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技術 足袋用織物及びそれを用いた足袋

出願人 東洋紡株式会社
発明者 鈴木智也富岡喜昭明石國弘成田道哉河端秀樹
出願日 2018年9月11日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-169793
公開日 2020年3月19日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-041235
状態 未査定
技術分野 織物 靴下類;パンティストッキング
主要キーワード 静電防止加工 キャラコ 押込み加工 残留水分率 滑り片 摩擦溶融 編成物 評価メジャー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

速乾性に優れ、寸法変化が小さく、滑り難い、足袋等に用いる織物を提供する。

解決手段

本発明の足袋用織物は、ポリエステル紡績糸フィラメント糸とを交織したポリエステル繊維から成る織物であり、目付が70〜190g/m2であり、少なくとも経方向静摩擦係数Fsが0.50〜1.50であり、10cm×10cm片に、気温20℃、相対湿度65%の空間で0.6mgの水を滴下し、吊り干しした際に、拡散性残留水分率が100%から10%以下になるまでの時間が30分以内であり、JIS L 1096 E法によって計測した寸法変化率縦横いずれも±1.5%以内である。

概要

背景

従来から足袋に用いられている素材としては、綿、等の天然繊維化繊を使ったものがある。特に、綿織物は、肌触りがよく吸乾性があることから圧倒的によく用いられてきた。しかし、綿は、吸乾性はあるが、運動夏場などで多量に発汗して足袋が濡れると、乾きにくく不快になりやすい。また、洗濯した後なども乾燥するのに時間が掛かって不便である。さらに、綿は洗濯を繰り返したときの寸法変化率が大きいといった欠点がある。

そのため、足袋を日常的に使用する者にとって、速乾性に優れ、寸法変化の少ない足袋の要望が高い。この要望を満たすために、特許文献1には、外側の生地としてポリエステルフィラメントを用いた足袋、特許文献2には、起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を内面に配置した編成物を用いた地下足袋の提案がある。

概要

速乾性に優れ、寸法変化が小さく、滑り難い、足袋等に用いる織物を提供する。本発明の足袋用織物は、ポリエステル紡績糸フィラメント糸とを交織したポリエステル繊維から成る織物であり、目付が70〜190g/m2であり、少なくとも経方向静摩擦係数Fsが0.50〜1.50であり、10cm×10cm片に、気温20℃、相対湿度65%の空間で0.6mgの水を滴下し、吊り干しした際に、拡散性残留水分率が100%から10%以下になるまでの時間が30分以内であり、JIS L 1096 E法によって計測した寸法変化率が縦横いずれも±1.5%以内である。なし

目的

本発明の目的は、速乾性があり、寸法変化が小さく、且つ滑りにくい足袋等に用いる織物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリエステル紡績糸フィラメント糸とを交織したポリエステル繊維から成る織物であり、目付が70〜190g/m2であり、少なくとも経方向静摩擦係数Fsが0.50〜1.50であり、10cm×10cm片に、気温20℃、相対湿度65%の空間で、0.6mgの水を滴下し、吊り干しした際に、拡散性残留水分率が100%から10%以下になるまでの時間が30分以内であり、JISL1096E法によって計測した寸法変化率縦横いずれも±1.5%以内である、ことを特徴とする足袋用織物。

請求項2

ポリエステル紡績糸を経糸のみに用い、かつ、フィラメント糸を緯糸のみに用いて、又は、フィラメント糸を経糸のみに用い、かつ、ポリエステル紡績糸を緯糸のみに用いて、交織した、ことを特徴とする請求項1に記載の足袋用織物。

請求項3

上記ポリエステル紡績糸は、凸部が3〜6個の多葉断面であり、かつ、異形度が1.5〜3.5である、ポリエチレンテレフタレート短繊維を50〜100%用いたものである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の足袋用織物。

請求項4

経方向の引張強さは1000N以上、緯方向の引張強さは500N以上であり、経方向の引裂強さは40N以上、緯方向の引裂強さは30N以上である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の足袋用織物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の足袋用織物を少なくとも底に用いたことを特徴とする足袋

技術分野

0001

本発明は、足袋下等に用いる織物等に関する。

背景技術

0002

従来から足袋に用いられている素材としては、綿、等の天然繊維化繊を使ったものがある。特に、綿織物は、肌触りがよく吸乾性があることから圧倒的によく用いられてきた。しかし、綿は、吸乾性はあるが、運動夏場などで多量に発汗して足袋が濡れると、乾きにくく不快になりやすい。また、洗濯した後なども乾燥するのに時間が掛かって不便である。さらに、綿は洗濯を繰り返したときの寸法変化率が大きいといった欠点がある。

0003

そのため、足袋を日常的に使用する者にとって、速乾性に優れ、寸法変化の少ない足袋の要望が高い。この要望を満たすために、特許文献1には、外側の生地としてポリエステルフィラメントを用いた足袋、特許文献2には、起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を内面に配置した編成物を用いた地下足袋の提案がある。

先行技術

0004

特開2004−100136号公報
特開平10−88403号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記のように底をポリエステル100%織編物で作られた足袋は、磨かれた床等では非常に滑りやすいのが難点である。本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされた。すなわち、本発明の目的は、速乾性があり、寸法変化が小さく、且つ滑りにくい足袋等に用いる織物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)ポリエステル紡績糸フィラメント糸とを交織したポリエステルから成る織物であり、目付が70〜190g/m2であり、少なくとも経方向静摩擦係数Fsが0.50〜1.50であり、10cm×10cm片に、気温20℃、相対湿度65%の空間で0.6mgの水を滴下し、吊り干しした際に、拡散性残留水分率が100%から10%以下になるまでの時間が30分以内であり、JIS L 1096 E法によって計測した寸法変化率が縦横いずれも±1.5%以内である、足袋用織物。
(2)ポリエステル紡績糸を経糸のみに用い、かつ、フィラメント糸を緯糸のみに用いて、又は、フィラメント糸を経糸のみに用い、かつ、ポリエステル紡績糸を緯糸のみに用いて、交織した、(1)に記載の足袋用織物。
(3)上記ポリエステル紡績糸は、凸部が3〜6個の多葉断面であり、かつ、異形度が1.5〜3.5である、ポリエチレンテレフタレート短繊維を50〜100%用いたものである、(1)または(2)に記載の足袋用織物。
(4)経方向の引張強さは1000N以上、緯方向の引張強さは500N以上であり、経方向の引裂強さは40N以上、緯方向の引裂強さは30N以上である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の足袋用織物。
(5)(1)〜(4)のいずれか1つの足袋用織物を少なくとも底に用いた足袋。

発明の効果

0007

本発明の足袋用織物を用いることにより、速乾性に優れ、かつ収縮も少ない特性を有しつつも、滑り難い足袋を提供することが可能となる。よって使い勝手がよく、安全性に優れた足袋を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

足袋の図である。
DS式摩擦係数試験機の図である。
異形度を説明するための繊維の断面図である。

0009

本発明の詳細を以下にて説明する。しかし、本発明は下記によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。

0010

(ポリエステル紡績糸)
本発明の足袋用織物は、ポリエステル短繊維を用いた紡績糸(以下、ポリエステル紡績糸)とフィラメント糸とを交織した織物である。

0011

本発明に用いるポリエステル紡績糸は、その表面に適度な長さを有する毛羽が一定の量で存在することが重要である。毛羽を有する紡績糸を用いることで、織物の滑りやすさを抑制できる。紡績糸表面に存在する長さ1mm以上の毛羽数は、糸長10mあたり、例えば、150〜1500個が好ましく、より好ましくは200〜1000個であり、更に好ましくは250〜500個であり、特に好ましくは280〜400個である。毛羽数が下限値を下回ると、防透け性が低下する虞があり、上限値を上回ると織編物が毛羽立った外観となり品位が低下する虞がある。同様の理由から、紡績糸表面に存在する長さ3mm以上の毛羽数は、糸長10mあたり、例えば、0〜50個が好ましく、より好ましくは5〜40個であり、更に好ましくは11〜30個である。

0012

本発明に用いるポリエステ紡績糸を製造する紡績方法としては、例えば、リング紡績オープンエンド紡績、結束紡績(例えば、ムラボルテックススピナー)、等の各種方法が挙げられる。中でも、紡績糸の表面毛羽を後述する適正な数に調整しやすく、風合いも良いことから、リング紡績が好ましい。また、紡績糸を前述した各種方法で精紡する前に、一般的な方法により、混打綿カード、必要に応じてコーマ練条粗紡等の各種処理を施しておくとよい。

0013

ポリエステル紡績糸がリング紡績糸の場合、撚係数は、紡績糸の表面における毛羽数のコントロールするために重要である。撚係数は、例えば、2.0〜6.0の範囲が好ましく、より好ましくは2.5〜4.0である。更に好ましくは2.8〜3.6である。撚係数を前記範囲内とすることにより、紡績糸が適度に締まり、最低限の強度を維持しながら、適度な表面毛羽を有する紡績糸になる。この結果、この紡績糸を使った織物の滑り難さが向上する。撚係数がこの範囲を上回ると、紡績糸の毛羽が少なくなるとともに、紡績糸の締まりが強くなりすぎて滑り易くなる。一方、撚係数が上記範囲を下回ると、この紡績糸を使った織物は柔らかくなるが、糸強度が低下して足袋の耐久性が低下しやすい。

0014

ポリエステル紡績糸の太は、英式番手で、20〜80番手が好ましく、より好ましくは25〜60番手であり、更に好ましくは28〜50番手である。紡績糸は単糸であっても双糸であっても構わない。前記範囲内の太さを有する紡績糸を用いることで、足袋に好適な厚みと目付の織物となる。紡績糸が20番手を下回ると紡績糸が太くなるため、できた織物が分厚くなりすぎて重たく着用しにくい足袋になりやすい。また、80番手を超えると、紡績糸が細いので高密度な織物にせざるを得ず、そうすると滑り易くなる虞れがある。

0015

短繊維
ポリエステル紡績糸に用いる短繊維は、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートポリエチレンイソフタレートポリ乳酸ポリアリレート等のポリエステルをもちいることができる。中でも、汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、原料樹脂としてポリエステルを用いる場合は、ポリエステルに5−ナトリウムスルホイソフタル酸のようなカチオン染料染着性付与成分を共重合してもよいし、前記ポリエステル樹脂複数種混練したり、共重合して用いたりしてもよい。

0016

またポリエスエル短繊維は、適度にクリンプ(捲縮)を有していることが望ましい。繊維がクリンプを有していれば、糸表面の毛羽が立ち上りやすくなり、この立ち上がった毛羽により滑り難さが向上するためである。短繊維のクリンプ数は、例えば、5〜20個/25mmが好ましく、より好ましくは8〜18個/25mmであり、更に好ましくは10〜16個/25mmである。クリンプ数が前記範囲内であれば、繊維相互間摩擦力が適切な範囲にコントロールされ、糸の紡績性と繊維間の滑りのバランスも良くなるため、足袋の耐久性も向上も期待できる。

0017

異形断面)
ポリエステル短繊維の異型度は、好ましくは1.0〜4.5であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、更に好ましくは1.8〜3.0である。この範囲内で異形度高めると、吸水拡散性が向上して速乾性が高まりやすくなる。また、ポリエステル短繊維の横断面には凹部が存在していることがより好ましい。異形断面繊維の凹部の数は、凸部(葉)の数に応じて変化し得るが、例えば3〜8個が好ましく、より好ましくは3〜6個であり、更に好ましくは3〜5個である。多葉断面にすることで、短繊維からなる紡績糸であっても毛細管現象により吸水拡散性が高まりやすくなる。異形度について、図3を例に説明する。図3は、3つの凸部(2)を持つ繊維の横断面(1)である。異形度は、三つの凸部(2)の外接円(3)の直径(G)と断面中心部の内接円(4)の直径(G)との比G/Nで表される。

0018

なお本発明で用いるポリエステル紡績糸には、本発明の効果を損なわない限り、第二の繊維が含まれていてもよい。第二の繊維として混用できる繊維は、例えば、綿、麻、毛、絹等の天然繊維、セルロース再生繊維アセテート等の半合成繊維ポリアミド繊維アクリル繊維ポリオレフィン繊維ポリビニルアルコール系繊維ポリ塩化ビニル系繊維ポリウレタン繊維等の合成繊維、等が例示できる。また、第二の繊維は短繊維であってお、長繊維であってもよい。本発明の効果を損なわないためには紡績糸中に含まれる第2の繊維の混率は30%以下とするのが好ましい。より好ましくは20%以下である。これを超える混率になると、速乾性や洗濯寸法安定性が低下し易くなりやすい。

0019

(フィラメント糸)
本発明に用いるフィラメント糸は、生糸であってもよいし、エアー交絡糸カバーリング糸撚糸、仮撚加工、押込み加工等の糸加工を施したものでも構わない。好ましくは生糸か仮撚り加工糸を用いることができる。フィラメント糸の原料樹脂は、ポリエステルかナイロンを用いることが好ましい。原料樹脂にナイロンを用いる場合は、ナイロン6及び又はナイロン66を用いることが好ましい。原料樹脂にポリエステルを用いる場合は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリ乳酸、ポリアリレート等のポリエステルをもちいることができる。中でも、汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、原料樹脂にはポリエステルに5−ナトリウムスルホイソフタル酸のようなカチオン染料の染着性付与成分を共重合してもよいし、前記ポリエステル樹脂の複数種を混練したり、共重合したりして用いてもよい。

0020

フィラメント糸の総繊度は、80〜250dtexであることが好ましく、より好ましくは100〜180dtexである。上記範囲より細いと、足袋にするには生地が薄くなりすぎたり、高密度にすることが必要になり、滑り易くなる。上記範囲より太いと足袋にするには織物が分厚くなりすぎる傾向がある。ポリエステルフィラメントの単糸繊度は、0.5〜5.0dtexであることが好ましい。より好ましくは0.8〜3.0dtexである。単糸繊度が上記範囲未満であると、ピリングが起こり易くなったり、耐久性が低下しやすくなったりする。上記を超えると織物が硬くなりすぎて使い難くなる。

0021

(織物)
本発明の足袋用織物では、織組織は特に限定されるものではなく、平織綾織繻子織、など、使い方によって適宜採用すればよいが、洗濯寸法変化、速乾性、滑りやすさのバランスから平織が好適にもちいられる。

0022

(紡績糸、フィラメントの使用)
本発明の足袋用織物は前述の通り、ポリエステル紡績糸とフィラメント糸とを交織した織物である。本発明ではポリエステル短繊維が織物を滑り難くし、フィラメント糸が速乾性の向上に大きく寄与する。ポリエステル紡績糸とフィラメント糸は適宜交織すればよいが、ポリエステル紡績糸を経糸のみに用い、かつ、フィラメント糸を緯糸のみに用いて交織すると、又は、フィラメント糸を経糸のみに用い、かつ、ポリエステル紡績糸を緯糸のみに用いて交織すると、織物の速乾性と滑り難さとの両方をバランスよく発揮することができる。

0023

(紡績糸の混率)
本発明の足袋用織物において、ポリエステル紡績糸とフィラメントの混率比は、50:50〜70:30とするのが好ましい。より好ましくは55:45〜65:35である。この混率にすることで織物の滑り難さと速乾性とを向上することができる。紡績糸の比率が50%未満であると滑り易くなり、フィラメントの混率が30%未満であると織物中でのの拡散性が低下して乾燥性が低下しやすい傾向がある。

0024

(密度)
本発明の足袋用織物の密度は、生地の用途に応じて適宜調整するとよいが、織物が平織の場合、経糸密度(経密度)は、例えば、80〜180本/2.54cmが好ましく、より好ましくは90〜160本/2.54cmであり、更に好ましくは100〜140本/2.54cmである。また、緯糸密度(緯密度)は、50〜120本/2.54cmが好ましく、より好ましくは55〜100本/2.54cmであり、更に好ましくは60〜95本/2.54cmである。平織の場合、経緯密度比は、経糸1に対して緯糸は1.0〜0.7に調整するのが好ましい。経緯の密度バランスにすることで織物にバイアス方向の柔軟性がよくなり、着用快適性のよい足袋が得やすくなる。

0025

(目付)
本発明の足袋用織物の目付は、70〜190g/m2になるように設計する。好ましくは90〜170g/m2であり、更に好ましくは100〜150g/m2である。織物の目付が70g/m2未満では、生地が薄くて頼りないものになってしまい、足袋用の生地に適さなくなる。また190g/m2を超えると逆に分厚く、重たくなってしまい、これも足袋に適さなくなる。

0026

加工方法
本発明の足袋用織物の加工は、衣料用織物の一般的な工程条件で実施すればよいが、吸汗性と速乾性を発揮させるために吸水加工を施すことが好ましい。また、寸歩安定性や風合いを良好にするため、最後にサンフライズカムフィットによる処理を施すことが好ましい。また、本発明の織物には各種機能加工を施すことができる。機能加工としては、例えば、SR加工等の防汚加工消臭加工抗菌制菌加工UVカット加工、摩擦溶融加工、静電防止加工スキンケア加工等が挙げられる。

0027

(足袋の使用部位
本発明の足袋用織物は、図1に示す足袋の少なくとも底の外気側の部位に用いることが好ましい。そうすることで本発明の滑り難さが発揮される。勿論、底以外の部位にも適宜用いればよいし、本発明の足袋用織物を足袋全体に用いても良い。

0028

(性能)
本発明の足袋用織物は、ポリエステル繊維から成る足袋用織物であって、質量が70〜190g/m2であり、10cm×10cm片に、気温20℃、相対湿度65%の空間で0.6mgの水を滴下し、吊り干しした際に、拡散性残留水分率が100%から10%以下になるまでの時間が30分以内であり、優秀な速乾性を示す。また、JIS L 1096 E法によって計測した寸法変化率が縦横いずれも±1.5%以内である。より好ましい形態においては、±1.0%以内である。

0029

重量は使用する足袋によって適切なものを用いればよい。単位面積当たりの質量は、JIS L 1096 A法を用いて測定できる。

0030

本発明の足袋用織物は、10cm×10cm片に、気温20℃、相対湿度65%の空間で0.6mgの水を滴下し、吊り干しした際に、拡散性残留水分率が10%以下になるまでの時間が30分以内であることにより、速乾性に優れる。よって、本発明の足袋用織物は、発汗時にもすぐ乾き、不快感緩和し、使用者の利にかなう。拡散性残留水分率の測定については後述する。

0031

本発明の足袋用織物は、上記寸法変化率が経緯いずれも±1.5%以内であり、それにより、洗濯によって寸法変化しにくく、使用者の利にかなう。寸法変化率の測定はJIS L 1096 E法によって計測できる。

0032

(滑り難さ)
本発明の足袋用織物の滑り難さの評価メジャーとしては、静摩擦係数が好ましい。評価法として、図2に示すDS式摩擦係数試験機で測定した場合に、本発明の足袋用織物は、少なくとも経方向が0.50以上になる。より好ましい態様では0.60〜1.50(単位なし)になる。同様に織物の緯方向についても好ましい態様では0.40以上になり、更に好ましい態様では0.50〜1.50となる。

0033

本発明の足袋用織物は、経方向の引張強さは1000N以上、緯方向の引張強さは500N以上であり、経方向の引裂強さは40N以上、緯方向の引裂強さは30N以上である。なお、引張強さは、JIS L 1096 A法 ラベルドストリップ法を用いて測定できる。また、引裂強さは、JIS L 1096 D法(ペンジュラム法)を用いて測定できる。引張強さおよび引裂強さが上記範囲内であることで、日常での使用はもちろん、スポーツ等にも適した織物とすることができる。

0034

本発明の足袋用織物は、例えば足袋、靴下等の衣料に用いられる。よって、本発明の足袋用織物を用いた足袋、靴下等も本発明の範囲に含まれる。

0035

以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。

0036

初めに、後述する実施例及び比較例で得られる織物についての物性の測定について説明する。

0037

単繊維繊度
化学繊維はJIS L1015 8.5.1正量繊度A法に基づいて、単糸繊度(単繊維繊度)を求めた。天然繊維はJIS L1019 7.4.2ソータ法による方法に基づいて単糸繊度を求めた。

0038

繊維長
化学繊維の繊維長はJIS L1015 8.4.1ステープルダイヤグラム法(A法)に基づいて平均繊維長を求めた。

0039

(クリンプ数)
JIS L1015 8.12.1けん縮数に準じて測定した。

0040

(異型度)
異形断面繊維の異型度は、図3に示すように、異形断面繊維の横断面(1)において、凸部(2)が接する外接円(3)の直径(G)と、異形断面繊維の横断面(1)において、凹部の底辺に接する内接円(4)の直径(N)との比(G/N)として求める。
実際には、走査型電子顕微鏡を用い、任意に繊維を5本選び出し、1000〜2000倍の倍率でこれらの繊維の断面を撮影する。そして、撮影した断面写真を用い、繊維一本の断面における、凸部が接する外接円の直径を、内接円の直径で除した値を計算し、5本の平均値を求め、これを異型度とする。

0041

(英式番手)
JIS L 1095 9.4.2に準じて、見掛け綿番手を測定し、これを英式番手とした。

0042

(紡績糸の毛羽数)
紡績糸の毛羽数は、シキボウ株式会社製のF−インデックステスターを用いて測定した。糸長は10mとし、1mm以上の毛羽数及び3mm以上の毛羽数をそれぞれ測定した。

0043

(撚係数)
撚係数は、JIS L1095 9.15.1 A法に準じて撚り数を求め、下記式に基づき撚係数Kを算出した。
撚係数K=[T]/[NE]1/2 …(1)
(上記式(1)中、[T]は撚り数(回/2.54cm)、[NE]は英式番手である。)

0044

カバーファクター
カバーファクターは以下の式で求めた。
Cf=(Dw)1/2×W+(Df)1/2×F
上記式中、略語は以下のものを示す。
Dw:経糸の繊度(dtex)
Df:緯糸の繊度(dtex)
W:織物幅方向インチ(2.54cm)あたりの経糸本数
F:織物長さ方向1インチ(2.54cm)あたりの緯糸本数

0045

なお、上記式において、英式綿番手(Ne)は、以下の式でデシテックス(dtex)に換算して代入する。
dtex=5905.4/Ne

0046

(単位面積当たりの質量)
単位面積当たりの質量は、JIS L 1096 A法を用いて測定した。

0047

(引張強さ)
引張強さは、JIS L 1096 A法 ラベルドストリップ法を用いて測定した。

0048

(引裂強さ)
引裂強さは、JIS L 1096 D法(ペンジュラム法)を用いて測定した。

0049

(速乾性)
速乾性の試験は以下の手順で行った。
10cm×10cmの試料(織物)を気温20℃、相対湿度25%の室内で調整する。この時の質量をW0とする。次に調整した試験片に水を0.6mL滴下し、質量を測定する。この時の質量をW1とする。試験片を吊り下げた状態にし、その質量(W2)を測定し、下記に示す拡散性残留水分率を求め、時間経過によるその推移を記録し、拡散性残留水分率が10%になった時点までの経過時間で速乾性を示す。10%になるまでの経過時間が短い程、速乾性は優秀であることが示される。
拡散性残留水分率(%)=(W2−W0)×100/(W1−W0)

0050

(寸法変化率)
寸法変化率の測定はJIS L 1096 E法によって測定した。

0051

(織物の摩擦抵抗
興亜商会製のDS式織物摩擦係数試験機を使用して、静摩擦係数を測定した。図2にDS式織物摩擦係数試験機の構造を示す。測定は、試験機稼働し、滑り片(A)が乗った滑り台(B)が後方に引っ張られるが、滑り台(B)に対して滑り片(A)が滑り始める瞬間の荷重を(C)測定部目盛で読んだ値が静摩擦力Fsである。静摩擦係数Fsは下記式により算出した。
静摩擦係数=Fs/(荷重(D)の重量+試料(E)の重量)
測定条件は次の通りである。摩擦布として綿布(金3号)を使用した。測定環境20±2℃,65±3%RH、引張速度7.5cm/min、荷重は98.1cNとした。測定試料は、絶乾したあと、測定環境にて48時間調湿したものを用いた。静摩擦係数は、織物の経方向を測定した結果とした。

0052

着用評価
実施例、比較例で得た各織物を用いて図1のような足袋をL寸で試作した。この足袋を伸長170cm、25男性が着用して、床面を小走りしたときの滑り難さを着用評価した。評価は滑り難い、普通、滑り易い、の3段階評価とする。

0053

(実施例1)
実施例1の織物Aの作成方法について説明する。
ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度1.0dtex,丸断面、セミダル有効繊維長38mm、クリンプ数10個/25mm)をOHARA製混綿機を用いて混打綿した後、石川製作所製カード機を用いてカードスライバーを作った。該カードスライバーをコーマ機にかけた後、原織機製練条機に2回通して400ゲレン/6ydのスライバーとした。更に豊田自動織機粗紡機に通して140ゲレン/15ydの粗糸を作成した。次いで精紡機でこの粗糸に約34倍のドラフトをかけて、英式番手で30番手の紡績糸Aを作製した。この紡績糸Aの撚係数を測定すると、3.5であった。この紡績糸Aを経糸にして、167dtex、114フィラメントのポリエチレンテレフタレート長繊維(セミダル、丸断面)の1ヒーター仮撚加工糸Bを緯糸として、経糸は108本/インチ(2.54cm)、緯糸は85本/インチとなるようにエアジェット織機を用いて平織(キャラコ)を製織した。また、生機巾は1117mmとした。このようにして得た生機に常法にて毛焼糊抜精練の工程を行った後、仕上げ処理液パディング後、乾燥・熱セットを実施して,最後にサンフォライズ加工を行って織物Aを得た。尚、上記仕上げ処理液には、柔軟剤親水加工剤、耐電防止剤、可縫性向上剤を含んでいる。

0054

最終的な加工後の織物Aの密度は、経糸120本/インチ、緯糸は99本/インチとなり、その重量は129g/m2、巾は1151mmとなった。カバーファクターは939であった。また、経方向の引張強さは1352N、緯方向の引張強さは1041Nであり、経方向の引裂強さは52.5N、緯方向の引裂強さは39.3Nであった。表1に物性について示す。

0055

実施例1の織物Aの速乾性の試験では、表1にその結果を示すように、拡散性残留水分率は26.0分で10%に至った。また、寸法変化率の測定では、経方向−0.33%、緯方向+0.33%となった。静摩擦係数は、経方向0.952、横方向0.827であり、滑り難かった。

0056

(実施例2)
実施例1の経糸に用いた紡績糸Aにおいて、セミダル丸断面の短繊維の代わりに、酸化チタンを1.5重量%含むY断面のポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度1.0dtex、繊維長32mm、異形度3.5、フルダル、クリンプ数14個/2.5cm)を用いて、実施例1と同様にして、紡績糸Cを作製した。この紡績糸Cを経糸に使ったこと以外は実施例1と同様にして織物Bを作製した。表1に物性について示す。

0057

実施例2の織物Bの速乾性の試験では、表1にその結果を示すように、拡散性残留水分率は24.5分で10%に至った。また、寸法変化率の測定では、織物Bは、経方向−0.25%、緯方向−0.05%となった。静摩擦係数は、経方向0.912、横方向0.815であり、滑り難かった。

0058

(実施例3)
経糸に実施例1の仮撚加工糸Bを、緯糸に実施例1の紡績糸Aを用いて、実施例1と経緯逆使いのポリエステル100%織物を作製した。このとき経糸は112本/インチ(2.54cm)、緯糸は82本/インチとなるようにエアジェット織機を用いて平織を製織した。この生機を実施例1と同様に晒加工及び仕上を行い、経糸127本/インチ、緯糸は94本/インチの織物Cを得た。実施例3の織物Cの目付は133g/m2であった。表1に物性について示す。

0059

実施例3の織物Cの速乾性の試験では、表1にその結果を示すように、拡散性残留水分率は25.5分で10%に至った。また、寸法変化率の測定では、実施例3の織物Cは、経方向−0,25%、緯方向−0.38%となった。静摩擦係数は、経方向0.745、横方向0.905であり、滑り難かった。

0060

(比較例1)
スーピマ綿をOHARA製混綿機を用いて混打綿した後、石川製作所製カード機を用いてカードスライバーを作った。該カードスライバーをコーマ機にかけた後、原織機製練条機に2回通して300ゲレン/6ydのスライバーとした。更に豊田自動織機製粗紡機に通して125ゲレン/15ydの粗糸を作成した。次いで精紡機でこの粗糸に約40倍のドラフトをかけて、英式番手で40番手の紡績糸Dを作製した。

0061

紡績糸Dを経緯両方に用いて、経密度120本/インチ、緯密度80本/インチとなるようにエアジェット織機を用いて平織に製織し、織物Dを作製した。この生機を実施例1と同様に晒加工、仕上加工を行った。仕上がった織物Dの密度は、経123本/インチ、緯81本/インチとなり、その目付は125g/m2となった。また、経方向の引張強さは644N、緯方向の引張強さは553Nであり、経方向の引裂強さは9.0N、緯方向の引裂強さは8.0Nであった。表1に物性について示す。

0062

比較例1の織物Dの速乾性の試験では、表1にその結果を示すように、拡散性残留水分率は10%に至るまでに34.3分を要した。また、寸法変化率の測定では、比較例1の織物Dは、経方向−1.93%、緯方向−3.40%となった。静摩擦係数は、経方向0.976、横方向1.162であり、滑り難かった。

0063

(比較例2)
緯糸に異収縮混繊タイプのポリエステルマルチフィラメント糸84dtex、36フィラメント(高収縮糸42dtex18フィラメント熱水収縮率11%、低収縮糸42dtex18フィラメント 丸断面、沸水収縮率4%の混繊糸インターレース個数50/m)、緯糸に84dtex、36フィラメントのポリエチレンテレフタレート1ヒーター仮撚糸加工を使用し、ウオータジェットルームで平織(パレス)製織した。この生機を常法にて精練・吸水柔軟加工及び熱セットを行い、最後にカムフィット加工を行って仕上げた。経密度、緯密度がそれぞれ167本/2.5cm、92本/2.5cmからなる比較例2の織物Eを仕上げた。織物のトータル・カバーファクターは、2,600であった。表1に物性について示す。

0064

比較例2の織物Eの速乾性の試験では、表1にその結果を示すように、拡散性残留水分率は24.0分で10%に至った。寸法変化率の測定では、比較例1の織物Dは、経方向−0.25%、緯方向−0.35%となった。静摩擦係数は、経方向0.327、横方向0.289であり、滑り易かった。

0065

実施例

0066

表1から分かるように、実施例1〜3は、比較例1に対して洗濯による寸法変化率が低く、速乾性に優れるという結果が得られた。また、実施例1〜3は、比較例2に対して、足袋の底に用いたときに滑り難くいという結果が得られた。

0067

本発明により、乾き易く、縮み難い上に、滑り難い足袋用織物の製造が可能となる。よって、産業界に大きく寄与することが期待される。

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