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課題

炭素炭素二重結合を有する有機化合物原料として過酸化水素によりエポキシ化合物を製造する方法において、副生成物の生成を抑制しつつ、高収率でエポキシ化合物を製造する方法の提供。

解決手段

炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を触媒の存在下で過酸化水素により前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程を含んでなる、エポキシ化合物の製造方法であって、前記触媒が、タングステン化合物リン酸類ホスホン酸類若しくはこれらの塩;並びに式:R1−O−SO2−O−[R1は1〜3個のフェニル基により置換されていてもよい、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基。]で表されるアルキル硫酸イオンアニオンとするオニウム塩を含んでなる、製造方法。

概要

背景

従来のエポキシ化合物の製造方法としては、例えばオレフィン類過酢酸等の過酸で酸化する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、(i)過酸は取扱いに注意を要し、(ii)生成したエポキシ体が反応系内に存在するカルボン酸と反応することによりエステル体等が生成してエポキシ体の選択率が低下する、(iii)酸との反応性が高いとされる脂環式エポキシ化合物の製造においては、共存する有機酸が水の存在下で生成したエポキシ基と容易に反応し、エポキシ基が開環してエポキシ体の選択率が低下する、(iv)反応後の後処理が面倒である等の問題がある。

以上の通り、炭素炭素二重結合を有する有機化合物エポキシ化する従来の方法は、いずれも安全性や効率性の観点から、工業的に有利な方法とはいえない。

概要

炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を原料として過酸化水素によりエポキシ化合物を製造する方法において、副生成物の生成を抑制しつつ、高収率でエポキシ化合物を製造する方法の提供。炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を触媒の存在下で過酸化水素により前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程を含んでなる、エポキシ化合物の製造方法であって、前記触媒が、タングステン化合物リン酸類ホスホン酸類若しくはこれらの塩;並びに式:R1−O−SO2−O−[R1は1〜3個のフェニル基により置換されていてもよい、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基。]で表されるアルキル硫酸イオンアニオンとするオニウム塩を含んでなる、製造方法。なし

目的

本発明の目的は、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を原料として過酸化水素によりエポキシ化合物を製造する方法において、副生成物の生成を抑制しつつ、高収率でエポキシ化合物を製造する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

炭素炭素二重結合を有する有機化合物触媒の存在下で過酸化水素により前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程を含んでなる、エポキシ化合物の製造方法であって、前記触媒が、タングステン化合物リン酸類ホスホン酸類若しくはこれらの塩;並びに式(I):[式中、R1は、1〜3個のフェニル基により置換されていてもよい、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基である。]で表されるアルキル硫酸イオンアニオンとするオニウム塩を含んでなる、製造方法。

請求項2

前記オニウム塩が、第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩である、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記オニウム塩が第4級アンモニウム塩である、請求項1または2に記載の製造方法。

請求項4

R1が炭素数1〜3の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項5

R1がメチル基またはエチル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項6

前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程の反応系内のpH値が3.0〜7.0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項7

前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程の反応系内にさらに中性無機塩を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項8

前記エポキシ化合物の選択率に対する副生成物の選択率の比が、0.25以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、エポキシ化合物の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来のエポキシ化合物の製造方法としては、例えばオレフィン類過酢酸等の過酸で酸化する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、(i)過酸は取扱いに注意を要し、(ii)生成したエポキシ体が反応系内に存在するカルボン酸と反応することによりエステル体等が生成してエポキシ体の選択率が低下する、(iii)酸との反応性が高いとされる脂環式エポキシ化合物の製造においては、共存する有機酸が水の存在下で生成したエポキシ基と容易に反応し、エポキシ基が開環してエポキシ体の選択率が低下する、(iv)反応後の後処理が面倒である等の問題がある。

0003

以上の通り、炭素炭素二重結合を有する有機化合物エポキシ化する従来の方法は、いずれも安全性や効率性の観点から、工業的に有利な方法とはいえない。

先行技術

0004

特開昭49−126658号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を原料として過酸化水素によりエポキシ化合物を製造する方法において、副生成物の生成を抑制しつつ、高収率でエポキシ化合物を製造する方法を提供することにある。

0006

本発明者らは、高収率でエポキシ化合物を製造する方法を鋭意検討した結果、相間移動触媒として、特定のアニオンによるオニウム塩を用いることにより、エポキシ化合物を効率的に製造しうることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。

課題を解決するための手段

0007

すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を触媒の存在下で過酸化水素により前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程を含んでなる、エポキシ化合物の製造方法であって、前記触媒が、タングステン化合物リン酸類ホスホン酸類若しくはこれらの塩;並びに式(I):



[式中、R1は、1〜3個のフェニル基により置換されていてもよい、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基である。]
で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩を含んでなる、製造方法。
[2]前記オニウム塩が、第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記オニウム塩が第4級アンモニウム塩である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]R1が炭素数1〜3の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]R1がメチル基またはエチル基である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程の反応系内のpH値が3.0〜7.0である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程の反応系内にさらに中性無機塩を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記エポキシ化合物の選択率に対する副生成物の選択率の比が、0.25以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。

発明の効果

0008

本発明によれば、エポキシ化合物を効率的に製造できる点で有利である。また、本発明によれば、エポキシ化合物を安全かつ簡便に製造できる点で有利である。

0009

本発明のエポキシ化合物の製造方法は、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を触媒の存在下で過酸化水素により前記炭素−炭素二重結合を酸化させる工程を含んでなり、前記触媒が、タングステン化合物;リン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩;並びに式(I):



[式中、R1は、1〜3個のフェニル基により置換されていてもよい、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基である。]
で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩を含んでなるものである。つまり、本発明のエポキシ化合物の製造方法は、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を原料とし、過酸化水素によってエポキシ化合物を製造する方法において、相間移動触媒として、式(I)で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることを特徴とするものである。かかる特徴により、副生成物の生成を抑制しつつ、エポキシ化合物を効率的に製造することができる。

0010

本明細書において、本発明のエポキシ化合物の製造方法とは、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物中の少なくとも1つの二重結合をエポキシ化した生成物を製造する方法とされる。したがって、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物中の二重結合の数がn個である場合、本発明のエポキシ化合物の製造方法においては、2n−1種の生成物が得られうることとなる。

0011

本明細書において、本発明のエポキシ化合物の製造方法における副生成物とは、二重結合のエポキシ化反応中にエポキシ環が開環した構造を有する化合物である。当該開環した構造を有する化合物の態様としては、大半がジオール構造をとるものであるが、当該ジオール構造の一方または両方の水酸基のかわりに、エポキシ化反応によって生じた他の構造を有するものも含まれる。したがって、本発明のエポキシ化合物の製造方法により、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物中の少なくとも1つの二重結合がエポキシ化された化合物であっても、同一分子中でエポキシ環が開環した構造を有する化合物は、エポキシ化合物には該当せず、副生成物に該当する。

0012

本発明のエポキシ化合物の製造方法においては、好ましくは、有機相水相からなる二相液の反応系で、基質である炭素−炭素二重結合を有する有機化合物の過酸化水素によるエポキシ化反応を行う。本発明のエポキシ化合物の製造方法において、タングステン化合物;リン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩;並びに式(I)で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩は、当該エポキシ化反応の触媒として作用する。当該二相液の反応系において、本発明で用いるオニウム塩以外の触媒(即ち、タングステン化合物及びリン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩)、過酸化水素、並びに必要に応じて添加される中性無機塩は水溶性であるので水相に移行し、一方基質やオニウム塩は水に溶け難く有機相を形成する。したがって、式(I)で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩は相間移動触媒として機能する。なお、基質の溶解・分散性向上、反応速度の調整、および反応副生成物の生成抑制のために、必要に応じて、当該反応系内に有機溶媒を加えてもよい。

0013

(1)炭素−炭素二重結合を有する有機化合物
本発明のエポキシ化合物の製造方法における原料として使用される炭素−炭素二重結合を有する有機化合物は、分子中に炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物であれば、特に限定されない。例えば、鎖式脂肪族有機化合物、脂環式脂肪族有機化合物、または芳香族化合物等の各種有機化合物を用いることができる。なお、これらの鎖式脂肪族有機化合物、脂環式脂肪族有機化合物、または芳香族化合物等の各種有機化合物にあっては、既に分子中にエポキシ基を少なくとも1つ有するものであっても、さらに炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有するものであれば原料として使用することができる。

0014

(1−1)鎖式脂肪族有機化合物
本発明のエポキシ化合物の製造方法において原料として使用される、炭素−炭素二重結合を有する鎖式脂肪族化合物は、直鎖状のものであっても分枝状のものであってもよい。当該鎖式脂肪族有機化合物としては、例えば、エチレンプロペン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、3−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン2−オクテン、3−オクテン2−メチル−2−ブテン、1−ノネン、2−ノネン、デセンウンデセン、ドデセンテトラデセンヘキサデセンオクタデセン等の炭素数2〜40のアルケン(好ましくは、炭素数2〜30のアルケン、さらに好ましくは、炭素数2〜20のアルケン);ブタジエンイソプレン、1,5−ヘキサンジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、2,6−オクタジエン、デカジエンウンデカジエンドデカジエン等の炭素数4〜40のアルカジエン(好ましくは、炭素数4〜30のアルカジエン、さらに好ましくは、炭素数4〜20のアルカジエン);ウンデカトリエン、ドデカトリエン等の炭素数6〜30のアルカトリエン(好ましくは、炭素数6〜20のアルカトリエン)等が挙げられる。二重結合を有する直鎖状または分枝状の鎖状脂肪族有機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。

0015

置換基を有する鎖式脂肪族有機化合物としては、例えば、置換基としてアリール基(例えば、フェニル基など)を有する鎖式脂肪族有機化合物(例えば、フェニルエチレン(又はスチレン)、1−フェニルプロペン、2−フェニル−1−ブテン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエンなど)などが挙げられる。なお、置換基としてアリール基(例えば、フェニル基など)を有する鎖式脂肪族有機化合物は、アルケニル基(例えば、ビニルアリル、プロペニルイソプロペニルブテニルなどの炭素数2〜10のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基)など)で置換されている芳香族化合物と称することもできる。このような芳香族化合物は、置換基である鎖式脂肪族有機化合物に少なくとも1つの二重結合を有している限り、当該アルケニル基部分及び/又は芳香環部分において、さらに置換基(例えば、前記例示の置換基など)で置換されていてもよく、前記アルケニル基部分と芳香環部分との間に、連結基を有していてもよい。なお、前記連結基としては、カルボニルエステルエーテルアミンアミドシリルスルフィド、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキレンおよび置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリーレンからなる群より選択されるものを使用してよい。

0016

(1−2)脂環式脂肪族化合物
本発明のエポキシ化合物の製造方法において原料として使用される、炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。

0017

本発明のエポキシ化合物の製造方法において原料として使用される、炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物として、以下の式(II)〜式(V):



で表される炭素−炭素二重結合を2つ有する化合物を好適に使用することができる。

0018

上記式(II)〜式(V)中、aおよびbは、それぞれ独立して0〜5の整数であり、より好ましくは0〜3の整数であり、さらに好ましくは0または1である。

0019

上記式(II)〜式(IV)中、cは0〜10の整数であり、より好ましくは0〜5の整数であり、さらに好ましくは1〜3の整数である。

0020

なお、上記式(II)〜(IV)中、cが2以上である場合、bはそれぞれ独立して選択される。

0021

上記式(II)〜式(V)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素若しくは炭素数1〜30の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基を表すが、R1若しくはR2およびR3若しくはR4は−(CH2)e−で表される架橋構造を形成してもよい。式中、eは、1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。なお、式(II)〜式(V)において、aが2以上である場合、R3およびR4はそれぞれ独立して選択される。また、式(II)〜式(V)において、aが2以上である場合、R3およびR4は2以上存在することとなるが、R1およびR2のいずれか一つと架橋構造を形成することができるのは、任意の一箇所のR3またはR4のみであり、その他のR1、R2、R3およびR4は、水素また炭素数1〜30の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基である。

0022

上記式(II)〜式(V)中、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立して、水素若しくは炭素数1〜30の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基を表すが、R5若しくはR6およびR7若しくはR8は−(CH2)f−で表される架橋構造を形成してもよい。式中、fは1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。

0023

なお、式(II)〜式(IV)において、cが2以上である場合、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立して選択される。また、bが2以上である場合、R7およびR8はそれぞれ独立して選択される。

0024

なお、式(II)〜式(IV)において、cが1以上であり、かつbが2以上である場合、R7およびR8は2以上存在することとなるが、R5およびR6のいずれか一つと架橋構造を形成することができるのは、任意の一箇所のR7またはR8のみであり、その他のR5、R6、R7およびR8は、水素または炭素数1〜30の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基である。

0025

上記式(III)および式(IV)中、R9およびR10は、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基を表す。

0026

上記式(III)中、gは0〜8の整数であり、好ましくは0〜3の整数である。ここでgが0の場合は、メチレン基は存在せず、単結合となる。

0027

上記式(V)中、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基を表す。

0028

式(II)を満たす炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物としては、例えば、シクロペンタジエンシクロヘキサジエンノルボルナジエンジシクロペンタジエンテトラヒドロインデン、式:



で表される化合物、式:



で表される化合物、および式:



で表される化合物等が挙げられる。これらの中では、エポキシ化合物の安定性の観点から、脂環を2以上有するものが好ましく、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、式:



で表される化合物、式:



で表される化合物、および式:



で表される化合物が好ましい。

0029

式(III)を満たす炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物としては、例えば、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセンビニルノルボルネン、式:



で表される化合物、および式:



で表される化合物等が挙げられる。

0030

式(IV)を満たす炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物としては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネンメチレンシクロヘキセン、式:



で表される化合物、および式:



で表される化合物等が挙げられる。

0031

式(V)を満たす炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物としては、例えば、式:



で表される化合物、式:



で表される化合物、および式:



で表される化合物等が挙げられる。

0032

また、本発明のエポキシ化合物の製造方法において原料として使用される、炭素−炭素二重結合を有する脂環式脂肪族有機化合物として、上記の式(II)〜(V)で表される炭素−炭素二重結合を2つ有する化合物以外であっても、例えば、シクロペンテンシクロヘキセンシクロヘプテンシクロオクテンシクロデセンシクロドデカトリエンメチルメチレンシクロプロパン、メチレンシクロペンタンテトラシクロドデセン、ノルボルネン、ビニルシクロヘキサンシクロオクタジエン、メチレンシクロプロパン、メチルジシクロペンタジエン等を好適に使用することができる。

0033

(1−3)芳香族化合物
本発明のエポキシ化合物の製造方法において原料として使用される、炭素−炭素二重結合を有する芳香族化合物は、エチレン性不飽和二重結合を有する芳香族化合物であれば、特に限定されず、公知のものを使用することができる。当該エチレン性不飽和二重結合を有する芳香族化合物としては、例えば、インデン系芳香族化合物等を挙げることができる。

0034

(2)過酸化水素
本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用される過酸化水素としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。過酸化水素は、水溶液、即ち過酸化水素水として用いることが取り扱い等の点から好ましい。反応に使用する過酸化水素の水溶液の濃度に制限はなく、通常、1〜70重量%程度で用いられ、10〜60重量%程度で用いることが好ましい。

0035

本発明のエポキシ化合物の製造方法において過酸化水素の使用量に制限はないが、通常は、基質である炭素−炭素二重結合を有する有機化合物中に含まれる炭素−炭素二重結合に対し0.5〜4当量程度であり、好ましくは1〜2.5当量程度である。

0036

(3)タングステン化合物
本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるタングステン化合物としては、水中でタングステン酸アニオンを生成し、過酸化水素による炭素−炭素二重結合のエポキシ化反応を触媒し得るタングステン化合物であれば、特に限定されない。例えば、タングステン酸、三酸化タングステン、三硫化タングステン六塩化タングステンリンタングステン酸ケイタングステン酸等;タングステン酸アンモニウムタングステン酸カリウムタングステン酸ナトリウムタングステン酸カルシウム等のタングステン酸塩等が挙げられる。これらの中では、タングステン酸、三酸化タングステン、リンタングステン酸およびタングステン酸ナトリウムが好ましく、さらに、タングステン酸ナトリウム2水和物が特に好ましい。これらタングステン化合物は単独で使用しても、2種以上を混合使用してもよい。

0037

本発明のエポキシ化合物の製造方法におけるタングステン化合物の使用量は、分子中に炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、0.0001〜20モル%程度、好ましくは0.01〜10モル%程度の範囲から選ばれる。

0038

(4)リン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩
本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるリン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩としては、過酸化水素による炭素−炭素二重結合のエポキシ化反応を触媒し得るリン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩であれば、特に限定されない。本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるリン酸類としては、例えば、リン酸ポリリン酸ピロリン酸ヘキサメタリン酸次亜リン酸亜リン酸ドデシルリン酸、2−エチルヘキシルリン酸等が挙げられる。本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるリン酸類の塩としては、例えば、リン酸ナトリウムリン酸カリウムリン酸アンモニウムリン酸二水素ナトリウムリン酸水素二ナトリウムリン酸水素カリウムリン酸水素アンモニウムポリリン酸ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウム酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム次亜リン酸ナトリウム亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるホスホン酸類としては、例えば、メチルホスホン酸エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸イソプロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、4−アミノフェニルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビス(ホスホン酸)、ニトリトリス(メチレンホスホン酸)等が挙げられる。本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるホスホン酸類の塩としては、例えば、フェニルホスホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中では、入手性や反応活性の観点から、リン酸、フェニルホスホン酸、亜リン酸、次亜リン酸、2−エチルヘキシルリン酸、ラウリルリン酸、リン酸二水素ナトリウム等が好ましく、中でもフェニルホスホン酸が特に好ましい。本発明においては、上記のリン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩からなる群より選ばれる1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。

0039

本発明のエポキシ化合物の製造方法におけるリン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩の使用量は、分子中に炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、0.0001〜10モル%程度、好ましくは0.01〜10モル%程度の範囲から選ばれる。

0040

(5)式(I)で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩
本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用される式(I)で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩としては、過酸化水素による炭素−炭素二重結合のエポキシ化反応において相間移動触媒として作用するものであれば、いずれのオニウム塩を使用することができる。そのようなオニウム塩としては、例えば、第4級アンモニウム塩、窒素環含有第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第4級スルホニウム塩大環状ポリエーテル類等が挙げられる。これらの内、第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩が好ましい。

0041

(5−1)オニウム塩のカチオン
第4級アンモニウム塩のカチオンとしては、アリール基を有するものやアルキル基からなるものが挙げられる。アリール基を有するものとしては、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウムフェニルトリメチルアンモニウムラウリルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。アルキル基からなるものとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムテトラエチルアンモニウムテトラプロピルアンモニウムテトラブチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ジデシルジエチルアンモニウム、ジデシルジプロピルアンモニウム、ジオレイルジメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、ジオクタデシルジメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジセチルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、トリカプリルメチルアンモニウム、パルミチルジメチルエチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ラウリルジメチルエチルアンモニウム等が挙げられる。これらの中で、有機溶媒への可溶性の観点から、アルキル基からなるものが好ましく、アルキル基に含まれる炭素原子総数が16以上であるものがより好ましい。さらに、触媒活性の観点から、炭素原子数が8以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましく、最も炭素原子数の多い長鎖アルキル基の炭素原子数と最も炭素原子数の少ないアルキル基の炭素原子数のとの差が7以上であるものがより好ましく、具体的には、トリオクチルメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ジデシルジエチルアンモニウム、ジデシルジプロピルアンモニウム、ジオレイルジメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、ジオクタデシルジメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジセチルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、トリカプリルメチルアンモニウム、パルミチルジメチルエチルアンモニウム、ラウリルジメチルエチルアンモニウムが好ましい。

0042

窒素環含有第4級アンモニウム塩のカチオンとしては、窒素環がピリジン環ピコリン環、キノリン環イミダゾリン環またはモルホリン環等の窒素含有複素環からなる第4級アンモニウムが挙げられる。これらの内、ピリジン環からなる第4級アンモニウムが好ましい。具体例として、アルキル(炭素数8〜20の直鎖または分岐のアルキル、以下の窒素環含有第4級アンモニウム塩のカチオンの説明において同様)ピリジニウム(例えば、N−ラウリルピリジニウム、N−セチルピリジニウム等)、アルキルピコリウム(例えば、N−ラウリルピコリニウム)、アルキルキノリウム、アルキルイソキノリウム、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、アルキルヒドロキシモルホリン等が挙げられる。

0043

第4級ホスホニウム塩のカチオンとしては、テトラメチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリブチル(ヘキサデシル)ホスホニウム、トリエチルフェニルホスホニウム等が挙げられる。

0044

第4級スルホニウム塩のカチオンとしては、トリエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスルホニウムイオジド等が挙げられる。

0045

(5−2)オニウム塩のアニオン
本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるオニウム塩のアニオンは、式(I):



[式中、R1は1〜3個のフェニル基により置換されていてもよい、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基である]
で表されるアルキル硫酸イオンである。

0046

上記式(I)中、R1は炭素数1〜18の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、より特に好ましくは炭素数1〜3の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、さらにより特に好ましくはメチル基またはエチル基である。また、かかる直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基は1〜3個のフェニル基により置換されていてもよく、好ましくは1〜2個のフェニル基により置換されていてもよく、より好ましくは1個のフェニル基により置換されていてもよい。

0047

したがって、上記式(I)におけるR1としては、ベンジル基イソプロピル基ノルマルプロピル基、エチル基、メチル基等が挙げられる。

0048

これらの中で、本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるオニウム塩のアニオンは、入手性の観点から、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、プロピル硫酸イオン等の、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンが好ましく、特にメチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオンが好ましい。

0049

(5−3)オニウム塩
本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるオニウム塩としては、上記のオニウム塩のカチオンおよびオニウム塩のアニオンの中から適宜組み合わせて使用することができる。以上のようにして選択されたオニウム塩は、それらの内の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。

0050

本発明のエポキシ化合物の製造方法において使用されるオニウム塩は、公知の方法で合成することができる。例えば、特開平9−67320号公報のように非イオン界面活性剤反応溶媒として3級アミンとジアルキル硫酸とを反応させることで合成することができる。

0051

本発明のエポキシ化合物の製造方法におけるオニウム塩の使用量は、分子中に炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、0.0001〜20モル%程度、好ましくは0.01〜10モル%程度の範囲から選ばれる。

0052

(6)有機溶媒
本発明のエポキシ化合物の製造方法においては、基質の溶解・分散性向上、反応速度の調整や反応副生成物の生成抑制のために、必要に応じて、反応系内に有機溶媒を加えてもよい。特に、オレフィン化合物固体である場合など、有機溶媒を含む反応液は操作性が向上する点で用いることが好ましい。

0053

本発明のエポキシ化合物の製造方法において、有機溶媒を使用する際、分子中に炭素−炭素二重結合を有する有機化合物は、有機溶媒中に溶解していても、懸濁状態でもよいが、通常、反応温度条件下で有機溶媒に溶解していることが好ましい。

0054

本発明において用いられる有機溶媒は、使用する有機化合物や、前記活性触媒に対して不活性であれば特に限定はされないが、具体的にはベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン(シクロヘキサンn−ヘキサンを含む)、ヘプタンオクタンドデカン等の脂肪族炭化水素類メタノールエタノールイソプロパノールブタノールヘキサノールシクロヘキサノール等のアルコール類クロロホルムジクロロメタンジクロロエタン等のハロゲン系溶媒テトラヒドロフランジオキサン等のエーテル類メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノン等のケトン類アセトニトリルブチロニトリル等のニトリル類酢酸エチル酢酸ブチル蟻酸メチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のウレア類;及びこれら溶媒の混合物が挙げられ、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、またはこれらの混合物が好ましい。さらに反応に対して安定である芳香族炭化水素類が好ましく、より好ましくは反応温度より高い沸点を有するトルエンが挙げられる。特に反応活性の高い前記活性触媒を使用する際に、水と二相系を形成する有機溶媒を用いて、二相系反応で行うことが反応の効率や操作上好ましいためである。

0055

本発明における有機溶媒の使用量は、有機化合物の溶解度や各種物性により適宜調整して使用することができ、特に限定されるものではないが、生産性と安全性の観点から、分子中に炭素−炭素二重結合を有する有機化合物の、1〜500モル%程度、好ましくは10〜300モル%程度、あるいは5倍量以下であり、好ましくは3倍量以下である。

0056

(7)中性無機塩
本発明のエポキシ化合物の製造方法においては、必要に応じて、中性無機塩の存在下に、炭素−炭素二重結合のエポキシ化反応を行ってもよい。そのような中性無機塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩炭酸塩リン酸塩等があげられる。入手性の観点からは、硫酸塩が好ましく、硫酸リチウム硫酸ナトリウム硫酸カリウム硫酸カルシウム硫酸マグネシウム等がより好ましく、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム等が特により好ましい。当該中性無機塩は、無水物でも水和物でもよく、またはそれらの混合物であってもよい。中性無機塩は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。中性無機塩の使用量は、分子中に炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に対して、0.1〜500モル%程度、好ましくは1〜50モル%程度の範囲から選ばれる。

0057

(8)エポキシ化反応
(8−1)反応系中のpH
本発明のエポキシ化合物の製造方法における反応系内の水相のpH値は、エポキシ化反応の速度の向上や副生成物の生成を抑制する観点から、3.0〜7.0とすることが好ましく、4.0〜7.0とすることがより好ましく、4.5〜7.0あるいは4.0〜6.5とすることが特により好ましい。なお、触媒組成に応じて、反応系内のpHが上記の範囲内でない場合には、硫酸などの酸、リン酸塩などの酸性塩水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等を用いて、反応系内のpHを上記範囲内に調製して、エポキシ化反応を実施することができる。

0058

(8−2)反応温度および反応時間
本発明のエポキシ化合物の製造方法において、反応温度は、通常、0〜80℃程度であり、好ましくは20〜50℃程度、より好ましくは30〜40℃程度である。

0059

本発明のエポキシ化合物の製造方法における反応時間は、用いる触媒の量や反応温度等により適宜決定すればよいが、通常は1〜50時間程度、好ましくは5〜30時間程度である。

0060

(8−3)エポキシ化反応の手順
本発明のエポキシ化合物の製造方法を実施するにあたっては、例えば、反応系内に、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物;タングステン化合物;リン酸類、ホスホン酸類若しくはこれらの塩;式(I)で表されるアルキル硫酸イオンをアニオンとするオニウム塩;並びに必要に応じて有機溶媒および/または中性無機塩を投入して混合し、これに過酸化水素を滴下し、所定の温度で攪拌してエポキシ化反応を行うことができる。この添加順は、必要に応じて変更してもよい。

0061

(8−4)エポキシ化反応後の処理
反応終了後は、生成物を公知の方法で分離し、必要に応じて精製して、目的物のエポキシ化合物を得ることができる。例えば、生成物から蒸留によって、目的物のエポキシ化合物を得ることができる。あるいは生成物が固体の場合は生成物を含む溶媒中から晶析によって目的物を得ることもできる。また、必要に応じて、チオ硫酸ナトリウム水溶液等で残留する過酸化水素を分解してもよい。

0062

(8−5)エポキシ化反応の効率性の指標
このようにして、本発明のエポキシ化合物の製造方法によれば、炭素−炭素二重結合を有する化合物から、エポキシ化合物を、高い転化率、選択率および収率で得ることができる。エポキシ化合物はガスクロマトグラフィーを用い、ノナン内部標準物質とした内部標準法によって定量分析することができる。

0063

ここで、「エポキシ化合物の収率」は、
[数1]
エポキシ化合物の収率=(反応後得られたエポキシ化合物のモル数)/(仕込んだオレフィンのモル数)×100
により算出することができる。

0064

また、「副生成物の収率」は、
[数2]
副生成物の収率=((仕込んだオレフィンのモル数)−(反応後得られたエポキシ化合物のモル数))/(仕込んだオレフィンのモル数)×100
により算出することができる。

0065

従って、「エポキシ化合物の選択率」は、
[数3]
エポキシ化合物の選択率=(エポキシ化合物の収率)/(仕込んだオレフィンの転化率)×100
により算出することができる。

0066

また、「副生成物の選択率」は、
[数4]
副生成物の選択率=(副生成物の収率)/(仕込んだオレフィンの転化率)×100
により算出することができる。

0067

本発明のエポキシ化合物の製造方法の好ましい実施態様によれば、エポキシ化合物の選択率に対する副生成物の選択率の比が0.25以下になり、さらに好ましい実施態様では、0.1以下となる。

0068

以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。

0069

<実施例1>
温度計攪拌機還流管滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.9g、トルエン6.58g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.42g、トリオクチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩2.12g、フェニルホスホン酸0.694g、および無水硫酸ナトリウム2.81gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.7gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、4.0〜6.5であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は96%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は91%(収率86%)、副生成物の選択率は9%(収率8%)であった。

0070

<実施例2>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.9g、トルエン6.6g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.43g、ジデシルジメチルアンモニウム・メチル硫酸塩1.88g、フェニルホスホン酸0.69g、および無水硫酸ナトリウム2.76gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.7gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、4.7〜6.5であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は97%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は92%(収率90%)、副生成物の選択率は8%(収率8%)であった。

0071

<実施例3>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.8g、トルエン6.6g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.43g、ジデシルジメチルアンモニウム・メチル硫酸塩1.93g、およびフェニルホスホン酸0.72gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.8gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、4.1〜5.3であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は99%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は84%(収率83%)、副生成物の選択率は16%(収率16%)であった。

0072

<実施例4>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.9g、トルエン6.59g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.44g、パルミチルジメチルエチルアンモニウム・エチル硫酸塩1.88g、フェニルホスホン酸0.679g、および無水硫酸ナトリウム2.76gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.7gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜5.6であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は86%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は81%(収率69%)、副生成物の選択率は19%(収率16%)であった。

0073

<実施例5>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(5)で表されるジオレフィン化合物2.00g、トルエン0.510g、タングステン酸ナトリウム2水和物69.2mg、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・メチル硫酸塩99.0mg、フェニルホスホン酸32.3mg、および無水硫酸ナトリウム139.3mg、45%過酸化水素水1.60gを投入し、その後、30℃で11時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜4.1であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(5)で表される化合物の転化率は83%、式(6)〜式(8)で表されるエポキシ化合物の選択率は99%(収率81%)、副生成物の選択率は1%(収率1%)であった。

0074

<実施例6>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(5)で表されるジオレフィン化合物2.01g、トルエン0.505g、タングステン酸ナトリウム2水和物72.3mg、ラウリルジメチルエチルアンモニウム・エチル硫酸塩116mg、フェニルホスホン酸33.9g、および無水硫酸ナトリウム136.8g、45%過酸化水素水1.60gを投入し、その後、30℃で11時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜4.1であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(5)で表される化合物の転化率は87%、式(6)〜式(8)で表されるエポキシ化合物の選択率は91%(収率79%)、副生成物の選択率は9%(収率8%)であった。

0075

<実施例7>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(5)で表されるジオレフィン化合物2.01g、トルエン0.502g、タングステン酸ナトリウム2水和物70.5g、パルミチルジメチルエチルアンモニウム・エチル硫酸塩63.9mg、フェニルホスホン酸35.9mg、および無水硫酸ナトリウム139.8mg、45%過酸化水素水1.60gを投入し、その後、30℃で11時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜4.1であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(5)で表される化合物の転化率は87%、式(6)〜式(8)で表されるエポキシ化合物の選択率は88%(収率76%)、副生成物の選択率は13%(収率11%)であった。

0076

<実施例8>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(9)で表されるジオレフィン化合物2.05g、トルエン0.604g、タングステン酸ナトリウム2水和物117mg、ラウリルジメチルエチルアンモニウム・エチル硫酸塩240mg、フェニルホスホン酸60.0mg、および無水硫酸ナトリウム241mg、45%過酸化水素水1.40gを投入し、その後、30℃で11時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜4.1であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(9)で表される化合物の転化率は79%、式(10)〜式(12)で表されるエポキシ化合物の選択率は93%(収率74%)、副生成物の選択率は7%(収率6%)であった。

0077

<実施例9>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(9)で表されるジオレフィン化合物1.99g、トルエン0.513g、タングステン酸ナトリウム2水和物126mg、パルミチルジメチルエチルアンモニウム・エチル硫酸塩192mg、フェニルホスホン酸60.0mg、および無水硫酸ナトリウム21mg、45%過酸化水素水1.40gを投入し、その後、30℃で11時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜4.1であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(9)で表される化合物の転化率は79%、式(10)〜式(12)で表されるエポキシ化合物の選択率は97%(収率76%)、副生成物の選択率は3%(収率3%)であった。

0078

<実施例10>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(9)で表されるジオレフィン化合物2.02g、トルエン0.503g、タングステン酸ナトリウム2水和物136mg、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・メチル硫酸塩159mg、フェニルホスホン酸56.0mg、および無水硫酸ナトリウム230mg、45%過酸化水素水1.40gを投入し、その後、30℃で11時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜4.1であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(9)で表される化合物の転化率は72%、式(10)〜式(12)で表されるエポキシ化合物の選択率は98%(収率71%)、副生成物の選択率は2%(収率1%)であった。

0079

<比較例1>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.9g、トルエン6.51g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.41g、トリオクチルメチルアンモニウム・硫酸水素塩1.99g、フェニルホスホン酸0.344g、および無水硫酸ナトリウム2.75gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.67gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、1.3〜2.7あった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は96%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は74%(収率72%)、副生成物の選択率は26%(収率25%)であった。

0080

<比較例2>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.8g、トルエン6.6g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.43g、ジデシルジメチルアンモニウム・クロリド1.55g、フェニルホスホン酸0.72g、および無水硫酸ナトリウム2.76gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.7gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、3.8〜5.6であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は74%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は86%(収率64%)、副生成物の選択率は14%(収率10%)であった。

0081

<比較例3>
温度計、攪拌機、還流管、滴下装置を備えた反応容器に、式(1)で表されるジオレフィン化合物25.8g、トルエン6.46g、タングステン酸ナトリウム2水和物1.42g、ジデシルジメチルアンモニウム・クロリド1.55g、フェニルホスホン酸0.648g、および無水硫酸ナトリウム2.80gを投入し、その後、25℃で攪拌しながら45%過酸化水素水32.7gを4時間かけて滴下した後、30℃で7時間反応を行なった。反応中の反応溶液のpHは、2.8〜3.8であった。反応後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、式(1)で表される化合物の転化率は95%、式(2)〜式(4)で表されるエポキシ化合物の選択率は29%(収率28%)、副生成物の選択率は71%(収率67%)であった。

0082

実施例1〜10および比較例1〜3の結果は以下の表1および表2の通りであった。エポキシ収率が65%以上かつ副生成物収率が20%以下を合格とした。

0083

0084

以上の表1および表2に示された結果によると、以下のことが考察できる。

0085

実施例1および比較例1の結果を対比すると、オニウム塩のアニオンとしてメチル硫酸イオンを用いた実施例1は、硫酸水素を用いた比較例1と比較して副生成物の収率が低くなる傾向が見受けられた。このことより、オニウム塩のアニオンとしてメチル硫酸イオンを用いると副生成物の少ない、効率的なエポキシ化反応が可能であることが示唆された。

0086

実施例2並びに比較例2および3の結果を対比すると、オニウム塩のアニオンとしてメチル硫酸イオンを用いた実施例2は、クロリドを用いた比較例2および3と比較してエポキシ選択率が高くなる傾向が見受けられた。このことより、オニウム塩のアニオンとしてメチル硫酸イオンを用いるとエポキシ選択率の高い、効率的なエポキシ化反応が可能であることが示唆された。

実施例

0087

実施例1〜10の結果によれば、オニウム塩のアニオンとして、メチル硫酸またはエチル硫酸を用いる限り、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物の化学構造に関わらず、また、オニウム塩のカチオン(4級アンモニウム)のアルキル基の炭素数や炭素数8以上の長鎖アルキルの本数に関わらず、さらに、中性無機塩として無水硫酸ナトリウムを含有するか否かに関わらず、エポキシ収率が65%以上、かつ副生成物収率が20%以下の、効率的なエポキシ化反応が可能であることが示唆された。

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