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技術 光信号処理装置およびその制御方法

出願人 日本電信電話株式会社NTTエレクトロニクス株式会社
発明者 山口慶太鈴木賢哉郷隆司森脇摂柳原藍赤堀裕二草山敦七海康幸
出願日 2018年9月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-166879
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-042063
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 横軸左端 被駆動エレメント 位相量θ 時分割制御信号 波高レベル 時分割周期 一次ローパスフィルタ 切替周波数
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図面 (20)

課題

光導波路を用いて実現される光スイッチや光フィルタ等の光信号処理装置における電気配線を削減する。

解決手段

基板上に形成された光導波路を有する光信号処理装置であって、前記光導波路は少なくとも一つの入力ポートと、少なくとも一つの出力ポートを有し、前記入ポートから入力された光信号に対して位相シフトを加える位相シフタを含む被駆動エレメントを複数有し、各前記被駆動エレメントは少なくとも二つの制御端子を有し、前記二つの制御端子間に時分割同期した制御信号印加する制御配線を有し、前記被駆動エレメントへアクセスする前記制御配線が複数の被駆動エレメントで共有される光信号処理装置とした。

概要

背景

光導波路は、光を微小な領域に閉じ込めて制御することで様々な機能を発現する技術として、種々の光デバイスに使用されている。光導波路は一般的に、石英系材料ポリマニオブ酸リチウムなどの各種誘電体シリコン(Si)、インジウム燐InP)などの半導体材料により構成される。

光導波路技術を用いたデバイスとして、熱光学効果(温度による屈折率の変化)を用いた光スイッチや光可変減衰器などがある。例えば、光スイッチであれば、熱光学効果を用いた位相シフタを有するマッハツェンダ干渉計(Mach−Zehnder Interferometer:MZI)(非特許文献1)を複数、直列および並列組み合わせ配列構成することで、多入力多出力スイッチが実現できることが報告されている(非特許文献2、3)。この光スイッチでは、各MZIの位相シフタを電気信号で駆動して、熱光学効果で導波路を通過する光を位相変化させることにより、多数の入力光出力先を同時にスイッチングすることができる。

また、光可変減衰器(Variable Optical Attenuator:VOA、非特許文献4)も報告されており、例えばMZIを、位相シフタとともに複数集積することで、光可変減衰器をアレイ化することも可能である。

上述のような光導波路を用いた種々の光デバイスは、光通信システムの構成に不可欠であり、特に近年のCDC(Colorless、Directionless,Contentionless)−ROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)機能を有する光通信ノードにおいて、その重要性増している。例えば、マルチキャストスイッチ(MultiCast Switch:MCS)は、CDC−ROADM機能を実現するのに不可欠な光デバイスである。MCSのようなデバイスは、熱光学効果を用いた位相シフタにより、電気信号で光信号スイッチ状態を変更するが、ROADM装置すなわち光ノード規模が大きくなるにつれて、内包する位相シフタの数が増大する。

例えば、16x16規模のMCSでは、スイッチエレメントの数は少なくとも256個以上になる。光信号のオフ状態での消光比を確保するため、一つのスイッチエレメント(被駆動エレメント)は2つのMZIで構成する方式が好ましく、位相シフタの数は512個にも及ぶこととなる。

概要

光導波路を用いて実現される光スイッチや光フィルタ等の光信号処理装置における電気配線を削減する。基板上に形成された光導波路を有する光信号処理装置であって、前記光導波路は少なくとも一つの入力ポートと、少なくとも一つの出力ポートを有し、前記入ポートから入力された光信号に対して位相シフトを加える位相シフタを含む被駆動エレメントを複数有し、各前記被駆動エレメントは少なくとも二つの制御端子を有し、前記二つの制御端子間に時分割同期した制御信号印加する制御配線を有し、前記被駆動エレメントへアクセスする前記制御配線が複数の被駆動エレメントで共有される光信号処理装置とした。

目的

その目的とするところは、チップ基板に形成された光導波路を有する光信号処理装置において、チップ基板に形成された位相シフタを含む被駆動エレメントへアクセスする電気配線を、等価回路的に少なくとも2次元マトリックス構築することにより、制御回路に接続するために必要なワイヤボンディング電気パッド個数を削減し、電気配線を簡易化することにある

効果

実績

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請求項1

基板に形成された光導波路を有する光信号処理装置であって、前記光導波路は少なくとも一つの入力ポートと、少なくとも一つの出力ポートを有し、前記入ポートから入力された光信号に対して位相シフトを加える位相シフタを含む被駆動エレメントを複数有し、各前記被駆動エレメントは少なくとも二つの制御端子を有し、前記二つの制御端子間に時分割同期した制御信号印加する制御配線を有し、前記被駆動エレメントへアクセスする前記制御配線が複数の被駆動エレメントで共有され、前記複数の被駆動エレメントは論理的にマトリックスに配置され、前記制御配線は、前記マトリックスの行に対応する制御配線と前記マトリックスの列に対応する制御配線の2組の制御配線を含み、前記マトリックスの行および列の交点に存在する前記被駆動エレメントの二つの制御端子が、前記2組の制御配線のそれぞれに接続され、前記被駆動エレメントの前記位相シフタの各々に対して整流手段を有し、前記2組の制御配線に接続され、前記2組の制御配線のそれぞれを選択的にアドレスする電気信号制御手段を有することを特徴とする光信号処理装置。

請求項2

前記電気信号制御手段は、正極と負極をもつ少なくとも一つの電力発生手段と、前記電力発生手段の一方の極を前記2組の制御配線の一方に接続する第1の配線選択手段と、前記電力発生手段の他方の極を前記2組の制御配線の他方に接続する第2の配線選択手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の光信号処理装置。

請求項3

前記第1または第2の配線選択手段の少なくとも一方を、個別の電力発生手段で駆動され、個別に制御される複数のON/OFFスイッチで構成したことを特徴とする請求項2に記載の光信号処理装置。

請求項4

前記光信号処理装置は、マトリックススイッチまたはマルチキャストスイッチ、もしくは光フィルタまたは光信号減衰器であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光信号処理装置。

請求項5

前記整流手段を、行または列の単位でまとめて光導波路とは別の基板に形成されたアレイダイオードで構成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光信号処理装置。

請求項6

前記2組の制御配線のそれぞれを選択的にアドレスすることは、第1および第2の配線選択手段により時分割して周期的に制御信号を出力して行い、前記第1および第2の配線選択手段により所望の前記制御配線を選択的にアドレスする際に供給する前記制御信号の時間幅を段階的あるいは連続的に可変制御することにより、前記被駆動エレメントに供給する電力量を調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光信号処理装置の制御方法

請求項7

前記2組の制御配線のそれぞれを選択的にアドレスすることは、第1および第2の配線選択手段により時分割して周期的に制御信号を出力して行い、前記第1および第2の配線選択手段により所望の前記制御配線を選択的にアドレスする際に供給する前記制御信号の電流値または電圧値または電流値と電圧値の組み合わせを段階的あるいは連続的に可変制御することにより、前記被駆動エレメントに供給する電力量を調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光信号処理装置の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、光導波路により構成される光信号処理装置、特に外部から電気制御信号印加してその状態を変えることが可能な光信号処理装置、およびその制御方法に関する。

背景技術

0002

光導波路は、光を微小な領域に閉じ込めて制御することで様々な機能を発現する技術として、種々の光デバイスに使用されている。光導波路は一般的に、石英系材料ポリマニオブ酸リチウムなどの各種誘電体シリコン(Si)、インジウム燐InP)などの半導体材料により構成される。

0003

光導波路技術を用いたデバイスとして、熱光学効果(温度による屈折率の変化)を用いた光スイッチや光可変減衰器などがある。例えば、光スイッチであれば、熱光学効果を用いた位相シフタを有するマッハツェンダ干渉計(Mach−Zehnder Interferometer:MZI)(非特許文献1)を複数、直列および並列組み合わせ配列構成することで、多入力多出力スイッチが実現できることが報告されている(非特許文献2、3)。この光スイッチでは、各MZIの位相シフタを電気信号で駆動して、熱光学効果で導波路を通過する光を位相変化させることにより、多数の入力光出力先を同時にスイッチングすることができる。

0004

また、光可変減衰器(Variable Optical Attenuator:VOA、非特許文献4)も報告されており、例えばMZIを、位相シフタとともに複数集積することで、光可変減衰器をアレイ化することも可能である。

0005

上述のような光導波路を用いた種々の光デバイスは、光通信システムの構成に不可欠であり、特に近年のCDC(Colorless、Directionless,Contentionless)−ROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)機能を有する光通信ノードにおいて、その重要性増している。例えば、マルチキャストスイッチ(MultiCast Switch:MCS)は、CDC−ROADM機能を実現するのに不可欠な光デバイスである。MCSのようなデバイスは、熱光学効果を用いた位相シフタにより、電気信号で光信号スイッチ状態を変更するが、ROADM装置すなわち光ノード規模が大きくなるにつれて、内包する位相シフタの数が増大する。

0006

例えば、16x16規模のMCSでは、スイッチエレメントの数は少なくとも256個以上になる。光信号のオフ状態での消光比を確保するため、一つのスイッチエレメント(被駆動エレメント)は2つのMZIで構成する方式が好ましく、位相シフタの数は512個にも及ぶこととなる。

先行技術

0007

T. Shibata et al., "Silica-Based Waveguide-Type 16 x 16 Optical Switch Module Incorporating DrivingCircuits", inIEEE Photonics Technology Letters, vol. 15, no. 9, pp. 1300-1302, Sept. 2003.
Takashi Goh, Mitsuho Yasu, Kuninori Hattori, Akira Himeno, Masayuki Okuno, and Yasuji Ohmori, “Low Loss and High Extinction Ratio Strictly Nonblocking 16×16 Thermooptic Matrix Switch on 6-in Wafer Using Silica-Based Planar Lightwave Circuit Technology”, IEEE J. Lightwave Technol., vol. 19, no. 3, pp.371-379, 2001
T. Watanabe, et. al., “Silica-basedPLC Transponder Aggregateors for Colorless, Directionless, and Contentionless ROADM”, OFC/NFOEC2012, OTh3D.1, March 8, 2012, Los Angeles
Kei Watanabe, Yasuaki Hashizume, Yusuke Nasu, Masaki Kohtoku, Mikitaka Itoh, and Yasuyuki Inoue, "Ultralow Power Consumption Silica-Based PLC-VOA/Switches", J. Lightwave Technol. 26, 2235-2244 (2008)

発明が解決しようとする課題

0008

上述のMCSでは、512個のMZIを駆動するために、各MZIが有する位相シフタに対して、それぞれ制御電気信号を印加する必要がある。従来のMCSなどの光スイッチデバイスでは、各位相シフタからチップ端まで電気配線チップ上に形成し、チップ端からボンディングパッドを介してプリント基板ワイヤボンディング基板)へワイヤボンディングすることで、各位相シフタへの制御電気信号のアクセスを行っていた。しかしながら、従来の方法ではチップ上に電気配線やボンディングパッドが占める面積が大きくなり、チップ面積が増大するという課題を有していた。電気配線の面積は、デバイスの規模が大きくなるほど顕著であり、例えば、図1に示す従来の16x16程度の規模のMCSチップであっても、チップ面積の半分は制御用の512本の電気配線100および電気パッド200に起因する面積で占められる(非特許文献2のFig.3.より)。

0009

本発明は、このような問題に鑑みてなされたものである。その目的とするところは、チップ基板に形成された光導波路を有する光信号処理装置において、チップ基板に形成された位相シフタを含む被駆動エレメントへアクセスする電気配線を、等価回路的に少なくとも2次元マトリックス構築することにより、制御回路に接続するために必要なワイヤボンディング用電気パッドの個数を削減し、電気配線を簡易化することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、このような目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。

0011

すなわち本発明は、基板上に形成された光導波路を有する光信号処理装置であって、光導波路は少なくとも一つの入力ポートと、少なくとも一つの出力ポートを有し、入力ポートから入力された光信号に対して位相シフトを加える位相シフタを含む被駆動エレメントを複数有し、各被駆動エレメントは少なくとも二つの制御端子を有する位相シフタを含む光導波路型の光デバイスであって、複数の被駆動エレメントを等価回路的に行列アレイ、マトリックス)に配列し、同一の行に存在する各被駆動エレメントの一方の端子同士を電気的に接続する行配線と、同一の列に存在する各被駆動エレメントの他方の端子同士を電気的に接続する列配線を設け、行配線もしくは列配線のうち少なくとも一方を、電気的駆動手段で駆動ないし制御する光信号処理装置である。

0012

また、複数の被駆動エレメント(素子)を駆動する制御方法としては、電気的駆動手段は列の数だけ存在し、各電気的駆動手段を時分割で列駆動するとともに、各行配線に列駆動状態に同期して行制御信号を印加することで被駆動エレメントを個別に制御する制御方法であり、列駆動信号と行制御信号で光信号処理装置を時分割制御する。ここで列駆動信号と行制御信号は合せて制御信号と総称することができ、行配線、列配線も同様に制御配線ということができる。

0013

なお、行列やアレイ、マトリックス、配列の表現として一般的なことであるが、配列等の次元は2次元に限らず、各次元の表記順番置換可能、すなわち例えば2次元の場合の行と列を入れ替えても同等な構成を実現可能であることは自明である。

0014

以下の説明では主にチップ(基板)平面上における行と列の2次元配列の構成を例に説明するが、本発明では例えば複数枚のチップを集積し実装して、3次元配列の光信号処理装置とすることもでき、さらにそのような3次元配列の光信号処理装置を単位として複数配列して3次元以上の多次元の配列としても構成が可能である。以下の説明に於ける行や列のなどの表現は、2次元配列の場合はもとより、3次元以上の多次元配列の構成における2次元部分配列についてのものとしても理解されるべきである。

0015

また被駆動エレメント(素子)としてはスイッチング素子に限ることは無く、少なくとも独立な2つ以上の制御信号入力(端子、パッド)を有し位相シフタを有する素子であれば良い。更に、被駆動エレメントは必ずしも物理的に行列、アレイ、マトリックス状に配列されていることも必要ではなく、等価回路的に、あるいは論理的にそのようなマトリックスとして、独立な少なくとも2つ以上の方向からアクセス可能であれば本発明は適用可能である。

0016

本発明の実施形態の構成の一例は下記の通りである。

0017

(構成1)
基板に形成された光導波路を有する光信号処理装置であって、
前記光導波路は少なくとも一つの入力ポートと、少なくとも一つの出力ポートを有し、
記入ポートから入力された光信号に対して位相シフトを加える位相シフタを含む被駆動エレメントを複数有し、
各前記被駆動エレメントは少なくとも二つの制御端子を有し、
前記二つの制御端子間に時分割同期した制御信号を印加する制御配線を有し、
前記被駆動エレメントへアクセスする前記制御配線が複数の被駆動エレメントで共有され、
前記複数の被駆動エレメントは論理的にマトリックスに配置され、
前記制御配線は、前記マトリックスの行に対応する制御配線と前記マトリックスの列に対応する制御配線の2組の制御配線を含み、
前記マトリックスの行および列の交点に存在する前記被駆動エレメントの二つの制御端子が、前記2組の制御配線のそれぞれに接続され、
前記被駆動エレメントの前記位相シフタの各々に対して整流手段を有し、
前記2組の制御配線に接続され、前記2組の制御配線のそれぞれを選択的にアドレスする電気信号制御手段を有する
ことを特徴とする光信号処理装置。

0018

(構成2)
前記電気信号制御手段は、
正極と負極をもつ少なくとも一つの電力発生手段と、
前記電力発生手段の一方の極を前記2組の制御配線の一方に接続する第1の配線選択手段と、
前記電力発生手段の他方の極を前記2組の制御配線の他方に接続する第2の配線選択手段とを含む
ことを特徴とする構成1に記載の光信号処理装置。

0019

(構成3)
前記第1または第2の配線選択手段の少なくとも一方を、個別の電力発生手段で駆動され、個別に制御される複数のON/OFFスイッチで構成した
ことを特徴とする構成2に記載の光信号処理装置。

0020

(構成4)
前記光信号処理装置は、マトリックススイッチまたはマルチキャストスイッチ、もしくは光フィルタまたは光信号減衰器である
ことを特徴とする構成1から3のいずれか1項に記載の光信号処理装置。

0021

(構成5)
前記整流手段を、行または列の単位でまとめて光導波路とは別の基板に形成されたアレイダイオードで構成した
ことを特徴とする構成1から4のいずれか1項に記載の光信号処理装置。

0022

(構成6)
前記2組の制御配線のそれぞれを選択的にアドレスすることは、第1および第2の配線選択手段により時分割して周期的に制御信号を出力して行い、
前記第1および第2の配線選択手段により所望の前記制御配線を選択的にアドレスする際に供給する前記制御信号の時間幅を段階的あるいは連続的に可変制御することにより、前記被駆動エレメントに供給する電力量を調整する
ことを特徴とする構成1から5のいずれか1項に記載の光信号処理装置の制御方法。

0023

(構成7)
前記2組の制御配線のそれぞれを選択的にアドレスすることは、第1および第2の配線選択手段により時分割して周期的に制御信号を出力して行い、
前記第1および第2の配線選択手段により所望の前記制御配線を選択的にアドレスする際に供給する前記制御信号の電流値または電圧値または電流値と電圧値の組み合わせを段階的あるいは連続的に可変制御することにより、前記被駆動エレメントに供給する電力量を調整する
ことを特徴とする構成1から5のいずれか1項に記載の光信号処理装置の制御方法。

発明の効果

0024

本発明によれば光導波路を用いて実現される光スイッチや光フィルタ等の光信号処理装置における電気配線を削減することができ、チップサイズの削減が可能である。加えて、従来個別の被駆動エレメント毎に設置していた電源等の駆動手段を、複数の被駆動エレメントを異なる時間タイミングで時分割して、行、列などの単位で共有することで、駆動手段の数を削減することが可能である。上記の効果により、光信号処理装置のチップサイズを削減し、量産性を向上し、部品点数の削減を通じて装置の低廉化に寄与する。

図面の簡単な説明

0025

従来のMCSチップ上面の電気配線および電気パッドの状態を示す写真である。
本発明の実施例1の光信号処理装置の電気回路構成を示すチップ平面図である。
図2の光信号処理装置の位相シフタのチップ断面図である。
図3の位相シフタを含むMZIの平面図である。
本発明の実施例2の光信号処理装置の構成を示す平面図である。
本発明の実施例2の光信号処理装置の制御信号を示す波形図である。
本発明の実施例3の光信号処理装置の構成を示す平面図である。
本発明の実施例3の光信号処理装置の別構成を示す平面図である。
本発明の実施例3の光信号処理装置の制御信号の一例を示す波形図である。
実施例3の光信号処理装置の制御信号の他の例を示す波形図である。
実施例3の光信号処理装置の制御信号の更に他の例を示す波形図である。
切替周波数に対する位相シフタの位相変調量の変化を表す周波数特性図である。
本発明の光信号処理装置においてアレイダイオードを用いた構成を示す斜視図である。
本発明の実施例4のマトリックススイッチの構成を示す概念図である。
本発明の実施例5のマルチキャストスイッチの構成を示す図である。
(a)は本発明の実施例6のラティスフィルタの物理的回路構成例を示す図であり、(b)は(a)の電気的等価回路を示す図である。
本発明の実施例6において、交点に位相シフタを配置しない例を示す図である。
本発明の実施例7を説明する、16QAM信号コンスタレーションマップである。
本発明の実施例7を説明する、位相変調素子を含むマッハツェンダ干渉計の各部の光信号を示す図である。
図19の光信号の関係を示す複素信号ベクトル図である。
本発明の実施例7を説明する、位相変調素子の位相変調量と時分割駆動周波数の関係を示す周波数特性図である。
本発明の実施例8の光スイッチ駆動電流の波形図である。
本発明の実施例9の光スイッチ駆動電流の波形図である。

実施例

0026

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。

0027

(実施例1)
図2は、本発明の実施例1の光信号処理装置の電気回路構成を示すチップ平面図である。図2の光信号処理装置は、例えば3光入力、4光出力の光信号処理装置であって、基板として形成された光導波路チップ102上には、図示しない光導波路を通過する光信号の位相を変化させる12個の位相シフタ103−1〜103−12、および各位相シフタに対応する12個のダイオード104−1〜104−12が、図示のように4行3列アレイ構成で配置されて、電気配線で接続されている。

0028

図2において、左下の4つの行制御信号の電気配線パッド(端子)A,B,C,Dには、図示しない制御部から4つの行制御信号が供給されている。4つの行制御信号の配線は、左端の1列目のそれぞれの行位置行方向に2分岐され、2分岐された一方の配線は1列目の位相シフタに接続されてこれを制御し、1列目のダイオードを経て、列駆動の電気配線パッド(端子)1に集線される。

0029

左端の1列目において、4つの行制御信号の2分岐された他方の配線は、1行目は直接、1行目以外はワイヤボンディング配線106を経て、中央の2列目の分岐点に至る。2列目の分岐点において4つの行制御信号の配線は、それぞれの行位置で行方向にさらに2分岐される。

0030

中央の2列目において2分岐された4つの行制御信号の一方の配線は、2列目の位相シフタに接続されてこれを制御し、2列目のダイオードを経て、列駆動の電気配線パッド(端子)2に集線される。

0031

同様に、2列目において、4つの行制御信号の2分岐された他方の配線は、1行目は直接、1行目以外はワイヤボンディング配線106を経て、右端の3列目に至る。4つの行制御信号の配線は、3列目の位相シフタに接続されてこれを制御し、3列目のダイオードを経て、列駆動の電気配線パッド(端子)3に集線される。

0032

4つの行制御信号(A〜D)が集線された3つの列駆動の電気配線パッド(端子)1〜3は、図示しない列駆動手段からの列駆動信号により、行制御信号と同期して、それぞれ時分割駆動されている。

0033

このような構成により、位相シフタを有する被駆動エレメントへアクセスする行制御信号や列駆動信号の制御配線が、複数の被駆動エレメントで共有されており、列駆動信号と行制御信号で光信号処理装置を時分割制御することができる。

0034

(位相シフタの構造)
図3には、位相シフタ103−1〜103−12の光導波路に直交する面における光導波路チップ102のチップ断面図を示す。被駆動エレメントを構成する位相シフタは、ヒータ1001とその直下に配置された光導波路1006からなり、位相シフタのヒータ1001の両端に制御信号を印加することで発熱し、直下の光導波路1006に熱光学効果を生じて、当該部分の光導波路1006を通過する光信号の位相が位相シフト変調される。

0035

光導波路1006は、例えば、石英系光導波路ポリマ導波路、シリコン等により形成される。図3では埋め込み導波路構造を例として説明するが、リブ型や拡散型などの他の構造でも構わない。

0036

図4は、図3の位相シフタを含む被駆動エレメントの一例としてのMZI(マッハツェンダ干渉計)の平面図である。図3の位相シフタは、図4のMZIのアーム光導波路1006に設けられている。すなわち、図2の位相シフタ103−1〜103−12の各々の箇所には、図4に示すMZIが被駆動エレメントとして配置されている。

0037

MZIにおいては、その入力光導波路1002から入力された光信号が、方向性結合器1004によりアーム光導波路1006および1007に2分岐される。一方のアーム光導波路1006の上部には、図3のようにヒータ1001が設置されており、制御信号が印加されて熱光学効果によりアーム光導波路1006を通過する光信号の位相を位相シフト変調する。アーム光導波路1006および1007を経由した光信号は、次に、方向性結合器1005により合波され、合波される2つの光信号間位相差に応じて、MZIの出力光導波路1003もしくは1008に分配されて出力される。

0038

このような位相シフタを含むMZIを用いて、光スイッチや光減衰器などの機能を有する光素子を構成して、本願発明の光信号処理装置の被駆動エレメントとすることができる。

0039

(位相シフタのアドレス)
図2以下の本発明の実施例では、行制御信号(以下、行電極パッドの端子名と同じA〜Dで示す)と列駆動信号(同様に、列電極パッドの端子名1〜3で示す)で選択アクセスされる位相シフタ103−1〜103−12を、行列状に配置してアドレス付けし、行をアルファベットで、列を数字で表している。行と列の表示の順番は任意であるが、例えば位相シフタ103−1〜103−12が行方向優先の順で、それぞれA1〜A3、B1〜B3、C1〜C3、D1〜D3のアドレスに対応する。図では簡明に表現するため、四隅の位相シフタのアドレスA1、A3、D1、D3のみを例示している。

0040

同一の行に存在する位相シフタの一方の電極図2ではヒータの入力側)を横方向の行配線で接続し、他方の電極(図2ではダイオードのカソード側)同士を縦方向の列配線で接続する。本構成では、4行3列に位相シフタを配列している。

0041

図2では、行配線と列配線の交差をワイヤボンディング106によって跨ぐことで実現しているが、他の方法を用いても構わない。例えば、光導波路上の電気配線を多層化することにより配線を跨いでもよい。

0042

(位相シフタの駆動)
図2に示す光信号処理装置において、例えば、一番左の列かつ一番上の行の位相シフタ(A1)には、行配線用パッドAに高電位を供給し列配線用パッド1に低電位を供給して、電位差を発生させることで給電する。同様に、一番右の列かつ一番下の行の位相シフタ(D3)には、行配線用パッドDと列配線用パッド3の間に電位差を発生させることで給電する。

0043

位相シフタに電力を供給する際には、複数の位相シフタが電気的に接続されていることから、意図しない位相シフタにも電流が回り込むことで、電力が供給されてしまう可能性がある。これを防止するため、各位相シフタへの電気配線に直列にダイオード104−1〜104−12を付けることで、回り込む電流を防止し、意図しない位相シフタに給電することを抑止する。このダイオードは電気的整流特性のある素子、整流手段であればよく、pn接合ショットキーダイオードを使用することが可能である。また、シリコン導波路やInP導波路などの半導体材料による光導波路においては、光導波路内にpn接合を作りこむことで、整流特性を持たせることもできる。

0044

(電気パッド数、配線数)
上記のように電気配線を行うことにより、本実施例1では光導波路を有するチップから取り出される電気パッドの数は、位相シフタの数12に対して、7に削減される。これは、本発明では配線は行と列で共有され、配線数=行数列数になるためであり、従来の構成では、電極パッド数がヒータ数と等しい(行数×列数)ことを考えると、より多くの位相シフタを使用する場合にはより大きな効果が得られる。

0045

更に別の数値例で示すと、行方向に20、列方向に5の位相シフタが存在する場合、従来の配線方法では、20×5=100の配線が必要であったのに対して、本発明では制御配線が共有される結果、20+5=25と顕著な配線削減効果が得られる。

0046

また、行と列は可能な限り同数となるように行列を設定するのが、配線数を最小にする点で好ましい。制御すべき位相シフタの数をKとする場合、行配線数Mと列配線数Nとしたとき、
K=M×N
の関係がある。配線数M+Nの最小値はM=Nのときに実現され、このときの配線数は2×K1/2である。例えば、256個の位相シフタを有する場合、M=N=16として配線数は行配線、列配線を合わせて32本設置する場合が、もっとも配線数が少なく配線面積削減に効果がある。

0047

(実施例2)
図5は、本発明の実施例2の光信号処理装置として構成した光スイッチを示す平面図である。図5に示すように、光スイッチの光導波路チップ102は、行制御信号(A〜D)と列駆動信号(1〜3)を生成する制御信号発生部1010(電気信号制御手段)へと接続されている。制御信号発生部1010は、制御したい位相シフタをアドレスするように行配線電気パッドA〜Dのうち少なくとも一つと、列配線電気パッド1〜3のうち少なくとも一つに、時分割で同期した電気制御信号として行制御信号(A〜D)と列駆動信号(1〜3)を与える。

0048

図5には、光スイッチの入力光信号を与える3本の入力ファイバ101−1〜101−3、光スイッチの出力光信号を与える4本の出力ファイバ105−1〜105−4も示されており、それぞれの光入力端光出力端が、光導波路チップ102の基板に形成された光導波路の入力ポート、出力ポートを構成している。図5の実施例2のその他の部分は、図2の実施例1と同じであるので説明を省略する。

0049

(制御信号の時間波形
図6は、実施例2の光信号処理装置(光スイッチ)の制御方法を説明する、制御信号発生部1010が出力する制御信号の波形図である。図6で、A〜Dが行電極パッドの電位、1〜3が列電極パッドの電位を示す。

0050

図6では、時間軸横軸)の時刻は、位相シフタの熱時定数τよりも十分短い切替周期Tを更に4つの時間スロット(slot1〜4)に分けて、複数の制御信号の時間波形のレベルを高電位と低電位の間で同期して変化させる時分割制御信号とした例について説明する。図5のダイオードの導通する向きから明らかなように、行制御信号(A〜D)は高電位が有意信号(正論理)であり、列駆動信号(1〜3)は低電位が有意信号(負論理)である。図6には、各時間スロット(slot1〜4)で選択される位相シフタのアドレス(A1,B2,D3,(C1,C3))を示している。

0051

slot1においては、行配線のうち電気パッドAのみに対して高電位を与え、列配線のうち電気パッド1のみに低電位を与える。したがって、slot1においては、位相シフタA1のみに電位差が印加され、位相シフタA1がアドレスされる。

0052

slot2においては、行配線のうち電気パッドBのみに対して高電位を与え、列配線のうち電気パッド2に低電位を与える。したがって、slot2においては、位相シフタB2のみに電位差が印加され、位相シフタB2がアドレスされる。

0053

slot3においては、行配線のうち電気パッドDのみに対して高電位を与え、列配線のうち電気パッド3に低電位を与える。したがって、slot3おいては、位相シフタD3のみに電位差が印加され、位相シフタD3がアドレスされる。

0054

slot4においては、行配線のうち電気パッドCのみに対して高電位を与え、列配線のうち電気パッド1および3に低電位を与える。したがって、slot4においては、位相シフタC1とC3に電位差が印加され、位相シフタC1およびC3がアドレスされる。

0055

このような時間波形で、行制御信号(A〜D)と列駆動信号(1〜3)が時間スロットで同期した時分割制御信号として、複数の時間スロットを含む切替周期Tの時間波形の単位で反復して光信号処理装置の光導波路チップ102の電極パッドに印加されて、各位相シフタを制御する。

0056

上述のように、制御したい位相シフタに対して時分割同期して周期的に制御信号を印加することで、任意の位相シフタを個別に制御することが可能である。ここで各位相シフタがアドレスされる周期(切替周期T)は、位相シフタの時定数τよりも十分短く(T<τ)設定する。

0057

例えば、石英系光導波路における熱光学位相シフタ時定数は数ms程度であるから、切替周波数(fs=1/T)を数10kHz〜数100kHzとする。位相シフタが光信号に与える位相シフトは熱光学的に作用するため、位相シフタのヒータの発生する熱(電力)に対して時定数を持って作用する。位相シフタの熱変化の時定数は電気信号の時定数に比べ十分長いため、制御信号の1つの時間スロットないし切替周期Tの時間内には位相シフタが光信号に与える位相シフトは応答しない。しかし、複数の切替周期Tにわたって所定のパターンで制御信号の時間波形を反復することによって、アドレス選択された位相シフタの発生する熱(電力)が積分されて熱光学作用して、アドレス選択された位相シフタの光位相シフトに寄与する。

0058

なお、上記で制御信号を、複数の切替周期Tにわたって所定のパターンで反復するというのは、図示のように各切替周期T内の制御信号の時間波形が、反復される各切替周期Tにおいて、毎回同じ時間波形で繰り返すパターンであっても良いが、異なる時間波形で繰り返すパターンであっても良い。このような異なる時間波形で繰り返すパターンは、例えば各切替周期T毎に毎回、時間スロットの順番を巡回的に、あるいはランダムに入れ替えるなどして生成することができ、スイッチングノイズの低減に効果がある。

0059

この場合でも、パターンの周期(nT:n>1の整数)は、位相シフタの時定数(τ)よりは短いのが望ましく、各パターンの周期において、同じ位相シフタの組が同じ回数だけ駆動されるようにするのが望ましい。

0060

この様に制御することで、限られた数の電気配線によって、配列された全ての位相シフタの位相シフトを、熱変化の時定数の範囲内で自在に制御することが可能となる。単純に、選択された位相シフタが熱応答して位相変化を起こすまで待ってから制御信号を切り替えていたのでは、単に制御信号の切り替えが遅くなるのみならず、その間にアドレス選択されていない他の位相シフタが熱応答(温度低下)して位相変化を起こしてしまい、全ての位相シフタの自在な制御は実現できない。

0061

また、slot1〜3のように、特定の時間スロットにおいては単一の位相シフタを選択してアドレスすることも可能であるし、slot4のように、同じ行または列における複数の位相シフタを同時にアドレス選択することも可能である。制御すべき位相シフタの数に応じて、切替周期Tに含まれる時間スロットの数を増やし、あるいは減らして変更することも可能である。

0062

(実施例3)
図7は、本発明の実施例3の光信号処理装置(光スイッチ)の構成を示す平面図である。本実施例3の光信号処理装置は実施例2(図5)と同様な3光入力、4光出力の光信号処理装置であって、光導波路チップ102の基板上には、12個の位相シフタ103−1〜103−12、および各位相シフタに対応する12個のダイオード104−1〜104−12が、4行3列のアレイ構成で配置されて、電気配線で接続されている。

0063

光信号処理装置の光導波路チップ102は、列駆動信号(1〜3)と行制御信号(A〜D)を生成する制御信号発生部1010へと接続されており、3本の入力ファイバ101−1〜101−3からの入力光信号を、4本の出力ファイバ105−1〜105−4へ切り替え制御する光スイッチとして動作する。

0064

図7の実施例3において、制御信号発生部1010(電気信号制御手段) は、1対多(多対1)の入出力端子を有する切り替えスイッチ(配線選択手段)により構成された2つの電気スイッチ106,107、該電気スイッチを制御する制御回路108、例えば正負の2つの極を有する電源109(電力発生手段)を有している。図7において電源109は電流源として表現しているが、電源109を電圧源にして制御信号は電圧信号として駆動しても良い。

0065

実施例1の図2、あるいは実施例2の図5で示したと同様な構造により、各位相シフタ103へのアクセス電気配線は、行電気パッドA〜Dおよび列電気パッド1〜3を介して制御信号発生部1010へと接続されている。行配線の電気パッドA〜Dから取り出された電気配線は、電気スイッチ106の多数端子側に、列配線の電気パッド1〜3から取り出された電気配線は、電気スイッチ107の多数端子側に接続される。

0066

電気スイッチ106の単一端子側は、電源109の一方の極、例えば正極に接続され、電気スイッチ107の単一端子側は、電源109の他方の極、例えば負極に接続され、各電気パッドに電力を供給することができるようになっている。また、制御回路108が、これらの電気スイッチ106,107の切り替えタイミングを制御するように接続されている。

0067

図8は、本発明の実施例3の光信号処理装置の別構成を示す平面図である。図7の実施例3では電源109(電力発生手段)を1つとしたが、図8の実施例3の別構成では、負極が共通接続された複数の電源109−1〜4を用意している。また、例えば行駆動の電気スイッチ106(配線選択手段)を1対多(多対1)の切り替えスイッチではなく、個別の電源109−1〜4(電力発生手段)で駆動され、個別に制御される複数のON/OFFスイッチ106−1〜4で構成しており、複数のON/OFFスイッチ106−1〜4がそれぞれ個別に行制御信号A〜Dを駆動している。そして、制御回路108が、個別にON/OFFスイッチ106−1〜4のON/OFFを制御している。この構成により、行または列の配線を同時に複数、駆動することができる。

0068

一般に、光導波路を用いた多入力多出力光スイッチでは、MZIを例えば非特許文献2のFig.1にあるように複数接続していくことにより実現される。実施例3の光スイッチでは、入力光ファイバ101から入力された信号光が、どの出力ファイバ105から出力されるかを、どの位相シフタ103を駆動するかにより選択する。本実施例3のスイッチは、3入力4出力のスイッチであるため、入出力間の1対1接続のスイッチ状態としては3x4=12通り存在する。12通りの状態を独立に設定するためには、12の自由度が必要であり、12個の位相シフタを独立して制御する必要がある。

0069

(制御方法と制御信号の波形例)
図9から図11に、本実施例3の光信号処理装置の制御方法の説明として、制御信号発生部1010の発生する制御信号の波形図を例示する。

0070

図7、8の実施例3においても、実施例2(図5)で示したと同様の構造により、各位相シフタ103へのアクセス電気配線は、行電気パッドA〜Dおよび列電気パッド1〜3を介して制御信号発生部1010へと接続される。

0071

上記構成により、例えば、図7の一番上の行かつ一番左の列の位相シフタ(A1)には、行電気パッドAと列電気パッド1の間に電位差を発生することで給電でき、一番下の行かつ一番右の位相シフタ(D3)には、行電気パッドDと列電気パッド3の間に電位差を発生することで給電できる。制御信号発生部1010は、このような電位差を発生する制御信号を生成・送信する。

0072

制御信号発生部1010では、各電極に時分割で制御信号(電位差、電力等)を与えることが可能であれば、どのようなものを使用しても構わない。例えば、図6のような2値パルス波形に限らず任意波形発生器を用いて、時間的に電位が任意に変化するような信号を生成・送信することもできる。また、FPGA、CPU、DSPなどのGPIOピン直接電極パッドA〜D、1〜3に接続しても構わない。

0073

このとき、駆動する必要のある位相シフタに対し、時間を分割して順次給電する。例えば、図9に示すように一定の切替周期Tを3つの時間スロットに分割し、分割された各時間スロットでは、制御信号発生部1010の時分割同期制御により異なる位相シフタに給電するように動作させることもできる。図9では、A1,B2,D3の3つの位相シフタを駆動する際の制御信号発生部1010の発生する制御信号のパッド電位の時間波形の一例を示す。実施例2と同様に、制御信号の時間波形を、複数の切替周期Tにわたって同一又は異なる所定のパターンで反復してもよい。

0074

(制御信号の波形図の他の例)
図10図11は、切替周期Tを3つの時間スロットに分割する時分割制御のために、制御信号発生部1010が生成する制御信号の波形図の他の例である。図10では、スロット1において同じ行Aの位相シフタA1とA2に、スロット2において位相シフタB2に、スロット3において位相シフタD3に電位差を印加する。一方、図11では、スロット1において同じ列1の位相シフタA1とC1に、スロット2において位相シフタB2に、スロット3において位相シフタD3にそれぞれ電位差を印加する。

0075

図10図11に示す波形例は、どちらもスロット1において複数の位相シフタを同じタイミングで駆動する例であるが、他のスロット2,3であってもよい。すなわち、単一のスロットで行配線、列配線それぞれのうちで複数の配線に対して電位を制御することにより、同一の行もしくは同一の列に存在する複数の位相シフタを、単一のスロットで同時に駆動して光スイッチを制御することができる。

0076

さらに、ひとつの位相シフタで一つのスイッチ要素を駆動してもよいし、複数の位相シフタを用いて一つのスイッチ要素を駆動してもよい。この場合、一つのスイッチ要素を駆動するために使用する位相シフタを同時に駆動することで、時間分割スロット数を少なくすることも可能である。実施例2と同様に、制御信号の時間波形を、複数の切替周期Tにわたって同一又は異なる所定のパターンで反復してもよい。

0077

このような制御が可能な光信号処理装置としては、複数の位相シフタを用いるマトリックススイッチやマルチキャストスイッチ、ラティスフィルタやトランスバーサルフィルタ可変光減衰器アレイなどが挙げられる。

0078

(位相変調量の周波数特性と切替周波数)
制御信号発生部1010が生成する位相シフタの制御信号の切替周期Tは、位相シフタが反応する熱応答の時定数τよりも充分に短い時間とする。すなわち制御信号の切替周波数fs(=1/T)は、位相シフタが反応する熱応答の時定数τに対応する周波数(カットオフ周波数fc)よりも充分に高い周波数で行う。

0079

図12は、切替の周波数fに対する位相シフタの位相変調量の変化を表す周波数特性図である。ゆっくりとした切替の周波数f(f<fc:カットオフ周波数)の場合には、位相シフタの応答が1周期の間で追従するものの、その間に時分割で同時に制御している他の位相シフタの位相が変動してしまう。そのため、位相シフタの位相が変動しない程度に高い周波数で切り替えを行う(fc<fs=1/T)ことにより、時分割で制御する複数の位相シフタに対して、同時に電力を供給することができ、それぞれを駆動することができる。

0080

図6および図9〜11の制御信号の波形図の例では、切替周期Tや各スロットの時間幅は等しくしているが、駆動する複数の位相シフタのそれぞれに供給する電力量の割合を個別に制御したい場合には、たとえば切替周期Tの中で各位相シフタに割り当てるスロットの数や時間幅を変えてもよい。より多くの、あるいはより長い時間のスロットを割り当てることにより、該当する位相シフタへの供給電力の割合を上げることができる。または、スロットごとに電源109が出力する電流値もしくは電圧値を変化させても良い。

0081

時分割制御を行うに当たり、図12にあるように、被駆動エレメント(位相シフタ)の周波数特性は、高い周波数では位相変調量が減衰する。したがって、被駆動エレメントの応答が遅い(応答時間が長い、fcが小さい)ほうが、切替周波数(fs)も低くてもよくなるため、制御が容易になる。熱光学効果を用いた被駆動エレメントは比較的応答時間が遅く、したがって、制御が容易である。

0082

熱光学効果を用いた位相シフタのほかにも、磁気光学効果による偏波変調素子や、高速な応答を示す電気光学効果による光学変調素子においても、各被駆動エレメントに対してコンデンサ等を設置することで応答時間を等価的に長くすることで、本発明の効果を得ることが可能である。

0083

(整流手段)
また、電力を供給する際には、複数の位相シフタが電気的に接続されていることから、意図しない位相シフタにも電流が回り込むことで、電力が供給されてしまうのを防ぐための整流手段として、各位相シフタには直列にダイオードが設けられている。例えば図7でダイオードが無い場合には、位相シフタA1を駆動する際に、例えば電気パッドAに高電位を電気パッド1に低電位を印加する場合、アクセス配線パスとして、電気パッドA→位相シフタA2→位相シフタB2→位相シフタB1→電気パッド1の順で電流が流れ、予期しない位相シフタも駆動されることが起こりえる。

0084

これを防止するため、各位相シフタの出力側の電気配線(列駆動信号1〜3の配線)にダイオードを付けることで、電流の回り込みを防止し、意図しない位相シフタに給電することを抑止できる。このダイオードは位相シフタの入力側の電気配線(行制御信号A〜Dの配線)に設けてもよく、制御信号のレベルを反転すれば逆向きであってもよく、整流特性のある素子であればよく、pn接合やショットキーダイオードを使用することが可能である。好ましくは逆回復時間の短いスイッチングダイオードを用いるのが望ましい。さらに、シリコンやInPによる半導体光導波路であれば、光導波路内にpn接合を作りこむことで、整流特性を持たせることもできる。

0085

ダイオードアレイ
また、各位相シフタの片側は行または列の単位で集線されて電源もしくは電気スイッチに接続されるので、複数の整流素子を行または列の単位でまとめて、そのアノードもしくはカソードを行配線または列配線に接続して共通化したアレイとすることが可能である。
たとえば、図13に示すように、同一の列に並んだ位相シフタの出力側に接続されたダイオードのカソードを列配線に接続して共通化し、光導波路チップ102とは別の基板で1チップのアレイダイオード104Aとすることができる。図13では、簡単のため、行配線A〜Dと列配線1のみの部分を表示している。同一の行に並んだ位相シフタの入力側に接続されたダイオードのアノードを行配線に接続して共通化してもよい。

0086

図2の実施例1では、行配線と列配線の交差をワイヤボンディング106により実現したが、図13に示すダイオードアレイ104Aを用いた構成では、列配線が行配線とは別の基板上に形成されるため、行配線と列配線の交差を実現することが可能である。

0087

すなわち、図13では、光導波路チップ102の基板上に1列分のアレイダイオード104Aの基板を設置し、ワイヤボンディングにより各行配線A〜Dをアレイダイオード104A上の対応する各ダイオードのアノードに接続している。一方、アレイダイオードの共通カソードには列配線の電気パッド1が結線されている。このように、アレイダイオードのチップ基板上に列(もしくは行)の配線を設置することで、電気配線の交差を実現することができる。

0088

この場合、アレイダイオード104Aの光導波路チップ102上への実装には、図13のようにワイヤボンディングを用いても構わないが、アレイダイオード104Aのチップにビアや裏面へ廻り込む延長電極を設ければ、ワイヤボンディングによらず半田付けしても構わないことは明らかである。特に、半田リフロー等によりアレイダイオード104Aのチップを設置すれば、光導波路チップ102上でのワイヤボンディング工程を削減することができ、工程の短縮、コストの削減に寄与する。

0089

(実施例4:マトリックススイッチ)
実施例4の光信号処理装置として光スイッチがマトリックススイッチである場合、切替周期Tを時間分割するタイムスロット最大数は、位相シフタの数よりも小さくすることができる。このような多入力多出力スイッチの概念図を、図14に示す。

0090

図14光マトリックススイッチでは、入力側(横軸左端のIN−1〜3)から入ってきた3つの光信号を、4つのどの出力側(縦軸下端のOUT1〜4)に接続するかを、3x4=12個のスイッチ要素SWのON/OFFによって選ぶことができる。

0091

横軸と縦軸の各交点に配置されたスイッチ要素SWの状態は、横軸左側から入力した光信号を縦軸下方向に接続する状態(ON状態図14黒丸のSW、縦軸上方向から入力した光信号は、横軸右側に接続する)と、縦軸に接続しない状態(OFF状態図14白丸のSW、光信号は縦軸または横軸のまま交差して、SWを通過する)とで切り替えることができる。

0092

各交点に配置された光スイッチ要素SWのON/OFF状態を、位相シフタで制御することで、多入力多出力スイッチとして機能する。この時、位相シフタに給電しない場合にはOFFになるように光スイッチ要素SWを設計することで、入力数出力数の少ない方の数が給電する必要がある位相シフタの最大数となり、光スイッチの駆動電力も低減できる。

0093

したがって、同時に給電する必要のある位相シフタの最大数が、多入力多出力スイッチの入力数と出力数の少ない方の数であることから、時分割するタイムスロットの最大数も入力数と出力数の少ない方の数となる。

0094

本実施例4で示したように、タイムスロットの時分割数を削減にすることにより時分割周期Tを短縮、すなわち切替周波数を高く設定することができ、時分割駆動に起因する残留位相によるノイズ、歪みの低減に寄与する。

0095

(実施例5:マルチキャストスイッチ)
実施例5の光信号処理装置として光スイッチがマルチキャストスイッチ(MCS)である場合、前述のタイムスロットの時間分割数の最大数は、位相シフタの数よりも小さくすることができる。このような多入力多出力スイッチの構成図を図15に示す。

0096

図15(a)に示すMCSの光導波路の概略構成図では、入力ポート(IN−1〜3)からの3つの信号光は、入力側の3つのスプリッタ1501によりそれぞれ4分岐され、各出力ポート(OUT−1〜4)に、どの入力ポート(IN−1〜3)からの信号光を接続するかを、スイッチ要素(位相シフタ103−1〜12)で選択している。

0097

図15(b)に示すように制御信号発生部(電気信号制御手段)とアクセス電気配線を設けて位相シフタを制御することで、各出力ポート(OUT−1〜4)に向けて、どの入力ポート(IN−1〜3)の信号光をつなげるかを選択することができる。例えば3入力4出力のMCSであった場合には、出力ポートごとに3つのスイッチ要素が配置され、それらを12個の位相シフタ103−1〜12により制御する。

0098

この時、出力ポートに接続できる入力ポートはそれぞれ1つであることから、給電しない状態での光スイッチでは入力ポートからの信号が接続されないように設計することで、出力ポートごとに1つずつ位相シフタを制御すれば、全出力ポートへのスイッチングを実現することができる。この時、最大で駆動する位相シフタの数は3であり、タイムスロットの時分割の最大数も3とすることができる。

0099

また、MCSでは、光の可逆性から入力ポートと出力ポートを反転して使用することもできるが、この時にはスプリッタがカプラとして機能するために、スイッチの機能が変化する。そのため、この時には駆動する最大位相シフタ数とタイムスロットの時分割数は、入力ポート数となる。

0100

(実施例6:ラティスフィルタ)
本発明の光信号処理装置においては、位相シフタへの配線は行配線と列配線により行列(マトリックス)を構成することで、少ない電気配線の取り出しで各位相シフタの制御を実現することができる。この電気配線は、物理的に行列状に配線されていなくとも、等価回路として論理的に行列構成となっていればよい。

0101

図16(a)は、本発明の実施例6のラティスフィルタの物理的回路構成例を示す図であり、(b)は、(a)の電気的等価回路を示す図である。図16(a)では、光導波路基板上の実際の光導波路と位相シフタ103−1〜103−6、および位相シフタを制御する電気配線(行配線A,Bおよび列配線1〜3)の物理的レイアウトを示している。図16(a)には、整流手段としてのダイオードも示されている。

0102

光導波路の特性上、物理的に光導波路に極端曲げを設けることは困難を伴うが、電気配線のレイアウトには制約が少ない。このため、図16(a)に示すように、複数の位相シフタは物理的には一直線にレイアウトされることが多い。この場合においても、電気回路部分を等価回路に変換した図16(b)の電気的等価回路に示すように、論理的には行列状に位相シフタが配置されたものとして扱うことが可能である。

0103

また、本実施例6では、ラティスフィルタを例として説明したが、トランスバーサルフィルタやリング共振器によるフィルタ、MZIを用いる可変光減衰器アレイや、さらにはそれらを組み合わせた光信号処理装置にも本発明は適用可能である。さらに、実施例1〜4に示した光スイッチに適用することも可能である。

0104

また、図17に示すように、行配線と列配線の交点には必ずしも位相シフタなどの被駆動エレメントは存在しなくても構わない。図17では、行配線Bと列配線2の交点には位相シフタ103−5を配置しない例を示す。上述の行列状の配線においては、2次元にアクセス配線を展開することが眼目であり、厳密な行列を構成する必要はないことは明らかである。すなわち本発明に於ける行列(配列、アレイ、マトリックス)とは、部分的に空き要素を含むものであっても良く、粗(スパース)な配列であっても全体としてアクセス配線を展開することが可能であれば良い。

0105

(実施例7:QA光変調器
上述の実施例1〜6に記載のように、被駆動エレメントへのアクセスを時分割で行うことで、被駆動エレメントへのアクセス配線数を削減することが可能である。本発明の実施例7では、各被駆動エレメントへ時分割アクセスを行うの際の時分割駆動周波数fs(実施例1〜6における、切替周期Tに対応する周波数)について検討する。

0106

近年の光通信システムでは、周波数利用効率を高めるため、直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)フォーマットを用いて信号を伝送することが一般的である。QAM信号の生成には位相変調素子が必要となるが、被駆動エレメントが位相変調素子であるとき、時分割駆動周波数fsが十分高くない場合、位相変調素子の時分割駆動信号による位相変調成分がノイズとして、光変調されたQAM信号に重畳され、通信品質劣化させる可能性がある。したがって、時分割駆動周波数は、位相変調素子の応答よりも十分高いことが好ましい。

0107

図18図21は、上記の考え方に基づく実施例7を説明する概念図である。実施例7の図18図21では、16QAM信号を例に説明するが、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や64QAM等の他の変調フォーマットでも同様であることは明らかである。

0108

図18は、16QAM信号のコンスタレーションマップである。各シンボル点は情報に対応し、これらが十分に分離していることが正確な情報伝達には重要である。

0109

図19は、本実施例7において説明する光信号処理装置の位相変調素子153を含むマッハツェンダ干渉計の各部の光信号を示す図である。マッハツェンダ干渉計では、入力光信号Einがカプラ151により二分岐され、少なくともその一方が位相シフタである位相変調素子153により位相変調を受けたのちに、カプラ152を介して合波されてEoutとして出力される。この際、2分岐された光信号E1とE2との位相関係により、2つの出力のどちらに出力されるかが決定される。

0110

図19の場合、位相変調素子(位相シフタ)153により光信号E2が変調されるが、本発明の時分割駆動を用いる場合、E2に残留する駆動周波数成分が図20の複素信号ベクトル図に示されるように、変調光信号に重畳される。すなわち、光信号のマッハツェンダ出力後の光電界Eoutは、位相変調を付与されないアームを経由した光電界E1のフェーザ上の終点Pに、位相変調素子を有するアームを経由した光電界E2をベクトル合成したものであり、位相変調素子により付与される残留位相成分ΔφによりEoutは位相変調を受ける。

0111

ここで、出力光信号により付与される位相変調量は、図20中に重畳位相ψで示される位相量である。図18のQAM信号のコンスタレーションマップにおいて、この位相量ψ(残留変動成分)が、シンボル分離に必要な位相量θよりも大きくなる場合に信号誤りを生じ、正しく情報伝送ができなくなる。したがって、時分割駆動の周波数fsを位相変調素子の応答周波数fcよりも十分高く設定し、
ψ<θ
とするのが好ましい。好ましくは、
ψ<0.1×θ (1)
と設定する。

0112

図21は、位相変調素子の周波数応答(時定数τに対応するカットオフ周波数fc)と残留位相Δφおよび時分割駆動周波数fsの関係を示す周波数特性図である。

0113

熱光学効果による光位相変調素子(位相シフタ)の場合、その応答特性一次ローパスフィルタの特性であり、カットオフ領域では10dB/decの減衰特性を有する。したがって、(1)の関係を満たすためには、位相シフタの熱光学時定数をτとしたとき、そのカットオフ周波数fc=1/τに対して、時分割駆動の周波数fsを
fs>10×1/τ
とする。

0114

例えば、典型的な石英系光導波路の場合では、位相シフタの熱光学時定数τは1ms程度であるから、f=10kHzとすることでQAM信号に影響を与えることなく、本発明の光信号処理装置を制御することが可能である。

0115

(実施例8)
本実施例8では、各位相シフタに供給する電力量を個々に制御する手法を説明する。例えば、光信号処理装置上に配置される位相シフタごとに、供給電力に対して要求される位相シフト量が異なる場合、あるいは、フィルタや可変光減衰器などにおいて、オンオフのみならず中間位相値を設定する必要がある場合などにおいて、異なる電力量を位相シフタに印加して個別に位相シフト量を細かく制御したい状況がある。

0116

実施例2ないし3の図6、9〜11の制御信号の時間波形図に示したように、固定長の時間幅のタイムスロットにおいてオンオフの2値パルス波形の制御信号として、切り替え周期Tないし複数の切替周期Tにわたる所定のパターンの周期の中で、制御したい位相シフタを駆動するタイムスロットの数を変えて電力量を制御しても良いが、位相シフト量をより細かく連続的に制御したい場合には、位相シフタに供給する電力量をアナログ的に制御できれば好適である。

0117

図22の実施例8の光スイッチ駆動電流波形図は、電流駆動の場合に、固定幅タイムスロット内で電流を流すパルスの時間幅を変えて電力量をアナログ的に制御する例である。図22においては、例えば4x4のマトリックススイッチにおいて各光スイッチの番号を1〜16としたとき、上端1行目に示される番号の光スイッチの位相シフタを駆動する電流Iの時間波形が、4つ例示されている。

0118

この手法は、実施例3図7または8の電源109がタイムスロット内で電流を出力する時間ないし、電気スイッチ106、107の導通する時間幅を、制御回路108によって細かく段階的に、あるいは連続的に制御することで実現できる。

0119

なお、タイムスロット内に複数のパルスを発生させ、その数を変えるなどの方法によっても同じ効果が得られる。この制御方法によれば、位相シフタに流れる実効的な電流値を連続的に変化させるという特長が得られる。例えば、可変減衰器では、印加する電力を段階的あるいは連続的に変化することができ、出力光信号の強度を段階的あるいは連続的に変化させることが可能である。

0120

(実施例9)
図23の実施例9では、電力供給を時間的に制御するのではなく、固定のタイムスロット幅で、タイムスロット毎にパルスの波高レベルを変えて制御する例を示す。図23の光スイッチ駆動電流波形図は、図22と同様に上端1行目の番号の光スイッチの位相シフタを駆動する電流Iの時間波形を、4つ例示している。

0121

図23の実施例9では、タイムスロット幅およびパルス幅は一定のまま、電源109が出力するパルスの電流値をタイムスロットごとに段階的あるいは連続的なレベルで変化させ、位相シフタ毎に異なる電力を供給している。

0122

実施例8ないし実施例9のいずれの方法によっても、各位相シフタの位相シフト量をアナログ的により細かく制御することができる。実施例8、9の両方法を組み合わせても良いことはもちろんである。この場合は制御レベル可変範囲ダイナミックレンジ)を、より広く取ることが可能となる。

0123

また、実施例8、9の図22,23では電流駆動として光スイッチ電流を示したが、実施例2ないし3の図6、9〜11の制御信号の時間波形図におけると同様に、電圧駆動として電圧値を制御しても良く、あるいは電圧値と電流値の組み合わせで制御しても良いことも明らかであり、この場合は制御レベルの可変範囲(ダイナミックレンジ)を、更により広く取ることが可能となる。

0124

以上述べたように、本発明によれば光導波路を用いて実現される光スイッチや光フィルタ等の光信号処理装置における電気配線を削減することができ、チップサイズの削減が可能である。加えて、光導波路従来個別の位相シフタ毎に設置していた電源等の駆動手段を、複数の位相シフタで異なる時間タイミングで共有することで、電源等の駆動手段の数を削減することが可能である。上記の効果により、非信号処理装置の量産性を向上し、部品点数の削減を通じて装置の低廉化に寄与する。

0125

100電気配線
200電気パッド
102光導波路チップ
103−1〜103−12位相シフタ
104−1〜104−12ダイオード
104Aダイオードアレイ
A〜D 電気配線パッド(行制御信号端子
1〜3 電気配線パッド(列駆動信号端子
106ワイヤボンディング配線
101−1〜101−3入力ファイバ
105−1〜105−4出力ファイバ
153位相変調素子
1001ヒータ
1002入力光導波路
1003、1008出力光導波路
1004、1005、151,152方向性結合器(カプラ)
1006、1007 (アーム)光導波路
1010制御信号発生部
106、106−1〜4、107電気スイッチ(配線選択手段)
108制御回路
109、109−1〜4電源(電力発生手段)
1501 スプリッタ

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