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技術 排気後処理装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐久間哲哉
出願日 2018年9月6日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-166938
公開日 2020年3月19日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-041430
状態 未査定
技術分野 排気の後処理
主要キーワード マイクロ発振器 電気加熱装置 マイクロ波吸収体 電気加熱式 マイクロ波照射装置 二珪化モリブデン 照射停止 機関停止前
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

触媒層酸化機能活性化する前の炭化水素の外部排出量を抑制する。

解決手段

内燃機関100の排気通路に設けられる排気後処理装置33であって、排気中の炭化水素を吸着する機能を有する吸着層352と、排気流れ方向において吸着層352と同位置又は吸着層352よりも下流側に配置され、炭化水素を酸化させる酸化機能を有する触媒層353と、熱エネルギを発生させる熱エネルギ発生体と、を備え、熱エネルギ発生体によって発生させた熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギは、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくされる。

概要

背景

特許文献1には、通電されることで発熱する導電性基材によって、当該基材に担持された触媒を加熱できるように構成された電気加熱式触媒装置(EHC;Electrical Heated Catalyst)が開示されている。

概要

触媒層酸化機能活性化する前の炭化水素の外部排出量を抑制する。内燃機関100の排気通路に設けられる排気後処理装置33であって、排気中の炭化水素を吸着する機能を有する吸着層352と、排気流れ方向において吸着層352と同位置又は吸着層352よりも下流側に配置され、炭化水素を酸化させる酸化機能を有する触媒層353と、熱エネルギを発生させる熱エネルギ発生体と、を備え、熱エネルギ発生体によって発生させた熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギは、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくされる。

目的

本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、触媒層の温度が酸化活性温度になる前に、吸着層の温度が脱離温度になるのを抑制して、触媒層の酸化機能が活性化する前の炭化水素の外部排出量を抑制することを目的とする

効果

実績

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請求項1

内燃機関排気通路に設けられる排気後処理装置であって、排気中の炭化水素吸着する機能を有する吸着層と、排気流れ方向において前記吸着層と同位置又は前記吸着層よりも下流側に配置され、炭化水素を酸化させる酸化機能を有する触媒層と、熱エネルギを発生させる熱エネルギ発生体と、を備え、前記熱エネルギ発生体によって発生させた熱エネルギのうち、前記触媒層に供給される熱エネルギは、前記吸着層に供給される熱エネルギよりも大きい、排気後処理装置。

請求項2

前記触媒層に向けてマイクロ波照射するためのマイクロ波照射装置を備え、前記熱エネルギ発生体は、前記触媒層に含有されてマイクロ波が照射されることによって発熱するマイクロ波吸収体である、請求項1に記載の排気後処理装置。

請求項3

前記吸着層及び前記触媒層は、前記吸着層が下層となり、前記触媒層が上層となるように、基材の表面の同位置に層状に形成される、請求項1又は請求項2に記載の排気後処理装置。

請求項4

基材に通電して基材を発熱させるための電気加熱装置を備え、前記熱エネルギ発生体は、通電されることによって発熱する前記基材であり、前記吸着層及び前記触媒層は、前記吸着層が上層となり、前記触媒層が下層となるように、前記基材の表面の同位置に層状に形成される、請求項1に記載の排気後処理装置。

請求項5

基材に通電して基材を発熱させるための電気加熱装置を備え、前記熱エネルギ発生体は、通電されることによって発熱する前記基材であり、前記基材は、第1発熱部と、前記第1発熱部よりも排気流れ方向の下流側に形成されて前記第1発熱部よりも発生させる熱エネルギが大きい第2発熱部と、を備え、前記吸着層は、前記第1発熱部の表面に形成され、前記触媒層は、前記第2発熱部の表面に形成される、請求項1に記載の排気後処理装置。

請求項6

前記電気加熱装置は、前記第1発熱部に通電して前記第1発熱部を発熱させる第1加熱装置と、前記第2発熱部に通電して前記第2発熱部を発熱させる第2加熱装置と、を備え、前記第1発熱部と、前記第2発熱部と、は絶縁されており、前記第2加熱装置によって前記第2発熱部に供給される電力は、前記第1加熱装置によって前記第1発熱部に供給される電力よりも大きい、請求項5に記載の排気後処理装置。

請求項7

前記第2発熱部は、前記第1発熱部よりも通電時の抵抗が低い部材によって形成される、請求項5に記載の排気後処理装置。

請求項8

前記熱エネルギ発生体によって発生させる熱エネルギを制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記吸着層の温度が、前記吸着層から炭化水素が脱離し始める所定の脱離温度よりも低い所定の照射開始温度以上のときは、前記触媒層の温度が、前記脱離温度よりも高い温度であって酸化機能が活性化する所定の酸化活性温度以上になるまで、前記熱エネルギ発生体によって熱エネルギを発生させる、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の排気後処理装置。

請求項9

前記制御装置は、前記内燃機関の停止時において、前記吸着層に吸着された炭化水素の吸着量が所定の第1吸着量以上であって、前記触媒層において炭化水素を酸化させるために必要な酸素が存在するときは、前記吸着量が前記第1吸着量よりも小さい所定の第2吸着量になるまで、前記熱エネルギ発生体によって熱エネルギを発生させる、請求項8に記載の排気後処理装置。

請求項10

排気流れ方向において前記触媒層よりも上流側の前記排気通路に空気を供給する空気供給装置を備え、前記制御装置は、前記触媒層において炭化水素を酸化させるために必要な酸素が不足しているときは、前記空気供給装置によって前記排気通路に空気を供給する、請求項9に記載の排気後処理装置。

技術分野

0001

本発明は排気後処理装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、通電されることで発熱する導電性基材によって、当該基材に担持された触媒を加熱できるように構成された電気加熱式触媒装置(EHC;Electrical Heated Catalyst)が開示されている。

先行技術

0003

特開平9−173778号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1では、基材の表面に、炭化水素吸着する機能を有するHC吸着触媒コーティングした吸着層を形成し、吸着層の表面に三元触媒をコーティングした触媒層を形成していた。そのため、基材に通電することによって基材に発生させた熱エネルギは、常に触媒層よりも吸着層に多く供給されることになるので、触媒層の昇温速度よりも吸着層の昇温速度が速くなる。

0005

しかしながら、吸着層から炭化水素が脱離する脱離温度は、触媒層において炭化水素の酸化機能活性化する酸化活性温度よりも低い。そのため、特許文献1のものでは、触媒層の温度が酸化活性温度になる前に、吸着層の温度が脱離温度になってしまい、吸着層から脱離した炭化水素を触媒層において浄化することができずに、触媒層の酸化機能が活性化する前の炭化水素の外部排出量が増加するおそれがあった。

0006

本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、触媒層の温度が酸化活性温度になる前に、吸着層の温度が脱離温度になるのを抑制して、触媒層の酸化機能が活性化する前の炭化水素の外部排出量を抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、内燃機関排気通路に設けられる本発明のある態様による排気後処理装置は、排気中の炭化水素を吸着する機能を有する吸着層と、排気流れ方向において吸着層と同位置又は吸着層よりも下流側に配置され、吸着層から脱離した炭化水素を酸化させる酸化機能を有する触媒層と、熱エネルギを発生させる熱エネルギ発生体と、を備え、熱エネルギ発生体によって発生させた熱エネルギのうち、触媒層に供給される熱エネルギは、吸着層に供給される熱エネルギよりも大きくされる。

発明の効果

0008

本発明のこの態様によれば、触媒層の温度が酸化活性化温度になる前に、吸着層の温度が脱離温度になるのを抑制することができるので、触媒層の酸化機能が活性化する前の炭化水素の外部排出量を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関及び内燃機関を制御する電子制御ユニット概略構成図である。
図2は、排気流れ方向に沿った本発明の第1実施形態による基材の要部拡大図である。
図3は、本発明の第1実施形態による触媒暖機制御について説明するフローチャートである。
図4は、本発明の第2実施形態によるパージ制御について説明するフローチャートである。
図5は、本発明の第3実施形態による内燃機関及び内燃機関を制御する電子制御ユニットの概略構成図である。
図6は、本発明の第4実施形態による内燃機関及び内燃機関を制御する電子制御ユニットの概略構成図である。
図7は、排気流れ方向に沿った本発明の第4実施形態による基材の要部拡大図である。
図8は、本発明の第4実施形態による触媒暖機制御について説明するフローチャートである。
図9は、本発明の第6実施形態による排気後処理装置の概略構成図である。
図10は、排気流れ方向に沿った本本発明の第6実施形態による基材の要部拡大図である。
図11は、本発明の第6実施形態による排気後処理装置の概略構成図である。
図12は、排気流れ方向に沿った本本発明の第6実施形態による基材の要部拡大図である。

実施例

0010

以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。

0011

(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。

0012

内燃機関100は、機関本体1と、吸気装置20と、排気装置30と、を備える。内燃機関100は、例えば車両に搭載されて、車両を走行させるための駆動力を発生させる。

0013

機関本体1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上面に固定されたシリンダヘッド3と、を備える。

0014

シリンダブロック2には、複数のシリンダ4が形成される。シリンダ4の内部には、燃焼圧力を受けてシリンダ4の内部を往復運動するピストン5が収められる。ピストン5は、コンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)と連結されており、クランクシャフトによってピストン5の往復運動が回転運動に変換される。シリンダヘッド3の内壁面、シリンダ4の内壁面及びピストン冠面によって区画された空間が燃焼室6となる。

0015

シリンダヘッド3には、シリンダヘッド3の一方の側面に開口すると共に燃焼室6に開口する吸気ポート7と、シリンダヘッド3の他方の側面に開口すると共に燃焼室6に開口する排気ポート8と、が形成される。

0016

またシリンダヘッド3には、燃焼室6と吸気ポート7との開口を開閉するための吸気弁9と、燃焼室6と排気ポート8との開口を開閉するための排気弁10と、吸気弁9を開閉駆動する吸気カムシャフト11と、排気弁10を開閉駆動する排気カムシャフト12と、が取り付けられる。

0017

さらにシリンダヘッド3には、燃焼室6内に燃料噴射するための燃料噴射弁13と、燃料噴射弁13から噴射された燃料と空気との混合気を燃焼室6内で点火するための点火プラグ14と、が取り付けられる。本実施形態では、燃料として理論空燃比が14.6であるガソリンを用いているが、他の燃料を用いることもできる。なお、燃料噴射弁13は、吸気ポート7内に燃料を噴射するように取り付けてもよい。

0018

吸気装置20は、吸気ポート7を介してシリンダ4内に空気を導くための装置であって、エアクリーナ21と、吸気管22と、吸気マニホールド23と、電子制御式スロットル弁24と、エアフローメータ211と、を備える。

0019

エアクリーナ21は、空気中に含まれる砂などの異物を除去する。

0020

吸気管22は、一端がエアクリーナ21に連結され、他端が吸気マニホールド23のサージタンク23aに連結される。吸気管22によって、エアクリーナ21を介して吸気管22内に流入してきた空気(吸気)が吸気マニホールド23のサージタンク23aに導かれる。

0021

吸気マニホールド23は、サージタンク23aと、サージタンク23aから分岐してシリンダヘッド側面に形成されている各吸気ポート7の開口に連結される複数の吸気枝管23bと、を備える。サージタンク23aに導かれた空気は、吸気枝管23bを介して各シリンダ4内に均等に分配される。このように、吸気管22、吸気マニホールド23及び吸気ポート7が、各シリンダ4内に空気を導くための吸気通路を形成する。

0022

スロットル弁24は、吸気管22内に設けられる。スロットル弁24は、スロットルアクチュエータ25によって駆動され、吸気管22の通路断面積を連続的又は段階的に変化させる。スロットルアクチュエータ25によってスロットル弁24の開度(以下「スロットル開度」という。)の調整することで、各シリンダ4内に吸入される吸気量が調整される。スロットル開度は、スロットルセンサ212によって検出される。

0023

エアフローメータ211は、スロットル弁24よりも上流側の吸気管22内に設けられる。エアフローメータ211は、吸気管22内を流れる空気の流量(以下「吸気量」という。)を検出する。

0024

排気装置30は、燃焼室6内で生じた燃焼ガス(排気)を浄化して外気に排出するための装置であって、排気マニホールド31と、排気管32と、排気後処理装置33と、空燃比センサ213と、排気温度センサ214と、を備える。

0025

排気マニホールド31は、シリンダヘッド側面に形成されている各排気ポート8の開口と連結される複数の排気枝管31aと、排気枝管31aを集合させて1本にまとめた集合管31bと、を備える。

0026

排気管32は、一端が排気マニホールド31の集合管31bに連結され、他端が外気に開口している。各シリンダ4から排気ポート8を介して排気マニホールド31に排出された排気は、排気管32を流れて外気に排出される。

0027

排気後処理装置33は、マイクロ波照射装置34と、触媒コンバータ35と、を備える。

0028

マイクロ波照射装置34は、マイクロ波電源341と、マイクロ波発振器342と、伝送ケーブル343と、マイクロ波照射アンテナ344と、を備える。

0029

マイクロ波電源341は、マイクロ波発振器342と電気的に接続されており、マイクロ波発振器342でマイクロ波を発生させるために必要な電力をマイクロ波発振器342に対して供給する。マイクロ波電源341は、専用の電源であってもよいし、また内燃機関100が車両に搭載されている場合であれば、車両用バッテリであってもよい。

0030

マイクロ波発振器342は、マイクロ波電源341の電力によって駆動されて、所定周波数のマイクロ波を発生させる。

0031

伝送ケーブル343は、マイクロ波発振器342で発生させたマイクロ波をマイクロ波照射アンテナ344まで伝送するためのケーブルであって、一端がマイクロ発振器に接続され、他端がマイクロ波照射アンテナ344に接続される。

0032

マイクロ波照射アンテナ344は、触媒コンバータ35よりも排気流れ方向上流側に位置する排気管32の内部に配置される。マイクロ波照射アンテナ344は、伝送ケーブル343を介して伝送されてきたマイクロ波を触媒コンバータ35に照射する。

0033

触媒コンバータ35は、排気管32に設けられ、排気流れ方向に沿った複数の通路を有する基材351を備える。図2は、排気流れ方向に沿った基材351の要部拡大図である。

0034

図2に示すように、基材351の表面には、排気中の有害物質である炭化水素(HC)を吸着する機能を有するHC吸着触媒を含む吸着層352と、炭化水素を酸化させる酸化機能を有する排気浄化触媒(例えば酸化触媒や三元触媒)を含む触媒層353と、が形成される。

0035

このとき本実施形態では、排気浄化触媒に加えて、マイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波吸収体が触媒層353に含まれるようにしている。また本実施形態では、基材351の表面に吸着層352を形成し、吸着層352の表面に触媒層353を形成している。すなわち本実施形態では、下層が吸着層352となり、上層が触媒層353となるように、排気流れ方向において吸着層352と触媒層353とを同位置に配置し、基材351の表面に吸着層352と触媒層353とを層状に形成している。以下、その理由について説明する。なお、HC吸着触媒としては、例えばゼオライトが挙げられる。排気浄化触媒としては、例えばアルミナ(Al2O3)などの担体に、白金(Pt)やパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属を担持させたものが挙げられる。マイクロ吸収体としては、例えば炭化ケイ素粒子SiC粒子)などの誘導体や、フェライトなどの磁性体が挙げられる。

0036

触媒層353に含まれている排気浄化触媒の酸化機能を活性化させて、所望の酸化率浄化率)で炭化水素を酸化(浄化)させるためには、触媒層353の温度を所定の酸化活性温度Tact(例えば300[℃])まで昇温させる必要がある。そのため、例えば内燃機関100の冷間始動時など、触媒層353の温度が酸化活性温度Tact未満のときには、触媒層353において炭化水素を十分に酸化させることができず、炭化水素の外部排出量が増加するおそれがある。

0037

これに対し、本実施形態のように吸着層352を形成することで、触媒層353の温度が酸化活性温度Tact未満のときに機関本体1から排出された排気中の炭化水素を、吸着層352に一時的に吸着しておくことができるので、炭化水素の外部排出量を抑制することができる。

0038

しかしながら、吸着層352に吸着された炭化水素が吸着層352から脱離し始める脱離温度Tdes(例えば150[℃])は、酸化活性温度Tactよりも低い。そのため、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上、かつ触媒層353の温度が酸化活性温度Tact未満の状態になってしまうと、吸着層352から脱離した炭化水素を触媒層353において十分に浄化することができなくなり、炭化水素の外部排出量が一時的に増加することになる。

0039

このような炭化水素の外部排出量の一時的な増加を抑制するためには、触媒層353の温度が酸化活性温度Tact未満のときには、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上になる前に、触媒層353の温度が酸化活性温度Tactまで昇温させる必要がある。

0040

そこで本実施形態では、マイクロ波照射装置34を設けて触媒層353にマイクロ波吸収体を含ませると共に、排気流れ方向において吸着層352と触媒層353とを同位置に配置し、基材351の表面に吸着層352と触媒層353とを層状に形成したのである。

0041

これにより、マイクロ波照射装置34によってマイクロ波を触媒コンバータ35に照射することで、触媒層353に含まれているマイクロ吸収体を発熱させ、マイクロ波吸収体と共に触媒層353を直接的に加熱することができる。そして触媒層353と吸着層352との温度差が或る程度生じると、主に触媒層353からの伝熱によって吸着層352を間接的に加熱することができる。そのため、マイクロ波吸収体にマイクロ波を照射することによって発生させた熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギを、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくすることができる。

0042

したがって、触媒層353の昇温速度を、吸着層352の昇温速度よりも速くすることができるので、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上になる前に、触媒層353の温度が酸化活性温度Tactまで昇温させることができる。

0043

図1戻り、空燃比センサ213は、排気マニホールド31の集合管31bに設けられ、触媒コンバータ35に流入する排気の空燃比(以下「排気空燃比」という。)を検出する。

0044

排気温度センサ214は、触媒コンバータ35よりも下流側の排気管に設けられ、触媒コンバータ35から流出した排気の温度を検出する。

0045

電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バス201によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)202、RAM(ランダムアクセスメモリ)203、CPU(マイクロプロセッサ)204、入力ポート205及び出力ポート206を備える。

0046

入力ポート205には、前述したエアフローメータ211などの出力信号以外にも、外気温度を検出するための外気温度センサ215の出力信号が、対応する各AD変換器207を介して入力される。また入力ポート205には、機関負荷を検出するための信号として、アクセルペダル220の踏み込み量(以下「アクセル踏込量」という。)に比例した出力電圧を発生する負荷センサ217の出力電圧が、対応するAD変換器207を介して入力される。また入力ポート205には、機関回転速度などを算出するための信号として、機関本体1のクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ218の出力信号が入力される。このように入力ポート205には、内燃機関100を制御するために必要な各種センサの出力信号が入力される。

0047

出力ポート206は、対応する駆動回路208を介して、燃料噴射弁13などの各制御部品に接続される。

0048

電子制御ユニット200は、入力ポート205に入力された各種センサの出力信号に基づいて、各制御部品を制御するための制御信号を出力ポート206から出力して内燃機関100を制御する。

0049

電子制御ユニット200は、空燃比センサ213によって検出された排気空燃比が目標空燃比となるように、内燃機関100を制御する。具体的には電子制御ユニット200は、排気空燃比が目標空燃比となるように、排気空燃比に基づいて燃料噴射弁13からの燃料噴射量をフィードバック制御する。

0050

また電子制御ユニット200は、内燃機関100の冷間始動時など、触媒層353の排気浄化触媒の酸化機能を活性化させる必要があるときに、触媒コンバータ35を暖機するための触媒暖機制御を実施する。具体的には前述したように、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上になる前に、触媒層353の温度が酸化活性温度Tact以上となるように、マイクロ波の照射を実施する。この場合、電子制御ユニット200は、排気後処理装置33の制御装置として機能する。

0051

図3は、本実施形態による触媒暖機制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを例えば内燃機関100の運転中(機関運転中)に所定の演算周期で繰り返し実行する。

0052

テップS1において、電子制御ユニット200は、内燃機関100の始動時(機関始動時)であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、機関始動時であればステップS2の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、機関始動後の機関運転中であれば、ステップS3の処理に進む。

0053

ステップS2において、電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TA及び触媒層353の温度TCの初期値を算出する。吸着層352の温度TA及び触媒層353の温度TCの初期値は、機関始動時における吸着層352及び触媒層353の温度であり、例えば内燃機関100を前回停止したときの吸着層352の温度TA及び触媒層353の温度TCや、内燃機関100を前回停止してからの経過時間、外気温度、内燃機関100の冷却水の温度などに基づいて推定することができる。

0054

ステップS3において、電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAが、所定の照射開始温度Tmw以上であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAが、照射開始温度Tmw以上であれば、ステップS3の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAが、照射開始温度Tmw未満であれば、ステップS10の処理に進む。

0055

照射開始温度Tmwは、触媒層353に含まれているマイクロ吸収体に対してマイクロ波の照射を開始する閾値となる吸着層352の温度であって、脱離開始温度Tdesよりも低い温度に設定される。本実施形態では照射開始温度Tmwを、吸着層352の温度TAが照射開始温度Tmwになった時点で触媒層353に含まれているマイクロ吸収体に対してマイクロ波の照射を開始すれば、吸着層352の温度TAが脱離温度Tdes以上になる前に、触媒層353の温度TCを酸化活性温度Tactまで昇温させることが可能な温度に設定している。

0056

ステップS4において、電子制御ユニット200は、本ルーチンとは別途に機関運転中に随時算出している吸着層352に吸着された炭化水素の推定量(以下「推定吸着量」という。)QHCを読み込む。

0057

推定吸着量QHCは、例えば以下のようにして算出することができる。すなわち、機関本体1から排出される単位時間当たりの炭化水素の量は、排気空燃比等の機関運転状態に応じて変動する。また、吸着層352から脱離する単位時間当たりの炭化水素の量は、基本的に吸着層352の温度TAに依存する。そこで電子制御ユニット200は、予め実験等によって作成されたマップを参照し、機関運転状態と、吸着層352の温度TAと、に基づいて、機関本体1から排出された炭化水素のうち吸着層352に吸着される単位時間当たりの炭化水素の量(正の値)と、吸着層352から脱離する単位時間当たりの炭化水素の量(負の値)と、を随時算出し、これらを積算したものを推定吸着量QHCとして随時算出している。

0058

ステップS5において、電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが、所定の照射開始吸着量Qmwよりも大きいか否かを判定する。電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが照射開始吸着量Qmwよりも大きければ、ステップS6の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが照射開始吸着量Qmw以下であれば、ステップS10の処理に進む。

0059

照射開始吸着量Qmwは、触媒層353に含まれているマイクロ吸収体に対してマイクロ波の照射を開始する閾値となる吸着量であって、仮に吸着層352に吸着された炭化水素が吸着層352から脱離して触媒層353において十分に浄化されずに外気に排出される状態になったとしても、排気性能に問題が生じない程度の吸着量に設定される。本実施形態では、照射開始吸着量Qmwをゼロに設定している。

0060

ステップS6において、電子制御ユニット200は、触媒層353の温度TCが、酸化活性温度Tact未満であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、触媒層353の温度TCが、酸化活性温度Tact未満であれば、ステップS7の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、触媒層353の温度TCが、酸化活性温度Tact以上であれば、ステップS10の処理に進む。

0061

ステップS7において、電子制御ユニット200は、マイクロ波照射装置34を駆動してマイクロ波を触媒コンバータ35に照射し、触媒層353に含まれているマイクロ吸収体を発熱させる。

0062

ステップS8において、電子制御ユニット200は、触媒層353の温度TCに、マイクロ波吸収体の発する熱エネルギに起因する単位時間当たりの触媒層353の温度上昇量ΔTmw[℃]を加算して、触媒層353の温度TCを更新する。このマイクロ波吸収体の発する熱エネルギに起因する触媒層353の温度上昇量ΔTmwは、例えば予め実験等によって定めた所定値とすることができる。

0063

ステップS9において、電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAに、機関本体1から排出される排気の熱エネルギに起因する単位時間当たりの吸着層352の温度上昇量ΔTAeng[℃]を加算して、吸着層352の温度TAを更新する。また同様に、電子制御ユニット200は、触媒層353の温度TCに、機関本体1から排出される排気の熱エネルギに起因する単位時間当たり触媒層353の温度上昇量ΔTCeng[℃]を加算して、吸着層352の温度TCを更新する。

0064

ここで排気の熱エネルギは、基本的に内燃機関100の負荷等の機関運転状態に依存する。そのため、基材351の上層に形成された触媒層353の温度上昇量ΔTCengに関しては、例えば機関運転状態に基づいて算出することができる。また基材の351の下層に形成された吸着層352の温度上昇量ΔTAengに関しては、触媒層353との温度差の影響も受けるので、例えば機関運転状態と触媒層353との温度差に基づいて算出することができる。

0065

ステップS10において、電子制御ユニット200は、マイクロ波の照射を実施していた場合には、マイクロ波の照射を停止してステップS9の処理に進み、マイクロ波の照射を実施していなかった場合には、そのままステップS9の処理に進む。

0066

以上説明した内燃機関100の排気通路に設けられる本実施形態による排気後処理装置33は、排気中の炭化水素を吸着する機能を有する吸着層352と、排気流れ方向において吸着層352と同位置に配置され、吸着層352から脱離した炭化水素を酸化させる酸化機能を有する触媒層353と、熱エネルギを発生させる熱エネルギ発生体と、を備えており、熱エネルギ発生体によって発生させた熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギは、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくされる。

0067

これにより、内燃機関100の冷間始動時など、触媒層353の酸化機能を活性化させる必要があるときに熱エネルギ発生体によって熱エネルギを発生させることで、触媒層353の昇温速度を、吸着層352の昇温速度よりも速くすることができる。そのため、触媒層353の温度が脱離温度Tdesよりも高い酸化活性温度Tact以上になる前に、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上になるのを抑制することができる。すなわち、触媒層353の酸化機能が活性化する前に、吸着層352から炭化水素が脱離する状態になってしまうのを抑制できる。そのため、触媒層353の酸化機能が活性化する前の炭化水素の外部排出量を抑制することができる。

0068

本実施形態において、排気後処理装置33は、触媒層353に向けてマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置34を備えており、熱エネルギ発生体は、触媒層353に含有されてマイクロ波が照射されることによって発熱するマイクロ波吸収体である。これにより、触媒層353に含まれているマイクロ吸収体を発熱させ、触媒層353を直接的に加熱することができる。そのため、マイクロ波吸収体にマイクロ波を照射することによって発生させた熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギを、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくすることができる。

0069

このとき、吸着層352が下層となり、触媒層353が上層となるように、吸着層352と触媒層353とを基材351の表面の同位置に層状に形成することで、以下の効果も得ることができる。

0070

すなわち、触媒コンバータ35の内部において、吸着層352が気相(排気)と直接接していないため、吸着層352から脱離した炭化水素は、必ず触媒層353を介して気相に放出されることになり、直接気相に放出されることがない。したがって、吸着層352から脱離した炭化水素が、触媒層353で酸化されずに直接的に気相に放出されて、外部に排出されるのを抑制することができる。

0071

また本実施形態による排気後処理装置33は、熱エネルギ発生体によって発生させる熱エネルギを制御する電子制御ユニット200(制御装置)を備え、電子制御ユニット200は、吸着層352の温度が、吸着層352から炭化水素が脱離し始める所定の脱離温度Tdesよりも低い所定の照射開始温度Tmw以上のときは、触媒層353の温度が、脱離温度Tdesよりも高い温度であって酸化機能が活性化する酸化活性温度Tact以上になるまで、熱エネルギ発生体によって熱エネルギを発生させるように構成されている。これにより、吸着層352の温度が脱離温度Tdesになる前に、触媒層353の温度が酸化活性温度Tactとなるように制御することができる。

0072

(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、吸着層352に吸着された炭化水素を、必要に応じて強制的に吸着層352から脱離させるパージ制御を実施する点で、第1実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。

0073

内燃機関100の始動後、吸着層352の温度TAが脱離温度Tdes以上になる前に内燃機関100が停止されるような運転が繰り返された場合には、吸着層352に吸着された炭化水素の量が、吸着層352において吸着可能な炭化水素の量の上限値を超えてしまうおそれがある。そうすると、次に内燃機関100を始動したときに、吸着層352に炭化水素を吸着させることができなくなるので、炭化水素の外部排出量が増加するおそれがある。

0074

そこで本実施形態では、例えば内燃機関100の停止時に、推定吸着量QHCが所定のパージ開始吸着量Qlim以上になっていて、炭化水素を酸化させるために必要な酸素が存在している場合には、マイクロ波照射装置34を駆動してマイクロ波を触媒コンバータ35に照射することとした。そしてこれにより、触媒コンバータ35の触媒層353に含まれているマイクロ吸収体を発熱させて吸着層352を間接的に加熱し、吸着層352から強制的に炭化水素を脱離させることとした。

0075

図4は、この本実施形態によるパージ制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを例えば機関停止中に所定の演算周期で繰り返し実行する。

0076

ステップS21において、電子制御ユニット200は、機関停止中であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、機関停止中であればステップS22の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、機関停止中でなければ今回の処理を終了する。

0077

ステップS22において、電子制御ユニット200は、停止時照射フラグFが0に設定されているか否かを判定する。停止時照射フラグFは、機関停止中にマイクロ波を照射しているときに1に設定されるフラグであって、初期値は0に設定される。電子制御ユニット200は、停止時照射フラグFが0に設定されていれば、ステップS23の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、停止時照射フラグFが0に設定されていれば、ステップS30の処理に進む。

0078

ステップS23において、電子制御ユニット200は、本ルーチンとは別途に機関運転中に随時算出していた吸着層352の推定吸着量QHCを読み込む。

0079

ステップS24において、電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが、パージ開始吸着量Qlim以上であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCがパージ開始吸着量Qlim以上であれば、ステップS25の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCがパージ開始吸着量Qlim未満であれば、今回の処理を終了する。なおパージ開始吸着量Qlimは、吸着層352において吸着可能な炭化水素の量の上限値よりも小さい値である。

0080

ステップS25において、電子制御ユニット200は、予め実験等によって作成されたテーブル等を参照し、推定吸着量QHCに基づいて、当該推定吸着量QHC分の炭化水素を酸化するために必要な酸素量(以下「要求酸素量」という。)を算出する。

0081

ステップS26において、電子制御ユニット200は、触媒コンバータ35の内部酸素量が要求酸素量以上か否かを判定する。なお内部酸素量は、例えば触媒層353に酸素吸蔵能力を有する物質(例えばセリア(CeO2))が含まれている場合には、触媒層353に吸蔵された酸素量とすることができる。また機関停止前の機関運転状態に応じた排気通路内の酸素量とすることもできるし、それらの合計とすることもできる。電子制御ユニット200は、内部酸素量が要求酸素量以上であれば、ステップS27の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、内部酸素量が要求酸素量未満であれば、今回の処理を終了する。

0082

ステップS27において、電子制御ユニット200は、マイクロ波照射装置34を駆動してマイクロ波の照射を実施すると共に、停止時照射フラグFを1に設定する。これにより、触媒層353に含まれているマイクロ吸収体を発熱させて、触媒層353を直接的に加熱すると共に、吸着層352を間接的に加熱する。

0083

ステップS28において、電子制御ユニット200は、機関停止前の触媒層353の温度TCに、マイクロ波吸収体の発する熱エネルギに起因する単位時間当たりの触媒層353の温度上昇量ΔTCmwを加算して、触媒層353の温度TCを更新する。

0084

ステップS29において、電子制御ユニット200は、機関停止前の吸着層352の温度TAに、マイクロ波吸収体の発する熱エネルギに起因する単位時間当たりの吸着層352の温度上昇量ΔTAmw[℃]を加算して、吸着層352の温度TAを更新する。このマイクロ波吸収体の発する熱エネルギに起因する吸着層352の温度上昇量ΔTAmwは、例えば触媒層353との温度差に基づいて算出することができる。

0085

ステップS30において、電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAが脱離温度Tdes未満であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAが脱離温度Tdes未満であれば、ステップS28の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、吸着層352の温度TAが脱離温度Tdes以上であれば、ステップS31の処理に進む。

0086

ステップS31において、電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCから、吸着層352から脱離する単位時間当たりの炭化水素の脱離量ΔQHCを減算して、推定吸着量QHCを更新する。なお、吸着層352の温度TAが脱離温度Tdes以上になっているときは、基本的に触媒層353の温度も酸化活性温度Tact以上となっているため、吸着層352から脱離した炭化水素は触媒層353において酸化される。

0087

ステップS32において、電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが、所定の照射停止吸着量Qminよりも大きいか否かを判定する。照射停止吸着量Qminは、パージ制御を終了する閾値となる吸着量であって、例えばゼロに設定される。電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが照射停止吸着量Qminよりも大きければステップS28の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、推定吸着量QHCが照射停止吸着量Qmin以下であれば、ステップS33の処理に進む。

0088

ステップS33において、電子制御ユニット200は、マイクロ波の照射を停止すると共に、停止時照射フラグFを0に設定する。

0089

以上説明した本実施形態によれば、電子制御ユニット200は、内燃機関100の停止時において、吸着層352に吸着された炭化水素の推定吸着量QHCが所定のパージ開始吸着量Qlim(第1吸着量)以上であって、触媒層353において炭化水素を酸化させるために必要な酸素が存在するときは、推定吸着量QHCがパージ開始吸着量Qlimよりも小さい所定の照射停止吸着量Qmin(第2吸着量)になるまで、熱エネルギ発生体によって熱エネルギを発生させるように構成されている。

0090

これにより、内燃機関100の始動時において、吸着層352における炭化水素の吸着量が上限に達して炭化水素が吸着できなくなるのを抑制できる。そのため、内燃機関100の始動時に炭化水素の排出量が増加するのを抑制することができる。

0091

(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、パージ制御時に炭化水素を酸化させるために必要な酸素量が不足している場合には、空気を触媒コンバータ35に供給することができるようにした点で、第2実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。

0092

図5は、本実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。

0093

図5に示すように、本実施形態による内燃機関100の排気後処理装置33は、マイクロ波照射装置34及び触媒コンバータ35に加えて、空気供給装置36を備える。

0094

空気供給装置36は、触媒コンバータ35よりも排気流れ方向上流側の排気管32に接続された空気導入管361と、空気導入管361を介して2次空気(外気)を排気管32、ひいては触媒コンバータ35に圧送するためのポンプ362と、を備える。

0095

これにより、前述した第2実施形態では、図4のフローチャートのステップS26において、内部酸素量が要求酸素量未満であった場合には、マイクロ波の照射を実施せずにパージ制御を終了させていたが、本実施形態では、このような場合であってもポンプ362を駆動して空気を排気管32に導入することで、パージ制御を実施することができる。

0096

以上説明した本実施形態によれば、排気後処理装置33は、排気流れ方向において触媒層353よりも上流側の排気管32(排気通路)に空気を供給する空気供給装置36を備えており、電子制御ユニット200は、触媒層353において炭化水素を酸化させるために必要な酸素が不足しているときは、空気供給装置36によって排気管32に空気を供給するように構成されている。

0097

これにより、機関停止時においては、推定吸着量QHCがパージ開始吸着量Qlim以上である場合には、常にパージ制御を実施することができる。そのため、機関始動時において、吸着層352における炭化水素の吸着量が上限に達して炭化水素が吸着できなくなるのを確実に防止して、機関始動時に炭化水素の排出量が増加するのを防止することができる。

0098

(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、排気後処理装置33の構成が第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。

0099

図6は、本実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。

0100

前述した第1実施形態では、触媒層353に含まれていたマイクロ波吸収体にマイクロ波を照射し、マイクロ波吸収体を発熱させることで触媒層353を加熱していた。

0101

これに対して本実施形態では、基材351を、例えば炭化ケイ素(SiC)や二珪化モリブデン(MoSi2)などの通電されることにより発熱する材料によって形成し、基材351に通電して基材351を発熱させることで触媒層353を加熱する。

0102

そのために本実施形態による排気後処理装置33は、触媒コンバータ35と、基材351に通電して基材351を発熱させるための電気加熱装置37と、を備える。

0103

電気加熱装置37は、基材351に電圧印可するための一対の電極371を備える。一対の電極371は、それぞれ電気的に絶縁された状態で基材351に電気的に接続されると共に、基材351に印加する電圧を調整するための電圧調整回路372を介して電気加熱用電源373に接続される。電気加熱用電源373は、専用の電源であってもよいし、また内燃機関100が車両に搭載されている場合であれば、車両用のバッテリであってもよい。

0104

一対の電極371を介して基材351に電圧を印加して基材351に電力を供給することで、基材351に電流が流れて基材351が発熱する。一対の電極371によって基材351に印加する電圧は、電子制御ユニット200によって電圧調整回路372を制御することで調整可能であり、例えば電気加熱用電源373の電圧をそのまま印加することも、電気加熱用電源373の電圧を任意の電圧に調整して印加することも可能である。

0105

図7は、排気流れ方向に沿った本実施形態による基材351の要部拡大図である。

0106

図7に示すように、基材351の表面には、吸着層352と、触媒層353と、が形成されている。なお本実施形態による触媒層353には、マイクロ波吸収体は含まれていない。

0107

そして本実施形態のように、基材351を介して触媒層353の加熱を行う場合、基材351の発する熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギを、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくするには、基材351の表面に触媒層353を形成し、触媒層353の表面に吸着層352を形成する必要がある。すなわち本実施形態では、下層が触媒層353となり、上層が吸着層352となるように、排気流れ方向において吸着層352と触媒層353とを同位置に配置し、基材351の表面に吸着層352と触媒層353とを層状に形成している。

0108

図8は、本実施形態による触媒暖機制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを例えば機関運転中に所定の演算周期で繰り返し実行する。なお図8のフローチャートにおいて、ステップS1からステップS6、及びステップS9では、第1実施形態と同様の処理を実施しているので、ここでは説明を省略する。

0109

ステップS41において、電子制御ユニット200は、基材351に対する通電を実施して、基材351を発熱させる。

0110

ステップS42において、電子制御ユニット200は、触媒層353の温度TCに、基材351の発する熱エネルギに起因する単位時間当たりの触媒層353の温度上昇量ΔTehc[℃]を加算して、触媒層353の温度TCを更新する。この基材351の発する熱エネルギに起因する触媒層353の温度上昇量ΔTehcは、例えば予め実験等によって定めた所定値とすることができる。

0111

ステップS43において、電子制御ユニット200は、基材351に対する通電を実施して場合には、通電を停止してステップS8の処理に進み、基材351に対する通電を実施していなかった場合には、そのままステップS8の処理に進む。

0112

以上説明した本実施形態によれば、排気後処理装置33は、基材351に通電して基材351を発熱させるための電気加熱装置37を備えており、熱エネルギ発生体は、通電されることによって発熱する基材351であり、吸着層352及び触媒層353は、吸着層352が上層となり、触媒層353が下層となるように、基材351の表面の同位置に層状に形成されている。このように排気後処理装置33を構成しても、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。

0113

(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、排気後処理装置33の構成が第4実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。

0114

図9は、本実施形態による排気後処理装置33の概略構成図である。図10は、排気流れ方向に沿った本実施形態による触媒コンバータ35の基材351の要部拡大図である。

0115

図9及び図10に示すように、本実施形態による触媒コンバータ35の基材351は、第1発熱部351aと、第1発熱部351aよりも排気流れ方向の下流側に形成された第2発熱部351bと、第1発熱部351aと第2発熱部351bとの間に設けられて第1発熱部351aと第2発熱部351bとを電気的に絶縁する絶縁部351cと、を備える。

0116

そして、本実施形態による排気後処理装置33は、第1発熱部351a及び第2発熱部351bに対して、それぞれ独立に電力を供給できるように2つの電気加熱装置37a、37bを備える。電気加熱装置37a、37bの構成は前述した第4実施形態のものと同様であるが、本実施形態では、第2発熱部351bに対する単位時間当たりの電力供給量が、第1発熱部351aに対する単位時間当たりの電力供給量よりも大きくなるようにしている。

0117

第2発熱部351bに対する単位時間当たりの電力供給量を、第1発熱部351aに対する単位時間当たりの電力供給量よりも大きくする方法としては、例えば第2発熱部351bに電力を供給する電気加熱装置37bの電気加熱用電源373bを、第1発熱部351aに電力を供給する電気加熱装置37aの電気加熱用電源373aよりも高電圧の電源にして、第2発熱部351bに印可する電圧を第1発熱部351aに印可する電圧よりも高くすることが挙げられる。またこれ以外にも、電気加熱装置37a、37bの電圧調整回路372a、372bを電子制御ユニット200によってそれぞれ制御して、第2発熱部351bに印可する電圧を第1発熱部351aに印可する電圧よりも高くすることが挙げられる。

0118

このように、第2発熱部351bに対する単位時間当たりの電力供給量を、第1発熱部351aに対する単位時間当たりの電力供給量よりも大きくすることで、第2発熱部351bで発生させる熱エネルギを、第1発熱部351aで発生させる熱エネルギよりも大きくすることができる。

0119

そして図10に示すように、本実施形態では、第1発熱部351aの表面に吸着層352を形成し、第2発熱部351bの表面に触媒層353を形成し、排気流れ方向において触媒層353が吸着層352よりも排気流れ方向の下流側に配置されるように、基材351に吸着層352と触媒層353とをそれぞれ別々に形成している。

0120

これにより、触媒層353の昇温速度を、吸着層352の昇温速度よりも速くすることができるので、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上になる前に、触媒層353の温度が酸化活性温度Tactまで昇温させることができる。

0121

以上説明した本実施形態による排気後処理装置33は、排気中の炭化水素を吸着する機能を有する吸着層352と、排気流れ方向において吸着層352よりも下流側に配置され、吸着層352から脱離した炭化水素を酸化させる酸化機能を有する触媒層353と、熱エネルギを発生させる熱エネルギ発生体と、を備えており、熱エネルギ発生体によって発生させた熱エネルギのうち、触媒層353に供給される熱エネルギは、吸着層352に供給される熱エネルギよりも大きくなっている。

0122

本実施形態において、排気後処理装置33は、基材351に通電して基材351を発熱させるための電気加熱装置37を備え、熱エネルギ発生体は、通電されることによって発熱する基材351である。基材351は、第1発熱部351aと、第1発熱部351aよりも排気流れ方向の下流側に形成されて第1発熱部351aよりも発生させる熱エネルギが大きい第2発熱部351bと、を備えており、吸着層352は第1発熱部351aの表面に形成され、触媒層353は第2発熱部351bの表面に形成されている。

0123

このように排気後処理装置33を構成しても、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。

0124

(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、排気後処理装置33の構成が第4実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。

0125

図11は、本実施形態による排気後処理装置33の概略構成図である。図12は、排気流れ方向に沿った本実施形態による触媒コンバータ35の基材351の要部拡大図である。

0126

図11及び図12に示すように、本実施形態による触媒コンバータ35の基材351は、第1発熱部351aと、第1発熱部351aよりも排気流れ方向の下流側に形成された第2発熱部351bと、を備えており、第2発熱部351bは、第1発熱部351aよりも抵抗値の低い材料によって構成されている。

0127

これにより、電気加熱装置37によって基材351に通電することで、第1発熱部351aよりも抵抗値の低い材料によって構成された第2発熱部351bで発生させる熱エネルギを、第1発熱部351aで発生させる熱エネルギよりも大きくすることができる。

0128

そのため、図12に示すように、第1発熱部351aの表面に吸着層352を形成し、第2発熱部351bの表面に触媒層353を形成し、排気流れ方向において触媒層353が吸着層352よりも排気流れ方向の下流側に配置されるように、基材351に吸着層352と触媒層353とをそれぞれ別々に形成することで、触媒層353の昇温速度を、吸着層352の昇温速度よりも速くすることができる。したがって、吸着層352の温度が脱離温度Tdes以上になる前に、触媒層353の温度が酸化活性温度Tactまで昇温させることができる。

0129

このように、第2発熱部351bを、第1発熱部351aよりも通電時の抵抗が低い部材によって形成して、第2発熱部351bで発生させる熱エネルギを、第1発熱部351aで発生させる熱エネルギよりも大きくしても、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。

0130

以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。例えば上記実施形態は適宜組み合わせることができる。

0131

また上記の第1実施形態では、同一の基材351に層状に吸着層352と触媒層353とを形成していたが、例えば排気管32に2つの触媒コンバータ35に設け、排気流れ方向上流側の触媒コンバータ35の基材351に吸着層352を形成すると共に、排気流れ方向下流側の触媒コンバータ35の基材351にマイクロ波吸収体を含む触媒層353を形成し、排気流れ方向下流側の触媒コンバータ35に対してマイクロ波を照射するようにしても良い。

0132

34マイクロ波照射装置
100内燃機関
200電子制御ユニット(制御装置)
351基材
351a 第1発熱部
351b 第2発熱部
352吸着層
353 触媒層

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