレー光学系により中間像を形成する表示装置がある(特許文献4参照)。特許文献4の表示装置では、リレー光学系内に用いる光学素子の位置を変化させて中間像の位置を変えている。当該表示装置は、位置を変化させた中間像の各画像を例えば60分の1秒以内に重ね合わせることで立体視映像を得ている。特許文献4の表示装置は、中間像の位置に拡散板が配置されているが、表示パネルに光走査型デバイスを用いる場合に限定している。

また、HUDの表示画面を上下方向に分割して遠い側と近い側とに投影するHUD装置がある(特許文献5参照)。特許文献5では、投影像を遠い側と近い側とに投影する際に、遠い側の表示に対して、中間スクリーンを移動させて投影距離を可変としている。

また、レーザー走査を用いたHUD装置がある(特許文献6参照)。特許文献6のHUD装置では、中間スクリーンを配置し、その中間スクリーンが移動することで虚像距離を可変としている。

以上の特許文献1〜6の技術では、異なる虚像距離に切り替える際に像飛びが生じ、運転者に違和感が生じるおそれがある。

概要

複数の距離に虚像を投影可能であり、かつ異なる距離への切り替えを行う際における像の違和感を低減するヘッドアップディスプレイ装置を提供すること。ヘッドアップディスプレイ装置100は、投影する像を表示させる表示素子11と、表示素子11からの光を表示像IMとして投影する結像光学系30aと、結像光学系30aによって投影される表示像IMについて、少なくとも2つの距離のうち1つの距離から他の距離に虚像投影位置を切り替える切替部である駆動装置62とを備え、表示素子11は、駆動装置62による切り替え時に、少なくとも2つの距離の間の距離においても投影を行う。

目的

本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、複数の距離に虚像を投影可能であり、かつ異なる距離への切り替えを行う際における像の違和感を低減するヘッドアップディスプレイ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

投影する像を表示する表示素子と、前記表示素子からの光を表示像として投影する結像光学系と、前記結像光学系によって投影される前記表示像について、少なくとも2つの距離のうち1つの距離から他の距離に虚像投影位置切り替え切替部と、を備え、前記表示素子は、前記切替部による切り替え時に、前記少なくとも2つの距離の間の距離においても投影を行うことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置

請求項2

前記結像光学系は、前記表示素子に形成された像を拡大する投影光学系と、拡散機能を有し前記投影光学系の光射出側に配置される中間スクリーンと、前記中間スクリーンに形成された中間像拡大投影する虚像生成光学系とを有し、前記切替部は、前記中間スクリーンの位置を前記投影光学系の光軸方向に移動させることで前記少なくとも2つの距離の虚像投影を行うことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項3

前記切替部は、前記中間スクリーンをガイド軸に沿った往復運動で虚像距離を切り替えることを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項4

前記中間スクリーンは、回転軸を中心とした回転ディスク上に設けられ、前記切替部は、前記回転ディスクを前記回転軸を中心に一方向又は往復方向で回転させて光軸方向の前記中間スクリーンの位置を変化させることを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項5

前記中間スクリーンは、少なくとも1つの平坦部と接続部とを有することを特徴とする請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項6

前記中間スクリーンの前記接続部は、前記投影光学系の前記光軸方向に連続的に位置が変化する面を有することを特徴とする請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項7

前記中間スクリーンの前記接続部は、螺旋形状を有することを特徴とする請求項6に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

技術分野

0001

本発明は、視線の先に虚像を表示し、かつ虚像の投影位置可変としたヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。

背景技術

0002

従来のヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置は、虚像を運転者からある一定の距離だけ離れた位置に生成することが一般的であり、運転者から虚像までの距離が一定だと、目の位置がずれた場合に実物対象物)の位置と危険信号(虚像)の位置とがずれて運転者が危険信号を誤認したり、実物の位置と危険信号の位置とにずれがあると焦点位置の違いにより違和感が生じたりする問題が生じる。このような問題を解決するため、実物に対して虚像を奥行方向も含めて重畳させることが望ましい。

0003

虚像の位置を変更するHUD装置として、HUD光学系の反射ミラー系において、少なくとも曲率が異なる2つのミラー面を設けて、それらを回動によって光路上に選択的に配置し、投影距離を可変とするものがある(特許文献1参照)。特許文献1のHUD装置は、ミラー面が2つであるため、投影できる距離は2点となる。特許文献1のHUD装置では、回動による切り替えの間で像を投影することは実質的に困難である。また、投影距離の数を増やそうとすると、ミラー枚数が多くなるという問題が生じる。

0004

また、複数の表示パネルの投影距離を変えて投影することで、可動部を設けずに虚像距離を変更する表示装置がある(特許文献2参照)。特許文献2の表示装置では、各表示パネルの位置と距離とが固定となるため、画面内の任意の位置で虚像距離を変化させることができない。

0005

また、HUD光学系にレンズ駆動により表示像を変倍する集光レンズを有するものがある(特許文献3参照)。特許文献3のHUD光学系では、表示像の大きさを変倍することが目的となっている。特許文献3のHUD光学系は、集光レンズにビームエキスパンダーを用いることで、虚像投影の光軸方向の位置を調整することができる。ただし、特許文献3には虚像位置を変更することの効果については示されていない。また、変倍の具体的な構成例も示されていない。

0006

また、HUD光学系で、表示素子結像光学系との間にリレー光学系を有し、リレー光学系により中間像を形成する表示装置がある(特許文献4参照)。特許文献4の表示装置では、リレー光学系内に用いる光学素子の位置を変化させて中間像の位置を変えている。当該表示装置は、位置を変化させた中間像の各画像を例えば60分の1秒以内に重ね合わせることで立体視映像を得ている。特許文献4の表示装置は、中間像の位置に拡散板が配置されているが、表示パネルに光走査型デバイスを用いる場合に限定している。

0007

また、HUDの表示画面を上下方向に分割して遠い側と近い側とに投影するHUD装置がある(特許文献5参照)。特許文献5では、投影像を遠い側と近い側とに投影する際に、遠い側の表示に対して、中間スクリーンを移動させて投影距離を可変としている。

0008

また、レーザー走査を用いたHUD装置がある(特許文献6参照)。特許文献6のHUD装置では、中間スクリーンを配置し、その中間スクリーンが移動することで虚像距離を可変としている。

0009

以上の特許文献1〜6の技術では、異なる虚像距離に切り替える際に像飛びが生じ、運転者に違和感が生じるおそれがある。

先行技術

0010

特開平9−185012号公報
特開2004−168230号公報
特開2007−94394号公報
特開2008−180759号公報
特開2015−11211号公報
特開2009−150947号公報

0011

本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、複数の距離に虚像を投影可能であり、かつ異なる距離への切り替えを行う際における像の違和感を低減するヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。

0012

上記課題を解決するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、投影する像を表示させる表示素子と、表示素子からの光を表示像として投影する結像光学系と、結像光学系によって投影される表示像について、少なくとも2つの距離のうち1つの距離から他の距離に虚像投影位置を切り替える切替部とを備え、表示素子は、切替部による切り替え時に、少なくとも2つの距離の間の距離においても投影を行う。

0013

上記ヘッドアップディスプレイ装置によれば、虚像表示不連続的離散的な虚像距離に設定した場合に距離切り替え時の表示像が表示されないことに起因する像飛びを低減することができる。これにより、運転者が距離切り替え時に感じる違和感を低減することができる。

0014

本発明の具体的な側面では、上記ヘッドアップディスプレイ装置において、結像光学系は、表示素子に形成された像を拡大する投影光学系と、拡散機能を有し投影光学系の光射出側に配置される中間スクリーンと、中間スクリーンに形成された中間像を拡大投影する虚像生成光学系とを有し、切替部は、中間スクリーンの位置を投影光学系の光軸方向に移動させることで少なくとも2つの距離の虚像投影を行う。この場合、表示像を投影する虚像距離を可変とすることができる。

0015

本発明の別の側面では、切替部は、中間スクリーンをガイド軸に沿った往復運動で虚像距離を切り替える。この場合、連続的に距離を変化させることができる。また、装置を小型化することができる。

0016

本発明のさらに別の側面では、中間スクリーンは、回転軸を中心とした回転ディスク上に設けられ、切替部は、回転ディスクを回転軸を中心に一方向又は往復方向で回転させて光軸方向の中間スクリーンの位置を変化させる。この場合、連続的に距離を変化させることができる。また、装置を小型化することができる。

0017

本発明のさらに別の側面では、中間スクリーンは、少なくとも1つの平坦部と接続部とを有する。この場合、予め設定された虚像距離への投影を対応する平坦部を介して行うことができる。例えば、2つの虚像距離に投影する場合、光軸方向に異なる2つの位置に2つの平坦部があり、これら2つの平坦部の間を接続部によって繋いで距離の切り替えの際に回転により中間スクリーンの位置を移動させることができる。

0018

本発明のさらに別の側面では、中間スクリーンの接続部は、投影光学系の光軸方向に連続的に位置が変化する面を有する。この場合、接続部が光軸方向に連続的に位置が変化する面を有し、平坦部と接続する構成とすることで、連続的な距離変化が可能となる。

0019

本発明のさらに別の側面では、中間スクリーンの接続部は、螺旋形状を有する。この場合、接続部が螺旋形状を有し、平坦部と接続する構成とすることで、連続的な距離変化が可能となる。

図面の簡単な説明

0020

(A)は、第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置を車体に搭載した状態を示す側方断面図であり、(B)は、ヘッドアップディスプレイ装置を説明する車内側からの正面図である。
ヘッドアップディスプレイ装置の具体的な構成例を説明する拡大側方断面図である。
(A)は、中間スクリーンと切替部とを説明する平面図であり、(B)は、(A)の断面図である。
図2に示すヘッドアップディスプレイ装置を含む移動体用表示システムを説明する概念的なブロック図である。
中間像の位置の変化及び画像の表示タイミングを具体的に例示する図である。
移動体用表示システムによる具体的な表示状態を説明する図である。
(A)及び(B)は、第2実施形態のヘッドアップディスプレイ装置のうち中間スクリーンを説明する一部破断平面図及び一部破断断面図であり、(C)は、中間スクリーンの回転に伴う機能領域の移動を説明する図である。
図7に示す中間スクリーンの回転角度と中間像の位置との関係を説明する図である。
(A)〜(C)は、第3実施形態のヘッドアップディスプレイ装置のうち中間スクリーンを説明する一部破断平面図、一部AA破断断面図、及び一部BB破断断面図である。
図9に示す中間スクリーンの回転角度と中間像の位置との関係を説明する図である。

実施例

0021

〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置の第1実施形態について説明する。

0022

図1(A)及び1(B)を参照して、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置100は、車体2内に搭載される表示装置であり、描画ユニット10と表示スクリーン20とを備える。ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置100は、描画ユニット10中の後述する表示素子11(図2参照)に表示されている画像情報を、表示スクリーン20を介して運転者(観察者)UN向けに虚像表示するものである。

0023

HUD装置100のうち描画ユニット10は、車体2のダッシュボード4内に埋め込むように設置されており、運転関連情報や危険信号等を含む画像に対応する表示光HKを表示スクリーン20に向けて出射する。表示スクリーン20は、コンバイナーとも呼ばれるハーフミラーであり、半透過性を有する凹面鏡又は平面鏡である。表示スクリーン20は、下端の支持によってダッシュボード4上に立設され、描画ユニット10からの表示光HKを車体2の後方に向けて反射する。つまり、図示の場合、表示スクリーン20は、フロントガラスウインドシールド)8とは別体で設置される独立型のものとなっているが、表示スクリーン20はウインドシールドそのものであってもよい。

0024

図1(A)及び図2に示すように、ハーフミラーである表示スクリーン20で反射された表示光HKは、運転席6に座った運転者UNの瞳HT及びその周辺位置に対応するアイボックスEBに導かれる。運転者UNは、表示スクリーン20で反射された表示光HK、つまり車体2の前方にある虚像としての表示像IMを観察することができる。一方、運転者UNは、ハーフミラーである表示スクリーン20を透過した外界光、つまり前方景色自動車等の実像を観察することができる。結果的に、運転者UNは、表示スクリーン20の背後の外界像に重ねて、表示スクリーン20での表示光HKの反射によって形成される運転関連情報や危険信号等を含む表示像(虚像)IMを観察することができる。

0025

図2に示すように、描画ユニット10は、本体光学系13と、本体光学系13を動作させる表示制御部18と、後述する虚像距離の切替部である駆動装置62を動作させる切替制御部19と、本体光学系13等を収納するハウジング14とを備える。これらのうち本体光学系13と表示スクリーン(コンバイナー)20とを組み合わせたものは、虚像表示光学系30を構成する。なお、図2等において座標軸XYZは、一般的な運転者UNの瞳HT間の位置に対応するアイボックスEBの中心を原点とするが、便宜上原点をシフトさせた状態で表示されている。

0026

本体光学系13は、表示素子(表示デバイス)11と、表示素子11に形成された画像を拡大した中間像TIを形成可能な投影光学系15と、中間像TIの結像位置近接して光路後段に配置される拡散部材16と、中間像TIを虚像に変換する虚像生成光学系17とを備える。詳細は後述するが、本体光学系13によって、虚像距離(投影距離)が可変となっている。本体光学系13のうち投影光学系15と、拡散部材16と、虚像生成光学系17とは、結像光学系30aを構成する。また、本体光学系13のうち虚像生成光学系17と、本体光学系13の上方に配置された表示スクリーン20とを組み合わせたものは、射出側合成光学系30bを構成する。

0027

本体光学系13において、表示素子11は、2次元的な表示面11aを有する描画デバイス(表示部)である。表示素子11の表示面11aに形成された像は、本体光学系13のうち投影光学系15で拡大されて中間像TIを拡散部材16上に形成し、虚像生成光学系17等へ導かれる。この際、2次元表示が可能な表示素子11を用いることで、中間像TI又は表示像(虚像)IMの切換えを比較的高速とできる。表示素子11には、デジタルミラーデバイスDMD:Digital Mirror Device)や反射型液晶デバイス(LCOS:Liquid crystal on silicon)を用いることができる。表示素子11としてDMDやLCOSを用いると、明るさを維持しつつ画像を高速で切り替えること(高速の間欠表示を含む)が容易になり、虚像距離又は投影距離を高速に変化させる表示には有利である。

0028

表示素子11は、後述する駆動装置(切替部)62による切り替え時に、少なくとも2つの距離の間の距離においても投影を行う。

0029

投影光学系15は、本体レンズ15aと、折曲げミラー15bとを有する。本体レンズ15aは、固定焦点レンズ系であり、図示を省略するが、複数のレンズ要素を有する。投影光学系15のF値は、1.8以上となっている。投影光学系15は、表示素子11の表示面11aに形成された画像を適当な倍率に拡大投影し、拡散部材16で構成される中間スクリーン16mに近接した位置に中間像TIを形成する。中間像TIは、投影光学系15の結像位置の他、当該結像位置から位置ずれして僅かにピントボケたものも含む。なお、折曲げミラー15bは、平面ミラーであり、光学的パワーを有しないが、これを曲率を持つ面や自由曲面で構成したミラーとすることも可能である。

0030

拡散部材16は、表面に中間スクリーン16mを設けた透過型の拡散部材であり、アイボックスの大きさや明るさを加味して予め設定した所望の拡散特性を有する。中間スクリーン16mは、投影光学系15の結像位置又はその近傍において中間像TIを形成する。中間スクリーン16mは、拡散角を所望の角度に設定することができるだけでなく、必要に応じて拡散方向を偏向させることもできる。また、中間スクリーン16mを反射面として構成してもよい。後述するように拡散部材16又は中間スクリーン16mを光軸AX方向に移動させることにより、中間像TIの位置も光軸AX方向に移動させることができる。中間スクリーン16mに中間像TIが形成されるため、ここが新たな2次光源となって光が拡散するので、虚像生成光学系17で拡大投影してもアイボックスEBを広く確保することができる。拡散部材16又は中間スクリーン16mとしては、例えば拡散板、拡散スクリーンマイクロレンズアレイ等を用いることができる。

0031

拡散部材16は、配置変更用の駆動装置(切替部)62に駆動されて例えば一定速度又は周期的な運動で光軸AXに沿って移動する。切替部としての駆動装置62は、少なくとも2つの距離のうち1つの距離から他の距離に虚像投影位置を切り替えることで、少なくとも2つの距離に虚像表示が可能となっている。本例の場合、光軸AXとは、表示デバイス(描画デバイス)である表示素子11の中心と、アイボックスEBの中心と、HUD装置100によって作られる表示素子11の中心に対応する像点(虚像)とを通るものである。駆動装置62によって拡散部材16又は中間スクリーン16mを光軸AXに沿って移動させることで、虚像生成光学系17によって表示スクリーン(コンバイナー)20の背後に形成される虚像としての表示像IMと観察者である運転者UNとの距離を長く、または短くすることができる。つまり、駆動装置62は、本体光学系13の構成配置を変化させて虚像距離(投影距離)を変化させる。このように、投影される表示像IMの位置を前後に変化させるとともに、表示内容をその位置に応じたものとすることで、表示像IMまでの虚像距離又は投影距離を変化させつつ表示像IMを変化させることになり、一連の投影像としての表示像IMを3次元的なものとすることができる。既に説明したように、駆動装置62は、表示素子11の動作と同期している。なお、拡散部材16は、周期的に移動させなくてもよい。つまり、拡散部材16は、自動車の走行場所周囲環境走行速度、運転状況等に応じて虚像距離を変化させる構成であればよく、虚像距離を任意の位置とすることができる。例えば、高速走行時で運転者UNが比較的遠い距離を見て運転する場合、遠くの虚像距離に表示像IMを表示する状態を維持し、低速走行時で運転者UNが比較的近い距離を見て運転する場合、近くの虚像距離に表示像IMを表示する状態を維持する。このように、走行シーンに合わせて虚像距離を変化させることで、運転者UNが目のピント位置を大きく変えずに表示像IMを見ることができ、運転者UNが表示像IMを認識する速さを高めることができる。

0032

拡散部材16又は中間スクリーン16mの光軸AXに沿った移動範囲は、中間像TIの結像予定位置又はその近傍に相当するものであるが、その際、投影光学系15に、中間像TIの位置またはその近傍で合焦するための機構を設ければ、虚像としての表示像IMの結像状態を常にピントが合った良好な状態とすることが可能である。また、拡散部材16又は中間スクリーン16mの光軸AXに沿った移動範囲を投影光学系15の焦点深度の範囲内とすれば、投影光学系15の焦点位置を中間像TIの位置に合焦する機構なしで、虚像としての表示像IMの結像状態を、ほぼピントが合った良好な状態とすることができ、投影光学系15を簡素な構成とすることができる。拡散部材16の光軸AX方向の移動量は、例えば20mm以下となっている。これにより、拡散部材16の移動を効率良く行うことができるので拡散部材16の応答性を向上させることができるとともに前述した投影光学系15の焦点深度内で中間スクリーン16mを移動させる場合には、投影光学系15のF値を比較的明るく設定することができるので、表示像IMの輝度を所望の明るさで確保することができる。拡散部材16の移動速度は、虚像としての表示像IMが複数個所又は複数虚像距離に同時に表示されているかのように見せることができる速度であることが望ましく、駆動装置62は、例えば15Hz以上の速度で拡散部材16を移動させる。この場合、観察者(運転者UN)の知覚を超える速さのため、観察者は虚像距離(投影距離)の異なる虚像をほぼ同時に認識することができる。ただし、本実施形態においては、高速で駆動することは必須ではなく、精度やコストや信頼性等を加味して所望の速度で切り替えを行う構成としてよい。

0033

図3(A)及び3(B)に示すように、駆動装置62は、拡散部材16を支持するホルダー41と、ホルダー41を介して拡散部材16の移動を案内するガイド部材42と、ホルダー41を介して拡散部材16を駆動して移動させるアクチュエーター43とを有する。図3(A)及び3(B)において、説明の都合上、拡散部材16は局所的なxyz直交座標を基準に示している。なお、ホルダー41に拡散部材16の移動に作用するばねを用いてもよい。ホルダー41、延いては拡散部材16の位置情報は、不図示の位置情報取得部によって所定のタイミングで取得される。ホルダー41は、ガイド部材42を構成する2つのガイド軸を通す2つの軸受部41aを有している。軸受部41aは、ガイド軸42aに沿ったホルダー41の滑らかでがたつきのない移動を可能にする。駆動装置62は、中間スクリーン16mをガイド軸42aに沿った所定の範囲の往復運動で虚像距離を切り替える。これにより、連続的に距離を変化させることができる。また、装置を小型化することができる。

0034

ガイド軸42aは、支持体42b,42cに支持されて不図示の基板上に固定されている。ガイド軸42aは、ホルダー41の軸受部41aに挿通されて光軸AX方向に摺動する。アクチュエーター43は、モーターその他の動力源からなる本体43aと、本体43aからの駆動力をホルダー41に伝達する動力伝達部43bとを有する。動力伝達部43bは、本体43aからの回転動作を光軸AXに沿った往復動作に変換してホルダー41に伝達して、ホルダー41又は拡散部材16を光軸AXに沿って往復運動させる。アクチュエーター43は、リニアモーターのようにホルダー41を光軸AX方向に直接進退させるものであってもよく、サーボモーターステッピングモーター等を用いた別の駆動機構とすることもできる。

0035

拡散部材16は、支持部材62aに支持されている。支持部材62aは、駆動装置62の台座62bに光軸AX方向に沿った所定の範囲内で移動可能に取り付けられている。拡散部材16又は中間スクリーン16mが移動範囲の最も上流側(つまり、虚像生成光学系17に最も近い上側)に配置されたタイミングでは、この時点で中間スクリーン16mに表示されている画像が、ハーフミラーである表示スクリーン(コンバイナー)20の背後の最も近くに虚像として表示される。また、拡散部材16又は中間スクリーン16mが移動範囲の最も下流側(つまり、虚像生成光学系17から最も遠い下側)に配置されたタイミングでは、この時点で中間スクリーン16mに表示されている画像が、ハーフミラーである表示スクリーン(コンバイナー)20の背後の最も遠くに虚像として表示される。

0036

虚像生成光学系17は、拡散部材16の中間スクリーン16mに形成された中間像TIを表示スクリーン20と協働して拡大する拡大光学系であり、運転者UNの前方に虚像としての表示像IMを形成する。虚像生成光学系17は、第1ミラー17aと第2ミラー17bとで構成される。第1及び第2ミラー17a,17bは、全体として凹形状を有する自由曲面ミラーとする構成や、または凹形状と凸形状との組み合わせで構成するタイプがあり、光学的なパワーを有している。ここで、自由曲面形状は、非球面も含むものである。

0037

射出側合成光学系30bにおいて、拡散部材16の中間スクリーン16mは、画角に対応して矩形輪郭を有する。中間スクリーン16mの短辺方向及び長辺方向は、中間スクリーン16m上の中間像TIの形から定義され、例えば横長の虚像を表示させるケースを考えると、短辺方向は、虚像の鉛直方向又は垂直方向(Y方向)に対応し、長辺方向は、虚像の水平方向(X方向)に対応する。

0038

図2に戻って、ハウジング14は、表示光HKを通過させる開口14aを有し、この開口14aには、フィルム又は薄板状の光透過部材14bを配置することができる。

0039

図4は、移動体用表示システム200を説明するブロック図であり、移動体用表示システム200は、その一部としてヘッドアップディスプレイ装置100を含む。このヘッドアップディスプレイ装置100は、図2に示す構造を有するものであり、ここでは説明を省略する。図4に示す移動体用表示システム200は、移動体である自動車等に組み込まれるものである。

0040

移動体用表示システム200は、ヘッドアップディスプレイ装置100のほかに、運転者検出部71と、環境監視部72と、主制御装置90とを備える。

0041

運転者検出部71は、運転者UNの存在や視点位置を検出する部分であり、運転席用カメラ71aと、運転席用画像処理部71bと、運転席画像判断部71cとを備える。運転席用カメラ71aは、車体2内のダッシュボード4の運転席正面に設置されており(図1(B)参照)、運転者UNの頭部及びその周辺の画像を撮影する。運転席用画像処理部71bは、運転席用カメラ71aで撮影した画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って運転席画像判断部71cでの処理を容易にする。運転席画像判断部71cは、運転席用画像処理部71bを経た運転席画像からオブジェクトの抽出又は切り出しを行うことによって運転者UNの頭部や目を検出するとともに、運転席画像に付随する奥行情報から車体2内における運転者UNの頭部の存否とともに運転者UNの目の空間的な位置(結果的に視線の方向)を算出する。

0042

環境監視部72は、前方に近接する自動車、自転車歩行者等を識別する部分であり、外部用カメラ72aと、外部用画像処理部72bと、外部画像判断部72cとを備える。外部用カメラ72aは、車体2内外適所に設置されており、運転者UN又はフロントガラス8の前方、側方等の外部画像を撮影する。外部用画像処理部72bは、外部用カメラ72aで撮影した画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って外部画像判断部72cでの処理を容易にする。外部画像判断部72cは、外部用画像処理部72bを経た外部画像からオブジェクトの抽出又は切り出しを行うことによって自動車、自転車、歩行者等の対象物の存否を検出するとともに、外部画像に付随する奥行情報から車体2前方における対象物の空間的な位置を算出する。また、外部画像判断部72cによって、自動車の走行状態の情報を得ることもできる。

0043

なお、運転席用カメラ71aや外部用カメラ72a、特に外部用カメラ72aは、図示を省略しているが、例えば複眼型の3次元カメラである。つまり、両カメラ71a,72aは、結像用のレンズと、CMOSその他の撮像素子とを一組とするカメラ素子マトリックス状に配列したものであり、撮像素子用の駆動回路をそれぞれ有する。各カメラ71a,72aを構成する複数のカメラ素子は、例えば奥行方向の異なる位置にピントを合わせるようになっており、或いは相対的な視差を検出できるようになっており、各カメラ素子から得た画像の状態(フォーカス状態、オブジェクトの位置等)を解析することで、画像内の各領域又はオブジェクトまでの距離を判定できる。

0044

また、上記のような複眼型のカメラ71a,72aに代えて、2次元カメラと赤外距離センサーとを組み合わせたものを用いても、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。また、複眼型のカメラ71a,72aに代えて、2つの2次元カメラを分離配置したステレオカメラによって、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。その他、単一の2次元カメラにおいて、焦点距離を高速で変化させながら撮像を行うことによっても、撮影した画面内の各部に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。

0045

表示制御部18は、主制御装置90の制御下で虚像表示光学系30を動作させて、表示スクリーン20の背後に虚像距離又は投影距離が変化する3次元的な表示像IMを表示させる。表示制御部18は、主制御装置90を介して環境監視部72から受信した表示形状表示距離を含む表示情報から、虚像表示光学系30に表示させる表示像IMを生成する。表示像IMは、例えば表示スクリーン20の背後に存在する自動車、自転車、歩行者その他の対象物に対してその奥行き位置方向に関して周辺に位置する表示枠のような標識とすることができる。

0046

表示制御部18は、主制御装置90を介して運転者検出部71から運転者UNの存在や目の位置に関する検出出力を受け取る。これにより、虚像表示光学系30による表示像IMの投影の自動的な開始や停止が可能になる。また、運転者UNの視線の方向のみに表示像IMの投影を行うこともできる。さらに、運転者UNの視線の方向の表示像IMのみを明るくする、点滅する等の強調を行った投影を行うこともできる。

0047

切替制御部19は、駆動装置62のアクチュエーター43を動作させる。切替制御部19は、主制御装置90の制御下で不図示の位置情報取得部の位置検出結果に基づいてアクチュエーター43を動作させて、拡散部材16又は中間スクリーン16mを移動させる。つまり、切替制御部19は、アクチュエーター43を適宜動作させて拡散部材16又は中間スクリーン16mを光軸AXに沿って変位させることで、表示像IMの表示位置を変化させる。この際、表示制御部18によって、表示像IMの表示位置又は表示距離に応じて表示素子11に表示させる内容を変化させる。ここで、表示制御部18は、拡散部材16をある位置(図5に示す表示位置A1)から別の位置(図5に示す表示位置A2)に移動させる際に、表示位置A1と表示位置A2との間にも表示素子11を動作させ、2距離間の遷移に対応する像を連続表示させる。これにより、2つの距離間に飛びが生じることを防ぐことができる。

0048

図5は、拡散部材16の回転に伴う中間像TIの位置の変化と画像の表示タイミングとの関係を具体的に例示する図である。拡散部材16の機能領域FAは、例えば光軸AX方向に沿ってサインカーブ状経時パターンPAで繰り返し移動しており、中間像TIの位置も、表示素子11が連続表示を行っている場合、図示のように光軸AX方向に沿って例えばサインカーブ状の経時パターンPAで繰り返し移動する。つまり、中間像TIの位置は、拡散部材16の回転に伴って連続的に変化する。表示素子11は、表示位置A1において所定の時間内に定常状態の画像を表示し、表示位置A2において所定の時間内に定常状態の画像を表示する。ここで、定常状態の画像とは、所定の虚像距離において表示すべき所定の画像を意味し、同一の画像でなくてもよい。また、既に説明したように、表示素子11は、表示位置A1と表示位置A2との間において所定フレーム数の画像を表示する。なお、例えば1つのカラー画像を表示する場合、RGBの1組を1フレームとしてもよいし、3フレームとしてもよい。また、機能領域FAは、光軸AX方向に沿って繰り返し周期的に移動させてもよい。

0049

なお、切替部である駆動装置62によって虚像距離を切り替えたことを運転者UNに知らせるため、切り替えの途中で一瞬表示像IMを消すこともできる。また、虚像距離を切り替えたことを運転者UNに知らせるため、切り替え途中の表示輝度を暗くすることもできる。これにより、輝度の低下により切り替えの際の違和感を減らすこともできる。表示制御部18及び切替制御部19に用いられる表示切替アルゴリズムは、自動車等の走行速度、車外輝度、雨、、霧等の運転者にとって視点が近くなる天候等の条件により変更する。また、表示制御部18は、自動車等の走行速度が速ければ遠い側に表示し、走行速度が遅ければ近い側に表示する。切替制御部19は、先行車との車間距離に応じて、虚像距離の遠い側及び近い側を切り替える。表示制御部18及び切替制御部19は、危険性等の状態に合わせて表示切り替えを行う。例えば危険性の状態によって表示切り替えを行う際のスピードを速める等、表示制御部18及び切替制御部19の切替スピードを変更する。

0050

2つの定常状態の時間をt1,t2とし、2つの定常状態間の遷移状態の時間をΔtとし、遷移状態における実際の画像表示時間(つまり遷移の途中で画像表示を行う時間)をtpとしたとき、以下の条件式を満たすことが望ましい。
tp<Δt<t1
tp<Δt<t2
つまり、遷移状態の時間Δtは定常状態の時間t1,t2よりも短い。遷移状態の時間Δtと定常状態の時間t1,t2とは、例えば1ケタ程度の時間差があってもよい。

0051

主制御装置90は、ヘッドアップディスプレイ装置100、環境監視部72等の動作を調和させる役割を有し、環境監視部72によって検出した対象物の空間的な位置に対応するように、虚像表示光学系30によって投影される表示枠の空間的な配置を調整する。

0052

図6は、具体的な表示状態を説明する図である。観察者である運転者UNの前方は観察視野に相当する検出領域となっている。自動車の走行速度や走行シーンによって運転者UNに近い側における表示像IM1に表示させる虚像距離L1と、遠い側における表示像IM2を表示させる虚像距離L2との2距離間において表示を切り替える例について考える。具体的には、走行シーンに応じて例えば速度メーターの画像を近側から遠側への表示に切り替える。主制御装置90は、ヘッドアップディスプレイ装置100によって近側の虚像距離L1及び遠側の虚像距離L2に表示すべき表示像(虚像)IM1,IM21を投影させる。この際、図示を省略するが、本実施形態において、表示像IM1,IM2間においても虚像距離の遷移時に対応する表示像が表示されている。

0053

以上で説明したヘッドアップディスプレイ装置100によれば、虚像表示を不連続的で離散的な虚像距離に設定した場合に距離切り替え時の表示像が表示されないことに起因する像飛びを低減することができる。これにより、運転者UNが距離切り替え時に感じる違和感を低減することができる。

0054

〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置について説明する。なお、第2実施形態のヘッドアップディスプレイ装置は第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。

0055

図7(A)及び7(B)に示すように、拡散部材16は、全体として円板に近い輪郭を有する螺旋状の回転体(回転ディスク)16aと、回転体16aを収納する円筒状の中空枠体16bとを有する。拡散部材16は、図1に示す投影光学系15による投影位置又は結像位置(つまり中間像の結像予定位置又はその近傍)に配置され、不図示の回転駆動部に駆動されて例えば一定速度で光軸AXに平行な回転軸(基準軸)SXの周りに回転する。

0056

回転体16aは、中間スクリーン16mを有し、中央部16cと外周光学部16dとを有する。回転体16aには中間スクリーン16mが設けられている。回転体16aの外周光学部16dに形成された一方の表面16fは、平滑面又は光学面に形成されており、表面16f上には、全域に亘って拡散面16gが形成されている。拡散面16gは、配光角を所望の角度に制御する部分である。拡散面16gは、回転体16aに貼り付けられるシートでもよいし、回転体16aの表面に形成された微細凹凸パターンであってもよい。また、拡散面16gは、回転体16aの内部に埋め込むように形成されたものであってもよい。拡散面16gは、入射した表示光HKを拡散させることによって中間像TIを形成する。回転体16aの外周光学部16dに形成された他方の表面16hは、平滑面又は光学面に形成されている。回転体16aは、光透過性を有する螺旋状の部材であり、一対の表面16f,16hは、回転軸SXを螺旋軸とする螺旋面となっている。結果的に、一方の表面16f上に形成された拡散面16gも連続的な螺旋面に沿って形成されたものとなっている。回転体16a又は中間スクリーン16mは、回転軸SX又は光軸AX方向に関してほぼ等しい厚みtを有する。拡散面16gは、螺旋の一周期に対応する範囲に形成されている。つまり、拡散面16gは、螺旋の1ピッチ分の範囲に形成されている。

0057

中間スクリーン16mは、一方の表面16f上に2つの平坦部16i,16jと、2つの接続部16k,16lとを有する。中間スクリーン16mが、少なくとも1つの平坦部16i,16jと接続部16k,16lとを有することにより、予め設定された虚像距離への投影を対応する平坦部16i,16jを介して行うことができる。例えば、2つの虚像距離に投影する場合、光軸AX方向に異なる2つの位置に2つの平坦部16i,16jがあり、これら2つの平坦部16i,16jの間を接続部16k,16lによって繋いで距離の切り替えの際に回転により中間スクリーン16mの位置を移動させることができる。平坦部16i,16jと接続部16k,16lとは交互に配置されており、平坦部16iの表面16nと平坦部16jの表面16oとの光軸AX上の距離は所定間隔離れている。接続部16k,16lは、平坦部16i,16j間の段差を緩やかに繋いている。この結果、拡散部材16又は中間スクリーン16mの周に沿った2箇所に段差部16pが形成されている。中間スクリーン16mの接続部16k,16lは、投影光学系15の光軸AX方向に連続的に位置が変化する面16qを有している。中間スクリーン16mの接続部16k,16lは、螺旋形状を有している。つまり、中間スクリーン16mは、1周のうち接続部16k,16lにおいて、部分的に螺旋形状を有している。中間スクリーン16mにおいて、接続部16k,16lが螺旋形状を有し、平坦部16i,16jと接続する構成とすることで、中間スクリーン16mに設けた拡散面16gの光軸AX方向の位置を連続的に変化させることが可能となり、虚像距離(投影距離)を変化させる投影が可能となる。

0058

回転体16aにおいて、周方向に沿った1箇所は、本体光学系13の光軸AXが通る機能領域FAとなっており、機能領域FAにおける拡散面16gの部分によって中間像TIが形成される。この機能領域FAは、回転体16aの回転に伴って回転体16a上において一定速度で移動する。つまり、回転体16aを回転させつつその一部である機能領域FAに表示光(映像光)HKを入射させることで、機能領域FA又は中間像TIの位置が光軸AXに沿って往復移動する(表示素子11の表示が動作していなければ、必ずしも表示としての中間像は形成されないが、中間像が形成されるであろう位置も中間像の位置と呼ぶ)。図示の例では、拡散面16gが螺旋の一周期に対応する範囲に形成されているので、回転体16aの1回転で拡散面16gの機能領域FA又は中間像TIは、光軸AX方向に段差に相当する距離だけ1往復することになる。

0059

なお、投影光学系15は、拡散部材16に設けた中間スクリーン16m又は拡散面16gの位置によってピントぼけが生じないように、機能領域FAの移動範囲以上の所定の焦点深度を有する。

0060

中空枠体16bは、円柱状の外形輪郭を有し、側面部16rと一対の端面部16s,16tとで構成される。側面部16rと一対の端面部16s,16tとは、光透過性を有する同一の材料で形成されている。ただし、側面部16rは、光透過性を有していなくてもよい。一方の端面部16sは、平行平板であるが、自由曲面形状や非球面形状を有するものとできる。同様に、他方の端面部16tも、平行平板であるが、自由曲面形状や非球面形状を有するものとできる。中空枠体16b中の回転体16aは、一対の中心軸部65を介して中空枠体16bに固定されており、中空枠体16bと回転体16aとは回転軸SXの周りに一体的に回転する。このように、拡散面16gを設けた回転体16aを中空枠体16b中に配置することで、回転体16aに塵等が付着することを抑制でき、回転体16aの回転に伴う音の発生を抑制することができ、回転体16aの高速での回転を安定化させることが容易になる。なお、回転体16aは、その外周部分において中空枠体16bに固定してもよい。

0061

切替部である駆動装置62は、回転体16aを回転軸SXを中心に一方向で回転させて光軸AX方向の中間スクリーン16mの位置を変化させている。これにより、連続的に距離を変化させることができる。また、装置を小型化することができる。

0062

具体的には、駆動装置62に設けた不図示の回転駆動部によって拡散部材16を一定速度で回転軸SXの周りに回転させることで、回転体16a又は中間スクリーン16mの拡散面16gが光軸AXと交差する位置(つまり機能領域FA)も光軸AX方向に移動する。つまり、例えば図7(C)に示すように、回転体16aの回転に伴って、中間スクリーン16m上の機能領域FAは、例えば等角度でずれた位置に設定された隣接する機能領域FA’に順次シフトし、光軸AX方向に移動する。このような機能領域FAの光軸AX方向への移動により、中間像TIの位置も光軸AX方向に移動させることができる。拡散部材16が回転軸SXの周りに回転して機能領域FAに対応する中間像TIの位置が光軸AX方向に繰り返し移動し、虚像生成光学系17によって表示スクリーン20の背後に形成される虚像としての表示像IMと観察者である運転者UNとの距離を長く、又は短くすることができる。

0063

図2に示す投影光学系15からの表示光HKは、図7(A)に示す中間スクリーン16mの拡散面16gを通過して拡散度が調整され、虚像生成光学系17を経て表示スクリーン20で反射される。

0064

図8に示すように、中間スクリーン16mの1周期が中間スクリーン16mの角度領域T1〜T4に対応する。表示素子11は、中間スクリーン16mの角度領域T1,T3において、平坦部16i,16jに対応する表示位置A1,A2に中間像TIとして所定時間内に定常状態の画像を表示する。また、既に説明したように、表示素子11は、表示位置A1と表示位置A2との間において所定フレーム数の画像を表示する。なお、角度領域T1〜T4は、等間隔でなくてもよく、仕様によって適宜角度領域を変更することができる。これにより、所定の虚像距離における表示像IMの表示時間を変更することができる。

0065

〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置について説明する。なお、第3実施形態のヘッドアップディスプレイ装置は第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。

0066

図9(A)〜9(C)に示すように、中間スクリーン16mは、一方の表面16f上に2つの平坦部16i,16jと、1つの接続部16kとを有する。接続部16kは、2つの平坦部16i,16jの端部と接続しており、平坦部16i,16j間の段差を緩やかに繋ぐ段差部16pを有している。また、他方の2つの平坦部16i,16j間の端部は、段差部16uで繋がれており、平坦部16iの表面16nと平坦部16jの表面16oとの光軸AX上の距離は所定間隔離れている。この結果、拡散部材16の周に沿った2箇所に段差部16p,16uが形成されている。

0067

切替部である駆動装置62は、段差部16uを切替の基準として回転体16aを回転軸SXを中心に往復方向で回転させて光軸AX方向の中間スクリーン16mの位置を変化させている。

0068

図10に示すように、中間スクリーン16mの1周期が中間スクリーン16mの角度領域T1〜T3に対応する。表示素子11は、中間スクリーン16mの角度領域T1,T3において、平坦部16i,16jに対応する表示位置A1,A2に中間像TIとして所定時間内に定常状態の画像を表示する。また、既に説明したように、表示素子11は、表示位置A1と表示位置A2との間において所定フレーム数の画像を表示する。

0069

以上では、具体的な実施形態としてのヘッドアップディスプレイ装置について説明したが、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、ヘッドアップディスプレイ装置100の配置を上下反転させて、フロントガラス8の上部又はサンバイザー位置に表示スクリーン20を配置することもできる。この場合、描画ユニット10の斜め下方前方に表示スクリーン20が配置される。上記実施形態では表示スクリーン20を平面又は凹面としたが、対称性をもたない自由曲面であってもよい。

0070

上記実施形態において、表示スクリーン20の輪郭は、矩形に限らず、様々な形状とすることができる。

0071

図2等に示す本体光学系13は、単なる例示であり、これら本体光学系13の光学的構成については適宜変更することができる。例えば、虚像生成光学系17又は投影光学系15の光路中において、光学的なパワーを持たない1つ以上のミラーを配置してもよい。

0072

また、上記実施形態において、描画デバイスである表示素子11として、DMDやLCOS等を用いたが、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、他の種類の表示デバイス、例えば有機ELを用いてもよい。また、表示素子11は、反射型素子の代わりに、MEMSを利用した走査型映像デバイスを用いてもよい。この場合、レーザー光をMEMSで走査して中間スクリーン16m上に投影し、中間スクリーン16mを移動させる。

0073

また、上記実施形態において、表示スクリーン20としてコンバイナーを設けずに、図1(A)に示すフロントガラス(ウインドシールド)8に設けてもよい(図2参照)。具体的には、例えばフロントウインドウを形成するフロントガラス(ウインドシールド)8の運転席正面に設けた矩形の反射領域の内側に表示スクリーン20を貼り付けてもよい。なお、表示スクリーン20は、フロントガラス8内に埋め込むこともできる。

0074

また、上記実施形態において、中間スクリーン16mの構成は、HUD装置100の仕様に応じて適宜変更することができる。例えば、中間スクリーン16mは、短辺方向や長辺方向に偏向特性や拡散特性を有する構成としてもよい。

0075

また、上記実施形態において、2つの虚像距離において定常状態の画像に対応する表示像IMを表示する例を挙げたが、3つ以上の虚像距離に表示像IMを表示してもよい。この場合、表示する虚像距離を段階的に切り替えるだけでなく、不規則又は非一様に切り替えてもよい。複数の虚像距離に表示像IMを表示可能とすれば、高速走行時や低速走行時の切り替えだけでなく、例えば速度に関係なく車間が変化した場合に前方車両より近い位置に表示像IMを表示させる機能を追加することもでき、運転者UNに違和感なく情報伝達することができる。

0076

また、上記実施形態において、拡散部材16又は中間スクリーン16mを移動させて虚像距離を切り替えたが、表示素子11を移動させて虚像距離を切り替えてもよい。

0077

以上で説明したヘッドアップディスプレイ装置100は、自動車やその他移動体に搭載される投影装置に限らず、例えばデジタルサイネージ等に組み込むことができるが、これら以外の用途に適用することもできる。

0078

2…車体、 8…フロントガラス、 10…描画ユニット、 11…表示素子、 13…本体光学系、 15…投影光学系、 15a…本体レンズ、 15b…ミラー、 16…拡散部材、 16a…回転体、 16i,16j…平坦部、 16k,16l …接続部、 16m…中間スクリーン、 16p,16u…段差部、 17…虚像生成光学系、 17a,17b…ミラー、 18…表示制御部、 19…切替制御部、 20…表示スクリーン、 30…虚像表示光学系、 30a…結像光学系、 30b…射出側合成光学系、 62…駆動装置、 90…主制御装置、 100…ヘッドアップディスプレイ装置、 200…移動体用表示システム、 AX…光軸、 EB…アイボックス、FA…機能領域、HK…表示光、IM,IM1,IM2…表示像、 SX…回転軸、 TI…中間像、 UN…運転者

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