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課題

解決手段

概要

背景

プロバイオティクスとは、WHOの定義によると「十分量を摂取したときに宿主に有益な効果を与える生きた微生物」であり、一般的には、乳酸菌代用される有用菌株投与により、生体恒常性の維持や生体防御能の向上、そして病原菌等のいわゆる悪玉菌の生育や活性を抑制して疾患予防や健康増進を図る技術として、ヨーグルト医薬品等に応用されている。

口腔内においても、う蝕原因菌であるミュータンス菌歯周病の原因菌であるポルフィルナスジンジバリスへの抗菌性を有する乳酸菌を用いた、う蝕、歯周病等の口腔疾患の予防を目的としたプロバイオティクスが検討されている。プロバイオティクスに用いられる乳酸菌の機能メカニズムは、摂取した乳酸菌の生育や代謝により産生される酸や抗菌ペプチドが病原菌を抑制することにある。そのため、これら乳酸菌が機能を発現し十分かつ効果的に作用するためには、乳酸菌が口腔内の適用部位において長く滞留することが必要であり、滞留性の向上が課題となっていた。

乳酸菌を配合することで、う蝕原因菌の生育やバイオフィルム形成を抑制する口腔用組成物が特許文献1、2(特許第5365166号公報、特許第5904028号公報)に提案されている。また、特許文献3〜5(特許第5199551号公報、特開2012−92094号公報、特開2017−71596号公報)には、乳酸菌を用いることによって、カンジダ菌感染に基づく歯周病等の口腔内疾患を予防又は改善する口腔用組成物が提案されている。

概要

乳酸菌の口腔内滞留性に優れる口腔用組成物の提供。(A)乳酸菌、(B)リゾホスファチジン酸又はその誘導体、例えばリゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリンリゾホスファチジルセリンリゾホスファチジルエタノールアミンリゾホスファチジルイノシトールリゾホスファチジルグリセリン等の化合物又はその塩、及び(C)ホスファチジン酸又はその誘導体、例えばホスファチジン酸、ホスファチジルコリンホスファチジルセリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルイノシトールホスファチジルグリセリン等の化合物又はその塩、を含有することを特徴とする口腔用組成物。なし

目的

口腔内においても、う蝕の原因菌であるミュータンス菌と歯周病の原因菌であるポルフィルモナスジンジバリスへの抗菌性を有する乳酸菌を用いた、う蝕、歯周病等の口腔疾患の予防を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

(A)乳酸菌、(B)下記構造式(1)(式(1)中、R1及びR2は、いずれか一方が−OH、他方が−OCOR(Rは、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X1は−H、−C2H4N+(CH3)3、−C2H3(N+H3)COOH、−C2H4N+H3、−C6H6(OH)5、又は−C2H3(OH)CH2(OH)である。)で表される化合物又はその塩、及び(C)下記構造式(2)(式(2)中、R3及びR4は、それぞれ互いに同一でも異なってもよく、−OCOR5(R5は、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X2は−H、−C2H4N+(CH3)3、−C2H3(N+H3)COOH、−C2H4N+H3、−C6H6(OH)5、又は−C2H3(OH)CH2(OH)である。)で表される化合物又はその塩を含有することを特徴とする口腔用組成物

請求項2

(A)乳酸菌が、Lactobacillus(ラクトバチルス属細菌、Lactococcus(ラクトコッカス)属細菌、Enterococcus(エンテロコッカス)属細菌、Bifidobacterum(ビフィドバクテリウム)属細菌及びStreptococcus(ストレプトコッカス)属細菌から選ばれる1種以上である請求項1記載の口腔用組成物。

請求項3

(A)乳酸菌が、Lactobacilluscurvatus(ラクトバチルス・カルバタス)、Lactococcuslactis(ラクトコッカス・ラクティス)、Lactobacillusparacasei(ラクトバチルスパラカゼイ)、Lactobacilluspentosus(ラクトバチルスペントーサス)、Lactobacillusplantarum(ラクトバチルスプランタラム)、Lactobacillussakei(ラクトバチルスサケイ)、Lactobacillusreuteri(ラクトバチルスロイテリ)、Lactobacillussalivarius(ラクトバチルスサリバリウス)、Lactobacillusrhamnosus(ラクトバチルスラムノーサス)、Lactobacillusgasseri(ラクトバチルスガセリ)、Lactobacillusfermentum(ラクトバチルスファーメンタス)、Lactobacilluscrispatus(ラクトバチルスクリスパタス)、Enterococcusavium(エンテロコッカスアビウム)、Enterococcusdurans(エンテロコッカスデュランス)、Bifidobacteriumadolescentis(ビフィドバクテリウムアドレッセンチス)、Streptococcussalivarius(ストレプトコッカスサリバリウス)、Streptococcusmitis(ストレプトコッカスミティス)、Streptococcusoralis(ストレプトコッカスオラリス)、及びStreptococcusgordonii(ストレプトコッカスゴルドニ)から選ばれる1種以上である請求項2記載の口腔用組成物。

請求項4

(B)成分が、リゾホスファチジン酸リゾホスファチジルコリンリゾホスファチジルセリンリゾホスファチジルエタノールアミンリゾホスファチジルイノシトール及びリゾホスファチジルグリセリン並びにそれらの塩から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。

請求項5

(C)成分が、ホスファチジン酸ホスファチジルコリンホスファチジルセリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルイノシトール及びホスファチジルグリセリン並びにそれらの塩から選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の口腔用組成物。

請求項6

(C)成分に対する(B)成分の量比を示す(B)/(C)が、質量比として0.1〜10である請求項1〜5のいずれか1項記載の口腔用組成物。

請求項7

歯磨剤洗口剤口中清涼剤塗布剤錠剤又は咀嚼剤である請求項1〜6のいずれか1項記載の口腔用組成物。

技術分野

0001

本発明は、乳酸菌口腔内滞留性に優れる口腔用組成物に関する。

背景技術

0002

プロバイオティクスとは、WHOの定義によると「十分量を摂取したときに宿主に有益な効果を与える生きた微生物」であり、一般的には、乳酸菌に代用される有用菌株投与により、生体恒常性の維持や生体防御能の向上、そして病原菌等のいわゆる悪玉菌の生育や活性を抑制して疾患予防や健康増進を図る技術として、ヨーグルト医薬品等に応用されている。

0003

口腔内においても、う蝕原因菌であるミュータンス菌歯周病の原因菌であるポルフィルナスジンジバリスへの抗菌性を有する乳酸菌を用いた、う蝕、歯周病等の口腔疾患の予防を目的としたプロバイオティクスが検討されている。プロバイオティクスに用いられる乳酸菌の機能メカニズムは、摂取した乳酸菌の生育や代謝により産生される酸や抗菌ペプチドが病原菌を抑制することにある。そのため、これら乳酸菌が機能を発現し十分かつ効果的に作用するためには、乳酸菌が口腔内の適用部位において長く滞留することが必要であり、滞留性の向上が課題となっていた。

0004

乳酸菌を配合することで、う蝕原因菌の生育やバイオフィルム形成を抑制する口腔用組成物が特許文献1、2(特許第5365166号公報、特許第5904028号公報)に提案されている。また、特許文献3〜5(特許第5199551号公報、特開2012−92094号公報、特開2017−71596号公報)には、乳酸菌を用いることによって、カンジダ菌感染に基づく歯周病等の口腔内疾患を予防又は改善する口腔用組成物が提案されている。

先行技術

0005

特許第5365166号公報
特許第5904028号公報
特許第5199551号公報
特開2012−92094号公報
特開2017−71596号公報
特許第2794072号公報
特開平7−149619号公報
特開2014−88333号公報
特開平7−67552号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、乳酸菌の口腔内滞留性が向上した口腔用組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、乳酸菌の口腔内滞留性が、特定のリン脂質によって向上することを見出した。即ち、本発明では、(A)乳酸菌に、リン脂質として下記の(B)及び(C)成分を組み合わせて口腔用組成物に配合することによって、(A)乳酸菌の口腔内滞留性が向上して優れることを知見し、本発明をなすに至った。

0008

口腔用組成物において、大豆卵黄等に含まれるリン脂質のレシチン類リゾレシチン類、例えばホスファチジルコリンリゾホスファチジルコリン等が界面活性剤等として配合され、また、これらには抗菌作用等を持つものがあることは知られている。例えば、特許文献6(特許第2794072号公報)は、ホスファチジルグリセロールリゾホスファチジルグリセロール化粧品等抗菌剤に用いられること、特許文献7(特開平7−149619号公報)は、口腔用組成物でフェノール系殺菌剤の活性低下が界面活性剤のリゾホスファチジルコリンによって防止されることを開示し、特許文献8(特開2014−88333号公報)は、リゾホスファチジン酸等のリゾリン脂質が、歯槽骨の吸収を抑制歯周病予防に効果があることを提案している。特許文献9(特開平7−67552号公報)は、酸性リン脂質等を苦味低減剤として用いた化粧料が開示されている。

0009

しかし、本発明では、(B)及び(C)成分を併用すると、両者が相乗的に作用して(A)成分の口腔内滞留性が格段に改善し、(B)成分又は(C)成分を欠く場合には得られない特異的かつ格別な作用効果を奏する。この場合、(B)及び(C)成分の併用によって、(A)成分の口腔粘膜等への滞留性が高まって、口腔内滞留性が向上し、これにより、口腔内の病原性細菌、特にう蝕の原因菌であるミュータンス菌(ストレプトコッカスミュータンス菌)等の増殖を抑制する効果も改善する。
後述の表3、9中の比較例に示すように、(A)成分とリン脂質を含有しても、(B)成分又は(C)成分を欠く場合は、(A)成分の滞留性が低かった(比較例2、3、5、6参照)が、表4〜9中の実施例に示すように(A)成分に(B)及び(C)成分を組み合わせて配合した口腔用組成物は、(A)成分の滞留性が優れ、ミュータンス菌の抑制効果にも優れていた。

0010

従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
〔1〕
(A)乳酸菌、
(B)下記構造式(1)



(式(1)中、R1及びR2は、いずれか一方が−OH、他方が−OCOR(Rは、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X1は−H、−C2H4N+(CH3)3、−C2H3(N+H3)COOH、−C2H4N+H3、−C6H6(OH)5、又は−C2H3(OH)CH2(OH)である。)
で表される化合物又はその塩、及び
(C)下記構造式(2)



(式(2)中、R3及びR4は、それぞれ互いに同一でも異なってもよく、−OCOR5(R5は、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X2は−H、−C2H4N+(CH3)3、−C2H3(N+H3)COOH、−C2H4N+H3、−C6H6(OH)5、又は−C2H3(OH)CH2(OH)である。)
で表される化合物又はその塩を含有することを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
(A)乳酸菌が、Lactobacillus(ラクトバチルス属細菌、Lactococcus(ラクトコッカス)属細菌、Enterococcus(エンテロコッカス)属細菌、Bifidobacterum(ビフィドバクテリウム)属細菌及びStreptococcus(ストレプトコッカス)属細菌から選ばれる1種以上である〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕
(A)乳酸菌が、
Lactobacillus curvatus(ラクトバチルス・カルバタス)、
Lactococcus lactis(ラクトコッカス・ラクティス)、
Lactobacillus paracasei(ラクトバチルスパラカゼイ)、
Lactobacillus pentosus(ラクトバチルスペントーサス)、
Lactobacillus plantarum(ラクトバチルスプランタラム)、
Lactobacillus sakei(ラクトバチルスサケイ)、
Lactobacillus reuteri(ラクトバチルスロイテリ)、
Lactobacillus salivarius(ラクトバチルスサリバリウス)、
Lactobacillus rhamnosus(ラクトバチルスラムノーサス)、
Lactobacillus gasseri(ラクトバチルスガセリ)、
Lactobacillus fermentum(ラクトバチルスファーメンタス)、
Lactobacillus crispatus(ラクトバチルスクリスパタス)、
Enterococcus avium(エンテロコッカスアビウム)、
Enterococcus durans(エンテロコッカスデュランス)、
Bifidobacterium adolescentis(ビフィドバクテリウムアドレッセンチス)、
Streptococcus salivarius(ストレプトコッカス サリバリウス)、
Streptococcus mitis(ストレプトコッカスミティス)、
Streptococcus oralis(ストレプトコッカスオラリス)、及び
Streptococcus gordonii(ストレプトコッカス ゴルドニ)
から選ばれる1種以上である〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕
(B)成分が、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルセリンリゾホスファチジルエタノールアミンリゾホスファチジルイノシトール及びリゾホスファチジルグリセリン並びにそれらの塩から選ばれる1種以上である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕
(C)成分が、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルイノシトール及びホスファチジルグリセリン並びにそれらの塩から選ばれる1種以上である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕
(C)成分に対する(B)成分の量比を示す(B)/(C)が、質量比として0.1〜10である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔7〕
歯磨剤洗口剤口中清涼剤塗布剤錠剤又は咀嚼剤である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の口腔用組成物。

発明の効果

0011

本発明によれば、乳酸菌の口腔内滞留性が向上した口腔用組成物を提供できる。この口腔用組成物は、乳酸菌の口腔内滞留性に優れ、口腔内で病原菌、特にミュータンス菌等のう蝕原因菌の増殖を抑制する効果も有することから、プロバイオティクスに応用して各種口腔疾患の予防のために効果的に使用できる。

0012

以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)乳酸菌、(B)後述の構造式(1)で表される化合物又はその塩、及び(C)後述の構造式(2)で表される化合物又はその塩を含有する。

0013

(A)乳酸菌は、う蝕原因菌のミュータンス菌、歯周病原因菌のポルフィルモナスジンジバリス等の口腔内疾患の病原菌への抗菌性を有し、口腔内でのプロバイオティクスに有効な乳酸菌が好ましく、口腔内で常在細菌叢の一部を成している細菌として知られている乳酸菌を用いることができる。
(A)乳酸菌は、例えば、Lactobacillus(ラクトバチルス)属細菌、Lactococcus(ラクトコッカス)属細菌、Enterococcus(エンテロコッカス)属細菌、Bifidobacterum(ビフィドバクテリウム)属細菌、Streptococcus(ストレプトコッカス)属細菌が好ましく、より好ましくはLactobacillus(ラクトバチルス)属細菌、Lactococcus(ラクトコッカス)属細菌、Enterococcus(エンテロコッカス)属細菌、Bifidobacterum(ビフィドバクテリウム)属細菌である。これら各属細菌は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合は互いに同族の細菌であっても異族の細菌であってもよい。

0014

乳酸菌として具体的には、下記が挙げられる。
Lactobacillus curvatus(ラクトバチルス・カルバタス)
Lactococcus lactis(ラクトコッカス・ラクティス)
Lactobacillus paracasei(ラクトバチルスパラカゼイ)
Lactobacillus pentosus(ラクトバチルスペントーサス)
Lactobacillus plantarum(ラクトバチルスプランタラム)
Lactobacillus sakei(ラクトバチルスサケイ)
Lactobacillus reuteri(ラクトバチルスロイテリ)
Lactobacillus salivarius(ラクトバチルスサリバリウス)
Lactobacillus rhamnosus(ラクトバチルスラムノーサス)
Lactobacillus gasseri(ラクトバチルスガセリ)
Lactobacillus fermentum(ラクトバチルスファーメンタス)
Lactobacillus crispatus(ラクトバチルスクリスパタス)
Enterococcus avium(エンテロコッカスアビウム)
Enterococcus durans(エンテロコッカスデュランス)
Bifidobacterium adolescentis(ビフィドバクテリウムアドレッセンチス)
Streptococcus salivarius(ストレプトコッカスサリバリウス)
Streptococcus mitis(ストレプトコッカスミティス)
Streptococcus oralis(ストレプトコッカスオラリス)
Streptococcus gordonii(ストレプトコッカス ゴルドニ)
これらの中でも、特に口腔内滞留性の点から、下記の乳酸菌が好ましい。
Lactobacillus curvatus(ラクトバチルス・カルバタス)
Lactococcus lactis(ラクトコッカス・ラクティス)
Lactobacillus pentosus(ラクトバチルス ペントーサス)
Lactobacillus plantarum(ラクトバチルス プランタラム)
Lactobacillus reuteri(ラクトバチルス ロイテリ)
Lactobacillus salivarius(ラクトバチルス サリバリウス)
Lactobacillus rhamnosus(ラックトバチルスラムノーサス)
Enterococcus avium(エンテロコッカス アビウム)
Enterococcus durans(エンテロコッカス デュランス)

0015

上記乳酸菌は、市販されている乳酸菌、あるいはAmerican Type Culture Collection(ATCC)や製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(NBRC)に寄託された菌株を使用することができ、これらを購入して用いることができる。また、食品等から分離培養して得たものを使用することも可能である。

0016

(A)乳酸菌は、口腔内に適用する際の1g当たりの量(菌数)として、1×106個以上が好ましく、1×107個以上がより好ましく、更に好ましくは1×108個以上である。上限は特に制限はないが、1×1011個以下が好ましい。1×106個/g以上であると、十分な口腔内滞留性が得られる。1×1011個/gを超えると、それ以上の口腔内滞留性の向上は認められず、試料の調整が困難になることもある。
したがって、(A)乳酸菌は、上記濃度(菌数)範囲で口腔用組成物に配合することが好ましく、口腔用組成物中の(A)乳酸菌の含有量は、1×106個/g以上が好ましく、1×107個/g以上がより好ましく、更に好ましくは1×108個/g以上であり、上限は1×1011個/g以下が好ましい。

0017

(B)成分は、下記構造式(1)で表される化合物又はその塩である。これらは、後述の(C)成分と併用することで、(A)成分の口腔内滞留性の向上剤として作用する。

0018

(式(1)中、R1及びR2は、いずれか一方が−OH、他方が−OCOR(Rは、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X1は−H、−C2H4N+(CH3)3、−C2H3(N+H3)COOH、−C2H4N+H3、−C6H6(OH)5、又は−C2H3(OH)CH2(OH)である。)

0019

上記式(1)中の−OCORにおいて、Rは炭素数11〜23、好ましくは15〜21の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。−OCORの具体例としては、ラウリン酸残基(CH3(CH2)10COO−)、ミリスチン酸残基(CH3(CH2)12COO−)、パルミチン酸残基(CH3(CH2)14COO−)、ステアリン酸残基(CH3(CH2)16COO−)、アラキジン酸残基(CH3(CH2)18COO−)、ベヘン酸残基(CH3(CH2)20COO−)、リグノセリン酸残基(CH3(CH2)22COO−)、パルミトレイン酸残基(CH3(CH2)5CH=CH(CH2)7COO−)、オレイン酸残基(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO−)、リノール酸残基(CH3(CH2)4(CH=CHCH2)2(CH2)6COO−)、γリノレン酸残基(CH3(CH2)4(CH=CHCH2)3(CH2)3COO−)、αリノレン酸残基(CH3(CH2)(CH=CHCH2)3(CH2)6COO−)、エルカ酸残基(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)11COO−)、エイペンタエン酸残基(CH3CH2(CH=CHCH2)5(CH2)2COO−)、ドコサヘキサエン酸残基(CH3CH2(CH=CHCH2)6CH2COO−)などが挙げられ、特にパルミチン酸残基(CH3(CH2)14COO−)、ステアリン酸残基(CH3(CH2)16COO−)、オレイン酸残基(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO−)、リノール酸残基(CH3(CH2)4(CH=CHCH2)2(CH2)6COO−)が好ましい。

0020

上記式(1)で表される化合物としては、具体的にリゾホスファチジン酸又はその誘導体が好ましく、例えばリゾホスファチジン酸(LPA、X1;−H)、リゾホスファチジルコリン(LPC、X1;−C2H4N+(CH3)3)、リゾホスファチジルセリン(LPS、X1;−C2H3(N+H3)COOH)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE、X1;−C2H4N+H3)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI、X1;−C6H6(OH)5)、リゾホスファチジルグリセリン(LPG、X1;−C2H3(OH)CH2(OH))等が挙げられる。これらは、1種単独でもよいが2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、リゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、リゾホスファチジルセリン(LPS)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI)、特にリゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、とりわけリゾホスファチジルコリン(LPC)が、(A)成分の口腔内滞留性向上効果の点で好ましい。なお、上記化合物は塩であってもよく、塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩アンモニウム塩などが挙げられる。

0021

(B)成分は、アヴァンティポーラリピッド社製、シグマアルドリッチ社製等の市販品を使用できる。また、卵黄リゾレシチンLPL−1、卵黄レシチンLPL−20W、卵黄レシチンLPL−20S(いずれもキューピー(株)製)、SLP−ホワイトリゾ、SLP−LPC70、SLP−ホワイトリゾH、SLP−LPC70H(いずれも辻製油(株)製)、LIPOID R LPC20(H.Holstein社製)等の市販品を用いることもできる。

0022

(B)成分の配合量は、組成物全体の0.01〜10%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.05〜5%である。0.01%以上であると、口腔内滞留性の向上効果が十分に得られ、10%以下であると、口腔内滞留性の向上効果が十分に維持される。
なお、後述のように口腔用組成物が希釈して口腔内に適用する濃縮タイプの場合は、口腔内へ適用する希釈組成の(B)成分の濃度(使用濃度)が上記範囲内であることが好ましい。

0023

(C)成分は、下記構造式(2)で表される化合物又はその塩である。



(式(2)中、R3及びR4は、それぞれ互いに同一でも異なってもよく、−OCOR5(R5は、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X2は−H、−C2H4N+(CH3)3、−C2H3(N+H3)COOH、−C2H4N+H3、−C6H6(OH)5、又は−C2H3(OH)CH2(OH)である。)

0024

上記式(2)中の−OCOR5において、R5は炭素数11〜23、好ましくは15〜21の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。−OCOR5の具体例としては、ラウリン酸残基(CH3(CH2)10COO−)、ミリスチン酸残基(CH3(CH2)12COO−)、パルミチン酸残基(CH3(CH2)14COO−)、ステアリン酸残基(CH3(CH2)16COO−)、アラキジン酸残基(CH3(CH2)18COO−)、ベヘン酸残基(CH3(CH2)20COO−)、リグノセリン酸残基(CH3(CH2)22COO−)、パルミトレイン酸残基(CH3(CH2)5CH=CH(CH2)7COO−)、オレイン酸残基(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO−)、リノール酸残基(CH3(CH2)4(CH=CHCH2)2(CH2)6COO−)、γリノレン酸残基(CH3(CH2)4(CH=CHCH2)3(CH2)3COO−)、αリノレン酸残基(CH3(CH2)(CH=CHCH2)3(CH2)6COO−)、エルカ酸残基(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)11COO−)、エイコペンタエン酸残基(CH3CH2(CH=CHCH2)5(CH2)2COO−)、ドコサヘキサエン酸残基(CH3CH2(CH=CHCH2)6CH2COO−)などが挙げられ、特にパルミチン酸残基(CH3(CH2)14COO−)、ステアリン酸残基(CH3(CH2)16COO−)、オレイン酸残基(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO−)、リノール酸残基(CH3(CH2)4(CH=CHCH2)2(CH2)6COO−)が好ましい。

0025

上記式(2)で表される化合物としては、具体的にはホスファチジン酸又はその誘導体が好ましく、例えばホスファチジン酸(PA、X2;−H)、ホスファチジルコリン(PC、X2;−C2H4N+(CH3)3)、ホスファチジルセリン(PS、X2;−C2H3(N+H3)COOH)、ホスファチジルエタノールアミン(PE、X2;−C2H4N+H3)、ホスファチジルイノシトール(PI、X2;−C6H6(OH)5)、ホスファチジルグリセリン(LPG、X2;−C2H3(OH)CH2(OH))等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、とりわけホスファチジルコリン(PC)が、口腔内常在菌生育促進効果の点で好ましい。なお、上記化合物は塩であってもよく、塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。

0026

(C)成分は、シグマアルドリッチ社製等の市販品を使用できる。また、卵黄レシチンPL−100P、卵黄レシチンPL−30S(各キューピー(株)製)、SLP−ホワイト、SLP−PC70、SLP−ホワイトH、SLP−PC70H(各辻製油(株)製)、COATSOMENC−21(日油(株)製)等の市販品を用いることもできる。

0027

(C)成分の配合量は、組成物全体の0.01〜10%が好ましく、より好ましくは0.05〜5%である。0.01%以上であると、口腔内滞留性の向上効果が十分に得られる。10%以下であると、口腔内滞留性の向上効果を十分に維持できる。
なお、後述のように口腔用組成物が希釈して口腔内に適用する濃縮タイプの場合は、口腔内へ適用する希釈組成の(C)成分の濃度(使用濃度)が上記範囲内であることが好ましい。

0028

本発明において、(C)成分に対する(B)成分の量比を示す(B)/(C)は、質量比として0.10〜10が好ましく、より好ましくは0.20〜5.0である。上記範囲内であると、口腔内滞留性の向上効果がより優れる。0.10未満であったり、10を超えると、口腔内滞留性の向上効果が低下する場合がある。

0029

本発明の口腔用組成物は、口腔内に(A)乳酸菌を適用させるための様々な形態の各種口腔用製剤として調製することができる。具体的には、固体液体(配合成分の一部又は全部が可溶化せずに分散、懸濁したものも含む。以下同様)、ペースト状、ゲル状等の形態に調製し、種々の口腔用製剤、例えば、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、洗口剤、マウススプレー、口中清涼剤、塗布用ゲル剤等の塗布剤や、口腔内崩壊錠チュアブル錠トローチキャンディー等の錠剤、顆粒等の粒状剤チューインガムグミ等の咀嚼剤、チョコレート、飲料、ヨーグルトといった剤型で使用できる。中でも、歯磨剤、洗口剤、口中清涼剤、塗布剤、錠剤又は咀嚼剤として好適である。
本発明において、口腔用組成物とは、口腔用製剤として上記に示したように、一般的な歯磨剤、洗口剤、塗布剤等の口腔用製剤に加えて、チューインガム、グミや、キャンディー等の錠剤、チョコレート、飲料等の製剤も含むものを意味する。
なお、特に飲料等の製剤は、原液タイプでそのまま使用してもよいが、濃縮タイプであってもよく、例えば水で適宜希釈して使用できる濃縮粉末飲料等に調製することもできる。このような濃縮タイプの製剤の場合、口腔内での使用時の(A)、(B)及び(C)成分量がそれぞれ上記配合量の範囲内であることが好ましく、上記使用時成分量を満たすための製剤成分量と用法、用量に設計された各種製剤に調製できる。

0030

本発明の口腔用組成物には、その使用目的、剤型等に応じて、上記(A)、(B)及び(C)成分以外の公知成分を必要に応じて配合し、通常の方法で調製できる。例えば、練歯磨等の歯磨剤には、研磨剤粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤防腐剤着色剤香料、有効成分等が配合され、洗口剤には、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、着色剤、香料、有効成分等が配合される。錠剤、粒状剤、チューインガム等や、飲料には、それぞれに通常使用される公知成分が配合され、例えば賦形剤増粘剤、界面活性剤、甘味料酸味料ゲル化剤果汁果実加工品香辛料等が挙げられる。

0031

研磨剤としては、沈降性シリカアルミノシリケートジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤リン酸カルシウム系研磨剤、炭酸カルシウム等が挙げられる(配合量は、通常、2〜50%、特に10〜40%)。

0032

粘稠剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、平均分子量160〜4000(医薬部外品原料規格2006に記載の平均分子量)のポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる(配合量は、通常、5〜50%)。

0035

甘味剤としてはサッカリンナトリウム等、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸エステル安息香酸ナトリウム等の安息香酸又はその塩などが挙げられる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。

0036

香料としては、ペパーミント油スペアミント油アニス油ユーカリ油ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油セージ油レモン油オレンジ油ハッカ油カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油ライム油ラベンダー油ローズマリー油ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油レモングラス油オリガナム油、パイニードル油、ネロリ油ローズ油ジャスミン油グレープフルーツ油、スウィティー油、柚油、イリスコクリートアブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料や、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留液液抽出エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントールカルボンアネトールシネオールサリチル酸メチルシンナミックアルデヒドオイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールチモールリナロール、リナリールアセテート、リモネンメントンメンチルアセテート、N−置換パラメンタン−3−カルボキサミドピネンオクチルアルデヒドシトラールプレゴンカルビールアセテートアニスアルデヒドエチルアセテートエチルブチレートアリルシクロヘキサンプロピオネートメチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリデートバニリンウンデカラクトンヘキサナールブタノールイソアミルアルコールヘキセノールジメチルサルファイドシクロテン、フルフラールトリメチルピラジンエチルラクテートエチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバーアップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバーグレープフレーバーマンゴーフレーバー、バターフレーバーミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。配合量は特に限定されないが、通常、上記の香料素材では0.000001〜1%が好ましく、また、上記香料素材を使用した賦香用香料では0.1〜2%が好ましい。

0037

有効成分としては、フッ化ナトリウムモノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素含有化合物抗炎症剤デキストラナーゼ等の酵素水溶性リン酸化合物銅化合物ビタミン類植物抽出物歯石防止剤歯垢防止剤などが挙げられる。有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合できる。

0038

以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示し、また、配合量(%)は純分換算値である。

0039

[実施例、比較例]
下記に示す(A)乳酸菌を用いて下記方法で表1に示す濃度の菌乾燥粉末を調製し、また、表2に示す(B)及び(C)成分を使用し、表3〜9に示す組成のサンプル(口腔用組成物)を常法で調製した。得られたサンプルを後述の実験例1、2に示す方法で評価し、結果を表3〜9に併記した。

0040

(A)乳酸菌は、American Type Culture Collection(以下、ATCCと略記。)又は製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(以下、NBRCと略記。)より購入した、下記の菌株を用いた。
Lactobacillus curvatus ATCC25601(以下、L.curvatusと略記。)
Lactococcus lactis ATCC 19435(以下、L.lactisと略記。)
Lactobacillus paracasei ATCC4646(以下、L.paracaseiと略記。)
Lactobacillus pentosus NBRC12011(以下、L.pentosusと略記。)
Lactobacillus plantarum NBRC15891(以下、L.plantarumと略記。)
Lactobacillus sakei NBRC15893(以下、L.sakeiと略記。)
Enterococcus avium NBRC100477(以下、E.aviumと略記。)
Enterococcus durans NBRC100479(以下、E.duransと略記。)
Lactobacillus reuteri ATCC23272(以下、L.reuteriと略記。)
Lactobacillus salivarius ATCC11742(以下、L.salivariusと略記。)
Lactobacillus rhamnosus ATCC53103(以下、L.rhamnosusと略記。)
Lactobacillus gasseri ATCC33323(以下、L.gasseriと略記。)
Lactobacillus fermentum ATCC14932(以下、L.fermentumと略記。)
Lactobacillus crispatus ATCC33820(以下、L.crispatusと略記。)
Bifidobacterium adolenscentis ATCC15703(以下、B.adolenscentisと略記。)

0041

乳酸菌の調整方法
乳酸菌は、還元脱脂乳培地(10%脱脂粉乳、0.5%酵母エキス)を用い37℃で約18時間培養した後、10,000Gで10分遠心することで遠心沈査として回収した。遠心沈査は、滅菌蒸留水で3回洗浄し、10%スキムミルクに懸濁した後に凍結乾燥処理して菌乾燥粉末を得た。なお、洗浄は、菌分散液を、10,000Gで10分遠心することで行った。得られた菌乾燥粉末1g当たりの菌数を表1に示す。

0042

0043

0044

〔実験例1〕滞留性試験
滅菌シャーレに1cm×2cmのハムスターチークポーチ静置し、表3〜8に示すサンプル100mgを均一に塗布した。その後、下記組成の人工唾液15mLを添加し37℃で約20rpmで振とう(Shaker−EX、TAITEC社製)、約6時間後にチークポーチをオートクレーブ滅菌したPBSで洗浄した後、同溶液に回収した。チークポーチに付着した菌(乳酸菌)を、超音波(20Hz、5秒)により分散させ、MR培地(Difco(登録商標) Lactobacilli MRS Agar、Becton and Dickinson社製)を用いた培養法により菌数を測定した。滞留性(乳酸菌の口腔粘膜への滞留性)の評価は、(B)及び(C)成分を配合しないサンプル(比較例1)の菌数を1.0とした相対値により、下記評価基準に従って行った。
人工唾液組成;
KCl(和光純薬工業(株)製):3.728g/L
KH2PO4(和光純薬工業(株)製):0.136g/L
CaCl2・2H2O(和光純薬工業(株)製):0.147g/L
MgCl2・6H2O(和光純薬工業(株)製):0.02g/L
ムチン(Sigma社製):0.25g/L
アルブミン(和光純薬工業(株)製):1.5g/L
蒸留水:残
(1NのKOHでpH7.0に調整、全量が1Lになるようにメスアップして121℃、20分オートクレーブ

0045

評価基準
A:菌相対値が1.5以上
B:菌相対値が1.1以上1.5未満
C:菌相対値が1.0以上1.1未満
D:菌相対値が1.0未満

0046

*;配合量を示す表中の数値は、組成物1g当たりの菌数(以下同様)。

0047

0048

0049

0050

0051

0052

〔実験例2〕
表9に示す組成のサンプル(錠剤)について、被験者5名で、以下の要領で評価した。まず、下記(i)〜(iv)を行った。
(i)夕食前に、被験者の唾液採取した(採取唾液1)。
(ii)夕食後3分間歯磨きを行った後に、サンプル錠剤を口腔内で噛まずに舐めて溶かし、摂取した。
(iii)就寝前に、再度サンプル錠剤を口腔内で噛まずに舐めて溶かし、摂取し、就寝した。
(iv)翌日起床後、歯磨き前に、被験者の唾液を採取した(採取唾液2)。
採取した唾液中のミュータンス菌数及び乳酸菌数総菌数を測定することで、ミュータンス菌の抑制効果と乳酸菌の滞留性(口腔内滞留性)を評価した。なお、唾液は、10mLの蒸留水を20秒間洗口して吐出した洗口吐出液として採取した。
ミュータンス菌の抑制効果は、採取唾液1中のミュータンス菌数に対する採取唾液2中のミュータンス菌数の比率(ミュータンス菌残存率)を下記式(1)にて算出し、下記の評価基準により評価した。ミュータンス菌数は、Mitis salivarius Agarを用いた培養法で測定した。
乳酸菌の滞留性は、採取唾液2に含まれる総菌数に対する乳酸菌数の各対数値の比率(乳酸菌対数比)を下記式(2)にて算出し、下記の評価基準により評価した。
上記総菌数及び乳酸菌数は、それぞれ定量的ポリメラーゼ連鎖反応法にて測定した。詳細には、唾液を10,000Gで10分間遠心することで菌を回収し、市販のDNA抽出キット(Necttech(登録商標)、TOHO社製)を用いてDNAを抽出した。このDNAをテンプレートとして、下記プライマーを用いた定量的ポリメラーゼ連鎖反応を行った。定量的ポリメラーゼ連鎖反応は、総菌数の場合は、反応液を95℃で40秒間静置した後、95℃で15秒、57℃で30秒、72℃で30秒の反応を50サイクル繰り返すことで行った。乳酸菌(Lactobacillus属細菌)の場合は、反応液を95℃で10分間静置した後、95℃で15秒、60℃で1分の反応を40サイクル繰り返すことで行った。
なお、サンプル使用前に乳酸菌は検出されなかった。

0053

算出式(1)
(ミュータンス菌残存率)=
(採取唾液2中のミュータンス菌数)/(採取唾液1中のミュータンス菌数)
算出式(2)
(乳酸菌数対数比)=
log(乳酸菌数)/log(総菌数)
プラーマー配列
総菌数
フォワードプライマー:TCCTACGGGAGGCAGCAGT
リバースプライマー:GGACTACCAGGGTATCTAATCCTGT
乳酸菌数
Lactobacillus属細菌
フォワードプライマー:TGGAAACAGRTGCTAATACCG
リバースプライマー :GTCCATTGTGGAAGATTCCC

0054

ミュータンス菌の抑制効果の評価基準
A:ミュータンス菌残存率の平均値が0.4未満
B:ミュータンス菌残存率の平均値が0.6未満0.4以上
C:ミュータンス菌残存率の平均値が0.6以上
乳酸菌の滞留性の評価基準
A:乳酸菌数対数比の平均値が0.6以上
B:乳酸菌数対数比の平均値が0.4以上0.6未満
C:乳酸菌数対数比の平均値が0.2以上0.4未満
D:乳酸菌数対数比の平均値が0以上0.2未満

0055

なお、(B)LPCとしては、卵黄リゾレシチンLPC−1(キューピー(株)製、(B)成分:LPC94.5%、上記式(1)中の−OCORは炭素数16〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基、オレイン酸基、リノール酸基の混合物))、(C)PCとしては、表2に示すPCを用い、表9に示す各成分量(純分換算値)となるように配合した。
(A)L.curvatusは、NITEP−568株(NBRCに寄託された菌株)を使用し、上記と同様に調製したものを用いた。

0056

0057

次に、処方例を示す。処方例で用いた(A)成分は上記と同様である。また、(B)、(C)成分としては、下記の市販品((B)−i〜iii、(C)−i〜iii)を用い、これらの配合量を示し、(B)成分量、(C)成分量、(B)/(C)の質量比はそれぞれ別記した。
処方例の口腔用組成物は、乳酸菌の口腔内滞留性に優れ、また、ミュータンス菌の抑制効果にも優れていた。

0058

(B)、(C)成分
(B)−i:卵黄リゾレシチンLPC−1(キューピー(株)製)
((B)成分:LPC94.5%、上記式(1)中の−OCORは炭素数1
6〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基、
オレイン酸基、リノール酸基の混合物))
(B)−ii:SLP−ホワイトリゾ(辻製油(株)製)
((B)成分:LPC27.5%、上記式(1)中の−OCORは炭素数1
6〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基、
オレイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物))
((C)成分:24.2%(PC5.1%、PE3.3%、PI13.5%
、PA2.3%)、上記式(2)中の−OCOR5は炭素数
16〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基
、オレイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物))
(B)−iii:SLP−LPC70(辻製油(株)製)
((B)成分:LPC69.5%、上記式(1)中の−OCORは炭素数1
6〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基、
オレイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物))
((C)成分:7%(PC2.3%、PE1.8%、PI1.8%、
PA1.1%))、上記式(2)中の−OCOR5は炭素数
16〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基
、オレイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物))
(C)−i:卵黄レシチンPC−100P(キューピー(株)製)
((C)成分:97.4%(PC83.2%、PE14.2%)、上記式(
2)中の−OCOR5は炭素数16〜20の脂肪酸残基(パ
ルミチン酸基、ステアリン酸基、アラキジン酸基の混合物)

((B)成分:LPC0.7%、上記式(1)中の−OCORは炭素数16
〜18のパルミチン酸基、ステアリン酸基の混合物)
(C)−ii:SLP−ホワイト(辻製油(株)製)
((C)成分:82.4%(PC29.3%、PE24.5%、PI18.
8%、PA9.8%、上記式(2)中の−OCOR5は炭素
数16〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸
基、オレイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物)

((B)成分:LPC3.3%、上記式(1)中の−OCORは炭素数16
〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基、オ
レイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物))
(C)−iii:SLP−PC70(辻製油(株)製)
((C)成分:85.2%(PC69.4%、PE13.3%、PI0.3
%、PA2.2%、上記式(2)中の−OCOR5は炭素数
16〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基
、オレイン酸基、リノール酸基、リノレン酸基の混合物))
((B)成分:LPC3.1%、上記式(1)中の−OCORは炭素数16
〜18の脂肪酸残基(パルミチン酸基、ステアリン酸基、オ
レイン酸基、リノール酸基の混合物))

0059

[処方例1]歯磨剤
(A)L.lactis 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、1.5×109個)
(B)−iii 0.1
(C)−i 0.1
無水ケイ酸15.0
ラウリル硫酸ナトリウム1.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム1.0
サッカリンナトリウム0.1
グリセリン15.0
香料1.0
バランス
合計 100.0%
(B)成分;0.07%、(C)成分;0.10%、(B)/(C)=0.70

0060

[処方例2]洗口剤
(A)L.rhamnosus 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、1.5×109個)
(B)−i 0.1
(C)−i 0.1
プロピレングリコール3.0
グリセンリン15.0
キシリトール5.0
サッカリンナトリウム0.2
クエン酸ナトリウム0.3
クエン酸0.1
香料0.5
水バランス
合計 100.0%
(B)成分;0.10%、(C)成分0.10%、(B)/(C)=1.0

0061

[処方例3]口中清涼剤
(A)L.lactis 0.3
(製剤1g当たりの菌数は、9×108個)
(B)−iii 0.1
(C)−i 0.05
エタノール10.0
グリセンリン5.0
キシリトール20.0
クエン酸ナトリウム0.3
クエン酸0.05
香料1.0
水バランス
合計 100.0%
(B)成分;0.07%、(C)成分;0.06%、(B)/(C)=1.2

0062

[処方例4]塗布用ゲル剤
(A)L.lactis 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、1.5×109個)
(B)−i 0.1
(C)−i 0.1
ヒロドキシエチルセルロース2.0
グリセリン20.0
ショ糖ステアリン酸エステル0.5
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン0.2
パラオキシ安息香酸エチル0.03
水バランス
合計 100.0%
(B)成分;0.10%、(C)成分;0.10%、(B)/(C)=1.0

0063

[処方例5]チューインガム
(A)L.reuteri 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、5×108個)
(B)−ii 0.5
(C)−ii 0.5
キシリトール48.5
マルチトール20.0
ガムベース20.0
アラビアガム9.0
香料1.0
合計 100.0%
(B)成分;0.15%、(C)成分;0.53%、(B)/(C)=0.28

0064

[処方例6]錠剤
(A)L.salivarius 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、1×109個)
(B)−ii 2.0
(C)−ii 0.1
ソルビトール70.0
マルチトール23.7
香料3.0
微粒二酸化ケイ素0.7
合計 100.0%
(B)成分;0.55%、(C)成分;0.57%、(B)/(C)=0.96

0065

[処方例7]グミ
(A)L.reuteri 1.0
(製剤1g当たりの菌数は、1×109個)
(B)−iii 0.5
(C)−iii 0.1
還元水飴60.0
ゼラチン10.0
香料0.2
水バランス
合計 100.0%
(B)成分;0.35%、(C)成分;0.12%、(B)/(C)=2.9

0066

[処方例8]キャンディー
(A)L.reuteri 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、5×108個)
(B)−ii 5.0
(C)−ii 0.5
砂糖40.0
水飴40.0
クエン酸2.0
l−メントール0.5
香料0.2
水バランス
合計 100.0%
(B)成分;1.4%、(C)成分;1.6%、(B)/(C)=0.88

0067

[処方例9]飲料
(A)L.lactis 0.05
(製剤1g当たりの菌数は、1.5×108個)
(B)−iii 0.1
(C)−iii 0.05
クエン酸0.1
ビタミンC0.04
香料0.1
水バランス
合計 100.0%
(B)成分;0.07%、(C)成分;0.05%、(B)/(C)=1.4

0068

[処方例10]粉末飲料(お湯又は水100mLを加えて調製する。)
(A)L.lactis 0.05
(製剤1g当たりの菌数は、1.5×108個)
希釈液1g当たりの菌数は、1.5×106個)
(B)−ii 0.5
(C)−ii 0.1
粉末緑茶1.0g
合計 1.65g
100mL希釈時の濃度(B)成分;0.14%、(C)成分;0.20%、(B)/(C)=0.70

実施例

0069

[処方例11]チョコレート
(A)L.lactis 0.5
(製剤1g当たりの菌数は、1.5×109個)
(B)−ii 1.0
(C)−ii 0.1
カカオマス17.8
ココアバター12.0
粉乳20.0
砂糖40.0
植物油脂8.5
香料0.1
合計 100.0%
(B)成分;0.28%、(C)成分;0.32%、(B)/(C)=0.88

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