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課題

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の製造方法の提供。

解決手段

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、陰イオン交換工程を行い、それによって、AnxA5タンパク質を組成物から回収及び/または精製するために、組成物を陰イオン交換樹脂に供することを含むことを特徴とし、陰イオン交換工程が、選択された金属イオンの存在下で実施されることをさらに特徴とし、選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される、プロセス。

概要

背景

先行公開されたと思われる文献の本明細書での列挙または考察は、必ずしも、その文献が最新技術の一部であること、または共通一般知識であることを認めるものとして解釈されるべきではない。

根底にある動脈硬化巣から形成される、アテローム性血栓症は、急性冠動脈疾患脳血管及び末梢動脈閉塞症を含む、臨床的に明らかな虚血性心血管疾患大多数の裏に潜む主要な病原性機構である。Cederholm and Frostegard,2007,Drug News Perspect.,20(5):321−6で考察されるように、アネキシンスーバーファミリーメンバーである、アネキシンA5(以前はアネキシンVとして知られた)は、強力かつ独特抗血栓性特性を備えたタンパク質である。アネキシンA5が発揮する抗血栓効果は、リン脂質、特にホスファチジルセリン機械遮蔽により、凝固反応へのそれらの可用性を低減することによって、主に媒介されると考えられている。しかしながら、その抗血栓機能に潜在的に寄与するアネキシンA5の他の興味深い特性、とりわけ、表面で発現される組織因子下方制御、またはスルファチド及びヘパリンなどのホメオスタシス関与する追加のリガンドとの相互作用、ならびにウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子上方制御報告された。大きな脈管構造及び胎盤微小循環に対する体内での内因性抗血栓性系のメンバーとしてのアネキシンA5の生物学的重要性もまた示唆されてきた。

実際、アネキシンA5は、薬品において、直接的な治療効果を提供する上での広範な有用性を有することが知られている。例としては、アネキシンA5の下記の使用が挙げられる。
WO2005/099744に記載されるようなアテローム性血栓症及び/またはプラーク破裂の予防のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、
WO2009/077764に記載されるような血管機能不全治療、虚血性疼痛の低減及び/または血管疾患の治療のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、
WO2009/103977に記載されるような再狭窄の予防または治療のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、
WO2010/069605に記載されるような、酸化カルジオリピン(oxCL)の活性阻害において使用するため、及び心血管疾患、自己免疫疾患または炎症性病態を治療する、予防する及び/またはその発症リスクを低減するため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、ならびに
WO2012/136819に記載されるような、血管手術、とりわけ末梢血管手術後の合併症などの、外科的介入後の周術期または術後合併症の予防及び/または低減のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。

かくして、アネキシンA5は、治療上の関心及び可能性が高いタンパク質を代表する。したがって、(例えば、アネキシンA5タンパク質を、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物から収集するために)商業規模生産に合わせて規模拡大し、それに好都合に適用することができる効率的かつ費用効果のあるプロセスによって、治療グレードのアネキシンA5タンパク質を生産するための有効な方法が、差し迫って必要とされている。

E.coliなどの標準的な細菌宿主細胞においてアネキシンA5を組換え的に発現させる際の特定の課題は、宿主細胞由来の構成成分による、特に内毒素による汚染である。内毒素は、共有結合によって連結された脂質ならびにO抗原外部コア及び内部コアで構成される多糖で形成されているリポ多糖LPS)である。LPSは、グラム陰性菌外膜において見出され、動物において強力な免疫応答を引き出す。アネキシンA5は、負荷電を持つリン脂質を含有する生体膜への強力な結合を特徴とし、このため、内毒素に対して特に高い親和性を有する。このことは、内毒素産生宿主からのアネキシンA5の商業規模での大規模生産をより困難にしている。

現在のところ、(例えば、アネキシンA5タンパク質を、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物から収集するために)商業規模の生産に合わせて規模拡大し、それに好都合に適用することができる効率的かつ費用効果のあるプロセスによって、治療グレードのアネキシンA5タンパク質を生産するようなプロセスは全く提供されておらず、内毒素汚染に対処するやり方でのプロセスはなおさらである。

1991年、Kumarは、Annexin A5の生産及び精製のためのプロセスの開発について報告した(Department of Chemical Engineering College of Engineering University of Arkansas(Fayetteville,AR)に提出された 「Expression,Purification,and Large−Scale Production of the Human Recombinant Annexin−V Protein」と題されるUndergraduate Honors College Thesis、https://uarkive.uark.edu/xmlui/handle/10826/981にてオンライン入手可能)。Kumarのプロセスは、アネキシンA5を100mL培養物フラスコ中で組換えE.coli宿主細胞において発現させ、細胞ペレット化し、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション溶解緩衝液の存在下で細胞を再懸濁させ、次いで超音波処理を介して細胞を分解して、アネキシンA5タンパク質を放出させることを伴った。CaCl2の添加により、カルシウム依存性様態で、細胞破片における細胞膜へのアネキシンA5の結合を引き起こし、次いで混合物は、20分間の第1の精製遠心分離工程に供され、その後、上清破棄され、細胞破片を含有するペレット及び結合したアネキシンA5が回収された。アネキシンA5は、EDTAを使用してペレットから放出され、これに続いて、20分間の第2の精製遠心分離工程及び上清中のアネキシンA5の収集が行われた。次いで、この後に一晩の透析を行って、アネキシンA5用の緩衝液をpH8.0のトリスHClに変更してから、DEAEセファロースカラムでの陰イオン交換、及び塩勾配を用いたアネキシンA5の溶出のさらなる工程が行われた。

本出願者は、Kumarの方法に多数の制限及び欠点があることに気づいた。第1に、それは、100mL培養物を使用して小規模で実証されるにすぎず、精製プロセス中に2つの別個の遠心分離工程を必要とする。これは、高体積培養物(例えば、1000L以上)を使用する商業プロセスには効率的なやり方で規模拡大できない。下記でさらに考察されるように、かかる高体積の流体の遠心分離は、極めて時間を浪費し、費用がかかる。それでも、遠心分離は、細胞破片における膜へのアネキシンA5のカルシウム誘導性結合を用いることに依存するKumarの手法において、予備捕捉工程として必要とされる。第2に、本出願者は、Kumarの方法が、例えば、第1の精製遠心分離工程の生成物の上清中の結合していない可溶性アネキシンを処分することによって、アネキシンA5タンパク質の高損失につながることに気づいた。第3に、Kumarの方法は、治療的使用に好適なレベルまで内毒素を除去することが全くできず、最終生成物中の内毒素レベルに関して検査が何ら行われないことは注目に値する。かくして、Kumarの方法は、効率的かつ時間効果のある様態で商業的生産に規模拡大することは不可能であり、アネキシンA5タンパク質の高損失(すなわち低収率)につながり、治療的使用に好適でない低グレードのタンパク質精製をもたらす。

2008年、University of Washington Medical CenterのDepartment of Laboratory Medicine、Tait Research Laboratoryは、「Production of Recombinant Annexin V from plasmid pET12a−PAPI」と題される文献を公開した。それは、https://depts.washington.edu/labweb/Faculty/Tait/108.pdfにてオンラインで入手可能である。記載された方法は、Kumarによって提案された手法と非常に類似している。この方法は、1L培養物中で組換えE.coli宿主細胞においてアネキシンA5を発現させ、細胞をペレット化し、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション/溶解緩衝液の存在下で細胞を再懸濁させ、次いで超音波処理を介して細胞を分解して、アネキシンA5タンパク質を放出させる。CaCl2の添加により、カルシウム依存性様態で、細胞破片における細胞膜へのアネキシンA5の結合を引き起こし、次いで混合物は、20分間の第1の精製遠心分離工程に供され、その後、上清が破棄され、細胞破片を含有するペレット及び結合したアネキシンA5が回収された。アネキシンA5は、EDTAを使用してペレットから放出され、続いて、20分間の第2の精製遠心分離工程及び上清中のアネキシンA5の収集が行われた。次いで、この後に透析工程を行って、アネキシンA5用の緩衝液をpH8.0のトリスHClに変更してから、Mono Qカラムでの陰イオン交換、及び塩勾配を用いたアネキシンA5の溶出のさらなる工程が行われた。本出願者は、Kumarの方法における多数の制限及び欠点がこの方法にも当てはまることに気づいた。

2014年、アネキシンA5の精製のためのさらなる方法が、「Production of recombinant human annexin V by fed−batch cultivation」と題されるMarder et al.,2014,BMCBiotechnology,14:33において提案された。Marderらは、その方法が、組換えヒトアネキシンVを大規模に生産する流加法であることを報告し、この方法は、組換えヒトアネキシンA5の商業的有用性を、例えば体内画像化研究における用途に拡大し得ることが提案される。

それでも再び、Marderらの方法は、Kumarによる1991年の方法及びUniversity of Washington Medical CenterのDepartment of Laboratory Medicineによる2008年の方法と非常に類似している。Marderらは、2L槽に保持された1L培養物中で、組換えE.coli宿主細胞においてアネキシンA5を発現させる。考察されるように(Marderらの「the Methods」の「the Purification」節で)、収集された細胞は、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション/溶解緩衝液(緩衝液A)の存在下で再懸濁させられ、次いで細胞は、超音波処理を介して分解されて、アネキシンA5タンパク質を放出させた。CaCl2の添加により、カルシウム依存性様態で、細胞破片における細胞膜へのアネキシンA5の結合を引き起こし、次いで混合物は、30分間の第1の精製遠心分離工程に供され、その後、上清が破棄され、細胞破片を含有するペレット及び結合したアネキシンA5が回収された。アネキシンA5は、EDTAを使用してペレットから放出され、続いて、30分間の第2の精製遠心分離工程及び上清中のアネキシンA5の収集が行われた。次いで、この後に透析工程を行って、アネキシンA5用の緩衝液をpH8.0のトリスHClに変更してから、20分間の第3の精製遠心分離工程を行って残留沈殿物を除去し、次いでMono Qカラムでの陰イオン交換、及び塩勾配を用いたアネキシンA5の溶出のさらなる工程が行われた。再び、本出願者は、Kumarの方法における多数の制限及び欠点がこの方法にも当てはまることに気づいた。

Kumarによる1997年の方法及びUniversity of Washington Medical CenterのDepartment of Laboratory Medicineによる2008年の方法、及びMarderによる2014年の方法は、当該技術分野がアネキシンA5生成物の商業目的での生産及び精製への手法を開発及び確立したことを明確に示すが、これらの方法における欠点は、容易に利用可能な代替手段がないまま当該技術分野で理解されなかった。

アネキシンA5回収のためのこれらの先行技術の方法のすべては、研究室規模のプロセスでのみ実証されたものであり、規模拡大に向けて採用すること、またはより大きな規模で利用可能な業界標準もしくは機器を考慮に入れることができない。本プロセスは、それらを大規模な製造に不適当にする固有不利益を有する。特に、これらの先行技術のプロセスの非常に制限的な特長は、アネキシンA5が代替的に溶液中にあるかまたは沈殿物としてのものである場合に本プロセスが必要とする2回または(Marderらによる2014年の方法の場合)3回の高G力遠心分離である。2回のみの遠心分離工程を1つの1000Lバッチのプロセシングに適用することは、いかなる装備の整ったバイオ製造施設においても1日12時間のシフトで約12週間を要するであろうプロセスをもたらすことが合理的に推定され得、これは許容されない高い生産費用をもたらす。比較例1を参照されたい。

したがって、商業規模で運転される製造プロセスのために(例えば、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物)、効率的かつ費用効果のあるアネキシンA5の精製及び回収のための方法論的工程を提供すること、またさらに、先行技術のプロセスが被る収率損失及び低純度(内毒素汚染を含む)を克服することが、本発明の目的である。

本発明の方法によって生産される薬品グレードのアネキシンA5生成物を提供することもまた本発明の目的である。

概要

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の製造方法の提供。アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、陰イオン交換工程を行い、それによって、AnxA5タンパク質を組成物から回収及び/または精製するために、組成物を陰イオン交換樹脂に供することを含むことを特徴とし、陰イオン交換工程が、選択された金属イオンの存在下で実施されることをさらに特徴とし、選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される、プロセス。

目的

実際、アネキシンA5は、薬品において、直接的な治療効果を提供する

効果

実績

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請求項1

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含む組換え的に発現された細胞内タンパク質の、細胞壁を持つ内毒素産生宿主細胞からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、前記プロセスは、前記細胞内タンパク質を前記宿主細胞から放出させることを含み、前記細胞内AnxA5タンパク質を放出させる前記工程が、非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で実施されることを特徴とし、好ましくは、前記プロセスは、前記AnxA5タンパク質の前記宿主細胞からの放出後に、その前記回収及び/または精製のためにいかなる遠心分離工程も含まず、かつ/または前記AnxA5タンパク質は、任意のクロマトグラフ樹脂に一時的に結合した場合を除いて前記プロセス全体を通して溶液中にとどまる、プロセス。

請求項2

前記非イオン性洗剤は、ポリソルベート、好ましくはTween20及びTween80から選択されるポリソルベート、最も好ましくはTween80である、請求項1に記載のプロセス。

請求項3

前記細胞内AnxA5タンパク質を放出させる前記工程は、アネキシンA5と内毒素との間の前記結合を低減するまたは防止するのに有効な量の非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で実施される、請求項1または2に記載のプロセス。

請求項4

前記細胞内AnxA5タンパク質を放出させる前記工程は、0.01〜10%(w/w)非イオン性洗剤、例えば、0.02〜5%(w/w)、0.05〜2%(w/w)、または約1%(w/w)非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で実施される、請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。

請求項5

前記プロセスは、前記細胞内AnxA5タンパク質を前記宿主細胞から放出させることを含み、前記細胞内AnxA5タンパク質を前記宿主細胞から放出させる時点での、または前記細胞内AnxA5タンパク質を前記宿主細胞から放出させた後であるが、いずれのさらなるクロマトグラフ精製が行われる前の、前記ホモジナイゼーション緩衝液中の遊離カルシウムイオン濃度は、10mM未満、好ましくは5mM、1mM未満、より好ましくは500μM未満、または実質的にゼロであり、かつ/あるいは前記ホモジナイゼーション緩衝液は、前記細胞内AnxA5タンパク質を放出させた後にカルシウム金属イオンキレート剤を含むか、またはそれを含むように改変される、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含む組換え的に発現された細胞内タンパク質の、細胞壁を有する宿主細胞からの回収及び/または精製のための請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス。

請求項6

前記カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAまたはその塩、EGTAまたはその塩から選択され、最も好ましくはEDTAである、請求項5に記載のプロセス。

請求項7

遊離カルシウムイオンのレベル、及び/またはカルシウム金属イオンキレート剤の量は、アネキシンA5と前記宿主細胞の前記細胞壁の構成成分との間の前記結合を低減するまたは防止するのに有効である、請求項5または6に記載のプロセス。

請求項8

前記ホモジナイゼーション緩衝液は、(前記AnxA5タンパク質の前記放出の前または後に)0.01〜500mM、例えば、0.05〜100mM、0.5〜20mM、1〜15mM、2〜10mM、または約4mMカルシウム金属イオンキレート剤を含むか、またはそれを含むように調整され、好ましくは、前記カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAである、請求項5〜7のいずれかに記載のプロセス。

請求項9

前記ホモジナイゼーション緩衝液は、請求項2、3または4のいずれかに記載のプロセスに従った非イオン性洗剤を含む、請求項5、6、7または8に記載のプロセス。

請求項10

前記カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAである、請求項9に記載のプロセス。

請求項11

前記非イオン性洗剤は、Tween80である、請求項9または10に記載のプロセス。

請求項12

前記プロセスは、組換え的に発現された細胞内AnxA5タンパク質の、前記宿主細胞の培養物からの回収及び/または精製を含み、前記培養物は、少なくとも100L、500L、1,000L、5,000L、または10,000Lの体積を有する、請求項1〜11のいずれかに記載のプロセス。

請求項13

宿主細胞の前記培養物からのバイオマスを前記ホモジナイゼーション緩衝液中で、ホモジナイゼーション緩衝液1mLあたり約10gのバイオマスの濃度で混合する工程を含む、請求項1〜12のいずれかに記載のプロセス。

請求項14

前記細胞内AnxA5タンパク質を前記ホモジナイゼーション緩衝液中で前記宿主細胞から放出させる前記工程は、前記宿主細胞の前記細胞壁及び細胞膜障壁破壊され、それによって、前記細胞内AnxA5タンパク質を放出するように、前記宿主細胞を溶解させる、分解させる、ホモジナイズする、超音波処理する、または圧力処理することを含み、任意選択で、この工程は、浸透圧ショック及び/または凍結融解工程の使用を含まない、請求項1〜13のいずれかに記載のプロセス。

請求項15

前記細胞内AnxA5タンパク質を前記宿主細胞から放出させる前記工程は、高圧ホモジナイゼーション、例えば、約400バール〜約2,500バールで1サイクル以上の高圧ホモジナイゼーション、好ましくは約600バールのホモジナイゼーション3サイクル、または約800バールのホモジナイゼーション2サイクルを含む、請求項14に記載のプロセス。

請求項16

前記細胞内AnxA5タンパク質を放出させる前記工程は、前記放出されたAnxA5タンパク質を含むバイオマスホモジネートを作り出す、請求項1〜15のいずれかに記載のプロセス。

請求項17

前記バイオマスホモジネートは、宿主細胞タンパク質、宿主細胞壁構成成分、宿主細胞膜、宿主細胞核酸、及び内毒素からなる群から選択される前記不純物のうちの1つ以上(典型的にはすべて)をさらに含む、請求項16に記載のプロセス。

請求項18

前記バイオマスホモジネートを清澄化し、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む清澄化された生成物生産する工程をさらに含む、請求項16または17に記載のプロセス。

請求項19

前記バイオマスホモジネートを清澄化する前記工程は、前記ホモジネートのヌクレアーゼ、例えば、ヌクレアーゼA、好ましくはSerratiamarescens由来のヌクレアーゼAでの処理を含み、任意選択で、前記ヌクレアーゼは、前記細胞内AnxA5タンパク質の放出の前に前記ホモジナイゼーション緩衝液に含められる、請求項18に記載のプロセス。

請求項20

前記バイオマスホモジネートを清澄化する前記工程は(好ましくは、請求項18または19に記載のヌクレアーゼ処理に後続して)、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む前記バイオマスホモジネートをフィルターセルロースまたはポリプロピレンフィルターなど、好ましくは、前記フィルターは、デプスフィルターであり、かつ/または好ましくは、前記フィルターは、4μm未満のカットオフを有する)に通す工程を含み、前記フィルター流出液は、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む、前記清澄化された生成物である、請求項18または19に記載のプロセス。

請求項21

第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、前記放出されたAnxA5タンパク質を陰イオン交換樹脂に供する工程をさらに含む、請求項1〜20のいずれかに記載のプロセス。

請求項22

請求項20に記載の方法によって生産された前記放出されたAnxA5タンパク質を含む、前記清澄化された生成物は、前記第1の陰イオン交換工程に供され、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産する、請求項21に記載のプロセス。

請求項23

前記第1の陰イオン交換工程の前に、pH、伝導率、カルシウムイオンキレート剤のレベル及び非イオン性洗剤のレベルからなる群から選択される、前記放出されたAnxA5タンパク質の環境の1つ以上のパラメータが調整される、請求項21または22に記載のプロセス。

請求項24

前記陰イオン交換工程に供される前記放出されたAnxA5タンパク質は、約6.9のpH、約2.8mS/cmの伝導率、約1mMのカルシウムイオンキレート剤濃度で製剤化され、非イオン性洗剤を使用して、例えば、0.01〜1%(w/v)、より好ましくは約0.1%(w/v)の最終非イオン性洗剤濃度を得るように希釈される、請求項21〜23のいずれかに記載のプロセス。

請求項25

前記AnxA5タンパク質は、前記陰イオン交換工程中に結合し、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む前記第1の陰イオン交換生成物は、洗浄液及び/または溶出緩衝液を前記陰イオン交換樹脂に適用して、前記結合したAnxA5タンパク質を放出させることによって生産され、任意選択で、前記溶出緩衝液は、NaCl、例えば約300mMNaClを含む、請求項21〜24のいずれかに記載のプロセス。

請求項26

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、前記AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、この方法は、第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、前記AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む前記溶液を陰イオン交換樹脂に供することと、前記第1の陰イオン交換生成物を直接または間接的に親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産することと、を含み、好ましくは、前記AnxA5タンパク質は、任意のクロマトグラフ樹脂に一時的に結合した場合を除いて、いずれの先行または後続の工程も含む前記プロセス全体を通して溶液中にとどまる、プロセス。

請求項27

前記親和性クロマトグラフィー工程は、前記AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み、前記結合は、カルシウムイオンの存在によって促進される、請求項26に記載のプロセス。

請求項28

前記AnxA5タンパク質は、EDTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含有する溶出緩衝液を使用して、前記固定化ヘパリンから溶出される、請求項27に記載のプロセス。

請求項29

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、前記AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、この方法は、前記AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む前記溶液を、Tween80の存在下で(好ましくは、0.1%Tween80の存在下で)ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産することを含み、好ましくは、前記AnxA5タンパク質は、任意のクロマトグラフ樹脂に一時的に結合した場合を除いて、いずれの先行または後続の工程も含む前記プロセス全体を通して溶液中にとどまる、プロセス。

請求項30

前記放出されたAnxA5タンパク質を親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産する工程をさらに含む、請求項1〜25のいずれかに記載のプロセス。

請求項31

請求項21〜25のいずれかに記載の方法によって生産される、前記第1の陰イオン交換生成物中のAnxA5タンパク質が、前記親和性クロマトグラフィー工程に供される、請求項30に記載のプロセス。

請求項32

(a)請求項16または17に記載の放出されたAnxA5タンパク質を含む、バイオマスホモジネートが、請求項18、19または20のいずれかに記載のプロセスによって清澄化され、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む清澄化された生成物を生産する工程と、(b)請求項21〜25のいずれかに従って第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、前記AnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、前記清澄化された生成物中の前記AnxA5タンパク質が、陰イオン交換樹脂に供される工程と、(c)前記第1の陰イオン交換生成物中の前記AnxA5タンパク質が、請求項30または31に従って親和性クロマトグラフィー工程に供される工程と、を含む、請求項31に記載のプロセス。

請求項33

前記親和性クロマトグラフィー工程は、前記AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み、任意選択で、前記結合は、カルシウムイオンの存在によって促進される、請求項30〜32のいずれかに記載のプロセス。

請求項34

前記AnxA5タンパク質は、EDTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含有する溶出緩衝液を使用して、前記固定化ヘパリンから溶出される、請求項33に記載のプロセス。

請求項35

前記第1の親和性クロマトグラフィー生成物は、前記放出されたAnxA5タンパク質及び、任意選択で、0.1〜500mMの範囲の、より好ましくは約10mMのEDTAまたはEGTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含む、請求項30〜34のいずれかに記載のプロセス。

請求項36

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、前記AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、前記プロセスが、陰イオン交換工程を行い、それによって、前記AnxA5タンパク質を前記組成物から回収及び/または精製するために、前記組成物を陰イオン交換樹脂に供することを含むことを特徴とし、前記陰イオン交換工程が、追加の選択された金属イオンの存在下で実施されることをさらに特徴とし、前記追加の選択された金属イオンは、前記カルシウム金属イオンキレート剤が前記選択された金属イオンに対して、前記陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択され、好ましくは、前記AnxA5タンパク質は、任意のクロマトグラフ樹脂に一時的に結合した場合を除いて、いずれの先行または後続の工程も含む前記プロセス全体を通して溶液中にとどまる、プロセス。

請求項37

前記カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAまたはその塩、EGTAまたはその塩から選択され、最も好ましくはEDTAである、請求項36に記載のプロセス。

請求項38

前記カルシウム金属イオンキレート剤は、約0.1mM、0,5mM、1mM、5mM、10mM、15mM、20mM以上もしくは少なくとも0.1mM、0,5mM、1mM、5mM、10mM、15mM、20mM以上を超過して、及び/またはその濃度で、前記組成物中に存在する、請求項36または37に記載のプロセス。

請求項39

前記選択された金属イオンは、Mg2+イオンなどの二価陽イオンである、請求項36〜38のいずれかのいずれかに記載のプロセス。

請求項40

前記選択された金属イオンは、前記陰イオン交換工程中、前記組成物を前記陰イオン交換樹脂に供する前記プロセス中に前記カルシウムイオンキレート剤と前記陰イオン交換樹脂との間の相互作用を低減するまたは防止するのに有効な量で存在する、請求項36〜39のいずれかに記載のプロセス。

請求項41

前記選択された金属イオンは、前記陰イオン交換工程中、前記カルシウムイオンキレート剤の存在下での前記AnxA5タンパク質の前記陰イオン交換樹脂への結合を増加させるのに有効な量で存在して、それによって、前記陰イオン交換工程の素通り画分におけるAnxA5タンパク質の損失を、選択された金属イオンが前記陰イオン交換工程中に存在しない場合に観察される損失のレベルと比較して低減する、請求項36〜40のいずれかに記載のプロセス。

請求項42

前記選択された金属イオンは、前記陰イオン交換工程中、(例えば、前記組成物を前記陰イオン交換樹脂に供する前に、前記AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む前記組成物に添加することによって)約1〜約100mM、例えば、約2〜約50mM、約5〜約25mM、約10〜約15mMまたは約12.5mMの濃度で存在する、請求項36〜41のいずれかに記載のプロセス。

請求項43

前記カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAであり、前記選択された金属イオンは、Mg2+イオンであり、好ましくは、Mg2+イオン対EDTAのモル比は、0.5:1〜2:1の範囲、最も好ましくは少なくとも1:1以上である、請求項36〜42のいずれかに記載のプロセス。

請求項44

前記AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含み、前記陰イオン交換樹脂に供される、前記組成物は、前記AnxA5タンパク質を親和性クロマトグラフィー工程に供し、前記AnxA5タンパク質をカルシウムイオンキレート剤で溶出し、それによって、前記AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物である親和性クロマトグラフィー生成物を生産する前記工程を含む、先行するプロセスの直接または間接的生成物である、請求項36〜43のいずれかに記載のプロセス。

請求項45

前記先行する親和性クロマトグラフィー工程は、前記AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み、任意選択で、前記結合は、カルシウムイオンの存在によって促進される、請求項44に記載のプロセス。

請求項46

前記AnxA5タンパク質は、EDTAまたはEGTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含有する溶出緩衝液を使用して、前記固定化ヘパリンから溶出される、請求項45に記載のプロセス。

請求項47

前記直接または間接的生成物の前記陰イオン交換工程への前記適用の前に、前記先行する親和性クロマトグラフィー工程と前記陰イオン交換工程との間に透析工程は存在せず、かつ/または先行する親和性クロマトグラフィー工程の前記生成物からのカルシウムイオンキレート剤の除去は行われない、請求項44〜46のいずれか1項に記載のプロセス。

請求項48

前記選択された金属イオンは、前記陰イオン交換工程の前に、またはその最中に前記組成物に添加される、請求項36〜47のいずれか1項に記載のプロセス。

請求項49

前記プロセスは、請求項36〜48のいずれか1項に記載の陰イオン交換工程を含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載のプロセス。

請求項50

アネキシンA5(AnxA5)の配列を含む組換え的に発現された細胞内タンパク質の、細胞壁を持つ宿主細胞、または請求項12に記載のその培養物からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、(a)前記プロセスは、請求項1〜4のいずれか1項により、前記細胞内タンパク質を、非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で前記宿主細胞から放出させることを含み、(b)任意選択で、前記放出工程は、請求項13〜17のいずれか1項に従い、(c)さらに任意選択で、前記プロセスは、請求項18〜20のいずれかにより前記バイオマスホモジネートを清澄化する工程を含み、(d)前記プロセスは、請求項21〜25のいずれかに従って第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、前記放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、前記放出されたAnxA5タンパク質を直接または間接的に、任意選択でカルシウムイオンキレート剤の存在下で、陰イオン交換樹脂に供する前記工程をさらに含み、(e)前記プロセスは、請求項26〜35のいずれかに従って、前記放出されたAnxA5タンパク質を直接または間接的に親和性クロマトグラフィー工程に供する前記工程をさらに含み、(f)前記親和性クロマトグラフィー工程の前記生成物は、前記AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物であり、(g)前記AnxA5タンパク質及び前記カルシウム金属イオンキレート剤を含む、前記親和性クロマトグラフィー工程の前記直接または間接的生成物は、請求項36〜49のいずれかに従って陰イオン交換工程に供され、好ましくは、工程(a)〜(g)のうちで、遠心分離及び/または透析から選択される1つ以上の工程を含むもの、またはそれが介在するものは何もなく、より好ましくは、前記AnxA5タンパク質は、前記プロセス全体を通して、陰イオン交換及び親和性クロマトグラフィー固相に一時的に結合した場合を除いて可溶性のままである、プロセス。

請求項51

前記プロセスは、好ましくは請求項1〜50のいずれかに記載のプロセスの終わりに、濃縮、緩衝液変更、コンディショニング及び濾過滅菌濾過など)からなる群から選択される1つ以上のさらなる工程、ならびに任意選択で、前記AnxA5タンパク質含有生成物を滅菌容器中に貯蔵する最終工程を含む、請求項1〜50のいずれかに記載のプロセス。

請求項52

前記さらなる工程のうちの1つは、透析濾過であり、任意選択で、前記透析濾過工程の前記生成物は、少なくとも約1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、50100mg/mLまたはそれを超える濃度で前記AnxA5タンパク質を含有する、請求項51に記載のプロセス。

請求項53

前記濾過は、0.45〜0.2μmフィルターまたは0.22μmフィルターを使用し、好ましくは、滅菌濾過工程である、請求項51または52に記載のプロセス。

請求項54

滅菌濾過は、前記AnxA5タンパク質含有生成物を滅菌容器中に貯蔵する前の最終精製工程である、請求項51〜53のいずれかに記載のプロセス。

請求項55

前記プロセスは、約150mMNaCl、約1mMCaCl2、約0.05%(w/w)ポリソルベート(Tween80など)または他の非イオン性洗剤を含む、約pH7.4の無リン酸緩衝液ビストリスまたはトリス緩衝液など)中に最終滅菌AnxA5タンパク質生成物を提供するのに必要とされる工程を含み、任意選択で、最終滅菌AnxA5タンパク質生成物中の前記AnxA5タンパク質の濃度は、約10mg/mLである、請求項1〜54のいずれかに記載のプロセス。

請求項56

前記プロセスは、存在する前記NaCl濃度がAnxA5タンパク質を主として単量体である形態で維持する、最終滅菌AnxA5タンパク質生成物を提供する、請求項1〜55のいずれかに記載のプロセス。

請求項57

前記プロセスは、宿主細胞培養物1Lあたり1g超のAnxA5タンパク質、より好ましくは少なくとも約1.5g/L、さらにより好ましくは約2〜約4g/Lの範囲の全収率を提供する、請求項1〜56のいずれかに記載のプロセス。

請求項58

前記プロセスは、前記宿主細胞培養物中からに存在する約24重量%の前記AnxA5タンパク質の、AnxA5タンパク質の全回収率を提供する、請求項1〜57のいずれかに記載のプロセス。

請求項59

前記プロセスは、AnxA5タンパク質1mgあたり100、90、80、70、60、50、40、30、20ng以下よりも低いレベルの宿主細胞タンパク質(前記組換え的に発現されたAnxA5タンパク質以外の)を含む生成物を提供する、請求項1〜58のいずれかに記載のプロセス。

請求項60

前記プロセスは、AnxA5タンパク質1mgあたり100、90、80、70、60、5045、40、35、30、35、20、15未満、好ましくは10、5または1EU未満の内毒素含量を含む生成物を提供し、かつ/あるいは好ましくは、前記プロセスは、単位剤形にある生成物を提供し、前記生成物は、単位用量あたり100、90、80、70、60、5045、40、35、30、35、20、15未満、好ましくは10、5または1EU未満を含有する、請求項1〜59のいずれかに記載のプロセス。

請求項61

前記プロセスは、AnxA5タンパク質1mgあたり1,000pg未満、好ましくはAnxA5タンパク質1mgあたり100pg未満、より好ましくはAnxA5タンパク質1mgあたり10pg未満の宿主細胞核酸レベルを含む生成物を提供する、請求項1〜60のいずれかに記載のプロセス。

請求項62

AnxA5タンパク質を含む組成物であって、請求項1〜61のいずれかに記載のプロセスの前記直接または間接的生成物である(またはそれによって直接もしくは間接的に入手可能である)、組成物。

請求項63

前記組成物は、請求項50に記載の、または請求項50に従属する場合の請求項51に記載のプロセスの前記直接または間接的生成物である(またはそれによって直接もしくは間接的に入手可能である)、請求項62に記載の組成物。

請求項64

少なくとも約1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、50100mg/mLまたはそれを超える濃度で前記AnxA5タンパク質を含有する、請求項62または63に記載の組成物。

請求項65

前記組成物は、滅菌濾過工程に供された、かつ/または滅菌組成物である、請求項62〜64のいずれかに記載の組成物。

請求項66

滅菌容器中に貯蔵される、請求項65に記載の組成物。

請求項67

前記組成物は、約150mMNaCl、約1mMCaCl2、約0.05%(w/w)ポリソルベート(Tween80など)または他の非イオン性洗剤を含む、約pH7.4の無リン酸緩衝液(ビス−トリスまたはトリス緩衝液など)中に滅菌AnxA5タンパク質生成物を含み、任意選択で、最終滅菌AnxA5タンパク質生成物中の前記AnxA5タンパク質の濃度は、約10mg/mLである、請求項62〜66のいずれかに記載の組成物。

請求項68

存在する前記前記NaCl濃度は、AnxA5タンパク質を主として単量体である形態で維持する、請求項62〜67のいずれかに記載の組成物。

請求項69

AnxA5タンパク質1mgあたり20ng未満のレベルで宿主細胞タンパク質などの非AnxA5タンパク質を含み、任意選択で、前記宿主細胞は、グラム陽性またはグラム陰性細胞などの原核細胞であり、特に、内毒素産生グラム陰性細菌細胞であり得、さらに任意選択で、前記宿主細胞タンパク質は、前記組成物中で(AnxA5タンパク質1mgあたり20ng未満にもかかわらず)検出可能レベルである、請求項62〜68のいずれかに記載の組成物。

請求項70

AnxA5タンパク質1mgあたり100、50、20、10、5または1EU未満の内毒素含量を含み、任意選択で、内毒素は、前記組成物中で(AnxA5タンパク質あたり100、50、20、10、5または1EU未満にもかかわらず)検出可能レベルである、請求項62〜69のいずれかに記載の組成物。

請求項71

単位剤形にある生成物であり、単位用量あたり100、50、20、10、5または1EU未満を含有し、任意選択で、内毒素は、前記組成物中で(単位用量あたり100、50、20、10、5または1EU未満にもかかわらず)検出可能レベルである、請求項62〜70のいずれかに記載の組成物。

請求項72

AnxA5タンパク質1mgあたり1,000pg、100pg、または10pg未満の、宿主細胞核酸レベルなどの核酸レベルを含み、任意選択で、前記宿主細胞は、グラム陽性またはグラム陰性細胞などの原核細胞であり、特に、内毒素産生グラム陰性細菌細胞であり得、さらに任意選択で、宿主細胞核酸は、前記組成物中で(AnxA5タンパク質1mgあたり1,000pg、100pg、または10pg未満にもかかわらず)検出可能レベルである、請求項62〜71のいずれかに記載の組成物。

請求項73

前記組成物中のグルコノイル化AnxA5タンパク質のレベルは、前記生成物中のAnxA5タンパク質の全含量の0.5〜30%、または0.5〜20%、または0.5〜15%、または0.5〜10%の範囲内である、請求項62〜72のいずれかに記載の組成物。

請求項74

前記組成物中のグルコノイル化AnxA5タンパク質のレベルは、生成物は、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、または1%未満であり、好ましくは、実質的に0%である、請求項62〜73のいずれかに記載の組成物。

請求項75

前記AnxA5タンパク質は、Hisタグを含有せず、かつ/または1つ以上のRGDモチーフを含有しない、請求項62〜74のいずれかに記載の組成物。

請求項76

前記組成物は、薬学的に許容される及び/または獣医学的に許容される組成物である、請求項62〜75のいずれかに記載の組成物。

請求項77

薬品において使用するための請求項62〜76のいずれかに記載の組成物。

請求項78

治療を必要とするヒトまたは動物対象に請求項62または76のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、前記治療を必要とするヒトまたは動物対象を治療する方法。

技術分野

0001

本出願は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の製造のためのプロセスに関する。より特定すると、本プロセスは、AnxA5タンパク質の、とりわけ細菌宿主細胞などの組換え宿主細胞からの回収及び/または精製のためのものである。本明細書に記載されるプロセスは、非常に効率的かつ費用効果あり、薬品グレードのAnxA5タンパク質生成物を迅速かつ好都合生産するために商業規模で(例えば、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物で)使用することができる。

背景技術

0002

先行公開されたと思われる文献の本明細書での列挙または考察は、必ずしも、その文献が最新技術の一部であること、または共通一般知識であることを認めるものとして解釈されるべきではない。

0003

根底にある動脈硬化巣から形成される、アテローム性血栓症は、急性冠動脈疾患脳血管及び末梢動脈閉塞症を含む、臨床的に明らかな虚血性心血管疾患大多数の裏に潜む主要な病原性機構である。Cederholm and Frostegard,2007,Drug News Perspect.,20(5):321−6で考察されるように、アネキシンスーバーファミリーメンバーである、アネキシンA5(以前はアネキシンVとして知られた)は、強力かつ独特抗血栓性特性を備えたタンパク質である。アネキシンA5が発揮する抗血栓効果は、リン脂質、特にホスファチジルセリン機械遮蔽により、凝固反応へのそれらの可用性を低減することによって、主に媒介されると考えられている。しかしながら、その抗血栓機能に潜在的に寄与するアネキシンA5の他の興味深い特性、とりわけ、表面で発現される組織因子下方制御、またはスルファチド及びヘパリンなどのホメオスタシス関与する追加のリガンドとの相互作用、ならびにウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子上方制御報告された。大きな脈管構造及び胎盤微小循環に対する体内での内因性抗血栓性系のメンバーとしてのアネキシンA5の生物学的重要性もまた示唆されてきた。

0004

実際、アネキシンA5は、薬品において、直接的な治療効果を提供する上での広範な有用性を有することが知られている。例としては、アネキシンA5の下記の使用が挙げられる。
WO2005/099744に記載されるようなアテローム性血栓症及び/またはプラーク破裂の予防のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、
WO2009/077764に記載されるような血管機能不全治療、虚血性疼痛の低減及び/または血管疾患の治療のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、
WO2009/103977に記載されるような再狭窄の予防または治療のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、
WO2010/069605に記載されるような、酸化カルジオリピン(oxCL)の活性阻害において使用するため、及び心血管疾患、自己免疫疾患または炎症性病態を治療する、予防する及び/またはその発症リスクを低減するため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、ならびに
WO2012/136819に記載されるような、血管手術、とりわけ末梢血管手術後の合併症などの、外科的介入後の周術期または術後合併症の予防及び/または低減のため(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。

0005

かくして、アネキシンA5は、治療上の関心及び可能性が高いタンパク質を代表する。したがって、(例えば、アネキシンA5タンパク質を、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物から収集するために)商業規模の生産に合わせて規模拡大し、それに好都合に適用することができる効率的かつ費用効果のあるプロセスによって、治療グレードのアネキシンA5タンパク質を生産するための有効な方法が、差し迫って必要とされている。

0006

E.coliなどの標準的な細菌宿主細胞においてアネキシンA5を組換え的に発現させる際の特定の課題は、宿主細胞由来の構成成分による、特に内毒素による汚染である。内毒素は、共有結合によって連結された脂質ならびにO抗原外部コア及び内部コアで構成される多糖で形成されているリポ多糖LPS)である。LPSは、グラム陰性菌外膜において見出され、動物において強力な免疫応答を引き出す。アネキシンA5は、負荷電を持つリン脂質を含有する生体膜への強力な結合を特徴とし、このため、内毒素に対して特に高い親和性を有する。このことは、内毒素産生宿主からのアネキシンA5の商業規模での大規模生産をより困難にしている。

0007

現在のところ、(例えば、アネキシンA5タンパク質を、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物から収集するために)商業規模の生産に合わせて規模拡大し、それに好都合に適用することができる効率的かつ費用効果のあるプロセスによって、治療グレードのアネキシンA5タンパク質を生産するようなプロセスは全く提供されておらず、内毒素汚染に対処するやり方でのプロセスはなおさらである。

0008

1991年、Kumarは、Annexin A5の生産及び精製のためのプロセスの開発について報告した(Department of Chemical Engineering College of Engineering University of Arkansas(Fayetteville,AR)に提出された 「Expression,Purification,and Large−Scale Production of the Human Recombinant Annexin−V Protein」と題されるUndergraduate Honors College Thesis、https://uarkive.uark.edu/xmlui/handle/10826/981にてオンライン入手可能)。Kumarのプロセスは、アネキシンA5を100mL培養物フラスコ中で組換えE.coli宿主細胞において発現させ、細胞ペレット化し、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション溶解緩衝液の存在下で細胞を再懸濁させ、次いで超音波処理を介して細胞を分解して、アネキシンA5タンパク質を放出させることを伴った。CaCl2の添加により、カルシウム依存性様態で、細胞破片における細胞膜へのアネキシンA5の結合を引き起こし、次いで混合物は、20分間の第1の精製遠心分離工程に供され、その後、上清破棄され、細胞破片を含有するペレット及び結合したアネキシンA5が回収された。アネキシンA5は、EDTAを使用してペレットから放出され、これに続いて、20分間の第2の精製遠心分離工程及び上清中のアネキシンA5の収集が行われた。次いで、この後に一晩の透析を行って、アネキシンA5用の緩衝液をpH8.0のトリスHClに変更してから、DEAEセファロースカラムでの陰イオン交換、及び塩勾配を用いたアネキシンA5の溶出のさらなる工程が行われた。

0009

本出願者は、Kumarの方法に多数の制限及び欠点があることに気づいた。第1に、それは、100mL培養物を使用して小規模で実証されるにすぎず、精製プロセス中に2つの別個の遠心分離工程を必要とする。これは、高体積培養物(例えば、1000L以上)を使用する商業プロセスには効率的なやり方で規模拡大できない。下記でさらに考察されるように、かかる高体積の流体の遠心分離は、極めて時間を浪費し、費用がかかる。それでも、遠心分離は、細胞破片における膜へのアネキシンA5のカルシウム誘導性結合を用いることに依存するKumarの手法において、予備捕捉工程として必要とされる。第2に、本出願者は、Kumarの方法が、例えば、第1の精製遠心分離工程の生成物の上清中の結合していない可溶性アネキシンを処分することによって、アネキシンA5タンパク質の高損失につながることに気づいた。第3に、Kumarの方法は、治療的使用に好適なレベルまで内毒素を除去することが全くできず、最終生成物中の内毒素レベルに関して検査が何ら行われないことは注目に値する。かくして、Kumarの方法は、効率的かつ時間効果のある様態で商業的生産に規模拡大することは不可能であり、アネキシンA5タンパク質の高損失(すなわち低収率)につながり、治療的使用に好適でない低グレードのタンパク質精製をもたらす。

0010

2008年、University of Washington Medical CenterのDepartment of Laboratory Medicine、Tait Research Laboratoryは、「Production of Recombinant Annexin V from plasmid pET12a−PAPI」と題される文献を公開した。それは、https://depts.washington.edu/labweb/Faculty/Tait/108.pdfにてオンラインで入手可能である。記載された方法は、Kumarによって提案された手法と非常に類似している。この方法は、1L培養物中で組換えE.coli宿主細胞においてアネキシンA5を発現させ、細胞をペレット化し、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション/溶解緩衝液の存在下で細胞を再懸濁させ、次いで超音波処理を介して細胞を分解して、アネキシンA5タンパク質を放出させる。CaCl2の添加により、カルシウム依存性様態で、細胞破片における細胞膜へのアネキシンA5の結合を引き起こし、次いで混合物は、20分間の第1の精製遠心分離工程に供され、その後、上清が破棄され、細胞破片を含有するペレット及び結合したアネキシンA5が回収された。アネキシンA5は、EDTAを使用してペレットから放出され、続いて、20分間の第2の精製遠心分離工程及び上清中のアネキシンA5の収集が行われた。次いで、この後に透析工程を行って、アネキシンA5用の緩衝液をpH8.0のトリスHClに変更してから、Mono Qカラムでの陰イオン交換、及び塩勾配を用いたアネキシンA5の溶出のさらなる工程が行われた。本出願者は、Kumarの方法における多数の制限及び欠点がこの方法にも当てはまることに気づいた。

0011

2014年、アネキシンA5の精製のためのさらなる方法が、「Production of recombinant human annexin V by fed−batch cultivation」と題されるMarder et al.,2014,BMCBiotechnology,14:33において提案された。Marderらは、その方法が、組換えヒトアネキシンVを大規模に生産する流加法であることを報告し、この方法は、組換えヒトアネキシンA5の商業的有用性を、例えば体内画像化研究における用途に拡大し得ることが提案される。

0012

それでも再び、Marderらの方法は、Kumarによる1991年の方法及びUniversity of Washington Medical CenterのDepartment of Laboratory Medicineによる2008年の方法と非常に類似している。Marderらは、2L槽に保持された1L培養物中で、組換えE.coli宿主細胞においてアネキシンA5を発現させる。考察されるように(Marderらの「the Methods」の「the Purification」節で)、収集された細胞は、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション/溶解緩衝液(緩衝液A)の存在下で再懸濁させられ、次いで細胞は、超音波処理を介して分解されて、アネキシンA5タンパク質を放出させた。CaCl2の添加により、カルシウム依存性様態で、細胞破片における細胞膜へのアネキシンA5の結合を引き起こし、次いで混合物は、30分間の第1の精製遠心分離工程に供され、その後、上清が破棄され、細胞破片を含有するペレット及び結合したアネキシンA5が回収された。アネキシンA5は、EDTAを使用してペレットから放出され、続いて、30分間の第2の精製遠心分離工程及び上清中のアネキシンA5の収集が行われた。次いで、この後に透析工程を行って、アネキシンA5用の緩衝液をpH8.0のトリスHClに変更してから、20分間の第3の精製遠心分離工程を行って残留沈殿物を除去し、次いでMono Qカラムでの陰イオン交換、及び塩勾配を用いたアネキシンA5の溶出のさらなる工程が行われた。再び、本出願者は、Kumarの方法における多数の制限及び欠点がこの方法にも当てはまることに気づいた。

0013

Kumarによる1997年の方法及びUniversity of Washington Medical CenterのDepartment of Laboratory Medicineによる2008年の方法、及びMarderによる2014年の方法は、当該技術分野がアネキシンA5生成物の商業目的での生産及び精製への手法を開発及び確立したことを明確に示すが、これらの方法における欠点は、容易に利用可能な代替手段がないまま当該技術分野で理解されなかった。

0014

アネキシンA5回収のためのこれらの先行技術の方法のすべては、研究室規模のプロセスでのみ実証されたものであり、規模拡大に向けて採用すること、またはより大きな規模で利用可能な業界標準もしくは機器を考慮に入れることができない。本プロセスは、それらを大規模な製造に不適当にする固有不利益を有する。特に、これらの先行技術のプロセスの非常に制限的な特長は、アネキシンA5が代替的に溶液中にあるかまたは沈殿物としてのものである場合に本プロセスが必要とする2回または(Marderらによる2014年の方法の場合)3回の高G力遠心分離である。2回のみの遠心分離工程を1つの1000Lバッチのプロセシングに適用することは、いかなる装備の整ったバイオ製造施設においても1日12時間のシフトで約12週間を要するであろうプロセスをもたらすことが合理的に推定され得、これは許容されない高い生産費用をもたらす。比較例1を参照されたい。

0015

したがって、商業規模で運転される製造プロセスのために(例えば、約1000L以上の培養体積を有する組換え宿主細胞培養物)、効率的かつ費用効果のあるアネキシンA5の精製及び回収のための方法論的工程を提供すること、またさらに、先行技術のプロセスが被る収率損失及び低純度(内毒素汚染を含む)を克服することが、本発明の目的である。

0016

本発明の方法によって生産される薬品グレードのアネキシンA5生成物を提供することもまた本発明の目的である。

0017

本出願者は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の生産のためのプロセスに対して多数の開発及び改善を行ってきて、既存のプロセスを改善するために独立して使用及び/または組み合わせて使用され得るいくつかの非常に効率的な精製工程を考案した。最も好ましくは、アネキシンA5の生産のための本プロセスは、開発されたプロセス工程のすべてを含む。

0018

特に、本出願者の開発は、AnxA5タンパク質が好ましくは、(クロマトグラフ樹脂に一時的に結合した場合を除いて)プロセス全体を通して溶液中にとどまる方法を介して、AnxA5タンパク質の回収のための非常に効率的なプロセスの可能性を提供する。つまり、本出願者の開発は、好ましくは、AnxA5タンパク質の宿主細胞からの放出の後にいかなる精製遠心分離工程をAnxA5タンパク質に適用することも要せずに行われ得る、AnxA5タンパク質の回収のためのプロセスを提供する。沈殿物を収集するための高G力遠心分離は、大規模なバイオ薬品製造プラントにおいて適用することが困難で、時間がかかり、かつ高価であるため、これは莫大な工業上の有益性を有する。さらに、これは、アネキシンA5が内毒素などの望ましくない汚染物質とともに共精製されることをしばしば引き起こし得る、膜(例えば宿主細胞膜及び/またはリポソーム)に結合するアネキシンA5の能力に依存することなく、本発明のプロセスがすべて行われ得ることを意味する。

0019

したがって、本プロセスは、1つ以上の精製遠心分離工程によって引き起こされる隘路を伴わずに、非常に時間効率的なやり方で宿主細胞の高体積(例えば、約100L、500L、1,000L、5,000L、10,000L、50,000L、100,000Lまたはそれを超える)培養物のプロセシングに適用することができる。例えば、処理される宿主細胞培養物1,000Lあたり精製プロセスが5、4、3、2週間で、またはそれ未満、最も典型的には1週間未満で実施されることが好ましくあり得る。なおもさらに、本プロセスを用いて、驚くべきことに、より時間のかかる効率性の低い先行技術のプロセスと比較して、改善された収率及び/または改善された純度(例えば、改善された内毒素除去を含む)を提供することができる。

0020

したがって、本発明の第1の態様は、宿主細胞からのタンパク質放出の改善された工程を提供する。より具体的には、それは、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含む組換え的に発現された細胞内タンパク質の、細胞壁を持つ内毒素産生宿主細胞からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、該プロセスは、細胞内タンパク質を宿主細胞から放出させることを含み、細胞内AnxA5タンパク質を放出させる工程が、非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で実施されることを特徴とする、プロセスを提供する。好ましくは、非イオン性洗剤は、ポリソルベート、より好ましくはTween20及びTween80から選択されるポリソルベート、最も好ましくはTween80である。

0021

本出願者はまた、精製工程の順次の追加に伴い収率の損失が増加し続ける(生成物が各工程で失われるため)従来の方法とは対照的に、陰イオン交換工程及びヘパリン親和性クロマトグラフィー工程の組み合わせが、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程単独でも得られる高純度を、ただし実質的に増加した収率を伴って(すなわち回収率は、約30〜40%から約70〜90%に増加する)、達成するという驚くべき有益性を有することを発見した(下記の実施例2でさらに考察される)。これは、精製工程の組み合わせから通常予想されるであろうものとは正反対である。

0022

したがって、本発明第2の態様は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液からの回収及び/または精製のためのプロセスを提供し、本方法は、
第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液を陰イオン交換樹脂に供することと、
第1の陰イオン交換生成物を直接または間接的に親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産することと、を含む。

0023

好ましくは、本発明の第2の態様のプロセスに従って、親和性クロマトグラフィー工程は、AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み得、任意選択で、この結合は、カルシウムイオンの存在によって促進され、さらに任意選択で、AnxA5タンパク質は、EDTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含有する溶出緩衝液を使用して、固定化ヘパリンから溶出される。

0024

それに加えて、実施例3で考察されるように、本出願者は、Tween80がヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に対して特に有利な効果を有する(Tween20などの他のTweensを含めた、他の非イオン性洗剤と比較して)ことを発見した。Tween 80を、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に使用される緩衝液中に例えば0.1%(w/v)前後で組み込むことは、AnxA5タンパク質の単一ピークでの溶出を補助し、圧力を低減し、沈殿を防止し得る。

0025

したがって、本発明第3の態様は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液からの回収及び/または精製のためのプロセスを提供し、本方法は、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物(本明細書で考察される、第1の陰イオン交換クロマトグラフィー捕捉工程の直接または間接的生成物である場合もそうでない場合もある)を含む溶液を、Tween80の存在下で(好ましくは約0.1w/v%Tween80の存在下で)ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産することを含む。

0026

本発明の第4の態様は、カルシウム金属イオンキレート剤(例えば、EDTA)が陰イオン交換工程の有効性に悪影響を及ぼし得るという本出願者の気づきに基づく。遊離EDTA(または他のキレート剤)は、陰イオン交換官能基直接結合し得、それによって、陰イオン交換工程によって達成される容量、及びさらには分離も低減する。他方で、陰イオン交換工程前にカルシウム金属イオンキレート剤を除去しようとする試みは、時間を浪費し、しがたって費用もまた増加させる。したがって、緩衝液交換のために緩徐な透析工程を伴う先行技術の方法は、非効率的である。さらに、陰イオン交換工程中にカルシウム金属イオンキレート剤をAnxA5生成物に組み込む際に、AnxA5タンパク質の、内毒素を含む不純物へのカルシウム媒介性結合を防止するために重要な構成要素であり得る。したがって、カルシウムイオンキレート剤の陰イオン交換樹脂への結合を遮断または低減し、陰イオン交換工程が、透析に関連する不都合及び費用を伴わずに、また陰イオン交換工程中のカルシウム金属イオンキレート剤の有益な効果を阻止することなく行われることを可能にする、添加剤を導入することは、好都合かつ効果的であろう。

0027

本出願者は、陰イオン交換の前にAnxA5タンパク質生成物へのまたは1種類以上の追加の選択された金属イオンの組み込みによってこれが達成され得ることに気づき、この追加の選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される。適切な追加の金属イオンの選択は、カルシウムイオンキレート剤の性質及び陰イオン交換樹脂の性質に左右されるであろう。例えば、EDTAをカルシウムイオンキレート剤として使用する場合、Mg2+イオンが一般に本発明の目的を達成するのに好適であり、陰イオン交換工程の前にAnxA5タンパク質生成物に添加され得る。

0028

したがって、本発明の第4の態様は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、
該プロセスが、陰イオン交換工程を行い、それによって、AnxA5タンパク質を組成物から回収及び/または精製するために、組成物を陰イオン交換樹脂に供することを含むことを特徴とし、
該陰イオン交換工程が、追加の選択された金属イオンの存在下で実施されることをさらに特徴とし、
この追加の選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される、プロセスを提供する。

0029

本発明の第5の態様は、AnxA5タンパク質を含む組成物を提供し、この組成物は、本発明の第1、第2、第3または第4の態様のいずれかによるプロセスの直接または間接的(またはそれによって直接または間接的に得ることができる)生成物である。任意選択で、組成物は、薬学的に許容される及び/または獣医学的に許容される組成物である。

0030

本発明の第6の態様もまた、薬品において使用するための本発明の第5の態様の組成物を提供する。別の言い方をすれば、本発明の第6の態様は、治療を必要とするヒトまたは動物に、治療上有効量の本発明の第5の態様の組成物を投与することを含む方法を提供する。

0031

本明細書に記載されるいずれの方法または組成物も、本明細書に記載されるいずれの他の方法または組成物に関して実施され得ることが企図される。

0032

特許請求の範囲及び/または本明細書において「含む(comprising)」という用語と併用される場合の「a」または「an」という語の使用は、「1つ」を意味し得るが、それはまた、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つよりも多く」の意味とも一貫している。

0033

本発明のこれらの及びさらなる態様は、次の説明及び添付の図面と併せて考慮するときによりよく認識及び理解されるであろう。しかしながら、次の説明は、本発明の種々の態様及び実施形態ならびにそれらの多数の具体的な詳細を示しながらも、限定ではなく例示として与えられていることが理解されるべきである。本発明の範囲内で、その趣旨から逸脱することなく多くの置換改変、追加及び/または再配置が行われてよく、本発明は、すべてのかかる置換、改変、追加及び/または再配置を含む。

図面の簡単な説明

0034

ヒトアネキシンA5の配列である、配列番号1の配列を示す。
ヒトアネキシンA5の配列である、配列番号1の配列を示す。
アネキシンA5の例となる完全な製造プロセスの概略的流れ図を示す。
例となるAX捕捉クロマトグラフィーについてのプロセス流れ図を提供する。
例となる中間親和性クロマトグラフィーについてのプロセス流れ図を示す。
例となるAX精錬クロマトグラフィー工程についてのプロセス流れ図を示す。
アネキシンA5の例となる限外透析濾過及び製剤化についてのプロセス流れ図を示す。
アネキシンA5のヘパリン親和性クロマトグラフィー精製に及ぼすTween80の影響を実証する、実施例3の結果を示し、このうち図7Aは、試験1(Tween80を含まない)についての結果を示し、図7Bは、試験2(Tween80を含む)についての結果を示す。
アネキシンA5のヘパリン親和性クロマトグラフィー精製に及ぼすTween80の影響を実証する、実施例3の結果を示し、このうち図7Aは、試験1(Tween80を含まない)についての結果を示し、図7Bは、試験2(Tween80を含む)についての結果を示す。

0035

A.アネキシンA5タンパク質
本発明は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の精製及び/または回収のための方法、ならびにこのようにして生産された、AnxA5タンパク質を含む生成物及び製剤に関する。

0036

本発明の一実施形態において、精製及び/または回収されたAnxA5タンパク質は、N末端メチオニンを含んでも含まなくても、ヒトアネキシンA5(図1に示される配列番号1)の配列を有するタンパク質を含み得る、それから本質的になる、またはそれからなる。

0037

別の実施形態において、精製及び/または回収されたAnxA5タンパク質は、N末端メチオニンを含んでも含まなくても、ヒトアネキシンA5(図1に示される配列番号1)の配列を有するタンパク質のバリアントまたは変異体を含み得る、それから本質的になる、またはそれからなる。例えば、バリアントまたは変異体は、任意の1つ以上の位置において、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160個またはそれよりも多くの位置において、または最大その個数の位置において、配列番号1とは異なり得る(N末端メチオニンを含んでも含まなくても)。

0038

それゆえ、アネキシンA5のバリアントまたは変異体は、保存的であれ非保存的であれ1つ以上の位置においてアミノ酸挿入、欠失、または置換が行われた、タンパク質であり得る。好ましくは、この変化は、アネキシンA5に対して同等の様態で機能する基本的特性が著しく変化させられていないタンパク質をもたらす。この関連における「著しく」とは、バリアントの特性が元のタンパク質の特性と比べて依然として異なり得るが、自明でないこともない、と当業者がいうところの意味である。

0039

好ましくは、バリアントまたは変異体の等電位点(pI)は、未修飾タンパク質と比較して変化させられないか、または1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2もしくは0.1pH単位を超えては変更されない。

0040

好ましい実施形態において、AnxA5タンパク質は、好ましくは、同じ条件下でヒトアネキシンA5(配列番号1)によって示されるレベルの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または約100%であるレベルで、生体膜上のホスファチジルセリンに結合可能である。生体膜上のホスファチジルセリンへのアネキシンA5結合を測定するのに好適な方法は、当該技術分野で知られている(Vermes et al.(1995)J Immunol Methods,184(1):p.39−51)。

0041

保存的置換」とは、Gly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;及びPhe、Tyrなどの意図される組み合わせである。

0042

バリアント及び変異体は、当該技術分野で周知のタンパク質工学法及び部位特異的突然変異誘発法を用いて作製され得る。

0043

さらなる実施形態において、精製及び/または回収されたAnxA5タンパク質は、N末端メチオニンを含んでも含まなくても、ヒトアネキシンA5(図1に示される配列番号1)の配列を有するタンパク質、または上述されるようなそのバリアントもしくは変異体を含む、それから本質的になる、またはそれからなるタンパク質の二量体であり得る。

0044

さらなる実施形態において、精製及び/または回収されたAnxA5タンパク質は、融合タンパク質であり得、その融合タンパク質は、次のものを含む、それから本質的になる、またはそれからなる。(a)N末端メチオニンを含んでも含まなくても、ヒトアネキシンA5(図1に示される配列番号1)の配列を有するタンパク質、または上述されるようなそのバリアントもしくは変異体、または二量体に融合された、融合パートナーの配列を含む1つ以上のタンパク質配列、(b)N末端メチオニンを含んでも含まなくても、ヒトアネキシンA5(図1に示される配列番号1)の配列を有するタンパク質、または上述されるようなそのバリアントもしくは変異体、または二量体を含む、それから本質的になる、またはそれからなる1つ以上のタンパク質配列。例えば、限定することなく、融合タンパク質は、次のものから選択される一般構造を有してもよい。
−2つのアミノ酸配列の融合の場合、例えば、H2N−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−COOH、または
−3つのアミノ酸配列の融合の場合、例えば、H2N−(a)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−COOH、または
−4つのアミノ酸配列の融合の場合、例えば、H2N−(a)−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−(b)−COOH、または
−5つのアミノ酸配列の融合の場合、例えば、またはH2N−(a)−(a)−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(a)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(a)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(a)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(a)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(a)−(b)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(a)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−(b)−(a)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(b)−(a)−(a)−COOH、もしくはH2N−(a)−(b)−(b)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(a)−(b)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(a)−(b)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(b)−(a)−(b)−COOH、もしくはH2N−(b)−(b)−(b)−(b)−(a)−COOH、
ここで(a)及び(b)は、この段落の上記に定義される通りである。(a)によって定義される複数の融合パートナータンパク質の場合、複数の融合パートナーは、同じであっても、異なってもよい。目的とするいずれの融合パートナーも使用されてよい。例えば、融合パートナーポリペプチド配列複数可)は、患者循環系内での分子半減期延長させる及び/またはさらなる機能性を分子に付与する、例えば、追加の治療的特性(例えば、抗凝固、細胞阻害及び/または殺傷など)を付与するのに好適であり得る。N末端メチオニンを含んでも含まなくても、ヒトアネキシンA5(図1に示される配列番号1)の配列、または上述されるようなそのバリアントもしくは変異体、または二量体を有する複数のタンパク質配列を含む、(b)によって定義される融合タンパク質の場合、それらのタンパク質は、同じであっても、異なってもよい。

0045

本発明のさらなる実施形態において、精製及び/または回収されたAnxA5タンパク質は、下記から選択されるアネキシンA5の配列またはその機能的バリアントもしくは変異体を含む、それから本質的になる、またはそれからなるタンパク質であり得る。
a)N末端メチオニンを含むまたは含まないヒトアネキシンA5(配列番号1)、
b)ヒトアネキシンA5の哺乳類オルソログ
c)a)またはb)の対立遺伝子または遺伝子バリアント
d)a)、b)またはc)のうちのいずれかと50%、60%、70%、75%超、例えば80%、85%超、90%超、またはさらにより好ましくは95%もしくは99%超同一であるタンパク質、
e)a)、b)、c)またはd)の二量体、あるいは
f)a)、b)、c)、d)またはe)のうちのいずれかに融合された、1つ以上の融合パートナーを含む融合タンパク質。

0046

特定の実施形態において、AnxA5タンパク質は、N末端メチオニンを含むまたは含まないヒトアネキシンA5、配列番号1と50%、60%、70%、75%超、例えば80%、85%超、90%超、またはさらにより好ましくは95%もしくは99%超同一である、アネキシンA5の機能的バリアントまたは変異体である。

0047

2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、次のように決定される。まず、アミノ酸配列が、BLASTN第2.0.14版及びBLASTP第2.0.14版を含むBLASTZのスタンドアロン版からのBLAST 2 Sequences(Bl2seq)プログラムを用いて、例えば、配列番号1と比較される。このBLASTZのスタンドアロン版は、ncbi.nlm.nih.govにて、米国政府のNational Center for Biotechnology Informationのウェブサイトから入手することができる。Bl2seqプログラムの使用方法を説明する説明書は、BLASTZに付随するreadmeファイル見出すことができる。Bl2seqは、BLASTPアルゴリズムを用いて2つのアミノ酸配列間の比較を行う。2つのアミノ酸配列を比較するには、Bl2seqのオプションが次のように設定される。−iは、比較対象の第1のアミノ酸配列を含むファイルに対して設定され(例えば、C:\seq1.txt)、−jは、比較対象の第2のアミノ酸配列を含むファイルに対して設定され(例えば、C:\seq2.txt)、−pは、blastpに対して設定され、−oは、任意の所望のファイル名に対して設定され(例えば、C:\output.txt)、すべての他のオプションは、それらのデフォルト設定のままである。例えば、次のコマンドを使用して、2つのアミノ酸配列間の比較を含む出力ファイルを生成することができる。C:\Bl2seq −i c:\seq1.txt −j c:\seq2.txt −p blastp −o c:\output.txt。2つの比較された配列が相同性共有する場合、指定の出力ファイルは、整列された配列としてそれらの相同性領域提示する。2つの比較された配列が相同性を共有しない場合、指定の出力ファイルは、整列された配列を提示しない。いったん整列されると、両配列において同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が提示されている位置の数を数えることによって、一致の数が決定される。

0048

同一性パーセントは、一致の数を、特定された配列において示される配列の長さで除し、続いて結果として得られた値に100を乗ずることによって決定される。例えば、配列が配列番号1に示される配列と比較され(配列番号1に示される配列の長さは320である)、一致の数が288である場合、その配列は、配列番号1に示される配列に対して90の同一性パーセントを有する(すなわち、288÷320×100=90)。

0049

AnxA5タンパク質は、アネキシンA5の二量体(ダイアネキシンなど)またはその機能的バリアントもしくは変異体であり得る。ダイアネキシンA5は、WO02/067857に開示される。

0050

好ましくは、AnxA5タンパク質はHisタグを含まず、その回収及び精製は、Hisタグ配列への親和性結合工程を使用しては達成されない。

0051

Hisタグは、少なくとも6つのヒスチジン(His)残基から典型的になり、タンパク質のN末端またはC末端にあることが多い(必ずしもそうではないが)、タンパク質におけるポリヒスチジンアミノ酸モチーフである。ポリヒスチジンタグは、様々な種類で市販されている、結合した二価ニッケルまたはコバルトイオンを含有する親和性樹脂とのインキュベーションによる、Escherichia coli及び他の原核性発現系において発現されるポリヒスチジンタグ付き組換えタンパク質親和性精製に使用されることが多い。これらの樹脂は、一般に、ポリヒスチジンタグがマイクロモル親和性で結合する、ニッケル用のイミノ二酢酸(Ni−IDA)及びニトリロ三酢酸(Ni−NTA)、ならびにコバルト用のカルボキシメチルアスパラギン酸(Co−CMA)などのキレート剤で官能化された、セファロース/アガロースである。樹脂は次いで典型的に、コバルトまたはニッケルイオンと特異的に相互作用しないタンパク質を除去するために、リン酸緩衝液洗浄される。Ni系の方法の場合、20mMイミダゾールの添加によって洗浄効率を改善することができる(タンパク質は通常、150〜300mMイミダゾールで溶出される)。

0052

Hisタグ手法は精製に好都合であるが、AnxA5タンパク質を含めた治療的タンパク質における非天然ポリヒスチジンモチーフの存在は、それが免疫学的反応などの患者の有害反応につながり得るため、望ましくない。代替的に、タンパク質生産後にHisタグモチーフを除去しようと試みることは、煩雑で時間や費用がかかり、実際、Hisタグが除去されたタンパク質調製物は典型的に、1つ以上の異質ヒスチジン残基を保持するであろう。

0053

結果として、好ましくは、AnxA5タンパク質はHisタグを含まず、その回収及び精製は、Hisタグ配列への親和性結合工程を使用しては達成されない。

0054

本発明のAnxA5タンパク質は、WO2010/140886に開示されるように(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、1つ以上の、例えば最大20個のRGDアルギニン−グリシン−アスパラギン酸)モチーフを含むように修飾されている、ヒトアネキシンA5の配列を有するタンパク質のバリアントまたは変異体のバリアントである場合も、そうでない場合もある(好ましくは、そうでない)。WO2010/140886に記載されるように、1つ以上のRGDモチーフの付加を用いて、アポトーシス細胞上のホスファチジルセリン(PS)に結合するAnxA5バリアントを使用することによる食作用強化し、食作用を阻害する代わりにアポトーシス細胞を飲み込むように食細胞を活性化することができる。

0055

B.宿主細胞培養物
AnxA5タンパク質は、宿主細胞培養物中で組換え的に発現され得る。本発明による、AnxA5タンパク質を発現する好ましい宿主細胞培養物は、AnxA5タンパク質生産のために商業規模にある培養物、例えば、約100L、約200L、約300L、約400L、約500L、約600L、約700L、約800L、約900L、約1,000L、約2,000L、約3,000L、約4,000L、約5,000L、約6,000L、約7,0000L、約8,0000L、約9,0000L、約10,000L、約20,000L、約30,000L、約40,000L、約50,000L、約60,000L、約70,0000L、約80,0000L、約90,0000L、約100,000Lまたはそれよりも高い培養体積を有する培養物である。この関連における「約」という用語は、定められた体積の±50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%または1%の意味を含み得る。

0056

目的となる遺伝子の組換え発現のための方法は、当該技術分野でよく知られている。

0057

典型的には、AnxA5タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、宿主細胞培養物中で組換え的に発現される。例えば、AnxA5タンパク質をコードする配列は、AnxA5タンパク質をコードする配列を含むプラスミドまたは他のベクターでの宿主細胞の形質転換によって、宿主細胞に導入されてもよく、任意選択で、AnxA5タンパク質をコードする配列は、宿主細胞染色体(またはプラストーム)に組み込まれるか、または複製可能な染色体外ベクター上で維持される。

0058

したがって、宿主細胞は、AnxA5タンパク質をコードする配列を含むポリヌクレオチドベクター構築物で形質転換され得る。

0059

宿主細胞は、原核性または真核性のいずれでもあり得る。

0060

細菌細胞が、本発明の関連において好ましい原核性宿主細胞である。細菌宿主細胞は、例えば、グラム陽性であっても、グラム陰性宿主細胞であってもよい(だがグラム中性(gram−neutral)及びグラム不定菌もまた使用されてよい)。グラム陰性菌の例としては、Escherichia coli、Salmonella、Shigella、Pseudomonas、Neisseria、Haemophilus influenzae、Bordetella pertussis及びVibrio choleraが挙げられるが、これらに限定されない。

0061

少なくとも本発明の第1の態様の関連において、任意選択で、本発明のすべての態様の関連において、宿主細胞は、細胞壁を持つ内毒素産生宿主細胞であり、それゆえ、典型的に、E.coli、例えば、Bethesda Research Laboratories Inc.(Bethesda、MD、USA)から入手可能なE.coli株DH5、及びRockville,MD,USAのAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能なRR1(番号ATCC 31343)などのグラム陰性菌である。

0062

錯誤回避のために、「細胞壁を持つ内毒素産生宿主細胞」という用語は、Saccharomyces cerevisiaeなどの酵母、及び他の真核細胞を除外するように解釈され得る。

0063

E.coliのさらなる特に好ましい内毒素産生株には、(例えば、広く市販されており、Marder et al., 2014,BMCBiotechnology, 14:33に記載されるような)株BL21(DE3)が含まれる。しかしながら、本出願者は、BL21(DE3)から発現されたアネキシンA5が驚くべきことに、アネキシンA5タンパク質の約40%がグルコノイル化されたといった、予想外高レベルの望ましくない翻訳後グルコノイル化を呈することを見出した。これは、典型的にほんの約5〜10%のグルコノイル化のレベルを示す、BL21(DE3)において組換え的に発現されたほとんどの他のタンパク質のグルコノイル化のレベルよりもはるかに高い。したがって、E.coliの内毒素産生株が、例えば、Aon et al.(Appl.Env.Microbiol.,2008,74(4):950−958に記載されるように(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)、ホスホグルコノラクトナーゼPGL)を過剰発現させ、それによって、組換え的に発現されたタンパク質の翻訳後グルコノイル化を抑制し、ゆえに、AnxA5タンパク質のグルコノイル化バリアントの形成を、40%を下回る、例えば30%、20%、10%、9%8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%を下回る、好ましくは実質的に0%のレベルまで抑制することによって、AnxA5タンパク質のグルコノイル化のレベルを低減するように操作されているBL21(DE3)の株であることが、さらにより好ましい。

0064

典型的に、本発明において使用するための細菌宿主細胞は、壁を持つ細菌宿主細胞であり、したがって好ましくは、スフェロプラストなどの(Liu et al,2006,J.Exp.Microbiol.,9:81−85に記載されるものなど(その内容は参照により本明細書に組み込まれる))、細胞壁及び(グラム陰性菌の場合)外膜を欠く細胞を除外する。スフェロプラストは、本出願の関連において、内毒素産生宿主細胞ではなく、細胞壁を有しない。スフェロプラストは、特に、大体積培養物中で生産的に成長させられるそれらの能力を重大に制限する細胞壁の不在によるそれらの感受性及び虚弱性に起因して、商業規模生産に全く適しない。

0065

任意選択で、宿主細胞は、浸透圧ショック及び/または凍結融解処理によって溶解されることのできない細胞壁を持つ、内毒素産生宿主細胞である。

0066

さらなる選択肢では、宿主細胞培養物は、宿主細胞が耐性を有しない抗生物質の存在下で、及び任意選択でいかなる抗生物質の存在下でも、宿主細胞が培養されない、または培養されたことのない培養物である。回避すべき具体的な抗生物質は、一実施形態において、アンピシリンなどの、スフロブラスト(spheroblast)の形成をもたらす抗生物質である。

0067

真核性宿主細胞には、酵母、及び哺乳類細胞、好ましくは、マウスラットサルまたはヒト線維芽細胞由来のものなどの脊椎動物細胞である。酵母宿主細胞には、Stratagene Cloning Systems(La Jolla、CA 92037、USA)から一般に入手可能であるYPH499、YPH500及びYPH501が含まれる。好ましい哺乳類宿主細胞には、CCL61としてATCCから入手可能なチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、CRL1658としてATCCから入手可能なNIHスイスマウス胚細胞NIH/3T3、及びCRL1650としてATCCから入手可能なサル腎臓由来COS−1細胞が含まれる。好ましい昆虫細胞は、バキュロウイルス発現ベクタートランスフェクトされ得るSf9細胞である。

0068

典型的な原核性ベクタープラスミドは、Biorad Laboratories(Richmond、CA、USA)から入手可能なpUC18、pUC19、pBR322及びpBR329、Pharmacia(Piscataway、NJ、USA)から入手可能なpTrc99A、pKK223−3、pKK233−3、pDR540及びpRIT5、pBSベクター、Stratagene Cloning Systems(La Jolla、CA 92037、USA)から入手可能なPhagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16A、pNH18A、pNH46Aである。

0069

典型的な哺乳類細胞ベクタープラスミドは、Pharmacia(Piscataway、NJ、USA)から入手可能なpSVLである。このベクターは、SV40後期プロモータを使用して、クローニングされた遺伝子の発現を誘導し、このうち最も高い発現レベルは、COS−1細胞などのT抗原産生細胞において見出される。誘導性哺乳類発現ベクターの例は、同じくPharmacia(Piscataway、NJ、USA)から入手可能なpMSGである。このベクターは、マウス乳房腫瘍ウイルス長い末端反復グルココルチコイド誘導性プロモータを使用して、クローニングされた遺伝子の発現を誘導する。

0070

有用な酵母プラスミドベクターは、pRS403−406及びpRS413−416であり、これらはStratagene Cloning Systems(La Jolla、CA 92037、USA)から一般に入手可能である。プラスミドpRS403、pRS404、pRS405及びpRS406は、酵母組み込みプラスミド(YIps)であり、酵母選択性マーカーHIS3、TRP1、LEU2及びURA3を組み込む。プラスミドpRS413−416は、酵母セントロメアプラスミド(YCps)である。

0071

当業者に周知の方法を用いて、AnxA5タンパク質コード配列、及び例えば、適切な転写または翻訳制御配列を含有する、発現ベクターを構築することができる。1つのかかる方法は、ホモポリマーテールを介したライゲーションを伴う。ホモポリマーであるポリdA(またはポリdC)テールが、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼによって、クローニング対象DNA断片上の露出した3’OH基に付加される。すると断片は、直鎖状にされたプラスミドベクターの末端に付加されたポリdT(またはポリdG)テールにアニーリング可能である。アニーリングの後に残されたギャップは、DNAポリメラーゼによって埋められ得、遊離末端(free end)がDNAリガーゼによって連結され得る。

0072

別の方法は、付着末端を介したライゲーションを伴う。適合性の付着末端は、好適な制限酵素の作用によってDNA断片及びベクター上で生成され得る。これらの末端は、相補的塩基対合により迅速にアニーリングし、残ったニックが、DNAリガーゼの作用によってつなげられ得る。

0073

さらなる方法は、リンカー及びアダプターと呼ばれる合成分子を使用する。平滑末端を有するDNA断片が、突出した3’末端を除去し、陥凹した3’末端を埋めるバクテリオファージT4DNAポリメラーゼまたはE.coli DNAポリメラーゼIによって生成される。規定の制限酵素のための認識配列を含有する平滑末端2本鎖DNAの片である、合成リンカーが、T4DNAリガーゼによって平滑末端DNA断片にライゲーションされ得る。それらはその後、適切な制限酵素で消化されて付着末端を作り出し、適合性末端を有する発現ベクターにライゲーションされる。アダプターもまた、ライゲーションに使用される1つの平滑末端を含有するが、1つの実施された付着末端も保有する、化学合成されたDNA断片である。

0074

多様な制限エンドヌクレアーゼを含有する合成リンカーが、Biotechnologies Inc(New Haven,CN,USA)を含むいくつかの供給源から市販されている。

0075

AnxA5タンパク質をコードするDNAを修飾する望ましいやり方は、Saiki et al(1988)Science 239,487−491によって開示されるようなポリメラーゼ連鎖反応を使用することである。この方法において、酵素的増幅される対象となるDNAには、2つの特定のオリゴヌクレオチドプライマーが隣接し、これらのオリゴヌクレオチドプライマー自体が増幅されたDNAに組み込まれるようになる。該特定のプライマーは、当該技術分野で既知の方法を用いた発現ベクターへのクローニングに使用され得る、制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含有してもよい。

0076

適切な細胞宿主の、AnxA5タンパク質をコードする配列を含むDNA構築物での形質転換は、典型的には使用されるベクターの種類に応じた周知の方法によって遂行される。

0077

原核性宿主細胞の形質転換に関しては、例えば、Cohen et al(1972)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69、2110及びSambrook et al(2001)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd Ed.Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NYを参照されたい。酵母細胞の形質転換は、Sherman et al(1986)MethodsIn Yeast Genetics,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY.に記載される。Beggs(1978)Nature 275、104−109の方法もまた有用である。脊椎動物細胞に関しては、かかる細胞をトランスフェクトする際に有用な試薬、例えば、リン酸カルシウム及びDEAE−デキストランまたはリポソーム製剤は、Stratagene Cloning Systems、またはLife Technologies Inc.(Gaithersburg,MD 20877,USA)から入手可能である。

0078

エレクトロポレーションもまた細胞の形質転換に有用であり、酵母細胞、細菌細胞及び脊椎動物細胞の形質転換に関して当該技術分野でよく知られている。

0079

例えば、多くの細菌種は、Luchansky et al(1988)Mol.Microbiol.2,637−646に記載される方法(参照により本明細書に組み込まれる)によって形質転換されてもよい。25μFDで1cmあたり6250Vを使用した2.5倍PEBに懸濁させたDNA−細胞混合物のエレクトロポレーションの後に、最大数形質転換体が一貫して回収される。

0080

エレクトロポレーションによる酵母の形質転換のための方法は、Becker & Guarente(1990)MethodsEnzymol.194,182に開示される。

0081

DNAを動物及び植物細胞に導入するために物理的方法が使用されてもよい。例えば、マイクロインジェクションは、非常に微細ピペットを使用して、DNA分子を直接、形質転換対象の細胞の核に注入する。別の例は、高速ミクロ射出粒子、通常は、DNAでコーティングされた金またはタングステンの粒子での細胞の砲撃を伴う。

0082

成功裏に形質転換された細胞、すなわち、AnxA5タンパク質をコードする配列を含むDNA構築物を含有する細胞は、周知の技法によって特定することができる。例えば、1つの選択技法は、発現ベクターに、形質転換された細胞の選択可能な形質をコードするDNA配列マーカー)を組み込むことを伴う。これらのマーカーは、真核細胞培養物のためにはジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418またはネオマイシン耐性、及びE.coli及び他の細菌中での培養のためにはテトラサイクリンカナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子を含む。代替的に、かかる選択可能な形質に対する遺伝子は、所望の宿主細胞の共形転換に使用される、別のベクター上にあり得る。

0083

マーカー遺伝子を使用して形質転換体を特定することができるが、細胞のうちのどれが組換えDNA分子を含有し、どれがセルフライゲーションされたベクター分子を含有するかを決定するのが望ましい。これは、クローニングベクターを使用して達成することができ、ここでDNA断片の挿入が、その分子上に存在する遺伝子のうちの1つの完全性破壊する、したがって、組換え体が、その遺伝子の機能喪失のゆえに特定され得る。

0084

成功裏に形質転換された細胞を特定する別の方法は、AnxA5タンパク質をコードする配列を含む発現構築物の導入からもたらされる細胞を成長させて、本発明のポリペプチドを産生させることを伴う。細胞は採取及び溶解され得、それらのDNA含量が、Southern(1975)J.Mol.Biol.98,503またはBerent et al(1985)Biotech.3,208によって記載される方法などの方法を用いて、そのDNAの存在について検査され得る。代替的に、上清中のタンパク質の存在は、下記に記載されるように抗体を使用して検出することができる。

0085

組換えDNAの存在について直接アッセイすることに加えて、組換えDNAがタンパク質の発現を指示可能である場合、成功裏の形質転換は、周知の免疫学的方法によって確認することができる。例えば、発現ベクターで成功裏に形質転換された細胞は、適切な抗原性を呈するタンパク質を産生する。形質転換されていることが疑われる細胞の試料が、採取され、好適な抗体を使用してタンパク質についてアッセイされる。

0086

それゆえ、形質転換宿主細胞自体を培養して、AnxA5タンパク質を発現する培養物形質転換宿主細胞を提供することができる。培養物は、栄養培地中の、モノクローナルクローン的に同種)培養物、またはモノクローナル培養物に由来する培養物であり得る。

0087

AnxA5タンパク質を発現する形質転換宿主細胞の培養物は、所望の細胞密度が得られるまで、典型的に生産性と、培養相に関連する時間及び費用との平衡を保つように選択される好適な成長条件下で成長させられ、次いで細胞は、典型的に採取される。細胞採取のための最適な時間は、任意の所与の培養について経験的に決定され得る。

0088

採取は、例えば、宿主細胞(典型的に無傷であり、典型的に、細胞内にAnxA5タンパク質の実質的にすべて(例えば、80%、90%、95%もしくは99%超または100%)を保持する)の培地からの収集を伴う。これは一般的に、培養された宿主細胞をバイオマスの形態で収集する、遠心分離または濾過によって達成することができる。遠心分離の場合、上清は破棄され得、細胞ペレットが、細胞培養物ホモジナイゼーション段階に直接または間接的に(例えば、凍結などによる貯蔵の後に)移され得る。

0089

C.細胞培養物ホモジナイゼーション
上記で考察されるように、本発明の第1の態様は、宿主細胞からのタンパク質放出の改善された工程を提供する。より具体的には、それは、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含む組換え的に発現された細胞内タンパク質の、細胞壁を持つ内毒素産生宿主細胞からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、該プロセスは、細胞内タンパク質を宿主細胞から放出させることを含み、細胞内AnxA5タンパク質を放出させる工程が、非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で実施されることを特徴とする、プロセスを提供する。

0090

好ましくは、非イオン性洗剤は、ポリソルベート、より好ましくはTween20及びTween80から選択されるポリソルベート、最も好ましくはTween80である。代替的に、それよりは好ましくないものの、他の非イオン性洗剤が使用されてもよいが、タンパク質の吸収極大、すなわち275〜280nmと同様の紫外線吸収率λmaxを有する非イオン性洗剤の使用は回避するのが好ましく(細胞培養物ホモジナイゼーション工程、及びまた、本プロセスの任意の他の工程の両方において)、これは、それが回収プロセス中に紫外線吸収率によりタンパク質の存在を監視する能力を妨害し得るためである。この関連において、「同様」とは、λmaxが、精製されているAnxA5タンパク質の吸収極大の10mn、9nm、8mn、7nm、6nm、5nm、4nm、3nm、2nm、または1nm以内であるという意味を含み得る。それゆえ、例えば、非イオン性洗剤は、λmax=275nmを有するTriton X−100でないことが好ましい場合があり、このため、Triton X−100は、細胞培養物ホモジナイゼーション工程及び/または本発明のプロセスの任意の他の工程に使用されないことが好ましくあり得る。

0091

細胞内AnxA5タンパク質を放出させる細胞ホモジナイゼーションの前に、非イオン性洗剤が、細胞に添加されるホモジナイゼーション緩衝液に含められてもよく(例えば、ホモジナイゼーション緩衝液は存在する非イオン性洗剤で「あらかじめ形成」されてもよい)、または細胞が、非イオン性洗剤を含まないホモジナイゼーション緩衝液に懸濁させられてもよく、次いで非イオン性洗剤が、ホモジナイゼーション緩衝液に懸濁させられた細胞に添加され、それと混合され得ることに留意されたい。

0092

好ましくは、細胞内AnxA5タンパク質を放出させる工程は、アネキシンA5と内毒素との間の結合を低減する(50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%またはそれを超えてなど)または防止するのに有効な量の非イオン性洗剤を含むホモジナイゼーション緩衝液の存在下で実施される。内毒素レベルは、当該技術分野で周知かつ確立された方法によって、例えば、Limulus Amebocyte Lysate(LAL)試験によって、測定されてよい。

0093

例えば、ホモジナイゼーション緩衝液は、0.01〜10%(w/w)非イオン性洗剤、例えば、0.02〜5%(w/w)、0.05〜2%(w/w)、または約1%(w/w)非イオン性洗剤を含み得る。この関連における「約」という用語は、±0.5%、0.4%、0.3%、0.2%または0.1%(w/w)の意味を含み得る。

0094

カルシウムイオンまたはイオン化できるカルシウム化合物(などのCaCl2)は、ホモジナイゼーション緩衝液に何ら添加されないまたは含められないことが好ましい。したがって、細胞内AnxA5タンパク質の宿主細胞からの放出時点でのホモジナイゼーション緩衝液中の遊離カルシウムイオン濃度は、10mM未満、好ましくは5mM、4mM、3mM、2mMまたは1mM未満、より好ましくは500μM、400μM、300μM、200μM、100μM、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、5μM、4μM、3μM、2μM、1μm未満または実質的にゼロであることが好ましい。

0095

一実施形態において、ホモジナイゼーション緩衝液は、カルシウム金属イオンキレート剤を含み得る。酵素処理を伴い、かかる酵素補因子としてMg2+を用いる、任意選択による後続の工程に照らして、エチレングリコール四酢酸(EGTA)などの、Mg2+に強力に結合しないカルシウムイオンキレート剤を選択することが好ましくあり得る。代替的に、酵素処理を伴い、かかる酵素が補因子としてMg2+を用いる、任意選択による後続の工程は、Mg2+を必要としない他の工程と置換されてもよい。その場合、EGTAまたはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの任意のカルシウムイオンキレート剤がホモジナイゼーション緩衝液に含められてもよい。

0096

任意選択で、ホモジナイゼーション緩衝液中の遊離カルシウムイオンの濃度及び/またはカルシウム金属イオンキレート剤の量は、アネキシンA5と宿主細胞の細胞膜及び/または壁の構成成分との間の結合を、例えば、pH7.2の50mMトリスHCl、10mM CaCl2からなるホモジナイゼーション緩衝液の存在下で観察されるであろう結合のレベルと比較して、低減する(50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%またはそれを超えてなど)または防止するのに有効な量にある。

0097

例えば、本発明の第1の態様におけるホモジナイゼーション緩衝液は、0.01〜500mM、例えば、0.05〜100mM、0.5〜20mM、1〜15mM、2〜10mM、または約4mMカルシウム金属イオンキレート剤を含み得、好ましくは、カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAまたはEGTAである。

0098

上記で考察されるように、本発明の第1の態様における細胞培養物ホモジナイゼーションの工程は、放出されたAnxA5タンパク質の宿主細胞破片からの精製及び分離のために遠心分離工程を含まない。それでも、ホモジナイゼーション緩衝液中の遊離カルシウムイオン及び/または有効量のカルシウム金属イオンキレート剤に対する耐性を確立するために、溶解細胞アリコートに対して遠心分離工程を用いた単純な試験を実施することができる。細胞ホモジナイゼーションの後に、溶解細胞のアリコート(例えば、100mL)は、遠心分離(例えば、38,900gで30分間)に供され、次いで上清及びペレットが分離される。上清中のAnxA5タンパク質の量が決定されて、「遊離」AnxA5タンパク質のレベルを求める。ペレットは、50mMトリスHCl、20mMEDTA(pH7.2)に撹拌しながら4℃で30分間再懸濁させられて、いずれの結合したAnxA5タンパク質も放出させられ、次いで38,900gで4℃で30分間遠心分離され、上清中に放出された結合したAnxA5タンパク質の量が決定されて、「結合した」AnxA5タンパク質のレベルを求める。この関連において、宿主細胞の細胞膜及び/または壁の構成成分へのAnxA5の結合のパーセンテージ=(「結合した」AnxA5タンパク質のレベル/(「結合した」AnxA5タンパク質のレベル+「遊離」AnxA5タンパク質のレベル))×100である。

0099

好ましくは、上述の方法によって決定するとき、結果として生じるバイオマスホモジネート中の結合したAnxA5のパーセンテージは、50%、40%、30%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%未満または実質的に0%である。

0100

本明細書において「ホモジナイゼーション緩衝液」と称されるが、この溶液がpH緩衝液であることは必ずしも必須ではない。しかしながら、任意選択で、ホモジナイゼーション緩衝液は、緩衝液(例えば、トリス)を含む追加の構成成分をさらに含んでもよく、任意選択で、例えばpH6〜8前後、より好ましくはpH7〜8.5の範囲、例えば、約pH7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、または8.5に、必要に応じてpH調整されてもよい。一実施形態において、pH7.4が使用に選択され得る。

0101

上記で考察されるように、後続の工程がMg2+などの補因子を必要とする酵素での酵素処理を含む、いくつかの選択肢において、補因子をホモジナイゼーション緩衝液中に含めることもまた望ましくあり得る。

0102

例となる一実施形態において、本発明の第1の態様において使用するためのホモジナイゼーション緩衝液は、50mMトリス(pH7.4)、1mM MgCl2及び1%(w/w)Tween80の水溶液を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。

0103

本発明の第1の態様のプロセスは、宿主細胞の培養物からのバイオマスをホモジナイゼーション緩衝液中で、ホモジナイゼーション緩衝液1リットルあたり約1g〜300gのバイオマス(湿重量)の濃度で、例えば、ホモジナイゼーション緩衝液1リットルあたり約10g〜200gのバイオマスの濃度で、混合する工程を含み得る。例となる濃度は、約10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、80g/L、90g/L、100g/L、110g/L、120g/L、130g/L、140g/L、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、または200g/Lであり得る。ホモジナイゼーション緩衝液1リットルあたり約100gのバイオマスの再懸濁比率が特に好ましい。この関連において、「約」という用語は、定められた値の±5g/L、4g/L、3g/L、2g/L、または1g/Lを含むことを意図する。

0104

混合は典型的に、室温前後、すなわち典型的に18℃〜28℃前後、例えば、約19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、または27℃で行う。それを上述の列挙項目から選択される温度でまたはその温度前後(例えば、その±5、4、3、2、または1℃)で維持するように、混合プロセス中に温度を制御することが好ましくあり得るが、この段階での動的な温度制御は通常は必要とされない。

0105

任意選択で、ホモジナイゼーション緩衝液はまた、バイオマスとの混合の後であるが、宿主細胞ホモジナイゼーションの前に、酵素処理において有用な1つ以上の酵素を含んでもよいか、またはそれがホモジナイゼーション緩衝液に添加されてもよい。例えば、ホモジナイゼーション後に、宿主細胞由来の核酸(DNA及び/またはRNAを含む)の分解を補助する1つ以上のヌクレアーゼ酵素を含めるまたは添加することが好適であり得る。これは、その後に生産されるホモジネートの粘度を低減し、それによって下流プロセシング工程を補助するであろう。任意の好適な酵素が使用されてよい。酵素は、例えば、ヌクレアーゼAなどのヌクレアーゼ、好ましくは、Serratia marescens由来のヌクレアーゼAであり得る。目的となる1つのそのような例となる酵素は、Merck/Novagen、Sigma Aldrichなどを含む商業的供給源から入手可能な、Serratia marcescens由来のエンドヌクレアーゼであるBenzonaseヌクレアーゼであり、これは、タンパク質分解活性を何ら有しない一方で、すべての形態のDNA及びRNAを分解するために使用することができる。それは、広範な条件に対して有効であり、高い特異的活性を保有する。この酵素は、核酸を2〜5塩基長ハイブリダイゼーション限界未満)の5′−一リン酸末端オリゴヌクレオチドまで完全に消化し、これは、組換えタンパク質からの核酸の除去に理想的であり、核酸汚染に関するFDAガイドライン遵守を可能にする。Benzonase酵素は、活性化に1〜2mM Mg2+を必要とし、イオン性及び非イオン性洗剤、還元剤プロテアーゼ阻害剤PMSF(1mM)、キレート剤EDTA(1mM)ならびに尿素の存在下で活性にとどまる(相対的活性は具体的な条件に左右される)。当業者であれば、かかるヌクレアーゼ酵素の有効な濃度を容易に決定可能であろうが、本出願者は、Benzonaseが、少なくとも、宿主細胞培養物1Lあたり約3.3Uで、または再懸濁させられたバイオマス1Lあたり約1.85Uで予備希釈されて使用されたときに有効であることを特定した。この関連における「約」という用語は、定められた単位数の±90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%を含んでもよい。

0106

細胞内AnxA5タンパク質をホモジナイゼーション緩衝液中で宿主細胞から放出させる工程は、細胞ホモジナイゼーションまたは溶解のための任意の好適な手法を伴い得る。例えば、それは、宿主細胞の細胞壁及び細胞膜障壁が破壊され、それによって、細胞内AnxA5タンパク質を放出するように、宿主細胞を溶解させる、分解させるあるいはホモジナイズする、超音波処理する、または圧力処理することを含み得る。本発明の第1の態様のある特定の選択肢において、この工程は、浸透圧ショック及び/または凍結−融解工程の使用を含まない。

0107

本発明の第1の態様の好ましい一実施形態において、細胞内AnxA5タンパク質を宿主細胞から放出させる工程は、高圧ホモジナイゼーション、例えば、約400バール〜約2,500バールで1サイクル以上の高圧ホモジナイゼーション、好ましくは約600バールのホモジナイゼーション3サイクル、または約800バールのホモジナイゼーション2サイクルを含む。この関連において、「約」という用語は、定められた値の±500、400、300、200、100、50、40、30、20、または10バールを含み得る。

0108

任意選択で、例えば、核酸を分解するのにヌクレアーゼ酵素が何ら添加されなかった状況において(例えば、Mg2+キレート剤の組み込みなどにより、ホモジナイゼーション緩衝液中のMg2+の濃度が低すぎる場合)、核酸を分解し、ホモジネートの粘度を低減するために、複数のさらなる回数の高圧ホモジナイゼーション(例えば、約600〜2500バールの範囲内の圧力で2〜4回)を含めることが有益であり得る。

0109

したがって、細胞ホモジナイゼーションの後に、細胞内AnxA5タンパク質を放出させる工程は、放出されたAnxA5タンパク質を含むバイオマスホモジネートを作り出し得る。好ましくは、バイオマスホモジネートは均一であり、均一とは、バイオマスの細胞の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または実質的に100%が分解されるという意味を含む。

0110

適用される細胞ホモジナイゼーション手法に応じて、この技法は、ホモジネートの温度の増加を引き起こし得る。温度の望ましくない増加を防止するやり方で細胞ホモジナイゼーション技法を操作する、かつ/または温度の望ましくない増加を防止するように温度制御を適用することが好ましくあり得る。しかしながら、例えば、ホモジネートがBenzonaseなどの酵素処理剤を含有する場合、酵素の最適温度範囲に近づけるように、及び好ましくはその範囲内に入るように温度増加を用いることが有利であり得る。Benzonaseの場合、約36〜40℃の範囲の温度が特に好適であり得る。

0111

細胞ホモジナイゼーション手順が、金属イオン補因子(例えばMg2+)を必要とする酵素での酵素処理を含む場合、及びさらに、ホモジナイゼーション緩衝液がカルシウム金属イオンキレート剤を除外した場合、1つの選択肢において、カルシウムイオンキレート剤が酵素処理の完了後に添加されてもよい。これは、下記で考察されるように清澄化工程の前または後に行われてもよい。

0112

細胞ホモジナイゼーションの後に、バイオマスホモジネートは、典型的に、宿主細胞タンパク質、宿主細胞壁構成成分、宿主細胞膜構成成分、宿主細胞核酸、及び内毒素からなる群から選択される不純物のうちの1つ以上(典型的にすべて)をさらに含む。

0113

ホモジネートの粘度は、下流プロセシング工程を補助するのに十分に低いことが好ましい。

0114

D.ホモジネートの清澄化
任意選択で、及び好ましい実施形態において、次いでバイオマスホモジネートの生産の後に、それは清澄化工程で処理される。

0115

したがって、本発明の第1の態様のさらなる実施形態において、本プロセスは、バイオマスホモジネートを清澄化し、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む清澄化された生成物を生産する工程をさらに含む。この工程は、核酸の含量を低減するため、及びさらに、粒子が低減された溶液を得るために実施され、これは下記でさらに考察される捕捉クロマトグラフィーなどの後続の精製工程に適用され得る。

0116

任意の好適な清澄化工程または工程の組み合わせを行うことができる。例えば、清澄化プロセスは(好ましくは、ヌクレアーゼ処理に後続して)、放出されたAnxA5タンパク質を含むバイオマスホモジネートを、セルロースまたはポリプロピレンフィルターなどのフィルターに通す工程を含み得、フィルター流出液は、放出されたAnxA5タンパク質を含む清澄化された生成物である。

0117

好ましくは、フィルターは、デプスフィルターであり、かつ/または好ましくは、フィルターは、4μm未満のカットオフ、例えば、3μm、2μmまたは1μm未満のカットオフ、最も好ましくは0.2〜0.6μmの範囲内のカットオフを有する。例えば、ホモジネートは、0.6〜0.2μmカットオフデプスフィルターを使用した濾過によって清澄化されてもよく、このようなオフデプスフィルターの例は、市販の、例えば、セルロース系Cuno 60 SPデプスフィルターとして入手可能なものなどである。0.6〜0.2μmカットオフを有する好ましいセルロースCuno 60 SPデプスフィルターほどではないものの、良好な性能(すなわち、生成物損失を伴わない良好な濾過)を提供することが見出された他のデプスフィルターには、0.5μmカットオフを有するセルロース+kieselguhrフィルター(例えば、Begerowから入手可能なPR12 UP)、1.2μmカットオフを有するポリプロピレンフィルター(例えば、Sartoriusから入手可能なSartopure PP2)、0.1μmカットオフを有するセルロースフィルター(例えば、Sartoriusから入手可能なSartoclear S9)、0.65μmカットオフを有するポリプロピレンフィルター(例えば、Sartoriusから入手可能なSartopure PP2)、及び0.2〜0.5μmオフを有するセルロースフィルター(例えば、両方ともPallから入手可能なEK 1PまたはEKM−P、これらは良好だが緩徐である)が含まれる。さらなる試験により、より大きなカットオフ(例えば、4μm超)を有するフィルターは、中程度の粒子除去しか達成しないことが示されたため、それらはあまり好ましくない。

0118

正荷電を持つセルロース系フィルターが清澄化されたホモジネート中のDNA含量をさらに低減し、したがって、清澄化工程において使用するのに特に好ましいフィルターの部類を代表し得ることもまた、本出願者によって見出された。

0119

その上、セルロース系フィルターは、有効な清澄化を提供するために必要とするフィルター面積が、対応するポリプロピレンフィルターが必要とするものよりもより小さいことが見出された。これは、清澄化工程において使用するためにセルロース系部類のフィルターが特に好ましいさらなる理由であり得る。

0120

フィルター面積の選択はまた、使用されるホモジナイゼーションの程度及び性質に左右され得る。例えば、本出願者は、細胞ホモジナイゼーションが約600バールのホモジナイゼーション3サイクルによって行われる場合、ホモジネート1Lあたり約60cm2のフィルター面積が好適であるが、一方で、細胞ホモジナイゼーションが約800バールのホモジナイゼーション2サイクルによって行われる場合、ホモジネート1Lあたり約180cm2フィルター面積が好適であることを見出した。したがって、デプスフィルターは、任意選択で、清澄化されるホモジネート1Lあたり10〜500cm2、例えば、30〜400cm2/L、40〜250cm2/L、50〜200cm2/Lもしくは60〜180cm2/L、例えば、50〜100cm2/L、もしくは60〜80cm2/L;または120〜240cm2/L、もしくは150〜210cm2/Lの面積を有するように選択されてもよい。

0121

清澄化後、清澄化された生成物は、後続の工程のための準備として1つ以上のさらなる添加剤の添加によってさらに調整されてもよい。例えば、清澄化された生成物を、(a)ポリソルベート及び最も好ましくはTween80などの非イオン性洗剤、ならびに(b)EDTAなどのカルシウム金属イオンキレート剤(清澄化された生成物が、ホモジナイゼーション緩衝液中へのキレート剤の組み込みに基づいてかつ/または酵素処理工程後のキレート剤の添加によって、十分なレベルのキレート剤をすでに含有するのでない限り)の一方または両方の添加によって、コンディショニングすることが好適であり得る。

0122

例となる一実施形態において、清澄化された生成物は、1%非イオン性洗剤(最も好ましくはTween80)で約2倍希釈され、カルシウムイオンキレート剤(最も好ましくは、EDTA)が、約2mMの最終濃度になるように添加される。

0123

本発明のプロセスのさらなる有利な特長は、下記で考察される陰イオン交換捕捉などのさらなるクロマトグラフ捕捉工程の前に、清澄化された生成物において時間を浪費するいかなる透析工程の必要性もないことである。したがって、本発明の実施形態において、清澄化された生成物は、AnxA5タンパク質のクロマトグラフ捕捉の前に透析に供されない。

0124

E.陰イオン交換捕捉
プロセスは、本発明の第1の態様において、第1の陰イオン交換捕捉工程を行い、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、放出されたAnxA5タンパク質を陰イオン交換樹脂に供する工程をさらに含んでもよい。

0125

一般に、陰イオン交換クロマトグラフィーによる細菌(例えば、E.coli)ホモジネート/ライセートからのタンパク質捕捉は、大量の宿主細胞タンパク質(HCP)及びDNAが捕捉樹脂に結合することにより、目標生成物結合容量に悪影響を及ぼし、さらには樹脂性能に負担をかけるため、第1希望戦略ではない。しかしながら、本出願者は、本発明の第1の態様による上述の細胞ホモジナイゼーション及び清澄化手順が、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて有効にさらに精製され得るAnxA5タンパク質生成物を提供するのに有効であると決定した。

0126

したがって、一実施形態において、上記で考察される、ホモジネート/ライセートの清澄化及び/または核酸の分解の工程によって生産される、放出されたAnxA5タンパク質を含む清澄化された生成物は、第1の陰イオン交換捕捉工程に供されて、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産する。

0127

任意選択で、第1の陰イオン交換工程の前に、pH、伝導率、カルシウムイオンキレート剤のレベル及び非イオン性洗剤のレベルからなる群から選択される、放出されたAnxA5タンパク質の環境の1つ以上のパラメータが調整される。例えば、陰イオン交換工程に供されるAnxA5タンパク質組成物は、約6.9、任意選択で±1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1pH単位のpHで製剤化されてもよい(1つの選択肢において、好ましい範囲は、pH6〜8.5、より好ましくはpH6.5〜7.5、最も好ましくはpH6.9である)。本出願者は、この範囲前後の低pH値(例えば、pH6で)が、溶出された生成物中で検出可能な宿主細胞タンパク質の存在を引き起こす傾向がある一方で、pH8以上では溶解度がいくらか低減されることを見出した。陰イオン交換工程に供されるAnxA5タンパク質組成物は、任意選択で、約2.8mS/cm、±1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1mS/cmの伝導率を有するように調整されてもよい。清澄化後、清澄化された生成物は、後続の工程のための準備として1つ以上のさらなる添加剤の添加によってさらに調整されてもよい。上記ですでに考察されたように、第1の陰イオン交換工程の前に、陰イオン交換工程に供されるAnxA5タンパク質組成物を、(a)ポリソルベート及び最も好ましくはTween80などの非イオン性洗剤、ならびに(b)EDTAなどのカルシウム金属イオンキレート剤(清澄化された生成物が、ホモジナイゼーション緩衝液中へのキレート剤の組み込みに基づいてかつ/または酵素処理工程後のキレート剤の添加によって、十分なレベルのキレート剤をすでに含有するのでない限り)の一方または両方の添加によって、コンディショニングすることが好適であり得る。例となる一実施形態において、陰イオン交換工程に供されるAnxA5タンパク質組成物は、1%非イオン性洗剤(最も好ましくはTween80)で約2倍希釈され、カルシウムイオンキレート剤(最も好ましくは、EDTA)が、約2mMの最終濃度になるように添加される。

0128

この関連において、第1の陰イオン交換捕捉工程に供されるAnxA5タンパク質組成物をコンディショニングするために非イオン性洗剤及び/またはカルシウム金属イオンキレート剤を使用することは、第1の陰イオン交換捕捉工程によるAnxA5タンパク質の宿主細胞由来不純物(細胞壁構成成分、細胞膜構成成分、内毒素、核酸などを含む)からの分離を強化する際に非常に有益であり得る。例えば、本出願者は、非イオン性洗剤及びカルシウム金属イオンキレート剤の存在下で実施されたときの第1の捕捉陰イオン交換工程による内毒素の非常に効率的な除去(99%前後の低減)を実証した。

0129

第2の陰イオン交換精錬工程の関連において下記で主に考察されるが、第1の陰イオン交換捕捉工程に供されるAnxA5タンパク質組成物中にカルシウム金属イオンキレート剤(例えば、EDTA)が存在する選択肢において、第1の陰イオン交換捕捉工程の操作が、1種類以上の追加の選択された金属イオン(カルシウムでない)を含むこともまた有益であり得、この追加の選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される。1つの例となる金属イオンは、Mg2+である。

0130

典型的に、陰イオン交換樹脂及びAnxA5生成物の接触の前に、陰イオン交換樹脂は、平衡化される。任意の好適な平衡化が用いられてよい。例えば、陰イオン交換樹脂は、緩衝液(例えば、20mMトリスpH7.4)、非イオン性洗剤(例えば、0.1%ポリソルベート、好ましくはTween80)及び塩(例えば、25mM NaCl)で平衡化され得る。任意の好適な平衡化体積が用いられてよく、限定することなく、本出願者は、例となる実施形態において3カラム体積CV)が好適な体積であることを見出した。

0131

好ましくは、第1の陰イオン交換捕捉工程は、AnxA5タンパク質に関してポジティブモードで実行され、このため、AnxA5タンパク質は、陰イオン交換工程中に陰イオン交換体に一時的に結合し、典型的に洗浄液がカラムに通されて、結合したAnxA5タンパク質から不純物を除去し、次いで、溶出緩衝液を陰イオン交換樹脂に適用して、結合したAnxA5タンパク質を放出させることによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物が生産される。

0132

本出願者は、強陰イオン交換樹脂がAnxA5タンパク質捕捉に関して許容される容量を提供した一方で、弱陰イオン交換樹脂での性能があまり許容されるものでなかったことを見出したため、強陰イオン交換樹脂が好ましい。強陰イオン交換樹脂は、当該技術分野でよく知られており、例としては、トリアルキル塩化アンモニウムもしくは水酸化アンモニウムを有するI型樹脂、またはジアルキル2−ヒドロキシエチル塩化アンモニウムもしくは水酸化アンモニウムを有するII型樹脂などの、第四級アンモニウム官能基を含む樹脂が挙げられる(例えば、GE HealthcareによるQ Sepharose XL、GE HealthcareによるCapto Q、BioradによるUnosphere Q、またはMerckによるEshmuno Q)。弱陰イオン交換樹脂は好ましくなく、例としては、ジエチルアミノエチル官能基を含むDEAE樹脂が挙げられる。Q Sepharose XL樹脂(例えば、GE Healthcareによって提供される)が最も好ましくあり得る。

0133

陰イオン交換樹脂の上に負荷した後、ポジティブモード下で、AnxA5タンパク質は、樹脂に一時的に結合し、それを洗浄して不純物を低減/除去することができる。任意の好適な洗浄条件が用いられ得る。例えば、洗浄液は、緩衝液(例えば、20mMトリスpH7.4)、非イオン性洗剤(例えば、0.1%ポリソルベート、好ましくはTween80)及び塩(例えば、25mM NaCl)の水溶液を含み得る、それから本質的になる、またはそれからなる。任意の好適な洗浄体積が使用されてよく、限定することなく、本出願者は、例となる実施形態において10カラム体積(CV)が好適な体積であることを見出した。

0134

結合したAnxA5タンパク質は次いで、溶出緩衝液を使用して陰イオン交換樹脂から放出される。任意の好適な溶出緩衝液が用いられ得る。例えば、溶出緩衝液は、緩衝液(例えば、20mMトリスpH7.4)、非イオン性洗剤(例えば、0.01〜1%(w/v)より好ましくは0.1%(w/v)ポリソルベート、好ましくはTween80)及び洗浄液よりも高い濃度の塩(例えば、300mM NaCl、任意選択で±100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、または5mM)の水溶液を含み得る、それから本質的になる、またはそれからなる。任意の好適な溶出体積が使用されてよく、限定することなく、本出願者は、例となる実施形態において9カラム体積(CV)が溶出に好適な体積であることを見出した。

0135

したがって、AnxA5タンパク質は、溶出緩衝液中で捕捉され、これは、第1の陰イオン交換生成物を提供する。

0136

陰イオン交換樹脂は次いで、再生され、清浄化され得る。再生及び清浄化に好適な方法は、当該技術分野で知られており、1つのかかる好適なプロトコルが実施例で考察される。

0137

典型的には、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物は、宿主細胞から放出されたAnxA5タンパク質の50%を実質的に超える分を含有する。好ましくは、第1の陰イオン交換生成物は、宿主細胞から放出されたAnxA5タンパク質の60%、70%または80%超を含む。Marderら(上記参照)のプロセスとの比較の点から、先行技術のプロセスが、およそ50%以上の大きな生成物損失を示したことは明らかである。例えば、Marderら(上記参照)のプロセスは、上清を破棄し、ペレットに結合したアネキシンA5を収集する、最初の精製遠心分離工程を伴う。Marderら(上記参照)の、破棄された上清中のアネキシンA5とペレットから回収されたアネキシンA5との相対的量が、それぞれ図3、2列目及び3列目に示される。その図から、放出されたアネキシンA5の約半分がMarderら(上記参照)のプロセスにおいて破棄されることにより、低収率の方法につながっていることは明らかである。

0138

さらなる比較点として、本出願者は、例となるプロセスの収率が、第1の陰イオン交換クロマトグラフィー捕捉工程の終わりに培養物1リットルあたり約5gのAnxA5タンパク質の収率を提供することを見出しており、これは、培養物1リットルあたり0.983gの精製アネキシンA5タンパク質というMarderら(上記参照)において報告される収率よりもはるかに高い(第2段落「結論」を参照されたい)。

0139

したがって、本発明の第1の態様において、第1の陰イオン交換生成物が培養物1リットルあたり1g超、2g超、3g超、4g超、または約5gのAnxA5タンパク質を含むことが好ましい。

0140

任意選択で、第1の陰イオン交換生成物は、濾過工程(滅菌濾過工程など)に直接または間接的に供される。例えば、限定することなく、0.45〜0.2μM濾過工程が好適であることが見出された。

0141

F.親和性クロマトグラフィー
本出願者はまた、精製工程の順次の追加に伴い収率の損失が増加し続ける傾向がある(生成物が各工程で失われるため)従来の方法とは対照的に、陰イオン交換工程及びヘパリン親和性クロマトグラフィー工程の組み合わせが、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程単独でも得られる高純度を、ただし実質的に増加した収率を伴って(すなわち回収率は、約30〜40%から約70〜90%に増加する)、達成するという驚くべき有益性を有することを発見した(例えば、下記の実施例2を参照されたい)。精製工程の追加に関連するこの収率の大きな増加は、精製工程の組み合わせから通常予想されるであろうものとは正反対である。

0142

したがって、本発明第2の態様は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物(これは上述の清澄化工程の生成物である場合も、そうでない場合もある)を含む溶液からの回収及び/または精製のためのプロセスを提供し、本方法は、
第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、AnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液(この溶液は、上記で考察される細胞ホモジナイゼーション、清澄化及び/または第1の陰イオン交換クロマトグラフィー捕捉工程の直接または間接的生成物である場合も、そうでない場合もある)を陰イオン交換樹脂に供することと、
第1の陰イオン交換生成物を直接または間接的に親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産することと、を含む。

0143

好ましくは、本発明の第2の態様のプロセスに従って、親和性クロマトグラフィー工程は、AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み得、任意選択で、この結合は、カルシウムイオンの存在によって促進され、さらに任意選択で、AnxA5タンパク質は、EDTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含有する溶出緩衝液を使用して、固定化ヘパリンから溶出される。

0144

それに加えて、実施例3で考察されるように、本出願者は、Tween80がヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に対して特に有利な効果を有する(Tween20などの他のTweensを含めた、他の非イオン性洗剤と比較して)ことを発見した。Tween 80を、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に使用される緩衝液中に例えば0.1%(w/v)前後で組み込むことは、AnxA5タンパク質の単一ピークでの溶出を補助し、圧力を低減し、沈殿を防止し得る。

0145

したがって、本発明第3の態様は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液からの回収及び/または精製のためのプロセスを提供し、本方法は、AnxA5タンパク質及び1種以上の不純物を含む溶液(この溶液は、上記で考察される細胞ホモジナイゼーション、清澄化及び/または第1の陰イオン交換クロマトグラフィー捕捉工程の直接または間接的生成物である場合も、そうでない場合もある)を、Tween80の存在下で(好ましくは0.1%Tween80の存在下で)ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産することを含む。

0146

それゆえ、互いから独立してまたは組み合わせてのいずれでも操作され得る、本発明第2及び第3の態様の両方とも(すなわち、本発明の第2の態様におけるヘパリン親和性クロマトグラフィー工程は、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程において使用される緩衝液中にTween 80(例えば、0.1%(w/v)前後で)を含み得る。

0147

より一般には、しかしながら、本発明の第1の態様は、放出されたAnxA5タンパク質を親和性クロマトグラフィー工程に供して、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を生産する工程を含み得る。例えば上述の方法によって生産される、第1の陰イオン交換生成物中のAnxA5タンパク質は、親和性クロマトグラフィー工程に直接または間接的に(例えば、滅菌濾過及び/またはさらなる構成成分の添加後に)供され得ることが特に好ましくあり得る。

0148

したがって、本発明の第1の態様の一実施形態において(それは本発明の第2及び第3の態様の特長のいずれかまたは両方と組み合わされ得る)、本プロセスは、
(a)上述の放出されたAnxA5タンパク質を含むバイオマスホモジネートが、上述の清澄化プロセスによって清澄化され、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む清澄化された生成物を生産する工程と、
(b)上述の第1の陰イオン交換工程を行い、それによって、AnxA5タンパク質を含む第1の陰イオン交換生成物を生産するために、清澄化された生成物中のAnxA5タンパク質が、陰イオン交換樹脂に供される工程と、
(c)第1の陰イオン交換生成物中の該AnxA5タンパク質が、親和性クロマトグラフィー工程に(直接または間接的に)供される工程と、を含む。

0149

好ましくは、親和性クロマトグラフィー工程は、AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み、任意選択で、結合は、カルシウムイオンの存在によって促進される。

0150

したがって、ヘパリン親和性工程の前に、AnxA5生成物は、カルシウムイオン(例えば、CaCl2)、非イオン性洗剤(好ましくはTween80)のうちのいずれか1つ以上の添加によってコンディショニングされ得、任意選択で、緩衝され得る(例えば、pH7.4のトリス緩衝液)。限定することなく、本出願者は、濾過された陰イオン交換生成物が、20mMトリス(pH7.4)、0.1%Tween80及び2mM CaCl2を含有する希釈緩衝液で約8倍希釈される場合の有益な効果を実証した。

0151

したがって、AnxA5生成物がポリソルベート80でコンディショニングされることが好ましくあり得、より好ましくは、ポリソルベート80は、約0.01%超〜最大約10%(w/v)、例えば、約0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%の最終濃度にある。この関連における「約」という用語は、定められた値の±50%、40%、30%、20%、10%、または5%を指す。

0152

カルシウムでの希釈は、アネキシンA5が固定化ヘパリンクロマトグラフィーに結合することを可能にする。この相互作用は、イオン性相互作用と比較して、緩徐である。接触時間は重要であり、したがってこのクロマトグラフィーは、好ましくは、100cm/h以下で行われる。

0153

親和性クロマトグラフィーカラム(例えば、ヘパリン親和性クロマトグラフィーカラム)の負荷において使用される条件は、AnxA5タンパク質のヘパリンへの結合を許容する。つまり、親和性クロマトグラフィーは、典型的に、AnxA5タンパク質に関してポジティブモードで実行される。

0154

親和性クロマトグラフィーカラム(例えば、ヘパリン親和性クロマトグラフィーカラム)には、所望のレベルのAnxA5生成物を負荷することができる。例えば、負荷は、カラム樹脂体積1リットルあたり約5gで、またはそれを超えて、例えば、約10g/L、約15g/L、約20g/L、約25g/L、約30g/L以上で実施されてもよい。この関連における「約」という用語は、定められた値の±50%、40%、30%、20%、10%、または5%を指す。実際、本出願者は、カラム樹脂体積1リットルあたり約20〜30gのAnxA5生成物の負荷が、プロセス効率ならびに生成物精製及び回収の点で、非常に満足のいく結果を提供することを見出した。かかる高負荷量の関連において、本出願者は、負荷される混合物中のポリソルベート80の存在が、AnxA5タンパク質沈殿または不溶性を回避する上で特に有益であることを見出した。ポリソルベート80の使用の不在下では、沈殿及び背圧の増加が観察され、親和性クロマトグラフィー工程は、効率性が低下する。実施例3及び4を参照されたい。

0155

AnxA5タンパク質の負荷後、カラムは、典型的に1回以上洗浄されて、不純物が除去される。任意の好適な洗浄プロトコルが使用されてよい。本出願者は、限定することなく、好適な洗浄プロトコルが2段階洗浄を含むことを見出した。例えば、第1の洗浄段階において、洗浄は、カルシウムを含有する第1の洗浄緩衝液(例えば、20mMトリスpH7.4、0.1%Tween80、2mM CaCl2)を使用して行われ得る。第1段階の洗浄の体積は、所望の結果及び使用される洗浄液の厳密な性質に応じて変えられてもよい。限定することなく、本出願者は、例えば、上述の例となる洗浄緩衝液が、15CVの洗浄の場合に成功裏に使用され得ることを見出した。第2段階の洗浄において、洗浄緩衝液は、カルシウムを、第1の洗浄よりも低い量で含有し得るか、または好ましくは、カルシウムを含有しない(例えば、20mMトリスpH7.4、0.1%Tween80)。第2段階の洗浄の体積は、所望の結果及び使用される第2段階の洗浄液の厳密な性質に応じて変えられてもよい。限定することなく、本出願者は、例えば、上述の例となる洗浄緩衝液が、2CVの洗浄の場合に成功裏に使用され得ることを見出した。

0156

それ以降、AnxA5タンパク質は、溶出緩衝液を使用して親和性クロマトグラフィーカラムから溶出され、それによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第1の親和性クロマトグラフィー生成物を提供する。ヘパリン親和性クロマトグラフィーカラムを使用する場合、EDTAまたはEGTAなどのカルシウム金属イオンキレート剤を含む溶出緩衝液を使用することが好ましくあり得る。

0157

例えば、限定することなく、本出願者は、好適な溶出緩衝液が20mMトリスpH7.4、0.1%Tween80、10mMEDTA、25mM NaClであることを見出しており、これはカルシウムイオンをキレートする。キレート反応は、カルシウムの存在下でのみヘパリンに結合し得るアネキシンA5を特異的に溶出する。

0158

生成物の濃度を増加させるために、溶出中に流速を100cm/h未満にまで低減することが好ましくあり得る。例えば、限定することなく、実施例において、本出願者は、溶出において流速を60cm/h以下にまで低減することによって濃縮溶出を可能にした。完全な溶出ピークは、例えば、0.05AUでUVシグナルの上昇から開始して、下行ピークにおける0.05AUまでで収集され得、これはおよそ7CVに相当する。好ましくは、溶出プロファイルは、単一ピークを示し、これは最も理想的には鋭いピークである。

0159

したがって、第1の親和性クロマトグラフィー生成物は、放出されたAnxA5タンパク質及びEDTAまたはEGTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含み、任意選択で、このカルシウムイオンキレート剤は、約0.1mM〜500mM、例えば、約1mM〜約100mMの範囲で、より典型的には約2mM〜約50mMの範囲で、より好ましくは約5mM〜約15mMの範囲で存在し、最も好ましくは約10mMである。この関連において「約」という用語は、定められた濃度(複数可)の±50%、40%、30%、20%、10%、5%または1%の意味を含み得る。

0160

親和性クロマトグラフィー工程は、本プロセススキームにおいて最も有力な精製工程であり得る。AnxA5タンパク質は、カルシウムイオンに結合し、このカルシウムに結合した状態において、生成物は、ヘパリンとの高度に特異的な結合を形成できる。典型的には、カルシウムと錯化する能力を有する正しく折り畳まれたAnxA5タンパク質形態のみがヘパリンに結合できる。それによって、親和性クロマトグラフ工程は、正しく折り畳まれた生成物と誤って折り畳まれた生成物との間の識別を補助するのに有用であり得る。それに加えて、中間工程は、高度に特異的な相互作用が、カルシウムのEDTAでのキレート反応による特異的な溶出モードと組み合わされるとき、高い除去係数に達する。したがって、DNA含量の中程度の低減と組み合わせて、内毒素及びHCPの強力な低減が観察される。内毒素は、先行する陰イオン交換捕捉工程中に典型的にすでに低減されているが(好ましくは約97%)、さらに低減され(好ましくは約99%)、これは、好ましくは、内毒素レベルを、第1の陰イオン交換捕捉工程の前の清澄化された生成物中のレベルの約0.03%まで推移させる。

0161

G.陰イオン交換精錬
本発明の第1、第2及び/または第3の態様のさらなる実施形態において、AnxA5生成物(例えば、親和性クロマトグラフィー工程によって生産された)は、陰イオン交換精錬工程によって直接または間接的にさらに精製されてもよい。

0162

親和性クロマトグラフィー工程によって生産されたAnxA5生成物が陰イオン交換精錬工程によって間接的にさらに精製される場合、親和性クロマトグラフィーの工程及び陰イオン交換精錬工程は、1つ以上のコンディショニング添加剤の、親和性クロマトグラフィー工程の生成物への添加によって分離されてもよい。

0163

好適な添加剤には、例えば、親和性クロマトグラフィー生成物の生成物中のAnxA5タンパク質をさらに希釈するための希釈剤(例えば、水)、緩衝液(例えば、トリス、例えば、35mM及びpH8で)、非イオン性洗剤(例えば、ポリソルベート、より好ましくはTween80、約0.1w/v%の濃度などで)、及び/または下記で考察される本発明の第4の態様に基づく1つ以上のさらなる添加剤が含まれ得る。

0164

換言すれば、本発明の第4の態様は、カルシウム金属イオンキレート剤(例えば、EDTA)が陰イオン交換工程の有効性に悪影響を及ぼし得るという本出願者の気づきに基づく。遊離EDTA(または他のキレート剤)は、陰イオン交換官能基に直接結合し得、それによって、陰イオン交換工程によって達成される容量、及びさらには分離も低減する。これは、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程の生成物に対して陰イオン交換を行う場合に特に問題であり、この場合、AnxA5タンパク質がカルシウムイオンの存在下でヘパリンに結合しており、するとカルシウム金属イオンキレート剤(例えば、EDTA)は、結合したAnxA5タンパク質を溶出するのに使用される。結果として、溶出されたヘパリン親和性クロマトグラフィー工程のAnxA5生成物は高レベルのカルシウムイオンキレート剤を含有する。AnxA5生成物をさらなる陰イオン交換工程でさらに精製できることが一般に望ましいが、カルシウムイオンキレート剤は、そのさらなる陰イオン交換工程中に問題となる構成成分である。他方で、陰イオン交換工程前にカルシウム金属イオンキレート剤を除去しようとする試みは、時間を浪費し、しがたって費用もまた増加させる。したがって、例えば、緩衝液交換のために透析工程を伴う先行技術の方法は、緩徐で非効率的であり、このため生産費用を増加させる。さらに、陰イオン交換工程中にカルシウム金属イオンキレート剤をAnxA5生成物に組み込むことは、AnxA5タンパク質の、内毒素を含む不純物へのカルシウム媒介性結合を防止するために重要な構成要素であり得る。したがって、カルシウムイオンキレート剤の陰イオン交換樹脂への結合を遮断または低減するが、それでも陰イオン交換工程が、透析に関連する不都合及び費用を伴わずに、また陰イオン交換工程中のカルシウム金属イオンキレート剤の有益な効果を阻止することなく行われることを可能にする、添加剤を導入することは、好都合かつ効果的であろう。

0165

本出願者は、陰イオン交換の前にAnxA5タンパク質生成物へのまたは1種類以上の追加の選択された金属イオンの組み込みによってこれが達成され得ることに気づき、この追加の選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される。適切な追加の金属イオンの選択は、カルシウムイオンキレート剤の性質及び陰イオン交換樹脂の性質に左右されるであろう。例えば、EDTAをカルシウムイオンキレート剤として使用する場合、Mg2+イオンが一般に本発明の目的を達成するのに好適であり、陰イオン交換工程の前にAnxA5タンパク質生成物に添加され得る。

0166

したがって、本発明の第4の態様は、アネキシンA5(AnxA5)の配列を含むタンパク質の、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物からの回収及び/または精製のためのプロセスであって、
該プロセスが、陰イオン交換工程を行い、それによって、AnxA5タンパク質を組成物から回収及び/または精製するために、組成物を陰イオン交換樹脂に供することを含むことを特徴とし、
該陰イオン交換工程が、追加の選択された金属イオンの存在下で実施されることをさらに特徴とし、
この追加の選択された金属イオンは、カルシウム金属イオンキレート剤が選択された金属イオンに対して、陰イオン交換樹脂に対するその結合親和性よりも大きいが、カルシウムイオンに対するその結合親和性よりは小さい結合親和性を有するように選択される、プロセスを提供する。

0167

好ましくは、追加の選択された金属イオンは、組成物に陰イオン交換樹脂に供される前に、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物と混合される。後続の陰イオン交換工程において使用される溶液(例えば、洗浄液及び/または溶出緩衝液)は、追加の選択された金属イオンもまた含む場合も、含まない場合もある。したがって、本発明のこの態様の一実施形態において、追加の選択された金属イオンの存在下で陰イオン交換工程を実施する工程は、組成物に陰イオン交換樹脂に供される前に、追加の選択された金属イオンを、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物に添加すること指す。

0168

本発明の第4の態様の一実施形態において、カルシウム金属イオンキレート剤は、EDTAまたはその塩、EGTAまたはその塩から選択され、最も好ましくはEDTAである。

0169

カルシウム金属イオンキレート剤は、約0.1mM〜500mM、例えば、約1mM〜約100mMの範囲、より典型的には約2mM〜約50mMの範囲を超過して、及び/またはその濃度で、例えば、約0.1mM、0,5mM、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM以上または少なくともその濃度で、組成物中に存在し得る。この関連において、「約」という用語は、定められた値の±0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1mMの意味を含み得る。上述の関連において、「超過」という用語は、先行する親和性クロマトグラフィー工程におけるカラム上の固定化ヘパリンへのAnxA5タンパク質の結合に寄与し得るいずれの二価イオンも除去するのに十分な量のカルシウム金属イオンキレート剤が存在し、それによって、AnxA5タンパク質がカラムから溶液に放出され、次いで陰イオン交換精錬工程において直接または間接的に使用されることを可能にする、という意味を含み得る。

0170

本発明の第4の態様の例となる一実施形態において、選択された金属イオンは、Mg2+イオンなどの二価陽イオンである。

0171

選択された金属イオンが、陰イオン交換工程中、組成物を陰イオン交換樹脂に供するプロセス中にカルシウムイオンキレート剤と陰イオン交換樹脂との間の相互作用を低減する(約50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上など)または防止するのに有効な量で存在することが好ましくあり得る。例えば、選択された金属イオンは、陰イオン交換工程中、組成物の陰イオン交換樹脂への負荷中及び/またはAnxA5タンパク質が陰イオン交換樹脂に結合し、不純物が洗浄によって除去される1つ以上の洗浄工程中に、カルシウムイオンキレート剤と陰イオン交換樹脂との間の相互作用を低減するまたは防止するのに有効な量で存在し得る。

0172

選択された金属イオンが、陰イオン交換工程中、カルシウムイオンキレート剤の存在下でのAnxA5タンパク質の陰イオン交換樹脂への結合を増加させるのに有効な量で存在して、それによって、陰イオン交換工程の素通り画分におけるAnxA5タンパク質の損失を、選択された金属イオンが陰イオン交換工程中に存在しない場合に観察される損失のレベルと比較して低減する(約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上など)ことが好ましくあり得る。

0173

選択された金属イオンが、陰イオン交換工程中、約1〜約100mM、例えば、約2〜約50mM、約5〜約25mM、約10〜約15mMまたは約12.5mMの濃度で存在することが好ましくあり得る。

0174

さらに、カルシウム金属イオンキレート剤が、EDTAであり、該選択された金属イオンは、Mg2+イオンであり、より好ましくは、Mg2+イオン対EDTAのモル比は、0.5:1〜2:1の範囲、最も好ましくは少なくとも1:1または1:1超であることが好ましくあり得る。

0175

本発明の第4の態様の関連において、さらなる実施形態では、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含み、陰イオン交換樹脂に供される組成物は、AnxA5タンパク質を親和性クロマトグラフィー工程に供し、AnxA5タンパク質をカルシウムイオンキレート剤で溶出し、それによって、AnxA5タンパク質及びカルシウム金属イオンキレート剤を含む組成物である親和性クロマトグラフィー生成物を生産する工程を含む、先行するプロセスの直接または間接的生成物であり得る。例えば、先行する親和性クロマトグラフィー工程は、AnxA5タンパク質の固定化ヘパリンへの結合を含み得、任意選択で、この結合は、カルシウムイオンの存在によって促進され、さらに任意選択で、AnxA5タンパク質は、EDTAなどのカルシウムイオンキレート剤を含有する溶出緩衝液を使用して、固定化ヘパリンから溶出される。

0176

直接または間接的生成物の陰イオン交換工程への適用の前に、先行する親和性クロマトグラフィー工程と陰イオン交換工程との間に透析工程は存在せず、かつ/または先行する親和性クロマトグラフィー工程の生成物からのカルシウムイオンキレート剤の除去は行われないことがさらに好ましくあり得る。

0177

本発明の第4の態様の関連において、さらなる実施形態では、選択された金属イオンは、陰イオン交換工程の前に、またはその最中に組成物に添加される。

0178

好ましい実施形態において、本発明の第1、第2または第3の態様のいずれかによる親和性クロマトグラフィー工程の生成物は、本発明の第4の態様における陰イオン交換工程などの、さらなる陰イオン交換工程で処理される。

0179

任意選択で、(第2の)精錬陰イオン交換工程の前に、AnxA5タンパク質の濃度、pH、伝導率、カルシウムイオンキレート剤のレベル及び非イオン性洗剤のレベル、または選択された追加の金属イオンのレベル(本発明の第4の態様において)からなる群から選択される、放出されたAnxA5タンパク質の環境の1つ以上のパラメータが調整される。

0180

典型的に、精錬工程の(第2の)陰イオン交換樹脂及びAnxA5生成物の接触の前に、陰イオン交換樹脂は、平衡化される。任意の好適な平衡化が用いられてよい。例えば、陰イオン交換樹脂は、緩衝液(例えば、20mMトリスpH7.4)、非イオン性洗剤(例えば、0.1%ポリソルベート、好ましくはTween80)及び塩(例えば、25mM NaCl)で平衡化され得る。任意の好適な平衡化体積が用いられてよく、限定することなく、本出願者は、例となる実施形態において3カラム体積(CV)が好適な体積であることを見出した。

0181

好ましくは、(第2の)陰イオン交換精錬工程は、AnxA5タンパク質に関してポジティブモードで実行され、このため、AnxA5タンパク質は、陰イオン交換工程中に陰イオン交換体に一時的に結合し、典型的に洗浄液がカラムに通されて、結合したAnxA5タンパク質から不純物を除去し、次いで、溶出緩衝液を陰イオン交換樹脂に適用して、結合したAnxA5タンパク質を放出させることによって、放出されたAnxA5タンパク質を含む第2の陰イオン交換生成物が生産される。

0182

強陰イオン交換樹脂が好ましい。強陰イオン交換樹脂は、当該技術分野でよく知られており、例としては、トリアルキル塩化アンモニウムもしくは水酸化アンモニウムを有するI型樹脂、またはジアルキル2−ヒドロキシエチル塩化アンモニウムもしくは水酸化アンモニウムを有するII型樹脂などの、第四級アンモニウム官能基を含む樹脂が挙げられる。限定することなく、第2の精錬工程に好適な陰イオン交換樹脂の一例としては、Source15 Qが挙げられる。Source 15Q陰イオン交換樹脂は、ポリマー強陰イオン交換体として定義され得、第四級アンモニウムリガンド、約15μmの累積体積分布による粒度中央値(d50v)、ポリスチレンジビニルベンゼンマトリックス、及び/またはベッド高さ10cmでのFineLine 100カラムとして評価したときに約400cm/h、1000kPaの圧力/流動規格を有するものとして、さらに特徴付けられ得る。

0183

限定することなく、第2の精錬工程に好適な陰イオン交換樹脂のさらなる例としては、Capto Q ImpResが挙げられる。Capto Q ImpResは、強陰イオン交換体として定義され得、第四級アミンリガンド、高流速アガロースマトリックス、約36〜44μmの粒度中央値(d50v)、約0.15〜0.18mmol Cl−/溶媒mlのイオン容量、55mg超のBSA及び48mg超のβ−ラクトグロブリンの結合容量/クロマトグラフィー溶媒ml、及び/またはベッド高さ20cmでの1m直径カラムとして評価したときに少なくとも220cm/hで約300kPaの圧力/流動規格を有するものとして、さらに特徴付けられ得る。

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