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技術 焼成物の硬さ計測法および硬さ計測装置並びに解砕可否判定方法

出願人 住友金属鉱山株式会社
発明者 吉田智大
出願日 2018年9月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-167193
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-041819
状態 未査定
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 切り出し寸法 荷重計測器 経過状態 計測試料 被計測対象物 ブリネル硬さ 匣鉢内 荷重計測値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (4)

課題

焼成工程で得られた焼成物を、次工程の解砕工程に供するための可否を、短時間、且つ簡潔に判定する方法および判定装置を提供する。

解決手段

粉体の焼成物を被計測物とする硬さ計測方法であって、上面が水平面になるように設置されたステージ部上面に載置された被計測物の上方から、前記被計測物表面方向に向かって、先端が押し圧部を形成している真直な棒体圧子下降させていき、前記被計測物の表面への前記押し圧部の接触後、さらに前記圧子を、前記押し圧部が前記焼成物を突き抜けた直後まで下降させる動作を行ない、前記動作中に前記圧子が前記被計測物から受ける力を、荷重計測器により計測することを特徴とする硬さ計測法。

概要

背景

リチウムイオン二次電池正極活物質材料は、原料混合工程で原料となるリチウム化合物水酸化ニッケル遷移金属水酸化物を混合して原料混合物を調製し、焼成工程でセラミックス容器に原料混合物を充填して約800℃〜950℃で焼成して焼成物を得、解砕工程で焼成物を解砕して得られる(特許文献1)。

この焼成工程から得られた焼成物は、セラミックスのように固く焼結するが、リチウムイオン二次電池正極活物質材料として使用するためには、粒径約10μm程度の微粉に解砕する必要がある。
そこで、解砕工程での解砕方法は、例えば焼成物をロールクラッシャーで粗解砕し、次いでピンミル微粉砕するという方法が実施されている。
このロールクラッシャーの投入ホッパーに焼成物を連続的に投入する装置構成の場合であり、解砕対象の焼結物が硬すぎるとロールクラッシャーで粗解砕するために時間を要し、投入ホッパー内の焼成物レベル基準値を超えてレベル異常が発生する。このときは投入ホッパーへの焼成物の連続投入を停止し、レベル異常が解消してから投入ホッパーへの焼成物の連続投入を再開する。
また粗解砕された焼成物が、ピンミルのピンを破損し、ピンミルが故障するという問題も発生する。さらには、このピンが破損した結果、所望の粒度まで焼成物が解砕されないようになってしまう。

このような問題に対し、それらへの対策として、先ず、解砕対象の焼成物の硬度計測し、予め解砕工程で異常が発生しないような基準値(閾値)を設定し、その基準値よりも硬い焼成物は解砕工程で処理しないように選別、解砕ラインから除外する方法が挙げられる。
そこで、基準値を決めるための焼成物の硬度を知るための硬度計測方法には、ビッカース硬さ(HV)計測法やブリネル硬さ(HBS)計測法などが知られている。例えば特許文献2では、正極活物質粉末プレスして成形体を得て、得られた成形体を焼結することにより硬度が100〜600HVの焼結体を得る。その焼結体の硬度はビッカース硬さ計を用いて行っている。

この特許文献2に提案された硬度計測方法を、焼成工程で得られた焼成物の計測に適用した場合、匣鉢から焼成物の計測試料切り出し、形を整え、硬度計で計測する工程が必要で、合計で1匣鉢あたり3時間程度の計測時間を要していた。しかしながら、焼成工程で連続炉を用いて原料混合物を処理する場合は、焼成物の硬さの計測時間は数分程度で実施する必要があり、このため、焼成物の硬さが不明なまま焼成物を解砕工程に投入せざるを得ず、上記のようにロールクラッシャーのレベル異常やピンミルの破損の発生や焼成物が所望の粒度まで解砕されないという事態が発生することがあった。
このように、焼成物の硬さを短時間で計測し、後工程の解砕工程への投入可否を判定する簡便な方法がないため、工程管理が進まないという問題があった。

概要

焼成工程で得られた焼成物を、次工程の解砕工程に供するための可否を、短時間、且つ簡潔に判定する方法および判定装置を提供する。粉体の焼成物を被計測物とする硬さ計測方法であって、上面が水平面になるように設置されたステージ部上面に載置された被計測物の上方から、前記被計測物表面方向に向かって、先端が押し圧部を形成している真直な棒体圧子下降させていき、前記被計測物の表面への前記押し圧部の接触後、さらに前記圧子を、前記押し圧部が前記焼成物を突き抜けた直後まで下降させる動作を行ない、前記動作中に前記圧子が前記被計測物から受ける力を、荷重計測器により計測することを特徴とする硬さ計測法。 なし

目的

特開2017−16753号公報
特開2010−123396号公報






上記課題に鑑み、焼成工程で得られた焼成物を、次工程の解砕工程に供するための可否を、短時間、且つ簡潔に判定する方法およびその判定を行なうための焼成物の硬さを測定する計測装置と計測法を提供する

効果

実績

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請求項1

粉体焼成物被計測物とする硬さ計測方法であって、上面が水平面になるように設置されたステージ部上面に載置された被計測物の上方から、前記被計測物の表面方向に向かって、先端が押し圧部を形成している真直な棒体圧子下降させていき、前記被計測物の表面への前記押し圧部の接触後、さらに前記圧子を、前記押し圧部が前記焼成物を突き抜けた直後まで下降させる動作を行ない、前記動作中に前記圧子が前記被計測物から受ける力を、荷重計測器により計測することを特徴とする硬さ計測法。

請求項2

前記被計測物が、上方が開放された匣鉢に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の硬さ計測法。

請求項3

前記荷重計測器が、前記圧子と、荷重計測部から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬さ計測法。

請求項4

前記荷重計測器が、フォースゲージであることを特徴とする請求項3に記載の硬さ計測法。

請求項5

前記荷重計測器が、前記圧子と荷重計測部のロードセルから構成され、前記圧子が前記ロードセルに取付けられていることを特徴とする請求項3記載の硬さ計測法。

請求項6

前記圧子が、前記押し圧部に加わる力の大きさを、電流電圧抵抗の少なくとも1種に変換する「力−電気変換器の荷重計測部に接続されていることを特徴とする請求項1記載の硬さ計測法。

請求項7

焼成物を被計測物とする硬さ計測器(計測装置)であって、前記被計測物を配置するステージ部と、前記ステージ部の上方に、前記ステージ部の上面方向に移動可能なヘッド部を有し、前記ヘッド部で支持固定された荷重計測部と、前記荷重計測部と連結した先端に押し圧部を持つ圧子からなる荷重計測器を有することを特徴とする硬さ計測装置。

請求項8

前記荷重計測器が、フォースゲージであることを特徴とする請求項7に記載の硬さ計測装置。

請求項9

前記荷重計測器が、前記圧子と荷重計測部のロードセルから構成され、前記圧子が前記ロードセルに取付けられていることを特徴とする請求項7記載の硬さ計測装置。

請求項10

予め定められている基準値と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬さ計測法により計測された硬さ計測値との差fを算出し、「前記基準値−前記計測値=f>0」の関係にある場合に、前記被計測物の硬さを合格とし、前記被計測物を解砕工程に供する命令を発する合否判定機能を備えることを特徴とする請求項7に記載の硬さ計測装置。

請求項11

焼成物の解砕可否判定方法であって、前記焼成物を被計測物とし、予め定められている基準値と、請求項1〜6のいずれかに記載の硬さ計測法により計測された前記被計測物の硬さ計測値との差fを算出し、「前記基準値−前記計測値=f>0」の関係にある場合に、前記被計測物の硬さを合格とし、前記被計測物を解砕工程に供するものとする合否判定を下すことを特徴とする解砕可否の判定方法。

技術分野

0001

焼成物解砕する場合に、その硬さにより解砕の可否を判定するための焼成物の硬さ計測方法および計測装置、並びに解砕可否の判定方法に関する。

背景技術

0002

リチウムイオン二次電池正極活物質材料は、原料混合工程で原料となるリチウム化合物水酸化ニッケル遷移金属水酸化物を混合して原料混合物を調製し、焼成工程でセラミックス容器に原料混合物を充填して約800℃〜950℃で焼成して焼成物を得、解砕工程で焼成物を解砕して得られる(特許文献1)。

0003

この焼成工程から得られた焼成物は、セラミックスのように固く焼結するが、リチウムイオン二次電池正極活物質材料として使用するためには、粒径約10μm程度の微粉に解砕する必要がある。
そこで、解砕工程での解砕方法は、例えば焼成物をロールクラッシャーで粗解砕し、次いでピンミル微粉砕するという方法が実施されている。
このロールクラッシャーの投入ホッパーに焼成物を連続的に投入する装置構成の場合であり、解砕対象の焼結物が硬すぎるとロールクラッシャーで粗解砕するために時間を要し、投入ホッパー内の焼成物レベル基準値を超えてレベル異常が発生する。このときは投入ホッパーへの焼成物の連続投入を停止し、レベル異常が解消してから投入ホッパーへの焼成物の連続投入を再開する。
また粗解砕された焼成物が、ピンミルのピンを破損し、ピンミルが故障するという問題も発生する。さらには、このピンが破損した結果、所望の粒度まで焼成物が解砕されないようになってしまう。

0004

このような問題に対し、それらへの対策として、先ず、解砕対象の焼成物の硬度計測し、予め解砕工程で異常が発生しないような基準値(閾値)を設定し、その基準値よりも硬い焼成物は解砕工程で処理しないように選別、解砕ラインから除外する方法が挙げられる。
そこで、基準値を決めるための焼成物の硬度を知るための硬度計測方法には、ビッカース硬さ(HV)計測法やブリネル硬さ(HBS)計測法などが知られている。例えば特許文献2では、正極活物質粉末プレスして成形体を得て、得られた成形体を焼結することにより硬度が100〜600HVの焼結体を得る。その焼結体の硬度はビッカース硬さ計を用いて行っている。

0005

この特許文献2に提案された硬度計測方法を、焼成工程で得られた焼成物の計測に適用した場合、匣鉢から焼成物の計測試料切り出し、形を整え、硬度計で計測する工程が必要で、合計で1匣鉢あたり3時間程度の計測時間を要していた。しかしながら、焼成工程で連続炉を用いて原料混合物を処理する場合は、焼成物の硬さの計測時間は数分程度で実施する必要があり、このため、焼成物の硬さが不明なまま焼成物を解砕工程に投入せざるを得ず、上記のようにロールクラッシャーのレベル異常やピンミルの破損の発生や焼成物が所望の粒度まで解砕されないという事態が発生することがあった。
このように、焼成物の硬さを短時間で計測し、後工程の解砕工程への投入可否を判定する簡便な方法がないため、工程管理が進まないという問題があった。

先行技術

0006

特開2017−16753号公報
特開2010−123396号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記課題に鑑み、焼成工程で得られた焼成物を、次工程の解砕工程に供するための可否を、短時間、且つ簡潔に判定する方法およびその判定を行なうための焼成物の硬さを測定する計測装置と計測法を提供する。

課題を解決するための手段

0008

本発明の第1の発明は、粉体の焼成物を被計測物とする硬さ計測方法であって、上面が水平面になるように設置されたステージ部上面に載置された被計測物の上方から、前記被計測物表面方向に向かって、先端が押し圧部を形成している真直な棒体圧子下降させていき、前記被計測物の表面への前記押し圧部の接触後、さらに前記圧子を、前記押し圧部が前記焼成物を突き抜ける直後まで下降させる動作を行ない、前記動作中に前記圧子が前記被計測物から受ける力を、荷重計測器により計測することを特徴とする硬さ計測法である。

0009

本発明の第2の発明は、第1の発明における被計測物が、上方が開放された匣鉢に収容されていることを特徴とする硬さ計測法である。

0010

本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における荷重計測器が、前記圧子と、荷重計測部から構成されることを特徴とする硬さ計測法である。

0011

本発明の第4の発明は、第3の発明における荷重計測器が、フォースゲージであることを特徴とする硬さ計測法である。

0012

本発明の第5の発明は、第3の発明における荷重計測器が、前記圧子と荷重計測部のロードセルから構成され、前記圧子が前記ロードセルに取付けられていることを特徴とする硬さ計測法である。

0013

本発明の第6の発明は、第1の発明における圧子が、前記押し圧部に加わる力の大きさを、電流電圧抵抗の少なくとも1種に変換する「力−電気変換器の荷重計測部に接続されていることを特徴とする硬さ計測法である。

0014

本発明の第7の発明は、焼成物を被計測物とする硬さ計測器(計測装置)であって、前記被計測物を配置するステージ部と、前記ステージ部の上方に、前記ステージ部の上面方向に移動可能なヘッド部を有し、前記ヘッド部で支持固定された荷重計測部と、前記荷重計測部と連結した先端に押し圧部を持つ圧子からなる荷重計測器を有することを特徴とする硬さ計測装置である。

0015

本発明の第8の発明は、第7の発明における荷重計測器が、フォースゲージであることを特徴とする硬さ計測装置である。

0016

本発明の第9の発明は、第7の発明における荷重計測器が、前記圧子と荷重計測部のロードセルから構成され、前記圧子が前記ロードセルに取付けられていることを特徴とする硬さ計測装置である。

0017

本発明の第10の発明は、第7の発明において、予め定められている基準値と、第1から第6の発明のいずれかに記載の硬さ計測法により計測された硬さ計測値との差fを算出し、「前記基準値−前記計測値=f>0」の関係にある場合に、前記被計測物の硬さを合格とし、前記被計測物を解砕工程に供する命令を発する合否判定機能を備えることを特徴とする硬さ計測装置である。

0018

本発明の第11の発明は、焼成物の解砕可否の判定方法であって、前記焼成物を被計測物とし、予め定められている基準値と、請求項1〜6のいずれかに記載の硬さ計測法により計測された前記被計測物の硬さ計測値との差fを算出し、「前記基準値−前記計測値=f>0」の関係にある場合に、前記被計測物の硬さを合格とし、前記被計測物を解砕工程に供するものとする合否判定を下すことを特徴とする解砕可否の判定方法である。

発明の効果

0019

本発明によれば、焼成物の硬さ計測の時間を大幅に短縮することができ、全量検査を可能としたことで、解砕工程で異常を発生させる程度に硬い焼成物を予め判別でき、解砕工程に投入しないで済むようになり、解砕工程での異常発生頻度を低減し、生産性を向上させる。
又、簡易な方法で焼成物の硬さ計測を可能とし、解砕工程への投入可否を判定できるようになったため、硬い焼成物を発生させないような焼成条件の選択を可能とする。
更に、本発明に係る合否判定装置により、簡単に合否判定ができ、また製造ライン判定装置を組み込んで自動的に合格品のみ解砕工程に投入可能となり、工業上顕著な効果を奏する。

図面の簡単な説明

0020

合否判定のフロー図である。
本発明に係る硬さ合否判定装置の一例を示す概略説明図である。
実施例で用いた硬さ計測装置Aの概略説明図で、(a)は概略外観図、(b)から(d)は硬さ計測の経過状態を示す図で、(b)は被計測物と圧子の接触時、(c)は被計測物内部進行時、(d)は匣鉢表面に到達時を示すもので、(e)は圧子先端の押し圧部の形状の一例(先端:両刃状)を示す三面図である。
実施例における硬さ計測箇所を示す図である。

0021

本発明は、焼成工程で得られた焼成物を、次工程の解砕工程に供するための可否を、短時間、且つ簡潔に判定するための発明で、粉体の焼成物を被計測物とする硬さ計測方法でステージ部上面に載置された被計測物の上方から、先端が押し圧部を形成している真直な棒体の圧子を下降させ、被計測物の表面への押し圧部の接触後、さらに圧子を、押し圧部が焼成物を突き抜ける直後まで下降させる動作を行ない、その動作中に圧子が被計測物から受ける力を、荷重計測器により計測する硬さ計測法と、その硬さ計測方法を用いる硬さ計測装置、並びに焼成物の解砕可否の判定方法に関する発明である。

0022

[焼成物の硬さ計測]
1.焼成物の硬さ
先ず、硬さを計測する対象の焼成物は、匣鉢内で、その厚みは、約10cm以下とする。
匣鉢にセットされている焼成物に対して、その上方から金属棒を差し込むと、徐々に硬さがまし、焼成物の厚さの半分以上差し込んだところで急に硬くなって金属棒が差し込めなくなる。さらに力を入れて金属棒を差し込むと硬い焼成物が割れて金属棒が匣鉢まで到達する。
焼成物の硬さは、焼成物の底面から焼成物の厚さの約1/3までの下層が特に硬く、上記の問題点を引き起こす。
焼成物下層が特に硬くなる理由は明確ではないが、原料混合物中Li化合物が焼成工程で融解して、一部の未反応のLi化合物が焼成物下層に沈降し、冷却後Li化合物が濃縮した下層が硬くなるものと推量している。なお、上記硬さに厚み方向において、ばらつきのある焼成物は、粉砕しながら混合することで正極活物質の性能への問題は生じていない。

0023

2.計測方法
2−1.従来
一般的な硬さ計測方法は、下記2つの方法に大別され、被計測物の種類(金属、セラミックス、樹脂)により硬さ計測方法が適宜選択される。
(従来1)圧子(先端が鋭角の金属棒または鋼球)を被計測物に一定の荷重をかけて押し当て、被計測物にできた痕跡面積や深さから、被計測物の硬さを計測する。
(従来2)圧子(鋼球)を被計測物の上方の決まった高さから落下させたときの圧子(鋼球)の跳ね返り高さから、被計測物の硬さを計測する。
一般的な計測方法では、上記従来技術に記載したように、被計測物の切り出し寸法を調節、場合によっては研磨してから硬さを計測しなければならない。したがって製造現場に適用することは難しいものといえる。

0024

2−2.本発明計測方法
そこで、本発明では、棒状の圧子を被計測物(焼成物)に押し当て、圧子先端で被計測物(焼成物)を局所的に破砕しながら差し込んでいき、差し込む際の荷重を計測する。このとき計測された荷重を被計測物の硬さとする。

0025

圧子を被計測物に差し込む際の荷重を計測する荷重計測器には、フォースゲージ(プッシュプルゲージともいう)が適している。
このフォースゲージは、引張力圧縮力剥離力などの力を計測する機器であり、弾性体ゴム等)の硬さの計測にも用いられる。
フォースゲージの計測範囲は、ロールクラッシャーやピンミルなどの解砕工程で用いる解砕装置の、被解砕物の硬さに関する仕様や、これら機械使用実績から導かれる硬さの上限値が計測できるよう選定する。

0026

フォースゲージには、棒状の圧子(以下「圧子」と表記)を装着する。圧子は金属製の棒で焼成物の厚さより長いものである。さらに圧子は、細いと焼成物に差し込んでいる最中に折れる場合があるので、フォースゲージの計測範囲において折れない強度を有するのが望ましい。
その圧子の先端部には、押し圧部が備えられている。
圧子の先端の押し圧部は、両刃状、平面状、半球面状、錐状などの形状が採用できるが、焼成物の状態によって適宜選択が可能である。その際には、硬さの合否判定に用いる「基準値」は同じ押し圧部形状の圧子を用いた硬さ計測により得られたデータから決められたものを用いる。

0027

フォースゲージに圧子を装着し、焼成物の硬さを計測する箇所の上方で、圧子先端(以下、押し圧部を意味する)を垂直に下方に向け、フォースゲージを垂直に下げていく。
圧子先端が焼成物に接したところで、圧子をさらに垂直に焼成物に差し込んでいくと、フォースゲージで荷重が計測され始める。圧子が焼成物の下方に差し込まれる過程で、焼成物の硬さに応じて荷重計測値は変動し、焼成物の硬さが最も硬い部分に到達すると、フォースゲージで計測する荷重は最大値を示す。圧子の先端が匣鉢に到達するまで圧子を焼成物に差し込む。圧子の先端が匣鉢に到達した時点を、その計測点の計測終了時点とする。

0028

計測点における焼成物の硬さは、その計測点をフォースゲージで計測した荷重の最大値を採用する。
焼成物の硬さは、深さ方向だけでなく、水平方向=計測点毎に異なった値を示す。そのため匣鉢内の焼成物の硬さは、複数個所で計測するのが望ましい。例えば、匣鉢の大きさが幅300mm×奥行300mm×高さ110mm程度ある場合、幅方向および奥行方向におのおの2分割して、4区画に分け、各区画の中心付近の焼成物の硬さを計測し、各計測点の硬さの最大値の平均値を算出する。

0029

3.合否判定方法
次に合否(解砕可否)判定方法について説明する。
(1)基準値の設定
予め、上記計測方法で計測した焼成物の硬さの計測値と、解砕工程での異常発生との関係から、「焼成物の硬さ」と「異常発生の有無」との閾値を判定基準値として定める。
その際に、硬さの計測値として用いるデータは、その計測値を得た試料代表値となるもので、(a)1試料における計測値の最大値、(b)1試料における計測値の平均値などを用いる。

0030

(2)被計測物の硬さの計測
上記計測方法を用い、その硬さの計測値を求める。その計測値、又は、その計測値を元に平均値などを算出して基準値と比べる。
基準値と比べる値は、通常、計測値の平均値を充てるが、被計測対象物材質や用途などの諸要因によっては、計測値、そのものや最大値、最小値を採用して用いる場合もある。

0031

(3)判定
焼成物の硬さを計測した計測値や平均値等を算出して基準値と比較して、基準値未満の硬さを有する焼結体を合格品として後段の解砕工程に投入し、基準値以上の硬さを有する焼成物は不合格品として後段の解砕工程で処理をしないことにする。

0032

4.硬さ合否判定装置(合否(解砕可否)判定装置)
硬さ合否判定装置は、被計測物(焼成物)の硬さを計測して「計測値」を求める「硬さ計測装置」と、予め定めた硬さの基準値(閾値)と、先に求めた計測値を比較し、「f=基準値−計測値」により、その大小により被計測物の硬さを合否判定する「合否判定装置」とから構成されている。
硬さ合否判定装置における合否判定は、図1の工程で合否判定をする。

0033

図1から、「硬さ計測」により得られた計測値は、「合否判定」セクションに入力され、基準値設定セクションからの「基準値」からの差分「基準値−計測値」を計算し、その値fが、f>0の場合、即ち計測値が基準値未満であるときが「合格」とし、f≦0、即ち計測値が基準値以上であるときは「不合格」とし、「合格」の時には、次工程の「解砕工程」へ、被計測物の焼成物が送られて解砕される。一方、「不合格」の時には、製造ラインから除外され、別途再処理される。

0034

次に、硬さの計測を行い、合否判定を行なう「硬さ合否判定装置」について説明する。図2は本発明に係る硬さ合否判定装置の一例を示す概略説明図で、物の硬さを計測する「硬さ計測装置A」と、その合否判定を行なう「合否判定装置B」から構成されている。
図2に示す硬さ計測装置Aを例にすると、ヘッド部10には荷重計測器のフォースゲージ20またはフォースゲージのセンサー部にあたる荷重計測部のロードセル22、或いは「力−電気」」変換器(図示せず)を備える。
フォースゲージ20またはフォースゲージのセンサー部22には、先端に押し圧部21a(形状などは図3(e)参照)を持つ圧子21が装着され、この圧子21を被計測物1に差し込む際の力がヘッド部10(フォースゲージまたはフォースゲージセンサー部)に伝達される。

0035

このヘッド部10は、計測スタンド12の一部を構成している支柱部12aに、上下動可能なように接続され、このヘッド部10の上下の運動は、電動等速に移動することが望ましい。この場合、設定した速度でヘッド部10が上下できれば、なお望ましい。

0036

ステージ部11には焼成後の焼成物1が入った匣鉢2を配置する。
ヘッド部10が下降を開始し、圧子21の先端の押し圧部21aが焼結体1に接触し始めたときから、硬さの計測が始まり、硬さの電気信号を合否判定装置Bに出力する。
なお、図2では、ヘッド部10にフォースゲージ20またはフォースゲージセンサー部22を配置してヘッド部10が上下移動することで被計測物1の決まった点の硬さを計測可能な装置としているが、そのフォースゲージ20やフォースゲージセンサー部22が単一であっても、図のように複数設置してあっても良い。さらに、ヘッド部10がXYZ自在に運動することができる機構を硬さ計測装置が備えている場合、被計測物ごとに任意の点の硬さを計測可能であるし、ヘッド部がXYZ自在に運動可能な装置で決まった点の硬さを計測しても良い。

0037

合否判定装置Bは、上記のとおり被計測物1について予め定めた硬さの基準値と、硬さ計測装置Aで計測した被計測物1の硬さの計測値とを比較し、被計測物1が基準値よりも硬さが小さい場合に「合格」、基準値以上の場合に「不合格」と判定する。
合否判定装置Bには、例えばコンピュータ一種で、CPU(Central Processing Unit)と記憶装置を有する。記憶装置としては、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non−Volatile RAM)、HDD(Hard Disk Drive)等が挙げられる。

0038

合否判定装置Bは、被計測物1の硬さ計測装置Aでの計測結果について、硬さ計測装置Aとデータのやり取りができるように、ケーブルCで接続されている。その接続は合否判定装置Bの入力インターフェース(In−Int)を介して行なわれる。
硬さ計測装置Aでの被計測物1の硬さ計測結果と、記憶装置Mに予め記憶されていた被計測物の硬さの基準値とをCPUで比較し、合否判定を行い、その合否判定は出力インターフェース(Out−Int)を介して表示装置(Display)に表示・出力する。
また、合否判定を出力インターフェース(Out−Int)を介して、他の装置たとえば被測定物の入った匣鉢2の搬送装置に出力して、合格品は次工程の解砕工程に、不合格品は不合格処理工程に搬送することもできる。

0039

以下、本発明を、実施例を用いて詳述する。

0040

ニッケル水酸化物コバルト水酸化物マンガン水酸化物からなる遷移金属複合水酸化物を、公知の方法(特許文献1)により合成して得た。
この遷移金属複合酸化物水酸化リチウムをVブレンダに投入し、混合して原料混合物を作製し、得られた原料混合物を、焼成工程に供して匣鉢内寸法が幅300mm×奥行300mm×高さ110mmの匣鉢に6.0kgを充填し、原料混合物が充填された匣鉢を電気炉装入し、空気気流下950℃で4時間焼成した。4時間経過して焼成後、作製した焼成物を室温まで冷却し、電気炉から焼成物を匣鉢ごと取り出し、焼成物の硬さ計測に供した。

0041

次に硬さの計測は、図3(a)に概略外観図を示す硬さ計測装置Aを用いた。図3(a)の硬さ計測装置は、計測部にフォースゲージ20(株式会社シロ産業製「M123GJN−50N」)を使用し、その先端に押し圧部(両刃状、図3(e)、符号21a参照)を持つ、長さが150mmの圧子21を計測部22に装着し、匣鉢2内の焼成物1の硬さを計測した。
計測点は、図4丸数字で示す位置の8点で行った。

0042

硬さ計測の経過は、図3(b)、(c)、(d)が示す図3(a)の「a−a’」断面における圧子の位置が示すように、先ず、圧子21が被計測物の焼成物1に接触状態図3(b)の状態)になり、計測部22で、本発明おいて「硬さ」の定義している「荷重」を計測し始めたときからが狭義の「硬さの計測」が開始される。接触後、さらに焼成物2内部へ、圧子21を突き進めていく(図3(c)の状態)。焼成物2を貫通して匣鉢2の表面に到達した時点(図3(d)の状態)で圧子の動作は終了する。
荷重の観測は、圧子が動作している間、目視観測で行なう場合には、計測値の最大値を基準値と比較するデータとし、計測中は計測部22が示す極値注意して極値が基準値を超えないかどうかを観測する、通常は計測部22から計測している荷重に相当する電気信号を取り出し、合否判定装置へと出力し、入力インターフェース(IN−Int)を介して合否判定装置に入力された計測値は、記憶装置への記憶や演算装置(CPU)において計測値の最大値、及び平均値を求め、基準値と比較して「f=基準値−計測値」を求めて、被計測物である焼成物の硬さの合否判定を実施し、その合否判定信号を出力インターフェース(Out−Int))を介して製造工程の制御系送り出し、その後の解砕工程の実施、不実施を決定する。

0043

解砕工程の実施の有無に対する合否指標は、焼成物の「硬さ計測後」、匣鉢から取り出した焼成物を、ロールクラッシャーで粗解砕し、焼成物が硬い場合、ロールクラッシャーで粗解砕しているとき粉砕速度が遅くなるという、「投入ホッパーのレベル異常」が発生するが、その「レベル異常」発生の有無を、焼成物の硬さの合否指標とした。
計測箇所8点の硬さ計測に要した時間は、合計で4分であった。
硬さ計測結果および異常発生の有無を表1に示す。

0044

実施例1とは、匣鉢への原料混合物充填量が6.5kgであること以外は同様の条件、方法により、硬さ計測および異常発生の有無を確認した。
計測箇所8点の硬さ計測に要した時間は、合計で4分であった。
硬さ計測結果および異常発生の有無を表1に示す。

0045

(従来例)
ビッカース硬さ計を用い、実施例と同様に計測しようとしたが、焼成物の冷却に時間がかかったり、試料調製に時間がかかり、計測には3時間を要した。

実施例

0046

0047

A硬さ計測装置
B合否判定装置
接続ケーブル
M記憶装置
CPU演算装置
IN−Int入力インターフェース
UT−Int出力インターフェース
Display表示装置
1被計測物(焼成物)
2匣鉢
3計測点
10ヘッド部
11ステージ部
12計測スタンド
12a支柱部
20フォースゲージ
21圧子
21a 押し圧部(先端:両刃状)
22計測部(ロードセル:フォースゲージセンサー部)

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