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技術 定着装置、画像形成装置、定着制御方法およびプログラム

出願人 株式会社リコー
発明者 吉沼孝夫塚野洋章尾崎勇也
出願日 2018年9月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-167371
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-042075
状態 未査定
技術分野 電子写真における定着 電子写真における制御・管理・保安
主要キーワード 予兆検出 周方向領域 発泡性シリコン 回路構成データ 安全停止 不可期間 内部接点 耐熱性部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (13)

課題

温度上昇によって定着装置が損傷することを防止することを目的とする。

解決手段

本発明の一実施形態に係る定着装置は、画像形成装置100における印刷動作において、回転可能な加圧ローラ530と、加圧ローラ530に当接して回転駆動する定着ベルト510との間で記録用紙P上の未定着画像を記録用紙P上に定着させる定着装置50であって、記録用紙Pのジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する予兆検出部56と、ジャム発生の予兆となる特定のパラメータの変化が検出された場合、定着ベルト510の回転駆動を停止させる定着駆動制御部58と、を備える。

概要

背景

複写機プリンタ等の画像形成装置において、記録用紙等の記録対象物上担持された未定着画像定着させる定着装置が設けられている。一般に、定着装置は、ヒータ等の加熱手段によって加熱される定着部材と、その定着部材に当接して回転可能な加圧部材とを備える。画像形成装置にて作像動作が開始され、記録用紙にトナー画像転写されると、所定の温度にまで加熱された定着部材と加圧部材の間を記録用紙が通過することにより、記録用紙上に担持されたトナー加熱溶融されて画像が定着される。

このような定着装置において、記録用紙のジャムの発生等によって定着部材が回転できなくなった場合、定着部材が局所的に加熱されることで定着部材の耐熱温度を超えて損傷してしまうおそれがある。そのため、定着部材の損傷を防止する方法として、定着部材を加熱する加熱手段への通電を停止する方法がある。例えば、特許文献1には、熱源が発する熱によって加熱される定着部材の所定時間内の温度の上昇量に基づいて、熱源への通電を停止する内容が開示されている。

概要

温度上昇によって定着装置が損傷することを防止することを目的とする。本発明の一実施形態に係る定着装置は、画像形成装置100における印刷動作において、回転可能な加圧ローラ530と、加圧ローラ530に当接して回転駆動する定着ベルト510との間で記録用紙P上の未定着画像を記録用紙P上に定着させる定着装置50であって、記録用紙Pのジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する予兆検出部56と、ジャム発生の予兆となる特定のパラメータの変化が検出された場合、定着ベルト510の回転駆動を停止させる定着駆動制御部58と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

画像形成装置における印刷動作において、回転可能な加圧部材と、前記加圧部材に当接して回転駆動する定着部材との間で、記録対象物上未定着画像を前記記録対象物上に定着させる定着装置であって、前記記録対象物ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する予兆検出手段と、前記変化が検出された場合、前記定着部材の回転駆動を停止させる駆動制御手段と、を備える定着装置。

請求項2

請求項1に記載の定着装置であって、前記印刷動作において、前記ジャムの発生を検出できない時間が、前記定着装置が損傷する虞のある温度まで、前記定着部材の温度が上昇するまでに要する時間よりも長い期間が発生するかを判断する判断手段を備え、前記期間が発生すると判断された場合、前記予兆検出手段は、前記変化を検出するための処理を開始する定着装置。

請求項3

請求項2に記載の定着装置であって、前記記録対象物の搬送方向の長さが、前記記録対象物を検知する複数の検知手段の間の搬送経路上における距離よりも長い場合、前記判断手段は、前記期間が発生すると判断する定着装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置であって、前記定着部材の温度を検知する温度検知手段を備え、前記特定のパラメータは、前記温度検知手段によって検知された検知温度であり、前記予兆検出手段は、所定値以上の前記検知温度の上昇を検出する定着装置。

請求項5

前記特定のパラメータは、前記定着装置の状態とは異なる、前記記録対象物の搬送状態に関するパラメータである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置。

請求項6

前記記録対象物の搬送状態に関するパラメータは、前記記録対象物を搬送するための搬送ローラを駆動させる搬送モータトルクであり、前記予兆検出手段は、所定値以上の前記トルクの上昇を検出する請求項5に記載の定着装置。

請求項7

前記駆動制御手段は、前記変化が検出された場合、前記加圧部材の回転速度を段階的に低下させることで前記定着部材の回転駆動を停止させる請求項1乃至6のいずれか一項に記載の定着装置。

請求項8

請求項1乃至7のいずれか一項に記載の定着装置であって、前記定着部材を加熱する加熱手段を備え、前記駆動制御手段は、前記変化が検出された場合、前記加熱手段による前記定着部材への加熱を停止させる定着装置。

請求項9

請求項1乃至8のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。

請求項10

画像形成装置における印刷動作において、回転可能な加圧部材と、前記加圧部材に当接して回転駆動する定着部材との間で、記録対象物上の未定着画像を前記記録対象物上に定着させる定着装置が実行する定着制御方法であって、前記記録対象物のジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する予兆検出ステップと、前記変化が検出された場合、前記定着部材の回転駆動を停止させる駆動制御ステップと、を実行する定着制御方法。

請求項11

請求項10に記載の方法を実行するプログラム

技術分野

0001

本発明は、定着装置画像形成装置定着制御方法およびプログラムに関する。

背景技術

0002

複写機プリンタ等の画像形成装置において、記録用紙等の記録対象物上担持された未定着画像定着させる定着装置が設けられている。一般に、定着装置は、ヒータ等の加熱手段によって加熱される定着部材と、その定着部材に当接して回転可能な加圧部材とを備える。画像形成装置にて作像動作が開始され、記録用紙にトナー画像転写されると、所定の温度にまで加熱された定着部材と加圧部材の間を記録用紙が通過することにより、記録用紙上に担持されたトナー加熱溶融されて画像が定着される。

0003

このような定着装置において、記録用紙のジャムの発生等によって定着部材が回転できなくなった場合、定着部材が局所的に加熱されることで定着部材の耐熱温度を超えて損傷してしまうおそれがある。そのため、定着部材の損傷を防止する方法として、定着部材を加熱する加熱手段への通電を停止する方法がある。例えば、特許文献1には、熱源が発する熱によって加熱される定着部材の所定時間内の温度の上昇量に基づいて、熱源への通電を停止する内容が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記のように定着部材の温度変化に基づいて加熱を停止させたとしても、定着装置は温度上昇しやすいため、加熱を停止するタイミングとしては遅く、温度上昇によって定着装置が損傷するおそれがあるという課題があった。

課題を解決するための手段

0005

請求項1に係る定着装置は、画像形成装置における印刷動作において、回転可能な加圧部材と、前記加圧部材に当接して回転駆動する定着部材との間で、記録対象物上の未定着画像を前記記録対象物上に定着させる定着装置であって、前記記録対象物のジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する予兆検出手段と、前記変化が検出された場合、前記定着部材の回転駆動を停止させる駆動制御手段と、を備える。

発明の効果

0006

本発明によれば、温度上昇によって定着装置が損傷することを防止することができる。

図面の簡単な説明

0007

実施形態に係る画像形成装置の全体構成の概略の一例を示す断面図である。
実施形態に係る定着装置の構成の概略の一例を示す断面図である。
実施形態に係る用紙検知センサによる用紙検知タイミングの一例について説明するための概略図である。
実施形態に係る用紙検知センサによる用紙検知タイミングと定着装置を安全停止させるために要する時間との関係の一例について説明するための概略図である。
(a)〜(c)実施形態に係る安全停止不可期間算出方法の一例について説明するための概略図である。
実施形態に係る画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を示す図である。
実施形態に係る画像形成装置における処理の一例を示すフローチャートである。
実施形態に係る画像形成装置に表示される操作画面の一例を示す図である。
実施形態に係る定着装置の安全停止制御処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
実施形態に係る定着装置の安全停止制御処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
実施形態に係る定着装置の安全停止制御処理の一例を示すフローチャート(その3)である。

実施例

0008

以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。

0009

●各構成の概要
●画像形成装置100の構成
図1は、実施形態に係る画像形成装置の全体構成の概略の一例を示す断面図である。図1は、画像形成装置100が印刷動作を実行する際に制御されて動作する各部を示している。図1に示す画像形成装置100は、プロセスユニット1(1Y,1C,1M,1Bk)、露光装置6、転写装置7、廃トナー収容器14、用紙トレイ15、給紙ローラ16、排紙ローラ17、排紙トレイ18、レジストローラ19、濃度センサ20、用紙検知センサ25(25A,25B,25C,25D)および定着装置50を備える。

0010

画像形成装置100には、筐体1000の内部に、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkが設けられている。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、カラー画像色分解成分に対応するイエローシアンマゼンタブラックの異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成を有する。以下、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのうち、プロセスユニット1Yを例にとってプロセスユニットの構成を説明する。

0011

プロセスユニット1Yは、感光体潜像担持体)の一例としての感光体ドラム2と、感光体ドラム2の表面を帯電させる帯電部材の一例としての帯電ローラ3と、感光体ドラム2の表面にトナー(現像剤)を供給する現像部材の一例としての現像装置4と、感光体ドラム2の表面をクリーニングするクリーニング部材の一例としてのクリーニングブレード5を備える。

0012

露光装置6は、感光体ドラム2の表面を露光する露光部材静電潜像形成手段)の一例である。露光装置6は、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方に設けられている。露光装置6、帯電ローラ3および現像装置4は、感光体ドラム2上に画像を形成するための作像手段として機能する。

0013

転写装置7は、転写体の一例としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト8と、駆動ローラ9および従動ローラ10と、一次転写手段の一例としての一次転写ローラ11と、二次転写手段の一例としての二次転写ローラ12と、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13とを備える。転写装置7は、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方に設けられている。中間転写ベルト8は、駆動ローラ9および従動ローラ10に張架され、図1中の矢印の方向に回転(周回走行)可能に構成されている。

0014

中間転写ベルト8の外周には、4つの感光体ドラム2が対向している。そして、4つの感光体ドラム2が対向した位置のそれぞれに対応する中間転写ベルト8の内周側には、4つの一次転写ローラ11が設けられている。各一次転写ローラ11は、それぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体ドラム2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成される。また、駆動ローラ9に対向した位置には、二次転写ローラ12が設けられている。二次転写ローラ12は、中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成される。また、ベルトクリーニング装置13は、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面に設けられている。ベルトクリーニング装置13がクリーニングしたトナーは、転写装置7の下方に設けられた廃トナー収容器14に収容される。

0015

濃度センサ20は、中間転写ベルト8上のトナーの付着量を検知する濃度検知手段の一例である。濃度センサ20は、中間転写ベルト8の図の左端側の外周面に設けられている。また、筐体1000内の下部には、記録対象物の一例としての記録用紙Pを収容した用紙トレイ15と、用紙トレイ15から記録用紙Pを搬出する給紙ローラ16が設けられている。さらに、筐体1000の上部には、記録用紙Pを外部へ排出するための一対の排紙ローラ17と、排出された記録用紙Pをストックするための排紙トレイ18が設けられている。また、筐体1000内には、用紙トレイ15から排紙トレイ18へ記録用紙Pを案内するための搬送経路Rが形成されている。さらに、搬送経路Rにおいて、給紙ローラ16から二次転写ローラ12に至る途中には、一対のレジストローラ19が設けられている。

0016

また、画像形成装置100は、二次転写ローラ12から排紙ローラ17に至る途中に、記録用紙P上の画像を定着させるための定着装置50を配設している。定着装置50の詳細な構成については後述する。

0017

用紙検知センサ25(用紙検知センサ25A,25B,25C,25D、以下、区別する必要がないときは、用紙検知センサ25と称する。)は、搬送経路Rにおいて搬送される記録用紙Pを検知する検知手段の一例である。用紙検知センサ25は、例えば、光反射型フォトセンサからなる。図1に示すように、画像形成装置100は、搬送経路Rにおける定着装置50に対して上流側に用紙検知センサ25A,25Cを備え、定着装置50に対して下流側に用紙検知センサ25B,25Dを備える。なお、図1において、画像形成装置100は、4つの用紙検知センサ25(25A,25B,25C,25D)が設けられている例を説明したが、用紙検知センサ25は、搬送経路Rに少なくとも一つ設けられていればよい。

0018

続けて、図1を用いて、画像形成装置100の基本的動作について説明する。作像動作が開始された場合、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体ドラム2は、図1に示すように時計回りに回転駆動され、各感光体ドラム2の表面は、帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体ドラム2の表面には、露光装置6からレーザ光がそれぞれ照射されて、それぞれの感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム2に露光する画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。

0019

このように感光体ドラム2上に形成された静電潜像は、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、トナー画像(現像剤像)として可視像化される。中間転写ベルト8は、駆動ローラ9が反時計回りに回転駆動されることにより、図1の矢印で示す方向に走行駆動される。

0020

また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性逆極性の定電圧または定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ11と各感光体ドラム2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体ドラム2に形成された各色のトナー画像は、一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。

0021

このようにして中間転写ベルト8は、その表面にフルカラーのトナー画像を担持する。トナー画像が転写された後の各感光体ドラム2の表面に付着する残留トナーは、クリーニングブレード5によって除去され、次の画像形成に備えられる。

0022

また、画像形成装置100の下部において、用紙トレイ15に収容された記録用紙Pは、給紙ローラ16が回転駆動することによって搬送経路Rに送り出される。搬送経路Rに送り出された記録用紙Pは、レジストローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12とそれに対向する駆動ローラ9との間の二次転写ニップに送られる。

0023

このとき二次転写ローラ12に、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、二次転写ニップに転写電界が形成される。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が記録用紙P上に一括して転写される。

0024

未定着のトナー画像が転写された記録用紙Pは、定着装置50へと搬送され、後述する定着ベルト510と加圧ローラ530によって加熱および加圧される。これによって、記録用紙P上のトナー画像が定着される。トナー画像が定着された記録用紙Pは、排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出される。また、転写後の中間転写ベルト8上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー収容器14へ搬送され回収される。

0025

以上の説明は、記録用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、画像形成装置100は、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つまたは3つのプロセスユニットを使用して2色または3色の画像を形成したりしてもよい。

0026

●定着装置50の構成
次に、図2を用いて、定着装置50の構成について説明する。図2は、実施形態に係る定着装置の構成の概略の一例を示す断面図である。図2に示すように、定着装置50は、回転可能な加圧部材の一例としての加圧ローラ530と、加圧ローラ530の外周面に当接して回転駆動する定着部材の一例としての定着ベルト510と、定着ベルト510を加熱する加熱手段の一例としてのハロゲンヒータ511と、定着ベルト510の内周側から加圧ローラ530に当接してニップ部Nを形成するニップ形成部材514と、ニップ形成部材514を支持する支持部材の一例としてのステー515と、ハロゲンヒータ511からの輻射熱を定着ベルト510へ反射する反射部材516と、ハロゲンヒータ511から定着ベルト510への加熱を遮る遮蔽部材517と、定着ベルト510の表面温度を検知する温度検知手段の一例としての温度センサ512と、定着ベルト510の異常温度上昇を検知する異常温度検知手段513と、定着ベルト510を冷却する冷却手段の一例としての冷却部材518等を備える。

0027

定着ベルト510は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材フィルムを含む)で構成されている。具体的には、定着ベルト510は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料またはポリイミド(PI)等の樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはポリテトラフルオロエチレンPTFE)等で形成された外周側の離型層によって構成されている。また、定着ベルト510は、基材と離型層との間に、シリコンゴム発泡性シリコンゴムまたはフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。

0028

また、定着ベルト510は、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、定着ベルト510は、厚さ80μm以上の弾性層を設けることが好ましい。厚さ80μm以上の弾性層は、弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。

0029

図2に示す定着装置50は、定着ベルト510の低熱容量化を図るため、定着ベルト510を薄くかつ小径化している。具体的には、定着装置50は、定着ベルト510を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、80〜300μm、3〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト510の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト510全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト510の直径は、30mm以下とするのが好ましい。

0030

加圧ローラ530は、芯金531と、芯金531の表面に設けられた発泡性シリコンゴム、シリコンゴムまたはフッ素ゴム等から成る弾性層532によって構成されている。加圧ローラ530は、図示しない加圧手段によって定着ベルト510側へ加圧され、定着ベルト510を介してニップ形成部材514に当接している。加圧ローラ530と定着ベルト510とが圧接する箇所では、加圧ローラ530の弾性層532が押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。なお、定着部材と対向部材は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。

0031

また、加圧ローラ530は、画像形成装置100に設けられたモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。定着ベルト510は、加圧ローラ530が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト510に伝達され、従動して回転駆動するようになっている。なお、本実施形態は、定着ベルト510が加圧ローラ530に従動して回転する構成を説明するが、定着ベルト510は、モータ等の駆動源によって回転駆動し、当該回転駆動によって加圧ローラ530を従動して回転させる構成であってもよい。

0032

図2に示す定着装置50は、加圧ローラ530の内部にハロゲンヒータ等の加熱手段を配設してもよい。また、弾性層532は、ソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ530の内部に加熱手段が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。弾性層532は、スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト510の熱が奪われにくくなるのでより好ましい。

0033

ハロゲンヒータ511は、定着ベルト510の内周側に設けられ、画像形成装置100に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されている。その出力制御は、温度センサ512による定着ベルト510の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ511の出力制御によって、定着装置50は、定着ベルト510の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。

0034

温度センサ512は、定着ベルト510の近傍に設けられ、定着ベルト510の表面温度を監視する。温度センサ512は、例えば、非接触サーモパイルサーミスタを用いる。なお、定着装置50は、定着ベルト510の温度を検知する温度センサの代わりに、加圧ローラ530の温度を検知する温度センサを設け、その温度センサで検知した温度により、定着ベルト510の温度を予測するようにしてもよい。

0035

また、異常温度検知手段513は、定着ベルト510の温度が所定温度以上の異常温度となったことを検知する。異常温度検知手段513は、例えば、バイメタル形状記憶合金等の機械式検知方式サーモスタットを用いる。サーモスタットは、定着ベルト510の温度が高くなって所定温度(例えば250℃)以上となると、サーモスタットの内部接点が開いてハロゲンヒータ511への給電遮断し、強制的に加熱を停止させる。これにより、定着装置50は、定着ベルト510が熱損傷を起こすほどの過昇温を防止することができる。また、異常温度検知手段513は、サーモスタットで異常温度を検知した場合、警告を発するようにしてもよい。なお、サーモスタットは、検知対象に対して接触式非接触式のいずれであってもよい。また、異常温度検知手段513は、サーモスタット以外に、赤外線放射温度計やサーミスタ等を用いることも可能である。

0036

図2に示す定着装置50は、ハロゲンヒータ511を2本設けているが、画像形成装置100で使用する用紙のサイズ等に応じて、ハロゲンヒータ511の本数を1本または3本以上としてもよい。また、定着装置50は、定着ベルト510を加熱する加熱手段として、カーボンヒータ等の赤外線ヒータを用いてもよい。

0037

ニップ形成部材514は、ベースパッド514aと、ベースパッド514aの定着ベルト510と対向する面に設けられた低摩擦性摺動シート514bとを有する。ベースパッド514aは、定着ベルト510の軸方向または加圧ローラ530の軸方向に渡って長手状に配設されている。ニップ部Nは、ベースパッド514aが加圧ローラ530の加圧力を受けることによって形状が定まる。図2に示すニップ部Nは、平坦状の形状であるが、凹形状やその他の形状であってもよい。摺動シート514bは、定着ベルト510が回転する際の摺動摩擦を低減するために設けられている。なお、ベースパッド514a自体が低摩擦性の部材で形成されている場合は、ニップ形成部材514は、摺動シート514bを有さない構成としてもよい。

0038

ベースパッド514aは、耐熱温度200℃以上の耐熱性部材で構成されており、トナー定着温度域で熱によるニップ形成部材514の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図っている。ベースパッド514aの材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の一般的な耐熱性樹脂を用いることが可能である。

0039

また、ベースパッド514aは、ステー515によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ530による圧力でニップ形成部材514に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ530の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。ステー515は、ニップ形成部材514の撓み防止機能満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。

0040

反射部材516は、定着ベルト510の内周側でハロゲンヒータ511と対向するようにステー515に固定支持されている。定着装置50は、反射部材516によって、ハロゲンヒータ511から放射された輻射熱(または光)を定着ベルト510へ反射させることで、熱がステー515等に伝達されるのを抑制し、定着ベルト510を効率良く加熱すると共に省エネルギー化を図っている。反射部材516の材料としては、アルミニウムやステンレス等が用いられる。特に、アルミニウム製の基材に輻射率の低い(反射率の高い)銀を蒸着したものを用いた場合、定着ベルト510の加熱効率を向上させることができる。

0041

遮蔽部材517は、厚さ0.1mm〜1.0mmの薄板状の部材を、定着ベルト510の内周面に沿った円弧状の断面形状に形成して構成されている。遮蔽部材517は、耐熱性を必要とするため、その素材には、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料またはセラミックスを用いることが好ましい。遮蔽部材517は、必要に応じて定着ベルト510の周方向に移動可能となっている。本実施形態において、定着ベルト510の周方向領域において、ハロゲンヒータ511が定着ベルト510に直接対向して加熱する直接加熱領域と、ハロゲンヒータ511と定着ベルト510との間に遮蔽部材517以外の他部材(反射部材516、ステー515、ニップ形成部材514等)が介在する非直接加熱領域とがあるが、熱遮蔽する必要がある場合は、図2に示すように、遮蔽部材517を直接加熱領域側の遮蔽位置に配設する。一方、熱遮蔽の必要がない場合は、遮蔽部材517を非直接加熱領域側の退避位置へ移動させ、遮蔽部材517を反射部材516やステー515の裏側へ退避させることができる。

0042

冷却部材518は、定着ベルト510の内周側に設けられ、独立駆動できる電源を備えた冷却ファンを含む。冷却部材518は、定着ベルト510からの余分な熱を吸収し、冷却ファンを用いて熱を発散させることにより、温度上昇による定着装置50の損傷を抑制する。なお、冷却部材518は、定着ベルト510の外周側に設けられていてもよい。

0043

図2に示すような定着装置50は、小径化させた定着ベルト510の内周側にハロゲンヒータ511等の加熱手段を配置することによって熱効率およびスタートアップ時間の問題を改善するクイックスタートアップ(QSU)方式として知られている。このような定着装置は、定着ベルト510の温度が上昇しやすいという特徴があるため、記録用紙Pのジャムの発生等によって定着ベルト510が回転できなくなって特定の箇所が局所的に加熱された場合、当該箇所がすぐに高温になるので、定着装置50が損傷してしまうおそれがあった。そこで、本実施形態に係る定着装置50は、ジャムの発生等によって定着ベルト510が回転できなくなる前に、定着装置50の安全停止制御を行うものである。

0044

●定着装置50の安全停止
図3乃至図5を用いて、用紙検知センサ25によって記録用紙Pのジャムの発生の検出状態と定着装置50を安全停止させることができる時間の関係について説明する。図3は、実施形態に係る用紙検知センサによる用紙検知タイミングの一例について説明するための概略図である。図3は、搬送経路Rに2つの用紙検知センサ25(用紙検知センサ25A,25B)が設けられている例を説明する。また、図3は、搬送状態1〜5の模式図を用いて、記録用紙Pが搬送経路R上に搬送されていく様子を時間軸で示す。なお、図33は、記録用紙Pが図3の左から右へ搬送されているものとして説明する。

0045

用紙検知センサ25Aおよび用紙検知センサ25Bは、それぞれ記録用紙Pを検知可能な位置において、搬送経路R上を搬送されてくる記録用紙Pを検知する。ここで、用紙検知センサ25Aによって記録用紙Pが検知されるタイミングを用紙検知タイミングTp−Aとする。同様に、用紙検知センサ25Bによって記録用紙Pが検知されるタイミングを用紙検知タイミングTp−Bとする。

0046

図3に示す搬送状態1は、搬送経路Rにおいて、記録用紙Pが用紙検知センサ25Aの上流側に位置している状態である。搬送状態1において、記録用紙Pは、用紙検知センサ25Aによって検知される位置まで搬送されていない。続いて、図3に示す搬送状態2は、搬送経路Rにおいて、記録用紙Pの先端が用紙検知センサ25Aによって検知可能な位置に到達している状態を示す。

0047

図3に示す搬送状態3は、搬送経路Rにおいて、記録用紙Pの先端が用紙検知センサ25Bによって検知可能な位置に到達するとともに、同じ記録用紙Pが用紙検知センサ25Aによっても検知されている状態を示す。図3に示す搬送状態4は、搬送経路Rにおいて、記録用紙Pの後端が用紙検知センサ25Aを通過し、同じ記録用紙Pが用紙検知センサ25Bによって検知されている状態を示す。図3に示す搬送状態5は、記録用紙Pの後端が用紙検知センサ25Bを通過した状態を示す。

0048

このように、搬送経路R上に設けられた複数の用紙検知センサ25は、画像形成装置100の印刷動作において搬送経路R上に搬送される記録用紙Pを検知することができる。画像形成装置100は、各用紙検知センサ25の検知結果に基づいて、記録用紙Pのジャムの発生を検出する。

0049

図4は、用紙検知センサによる用紙検知タイミングと定着装置を安全停止させるために要する時間との関係の一例について説明するための概略図である。

0050

まず、図4(a)は、用紙検知センサ25Aおよび用紙検知センサ25Bの駆動制御のタイミングチャートの一例を示す。用紙検知センサ25Aおよび用紙検知センサ25Bは、記録用紙Pが検知された場合にアクティブ(ON)になる。すなわち、用紙検知センサ25Aは、一枚の記録用紙Pが用紙検知センサ25Aを通過する期間において、アクティブ(ON)になる。同様に、用紙検知センサ25Bは、一枚の記録用紙Pが用紙検知センサ25Bを通過する期間において、アクティブ(ON)になる。ここで、図4(a)に示すタイミングチャートは、記録用紙Pが異常なく搬送される場合の理想的なタイミングチャートである。また、用紙通過期間Ip−Aは、記録用紙Pが異常なく搬送される場合に、記録用紙Pが用紙検知センサ25Aを通過する期間として設定されている期間である。同様に、用紙通過期間Ip−Bは、記録用紙Pが異常なく搬送される場合に、記録用紙Pが用紙検知センサ25Bを通過する期間として設定されている期間である。用紙通過期間Ip−A,Ip−B(以下、区別する必要がないときは、用紙通過期間Ipと称する。)は、記録用紙Pの用紙サイズごとに、用紙検知センサ25Aおよび用紙検知センサ25Bの設置位置に基づいて予め設定されている。

0051

また、用紙通過期間Ipは、当該期間の開始時に用紙検知期間xを含む。用紙検知期間xは、用紙通過期間Ipが開始するタイミングからの一定期間である。図4(a)に示す用紙検知期間yは、用紙通過期間Ipが終了するタイミングからの一定期間である。言い換えれば、用紙検知期間yは、記録用紙Pが異常なく搬送される場合において、記録用紙Pの後端が用紙検知センサ25によって検知されるタイミングからの一定期間である。すなわち、用紙検知期間x,yは、用紙検知センサ25に記録用紙Pの先端または後端が検知されるべきタイミングに、一定の猶予期間を設けたものである。

0052

このように、画像形成装置100は、用紙検知期間x,yの期間内において、用紙検知センサ25によって記録用紙Pの先端または後端を検知しない場合、すなわち用紙検知センサ25の検知結果に変化がない場合、図4(b)に示すジャム検出タイミングTj1,Tj2,Tj3,Tj4でジャムの発生を検出する。ここで、ジャムの発生が検出される場合は、用紙検知センサ25Aの上流の搬送経路Rにおいてジャムが発生している場合や用紙検知センサ25Aと用紙検知センサ25Bとの間の搬送経路Rにおいてジャムが発生している場合がある。用紙検知センサ25Aの上流の搬送経路Rにおいてジャムが発生している場合、用紙検知センサ25Aによって記録用紙Pが検知されないので、画像形成装置100は、ジャムの発生を検出する。また、用紙検知センサ25Aと用紙検知センサ25Bとの間の搬送経路Rにおいてジャムが発生している場合、記録用紙Pが用紙検知センサ25を通過仕切らなくなっているので、画像形成装置100は、ジャムの発生を検出する。

0053

図4(c)に示すジャム検出不可期間Ij1,Ij2,Ij3(以下、区別する必要がない場合は、ジャム検出不可期間Ijと称する。)は、画像形成装置100の印刷動作中において、図4(b)に示したジャム検出タイミングTj1,Tj2,Tj3,Tj4以外の期間、すなわち複数の用紙検知センサ25の検知結果を用いても継続してジャムの発生を検出できない期間である。画像形成装置100は、ジャム検出不可期間Ijにおいて、記録用紙Pのジャムが発生したとしても、ジャムの発生を検出することができない。

0054

図4(d)は、定着装置50の安全停止を行うための処理に要する時間を示す。図4(d)に示す安全停止猶予時間Dは、定着ベルト510の表面温度が、定着装置50に損傷のおそれのある温度(例えば、耐熱温度)まで上昇するのに要する時間である。定着装置50は、記録用紙Pのジャムが発生してから安全停止猶予時間Dの時間内にジャムの発生を検出して安全停止制御を開始することで、定着装置50を損傷させることなく安全停止させることができる。定着装置50の安全停止制御は、例えば、ジャムの発生によって定着ベルト510が記録用紙Pにより回転できなくなる前に、定着ベルト510の温度を下げたり、定着ベルト510の回転速度を緩めたりする制御である。一方で、定着装置50は、記録用紙Pのジャムが発生してから安全停止猶予時間Dの時間内にジャムの発生を検出できない場合、定着装置50を損傷させてしまうおそれがある。

0055

図4(d)に示す安全停止不可期間Isは、ジャム検出不可期間Ijの中で、安全停止猶予時間Dよりも長い期間を示す。安全停止不可期間Isは、当該期間中に記録用紙Pのジャムが発生したとしても、定着装置50を安全停止させることできないおそれがある期間である。例えば、定着装置50は、ジャム検出不可期間Ijの時間が安全停止猶予時間Dよりも長い期間においてジャムが発生した場合、ジャムの発生が検出されるまでに定着ベルト510の温度が耐熱温度を超えてしまい、定着装置50が損傷してしまう可能性がある。そのため、定着装置50は、安全停止不可期間Isの期間内にジャムが発生した場合、ジャム検出タイミングTjにおいてジャムの発生を検出したとしても、定着装置50の安全停止制御を行うことができない。

0056

ここで、図5を用いて、定着装置50の安全停止不可期間Isの算出方法について説明する。図5は、実施形態に係る安全停止不可期間の算出方法の一例について説明するための概略図である。

0057

まず、図5(a)に示すように、記録用紙Pは、搬送方向における用紙先端から用紙後端までの用紙長さがLpであり、搬送速度Sで搬送経路R上を搬送されるものとする。また、図5(b)に示すように、搬送経路R上に搬送される記録用紙Pを検知可能に設置された用紙検知センサ25Aと用紙検知センサ25Bの距離は、Lsである。

0058

図5(c)に示すように、用紙検知センサ25Aによって記録用紙Pの先端が検知されるタイミングをジャム検出タイミングTj1とし、用紙検知センサ25Bによって記録用紙Pの先端が検知されるタイミングをジャム検出タイミングTj2とする。また、用紙検知センサ25Aによって記録用紙Pの後端が検知されるタイミングをジャム検出タイミングTj3とし、用紙検知センサ25Bによって記録用紙Pの後端が検知されるタイミングをジャム検出タイミングTj4とする。

0059

さらに、ジャム検出タイミングTj1からジャム検出タイミングTj2までの時間をt1とし、ジャム検出タイミングTj3からジャム検出タイミングTj4までの時間をt2とし、ジャム検出タイミングTj1からジャム検出タイミングTj4までの時間をt3とする。そして、ジャム検出タイミングTj2からジャム検出タイミングTj3の時間は、安全停止不可期間Isに該当する。すなわち、以下の(式1)の関係が成り立つ。

0060

t3=t1+t2+Is ・・・(式1)

0061

ここで、t1は、記録用紙Pの先端が用紙検知センサ25Aによって検知される位置から用紙検知センサ25Bによって検知される位置へ搬送されるまでの経過時間である。同様に、t2は、記録用紙Pの後端が用紙検知センサ25Aによって検知される位置から用紙検知センサ25Bによって検知される位置へ搬送されるまでの経過時間である。そのため、t1およびt2は、以下の(式2)のように表される。

0062

t1=t2=Ls/S ・・・(式2)

0063

ここで、t3は、記録用紙Pの先端が用紙検知センサ25Aによって検知されてから、記録用紙Pの後端が用紙検知センサ25Bを通過するまでの時間を表している。そのため、t3は、以下の(式3)のように表される。

0064

t3=(Ls+Lp)/S ・・・(式3)

0065

上記(式1)〜(式3)に基づいて、安全停止不可期間Isは、以下の(式4)のように表される。

0066

Is=(Lp−Ls)/S ・・・(式4)

0067

安全停止不可期間Isは、Is>0の場合に発生することから、安全停止不可期間Isの発生条件は、記録用紙Pの搬送方向の長さLpが隣り合う用紙検知センサ25の間の距離Lsよりも長い場合である。すなわち、記録用紙Pの搬送方向の長さが長いほど、安全停止不可期間Isは、長くなる。また、用紙検知センサ25の間の距離が短い、または搬送速度が遅いほど、安全停止不可期間Isは、長くなる。

0068

従来は、安全停止不可期間Isの期間内においてジャムが発生して定着ベルト510が回転できなくなったとしても、ジャム検出タイミングTj3までジャムの発生を検出することができないため、定着装置50が損傷してしまう要因となっていた。そこで、本実施形態に係る定着装置50は、ジャムの発生を検出することができない安全停止不可期間Isにおいて、ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータ変化を検出することで、従来ジャムの発生によって定着装置50が損傷するおそれがあった安全停止不可期間Isにおいても、定着装置50を安全停止させることができる。

0069

なお、図3乃至5は、用紙検知センサ25が記録用紙Pの搬送経路Rに2つ設けられている場合について説明したが、用紙検知センサ25の数がこれに限られず、1つまたは3つ以上設けられていてもよい。例えば、用紙検知センサ25が1つだけ設置されている場合、Ls=0と仮定し、上記(式5)は、Is=Lp/Sとして表され、画像形成装置100の印刷動作において、安全停止不可期間Isが常に発生する。

0070

●ハードウエア構成●
続いて、図6を用いて、画像形成装置100のハードウエア構成について説明する。図6は、実施形態に係る画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。図6に示すハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。

0071

画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を制御するためのコントローラ200を有する。コントローラ200は、画像形成装置100の内部に実装された基板またはICチップ等である。コントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、NVRAM(Non-Volatile RAM)204、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)205、I/F(Interface)206およびバスライン207を有する。

0072

CPU201は、画像形成装置100全体を制御するための処理を行う集積回路である。ROM202は、CPU201を制御するプログラムを記憶する記憶装置である。ROM202は、各種情報制御プログラム等を格納している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして機能する。

0073

NVRAM204は、不揮発性メモリであり、画像形成装置100の電源が遮断されている間もデータを保持する記憶装置である。NVRAM204は、装置固有の情報や、更新可能な情報等を格納している。なお、NVRAM204は、コントローラ200と挿抜可能な形態としてもよい。ASIC205は、処理データ(情報)に対する各種信号処理等を行う画像処理、およびその他の画像形成装置100全体を制御するための入出力信号を処理する。

0074

I/F206は、画像形成装置100の内部に設けられた操作パネル101、通信I/F102、定着装置50、画像形成部104、用紙状態検知センサ105および用紙検知センサ25と接続される。

0075

バスライン207は、上記の各構成要素に共通に接続され、アドレス信号データ信号、および各種制御信号等を伝送する。CPU201、ROM202、RAM203、NVRAM204、ASIC205およびI/F206は、バスライン207を介して相互に接続されている。

0076

また、画像形成装置100は、さらに、操作パネル101、通信I/F102、定着装置50、画像形成部104、用紙状態検知センサ105および図1に示した用紙検知センサ25を有する。操作パネル101は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を用いて、コントローラ200のI/F206に接続されている。操作パネル101は、各種の操作キー表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)またはCRT(Cathode-Ray Tube)の文字表示器およびタッチパネルを有する。画像形成装置100は、オペレータによる操作パネル101に対する操作を受け付けることにより、データの入力、ジョブの実行、表示をすることができる。通信I/F102は、画像形成装置100の外部に設けられたコンピュータ等の外部装置との間でデータ(情報)および信号の送受信を行うためのインターフェースである。

0077

定着装置50は、図2に示した構成に加え、定着装置50を駆動させる駆動機構103aおよび駆動機構103aの動作を制御する駆動制御IC(IntegratedCircuit)103bを有する。駆動機構103aは、例えば、加圧ローラ530を回転駆動させる駆動手段の一例である駆動モータを含む。駆動制御IC103bは、CPU、ROM、RAM等を備えた制御ICである。駆動制御IC103bは、ROM等に記憶された制御プログラムを実行することによって、コントローラ200からの指示に基づいて、駆動機構103aの動作を制御する。

0078

なお、図6は、駆動制御IC103bによって駆動機構103aの動作が制御される構成を示したが、定着装置50は、コントローラ200のROM202に記憶された制御プログラムが実行されることによって、駆動機構103aの動作が制御される構成であってもよい。

0079

画像形成部104は、記録用紙P等の記録対象物上にトナー画像を形成する画像形成処理を実行する機構である。画像形成部104は、例えば、図1に示した感光体ドラム2、露光装置6、帯電ローラ3、現像装置4および転写装置7によって構成される。また、画像形成部104は、感光体ドラム2を回転駆動させる感光体モータ104a、一次転写ローラ11を回転駆動させる転写モータ104b、給紙ローラ16および排紙ローラ17等の記録用紙Pを搬送するための搬送ローラを駆動させる搬送モータ104cを有する。

0080

用紙状態検知センサ105は、コントローラ200のI/F206に接続され、コントローラ200との間でセンシングデータおよび信号の送受信を行う。用紙状態検知センサ105は、例えば、記録用紙Pの撓みまたはバタつきを検知して、検知結果をコントローラ200に送信する。

0081

●機能構成●
次に、図7を用いて、画像形成装置100の機能構成について説明する。図7は、実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を示す図である。図7に示す各機能は、画像形成装置100が備えるコントローラ200によって実現される機能である。

0082

図7に示す画像形成装置100によって実現される機能は、受付部51、表示制御部52、設定部53、センサ駆動制御部54、ジャム発生検出部55、予兆検出部56、判断部57、定着駆動制御部58、画像形成制御部59、記憶・読出部61および記憶部5000を含む。

0083

受付部51は、図7に示した操作パネル101等の入力手段に対するユーザ入力を受け付ける機能である。表示制御部52は、図7に示した操作パネル101に各種画面情報を表示させる機能である。表示制御部52は、例えば、ユーザによる入力操作を受け付ける操作画面等を、WEBブラウザを用いて操作パネル101に表示させる。表示制御部52は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等のWebページを、操作パネル101に表示させる。

0084

設定部53は、画像形成装置100の印刷動作における各種設定値を設定する機能である。設定部53は、例えば、受付部51によって受け付けられた記録用紙Pの用紙サイズおよび各用紙検知センサ25の搬送経路R上での設置位置の情報に基づいて、用紙検知センサ25ごとの用紙通過期間Ip、用紙検知期間x,yを算出して設定する。また、設定部53は、例えば、図5に示した算出方法に基づいて、安全停止不可期間Isを算出して設定する。

0085

センサ駆動制御部54は、用紙検知センサ25の駆動制御を行う機能である。センサ駆動制御部54は、例えば、設定部53によって設定された用紙通過期間Ipの情報に基づいて、各用紙検知センサ25の駆動を制御(ON/OFF)する。センサ駆動制御部54は、図4に示したように、用紙通過期間Ipにおいて用紙検知センサ25をONにし、その他の期間において、用紙検知センサ25をOFFにする。

0086

ジャム発生検出部55は、各用紙検知センサ25による検知結果に基づいて、記録用紙Pのジャムの発生を検出する機能である。ジャム発生検出部55は、例えば、図4(a)に示した用紙検知期間xの期間内において、用紙検知センサ25によって記録用紙Pが検知されない場合、すなわち記録用紙Pの先端が用紙検知センサ25を通過していない場合、ジャムの発生を検出する。また、ジャム発生検出部55は、例えば、図4(a)に示した用紙検知期間yにおいて、用紙検知センサ25によって記録用紙Pが検知され続けた場合、すなわち記録用紙Pの後端が用紙検知センサ25を通過していない場合、ジャムの発生を検出する。

0087

予兆検出部56は、画像形成装置100における記録用紙Pのジャムの発生の予兆を検出する機能である。予兆検出部56によって検出されるジャムの発生の予兆とは、記録用紙Pのジャムが発生する前に、ジャムの発生の兆候として生じる画像形成装置100の印刷動作における特定のパラメータの変化である。予兆検出部56は、例えば、温度センサ512によって検知された定着ベルト510の表面温度(検知温度)が所定値以上上昇した場合、ジャムの発生の予兆を検出する。また、予兆検出部56は、例えば、記録用紙Pを搬送するための搬送ローラを駆動させる搬送モータ104cのトルクが所定値以上上昇した場合、ジャムの発生の予兆を検出する。予兆検出部56は、予兆検出手段の一例である。

0088

判断部57は、画像形成装置100の印刷動作において、定着ベルト510を安全停止させることができない安全停止不可期間Is(図4または図5参照)が発生するかを判断する機能である。判断部57は、例えば、記録用紙Pの搬送方向の長さLpが、記録用紙Pを検知する複数の用紙検知センサ25の間の距離よりも長い場合、安全停止不可期間Isが発生すると判断する。判断部57は、判断手段の一例である。

0089

定着駆動制御部58は、定着装置50の駆動を制御する機能である。定着駆動制御部58は、例えば、予兆検出部56によって記録用紙Pのジャムの発生の予兆が検出された場合、定着ベルト510の回転駆動を停止させるように、駆動機構103aの動作を制御する。定着駆動制御部58は、駆動制御手段の一例である。画像形成制御部59は、画像形成部104によって実行される、記録用紙P上にトナー画像を形成する画像形成処理を制御する機能である。

0090

記憶・読出部61は、記憶部5000に各種データを記憶させ、または記憶部5000から各種データを読み出す機能である。記憶部5000は、例えば、図7に示したROM202等により実現される。記憶部5000は、各用紙検知センサ25の搬送経路R上での設置位置、記録用紙Pの搬送速度S、および安全停止猶予時間Dの情報等を記憶している。また、記憶部5000は、設定部53によって設定された各種設定値の情報を記憶している。

0091

なお、図7に示す各機能構成は、画像形成装置10が備えるコントローラ200によって実現される例を説明したが、図7に示す各機能構成の一部は、定着装置50が備える駆動制御IC103bによって実現される構成であってもよい。例えば、受付部51、表示制御部52、センサ駆動制御部54および画像形成制御部59は、画像形成装置100が備えるコントローラ200によって実現され、設定部53、ジャム発生検出部55、予兆検出部56、判断部57、定着駆動制御部58、記憶・読出部61および記憶部5000は、定着装置50が備える駆動制御IC103bによって実現される構成であってもよい。

0092

●実施形態における処理または動作●
続いて、図8乃至図12を用いて、実施形態に係る画像形成装置100の処理について説明する。図8は、実施形態に係る画像形成装置における処理の一例を示すフローチャートである。

0093

テップS11において、画像形成装置100の受付部51は、ユーザによる記録用紙Pのサイズ選択を受け付ける。具体的には、ユーザは、表示制御部52によって操作パネル101に表示された操作画面に対して、記録用紙Pの用紙サイズを選択するための入力を行う。受付部51は、操作パネル101に表示された操作画面に対する入力を受け付ける。

0094

ここで、図9を用いて、画像形成装置100の操作パネル101に表示される操作画面について説明する。図9は、実施形態に係る画像形成装置に表示される操作画面の一例を示す図である。図9に示す操作画面700は、例えば、画像形成装置100を起動させた際に、操作パネル101に表示される画面である。操作画面700は、記録用紙Pの用紙サイズを選択するための用紙サイズ選択領域710、および記録用紙Pの種別を選択するための用紙種類選択領域730を含む。また、操作画面700は、画像形成装置100による印刷動作を開始する場合に押下される「OK」アイコン751、および画像形成装置100の印刷動作を中止する場合に押下される「キャンセル」アイコン753を含む。

0095

用紙サイズ選択領域710は、ユーザに記録用紙Pの用紙サイズを選択させるための選択アイコン711a,711b,711c,711dを含む。画像形成装置100は、選択アイコン711のいずれかが選択された状態で、「OK」アイコン751に対する入力を受け付けた場合、選択されたアイコンに対応する用紙サイズの記録用紙Pに対する印刷動作を開始する。

0096

また、用紙種類選択領域730は、ユーザに記録用紙Pの種類を選択させるための選択アイコン731a,731b,731cを含む。画像形成装置100は、選択アイコン731のいずれかが選択された状態で、「OK」アイコン751に対する入力を受け付けた場合、選択されたアイコンに対応する種類の記録用紙Pに対する印刷動作を開始する。なお、操作画面700を用いて選択可能なパラメータは、これに限られず、画像形成装置100における印刷処理の詳細設定(両面/片面印刷集約等)等であってもよい。

0097

図8戻り、ステップS12において、画像形成装置100は、受付部51によって受け付けられた用紙サイズまたは種類の記録用紙Pに対する所定の画像の印刷動作を開始する。

0098

ステップS13において、画像形成装置100の判断部57は、図5に示した安全停止不可期間Isの算出方法に基づいて、安全停止不可期間Isが発生するかを判断する。具体的には、設定部53は、記憶部5000に記憶されたセンサ間の距離Lsおよび記録用紙Pの搬送速度S、並びに受付部51によって受け付けられた記録用紙Pの用紙サイズに対応する用紙長さLpの値に基づいて、上記(式3)を用いて、安全停止不可期間Isを算出する。設定部53は、例えば、上記(式3)を用いて、安全停止不可期間Isの長さを算出し、用紙検知センサ25の設置位置および搬送速度Sに基づいて、安全停止不可期間Isの開始時間または終了時間を算出する。そして、判断部57は、設定部53によって算出された安全停止不可期間Isが発生する場合、すなわちIs>0である場合、処理をステップS14へ移行させる。一方で、判断部57は、設定部53によって算出された安全停止不可期間Isが発生しない場合、すなわちIs≦0である場合、処理をステップS20へ移行させる。

0099

なお、安全停止不可期間Isを示す情報は、用紙サイズごとに予め記憶部5000に記憶されていてもよい。この場合、判断部57は、記憶部5000に記憶された、各用紙サイズに対応する安全停止不可期間Isの値に基づいて、安全停止不可期間Isが発生するかを判断する。

0100

まず、以下の説明において、判断部57によって安全停止不可期間Isが存在すると判断された場合の処理(ステップS14からの処理)について説明する。

0101

ステップS14において、判断部57は、安全停止不可期間Isであるかを判断する。判断部57は、記録用紙Pの搬送経路R上の位置によって、安全停止不可期間Isに該当するかを判断することができる。判断部57は、例えば、図5に示した用紙検知センサ25Aによって記録用紙P(記録用紙Pの先端)が検知されたことによって、安全停止不可期間Isに該当すると判断する。判断部57は、安全停止不可期間Isでないと判断した場合、処理をステップS19へ移行させる。

0102

ステップS19において、ジャム発生検出部55は、用紙検知センサ25による検知結果に基づいて、ジャムの発生を検出する。ジャム発生検出部55は、図4に示した各ジャム検出タイミングTmにおいて、ジャムの発生を検出することができる。具体的には、ジャム発生検出部55は、各用紙検知センサ25の用紙検知期間xにおいて、記録用紙Pが検知されなかった場合、ジャムの発生を検出する。また、ジャム発生検出部55は、各用紙検知センサ25の用紙検知期間yにおいて、記録用紙Pが検知され続けた場合、ジャムの発生を検出する。

0103

ジャム発生検出部55は、ジャムの発生を検出しない場合、ステップS14からの処理を繰り返す。一方で、ジャム発生検出部55は、ジャムの発生を検出した場合、処理をステップS17へ移行させる。ステップS17において、定着駆動制御部58は、定着装置50の安全停止制御を実行する。定着装置50の安全停止制御とは、ジャムの発生によって定着ベルト510が記録用紙Pにより回転できなくなる前に、定着ベルト510の温度を下げたり、定着ベルト510の回転速度を緩めたりする処理である。

0104

一方で、ステップS14において、判断部57は、安全停止不可期間Isであると判断した場合、処理をステップS15へ移行させる。ステップS15において、予兆検出部56は、搬送経路R上での記録用紙Pのジャムの発生の予兆を検出するための予兆検出処理を実行する。ステップS16において、予兆検出部56は、予兆検出処理によって所定の条件を満たすか否かを判断し、ジャムの発生の予兆を検出する。所定の条件は、記録用紙Pのジャムの発生の予兆となる特定のパラメータごとに設定された条件である。予兆検出部56は、例えば、特定のパラメータの所定値以上の変化を検出した場合、ジャム発生の予兆を検出する。予兆検出部56による予兆検出処理の具体的な内容は、後述する。

0105

予兆検出部56は、予兆検出処理によって所定の条件を満たさない場合、すなわちジャムの予兆が検出されない場合、処理をステップS18へ移行させる。ステップS18において、画像形成装置100は、所定の画像の印刷処理が終了した場合、処理を終了する。一方で、画像形成装置100は、所定の画像の印刷処理が終了していない場合、ステップS14からの処理を繰り返す。

0106

一方で、ステップS16において、予兆検出部56は、予兆検出処理によって所定の条件を満たす場合、すなわちジャムの予兆が検出された場合、処理をステップS17へ移行させる。ステップS17において、定着駆動制御部58は、上記説明したように、定着装置50の安全停止制御を実行する。

0107

このように、画像形成装置100は、記録用紙Pのジャムの発生を検出できない期間(ジャム検出不可期間Ij)のうち、当該期間の時間が安全停止猶予時間Dよりも長い期間である安全停止不可期間Isにおいて、ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する。そして、画像形成装置100は、ジャムの発生の予兆が検出された場合、定着装置50の安全停止制御を実行する。これによって、画像形成装置100は、ジャムの発生を検出できない期間においても、定着ベルト510の温度上昇によって定着装置50が損傷することを防止することができる。

0108

続いて、以下の説明において、判断部57によって安全停止不可期間Isが存在しないと判断された場合の処理(ステップS20からの処理)について説明する。

0109

ステップS20において、ジャム発生検出部55は、用紙検知センサ25による検知結果に基づいて、ジャムの発生を検出する。ジャム発生検出部55によるジャム発生検出処理内容は、上記ステップS19に示した処理と同様であるため、説明を省略する。ジャム発生検出部55は、用紙検知センサ25による検知結果に基づいて、ジャムの発生を検出した場合、処理をステップS22へ移行させる。ステップS22において、定着駆動制御部58は、ステップS17と同様に、定着装置50の安全停止制御を実行する。

0110

一方で、ステップS20において、ジャム発生検出部55は、用紙検知センサ25による検知結果に基づいて、ジャムの発生を検出しない場合、処理をステップS21へ移行させる。ステップS21において、画像形成装置100は、所定の画像の印刷処理が終了した場合、処理を終了する。一方で、ステップS21において、画像形成装置100は、所定の画像の印刷処理が終了していない場合、ステップS20からの処理を繰り返す。

0111

このように、画像形成装置100は、印刷動作において安全停止不可期間Isが発生しない場合、用紙検知センサ25による検知結果に基づいてジャムの発生を検出する。そして、画像形成装置100は、ジャムの発生が検出された場合、定着装置50の安全停止制御を行う。これによって、画像形成装置100は、印刷動作において、安全停止不可期間Isの発生の有無に関わらず、定着装置50の安全停止制御を実行することができる。

0112

●定着装置50の安全停止制御
ここで、図10乃至図12を用いて、定着装置50の安全停止制御の具体的な処理の内容について説明する。図10は、実施形態に係る定着装置の安全停止制御処理の一例を示すフローチャート(その1)である。図10に示すステップS16−1〜ステップS18−1(S18−1a〜S18−1d)の処理は、図7に示したステップS16〜S18の処理にそれぞれ対応するものである。

0113

図10に示す処理は、温度センサ512によって検知される定着ベルト510の表面温度(検知温度)の値を用いて、ジャムの発生の予兆を検出する場合について説明する。

0114

ステップS16−1において、予兆検出部56は、温度センサ512によって定着ベルト510の表面温度を監視する。具体的には、温度センサ512は、画像形成装置100における印刷動作において、定着ベルト510の表面温度の検知結果をコントローラ200へ随時出力する。予兆検出部56は、温度センサ512による検知結果に基づいて、定着ベルト510の表面温度を監視する。

0115

ステップS17−1において、予兆検出部56は、定着ベルト510の表面温度が所定値以上上昇した場合、処理をステップS18−2a〜ステップS18−2dへ移行させる。一方で、予兆検出部56は、定着ベルト510の表面温度の値が所定値以上上昇していない場合、ステップS16−2からの処理を繰り返す。

0116

ステップS18−1a〜ステップS18−1dにおいて、定着駆動制御部58は、定着装置50の安全停止制御を実行する。なお、ステップS18−1a〜ステップS18−1dに示す処理は、それぞれの処理が並行して実行されてもよいし、いずれか一つの処理のみが実行されてもよい。

0117

ステップS18−1aにおいて、定着駆動制御部58は、加圧ローラ530の回転速度を低下させる。具体的には、定着駆動制御部58は、加圧ローラ530の回転駆動を制御する駆動機構103aの動作を制御する。これによって、定着装置50は、定着ベルト510が突然回転できなくなることによって、定着ベルト510の特定の箇所のみが加熱されることによって発生する定着装置50の損傷を防止する。

0118

ステップS18−1bにおいて、定着駆動制御部58は、ハロゲンヒータ511を停止させることで、定着ベルト510の加熱を停止させる。これによって、定着装置50は、定着ベルト510に対する加熱を中断することで、定着ベルト510の温度が定着装置50に損傷のおそれがある温度まで上昇することを防止する。

0119

ステップS18−1cにおいて、定着駆動制御部58は、遮蔽部材517による定着ベルト510に対する遮熱制御を実行する。具体的には、定着駆動制御部58は、遮蔽部材517を駆動させ、定着ベルト510にハロゲンヒータ511からの熱が直接伝達しないようにする。これによって、定着装置50は、定着ベルト510の温度上昇を妨げることによって、定着ベルト510の温度が定着装置50に損傷のおそれがある温度まで上昇することを防止する。

0120

ステップS18−1dにおいて、定着駆動制御部58は、冷却部材518を駆動させ、定着ベルト510の冷却処理を実行する。これにより、定着装置50は、定着ベルト510の温度を低下させることで、定着ベルト510の温度が定着装置50に損傷のおそれがある温度まで上昇することを防止する。

0121

図11は、実施形態に係る定着装置の安全停止制御処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図11は、給紙ローラ16および排紙ローラ17等の記録用紙Pを搬送するための搬送ローラを回転駆動させる搬送モータ104cのトルクの値を用いて、ジャムの発生の予兆を検出する場合について説明する。搬送ローラは、ジャムが発生する予兆として徐々に回転できなくなる。この場合、搬送モータ104cの回転数も減少するため、搬送モータ104cのトルクの値は上昇する。このことから、定着装置50は、図11の例において、ジャムの発生の予兆を検出するためのパラメータとして、搬送モータ104cのトルクの値を用いる。

0122

ステップ16−2において、予兆検出部56は、給紙ローラ16または排紙ローラ17等の搬送ローラを回転駆動させる搬送モータ104cのトルクの値を監視する。ステップS17−2において、予兆検出部56は、搬送モータ104cのトルクの値が、所定値以上上昇した場合、処理をステップS18−2a〜ステップS18−2dへ移行させる。一方で、予兆検出部56は、搬送モータ104cのトルクの値が所定値以上上昇していない場合、ステップS16−2からの処理を繰り返す。

0123

ステップS18−2a〜ステップS18−2dにおいて、定着駆動制御部58は、定着装置50の安全停止制御を実行する。なお、ステップS18−2a〜ステップS18−2dの処理の内容は、図10に示したステップS18−1a〜ステップS18−1dの処理と同様であるため、説明を省略する。

0124

なお、図11において、ジャムの発生の予兆を検出するためのパラメータとして、搬送モータ104cのトルクの値を用いる例を説明したが、別の手段を用いて搬送ローラの回転状態を監視する構成であってもよい。例えば、搬送ローラの近傍にセンサを設け、センサによる搬送ローラの検知結果に基づいて、ジャムの発生の予兆を検出してもよい。

0125

図12は、実施形態に係る定着装置の安全停止制御処理の一例を示すフローチャート(その3)である。図12に示す処理は、用紙状態検知センサ105によって検知される記録用紙Pの撓みまたはバタつきである場合について説明する。

0126

ステップS16−3において、予兆検出部56は、用紙状態検知センサ105によって記録用紙Pの撓みまたはバタつきを監視する。具体的には、用紙状態検知センサ105は、画像形成装置100における印刷動作において、記録用紙Pの搬送状態に関する検知結果をコントローラ200へ随時出力する。予兆検出部56は、用紙状態検知センサ105による検知結果に基づいて、記録用紙Pの撓みまたはバタつきを監視する。

0127

ステップS17−3において、予兆検出部56は、用紙状態検知センサ105によって所定値以上の記録用紙Pの撓みまたはバタつきが検知された場合、処理をステップS18−3a〜ステップS18−3dへ移行させる。一方で、予兆検出部56は、記録用紙Pの撓みまたはバタつきが検出されない場合、ステップS16−3からの処理を繰り返す。

0128

ステップS18−3a〜ステップS18−3dにおいて、定着駆動制御部58は、定着装置50の安全停止制御を実行する。ステップS18−3a〜ステップS18−3dの処理の内容は、図10に示したステップS18−1a〜ステップS18−1dの処理と同様であるため、説明を省略する。

0129

ここで、図11および図12に示したように、ジャムの発生の予兆を検出するためのパラメータは、定着装置50の状態とは異なるパラメータを用いる方が好ましい。この場合、定着装置50は、定着装置50の状態とは異なる記録用紙Pの搬送状態に関するパラメータを用いることで、定着装置50が損傷することをより防止することができる。

0130

●実施形態の効果●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る定着装置は、画像形成装置100における印刷動作において、回転可能な加圧ローラ530(加圧部材の一例)と、加圧ローラ530に当接して回転駆動する定着ベルト510(定着部材の一例)との間で記録用紙P(記録対象物の一例)上の未定着画像を記録用紙P上に定着させる定着装置50であって、記録用紙Pのジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出する予兆検出部56(予兆検出手段の一例)と、ジャム発生の予兆となる特定のパラメータの変化が検出された場合、定着ベルト510の回転駆動を停止させる定着駆動制御部58(駆動制御手段の一例)と、を備える。これによって、定着装置50は、定着ベルト510が回転できなくなる要因の一つであるジャムの発生の予兆を検出した場合に定着ベルト510を安全停止させることで、定着ベルト510の温度上昇による定着装置50が損傷することを防止することができる。

0131

また、本発明の一実施形態に係る定着装置は、画像形成装置100の印刷動作において、記録用紙Pのジャムの発生を検出できない時間が、定着装置50が損傷するおそれのある温度まで、定着ベルト510(定着部材の一例)の温度が上昇するまでに要する時間よりも長い期間(安全停止不可期間Is)が発生するかを判断する判断部57(判断手段の一例)を備える。そして、定着装置50において、安全停止不可期間Isが発生すると判断された場合、予兆検出部56(予兆検出手段の一例)は、ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出するための処理を開始する。これによって、定着装置50は、ジャムの発生を検出することができない期間において、ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出することで、従来ジャムの発生によって定着装置50が損傷するおそれがあった安全停止不可期間Isにおいても、定着装置50を安全停止させることができる。

0132

さらに、本発明の一実施形態に係る定着装置において、記録用紙P(記録対象物の一例)の搬送方向の長さが、記録用紙Pを検知する複数の用紙検知センサ25(検知手段の一例)の間の搬送経路上における距離よりも長い場合、判断部57(判断手段の一例)は、安全停止不可期間Isが発生すると判断する。これによって、定着装置50は、長尺の記録用紙Pに対する印刷動作が行われる場合においても、ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出することで、従来ジャムの発生によって定着装置50が損傷するおそれがあった安全停止不可期間Isにおいても、定着装置50を安全停止させることができる。

0133

また、本発明の一実施形態に係る定着装置において、特定のパラメータは、定着装置50の状態とは異なる、記録用紙P(記録対象物の一例)の搬送状態に関するパラメータである。また、定着装置50において、記録用紙Pの搬送状態に関するパラメータは、記録用紙Pを搬送するための搬送ローラを駆動させる搬送モータ104cのトルクであり、予兆検出部56(予兆検出手段の一例)は、所定値以上のトルクの上昇を検出する。これによって、定着装置50は、定着装置50の状態とは異なる記録用紙Pの搬送状態に関するパラメータを用いることで、定着装置50が損傷することをより防止することができる。

0134

さらに、本発明の一実施形態に係る定着装置において、定着駆動制御部58(駆動制御手段の一例)は、記録用紙Pのジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化が検出された場合、加圧ローラ530(加圧部材の一例)の回転速度を段階的に低下させることで定着ベルト510(定着部材の一例)の回転駆動を停止させる。これによって、定着装置50は、ジャムの発生の予兆となる特定のパラメータの変化を検出された場合に、定着ベルト510の駆動を急に停止させることなく、段階的に停止させることで定着装置50を安全停止させることができる。

0135

補足
なお、本発明の実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語オブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。

0136

また、本発明の実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリフレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、CD−RW(Re-Writable)、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスクSDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。

0137

さらに、本発明の実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルデバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed IntegratedCircuits Hardware Description Language)、Verilog−HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。

0138

これまで本発明の一実施形態に係る定着装置、画像形成装置、定着制御方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

0139

16給紙ローラ(搬送ローラの一例)
17排紙ローラ(搬送ローラの一例)
50定着装置
25(25A,25B,25C,25D)用紙検知センサ(検知手段の一例)
54ジャム発生検出部
55予兆検出部(予兆検出手段の一例)
56 判断部(判断手段の一例)
57定着駆動制御部(駆動制御手段の一例)
100画像形成装置
104c搬送モータ
510定着ベルト(定着部材の一例)
511ハロゲンヒータ(加熱手段の一例)
512温度センサ(温度検知手段の一例)
530加圧ローラ(加圧部材の一例)
P記録用紙(記録対象物の一例)

先行技術

0140

特開2009−122499号公報

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