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技術 抗EGFR薬を用いた胃癌の処置のための、EGFRバイオマーカーの使用

出願人 クラウンバイオサイエンスインコーポレイテッド(タイカン)
発明者 ヤンチエチェンイーヨウリヘンリーチシャンカイチエ
出願日 2019年11月8日 (1年0ヶ月経過) 出願番号 2019-202804
公開日 2020年3月19日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-040959
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 非環式または炭素環式化合物含有医薬 生物学的材料の調査,分析 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 酵素、微生物を含む測定、試験 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 金属沈着 基準偏差 モデル応答 設計物 同一モデル 比率値 品質チェック 試験機関
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (13)

課題

腫瘍処置するための方法の提供。

解決手段

処置を必要とする患者に有効量の抗EGFR薬を投与する工程を含む、胃腫瘍を処置するための方法であって、前記患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、方法。

概要

背景

胃癌腫GC)は、全世界で年間約100万件の診断及び約70万件の死亡例1があり、東アジアでの発生率が高い2、最も一般的及び死に至る癌の一つである。しかしながら、GC患者の大半に関して、外科手術よりほかに利用できる有効な処置選択肢は非常に少ない。HER2を標的とするモノクローナル抗体である、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))のみが承認された標的療法であるが、より高いHER2(EGFR2)遺伝子の発現3及び増幅を有するGC患者のごく一部に限られている。GCに有意な利益を実証することができる最近承認された薬剤は、かかる緊急の必要性を満たすのに特に魅力的であり得る。ERBB1/HER1とも呼ばれる、EGFRは、HER2と同じファミリーに属し、大腸癌腫(CRC)、GC及び非小細胞肺癌(NSCLC)などを含む上皮癌において発現される受容体チロシンキナーゼRTK)である。セツキシマブはモノクローナル抗体であり、EGFRに結合し、そのリガンド誘導される下流のシグナル伝達ブロックし、ゆえに細胞増殖阻害する。セツキシマブは食品医薬品局FDA)によって、KRAS変異をコドン12/13で活性化することなくEGFR発現性転移性大腸癌(mCRC)を処置する4、及び頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)を処置する5ことについては承認されたが、セツキシマブはいまだGCの処置については承認されていない。進行性GCについてのセツキシマブ/化学療法剤併用処置におけるいくつかの第II相臨床試験があるが、それらの研究はまだ現在の基準治療(SOC)を超える有意に優れた臨床的な利益を実証していない6−8。Merck Serona社による無作為化比較第III相試験は、その主要評価項目を満たせなかったと最近報告している(NCT00678535:進行食道胃、癌におけるゼローダおよびシスプラチンと組み合わせたエルタックス、またはEXPAND)。

それゆえ、新規の有効な標的療法が緊急に必要とされている。本発明は、新規の有効な標的療法及び他の利点を提供する。

概要

腫瘍を処置するための方法の提供。処置を必要とする患者に有効量の抗EGFR薬を投与する工程を含む、胃腫瘍を処置するための方法であって、前記患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、方法。C

目的

本発明の一態様は、胃腫瘍を処置するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に有効量の薬剤を投与する工程を含む、方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

処置を必要とする患者に有効量の抗EGFR薬を投与する工程を含む、腫瘍を処置するための方法であって、前記患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、前記方法。

請求項2

前記胃腫瘍が胃腺癌である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記抗EGFR薬が抗EGFR抗体である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記抗EGFR薬が、セツキシマブパニツムマブニモツズマブ、抗体806、Sym004、またはMM−151である、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記抗EGFR薬が、2種以上の抗EGFR薬の組み合わせである、請求項1に記載の方法。

請求項6

胃腫瘍の標準的処置と組み合わせて前記抗EGFR薬を投与する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

化学療法または放射線療法と組み合わせて前記抗EGFR薬を投与する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

シスプラチン及びカペシタビン、または5−フルオロウラシルオキサリプラチンイリノテカンドセタキセルパクリタキセルドキソルビシンマイトマイシンCエトポシドゲムシタビンカルボプラチンと組み合わせて前記抗EGFR薬を投与する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記EGFRバイオマーカーが、EGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現である、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記EGFR遺伝子増幅が、所定の数より多いEGFR遺伝子コピー数を含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記EGFR過剰発現が、所定のレベルより高いEGFRRNA、タンパク質、または活性のレベルを含む、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記患者が、EGFRバイオマーカーを有し、HER2バイオマーカーを有さないと判定されている、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記患者が、抗HER2薬を伴わずに抗EGFR薬を投与される、請求項12に記載の方法。

請求項14

EGFRバイオマーカーの存在または非存在を患者の試料において検出する工程を含む、患者が抗EGFR処置に好適かどうか判定するための方法であって、EGFRバイオマーカーの存在が、前記患者が前記抗EGFR処置に好適であることを示す、前記方法。

請求項15

胃腫瘍を有する患者の試料を受け取る工程、EGFRバイオマーカーの存在または非存在を前記試料において検出するための試験を行う工程、及び前記患者の医療提供者に試験結果を提供する工程を含む、ラボサービスを提供するための方法。

請求項16

対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、胃腫瘍に罹患している対象における抗EGFR処置の応答性または有効性モニターするための方法であって、前記EGFRバイオマーカーが、所定の基準レベルと比較してのEGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現であり、前記EGFRバイオマーカーの存在が、前記抗EGFR処置を用いた処置の有効性を示す、前記方法。

請求項17

対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、胃腫瘍に罹患している対象を処置するための処置レジメンを決定するための方法であって、前記EGFRバイオマーカーが、所定の基準レベルと比較してのEGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現であり、処置レジメンが、前記生体試料における前記EGFRバイオマーカーの存在または非存在に基づいて決定される、前記方法。

請求項18

対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、胃腫瘍に罹患している対象についての処置有効性を予測するための方法であって、前記EGFRバイオマーカーが、所定の基準レベルと比較してのEGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現であり、EGFRバイオマーカーの存在が、肯定的な処置有効性を示す、前記方法。

請求項19

(a)胃腫瘍に罹患している対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程、及び(b)EGFRバイオマーカーの存在または非存在に関する情報を前記対象の診断または処置のために医療提供者に提供する工程を含む、データを提供するための方法。

請求項20

前記検出工程の前に前記医療提供者から前記生体試料を受け取る工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。

請求項21

(a)胃腫瘍に罹患している対象からの生体試料において、所定の基準レベルと比較してEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程、及び(b)EGFRバイオマーカーの存在または非存在に関する情報を、前記処置有効性の予測または判定を提供する実体に提供する工程を含む、抗EGFR処置の処置有効性をモニターする、予測する、または決定するために有用な情報を提供する方法。

請求項22

EGFR活性のベースラインレベルが抗EGFR処置の前に検出され、所定の基準レベルと比較したときのEGFR活性の前記ベースラインレベルにおける増加が、EGFRバイオマーカーの存在を示す、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

生体試料が、血液、皮膚、毛髪毛包唾液口腔粘膜膣粘膜上皮組織、尿、精液(semen)、精液(seminalfluid)、精漿前立腺液尿道球腺液(カウパー液)、排泄物生検材料腹水脳脊髄液リンパ液、および組織抽出試料または生検試料から選択される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

EGFRバイオマーカーの検出に好適な試薬と、請求項1に記載の方法に従って胃腫瘍を処置するために前記EGFRバイオマーカーを使用するための説明書とを含む、キット

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、全ての目的のためにその全体において参照により本明細書に組み入れられる、2013年3月14日に出願された、国際特許出願PCT/CN2013/072638号の恩典を主張する。

0002

発明の分野
本発明は、概して腫瘍処置するための方法に関し、具体的には、特定の上皮成長因子受容体(EGFRバイオマーカーを有すると以前に判定されている患者を処置するための方法に関する。

背景技術

0003

胃癌腫GC)は、全世界で年間約100万件の診断及び約70万件の死亡例1があり、東アジアでの発生率が高い2、最も一般的及び死に至る癌の一つである。しかしながら、GC患者の大半に関して、外科手術よりほかに利用できる有効な処置選択肢は非常に少ない。HER2を標的とするモノクローナル抗体である、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))のみが承認された標的療法であるが、より高いHER2(EGFR2)遺伝子の発現3及び増幅を有するGC患者のごく一部に限られている。GCに有意な利益を実証することができる最近承認された薬剤は、かかる緊急の必要性を満たすのに特に魅力的であり得る。ERBB1/HER1とも呼ばれる、EGFRは、HER2と同じファミリーに属し、大腸癌腫(CRC)、GC及び非小細胞肺癌(NSCLC)などを含む上皮癌において発現される受容体チロシンキナーゼRTK)である。セツキシマブはモノクローナル抗体であり、EGFRに結合し、そのリガンド誘導される下流のシグナル伝達ブロックし、ゆえに細胞増殖阻害する。セツキシマブは食品医薬品局FDA)によって、KRAS変異をコドン12/13で活性化することなくEGFR発現性転移性大腸癌(mCRC)を処置する4、及び頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)を処置する5ことについては承認されたが、セツキシマブはいまだGCの処置については承認されていない。進行性GCについてのセツキシマブ/化学療法剤併用処置におけるいくつかの第II相臨床試験があるが、それらの研究はまだ現在の基準治療(SOC)を超える有意に優れた臨床的な利益を実証していない6−8。Merck Serona社による無作為化比較第III相試験は、その主要評価項目を満たせなかったと最近報告している(NCT00678535:進行食道胃、癌におけるゼローダおよびシスプラチンと組み合わせたエルタックス、またはEXPAND)。

0004

それゆえ、新規の有効な標的療法が緊急に必要とされている。本発明は、新規の有効な標的療法及び他の利点を提供する。

0005

本発明の一態様は、胃腫瘍を処置するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に有効量の薬剤を投与する工程を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)に対するものである。いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFRの下流のシグナル伝達経路に対するものである。いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFRのリガンドのアンタゴニストまたは抗体であり、例えば、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子α(TGFα)、HB−EGF、アンフィレギュリンベータセルリンエピゲン(epigen)、及び/またはエピレグリンのアンタゴニストまたは抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、小分子である。いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFR及びEfbB2/Her2/neuなどのErbB受容体ファミリーの別のメンバーによって形成されたヘテロ二量体に対するものである。いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFRによって形成されたホモ二量体に対するものである。いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFRに対する抗体または抗体様治療的実体抗EGFR抗体処置)、例えばセツキシマブである。いくつかの実施形態では、患者はEGFRバイオマーカーを有すると判定されている。本方法の一実施形態では、胃腫瘍は胃腺癌である。本方法の別の実施形態では、抗EGFR薬は抗EGFR抗体である。別の実施形態では、抗EGFR薬はセツキシマブ、パニツムマブニモツズマブ、抗体806、Sym004、またはMM−151である。ある特定の実施形態では、抗EGFR薬は二つ以上の抗EGFR薬の組み合わせである。別の実施形態では、本方法は、抗EGFR薬を胃腫瘍のための標準的処置と組み合わせて投与する工程をさらに含む。一実施形態では、本方法は、抗EGFR薬を化学療法または放射線療法と組み合わせて投与する工程をさらに含む。なおもさらなる実施形態では、本方法は、抗EGFR薬を、シスプラチン及びカペシタビン5−フルオロウラシルオキサリプラチンイリノテカンドセタキセルパクリタキセルドキソルビシンマイトマイシンCエトポシドゲムシタビンまたはカルボプラチンの一つ以上と組み合わせて投与する工程を含む。さらに本明細書で概説するように、一実施形態では、EGFRバイオマーカーは、EGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現である。この点について、EGFR遺伝子増幅は、所定の数より多いEGFR遺伝子コピー数を含み得る。EGFR過剰発現は、所定のレベルより高いEGFR RNA、タンパク質、または活性のレベルを含み得る。本方法のある特定の実施形態では、患者はEGFRバイオマーカーを有し、HER2バイオマーカーを有さないと判定されている。ゆえに、一実施形態では、患者は抗HER2薬を伴わずに抗EGFR薬を投与される。

0006

本発明の別の態様は、EGFRバイオマーカーの存在または非存在を患者の試料において検出する工程を含み、EGFRバイオマーカーの存在が、患者が抗EGFR処置に好適であることを示すことを特徴とする、患者が抗EGFR処置に好適かどうか判定するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、処置は、一つ以上の、EGFRに対する薬剤、EGFRの下流のシグナル伝達経路に対する薬剤、EGFRのリガンドに対する薬剤、EGFRによって形成されるホモ二量体またはEGFR及びErbB受容体ファミリーの別のメンバーによって形成されるヘテロ二量体に対する薬剤を含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、抗EGFR薬である。いくつかの実施形態では、抗EGFR薬は、抗EGFR抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗EGFR抗体は、セツキシマブを含む。

0007

本発明のさらなる態様は、胃腫瘍を有する患者の試料を受け取る工程、EGFRバイオマーカーの存在または非存在を試料において検出するための試験を行う工程、及び患者の医療提供者に試験結果を提供する工程を含む、ラボサービスを提供するための方法を提供する。

0008

本発明のさらに別の態様は、EGFRバイオマーカーの検出に好適な試薬と、本明細書に記載の方法に従って胃腫瘍を処置するためにEGFRバイオマーカーを使用するための説明書とを含むキットを提供する。

0009

なおも別の実施形態では、本発明は、抗EGFR薬、例えばセツキシマブを用いた胃腫瘍の処置または処置の有効性予測する、判定する、評価するまたはモニターするために有用な情報を提供するための方法を提供する。本方法は、患者がEGFRバイオマーカーを有するかどうか判定する工程も含む。

0010

なおも別の実施形態では、本発明は、胃腫瘍に罹患している対象における抗EGFR処置の応答性または有効性をモニターするための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する方法を含む。いくつかの実施形態では、EGFRバイオマーカーは、所定の基準レベルと比較したEGFR遺伝子増幅及び/またはEGFR過剰発現である。いくつかの実施形態では、EGFRバイオマーカーの存在は、患者が処置に対して応答者であること、及び抗EGFR処置が患者において有効性を有し得ることを示し、一方でEGFRバイオマーカーの非存在は、患者が処置に対して応答者でなく、抗EGFR処置が患者において有効性を有さない可能性があることを示す。

0011

なおも別の実施形態では、本発明は、胃腫瘍に罹患している対象を処置するための処置レジメンを決定するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む。いくつかの実施形態では、EGFRバイオマーカーは、所定の基準レベルと比較したEGFR遺伝子増幅及び/またはEGFR過剰発現である。いくつかの実施形態では、処置レジメンは、生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在に基づいて決定される。

0012

なおも別の実施形態では、本発明は、胃腫瘍に罹患している対象についての処置有効性を予測するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む。いくつかの実施形態では、EGFRバイオマーカーは、所定の基準レベルと比較したEGFR遺伝子増幅及び/またはEGFR過剰発現である。いくつかの実施形態では、EGFRバイオマーカーの存在は、肯定的な処置有効性を示す。

0013

なおも別の実施形態では、本発明は、データを提供するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、胃腫瘍に罹患している対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、EGFRバイオマーカーの存在または非存在に関する情報を医療提供者に対象の診断または処置のために提供する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、検出工程の前に医療提供者から生体試料を受け取る工程をさらに含む。

0014

なおも別の実施形態では、本発明は、抗EGFR処置の処置有効性をモニター、予測または判定するために有用な情報を提供する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、胃腫瘍に罹患している対象からの生体試料における、所定の基準レベルと比較したEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する方法を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、EGFRバイオマーカーの存在または非存在に関する情報を、処置有効性の予測または判定を提供する実体に提供する工程をさらに含む。

0015

本明細書に記載の全ての方法について、いくつかの実施形態では、患者におけるEGFR活性のベースラインレベルは、抗EGFR処置の前に検出される。EGFR活性のかかるベースラインレベルは、EGFR遺伝子コピー数、転写産物量転写産物の安定性転写速度翻訳速度、翻訳後修飾、タンパク質量、タンパク質安定性、及び/またはタンパク質酵素活性、などを含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、所定の基準レベルと比較したときの、患者のEGFR活性のベースラインレベルにおける増加は、EGFRバイオマーカーの存在を示す。

0016

本明細書に記載の全ての方法について、いくつかの実施形態では、生体試料は、血液、皮膚、毛髪毛包唾液口腔粘膜膣粘膜上皮組織、尿、精液(semen)、精液(seminal fluid)、精漿前立腺液尿道球腺液(カウパー液)、排泄物生検材料腹水脳脊髄液リンパ液組織抽出試料または生検試料から選択される。
[本発明1001]
処置を必要とする患者に有効量の抗EGFR薬を投与する工程を含む、胃腫瘍を処置するための方法であって、前記患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、前記方法。
[本発明1002]
前記胃腫瘍が胃腺癌である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記抗EGFR薬が抗EGFR抗体である、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記抗EGFR薬が、セツキシマブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、抗体806、Sym004、またはMM−151である、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記抗EGFR薬が、2種以上の抗EGFR薬の組み合わせである、本発明1001の方法。
[本発明1006]
胃腫瘍の標準的処置と組み合わせて前記抗EGFR薬を投与する工程をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1007]
化学療法または放射線療法と組み合わせて前記抗EGFR薬を投与する工程をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1008]
シスプラチン及びカペシタビン、または5−フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカン、ドセタキセル、パクリタキセル、ドキソルビシンマイトマイシンC、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチンと組み合わせて前記抗EGFR薬を投与する工程をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1009]
前記EGFRバイオマーカーが、EGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現である、本発明1001の方法。
[本発明1010]
前記EGFR遺伝子増幅が、所定の数より多いEGFR遺伝子コピー数を含む、本発明1009の方法。
[本発明1011]
前記EGFR過剰発現が、所定のレベルより高いEGFR RNA、タンパク質、または活性のレベルを含む、本発明1009の方法。
[本発明1012]
前記患者が、EGFRバイオマーカーを有し、HER2バイオマーカーを有さないと判定されている、本発明1001の方法。
[本発明1013]
前記患者が、抗HER2薬を伴わずに抗EGFR薬を投与される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
EGFRバイオマーカーの存在または非存在を患者の試料において検出する工程を含む、患者が抗EGFR処置に好適かどうか判定するための方法であって、EGFRバイオマーカーの存在が、前記患者が前記抗EGFR処置に好適であることを示す、前記方法。
[本発明1015]
胃腫瘍を有する患者の試料を受け取る工程、EGFRバイオマーカーの存在または非存在を前記試料において検出するための試験を行う工程、及び前記患者の医療提供者に試験結果を提供する工程を含む、ラボサービスを提供するための方法。
[本発明1016]
対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、胃腫瘍に罹患している対象における抗EGFR処置の応答性または有効性をモニターするための方法であって、前記EGFRバイオマーカーが、所定の基準レベルと比較してのEGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現であり、前記EGFRバイオマーカーの存在が、前記抗EGFR処置を用いた処置の有効性を示す、前記方法。
[本発明1017]
対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、胃腫瘍に罹患している対象を処置するための処置レジメンを決定するための方法であって、前記EGFRバイオマーカーが、所定の基準レベルと比較してのEGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現であり、処置レジメンが、前記生体試料における前記EGFRバイオマーカーの存在または非存在に基づいて決定される、前記方法。
[本発明1018]
対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程を含む、胃腫瘍に罹患している対象についての処置有効性を予測するための方法であって、前記EGFRバイオマーカーが、所定の基準レベルと比較してのEGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現であり、EGFRバイオマーカーの存在が、肯定的な処置有効性を示す、前記方法。
[本発明1019]
(a)胃腫瘍に罹患している対象からの生体試料におけるEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程、及び(b)EGFRバイオマーカーの存在または非存在に関する情報を前記対象の診断または処置のために医療提供者に提供する工程を含む、データを提供するための方法。
[本発明1020]
前記検出工程の前に前記医療提供者から前記生体試料を受け取る工程をさらに含む、本発明1020の方法。
[本発明1021]
(a)胃腫瘍に罹患している対象からの生体試料において、所定の基準レベルと比較してEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出する工程、及び(b)EGFRバイオマーカーの存在または非存在に関する情報を、前記処置有効性の予測または判定を提供する実体に提供する工程を含む、抗EGFR処置の処置有効性をモニターする、予測する、または決定するために有用な情報を提供する方法。
[本発明1022]
EGFR活性のベースラインレベルが抗EGFR処置の前に検出され、所定の基準レベルと比較したときのEGFR活性の前記ベースラインレベルにおける増加が、EGFRバイオマーカーの存在を示す、本発明1001〜1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
生体試料が、血液、皮膚、毛髪、毛包、唾液、口腔粘膜、膣粘膜、汗、涙、上皮組織、尿、精液(semen)、精液(seminal fluid)、精漿、前立腺液、尿道球腺液(カウパー液)、排泄物、生検材料、腹水、脳脊髄液、リンパ液、および組織抽出試料または生検試料から選択される、本発明1001〜1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
EGFRバイオマーカーの検出に好適な試薬と、本発明1001の方法に従って胃腫瘍を処置するために前記EGFRバイオマーカーを使用するための説明書とを含む、キット。

図面の簡単な説明

0017

本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明に関連してより完全に理解される。

0018

セツキシマブに対するGC−ADCHuPrime(登録商標)モデル応答パネルA(図1A):応答者(上位3モデル)及び非応答者(8モデルの下位3列)のセツキシマブによる代表的な腫瘍増殖阻害。パネルB(図1B):モデルGA0022の薬力学的分析。セツキシマブ処置後0、6、24及び72時間の時点でのモデルGA0022腫瘍のpERK−IHC解析。IHC画像及びスコアの両方を示す。パネルC(図1C):PDX−GCモデルをセツキシマブに対する腫瘍応答によって分類する(DT/DC)。右部の応答者はより高いEGFRのmRNAレベル及びIHC染色強度、及び2ケースのみ(GA0075及びGA0152、CN>5)の遺伝子増幅を表示する。
図1A-1の説明を参照のこと。
図1A-1の説明を参照のこと。
図1A-1の説明を参照のこと。
図1A-1の説明を参照のこと。
図1A-1の説明を参照のこと。
抗腫瘍活性とEGFR遺伝子増幅及び過剰発現の相関関係。(四角内のアイテムはEGFR遺伝子増幅を伴うモデルを表す)。パネルA(図2A):セツキシマブに対するGC−ADC腫瘍応答のグラフ;パネルB(図2B)。Affymetrix社のSNP6チップ解析を使用したGCモデルのEGFR遺伝子コピー数解析。パネルC(図2C)。Affymetix社のGeneChip HG−U219で測定される相対的なmRNAレベル。D pPCRによって測定されるEGFRのmRNA発現
LobodaのRAS経路シグネチャースコア(pathway signature scores)を継時的腫瘍サイズに対してプロットした。LobodaのRAS経路シグネチャースコアは、腫瘍応答に相関性がほぼ無いことが見出された。
EGFR過剰発現/遺伝子増幅を伴うGC−ADC HuPrime(登録商標)モデルは、HER2過剰発現/遺伝子増幅を有さない。パネルA:EGFR及びHER2発現レベル;パネルB:EGFR及びHER2遺伝子コピー数
図4Aの説明を参照のこと。
応答者及び非応答者の代表的な画像。応答者GA0152及びGA0075は、IHCスコア3+、及び遺伝子増幅(GA0075、CN=5.8;GA0152、CN>15)を表示し、一方で非応答者GA0119及びGA0139は、IHCの低発現を伴い、遺伝子増幅を伴わない。左:応答者及び非応答者の代表的な腫瘍成長曲線。真ん中:腫瘍モデルのIHC解析;右:胃癌腫における2色FISHアッセイ
図5-1の説明を参照のこと。

0019

発明の詳細な説明
本発明は、概して抗EGFR薬を用いた胃腫瘍を処置するための方法、具体的には、特定のEGFRバイオマーカーを有すると以前に判定されている患者を処置するための方法に関する。本発明は、治療薬、つまり抗EGFR抗体を、EGFRタンパク質をコードする遺伝子の増幅またはEGFRの過剰発現(mRNA発現、タンパク質発現、または活性レベルによって測定される)を有すると見出された患者に投与することによる処置に対して応答する可能性が高い患者の処置を可能にする。本発明は、一部には、例えば蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)によって、マイクロアレイ分析によって、または当該分野で周知の他の方法によって検出される、EGFR遺伝子増幅、またはEGFR過剰発現が、EGFR遺伝子増幅またはEGFR過剰発現が処置に対する応答に相関するために、処置する患者を選択するための基盤を提供するという発見に基づく。

0020

一態様では、本発明は、患者の試料においてEGFRバイオマーカーの存在または非存在を検出することを含み、EGFRバイオマーカーの存在が、患者が抗EGFR処置に好適であると示すことを特徴とする、患者が抗EGFR処置に好適かどうか判定するための方法を提供する。

0021

薬剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)に対する任意の薬剤であることができる。本明細書で用いるとき、EGFRに対する薬剤は、EGFRの活性を改変することができる組成物、例えば、EGFRの活性を増加、低減、除去、増強、遅延、減少、またはブロックすることができる組成物を指す。いくつかの実施形態では、組成物は、転写レベル翻訳レベル、翻訳後レベル、及び/またはタンパク質レベルでEGFRに対する。組成物は、特異的にEGFRを標的とすることができる、または少なくともEGFRを標的とすることができる。いくつかの実施形態では、組成物は、EGFRの遺伝子抑圧及び/または遺伝子サイレンシング、例えば、EGFRのノックダウンまたはノックアウトを引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、例えばEGFRのそのリガンドに対する結合活性及び/または下流シグナル伝達経路を誘導するその能力を改変するなど、EGFRタンパク質の活性を改変することができる。いくつかの実施形態では、薬剤はEGFRのリガンドのアンタゴニストまたは抗体であり、例えば、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子α(TGFα)、HB−EGF、アンフィレギュリン、ベータセルリン、エピゲン、及び/またはエピレグリンのアンタゴニストまたは抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤はEGFR及び/またはリガンドを標的とし、リガンド−受容体結合をブロックすることができる。いくつかの実施形態では、薬剤は、受容体及び/またはリガンドにおける立体構造変化を引き起こす及びEGFR媒介細胞シグナル伝達を減少させるまたは不活性化させることができる。

0022

いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFR及びEfbB2/Her2/neuなどのErbB受容体ファミリーの別のメンバーによって形成されたヘテロ二量体、または二つのEGFR分子によって形成されたホモ二量体に対するものである。

0023

いくつかの実施形態では、薬剤は、EGFRの下流のシグナル伝達経路に対するものである。本明細書で用いるとき、用語「EGFRの下流のシグナル伝達経路に対する薬剤」は、EGFRの一つ以上の下流標的など、EGFRのシグナル伝達経路下流の活性を改変することができる薬剤を含む組成物を指す。EGFRシグナル伝達経路は、Sechacharyuluら、(Targeting the EGFR signaling pathway in cancer therapy,Expert Opin Ther Targets,2012年1月;16(1):15−31.)、Odaら、(A comprehensive pathway map of epidermal growth factor receptor signaling,Molecular Systems Biology1:2005.0010)、及びDevelopment EGFR Signaling Pathway(Pathway Maps,Thomson Reuters,2012)にて記載されており、そのそれぞれが全ての目的のためにその全体において本明細書に組み込まれる。

0024

いくつかの実施形態では、薬剤は小分子を含む。本明細書で用いるとき、用語「小分子」は、500MW未満の分子量を有する分子を指し、ここで該薬剤は非ペプチジルまたはペプチド薬剤である。いくつかの実施形態では、薬剤は、タンパク質またはポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、ハイブリッド分子を含む。いくつかの実施形態では、薬剤は抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、抗EGFR抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、抗EGFRリガンド抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒト化抗EGFRリガンド抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。

0025

いくつかの実施形態では、薬剤は抗EGFR抗体である。いくつかの実施形態では、薬剤は、セツキシマブまたはその機能的変異体または誘導体である。抗EGFR抗体の非限定的な例は、そのそれぞれが全ての目的のためにその全体において参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開番号WO/2011/140151、WO/2007/058823、WO/2011/080209、WO/2010/080463、WO/2012/020059、WO/2011/080209、WO/2011/059762、WO/2011/152525、WO/2011/140254、WO/2010/034441、WO/2011/156617、WO/2005/090407、WO/2013/006547、WO/2008/140493、WO/2011/156617、米国特許第5942602号、6129915号、7723484号、7618631号、7598350号、及び米国特許出願公開第20100166755号、20080274114号、20130142812号、20110158987号、20120107234号、20110117110号、20110287002号、20120149879号、20120282633号、20100009390号、20050238640号、20060154334号、20120231021号及び20130149299号、に記載されている。

0026

本明細書で用いるとき、用語「上皮成長因子受容体」(「EGFR」)は、上皮成長因子(EGF)に結合し、それによって活性化される、膜ポリペプチドをコードする遺伝子を指す。EGFRは、ERBB、ERBB1及びHER1としても文献で知られている。例示的なEGFRは、ヒト上皮成長因子受容体である(Ullrichら、(1984)Nature309:418−425;Genbank受託番号NP−005219.2;完全長コード配列AY588246.1を参照)。EGFリガンドの結合はEGFRを活性化する(例えば、細胞内の分裂促進的なシグナル伝達、EGFRの自己リン酸化の活性化をもたらす)。当業者は、EGFに加えて、他のリガンドがEGFRに結合でき、活性化できることを理解するだろう。かかるリガンドの例には、アンフィレギュリン、エピレギュリン、TGF−α、ベータセルリン、及びヘパリン結合EGF(HB−EGF)が含まれるが、これに限定されない。ヒト、EGFRの細胞内ドメインは、EGFRの膜貫通ドメインに隣接するアミノ酸からCOOH末端までのポリペプチド配列を含む。細胞内ドメインは、特に、チロシンキナーゼドメインを含む。

0027

本明細書で用いるとき、「EGFR遺伝子」は、EGFR遺伝子産物、例えばEGFRmRNA、EGFRポリペプチドなどをコードする核酸を指す。

0028

本明細書で用いるとき、「抗EGFR薬」は、直接的または間接的にEGFRに結合し、EGFRの活性化を阻害する、またはEGFRの下流のシグナル伝達経路の活性を変調することが可能な任意の薬剤を指す。抗EGFR薬は、EGFRに結合してEGFRの活性化を阻害する抗体、ならびにEGFRの活性化を阻害する小分子チロシンキナーゼ阻害剤または「キナーゼ阻害剤」を含む。EGFRに対する抗体は、IgGIgMIgA;EGFR結合能を保持する抗体断片、例えばFv、Fab、F(ab)2、一本鎖抗体など;キメラ抗体;などを含む。EGFRの小分子チロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR選択的チロシンキナーゼ阻害剤を含む。EGFRの小分子チロシンキナーゼ阻害剤は、約50Daから約10,000Daの範囲の分子量を有することができる。

0029

本発明によれば、「抗EGFR薬」または「EGFR阻害剤」は、任意のEGFRを含む、上皮成長因子受容体(EGFR)の発現及び/または生物学的活性を阻害する(ブロックする、減少させる、拮抗する、低減させる、逆行させる)任意の薬剤であることができる。従って、抗EGFR薬は、薬剤/化合物ペプチド設計物または選択物、抗体またはその抗原結合断片、タンパク質、ペプチド、核酸(リボザイムアンチセンス、RNAi及びアプタマーを含む)、またはEGFRの発現及び/または生物学的活性を阻害する任意の他の薬剤を含むことができるが、これに限定されない。例えば、EGFRの周知阻害剤には、薬剤である、ゲフィチニブZD1839、Iressa(登録商標)、AstraZeneca、英国)及びエルロチニブOSI774、Tarceva(登録商標)、Genentech、米国)、及びモノクローナル抗体であるセツキシマブ(Erbitux(登録商標)、Imclone、Bristol−Myers Squibb社)が含まれる。しかしながら、本発明は、これらの特定の薬剤に限定されず、このような薬剤またはこれらの薬剤と実質的に同様の生物学的活性を有する薬剤のアゴニストを含むことができる。EGFRなどのタンパク質の生物学的活性または生物学的作用は、インビボ(つまり、タンパク質の天然生理学的環境下)またはインビトロ(つまり、実験室条件下)で測定されるまたは観察されるように、天然に存在する形態のタンパク質によって呈されるまたは行われる任意の機能(複数可)を指す。EGFRの生物学的活性としては、EGFへの結合、受容体ホモ二量体化またはヘテロ二量体化チロシンキナーゼ活性、及び細胞のホメオスタシス及び発達に関連する下流活性が挙げられるが、これに限定されない。

0030

チロシンキナーゼ阻害剤は、腫瘍細胞などの細胞内の受容型及び/または非受容型チロシンキナーゼを標的とする治療薬または薬剤のクラスを表す。ある特定の例では、チロシンキナーゼ阻害剤は、抗体ベース(例えば、抗チロシンキナーゼモノクローナル抗体など)またはポリヌクレオチドベース(例えば、チロシンキナーゼアンチセンスオリゴヌクレオチド低分子干渉リボ核酸など)形態の標的療法である。好ましくは、チロシンキナーゼ阻害剤は、酵素ATP結合部位に結合することにより標的チロシンキナーゼを阻害する小分子である。小分子チロシンキナーゼ阻害剤の例としては、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標);SU11248)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標);OSI−1774)、ラパチニブ(GW572016;GW2016)、カネルニブCI1033)、セマクサニブ(SU5416)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、ソラフェニブ(BAY43−9006)、イマチニブ(Gleevec(登録商標);ST1571)、ダサチニブ(BMS−354825)、レフルノミド(SU10)、バンデタニブ(Zactima(登録商標);ZD6474)、その薬学的に許容され得る塩、その誘導体、その類似体、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されない。本発明での使用に好適なチロシンキナーゼ阻害剤のさらなる例としては、キナゾリン(例えば、PD153035、4−(3−クロロアニリノ)キナゾリン、など)、ピリドピリミジンピリミドピリミジンピロロピリミジン(例えば、CGP59326、CGP60261、CGP62706、など)、ピラゾロピリミジン、4−(フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2、3−d]ピリミジン、クルクミンジフルロイルメタン)、4,5−ビス(4−フルオロアニリノフタルイミドニトチオフェン部分を含有するチルホスチンキノキサリン(例えば、米国特許第5,804,396号を参照)、トリスチン(tryphostin)(例えば、米国特許第5,804,396号を参照)、PD0183805、PKI−166、EKB−569、IMC−1C11、Affinitac(登録商標)(LY900003;ISIS3521)、及びPCT公開番号、WO99/09016、WO98/43960、WO97/38983、WO99/06378、WO99/06396、WO96/30347、WO96/33978、WO96/33979、及びWO96/33980に記載のチロシンキナーゼ阻害剤が挙げられる。

0031

例示的な抗EGFR薬は抗EGFR抗体であり、抗EGFR抗体:免疫学的に有効な断片(Fab、Fv)及び免疫コンジュゲート、特に免疫サイトカインを含む、マウスキメラまたはヒト化バージョンの、セツキシマブ(ERBITUX(商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(商標))、マツズマブ、ニモツズマブ、抗体806、Sym004、及びMM−151を含むが、これに限定されない。EGFRの細胞外ドメインに特異的な他の抗体(または他の結合分子)は、当該分野で周知であり、本明細書での使用が企図される(例えば、米国特許第5、459、061号号、5、558、864号、5、891、996号、6、217、866号、6、235、883号、6、699、473号、及び7、060、808号;欧州特許第EP0359282号及びEP0667165号を参照)。

0032

本明細書で用いる用語「腫瘍試料」は、癌患者から得られた腫瘍材料を含む試料を意味する。この用語は、臨床試料、例えば外科切除によって得られた組織、及びコア生検または細針生検などの生検によって得られた組織を包含する。この用語は、原発腫瘍以外の部位から得られた腫瘍細胞、例えば末梢循環腫瘍細胞を含む試料も包含する。この用語は、患者の腫瘍細胞の後代となる細胞、例えば、原発腫瘍細胞または抹消循環腫瘍細胞由来する細胞培養試料を包含する。この用語は、インビボで腫瘍細胞から流出したタンパク質または核酸物質を含む可能性のある試料、例えば骨髄、血液、血漿血清などを包含する。この用語は、この用語はまた、調達した後に、腫瘍細胞を濃縮したか、さもなければ操作した試料、及び患者の腫瘍材料から得られるポリヌクレオチド及び/またはポリペプチドを含む試料を包含する。

0033

本明細書で用いるとき、用語「マーカー」または「バイオマーカー」は、広範囲の細胞内及び細胞外事象ならびに生体全体生理学的変化を包含する。マーカーは、本質的に細胞機能の任意の側面、例えば、これに限定されないが、シグナル伝達分子転写因子代謝物遺伝子転写物ならびにタンパク質の翻訳後修飾の産生のレベルまたは速度を表し得る。マーカーは、転写レベル、速度、及び/または安定性の一部及び/または全体のゲノム解析、及びタンパク質レベル、活性及び/または修飾の一部及び/または全体のプロテオーム解析を含み得る。シグネチャーは、臨床的に正常な対象と比較して、処置される対象における上方制御または下方制御された遺伝子または遺伝子産物を指し得る。シグネチャーは、処置されていない対象と比べて、疾患を有する処置された対象の上方制御または下方制御された遺伝子または遺伝子産物も意味し得る。すなわち、この遺伝子または遺伝子産物は、処置された細胞に対し十分に特異的であるため、小分子の有効性を同定、予測、または検出するために、任意選択的に他の遺伝子または遺伝子産物とともに使用され得る。ゆえに、いくつかの実施形態では、シグネチャーは、疾患細胞における化合物の有効性または化合物による処置に対する疾患細胞の応答性に特徴的な、遺伝子または遺伝子産物である。

0034

本明細書で用いるとき「EGFRバイオマーカー」は、EGFR遺伝子増幅及び/またはEGFRの過剰発現を指す。EGFRの過剰発現は、転写産物量、転写産物の安定性、転写速度、翻訳速度、翻訳後修飾、タンパク質量、タンパク質安定性、及び/またはタンパク質酵素活性、mRNA、タンパク質及び/またはタンパク質活性、などによって測定される過剰発現に関し得る。本明細書で用いるとき、用語「遺伝子活性」は、遺伝子発現レベル、RNA活性レベル、またはタンパク質活性レベルを指す。本明細書で用いるとき、用語「RNA活性レベル」は、mRNA量合成速度、及び/または安定性などを指す。本明細書で用いるとき、用語「タンパク質活性レベル」は、タンパク質量、合成速度、安定性、酵素活性、リン酸化速度、などを指す。

0035

いくつかの実施形態では、バイオマーカーに関する情報は、一つ以上の試験から得られる。試験は、対象自身、医師看護師試験機関、医療提供者、または試験をすることが可能な任意の他の当事者によって実行されることができる。バイオマーカー情報を含有する試験結果は、次いで、同じ当事者または第二の当事者、例えば、対象自身、医師、看護師、試験機関、医療提供者、内科医、臨床試験の担当者病院研究室研究機関、または対象が薬剤に応答性を有するかどうかを判定するための試験を分析することが可能な任意の他の当事者によって分析されることができる。

0036

ある特定の実施形態では、EGFR遺伝子コピー数またはEGFRの過剰発現の閾値(複数可)は確立されることができ、患者の腫瘍試料におけるEGFR遺伝子コピー数またはEGFRmRNAまたはタンパク質の発現レベルは、「所定の閾値」(「所定のレベル」または「所定のカットオフ値」とも呼ぶ)と比較されることができる。

0037

EGFRコピー数または発現レベルの、所定のカットオフとも呼ばれることのある、所定のレベルは、当該分野で周知の方法、具体的には受信者動作特性曲線または「ROC」曲線を使用して確立され得る。実際に、ROC曲線は、一般的に、変数の値を「正常」及び「疾患」集団におけるその相対的頻度に対してプロットすることによって、及び/または処置前、処置中/処置後の対象からの結果の比較によって計算される。ある特定の実施形態では、正常試料対試験試料におけるEGFR発現または遺伝子コピー数、またはその両方が比較される。いくつかの実施形態では、EGFR遺伝子コピー数は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、増加は、一つ以上の基準レベルと比較することによって、または基準レベルとして当該分野で周知であるレベルと比較することによって判定される。遺伝子増幅、発現の増加、RNAまたはDNAレベルの増加を測定する方法、ならびに、タンパク質が恒常的に活性であるかどうか判定する方法は、当該分野で周知であり、本発明では任意のかかる方法が採用されることができる。

0038

EGFRバイオマーカー、またはHER2などの対象となる他のバイオマーカー、の存在または非存在を判定するために、特定の試験またはアッセイで使用されるレポーター基から検出されるシグナルは、通常、所定のカットオフ値または所定の閾値に対応するシグナルと比較される。一実施形態では、バイオマーカーの検出のための所定の閾値は、疾患を有さない、例えば胃癌を有さない患者からの試料から得られる平均レベルである。一般に、所定の閾値を3つの基準偏差超えるシグナルを生成する試料は、癌に陽性であると考えられる。代替の好ましい実施形態では、カットオフ値は、ROCを使用して決定され、Sackettら,Clinical Epidemiology:A Basic Science for Clinical Medicine,Little Brown and Co.,1985,p.106−7の方法に従う。簡潔には、この実施形態では、カットオフ値は、診断試験結果に対するそれぞれの可能なカットオフ値に相当する真の陽性率(すなわち、感受性)及び偽陽性率(100%特異性)のペアのプロットから決定することができる。左上の角に最も近い(つまり、最も大きい領域を囲む値)プロットのカットオフ値は、最も精密なカットオフ値であり、この方法によって決定されるカットオフ値より高いシグナルを生成する試料は陽性であると考えられ得る。あるいは、偽陽性率を最小にするためにカットオフ値はプロットに沿って左に移行されてよく、または偽陰性率を最小にするために右に移行されてよい。一般に、この方法によって決定されるカットオフ値より高いシグナルを生成する試料は、癌に陽性であると考えられる。

0039

いくつかの実施形態では、抗EGFR薬を用いた処置に対する患者の応答を表すROC曲線は、目的関数を規定するために使用され得る。例えば、目的関数は、ROC曲線下面積を反映し得る。抗EGFR薬を用いて処置される患者におけるEGFR遺伝子コピー数(例えば、EGFR遺伝子増幅)またはEGFRの過剰発現のレベルに関して曲線下面積最大化させることによって、癌に罹患している患者が抗EGFR薬を用いた処置に応答するか否かを最大化させ得る。いくつかの他の実施形態では、ROC曲線は、特定の値より大きい曲線下面積を提供するように制約され得る。0.5の曲線下面積を有するROC曲線は、完全な不確定性を示し、一方で1.0の曲線化面積は、二つのセットが完全に分離されることを反映する。ゆえに、ある特定の実施形態では、0.75などの、最小の許容値が制約として使用され得る。

0040

他の実施形態では、ROC曲線の勾配が1に等しい点の使用;感度特異度の積が最大になる点の使用などの他の特性;またはこれらのROC曲線の特性の二つ以上の組み合わせが、目的関数を規定するために使用され得る。

0041

ある特定の実施形態では、EGFR過剰発現(例えば、mRNAまたはタンパク質発現)は、腫瘍が生じたのと同じタイプの正常組織内に比べ、腫瘍組織内で少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍またはより高いレベルで存在する。

0042

いくつかの実施形態では、所定の閾値と比べて、腫瘍試料中のEGFR遺伝子コピー数のレベルの増加またはEGFRの過剰発現、またはその両方は、癌に罹患している患者が抗EGFR薬を用いた処置に対して応答性であるだろうことを示す。いくつかの実施形態では、所定の閾値と比較して、腫瘍試料中のEGFR遺伝子コピー数レベルの低減は、癌に罹患している患者がEGFR阻害剤を用いた処置に応答性でないだろうことを示す。

0043

本発明は、一部には、EGFRバイオマーカー(過剰発現及び/または遺伝子増幅)を有するHuPrimeモデルはHER2バイオマーカー(過剰発現及び/または遺伝子増幅)をさらに有さないことの観察に関し、逆も同様、すなわち単一モデルにおいてEGFR及びHER2両方の過剰発現(遺伝子増幅)が観察されないことにも関する(実施例を参照)。従って、一実施形態では、所定の閾値に比較して腫瘍試料におけるEGFR遺伝子コピー数のレベルの増加またはEGFRの過剰発現及びHER2バイオマーカーの欠如は、抗EGFR薬を用いた処置をする患者を選択するための指標として使用される。この点について、ヒトチシンキナーゼ受容体型受容体(HER2)遺伝子のヌクレオチド配列も、当該分野で周知であり、GenBank受託番号M16789、M16790、M16791、M16792及びM11730(参照により全て本明細書に組み込まれる)に見出される。ヌクレオチドプローブ及び抗HER2抗体も当該分野で周知であり、HER2遺伝子及びタンパク質に対するプローブとして、その発現レベル/活性を決定するために利用可能である。

0044

用語「遺伝子コピー数」(GCN)は、通常、ゲノムあたりの遺伝子の数として定義される。用語「EGFR遺伝子コピー数」は、1つの核に対するEGFR遺伝子の数の比率を意味する。非腫瘍形成性細胞または非腫瘍性細胞では、EGFR遺伝子コピー数は2と同様かまたは2未満である。インサイチューハイブリダイゼーションを用いて検出された場合、非腫瘍形成性起源または非腫瘍性起源の組織切片では、GCNは2と同様かまたは2未満である。

0045

用語「EGFR遺伝子コピー数の増加」、「EGFR遺伝子コピー数の増幅」または「EGFR遺伝子増幅」は、患者に関連する腫瘍の細胞における上述で規定した比率が、同一起源の非腫瘍性細胞に関連する腫瘍の細胞における特定の比率または閾値と比較して、高いまたは増幅していることを意味する。一実施形態では、この比率、または閾値(EGFR遺伝子数/核)は、2または3または4または5または6または7より大きい。別の実施形態では、当該比率または閾値は4と同様か、4より大きい。ある特定の実施形態では、用語、EGFR遺伝子コピー数の増加または増幅は、非腫瘍形成性または非腫瘍性細胞のEGFR遺伝子コピー数よりも大きいGCNを意味する。ある特定の実施形態では、EGFRGCN、または閾値は、4超であり得、例えば、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、30.5、14、14.5、15、50.5、16またはそれ以上である。ある特定の実施形態では、EGFR GCN、または閾値は4未満、例えば3.5、3、または2.5であり得る。

0046

いくつかの実施形態では、4と同様または4より大きいEGFR遺伝子コピー数により、抗EGFR薬剤を用いた処置に対して応答する可能性が高い、癌に罹患している患者が同定される。

0047

EGFR遺伝子コピー数の「増加」または「増幅」に当てはまるこれらの前述の値によれば、EGFR阻害剤または抗EGFR抗体を用いた処置に対して、応答しない、または有効にまたは正に応答しない、または非応答である、患者の腫瘍細胞によって表される相対的に低減または低いまたは非増幅のコピー数についての比率値は2未満である。一実施形態では、当該比率、または閾値は4未満である。いくつかの実施形態では、4未満のEGFR遺伝子コピー数により、癌に罹患し、かつ抗EGFR薬を用いた処置に対して非応答である可能性が高い患者が同定される。

0048

EGFRバイオマーカー、例えば、遺伝子増幅またはEGFRの過剰発現、または対象となる他のバイオマーカー(例えば、HER2バイオマーカー)の存在を判定するための方法は、遺伝子発現プロファイリングを含む。かかる方法は、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション解析に基づく方法、ポリヌクレオチドの配列決定に基づく方法、及びプロテオミクスをベースとする方法を含む。試料におけるmRNA発現の定量化のための当該分野で周知である例示的な方法として、ノーザンブロッティング及びインサイチューハイブリダイゼーション(Parker&Barnes,Methodsin Molecular Biology106:247−283(1999));RNAseプロテクションアッセイ(Hod,Biotechniques13:852−854(1992));及び逆転写PCT(RT−PCR)などのPCRをベースとする方法(Weisら,Trends in Genetics8:263−264(1992))が挙げられる。DNA二本鎖、RNA二本鎖、及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖またはDNA−タンパク質二本鎖を含む、配列特異的二本鎖を認識することができる抗体が採用され得る。次世代シーケンシング、qPCR、qcPCR、及びデジタルPCRもEGFR発現レベルを判定するために使用されてよい。

0049

RNAまたはDNAなどの核酸のレベルを検出するための方法は、十分に説明されてきており当業者に周知である。RNAを検出するための方法には、限定されないが、RT−PCR、ノーザンブロット解析遺伝子発現解析マイクロアレイ解析遺伝子発現チップ解析、ハイブリダイゼーション技術(FISHを含む)、Expression BeadChipアレイ、及びクロマトグラフィーならびに当該分野で周知の任意の他の技術を含むことができる。DNAを検出するための方法には、限定されないが、PCR、リアルタイムPCR、デジタルPCR、ハイブリダイゼーション(FISHを含む)、マイクロアレイ解析、SNP検出アッセイSNP遺伝子型決定アッセイ及びクロマトグラフィーならびに当該分野で周知の任意の他の技術を含むことができる。

0050

タンパク質及びポリペプチドを検出するための方法には、限定されないが、タンパク質濃度分光光度定量法、定量的アミノ酸分析、タンパク質濃度アッセイ、クロマトグラフィーアッセイ、ウェスタンブロット解析ゲル電気泳動、(クマシーブルーシルバーステインサイバーグリーン、サイバーゴールドを含むがこれに限定されない染色手順が後に続く)、ハイブリダイゼーション、多重サイトカインアッセイ、イムノアッセイELISAビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイ、ブラッドフォードタンパク質アッセイ、及びローリータンパク質アッセイならびに当該分野で周知の任意の他の技術を含むことができる。タンパク質検出は、安定または活性なタンパク質のレベルを検出することも含むことができ、カイネティックアッセイ、キナーゼアッセイ、酵素アッセイ及び翻訳後修飾アッセイ(例えば、リン酸化及びグリコシル化状態を判定するためのアッセイ)などの方法も採用されることができる。

0051

本明細書で用いるとき、用語「所定の基準レベル」または「所定の活性プロファイル」は、特定の集団における一つ以上のバイオマーカーの平均、代表的な特性、または特徴を表す基準化されたデータまたはデータセットを指す。かかる特性または特徴は、転写産物量、転写産物の安定性、転写速度、翻訳速度、翻訳後修飾、タンパク質量、タンパク質安定性、及び/またはタンパク質酵素活性、などを含むがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、対象の特定の集団は、約5、約10、約20、約50、約100、約200、約300、約400、約500、約1000、約5000、約10,000、またはそれ以上の個別の対象からなる。所定の活性プロファイルは、対象の特定の集団が全て薬剤に曝される前、最中、後に収集された基準化されたデータまたはデータセットであることができる。いくつかの実施形態では、特定の集団は、臨床的に正常な対象からなる。本明細書で用いるとき、用語「臨床的に正常な対象」は、胃腫瘍に関連する症状を有さない、または実質的に有さない対象を指す。所定の基準レベルは、当業者に周知の様々な方法を使用して規定することができる。一般に、バイオマーカーについての基準レベルは、正常、健常対照対象から得た十分に大きい数の試料においてEGFRバイオマーカーのレベルを決定することによって決定される。いくつかの実施形態では、基準レベル情報は、公に利用可能なデータベース、並びに他の情報源から得ることができる(例えば、Bunk,D.M.,Clin.Biochem.Rev.,28(4):131−137(2007);Suraj Peri1ら,Genome Res.13:2363−2371(2003);Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Twenty First Edition(2005)を参照)。

0052

バイオマーカーレベルの検出、定量及び比較に関する方法について、例えば、Current Protocols in Molecular Biology,Ed.Ausubel,Frederick M.(2010);Current Protocols in Protein Science Last,Ed.Coligan,John E.,ら(2010);Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,Ed.Egli,Martin(2010);Current Protocols in Bioinformatics,Ed.Baxevanis,AndreasD.(2010);及びMolecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版,Sambrook,Joseph(2001)(その全てがその全体において参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。

0053

EGFR発現レベルはまた、任意の様々な利用可能なマイクロアレイを使用して評価されることができる。この方法では、対象のポリヌクレオチド配列cDNA及びオリゴヌクレオチドを含む)を基板上に配置する。次いで、配置された配列を、検査試料のmRNAから生成した、検出可能に標識したcDNAと特異的ハイブリダイゼーションに好適な条件下で接触させる。mRNAの供給源は、典型的には、腫瘍試料から、場合によっては、内部対照として同じ患者の正常組織または細胞株から単離した全RNAである。mRNAは、例えば、凍結した組織試料またはアーカイブ保管パラフィン包埋及び固定(例えば、ホルマリン固定)の組織試料から抽出されることができる。本明細書で使用するための例示的なマイクロアレイは、Affymetrix社のHG−U219 GeneChipまたはAffymetrix社のSNP6アレイ(Affymetrix、カリフォルニアサンタクララ)を含むがこれに限定されない。

0054

ある特定の実施形態では、EGFR遺伝子コピー数またはmRNA発現レベルの検出は、ハイブリダイゼーションアッセイを使用して達成される。核酸ハイブリダイゼーションは、単純に、プローブ及びその相補的標的が相補的塩基対合を通して安定したハイブリッド二本鎖を形成できる条件下で、プローブ(例えば、オリゴヌクレオチドまたはより大きなポリヌクレオチド)と標的核酸を接触させることを含む。本明細書で用いるとき、ハイブリダイゼーション条件は、核酸分子を使用して類似の核酸分子を同定する標準ハイブリダイゼーション条件を指す。かかる標準条件は、例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labs Press,1989において開示されている。Sambrookらの同書は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる(具体的には、9.31〜9.62頁を参照)。加えて、ヌクレオチドの様々なミスマッチ度を許容するハイブリダイゼーションを達成するために適切なハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を計算する式が当業者に周知である。

0055

低いストリンジェンシー条件(例えば、低温及び/または高塩濃度)下では、アニーリングした配列が完全に相補的ではない場合でも、ハイブリッド二本鎖(例えば、DNA:DNA、RNA:RNAまたはRNA:DNA)が形成するだろう。したがって、ハイブリダイゼーションの特異性は、低いストリンジェンシーでは低下する。逆に、高いストリンジェンシー(例えば、高温またはより低い塩濃度)では、ハイブリダイゼーションの成功には、ミスマッチがより少ないことが必要である。

0056

ハイブリダイズした核酸は、試料核酸に結合した一つ以上の標識を検出することによって検出される。標識は、当業者に周知の多くの手法のうちのいずれによって組み込まれてよい。

0057

一実施形態では、EGFR遺伝子コピー数はCFISH解析を使用して検出される。FISH(2色)の手順は、本明細書の実施例に記載のものなどの市販の試薬及び方法を使用して行われることができる(例えば、Abbott社のPathVysion EGFRDNA Probe Kit(Abbott、イリノイダウナーズ・グローブ)を参照)。ある特定の実施形態では、かかるFISH解析に使用される標識プローブは、染色体7p12上のEGFR遺伝子座に特異的なスペクトラムレンジ蛍光標識EGFR(303kb)及び/または染色体7のセントロメア領域(CEP7;7p11.1〜q11.1)に配置されたα−サテライトDNA配列を標的としたスペクトラムグリーン蛍光標識染色体エニュレータープローブ(5.4kb)を含む。

0058

多くの従来の検出方法は、酵素を活用する。高感度な検出のために一般に使用される酵素基質のタイプは、一般的には比色性放射性、または蛍光性である。従来の比色基質は、発色基質に対する酵素作用で新しい色(またはスペクトル吸収の変化)を生成する。このタイプの検出は、生成される色素原が、光学顕微鏡検査によってまたは分光装置を用いて容易に検出されるという点で有利である。検出にかかる設備費用も、他の方法より一般的に少なく、例えば病理学では、西ワサビペルオキシダーゼ酵素が3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)基質に作用することによって生成される褐色は、生検切片の観察のために単純な明視野光顕微鏡のみを必要とする。西洋ワサビペルオキシダーゼと併せて使用することができる他の色素原には、3−アミノ−9−エチルカルバゾールAEC)及びBajoran Purpleが含まれるが、これに限定されない。アルカリホスファターゼと併せて使用することができる他の色素原には、Fast Red及びFerangi Blueが含まれるが、これに限定されない。多くの色素原が当業者に利用可能であり、Thermo Fisher Scientificなどの会社が提供するカタログを通して商業的に入手可能である。

0059

検出方法において使用される様々な標識は、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネートテキサスレッドローダミン、など)、及び酵素(例えば、LacZ、CAT、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼアセチルコリンエステラーゼ及び一般に検出可能な酵素として使用される他の酵素)、またはストレプトアビジンビオチンアビジン/ビオチンまたは、例えば、ウサギIgG及び抗ウサギIgGを含む抗原抗原複合体など、複合体を形成することが可能な結合対のメンバー;フルオロフォア;金や銀の粒子または量子ドットなどの光散乱物質またはプラズモン共鳴物質;または放射性標識;及び例えば、6.sup.th Edition of the Molecular Probe Handbook by Richard P.Hoaglandにおいて記載されるような当業者に周知の任意の他のシグナル生成標識で標識されたプローブを含む。ある特定の実施形態では、標識プローブは、染色体7p12上のEGFR遺伝子座に特異的なスペクトラムオレンジ蛍光標識EGFR(303kb)及び/または染色体7のセントロメア領域(CEP7;7p11.1〜q11.1)に配置されたα−サテライトDNA配列を標的としたスペクトラムグリーン蛍光標識染色体エニュメレータープローブ(5.4kb)を含む。

0060

ある特定の実施形態では、EGFR遺伝子またはその断片などのハイブリダイズする核酸は、金属標識または「酵素的金属組織学」によって検出され、最も好ましくは、銀インサイチューハイブリダイゼーション(SISH)アッセイによって検出される(例えば、特許公開US20080299555A1を参照)。具体的には、酵素的金属組織学は、油浸を必要とすることなく従来の明視野顕微鏡によって染色体中の標的遺伝子の1コピーの検出を可能にする。SISHは、個々の遺伝子コピーに対する別個金属沈着ドットなどのシグナルを個々に数え上げることができる解像度で遺伝子コピーの検出も可能にする。一実施形態では、本発明は、核内ヒト染色体7のEGFR遺伝子の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれ以上のコピーを、別個の金属沈着ドットとして検出することを可能にする。

0061

本発明による腫瘍細胞の遺伝子及び染色体のコピー数を、例えばFISHまたはSISHアッセイで核において測定することができ、タンパク質発現を、例えば免疫組織化学アッセイで腫瘍細胞の核、細胞質及び/または膜において評価することができる。これらの検査、例えば、FISHまたはSISH及び免疫組織化学、ならびに他の検出方法は、原発腫瘍、転移性腫瘍局所再発腫瘍または他の腫瘍状態において実施することができる。腫瘍検体は、新鮮、凍結、固定または他の保存状態であってもよい。

0062

ヒト上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子のヌクレオチド配列は、当技術分野で周知であり、例えばGenBank受託番号AY588246(参照によって本明細書に組み込まれる)に見つけることができる。ヌクレオチドプローブも、当技術分野で周知であり、EGFR遺伝子の検出用プローブとして使用するために入手することができる。例えば、EGFR及び染色体7動原体の配列を検出するためのそのようなプローブが入手可能である(例えば、LSI EGFR SpectrumOrange/CEP7SpectrumGreenプローブ(Vysis、Abbott Laboratories))。

0063

タンパク質発現は、生検により得られた腫瘍組織及び腫瘍細胞材料などの好適な組織において検出されることができる。例えば、患者の固定化可能な腫瘍生検試料を、検出すべきタンパク質に選択的に結合する抗体、抗体断片またはアプタマーと接触させて、抗体、その断片またはアプタマーがそのタンパク質に結合したか否かを判定することができる。タンパク質発現は、当技術分野で標準の様々な方法を使用して測定することができ、それらの方法としては、限定されないが、ウェスタンブロット法免疫ブロット法酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイRIA)、免疫沈降表面プラズモン共鳴化学発光蛍光偏光リン光免疫組織化学的分析マトリックス支援レーザ脱離イオン飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析マイクロサイトメトリー、マイクロアレイ、顕微鏡検査蛍光活性細胞選別FACS)及びフローサイトメトリーが挙げられる。一実施形態では、免疫組織化学的(IHC)分析をタンパク質発現の検出のために使用する。タンパク質発現を検出するためのIHC法及び好ましい評価基準は、例えば、Hirschら,J.Clin.Oncol.2003,21:3798−3807に詳細に記載されている。

0064

EGFR遺伝子増幅または過剰発現は、EGFR活性の増加をもたらし得る。異常に高いEGFRの活性化は、いくつかの細胞内基質のリン酸化をもたらし、それが分裂促進シグナル伝達ならびに他の腫瘍誘導活性を生じさせる。従って、ある特定の実施形態では、EGFRバイオマーカーの存在を判定することは、細胞増殖アッセイアポトーシスアッセイ、受容体結合アッセイ、受容体リン酸化アッセイなどを使用して判定されるEGFRの生物学的活性の一つ以上の指標を測定することを含み得る。

0065

バイオマーカーレベルの検出、定量及び比較に関する方法について、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ed. Ausubel,Frederick M.(2010);Current Protocols in Protein Science Last,Ed.Coligan,John E.ら,(2010);Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,Ed.Egli,Martin(2010);Current Protocols in Bioinformatics,Ed.Baxevanis,Andreas D.(2010);及びMolecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Sambrook,Joseph(2001)、(その全てがその全体において参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。

0066

本発明の別の態様は、胃腫瘍を有する患者の試料を受け取る工程、EGFRバイオマーカーの存在または非存在を試料において検出するための本明細書に記載の試験を行う工程、及び患者の医療提供者に試験結果を提供する工程を含む、ラボサービスを提供するための方法を提供する。

0067

本発明は、EGFRバイオマーカーの検出に好適な試薬と、本明細書に記載の方法に従って胃腫瘍を有する患者への処置選択肢を決定するためにEGFRバイオマーカーを使用するための説明書とを含むキットも提供する。かかるキットは一般的に、診断アッセイを行うのに必要な二つ以上の構成要素を含む。構成要素は、化合物、試薬、容器及び/または装置であってよい。例えば、キット内の一つの容器は、EGFR(及び/またはある特定の実施形態では、HER2タンパク質)に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその断片を含有し得る。かかる抗体または断片は、上述のように保持体材料に結合されて提供され得る。一つ以上のさらなる容器は、試薬または緩衝剤などの、アッセイにて使用される要素を封入し得る。かかるキットは、抗体結合の直接または間接検出に好適なレポーター基を含有する上述の検出試薬をさらに、または代替的に含有する。

0068

あるいは、キットは、生体試料におけるEGFR(及び/またはHER2)タンパク質をコードするmRNAのレベルを検出するように、またはEGFR遺伝子増幅の検出用に設計され得る。かかるキットは、通常、上述のように、EGFRタンパク質をコードするポリヌクレオチドまたはEGFR DNAへとハイブリダイズする少なくとも一つのオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを含む。かかるオリゴヌクレオチドは、例えば、PCRまたはハイブリダイゼーションアッセイにて使用され得る。かかるキット内に存在し得るさらなる構成要素には、EGFRまたはHER2タンパク質をコードするポリヌクレオチドの検出を促進するために第二オリゴヌクレオチド及び/または診断試薬または容器が含まれ得る。

0069

生体試料を得るための手段は当該分野で周知であり、生体試料を得るための任意の標準的な方法が採用されることができる。本発明の方法での使用が見出される生体試料は、血清、血液、血漿、全血及びその派生体、皮膚、毛髪、毛包、唾液、口腔粘膜、膣粘膜、汗、涙、上皮組織、尿、精液(semen)、精液(seminal、fluid)、精漿、前立腺液、尿道球腺液(カウパー液)、排泄物、生検材料、腹水、脳脊髄液、リンパ液、組織抽出試料または生検試料を含むが、これに限定されない。(例えば、Clinical Proteomics:Methodsand Protocols,Vol.428 in Methods in Molecular Biology,Ed.Antonia Vlahou(2008)を参照)。一実施形態では、本発明の生体試料は、食道の任意の細胞または組織試料、例えば食道癌の部位上または循環細胞または遊走細胞を含む。別の実施形態では、本発明の生体試料は、食道の細胞または組織試料の任意の抽出または一部のまたは全体の分画、例えば食道癌の部位上または循環細胞または遊走細胞を含む。

0070

医薬組成物及び処置方法
本発明は、胃腫瘍を処置するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に本明細書に記載の治療有効量の抗EGFR薬を投与することを含み、ここで患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、方法を提供する。本明細書で用いるとき、用語「有効量」は、所望の処置結果を与える一つ以上の化合物の量を指す。有効量は、一つ以上の投薬内に備えられ得る、つまり単回投薬または複数回投薬が所望の処置エンドポイントを達成するために必要とされ得る。用語「治療有効量」は、本明細書で用いるとき、場合によっては重大なマイナスのまたは有害副作用を引き起こすことなく、病状を処置する、または傷害または損傷を減らすまたは防ぐために必要な一つ以上の薬剤のレベルまたは量を指す。例えば、治療有効量は、例えば所望の治療結果(例えば疾患または病状の重症度の低減)を生成するのに十分にEGFR経路を変調することができる一つ以上の化合物を含む、医薬製剤の量を含む。一実施形態では、胃腫瘍は胃腺癌である。本明細書に記載の方法は、本明細書に記載のように患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている場合の、腸型及びびまん型胃腺癌、消化管間質腫瘍GIST)、消化管平滑筋肉腫、消化管カルチノイド及び消化管リンパ腫を含む任意のタイプの胃癌を処置するための方法を含む。ある特定の実施形態では、本方法は胃癌を処置するためのものである。具体的な実施形態では、本方法は、胃癌などのEGFR発現癌を処置するための方法を含み、ここで癌は食道胃腺癌(esophagogastric adenocarcinoma)(OGA)または転移性大腸癌でないことを特徴とする。一実施形態では、本発明は、胃腫瘍を処置するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に治療有効量の抗EGFR薬を上述のように投与することを含み、患者がEGFRバイオマーカーを有し、HER2バイオマーカーを有さないと判定されている、方法を提供する。

0071

別の実施形態は、患者は本明細書に記載のようにEGFRバイオマーカーを有すると判定されている場合の、癌患者に治療有効量の本明細書に記載の抗EGFR薬(EGFR特異的抗体など)を投与することによって、腸型及びびまん型胃腺癌、消化管間質腫瘍(GIST)、消化管平滑筋肉腫、消化管カルチノイド及び消化管リンパ腫を含むが、これに限定されない、胃癌の転移を予防するための方法を提供する。この点について、本方法は、投与後、統計的に有意な方式(すなわち、当業者に周知であるだろう適切な対照と比較して)で胃癌の転移を阻害する、防ぐ、または遅らせる、ある量の抗EGFR薬を投与することを含む。ある特定の実施形態では、患者は、EGFRバイオマーカーを有するが、HER2バイオマーカーは有さないと判定されている。ゆえに、一実施形態では、本発明は、胃癌の転移を防ぐための方法であって、それを必要とする患者が抗HER2薬を用いずに抗EGFR薬を投与される場合の、方法を提供する。

0072

本明細書で使用するとき、用語「処置」、「処置する」などは、効果を得る目的で薬剤を投与することまたは手技(例えば放射線、外科手術等)を行なうことを指す。この効果は、癌などの疾患またはその症状を完全にまたは部分的に防止する点で予防的であり得、及び/または疾患またはその疾患の症状を部分的にまたは完全に治癒させる点で治療的であり得る。本明細書で使用するとき、「処置」は、哺乳類における、特にヒトにおける、癌などの疾患に対するいずれの処置も包含し、(a)疾患に罹患する可能性があるが、それに罹患しているとまだ診断されていない患者にその疾患またはその疾患の症状が起こるのを防止すること(例えば原疾患と関連するかまたは原疾患が原因となっている可能性がある疾患を含む)、(b)疾患を阻害すること、すなわち、その進行を阻止すること、及び(c)疾患を軽減すること、すなわち退縮をもたらすまたは疾患の進行を停止させることを含む。

0073

抗EGFR薬処置に対する患者応答に関連して本明細書で使用する場合、用語「応答する」、「有益な応答」、「有益な患者応答」及び「臨床的に有益な応答」、「臨床的有益性」などは互換可能に使用され、薬剤に対する好ましくない応答、すなわち処置に非応答性である及び/または有害事象を有するとは反対の、薬剤に対する好ましい患者応答を指す。個々の患者において、いくつかの臨床的パラメータを用いて有益な応答を示すことができる。臨床的パラメータには、検出可能な腫瘍の消失完全寛解、CR)、腫瘍サイズ及び/または癌細胞数の減少(部分寛解、PR)、腫瘍成長停止(不変、SD)、腫瘍の退縮または拒絶をもたらす可能性のある抗腫瘍免疫応答の増強;腫瘍に関連した一つ以上の症状のある程度の軽減;処置後の生存期間の増加;及び/または処置後の所与の時点での死亡率の減少が含まれる。腫瘍サイズ及び/または癌細胞数の継続的な増加及び/または腫瘍転移は、処置に対する有益な応答が欠如していることを示す。

0074

集団においては、薬剤の臨床的有益性、すなわちその有効性は、一つ以上のエンドポイントに基づいて評価することができる。例えば、一実施形態では、全奏効率(ORR)の分析では、薬剤処置の後にCRまたはPRになる患者を応答者と分類する。疾病管理(DC)の分析では、薬剤処置の後にCR、PRまたはSDになる患者を応答者と分類する。

0075

本明細書で使用するとき、用語「無増悪生存期間」は、患者の処置から癌の増悪または患者の死亡のいずれでも最初に起こるまでの期間を指す。

0076

本明細書で使用するとき、本発明に係る応答者は、抗EGFR処置の後に処置有効性を呈する(例えば、有益な臨床応答を呈する)個体である。患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されており、抗EGFR薬を用いた処置の後に有益な臨床応答を呈する患者は、応答者である。

0077

本明細書で使用するとき、用語「非応答者」または「非応答性」は、EGFR阻害剤を用いた処置の後に、処置有効性(例えば、有益な臨床応答)を呈さない患者を指す。ある特定の実施形態では、非応答者はEGFRバイオマーカーを有すると判定されていてもよい。他の実施形態では、非応答者はEGFRバイオマーカーを有さないと判定されていてもよい。

0078

語句「処置有効性を判定する」または「処置の有効性を判定する」及びその変異形は、処置が利益を対象に提供することを判定するための任意の方法を含むことができる。用語「処置有効性」及びその変異形は、通常、疾患に関連する一つ以上の兆候または症状の緩和によって示され、当業者によって容易に判定されることができる。「処置有効性」は、典型的に、疾患の標準的または非標準的処置、すなわち癌の処置のための化学療法または放射線療法に関連する毒性の兆候及び症状の予防または改善も指しうる。処置有効性の判定は、通常は適応症及び疾患特異的であり、処置が有益な有効性を患者に提供していることを判定するために当該分野で周知または利用可能な任意の方法を含むことができる。例えば、処置有効性の証拠には、疾患または適応症の緩解を含むがこれに限定されず、癌についてこれは、腫瘍の大きさ、腫瘍転移などの低減または減少を含むが、これに限定されない。さらに、処置有効性は、限定されないが、患者の生活の質の向上、予測される対象生存率の増加、うつ病の低減または適応症の再発率の低減(緩解期間の増加)などの、対象の全体的な健康における全般的な改善も含むことができる(例えば、Physicians' Desk Reference(2010)を参照)。

0079

本発明の方法について、EGFRバイオマーカーは、EGFR RNAレベル、恒常的に活性なEGFR、EGFR活性、EGFR経路活性化またはEGFR経路シグナル伝達などのEGFR遺伝子増幅及び/またはEGFR過剰発現についての任意のインビトロまたはインビボ指標であることができる。一実施形態では、EGFRバイオマーカーは、L858R/T790M二重変異、挿入変異エクソン20:2319〜2320)、欠失変異(エクソン19:2236〜2350)などのEGFR遺伝子増幅及び/またはEGFR過剰発現と関連するDNA、RNA、またはタンパク質レベルで変異の任意の形態を含む。別の実施形態では、EGFRバイオマーカーは、直接または間接的にEGFR遺伝子増幅及び/またはEGFR過剰発現と関連する任意の測定を含む。いくつかの実施形態では、EGFRバイオマーカーは、所定の基準レベルと比較したときの、EGFR遺伝子増幅、EGFR発現の増加、EGFR RNAレベルの増加、恒常的に活性なEGFR及びEGFR経路活性化の増強またはEGFR経路シグナル伝達の増強から選択される。

0080

抗EGFR抗体などの本明細書に記載の抗EGFR薬の、その物質だけ、または適切な医薬組成物中にある形での投与は、類似の有用性を提供するための任意の承認された様式の薬剤の投与を介して実行されることができる。医薬組成物は、抗EGFR薬(例えば、抗体)または抗EGFR薬含有組成物と適切な生理学的に許容され得る担体希釈剤または賦形剤を組み合わせることによって調製されることができ、錠剤カプセル粉末顆粒軟膏液剤坐剤注射剤吸入剤ゲルミクロスフェア、及びエアロゾルなどの、固体半固体液体、または気体の形態へと製剤化されてよい。加えて、他の、医薬活性成分(本明細書の他の箇所に記載のような他の抗がん剤を含む)及び/または塩、緩衝剤及び安定剤などの好適な賦形剤が、組成物の中に存在してもよいが、必須ではない。投与は、経口、非経口経鼻静脈内、皮内、皮下または局所を含むがこれに限定されない様々な異なる経路で達成されてよい。投与の好ましい様式は、処置または予防される状態の性質に依存する。癌の進行及び/または転移を、投与後、減少させる、阻害する、予防する、または遅らせる量は、有効であると考えられる。

0081

抗EGFR抗体処置は、何ら制限なく、一つ以上の抗EGFRCDRを有する任意の分子を含む抗EGFR抗体または抗体様治療薬を使用した任意の処置を含むことができる。一実施形態では、抗EGFR抗体処置は、任意の承認された抗EGFR抗体、例えば、セツキシマブ(アービタクスとしても知られる)またはそのバイオシミラーまたは誘導体、例えば、完全ヒト抗EGFR抗体、などを含む。セツキシマブ(北米ではImClone社及びBristol−Myers Squibb社によって、世界の残りの部分では、Merck社によって販売されている)は、上皮成長因子(EGF)受容体(EGFR)の活性化をブロックする、組換え、ヒト/マウスキメラモノクローナル抗体である。セツキシマブは、転移性大腸癌及び頭頚部癌の処置のために静脈内投与によって与えられることができる。いくつかの実施形態では、セツキシマブは、pH7.0から7.4の無菌の無色の液体中に製剤化される。いくつかの実施形態では、セツキシマブは、100mg(50mL)または200mg(100mL)のいずれかに2mg/mLの濃度で製剤化される。いくつかの実施形態では、セツキシマブは、単回使用バイアルに製剤化される。いくつかの実施形態では、セツキシマブ製剤は、8.48mg/mLの塩化ナトリウム、1.88mg/mLのリン酸ナトリウム二塩基性水和物、0.41mg/mLリン酸ナトリウム一塩基一水和物、及び注射のための無菌水を含む。セツキシマブを投与するための方法及び製剤は、医療分野の当業者によって周知であり、任意の周知のセツキシマブを投与するための方法、セツキシマブの用法または、セツキシマブの製剤は、本発明の方法とともに使用することが企図される。詳細な組成物及びセツキシマブの使用方法は、米国特許第8075916号、7977336号、6217866号に記載されている(そのそれぞれが全ての目的のためにその全体において参照により組み込まれる)。

0082

いくつかの実施形態では、本発明のバイオマーカーは、胃腫瘍に罹患している患者を処置するために使用される同一の薬剤及び/または異なる薬剤の有効性を示す別のバイオマーカーと一緒に使用されることができる。

0083

いくつかの実施形態では、試料から得られた情報は、EGFR遺伝子増幅またはEGFR遺伝子過剰発現レベルにおける増加または低減に基づくインデックス値を含むことができる。例えば、EGFR遺伝子増幅またはEGFR遺伝子過剰発現のレベルは、増加または低減率に基づくインデックス値を割り当てられることができる。いくつかの実施形態では、増加または低減が大きければ、インデックス値も大きくなる。いくつかの実施形態では、インデックス値は複合物を生成するための群として蓄積されることができる。いくつかの実施形態では、複合物は所定の基準と比較される。いくつかの実施形態では、複合物の所定の基準に対する比較は、治療的実体を用いた処置の処置有効性を示す。いくつかの実施形態では、複合物の所定の基準に対する比較は、治療的実体を用いた処置の処置レジメンを改変するために使用されることができる。

0084

ある特定の実施形態では、投与される量は、成長し得る腫瘍の量の統計的に有意な低減、例えば腫瘍質量における少なくとも50%の低減、またはスキャン寸法の変更(統計学有意性を伴う低減)によって示されるように、腫瘍退縮をもたらすのに十分である。他の実施形態では、投与される量は、胃癌において臨床的に妥当な減少をもたらすのに十分である。

0085

処置の正確な用量及び間隔は、処置される疾患の関数であり、既知試験プロトコルを使用して経験的に、または当該分野で周知のモデルシステムで組成物を試験してそこから推定することによって決定され得る。比較臨床治験もまた行われ得る。用量は、緩和するべき状態の重症度に伴っても変動し得る。医薬組成物は通常、望ましくない副作用を最小にしつつ、治療的に有用な効果を及ぼすように処方され投与される。組成物は、一度で投与されてもよく、または間隔を空けて投与される複数のより小さい用量に分割されてもよい。任意の具体的な対象について、個別の必要性に従って、特定の用量が継時的に調整され得る。

0086

本明細書に記載のような抗EGFR薬を含む組成物は、単独または、放射線療法、化学療法、移植免疫療法ホルモン療法光線力学療法などの他の既知の癌処置と組み合わせて投与されてよい。組成物は、抗生物質と組み合わせて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、化学療法は、ビンブラスチンビンクリスチンダクチノマイシンダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、ミトラマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、フルオロウラシルフォリン酸及びイリノテカンを含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、標的療法は、ベバシズマブ、トラスツズマブ、エルロチニブ、パニツムマブ、ソラフェニブ、インフリキシマブアダリムマブバシリキシマブダクリズマブ及びオマリズマブを含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、放射線療法は、約40Gyから約80Gyの用量で投与される。いくつかの実施形態では、用量は約50Gyから約70Gy、いくつかの実施形態では、用量は約50Gyから約65Gyである。いくつかの実施形態では、放射線療法は、約50Gy、約55Gy、約60Gyまたは約65Gyの用量で投与される。

0087

これら及び関連する医薬組成物を投与する典型的な経路は、限定されないが、経口、局所、経皮吸入、非経口、下、頬側直腸、及び鼻腔内を含む。本明細書で用いられる非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技術を含む。本発明のある特定の実施形態に係る医薬組成物は、そこに含有される活性成分が患者への組成物の投与の際に生物学的に利用可能であることを可能にするように、製剤化される。対象または患者に投与されるだろう組成物は、一つ以上の投薬単位の形態をとってよく、例えば、錠剤は単一投薬単位であってもよく、エアロゾル形態での本明細書に記載の抗EGFR剤の容器は複数の投薬単位を保持してよい。そのような剤形を調製する実際の方法は当業者に周知であるか、または明らかになるであろう;例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition(Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000)を参照。投与される組成物は、いずれにせよ、本明細書の教示に従い対象となる疾患または状態を処置するための、治療有効量の抗EGFR薬、例えば、本明細書に記載の抗EGFR抗体を含有するだろう。

0088

医薬組成物は固体または液体の形態であってよい。一実施形態では、組成物が例えば錠剤または粉末形態となるように、担体(複数可)は、粒子状である。組成物が、例えば吸入投与において有用である、例えば経口油、注射可能な液体またはエアロゾルで、担体(複数可)が液体であってよい。経口投与を意図するとき、医薬組成物は好ましくは固体または液体形態のいずれかであり、半固体、半液体、懸濁液及びゲル形態は本明細書では固体または液体のいずれかと考えられる形態に含まれる。

0089

経口投与用固体組成物として、医薬組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠剤丸剤カプセル剤チューインガムウエハなどに製剤化され得る。かかる固体組成物は、一般的には一つ以上の不活性希釈剤または食用担体を含むだろう。加えて、以下の1つ以上が存在し得る:カルボキシメチルセルロースエチルセルロース微結晶性セルローストラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤デンプンラクトースまたはデキストリンなどの賦形剤、アルギン酸アルギン酸ナトリウムプリモゲル、コーンスターチなどの崩壊剤ステアリン酸マグネシウムまたはステロテックスなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤ペパーミントサリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの香味剤;及び着色剤。医薬組成物がカプセルの形態、例えば、ゼラチンカプセルである場合、上記の種類の材料に加えて、ポリエチレングリコールまたは油などの液体担体を含有し得る。

0090

医薬組成物は、液体、例えば、エリキシルシロップ溶液エマルジョンまたは懸濁液の形態であってよい。液体は、2つの例として、経口投与用または注射による送達用であってよい。経口投与を意図する場合、好ましい組成物は、本発明の化合物に加えて、甘味剤、防腐剤染料/着色剤及び風味増強剤の一つ以上を含有する。注射による投与を意図する組成物では、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤分散剤懸濁剤、緩衝剤、安定剤、及び等張剤の1つ以上が含まれ得る。

0091

液体医薬組成物は、溶液、懸濁剤または他の同様の形態であっても、以下の1つ以上を含んでよい:注射用水食塩水、好ましくは生理食塩水リンゲル液等張性塩化ナトリウムなどの滅菌希釈剤、溶媒または懸濁媒、ポリエチレングリコール、グリセリンプロピレングリコールまたは他の溶媒として作用できる合成モノまたはジグリセリドなどの固定油;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤酢酸塩クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤及び塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性の調整のための薬剤。非経口製剤は、アンプル使い捨てシリンジ、またはガラスもしくはプラスチック製の複数用量バイアル中に封入することができる。ある特定の実施形態では、生理食塩水は好ましい組成物である。注射用医薬組成物は好ましくは無菌である。

0092

非経口または経口投与のいずれかを意図する液体医薬組成物は、適切な投与量が得られるように、本明細書に開示のEGFR特異的抗体などの、ある量の抗EGFR薬を含有するべきである。一般的に、この量は、組成物中少なくとも0.01%の抗体である。経口投与を意図する場合、この量は、組成物の重量の0.1%〜約70%の間になるように変動し得る。ある特定の経口医薬組成物は、約4%から約75%の抗体を含有する。ある特定の実施形態では、本発明にかかる医薬組成物及び製剤は、非経口投薬単位が0.01〜10重量%の抗体を希釈前に含有するように調製される。

0093

医薬組成物は、局所投与を意図し得、その場合には、担体が、好適に、溶液、エマルジョン、軟膏またはゲル基材を含み得る。基材は、例えば、以下の1つ以上を含み得る:ワセリンラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋鉱油、水及びアルコールなどの希釈剤、及び乳化剤及び安定剤。増粘剤が、局所投与用の医薬組成物中に存在し得る。経皮投与を意図する場合、組成物は、経皮パッチまたはイオン導入装置を含んでよい。医薬組成物は、例えば、直腸で融解して薬物を放出する座薬の形態で、直腸投与を意図し得る。直腸投与用の組成物は、好適な非刺激性賦形剤として油性基剤を含有してよい。かかる基材は、限定されないが、ラノリン、ココアバター及びポリエチレングリコールを含む。

0094

医薬組成物は、固体または液体投薬単位の物理的形態を改変する種々の材料を含んでよい。例えば、組成物は、活性成分の周りコーティングシェルを形成する材料を含み得る。コーティングシェルを形成する材料は、一般的には不活性であり、例えば、糖、シェラック、及び他の腸溶コーティング剤から選択され得る。あるいは、活性成分は、ゼラチンカプセルに入れてよい。固体または液体形態の医薬組成物は、本発明の抗体に結合し、それによって化合物の送達を補助する薬剤を含んでよい。この役割で作用することができる好適な薬剤には、他のモノクローナルまたはポリクローナル抗体、一つ以上のタンパク質またはリポソームが含まれる。医薬組成物は、本質的にエアロゾルとして投与されることができる投薬単位からなり得る。用語エアロゾルは、コロイド性質のものから加圧パッケージからなる系までの様々な系を示すために使用される。送達は、液化または圧縮ガスによって、または活性成分を分注する好適なポンプシステムによってなされ得る。エアロゾルは、活性成分(複数可)を送達するために、単相二相、または三相系で送達され得る。エアロゾルの送達には、必要な容器、アクチベーターバルブサブ容器、などが含まれ、一緒になってキットを形成してもよい。当業者は、不要な実験をすることなく、好ましいエアロゾルを決定し得る。

0095

医薬組成物は、医薬分野で周知の方法によって調製され得る。例えば、注射によって投与されることを意図する医薬組成物は、本明細書に記載のEGFR特異的抗体などの抗EGFR薬、及び必要に応じて、塩、緩衝剤及び/または安定剤の一つ以上を含む組成物と、溶液を形成するように無菌、蒸留水を、組み合わせることによって調製されることができる。界面活性剤は、均質な溶液または懸濁液の形成を促進するために添加され得る。界面活性剤は、水性送達系における抗体の溶解または均質な懸濁を促進するように、抗体組成物非共有結合的相互作用する組成物である。

0096

組成物は、使用される特定の化合物(例えば、EGFR特異的抗体)の活性;化合物の代謝安定性及び作用の長さ;患者の年齢、体重、一般健康状態性別、及び食事;投与の様式及び時間;排泄速度;薬剤の組み合わせ;特定の障害または状態の重症度;治療を受ける対象を含む、種々の因子に依存して変動する治療有効量で投与され得る。

0097

EGFR特異的抗体などの抗EGFR薬を含む組成物は、一つ以上の他の治療薬の投与と同時に、その前に、または後に投与されてもよい。一実施形態では、本発明は、胃腫瘍を処置するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に有効量の二つ以上の抗EGFR薬の組み合わせを投与することを含み、患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、方法を提供する。この点に関して、処置は、セツキシマブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、抗体806、Sym004、MM−151、及び本明細書に記載の他の抗EGFR薬から選択される、有効量の2つ以上の抗EGFR薬の組み合わせを含み得る。

0098

一実施形態では、本発明は、胃腫瘍を処置するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に有効量の抗EGFR薬を投与することを含み、患者がEGFRバイオマーカーを有すると判定されている、方法を、胃癌のための標準治療と組み合わせて提供する。胃癌についての標準的処置は、外科手術、放射線療法、または化学療法、またはこれらの処置の組み合わせを含む。外科手術は、胃の患部や近くのリンパ節を除去するための手術を含んでもよく、またはある特定の場合には胃切除術を含むことができる。現在、胃癌の処置のために世界中で使用される単一の標準的な化学療法の処置計画はない。しかしながら、化学療法処置は、少なくとも二つの薬剤、フルオロウラシル(5−FU、アドルシル)及びシスプラチン(プラチノール)の組み合わせを含み得る。5−FUに類似する他の薬剤(カペシタビンまたはゼローダなど)、及びシスプラチンに類似する他の薬剤(オキサリプラチンまたはエロキサチンなど)は、等価であるとみられる。一般的に使用される他の薬剤は、ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、イリノテカン(カンプトサール)、及びエピルビシンエレンス)を含む。

0099

当業者によって理解され得るように、併用療法は、抗EGFR薬を含有する単一の医薬投与製剤と一つ以上の追加の活性剤の投与、並びに抗EGFR薬を含む組成物とその別々の医薬投与製剤の各活性剤の投与を含み得る。例えば、本明細書に記載のような抗EGFR抗体及び残りの活性剤は、錠剤またはカプセルなどの単一の経口投与組成物内で一緒に患者に投与されることができ、または各薬剤は別々の経口投与製剤において投与されることができる。同様に、本明細書に記載のような抗EGFR抗体及び残りの活性剤は、生理食塩水または他の生理学的に許容され得る溶液などの単一の非経口投与組成物内で一緒に患者に投与されることができ、または各薬剤は別々の非経口投与製剤において投与されることができる。別々の投与製剤が使用される場合、抗体などの抗EGFR薬を含む組成物、及び一つ以上の追加の活性剤は、本質的に同じ時間、つまり同時、または別々に時間をずらして、つまり順次及び任意の順番で投与されることができ、併用療法は全てのこれらのレジメンを含むと理解される。

0100

ゆえに、ある特定の実施形態では、EGFR特異的抗体などの抗EGFR薬を含む組成物を、一つ以上の他の治療薬と組み合わせて、投与することも企図される。かかる治療薬は、癌、具体的には胃癌などの本明細書に記載のような特定の疾患状態に対する標準的処置として当分野で受け入れられ得る。企図される例示的な治療薬には、サイトカイン、成長因子ステロイド、NSAID、DMARD、抗炎症剤、化学療法剤、放射線療法剤、または他の活性及び補助剤が含まれる。

0101

ある特定の実施形態では、抗EGFR抗体などの抗EGFR薬は、EGFRバイオマーカーを有すると同定された患者に、任意の数の化学療法剤を併用して投与され得る。化学療法剤の例としては、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))などのアルキル化剤ブスルファンインプロスルファン及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル類;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa)などのアジリジン類アルトレタミントリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphoramide)及びトリメチロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン類及びメチルメラミン類(methylamelamines);クロラムブシルクロルファジンコロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチンイホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩メルファラン、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリンプレニムスチントロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード類;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソ尿素類;アクシノマイシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリンブレオマイシンカクチノマイシンカリケアマイシンカラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリンクロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシンマルセロマイシン、マイトマイシンミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシンポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリンストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチンゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗物質デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリンチアプリンチオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビンアザシチジン6−アザウリジンカルモフールシタラビンジデオキシウリジンドキシフルリジンエノシタビンフロクスウリジン、5−FUなどのピリミジン類似体カルステロンプロピオン酸ドロモスタノロンエピチオスタノールメピチオスタンテストラクトンなどのアンドロゲン類;アミノグルテチミドミトタントリロスタンなどの抗副腎剤(anti−adrenals);フロリニン酸(frolinic acid)などの葉酸補助剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸アムサクリンベストラムシル(bestrabucil);ビサントレンエダトラキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジオン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸リプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウムヒドロキシウレアレンチナンロニダミンミトグアゾン;ミトキサントロンモピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシンポドフィリン酸(podophyllinic acid);2−エチルヒドラジドプロカルバジンPSK.RTM.;ラゾキサンシゾフィランスピロゲルマニウムテヌアゾン酸トリアコン;2, 2',2''−トリクロロトリエチルアミンウレタンビンデシンダカルバジンマンノムスチンミトブロニトール;ミトラクトールピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「アラ−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、ニュージャージープリンストン)及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhne−Poulenc Rorer、フランス、アンニー);クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンなどのプラチナ類似体;オキサリプラチン;イリノテカン;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビンナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシンアミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害薬FS2000;ジフルオロメチルオルニチンDMFO);Targretin(商標)(ベキサロテン)、Panretin(商標)(アリトレチノイン)などのレチノイン酸誘導体;ONTAK(商標)(デニロイキンジフチトクス);エスペラミシン;カペシタビン;及び上述のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸または誘導体が挙げられる。この定義には、以下のような、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するよう作用する抗ホルモン剤が含まれる:抗エストロゲン(例えば、タモキシフェンラロキシフェンアロマターゼ阻害性4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェントリオキシフェン、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston));ならびに抗アンドロゲン(例えば、フルタミドニルタミドビカルタミドロイプロリド及びゴセレリン);ならびに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸または誘導体。

0102

種々の他の治療薬は、本明細書に記載の抗EGFR薬と併用され得る。一実施形態では、EGFRバイオマーカーを有すると同定された患者は、抗炎症剤とともに抗EGFR薬を投与される。抗炎症薬または薬剤は、ステロイド類及びグルココルチコイド類ベタメタゾンブデソニドデキサメタゾン酢酸ヒドロコルチゾンヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンプレドニゾロンプレドニゾントリアムシノロンを含む)、アスピリンイブプロフェンナプロキセン、メトトレキサート、スルファサラジンを含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、レフルノミド、抗TNF薬、シクロホスファミド及びマイコフェノレートを含むが、これに限定されない。

0103

例示的なNSAIDは、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、COX−2阻害薬、例えばVIOXX(登録商標)(ロフェコキシブ)及びCELEBREX(登録商標)(セレコキシブ)、及びシアリレート(sialylates)からなる群から選択される。例示的な鎮痛剤は、アセトアミノフェンオキシコドン塩酸プロポキシフェントラマドールからなる群から選択される。例示的なグルココルチコイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、またはプレドニゾンからなる群から選択される。例示的な生物学的応答修飾因子には、細胞表面マーカー(たとえば、CD4、CD5など)に向けられた分子、TNFアンタゴニスト(たとえば、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))及びインフリキシマブ(REMICADE(登録商標)))などのサイトカイン阻害剤、ケモカイン阻害剤ならびに接着分子阻害剤が挙げられる。生物学的応答修飾因子には、モノクローナル抗体ならびに組換え型の分子が挙げられる。例示的なDMARDには、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキサート、ペニシラミン、レフルノミド、スルファサラジン、ヒドロキシシクロキン、Gold(経口(オーラノフィン)及び筋肉内)及びミノサイクリンが挙げられる。

0104

EGFR特異的抗体などの、本明細書に記載の抗EGFR薬を含む組成物は、時限放出型製剤またはコーティングなどの、抗体を体内からの迅速な排出に対して保護する担体と共に調製され得る。かかる担体は、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含むが、これに限定されない放出制御製剤、及びエチレン酢酸ビニルポリ無水物ポリグリコール酸ポリオルトエステルポリ乳酸及び当業者に周知の他のものなどの生物分解性生体適合性ポリマーを含む。

0105

実施例1EGFR遺伝子増幅及び過剰発現は、胃腺癌におけるセツキシマブ処置に対する応答についての予測的バイオマーカーである
この実施例は、完全に分子的に注釈付けされた(発現及び変異プロファイリング未処置アジア人胃腺癌(GC−ADC)患者由来異種移植片(PDX)のコホートで、応答者及び非応答者を同定し、その後予測的バイオマーカーの発見をするために実施された無作為化セツキシマブ試験の結果を記載する。

0106

序論及び要約
患者由来の異種移植片(PDX)は、いかなるインビトロ操作も伴わずに、患者の組織病理学的及び遺伝子プロファイルを反映する9−14。それは前臨床癌モデルとして予測力を改善しており、真の個別化療法及び予測的バイオマーカーの発見を可能にする。モデルは、「アバターマウス」または「異種移植モデル(xenopatient)」とも呼ばれ、それらの大規模な収集は、患者における腫瘍の多様性を潜在的に反映することが可能である。癌患者集団の広範囲にわたる多様性に起因して、臨床試験の成功性は、意図された標的を発現して適切な遺伝子プロファイルを有する有望な応答者の包含と、非応答者の排除に大いに依存する。これらのモデルはゆえに、臨床試験形式モデル化することによって治験標的薬を試験するために使用されることができる。

0107

GC−ADCHuPrime(登録商標)モデル(類似のNSCLC−HuPrimeが以前に記載されている)15と呼ばれる胃腺癌(GC−ADC)PDXの大規模な収集が確立された。19のGC HuPrime(登録商標)のコホートをセツキシマブに対する腫瘍応答を評価するために試験し、EGFR遺伝子増幅及び過剰発現を伴うGC−ADCのサブセットがセツキシマブに十分に応答することが発見された。この観察は、EGFR遺伝子コピー及び/または過剰発現が、セツキシマブに対する患者応答を予測するための潜在的な実用的な単一のバイオマーカーとして役割を果たし得ることを示し、これはGC−ADCのHER2/Herceptin(登録商標)シナリオに類似した状況であった。EGFR遺伝子コピー数を患者選択基準として使用する前向き臨床研究が、観察をさらに確かなものにするように保証され、規制当局が最終的にセツキシマブをGC−ADC処置として承認する結果となり得る。

0108

所見:試験された19のPDXGCモデルのうちで、4モデル(21%)が、セツキシマブに応答した(ΔT/ΔC>20%により規定される)。発現プロファイリング及びコピー数多型解析は、15の非応答者(ΔT/ΔC>20%)とは対照的に、4応答者全てがEGFR遺伝子の増幅及び/または対応する高EGFR発現を有することを明らかにした。この結果は、EGFR増幅を有する4患者全てが応答者である追加の第II相臨床試験(EXTRA)においてなされた観察と一致する。これらの結果は、EGFR遺伝子増幅及び/または高発現が、NSCLC及びCRCについては一般的ではない、GC−ADCのこのサブセットについて重要な発がん要因であることを示した。

0109

解釈:EGFR遺伝子増幅及び過剰発現は、GC−ADCにおけるセツキシマブ応答についての単一の予測的バイオマーカーとして役に立つことができる。

0110

材料及び方法
患者の試料、移植、セツキシマブ処置実験及びモデルの特徴付け
外科的に取り出された新鮮なGC腫瘍組織を、外科手術の直後に、6〜8週齢の雌Balb/cヌードマウス(Beijing HFK Bioscience Co.Ltd.,中国、京)に、以前に記載された手順10で皮下移植するために使用した。確立された腫瘍モデルは、経過及び研究実行のために連続的に再移植された。患者試料へのアクセス及びその使用は、患者からのインフォームドコンセントに加えて北京腫瘤医院の倫理委員会によって承認された。全ての手順は、Crown Bioscience社のSF施設にて滅菌条件下で行われた。本発明者らの研究に関係する全ての実験動物は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイド推奨事項に厳密に従って行われた。プロトコルは、Crown Bioscience,Incの動物実験の倫理委員会(Crown Bioscience社のIACUC委員会)によって承認された。

0111

PDXモデルのセツキシマブに対する腫瘍応答を評価するための手順は、以前に詳細に記載されている15、17。腫瘍成長を週2回モニターし、ΔT/ΔC%値をセツキシマブに対する腫瘍応答を評価するために算出した(ΔT=処置群における腫瘍の体積変化及びΔC=対照群における腫瘍体積変化)。

0112

Affy U219、SNP6、IHC、qPCR、発がん遺伝子変異解析を使用する発現プロファイリングを含むモデルの特徴付けは、全て以前に詳細に記載されている15、17。

0113

抗腫瘍活性の評価。
腫瘍体積が100〜150mmに達したとき、マウスを類似の平均腫瘍体積を有する5匹のマウスの2群に無作為グループ分けした。グループ分けの直後に、対照群をビヒクルで処置し(PBS、週一回の腹腔内注射(またはIP)を二週間)、処置群にセツキシマブを注射した(週一回のIP注射を二週間、50mg/kg、Merck社)。腫瘍成長を週二回モニターし、DT/DC値を処置に対する腫瘍応答を評価するために算出した(DT5 処置群における腫瘍体積変化及びDC5 対照群における腫瘍体積変化)。異種移植用のマウスの総数は200(20のPDXモデルについて10匹のマウス/モデル)である。

0114

GC腫瘍のEGFRIHC解析。
標準の免疫組織化学(IHC)が、PDX異種移植片モデルからの腫瘍組織を解析するために使用された。簡潔には、組織を10%中性緩衝ホルマリンで固定し、標準的な組織学的手順に従って、パラフィン包埋した。脱パラフィン及び再水和の後、厚さ3mmの組織切片を0.01Mクエン酸ナトリウム、pH6.0溶液中で95uCで30分間前処理し、その後ウサギ抗ヒトEGFR抗体(Cell Signaling、米国、ボストン)を用いて最終希釈15200で染色した。検出システム:HRPポリマーキット(Lab Vision、米国、フリーモント)を使用して陽性染色が検出された。DABを発色基質として使用し、切片をギルヘマトキシリン(Fisher Scientific、ニュージャージー州フェアローン)を用いて対比染色した。試験片を、次いで、2005年にShiaらが推奨した以下の基準に従って盲検様式で3人の研究者によって独立して採点した:スコア0は、特定の膜染色が腫瘍内になかったときであり、バックグラウンドレベルを超える任意の腫瘍細胞膜の染色があったとき正数である。正数であった場合、膜の染色強度に基づいてさらに11、21、及び31へと分類される。最強度の領域は、腫瘍切片を低倍率(1003)で走査することによって同定され、次いで画像を、DP71デジタルカメラオリンパスニューヨークメルヴィル)を用いて、オリンパスBX51顕微鏡システムを使用して高倍率(4003)で撮影した。

0115

GC−PDXの遺伝子発現プロファイリング及び遺伝子コピー数解析。
新鮮なGCPDX腫瘍組織を、腫瘍を有するマウスから採取し、遺伝子及びゲノム解析に使用される前に、瞬間凍結して280uCで保管した。遺伝子プロファイリング解析のために、全RNAを、Trizol(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)を製造業者の説明書に従って使用して凍結組織から単離し、RNeasyミニカラム(Qiagen)を使用して精製した。RNAの質をバイオアナライザー(Agilent)で評価した。高品質のRNA試料(RIN.8)のみが、標準プロトコル(GenChip(登録商標)3'IVTエクスプレスキットユーザーマニュアル、P/N 702646 Rev.8、Affymetrix)に従って、Affymetrix社のHG−U219アレイプレート上で発現プロファイリングアッセイのために使用された。全ての試料の生CELデータセットをRMAアルゴリズムによって正規化した。プローブセット強度を、log(2)変換値として表した。Affymetrix SNP6.0チップを使用するCNVアッセイのために、ゲノムDNAを、ゲノムDNA組織及び血液単離キット(Qiagen)を製造業者の説明書に従い使用して、単離及び精製した。DNAプロセシング及びチップハイブリダイゼーションを、標準的なAffymetrix社のプロトコル(ゲノムワイドsnp6_マニュアル、Affymetrix)に従って行った。生CELデータを品質チェックし(QC−ed)、フィルタリングして低コールレート試料を除去し、PICNIC及び/またはPennCNV方法によって遺伝子コピー数解析を行った。全ての試料について、相対的なEGFR遺伝子発現レベルは、定量RT−PCRによって決定された。抽出されたmRNAを、TaqMan q−PCRにより、ヒトEGFR特異的プライマーを使用して増幅に供した。ヒトGAPDH遺伝子を参照として使用した。EGFRについてのTaqManプローブ及びプライマー(アッセイID:Hs01076078_m1)、GAPDH(アッセイID:Hs99999905_m1)を、Applied Biosystemsから得た。システムによって生成された生データを、DCT相対定量を用いて処理した。DCT5(標的遺伝子のCT値)−(参照遺伝子のCT値)。DCT値を、次いで強度値(相対mRNAレベル5 2' (2DCT))に変換した。また、EGFR遺伝子コピー数を定量PCRによって決定した。簡潔には、同一のゲノムDNAをTaqMan q−PCRによって増幅に供した。EGFR(アッセイID:Hs04960197_cn)及び内因性参照としてのRNaseP(部品番号4401631)についてのプライマーを、AppliedBiosystems社から購入した。生データをCopyCallerソフトウェアへと転送し、解析した。

0116

EGFR遺伝子変異解析。
EGFR(エクソン18;19;20;21)、KRAS(エクソン2;3;4)、BRAF(エクソン15;V600E)、c−MET(エクソン14;16;17;18;19;21)、PI3KC(エクソン1;9;20)などの、セツキシマブに対する耐性に関連する一般的な発がん遺伝子の遺伝子ホットスポット解析を、腫瘍における変異を同定するために実行した。簡潔には、ゲノムDNAを、製造業者の説明書に従って上述のキットを使用して組織から抽出した。変異解析に使用されたプライマーを表5に示す。ポリメラーゼ連鎖反応を、100ngのゲノムDNA、5mLの103PCR緩衝液、各々0.2mMのプライマー、0.2mMの43dNTP及び1mLのTaqEを含有する50mLの反応混合物において行った。反応は、40回の増幅サイクルにわたって実行された。増幅されたPCR産物をゲル精製し、サンガー自動シーケンサーABI)によって配列決定した。プライマーのヒト遺伝子に対する特異性は、BLAST検索によって保証されていた。シーケンスデータアライメント解析及び変異同定を、BioEditソフトウェアを使用して行った。

0117

CFISH解析。
FISH(2色)手順を、Abbott社のPathVysion EGFRDNAプローブキットを製造業者のプロトコル(Abbott、イリノイ州ダウナーズ・グローブ)に従って使用して、実行した。スペクトラムオレンジ蛍光標識EGFR(303kb)は、染色体7p12上のEGFR遺伝子座に特異的であり、スペクトラムグリーン蛍光標識染色体エニュメレータープローブ(5.4kb)は、染色体7のセントロメア領域(CEP7;7p11.1〜q11.1)に配置されたα−サテライトDNA配列を標的とした。簡潔には、FFPE切片を脱パラフィンし、その後ペプシン消化しハイブリダイゼーションした。処理されたスライド変性させ、プローブでハイブリダイズし、その後15μLのDAPI/抗フェード溶液で対比染色し、DAPI、ローダミン(7p12)及びFITC(染色体7)を1000倍で検出するために単一のバンドパスフィルタセットを装備したオリンパスBX51蛍光顕微鏡(オリンパスBX51、日本)を使用して走査した。

0118

統計解析
腫瘍体積のデータを2つの比較についてスチューデントt検定を、及び多重比較について一元配置分散分析を使用して評価した。全てのデータはSPSS16.0を使用して解析された。P<0.05は統計学的に有意であると考えられた。EGFR増幅モデルと非増幅モデル間の応答差異にアクセスするためにフィッシャーの正確確率検定を使用した(quantitativeskills.com/sisa/statistics/fisher.htmを参照)。

0119

結果
GCHuPrime(登録商標)モデルのサブセットはセツキシマブに応答する。
本発明者らは、GC−ADCHuPrime(登録商標)モデルの無作為に選択されたコホートを臨床試験のような研究によって潜在的なセツキシマブの活性を評価するための試験に着手した。これらのモデルはまず、GC−ADC患者から外科的に取り出された腫瘍組織を免疫低下状態のBalb/cヌードマウスに皮下接種を介して移植することによって確立された。元となる患者の診断及び説明を表2及び表3に要約した。次に、19の無作為に選択されたモデルを週一回のセツキシマブ処置に2週間供した(1mg/マウスまたは50mg/kg)。セツキシマブに対する腫瘍応答を、ΔT/ΔC15によって定量化し、表4に要約した。モデルは、活性に応じて二つのカテゴリーに分割することができる。GC−ADC HuPrime(登録商標)の4/19または21%がセツキシマブ処置に応答した(ΔT/ΔC<0%でほぼ完全奏効);15/19または79%は応答しなかった(ΔT/ΔC>30%で部分的または完全抵抗性)。これらの二つのカテゴリーの代表的な腫瘍成長阻害曲線を図1Aに示す。ΔT/ΔC値によって測定される腫瘍応答の定量化を表1A及び表1Bに要約する。GA0152及びGA0075は、セツキシマブ感受性モデルの例であり、一方でGA0119及びGA0139は抵抗性モデルである。GC−ADCモデルにて見られるこれらのかなり明確な応答は、CRC17及びNSCLC15HuPrime(登録商標)モデルにおいて観察された応答といくらか対照的である。それにもかかわらず、本発明者らのデータはGCのサブセットにセツキシマブが潜在的に有効であり得ることを示した。移植の生着率が100%未満(本発明者らの手で通常30〜50%)であること及び応答者または非応答者間での生着率にバイアスがかかる可能性があることに起因して、このGC−ADC研究で観察された21%の応答者が、GC−ADC集団における潜在的応答者の真のパーセンテージを必ずしも反映しない可能性があることは注目に値した。

0120

約50%の応答者がEGFR遺伝子増幅を呈する。
セツキシマブ応答の潜在的な予測マーカーを発見するために、それゆえ、本発明者らは、ゲノム全体のコピー数多型及びトランスクリプトームプロファイリングを含む、これらのモデルの分子特徴付けを行った。まず、本発明者らはAffymetrix社のgenome−wide human SNP6.0 array及びPICNIC(Predicting Integral Copy Numbers In Cancer;癌における全体的なコピー数の予測)アルゴリズムを使用してGC−PDXのコピー数多型を調べた。本発明者らは4応答者全てのEGFRコピー数が非応答者の大半のものよりも高いことを見出した(表1、P=0.002)。この発見をさらに確証するため、本発明者らはEGFR遺伝子コピー数をリアルタイム定量PCR(q−PCR)によって評価し、16の非応答者のうちの2(12.5%)のみが4以上のコピー数を有する一方で、全応答者が4以上のコピー数を有することを見出した。これらの二群間差異は有意である(P=0.008)。SNP6 1 PICNIC解析による最高値である15、及びq−PCRによる最高値である1040.9は、最良の応答者でもあるGA0152からである。

0121

EGFR遺伝子増幅をさらに確証するために、本発明者らは、臨床診療で進行性GCに対する抗HER2処置をガイドするためのHER2遺伝子増幅の測定に使用されるより精密なアッセイである、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)をさらに行った。少なくとも100の非重複中間期核がEGFRのコピー数について観察された。EGFRの状態を核あたりのEGFRシグナルの数としてスコア化した。本発明者らの結果は、それぞれ平均コピー数5.8(GA0075)及び.15(GA0152)(図1C、表1)を伴って、2/4(50%)の応答者でEGFR増幅を実証した。GA0152は、EGFR/CEP7比率が.15でもあった。ゆえに、2/4(50%)応答者は、EGFR増幅によって予測されることができ得る。

0122

次に、セツキシマブによってこれらの腫瘍においてEGFRシグナル伝達が実際に不活性化されたかどうかを、単回投与薬力学的分析を行うことによって調査した。腫瘍を有する動物は、まずセツキシマブを用いて処置され、処置後6、24、72時間の時点で腫瘍を採取した。一例として、処置後にGA0022の腫瘍組織をpERK(EGFRシグナル伝達の下流エフェクター)について免疫化学解析(IHC)によって解析した。結果は、同一モデルにおいて観察された抗腫瘍活性と相関して、腫瘍におけるpERKの減少(図1B)を明確に実証した。

0123

CRCにおけるセツキシマブに対する応答を支配する因子は、GC−ADCにおける応答に対し有意に少なく寄与するように見える。
観察された応答GC−ADCについての予測的バイオマーカー(複数可)を発見するために、このコホートのモデルを、いくつかの一般的な発がん遺伝子の発現及び遺伝子コピー数、ならびに遺伝子変異について全身的にプロファイルした。KRAS、BRAF(V600E)、c−MET、EGFR、AKT及びPI3KCのものを含む、活性化変異は、CRC患者におけるセツキシマブに対する耐性と関連してきた15、17−21。ゆえに、これらのモデルは、まずこれらの発がん遺伝子のホットスポット変異配列決定によって解析された。興味深いことに、検査されたモデルのほとんどが、応答者または非応答者にかかわらず、G13Dを含有するGA0139及びPIK3CAにおいて327〜329欠失を含有するGA044を除いて、いずれの変異も示さなかった(表1)。ゆえに、GC HuPrime(登録商標)のセツキシマブに対する非応答は、明らかにこれらの発がん遺伝子の変異に単に起因することができない。

0124

以前の別の研究では、セツキシマブに対するCRCHuPrime(登録商標)応答がRAS経路シグナル伝達に依存しているか、または低いLoboda−RAS経路シグネチャースコアと関連することが観察された17、22。それゆえ、RASシグナル伝達経路またはLobodaスコアがGCHuPrime(登録商標)応答への影響を同様に持っているかどうかを知ることは興味深いだろう。驚くべきことに、Loboda RAS経路シグネチャースコアが、腫瘍応答にはほとんど相関関係を有さないことが見出され(図3参照)、これはRAS経路の活性化状態が、CRCにおいて見られるものよりも、GC−ADCにおけるセツキシマブに対する応答または耐性に有意に少なく寄与することを示す。

0125

EGFR遺伝子増幅は、セツキシマブに応答する、GC−ADCHuPrime(登録商標)のサブセットにおいて発がん要因であるとみられる。
しかしながら、一方で、Affymetix社のHG−U219 GeneChip解析は、4応答者全てが高レベルのEGFR(mRNAレベル)を発現したこと、及び15の不良応答者全てがより低レベルの発現と関連することを明らかにした(図2A及び2C、表1)。より高い発現を介したEGFRのより高い活性は、これらの腫瘍において発がん性形質転換推進でき、ゆえにセツキシマブによる不活性化は腫瘍成長を阻害することができるため、この観察結果はもっともらしく思われる。

0126

さらには、Affymetrix SNP6解析を使用して遺伝子コピーを調べることによってどの遺伝的欠損が高EGFR発現の背景にあるのか調査した(図2B)。興味深いことに、全ての応答者が、対応するEGFR遺伝子増幅を有する(図2A及び2B)(表1、表4)(フィッシャーの正確確率検定に従い、P値<0.00026)。このほぼ完璧な相関は、EGFR遺伝子増幅が、応答者における重要な発がん要因であり、GC−ADCのセツキシマブに対する応答を予測するための潜在的な実用的な単一のバイオマーカーである可能性が高いことを示唆した。遺伝子増幅をさらに確証するために、本発明者らはEGFR−蛍光インサイチューハイブリダイゼーション、またはFISH(臨床的に実用的なアッセイである)を全てのモデルのEGFR遺伝子増幅状態を評価するために行った。FISHデータはSNP6によってみられる観察を実際に確証した。一例としてGA152のFISH解析は、EGFR増幅を明確に示した。臨床的に許容されるFISH手順は、セツキシマブGC−ADC処置のための診療現場でのセツキシマブ処置についてのコンパニオン診断の発展を可能にする。

0127

(表1A)GCHuPrime(登録商標)モデルパネルのプロファイル

網掛け部分は応答者を示す:NE:評価不可

0128

(表1B)GCHuPrime(登録商標)モデルパネルのプロファイル

網掛け部分は応答者を示す

0129

(表2)GC患者診断及び病理、及び対応するモデルの病理確証


網掛け部分は応答者を示す

0130

(表3)GC患者の臨床病理学的パラメータ及び対応するPDXモデルの病理学確証

*GCのステージは、国際対癌連合推奨の、腫瘍−結節−転移(TNM)分類第7版に従い分類された。

0131

(表4)異なる方法で測定されたEGFRコピー数。

網掛け部分は応答者を示す

0132

(表5)変異解析に使用されるプライマーのパネル

0133

全応答者が、より高いEGFRmRNA発現レベルを呈する。
一方で、Affymetrix社のHG−U219 GeneChipを使用したトランスクリプトームプロファイリングは、16の非応答者全てよりも4応答者全てがより高いレベルのEGFR mRNA発現を発現したことを明らかにした(P=0.003)(表1)。EGFR遺伝子発現は、さらにq−RT−PCR(定量逆転写PCR)によって、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対して定量化された。試験された試料の中で、高いEGFRmRNAレベル(相対強度≧0.5、恣意的に定義された)を呈した4試料は、全て応答者であり、残りのモデルが中から低のEGFR mRNAレベル(相対強度≦0.1)(表1、図1C)を示したこととは対照的である。差異は有意である(P=0.002)。具体的には、最も高い値はGA0152からであり、GeneChip解析によって10.5及びq−RT−PCRによって13であり、上記のEGFR増幅に起因することができる。

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