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技術 硬化性組成物及びその硬化物並びにその用途

出願人 株式会社ダイセル
発明者 磯部豊
出願日 2018年9月11日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-169447
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-041059
状態 未査定
技術分野 エポキシ樹脂 プラスチック等のライニング、接合 塗料、除去剤
主要キーワード 低速度モード 一次元形状 ブラスト処理前 ボラゾン スクイ角 トリハロシリル 表面熱処理 レベリング機
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課題

プライマー層を形成しなくても、基材(例えば、金属などの無機材料で形成された成形体など)に対して高い密着性を示すコーティング層を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにその用途を提供する。

解決手段

硬化性組成物は、脂環式エポキシ基を少なくとも2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)、及び下記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)を含むエポキシ化合物(A)と、レベリング剤(C)とを含む。前記第1のエポキシ化合物(A1)は、下記式(2)で表される化合物を含んでいてもよい。(式中、Xは単結合又は連結基を示し、式(2)中のシクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよく、R2はs価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す。)

概要

背景

各種成形体(例えば、摺動部材など)の表面には、着色、質感の変化、表面保護などの機能性及び/又は意匠性を付与するために、様々なコーティング層が形成される。このようなコーティング層を形成する材料は、その目的に応じて、例えば、樹脂などの有機材料や、金属、炭素材などの無機材料など多岐に亘るが、蒸着法などを利用しなくても、塗布などの簡便な方法により高い生産性で形成できる点から、有機材料が汎用されている。

例えば、特開2016−121314号公報(特許文献1)には、脂環式官能エポキシ及び重合開始剤を含む耐摩耗剤が開示されている。この耐摩耗剤は、船舶、車両などの内燃機関の摺動部材などにおいて、耐摩耗性能を有する被膜を形成できることが記載されている。この文献の実施例では、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルシリコ−ン系レベリング剤及び重合開始剤(光酸発生剤)を混合してハードコート液(耐摩耗剤)を調製し、このハードコート液を用いて、アルミニウム板プライマー層を介して被膜を形成している。

また、国際公開第2017/081963号(特許文献2)には、金属で形成された成形体表面を処理するための表面処理キットとして、所定の2官能脂環式エポキシ化合物を含む硬化性液状組成物(A)と、ポリアミドイミド樹脂を含む液状組成物(B)とを含む表面処理キットが開示されている。この文献の実施例では、アルミニウム板上に液状組成物(B)を塗布してプライマー層を形成し、このプライマー層の上に、所定の2官能脂環式エポキシ化合物、硬化剤及びレベリング剤を含む硬化性液状組成物(A)を塗布してトップコート層を形成している。

これらの文献のコーティング層は、脂環式エポキシ化合物で形成されるためか、基材に対する密着性が低く、プライマー層の形成が必須であるため生産性の向上には限界がある。

概要

プライマー層を形成しなくても、基材(例えば、金属などの無機材料で形成された成形体など)に対して高い密着性を示すコーティング層を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにその用途を提供する。硬化性組成物は、脂環式エポキシ基を少なくとも2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)、及び下記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)を含むエポキシ化合物(A)と、レベリング剤(C)とを含む。前記第1のエポキシ化合物(A1)は、下記式(2)で表される化合物を含んでいてもよい。(式中、Xは単結合又は連結基を示し、式(2)中のシクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよく、R2はs価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す。)なし

目的

本発明の目的は、プライマー層を形成しなくても、基材(例えば、金属などの無機材料で形成された成形体など)に対して高い密着性を示す硬化物(コーティング層など)を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにその用途を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

脂環式エポキシ基を少なくとも2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)、及び下記式(3)(式中、R2は、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す。)で表される第2のエポキシ化合物(A2)を含むエポキシ化合物(A)と;レベリング剤(C)とを含む硬化性組成物

請求項2

第1のエポキシ化合物(A1)が、下記式(2)(式中、Xは単結合又は連結基を示し、シクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよい。)で表される化合物を含む請求項1記載の硬化性組成物。

請求項3

第1のエポキシ化合物(A1)が、前記式(2)において、Xが単結合である化合物を含み、第2のエポキシ化合物(A2)が、R2で示される基の総炭素数が2〜15、sが2〜4である化合物を含む請求項2記載の硬化性組成物。

請求項4

第1のエポキシ化合物(A1)と、第2のエポキシ化合物(A2)との割合が、前者/後者(重量比)=30/70〜90/10である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項5

ビニルエーテル基エポキシ基及びオキセタン環含有基から選択される少なくとも1種の重合性基と、水酸基とを有する水酸基含有重合性化合物(B)をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項6

ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)及びオキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)の双方を含む請求項5記載の硬化性組成物。

請求項7

エポキシ化合物(A)と、水酸基含有重合性化合物(B)との割合が、前者/後者(重量比)=10/90〜95/5であり、オキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)と、ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)との割合が、化合物(b3)/化合物(b1)(重量比)=10/90〜95/5である請求項6記載の硬化性組成物。

請求項8

レベリング剤(C)が、水酸基を有するレベリング剤を含む請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項9

レベリング剤(C)が、水酸基を有するシリコーン系レベリング剤を含む請求項8記載の硬化性組成物。

請求項10

水酸基価が15〜100mgKOH/gであるレベリング剤を含む請求項8又は9記載の硬化性組成物。

請求項11

高沸点溶媒(D1)を少なくとも含む溶媒(D)をさらに含む請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物。

請求項12

高沸点溶媒(D1)が、アルキル基を有する芳香族炭化水素類環状エステル類から選択された少なくとも1種の高沸点溶媒を含む請求項11記載の硬化性組成物。

請求項13

請求項1〜12のいずれかに記載の硬化性組成物が硬化した硬化物

請求項14

無機材料で形成された成形体と、請求項13記載の硬化物とが接合又は接着している複合成形体

請求項15

無機材料が金属材料を含む請求項14記載の複合成形体。

請求項16

無機材料で形成された成形体の接合面における最大高さ粗さRzが1〜50μmである請求項14又は15記載の複合成形体。

請求項17

摺動部材である請求項14〜16のいずれかに記載の複合成形体。

請求項18

無機材料で形成された成形体に、請求項1〜12のいずれかに記載の硬化性組成物を塗布して硬化させる硬化工程を含む請求項14〜17のいずれかに記載の複合成形体を製造する方法。

請求項19

さらに、無機材料で形成された成形体の表面を表面処理して、前記表面の最大高さ粗さRzを1〜50μmに調整する表面処理工程を含む請求項18記載の方法。

請求項20

表面処理がブラスト処理である請求項19記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、金属などの無機材料で形成された成形体に対して、優れた密着性を示す硬化物コーティング層など)を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにこの硬化物が前記成形体と接合又は接着した複合成形体及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

各種成形体(例えば、摺動部材など)の表面には、着色、質感の変化、表面保護などの機能性及び/又は意匠性を付与するために、様々なコーティング層が形成される。このようなコーティング層を形成する材料は、その目的に応じて、例えば、樹脂などの有機材料や、金属、炭素材などの無機材料など多岐に亘るが、蒸着法などを利用しなくても、塗布などの簡便な方法により高い生産性で形成できる点から、有機材料が汎用されている。

0003

例えば、特開2016−121314号公報(特許文献1)には、脂環式官能エポキシ及び重合開始剤を含む耐摩耗剤が開示されている。この耐摩耗剤は、船舶、車両などの内燃機関の摺動部材などにおいて、耐摩耗性能を有する被膜を形成できることが記載されている。この文献の実施例では、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルシリコ−ン系レベリング剤及び重合開始剤(光酸発生剤)を混合してハードコート液(耐摩耗剤)を調製し、このハードコート液を用いて、アルミニウム板プライマー層を介して被膜を形成している。

0004

また、国際公開第2017/081963号(特許文献2)には、金属で形成された成形体表面を処理するための表面処理キットとして、所定の2官能脂環式エポキシ化合物を含む硬化性液状組成物(A)と、ポリアミドイミド樹脂を含む液状組成物(B)とを含む表面処理キットが開示されている。この文献の実施例では、アルミニウム板上に液状組成物(B)を塗布してプライマー層を形成し、このプライマー層の上に、所定の2官能脂環式エポキシ化合物、硬化剤及びレベリング剤を含む硬化性液状組成物(A)を塗布してトップコート層を形成している。

0005

これらの文献のコーティング層は、脂環式エポキシ化合物で形成されるためか、基材に対する密着性が低く、プライマー層の形成が必須であるため生産性の向上には限界がある。

先行技術

0006

特開2016−121314号公報(特許請求の範囲、[0002][0007]、実施例)
国際公開第2017/081963号(請求の範囲、実施例)

発明が解決しようとする課題

0007

従って、本発明の目的は、プライマー層を形成しなくても、基材(例えば、金属などの無機材料で形成された成形体など)に対して高い密着性を示す硬化物(コーティング層など)を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにその用途を提供することにある。

0008

本発明の他の目的は、外観が良好で、表面も平滑な硬化物を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにその用途を提供することにある。

0009

本発明のさらに他の目的は、摺動性(例えば、表面平滑性硬度(又は剛性)、耐磨耗性など)に優れた硬化物を形成可能な硬化性組成物及びその硬化物、並びにその用途を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、多官能脂環式エポキシ化合物と、所定の多官能グリシジルエーテル型エポキシ化合物及びレベリング剤とを組み合わせると、プライマー層を介在させなくても基材に対する密着性を向上できることを見いだし、本発明を完成した。

0011

すなわち、本発明の硬化性組成物は、少なくとも脂環式エポキシ基を2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)、及び下記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)を含むエポキシ化合物(A)と;レベリング剤(C)とを含む。

0012

0013

(式中、R2は、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す)。

0014

前記第1のエポキシ化合物(A1)は、下記式(2)で表される化合物を含んでいてもよい。

0015

0016

(式中、Xは単結合又は連結基を示し、シクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよい)。

0017

前記第1のエポキシ化合物(A1)は、前記式(2)において、Xが単結合である化合物を含んでいてもよく、前記第2のエポキシ化合物(A2)は、R2で示される基の総炭素数が2〜15、sが2〜4である化合物を含んでいてもよい。

0018

前記第1のエポキシ化合物(A1)と、前記第2のエポキシ化合物(A2)との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=30/70〜90/10程度であってもよい。

0019

前記硬化性組成物は、ビニルエーテル基エポキシ基及びオキセタン環含有基から選択される少なくとも1種の重合性基と、水酸基とを有する水酸基含有重合性化合物(B)をさらに含んでいてもよい。前記水酸基含有重合性化合物(B)は、ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)及びオキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)の双方を含んでいてもよい。前記エポキシ化合物(A)と、前記水酸基含有重合性化合物(B)との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=10/90〜95/5程度であってもよい。また、前記オキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)と、ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)との割合は、例えば、化合物(b3)/化合物(b1)(重量比)=10/90〜95/5程度であってもよい。

0020

前記レベリング剤(C)は、水酸基を有するレベリング剤を含んでいてもよい。前記レベリング剤(C)は、水酸基を有するシリコーン系レベリング剤を含んでいてもよい。前記レベリング剤(C)は、水酸基価が15〜100mgKOH/gであるレベリング剤を含んでいてもよい。

0021

前記硬化性組成物は、高沸点溶媒(D1)を少なくとも含む溶媒(D)をさらに含んでいてもよい。前記高沸点溶媒(D1)は、アルキル基を有する芳香族炭化水素類環状エステル類から選択された少なくとも1種の高沸点溶媒を含んでいてもよい。

0022

本発明は、前記硬化性組成物が硬化した硬化物を包含する。また、無機材料で形成された成形体と、前記硬化物とが接合又は接着している複合成形体も包含する。前記無機材料は、金属材料を含んでいてもよい。前記無機材料で形成された成形体の接合面における最大高さ粗さRzは、1〜50μm程度であってもよい。前記複合成形体は、摺動部材であってもよい。

0023

本発明は、前記無機材料で形成された成形体に、前記硬化性組成物を塗布して硬化させる硬化工程を含む前記複合成形体を製造する方法も包含する。前記製造方法は、さらに、前記無機材料で形成された成形体の表面を表面処理して、前記表面の最大高さ粗さRzを1〜50μmに調整する表面処理工程を含んでいてもよい。前記表面処理はブラスト処理であってもよい。

0024

なお、本願明細書及び特許請求の範囲において、「脂環式エポキシ基」とは、脂肪族環(例えば、シクロヘキサン環などのシクロアルカン環)と、オキシラン環(又はエポキシド)とが互いに隣接する2つの炭素原子共有する形態で縮合した骨格を少なくとも有する基を意味する。

発明の効果

0025

本発明の硬化性組成物は、所定のエポキシ化合物とレベリング剤とを含むため、プライマー層を形成しなくても、基材(例えば、金属材料などの無機材料で形成された成形体など)に対して高い密着性を示すコーティング層(又は硬化物)を形成できる。このようなコーティング層は、外観が良好で、表面平滑性にも優れている。また、前記コーティング層は、表面平滑性、硬度(又は剛性)、耐磨耗性などが高く、摺動性に優れている。

0026

本発明の硬化性組成物は、所定のエポキシ化合物(又は第1の重合性化合物)(A)及びレベリング剤(C)を少なくとも含んでおり、必要に応じて、所定の水酸基含有重合性化合物(又は第2の重合性化合物)(B)などを含んでいてもよい。

0027

[エポキシ化合物(又は第1の重合性化合物)(A)]
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を1分子中に少なくとも1個有し、且つ水酸基を有さない化合物(本明細書においては「エポキシ化合物(A)」と称する場合がある)を2種以上含有していてもよい。エポキシ化合物(A)は、エポキシ基以外にも他のカチオン重合性基(例えば、ビニルエーテル基、オキセタン環含有基など)を有していてもよい。

0028

前記エポキシ基には、下記式(1-1)で表されるシクロヘキセンオキシド基などの、脂環式炭化水素環(例えば、3〜8員の脂環式炭化水素環)を構成する隣接する2個の炭素原子と、酸素原子とで構成される脂環式エポキシ基や、下記式(1-2)で表されるエチレンオキシド基が含まれる。

0029

0030

(式中、R1は水素原子又はC1−3アルキル基を示す)。

0031

エポキシ化合物(A)のなかでもエポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物が硬化性に優れる点で好ましく、特に、脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物(第1のエポキシ化合物(A1)ともいう)、エチレンオキシド基を1分子中に2個以上有する化合物(ただし、脂環式エポキシ基を1分子中に2以上有する化合物は除く)、及び脂環式エポキシ基とエチレンオキシド基とを1分子中にそれぞれ1個ずつ有する化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。

0032

(脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物)
脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物(第1のエポキシ化合物)(A1)としては、1又は複数のエチレンオキシド基を含んでいてもよく、硬度(又は剛性)、摺動性及び耐熱性が高い硬化物を形成できる点から、例えば、下記式(2)で表される化合物が好ましい。

0033

0034

(式中、Xは単結合又は連結基を示し、シクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよい)。

0035

前記連結基としては、例えば、二価炭化水素基炭素炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート基(−O−CO−O−)、アミド基(−CONH−)、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。

0036

上記二価の炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基、二価のC3−18脂環式炭化水素基等が挙げられる。直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基としては、例えば、メチレン基メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基プロピレン基トリメチレン基等が挙げられる。二価のC3−18脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基シクロアルキリデン基を含む)等が挙げられる。

0037

上記炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基(「エポキシ化アルケニレン基」と称する場合がある)におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基等の直鎖状又は分岐鎖状C2−8アルケニレン基等が挙げられる。特に、上記エポキシ化アルケニレン基としては、炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたアルケニレン基が好ましく、より好ましくは炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたC2−4アルケニレン基である。

0038

これらのうち、Xとしては、単結合、カルボニルオキシメチレン基などが好ましく、摺動性(表面平滑性)及び剛性に優れる点から、単結合が特に好ましい。

0039

上記式(2)中のシクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよく、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基、C2−10アルケニルオキシ基、C6−14アリールオキシ基、C7−18アラルキルオキシ基、C1−10アシルオキシ基、C1−10アルコキシカルボニル基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C7−18アラルキルオキシカルボニル基エポキシ基含有基、オキセタン環含有基、C1−10アシル基イソシアナート基スルホ基カルバモイル基オキソ基等が挙げられる。剛性の点から、前記置換基が結合していないのが好ましい。

0040

上記式(2)で表される化合物の代表的な例としては、(3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルエタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)プロパン、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタンや、下記式(2-1)〜(2-8)で表される化合物等が挙げられる。

0041

0042

(式中、LはC1−8アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキレン基)を示し、n1及びn2はそれぞれ1〜30の整数を示す)。

0043

脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物には、更に、下記式(2-9)(2-10)で表される化合物も含まれる。

0044

0045

(式中、n3〜n8は、同一又は異なって1〜30の整数を示す)。

0046

これらの脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物(第1のエポキシ化合物(A1))は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第1のエポキシ化合物(A1)のうち、前記式(2)で表される化合物が好ましく、なかでも、Xが単結合である3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、Xがカルボニルオキシメチレン基である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート(前記式(2-1)で表される化合物)などが好ましく、特に、硬度(剛性)、摺動性、耐熱性などをより一層向上できる観点から、Xが単結合である3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルが特に好ましい。

0047

(エチレンオキシド基を1分子中に2個以上有する化合物)前記エチレンオキシド基を1分子中に2個以上有する化合物として、密着性を向上し易い点から、好ましくは、下記式(3)で表される化合物(第2のエポキシ化合物(A2)ともいう)である。これらの第2のエポキシ化合物(A2)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。

0048

0049

(式中、R2は、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す)。

0050

式中のsは2以上の整数を示し、例えば2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、特に好ましくは2〜3の整数、とりわけ好ましくは2である。

0051

R2におけるs価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基のうち、2価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基(好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキレン基、特に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C3−6アルキレン基)が挙げられる。また、3価以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基は、2価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基の構造式から更に(s−2)個の水素を除いた基が挙げられる。

0052

R2で示される基の総炭素数は、例えば1〜20、好ましくは2〜15、特に好ましくは2〜10、最も好ましくは3〜8である。

0053

化合物(3)のなかでも、下記式(3-1)〜(3-5)で表される化合物、トリメチロールエタントリグリシジルエーテルペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルグリセリントリグリシジルエーテル、及びジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルから選択される少なくとも1種が好ましく、特に低粘度で塗布性に優れる点において好ましくは下記式(3-1)〜(3-5)で表される化合物から選択される少なくとも1種であり、最も好ましくは下記式(3-1)〜(3-4)で表される化合物から選択される少なくとも1種である。特に、密着性の観点から、下記式(3-2)で表される1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルが好ましい。

0054

0055

エチレンオキシド基を1分子中に2個以上有する化合物としては、さらに、水素化ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、水素化ビフェノール型ジグリシジルエーテル、水素化フェノールノボラック型ジグリシジルエーテル、水素化クレゾールノボラック型ジグリシジルエーテル等の脂環式グリシジルエーテル;ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、ビフェノール型ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型ジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型ジグリシジルエーテル等の芳香族グリシジルエーテル;下記式(4)で表される化合物等も含まれる。

0056

0057

(式中、R3は、p価のアルコールの構造式からp個の水酸基(−OH)を除いた基(p価の有機基)であり、p、n9はそれぞれ自然数を表す)。

0058

p価のアルコール[R3(OH)p]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコール炭素数1〜15の多価アルコール等)等が挙げられる。pは1〜6が好ましく、n9は1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの[ ]内(外側の角括弧内)の基におけるn9は同一でもよく異なっていてもよい。上記式(4)で表される化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物[例えば、商品名「EHPE3150」((株)ダイセル製)等]等が挙げられる。

0059

なお、脂環式エポキシ基とエチレンオキシド基とを1分子中にそれぞれ1個ずつ有する化合物としては、例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン等が挙げられる。

0060

エポキシ化合物(A)としては、脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物(特に、式(2)で表される化合物)を含有することが、速硬化性を有し、高硬度の硬化物が得られる点で好ましい。

0061

本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物(A)として、脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)と、前記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)とを少なくとも含んでいる。

0062

前記式(2)で表される化合物の割合は、脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%(実質的に式(2)で表される化合物のみ)であってもよい。

0063

前記式(3-1)〜(3-5)で表される化合物(好ましくは式(3-1)〜(3-4)で表される化合物、特に、式(3-2)で表される化合物)の割合は、前記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%[実質的に、前記式(3-1)〜(3-5)で表される化合物のみ、好ましくは式(3-1)〜(3-4)で表される化合物のみ、特に、式(3-2)で表される化合物のみ]などであってもよい。

0064

脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)及び前記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)の総量の割合は、エポキシ化合物(A)全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%(実質的に、第1のエポキシ化合物(A1)及び第2のエポキシ化合物(A2)のみ)であってもよい。 脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する第1のエポキシ化合物(A1)[特に前記式(2)で表される化合物]と、前記式(3)で表される第2のエポキシ化合物(A2)[例えば、前記式(3-1)〜(3-5)で表される化合物、好ましくは式(3-1)〜(3-4)で表される化合物、特に、式(3-2)で表される化合物]との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=1/99〜99/1(例えば、5/95〜95/5)程度の範囲から選択でき、例えば、10/90〜93/7(例えば、30/70〜90/10)、好ましくは40/60〜85/15(例えば、45/55〜80/20)、さらに好ましくは50/50〜77/23(例えば、55/45〜75/25)、特に60/40〜72/28(例えば、63/37〜70/30)程度であってもよい。第1のエポキシ化合物(A1)が少なすぎると、硬化物の硬度や耐熱性が低下するおそれがあり、第2のエポキシ化合物(A2)が少なすぎると、密着性を十分に向上できないおそれがある。

0065

エポキシ化合物(A)(第1の重合性化合物)の割合は、硬化性組成物中の重合性基を有する化合物全体(第1の重合性化合物及び後述する第2〜第3の重合性化合物の総量)に対して、例えば、1〜100重量%(例えば、10〜95重量%)程度の範囲から選択でき、例えば、20〜90重量%(例えば、30〜85重量%)、好ましくは40〜80重量%(例えば、45〜75重量%)、さらに好ましくは50〜70重量%(例えば、55〜65重量%)程度であってもよい。

0066

[水酸基含有重合性化合物(又は第2の重合性化合物)(B)]
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、水酸基含有重合性化合物(B)として1分子中に少なくとも2種以上の官能基を有する化合物、詳細には、1分子中にビニルエーテル基(又はビニルオキシ基)、エポキシ基、及びオキセタン環含有基から選択される少なくとも1個のカチオン重合性基と、少なくとも1個の水酸基とを有する化合物を含んでいてもよい。なお、オキセタン環含有基としては、少なくともオキセタン環骨格を有していればよく、例えば、オキセタニル基;3−エチルオキセタン−3−イル基などのアルキルオキセタニル基などが挙げられる。

0067

水酸基含有重合性化合物(B)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。水酸基含有重合性化合物(B)を含む硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、前記2種以上の官能基が重合して高度な架橋構造体を形成するため高硬度を有する。また、前記重合性基及び水酸基が重合反応(又は架橋反応)に関与するためか、硬度(又は剛性)だけでなく、密着性を向上できる場合がある。

0068

水酸基含有重合性化合物(B)のなかでも、得られる硬化物の高硬度化低硬化収縮化、密着性向上の点で、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタン環含有基から選択されるカチオン重合性基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b)が好ましい。

0069

前記化合物(b)には、以下の3種類の化合物が含まれ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
b1:ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物
b2:エポキシ基1個と、水酸基1個とを有する化合物
b3:オキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物
前記化合物(b)は、例えば下記式(5)で表される。

0070

HO−Ra−Y (5)

0071

(式中、Raは2価の炭化水素基、2価の複素環式基、又はこれらが単結合若しくは連結基を介して結合した2価の基を示し、Yはビニルエーテル基(又はビニルオキシ基)、エポキシ基、及びオキセタン環含有基から選択されるカチオン重合性基を示す)。

0072

前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が含まれる。

0073

2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基;ビニレン、1−メチルビニレン、プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン基等の直鎖状又は分岐鎖状C2−18アルケニレン基;エチニレンプロピニレン、3−メチル−1−プロピニレン、ブチニレン、1、3−ブタジイニレン基等の直鎖状又は分岐鎖状C2−18アルキニレン基が挙げられる。

0074

2価の脂環式炭化水素基を構成する脂環式炭化水素環には、単環式炭化水素環及び多環式炭化水素環が含まれ、前記多環式炭化水素環には、スピロ炭化水素環、環集合炭化水素環架橋環式炭化水素環縮合環式炭化水素環、架橋縮合環式炭化水素環が含まれる。2価の脂環式炭化水素基としては、前記脂環の構造式から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。

0075

前記単環式炭化水素環としては、例えば、シクロプロパンシクロブタンシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンシクロオクタン等のC3−12シクロアルカン環;シクロペンテンシクロヘキセン等のC3−12シクロアルケン環等が挙げられる。

0076

前記スピロ炭化水素環としては、例えば、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカンスピロビシクロヘキサン等のC5−16スピロ炭化水素環等が挙げられる。

0077

前記環集合炭化水素環としては、例えば、ビシクロヘキサン等のC5−12シクロアルカン環を2個以上含む環集合炭化水素環等が挙げられる。

0078

前記架橋環式炭化水素環としては、例えば、ピナンボルナンノルピナン、ノルボルナンノルボルネンビシクロヘプタン、ビシクロヘプテン、ビシクロオクタン(ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン等)等の2環式炭化水素環;ホモブレダンアダマンタントリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン等の3環式炭化水素環;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカンパーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン等の4環式炭化水素環等が挙げられる。

0079

前記縮合環式炭化水素環としては、例えば、パーヒドロナフタレンデカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン等の5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環が挙げられる。

0080

前記架橋縮合環式炭化水素環には、ジエン類二量体(例えば、シクロペンタジエンシクロヘキサジエンシクロヘプタジエン等のシクロアルカジエンの二量体)や、その水素添加物等が挙げられる。

0081

2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基ビフェニレン基ナフチレン基等の、C6−18アリーレン基が挙げられる。

0082

上記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、ハロゲン原子、オキソ基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基シアノ基ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等]を有していてもよい。前記カルボキシル基は有機合成の分野で慣用保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性複素環が縮合していてもよい。

0083

前記連結基としては、例えば、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)等が挙げられる。

0084

2価の複素環式基を構成する複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、オキセタン環等の4員環フラン環テトラヒドロフラン環オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ−ブチロラクトン環等の5員環;4−オキソ−4H−ピラン環、テトラヒドロピラン環モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環チアゾール環イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環ピロリジン環ピラゾール環、イミダゾール環トリアゾール環等の5員環;ピリジン環ピリダジン環、ピリミジン環ピラジン環ピペリジン環ピペラジン環等の6員環;インドール環インドリン環キノリン環アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等が挙げられる。

0085

上記複素環式基は、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えば、メチル基エチル基等のC1−4アルキル基等)、シクロアルキル基アリール基(例えば、フェニル基ナフチル基等)等を有していてもよい。2価の複素環式基は、前記複素環の構造式から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。

0086

前記Raのなかでも2価の炭化水素基、又は炭化水素基の2個以上が連結基を介して結合した2価の基が好ましく、特に好ましくは2価の脂肪族炭化水素基、又は脂肪族炭化水素基の2個以上が連結基を介して結合した2価の基、最も好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基、又は直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基の2個以上が連結基を介して結合した基、とりわけ好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基、又は直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基の2個以上が連結基を介して結合した基、特に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基である。また、前記連結基としては、エーテル結合が好ましい。

0087

前記式(5)で表される化合物(b)としては、より高硬度を有する硬化物が得られる点から、ビニルエーテル基1個と水酸基1個とを有する化合物(b1)及び/又はオキセタン環含有基1個と水酸基1個とを有する化合物(b3)を含有することが好ましく、とりわけ、オキセタン環含有基1個と水酸基1個とを有する化合物(b3)を少なくとも含有することが好ましく、特に、ビニルエーテル基1個と水酸基1個とを有する化合物(b1)及びオキセタン環含有基1個と水酸基1個とを有する化合物(b3)の双方を少なくとも含有するのが好ましい。

0088

水酸基含有重合性化合物(B)としては、下記式(b1-1)〜(b1-3)(b3-1)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、とりわけ、下記式(b3-1)で表される化合物を少なくとも含有することが好ましい。特に、下記式(b1-2)で表される4−ヒドロキシブチルビニルエーテル及び下記式(b3-1)で表される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの双方を少なくとも含むのが好ましい。

0089

0090

1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタン環含有基から選択されるカチオン重合性基を1個と、水酸基1個とを有する化合物(b)の割合は、水酸基含有重合性化合物(又は第2の重合性化合物)(B)全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%(実質的に、前記化合物(b)のみ)であってもよい。

0091

ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)、及びオキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)の総量の割合は、水酸基含有重合性化合物(第2の重合性化合物)(B)[特に、前記化合物(b)]全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%(実質的に、前記化合物(b1)及び/又は前記化合物(b3)のみ)であってもよい。

0092

ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)の割合は、水酸基含有重合性化合物(第2の重合性化合物)(B)[特に、前記化合物(b)]全体に対して、例えば、5〜100重量%(例えば、10〜70重量%)、好ましくは12〜50重量%(例えば、15〜40重量%)、さらに好ましくは18〜35重量%(例えば、20〜30重量%)程度であってもよい。

0093

オキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)の割合は、水酸基含有重合性化合物(第2の重合性化合物)(B)[特に、前記化合物(b)]全体に対して、例えば、20〜100重量%(例えば、40〜95重量%)、好ましくは50〜90重量%(例えば、60〜85重量%)、さらに好ましくは65〜82重量%(例えば、70〜80重量%)程度であってもよい。

0094

ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b1)、及びオキセタン環含有基1個と、水酸基1個とを有する化合物(b3)の双方を用いる場合の割合は、例えば、化合物(b3)/化合物(b1)(重量比)=1/99〜99/1(例えば、10/90〜95/5)程度の範囲から選択でき、例えば、30/70〜92/8(例えば、40/60〜90/10)、好ましくは50/50〜88/12(例えば、60/40〜85/15)、さらに好ましくは65/35〜82/18(例えば、70/30〜80/20)程度であってもよい。このような範囲であると、密着性をより一層向上し易く好ましい。

0095

前記エポキシ化合物(第1の重合性化合物)(A)[特に、前記第1のエポキシ化合物(A1)及び第2のエポキシ化合物(A2)]と、水酸基含有重合性化合物(第2の重合性化合物)(B)[好ましくは前記化合物(b)、特に前記化合物(b1)及び(b3)の総量]との割合は、前者/後者(重量比)=1/99〜99/1(例えば、10/90〜95/5)程度の範囲から選択でき、例えば、20/80〜90/10(例えば、30/70〜85/15)、好ましくは40/60〜80/20(例えば、45/55〜75/25)、さらに好ましくは50/50〜70/30(例えば、55/45〜65/35)程度であってもよい。エポキシ化合物(A)の割合が少なすぎると、硬度や耐熱性、摺動性、耐磨耗性などが低下するおそれがある。

0096

[他の重合性化合物(第3の重合性化合物)]
本発明の硬化性組成物は、必ずしも必要ではないが、本発明の効果を害しない範囲で前記エポキシ化合物(第1の重合性化合物)(A)及び水酸基含有重合性化合物(第2の重合性化合物)(B)の範疇に属さない他の重合性化合物(第3の重合性化合物)を含んでいてもよい。このような第3の重合性化合物としては、例えば、ビニルエーテル化合物オキセタン化合物などが挙げられる。

0097

(ビニルエーテル化合物)
前記ビニルエーテル化合物としては、ビニルエーテル基を1分子中に少なくとも1個有し、且つ水酸基を有さない化合物(エポキシ基を有する化合物を除く)を1種又は2種以上含有していてもよい。ビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基以外にも他のカチオン重合性基(例えば、オキセタン環含有基)を有していてもよい。

0098

ビニルエーテル化合物は、例えば、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。

0099

R4−(O−CH=CH2)t (6)

0100

(式中、R4は、t価の炭化水素基、t価の複素環式基、又はこれらが単結合若しくは連結基を介して結合したt価の基を示し、tは1以上の整数を示す)。

0101

前記tは1以上の整数であり、例えば1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、特に好ましくは2〜5の整数である。

0102

前記R4におけるt価の炭化水素基及びt価の複素環式基としては、前記式(5)記載のRaにおける2価の炭化水素基及び2価の複素環式基に対応する基が挙げられる。また、前記t価の炭化水素基及びt価の複素環式基は置換基を有していてもよく、前記置換基としては前記式(5)記載のRaにおける2価の炭化水素基及び2価の複素環式基が有していてもよい置換基や、オキセタン環含有基を含む基が挙げられる。更に、前記連結基としては、前記式(5)記載のRaにおける連結基と同様の例が挙げられる。前記R4のなかでも脂環式又は複素環式骨格を有するt価の基が好ましい。

0103

ビニルエーテル化合物としては、下記式(6-1)〜(6-2)で表される化合物や、シクロヘキシルビニルエーテルシクロヘキシルメチルビニルエーテルシクロヘキシルエチルビニルエーテルメンチルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、1−アダマンチルビニルエーテル、2−アダマンチルビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が好ましい。

0104

0105

(オキセタン化合物)
オキセタン化合物としては、オキセタン環含有基を1分子中に少なくとも1個有し、且つ水酸基を有さない化合物(ビニルエーテル基及び/又はエポキシ基を有する化合物を除く)を1種又は2種以上含有していてもよい。オキセタン化合物は、例えば、下記式(7)で表される。

0106

0107

(式中、R7は1価の有機基を示し、R8は水素原子又はエチル基を示し、n10は0以上の整数を示す)。

0108

前記R7における1価の有機基には1価の炭化水素基、1価の複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基等)、置換カルバモイル基(N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基等)、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基ベンゾイル基等の芳香族アシル基等)、及びこれらの2以上が単結合又は連結基を介して結合した1価の基が含まれる。

0109

前記1価の炭化水素基、及び1価の複素環式基としては、前記式(5)記載のRaにおける2価の炭化水素基及び2価の複素環式基に、水素原子が1つ結合した1価の基に対応する基が挙げられる。前記連結基としては、前記式(5)記載のRaにおける連結基と同様の例が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としては前記式(5)記載のRaにおける炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の例が挙げられる。前記n10は0以上の整数を示し、例えば0〜20、好ましくは0〜1である。

0110

オキセタン化合物のなかでも、オキセタン環含有基を1分子中に2個以上有する化合物を使用することが、速硬化性を有し、高硬度の硬化物が得られる点で好ましく、例えば、下記式(7-1)で表される化合物、及び下記式(7-2)で表される化合物等が好ましい。本発明においては、例えば、東亞合成(株)製「アロンオキセタンOXT−221」、「アロンオキセタンOXT−121」等の市販品を使用することができる。

0111

0112

(式中、n11は1〜3の数を示す)。

0113

これらの第3の重合性化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。エポキシ化合物(A)及び水酸基含有重合性化合物(B)の総量(第1及び第2の重合性化合物の総量)の割合は、硬化性組成物中の重合性基を有する化合物全体(第1〜第3の重合性化合物の総量)に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%(実質的に、エポキシ化合物(A)及び水酸基含有重合性化合物(B)のみ)であってもよい。

0114

[レベリング剤(C)]
レベリング剤(表面調整剤又は界面活性剤)はレベリング機能(例えば、表面張力低下能など)を有していればよく、慣用のレベリング剤(例えば、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加体など)を使用できる。本発明では、所定のエポキシ化合物(A)とレベリング剤(C)とを組み合わせることにより、表面平滑性を向上して、摺動性を向上できるのみならず、意外なことに、従来はレベリング剤の機能として想定されていなかった密着性をも向上できる。

0115

レベリング剤は、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤フッ素系レベリング剤ビニル系レベリング剤などに大別できる。

0116

シリコーン系レベリング剤としては、ポリオルガノシロキサン骨格を有するレベリング剤であればよい。ポリオルガノシロキサン骨格としては、単官能性のM単位(一般的にR3SiO1/2で表される単位)、二官能性のD単位(一般的にR2SiO2/2で表される単位)、三官能性のT単位(一般的にRSiO3/2で表される単位)、四官能性のQ単位(一般的にSiO4/2で表される単位)で形成されたポリオルガノシロキサンであればよいが、通常、D単位で形成されたポリオルガノシロキサンが使用される。

0117

ポリオルガノシロキサンの有機基(R)としては、例えば、炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基アルケニルチオ基アリールチオ基アラルキルチオ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、エポキシ基含有基、オキセタン環含有基、シアノ基、イソシアナート基、カルバモイル基、イソチオシアナート基、置換アミノ基などが挙げられる。

0118

炭化水素基には、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が含まれる。

0119

脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基アルキニル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基デシル基ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−20アルキル基(好ましくはC1−10アルキル基、さらに好ましくはC1−4アルキル基)などが挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基アリル基メタリル基、1−プロペニル基イソプロペニル基ブテニル基ペンテニル基ヘキセニル基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−20アルケニル基(好ましくはC2−10アルケニル基、さらに好ましくはC2−4アルケニル基)などが挙げられる。アルキニル基としては、例えば、エチニル基プロピニル基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−20アルキニル基(好ましくはC2−10アルキニル基、さらに好ましくはC2−4アルキニル基)などが挙げられる。

0120

脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などのC3−12シクロアルキル基(特にC5−8シクロアルキル基);シクロヘキセニル基などのC3−12シクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基などのC4−15架橋環式炭化水素基などが挙げられる。

0121

芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6−14アリール基(特にC6−10アリール基)などが挙げられる。

0122

アルコキシ基としては、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基イソブチルオキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基(好ましくはC1−6アルコキシ基、さらに好ましくはC1−4アルコキシ基)などが挙げられる。アルケニルオキシ基としては、例えば、アリルオキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルケニルオキシ基(好ましくはC2−6アルケニルオキシ基、さらに好ましくはC2−4アルケニルオキシ基)が挙げられる。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基トリルオキシ基ナフチルオキシ基などのC6−20アリールオキシ基(特にC6−14アリールオキシ基)などが挙げられる。アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基フェネチルオキシ基などのC7−20アラルキルオキシ基(特にC7−18アラルキルオキシ基)などが挙げられる。

0123

アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、(メタ)アクリロイル基、ベンゾイル基などのC1−20アシル基(特にはC1−12アシル基)などが挙げられる。アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基ベンゾイルオキシ基などのC1−20アシルオキシ基(特にはC1−12アシルオキシ基)などが挙げられる。

0124

アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキルチオ基(特にC1−4アルキルチオ基)などが挙げられる。アルケニルチオ基としては、例えば、アリルチオ基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルケニルチオ基(特にC2−4アルケニルチオ基)などが挙げられる。アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基ナフチルチオ基などの6−20アリールチオ基(特にC6−14アリールチオ基)などが挙げられる。アラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのC6−20アラルキルチオ基(特にC7−18アラルキルチオ基)などが挙げられる。

0125

アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ−カルボニル基(特にC1−6アルコキシ−カルボニル基)などが挙げられる。アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基トリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などのC6−20アリールオキシ−カルボニル基(特にC6−14アリールオキシ−カルボニル基)などが挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基などのC7−20アラルキルオキシ−カルボニル基(特にC7−18アラルキルオキシ−カルボニル基)などが挙げられる。

0126

エポキシ基含有基としては、少なくともオキシラン環骨格を有する基であればよく、例えば、エポキシ基(又はオキシラニル基)、1−メチルオキシラニル基(2−メチルオキシラン−2−イル基)、グリシジル基含有基(例えば、グリシジル基メチルグリシジル基(2−メチルオキシラン−2−イル−メチル基)など)、脂環式エポキシ基(例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル基などのエポキシシクロアルキル基、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル基などのアルキル−エポキシシクロアルキル基など)などが挙げられる。

0127

オキセタン環含有基としては、例えば、オキセタニル基(例えば、オキセタン−3−イル基など)、アルキルオキセタニル基(例えば、3−メチル−3−オキセタニルオキシ基、3−エチル−3−オキセタニルオキシ基などのC1−10アルキルオキセタニルオキシ基など)などが挙げられる。

0128

置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基ジメチルアミノ基ジエチルアミノ基などのモノ又はジアルキルアミノ基(特にモノ又はジ−C1−6アルキルアミノ基)、アセチルアミノ基プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのモノ又はジ−アシルアミノ基(特にモノ又はジ−C1−11アシルアミノ基)などが挙げられる。

0129

これらの有機基は、2種以上の有機基を組み合わせた(結合した)基であってもよい。2種以上の有機基の組み合わせとしては、例えば、脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基との組み合わせ(シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基など)、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基との組み合わせ[ベンジル基、フェネチル基などのC7−18アラルキル基(特に、C7−10アラルキル基)、シンナミル基などのC6−10アリール−C2−6アルケニル基、トリル基などのC1−4アルキル置換アリール基、スチリル基などのC2−4アルケニル置換アリール基など]、アルコキシ基と脂肪族炭化水素基との組み合わせ(メトキシエチル基など)、脂肪族炭化水素基とアリールオキシ基との組み合わせ(メチルフェノキシ基など)などが挙げられる。

0130

前記有機基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシ基ヒドロパーオキシ基、アミノ基、スルホ基などが挙げられる。

0131

これらのポリオルガノシロキサンの有機基(R)のうち、炭化水素基及びその組み合わせなどである場合が多く、通常、C1−12アルキル基(C1−4アルキル基など)、アリール基、アラルキル基が使用され、メチル基、フェニル基(特にメチル基)が汎用される。シロキサン単位繰り返し数重合度)は、例えば2〜3000、好ましくは3〜2000、さらに好ましくは5〜1000程度である。

0132

アクリル系レベリング剤としては、ポリ(メタ)アクリレート[特に、ポリアクリレート]骨格を有するレベリング剤であればよい。ポリ(メタ)アクリレート骨格の側鎖のカルボキシル基は、エステル化(例えば、アルキルエステル化など)されていてもよく、塩[例えば、アミン塩などの有機塩など]を形成していてもよい。

0133

フッ素系レベリング剤としては、フルオロ脂肪族炭化水素骨格を有するレベリング剤であればよい。フルオロ脂肪族炭化水素骨格としては、例えば、フルオロメタンフルオロエタンフルオロプロパンフルオロイソプロパン、フルオロブタン、フルオロイソブタン、フルオロt−ブタン、フルオロペンタン、フルオロヘキサン骨格などのフルオロC1−10アルカン骨格などが挙げられる。

0134

これらのフルオロ脂肪族炭化水素骨格は、少なくとも一部の水素原子がフッ素原子に置換されていればよいが、摺動性及び剛性を向上できる点から、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロ脂肪族炭化水素骨格が好ましい。

0135

さらに、フルオロ脂肪族炭化水素骨格は、エーテル結合を介した繰り返し単位であるポリフルオロアルキレンエーテル骨格を形成していてもよい。繰り返し単位としてのフルオロ脂肪族炭化水素基は、フルオロメチレン基、フルオロエチレン基、フルオロプロピレン基、フルオロイソプロピレン基などのフルオロC1−4アルキレン基からなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。これらのフルオロ脂肪族炭化水素基は、同一であってもよく、複数種の組み合わせであってもよい。フルオロアルキレンエーテル単位の繰り返し数(重合度)は、例えば10〜3000、好ましくは30〜1000、さらに好ましくは50〜500程度であってもよい。

0136

ビニル系レベリング剤は、ビニル化合物重合体骨格を有していればよい。

0137

これらのレベリング剤は、前記例示の骨格を単独で又は2種以上組み合わせて有していてもよい。例えば、シリコーン系レベリング剤がポリ(メタ)アクリレート骨格やフルオロ脂肪族炭化水素基を有していてもよく、アクリル系レベリング剤がポリオルガノシロキサン骨格を有していてもよく、フッ素系レベリング剤がポリオルガノシロキサン骨格を有していてもよい。

0138

また、これらのレベリング剤は、各種の機能性を付与するために、加水分解性基加水分解縮合性基)、エポキシ基に対する反応性基ラジカル重合性基ポリエーテル基ポリエステル基ポリウレタン基などの機能性基などを有していてもよい。

0139

加水分解性基としては、例えば、ヒドロキシシリル基トリクロロシリル基などのトリハロシリル基;ジクロロメチルシリル基などのジハロC1−4アルキルシリル基ジクロロフェニルシリル基などのジハロアリールシリル基クロロジメチルシリル基などのハロジC1−4アルキルシリル基;トリメトキシシリル基トリエトキシシリル基などのトリC1−4アルコキシシリル基ジメトキシメチルシリル基ジエトキシメチルシリル基などのジC1−4アルコキシC1−4アルキルシリル基;ジメトキシフェニルシリル基、ジエトキシフェニルシリル基などのジC1−4アルコキシアリールシリル基;メトキシジメチルシリル基エトキシジメチルシリル基などのC1−4アルコキシジC1−4アルキルシリル基;メトキシジフェニルシリル、エトキシジフェニルシリルなどのC1−4アルコキシジアリールシリル基;メトキシメチルフェニルシリル基、エトキシメチルフェニルシリル基などのC1−4アルコキシC1−4アルキルアリールシリル基などが挙げられる。これらのうち、反応性などの点から、トリメトキシシリル基などのトリC1−4アルコキシシリル基が好ましい。

0140

エポキシ基に対する反応性基としては、例えば、ヒドロキシル基(水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基無水マレイン酸基など)、イソシアネート基などが挙げられる。これらのうち、反応性などの点から、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、イソシアネート基などが汎用され、密着性をより一層向上し易く、取り扱い性入手容易性などの点からも、ヒドロキシル基(又は水酸基)が好ましい。

0141

ラジカル重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基などが挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリロイルオキシ基が汎用される。

0142

ポリエーテル基としては、例えば、ポリオキシエチレン基ポリオキシプロピレン基ポリオキシブチレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基などのポリオキシC2−4アルキレン基などが挙げられる。ポリエーテル基において、オキシアルキレン基の繰り返し数(付加モル数)は、例えば、2〜1000、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50程度である。これらのうち、ポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基などのポリオキシC2−3アルキレン基(特にポリオキシエチレン基)が好ましい。

0143

ポリエステル基としては、例えば、ジカルボン酸テレフタル酸などの芳香族カルボン酸アジピン酸などの脂肪族カルボン酸など)とジオールエチレングリコールなどの脂肪族ジオールなど)との反応により形成されるポリエステル基、環状エステル(例えば、カプロラクトンなどのラクトン類)の開環重合などにより形成されるポリエステル基などが挙げられる。

0144

ポリウレタン基としては、例えば、慣用のポリエステル型ポリウレタン基、ポリエーテル型ポリウレタン基などが挙げられる。

0145

これらの機能性基は、ポリオルガノシロキサン骨格、ポリ(メタ)アクリレート骨格、フルオロ脂肪族炭化水素骨格に対して、直接結合で導入されていてもよく、連結基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はこれらを組み合わせた連結基など)を介して導入されていてもよい。

0146

これらの機能性基のうち、エポキシ化合物(A)と反応して、硬化物の硬度を向上できる点から、加水分解縮合性基、エポキシ基に対する反応性基(好ましくはエポキシ基に対する反応性基、特に水酸基)が好ましく、さらに、密着性をより一層向上できる点から、特に水酸基が好ましい。

0147

なお、水酸基(ヒドロキシル基)は、(ポリ)オキシアルキレン基[(ポリ)オキシエチレン基など]の末端ヒドロキシル基であってもよい。このようなレベリング剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのポリオルガノシロキサン骨格の側鎖に(ポリ)オキシエチレン基などの(ポリ)オキシC2−3アルキレン基が導入されたシリコーン系レベリング剤(ポリジメチルシロキサンポリオキシエチレンなど)、(ポリ)オキシエチレンなどの(ポリ)オキシC2−3アルキレン骨格の側鎖にフルオロ脂肪族炭化水素基が導入されたフッ素系レベリング剤(フルオロアルキルポリオキシエチレンなど)などが挙げられる。

0148

シリコーン系レベリング剤としては、市販のシリコーン系レベリング剤を使用できる。市販のシリコーン系レベリング剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製BYKシリーズのレベリング剤(「BYK−300」、「BYK−301/302」、「BYK−306」、「BYK−307」、「BYK−310」、「BYK−313」、「BYK−315」、「BYK−315N」、「BYK−320」、「BYK−322」、「BYK−323」、「BYK−325」、「BYK−326」、「BYK−330」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−341」、「BYK−342」、「BYK−344」、「BYK−345/346」、「BYK−347」、「BYK−348」、「BYK−349」、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−UV3500」、「BYK−3505」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3530」、「BYK−UV3570」、「BYK−UV3575」、「BYK−UV3576」、「BYK−3550」、「BYK−3565」、「BYK−SILLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3701」、「BYK−SILCLEAN3720」など);Algin Chemie社製ACシリーズのレベリング剤(「ACFS180」、「AC FS360」、「AC S20」など);共栄社化学(株)製ポリフローシリーズのレベリング剤(「ポリフローKL−400X」、「ポリフローKL−400HF」、「ポリフローKL−401」、「ポリフローKL−402」、「ポリフローKL−403」、「ポリフローKL−404」など);信越化学工業(株)製KPシリーズのレベリング剤(「KP−323」、「KP−326」、「KP−341」、「KP−104」、「KP−110」、「KP−112」など);東レ・ダウコーニング(株)製レベリング剤(「LP−7001」、「LP−7002」、「8032ADDITIVE」、「57ADDITIVE」、「L−7604」、「FZ−2110」、「FZ−2105」、「67ADDITIVE」、「8616ADDITIVE」、「3ADDITIVE」、「56ADDITIVE」など);化成(株)製ディスパロンシリーズのレベリング剤(「UVX−272」、「LHP−810」、「NSH−8430HF」、「1711EF」、「1761」、「LS−001」、「LS−050」、「LS−460」、「LS−480」、「LHP-91」、「LHP−96」など)などが挙げられる。

0149

アクリル系レベリング剤としては、市販のアクリル系レベリング剤を使用できる。市販のアクリル系レベリング剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製BYKシリーズのレベリング剤(「BYK−350」、「BYK−352」、「BYK−354」、「BYK−355/356」、「BYK−358N/361N」、「BYK−381」、「BYK−392」、「BYK−394」、「BYK−3440」、「BYK−3441」など);共栄社化学(株)製ポリフローシリーズのレベリング剤(「ポリフローNo.7」、「ポリフローNo.50E」、「ポリフローNo.50EHF」、「ポリフローNo.54N」、「ポリフローNo.55」、「ポリフローNo.75」、「ポリフローNo.77」、「ポリフローNo.85」、「ポリフローNo.85HF」、「ポリフローNo.90」、「ポリフローNo.90D−50」、「ポリフローNo.95」、「ポリフローNo.99C」など);楠本化成(株)製ディスパロンシリーズのレベリング剤(「1970」、「230」、「230HF」、「LF−1980」、「LF−1982」、「LF−1983」、「LF−1984」、「LF−1985」、「UVX−35」、「UVX−36」など)などが挙げられる。

0150

フッ素系レベリング剤としては、市販のフッ素系レベリング剤を使用できる。市販のフッ素系レベリング剤としては、例えば、ダイキン工業(株)製オプツールシリーズのレベリング剤(「DSX」、「DAC−HP」など);AGCセイケミカル(株)製サーフロンシリーズのレベリング剤(「S−211」、「S−221」、「S−231」、「S−241」、「S−242」、「S−243」、「S−420」、「S−611」、「S−651」、「S−386」など);ビックケミー・ジャパン(株)製BYKシリーズのレベリング剤(「BYK−340」など);Algin Chemie社製ACシリーズのレベリング剤(「AC 110a」、「AC 100a」など);DIC(株)製メガファクシリーズのレベリング剤(「メガファックF−114」、「メガファックF−410」、「メガファックF−430」、「メガファックF−444」、「メガファックF−472SF」、「メガファックF−477」、「メガファックF−552」、「メガファックF−553」、「メガファックF−554」、「メガファックF−555」、「メガファックF−556」、「メガファックF−558」、「メガファックEXPTP−2066」、「メガファックEXP TF−1367」、「メガファックEXP TF−1437」、「メガファックEXP TF−1537」、「メガファックR−94」、「メガファックRS−72−K」、「メガファックRS−75」など);住友スリエム(株)製FCシリーズのレベリング剤(「FC−4430」、「FC−4432」など);(株)ネオス製フタージェントシリーズのレベリング剤(「フタージェント100」、「フタージェント100C」、「フタージェント110」、「フタージェント150」、「フタージェント150CH」、「フタージェントA−K」、「フタージェント501」、「フタージェント250」、「フタージェント251」、「フタージェント222F」、「フタージェント208G」、「フタージェント300」、「フタージェント310」、「フタージェント320」、「フタージェント400SW」など);化学産業(株)製PFシリーズのレベリング剤(「PF−136A」、「PF−156A」、「PF−151N」、「PF−636」、「PF−6320」、「PF−656」、「PF−6520」、「PF−651」、「PF−652」、「PF−652−NF」、「PF−3320」など)などが挙げられる。

0151

ビニル系レベリング剤としては、市販のビニル系レベリング剤を使用できる。市販のビニル系レベリング剤としては、例えば、楠本化成(株)製ディスパロンシリーズのレベリング剤(「LHP-90」、「LHP−95」など)などが挙げられる。

0152

これらのレベリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用でき、例えば、複数種のシリコーン系レベリング剤、複数種のアクリル系レベリング剤など同類のレベリング剤をそれぞれ組み合わせてもよく、シリコーン系レベリング剤とアクリル系レベリング剤との組み合わせなど分類が異なるレベリング剤を組み合わせて使用してもよい。これらのレベリング剤のうち、密着性を向上し易い点から、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤などが好ましく、なかでも、ポリオルガノシロキサン骨格を少なくとも有するレベリング剤(特に、シリコーン系レベリング剤)が好ましい。

0153

シリコーン系レベリング剤の割合は、レベリング剤(C)全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%(実質的に、シリコーン系レベリング剤のみ)であってもよい。

0154

また、必ずしも必要ではないが、密着性をより一層向上でき、さらにはエポキシ基と反応可能で硬度も向上できる点から、レベリング剤(C)は、水酸基(ヒドロキシル基)を有するレベリング剤を含むのが好ましい。

0155

水酸基を有するレベリング剤において、固形分(又は有効成分)当たりの水酸基価は、例えば、10mgKOH/g以上(例えば、15〜100mgKOH/g)、好ましくは20mgKOH/g以上(例えば、25〜80mgKOH/g)、さらに好ましくは30mgKOH/g以上(例えば、35〜60mgKOH/g)、特に38mgKOH/g以上(例えば、40〜50mgKOH/g)程度であってもよい。水酸基価が低すぎると、密着性向上効果を十分に発揮できない場合がある。

0156

このような水酸基を有するレベリング剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−SILCLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3720」、「BYK−394」などが挙げられる。

0157

これらの水酸基を有するレベリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの水酸基を有するレベリング剤のなかでも、水酸基を有するシリコーン系レベリング剤が好ましい。水酸基を有するシリコーン系レベリング剤としては、例えば、ポリオルガノシロキサン骨格(ポリジメチルシロキサンなど)の主鎖又は側鎖にポリエーテル基を導入したポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖又は側鎖にポリエステル基を導入したポリエステル変性ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル系樹脂(又はポリ(メタ)アクリレート骨格)にポリオルガノシロキサン骨格を導入したシリコーン変性(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。これらのレベリング剤において、水酸基は、ポリオルガノシロキサン骨格が有していてもよく、ポリエーテル基、ポリエステル基、(メタ)アクリル系樹脂などが有していてもよい。より具体的には、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−SILCLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3720」などが挙げられ、なかでも、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」(特に「BYK−377」)が好ましい。

0158

水酸基を有するレベリング剤(特に、水酸基を有するシリコーン系レベリング剤)の割合は、レベリング剤(C)全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、60〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%[実質的に、水酸基を有するレベリング剤(特に、水酸基を有するシリコーン系レベリング剤)のみ]であってもよい。

0159

レベリング剤(C)の割合は、重合性基を有する重合性化合物の総量(前記第1〜第3の重合性化合物の総量)100重量部に対して、例えば、0.001〜10重量部(例えば、0.01〜1重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、0.05〜0.8重量部(例えば、0.1〜0.5重量部)、好ましくは、0.12〜0.45重量部(例えば、0.15〜0.4重量部)、さらに好ましくは0.18〜0.35重量部(例えば、0.2〜0.3重量部)程度であってもよい。

0160

レベリング剤(C)の割合は、エポキシ化合物(A)100重量部に対して、例えば、0.001〜10重量部(例えば、0.01〜2重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜1.5重量部(例えば、0.2〜1.2重量部)、好ましくは、0.3〜1重量部(例えば、0.35〜0.95重量部)、さらに好ましくは0.4〜0.9重量部(例えば、0.6〜0.93重量部、好ましくは0.7〜0.9重量部)程度であってもよい。

0161

レベリング剤(C)の割合が少なすぎると、硬化物の密着性のみならず、平滑性や摺動性が低下するおそれがあり、多すぎると、硬化物の硬度が低下するおそれがある。

0162

[溶媒(D)]
硬化性組成物は、必ずしも必要ではないが、必要に応じて、溶媒(D)を含んでいてもよい。溶媒(D)としては、慣用の溶媒などを利用できるが、高沸点溶媒(D1)を少なくとも含むのが好ましい。

0163

(高沸点溶媒(第1の溶媒)(D1))
高沸点溶媒(D1)としては、高沸点であればよく、その代表的な沸点としては、例えば、100℃以上(例えば、130〜300℃、好ましくは135〜270℃)程度の範囲から選択でき、例えば、150℃以上(例えば、170〜250℃)、好ましくは180℃以上(例えば、185〜230℃)、さらに好ましくは190℃以上(例えば、195〜220℃)、特に200〜210℃程度であってもよい。このような高沸点溶媒(D1)として具体的には、例えば、アルキル基を有する芳香族炭化水素類、環状エステル類などが挙げられる。

0164

アルキル基を有する芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエンキシレンo−キシレンm−キシレンp−キシレン)、エチルベンゼントリメチルベンゼン(1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン)、エチルトルエン(o−エチルトルエン、m−エチルトルエン,p−エチルトルエン)、クメンプロピルベンゼンテトラメチルベンゼン(1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)、ジエチルベンゼン(o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン)、シメンp−シメンなど)、プロピルトルエン(p−プロピルトルエンなど)、ブチルベンゼンn−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン)、ペンチルベンゼン(n−ペンチルベンゼン)などの直鎖状又は分岐鎖状アルキルベンゼン類、好ましくはモノ乃至テトラC1−6アルキル−ベンゼン(例えば、モノ乃至テトラC1−4アルキル−ベンゼン)などが挙げられる。

0165

なお、アルキル基を有する芳香族炭化水素類には、具体的に例示した上記溶媒(直鎖状又は分岐鎖状アルキルベンゼン類)から選択される少なくとも1種を含む炭化水素混合溶剤、例えば、石油石炭由来由来する炭化水素系混合溶剤(ソルベントナフサミネラルスピリットホワイトスピリットなど)なども含まれる。

0166

これらのアルキル基を有する芳香族炭化水素類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのアルキル基を有する芳香族炭化水素類のうち、キシレン、1,2,4−トリメチルベンゼンなどのモノ乃至トリC1−3アルキル−ベンゼン、ソルベントナフサ、ホワイトスピリットなどが好ましく、なかでも、キシレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、ソルベントナフサなどが好ましい。

0167

環状エステル類としては、例えば、β−プロピオラクトン、γーブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン(γ−ヘキサノラクトン)、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンなどの直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(例えば、C1−6アルキル基など)を有していてもよい4〜7員環ラクトン(例えば、C1−4アルキル基を有していてもよい5〜6員環ラクトン)などが挙げられる。これらの環状エステル類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの環状エステル類のうち、好ましくはγ−ブチロラクトンなどのC1−3アルキル基を有していてもよい5員環ラクトンなどが挙げられる。

0168

これらの第1の溶媒(D1)は単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒であってもよい。密着性を向上する観点から、溶媒(D)は、これらの第1の溶媒(D1)から選択された少なくとも1種の溶媒を含むのが好ましく、なかでも、アルキル基を有する芳香族炭化水素類及び環状エステル類から選択される少なくとも1種の溶媒(特に、少なくとも環状エステル類)を含むのが好ましく、特に、アルキル基を有する芳香族炭化水素類及び環状エステル類の双方を含む混合溶媒が好ましい。

0169

このような混合溶媒において、アルキル基を有する芳香族炭化水素類と、環状エステル類との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=1/99〜99/1(例えば、10/90〜90/10)程度の範囲から選択でき、例えば、20/80〜80/20(例えば、30/70〜70/30)、好ましくは40/60〜60/40(例えば、45/55〜55/45)程度であってもよい。

0170

溶媒(D)が高沸点溶媒(D1)を含むと、意外なことに硬化物における密着性が向上するようである。この理由は定かではないが、硬化工程などで加熱処理されても、硬化物中に高沸点溶媒(D1)が微量に残存して硬化物や基材などと何らかの相互作用を生じるためかと推測される。

0171

(他の溶媒(第2の溶媒)(D2))
溶媒(D)は、必要に応じて、前記高沸点溶媒(D1)に属さない他の溶媒(第2の溶媒)(D2)を含んでいてもよい。第2の溶媒(D2)としては、特に制限されず、慣用の溶媒、例えば、ケトン類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノンなど)、エーテル類ジエチルエーテルジイソプロピルエーテルジオキサンテトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、ベンゼン、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタンジクロロエタンなど)、エステル類酢酸メチル酢酸エチルなど)、水、アルコール類エタノールイソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類(メトキシプロピルアセテートなど)、アミド類ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。

0172

高沸点溶媒(D1)及び第2の溶媒(D2)は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。溶媒(D)が高沸点溶媒(D1)を少なくとも含む場合、その割合は特に制限されず、例えば、溶媒(D)全体に対して、1重量%以上(例えば、10〜100重量%程度)の範囲から選択でき、例えば、30重量%以上(例えば、50〜99.9重量%程度)、好ましくは70重量%以上(例えば、80〜99重量%程度)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜98重量%程度)、特に、100重量%[実質的に、高沸点溶媒(D1)のみ]であってもよい。

0173

溶媒(D)を含む硬化性組成物の固形分重量は、成形工程のプロセスに応じて、その工程に適した硬化性組成物の粘度に調整するために、任意に選択でき、特に限定されない。また、本発明の硬化性組成物は、比較的取り扱い易い場合が多いため、溶媒(D)を必ずしも含んでいなくてもよく、少量又は微量に含んでいてもよい。そのため、溶媒(D)(特に高沸点溶媒(D1))の代表的な割合としては、重合性基を有する重合性化合物の総量(前記第1〜第3の重合性化合物の総量)100重量部に対して、例えば、0〜5重量部(例えば、0.001〜3重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、0.01〜1重量部(例えば、0.05〜0.8重量部)、好ましくは、0.08〜0.5重量部(例えば、0.1〜0.4重量部)、さらに好ましくは0.15〜0.35重量部(例えば、0.2〜0.3重量部)程度であってもよい。溶媒(D)(特に高沸点溶媒(D1))が多すぎると、硬化物中に多量に残存して、硬化物の硬度や耐磨耗性(特に高負荷環境下における耐磨耗性)がするおそれがある。また、成形工程において乾燥に手間がかかったり、耐溶剤性が低い基材に適用できなくなったり、溶媒の揮発による臭気の発生を低減できないおそれもある。

0174

なお、溶媒(D)は、前記重合性化合物やレベリング剤(C)、慣用の添加剤などとともに添加することもできる。例えば、前記レベリング剤(C)の項で具体的に例示した市販品のレベリング剤には、レベリング剤(C)と溶媒とを含む溶液の形態で販売される製品もあるため、この製品に含まれる溶媒を溶媒(D)の一部又は全部として利用してもよい。高沸点溶媒(D1)を含む溶液形態で販売されるレベリング剤として代表的には、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−320」、「BYK−325」、「BYK−370」などが挙げられ、なかでも、「BYK−325」が好ましい。

0175

そのため、溶媒(D)(特に高沸点溶媒(D1))の割合は、レベリング剤(C)100重量部に対して、例えば、0〜1000重量部(例えば、10〜800重量部)の範囲から選択でき、例えば、30〜500重量部(例えば、50〜400重量部)、好ましくは、60〜300重量部(例えば、70〜200重量部)、さらに好ましくは80〜150重量部(例えば、85〜100重量部)程度であってもよい。溶媒(D)(特に高沸点溶媒(D1))が多すぎると、硬化物中に多量の溶媒が残存して、硬化物の硬度や耐磨耗性(特に高負荷環境下における耐磨耗性)が低下するおそれがある。

0176

[硬化剤]
本発明の硬化性組成物は、硬化剤を含んでいることが多い。硬化剤としては、慣用の硬化剤[例えば、酸及び酸無水物系硬化剤アミン系硬化剤ポリアミノアミド系硬化剤イミダゾール系硬化剤有機酸ヒドラジド系硬化剤潜在性硬化剤ジシアンジアミド類など)、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール系硬化剤など]などであってもよく、重合開始剤、例えば、カチオン重合を開始可能なカチオン重合開始剤酸発生剤)などであってもよい。

0177

これらのうち、カチオン重合開始剤(酸発生剤)やアミン系硬化剤が汎用される。カチオン重合開始剤には、重合の種類に応じて、光酸発生剤及び熱酸発生剤が含まれる。

0178

光酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩スルホニウムイオンアニオンとの塩)、ジアゾニウム塩ジアゾニウムイオンとアニオンとの塩)、ヨードニウム塩ヨードニウムイオンとアニオンとの塩)、セレニウム塩(セレニウムイオンとアニオンとの塩)、アンモニウム塩アンモニウムイオンとアニオンとの塩)、ホスホニウム塩ホスホニウムイオンとアニオンとの塩)、オキソニウム塩オキソニウムイオンとアニオンとの塩)、遷移金属錯体イオンとアニオンとの塩、臭素化合物などが挙げられる。これらの光酸発生剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの光酸発生剤のうち、反応性を向上でき、硬化物の硬度を向上できる点から、酸性度の高い酸発生剤、例えば、スルホニウム塩が好ましい。

0179

スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウム塩、トリ−p−トリルスルホニウム塩、トリ−o−トリルスルホニウム塩、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム塩、1−ナフチルジフェニルスルホニウム塩、2−ナフチルジフェニルスルホニウム塩、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウム塩、トリ−1−ナフチルスルホニウム塩、トリ−2−ナフチルスルホニウム塩、トリス(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウム塩、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム塩、[4−(4−ビフェニルチオ)フェニル]−4−ビフェニルフェニルスルホニウム塩、4−(p−トリルチオ)フェニルジ−(p−フェニル)スルホニウム塩などのトリアリールスルホニウム塩;ジフェニルフェナシルスルホニウム塩、ジフェニル4−ニトロフェナシルスルホニウム塩、ジフェニルベンジルスルホニウム塩、ジフェニルメチルスルホニウム塩などのジアリールスルホニウム塩;フェニルメチルベンジルスルホニウム塩、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム塩、4−メトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム塩などのモノアリールスルホニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウム塩、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム塩、ジメチルベンジルスルホニウム塩などのトリアルキルスルホニウム塩などが挙げられる。これらのスルホニウム塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのスルホニウム塩のうち、トリアリールスルホニウム塩が好ましい。

0180

カチオンと塩を形成するためのアニオン(対イオン)としては、例えば、SbF6−、PF6−、BF4−、フッ化アルキルフルオロリン酸イオン[(CF3CF2)3PF3−、(CF3CF2CF2)3PF3−など]、(C6F5)4B−、(C6F5)4Ga−、スルホン酸アニオントリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオンp−トルエンスルホン酸アニオンなど)、(CF3SO2)3C−、(CF3SO2)2N−、過ハロゲン酸イオン、ハロゲン化スルホン酸イオン、硫酸イオン炭酸イオンアルミン酸イオンヘキサフルオロビスマス酸イオン、カルボン酸イオンアリールホウ酸イオン、チオシアン酸イオン硝酸イオンなどが挙げられる。これらのアニオンは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのアニオンのうち、SbF6−、PF6−、フッ化アルキルフルオロリン酸イオンなどが汎用され、溶解性などの点からはフッ化アルキルフルオロリン酸イオンなどが好ましく、通常、PF6−などであることが多い。

0181

光酸発生剤は市販の光酸発生剤を使用できる。市販の光酸発生剤としては、例えば、サンアプロ(株)製「CPI−101A」、「CPI−110A」、「CPI−100P」、「CPI−110P」、「CPI−210S」、「CPI−200K」;ダウ・ケミカル社製「CYRACURE UVI−6990」、「CYRACURE UVI−6992」;ダイセル・オルクス(株)製「UVACURE1590」;米国サートマー製「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」;BASF社製「イルガキュア−264」;日本曹達(株)製「CIT−1682」;ローディアジャパン(株)製「PHOTOINITIATOR 2074」などを利用できる。

0182

熱酸発生剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩アレンイオン錯体、第4級アンモニウム塩アルミニウムキレート三フッ化ホウ素アミン錯体などが挙げられる。これらの熱酸発生剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの熱酸発生剤のうち、反応性を向上でき、硬化物の硬度を向上できる点から、酸性度の高い酸発生剤、例えば、アリールスルホニウム塩が好ましい。アニオンとしては、光酸発生剤と同様のアニオンなどが挙げられ、SbF6−などのアンチモンフッ化物イオンであってもよい。

0183

熱酸発生剤も市販の熱酸発生剤を使用できる。市販の熱酸発生剤としては、例えば、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−60S」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」や、(株)ADEKA製「SP−66」、「SP−77」などを利用できる。これらのうち、「サンエイドSI−100L」などの芳香族スルホニウム塩などが汎用される。

0184

なお、これらの光又は熱酸発生剤は、それぞれ光及び熱のいずれの作用によっても酸を発生できる場合がある。

0185

アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミンジエチレントリアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミンヘキサメチレンジアミンポリプロピレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン;メンセンジアミンイソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシルメタンジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−3,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの脂環式ポリアミンm−フェニレンジアミンp−フェニレンジアミントリレン−2,4−ジアミン、トリレン−2,6−ジアミン、メシチレン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトリレン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトリレン−2,6−ジアミン、ビフェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、2,5−ナフチレンジアミン、2,6−ナフチレンジアミンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。これらのアミン系硬化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、脂環式ポリアミン(メンセンジアミン、イソホロンジアミンなど)、芳香族ポリアミン(キシレンジアミンメタフェニレンジアミンなど)などが汎用される。

0186

これらのうち、重合を促進し、硬化物の硬度を向上できる点から、カチオン重合開始剤(酸発生剤)が好ましい。

0187

硬化剤の割合は、前記第1〜第3の重合性化合物や硬化剤の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、重合性基を有する重合性化合物の総量(前記第1〜第3の重合性化合物の総量)100重量部に対して0.01〜200重量部(例えば0.1〜150重量部)程度の範囲から選択できる。

0188

カチオン重合開始剤の割合は、重合性基を有する重合性化合物の総量(前記第1〜第3の重合性化合物の総量)100重量部に対して0.01〜10重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部(特に1.5〜2.5重量部)程度である。カチオン重合開始剤の割合が少なすぎると、硬化反応の進行が低下し、硬化物の硬度が低くなるおそれがあり、多すぎると、組成物の保存安定性が低下したり、硬化物が着色するおそれがある。

0189

アミン系硬化剤などの慣用の硬化剤の割合は、重合性基を有する重合性化合物(例えば、エポキシ化合物(A))100重量部に対して、例えば、50〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度であってもよい。

0190

[慣用の添加剤]
硬化性組成物は、密着性などの本発明の効果を損なわない範囲で、慣用の添加剤を含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、増感剤(アクリジン類、ベンゾフラビン類、ペリレン類、アントラセン類チオキサントン類レーザ色素類など)、増感助剤、、硬化促進剤イミダゾール類アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキシドホスフィン類アミド化合物ルイス酸錯体化合物、硫黄化合物ホウ素化合物縮合性有機金属化合物など)、充填剤酸化チタンアルミナなどの無機充填剤など)、安定化剤酸化防止剤紫外線吸収剤、耐光安定剤熱安定剤など)、可塑剤滑剤消泡剤帯電防止剤難燃剤着色剤顔料染料など)などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の合計割合は、重合性基を有する重合性化合物の総量(前記第1〜第3の重合性化合物の総量)100重量部に対して100重量部以下程度であり、例えば、30重量部以下(例えば0.01〜20重量部)、好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜5重量部)程度である。

0191

硬化性組成物は、前記エポキシ化合物(A)及びレベリング剤(C)と、必要に応じて、水酸基含有重合性化合物(B)、溶媒(D)、硬化剤などの他の成分とを、慣用の方法により混合又は分散することで調製できる。

0192

[硬化物及び複合成形体]
(硬化物及び複合成形体の製造方法)
硬化物は、前記硬化性組成物を硬化させる硬化工程を経て形成できる。硬化は硬化剤の種類などに応じて、活性エネルギー線照射することにより硬化してもよく、加熱して硬化してもよく、これらを併用してもよい。これらのうち、通常、活性エネルギー線を照射することが多い。

0193

活性エネルギー線として、熱及び/又は光エネルギー線を利用でき、特に光エネルギー線を利用して光照射するのが有用である。光エネルギー線としては、放射線ガンマー線X線など)、紫外線可視光線電子線(EB)などが利用でき、通常、紫外線、電子線である場合が多い。特に、硬化剤を使用せずに重合ができ、高い耐候性を要求される用途では、電子線で照射してもよい。

0194

光源としては、例えば、紫外線の場合は、Deep UVランプ低圧水銀ランプ中圧水銀ランプ高圧水銀ランプ超高圧水銀ランプハロゲンランプメタルハライドランプアーク灯エキシマランプレーザー光源ヘリウムカドミウムレーザーエキシマレーザーなどの気体レーザー、YAGレーザーなどの固体レーザー半導体レーザー色素レーザーなどの液体レーザーなどの光源など)、高周波誘起紫外線発生装置などを用いることができる。照射光量(照射エネルギー又は積算光量)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、10〜10000mJ/cm2(例えば、50〜7000mJ/cm2)、好ましくは70〜5000mJ/cm2、さらに好ましくは100〜1000mJ/cm2程度であってもよい。さらに、二次元又は三次元状成形体に対する密着性を向上させるために、光量や照射時間を増加してもよく、照射光量は、例えば、300〜10000mJ/cm2(特に400〜3000mJ/cm2)程度であってもよい。

0195

電子線の場合は、電子線照射装置などの露光源によって、電子線を照射する方法が利用できる。照射量(線量)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、1〜200kGyグレイ)、好ましくは5〜150kGy、さらに好ましくは10〜100kGy(特に20〜80kGy)程度である。加速電圧は、例えば10〜1000kV、好ましくは50〜500kV、さらに好ましくは100〜300kV程度である。

0196

活性エネルギー線(特に電子線)の照射は、必要であれば、不活性ガス(例えば、窒素ガスアルゴンガスヘリウムガスなど)雰囲気中で行ってもよい。

0197

なお、活性エネルギー線により硬化した後、加熱処理(アニール処理又はエージング処理)してもよい。エージング処理において、加熱温度は、例えば、30〜250℃、好ましくは50〜220℃、さらに好ましくは60〜200℃(特に120〜160℃)程度である。加熱時間は、例えば、10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間、さらに好ましくは1〜3時間程度である。エージング処理は、段階的に温度を上昇させて行ってもよい。

0198

一方、熱カチオン重合開始剤(又は熱酸発生剤)を用いて、熱硬化させる場合、加熱温度は、例えば、30〜200℃、好ましくは50〜190℃、さらに好ましくは60〜180℃程度である。加熱時間は、例えば、10分〜6時間、好ましくは1〜3時間程度であってもよい。

0199

硬化工程では、幅広支持体に利用できる点から、紫外線などの活性エネルギー線を用いて硬化するのが好ましい。

0200

このようにして得られる硬化物は、密着性に優れているため、プライマー層を介在させなくても成形体などの基材に対して強い密着力密着(接合又は接着)できる。そのため、本発明には、前記硬化物と、成形体とが接合又は接着した複合成形体も包含される。このような複合成形体は、例えば、硬化工程において、前記硬化性組成物を成形体表面に塗布して塗膜(又はコーティング層)を形成し、この塗膜を硬化する工程を経ることにより調製してもよい。

0201

塗布方法は特に制限されず、慣用の方法、例えば、ロールコーティングエアナイフコーティングブレードコーティングロッドコーティング、リバースコーティング、バーコーティング、コンマコーティング、ダイコーティンググラビアコーティングスクリーンコーティング法スプレー法スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、ブレードコーティング法バーコーティング法グラビアコーティング法などが汎用される。

0202

このような方法により得られた塗膜は、硬化処理の前に、加熱して乾燥(予備加熱)してもよい。予備加熱温度は、例えば40〜150℃、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃(特に70〜90℃)程度である。予備加熱時間は、10秒以上(例えば10秒〜10分)、好ましくは20秒以上(例えば20秒〜5分)、さらに好ましくは30秒以上(例えば30秒〜2分)程度であってもよい。

0203

また、前記硬化物は、幅広い基材に対して優れた密着性を有するため、硬化物と接合させる成形体の材質は特に制限されず、有機材料又は無機材料のいずれであってもよい。

0205

無機材料としては、例えば、セラミック材料ガラスシリコンセメントなど);金属材料[例えば、金属単体アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛クロムチタンなど)、これらの金属を含む合金アルミニウム合金、鋼(ステンレス鋼など)など)など]などが挙げられる。

0206

また、成形体の形態は特に制限されず、例えば、繊維状(糸状、ロープ状ワイヤー状など)などの一次元形状、板状、シート状、フィルム状、箔状、布又はクロス状(織布、編布、不織布など)、紙状(上質紙グラシン紙、クラフト紙、和紙など)などの二次元形状、塊状、ブロック状、棒状(円柱状、多角柱状など)、管状などの3次元形状などが挙げられる。

0207

これらのうち、無機材料で形成された成形体、なかでも金属材料(例えば、アルミニウム単体及びアルミニウムを含む合金から選択される少なくとも1種の金属材料、特にアルミニウム合金など)で形成された成形体が好ましい。従来、セラミック材料や金属材料などの無機材料で形成された成形体に硬化物を密着させるには、予めプライマー処理を施す必要があったが、本発明の硬化性組成物を用いると、プライマー処理を施すことなく直接接合しても、硬化物を有効に接着できる。そのため、作業性が向上し、複合成形体を簡便に又は効率よく形成できる。

0208

なお、必ずしも必要ではないが、成形体には、必要に応じて表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、特に制限されず、慣用の表面処理が利用でき、例えば、ブラスト処理(サンドブラスト処理ウォーターブラスト処理など)、エッチング処理プラズマ処理電解エッチング化学エッチングなど)、研磨処理ショットピーニングなどの表面形状などを調整する処理、化成処理(又は薬品処理)、陽極酸化イオン注入表面熱処理高周波焼入れ炎焼入れなど)などの表面組成を調整する処理、めっき処理[湿式めっき電気めっき、化学めっき乾式めっき又は蒸着(PVD、CVDなど)、溶融めっき溶融亜鉛めっき溶融アルミニウムめっきなど)など]、塗装ライニング処理樹脂ライニングガラスライニングなど)、溶射処理、などのコーティング処理などが挙げられる。これらの表面処理は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。

0209

また、成形体表面(特に、硬化物との接合面を形成する領域)のRzは特に制限されず、例えば、0.1〜100μm(例えば、1〜50μm)程度の範囲から選択でき、密着性を向上し易い観点から、例えば、2〜40μm(例えば、3〜30μm)、好ましくは3.5〜20μm(例えば、4〜15μm)、さらに好ましくは4.5〜12μm(例えば、5〜10μm)、特に5〜8μm程度であってもよい。なお、最大高さ粗さRzは、JIS B0601(2001)に準拠して測定できる。このような範囲にあると、密着性をより顕著に向上できるため好ましい。

0210

そのため、成形体表面において、硬化物との接合面を形成する少なくとも一部の領域を、前述の表面処理などにより粗面化して、成形体表面のRzを調整してもよい。すなわち、本発明の複合成形体の製造方法では、前述の硬化工程に加え、成形体を表面処理して、接合前の成形体表面(特に、接合面を形成する領域)のRzを調整する表面処理工程をさらに含んでいてもよい。

0211

粗面化した成形体表面を形成するための表面処理としては、特に制限されず、例えば、前述の表面処理に例示した処理などが挙げられ、これらの処理は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらの表面処理のうち、表面形状などを調整する処理が好ましく、ブラスト処理(特にサンドブラスト処理)がさらに好ましい。ブラスト処理により粗面化すると、成形体の材質や形態などにもよるが、極めて軽微又は簡素な処理であっても、Rzを容易に前記範囲に調整でき、高い密着性と高い生産効率とを両立できる。さらに、ブラスト処理(特に、アルミナを研磨材として用いたサンドブラスト処理)が施された表面であると、成形体表面(特に、硬化物との接合面を形成する領域)の最大高さ粗さRzが同程度であっても、他の表面処理に比べて密着性が向上するようである。この理由は定かではないが、ブラスト処理により形成された細かな凹凸面が表面積を増大させる効果があるためかと考えられる。

0212

ブラスト処理で使用する砥粒(又は研磨材)の材質としては、代表的には、無機物、例えば、金属酸化物(アルミナ、ジルコニアなど)、金属又は合金(鉄、アルミニウム、銅、ステンレススチール、アルミニウム合金など)、ガラス、炭化珪素重曹など;有機物、例えば、樹脂[例えば、ポリアミド樹脂ナイロンなど)、ポリエステル樹脂不飽和ポリエステルなど)、ポリカーボネート樹脂ユリア樹脂メラミン樹脂など]、植物(とうもろこしの芯、クルミの殻、や杏の種(核)など)などを用いることができる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせてもよい。特に生産性などの観点からアルミナが好ましい。

0213

(硬化物及び複合成形体の特性)
本発明の硬化物は、プライマー層などを形成しなくても基材に対する密着性が高い。また、外観も良好で表面平滑性が高いのみならず、硬度や耐磨耗性も高く、摺動性に優れたコーティング層を形成できる。そのため、複合成形体は、摺動部材などとして好適に利用できる。

0214

複合成形体の密着性としては、後述する実施例記載テープ剥離試験において剥離しなかったマスが、例えば、30マス以上(例えば、50〜100マス程度)、好ましくは70マス以上、さらに好ましくは90マス以上、、特に100マスであってもよい。

0215

また、複合成形体の密着性は、後述する実施例記載のSAICAS試験において、剥離強度が、例えば、0.05kN/m以上(例えば、0.1〜3kN/m)程度の範囲から選択でき、例えば、0.2kN/m以上(例えば、0.3〜2.5kN/m)、好ましくは0.5kN/m以上(例えば、0.7〜2kN/m)、さらに好ましくは0.8kN/m以上(例えば、0.9〜1.8kN/m)、特に1kN/m以上(例えば、1.1〜1.6kN/m)、程度であってもよい。

0216

硬化物表面算術平均粗さRaは、JIS B0601(2001)に準拠して測定でき、例えば、0.2μm以下(例えば、0.001〜0.18μm)、好ましくは0.15μm以下(例えば、0.01〜0.12μm)、さらに好ましくは0.1μm以下(例えば、0.02〜0.08μm)程度であってもよい。算術平均粗さRaが大きすぎると、表面平滑性が低下して摺動性が低下するおそれがある。

0217

硬化物表面における押し込み硬さは、後述する実施例記載の微小硬度評価試験により測定でき、例えば、50〜400N/mm2(例えば、100〜300N/mm2)、好ましくは110〜260N/mm2(例えば、120〜230N/mm2)、さらに好ましくは140〜200N/mm2(例えば、150〜180N/mm2)程度であってもよい。押し込み硬さが小さすぎると、耐磨耗性を長期間持続するのが困難となるおそれがある。

0218

硬化物表面における弾性率は、後述する実施例記載の微小硬度評価試験により測定でき、例えば、2000〜5000N/mm2(例えば、2500〜4500N/mm2)、好ましくは3000〜4000N/mm2(例えば、3200〜3800N/mm2)、さらに好ましくは3400〜3600N/mm2程度であってもよい。

0219

硬化物表面における弾塑比は、後述する実施例記載の微小硬度評価試験により測定でき、例えば、10〜45%(例えば、15〜40%)、好ましくは20〜35%(例えば、25〜30%)程度であってもよい。なお、弾塑比とは、負荷時の変形量に対して、除荷時に回復する割合を負荷—除荷曲線より求めたパラメータで、この値が大きいほど、弾性的な挙動(負荷をかけても元に戻る力)が強いことを示す。

0220

また、複合成形体における硬化物の平均厚みは、硬化物の形態や用途などに応じて適宜選択でき、特に制限されない。通常、複合成形体は、コーティング層としての硬化物が、成形体表面の少なくとも一部の領域に接合又は接着した形態であることが多い。そのため、硬化物は、薄膜状であってもよく、その平均厚みは、例えば、1μm以上(例えば1〜100μm)、好ましくは5〜80μm、さらに好ましくは10〜50μm(例えば、15〜25μm)程度であってもよい。平均厚みが薄すぎると、摺動性及び剛性が低下するおそれがある。なお、平均厚みは、例えば、光学式膜厚計を用いて、任意の10箇所の平均値として測定できる。

0221

以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例において使用した材料及び評価方法を以下に示す。

0222

[材料]
(基材)
アルミニウム合金ADC12:#600研磨仕上げ、サイズ60mm×60mm×2mm、算術平均粗さRa=0.4566μm、最大高さ粗さRz=4.0412μm、日本テストパネル(株)製特注品

0223

(重合性化合物)
脂環式エポキシ化合物1:3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル
脂環式エポキシ化合物2:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製「セロサイド2021P」
1,4−BDGE:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
OXT−101:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、東亞合成(株)製「アロンオキセタン OXT−101」
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
ISB−DVE:イソソルビドジビニルエーテル、(株)ダイセル製「ISB−DVE」

0224

(重合開始剤)
CPI−100P:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートプロピレンカーボネート溶液、サンアプロ(株)製「CPI−100P」
SI−100L:三新化学工業(株)製「サンエイドSI−100L」

0225

(レベリング剤)
レベリング剤1:水酸基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの溶液[溶剤メトキシプロパノール、不揮発分(10分、150℃):25重量%、水酸基価(有効成分):29mgKOH/g)]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−SILCLEAN3720」
レベリング剤2:水酸基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの溶液[溶剤:キシレン/アルキルベンゼン/シクロヘキサノン/モノフェニルグリコール(重量比:75/11/7/7)、不揮発分(10分、150℃):25重量%、水酸基価(固形分):35mgKOH/g)]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−370」
レベリング剤3:水酸基を有するシリコーン変性ポリアクリレートの溶液[溶剤:メトキシプロピルアセテート、不揮発分(30分、150℃):25重量%、水酸基価(有効成分):約30mgKOH/g)]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−SILCLEAN3700」
レベリング剤4:水酸基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン[水酸基価(固形分):約45mgKOH/g)]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−377」
レベリング剤5:ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサンの溶液[溶剤:γ−ブチロラクトン/アルキルベンゼン(重量比:1/1)、より詳細には、γ−ブチロラクトン/アルキルベンゼンソルベントナフサ/1,2,4−トリメチルベンゼン/キシレン(重量比:(20〜30)/(10〜20)/6.84/(0.1〜1)、合計で溶液全体の48重量%)、不揮発分(60分、105℃):52重量%]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−325」
レベリング剤6:ポリエ−テル変性ポリメチルアルキルシロキサンの溶液[溶剤:ホワイトスピリット/メトキシプロピルアセテート(重量比:9/1)、不揮発分(60分、105℃):52重量%]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−320」
レベリング剤7:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの溶液[溶剤:メトキシプロピルアセテート、不揮発分(10分、150℃):15重量%]、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−313」
レベリング剤8:アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−322」
レベリング剤9:アクリル系共重合物、ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−350」。

0226

[評価方法]
(テープ剥離試験)
塗装面に2mm×2mmのマス目を10マス×10マスの100個作製し、その表面にセロハンテープを貼着し、このテープを急激に剥がした後、全面積の80%以上の領域に塗膜が残っているマスの数をカウントすることによって、簡易的に密着性を評価した。

0227

(SAICAS(Surface and Interfacial Cutting Analysis System)試験
テープ剥離試験よりも、密着性(特に剥離強度が比較的高い領域における密着性)をより定量的に評価可能なSAICAS試験によって界面における剥離強度[kN/m]を評価した。表面・界面切削試験装置(ダイプラウィンテス(株)製「DN−GS」)を用いて、以下の条件により行った。

0228

測定条件
測定モード:低速度モード
切刃ボラゾン切刃(刃幅1mm、スクイ角20°、ニゲ角10°)
垂直変位測定ポイント:切刃支持台
水平速度:2μm/sec
垂直速度:0.1μm/sec
切り込み制限:マニュアル(コーティング層と基材との界面又はコーティング層とプライマー層との界面到達時にON)

0229

外観評価
塗装面の外観を以下の基準で評価した。

0230

○:コーティング(硬化物)にむらがなく、かつコーティング剤(硬化性組成物)がはじかれた形跡がない
×:コーティングにむらがある又はコーティング剤がはじかれた形跡がある。

0231

(平滑性評価)
JIS B0601(2001)に準拠し、微細形状測定機((株)小坂研究所製「ET4000A」)を用いて、塗膜(硬化物)表面の算術平均粗さRa[μm]を測定した。

0232

磨耗試験
以下の条件で磨耗試験を実施した後、微細形状測定機((株)小坂研究所製「ET4000A」)を用いて、摺動痕の有無、摺動痕の深さの最大値を観察した。

0233

磨耗試験条件
荷重:2.5[N]、5[N]及び10[N]
環境:トヨキャッスルオイル0W−30浸漬
温度:80℃
相手材:SUJ2硬球(φ10mm)
往復速度:1.8Hz
往復幅:10mm
時間:5分

0234

(微小硬度評価)
微小硬度計((株)エリオニクス製「ENT−2100」)を用いて、以下の条件で測定し、押し込み硬さ[N/mm2]、弾性率[N/mm2]及び弾塑比[%]をn=9の平均値を求めた。

0235

測定条件
測定モード:負荷−除荷モード
面検出:傾斜(2.0)
負荷曲線:10秒かけて5mN(線形
クリープ:10秒間 5mN
除荷曲線:10秒かけて0mN(線形)
圧子:バーコビッチ圧子。

0236

[比較例1、実施例1〜20、参考例1]
表1に記載の割合で各成分を混合して硬化性組成物を調製した。基材としてのアルミニウム合金ADC12をアセトンで脱脂し、この基材の上にプライマーを塗布することなく、前記硬化性組成物をワイヤーバー#10を用いて塗布した後、80℃で1分間プリベイクした。ベルトコンベア式高圧水銀ランプ(ウシ電機(株)製「UVC−02516S1」)を用いて、120Wランプ出力コンベア速度5.5m/分で紫外線を照射し、積算光量1600mJ/cm2の紫外線で処理した。最後に、80℃で1時間、次いで150℃で1時間熱処理(エージング処理)することによって、硬化性組成物の塗膜を硬化させ、複合成形体(塗装アルミニウム合金板)を作製した。得られた各複合成形体の評価結果を表2に示す。

0237

[比較例2]
基材としてのアルミニウム合金ADC12をアセトンで脱脂し、この基材の上にプライマーとしてのポリアミドイミド(PAI)(東レダウコーニング(株)製「モリコートD−7409」)をワイヤーバー#3を用いて塗布した後、80℃で15分間プリベイクし、200℃で60分間焼成した。ポリアミドイミド層が形成された複合成形体(塗装アルミニウム合金板)を作製した。得られた複合成形体の評価結果を表2に示す。

0238

0239

0240

表2から明らかなように、比較例1の従来の硬化性組成物では、プライマーを塗布していないため、テープ剥離試験の結果が20/100と低い密着性を示した。これに対して、実施例では、プライマーを塗布していないにもかかわらず、テープ剥離試験の結果が約2.5倍以上も向上した。なお、レベリング剤を含まない参考例1では、比較例1に対して密着性は向上したものの、外観不良であるのみならず、Raも大きいため、摺動部材としては好ましくない。

0241

硬化性組成物の配合割合が同じでレベリング剤の種類が異なる実施例10〜14及び17〜20を比較すると、テープ剥離試験では、水酸基を有するレベリング剤を用いた実施例10〜13(特に、主としてシリコーン単位を含むレベリング剤を用いた実施例10、11及び13)、及び高沸点溶媒(特に、γ−ブチロラクトン)を含むレベリング剤を用いた実施例14が密着性に優れていた。なかでも、水酸基価がやや高めのレベリング剤を用いた実施例11及び13と、高沸点溶媒を含む実施例14とでは、SAICAS試験においても高い密着性を示した。また、実施例10、11、13及び14では、外観も良好であり、Raも低かった。

0242

同じ種類のレベリング剤を用いた実施例(例えば、実施例14〜16など)から、脂環式エポキシ化合物の割合が多すぎると、密着性や、高負荷環境における耐磨耗性が低下する場合があると推測される。

0243

[比較例3]
基材として比較例2で得られた複合成形体[ポリアミドイミド層(プライマー層)が形成されたアルミニウム合金板(ブラスト処理なし)]を用い、この複合成形体のプライマー層の上に、表3に記載の割合で各成分を混合して調製した硬化性組成物を塗布する以外は、比較例1と同様の方法により複合成形体を作製した。得られた複合成形体の評価結果を表4に示す。

0244

[比較例4、実施例21〜27]
アルミニウム合金ADC12にRzが5μm程度となるようにサンドブラスト処理(研磨材:アルミナ)を施したところ、Rz=5.0347μm、Ra=0.6961μmとなった。このアルミニウム合金板を基材として、サンドブラスト処理を施した面に、表3に記載の割合で各成分を混合して調製した各硬化性組成物を塗布する以外は、比較例1と同様の方法により各複合成形体を作製した。得られた各複合成形体の評価結果を表4に示す。

0245

[実施例28]
アルミニウム合金ADC12にRzが10μm程度となるようにサンドブラスト処理を施したところ、Rz=10.4378μm、Ra=1.3561μmとなった。このアルミニウム合金板を基材として、サンドブラスト処理を施した面に、表3に記載の割合で各成分を混合して調製した硬化性組成物を塗布する以外は、比較例1と同様の方法により複合成形体を作製した。得られた複合成形体の評価結果を表4に示す。

0246

0247

0248

表4から明らかなように、比較例4に比べて、実施例では密着性が向上した。また、いずれの実施例でも、耐磨耗性が高く、外観も良好で、塗膜の表面は平滑であった。

0249

さらに、実施例13及び23、並びに実施例14及び27などを比べると、ブラスト処理により最大高さ粗さRzを5μm程度に調整するだけで、密着性(SAICAS試験)が約2.5〜4倍に向上した。ブラスト処理前アルミニウム基材のRzが4μm程度であるため、極めて軽微なブラスト処理にもかかわらず、顕著に密着性を向上できることが分かった。なお、基材表面の最大高さ粗さRzが10μmである実施例28では、基材表面のRzが5μmで同じ硬化性組成物を塗布した実施例27とほぼ同等の密着性を示した
これらの実施例のうち、実施例23、25及び27では、密着性、微小硬度、耐磨耗性、外観及び表面平滑性のいずれの項目バランスよく優れていた。これらの実施例のうち、実施例25では微小硬度が若干低く、実施例27では硬化物表面のレベリング剤などの構造や極性が影響したためか高負荷環境での耐磨耗性がやや低い点から、実施例23が特に前記特性のバランスに優れていた。なお、比較例3では密着性は高いものの、プライマー層が必要なため生産性が低く、このプライマー層が柔らかいためか耐磨耗性も低かった。

実施例

0250

[実施例29]
硬化性組成物において、CPI−100Pに代えて、熱重合開始剤又は熱酸発生剤(三新化学工業(株)製「サンエイドSI−100L」)を2重量部添加し、紫外線処理及びエージング処理に代えて、80℃で15分の熱処理と、次いで150℃で2時間熱処理する以外は、実施例13と同様にして複合成形体を作製した。平滑な硬化膜が得られ、外観も○評価で良好であり、クロスカット試験の結果では100/100と密着性が高かった。

0251

本発明の硬化性組成物は、密着性などに優れているため、例えば、コーティング剤(例えば、塗料インクなど)、接着剤封止材シーラントなど)、土木建築材料コンクリート建造物などの建築物補修材など)、電気・電子材料ソルダーレジストフォトレジストなどのレジスト材料積層板形成材料絶縁材料)、光造形用材料、光学材料レンズ光導波路など)などとして有効に利用できる。また、摺動性(平滑性や耐磨耗性など)にも優れているため、表面処理剤などとして利用できる。そのため、成形体を表面処理して得られた複合成形体は、例えば、輸送機自動車航空機など)、電子・電気機器などの各種産業機器の部材(例えば、シリンダーピストンベアリングなどの摺動部材など)として有効に利用できる。

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