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技術 チロシナーゼ阻害剤

出願人 株式会社日本触媒
発明者 中之庄正弘菅原飛鳥
出願日 2018年9月10日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-169080
公開日 2020年3月19日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-040905
状態 未査定
技術分野 化粧料
主要キーワード トビケラ 強電解水 セリシン濃度 使用意図 テンサ シグマアルドリッチ製 絹タンパク ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

優れたチロシナーゼ阻害活性を有するセリシンを含有するチロシナーゼ阻害剤等を提供すること。

解決手段

本発明は、加水分解されていないセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。また、本発明は、SDS−PAGEにおいて150kDa以上の分子量領域に1本以上の明確なバンドを含有するセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。また、本発明は、又は生糸から3M以上の臭化リチウム水溶液で抽出する工程を含む方法で得られたセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。

概要

背景

蚕糸セリシンフィブロインという2種類のタンパクから主に構成されており、このうち、フィブロインは蚕繭の繊維を構成する不溶性タンパクであり、セリシンはフィブロインが形成する繊維の外側を層状に覆い、その接着などに関わる水溶性のタンパクである。

絹糸精錬工程では、蚕糸をアルカリ性熱水で煮てセリシンを可溶化して、フィブロインのみを取り出すことが行われているが、絹糸の精錬工程を行う職人の手が綺麗であることから、セリシンが肌に良いことは経験的に知られており、この精錬廃液からセリシンを抽出精製して化粧品に使用することが行われている。精錬工程で得られるセリシンは加水分解され、低分子量化したものになっている。

一方、セリシンが、皮膚色素であるメラニン合成鍵酵素であるチロシナーゼ阻害活性を有することが知られており、美白シミ防止用皮膚外用剤化粧料として検討されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1では、蚕糸からセリシンを抽出する過程で、水溶液中又は炭酸ナトリウム水溶液中において95℃で加熱処理されており、特許文献1に記載のセリシンは、このような抽出操作により加水分解、低分子量化されている可能性が高い。

また、セリシンは高分子量のタンパクであることから、水溶液やエタノールなどの有機溶媒との混合液自律的にゲル化して、別途ゲル化剤等を使用することなくクリームやゲル状の化粧料として使用できることが期待できる。しかし、加水分解、低分子量化されたセリシンは、水溶液や有機溶媒との混合液にしてもゲル化できないと考えられる。

蚕繭はセリシン、フィブロイン、その他の有機化合物からなり、フィブロインを取り除いてセリシンのみを抽出するには煩雑な工程が必要でコストが高く、水に不要なフィブロインを除くための工程で水中での加熱処理が必要であり、セリシンが加水分解を受けて高分子量の状態を保つことが困難であった。

概要

優れたチロシナーゼ阻害活性を有するセリシンを含有するチロシナーゼ阻害剤等を提供すること。本発明は、加水分解されていないセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。また、本発明は、SDS−PAGEにおいて150kDa以上の分子量領域に1本以上の明確なバンドを含有するセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。また、本発明は、又は生糸から3M以上の臭化リチウム水溶液で抽出する工程を含む方法で得られたセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。なし

目的

本発明の目的は、優れたチロシナーゼ阻害活性を有するセリシンを含有するチロシナーゼ阻害剤等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

加水分解されていないセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤

請求項2

SDS−PAGEにおいて150kDa以上の分子量領域に1本以上の明確なバンドを有するセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤。

請求項3

又は生糸から3M以上の臭化リチウム水溶液で抽出する工程を含む方法で得られたセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載のチロシナーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤

請求項5

請求項1〜3のいずれか1項に記載のチロシナーゼ阻害剤を配合することを特徴とする請求項4に記載の皮膚外用剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、セリシンを含有するチロシナーゼ阻害剤、及び、該チロシナーゼ阻害剤を含有する皮膚外用剤に関する。

背景技術

0002

蚕糸はセリシンとフィブロインという2種類のタンパクから主に構成されており、このうち、フィブロインは蚕繭の繊維を構成する不溶性タンパクであり、セリシンはフィブロインが形成する繊維の外側を層状に覆い、その接着などに関わる水溶性のタンパクである。

0003

絹糸精錬工程では、蚕糸をアルカリ性熱水で煮てセリシンを可溶化して、フィブロインのみを取り出すことが行われているが、絹糸の精錬工程を行う職人の手が綺麗であることから、セリシンが肌に良いことは経験的に知られており、この精錬廃液からセリシンを抽出精製して化粧品に使用することが行われている。精錬工程で得られるセリシンは加水分解され、低分子量化したものになっている。

0004

一方、セリシンが、皮膚色素であるメラニン合成鍵酵素であるチロシナーゼ阻害活性を有することが知られており、美白シミ防止用の皮膚外用剤、化粧料として検討されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1では、蚕糸からセリシンを抽出する過程で、水溶液中又は炭酸ナトリウム水溶液中において95℃で加熱処理されており、特許文献1に記載のセリシンは、このような抽出操作により加水分解、低分子量化されている可能性が高い。

0005

また、セリシンは高分子量のタンパクであることから、水溶液やエタノールなどの有機溶媒との混合液自律的にゲル化して、別途ゲル化剤等を使用することなくクリームやゲル状の化粧料として使用できることが期待できる。しかし、加水分解、低分子量化されたセリシンは、水溶液や有機溶媒との混合液にしてもゲル化できないと考えられる。

0006

蚕繭はセリシン、フィブロイン、その他の有機化合物からなり、フィブロインを取り除いてセリシンのみを抽出するには煩雑な工程が必要でコストが高く、水に不要なフィブロインを除くための工程で水中での加熱処理が必要であり、セリシンが加水分解を受けて高分子量の状態を保つことが困難であった。

先行技術

0007

特開平10−265403号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、優れたチロシナーゼ阻害活性を有するセリシンを含有するチロシナーゼ阻害剤等を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、から得られたを使用して、高温での加熱を要しないマイルドな条件で抽出を行うことにより得られるセリシンがSDS−PAGEの特定領域に明確なバンドを示し、加水分解を受けていないセリシンを含むことを確認し、このようにして得られた加水分解を受けていないセリシンが意外なことに、加水分解、低分子量化されたセリシンに比べて格段に優れたチロシナーゼ阻害活性を示すことを見出した。また、このような優れたチロシナーゼ阻害活性を示す加水分解を受けていないセリシンが、皮膚外用剤等として極めて適していることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。

0010

すなわち、本発明は、加水分解されていないセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。

0011

本発明はまた、SDS−PAGEにおいて150kDa以上の分子量領域に1本以上の明確なバンドを有するセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。

0012

本発明はまた、蚕の繭又は生糸から3M以上の臭化リチウム水溶液で抽出する工程を含む方法で得られたセリシンを含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤を提供する。

0013

また、本発明は、前記チロシナーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供する。

0014

さらに、本発明は、前記チロシナーゼ阻害剤を配合することを特徴とする前記皮膚外用剤の製造方法を提供する。

発明の効果

0015

本発明によれば、加水分解されていないセリシンは、加水分解、低分子量化されたセリシンと比べて、極めて優れたチロシナーゼ阻害活性を示し、チロシナーゼ阻害剤の有効成分として有用である。そのため、加水分解されていないセリシンを含有するチロシナーゼ阻害剤は、皮膚外用剤の有効成分として、好適に使用することができる。

図面の簡単な説明

0016

製造例1〜6で得られたセリシン水溶液のSDS−PAGEの結果を示す写真である(実施例1、2、比較例1〜4)。
製造例1〜6で得られたセリシン水溶液のチロシナーゼ阻害活性の結果を示すグラフである(実施例3、4、比較例5〜8)。

0017

本発明のチロシナーゼ阻害剤の第1の態様は、加水分解されていないセリシンを含有することを特徴とする。また、本発明のチロシナーゼ阻害剤の他の態様は、SDS−PAGEにおいて150kDa以上の分子量領域に1本以上の明確なバンドを有するセリシンを含有することを特徴とする。また、本発明のチロシナーゼ阻害剤の他の態様は、蚕の繭又は生糸から3M以上の臭化リチウム水溶液で抽出する工程を含む方法で得られたセリシンを含有することを特徴とする。また、本発明の皮膚外用剤は、本発明のチロシナーゼ阻害剤を含有することを特徴とする。

0018

<本発明のセリシン>
本発明のセリシンは、蚕の生糸又は繭に由来するセリシンであって、セリシンのペプチド結合が切断される等によって、セリシンの低分子量化が起きていない状態、すなわち、「加水分解されていないセリシン」を含む。なお、低分子量化の程度は、後述のSDS−PAGEで確認することができる。

0019

セリシンは、複数のタンパク質を含むことが知られているが、本発明のセリシンは複数(好ましくは1種以上、より好ましくは2種以上、さらに好ましくは3種以上)のタンパク質の混合物であってもよい。

0020

本発明のセリシンは「加水分解されていないセリシン」を含むことを特徴とするが、加水分解されていないセリシンの効果を阻害しない範囲で、加水分解されているセリシンを含んでもよい。本発明において、セリシン全量(加水分解されているセリシンと加水分解されていないセリシンの合計100重量%)に対する加水分解されていないセリシンの割合は、特に限定されないが、チロシナーゼ阻害活性やゲル化能を考慮して、例えば、30重量%以上であり、40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、90重量以上が特に好ましく、95重量%以上が最も好ましい。なお、セリシン水溶液中における「加水分解されていないセリシン」を定量する方法としては、例えばSDS−PAGEを行ったゲルの各バンドの濃さをBSAなどの標準タンパクのバンドの濃さと比較するなどがあり、その解析方法としては、ゲルの画像を取り込み、画像解析ソフト(たとえば、ImageQuantTLGEヘルスケア製)など)で解析して定量し、各バンドの構成比率を算出すること等が挙げられる。

0021

本発明のセリシンが「加水分解されていないセリシン」を含むことは、SDS−PAGE(Sodium dodecyl sulfate− Poly−Acrylamide Gel Electrophoresis)において観察される分子量バンドにおいて、150kDa以上の分子量領域に明確な1本以上の分子量バンドを有することにより確認することができる。また、250kDa以上の分子量領域に明確な1本以上の分子量バンドを有することも好ましい。なお、「加水分解されていないセリシン」を含む本発明のセリシンは、SDS−PAGEにおいて500kDa以上の非常に大きな分子量バンドが検出されることがある。これは、SDS−PAGEで分離しきれない大きな分子量のセリシンが、複合体として見た目以上の非常に大きな分子量バンドとして検出されるためであると推測され、本発明のセリシンに含まれる「加水分解されていないセリシン」に特有のバンドである。
本願において「加水分解されていないセリシン」を含む本発明のセリシンのSDS−PAGEにおいて観察される分子量バンドは、後述実施例に記載のSDS−PAGEにおける測定条件で、マーカータンパク質分子量画分のバンドとの比較により、決定することができる。

0022

さらに、本発明のセリシンは、高分子量のセリシン(加水分解されていないセリシン)を含むため優れたゲル化能を有している。
本発明のセリシンを含む水溶液をゲル化させる場合の、水溶液中における本発明のセリシンの濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。

0023

また、本発明のセリシンを含む水溶液の濃度が0.05重量%未満であっても、有機溶媒を添加することによって、短時間でゲル化させることも可能である。ゲル化させるための有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類ジメチルスルホキシドDMSO)、ジメチルホルムアミドDMF)、アセトンテトラヒドロフラン(THF)などの水と任意の割合で混和可能な有機溶媒が好ましく、エタノール、メタノール1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、エチレングリコール、及びグリセロール等のアルコール類がより好ましく、エタノールが特に好ましい。

0024

有機溶媒を添加する本発明のセリシンを含む水溶液の濃度は、特に限定されないが、0.1〜2重量%、より好ましくは0.2〜1重量%である。この範囲の濃度の水溶液では、本発明のセリシンがゲル化できないか、ゲル化するのに長時間を要するが、有機溶媒を添加することにより、短時間(例えば、60分以内)にゲル化させることが可能である。

0025

添加する有機溶媒の量は、特に限定されないが、本発明のセリシンを含む水溶液に対して5〜90容量%、特に10〜80容量%であることが好ましい。添加する有機溶媒の量が、本発明のセリシンを含む水溶液に対して5容量%未満では、ゲル化に時間がかかるか、あるいは、良好なゲルが形成されない。一方、添加する有機溶媒の量が、本発明のセリシンを含む水溶液に対して90容量%を超えても、良好なゲルが形成されない。

0026

本発明のセリシンを含む水溶液に対して有機溶媒を添加する場合には、例えば、水溶液を撹拌しながら、有機溶媒をゆっくりと添加する。

0027

本発明のセリシンを含む水溶液に有機溶媒を添加した後、得られた混合液を静置することにより、ゲル化させることができる。ゲル化の条件は、特に限定されないが、室温又は冷却下(例えば、冷蔵庫中)で、数分〜数時間放置又は静置することで、本発明のセリシンを含むゲルを得ることができる。ゲル化の際に、当該混合液を超音波処理に供することで、混合液中の気泡を除去してもよい。

0028

<本発明のセリシンの抽出方法
本発明に用いられる「加水分解されていないセリシン」を含む本発明のセリシンは、蚕の繭又は生糸からセリシンが加水分解を受けない、又は加水分解を受けにくい緩和な条件で抽出することにより得ることができる。蚕の繭とは、蚕の幼虫蛹化の際に絹糸腺内の絹タンパク分布して作る構造体であり、生糸とは、繭の糸を何本か合一させて1本の糸条にしたものである。なお、加水分解されていないセリシンは、蚕以外にもクワコ、ウスバクワコといったカイコガ科野蚕テンサン(天蚕)、サクサン(柞蚕)、タサールサンといったヤママユガ科の野蚕、ミツバチスズメバチクモトビケラ等の昆虫が産生する等からも得ることができる。

0029

前記蚕の品種は、特に限定されず、絹を生産するために飼育されている各種の蚕を制限なく使用し得るが、本発明のセリシンを「加水分解されていないセリシン」を含む状態で効率的に抽出するためには、突然変異遺伝子操作により、フィブロインの産生能がないか、フィブロインの産生能が低下した蚕が好ましい。そのような蚕品種としては、突然変異によりフィブロインの産生能が低下した蚕(例えば、セリシンホープ(セリシンC)、セリシンN、Nd蚕、及びNd−s蚕等)、遺伝子操作によりフィブロインの産生能がない蚕(例えば、特開2018−007569号公報に記載のピエリシン1AのADPリボシル化ドメイン遺伝子が形質転換された蚕)が挙げられる。

0030

蚕の繭は、5齢幼虫が蛹化の際に作る繭からを分離することにより得ることができる。蚕の生糸は、前記繭から取り出した絹繊維シルクフィラメント)の数本を合一させて糸条にすることにより得ることができる。

0031

前記の蚕の繭又は生糸から本発明セリシンを抽出する法は、特に限定されないが、抽出溶媒を用いて抽出することが好ましい。例えば、蚕の繭又は生糸と抽出溶媒とを撹拌し、溶媒抽出を行うことで、本発明のセリシンを含む抽出物を得ることができる。なお、本発明において、「本発明のセリシンを含む抽出物」とは、上記抽出方法で得られた溶媒抽出液、その希釈液又はその濃縮液等を意味する。

0032

本発明のセリシンを含む抽出物を得るために用いられる抽出溶媒としては、セリシンが加水分解を受けない、又は加水分解を受けにくい物であれば、特に限定されないが、例えば、臭化リチウム水溶液、臭化カリウム水溶液、塩化リチウム水溶液塩化カリウム水溶液尿素水溶液チオシアン酸リチウム水溶液、チオシアン酸カリウム水溶液、塩化カルシウム水溶液塩化カルシウムエタノール水溶液強電解水硝酸カルシウムメタノール溶液、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びN−メチルモルホリン−N−オキシド等が挙げられるが、臭化リチウム水溶液が好ましい。

0033

なお、臭化リチウム水溶液等を用いて繭等からセリシンを抽出する手法については公知である(例えば、日本シルク学会誌、20,89−94(2012)、https://www.jstage.jst.go.jp/article/silk/20/0/20_89/_pdf)。臭化リチウム水溶液等を用いずに、中性条件下でセリシンを可溶化する場合、例えば高温高圧処理を行うなどの手法があるが(例えば、K.Maseら,J.Insect Biotechnol.Sericol.,75,85−88,2006、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibs/75/2/75_2_85/_pdf)、高温高圧処理により、加水分解、低分子量化されることが明らかとなった(後述の比較例3、4参照)。

0034

抽出溶媒として臭化リチウム水溶液使用する場合、臭化リチウムの水溶液中の濃度は、セリシンを効率的に抽出でき、且つセリシンが加水分解を受けない、又は加水分解受けにくい限り、特に限定されないが、例えば、好ましくは3M以上、より好ましくは4M以上、さらに好ましくは5M以上、さらに一層好ましくは6M以上、特に好ましくは7M以上、最も好ましくは8M以上である。

0035

本発明のセリシンを得るための抽出条件としては、特に限定されないが、例えば、抽出時間は、加水分解を抑制する観点から、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下、さらに好ましくは12時間以下、よりさらに好ましくは6時間以下であり、抽出効率の観点から、1時間以上である。抽出温度は、加水分解を抑制する観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下であり、抽出効率の観点から、0℃以上である。また、抽出の際のpHは、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH5.5〜7.5である。抽出に使用する抽出溶媒量は、蚕の繭又は生糸に対して質量比で20〜60倍量、特に30〜50倍量とすることが好ましい。

0036

上記で得られた本発明のセリシンを含む抽出物は、水で希釈してもよく、濃縮することもできる。さらに、本発明のセリシンを含む抽出溶液を、ろ過、遠心分離透析及び/又は精製処理等に供することで、当該抽出溶液から不溶物及び抽出溶媒等を除去することもできる。精製方法としては、例えば、順相又は逆相クロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過が挙げられる。例えば、本発明のセリシンを含む抽出物を遠心分離及び/又はろ過に供することで、不溶物を除去する。次いで、酸性でセリシンは凝集を起こしやすいため、上澄液又はろ液に1M Tris−HCl buffer(pH9程度)を加えて、溶液のpHを弱アルカリ性とする。さらに、得られた溶液を、純水に対して透析を行い、抽出溶媒等の低分子物質を除去する。透析後、得られた溶液中の凝集物を除去するため、再度、遠心分離及び/又はろ過を行うことで、不溶物及び抽出溶媒等を除去した本発明のセリシンを含む抽出物を得ることができる。不溶物及び抽出溶媒等を除去した抽出物を凍結乾燥して、本発明のセリシンの固形物を得てもよい。

0037

本発明のセリシンを含む抽出物(例えば溶液)中における本発明のセリシン濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜3重量%であり、0.2〜1.5重量%とすることがより好ましい。3重量%を超える高濃度では、溶液の粘性が高く扱いにくくなり、かつ自発的なゲル化を抑制するのが困難となる。また、抽出物中における本発明のセリシン濃度を調整するため、例えば、水を用いて本発明のセリシン含む抽出溶液を希釈するか、あるいは蒸留、凍結乾燥、自然乾燥等の適切な方法で濃縮してもよい。

0038

上記で得られた本発明のセリシンを含む抽出物中における本発明のセリシンは、加水分解されてないセリシンを含むため、後述実施例に記載のSDS−PAGEにおいて、明確なバンドを有し、例えば、150kDa以上の高分子量領域に1本以上の明確なバンドを有する態様が好ましい。また、250kDa以上の分子量領域に明確な1本以上の分子量バンドを有することも好ましい。なお、本発明のセリシンは、SDS−PAGEにおいて500kDa以上の分子量のバンドが検出されることがあるが、前述の通り、SDS−PAGEで分離しきれなかったセリシンタンパクの複合体であると推測され、本発明のセリシンに含まれる「加水分解されていないセリシン」に特有のバンドである。一方、加水分解され、低分子量化されたセリシンは、任意の位置で加水分解、低分子量化されているため、SDS−PAGEにおいて明確なバンドは観察されず、スメアな状態となる(後述の比較例1〜4を参照)。

0039

<チロシナーゼ阻害剤>
上記加水分解されていないセリシンは、加水分解されたセリシンと比較して、優れたチロシナーゼ阻害活性を有する。本発明のセリシンは、加水分解されていないセリシンを含むため、チロシナーゼ阻害剤として使用することができる。ここで、チロシナーゼとは、チロシンからジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(L−DOPA)を経て、L−DOPAキノン触媒する酵素であり、生成したL−DOPAキノンは、酵素的又は非酵素的酸化重合され、皮膚の黒色色素であるメラニンが生成する。従って、メラニン生合成の鍵酵素であるチロシナーゼの優れた阻害活性を有する本発明のセリシンを含むチロシナーゼ阻害剤は、美白(肌を白くする)作用の他、日焼けよる色素沈着の防止(日焼け止め)、シミ・そばかすの予防・改善効果などが期待される。

0040

加水分解されていないセリシンが、加水分解・低分子量化されたセリシンよりも優れるチロシナーゼ阻害活性を示す理由は不明であるが、加水分解されていないセリシンが、高い分子量を維持しているため、高い粘度とゲル化能を有していることが原因であると推定される。すなわち、高分子量の加水分解されていないセリシンが、チロシナーゼ及び/又は基質であるチロシン、L−DOPAを包含し、あるいはゲル化して部分的にチロシナーゼと基質が接触できない状態を作り出すことによって加水分解されたセリシンよりも効率的にチロシナーゼ活性を阻害しているものと考えられる。但し、これらは推定であって、本発明は、これらのメカニズムの限定されるものではない。

0041

本発明のチロシナーゼ阻害剤は、上記加水分解されていないセリシン以外にも、チロシナーゼ阻害効果を奏する範囲で、システインハイドロキノン、2−ヒドロキシ酸アルブチンコウジ酸などのセリシン以外の美白成分保湿成分、防腐成分抗菌抗カビ剤等の一般的な化粧料に含まれる任意成分を含むことができる。

0042

本発明のチロシナーゼ阻害剤における本発明のセリシン含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、最も好ましくは60重量%以上である。また、本発明のセリシン含有量の上限値は、特に限定されず、100重量%、或いは99.9重量%である。なお、チロシナーゼ阻害剤における、本発明のセリシンの含有量は、前述の通り、SDS−PAGEの画像を取りこんで解析ソフトにかける等の手法で加水分解されていないセリシンを定量することにより確認することができる。

0043

本発明のチロシナーゼ阻害剤は、使用意図に応じて、水溶液、または凍結乾燥処理などにより固体化し、或いは適用な溶媒に溶解して使用することができる。

0044

<皮膚外用剤>
上述の通り、本発明のセリシンは、優れたチロシナーゼ阻害剤として有用である。従って、上述の通り、例えば、美白用等の皮膚外用剤として有用である。

0045

また、セリシンは、チロシナーゼ阻害活性の他、高い保湿性(Voegeli,R.ら,Cosmetics & Toiletries,1993,108,101−108)、抗酸化性(Kato N.ら,Biosci.Biotechnol.Biochem.,1998,62,145−147)等も有することが知られており、保湿用、スキンケア用の皮膚外用剤の成分としても有用である。

0046

本発明の皮膚外用剤において、本発明のセリシンは、使用意図に応じて、水溶液、または凍結乾燥処理などにより固体化し、或いは適用な溶媒に溶解して使用することができる。

0047

本発明の皮膚外用剤中における本発明のセリシンの含有量は特に限定されないが、チロシナーゼ阻害活性などの効能を考慮して、皮膚外用剤全量(100重量%)に対して、好ましくは0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.05〜1重量%である。

0048

本発明の皮膚外用剤の投与量は、使用者の皮膚の状態などに応じて適宜設定することができるが、一般的には、1回の投与につき、有効成分である本発明のセリシンの投与量として1μg〜50mg/cm2程度を投与することができる。本発明のセリシンは、毒性は低く、水溶性に優れるため、多量に摂取・接触しても健康上問題はない。

0049

本発明の皮膚外用剤の用途としては、化粧料、医薬部外品医薬品等の従来の皮膚外用剤と同様の用途に使用可能であり、特に美白用の化粧料等として好適に使用できる。

0050

本発明の皮膚外用剤の剤型としては、特に限定されないが、化粧水乳液、クリーム、パックファウンデーションローション、ゲル、溶液、スティック軟膏剤粉末剤等に製剤可能である。また、本発明のセリシンはゲル化能を有するため、特に、クリーム状、ゲル状の皮膚外用剤として好適に使用することができる。

0051

本発明の皮膚外用剤は、本発明のセリシン、水、有機溶媒等の他、使用目的、剤型に応じて、化粧品や外用剤常用される各種添加物を配合することができ、添加剤としては、特に限定されないが、水溶性高分子油剤保湿剤増粘剤乳化剤粉体紫外線吸収剤または紫外線散乱剤等が挙げられる。

0052

水溶性高分子としては、例えばクインスシード、カラギーナンマンナンカードランガラクタンローカストビーンガムキサンタンガムプルランアラビアゴムベンゾインゴムダンマルゴム、アイルランドカラヤゴムキャロブゴム、グアーガムデキストラントラガントガムデンプンキチンキトサンペクチンゼラチンカゼインコラーゲンアルギン酸及びその塩、ヒアルロン酸コンドロイチン硫酸デルマタン硫酸ヘパリン等のムコ多糖類及びその塩;サクシニルキトサンカルボキシメチルキチン、キトサン等の天然高分子物質セルロースメチルセルロースエチルセルロースカルボキシメチルセルロースカルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース可溶性デンプンカチオン化セルロースカチオン化グアーガムヒドロキシエチルグァーガム、カルボキシメチルグァーガム等の半合成高分子物質カルボキシビニルポリマーポリビニルアルコールポリビニルピロリドンポリアクリル酸塩ポリエチレンイミン高重合ポリエチレングリコールポリビニルメチルエーテルポリビニルメタアクリレートポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイドまたはその架橋重合物ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体ビニルアルコール酢酸ビニル共重合体アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルピロリドン、マレイン酸酢酸ビニルスチレンメタクリル酸アクリル酸、メタクリル酸及びアクリル酸の誘導体等の共重合体等の合成高分子物質等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。

0053

油剤としては、通常化粧料や医薬部外品等の皮膚外用剤に用いられるものがいずれも好適に用いられ、動物油植物油合成油等の起源及び、固形半固形油液体油揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類油脂類ロウ類エステル油類、硬化油類、脂肪酸類高級アルコール類、シリコーン油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックスセレシンワックスマイクロクリスタリンワックスモンタンワックスフィッシャートロプシュワックス流動パラフィンスクワランワセリン等の炭化水素類;モクロウミンク油、オリーブ油アボカド油ヒマシ油マカデミアンナッツ油等の油脂類;ミツロウカルナウバワックスキャンデリラワックスゲイロウ等のロウ類;ロジン酸ペンタエリスリットエステルホホバ油トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルイソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチルミリスチン酸イソプロピルパルミチン酸イソプロピルミリスチン酸オクチルドデシルトリオタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルトリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリルトリイソステアリン酸ポリグリセリルリンゴ酸ジイソステアリルジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類オレイン酸イソステアリン酸ステアリン酸ラウリン酸ミリスチン酸ベヘニン酸等の脂肪酸類;ステアリルアルコールセチルアルコールラウリルアルコールベヘニルアルコールオレイルアルコール等の高級アルコール類;メチルポリシロキサンメチルフェニルポリシロキサントリメチルシロケイ酸架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン等のシリコーン油類;ラノリン酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピルラノリンアルコール等のラノリン誘導体類;イソステアリン酸アルミニウムステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いることができる。

0055

乳化剤としては、通常化粧料や医薬部外品等の皮膚外用剤に用いられるものがいずれも好適に用いられ、例えばプロピレングリコール脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルポリオキシエチレンヒマシ油ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ポリオキシエチレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリオキシエチレン化蜜ロウ水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルショ糖脂肪酸エステル、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖脂肪酸ジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアミドアルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤脂肪酸石けんアルキル硫酸塩アルキルスルホン酸塩ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩α−オレフィンスルホン酸塩アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルサルコシネート、N−アシル−N−メチル−β−アラニネート、N−アシルグルタメート、N−アシル−N−メチル−タウリネート等のN−アシルアミノ酸塩、アシル化加水分解コラーゲン塩、アシル化カゼイン塩アシル化加水分解シルク塩、アシル化加水分解カゼイン塩等のアシル化タンパク質の塩等のアニオン界面活性剤アルキルアミドヒドロキシエチルアミノ酢酸等のアミドアミノ酸型、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインアルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のカルボベタイン型脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型、ラウリルスルホベタインヤシ油脂肪酸アルキルスルホベタイン等のスルホベタイン型、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルヒドロキシスルホベタイン等のヒドロキシスルホベタイン型、アルキルアミドジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン等のアミドスルホベタイン型、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−ソジウムカルボキシメチル−N−カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン型、ラウリルアミノプロピオン酸またはその塩、ラウリルアミノジプロピオン酸またはその塩及びN−アルキル−β−アラニン等のアミノ酸型、ラウリルホスホベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルホスホベタイン等のホスホベタイン型、2−(N−ドデシル−N,N−ジメチルアンモニオ)エチルリン酸エステル、2−(N−テトラデシル−N,N−ジメチルアンモニオ)エチルリン酸エステル、2−(N−ヘキサデシル−N,N−ジメチルアンモニオエチル)リン酸エステル、2−(N−オクタデシル−N,N−ジメチルアンモニオエチル)リン酸エステル、及びその塩等のリン酸エステル型等の両性界面活性剤;ラウリルトリメチルアンモニウム塩ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベへニルトリメチルアンモニウム塩、ココイルトリメチルアンモニウム塩等のモノアルキル型第四級アンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、ジミリスチルジメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジココイルジメチルアンモニウム塩等のジアルキル型第四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド等の第3級脂肪酸アミン塩、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベヘニルジメチルベンジルアンモニウム塩、ココイルジメチルベンジルアンモニウム塩等のトリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤大豆卵黄等から得られるホスファチジルセリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルコリン等、及びその誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる

0056

粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子顔料級等の粒子径多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン酸化亜鉛酸化セリウム硫酸バリウム等の白色無機顔料酸化鉄カーボンブラック酸化クロム水酸化クロム紺青群青等の有色無機顔料タルク白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母合成雲母絹雲母セリサイト)、合成セリサイト、カオリン炭化珪素ベントナイトスメクタイト酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化ジルコニウム酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウムメタケイ酸アルミニウムマグネシウムケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウムケイ酸マグネシウム炭酸カルシウム炭酸マグネシウムヒドロキシアパタイト窒化ホウ素シリカ等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄雲母、紺青処理雲母チタンカルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体;ポリアミド系樹脂ポリエチレン系樹脂ポリアクリル系樹脂ポリエステル系樹脂フッ素系樹脂セルロース系樹脂ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂ポリプロピレン系樹脂シリコーン樹脂ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体;澱粉シルク粉末セルロース粉末等の天然有機粉体;赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体;更にアルミニウム粉金粉銀粉等の金属粉体;微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン二酸化珪素、酸化亜鉛二酸化珪素等の複合粉体;ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤タール色素天然色素等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これら粉体成分は、フッ素系化合物シリコーン系化合物金属石鹸レシチン水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックスクワランス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。

0057

紫外線吸収剤または散乱剤としては、例えばパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンオクチルジメチルパラアミノベンゾエートエチルヘキシルメトキシシンナメート、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。

0058

増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガムトラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウムアラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト無水ケイ酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。

0059

本発明の皮膚外用剤は、その他にも、例えば防腐剤メチルパラベンエチルパラベン、ブチルパラベンフェノキシエタノール等)、各種抽出物(例えば、オウバクオウレン、シコンシャクヤクセンブリ、バーチ、セージビワニンジンアロエゼニアオイアイリスブドウヨクイニンヘチマユリサフランセンキュウ、ショウキュウ、オトギリソウオノニスニンニクトウガラシチンピトウキ海藻等)、pH調整剤、その他薬効成分、香料等を含んでいてもよい。

0060

本発明の皮膚外用剤は、優れたチロシナーゼ阻害活性を有する本発明のセリシンが配合されているため、美白用の皮膚外用剤として好適に使用することができる。皮膚のシミはメラニン沈着が原因と考えられており、メラニンは皮膚上のチロシナーゼが基質であるチロシンを酸化することによって生成される。本発明のセリシンを皮膚外用剤に配合することにより、チロシナーゼ活性を阻害してメラニン生成を抑制し、美白効果が期待できる。また、セリシン自体が持つ抗酸化作用皮膚炎症防止作用などによる効果も期待できる。

0061

本発明剤の皮膚外用剤は、上記優れたチロシナーゼ阻害活性を有するセリシンの効果を阻害しない範囲で、その他の美白剤抗炎症剤を含んでもよい。
美白剤としては、例えばアスコルビン酸又はその誘導体、ハイドロキノン及びその配糖体、コウジ酸及びその誘導体、カンゾウエキスプラセンタエキスグルタチオン桑白皮エキスウワウルシエキスコケモモエキス、イオウジュウヤクエキスを例示することができる。特にアスコルビン酸またはその誘導体、およびハイドロキノンおよびその配糖体例えばアルブチン等を用いることができる。

0062

抗炎症剤としては、例えば、アラントイン又はその誘導体、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、パントテン酸並びにその誘導体、アズレングアイアズレン甘草エキス成分、シコンエキスエイジツエキスビワ葉エキス等を使用することができる。

0063

本発明の皮膚外用剤は、本発明のセリシンを含むチロシナーゼ阻害剤を配合して、公知の方法によって製造できる。例えば、本発明のチロシナーゼ阻害剤と上述の添加剤等を混合・撹拌等して、均一な混合物を得た後に、化粧水、乳液、クリーム、パック、ファウンデーション、ローション、ゲル、溶液、スティック、軟膏剤、粉末剤などの各種剤型に製剤することによって製造することができる。

0064

以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。

0065

製造例1
遠沈管に、遺伝子組換えによって作出されたフィブロイン産生能が欠損した蚕(特開2018−7569号)から得られるセリシン繭600mg、及び6M臭化リチウム水溶液24mLを仕込み、35℃で一晩インキュベートした。インキュベート中は時々ボルテックスで撹拌した。得られた溶液を7,500rpmで30分間遠心分離し、上澄みにTris−HCl(pH9前後)を6mL加えて、透析膜(Wako、Dialysis Membrane,Size36)へ流し入れ透析を開始した。
外液イオン交換水で、2時間程度透析した後に外液を交換した。その後18時間後に外液を交換し、2時間透析後に透析を停止し、遠沈管に移し替え、溶液を4℃で7,500rpm、20分遠心分離した。上澄みを回収し、得られた水溶液を凍結乾燥法濃度測定した結果、0.83wt%であった。

0066

製造例2
遠沈管に、突然変異によって作出された蚕から得られるセリシンホープ繭((株)高原社より購入)600mg、及び6M臭化リチウム水溶液24mLを仕込み、35℃で一晩インキュベートした。インキュベート中は時々ボルテックスで撹拌した。得られた溶液を7,500rpmで30分間遠心分離し、上澄みにTris−HCl(pH9前後)を6mL加えて、透析膜(Wako、Dialysis Membrane,Size36)へ流し入れ透析を開始した。
外液はイオン交換水で、2時間程度透析した後に外液を交換した。その後18時間後に外液を交換し、2時間透析後に透析を停止し、遠沈管に移し替え、溶液を4℃で7,500rpm、20分遠心分離した。上澄みを回収し、得られた水溶液を凍結乾燥法で濃度測定した結果、0.80wt%であった。

0067

製造例3:特許文献1(特開平10−265403)の実施例1の追試実験
1gの通常繭((株)エヌアンドピーより入手)を細かく粉砕し、50gの水を添加し、95℃で2時間加熱処理した。得られた溶液を4℃で5,000rpm、10分遠心分離した。この上澄みを取り、アミコンウルトラ3,000MWCO(メルクミリポア製)を用いて濃縮し、濃度調整のために水を添加してサンプルとした。得られた水溶液を凍結乾燥法で濃度測定した結果、0.80wt%であった。

0068

製造例4:特許文献1(特開平10−265403)の実施例2の追試実験
1gの通常繭((株)エヌアンドピーより入手)を細かく粉砕し、0.2wt%の炭酸ナトリウム水溶液を50g添加し、95℃で2時間加熱処理した。得られた溶液を4℃で5,000rpm、10分遠心分離した。この上澄みを取り、アミコンウルトラ3,000MWCO(メルクミリポア製)を用いて濃縮し、濃度調整のために水を添加してサンプルとした。得られた水溶液を凍結乾燥法で濃度測定した結果、0.80wt%であった。

0069

製造例5
製造例1で得られたセリシン水溶液を滅菌オートクレーブ(平山製作所製、HVE−50)を用いて121℃、2気圧、20分処理を行い、高温加圧処理済みセリシン水溶液を得た。

0070

製造例6
製造例2で得られたセリシン水溶液を滅菌用オートクレーブ(平山製作所製、HVE−50)を用いて121℃、2気圧、20分処理を行い、高温加圧処理済みセリシン水溶液を得た。

0071

実施例1、2、比較例1〜4:SDS−PAGE
製造例1、2(実施例1、2)、製造例3〜6(比較例1〜4)で得られた各セリシン水溶液を50μlとり、2×ローディングバッファー和光純薬工業株式会社製)50μlと混合して100℃で10分加熱した。その後、冷却しPAGEL(アトー(株)製)5−20%グラジエントゲルを使用し、サンプルを20μlずつアプライして20mA、75分間泳動した。これを水で洗浄後、CBBステインワン(ナカライテスク(株)製)で振盪しながら染色し、水で振盪しながら2回洗浄した。製造例1、2(実施例1、2)で得られた水溶液を用いて実施した結果を図1(A)に、製造例3,4(比較例1、2)で得られた水溶液を用いて実施した結果を図1(B)に、製造例5,6(比較例3、4)で得られた水溶液を用いて実施した結果を図1(C)に記載する。

0072

これらの結果から、製造例1、2(実施例1、2)で得られたセリシンは複数の明確なバンドが確認でき、加水分解していないセリシンが確認されたが、製造例3〜6(比較例1〜4)で得られたセリシンはバンドが消失していてスメアな状態となっており、加水分解が進行していることが分った。

0073

実施例3、4、比較例5〜8:チロシナーゼ阻害活性試験
製造例1、2(実施例3、4)、製造例3〜6(比較例5〜8)で得られた各セリシン水溶液を用い、チロシナーゼ阻害活性を評価した。96穴プレートに0.2Mリン酸バッファー(pH7.0)を140μl、サンプルを20μl、使用直前に調製した10mM L−DOPA(和光純薬(株)製)水溶液を20μl加え、10秒程度振盪して37℃で10分間インキュベートした。次に、500u/mlに調製したチロシナーゼ水溶液(シグマアルドリッチ製)を20μl加え、手早く10秒程度撹拌し、37℃で30分インキュベートしたのち、470nmの吸光度を測定した。このとき、ブランクコントロール(水)での吸光度の上昇を100%とし、それと比較してどの程度吸光度の上昇を抑えることができたかをチロシナーゼ阻害活性(%)で表記した。結果を図2に示す。
この結果から、製造例1、2(実施例3、4)で得られた加水分解されていないセリシンを含む水溶液は、製造例3〜6(比較例5〜8)で得られた加水分解が進行したセリシンの水溶液と比較して高いチロシナーゼ阻害活性を有することが分った。

0074

実施例5、6、比較例9〜12:ゲル化試験
製造例1、2(実施例5、6)、製造例3〜6(比較例9〜12)で得られた各セリシン水溶液を順次希釈して、0.08、0.16、0.20、0.27、及び0.4重量%の各水溶液を調製した。各水溶液にエタノールを10wt%添加した後、室温で60分間静置して、ゲル化するまでの時間とゲル化の程度を以下の指標で評価した。結果を表1に示す。
○:ゲル化
△:流動性のあるゲル化
×:ゲル化せず

0075

実施例

0076

製造例1、2(実施例5、6)で取得したセリシン水溶液は0.2重量%まではゲル化するが、製造例3〜6(実施例9〜12)で取得したセリシン水溶液はゲル化しなかった。

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