図面 (/)

技術 樹脂組成物

出願人 帝人株式会社
発明者 中村惟允野村悟志
出願日 2018年9月7日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-167622
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-041019
状態 未査定
技術分野 硫黄,リン,金属系主鎖ポリマー 高分子組成物
主要キーワード 製品筐体 延性特性 自動車エンジン周り 記号表記 ノイズシールド 航空機関 インバータハウジング 炭化珪素ウィスカー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びを併せ持ち、該樹脂組成物ペレット射出成型時成形機への供給性に優れる樹脂組成物を提供する。

解決手段

(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜150重量部、(C)フッ素樹脂(C成分)5〜100重量部および(D)エポキシ樹脂(D成分)0.1〜30重量部を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、D成分が下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とする樹脂組成物。

概要

背景

ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐薬品性耐熱性機械的特性などに優れるエンジニアリングプラスチックである。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、電気電子部品車両関連部品航空機部品住設機器部品として広く利用されている。近年、デジタルカメラタブレット等の電子機器では製品の小型化に伴い、使用する製品筐体において筐体薄肉化が進んでおり、また自動車などの車両関連部品においては省エネ化に伴う車両の軽量化および化石燃料の削減を目的としたハイブリッド車電気自動車などを初めとする自走車両電化が進んでいる。そして、これら関連用途においては、製品の軽量化を目的に従来の金属からの樹脂化が検討されており、中でもこれら機構部品の樹脂化において、特にギア軸受け等の用途に使用される金属代替となる樹脂材料には、高い摺動特性衝撃強度延性特性が求められている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィド樹脂自身は他の樹脂と比較し摺動特性を有するものの、これら用途に使用するには衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びが十分ではない。

この問題を解決する手段として、特許文献1〜4には、摺動特性と機械的特性を向上させるためにポリフェニレンサルファイド樹脂フッ素樹脂および芳香族ポリアミド繊維、あるいはポリフェニレンサルファイド樹脂、導電性チタン酸カリウムウィスカポリテトラフルオロエチレン樹脂金属酸化物および芳香族ポリアミド繊維からなる各種樹脂組成物がそれぞれ提案されており、特許文献3には、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、芳香族ポリエステル樹脂およびパラ系芳香族ポリアミド繊維からなる樹脂組成物が提案されているが耐熱性と摺動性について言及しているものの衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びに関して記載されていない。特許文献4には、靭性の高いポリアリーレンスルフィド樹脂およびアラミド繊維からなる樹脂組成物が提案されているが、引張破断強度および引張破断伸びについて言及しているものの衝撃強度について記載されてない。

さらにポリアリーレンスルフィドおよびアラミド繊維からなる樹脂組成物のペレットは表面のアラミド繊維同士が干渉し合い、射出成形機ホッパー堆積したまま供給されないという問題がある。この問題に対して特許文献1〜4には一切記載されていない。

概要

ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びを併せ持ち、該樹脂組成物のペレットが射出成型時成形機への供給性に優れる樹脂組成物を提供する。(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜150重量部、(C)フッ素樹脂(C成分)5〜100重量部および(D)エポキシ樹脂(D成分)0.1〜30重量部を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、D成分が下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とする樹脂組成物。なし

目的

近年、デジタルカメラ、タブレット等の電子機器では製品の小型化に伴い、使用する製品筐体において筐体の薄肉化が進んでおり、また自動車などの車両関連部品においては省エネ化に伴う車両の軽量化および化石燃料の削減を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜150重量部、(C)フッ素樹脂(C成分)5〜100重量部および(D)エポキシ樹脂(D成分)0.1〜30重量部を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、D成分が下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とする樹脂組成物。(式(1)中、mは平均値であり、0以上の整数である。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子炭素数1〜4のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す。Xはそれぞれ独立に水素原子またはグリシジル基を表し、複数存在するXの少なくとも1つはグリシジル基である。)(式(2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表す。mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。nは平均値であり、0≦n≦10である。)

請求項2

A成分が、総塩素含有量が500ppm以下であり、かつ総ナトリウム含有量が39ppm以下であるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項3

A成分が、総塩素含有量が50ppm以下であり、かつ総ナトリウム含有量が8ppm以下であるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項4

A成分が、数平均分子量(Mn)が9,000以下であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)で表される分散度(Mw/Mn)が5.0以下であるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項5

B成分が、パラ系アラミド繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項6

B成分が、ポリエステル樹脂ポリウレタン樹脂およびポリエーテルスルホン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の集束剤にて集束されているパラ系アラミド繊維であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。

請求項7

B成分が、芳香族ポリエステル樹脂にて集束されているパラ系アラミド繊維であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。

請求項8

C成分が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項9

一般式(1)で表されるD成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項10

一般式(1)で表されるD成分のエポキシ当量が200〜10,000g/eqであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項11

一般式(2)で表されるD成分のエポキシ当量が100〜300g/eqであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項12

(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜150重量部、(C)フッ素樹脂(C成分)5〜100重量部および(D)下記一般式(1)または(2)で表されるエポキシ樹脂(D成分)0.1〜30重量部を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。(式(1)中、mは平均値であり、0以上の整数である。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す。Xはそれぞれ独立に水素原子またはグリシジル基を表し、複数存在するXの少なくとも1つはグリシジル基である。)(式(2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表す。mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。nは平均値であり、0≦n≦10である。)

請求項13

A成分が、ジヨードアリール化合物固体硫黄、並びに重合停止剤および/または重合反応触媒を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法よって得られるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項12に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂全芳香族ポリアミド繊維フッ素樹脂および特定の構造を有するエポキシ樹脂からなる樹脂組成物であって、ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びを併せ持ち、かつ該樹脂組成物のペレット射出成型時成形機への供給性が優れる樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐薬品性耐熱性機械的特性などに優れるエンジニアリングプラスチックである。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、電気電子部品車両関連部品航空機部品住設機器部品として広く利用されている。近年、デジタルカメラタブレット等の電子機器では製品の小型化に伴い、使用する製品筐体において筐体薄肉化が進んでおり、また自動車などの車両関連部品においては省エネ化に伴う車両の軽量化および化石燃料の削減を目的としたハイブリッド車電気自動車などを初めとする自走車両電化が進んでいる。そして、これら関連用途においては、製品の軽量化を目的に従来の金属からの樹脂化が検討されており、中でもこれら機構部品の樹脂化において、特にギア軸受け等の用途に使用される金属代替となる樹脂材料には、高い摺動特性や衝撃強度、延性特性が求められている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィド樹脂自身は他の樹脂と比較し摺動特性を有するものの、これら用途に使用するには衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びが十分ではない。

0003

この問題を解決する手段として、特許文献1〜4には、摺動特性と機械的特性を向上させるためにポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂および芳香族ポリアミド繊維、あるいはポリフェニレンサルファイド樹脂、導電性チタン酸カリウムウィスカポリテトラフルオロエチレン樹脂金属酸化物および芳香族ポリアミド繊維からなる各種樹脂組成物がそれぞれ提案されており、特許文献3には、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、芳香族ポリエステル樹脂およびパラ系芳香族ポリアミド繊維からなる樹脂組成物が提案されているが耐熱性と摺動性について言及しているものの衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びに関して記載されていない。特許文献4には、靭性の高いポリアリーレンスルフィド樹脂およびアラミド繊維からなる樹脂組成物が提案されているが、引張破断強度および引張破断伸びについて言及しているものの衝撃強度について記載されてない。

0004

さらにポリアリーレンスルフィドおよびアラミド繊維からなる樹脂組成物のペレットは表面のアラミド繊維同士が干渉し合い、射出成形機ホッパー堆積したまま供給されないという問題がある。この問題に対して特許文献1〜4には一切記載されていない。

先行技術

0005

特公平4−65866号公報
特開平11−217504号公報
特開平8−85758号公報
特開平10−310700号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題は、ポリアリーレンスルフィド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂および特定の構造を有するエポキシ樹脂からなる樹脂組成物であって、ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びを併せ持ち、かつ該樹脂組成物のペレットの成形機への供給性が優れる樹脂組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂および特定の構造を有するエポキシ樹脂からなる樹脂組成物が、ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びを有し、かつ該樹脂組成物のペレットの射出成形機への優れた供給性が発現できることを見出し本発明に至った。

0008

具体的には、上記課題は、
(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜150重量部、(C)フッ素樹脂(C成分)5〜100重量部および(D)エポキシ樹脂(D成分)0.1〜30重量部を含有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、D成分が下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とする樹脂組成物により達成される。

0009

(式(1)中、mは平均値であり、0以上の整数である。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子炭素数1〜4のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す。Xはそれぞれ独立に水素原子またはグリシジル基を表し、複数存在するXの少なくとも1つはグリシジル基である。)



(式(2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基また又はフェニル基を表す。mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。又、nは平均値であり、0≦n≦10である。)

0010

以下、本発明の詳細について説明する。

0011

(A成分:ポリアリーレンスルフィド樹脂)
本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂と称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよい。

0012

ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、その構成単位として、例えばp−フェニレンスルフィド単位、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位ジフニレスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位、等よりなるものを挙げることができ、その中でも、p−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましく、さらに、ポリ(p−フェニレンスルフィド)がより好ましい。

0013

本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、樹脂組成物の衝撃強度と引張破断伸びの観点から、上限は9,000以下が好ましく、8,500以下がより好ましく、8,000以下がさらに好ましい。一方、数平均分子量の下限は該樹脂組成物による製品の生産性の観点から、2,000以上であることが好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)で表される分散度(Mw/Mn)は特に限定されないが、樹脂組成物の衝撃強度と引張破断伸びの観点から5.0以下が好ましく、4.9以下がより好ましく、4.8以下がさらに好ましい。一方、分散度(Mw/Mn)の下限は特に規定されないが、成形時のバリを抑制する観点から2.7以上であることが好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)はゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)(分子量測定装置:Pl gel 220)により、ポリスチレン換算で算出された値である。なお、溶媒には1−クロロナフタレンを使用し、カラム温度は210℃とした。

0014

また本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の総塩素含有量は500ppm以下であることが好ましく、より好ましくは450ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。総塩素含有量が500ppmを超える場合には、発生ガス量が増加しウエルド強度を低下させる場合がある。

0015

本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の総ナトリウム含有量は39ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下、特に好ましくは8ppm以下である。39ppmを超える場合には、発生ガスの増加によるウエルド強度を低下させるだけではなく、高温高湿環境下において、ナトリウム金属水分子配位結合による樹脂の吸水量の増加によって耐湿熱性を低下させる場合がある。

0016

ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではなく、既知の方法で重合されるが、特に好適な重合方法としては、米国登録特許第4,746,758号、第4,786,713号、特表2013−522385、特開2012−233210および特許5167276等に記載された製造方法が挙げられる。これらの製造方法は、ジヨードアリール化合物固体硫黄を、極性溶媒なしに直接加熱して重合させる方法である。

0017

前記製造方法はヨウ化工程および重合工程を含む。該ヨウ化工程ではアリール化合物をヨードと反応させて、ジヨードアリール化合物を得る。続く重合工程で、重合停止剤を用いてジヨードアリール化合物を固体硫黄と重合反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する。ヨードはこの工程で気体状で発生し、これを回収して再びヨウ化工程に用いられる。実質的にヨードは触媒である。

0018

前記製造方法で用いられる代表的な固体硫黄としては、室温で8個の原子が連結されたシクロオクタ硫黄形態(S8)が挙げられる。しかしながら重合反応に用いられる硫黄化合物は限定されるものではなく、常温固体または液体であればいずれの形態でも使用し得る。

0019

前記製造方法で用いられる代表的なジヨードアリール化合物としては、ジヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードビフェニル、ジヨードビスフェノールおよびジヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられ、またアルキル基やスルホン基が結合していたり、酸素窒素が導入されたりしているヨードアリール化合物誘導体も使用される。ヨードアリール化合物はそのヨード原子の結合位置によって異なる異性体に分類され、これらの異性体のうち好ましい例は、p−ジヨードベンゼン、2,6−ジヨードナフタレン、及びp,p’−ジヨードビフェニルのようにヨードがアリール化合物の分子両端対称的に位置する化合物である。該ヨードアリール化合物の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し500〜10,000重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。

0020

前記製造方法で用いられる代表的な重合停止剤としては、モノヨードアリール化合物、ベンゾチアゾール類ベンゾチアゾールスルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバメート類芳香族スルフィド化合物などが挙げられる。モノヨードアリール化合物のうち好ましい例としては、ヨードビフェニル、ヨードフェノールヨードアニリン、ヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ベンゾチアゾール類のうち好ましい例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ベンゾチアゾールスルフェンアミド類のうち好ましい例としては、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール2−スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−モルホリノチオベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジベンゾチアゾールスルファイド、N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール2−スルフェンアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。チウラム類のうち好ましい例としては、テトラメチルチウラムモノスルフィドテトラメチルチウラムジスルフィドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ジチオカルバメート類のうち好ましい例としては、ジメチルジチオカルバメート酸亜鉛ジエチルジチオカルバメート酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。芳香族スルフィド化合物のうち好ましい例としては、ジフェニルスルフィドジフェニルジスルフィドジフェニルエーテル、ビフェニル、ベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。またいずれの重合停止剤においても、共役芳香環骨格上に一つまたは複数の官能基置換されていてもよい。前記官能基の例としては、ヒドロキシ基カルボキシル基メルカプト基アミノ基、シアノ基スルホ基ニトロ基などが挙げられ、好ましい例としてはカルボキシル基、アミノ基が挙げられ、さらに好ましい例としてはFT−IRスペクトル上で、1600〜1800cm−1または3300〜3500cm−1のピークを示すカルボキシル基、アミノ基が挙げられる。重合停止剤の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し1〜30重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。

0021

前記製造方法では重合反応触媒を使用しても良く、代表的な重合反応触媒としては、ニトロベンゼン系触媒が上げられる。ニトロベンゼン系触媒のうち好ましい例としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベンゼン、2,6−ジヨード−4−ニトロフェノール、ヨードニトロベンゼン、2,6−ジヨード−4−ニトロアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。重合反応触媒の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し0.01〜20重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。

0022

この重合方法を使うことにより、実質的に塩素含有量およびナトリウム含有量を低減させる必要が無く、コストパフォーマンスに優れたポリフェニレンスルフィド樹脂を得ることができる。

0023

また本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂は、その他の重合方法によって得られたポリフェニレンスルフィド樹脂を含んでいてもよい。

0024

(B成分:全芳香族ポリアミド繊維)
本発明のB成分として使用される全芳香族ポリアミド繊維として、アラミド繊維と称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよい。アラミド繊維としては、例えばメタ系アラミド繊維パラ系アラミド繊維などが挙げられ、その中でもパラ系アラミド繊維が好ましい。

0025

本発明の繊維を構成する全芳香族ポリアミドとは、実質的に一種以上の芳香族ジアミンと一種以上の芳香族ジカルボン酸ハライドによって得られるものである。但し一種以上の芳香族ジアミンと一種以上の芳香族ジカルボン酸に、例えばトリフェニルホスファイトおよびピリジンの系に代表される縮合剤を添加することもできる。全芳香族ポリアミドはパラ型でもメタ型でもよいがパラ型がより好ましい。好ましい芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミンベンチジン、4,4”−ジアミノp−ターフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシベンゼン、4,4´−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,10−ビス−(4−アミノフェニルアントラセンなどが挙げられる。芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、酸クロリドが特に好ましく、テレフタル酸クロリド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド、4,4´−ジフェニルジカルボン酸クロリド、およびその芳香環に1個以上の低級アルキル基、低級アルコキシ基ハロゲノ基、ニトロ基、などの非反応性官能基を含むものなどが挙げられる。さらに芳香族ジカルボン酸を使用する場合には、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、およびその芳香環に1個以上の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ基、ニトロ基、などの非反応性官能基を含むものなどが挙げられる。さらに本発明で好ましい全芳香族ポリアミドの構造は、その主骨格が下記式で表されるものである。

0026

(但し、Ar1、Ar2は下記一般式[I]〜[IV]からなる群より選ばれる少なくとも1種類の芳香族残基を示す。なおAr1、Ar2は互いに同一であっても異なるものであってもよい。また、これらの芳香族残基は、その水素原子の一部がハロゲン原子または低級アルキル基で置換されていてもよい。)

0027

0028

0029

0030

0031

なかでも、前記Ar1、Ar2の合計を100モル%としたときに、一般式[I]と一般式[II]との合計、一般式[I]と一般式[III]との合計、一般式[I]と一般式[IV]との合計、または一般式[I]が80モル%以上であることが好ましい。より好ましくは一般式[I]と一般式[II]との合計、または一般式[I]と一般式[III]との合計が80モル%以上である。さらに好ましくは一般式[I]と一般式[II]との合計、または一般式[I]と一般式[III]との合計が80モル%以上であり、且つ一般式[II]または一般式[III]が1〜20モル%のものである。

0032

紡糸原液となる芳香族ポリアミドドープは、溶液重合を行ったものでも、別途得られた全芳香族ポリアミドを溶媒に溶解せしめたものでもよいが、溶液重合反応を行ったものが好ましい。また、溶解性を向上するために溶解助剤として無機塩を少量添加しても差し支えない。このような無機塩としては、例えば、塩化リチウム塩化カルシウムなどが挙げられる。

0033

重合溶媒、あるいは再溶解溶媒としては一般に公知の非プロトン性有機極性溶媒を用いるが、例を挙げるとN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ブチルアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−アセチルピロリジン、N−アセチルピペリジン、N−メチルピペリドン−2,N,N´−ジメチルエレン尿素、N,N´−ジメチルプロピレン尿素、N,N,N´,N´−テトラメチルマロンアミド、N−アセチルピロリドン、N,N,N´,N´−テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシドなどがあり、さらに再溶解溶媒としては濃硫酸メタンスルホン酸などの強酸が挙げられる。

0034

全芳香族ポリアミドの重合度は特に制限はないが、溶媒に溶解するならば重合度は大きい方が好ましい。全芳香族ポリアミドを溶液重合する場合、酸成分とジアミン成分との比は実質的に等モルで反応させるが、重合度制御のためいずれかの成分を過剰に用いることもできる。また、末端封鎖剤として単官能の酸成分、アミン成分を使用してもよい。

0035

全芳香族ポリアミドを繊維状に成形する場合には、通常全芳香族ポリアミドドープ湿式成形する方法が使用され、該ドープを凝固浴の中に直接吐出する方法またはエアギャップを設けて凝固浴の中に吐出する方法がある。凝固浴には全芳香族ポリアミドの貧溶媒が用いられるが、全芳香族ポリアミドドープの溶媒が急速に抜け出して全芳香族ポリアミド繊維に欠陥ができぬように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。一般には貧溶媒として水、良溶媒として全芳香族ポリアミドドープの溶媒を用いるのが好ましい。良溶媒/貧溶媒の比は、全芳香族ポリアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60が好ましい。

0036

かかる全芳香族ポリアミド繊維の繊維長としては0.1mm以上6mm以下が好ましく、0.5mm以上3mm以下がより好ましい。0.1mm未満では補強効果が十分でなく、耐衝撃性の向上が不十分である場合があり、6mmを超えると製造時の取り扱いが困難になると共に組成物流動性が劣り、成形性が不良となる場合がある。

0037

またかかる全芳香族ポリアミド繊維は集束の有無に関係なく効果を発揮するが、集束されているものは取り扱い易く好ましい。集束のための結合剤としてはポリエステル樹脂ポリウレタン樹脂ポリエーテルスルホン樹脂などがあげられ、その中でも芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。本発明においてかかる耐熱有機繊維は単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。

0038

B成分の含有量はA成分100重量部に対し、10〜150重量部であり、好ましくは15〜120重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。B成分の含有量が10重量部未満では衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びが十分に向上せず、150重量部を超えると、混練押出時にストランド切れサージングなどが起こり生産性または加工性が低下するという問題が生ずる。

0039

(C成分:フッ素樹脂)
本発明のC成分として使用されるフッ素樹脂としては、主鎖に炭素鎖を有し、側鎖にフッ素原子の結合を有する重合体、またはそのような重合体を有する共重合体である。具体例としては、ポリテトラフルオロエチレンテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテルフルオロオレフィン共重合体、エチレン−トリクロロフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。なかでも好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンであり、焼成、未焼成のどちらのポリテトラフルオロエチレンでも使用可能であるが、ポリテトラフルオロエチレンは再凝集し易いので、再凝集し難くするために焼成処理等を施した粉末状ものが好ましく、特に焼成処理温度360℃以上で焼成されたポリテトラフルオロエチレンが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの融点は、再凝集し難くするためDSC法で測定して320〜335℃のものが好ましく、より好ましくは325〜330℃である。またポリテトラフルオロエチレンの粒子径は、パークロルエチレン中に分散させた分散液を光透過法により測定する方法で平均0.1〜100μmのものが好ましく、より好ましくは1μm〜20μmである。なおここでいう平均粒径レーザー回折散乱法(MICOTRAC法)を用いて測定した重量平均粒径である。また、このポリテトラフルオロエチレンは、数平均分子量としては10万以上のものが好ましく、より好ましくは20万以上のものである。

0040

このようなポリテトラフルオロエチレンの例としては、(株)喜多よりKTL−620、KTL−450Aとして、ダイキン工業(株)よりルブロンL−5、L−2として、また旭アイシ−アイフロロポリマーズ(株)よりL150J、L169J、L170J、L172Jとして、また三井・デュポンフロロケミカル(株)よりテフロン登録商標)TLP−10F−1として市販されており容易に入手可能である。

0041

C成分の含有量はA成分100重量部に対し、5〜100重量、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは5〜35重量部である。含有量が5重量部未満では十分な衝撃強度、引張破断伸びは得られず、100重量部を超えると混練時にストランド切れやサージングなどが発生する。

0042

(D成分:エポキシ樹脂)
本発明の樹脂組成物はD成分としてエポキシ樹脂を含有する。D成分として使用されるエポキシ樹脂は下記式(1)または式(2)で表されるエポキシ樹脂である。これらのエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を使用した場合、樹脂組成物のペレットの射出成型時の成形機への供給性が損なわれる。

0043

(式(1)中、mは平均値であり、0以上の整数である。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す。Xはそれぞれ独立に水素原子またはグリシジル基を表し、複数存在するXの少なくとも1つはグリシジル基である。)

0044

(式(2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基また又はフェニル基を表す。mはRの数であり1〜3の整数をそれぞれ表す。又、nは平均値であり、0≦n≦10である。)

0045

具体例としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。D成分は単独あるいは2種類以上の化合物を組み合わせることができる。式(1)で表されるエポキシ樹脂は三菱化学(株)よりjER1001、jER1007、jER1010、jER1256、jER4004P、jER4010P、新日鉄住金化学(株)よりYD−011、YD−013、YD−014等として市販されており容易に入手可能である。また、式(2)で表されるエポキシ樹脂としては日本化薬(株)より、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、EPPN−503等として市販されており容易に入手可能である。

0046

式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は200〜10,000g/eqであることが好ましく、300〜9,500g/eqであることがより好ましく、400〜9,000g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ当量が200g/eq以下であると混練押出時の増粘が起こりやすく、10,000g/eqを超えると十分な引張破断強度が得られない場合がある。式(2)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は100〜300g/eqであることが好ましく、125〜275g/eqであることがより好ましく、150〜250g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ当量が100g/eq未満であると混練押出時の増粘が起こりやすく、300g/eqを超えると十分な引張破断強度が得られない場合がある。なお、D成分のエポキシ当量はJIS K 7236に準じて測定される。

0047

D成分の含有量はA成分100重量部に対し0.1〜30重量部であり、好ましくは1〜28重量部、より好ましくは2〜25重量部である。含有量が0.1重量部未満では十分な引張破断強度が得られず、成形時の射出成形機へのペレットの供給性の改善も十分でない。また、30重量部を超えると混練押出時の熱で増粘し、ストランドを引くことが困難となる。

0048

(その他の成分)
本発明における樹脂組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン系共重合体ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーンアクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコアシェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマーオレフィン系熱可塑性エラストマーポリアミド系熱可塑性エラストマーポリエステル系熱可塑性エラストマーポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。

0049

本発明における樹脂組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含むことができる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックスポリフェニレンエーテル樹脂ポリアセタール樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステル樹脂環状ポリオレフィン樹脂ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックスポリエーテルエーテルケトンポリエーテルイミドポリサルフォンポリエーテルサルフォン、などのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。

0050

本発明における樹脂組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステルステアリルアルコールステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料硫化カドミウムフタロシアニンカーボンブラック等)、染料ニグロシン等)、結晶核剤タルクシリカカオリンクレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤アルキルサルフェートアニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩カチオン系帯電防止剤ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐リン酸エステルメラミンシアヌレート水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム等の水酸化物ポリリン酸アンモニウム臭素化ポリスチレン臭素化ポリフェニレンエーテル臭素化ポリカーボネート臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体を添加することができる。

0051

本発明における樹脂組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で、全芳香族ポリアミド繊維以外の充填材を含むことができる。その材料は特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填剤を使用することができる。具体的には例えば、炭素繊維ガラス繊維チタン酸カリウィスカ酸化亜鉛ウィスカアルミナ繊維炭化珪素繊維セラミック繊維アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤ワラステナイトセリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイトアスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩モンモリロナイト合成雲母などの膨潤性層状珪酸塩アルミナ酸化珪素酸化マグネシウム酸化ジルコニウム酸化チタン酸化鉄などの金属化合物炭酸カルシウム炭酸マグネシウムドロマイトなどの炭酸塩硫酸カルシウム硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラスビーズセラミックビ−ズ、窒化ホウ素炭化珪素燐酸カルシウムおよびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。

0052

また、これら充填材をイソシアネート系化合物有機シラン系化合物有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、およびエポキシ化合物などのカップリング剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機オニウムイオン予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。

0053

本発明の樹脂組成物には更なる導電性を付与するために充填材として、導電性フィラーを含有することができる。その材料は特に限定されるものではないが、導電性フィラーとして、通常樹脂の導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に制限は無く、その具体例としては、先に述べた炭素繊維、金属粉金属フレーク金属リボン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質被覆された炭素繊維、無機フィラーカーボン粉末黒鉛カーボンフレーク鱗片状カーボンなどが挙げられる。

0054

金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛アルミニウムステンレス、鉄、黄銅クロム、錫などが例示できる。金属繊維の金属種の具体例としては鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示できる。かかる金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維はチタネート系アルミ系シラン系などの表面処理剤表面処理を施されていてもよい。

0055

金属酸化物の具体例としてはSnO2(アンチモンドープ)、In2O3(アンチモンドープ)、ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。

0056

導電性物質で被覆された無機フィラーにおける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO2(アンチモンドープ)、In2O3(アンチモンドープ)などが例示できる。また被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミニウムウィスカー酸化亜鉛系ウィスカーチタン酸系ウィスカー炭化珪素ウィスカーなどが例示できる。被覆方法としては真空蒸着法スパッタリング法無電解メッキ法焼き付け法などが挙げられる。またこれらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。

0057

カーボン粉末はその原料製造法からアセチレンブラックガスブラックオイルブラックナフタリンブラックサーマルブラックファーネスブラックランプブラックチャンネルブラックロールブラック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネスブラックが特に好適に用いられる。

0058

(樹脂組成物の製造)
本発明の樹脂組成物は上記各成分を同時に、または任意の順序タンブラーV型ブレンダーナウターミキサーバンバリーミキサー混練ロール押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは2軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、任意の成分をサイドフィーダー等を用いて第2供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。

0059

上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気清浄化することが好ましい。得られたペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.5mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜4mmである。

0060

本発明の樹脂組成物の総塩素含有量は、500ppm以下であることが好ましく、より好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。総塩素含有量が500ppmを超える場合には、発生ガス量が増加しウエルド強度を低下させる場合がある。

0061

本発明の樹脂組成物の総ナトリウム含有量は、39ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下、最も好ましくは8ppm以下である。39ppmを超える場合には、発生ガスの増加によるウエルド強度を低下させるだけではなく、高温高湿環境下において、ナトリウム金属と水分子の配位結合による樹脂の吸水量の増加によって耐湿熱性を低下させる場合がある。

0062

成形品について)
本発明の樹脂組成物を用いてなる成形品は、上記の如く製造されたペレットを成形して得ることができる。好適には、射出成形押出成形により得られる。射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形射出プレス成形ガスアシスト射出成形発泡成形超臨界流体注入する方法を含む)、インサート成形インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形二色成形多色成形サンドイッチ成形、および超高速射出成形等を挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また押出成形では、各種異形押出成形品シートフィルム等が得られる。シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法キャスティング法等も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形ブロー成形等により成形品とすることも可能である。

発明の効果

0063

本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた衝撃強度、引張破断強度および引張破断伸びを併せ持つ樹脂組成物であることから、パソコンノートブックウルトラブック)、タブレット、携帯電話用ハウジングディスプレイOA機器携帯電話携帯情報端末ファクシミリコンパクトディスクポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラデジタルスチルカメラ光学機器オーディオエアコン照明機器娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの電気、電子機器の筐体およびトレイシャーシなどの内部部材やそのケース、機構部品、パネルなどの建材用途モーター部品オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクターICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベースサスペンション部品排気ガスバルブなどの各種バルブ燃料関係、排気系または吸気系各種パイプエアーインテークノズルスノーケルインテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受燃料ポンプガソリンタンクCNGタンクエンジン冷却水ジョイントキャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー排気ガスセンサー冷却水センサー油温センサーブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサークランクシャフトポジションセンサーエアーフローメーターブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブラジエーターモーターブラッシュホルダーウォーターポンプインペラータービンインワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレートランスミッションワイヤーハーネスウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイルヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケットヘッドランプサポートペダルハウジングハンドルドアビームプロテクター、シャーシ、フレームアームレストホーンターミナル、ステップモーターローターランプソケットランプリフレクターランプハウジングブレーキピストンノイズシールドラジエターサポートスペアタイヤカバーシートシェルソレノイドボビンエンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバースカッフプレートピラートリムプロペラシャフトホイールフェンダーフェイシャー、バンパーバンパービームボンネットエアロパーツプラットフォームカウルルーバールーフインストルメントパネルスポイラーおよび各種モジュールなどの自動車、二輪車関連部品、部材および外板ランディングギアポッドウィングレット、スポイラー、エッジラダーエレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板、風車羽根ハイブリッド自動車電気自動車用インバータハウジング等の電子機器筐体などにおいて幅広く有用であり、特に衝撃強度、引張破断伸びに優れることから自動車や産業用機械およびレジャー道具ベアリング及びギア、パッキンガイドレール関連部品、自動車エンジン周り配線カバーコルゲートチューブ)等に有用であり、その奏する産業上の効果は格別である。

0064

本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。

0065

[樹脂組成物の評価]
(1)衝撃強度
試験片(寸法:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)を、温度23℃および相対湿度50%RHの雰囲気下においてISO179に準拠の方法によりノッチシャルピー衝撃強度を測定した。この数値が大きいほど樹脂組成物の衝撃強度が優れていることを意味する。
(2)引張破断強度
ISO527に準拠の方法により引張破断強度を測定した。この数値が大きいほど樹脂組成物の引張破断強度が優れていることを意味する。
(3)引張破断伸び
ISO527に準拠の方法により引張破断伸びを測定した。この数値が大きいほど樹脂組成物の引張破断伸びが優れていることを意味する。
(4)成形時の供給性
機械(株)製射出成形機EC160NII−4Yを用いて(2)および(3)記載の引張試験を実施するための試験片を成形した際、ホッパー内のペレットが成形機内に供給され、連続成形可能であれば○、ペレット同士の干渉により成形機内に樹脂が供給されなければ×とした。

0066

[実施例1〜14、比較例1〜9]
ポリアリーレンスルフィド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂およびエポキシ樹脂を表1記載の各配合量で、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX−30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用した。押出条件吐出量12kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベント真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで300℃とした。なおポリアリーレンスルフィド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維は第一供給口から押出機に供給した。ここでいう第一供給口とはダイスから最も離れた供給口である。得られたペレットを130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(東芝機械(株)製 EC160NII−4)によりシリンダー温度320℃、金型温度150℃、評価用の試験片を成形した。表1中の記号表記の各成分は下記の通りである。

0067

<A成分>
PPS−1:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
400gのパラ−ジヨードベンゼン、34gの硫黄と1.0gの1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼンを含む反応物を180℃で溶融混合させた。前記の混合された混合物を180℃から340℃まで昇温および常圧から10torrまで減圧させながら重合反応させた。重合が開始された以後、4時間が経った時点で硫黄0.5gを投入した後、5時間重合反応を行った時点で硫黄0.5gを追加投入したあと、1時間重合反応を行って高分子を得た。生成された高分子は、数平均分子量(Mn)が7,630、分散度(Mw/Mn)が4.7であった。また、総塩素含有量は20ppm以下(検出限界以下)、総ナトリウム含有量は7ppmであった。
PPS−2:重合が開始された以後、4時間が経った時点で硫黄0.5gを投入した後、3時間重合反応を行った時点で硫黄0.5gを追加投入した以外は、実施例1と同様の方法により重合を行った。生成された高分子は、数平均分子量(Mn)が5,160、分散度(Mw/Mn)が4.8であった。また、総塩素含有量は20ppm以下(検出限界以下)、総ナトリウム含有量は7ppmであった。
<B成分>
B−1:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製:パラ系アラミド繊維T322EH長径12μm、カット長3mm、ポリエステル集束剤
B−2:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製:パラ系アラミド繊維 T322UR 長径12μm、カット長3mm、ウレタン系集束剤
B−3:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製:パラ系アラミド繊維 T324 長径12μm、カット長3mm、ポリエーテルスルホン系集束剤)
<C成分>
C−1:ポリテトラフルオロエチレン((株)喜多村製 KTL−620焼成タイプ融点328℃)
C−2:ポリテトラフルオロエチレン((株)喜多村製 KTL−450A 焼成タイプ 融点328℃)
C−3:ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製 ルブロンL−5 非焼成タイプ 融点328℃)
<D成分>
D−1:トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂((株)日本化薬製EPPN−501Hエポキシ当量162〜172 g/eq)
D−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂((株)三菱ケミカル製 jER1010 エポキシ当量3,000〜5,000g/eq)
D−3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂((株)三菱ケミカル製 jER1256 エポキシ当量7,500〜8,500g/eq)
D−4:ナフトールノボラック型エポキシ樹脂((株)日本化薬製NC−7000L エポキシ当量223〜238g/eq)
D−5:フェノールノボラック型エポキシ樹脂((株)日本化薬製 NC−3000 エポキシ当量265〜285g/eq)
D−6:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂((株)日本化薬製 XD−1000 エポキシ当量245〜260g/eq)

実施例

0068

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ