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技術 ジスルフィラムを含むグループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制剤

出願人 学校法人慶應義塾
発明者 福永興壱松坂雅子加畑宏樹
出願日 2018年9月13日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-171424
公開日 2020年3月19日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-040924
状態 未査定
技術分野 非環式または炭素環式化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 嫌酒薬 慢性咳嗽 悪酔い アンタビュース アスピリン喘息 BPM 咳喘息 進行抑制
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (11)

課題

免疫系におけるグループ2自然リンパ球ILC2)の中心的役割に着目し、ILC2の活性を抑制することができる薬剤を開発することを課題とする。

解決手段

ジスルフィラムが、ILC2活性及び/又は増殖作用を抑制することを見出し、ジスルフィラムを含むILC2の活性抑制剤を提供する。

概要

背景

ジスルフィラムは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH阻害活性を有し、肝臓におけるエタノール代謝を抑制する。その結果、ジスルフィラムを服用した後に、アルコールを摂取すると、二日酔い悪酔いの原因となるアセトアルデヒド体内蓄積させる。ジスルフィラムのALDH阻害活性を利用し、ジスルフィラムは、アルコール依存症患者に対して使用する嫌酒薬として開発されている。また、癌患者において、ALDH活性阻害することで、標的薬剤の有効性を増大させることが見いだされている(特許文献1:特表2016−509045)。

上記のALDH阻害活性とは別に、ジスルフィラムが細胞からの種々の細胞傷害薬ポンピングする原形質膜状のP糖蛋白ポンプATP動性の170kdの流出ポンプ)の成熟を防止することも報告されている(非特許文献1:T. W. Loo et al., J.Natl.CancerInst.,92、898〜902、2000)。さらには、ジスルフィラムには癌細胞癌幹細胞においてアポトーシス誘導して増殖を抑制するとの報告もあり、抗癌剤として使用されうる(特許文献2:特開2013−100268、特許文献3:WO2016/111307、非特許文献2:Skrott Z et al., Nature 2017, 552 (7684): 194-199)。また、ジスルフィラムには抗菌効果を発揮することも報告されている(非特許文献3:van Rijn SP, Antimicrob Agents Chemother, 2017 Aug 24; 61 (9))。さらに、ジスルフィラムが、結核菌に対する抗菌活性を有することも報告されている(非特許文献4:Horita Y, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2012 Aug;56(8):4140-5;非特許文献5:Dalecki AG, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2015 Aug;59(8):4835-44.)。

近年の研究から、生体粘膜組織において、抗原受容体を持たないリンパ球が数多く存在することが明らかとなり、粘膜バリア機能の維持や、感染初期応答などの粘膜免疫関与する自然リンパ球(Innate Lymphoid Cell:ILC)と名付けられた。このILCと呼ばれる細胞群には、これまで発見されてきたLti細胞、非T非B細胞、NH細胞、Nuocyteなどが包含され、サイトカイン発現パターンに基づき機能的な観点からグループ1、グループ2、及びグループ3に分類されている。グループ2自然リンパ球(ILC2)は、IL−5及びIL−13を産生することで、ヘルパー2型T細胞(Th2)と共同して好酸球を誘導する。T細胞欠損マウスにおいてもIL−5やIL−13が産生され、それによりにおける好酸球増加がみられた一方で、ILC2欠損マウスではアレルギー応答が観察されないことが報告されている(非特許文献6:Immunity (2012) 37(3) 463-74)。また、ILC2誘導性のIL−13が、樹状細胞遊走を促してTH2細胞分化を誘導することから、ILC2が気管支喘息慢性期における「2型免疫応答」の引き金となる細胞群であると報告されている(非特許文献7:Immunity (2014) 40(3) 425-35)。

概要

免疫系におけるグループ2自然リンパ球(ILC2)の中心的役割に着目し、ILC2の活性を抑制することができる薬剤を開発することを課題とする。ジスルフィラムが、ILC2活性及び/又は増殖作用を抑制することを見出し、ジスルフィラムを含むILC2の活性抑制剤を提供する。

目的

特表2016−509045号公報
特開2013−100268号公報
国際公開第2016/111307号




T. W. Loo et al., J.Natl.CancerInst., (2000) 92 (11), p.898-902
Skrott Z et al., Nature 2017, 552 (7684): 194-199)
Long TE, Antimicrob Agents Chemother, 2017 Aug 24; 61 (9
Horita Y, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2012 Aug;56(8):4140-5
;非特許文献5:Dalecki AG, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2015 Aug;59(8):4835-44
Halim TY, et al., Immunity, (2012) 37(3) 463-74
Halim TY, et al., Immunity, (2014) 40(3) 425-35






免疫系におけるグループ2自然リンパ球(ILC2)の中心的役割に着目し、ILC2の活性を抑制することができる薬剤を開発することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

前記活性抑制剤が、グループ2自然リンパ球(ILC2)の増殖を抑制する、請求項1に記載の活性抑制剤。

請求項3

前記活性抑制剤が、グループ2自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン産生を抑制する、請求項1に記載の活性抑制剤。

請求項4

前記活性抑制剤が、グループ2自然リンパ球(ILC2)による好酸球活性化を抑制する、請求項1に記載の活性抑制剤。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載のグループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制剤を含む、好酸球性炎症抑制剤

請求項6

ジスルフィラムを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防用組成物

請求項7

グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患が、喘息、喘息類似疾患、アレルギー性鼻炎好酸球性副鼻腔炎アトピー性皮膚炎接触性皮膚炎肝硬変胆道閉鎖症ウイルス性肝炎寄生虫感染インフルエンザウイルス感染、好酸球性肺炎、好酸球性胸水間質性肺炎全身性エリテマトーデスSLE)、食物アレルギーピロリ菌関連胃疾患動脈硬化膀胱癌再発、下部消化管GVHD、好酸球性炎症を伴う慢性咳嗽からからなる群から選ばれる、請求項6に記載の治療又は予防用組成物。

請求項8

前記グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患が、Th2型喘息又は非Th2型喘息、咳喘息アトピー咳嗽、非アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)である、請求項7に記載の治療又は予防用組成物。

請求項9

ジスルフィラムを含む、炎症性疾患の治療又は予防用組成物。

請求項10

技術分野

0001

本発明は、ジスルフィラムを含むグループ2自然リンパ球ILC2)の活性抑制剤好酸球炎症抑制剤、グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患又は炎症性疾患治療又は予防用の医薬組成物に関する。

背景技術

0002

ジスルフィラムは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH阻害活性を有し、肝臓におけるエタノール代謝を抑制する。その結果、ジスルフィラムを服用した後に、アルコールを摂取すると、二日酔い悪酔いの原因となるアセトアルデヒド体内蓄積させる。ジスルフィラムのALDH阻害活性を利用し、ジスルフィラムは、アルコール依存症患者に対して使用する嫌酒薬として開発されている。また、癌患者において、ALDH活性阻害することで、標的薬剤の有効性を増大させることが見いだされている(特許文献1:特表2016−509045)。

0003

上記のALDH阻害活性とは別に、ジスルフィラムが細胞からの種々の細胞傷害薬ポンピングする原形質膜状のP糖蛋白ポンプATP動性の170kdの流出ポンプ)の成熟を防止することも報告されている(非特許文献1:T. W. Loo et al., J.Natl.CancerInst.,92、898〜902、2000)。さらには、ジスルフィラムには癌細胞癌幹細胞においてアポトーシス誘導して増殖を抑制するとの報告もあり、抗癌剤として使用されうる(特許文献2:特開2013−100268、特許文献3:WO2016/111307、非特許文献2:Skrott Z et al., Nature 2017, 552 (7684): 194-199)。また、ジスルフィラムには抗菌効果を発揮することも報告されている(非特許文献3:van Rijn SP, Antimicrob Agents Chemother, 2017 Aug 24; 61 (9))。さらに、ジスルフィラムが、結核菌に対する抗菌活性を有することも報告されている(非特許文献4:Horita Y, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2012 Aug;56(8):4140-5;非特許文献5:Dalecki AG, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2015 Aug;59(8):4835-44.)。

0004

近年の研究から、生体粘膜組織において、抗原受容体を持たないリンパ球が数多く存在することが明らかとなり、粘膜バリア機能の維持や、感染初期応答などの粘膜免疫関与する自然リンパ球(Innate Lymphoid Cell:ILC)と名付けられた。このILCと呼ばれる細胞群には、これまで発見されてきたLti細胞、非T非B細胞、NH細胞、Nuocyteなどが包含され、サイトカイン発現パターンに基づき機能的な観点からグループ1、グループ2、及びグループ3に分類されている。グループ2自然リンパ球(ILC2)は、IL−5及びIL−13を産生することで、ヘルパー2型T細胞(Th2)と共同して好酸球を誘導する。T細胞欠損マウスにおいてもIL−5やIL−13が産生され、それによりにおける好酸球増加がみられた一方で、ILC2欠損マウスではアレルギー応答が観察されないことが報告されている(非特許文献6:Immunity (2012) 37(3) 463-74)。また、ILC2誘導性のIL−13が、樹状細胞遊走を促してTH2細胞分化を誘導することから、ILC2が気管支喘息慢性期における「2型免疫応答」の引き金となる細胞群であると報告されている(非特許文献7:Immunity (2014) 40(3) 425-35)。

0005

特表2016−509045号公報
特開2013−100268号公報
国際公開第2016/111307号

先行技術

0006

T. W. Loo et al., J.Natl.CancerInst., (2000) 92 (11), p.898-902
Skrott Z et al., Nature 2017, 552 (7684): 194-199)
Long TE, Antimicrob Agents Chemother, 2017 Aug 24; 61 (9
Horita Y, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2012 Aug;56(8):4140-5
;非特許文献5:Dalecki AG, et al., Antimicrob Agents Chemother. 2015 Aug;59(8):4835-44
Halim TY, et al., Immunity, (2012) 37(3) 463-74
Halim TY, et al., Immunity, (2014) 40(3) 425-35

発明が解決しようとする課題

0007

免疫系におけるグループ2自然リンパ球(ILC2)の中心的役割に着目し、ILC2の活性を抑制することができる薬剤を開発することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題に鑑み、本発明者らは、グループ2自然リンパ球(ILC2)の活性の抑制剤選別可能なスクリーニング系確立した。このスクリーニング系に基づいて、候補薬剤スクリーニングを行ったところ、ILC2の活性を抑制できる薬剤として、ジスルフィラムを選択することができた。本発明者らは、ジスルフィラムが、ILC2誘導性のin vivo喘息モデルにおいて、好酸球及びTh2の細胞数を抑制すること、さらにはin vivo喘息モデル及びin vitroの実験系において、IL−5及びIL−13の産生量を低下することを見出し、本発明に至った。

0009

したがって、本発明は、以下に関する:
[1]ジスルフィラムを含むグループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制剤。
[2] 前記活性抑制剤が、グループ2自然リンパ球(ILC2)の増殖を抑制する、項目1に記載の活性抑制剤。
[3] 前記活性抑制剤が、グループ2自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン産生を抑制する、項目1に記載の活性抑制剤。
[4] 前記活性抑制剤が、グループ2自然リンパ球(ILC2)による好酸球活性化を抑制する、項目1に記載の活性抑制剤。
[5] 項目1〜4に記載のグループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制剤を含む、好酸球性炎症抑制剤。
[6] ジスルフィラムを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防用組成物
[7] グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患が、喘息、喘息類似疾患、アレルギー性鼻炎好酸球性副鼻腔炎アトピー性皮膚炎、好酸球性炎症を伴う咳嗽接触性皮膚炎肝硬変胆道閉鎖症ウイルス性肝炎寄生虫感染インフルエンザウイルス感染、好酸球性肺炎、好酸球性胸水間質性肺炎全身性エリテマトーデスSLE)、食物アレルギーピロリ菌関連胃疾患動脈硬化膀胱癌再発、下部消化管GVHDからなる群から選ばれる、項目6に記載の治療又は予防用組成物。
[8] 前記グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患が、Th2型喘息又は非Th2型喘息、咳喘息アトピー咳嗽、非アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)である、項目7に記載の治療又は予防用組成物。
[9] ジスルフィラムを含む、炎症性疾患の治療又は予防用組成物。
[10] 炎症性疾患が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患潰瘍性大腸炎咽喉頭炎、膀胱炎肝炎、肺炎、膵炎腸炎抗リン脂質抗体症候群多発性筋炎皮膚筋炎強皮症シェーグレン症候群IgG4関連疾患、血管炎症候群混合性結合組織病成人スティル病クローン病原発性胆汁性肝硬変多発性硬化症重症筋無力症ギランバレー症候群急速進行性糸球体腎炎自己免疫性溶血性貧血特発性血小板減少性紫斑病免疫性血小板減少症)、バセドウ病天疱瘡、及び類天疱瘡からなる群から選択される、項目9に記載の組成物
[11] ジスルフィラムを適用することを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制方法
[12] ジスルフィラムを適用することを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)の増殖抑制方法
[13] ジスルフィラムを適用することを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン産生の抑制方法
[14] ジスルフィラムを適用することを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)による好酸球活性化の抑制方法。
[15] ジスルフィラムを適用することを含む、好酸球性炎症の抑制方法。
[16] ジスルフィラムを投与することを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防方法
[17] グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患が、喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、好酸球性炎症を伴う慢性咳嗽、接触性皮膚炎、肝硬変、胆道閉鎖症、ウイルス性肝炎、寄生虫感染、インフルエンザウイルス感染、好酸球性肺炎、好酸球性胸水、間質性肺炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、食物アレルギー、ピロリ菌関連胃疾患、動脈硬化、膀胱癌再発、下部消化管GVHDからなる群から選ばれる、項目16に記載の治療又は予防方法。
[18] 前記喘息が、Th2型喘息又は非Th2型喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、非アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)である、項目17に記載の治療又は予防方法。
[19] ジスルフィラムを含む、炎症性疾患の治療又は予防方法。
[20] 炎症性疾患が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎、肺炎、膵炎、腸炎、抗リン脂質抗体症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患、血管炎症候群、混合性結合組織病、成人スティル病、クローン病、原発性胆汁性肝硬変、多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、急速進行性糸球体腎炎、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)、バセドウ病、天疱瘡、及び類天疱瘡からなる群から選択される、項目19に記載の方法。
[21] グループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制剤の製造のための、ジスルフィラムの使用。
[22] グループ2自然リンパ球(ILC2)の増殖抑制剤の製造のための、ジスルフィラムの使用。
[23] グループ2自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン産生抑制剤の製造のための、ジスルフィラムの使用。
[24] グループ2自然リンパ球(ILC2)による好酸球活性化を抑制剤の製造のための、ジスルフィラムの使用。
[25] 好酸球性炎症の抑制剤の製造のための、ジスルフィラムの使用。
[26] グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防用の医薬の製造のためのジスルフィラムの使用。
[27] グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患が、喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、好酸球性炎症を伴う慢性咳嗽、接触性皮膚炎、肝硬変、胆道閉鎖症、ウイルス性肝炎、寄生虫感染、インフルエンザウイルス感染、好酸球性肺炎、好酸球性胸水、間質性肺炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、食物アレルギー、ピロリ菌関連胃疾患、動脈硬化、膀胱癌再発、下部消化管GVHDからなる群から選ばれる、項目24に記載の使用。
[28] 前記喘息が、Th2型喘息又は非Th2型喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、非アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)である、項目26に記載の使用。
[29] 炎症性疾患の治療又は予防用の医薬の製造のための、ジスルフィラムの使用。
[30] 炎症性疾患が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎、肺炎、膵炎、腸炎、抗リン脂質抗体症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患、血管炎症候群、混合性結合組織病、成人スティル病、クローン病、原発性胆汁性肝硬変、多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、急速進行性糸球体腎炎、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)、バセドウ病、天疱瘡、及び類天疱瘡からなる群から選択される、項目29に記載の使用。
[31] グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防において使用するためのジスルフィラム。
[32] ILC2の活性抑制を介して、グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防において使用するためのジスルフィラム。

発明の効果

0010

ジスルフィラムは、以下の:
(1)ILC2の増殖及び/又は活性の抑制効果
(2)サイトカイン産生抑制効果、
(3)Th2の低減効果及び/又は活性化の抑制効果、
(4)好酸球の遊走及び/又は活性化の抑制効果、
(5)ILC2関連疾患の抑制、改善、治療、及び/又は予防効果
(6)好酸球性炎症の抑制、改善、治療、及び/又は予防効果、並びに
(7)炎症性疾患の抑制、改善、治療、及び/又は予防効果
のうちの少なくとも1の効果を発揮する。また、ジスルフィラムは嫌酒薬としてすでに上市されていることから、重篤副作用を誘導する可能性が低い。

図面の簡単な説明

0011

図1は、OVA喘息モデルマウスにおける気道洗浄液(BAL)中の総細胞数(1)、好酸球数(2)、ILC2細胞数(3)、及びTh2細胞数(4)について、ジスルフィラム(Disulfiram)の投与による作用を示すグラフである。
図2は、OVA喘息モデルマウスにおける肺組織におけるILC2細胞数(1)、及びTh2細胞数(2)について、ジスルフィラム(Disulfiram)の投与による作用を示すグラフである。
図3は、IL−33誘導喘息モデルマウスにおける気道洗浄液(BAL)中の総細胞数(1)、好酸球数(2)、ILC2細胞数(3)、及びTh2細胞数(4)について、ジスルフィラム(DSF)の投与による作用を示すグラフである。
図4は、IL−33誘導喘息モデルマウスにおける肺組織におけるILC2細胞数(1)、及びTh2細胞数(2)について、ジスルフィラム(DSF)の投与による作用を示すグラフである。
図5は、IL−33誘導喘息モデルマウスにおける気道洗浄液(BAL)中のIL−5量(1)及びIL−13量(2)について、ジスルフィラム(DSF)の投与による作用を示すグラフである。
図6は、IL−33誘導喘息モデルマウスにおけるムチンスコアについて、ジスルフィラム(DSF)の投与による作用を示すグラフである。
図7は、インビトロにおける培養マウスILC2のPI陰性細胞数に対するジスルフィラムの作用を示す。
図8は、インビトロにおける培養マウスILC2によるIL−5量(1)及びIL−13量(2)に対するジスルフィラムの作用を示す。
図9は、ヒト末梢血ILC2におけるIL−5量(1)及びIL−13量(2)に対するジスルフィラムの作用を示す。
図10は、ヒト末梢血由来Th2細胞の生存率(1)、並びに産生するIL−5量(2)に対するジスルフィラムの影響を示すグラフである。

0012

本発明は、ジスルフィラムを含むグループ2自然リンパ球(ILC2)の活性抑制剤に関する。

0013

ジスルフィラムは、テトラエチルチウラムジスルフィドという化合物であり、下記の化学式



によって表される。ジスルフィラムは、アルコールデヒドロゲナーゼの活性を阻害することで、肝臓におけるエタノール代謝を抑制することから、嫌酒薬としてノックビンアンタビュースという商品名で市販されている。すでに市販されていることから、重篤な副作用についての知見が十分に蓄積しており、新たな適応拡大のための臨床試験を簡略化しうる。

0014

グループ2自然リンパ球(ILC2)とは、抗原受容体を持たない自然リンパ球の1種であり、主にIL−5及びIL−13を産生する自然リンパ球である。ILC2は、GATA3依存的にリンパ球系共通前駆細胞(CLP)から分化する。ILC2は、T細胞やB細胞で特定されている表面抗原であるLineageマーカーを有していないことでも特徴づけることができる。Lineageマーカーとしては、CD3、CD4、CD5、CD8、CD16、CD19、CD20、CD56、B220、NK1.1、Gr−1、CD11b、CD11c、FceRIaなどが挙げられ、このうちのいくつかを組み合わせて使用する。その一方で、ILC2は、IL−2、IL−7、IL−25、IL−33などのサイトカインに対する受容体を発現していることが知られており、さらにSca−1、c−Kit、Thy1、ICOSなどのマーカーを発現している。一例として、マウスにおいてはLin−IL−7Ra+Thy1.2+ST2+やLin−T1/ST2+Thy1.2+ST2+の表現型を有する細胞を、ヒトにおいてはLin−IL−7Ra+CRTH2+CD161+の表現型を有する細胞をILC2と呼ぶこともできる。ILC2はIL−25やIL−33、TSLP等のサイトカインによって活性化される。活性化されたILC2は、IL—4、IL−5及びIL−13などのサイトカインを産生する。また、こうしたサイトカインの働きを介し、ILC2は、好酸球の誘導や活性化、杯細胞過形成を引き起こす。

0015

ILC2の活性は、ILC2の増殖能、又はIL−13及びIL−5の産生能により判定することができ、またIL−13やIL−5のサイトカインにより引き起こされる好酸球の誘因や、杯細胞過形成によっても判定することができる。ILC2の活性抑制剤は、好酸球の活性化を抑制することで、好酸球性炎症疾患の治療又は予防に用いられうる。

0016

本発明の別の態様では、ジスルフィラムを含む、炎症性疾患の治療又は予防用組成物に関する。本発明のさらなる態様では、ジスルフィラムを含む、グループ2自然リンパ球(ILC2)関連疾患の治療又は予防用組成物に関する。

0017

本発明の組成物により治療又は予防されうる炎症性疾患の一例として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎、肺炎、膵炎、腸炎、抗リン脂質抗体症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患、血管炎症候群、混合性結合組織病、成人スティル病、クローン病、原発性胆汁性肝硬変、多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、急速進行性糸球体腎炎、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)、バセドウ病、天疱瘡、及び類天疱瘡などが挙げられる。

0018

また、本発明において、炎症性疾患の中でも、ILC2が関連する疾患が特に好ましい。ILC2は、呼吸器、皮膚、血液、消化器、目、などの様々な組織に存在することが報告されており、これらの組織における疾患、特にアレルギー疾患に関わっている。研究の進展に伴い、さらに多くの組織における疾患にも関与しうる。ILC2が関与するアレルギーは、自然型アレルギーと呼ばれ、Th2細胞が関与する獲得型アレルギーとは区別しうる一方で、ILC2が産生するIL−13及びIL−5は、Th2細胞も産生することができ、それにより生じる杯細胞過形成や好酸球の誘因といった最終的な事象の点では区別できないこともある。一例として、ILC2関連疾患としては、皮膚、呼吸器及び消化管のアレルギー性炎症が挙げられる。

0019

呼吸器におけるILC2関連疾患としては、喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性肺炎(例えば、Loeffler症候群慢性好酸球性肺炎)、運動誘発性気管支収縮慢性閉塞性肺疾患COPD)、急性気管支炎慢性気管支炎肺気腫、鼻茸、特発性肺線維症アレルギー性気管支炎、肺胞炎気管支拡張症、好酸球性胸水、間質性肺炎などが挙げられる。皮膚におけるILC2関連疾患としては、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、強皮症、乾癬蕁麻疹水疱などが挙げられる。その他の組織におけるILC2関連疾患として、肝硬変、胆道閉鎖症、ウイルス性肝炎、寄生虫感染、インフルエンザウイルス感染、全身性エリテマトーデス(SLE)、食物アレルギー、ピロリ菌関連胃疾患、動脈硬化、膀胱癌再発、下部消化管GVHDなどが含まれうる。ILC2関連疾患としては、特に喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、好酸球性炎症を伴う慢性咳嗽、接触性皮膚炎、肝硬変、胆道閉鎖症、ウイルス性肝炎、寄生虫感染、インフルエンザウイルス感染、好酸球性肺炎、好酸球性胸水、間質性肺炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、食物アレルギー、ピロリ菌関連胃疾患、動脈硬化、膀胱癌再発、下部消化管GVHDが挙げられる。

0020

本発明の抑制剤又は組成剤が用いられる疾患として、喘息や喘息類似疾患が挙げられる。喘息は、慢性の気道炎症である。好酸球性の炎症が典型的であるものの、好酸球以外の炎症性細胞主体の表現型も存在している。本発明の抑制剤又は組成物が有効な喘息としては、Th2型喘息又は非Th2型喘息が挙げられる。Th2型喘息としては、早期発症アレルギー型喘息、アスピリン喘息後期発症好酸球優位型喘息、アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)が挙げられる。非Th2型喘息としては、後期発症非アレルギー型喘息、好中球優位型喘息、肥満関連喘息が挙げられる。ILC2との関連性の観点から、本発明の抑制剤又は組成物が有効な喘息として、Th2型喘息、特に好酸球優位型喘息が挙げられる。喘息類似疾患として、好酸球性炎症を伴う慢性咳嗽が挙げられる。具体的に、咳喘息、アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎が知られており、ILC2との関連性との観点から、これらの疾患の治療に、本発明の抑制剤又は組成物が有効である。また、喘息の患者のなかには、高用量の吸入副腎皮質ステロイド薬を用いてもコントロールが困難な重症患者が存在する。そのようなステロイド抵抗性の喘息にILC2の関与が示唆されている。したがって、本発明の抑制剤又は組成物は、ステロイド抵抗性アレルギー疾患、特にステロイド抵抗性の喘息の治療又は予防に有用である。

0021

好酸球は細胞傷害性を有する顆粒タンパク質を含んでおり、I型アレルギー反応に関与し、また寄生虫感染に対する防御反応を担っている。好酸球が産生する顆粒タンパク質の沈着が慢性気管支喘息患者気道組織アトピー性皮膚炎患者病変部位に認められる。好酸球性の炎症として、好酸球が関与する慢性気管支喘息、アトピー性皮膚炎、鼻茸、好酸球増多症候群、好酸球性鼻炎好酸球性筋膜炎、慢性好酸球性白血病特発性好酸球増加症候群、好酸球性肺炎などのアレルギー性疾患が挙げられる。本発明の抑制剤又は組成物は、ILC2の活性抑制を介して、好酸球の作用を抑制することができる。したがって、本発明の抑制剤又は組成物により、上述の好酸球性の炎症に係る疾患が、治療又は予防されうる。

0022

本発明の抑制剤及び/又は組成物は、本発明の技術分野において用いられる任意の構成成分を含んでもよい。そのような構成成分として、追加の有効成分、緩衝剤賦形剤希釈剤、安定剤、抗酸化剤保存剤香味剤などが含まれてもよい。追加の有効成分としては、抗炎症剤抗菌剤免疫抑制剤などが主に挙げられる。

0023

追加の有効成分として併用される抗炎症剤としては、ステロイド非ステロイド抗ヒスタミン薬、Th2サイトカイン阻害薬ロイコトリエン拮抗薬トロンボキサンA阻害剤などが使用されうる。追加の有効成分は、本発明の抑制剤及び/又は組成物と同時に又は経時的に投与することができる。

0024

本明細書で使用する場合、治療又は予防とは、疾患の症状の緩解緩和、軽減、進行抑制などを意味する。本発明の抑制剤及び/又は組成物は、目的の組織に応じて任意の経路で投与することができる。投与経路としては、例えば、経口投与、又は鼻腔内、口腔内気道内直腸内、皮下、経皮筋肉内、静脈内、若しくは腹腔内などの非経口投与が挙げられる。投与形態としては、例えば、噴霧剤カプセル剤錠剤散剤顆粒剤シロップ剤乳剤坐剤注射剤軟膏、又はテープ剤などが挙げられる。

0025

ジスルフィラムの用量は、患者の状態、性別、体重、又は年齢に応じて、また投与形態及び投与経路に応じて任意に選択することができる。経口投与する場合には、一例として、1日当たり10mg〜1000mgの範囲で投与しうる。十分なILC2活性抑制効果を発揮する観点から、500mg以上が好ましく、1000mg以上がさらに好ましい。副作用を抑制する観点から、500mg以下が好ましく、100mg以下がさらに好ましい。

0026

本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。

0027

以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。

0028

実施例1:ドラッグスクリーニング
840種の既存薬剤ライブラリーについて、ILC2活性に基づいてスクリーニングを行った。ILC2の増殖又はサイトカイン産生に対する抑制効果を有する127種類の薬剤を得た。その中で抗がん剤・ステロイド以外の薬剤73種類について着目した。その中で、抗寄生虫農薬抗ウイルス薬以外の60種類に着目し、ILC2の増殖及びサイトカイン産生の両方を抑制した22種類の薬剤を得た。その中で、ジスルフィラムをILC2抑制剤として特に有用な薬剤として得た。

0029

実施例2:OVA喘息モデルマウスへのジスルフィラムの投与
OVA喘息モデルマウスの作成
卵白アルブミン(OVA:15μg)と一緒水酸化アルミニウムアラム)を、1日目、9日目、15日目に雌C57BL/6マウス(6週齢)に腹腔内投与することにより、OVAに対する感作成立させた。次に、22日目から24日目にかけて、40μlのPBSに溶解した卵白アルブミン(10ng)を鼻腔内投与することで、OVA喘息モデルマウスを作成した。

0030

ジスルフィラムの投与
感作マウスに対して、22日目〜24日目にかけて毎日、卵白アルブミンの鼻腔投与と同時に、ジスルフィラム(30mg/マウス)を胃内投与した。対照として、ジスルフィラムの代わりにオイルを投与した。

0031

フローサイトメトリーによる測定
28日目にマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)を取得し、また肺のサンプルを取得した。BALについて、血球計算盤を用いて総細胞数及び好酸球数を測定した。好酸球数の測定のために、計数前にDiff-quick染色を行って好酸球を染色した。また、BALについてフローサイトメトリー法により分析し、ILC2細胞数、Th2細胞数をそれぞれ測定した。結果を図1に示す。また、肺のサンプルについて、フローサイトメトリー法により分析を行い、ILC2細胞数及びTh2細胞数を測定した。結果を図2に示す。

0032

OVA喘息モデルマウスから取得されたBALにおいて、総細胞数、好酸球数、ILC2細胞数、Th2細胞数は、いずれもジスルフィラムの投与により、有意に減少した。また、OVA喘息モデルマウスから取得された肺サンプルにおいて、ILC2細胞数及びTh2細胞数はいずれもジスルフィラムの投与により、有意に減少した。

0033

実施例3:IL−33誘導喘息モデルマウスへのジスルフィラムの投与
IL−33誘導喘息モデルマウスの作成
IL−33(0.5μg)を、1日目、3日目に雌C57BL/6マウス(6~8週齢)に鼻腔内投与することにより、IL−33誘導喘息モデルマウスを作成した。

0034

ジスルフィラムの投与
ジスルフィラム(3mg/マウス、又は30mg/マウス)を、1日目〜3日目にかけて毎日胃内投与した。対照として、ジスルフィラムの代わりにオイルを投与した。

0035

フローサイトメトリーによる測定
5日目にマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)を取得し、また肺のサンプルを取得した。BALについて、血球計算盤を用いて総細胞数及び好酸球数を測定した。好酸球数の測定のために、計数前にDiff-quick染色を行って好酸球を染色した。また、BALについてフローサイトメトリー法により分析し、ILC2細胞数、Th2細胞数をそれぞれ測定した。結果を図3に示す。また、肺のサンプルについて、フローサイトメトリー法により分析を行い、ILC2細胞数及びTh2細胞数を測定した。結果を図4に示す。

0036

IL33誘導喘息モデルマウスから取得されたBALにおいて、総細胞数、好酸球数、ILC2細胞数、Th2細胞数は、いずれもジスルフィラムの投与により、有意に減少した。また、IL33誘導喘息モデルマウスから取得された肺サンプルにおいて、ILC2細胞数及びTh2細胞数はいずれもジスルフィラムの投与により、有意に減少した(*p<0.05、**p<0.01)。

0037

サイトカイン発現量の測定
5日目に取得された気管支肺胞洗浄液(BAL)において、QuantikineELISAキット(R&D Systems)を用いて、IL−5及びIL−13の濃度を測定した(図5)。IL−33の投与により、BAL中のIL−5及びIL−13濃度は増加した。IL−33の投与により増加したIL−5及びIL−13濃度は、ジスルフィラム(DSF)の投与により、用量依存的に有意に低下した(*p<0.05、**p<0.01)。

0038

ムチンスコアの決定
肺サンプルに対し、PAS染色を行った。気道上皮細胞におけるPAS陽性率を4段階でスコア化した(0:0%、1:1〜25%、2、26〜50%、3:51〜75%、4:76%〜100%)。それぞれのサンプルにおいて、平均スコアを算出した(図6)。IL−33の投与により増大したムチンスコアは、ジスルフィラム(DSF)の投与により、用量依存的に有意に低下した(*p<0.05、**p<0.01)。

0039

ジスルフィラム投与による毒性試験
ジスルフィラム(30mg/マウス)を、1日目〜3日目にかけて毎日胃内投与した。対照として、ジスルフィラムの代わりにオイルを投与した。5日目に脾臓重量、体重、総細胞数、脾臓のTh2細胞、B細胞、NK細胞、肺総細胞数、肺のTh2細胞、B細胞、NK細胞について比較したところ、対照とジスルフィラム投与群とで、ジスルフィラムによる毒性は見られなかった(データ未掲載)。

0040

実施例4:マウスFALC由来培養ILC2細胞におけるジスルフィラムの作用
ILC2細胞培養実験
マウスFALC細胞から派生させたILC2細胞(10000細胞/ウェル)を、10ng/mlのIL−2又は10ng/mlのIL−33添加RPMI培養液で3日間培養した。RPMI培養液の組成は、下記のとおりである。




IL−33添加RPMI培養液には、さらにジスルフィラムの非添加群、及び添加群(10−9mol/l、10−8mol/l、10−7mol/l、10−6mol/l)に分け、培養を行った。

0041

細胞培養後、プロピジウムヨージド(PI)染色を行い、フローサイトメトリーによりPI陰性細胞の数を測定した(図7)。IL−33添加群において、IL−2添加群と比較して、PI陰性細胞数が増加した。増加したPI陰性細胞数は、ジスルフィラムの濃度(10−7mol/l、10−6mol/l)において有意に低下した(**p<0.01)。PI陽性細胞死細胞を表すことから、IL−33添加で増加した死細胞の数が、ジスルフィラムの添加により減少することあら、IL−33で増加したILC2をジスルフィラムが抑制することを示す。

0042

また、培養上清を取得し、QuantikineELISAキット(R&D Systems)を用いて、IL−5及びIL−13の濃度を測定した(図8)。IL−33添加群において、IL−2添加群と比較して、IL−5及びIL−13の濃度が増加した。増加したIL−5は、ジスルフィラムの濃度(10−7mol/l、10−6mol/l)において有意に低下した(**p<0.01)。また、増加したIL−13は、ジスルフィラムの濃度(10−7mol/l、10−6mol/l)において用量依存的に低下した。

0043

実施例5:ヒト末梢血由来ILC2細胞におけるジスルフィラムの影響
10ng/mlのIL−2、10ng/mlのIL−33、及び50ng/mlのTSLP添加RPMI培養液を作成した。この培養液には、さらにジスルフィラムの非添加群、及び添加群(10−9mol/l、10−8mol/l、10−7mol/l、10−6mol/l)に分け、ヒト末梢血から取得したILC2細胞(500細胞/ウェル)を培養した。培養上清を取得し、QuantikineELISAキット(R&D Systems)を用いて、IL−5及びIL−13の濃度を測定した(図9)。

0044

実施例6:ヒト末梢血由来Th2細胞におけるジスルフィラムの影響
ヒト末梢血由来のTh2細胞(5000細胞/ウェル)を、ジスルフィラム(DSF)の非添加RPMI培養液及び添加RPMI培養液(10-9、10-8、10-7、10-6mol/l)で24時間培養した。PI陰性細胞をフローサイトメトリーにより計数した。24時間培養後の細胞の生存率を示した(図10(1))。ジスルフィラムは用量依存的に、Th2細胞の生存率を減少させた。

実施例

0045

ヒト末梢血由来TH2細胞(5000細胞/ウェル)を、Dynabeads登録商標)ヒトT−Activator CD3/ CD28(Veritas)とともに、ジスルフィラムの非添加RPMI培養液及び添加RPMI培養液(10-9、10-8、10-7、10-6mol/l)で24時間培養した。培養上清を取得し、QuantikineELISAキット(R&D Systems)を用いて、IL−5の濃度を測定した(図10(2))。10-7及び10-6mol/lの濃度のジスルフィラムにより、IL-5の産生が抑制された。

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