図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

天然型アドレノメデュリンと比較して長期間持続的に作用し得る新規アドレノメデュリン誘導体を提供する。

解決手段

本発明は、式(I): A-Ln-B (I)[式中、 Aは、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基であり、 Lは、2価の連結基であり、 nは、0又は1の整数であり、 Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であり、 但し、ペプチド部分Bは、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されている。]で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物に関する。

概要

背景

アドレノメデュリン(adrenomedullin、以下、「AM」とも記載する)は、1993年に褐色細胞組織より単離及び同定された生理活性ペプチドである(非特許文献1)。発見当初、AMは、強力な血管拡張性降圧作用を発揮することが判明した。例えば、特許文献1は、ヒトAMのアミノ酸配列を含む血圧降下作用を有するペプチドを記載する。

その後の研究により、AMは、心血管保護作用抗炎症作用血管新生作用及び組織修復促進作用等の、多彩薬理作用を発揮することが明らかになった。また、AMの薬理作用を、疾患治療に応用することを目指して、種々の疾患患者に対するAMの投与研究が行われてきた。なかでも、炎症性腸疾患肺高血圧症末梢血管疾患又は急性心筋梗塞治療薬としてのAMの有用性が期待されている。

例えば、特許文献2は、アドレノメデュリン若しくはその誘導体であって、非細菌性の炎症を抑制する活性を有するもの、又はそれらの塩であって非細菌性の炎症を抑制する活性を有するものを有効成分として含有する非細菌性の炎症性腸疾患の予防又は治療剤を記載する。

特許文献3は、ステロイド製剤免疫抑制剤又は生物学的製剤の使用が困難又は効果不十分な炎症性腸疾患の予防又は治療を必要とする患者における前記炎症性腸疾患の予防又は治療方法であって、有効量のアドレノメデュリン、その修飾体であって炎症を抑制する活性を有するもの、又は前記アドレノメデュリン若しくは前記修飾体の塩であって炎症を抑制する活性を有するものを前記患者に投与することを含む前記予防又は治療方法を記載する。

また、AMの構造活性相関研究から、AMの生物活性に寄与し得る必須配列の特定が進められた(非特許文献2〜9)。

概要

天然型アドレノメデュリンと比較して長期間持続的に作用し得る新規アドレノメデュリン誘導体を提供する。本発明は、式(I): A-Ln-B (I)[式中、 Aは、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基であり、 Lは、2価の連結基であり、 nは、0又は1の整数であり、 Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であり、 但し、ペプチド部分Bは、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されている。]で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物に関する。

目的

本発明は、天然型アドレノメデュリンと比較して長期間持続的に作用し得る新規アドレノメデュリン誘導体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式(I):A-Ln-B(I)[式中、Aは、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基であり、Lは、2価の連結基であり、nは、0又は1の整数であり、Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であり、但し、ペプチド部分Bは、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されている。]で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物。

請求項2

前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、下記:(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基ジスルフィド結合を形成しているペプチド、(iii)(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、(iv)(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、(v)(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端アミド化されているペプチド、並びに(vi)(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチドからなる群より選択されるペプチドである、請求項1に記載の化合物。

請求項3

前記アドレノメデュリン又はその修飾体が、下記:(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;並びに(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;からなる群より選択されるペプチドである、請求項1又は2に記載の化合物。

請求項4

アドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bの前駆体と、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とを連結させて、式(I)で表される化合物を得る、連結工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。

請求項5

請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する医薬

請求項6

循環器疾患炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療に使用するための、請求項5に記載の医薬。

請求項7

請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療剤

技術分野

0001

本発明は、長時間作用型アドレノメデュリン誘導体に関する。

背景技術

0002

アドレノメデュリン(adrenomedullin、以下、「AM」とも記載する)は、1993年に褐色細胞組織より単離及び同定された生理活性ペプチドである(非特許文献1)。発見当初、AMは、強力な血管拡張性降圧作用を発揮することが判明した。例えば、特許文献1は、ヒトAMのアミノ酸配列を含む血圧降下作用を有するペプチドを記載する。

0003

その後の研究により、AMは、心血管保護作用抗炎症作用血管新生作用及び組織修復促進作用等の、多彩薬理作用を発揮することが明らかになった。また、AMの薬理作用を、疾患治療に応用することを目指して、種々の疾患患者に対するAMの投与研究が行われてきた。なかでも、炎症性腸疾患肺高血圧症末梢血管疾患又は急性心筋梗塞治療薬としてのAMの有用性が期待されている。

0004

例えば、特許文献2は、アドレノメデュリン若しくはその誘導体であって、非細菌性の炎症を抑制する活性を有するもの、又はそれらの塩であって非細菌性の炎症を抑制する活性を有するものを有効成分として含有する非細菌性の炎症性腸疾患の予防又は治療剤を記載する。

0005

特許文献3は、ステロイド製剤免疫抑制剤又は生物学的製剤の使用が困難又は効果不十分な炎症性腸疾患の予防又は治療を必要とする患者における前記炎症性腸疾患の予防又は治療方法であって、有効量のアドレノメデュリン、その修飾体であって炎症を抑制する活性を有するもの、又は前記アドレノメデュリン若しくは前記修飾体の塩であって炎症を抑制する活性を有するものを前記患者に投与することを含む前記予防又は治療方法を記載する。

0006

また、AMの構造活性相関研究から、AMの生物活性に寄与し得る必須配列の特定が進められた(非特許文献2〜9)。

0007

特許第2774769号公報
特許第4830093号公報
国際公開第2012/096411号

先行技術

0008

Kitamura K, Kangawa K, Kawamoto M, Ichiki Y, Nakamura S, Matsuo H, Eto T. Adrenomedullin: a novel hypotensive peptide isolated from human pheochromocytoma. Biochem Biophys Res Commun, 1993年4月30日, 第192(2)巻, pp. 553-560
Belloni, A.S. ら, Structure-activity relationships of adrenomedullin in the adrenal gland. Endocr Res, 1998年, 第24(3-4)巻, p. 729-30.
Champion, H.C. ら, Catecholamine release mediates pressor effects of adrenomedullin-(15-22) in the rat. Hypertension, 1996年, 第28(6)巻, p. 1041-6.
Champion, H.C., G.G. Nussdorfer, 及びP.J. Kadowitz, Structure-activity relationships of adrenomedullin in the circulation and adrenal gland. Regul Pept, 1999年, 第85(1)巻, p. 1-8.
Eguchi, S. ら, Structure-activity relationship of adrenomedullin, a novel vasodilatory peptide, in cultured rat vascular smooth muscle cells. Endocrinology, 1994年, 第135(6)巻, p. 2454-8.
Garcia, M.A. ら, Synthesis, biological evaluation, and three-dimensional quantitative structure-activity relationship study of small-molecule positive modulators of adrenomedullin. J Med Chem, 2005年, 第48(12)巻, p. 4068-75.
Mitsuda, Y. ら, Large-scale production of functional human adrenomedullin: expression, cleavage, amidation, and purification. Protein Expr Purif, 2002年, 第25(3)巻, p. 448-55.
Roldos, V. ら, Small-molecule negative modulators of adrenomedullin: design, synthesis, and 3D-QSARstudy. ChemMedChem, 2008年, 第3(9) 巻, p. 1345-55.
Watanabe, T.X. ら, Vasopressor activities of N-terminal fragments of adrenomedullin in anesthetized rat. Biochem Biophys Res Commun, 1996年, 第219(1)巻, p. 59-63.

発明が解決しようとする課題

0009

アドレノメデュリンは、様々な薬理作用を有する化合物である。このため、アドレノメデュリンを有効成分として含有する医薬は、種々の疾患等の予防又は治療に適用されることが期待される。しかしながら、アドレノメデュリンは、ペプチドである。一般に、ペプチドは、生体内(例えば血中)における代謝反応に起因して、半減期が短いことが知られている。このため、アドレノメデュリンを有効成分として含有する医薬は、対象(例えばヒト患者)における作用時間が極めて短時間となる可能性がある。以上のように、アドレノメデュリンを医薬用途に適用するためには、さらなる改良の余地が存在した。

0010

それ故、本発明は、天然型アドレノメデュリンと比較して長期間持続的に作用し得る新規アドレノメデュリン誘導体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、天然型アドレノメデュリンのN末端アミノ基を特定の修飾基化学修飾することにより、天然型アドレノメデュリンの生物活性を保持しつつ、天然型アドレノメデュリンと比較して血中半減期延長し得ることを見出した。本発明者らは、前記知見に基づき本発明を完成した。

0012

すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。

0013

(1)式(I):
A-Ln-B (I)
[式中、
Aは、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基であり、
Lは、2価の連結基であり、
nは、0又は1の整数であり、
Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であり、
但し、ペプチド部分Bは、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されている。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物。

0014

(2)前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、下記:
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基ジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端アミド化されているペプチド、並びに
(vi)(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドである、前記(1)に記載の化合物。

0015

(3) 前記アドレノメデュリン又はその修飾体が、下記:
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;並びに
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドである、前記(1)又は(2)に記載の化合物。

0016

(4)アドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bの前駆体と、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とを連結させて、式(I)で表される化合物を得る、連結工程を含む、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物の製造方法。

0017

(5) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物を有効成分として含有する医薬。

0018

(6)循環器疾患炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療に使用するための、前記(5)に記載の医薬。

0019

(7) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物を有効成分として含有する、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療剤。

0020

(8) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含有する医薬組成物

0021

(9)循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療に使用するための、前記(8)に記載の医薬組成物。

0022

(10) 症状、疾患及び/若しくは障害の予防又は治療を必要とする対象に、有効量の前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物を投与することを含む、前記症状、疾患及び/若しくは障害の予防又は治療方法。

0023

(11) 前記症状、疾患及び/若しくは障害が、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患である、前記(10)に記載の方法。

0024

(12) 症状、疾患及び/若しくは障害の予防又は治療に使用するための、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物。

0025

(13) 前記症状、疾患及び/若しくは障害が、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患である、前記(12)に記載の化合物。

0026

(14) 症状、疾患及び/若しくは障害の予防又は治療に用いるための医薬の製造のための、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物の使用。

0027

(15) 前記症状、疾患及び/若しくは障害が、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患である、前記(14)に記載の使用。

発明の効果

0028

本発明により、天然型アドレノメデュリンと比較して長期間持続的に作用し得る新規アドレノメデュリン誘導体を提供することが可能となる。

0029

本明細書は、本願の優先権基礎である日本国特許出願第2014-058225号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。

図面の簡単な説明

0030

図1は、Pal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)の濃度とcAMP濃度の上昇との用量応答曲線を示す図である。
図2は、h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と血漿中AM濃度との関係を示す図である。
図3は、Pal-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と血漿中AM濃度との関係を示す図である。
図4は、PEG5000-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と血漿中AM濃度との関係を示す図である。
図5は、h.AM(1-52)、Pal-h.AM(1-52)又はPEG5000-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と平均血圧との関係を示す図である。
図6は、対照群、並びに0.02、0.1及び0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の血漿中AM濃度を示す図である。
図7は、PEG5000-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と、対照群及び各投与群の総スコアとの関係を示す図である。
図8は、対照群、並びに0.02、0.1及び0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の腸管の長さを示す図である。

0031

<1.アドレノメデュリン誘導体>
本発明は、式(I):
A-Ln-B (I)
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物に関する。本明細書において、式(I)で表される化合物を、「アドレノメデュリン誘導体」と記載する場合がある。

0032

本発明において、アドレノメデュリン(AM)は、ヒト褐色細胞組織より単離及び同定されたヒト由来のペプチド(配列番号1、非特許文献1)だけでなく、例えばブタ(配列番号3)、イヌ(配列番号5)、ウシ(配列番号7)、ラット(配列番号9)又はマウス(配列番号11)等の他の非ヒト哺乳動物(例えば温血動物由来のペプチド(オーソログ)であってもよい。生体内において、これらのペプチドは、そのアミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しており、且つC末端がアミド化されている。本明細書において、前記ペプチドであってジスルフィド結合及びC末端アミド基を有するものを、「天然型アドレノメデュリン」又は単に「アドレノメデュリン」と記載する場合がある。本発明は、前記のいずれのペプチドに対しても適用することができる。

0033

本明細書において、「C末端のアミド化」は、生体内におけるペプチドの翻訳後修飾の一態様を意味し、具体的には、ペプチドのC末端アミノ酸残基の主鎖カルボキシル基がアミド基の形態へ変換される反応を意味する。また、本明細書において、「システイン残基のジスルフィド結合の形成」又は「システイン残基のジスルフィド化」は、生体内におけるペプチドの翻訳後修飾の一態様を意味し、具体的には、ペプチドのアミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合(-S-S-)を形成する反応を意味する。生体内で産生される多くの生理活性ペプチドは、はじめ分子量のより大きな前駆体タンパク質として生合成され、これが細胞内移行過程で、C末端アミド化及び/又はシステイン残基のジスルフィド化のような翻訳後修飾反応を受けて、成熟した生理活性ペプチドとなる。C末端のアミド化は、通常は、前駆体タンパク質に対し、C末端アミド化酵素が作用することによって進行する。C末端アミド基を有する生理活性ペプチドの場合、その前駆体タンパク質においては、アミド化されるC末端カルボキシル基にGly残基が結合しており、該Gly残基がC末端アミド化酵素によってC末端アミド基に変換される。また、前駆体タンパク質のC末端側プロペプチドには、例えばLys-Arg又はArg-Arg等の塩基性アミノ酸残基組合せの繰返し配列が存在する(水野、生化学第61巻、第12号、1435〜1461頁(1989))。システイン残基のジスルフィド化は、酸化的条件下で進行し得る。生体内においては、システイン残基のジスルフィド化は、通常は、前駆体タンパク質に対し、タンパク質ジスルフィド異性化酵素が作用することによって進行する。

0034

公知の生理活性物質であるアドレノメデュリンは、ペプチドである。このため、アドレノメデュリンを有効成分として含有する医薬は、対象(例えばヒト患者)の生体内において有効に作用し得る時間が極めて短時間となる可能性がある。また、アドレノメデュリンは、強力な血管拡張作用を有する。このため、治療上有効な量のアドレノメデュリンを単回投与する場合、強力な血管拡張作用により、望ましくない副反応(例えば、過度血圧低下反射性交感神経活性上昇に伴う頻脈、及び/又はレニン活性の上昇等)を引き起こす可能性がある。前記のような問題が生じることを回避するために、アドレノメデュリンを有効成分として含有する医薬は、持続静注によって対象に投与される必要があった。このような投与方法は、対象に過度の負担を強いる可能性がある。

0035

本発明者らは、アドレノメデュリン誘導体である式(I)で表される化合物は、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等の生物活性を保持しつつ、天然型アドレノメデュリンと比較して、血中半減期を有意に延長し得ることを見出した。それ故、本発明の式(I)で表される化合物を、アドレノメデュリンによって予防又は治療し得る症状、疾患及び/又は障害に対して適用することにより、該症状、疾患及び/又は障害を持続的に予防又は治療することができる。

0036

式(I)において、Bは、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であることが必要である。本発明において、「アドレノメデュリンの修飾体」は、前記で説明した天然型アドレノメデュリンが化学修飾されたペプチドを意味する。また、本発明において、「アドレノメデュリン活性」は、アドレノメデュリンの有する生物活性を意味する。アドレノメデュリン活性としては、下記のものを挙げることができる。

0037

(1)心血管系:血管拡張作用、血圧降下作用、心拍出量増加・心不全改善作用、肺高血圧症改善作用、血管新生作用、リンパ管新生作用、血管内皮機能改善作用、抗動脈硬化作用心筋保護作用(例えば、虚血再灌流障害又は炎症における心筋保護作用)、心筋梗塞後リモデリング抑制作用心肥大抑制作用、及びアンジオテンシン変換酵素抑制作用。
(2)腎臓水電解質系:利尿作用ナトリウム利尿作用抗利尿ホルモン抑制作用、アルドステロン低下作用腎保護作用(例えば、高血圧又は虚血再灌流障害における心筋保護作用)、飲水行動抑制作用、及び食塩要求抑制作用。
(3)脳・神経系:神経保護脳障害抑制作用、抗炎症作用、アポトーシス抑制作用(例えば、虚血再灌流障害又は炎症におけるアポトーシス抑制作用)、自動調節能維持作用、及び酸化ストレス抑制作用。
(4)泌尿生殖器勃起改善作用、血流改善作用、及び着床促進作用。
(5)消化器系抗潰瘍作用組織修復作用、粘膜新生作用、血流改善作用、抗炎症作用、及び肝機能改善作用
(6)整形外科系:骨芽細胞刺激作用、及び関節炎改善作用。
(7)内分泌代謝系:脂肪細胞分化作用、脂肪分解制御作用、インスリン感受性改善作用、及びインスリン分泌制御作用。
(8)その他:循環改善作用、抗炎症作用、サイトカイン制御作用、臓器保護作用、酸化ストレス抑制作用、組織修復作用(例えば、抗褥瘡作用)、敗血症性ショックの改善作用、多臓器不全の抑制作用、及び自己免疫疾患の抑制作用。

0038

前記血圧降下作用は、血管拡張性の降圧作用であることが好ましい。前記消化器系における抗炎症作用は、ステロイド抵抗性又はステロイド依存性の炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎クローン病又は腸管ベーチェット病)のような炎症性腸疾患の予防又は治療作用であることが好ましい。前記のアドレノメデュリン活性は、細胞cAMPの濃度上昇を介して発現する。このため、細胞内cAMPの濃度上昇を、アドレノメデュリン活性の指標とすることができる。前記のような生物活性を有するアドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bを含むことにより、本発明の式(I)で表される化合物は、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等の生物活性(すなわち、アドレノメデュリン活性)を発現することができる。

0039

前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体は、下記:
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、並びに
(vi)(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドであることが好ましい。

0040

前記(i)〜(vi)のペプチドにおいて、(v)に包含される、アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、C末端がアミド化されており、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチドは、成熟した天然型アドレノメデュリンに相当する。(i)のアドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチドは、C末端アミド化及びシステイン残基のジスルフィド化の翻訳後修飾を受ける前の(すなわち未成熟な)形態の天然型アドレノメデュリンに相当する。前記(i)〜(vi)のペプチドにおいて、前記で説明したペプチドを除く他のペプチドは、アドレノメデュリンの修飾体に相当する。

0041

前記(ii)のペプチドは、前記(i)のペプチドの2個のシステイン残基のチオール基空気酸化するか、又は適切な酸化剤を用いて酸化してジスルフィド結合に変換することにより、形成させることができる。前記(ii)のペプチドを用いることにより、ペプチド部分Bの立体構造を、天然型アドレノメデュリンの立体構造に類似させることができる。これにより、式(I)で表される化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。

0042

前記(iii)のペプチドは、前記(ii)のペプチドのジスルフィド結合をエチレン基に変換することにより、形成させることができる。ジスルフィド結合からエチレン基への置換は、当該技術分野で周知の方法により、行うことができる(O. Kellerら, Helv. Chim. Acta, 1974年, 第57巻, p. 1253)。前記(iii)のペプチドを用いることにより、ペプチド部分Bの立体構造を安定化させることができる。これにより、式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0043

前記(iv)のペプチドにおいて、欠失、置換若しくは付加されているアミノ酸残基は、1〜12個の範囲であることが好ましく、1〜10個の範囲であることがより好ましく、1〜8個の範囲であることがさらに好ましく、1〜5個の範囲であることが特に好ましく、1〜3個の範囲であることがもっとも好ましい。好適な(iv)のペプチドは、(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、N末端側から1〜15位、1〜12位、1〜10位、1〜8位、1〜5位又は1〜3位のアミノ酸が欠失されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチドである。前記好適なペプチドにおいて、1又は複数個(例えば、1〜5個、1〜3個、又は1若しくは2個)のアミノ酸がさらに欠失、置換若しくは付加されていてもよい。前記(iv)のペプチドを用いることにより、式(I)で表される化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。また、前記(iv)のペプチドを用いることにより、式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0044

前記(vi)のペプチドは、C末端アミド化酵素の作用によってC末端のグリシン残基がC末端アミド基に変換されて、前記(v)のペプチドに変換されることができる。それ故、前記(vi)のペプチドを対象に投与することにより、該対象の生体内において、一定時間経過後に、C末端アミド化されたペプチドを形成させることができる。これにより、式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0045

前記アドレノメデュリン又はその修飾体は、下記:
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;並びに
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドであることがより好ましい。

0046

前記(h)のペプチドにおいて、欠失、置換若しくは付加されているアミノ酸残基は、1〜12個の範囲であることが好ましく、1〜10個の範囲であることがより好ましく、1〜8個の範囲であることがさらに好ましく、1〜5個の範囲であることが特に好ましく、1〜3個の範囲であることがもっとも好ましい。好適な(h)のペプチドは、(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、N末端側から1〜15位、1〜12位、1〜10位、1〜8位、1〜5位又は1〜3位のアミノ酸が欠失されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチドである。前記好適なペプチドにおいて、1又は複数個(例えば、1〜5個、1〜3個、又は1若しくは2個)のアミノ酸がさらに欠失、置換若しくは付加されていてもよい。前記(h)のペプチドを用いることにより、式(I)で表される化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。また、前記(h)のペプチドを用いることにより、式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0047

式(I)において、Aは、修飾基であることが必要である。Aは、パルミトイル基、ポリエチレングリコール基、ミリストイル基、糖基及びペプチド基からなる群より選択される修飾基であることが好ましく、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基であることがより好ましい。前記糖基は、単糖二糖オリゴ糖又は多糖から誘導される一価の基(例えば、グリコシル基)であることが好ましい。前記ペプチド基は、ポリグリシンポリグルタミン酸ポリリジン又はポリアスパラギン等から誘導される一価の基(例えば、N末端アミノ基、C末端カルボキシル基又は側鎖基を介して結合を形成する一価の基)であることが好ましい。前記ポリエチレングリコール基は、200〜40,000の範囲の平均分子量を有することが好ましく、500〜20,000の範囲の平均分子量を有することがより好ましく、500〜10,000の範囲の平均分子量を有することがさらに好ましい。ポリエチレングリコール基の平均分子量が200以上の場合、式(I)で表される化合物は、生体内において、長時間に亘って持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。前記の修飾基Aでアドレノメデュリン又はその修飾体のN末端アミノ基が化学修飾されることにより、式(I)で表される化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。また、式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0048

式(I)において、Lは、2価の連結基であることが必要である。2価の連結基Lは、置換又は非置換の2価の炭化水素基であることが好ましく、置換若しくは非置換の2価の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の2価の脂環式基又は置換若しくは非置換の2価の芳香族基であることがより好ましく、置換若しくは非置換のC1〜C10アルキレン基、C2〜C10アルケニレン基若しくはC2〜C10アルキニレン基であることがさらに好ましい。前記の基は、1個以上の複素原子を含むことが好ましく、オキソカルボニル)、チオカルボニルカルバメート又はカルボンイミドイル等の、1個以上の複素原子を含む2価の基を含むことがより好ましい。前記1個以上の複素原子を含む2価の基は、2価の連結基Lの一端又は両端に配置されていることが好ましく、ペプチド部分Bとの結合を形成する末端に配置されていることがより好ましい。この場合、式(I)で表される化合物は、加水分解等の生体内の代謝反応によって、2価の連結基Lの部分で切断されて、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体を放出し得る。特に好適な2価の連結基Lは、1-オキソ-1,6-ヘキサンジイルである。前記の特徴を備える2価の連結基Lを有することにより、本発明の式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0049

式(I)において、nは、0又は1の整数であることが必要である。nが0の場合、本発明の式(I)で表される化合物は、式(Ia):
A-B (Ia)
で表される化合物である。

0050

式(Ia)において、A及びBは、式(I)で定義されるものと同一の意味を有する。

0051

式(I)において、ペプチド部分Bは、そのN末端近傍の領域の基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されていることが必要である。ペプチド部分Bは、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されていることが好ましい。本発明において、ペプチド部分Bの「N末端近傍の領域の基」は、ペプチド部分BのN末端アミノ酸残基から13残基目のアミノ酸残基までの領域に含まれるアミノ酸残基の基(例えば、N末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又は各アミノ酸残基の側鎖のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基イミダゾール基若しくはグアジニル基)、及び前記アミノ酸残基に結合した修飾基を意味する。

0052

また、本発明において、「ペプチド部分BのN末端アミノ基」は、ペプチド部分BのN末端アミノ酸残基のα-アミノ基を意味する。前記の結合形態であることにより、本発明の式(I)で表される化合物は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0053

特に好適な式(I)で表される化合物は、
Aが、パルミトイル基である修飾基であり、
nが、0であり、
Bが、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であり、
但し、ペプチド部分Bが、そのN末端アミノ基を介して修飾基Aと結合されているか、或いは、
Aが、ポリエチレングリコール基である修飾基であり、
Lが、置換又は非置換の2価の炭化水素基(前記の基は、1個以上の複素原子を含む)である2価の連結基であり、
nが、1であり、
Bが、アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体から誘導されるペプチド部分であり、
但し、ペプチド部分Bが、そのN末端アミノ基を介して修飾基A又は連結基Lと結合されている。

0054

本発明において、式(I)で表される化合物は、該化合物自体だけでなく、その塩も包含する。式(I)で表される化合物が塩の形態である場合、薬学的に許容し得る塩であることが好ましい。本発明の化合物の塩の対イオンとしては、限定するものではないが、例えば、ナトリウムイオンカリウムイオンカルシウムイオンマグネシウムイオン、若しくは置換若しくは非置換のアンモニウムイオンのようなカチオン、又は塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオンリン酸イオン硝酸イオン硫酸イオン炭酸イオン炭酸水素イオン過塩素酸イオンギ酸イオン酢酸イオントリフルオロ酢酸イオンプロピオン酸イオン乳酸イオンマレイン酸イオンヒドロキシマレイン酸イオン、メチルマレイン酸イオン、フマル酸イオン、アジピン酸イオン、安息香酸イオン、2-アセトキシ安息香酸イオン、p-アミノ安息香酸イオン、ニコチン酸イオン、ケイ皮酸イオン、アスコルビン酸イオン、パモ酸イオン、コハク酸イオンサリチル酸イオンビスメチレンサリチル酸イオン、シュウ酸イオン酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオングルコン酸イオンアスパラギン酸イオン、ステアリン酸イオン、パルミチン酸イオン、イタコン酸イオン、グリコール酸イオン、グルタミン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオンシクロヘキシルスルファミン酸イオン、メタンスルホン酸イオンエタンスルホン酸イオンイセチオン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、若しくはナフタレンスルホン酸イオンのようなアニオンが好ましい。式(I)で表される化合物が前記の対イオンとの塩の形態である場合、該化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。

0055

式(I)で表される化合物は、前記の化合物自体だけでなく、該化合物又はその塩の溶媒和物も包含する。式(I)で表される化合物又はその塩が溶媒和物の形態である場合、薬学的に許容し得る溶媒和物であることが好ましい。前記化合物又はその塩と溶媒和物を形成し得る溶媒としては、限定するものではないが、例えば、水、或いはメタノールエタノール2-プロパノールイソプロピルアルコール)、ジメチルスルホキシドDMSO)、酢酸エタノールアミンアセトニトリル又は酢酸エチルのような有機溶媒が好ましい。式(I)で表される化合物又はその塩が前記の溶媒との溶媒和物の形態である場合、該化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。

0056

式(I)で表される化合物は、前記又は下記の化合物自体だけでなく、その保護形態も包含する。本明細書において、「保護形態」は、1個又は複数個の官能基(例えばリジン残基側鎖アミノ基)に保護基が導入された形態を意味する。また、本明細書において、「保護基」は、望ましくない反応の進行を防止するために、特定の官能基に導入される基であって、特定の反応条件において定量的に除去され、且つそれ以外の反応条件においては実質的に安定、即ち反応不活性である基を意味する。前記化合物の保護形態を形成し得る保護基としては、限定するものではないが、例えば、t-ブトキシカルボニル(Boc)、2-ブロモベンジルオキシカルボニル(BrZ)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、p-トルエンスルホニル(Tos)、ベンジル(Bzl)、4-メチルベンジル(4-MeBzl)、2-クロロベンジルオキシカルボニル(ClZ)、シクロヘキシル(cHex)、及びフェナシル(Pac);アミノ基の他の保護基として、ベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、2-(p-ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、2-(3,5-ジメトキシフェニル)イソプロピルオキシカルボニル、p-フェニルアゾベンジルオキシカルボニル、トリフェニルホスホノエチルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、t-アミルオキシオキシカルボニル、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2-メチルスルホニルエチルオキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、ベンゼンスルホニルメシチレンスルフォニルメトキシトリメチルフェニルスルホニル、2-ニトロベンゼンスルホニル、2-ニトロベンゼンスルフェニル、4-ニトロベンゼンスルホニル、及び4-ニトロベンゼンスルフェニル;カルボキシル基の他の保護基として、メチルエステルエチルエステル、t-ブチルエステル、p-メトキシベンジルエステル、及びp-ニトロベンジルエステル;Argの他の側鎖保護基として、2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル、及び2-メトキシベンゼンスルホニル;Tyrの他の保護基として、2,6-ジクロロベンジル、t-ブチル、及びシクロヘキシル;Cysの他の保護基として、4-メトキシベンジル、t-ブチル、トリチルアセトアミドメチル、及び3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル;Hisの他の保護基として、ベンジルオキシメチル、p-メトキシベンジルオキシメチル、t-ブトキシメチル、トリチル、及び2,4-ジニトロフェニル;並びに、Ser及びThrの他の保護基として、t-ブチル等を挙げることができる。式(I)で表される化合物が前記の保護基による保護形態である場合、該化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。

0057

また、式(I)で表される化合物は、該化合物の個々のエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにラセミ体のような、該化合物の立体異性体の混合物も包含する。

0058

前記特徴を有することにより、式(I)で表される化合物は、アドレノメデュリン活性を実質的に低下させることなく、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。

0059

<2.アドレノメデュリン誘導体の医薬用途>
本発明の式(I)で表される化合物は、生体内において、親分子であるアドレノメデュリンと実質的に略同等の生物活性(すなわちアドレノメデュリン活性)を、持続的に発現することができる。それ故、本発明は、本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬に関する。

0060

本発明の式(I)で表される化合物を医薬用途に適用する場合、該化合物を単独で使用してもよく、1種以上の薬学的に許容し得る成分と組み合わせて使用してもよい。本発明の医薬は、所望の投与方法に応じて、当該技術分野で通常使用される様々な剤形に製剤されることができる。それ故、本発明の医薬はまた、本発明の式(I)で表される化合物と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含有する医薬組成物の形態で提供されることもできる。本発明の医薬組成物は、前記成分に加えて、薬学的に許容し得る1種以上の担体、賦形剤結合剤ビヒクル溶解補助剤防腐剤、安定剤、膨化剤、潤滑剤、界面活性剤油性液緩衝剤無痛化剤酸化防止剤甘味剤及び香味剤等を含んでもよい。

0061

本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬の剤形は、特に限定されず、非経口投与に使用するための製剤であってもよく、経口投与に使用するための製剤であってもよい。また、本発明の医薬の剤形は、単位用量形態の製剤であってもよく、複数投与形態の製剤であってもよい。非経口投与に使用するための製剤としては、例えば、水若しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液又は懸濁液等の注射剤を挙げることができる。注射剤に混和することができる添加剤としては、限定するものではないが、例えば、生理食塩水ブドウ糖若しくはその他の補助薬(例えば、D-ソルビトール、D-マンニトール若しくは塩化ナトリウム)を含む等張液のようなビヒクル、アルコール(例えばエタノール若しくはベンジルアルコール)、エステル(例えば安息香酸ベンジル)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコール若しくはポリエチレングリコール)のような溶解補助剤、ポリソルベート80又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような非イオン性界面活性剤ゴマ油又は大豆油のような油性液、リン酸塩緩衝液又は酢酸ナトリウム緩衝液のような緩衝剤、塩化ベンザルコニウム又は塩酸プロカインのような無痛化剤、ヒト血清アルブミン又はポリエチレングリコールのような安定剤、保存剤、並びに酸化防止剤等を挙げることができる。調製された注射剤は、通常、適当なバイアル(例えばアンプル)に充填され、使用時まで適切な環境下で保存される。

0062

経口投与に使用するための製剤としては、例えば、必要に応じて糖衣溶解性被膜を施した錠剤カプセル剤エリキシル剤マイクロカプセル剤タブレットシロップ、懸濁液等を挙げることができる。錠剤又はカプセル剤等に混和することができる添加剤としては、限定するものではないが、例えば、ゼラチンコーンスターチトラガントガム及びアラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン及びアルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミントアカモノ油又はチェリーのような香味剤等を挙げることができる。製剤がカプセル剤の場合、さらに油脂のような液状担体を含有してもよい。

0063

本発明の式(I)で表される化合物は、生体内において、親分子であるアドレノメデュリンと実質的に略同等のアドレノメデュリン活性を、持続的に発現することができる。それ故、本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬は、デポー製剤として製剤化することもできる。この場合、デポー製剤の剤形の本発明の医薬を、例えば皮下若しくは筋肉に埋め込み、又は筋肉注射により投与することができる。本発明の医薬をデポー製剤に適用することにより、本発明の式(I)で表される化合物のアドレノメデュリン活性を、長期間に亘って持続的に発現することができる。

0064

本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬は、医薬として有用な1種以上の他の薬剤と併用することもできる。この場合、本発明の医薬は、本発明の式(I)で表される化合物と1種以上の他の薬剤とを含む単一の医薬の形態で提供されてもよく、本発明の式(I)で表される化合物と1種以上の他の薬剤とが別々に製剤化された複数の製剤を含む医薬組合せ又はキットの形態で提供されてもよい。医薬組合せ又はキットの形態の場合、それぞれの製剤を同時又は別々に(例えば連続的に)投与することができる。

0065

本発明の式(I)で表される化合物を医薬用途に適用する場合、式(I)で表される化合物は、該化合物自体だけでなく、該化合物の製薬上許容される塩、及びそれらの製薬上許容される溶媒和物も包含する。本発明の式(I)で表される化合物の製薬上許容される塩、及びそれらの製薬上許容される溶媒和物としては、限定するものではないが、例えば、前記で例示した塩又は溶媒和物が好ましい。式(I)で表される化合物が前記の塩又は溶媒和物の形態である場合、該化合物を所望の医薬用途に適用することができる。

0066

本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬は、アドレノメデュリンによって予防又は治療される種々の症状、疾患及び/又は障害を、同様に予防又は治療することができる。前記症状、疾患及び/又は障害としては、限定するものではないが、例えば下記のものを挙げることができる。

0067

(1)循環器疾患:心不全、肺高血圧症、閉塞性動脈硬化症バージャー病心筋梗塞リンパ浮腫川崎病心筋炎、高血圧、高血圧による臓器障害、及び動脈硬化症
(2)腎臓・水電解質系疾患:腎不全、及び腎炎
(3)脳・神経疾患脳梗塞、及び脳炎
(4)泌尿生殖器疾患勃起不全(ED)。
(5)消化器疾患:炎症性腸疾患、潰瘍性疾患、腸管ベーチェット、及び肝不全
(6)整形外科疾患:関節炎
(7)内分泌代謝疾患糖尿病及び糖尿病による臓器障害。
(8)その他:敗血症性ショック、自己免疫疾患、多臓器不全、及び褥瘡。

0068

前記循環器疾患は、心筋梗塞、肺高血圧症又は心不全等であることが好ましい。前記消化器疾患は、ステロイド抵抗性又はステロイド依存性の炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病又は腸管ベーチェット病)のような炎症性疾患であることが好ましい。

0069

本発明の式(I)で表される化合物は、天然の生理活性ペプチドであるアドレノメデュリンと修飾基とを連結した構造を有する。このため、本発明の式(I)で表される化合物は、安全で低毒性である。それ故、本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬は、前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする様々な対象に適用することができる。前記対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば、ブタ、イヌ、ウシ、ラット、マウス、モルモットウサギニワトリヒツジネコサルマントヒヒ若しくはチンパンジー等の温血動物)の被験体又は患者であることが好ましい。前記対象に本発明の医薬を投与することにより、アドレノメデュリンによって予防又は治療される種々の症状、疾患及び/又は障害を予防又は治療することができる。

0070

本明細書において、「予防」は、症状、疾患及び/又は障害の発生(発症又は発現)を実質的に防止することを意味する。また、本明細書において、「治療」は、発生(発症又は発現)した症状、疾患及び/又は障害を抑制(例えば進行の抑制)、軽快修復及び/又は治癒することを意味する。

0071

本発明の式(I)で表される化合物は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害(例えば、循環器疾患、末梢血管疾患又は炎症性疾患)を有する対象において、該症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することができる。それ故、本発明の医薬は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用するための医薬であることが好ましく、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療に使用するための医薬であることがより好ましい。また、本発明は、本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患の予防又は治療剤に関する。本発明の式(I)で表される化合物を前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することにより、該症状、疾患及び/又は障害を持続的に予防又は治療することができる。

0072

本発明の式(I)で表される化合物は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害(例えば、循環器疾患、末梢血管疾患又は炎症性疾患)を有する対象において、該症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することができる。それ故、本発明の一実施形態は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする対象に、有効量の本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物を投与することを含む、前記疾患若しくは症状の予防又は治療方法である。前記症状、疾患及び/又は障害は、循環器疾患、末梢血管疾患又は炎症性疾患であることが好ましい。前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする対象に、本発明の式(I)で表される化合物を投与することにより、該症状、疾患及び/又は障害を予防又は治療することができる。

0073

本発明の他の一実施形態は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用するための、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物である。本発明の別の実施形態は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に用いるための医薬の製造のための、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される水和物の使用である。前記症状、疾患及び/又は障害は、循環器疾患、炎症性疾患又は末梢血管疾患であることが好ましい。本発明の医薬を前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することにより、該症状、疾患及び/又は障害を持続的に予防又は治療することができる。

0074

本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬を、対象、特にヒト患者に投与する場合、正確な投与量及び投与回数は、対象の年齢性別、予防又は治療されるべき症状、疾患及び/又は障害の正確な状態(例えば重症度)、並びに投与経路等の多くの要因を鑑みて、担当医が治療上有効な投与量及び投与回数を最終的に決定すべきである。それ故、本発明の医薬において、有効成分である式(I)で表される化合物は、治療上有効な量及び回数で、対象に投与される。例えば、本発明の医薬をヒト患者に投与する場合、有効成分である式(I)で表される化合物の投与量は、通常は、1日に体重60 kg当り0.01〜100 mgの範囲であり、典型的には、1日に体重60 kg当り0.01〜10 mgの範囲である。

0075

本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬の投与経路及び投与回数は、特に限定されず、経口的に単回若しくは複数回投与されてもよく、非経口的に単回若しくは複数回投与されてもよい。本発明の医薬は、静脈投与注腸投与、皮下投与筋肉内投与又は腹腔内投与のような非経口的経路で投与されることが好ましく、静脈投与又は皮下投与されることがより好ましい。また、本発明の医薬は、単回投与されることが好ましい。本発明の医薬は、静脈又は皮下に単回投与するために使用されることが特に好ましい。本発明の式(I)で表される化合物の親分子であるアドレノメデュリンは、強力な血管拡張作用を有する。このため、治療上有効な量のアドレノメデュリンを単回投与する場合、強力な血管拡張作用により、過度の血圧低下、反射性の交感神経活性上昇に伴う頻脈、及び/又はレニン活性の上昇のような望ましくない副反応を引き起こす可能性がある。これに対し、本発明の式(I)で表される化合物は、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のアドレノメデュリン活性を保持しつつ、天然型アドレノメデュリンと比較して、血中半減期を有意に延長し得る。それ故、本発明の式(I)で表される化合物を有効成分として含有する医薬を対象の静脈に単回投与することにより、アドレノメデュリンの血管拡張作用に起因する望ましくない副反応を抑制しつつ、対象の症状、疾患及び/又は障害を持続的に予防又は治療することができる。

0076

<3.アドレノメデュリン誘導体の製造方法>
本発明はまた、本発明の式(I)で表される化合物の製造方法に関する。

0077

[3-1.前駆体準備工程
本発明の方法は、アドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bの前駆体、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基Aの前駆体及び2価基Lnの前駆体の少なくともいずれかを準備する工程を含んでもよい。

0078

本発明において、「アドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bの前駆体」、「パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基Aの前駆体」及び「2価基Lnの前駆体」は、それぞれ、アドレノメデュリン又はその修飾体、パルミチン酸又はポリエチレングリコール、及びH-Ln-Hを意味するか、或いは、以下で説明する連結工程において、ペプチド部分B、修飾基A及び2価基Lnの一端又は両端が縮合反応によって互いに連結されるように、適宜改変又は活性化されたそれらの誘導体を意味する。ペプチド部分Bの前駆体は、アドレノメデュリン若しくはその修飾体自体、又はそれらの保護形態であることが好ましい。修飾基Aの前駆体は、パルミチン酸若しくはポリエチレングリコール自体、それらの活性化誘導体、又はそれらの保護形態であることが好ましい。修飾基Aがパルミトイル基である場合、例えば、パルミトイルクロライドのようなパルミチン酸の酸ハロゲン化物であることが好ましい。2価基Lnの前駆体は、2価基Lnの水素付加体H-Ln-H自体、その活性化誘導体、又はそれらの保護形態であることが好ましい。2価基Lnが1-オキソ-1,6-ヘキサンジイル(nが1)である場合、例えば、6-クロヘキサン酸N-ヒドロキシコハク酸イミドエステルのような活性エステルであることが好ましい。前記の前駆体が保護形態の場合、前記で説明した保護基を有することが好ましい。本工程において、前記の特徴を有する前駆体を準備することにより、以下で説明する連結工程における各前駆体の連結反応を高収率で実施することができる。

0079

本工程において、アドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bの前駆体は、当該技術分野で通常使用される手段により形成することができる。ペプチド部分Bの前駆体が、アドレノメデュリン又はその修飾体自体である場合、例えば、固相系又は液相系のペプチド合成法を用いてもよく、アドレノメデュリンを産生し得るヒト又は非ヒト哺乳動物の組織又は細胞から、天然ペプチドを精製する方法を用いてもよい。或いは、アドレノメデュリンを産生し得るヒト又は非ヒト哺乳動物におけるアドレノメデュリンをコードするDNA(例えば、配列番号2、4、6、8、10又は12)を使用して、大腸菌又は出芽酵母等の形質転換系で組換えタンパク質を大量発現させる方法を用いてもよい。或いは、予め製造されたペプチドを購入等して用いてもよい。いずれの場合も、本工程の実施形態に包含される。

0080

前記の手段によって形成されたペプチド部分Bの前駆体において、該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基のチオール基をジスルフィド化することにより、該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成している前駆体を得ることができる。また、前記の手段によって形成されたペプチド部分Bの前駆体において、該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基の間で形成されたジスルフィド結合をエチレン基によって置換することにより、該ジスルフィド結合がエチレン基によって置換された前駆体を得ることができる。前記ジスルフィド化反応及びエチレン基による置換反応は、当該技術分野で通常使用される条件に基づき実施することができる。前記ジスルフィド化反応及びエチレン基による置換反応は、本工程において実施してもよく、以下で説明する連結工程において実施してもよい。いずれの場合も本発明の方法の実施形態に包含される。

0081

ペプチド部分Bの前駆体、修飾基Aの前駆体及び2価基Lnの前駆体の少なくともいずれかがそれらの保護形態である場合、本工程において、所望により、ペプチド部分Bの前駆体、修飾基Aの前駆体及び2価基Lnの前駆体の少なくともいずれかに1種以上の保護基を導入する保護工程、並びに/又は、ペプチド部分Bの前駆体、修飾基Aの前駆体及び2価基Lnの前駆体の保護形態の少なくともいずれかの1種以上の保護基を脱保護する脱保護工程を実施してもよい。前記保護工程及び脱保護工程は、当該技術分野で通常使用される保護化反応及び脱保護化反応によって実施することができる。前記保護工程及び脱保護工程は、本工程において実施してもよく、以下で説明する連結工程において実施してもよい。いずれの場合も本発明の方法の実施形態に包含される。

0082

[3-2. 連結工程]
本発明の方法は、アドレノメデュリン又はその修飾体から誘導されるペプチド部分Bの前駆体と、パルミトイル基及びポリエチレングリコール基からなる群より選択される修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とを連結させて、式(I)で表される化合物を得る、連結工程を含むことが必要である。

0083

式(I)において、nが0である場合、本工程は、ペプチド部分Bの前駆体と、修飾基Aの前駆体とを連結させることによって実施される。式(I)において、nが1である場合、本工程は、ペプチド部分Bの前駆体と、修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とを連結させることによって実施される。

0084

本工程において、ペプチド部分Bの前駆体と、修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とを連結する手段は特に限定されない。当該技術分野で通常使用される、酸ハロゲン化物(例えば酸クロライド)又は活性エステル(例えばN-ヒドロキシコハク酸イミドエステル)等を前駆体として用いるペプチド結合形成反応を使用することができる。

0085

式(I)において、nが1である場合、ペプチド部分Bの前駆体と、修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とを連結する順序は特に限定されない。例えば、修飾基Aの前駆体と、2価基Lnの前駆体とをまず連結し、その後、該前駆体の連結体とペプチド部分Bの前駆体とをさらに連結させることができる。或いは、ペプチド部分Bの前駆体と、2価基Lnの前駆体とをまず連結し、その後、該前駆体の連結体と修飾基Aの前駆体とをさらに連結させることができる。いずれの場合も本発明の方法の実施形態に包含される。

0086

以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。

0087

<I:化合物の調製>
下記のスキームに従い、アドレノメデュリン(AM)から誘導される基Bの前駆体を合成した。ヒトアドレノメデュリンの1〜52アミノ酸残基に対応するペプチド(h.AM(1-52))を、6個のセグメント(Seg-1〜Seg-6)に分割した。各セグメントを合成した後、それぞれのセグメントを縮合して、基Bの前駆体ペプチドを合成した。その後、基Bの前駆体ペプチドに、パルミトイル基(Pal)又はポリエチレングリコール基(PEG)を連結して、アドレノメデュリン誘導体を合成した。

0088

0089

0090

[I-1:セグメント1の合成]
Boc-Gln-Gly-OPac
Boc-Gly-OPac(88.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素ジオキサン溶液(5.5 mol/L)(65.5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Gln-OH(81.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(48.7 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(65.9 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で3時間攪拌した。N,N-ジメチルホルムアミドを減圧留去した。酢酸エチルを加えて、得られた溶液を希釈した。この溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルム/メタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、56 gの目的物を得た。

0091

Boc-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Gln-Gly-OPac(54.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(28 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Phe-OH(35.2 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.3 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(26.2 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルム/メタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、68.7 gの目的物を得た。

0092

Boc-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Phe-Gln-Gly-OPac(67.9 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(26 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Asn-OH(30.5 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.4 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(21.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、81 gの目的物を得た。

0093

Boc-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(81 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(26 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミド/1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Asn-OH(28.9 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.2 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(26.0 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、74 gの目的物を得た。

0094

Boc-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(50.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(13.7 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミド/1-メチル-2-ピロリドン/1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Met-OH(16.4 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.4 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(12.6 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、54 gの目的物を得た。

0095

Boc-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(53.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(12.5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Ser(Bzl)-OH(17.7 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(8.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(11.5 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、56.5 gの目的物を得た。

0096

Boc-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(30.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(5.9 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシド/1-メチル-2-ピロリドン/1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Gln-OH(7.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(7.5 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、24.0 gの目的物を得た。

0097

Boc-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(16.2 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(2.9 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシド/1-メチル-2-ピロリドン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Arg(Tos)-OH(7.4 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.1 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.9 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、12.5 gの目的物を得た。

0098

Boc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac
Boc-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(12.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(1.7 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシド/1-メチル-2-ピロリドン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Tyr(BrZ)-OH(4.4 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1.7 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、11 gの目的物を得た。

0099

Boc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OH (セグメント1)
Boc-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OPac(6.0 g)を、ジメチルスルホキシドに溶解した。得られた溶液に、30℃でギ酸アンモニウム水溶液(10 mmol/L)(15.6 mL)、酢酸(18.7 mL)及び亜鉛末(10.2 g)を添加した。1時間後、反応溶液から亜鉛末を濾過して除き、ジメチルスルホキシドで洗浄した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、5.5 gの目的物を得た。

0100

[I-2:セグメント2の合成]
Boc-Phe-Gly-OPac
Boc-Gly-OPac(44 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(33 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、塩化メチレンに溶解した。得られた溶液に、Boc-Phe-OH(36.6 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(27.5 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液を、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、塩化メチレンを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルムに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、38 gの目的物を得た。

0101

Boc-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OPac
Boc-Phe-Gly-OPac(8.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4.5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Ser(Bzl)-OH(6.2 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水で洗浄した。得られた結晶を、クロロホルム/メタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、11.5 gの目的物を得た。

0102

Boc-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OPac
Boc-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OPac(11.4 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4.8 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Arg(Tos)-OH(10 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(4 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液を、酢酸エチルにて希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、酢酸エチルに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、15.8 gの目的物を得た。

0103

Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OPac
Boc-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OPac(15.7 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Leu-OH・H2O(4.6 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.6 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.6 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水で洗浄した。得られた結晶を、クロロホルム/メタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、17.6 gの目的物を得た。

0104

Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OH
Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OPac(17.6 g)を、酢酸に溶解した。得られた溶液に、40℃で亜鉛末(55.2 g)を添加した。2時間後、反応溶液から亜鉛末を濾過して除き、酢酸で洗浄した。酢酸を減圧留去した後、酢酸エチルにて溶液を希釈した。得られた溶液を、0.1 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルムに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、13.9 gの目的物を得た。

0105

Boc-Arg(Tos)-Phe-Gly-OPac
Boc-Phe-Gly-OPac(8.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4.0 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Arg(Tos)-OH(10.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。酢酸エチルにて溶液を希釈した。得られた溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、酢酸エチルに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、14.7 gの目的物を得た。

0106

Boc-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-OPac
Boc-Arg(Tos)-Phe-Gly-OPac(14.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(3.9 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Cys(4-MeBzl)-OH(6.9 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で3時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びn-ヘキサンで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルム/メタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、17.2 gの目的物を得た。

0107

Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-OPac
Boc-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-OPac(9.1 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(1.9 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-OH(9.2 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.4 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶媒を減圧留去した。アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、16.2 gの目的物を得た。

0108

Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-OH (セグメント2)
Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-OPac(7.1 g)を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、40℃でギ酸アンモニウム水溶液(10 mmol/L)(12 mL)、酢酸(7.2 mL)及び亜鉛末(7.8 g)を添加した。1時間後、反応溶液から亜鉛末を濾過して除き、N,N-ジメチルホルムアミドで洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミドを減圧留去し、残渣に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、6 gの目的物を得た。

0109

[I-3:セグメント3の合成]
Boc-Leu-Ala-OPac
Boc-Ala-OPac(33.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(25 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、塩化メチレンに溶解した。得られた溶液に、Boc-Leu-OH・H2O(24.9 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(19.2 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で3時間攪拌した。反応溶液を、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。塩化メチレンを減圧留去し、残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルムに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、30.1 gの目的物を得た。

0110

Boc-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac
Boc-Leu-Ala-OPac(29.4 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(16.5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジイソプロピルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Lys(ClZ)-OH(30.5 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(10.2 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(13.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で3時間攪拌した。酢酸エチルにて溶液を希釈した。この溶液を、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。酢酸エチルを減圧留去し、残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルム/メタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、47.5 gの目的物を得た。

0111

Boc-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac
Boc-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac(47.3 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(15.6mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Gln-OH(17.6 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(13.3 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、メタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、54.5 gの目的物を得た。

0112

Boc-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac
Boc-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac(54.1 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(15 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Val-OH(14.6 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.1 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(13.3 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、メタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、59.2 gの目的物を得た。

0113

Boc-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac
Boc-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac(58.6 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(15 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Thr(Bzl)-OH(14.6 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(8.8 gを添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(11.9 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、メタノール、ジエチルエーテル、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、70.2 gの目的物を得た。

0114

Boc-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac
Boc-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac(34.1 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(7.1 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドンに溶解した。得られた溶液に、Boc-Cys(4-MeBzl)-OH(10.5 g)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(6.0 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、メタノール、ジエチルエーテル、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、38.4 gの目的物を得た。

0115

Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac
Boc-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac(37.6 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(6.5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシド/1-メチル-2-ピロリドン/1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Thr(Bzl)-OH(9.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.2 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(5.6 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で4時間攪拌した。反応溶液に、水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、メタノール、ジエチルエーテル、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣を、クロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、42.0 gの目的物を得た。

0116

Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OH (セグメント3)
Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OPac (15.3 g)を、塩化メチレン/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。得られた溶液に、30℃でギ酸アンモニウム水溶液(10 mmol/L)(10 mL)、酢酸(6 mL)及び亜鉛末(32 g)を添加した。30分後、反応溶液から亜鉛末を濾過して除き、塩化メチレン/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液で洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣に塩酸水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、14.1 gの目的物を得た。

0117

[I-4:セグメント4の合成]
Boc-Tyr(BrZ)-Gln-OPac
Boc-Gln-OPac (36.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(20 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた混合物に、Boc-Tyr(BrZ)-OH(54 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(14.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(20 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。酢酸エチルにて反応溶液を希釈した。この溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、酢酸エチル/メタノール混合液に添加した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、29.8 gの目的物を得た。

0118

Boc-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OPac
Boc-Tyr(BrZ)-Gln-OPac (29 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(9 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。この混合物に、Boc-Ile-OH・1/2 H2O (10.5 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.9 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、32.0 gの目的物を得た。

0119

Boc-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OPac
Boc-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OPac (25.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(7 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた溶液に、Boc-Gln-OH(7.7 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(6 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、27.3 gの目的物を得た。

0120

Boc-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OPac
Boc-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OPac(19.6 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた溶液に、Boc-His(Tos)-OH(9.0 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.0 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(4 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、18.3 gの目的物を得た。

0121

Boc-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OH (セグメント4)
Boc-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gly-OPac (15.0 g)を、塩化メチレン/2,2,2-トリフルオロエタノール/酢酸混合液に溶解した。得られた溶液に、40℃で亜鉛末(43.9 g)を添加した。30分後、反応溶液から亜鉛末を濾過して除き、塩化メチレン/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液で洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水、塩酸水、水、ジエチルエーテル、アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、9.5 gの目的物を得た。

0122

[I-5:セグメント5の合成]
Boc-Ala-Pro-OPac
Boc-Ala-OH(95 g)、Pro-OBzl・HCl(127 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(7 g)を塩化メチレンに添加した。得られた溶液に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(96 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。塩化メチレンを減圧留去し、残渣を酢酸エチルにて希釈した。有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。酢酸エチルを減圧留去し、残渣にn-ヘキサンを加えた。析出した沈殿を濾取し、n-ヘキサンで洗浄した。前記操作により、158 gの結晶を得た。27.1 gの前記結晶をメタノールに溶解した。得られた溶液に、5% Pd-C(5 g)を添加した。反応溶液に水素ガスを添加した。反応終了後、5% Pd-Cを濾過して除いた。メタノールを減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、19.7 gの結晶を得た。19.7 gの前記結晶をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、フェナシルブロマイド(14.4 g)及びトリエチルアミン(10.1 mL)を添加した。反応溶液を、1時間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチルにて希釈した。得られた溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。n-ヘキサンを加えた。析出した沈殿を濾取し、n-ヘキサンで洗浄した。前記操作により、25.2 gの目的物を得た。

0123

Boc-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Ala-Pro-OPac(25.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(14.7 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた溶液に、Boc-Val-OH(14.5 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(12.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。酢酸エチルにて反応溶液を希釈した。得られた溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にn-ヘキサンを加えた。析出した沈殿を濾取し、n-ヘキサンで洗浄した。得られた結晶を、酢酸エチルに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、24.4 gの目的物を得た。

0124

Boc-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Val-Ala-Pro-OPac(24.4 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(11.2 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた溶液に、Boc-Asn-OH(11.8 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(7.2 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(9.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。酢酸エチルにて反応溶液を希釈した。得られた溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルムに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、26.5 gの目的物を得た。

0125

Boc-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(26.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(10 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた溶液に、Boc-Asp(OcHex)-OH(14.2 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.4 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(8.6 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。酢酸エチルにて反応溶液を希釈した。得られた溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、33.8 gの目的物を得た。

0126

Boc-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(33.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(9.6 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに添加した。得られた溶液に、Boc-Lys(ClZ)-OH(18.0 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.2 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(8.4 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。酢酸エチルにて反応溶液を希釈した。得られた溶液を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5 N塩酸水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を、MgSO4にて乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を、クロロホルムに溶解した。溶媒を減圧留去した。ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、46.0 gの目的物を得た。

0127

Boc-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(45.8 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(9.5 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Asp(OcHex)-OH(12.2 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(7.4 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水で洗浄した。残渣をクロロホルムに溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、50.3 gの目的物を得た。

0128

Boc-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(23.6 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4.2 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Lys(ClZ)-OH(7.4 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.5 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.4 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/メタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、24.2 gの目的物を得た。

0129

Boc-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(24.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(3.4 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Asp(OcHex)-OH(4.9 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.2 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.0 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、27.1 gの目的物を得た。

0130

Boc-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(27.1 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(3.4 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Thr(Bzl)-OH(4.6 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.1 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.9 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、26.0 gの目的物を得た。

0131

Boc-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac
Boc-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(24.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(2.8 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Phe-OH(3.4 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.8 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.4 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、24.3 gの目的物を得た。

0132

Boc-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OH (セグメント5)
Boc-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OPac(24.3 g)を、酢酸に溶解した。得られた溶液に、40℃で亜鉛末(36.9 g)を添加した。2時間後、反応溶液から亜鉛末を濾過して除き、酢酸で洗浄した。酢酸を減圧留去し、残渣に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミド混合液に添加し、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、21.0 gの目的物を得た。

0133

[I-6:セグメント6の合成]
Boc-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Tyr(Br-Z)-NH2(49.3 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(21.8 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Gly-OH(18.0 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(14.9 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(20.1 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水で洗浄した。残渣をクロロホルム/メタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、55 gの目的物を得た。

0134

Boc-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(55 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(21.8 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Gln-OH(27 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(14.9 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(20.1 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水で洗浄した。残渣をクロロホルム/メタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、59 gの目的物を得た。

0135

Boc-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(59 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(19.0 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Pro-OH(19.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.9 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(17.5 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水で洗浄した。残渣をクロロホルム/メタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、60.6 gの目的物を得た。

0136

Boc-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(60.6 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(15.4 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Ser(Bzl)-OH(24.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(11.6 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(15.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液から、N,N-ジメチルホルムアミドを減圧留去した。残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/メタノール混合液に溶解し、溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、17 gの目的物を得た。

0137

Boc-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(16.7 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4.2 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Ile-OH・1/2 H2O(4.8 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.9 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.9 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、17 gの目的物を得た。

0138

Boc-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(17.9 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(4.0 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Lys(ClZ)-OH(8.0 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.7 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.7 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びメタノールで洗浄した。前記操作により、22.0 gの目的物を得た。

0139

Boc-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(22.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(3.8 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Ser(Bzl)-OH(5.4 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.6 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(3.5 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びメタノールで洗浄した。前記操作により、20.2 gの目的物を得た。

0140

Boc-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2 (セグメント6)
Boc-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(22.2 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(3.0 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Arg(Tos)-OH(7.3 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.1 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.8 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びメタノールで洗浄した。前記操作により、23.1 gの目的物を得た。

0141

[I-7:保護h.AMのセグメント縮合(1)]
Boc-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(1.9 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.22 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-OH(2.0 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.15 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.20 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液からN,N-ジメチルホルムアミドを減圧留去し、酢酸エチルを加えた。析出した沈殿を濾取し、酢酸エチルで洗浄した。前記操作により、3.3 gの目的物を得た。

0142

[I-8:保護h.AMのセグメント縮合(2)]
Boc-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(3.3 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.19 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドンに溶解した。得られた溶液に、Boc-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-OH(0.9 g)及び3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン(0.13 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.18 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。得られた溶液から、N,N-ジメチルホルムアミドを減圧留去し、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリルで洗浄した。前記操作により、3.0 gの目的物を得た。

0143

[I-9:保護h.AMのセグメント縮合(3)]
Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(2.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.23 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OH(0.78 g)及び3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン(0.077 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.10 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。得られた溶液から、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルを加えた。析出した沈殿を濾取し、酢酸エチルで洗浄した。前記操作により、2.1 gの目的物を得た。

0144

[I-10:保護h.AMのセグメント縮合(4)]
Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(2.0 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.15 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシド/1-メチル-2-ピロリドン/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、Boc-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-OH(0.56 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.091 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.12 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。得られた溶液から、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリルで洗浄した。前記操作により、1.8 gの目的物を得た。

0145

[I-11:保護h.AMのセグメント縮合(5)]
Boc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2 (Boc-保護h.AM(1-52))
Boc-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(1.5 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.09 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシドに溶解した。得られた溶液に、Boc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-OH(0.40 g)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.081 g)を添加した。この混合物に、冷却下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.11 mL)を滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄した。残渣をクロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。得られた溶液から、溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、1.6 gの目的物を得た。

0146

[I-12:パルミトイル-h.AMの合成(1)]
Pal-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(0.23 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.02 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、クロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。得られた溶液に、パルミトイルクロライド(0.015 g)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(0.015 g)及びジイソプロピルエチルアミン(0.014 mL)をテトラヒドロフランに添加した溶液と、ジイソプロピルエチルアミン(0.004 mL)とを、冷却下で滴下した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液から溶媒を減圧留去し、アセトニトリルを加えた。析出した沈殿を濾取し、アセトニトリルで洗浄した。前記操作により、0.24 gの目的物を得た。

0147

[I-13:パルミトイル-h.AMの合成(2)]
Pal-h.AM(1-52)トリフルオロ酢酸塩
Pal-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(238 mg)に、p-クレゾール(1.5 mL)及びメチオニン(37 mg)を加えた。得られた溶液に、無水フッ化水素(6 mL)を冷却下で加えた。反応溶液を、-2〜-5℃下、60分間処理した。反応溶液から、無水フッ化水素を減圧留去し、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取した。得られた粗ペプチドを、50%酢酸水に溶解した。得られた溶液に、0.1 Mヨウ素/メタノール溶液(0.24 mL)を加えた。1分後、この溶液に、1 Mアスコルビン酸/水(0.24 mL)を加えた。得られた溶液から、目的物を逆相HPLCにて精製した。目的物は、凍結乾燥の後に、38 mgの白色粉末として得られた。

0148

[I-14:パルミトイル-h.AMの合成(3)]
Pal-h.AM(1-52)酢酸塩
Pal-h.AM(1-52)トリフルオロ酢酸塩(38 mg)を、5%酢酸水に溶解した。得られた溶液を、ムロマック1×2(酢酸型)カラム(3 mL)に通液し、5%酢酸水で流出させた。流出液を凍結乾燥した。目的物は、凍結乾燥の後に、32 mgの白色粉末として得られた。

0149

[I-15:パルミトイル-h.AMの合成(4)]
Pal-h.AM(1-52)酢酸塩バイアル詰め
Pal-h.AM(1-52) 酢酸塩(16.5 mg)を、ミリQ水(18.3 mL)に溶解した。得られた溶液を、0.30 mLずつバイアル瓶分注し、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物のうち、3本を、6 M塩酸水にて加水分解した。得られた加水分解物を、アミノ酸分析した。前記アミノ酸分析により、内容量を定量した。 収量:38 nmol×57本。

0150

[I-16:PEG5000-h.AMの合成(1)]
Fmoc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2
Boc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(0.9 g)を、トリフルオロ酢酸に溶解した。得られた溶液を、冷却下で10分間、その後、室温で50分間攪拌した。反応溶液から、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、塩化水素のジオキサン溶液(5.5 mol/L)(0.05 mL)を添加した。得られた混合物に、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた塩酸塩を、ジメチルスルホキシド/N,N-ジメチルホルムアミド混合液に溶解した。得られた溶液に、炭酸9-フルオレニルメチルスクシンイミジル(0.34 g)及びジイソプロピルエチルアミン(0.05 mL)を添加した。反応溶液を、室温で終夜攪拌した。反応溶液に水を加えた。析出した沈殿を濾取し、水及びアセトニトリルで洗浄した。沈殿を、クロロホルム/2,2,2-トリフルオロエタノール混合液に溶解した。溶媒を減圧留去し、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。前記操作により、0.76 gの目的物を得た。

0151

[I-17:PEG5000-h.AMの合成(2)]
Fmoc-Tyr-Arg-Gln-Ser-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg-Ser-Phe-Gly-Cys-Arg-Phe-Gly-Thr-Cys-Thr-Val-Gln-Lys-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr-Gln-Phe-Thr-Asp-Lys-Asp-Lys-Asp-Asn-Val-Ala-Pro-Arg-Ser-Lys-Ile-Ser-Pro-Gln-Gly-Tyr-NH2 (Cys16-Cys21ジスルフィド架橋体)
Fmoc-Tyr(BrZ)-Arg(Tos)-Gln-Ser(Bzl)-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Phe-Gly-Cys(4-MeBzl)-Arg(Tos)-Phe-Gly-Thr(Bzl)-Cys(4-MeBzl)-Thr(Bzl)-Val-Gln-Lys(ClZ)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr(BrZ)-Gln-Phe-Thr(Bzl)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Asn-Val-Ala-Pro-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Lys(ClZ)-Ile-Ser(Bzl)-Pro-Gln-Gly-Tyr(Br-Z)-NH2(740 mg)に、p-クレゾール(6.0 mL)及びメチオニン(122 mg)を加えた。得られた溶液に、無水フッ化水素(24 mL)を冷却下で加えた。反応溶液を、-2〜-5℃下、60分間処理した。反応溶液から、無水フッ化水素を減圧留去し、ジエチルエーテルを加えた。析出した沈殿を濾取した。得られた粗ペプチドを、50%酢酸水に溶解した。得られた溶液に、0.1 Mヨウ素/メタノール溶液(0.8 mL)を加えた。30秒後、この溶液に、1 Mアスコルビン酸/水(0.8 mL)を加えた。得られた溶液から、目的物を逆相HPLCにて精製した。目的物は、凍結乾燥の後に、134 mgの白色粉末として得られた。

0152

[I-18:PEG5000-h.AMの合成(3)]
Tyr-Arg-Gln-Ser-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg-Ser-Phe-Gly-Cys-Arg-Phe-Gly-Thr-Cys-Thr-Val-Gln-Lys(Boc)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr-Gln-Phe-Thr-Asp-Lys(Boc)-Asp-Lys(Boc)-Asp-Asn-Val-Ala-Pro-Arg-Ser-Lys(Boc)-Ile-Ser-Pro-Gln-Gly-Tyr-NH2 (Cys16-Cys21ジスルフィド架橋体)
Fmoc-Tyr-Arg-Gln-Ser-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg-Ser-Phe-Gly-Cys-Arg-Phe-Gly-Thr-Cys-Thr-Val-Gln-Lys-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr-Gln-Phe-Thr-Asp-Lys-Asp-Lys-Asp-Asn-Val-Ala-Pro-Arg-Ser-Lys-Ile-Ser-Pro-Gln-Gly-Tyr-NH2 (Cys16-Cys21ジスルフィド架橋体)(184 mg)を、ジメチルスルホキシド(18 mL)に溶解した。得られた溶液に、炭酸t-ブチルスクシンイミジル(87 mg)及びジイソプロピルエチルアミン(0.06 mL)を加えた。反応溶液を、5時間撹拌した。反応溶液に、酢酸水を加えた後、凍結乾燥した。残渣を、ジメチルスルホキシド(20 mL)に溶解した。得られた溶液に、ジエチルアミン(2 mL)を加えた。得られた溶液を、70分間攪拌した。反応溶液に、酢酸水を加えて希釈した。得られた溶液から、目的物を逆相HPLCにて精製した。目的物は、凍結乾燥の後に、116 mgの白色粉末として得られた。

0153

[I-19:PEG5000-h.AMの合成(4)]
PEG5000-Tyr-Arg-Gln-Ser-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg-Ser-Phe-Gly-Cys-Arg-Phe-Gly-Thr-Cys-Thr-Val-Gln-Lys(Boc)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr-Gln-Phe-Thr-Asp-Lys(Boc)-Asp-Lys(Boc)-Asp-Asn-Val-Ala-Pro-Arg-Ser-Lys(Boc)-Ile-Ser-Pro-Gln-Gly-Tyr-NH2 (Cys16-Cys21ジスルフィド架橋体)
Tyr-Arg-Gln-Ser-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg-Ser-Phe-Gly-Cys-Arg-Phe-Gly-Thr-Cys-Thr-Val-Gln-Lys(Boc)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr-Gln-Phe-Thr-Asp-Lys(Boc)-Asp-Lys(Boc)-Asp-Asn-Val-Ala-Pro-Arg-Ser-Lys(Boc)-Ile-Ser-Pro-Gln-Gly-Tyr-NH2 (Cys16-Cys21ジスルフィド架橋体)(40 mg)を、ジメチルスルホキシド(4 mL)に溶解した。得られた溶液に、PEG5000-NHS(205 mg)及びジイソプロピルエチルアミン(0.001 mL)を加えた。PEG5000-NHSは、平均分子量5000のPEGと6-クロロヘキサン酸N-ヒドロキシコハク酸イミドエステルとから形成される化合物であって、平均分子量5000のPEGとN-ヒドロキシコハク酸イミドとが1-オキソ-1,6-ヘキサンジイルを介して連結された構造を有する化合物である。反応溶液を、終夜撹拌した。反応溶液から、目的物を逆相HPLCにて精製した。目的物は、凍結乾燥の後に、35 mgの白色粉末として得られた。

0154

[I-20:PEG5000-h.AMの合成(5)]
PEG5000-h.AM(1-52)トリフルオロ酢酸塩
PEG5000-Tyr-Arg-Gln-Ser-Met-Asn-Asn-Phe-Gln-Gly-Leu-Arg-Ser-Phe-Gly-Cys-Arg-Phe-Gly-Thr-Cys-Thr-Val-Gln-Lys(Boc)-Leu-Ala-His-Gln-Ile-Tyr-Gln-Phe-Thr-Asp-Lys(Boc)-Asp-Lys(Boc)-Asp-Asn-Val-Ala-Pro-Arg-Ser-Lys(Boc)-Ile-Ser-Pro-Gln-Gly-Tyr-NH2 (Cys16-Cys21ジスルフィド架橋体)(34 mg)に、氷冷下で、95%トリフルオロ酢酸水(5 mL)を加えて、粗ペプチドを溶解した。得られた混合物を、氷冷下で40分間反応させた。反応溶液から、溶媒を減圧留去した。残渣をミリQ水に溶解した。得られた溶液から、目的物を逆相HPLCにて精製した。目的物は、凍結乾燥の後に、30 mgの白色粉末として得られた。

0155

[I-21:PEG5000-h.AMの合成(6)]
PEG5000-h.AM(1-52)酢酸塩バイアル詰め
PEG5000-h.AM(1-52)トリフルオロ酢酸塩(30 mg)を、3%酢酸水に溶解した。得られた溶液を、ムロマック1×2(酢酸型)カラム(2 mL)に通液し、3%酢酸水で流出させた。流出液を凍結乾燥した。凍結乾燥物の全量を、ミリQ水(18.3 mL)に溶解した。得られた溶液を、0.30 mLずつバイアル瓶に分注し、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物のうち、3本を、6 M塩酸水にて加水分解した。得られた加水分解物を、アミノ酸分析した。前記アミノ酸分析により、内容量を定量した。 収量:37 nmol×56本。

0156

<II:使用例>
[II-1:アドレノメデュリン誘導体による細胞内cAMP濃度上昇作用
アドレノメデュリン(AM)の投与により、細胞内cAMPの濃度が上昇する。このため、AMの作用は、細胞内cAMPの濃度上昇を介して発現すると考えられる。そこで、AM受容体を発現させた培養細胞株HEK293細胞株)に、Pal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を添加して、細胞内cAMPの産生量を測定した。コンフルエントのHEK293細胞(細胞数:5×104)に、0.5 mMのIBMXの存在下、10-11〜10-6 mol/LのPal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を添加して、15分間インキュベートした。その後、cAMP測定用ELISAキット(GEヘルスケアー、#RPN2251)を用いて、各試験区のHEK293細胞における細胞内cAMP濃度を測定した。Pal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)の濃度とcAMP濃度の上昇との用量応答曲線を図1に示す。なお、図中、縦軸は、h.AM(1-52)によるcAMP濃度上昇の最大応答値に対する、各試験区のcAMP濃度上昇の相対値(%)を示す。

0157

図1に示すように、Pal-h.AM(1-52)又はPEG5000-h.AM(1-52)の投与により、AM受容体発現HEK293細胞における細胞内cAMP濃度が上昇した。Pal-h.AM(1-52)及びPEG5000-h.AM(1-52)は、h.AM(1-52)と比較して、略同等の最大応答値及びpEC50値(h.AM(1-52):8.59±0.90;Pal-h.AM(1-52):8.49±0.12;PEG5000-h.AM(1-52):8.19±0.10)を示した。前記の結果より、Pal-h.AM(1-52)及びPEG5000-h.AM(1-52)は、培養細胞において、h.AM(1-52)と略同等のcAMP濃度上昇活性を発揮することが判明した。

0158

[II-2:アドレノメデュリン誘導体の血中半減期]
麻酔下ラットの静脈内に、Pal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を単回投与して、アドレノメデュリン誘導体の血中濃度経時変化を観察した。11〜14週齢雄性ウイスターラットを、イソフルラン吸入により麻酔導入した。気管切開の後、1.5〜2.5%のイソフルラン濃度及び0.6〜0.8 L/分の流量にて、吸入麻酔管理を行った。前記ラットから、右頸静脈を単離し、26G相当のカテーテルチューブを挿入した。次に、前記処置後のラットから、左頸動脈を単離し、23G相当のカテーテルチューブを挿入した。生理食塩水に溶解したPal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を、右頸静脈のカテーテルチューブより投与した。頸動脈に挿入したカテーテルより、投与開始時から経時的に、300 μlの採血を行った。得られた血液検体に、直ちにEDTA-2Na(300 μg)及びアプロチニン(21 μg)を添加して、さらに3000回転、10分間の条件で遠心分離して、血漿を得た。各検体の血漿中AM濃度を、化学発光酵素免疫法にて測定した。2-コンパートメントモデルを用いて、血漿中AM濃度の測定結果から、第一相及び第二相の血中半減期を算出した。h.AM(1-52)、Pal-h.AM(1-52)又はPEG5000-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と血漿中AM濃度との関係を図2〜4にそれぞれ示す。

0159

図3及び4に示すように、Pal-h.AM(1-52)及びPEG5000-h.AM(1-52)の第一相半減期は、それぞれ3.51又は6.18分であり、第二相半減期は、123又は133分であった。これに対し、図2に示すように、h.AM(1-52)の第一相半減期は、0.61分であり、第二相半減期は、18.9分であった。すなわち、Pal-h.AM(1-52)及びPEG5000-h.AM(1-52)は、h.AM(1-52)と比較して、血中半減期が顕著に延長された。前記の結果より、アドレノメデュリン分子をパルミチン酸又はポリエチレングリコールで化学修飾することにより、親分子であるアドレノメデュリンと比較して、血中半減期が顕著に延長されることが判明した。

0160

[II-3:アドレノメデュリン誘導体による降圧作用]
麻酔下ラットの静脈内に、Pal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を単回投与して、該ラットの血圧の経過を観察した。11〜14週齢の雄性ウイスターラットを、イソフルランの吸入により麻酔導入した。気管切開の後、1.5〜2.5%のイソフルラン濃度及び0.6〜0.8 L/分の流量にて、吸入麻酔管理を行った。前記ラットから、右頸静脈を単離し、26G相当のカテーテルチューブを挿入した。次に、前記処置後のラットから、左頸動脈を単離し、23G相当のカテーテルチューブを挿入した。生理食塩水に溶解したPal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を、右頸静脈のカテーテルチューブより投与した。右頸静脈のカテーテルチューブより、生理食塩水ヘパリン溶液(生理食塩水:100ml;ヘパリン:1000単位)を2.4 ml/時間で補液した。同じカテーテルチューブより、10 nmol/kgのPal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)を、生理食塩水に溶解した形態で投与した。頸動脈に挿入したカテーテルを、圧トランスデューサーに接続した。Pal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)の投与前の血圧と投与後の血圧とを、経時的に測定した。h.AM(1-52)、Pal-h.AM(1-52)又はPEG5000-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と平均血圧との関係を図5に示す。なお、図中、縦軸は、各薬剤投与時の平均血圧から、各薬剤投与前の平均血圧を差し引いた差を示す。

0161

図5に示すように、10 nmol/kgのPal-h.AM(1-52)、PEG5000-h.AM(1-52)又はh.AM(1-52)の静脈内単回投与により、ラットの血圧が低下した。h.AM(1-52)の場合、投与後2分に最大降圧が観察され、30分後には、投与前の血圧に回復した。これに対し、Pal-h.AM(1-52)又はPEG5000-h.AM(1-52)投与時の最大降圧値は、h.AM(1-52)の場合と比較して低い値であった。また、これら誘導体の場合、投与後90分においても降圧作用が持続していた。前記の結果より、Pal-h.AM(1-52)及びPEG5000-h.AM(1-52)の降圧効果は、緩徐に且つ長時間持続することが判明した。また、本試験によって示されたアドレノメデュリン誘導体による降圧効果は、前記試験によって示された血中半減期の延長とよく一致した。

0162

[II-4:アドレノメデュリン誘導体による炎症性腸疾患モデルでの治療効果
II-4-1:モデルの作製
C57BL/6J Jclマウス(6週齢)に対し、イソフルラン(2%)吸入麻酔下で背部皮膚を切開した。投与液を充填した浸透圧ポンプ(1002型Alzet(登録商標ミニ浸透圧ポンプ)を皮下に埋め込み、皮膚を縫合糸縫合した。浸透圧ポンプ埋め込み部位の背部皮下は、刈毛し消毒した。処置後のマウスに、3質量/体積デキストラン硫酸ナトリウム(Sodium Dextran Sulfate、DSS)(和光純薬工業株式会社)を飲用水として7日間摂取させ、炎症性腸疾患モデルを作製した。DSS誘発性腸炎は、炎症性腸疾患のモデルとして広く用いられている。

0163

DSS摂取開始日より、浸透圧ポンプを用いてアドレノメデュリン誘導体(PEG5000-h.AM(1-52))の持続皮下投与を行った。投与量は、0.02、0.1又は0.5 nmol/kg/hrとし、投与速度は0.2μL/hrとした。DSS摂取開始日を、アドレノメデュリン誘導体の投与開始日(0日)とした。前記条件で、投与を14日間実施した。対照群には、生理食塩水を同様に投与した。投与開始後14日目に、イソフルラン(2%)の吸入麻酔下で、腹部大静脈からヘパリン加血液を採取した。腹部大動脈及び腹部大静脈を切開して、放血致死させた。次に、肛門部から回盲部までの腸管を採取した。

0164

II-4-2:測定
(1)AM濃度
前記手順に従って採取したヘパリン加血液を、4℃、1800×g、10分間の条件で遠心分離して、血漿を得た。得られた各検体中の血漿中AM濃度を、化学発光酵素免疫法にて測定した。

0165

(2)体重
投与開始後3、5、7、10及び14日目に、対象マウスの体重を測定した。

0166

(3)スコア
投与開始後3、5、7、10及び14日目における、対象マウスの体重及び便の性状を、以下のスコア判定の基準に基づき評価した。得られたスコア値を合計して、各検体の総スコア値を算出した。

0167

0168

(4)腸管の長さ
解剖摘出した腸管を縦に開き、脂肪組織を除去した後、生理食塩液で洗浄した。次に、腸管の長さを測定した。

0169

II-4-3:結果
(1)AM濃度
前記手順で測定した血漿中AM濃度を、平均値±標準誤差で表す。対照群、並びに0.02、0.1及び0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の血漿中AM濃度は、それぞれ、0.091±0.036、1.430±0.242、3.289±0.525及び12.96±2.432 fmol/mlであった。対照群、並びに0.02、0.1及び0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の血漿中AM濃度を図6に示す。

0170

(2)スコア評価
前記手順で評価した総スコアを、中央値[平均値±標準誤差]で表す。投与開始後3、5、7、10及び14日目における対照群の総スコアは、それぞれ0.0[0.6±0.3]、4.0[3.7±0.4]、6.0[5.4±0.5]、3.5[4.1±0.4]及び0.0[0.0±0.0]であった。投与開始後3、5、7、10及び14日目における、0.02 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の総スコアは、それぞれ1.0[0.8±0.2]、2.5[2.8±0.5]、5.5[5.7±0.4]、2.5[3.1±0.8]及び0.0[0.0±0.0]であった。投与開始後3、5、7、10及び14日目における、0.1 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の総スコアは、それぞれ0.0[0.7±0.3]、1.5[1.9±0.5]、5.0[4.1±0.4]、2.0[2.0±0.5]及び0.0[0.0±0.0]であった。投与開始後3、5、7、10及び14日目における、0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の総スコアは、それぞれ1.0[1.3±0.3]、1.5[1.1±0.3]、3.0[3.0±0.3]、2.0[2.1±0.4]及び0.0[0.0±0.0]であった。PEG5000-h.AM(1-52)の投与開始時からの経過時間と、対照群及び各投与群の総スコアとの関係を図7に示す。図7に示すように、0.1 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の投与開始後10日目における総スコア値、並びに0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の投与開始後5、7及び10日目における総スコア値は、対照群の総スコア値と比較していずれも有意な減少が認められた(Steelの多重比較検定、p<0.05又はP<0.01)。

0171

(3)腸管の長さ
前記手順で測定した腸管の長さを、平均値±標準誤差で表す。対照群、並びに0.02、0.1及び0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の腸管の長さは、それぞれ65.0±1.3、69.4±1.5、71.4±0.9及び72.4±0.9 mmであった。対照群、並びに0.02、0.1及び0.5 nmol/kg/hr PEG5000-h.AM(1-52)投与群の腸管の長さを図8に示す。図8に示すように、PEG5000-h.AM(1-52)投与群の腸管の長さは、全ての濃度処理群において、対照群の腸管の長さと比較していずれも有意な差が認められた(Dunnettの多重比較検定、P<0.05又はP<0.01)。

実施例

0172

本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ